JP2003163599A - 誤り訂正復号装置 - Google Patents

誤り訂正復号装置

Info

Publication number
JP2003163599A
JP2003163599A JP2001361698A JP2001361698A JP2003163599A JP 2003163599 A JP2003163599 A JP 2003163599A JP 2001361698 A JP2001361698 A JP 2001361698A JP 2001361698 A JP2001361698 A JP 2001361698A JP 2003163599 A JP2003163599 A JP 2003163599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probability
calculation
reliability information
backward
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001361698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3828791B2 (ja
Inventor
Keiichi Kitagawa
恵一 北川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001361698A priority Critical patent/JP3828791B2/ja
Publication of JP2003163599A publication Critical patent/JP2003163599A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3828791B2 publication Critical patent/JP3828791B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detection And Correction Of Errors (AREA)
  • Error Detection And Correction (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターボ復号を行う誤り訂正復号装置の処
理時間の増大を最小限に抑えかつ、回路規模の削減を実
現する。 【解決手段】 第1の後方用確率、第2の後方用確率、
前方用確率、信頼度情報の第1段階結果及び信頼度情報
の第2段階結果をレジスタファイル303−1〜8に保
持し、この保持した各データから選択部304で選択し
たデータを用いて、前方用確率、後方用確率及び信頼度
情報を算出する確率演算部305−1〜8を具備する構
成を採る。この構成によれば、前方用確率演算、後方用
確率演算及び信頼度情報演算において、同一の確率演算
部にてパイプライン処理を行うことができるので、前方
用確率演算、後方用確率演算及び信頼度情報演算を同一
の演算回路で行うことができ、かつ各値の算出に要する
処理時間の増大を最小限に抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、送信データを畳み
込み符号及びインタリーブとを組み合わせたターボ符号
に変換して送信し、その符号化データを受信し、誤りが
含まれている場合でも、その誤りを訂正して復号を行う
誤り訂正復号装置に関する。
【0001】
【従来の技術】従来、W−CDMA(Wideband
Code Division Multiple Acc
ess)方式などの通信システムにおける誤り訂正方法
としては、ターボ符復号方式が用いられている。ターボ
符復号方式は、送信データに対して、畳み込み符号化と
インタリーブを併用し、復号時に繰り返し復号すること
を特徴としている。繰り返し復号処理をすることによ
り、ランダム誤りは勿論のこと、バースト誤りに対して
も優れた誤り訂正能力を示すことが知られている。
【0002】図19にターボ符復号化を適用した通信シ
ステムの例を示す。図19に示す通信システムは、送信
データubをターボ符号化する符号化部1801と、無
線回線等の通信路1802と、復号部1803から構成
される。送信側の符号化部1801は送信データubの
ターボ符号化を行い、符号化データxa,xb,xcを
通信路1802に送出し、この通信路1802を伝搬し
てきた符号化データya,yb,ycを受信側の復号部
1803に入力し、復号部1803はターボ復号を行っ
て受信データub'を復元する。
【0003】送信側の符号化部1801は、畳み込み符
号化部(ENC1,ENC2)1804,1805と、
インタリーブ部(π)1806から構成され、図示しな
い送信部により多重化、変調が行われ、送信が行われ
る。ここで、畳み込み符号化部(ENC1)1804は
送信データubの畳み込み符号化を行い、畳み込み符号
化部(ENC2)1805は送信データubをインタリ
ーブ部1806によりインタリーブしたものを畳み込み
符号化する。すなわち、ターボ符号化データは、送信デ
ータxa(=ub)と、送信データxaを畳み込み符号
化したデータxbと、送信データxaをインタリーブし
た後に畳み込み符号化したデータxcからなり、これら
が3多重され送信されることとなる。また、更に多段化
して多重化数を増やすことも可能である。
【0004】復号部1803は、軟判定復号部(DEC
1,DEC2)1807,1809と、インタリーブ部
(π)1808と、デインタリーブ部1810とから構
成される。通信路1802を伝搬してきた受信信号を図
示しない受信部により復調し、復調後の受信データy
a,yb,ycが復号部1803に入力される。復号部
1803内では、軟判定復号部1807に受信データy
a,ybを入力し軟判定復号を行う。受信データyc
は、送信データubをインタリーブして畳み込み符号化
したデータxcに相当する。軟判定復号部(DEC1)
1807の復号データは、インタリーブ部1808によ
り、インタリーブされたデータxcと対応するようにイ
ンタリーブされて、受信データycとともに軟判定復号
部(DEC2)1809に入力される。軟判定復号部
(DEC2)1809では軟判定復号が行われ、デイン
タリーブ部1810では、復号データに対してデインタ
リーブが行われ、復号データub'が生成される。この
復号データub'を受信データyaとともに再度、軟判
定復号部(DEC1)1807に入力し、前述の動作を
繰り返すことで、優れた誤り訂正復号が実現される。タ
ーボ復号の復号方式としては、MAP復号化方式と、S
OVA復号化方式とが知られている。SOVA方式の演
算量は少なく、一方、誤り訂正能力はMAP方式のほう
が優れる。また、MAP方式における演算を容易にする
ため対数領域で演算を行うLog−MAP方式もある。
【0005】図13にMAP方式及びLog−MAP方
式による従来例のターボ復号器の構成を示す。以降、タ
ーボ符号化は3GPP仕様TS25.212に示される
ターボ符号化器を仮定するものとするが、これに限定は
されるものではない。
【0006】図18に3GPP仕様TS25.212に
示されるターボ符号化器の構成を示す。図18におい
て、送信データxkが、ターボ符号化器へ入力される
