JP2003164276A - 新規なエンテロコッカス属乳酸菌及びその培養物 - Google Patents

新規なエンテロコッカス属乳酸菌及びその培養物

Info

Publication number
JP2003164276A
JP2003164276A JP2001367338A JP2001367338A JP2003164276A JP 2003164276 A JP2003164276 A JP 2003164276A JP 2001367338 A JP2001367338 A JP 2001367338A JP 2001367338 A JP2001367338 A JP 2001367338A JP 2003164276 A JP2003164276 A JP 2003164276A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
culture
bacteriostatic
bacteria
enterococcus
supernatant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001367338A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisatoshi Tajiri
寿利 田尻
Sayaka Soma
さやか 相馬
Harumi Nomiyama
晴美 野見山
Shinya Shimada
信也 島田
Yasuhide Tanimoto
保英 谷本
Megumi Moriyama
恵 森山
Sadamichi Kawasaki
貞道 川崎
Riyuukaku Boku
龍鶴 朴
Izumi Kawakami
いずみ 川上
Kenji Sonomoto
謙二 園元
Genta Kobayashi
元太 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OMU MILK PRODUCTS CO Ltd
YAMAYA COMMUNICATIONS KK
Kumamoto Flour Milling Co Ltd
Original Assignee
OMU MILK PRODUCTS CO Ltd
YAMAYA COMMUNICATIONS KK
Kumamoto Flour Milling Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OMU MILK PRODUCTS CO Ltd, YAMAYA COMMUNICATIONS KK, Kumamoto Flour Milling Co Ltd filed Critical OMU MILK PRODUCTS CO Ltd
Priority to JP2001367338A priority Critical patent/JP2003164276A/ja
Publication of JP2003164276A publication Critical patent/JP2003164276A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度の耐熱性があり、広いpH領域で使用さ
れ、食品の変敗菌や食中毒菌に有効な新規な微生物から
得られた静菌物質を提供する。 【構成】 微工研菌寄託番号FERM P−18600
号として寄託されているエンテロコッカス マンティに
属する新規微生物、この微生物から得られる静菌物質を
含有する培養物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は乳酸菌、エンテロコ
ッカス マンティ(Enterococcus mundtii)に属する新
規な微生物、及びこれが産生する食品の変性、腐敗防止
に効果を有する静菌物質を含有する培養物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乳酸菌は乳酸、有機酸、過酸化水
素、アセトアルデヒド、ジアセチルなどの抗菌物質を産
生し、有害な雑菌の繁殖を抑えることが知られている。
近時、ある種の乳酸菌がバクテリオシンと呼ばれる蛋白
質性静菌物質を産生していることが判明した。このバク
テリオシン或いはこの種の乳酸菌の培養物を食品に添加
することにより温和な条件で食品の腐敗を防止する方法
が研究されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バクテ
リオシンは耐熱性、pH安定性及び抗菌スペクトルの特
異性等に問題があり、現実に使用できるバクテリオシン
は少なく、その利用方法も限られているのが現状であ
る。そこで、クロストリジア、リステリア等のより多く
の種類の食品腐敗菌を抑制し、熱などの食品環境に耐え
得ると共に、広いpH域で使用できる静菌物質を産生す
る乳酸菌が強く求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
することを目的とし、その構成は、微工研菌寄託番号F
ERM P−18600号として寄託されているエンテ
ロコッカス マンティに属する新規微生物、この微生物
から得られる静菌物質を含有する培養物を特徴とする。
【0005】すなわち、本発明はエンテロコッカス マ
ンティ a1(Enterococcus mundtii a1 )が新規な乳
酸菌であり、微工研にFERM P−18600号とし
て寄託してある。その生物学的特性より新規な菌である
ことが判明した。この菌が産生する静菌物質は高度の耐
熱性を有し、広いpH域で有効であり、特異な抗菌スペ
クトルを有し、特にリステリアに有効である。食品に使
用する場合は主に培養物を用いる。培養物とは培養液、