と、符号化されないxkと、畳み込み符号化されたxbk
と、インタリーブ後に畳み込み符号化されたxck
が、出力される。xbkはシステマティックビット、x
kはパリティビットと呼ばれる。これらはパラレル−
シリアル変換された後、送信される。
【0007】図13を用いて、従来のターボ復号器にお
ける動作を信号の流れに沿って説明する。ターボ符号化
された後に通信路を伝搬してきた受信信号yは、シリア
ル−パラレル変換されて、ya1212、yb121
3、及びyc1214に分離され、それぞれメモリ12
02、メモリ1203、及びメモリ1204に入力され
る。ここでya1212はシステマティックビット、y
b1213、yc1214はパリティビットであり、y
cは符号化前の信号がインタリーブされたものである。
移行確率演算部1206は、ya及びybあるいは、y
a、yc及びメモリ1205に蓄積されている前回の信
頼度情報から、移行確率を算出する。なお、ya及びy
cを移行確率演算部への入力信号として用いる場合に
は、図示されないインタリーブアドレス生成部が、ya
及びycをインタリーブされた順序で、それぞれメモリ
1202、メモリ1204より呼び出すものとする。後
方用確率演算部1207では、移行確率演算部1206
で算出された移行確率と、後方用確率演算部1207内
部で保持する次時点の後方用確率から後方用確率を算出
し、メモリ1209へ出力する。前方用確率演算部12
08では、移行確率演算部1206で算出された移行確
率と、前回の処理にて算出され、前方用確率演算部12
08内部で保持する前時点の前方用確率から、前方用確
率を計算し、信頼度情報演算部1210へ出力する。信
頼度情報演算部1210では、前方用確率演算部120
8からの前方用確率と、メモリ1209に蓄積されてい
る後方用確率、移行確率演算部1206で算出された移
行確率より、信頼度情報を計算し、復号結果として出力
するとともに、次回の繰り返し復号に備えてメモリ12
05へ出力する。このとき、ya及びycを移行確率演
算部1206への入力信号として用いる場合には、図示
されないデインタリーブアドレス生成部により信頼度情
報をデインタリーブして、それぞれメモリ1202、メ
モリ1204へ出力する。
【0008】次にターボ復号の手順について簡単に説明
する。ターボ復号の処理手順は、大きく前方用確率算
出、後方用確率算出、信頼度情報算出に分けられる。
【0009】前方用確率の算出は、下記式(1)により
状態毎に行う。
【数1】
【0010】上式(1)において、logαは対数領域
での前方用確率、kは時点を表し、m及びm'は状態遷
移トレリス上における状態を示し、logγは対数領域
での移行確率、bは送信信号の組み合わせ、すなわちシ
ステマティックビットとパリティビットの取り得る組み
合わせを表すもので、ここでは、00,01,10,1
1の組み合わせを取り得る。m'∃(m'→m)は状態mへ
遷移可能な全ての状態m'を表す。
【0011】図14の状態遷移トレリスを用いて、更に
詳しく説明する。図14において、左方は時点k−1に
おける状態、右方は時点kにおける状態を表し、000
から111はそれぞれ状態を示すインデックスである。
また、矢印は遷移可能状態間を示す枝であり、実線は送
信信号中のシステマティックビットとして0が送られた
ときに対応する枝、破線は1に対応する枝である。矢印
上に併記されている0/00等は、送信データすなわち
システマティックビットubの入力と、図19の点線内
のターボ符号化器の符号語出力の関係を表しており、例
えば、状態000において、情報信号“0”がターボ符
号化器に入力されると、ターボ符号化器は符号語として
“00”を出力する。この符号語は、前述のシステマテ
ィックビットとパリティビットの組み合わせと同義であ
る。
【0012】例として、時点k、状態000における前
方用確率の算出を示す。時点k、状態000における前
方用確率logαk(000)は、状態000及び状態
001から状態000への遷移により表されること、及
び、図14より状態000→状態000への遷移時の符
号語は00、同様に状態001→状態100への遷移時
の符号語は11であることから、移行確率logγは、
それぞれlogγk(00),logγk(11)とな
る。従って、前方用確率logαk(000)は次式で
表される。
【数2】 通常、上式の計算には、直接的な対数及び指数計算をさ
けるため、以下の近似式が用いられる。
【数3】 同様に状態001から状態111における前方用確率も
算出する。これらを時点1〜K(情報系列長)の各時点
で行う。
【0013】次に後方用確率の演算について説明する。
後方用確率は次式で表される。
【数4】 計算法は前方用確率とほぼ同様であるが、大きく異なる
点は、時点kにおける前方用確率が時点(k−1)での
情報を基に計算、すなわち時間軸上の順方向に計算して
いくのに対して、後方用確率は時点kにおける確率は、
時点(k+1)での情報に基に計算、すなわち系列の終
端より時間軸上の逆方向に計算していく点である。
【0014】次に信頼度情報の算出について説明する。
信頼度情報は次式で表される。
【数5】
【0015】上式において、分子は送信信号中のシステ
マティックビットub=0となるすべての状態遷移の組
み合わせにおける演算を表し、分母のΣはub=1とな
る組み合わせにおける演算を表す。すなわち、それぞれ
図14における実線、破線となる組み合わせである。
【0016】上式に示すように時点kにおける信頼度情
報算出のためには、時点(k−1)における前方用確率
logαk-1、時点kにおける後方用確率logβk、移
行確率logγkが必要となる。このとき、時点1〜K
における各時点での前方用確率、後方用確率をそれぞれ
算出した後に信頼度情報を算出する場合に必要となるメ
モリ量は、全状態の全時点での確率値を記憶する必要が
あるため、前方用確率、後方用確率それぞれについて、
状対数8×系列長Kであり、系列長が長くなる程メモリ
量が増大してしまう。このメモリ量の削減手段として
は、図15に示す算出手順をとることが考えられる。ま
ず後方用確率を時点K〜1について算出し、メモリへ蓄
積する。次に各時点毎に前方用確率を計算し、この前方
用確率及び先に計算した後方用確率より、信頼度情報を
逐次的に算出する。前方用確率を算出後、即座に信頼度
情報の算出に用いるため、前方用確率の蓄積は行われな
いので、前方用確率の蓄積の分だけメモリ量を削減する
ことができる。
【0017】更に後方用確率を蓄積するためのメモリの
削減手段として、Andrew J.Viterbi,
“An Intuitive Justificati
onand a Simplified Implem
entation ofthe MAP Decode
r for Convolutional Code
s”,IEEE J.Sel.Areas Commu
n.,vol.16,no.2,pp.260−26
4,Feb.1998などに示されているスライディン
グウィンドウ法がある。スライディングウィンドウ法
は、本来、系列の最後方より演算しなければならない後
方用確率について、収束用区間を設けることにより系列
の中途より計算することを可能とする方法である。
【0018】図16にスライディングウィンドウ法によ
る計算手順のタイミングチャートを示す。図16におい
て、Wはウィンドウサイズと呼ばれる収束用区間幅であ
り、ここでは系列長K=6Wが成り立つものとする。ま
た図において、横軸は処理にかかる時間を表す時間軸で
あり、図中の矢印内に付記されているWの単位は処理対
象の情報系列における時点すなわち何番目の情報シンボ
ルであるかを表すものである。例えば、第1の後方用確
率演算部の左端“2W〜W”は、2WからW+1までの
情報シンボルについて順次、後方用確率演算処理を行
う。これ以降は便宜上、情報系列上のシンボル時点を時
点と呼び、処理における時間軸上での時点を時刻と呼ぶ
ものとする。また、後方用確率演算あるいは前方用確率
演算での1時点の更新に要する処理時間をΔとする。
【0019】時刻t=1Δ〜WΔにおいては、第1の後
方用確率演算部にて、時点k=2Wを基点として、k=
2W〜(W+1)における後方用確率の算出を各時点に
ついて行う。時点k=W+1における後方用確率の算出
結果は第2の後方用確率演算部へ引き渡される。
【0020】時刻t=(W+1)Δ〜2WΔにおいて
は、第1の後方用確率演算部にて、時点k=3Wを基点
として、時点k=3W〜(2W+1)における後方用確
率の算出が行われ、時点k=2W+1における後方用確
率の算出結果は第2の後方用確率演算部へ引き渡され
る。第2の後方用確率演算部では、第1の後方用確率演
算部から引き渡された時点k=W+1における後方用確
率を初期値として、時点k=W〜1の後方用確率の算出
を行い、算出結果をメモリへ蓄積する。
【0021】時刻t=(2W+1)Δ〜3WΔにおいて
は、上記と同様に第1、2の後方用確率演算部におい
て、それぞれ時点k=4W〜(3W+1)、2W〜(W
+1)の処理が行われる。前方用確率演算部では、時点
k=1〜Wの前方用確率の算出を行う。信頼度情報演算
部では、時点k=1〜(W−1)の信頼度情報を、前記
の前方用確率演算部からの前方用確率の演算結果と、メ
モリに蓄積されている後方用確率とから、算出する。こ
の時点での処理のタイミングチャートの詳細を図17に
示す。
【0022】以降、同様に処理を進め、時点Kでの信頼
度情報の算出までを行う。このようにスライディングウ
ィンドウ法を用いることにより、後方用確率をKの約数
であるウィンドウサイズW毎に行うために、信頼度情報
演算用に蓄積する前方用確率及び後方用確率のメモリ量
を削減することができる。従って、ターボ復号のLog
−MAP方式において必要となるメモリ量を削減するこ
とができる。その一方で、後方用確率演算を第1、第2
の2つの後方用確率演算部で行うために処理量は2倍必
要とするが、後方用確率の算出を全系列分の終了を待た
ずに、信頼度情報の算出処理が開始できるため処理時間
も短縮することができる。
【0023】次に、前方用確率、後方用確率、信頼度情
報の算出について説明する。
【0024】図1は、次式の処理を行う確率演算部の構
成を示すブロック図である。
【数6】
【0025】前方用確率、後方用確率、信頼度情報の算
出を行う際には、上式左辺を計算するが、対数計算及び
指数計算を直接行うと処理量が膨大になるので、確率演
算部100では上式右辺のような近似式で実現する。右
辺2項目の対数計算及び指数計算は後述するように直接
には対数計算や指数計算は行わない。ここで対数は自然
対数である。A1,A2,B1,及びB2は確率演算部の入
力であり、前方用確率、後方用確率、信頼度情報それぞ
れの算出時により対応した信号が入力される。
【0026】入力A1及びA2は、加算部101−1によ
って加算され、結果は減算部102と、比較部103へ
出力される。同様に入力B1及びB2も加算部101−2
により加算され、減算部102と、比較部103へ出力
される。減算部102は、(A1+A2)と(B1+B2
の減算を行い、減算結果である(A1+A2)−(B1
2)を絶対値算出部104へ出力する。また減算部1
02は、減算結果の正負を示す信号を比較部103へ出
力する。比較部103には、減算部102からの正負を
示す信号と、加算部101−1の出力(A1+A2)、及
び加算部101−2の出力(B1+B2)が入力され、正
負を示す信号が正を示すものであれば、(A1+A2
を、負であれば(B1+B2)を加算部106へ出力す
る。絶対値算出部104では、入力(A1+A2)−(B
1+B2)の絶対値|(A1+A2)−(B1+B2)|をと
り、補正項算出部105へ出力する。補正項算出部10
5は、ルックアップテーブル等を用いて、絶対値|(A
1+A2)−(B1+B2)|よりlog〔1+exp(−
|(A1+A2)−(B1+B2)|)〕を求め、加算部1
06へ出力する。加算部106は、比較部103、補正
項算出部105の出力を加算することによって上式の値
を計算する。
【0027】次に前方用確率が図1の構成にて算出され
ることを示す。前述した通り、例えば時点k、状態00
0における前方用確率logαk(000)は下式によ
り求められる。
【数7】 従って、図1において A1=logαk-1(000) A2=logγk(00) B1=logαk-1(001) B2=logγk(11) とおくことにより、図1の確率演算部で算出することが
できる。他の状態における前方用確率についても同様で
ある。
【0028】同様に後方用確率についても図1の確率演
算部にて算出することができる。例えば、時点k、状態
000における後方用確率logβk(000)は下式
により求められる。
【数8】 ここで、前方用確率と同様に図1において、 A1=logβk+1(000) A2=logγk+1(00) B1=logβk+1(100) B2=logγk+1(11) とおくことにより、図1の確率演算部で算出することが
できる。他の状態における後方用確率についても同様で
ある。
【0029】信頼度情報についても同様に図1の確率演
算部にて算出が可能であることを示す。信頼度情報は次
式により計算される。
【数9】 従って、分子に相当する第1項と、分母に相当する第2
項を各々求めればよいことになる。まず第1項に着目す
ると、送信信号中のシステマティックビットが0となる
遷移パスは、図14より8通りあるので、
【数10】 とおくと、
【数11】 ここで、近似式を利用すると下式のように表せる。
【数12】 同様に、
【数13】
【数14】
【数15】 従って、数11は、
【数16】 ここで、近似式を利用すると、
【数17】 従って、数17は、
【数18】 同様に、
【数19】
【0030】以上より、信頼度情報の算出は、以下に示
す3段階の処理により実現される。まず第1段階とし
て、数12〜数15より、L12、L34、L56、L78を計
算する。次に第2段階として、数16及び数17より、
1234、L5678を計算する。最後に第3段階では、
【数20】 より、L12345678を計算する。これを第2項に対しても
行い、その差をとることで、信頼度情報を算出すること
ができる。
【0031】ところが、図1の初段の加算部101−1
及び101−2は2入力しか持たないのに対して、第1
段階の処理を行うためには、前方用確率、後方用確率、
移行確率と3項の加算が必要となる。従って、このまま
では図1の確率演算部では信頼度情報の算出ができない
が、以下に示すように手順に変更を加えることで、図1
の確率演算部で算出が可能となる。ここで、移行確率γ
に着目すると、図14より以下の通りとなる。 状態000→状態000 状態001→状態100 状態110→状態111 状態111→状態011 上記における遷移については、送信信号中のシステマテ