培養液上清及び培養液精製物、更にはこれらを粉末化し
たものを含む。培養物は静菌物質を含有し、一定の力価
を有する製品にして提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の新規微生物はFERM
P−18600号として微工研に寄託してあり、標準条
件で培養して2連ないし連鎖状球菌であり、グラム陽
性、カタラーゼ陰性、非運動性、非胞子形成性であり、
L−乳酸対糖収率も90%以上に達する。本発明で得ら
れる静菌物質は115℃、30分以上、或いは121
℃、15分以上の優れた耐熱性を有し、pH1〜11の
広い範囲で安定である。
【0007】
【実施例】実施例1(菌の糖資化性) 菌の同定を行うため各種糖の資化性について検討し、表
1及び表2に示した。菌の形状及びこれら糖類及び多価
アルコール類の資化性より文献(APPLIEDAND ENVIRONME
NTAL MICROBIOLOGY, VOL. 65 1999, p.4425-4430 )を
基に検索したところエンテロコッカス属であるが、いず
れの菌株の性状にも一致せず、新種の菌であることが判
明した。特に、糖資化性を詳細に検討したところ、ラム
ノースを資化し、D−ラフィノース、D−ツラノース及
びグルコネートを資化しない点で他の公知の菌株とは相
違している。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】実施例2(抗菌スペクトル) (1)培養物の調製 本発明微生物をMRS broth(OXOID社製)
にて培養し、10000rpm、20分遠心分離を行
い、菌体を除去した後の上清を静菌性の培養物として使
用した。 (2)試験方法 MRS agar(OXOID社製)の平板培地上に供
試菌株を1%接種したトリプトソイ寒天培地(Difc
o社製)を分注して重層した平板培地を作製した。上記
培養液上清を2の1乗、2乗、3乗と順次2の乗数倍希
釈して10μlずつ重層平板培地上に滴下し、供試菌株
の最適温度にて培養を行い、クリアゾーンが見られたも
のを生育阻止ありと判定した。試験結果を表3に示し
た。
【0011】
【表3】
【0012】表3より、食品変敗菌であるラクトバチル
ス・プランタラムやロイコノストック属に有効であるこ
とが判明した。更に、食中毒菌であるリステリアやクロ
ストリジアにも静菌効果が確認され、特にリステリアに
対して強力な静菌効果が得られた。
【0013】実施例3(耐熱性試験) 培養液上清をオートクレーブを用いて加熱加圧処理を行
い、活性の有無について確認を行った。供試菌株とし
て、Lactobacillus plantarum ATCC 14917 T を用
い、実施例2の抗菌スペクトルの試験方法に準じて上清
の活性について検討した。その結果、110℃、30分
加熱した上清、121℃、15分加熱した上清の悉くが
未加熱の上清と同等の静菌活性を有した。この事実よ
り、本発明の培養物は熱に対して非常に安定であるとこ
とが判明した。
【0014】実施例4(pH安定性試験) 培養液上清を塩酸及び水酸化ナトリウムを用いてpH2
〜12に調整し、活性の有無について確認を行った。供
試菌株として、Lactobacillus plantarum ATCC 14
917 T を用い、実施例2の抗菌スペクトルの試験方法に
準じて上清の活性について検討した。その結果、pH2
から11の領域で静菌活性を発現した。この結果より、
本発明培養物は幅広いpH範囲で安定して使用できるこ
とが判明した。
【0015】実施例5(酵素分解性試験) 培養液の上清に下記要領で酵素を添加し、30℃及び3
7℃で6時間反応させた後、静菌活性の有無を確認し
た。供試菌株として、Lactobacillus plantarum ATC
C 14917 T を用い、実施例2の抗菌スペクトルの試験
方法に準じて上清の活性について検討した。α−キモト
リプシン及びトリプシンは30℃で試験を行い、フィチ
ン、パパイン、プロティナーゼK及びアクチナーゼEは
37℃で試験を行った。その結果すべての酵素処理試料
が活性を失っていた。酵素を添加しないコントロールは
30℃、37℃共に活性であった。この事実より、本発
明培養物中の静菌物質は蛋白質分解酵素により速やかに
分解され、蛋白質或いはポリペプチドの構造を有するも
のと判断することができる。
【0016】
【発明の効果】新規な微生物から得られた本発明培養物
により、高度の耐熱性があり、広いpH領域で使用さ
れ、食品の変敗菌や食中毒菌に有効な静菌物質を提供す
ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 田尻 寿利 福岡県福岡市東区松島5−27−5 株式会 社やまやコミュニケーションズ内 (72)発明者 相馬 さやか 福岡県福岡市東区松島5−27−5 株式会 社やまやコミュニケーションズ内 (72)発明者 野見山 晴美 福岡県福岡市東区松島5−27−5 株式会 社やまやコミュニケーションズ内 (72)発明者 島田 信也 福岡県大牟田市新勝立町1丁目38−1 オ ーム乳業株式会社内 (72)発明者 谷本 保英 福岡県大牟田市新勝立町1丁目38−1 オ ーム乳業株式会社内 (72)発明者 森山 恵 福岡県大牟田市新勝立町1丁目38−1 オ ーム乳業株式会社内 (72)発明者 川崎 貞道 熊本市花園1丁目25−1 熊本製粉株式会 社内 (72)発明者 朴 龍鶴 熊本市花園1丁目25−1 熊本製粉株式会 社内 (72)発明者 川上 いずみ 熊本市花園1丁目25−1 熊本製粉株式会 社内 (72)発明者 園元 謙二 福岡市東区箱崎6−10−1 九州大学内 (72)発明者 小林 元太 福岡市東区箱崎6−10−1 九州大学内 Fターム(参考) 4B065 AA01X BA22 CA34 CA41