ィックビット、パリティビットの組合わせが同じ00と
なるので、移行確率γは同じくlogγk(00)とな
る。ここで、上記の遷移について信頼度情報の算出式
を、
【数21】
【数22】 とおける。また、
【数23】
【数24】 とおくと、
【数25】 であることから、
【数26】
【0032】但し、
【数27】 となる。従って、L1、L2に換えて、L1'、L2'を用い
てL12’の算出後、移行確率γを加えても結果は等しく
なる。従って、改めて信頼度情報の算出の手順を整理す
ると、第1段階として、確率演算部への入力として、 A1=logαk-1(000) A2=logβk(000) B1=logαk-1(001) B2=logβk(100) とし、L12'を算出する。同様にL34'、 L56'、 L78'
についても算出する。第2段階では、確率演算部への入
力として、 A1=L12' A2=logγk(00) B1=L34' B2=logγk(00) とし、L1234を算出する。同様にL5678についても
算出する。第3段階では、確率演算部への入力として、 A1=L12342=0 B1=L56782=0 とし、L12345678を算出する。以上について、第2項に
ついても同様に算出し、第1項から第2項を差し引くこ
とにより信頼度情報の算出を行うことができる。
【0033】なお、前方用確率、後方用確率、信頼度情
報の算出においては、状態毎に確率演算部を8個備える
ことで各状態について並列演算が可能である。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のターボ復号装置においては、次のような問題があっ
た。すなわち、上記の構成では、前方用確率演算、後方
用確率演算及び信頼度情報演算を同時に並行して行うた
めに、それぞれの演算回路を独立に持つ必要があり、更
に後方用確率演算回路については第1後方用確率演算
用、第2後方用確率演算用と2系統必要であるため、回
路規模の増大をまねく。具体的には、図14の構成にお
いて、図16又は図17のタイミングにて各確率値を算
出するためには、図1に示す構成の確率演算部を、後方
用確率算出用として、第1の後方用確率、第2の後方用
確率にそれぞれ状態数分すなわち8系統必要となり計1
6系統、前方用確率算出用として状態数分すなわち8系
統、信頼度情報算出用には、後述するように第1段階に
おいて8系統、第2段階では4系統、第3段階では2系
統となり信頼度情報算出用として計14系統持つ必要が
あり、合計では38系統必要となる。
【0035】また、前方用確率演算及び後方用確率演算
は同様の処理を行っているため、回路規模削減のために
同一回路の時分割利用も可能であるが、それぞれの確率
演算を同時に行うことができないため処理時間が増大し
てしまうという問題があった。
【0036】本発明は、かかる点を鑑みてなされたもの
であり、処理時間の増大を最小限に抑えつつ、回路規模
を削減した誤り訂正復号装置を提供することを目的とす
る。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明の誤り訂正復号装
置は、W−CDMA方式等の通信システムで用いられる
誤り訂正復号装置であって、第1の後方用確率、第2の
後方用確率、前方用確率、信頼度情報の第1段階結果及
び信頼度情報の第2段階結果を保持するレジスタより成
るレジスタファイルと、確率演算部へ出力するデータを
選択する選択部と、前方用確率、後方用確率及び信頼度
情報を算出しその出力をレジスタファイル及びメモリに
格納する確率演算部と、を具備する構成を採る。
【0038】この構成によれば、前方用確率演算、後方
用確率演算及び信頼度情報演算において、同一の確率演
算部にてパイプライン処理を行うことができる。
【0039】その結果、前方用確率演算、後方用確率演
算及び信頼度情報演算を同一の演算回路で算出すること
ができ、かつパイプライン処理により算出するので、各
値の算出に要する処理時間の増大を最小限に抑えつつ、
回路規模を削減することができる。
【0040】また、本発明の誤り訂正復号装置は、第1
の後方用確率、第2の後方用確率、前方用確率、信頼度
情報の第1段階結果及び信頼度情報の第2段階結果を保
持するレジスタより成るレジスタファイルと、確率演算
部へ出力するデータを選択する選択部と、前方用確率、
後方用確率及び信頼度情報を算出しその出力をレジスタ
ファイル及びメモリに格納する確率演算部と、を具備
し、その確率演算部は加算部と、減算部と、選択部と、
を具備する構成を採る。
【0041】この構成によれば、確率演算部は加算部、
減算部及び選択部のみから構成される。
【0042】その結果、絶対値算出部、補正項算出部及
び後段の加算部が不要となるため、更に回路規模を削減
することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、W−CDMA方
式等の通信システムで用いられる誤り訂正復号装置にお
いて、スライディングウィンドウ方式を用いたターボ復
号処理の際の前方用確率演算、後方用確率演算及び信頼
度情報演算を、同一の演算回路をパイプライン処理によ
り行うことにより、処理時間を増大させることなく回路
規模を削減することである。
【0044】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態について、図面を参照して詳細に説明する。図2は、
本発明の実施の形態1にかかる誤り訂正復号装置の構成
を示すブロック図である。
【0045】ターボ符号化された後に通信路を伝搬して
きた受信信号y211は、S/P変換部201でシリア
ル−パラレル変換されて、ya212、yb213、及
びyc214に分離され、それぞれメモリ202、メモ
リ203、及びメモリ204に入力される。ここでya
212はシステマティックビット、yb213、yc2
14はパリティビットであり、ycは符号化前の信号が
インタリーブされたものである。移行確率演算部207
は、ya及びybあるいは、ya、yc及びメモリ20
5に蓄積されている前回の信頼度情報から、移行確率を
算出する。全確率演算部208は移行確率演算部207
で算出された移行確率と、メモリ206に蓄積されてい
る第2の後方用確率の演算結果を入力し、前方用確率、
第1の後方用確率、第2の後方用確率、信頼度情報の算
出を行い、復号結果として出力する。
【0046】次に、以上のように構成される誤り訂正復
号装置の動作を説明する。
【0047】全確率演算部208は、図13における後
方用確率演算部1207で算出される後方用確率、前方
用確率演算部1208で算出される前方用確率、信頼度
情報演算部1210で算出される信頼度情報のすべての
算出を行う。
【0048】受信信号データy211の入力から、移行
確率演算部207へ至る動作は、従来の構成と同様であ
る。移行確率演算部207は、後述する動作タイミング
にて移行確率の算出を行い、全確率演算部208へ出力
する。全確率演算部208は、移行確率演算部207で
算出された移行確率と、メモリ206に蓄積されている
第2の後方用確率の演算結果を入力として、前方用確
率、第1の後方用確率、第2の後方用確率、信頼度情報
のそれぞれの算出を後述する動作タイミングで行い、復
号結果として出力するとともに、次回の繰り返し復号に
備えてメモリへ出力する。また、第2の後方用確率の演
算結果をメモリ206へ出力する。
【0049】図3は、本発明の実施の形態1にかかる誤
り訂正装置の全確率演算部の構成を示すブロック図であ
る。レジスタファイル303−1〜303−8は状態0
00〜状態111に対応するものが存在し、各レジスタ
ファイル303−x内には、次時点の第1の後方用確率
用レジスタ303−x−1、次時点の第2の後方用確率
用レジスタ303−x−2、前時点の前方確率用レジス
タ303−x−3、信頼度情報の第1段階の結果用レジ
スタ303−x−4、信頼度情報の第2段階の結果用レ
ジスタ303−x−5とを含む。選択部304は、移行
確率演算部207で算出した移行確率と、メモリ206
に蓄積している第2の後方用確率を入力として、確率演
算部305−1〜305−8での後述するパイプライン
ステージに応じて、確率演算部305−1〜305−8
へ出力するデータを選択する。確率演算部305−1〜
305−8の構成は前述した図1の構成の通りであり、
状態000〜状態111に対応して、選択部304から
の各データを入力して各値を算出し、算出結果を外部及
び対応する状態のレジスタファイル303−1〜303
−8へ出力する。
【0050】次に、図3の全確率演算部の動作につい
て、算出対象ごとに説明する。全確率演算においては、
第1の後方用確率、第2の後方用確率、前方用確率、信
頼度情報の第1段階、信頼度情報の第2段階、信頼度情
報の第3段階、の算出を行う。
【0051】まず、図4を用いて、第1の後方用確率の
算出時の動作について説明する。ここでは例として、状
態000に遷移する場合の後方用確率の算出について説
明する。状態000に遷移する場合の後方用確率は、前
述したように、
【数28】 であり、この算出を確率演算部305−1にて行う。こ
のとき、状態000へ遷移する状態に対応する次時点の
後方用確率logβk+1(000), logβk+1(10
0)はそれぞれ、レジスタファイル303−1,303
−5内のそれぞれ303−1−1,303−5−1に格
納されている。これらが選択部304へ出力される。ま
た移行確率演算部207にて算出された移行確率のうち
上式の演算に必要なlogγk+1(00), logγk+1
(11)が選択部304へ出力される。選択部304
は、入力された移行確率及び次時点の後方用確率を図に
示すように出力先選択を行い、確率演算部305−1へ
出力する。確率演算部305−1は、図1の入力A1
2、B1、B2について、 A1=logβk+1(000) A2=logγk+1(00) B1=logβk+1(100) B2=logγk+1(11) として、上式の演算を行う。算出結果である第1の後方
用確率は、再びレジスタファイル303−1−1に格納
され、更新が行われる。状態001〜111についても
同様にして第1の後方用確率の算出が行われる。
【0052】第2の後方用確率の算出時の動作は、第1
の後方用確率の算出において、第1の後方用確率を第2
の後方用確率に置き換えた動作である。すなわち、状態
000での後方用確率の演算を例とすると、レジスタフ
ァイル303−1,303−5において、それぞれレジ
スタ303−1−1,303−5−1を読み出す代わり
に303−1−2,303−5−2を読み出す。ただ
し、相違として、確率演算部305−1での算出結果を
レジスタファイル303−1へと出力するとともに、図
2のメモリ206への出力も行う。
【0053】図5を用いて、前方用確率の算出時の動作
について説明する。ここでは例として、状態000に遷
移する場合の前方用確率の算出について説明する。状態
000に遷移する場合の前方用確率は、前述したよう
に、
【数29】 であり、この算出を確率演算部305−1にて行う。こ
のとき、状態000へ遷移する状態に対応する前時点の
前方用確率logαk-1(000), logαk-1(00
1)はそれぞれ、レジスタファイル303−1,303
−2内の303−1−3,303−2−3に格納されて
いる。これらが選択部304へ出力される。また移行確
率演算部207にて算出された移行確率のうち上式の演
算に必要なlogγk(00), logγk(11)が選
択部304へ出力される。選択部304は、入力された
移行確率、前時点の前方方用確率を図5に示すように出
力先選択を行い、確率演算部305−1へ出力する。確
率演算部305−1では、図1の入力A1、A2、B1
2について、 A1=logαk-1(000) A2=logγk(00) B1=logαk-1(001) B2=logγk(11) として、上式の演算が行われる。算出結果である前方用
確率は、再びレジスタファイルへ入力され、レジスタ3
03−1−3に格納されることにより更新が行われる。
状態001〜111についても同様にして前方用確率の
算出が行われる。
【0054】図6を用いて、信頼度情報の第1段階の算
出時の動作について説明する。ここでは例として、前述
の分子側のL12'の算出について説明する。前述したよ
うに分子側L12'は、
【数30】 で表され、この算出を確率演算部305−1にて行う。
前時点の前方用確率は、前の時刻で算出した後にレジス
タファイル内に格納されているものを用いる。後方用確
率は、図2のメモリ206より読み出してくる。図2の
メモリ206より呼び出された第2の後方用確率は、選
択部304へ入力される。また、レジスタ303−1−
3、303−2−3に格納されている前方用確率が、選
択部304へ入力される。選択部304は、入力した前
方用確率、第2の後方用確率に対して図6に示すように
出力先選択を行い、確率演算部305−1へ出力する。
確率演算部305−1は、図1の入力A1、A2、B1
2について、 A1=logαk-1(000) A2=logβk(000) B1=logαk-1(001) B2=logβk(100) として、上式の演算が行う。また、算出結果である信頼
度情報の第1段階の結果をレジスタファイルへ入力し、
レジスタ303−1−4に格納する。第1項のL 34〜L
78、第2項のL12〜L78についても同様にして信頼度情
報の第1段階の算出を行う。
【0055】図7を用いて、信頼度情報の第2段階の算
出時の動作について説明する。ここでは例として、前述
の第1項のL1234の算出について説明する。前述したよ
うに第1項のL1234は、
【数31】 で表され、この算出を確率演算部305−1にて行う。
信頼度情報の第1段階の結果であるL12',L34'が、そ
れぞれ格納されているレジスタ303−1−4、303
−2−4より読み込まれ、選択部304へ入力される。
また、移行確率演算部207にて算出された移行確率l
ogγ(00)が選択部304へ入力される。選択部3
04は、これらの信頼度情報の第1段階の結果及び移行
確率に対して図7に示すように出力先選択を行い、確率
演算部305−1へ出力する。確率演算部305−1
は、図1の入力A1、A2、B1、B2について、 A1=L12' A2=logγk(00) B1=L34' B2=logγk(00) として、上式の演算を行う。また、算出結果である信頼
度情報の第2段階の結果をレジスタファイルへ入力し、
レジスタ303−1−5に格納する。第1項のL 5678
第2項のL1234,5678についても同様に信頼度情報の
第2段階の算出を行う。
【0056】図8を用いて、信頼度情報の第3段階の算