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微工研菌寄託番号、FERM P−18
    600号として寄託されているエンテロコッカス マン
    ティに属する新規微生物。
  2. 【請求項2】 微工研菌寄番号、FERM P−186
    00号として寄託されているエンテロコッカス マンテ
    ィに属する新規微生物が産生する培養物。
  3. 【請求項3】 培養物に静菌物質が含有されていること
    を特徴とする請求項2記載の培養物。
JP2001367338A 2001-11-30 2001-11-30 新規なエンテロコッカス属乳酸菌及びその培養物 Pending JP2003164276A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001367338A JP2003164276A (ja) 2001-11-30 2001-11-30 新規なエンテロコッカス属乳酸菌及びその培養物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001367338A JP2003164276A (ja) 2001-11-30 2001-11-30 新規なエンテロコッカス属乳酸菌及びその培養物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003164276A true JP2003164276A (ja) 2003-06-10

Family

ID=19177099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001367338A Pending JP2003164276A (ja) 2001-11-30 2001-11-30 新規なエンテロコッカス属乳酸菌及びその培養物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003164276A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012008589A1 (ja) * 2010-07-16 2012-01-19 国立大学法人九州大学 ペントース及びセロオリゴ糖類存在下での乳酸菌によるl-乳酸の生産方法
JP5881017B2 (ja) * 2010-11-05 2016-03-09 国立大学法人広島大学 籾殻または玄米から単離された植物乳酸菌およびその利用

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012008589A1 (ja) * 2010-07-16 2012-01-19 国立大学法人九州大学 ペントース及びセロオリゴ糖類存在下での乳酸菌によるl-乳酸の生産方法
JP2013165719A (ja) * 2010-07-16 2013-08-29 Sumitomo Corp ペントース及びセロオリゴ糖類存在下での乳酸菌によるl−乳酸の生産方法
JP5307295B2 (ja) * 2010-07-16 2013-10-02 住友商事株式会社 ペントース及びセロオリゴ糖類存在下での乳酸菌によるl−乳酸の生産方法
US9234219B2 (en) 2010-07-16 2016-01-12 Kyushu University, National University Corporation Method for producing L-lactic acid by lactic acid bacterium under presence of pentose and cellooligosaccharides
JP5881017B2 (ja) * 2010-11-05 2016-03-09 国立大学法人広島大学 籾殻または玄米から単離された植物乳酸菌およびその利用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Daeschel et al. Bacteriocidal activity ofLactobacillus plantarum C-11
Setlow et al. Spores and their significance
EP1002051B1 (en) Probiotic strains from lactobacillus salivarius and antimicrobial agents obtained therefrom
Olympia et al. Characterization of starch-hydrolyzing lactic acid bacteria isolated from a fermented fish and rice food,“burong isda”, and its amylolytic enzyme
Abo-Amer Characterization of a bacteriocin-like inhibitory substance produced by Lactobacillus plantarum isolated from Egyptian home-made yogurt
Suma et al. Plantaricin LP84, a broad spectrum heat-stable bacteriocin of Lactobacillus plantarum NCIM 2084 produced in a simple glucose broth medium
Franz et al. Plantaricin D, a bacteriocin produced by Lactobacillus plantarum BFE 905 from ready‐to‐eat salad
Mandal et al. Isolation and characterization of pediocin NV 5 producing Pediococcus acidilactici LAB 5 from vacuum-packed fermented meat product
Sifour et al. Production and Caracterization of Bacteriocin of Lactobacillus plantarum F12 with Inhibitory Activity against Listeria monocytogenes
Gao et al. Purification and characteristics of a novel bacteriocin produced by Enterococcus faecalis L11 isolated from Chinese traditional fermented cucumber
Mah et al. Bacteriocin with a broad antimicrobial spectirum, produced by Bacillus sp. isolated from Kimchi
Bang et al. Effect of high hydrostatic pressure on the enzyme activities in Saccharomyces cerevisiae and Escherichia coli
Abouloifa et al. Technological properties of potential probiotic lactobacillus strains isolated from traditional fermenting green olive
Pongsetkul et al. Bacillus subtilis K‐C3 isolated from Thai salted shrimp paste (Kapi): Its extracellular enzymes and use as a starter culture in Kapi production
Olasupo et al. Bacteriocin production by Enterococcus faecium NA01 from ‘wara’—a fermented skimmed cow milk product from West Africa
Kim et al. Characterization of antimicrobial substance produced by Lactobacillus paraplantarum KNUC25 isolated from kimchi
Marie et al. Characterization of a bacteriocin produced by Lactobacillus plantarum Lp6SH isolated from" Sha'a", a maize-based traditionally fermented beverage from cameroon
Mitra et al. Production and characterization of nisin-like peptide produced by a strain of Lactococcus lactis isolated from fermented milk
Marie et al. Characterization of bacteriocin produced by Lactobacillus rhamnosus 1K isolated from traditionally fermented milk in the western highlands region of Cameroon.
KR102269477B1 (ko) 신규한 바실러스 벨레젠시스 wk2019 균주 및 이를 이용한 우유발효물 제조방법
ZHANG et al. Influence of pH, heat and enzymatic treatments on the activity of antibacterial substance in MRS and milk media produced by Lactobacillus fermentum F6
Lim et al. Bactericidal effect of bacteriocin of Lactobacillus plantarum K11 isolated from Dongchimi on Escherichia coli O157
JP2003164276A (ja) 新規なエンテロコッカス属乳酸菌及びその培養物
JP5622110B2 (ja) 新規乳酸菌
Prema et al. Detection, purification and efficacy of warnerin produced by Staphylococcus warneri

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040921

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20041012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070515

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02