出時の動作について説明する。ここでは例として、前述
の第1項のL12345678の算出について説明する。前述し
たように第1項のL12345678は、
【数32】 で表され、この算出を確率演算部305−1にて行う。
信頼度情報の第2段階の結果であるL1234,L5678が、
それぞれ格納されているレジスタ303−1−5、30
3−2−5より読み込まれ、選択部304へ入力され
る。選択部304は、この信頼度情報の第2段階の結果
に対して図8に示すように出力先選択を行い、確率演算
部305−1へ出力する。確率演算部305−1は、図
1の入力A1、A2、B1、B2について、 A1=L12342=0 B1=L56782=0 として、上式の演算を行う。この算出結果である信頼度
情報の第3段階の結果と、同様に算出された第2項のL
12345678との差の算出を図示されない減算器にて行い、
信頼度情報を算出し、復号のため出力すると共に次回の
繰り返し復号にために図2のメモリ205へ出力する。
【0057】以上のように、前方用確率、後方用確率及
び信頼度情報の各演算結果をレジスタファイル303に
格納して順次更新することによって、図9及び図10の
説明で後述するようなタイミングで各演算を行うことが
可能となる。
【0058】次に、各々の値の算出のタイミングについ
て、図9及び図10のタイミングチャートを用いて説明
する。従来の技術との大きな差分は、図9及び図10と
図17及び図18を比較すると明らかなように、信頼度
情報の算出が3段階に分かれている点と、図10に示す
ように、同一確率演算部内の各処理ブロックで各値の算
出を分担し、かつ並列に行っている点である。
【0059】図9に確率演算部で算出される値について
のタイミングチャートを示す。第1の後方用確率、第2
の後方用確率、前方用確率の算出については、図17に
示す従来の算出と同様のタイミングである。信頼度情報
の第1段階の算出は、図17に示す従来例における信頼
度情報演算部のタイミングと同様である。信頼度情報の
第1段階の算出終了のΔ後に信頼度情報の第2段階の算
出を開始する。更にΔ後に信頼度情報の第3段階の算出
を開始する。
【0060】図10に、図9における下矢印で指し示さ
れる区間、すなわち時刻t=(2W+3)Δ〜(2W+
4)Δにおける確率演算部305の動作と算出される値
の関係を示したタイミングチャートを示す。図10右に
示す確率演算部は、図に示す通り6つの処理段階(パイ
プラインステージ)で動作するものとし、1つのパイプ
ラインステージはΔ/6の時間間隔で動作するものとす
る。それぞれのパイプラインステージをp1〜p6と呼
ぶものとする。図10左は、算出する値に関するタイミ
ングチャートを示す図であり、縦軸は確率演算部におけ
るパイプラインステージを表し、横軸は時間軸を表すも
のとし、1つのパイプラインステージあたり、Δ/6で
実行されるものとする。
【0061】以下に図10に示す動作を説明する。各値
は、同一の確率演算部をパイプライン処理的に利用する
ことにより算出される。つまり、例えば、時刻t1にパ
イプラインステージp1において、時点k=4W−3に
おける第1の後方用確率の算出が開始される。時刻t2
では、第1の後方用確率の算出はパイプラインステージ
p2へ引き渡される。このとき同時に時点k=2W−3
における第2の後方用確率の算出が開始される。p1及
びp2では並行してそれぞれの算出を行う。時刻t3で
は、第1の後方用確率の算出はパイプラインステージp
3へ引き渡される。第2の後方用確率の算出はパイプラ
インステージp2へ引き渡される。このとき同時に時点
k=3における信頼度情報の第1段階の算出が開始され
る。p1、p2及びp3では並行してそれぞれの算出を
行う。以降同様にパイプラインステージを進んで行き、
t6にはパイプラインステージp6において、第1の後
方用確率の算出が完了する。同様に時点k=2W−3に
おける第2の後方用確率の算出は、t2に開始して、t
7に完了することになる。
【0062】以上のように、本実施の形態の構成によれ
ば、前方用確率、後方用確率演算及び信頼度情報演算に
おいて、レジスタファイルから選択部が抽出したデータ
を用いて各値の演算を行い、その出力をレジスタファイ
ルにフィードバックしたものを次回の各値の演算に使用
するようにすることにより、同一の確率演算回路にパイ
プライン処理を適用することが可能になる。従って、前
方用確率演算回路、後方用確率演算回路、信頼度情報演
算回路をそれぞれ別個に持つことなく同一の確率演算回
路で実現できるので、回路規模を削減できる。また、処
理時間の増加を最小限に抑えた上でターボ復号が可能と
なる。
【0063】なお、本発明の実施の形態では、後方用確
率をウィンドウ幅分演算した後、前方用確率を算出して
信頼度情報を求めるようにしているが、このとき、後方
用確率と前方用確率とは逆でもよい。すなわち、前方用
確率をウィンドウ幅分算出した後、後方用確率を算出し
て、信頼度情報を求めるようにしても構わない。このと
き、信頼度情報の算出は、後方用確率の算出にあわせ、
系列に対して逆順となる。
【0064】また、本発明の実施の形態では、同一の確
率演算部を前方用確率、後方用確率、信頼度情報の算出
に用いるように制御を行っているが、これを異なる系列
に対して確率演算処理を行うように制御することも可能
である。すなわち複数分のユーザのACS処理を同時的
に処理するようにしてもよく、これにより演算効率の向
上と、回路規模の削減が図れることとなる。
【0065】(実施の形態2)図11は、本発明の実施
の形態2にかかる誤り訂正装置の確率演算部の構成を示
すブロック図である。実施の形態1との差分は、図1の
確率演算部から、絶対値算出部104、補正項算出部1
05、加算部106を削除した点である。このとき、次
式の処理を行うこととなる。
【数33】
【0066】つまり、この構成では、誤り訂正装置は、
Max−Log−MAP方式の復号器として動作をす
る。Max−Log−MAP方式では、Log−MAP
方式に比べ、誤り訂正能力で劣るものの、確率演算部か
ら、絶対値算出部104、補正項算出部105、加算部
106が不要となることで、回路規模が削減できる利点
を持つ。
【0067】図12に本実施の形態における確率演算部
での前方用確率、後方用確率及び信頼度情報の算出処理
タイミングを示す。各確率演算において、現時点での処
理から次時点での処理を開始するまでの時間をΔとす
る。この時間は実施の形態1と同一である。
【0068】次に、以上のように構成される確率演算部
の動作を、図12を用いて説明する。
【0069】時刻t1にパイプラインステージp1にお
いて、時点k=4W−3における第1の後方用確率の算
出が開始される。時刻t2では、第1の後方用確率の算
出はパイプラインステージp2へ引き渡される。このと
き同時に時点k=2W−3における第2の後方用確率の
算出が開始される。p1及びp2では並行してそれぞれ
の算出を行う。時刻t3では、第2の後方用確率の算出
はパイプラインステージp2へ引き渡される。このとき
同時に時点k=3における前方用確率の算出が開始され
る。p1及びp2では並行してそれぞれの算出を行う。
以下、同様に処理を進め、各値を算出する。以上のよう
に、本実施の形態の構成によれば、確率演算部から、絶
対値算出部104、補正項算出部105、加算部106
が不要となることで、実施の形態1に比べ、更に回路規
模を削減することが可能となる。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、スライデ
ィングウィンドウ方式を用いたターボ復号処理の際の前
方用確率演算、後方用確率演算及び信頼度情報演算を、
同一の演算回路をパイプライン処理により算出すること
により、処理時間を増大させることなく回路規模を削減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の誤り訂正装置の確率演算部の構成を示す
ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1の誤り訂正装置の構成を
示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1の誤り訂正装置の全確率
演算部の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1の誤り訂正装置の全確率
演算部の構成を用いたときの第1の後方用確率算出時の
動作を示す図
【図5】本発明の実施の形態1の誤り訂正装置の全確率
演算部の構成を用いたときの前方用確率算出時の動作を
示す図
【図6】本発明の実施の形態1の誤り訂正装置の全確率
演算部の構成を用いたときの信頼度情報の第1段階の算
出時の動作を示す図
【図7】本発明の実施の形態1の誤り訂正装置の全確率
演算部の構成を用いたときの信頼度情報の第2段階の算
出時の動作を示す図
【図8】本発明の実施の形態1の誤り訂正装置の全確率
演算部の構成を用いたときの信頼度情報の第3段階の動
作を示す図
【図9】本発明の実施の形態1の確率演算部の動作タイ
ミングのタイミングチャートを示す図
【図10】本発明の実施の形態1の確率演算部の動作と
算出されるデータの関係を示す図
【図11】本発明の実施の形態2の誤り訂正装置の確率
演算部の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態2の確率演算部の動作と
算出されるデータの関係を示す図
【図13】従来の誤り訂正復号装置の構成を示す図
【図14】状態遷移トレリスを示す図
【図15】スライディングウィンドウ法を用いない場合
の従来の誤り訂正復号装置による計算手順のタイミング
チャートを示す図
【図16】スライディングウィンドウ法を用いた場合の
従来の誤り訂正復号装置による計算手順のタイミングチ
ャートを示す図
【図17】スライディングウィンドウ法を用いた場合の
従来の誤り訂正復号装置の時刻t=2WΔ〜3WΔにお
ける各演算部の処理タイミングを示す図
【図18】3GPP仕様TS25.212に記載のター
ボ符号化器の構成を示す図
【図19】ターボ符号を用いた通信システムの構成を示
す図
【符号の説明】
100 確率演算部 101−1,101−2 加算部 102 減算部 103 比較部 104 絶対値算出部 105 補正項算出部 106 加算部 201 S/P変換部 202,203,204,205,206 メモリ 207 移行確率演算部 208 全確率演算部 303−1,303−2,303−3,303−4,3
03−5,303−6,303−7,303−8 レジ
スタファイル 304 選択部 305−1,305−2,305−3,305−4,3
05−5,305−6,305−7,305−8 確率
演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04J 13/00 H04L 1/00 B H04L 1/00 H04J 13/00 A H04Q 7/38 H04B 7/26 109N Fターム(参考) 5B001 AA13 AC05 AD06 5J065 AA01 AB05 AC02 AD10 AG06 AH02 AH06 AH15 AH21 AH23 5K014 AA01 BA10 EA01 FA16 HA01 HA10 5K022 EE01 EE31 5K067 CC10 EE02 EE10 HH21 HH22 HH23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の後方用確率、第2の後方用確率、
    前方用確率、信頼度情報の第1段階結果及び信頼度情報
    の第2段階結果を保持する少なくとも1つのレジスタか
    ら成るデータ保持手段と、前記少なくとも1つのレジス
    タに格納されたデータを選択する選択手段と、前記選択
    手段より取得した前記データを用いて前記前方用確率、
    前記後方用確率及び前記信頼度情報を算出する確率演算
    手段と、を具備することを特徴とする誤り訂正復号装
    置。
  2. 【請求項2】 前記確率演算手段は、2つの入力データ
    を加算する第1及び第2の加算手段と、前記第1及び第
    2の加算手段の各出力を減算する減算手段と、前記第1
    及び第2の加算手段の各出力のどちらか大きい方を選択
    する比較手段とを備え、パイプライン処理を行うことを
    特徴とする請求項1記載の誤り訂正復号装置。
  3. 【請求項3】 前記確率演算手段は、2つの入力データ
    を加算する第1及び第2の加算手段と、前記第1及び第
    2の加算手段の各出力を減算する減算手段と、前記第1
    及び第2の加算手段の各出力のどちらか大きい方を選択
    する比較手段と、前記減算手段の出力の絶対値を算出す
    る絶対値算出手段と、前記絶対値算出手段の出力をxと
    定義したとき(1+exp(−x))の自然対数を算出
    する補正項算出手段と、前記補正項算出手段と前記比較
    手段のそれぞれの出力を加算する加算手段とを備え、パ
    イプライン処理を行うことを特徴とする請求項1記載の
    誤り訂正復号装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の誤り訂正復号装置を具備することを特徴とする端末装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の誤り訂正復号装置を具備することを特徴とする基地局
    装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも、請求項4記載の端末装置と
    請求項5記載の基地局装置のいずれか一方を具備するこ
    とを特徴とする通信システム。
  7. 【請求項7】 第1の後方用確率、第2の後方用確率、
    前方用確率、信頼度情報の第1段階結果及び信頼度情報
    の第2段階結果を保持する工程と、前記保持された各デ
    ータのうち少なくともいずれか1つを用いて前方用確
    率、後方用確率及び信頼度情報を算出する確率演算工程
    とを備え、前記確率演算工程では演算結果を保持し、こ
    の演算結果を次回の確率演算に用いることを特徴とする
    誤り訂正復号方法。
  8. 【請求項8】 前記確率演算工程は、2つの入力データ
    を加算する加算工程と、2つの前記加算工程の各出力を
    減算する減算工程と、前記2つの加算工程の各出力のど
    ちらか大きい方を選択する比較工程と、を具備すること
    を特徴とする請求項7記載の誤り訂正復号方法。
  9. 【請求項9】 前記確率演算工程は、2つの入力データ
    を加算する加算工程と、2つの前記加算工程の各出力を
    減算する減算工程と、前記2つの加算工程の各出力のど
    ちらか大きい方を選択する比較工程と、前記減算手段の
    出力の絶対値を算出する絶対値算出手段と、前記絶対値
    算出手段の出力をxと定義したとき(1+exp(−
    x))の自然対数を算出する補正項算出工程と、前記補
    正項算出工程と前記比較工程のそれぞれの出力を加算す
    る加算工程と、を具備することを特徴とする請求項7記
    載の誤り訂正復号方法。 【0001】
JP2001361698A 2001-11-27 2001-11-27 誤り訂正復号装置 Expired - Fee Related JP3828791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001361698A JP3828791B2 (ja) 2001-11-27 2001-11-27 誤り訂正復号装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001361698A JP3828791B2 (ja) 2001-11-27 2001-11-27 誤り訂正復号装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003163599A true JP2003163599A (ja) 2003-06-06
JP3828791B2 JP3828791B2 (ja) 2006-10-04

Family

ID=19172309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001361698A Expired - Fee Related JP3828791B2 (ja) 2001-11-27 2001-11-27 誤り訂正復号装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3828791B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005006564A1 (ja) * 2003-07-11 2005-01-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 復号装置および復号方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005006564A1 (ja) * 2003-07-11 2005-01-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 復号装置および復号方法
US7539256B2 (en) 2003-07-11 2009-05-26 Panasonic Corporation Decoding device and decoding method

Also Published As

Publication number Publication date
JP3828791B2 (ja) 2006-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3861084B2 (ja) 特に移動無線システム用とした、複合型ターボ符号/畳み込み符号デコーダ
EP0967730B1 (en) Convolutional decoder with modified metrics
US6697443B1 (en) Component decoder and method thereof in mobile communication system
US6996767B2 (en) Memory configuration scheme enabling parallel decoding of turbo codes
JP4227481B2 (ja) 復号装置および復号方法
JP2005532766A (ja) ディジタル通信システムにおけるターボ復号を利用したビットエラー率及びフレームエラー率を減少させる装置及び方法
EP1130789A2 (en) Soft-decision decoding of convolutionally encoded codeword
US20050149838A1 (en) Unified viterbi/turbo decoder for mobile communication systems
US7584389B2 (en) Turbo decoding apparatus and method
EP1471677A1 (en) Method of blindly detecting a transport format of an incident convolutional encoded signal, and corresponding convolutional code decoder
US20130007568A1 (en) Error correcting code decoding device, error correcting code decoding method and error correcting code decoding program
US8904266B2 (en) Multi-standard viterbi processor
JP3954347B2 (ja) ターボデコーディング方法
US7234100B1 (en) Decoder for trellis-based channel encoding
US8009773B1 (en) Low complexity implementation of a Viterbi decoder with near optimal performance
US7925964B2 (en) High-throughput memory-efficient BI-SOVA decoder architecture
US8230311B2 (en) Method and apparatus for turbo code decoding
EP1376879A1 (en) Turbo decoder and turbo decoding method and storage medium where the method is stored
JP2002535910A (ja) 畳み込みコードのデコーディング方法およびデコーディング装置
US7143335B2 (en) Add-compare-select arithmetic unit for Viterbi decoder
CN1129257C (zh) 串行回溯的最大似然解码方法及其使用该方法的解码器
JP3828791B2 (ja) 誤り訂正復号装置
EP1695444B1 (en) A decoder
EP1271789A1 (en) Decoding method and DSP for LOG-MAP decoding of a bit sequence
JP2001326578A (ja) データ誤り訂正装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130714

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees