JP2003160402A - 木材保存薬剤及び木材処理方法 - Google Patents
木材保存薬剤及び木材処理方法Info
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Abstract
に対する注入性、さらには固着性が改善された木材保存
薬剤の提供。 【解決手段】 木材防腐機能及び/または防虫機能を有
する木材保存剤と次式(I): 【化1】 (式中の記号の意味は明細書に記載の通り)で示される
1種または2種以上のアルキレングリコール系第四級ア
ンモニウム化合物を含有する木材保存薬剤。木材保存剤
として、(1)アゾール系抗菌剤、3−フェニルピロール
系抗菌剤及びイソチアゾロン系抗菌剤からなる群より選
択される1種以上の抗菌剤、(2)硼素系化合物、(3)抗生
物性金属イオン(Cu2+、Zn2+等)を放出する金属化
合物、(4)防腐性を有する式(I)以外の第四級アンモ
ニウム化合物が用いられ、所望により木材保存剤成分の
木材への固着性を高めるフェノール系化合物が併用され
る。
Description
防虫の目的で使用される木材保存剤の木材への注入性を
改善した木材保存薬剤及び木材処理方法に関する。
または防虫機能を有する木材保存剤であるアゾール系抗
菌剤、3−フェニルピロール系抗菌剤、イソチアゾロン
系抗菌剤、硼素系化合物、抗生物性金属イオンを放出す
る金属化合物、及び/またはテトラアルキルアンモニウ
ム等の第四級アンモニウム化合物、さらに所望によりフ
ェノール系化合物を含有する木材注入用の薬剤におい
て、難注入性木材に対する注入性を高める成分として特
定の構造を有するアルキレングリコール系第四級アンモ
ニウム化合物を含有させた木材保存薬剤、及びその薬剤
を用いる木材処理方法に関する。
や、シロアリに対する防蟻性等の防虫性を付与する目的
で、塗布、浸漬、あるいは加圧注入等の方法による木材
の薬剤処理が実施されている。この場合、有効な防腐性
及び/または防虫性を付与するためには、木材表面のみ
ならずその表層、更には内部に、防腐剤及び/または防
虫剤を含有する薬剤が十分に浸透することが求められ
る。例えば、日本農林規格で定められた保存処理製材の
薬剤の浸潤度の適合基準で、性能区分K3は、辺材部分
の浸潤度が80%以上、かつ材面から深さ10mmまで
の心材部分の浸潤度が80%以上とされており、家屋の
主要構造部分にはこのような充分な防腐性と防虫性を有
する木材を使用することが求められている。
ルース、レッドシーダー等の木材、特にそれらの木材の
心材は難注入性の木材として知られており、こうした木
材に十分に薬剤を浸透させることは困難であった。ま
た、一般には易注入性として知られているベイツガにお
いても、ベイツガとして流通している木材のかなりの部
分が実際には難注入性の木材であり、こうした木材に、
十分に薬剤を浸透させることは困難な課題として残され
ていた。従って、こうした難注入性の木材への浸透性の
高い木材保存薬剤の開発が望まれていた。
については、難注入性の木材への薬剤浸透性を高めるた
めにポリアルキレングリコールと併用する方法が知られ
ている。例えば、特公平6-79803号には高級第四級アン
モニウム化合物とポリアルキレングリコールとを含む木
材防腐剤組成物が記載されている。また、特開平11-156
812号には、高級第四級アンモニウム化合物とポリアル
キレングリコールとを含むpH8以下の水性薬液を加圧
含浸させる木材の保存処理方法が記載されている。
腐剤成分が第四級アンモニウム化合物に限定されている
ため、十分な防腐・防虫効果を得ることが難しい。ま
た、上記の従来技術で用いられている第四級アンモニウ
ム化合物は強いカチオン性の化合物であるため木材に対
して強い吸着性を有しており、木材処理を繰り返し行な
うと、処理液中の第四級アンモニウム化合物の濃度が低
下し、注入性改善効果が安定しないという問題がある。
また、より少数の成分で安定した注入性改善効果、防腐
性及び防虫性を実現することが求められていた。
固着性を高める目的で、あるいは、処理木材表面の封止
によって防腐性あるいは防虫性を高める目的で、フェノ
ール系化合物が使用されている。しかしながら、こうし
たフェノール系化合物の多くは木材に対する保存薬剤の
注入性を低下させるため、これまでは有効な利用が進め
られておらず、フェノール系化合物を含有する薬剤にお
ける注入性の改善方法が求められていた。
は、難注入性の木材に対し、幅広い範囲の防腐剤あるい
は防虫剤と組み合わせて使用でき、良好な注入性が安定
して維持され、有効な防腐性や防虫性が得られる木材保
存薬剤を提供することにある。本発明の他の課題は、注
入性に対し悪影響を及ぼすため使用が躊躇されているフ
ェノール系化合物の木材への注入性を高めて、保存薬剤
の固着性能を改善する効果のあるフェノール系化合物を
利用可能とした木材保存薬剤を提供することにある。さ
らに、本発明の課題は、種々の薬剤の使用により幅広い
範囲の防腐機能及び/または防虫機能を実現することが
可能であり、さらにフェノール系化合物を有効に利用し
て薬剤の固着性能を改善した木材処理方法を提供するこ
とにある。
ツ、ベイマツ等の難注入性の木材での薬剤注入性を改善
するための化合物、更には注入性の改善された薬剤にお
ける有効な防腐成分及び防虫性分に関して鋭意検討を行
なった。その結果、抗菌性が弱いため、従来、木材用の
抗菌剤としては使用されていない、特定の構造を有する
アルキレングリコール系第四級アンモニウム化合物が、
優れた注入性改善効果を有すること、薬剤溶液を繰り返
して使用した場合にも安定した注入性改善効果を有する
こと、有効な防腐成分及び防虫性分を組み合わせること
で優れた木材保存薬剤が得られること、更には、こうし
た薬剤では注入性を低下させるフェノール系化合物が存
在していてもその注入性改善効果が維持されていること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
を提供することを目的とする。 1.木材防腐機能及び/または防虫機能を有する木材保
存剤と次式(I):
の有機置換基を表わし、R2が炭素原子数4以下の有機
置換基、−[CH2CH2O]aHまたは−[CH2CH
(CH3)O]aHを表わし、R3が−[CH2CH2O]b
H、または−[CH 2CH(CH3)O]bHを表わし、
R4が−[CH2CH2O]cHまたは−[CH2CH(C
H3)O]cHを表わし、aは1〜5の整数、b及びcは
1〜10の整数であるか、(2)R1〜R3がそれらが結
合している窒素原子と共にヘテロ芳香族環を形成し、R
4が−[CH2CH2O]dHまたは−[CH2CH(C
H3)O]dHを表わし、dは5〜20の整数であり、X
n-は無機系または有機系の価数nのアニオンであり、n
は1、2または3である。]で示される1種または2種
以上のアルキレングリコール系第四級アンモニウム化合
物を含有することを特徴とする木材保存薬剤。
−フェニルピロール系抗菌剤及びイソチアゾロン系抗菌
剤からなる群より選択される1種または2種以上の抗菌
剤である前項1に記載の木材保存薬剤。 3.木材保存剤が、硼素系化合物である前項1に記載の
木材保存薬剤。 4.木材保存剤が、抗生物性金属イオンを放出する金属
化合物である前項1に記載の木材保存薬剤。 5.木材保存剤が、前記式(I)以外の構造を有する第
四級アンモニウム化合物である前項1に記載の木材保存
薬剤。
系第四級アンモニウム化合物が、木材処理時に0.01〜4
0質量%の濃度で含有されるように調整されている前項
1乃至5のいずれかに記載の木材保存薬剤。 7.さらにフェノール系化合物を含有する前項1乃至6
のいずれかに記載の木材保存薬剤。 8.フェノール系化合物が、木材処理時に50質量pp
m〜20,000質量ppmの濃度で含有されるように調整さ
れている前項7に記載の木材保存薬剤。 9.フェノール系化合物が、リグニン、リグニンスルホ
ン酸及びリグニンスルホン酸塩からなる群より選択され
る1種または2種以上の化合物である前項7または8に
記載の木材処理薬剤。 10.前記1乃至9のいずれかに記載の木材保存薬剤を
用いて木材処理を行うことを特徴とする木材処理方法。
る特定の構造を有するアルキレングリコール系第四級ア
ンモニウム化合物は、以下の一般式(I)で示される化
合物である。
有機置換基を表わし、R2が炭素原子数4以下の有機置
換基、−[CH2CH2O]aHまたは−[CH2CH(C
H3)O]aHを表わし、R3が−[CH2CH2O]bH、
または−[CH 2CH(CH3)O]bHを表わし、R4が
−[CH2CH2O]cHまたは−[CH2CH(CH3)
O]cHを表わし、aは1〜5の整数、b及びcは1〜
10の整数であるか、(2)R1〜R3がそれらが結合し
ている窒素原子と共にヘテロ芳香族環を形成し、R4が
−[CH2CH2O]dHまたは−[CH2CH(CH3)
O]dHを表わし、dは5〜20の整数である。また、
Xn-は無機系または有機系の価数nのアニオンであり、
nは1、2または3である。
ム化合物におけるR1の具体例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘ
キシル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル、3,5,
5−トリメチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ラウリル、ミリスチル、セチ
ル、ステアリル、アラキジル、フェニル、ベンジル、シ
クロヘキシル等の炭素原子数20以下のアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、シクロアルキル基等が挙げら
れる。
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec-ブチル、tert−ブチル等の炭素原子数4以下のアル
キル基等が挙げられる。また、R2はエチレンオキシド
またはプロピレンオキシドを繰返単位として含む基でも
よいが、その場合におけるR2中のアルキレンオキシド
単位の繰返数「a」(アルキレンオキシド付加数)は、
平均1〜5の範囲である。
ンオキシドを繰返単位として含む基であり、R3におけ
る繰返数「b」(アルキレンオキシド付加数)は、平均
1〜10、好ましくは平均1〜6の範囲である。
素原子と共に形成するヘテロ芳香環でもよく、その例と
しては、ピリジニウム、ピコリニウム、イソキノリニウ
ム等が挙げられる。R4は、エチレンオキシドまたはプ
ロピレンオキシドを繰返単位として含む基であり、R4
における繰返数(アルキレンオキシド付加数)は、R1
〜R3がアルキルまたはポリアルキレンオキシドの場合
は、平均1〜10、好ましくは平均1〜6であり、R1
〜R3がヘテロ芳香環を構成する場合は、平均5〜2
0、好ましくは平均5〜10の範囲である。
化合物におけるXn-の例としては、Cl-、Br-、
I-、CH3CH2COO-、CH3COO-、CO3 2-、S
O4 2-、HSO4 -、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、S
CN-、OH-等が挙げられる。
は、以下の化合物が挙げられる。
ウム化合物はその抗菌性が注目されて用いられてきた
が、式(I)で示される非イオン性の親水性構造部分を
多く有する第四級アンモニウム化合物は、抗菌性が弱い
か、あるいは殆ど抗菌性を有さないため、従来、殆ど注
目されていなかった。本発明は、式(I)で示される特
定構造の第四級アンモニウム化合物が、注入性の改善と
いう点で優れた性質を有するという予想外の知見に基づ
くものである。
級アンモニウム化合物の好適な濃度は、木材処理液(木
材と接触する溶液)中での濃度として0.01〜40質量
%、より好適には0.02〜10質量%である。特に、木材
保存薬剤溶液を繰り返し木材に接触させて使用する場合
に、安定した注入性改善効果を得るためには、0.02質量
%以上の濃度で使用することが望ましい。また、必要に
応じて式(I)の第四級アンモニウム化合物を複数組み
合わせて使用することも可能である。
ウム化合物は、注入性の改善のために有用な化合物であ
るが、化合物自体としてはその抗菌性が弱いか、あるい
は殆ど抗菌性を有しない。このため、本発明では、式
(I)の第四級アンモニウム化合物と共に木材防腐機能
及び/または防虫機能を有する他の木材保存剤を使用す
る。ここで使用する木材保存剤は、前記の第四級アンモ
ニウム化合物の注入性改善効果に悪影響を与えず、かつ
良好に混和して使用可能な化合物でなければならない。
ール系抗菌剤、3−フェニルピロール系抗菌剤、イソチ
アゾロン系抗菌剤、硼素系化合物、抗生物性金属イオン
を放出する金属化合物、防腐性を有する式(I)以外の
第四級アンモニウム化合物、フェノール系化合物等が挙
げられる。
ンモニウム化合物と共に使用する防腐剤として有用な化
合物である。アゾール系抗菌剤は、典型的にはトリアゾ
ール基を含む抗真菌性化合物であり、更に具体的には、
シプロコナゾール、テブコナゾール、プロピコナゾー
ル、アザコナゾール、エポキシコナゾール、ジクロブト
ラゾール、ジニコナゾール、メタコナゾール、エタコナ
ゾール、テトラコナゾール、ヘキサコナゾール、メトコ
ナゾール、イプコナゾール、ジフェノコナゾール、ペン
コナゾール、フェンブコナゾール、イミベンコナゾー
ル、ブロモコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾ
ール、フルコナゾール・シス、フルシラゾール、フルオ
トリマゾール、リバビリン、トリアミホス、イサゾホ
ス、トリアゾホス、イジンホス、トリアジメホン、トリ
アジメノール、ビテルタノール、トリチコナゾール等で
ある。こうしたアゾール系抗菌剤の好適な濃度は、木材
処理液(木材と接触する溶液)中での濃度として1〜1
0,000ppm、より好適には10〜1,000ppmである。
また、必要に応じて複数のアゾール系抗菌剤を組み合わ
せて使用することも可能である。
(I)の第四級アンモニウム化合物と共に使用される防
腐剤として有用な化合物である。このような3−フェニ
ルピロール系抗菌剤は、以下の一般式(式II)で表わす
ことができる。
シアノ基を表わし、R5とR6は同時にあるいは他と独立
して水素原子、ハロゲン原子またはニトロ基を表わす
か、R5とR6が一緒になってジハロメチレンジオキシ基
を表わす。]
の具体的な例は、4−(2,2−ジフルオロ−1,3−
ベンゾジオキソール−4−イル)ピロール−3−カルボ
ニトリル、4−(2,3−ジクロロフェニル)ピロール
−3−カルボニトリル等である。こうした3−フェニル
ピロール系抗菌剤の好適な濃度は、木材処理液(木材と
接触する溶液)中での濃度として0.1〜5,000ppm、よ
り好適には1〜1,000ppmである。また、必要に応じ
て複数の3−フェニルピロール系抗菌剤を組み合わせて
使用することも可能である。
四級アンモニウム化合物と共に使用される防腐剤として
有用な化合物である。このようなイソチアゾロン系抗菌
剤の例は、N−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,
5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン−3−オ
ン、N−オクチルイソチアゾリン−3−オン、5−クロ
ロ−N−メチルイソチアゾリン−3−オン、1,2−ベ
ンゾイソチアゾール−3−オン、4,5−トリメチレン
イソチアゾリノン等である。こうしたイソチアゾロン系
抗菌剤の好適な濃度は、木材処理液(木材と接触する溶
液)中での濃度として5〜50,000ppm、より好適には
30〜10,000ppmである。また、必要に応じて複数の
イソチアゾロン系抗菌剤を組み合わせて使用することも
可能である。
ニウム化合物と共に使用される防腐剤及び防虫剤として
有用な化合物である。このような硼素系化合物の例は、
硼酸、メタ硼酸、四硼酸、八硼酸等の硼素含有化合物、
及びこれらのアルカリ金属塩、硼フッ化銅、テトラフル
オロ硼酸銅等である。これらの硼素系化合物の好適な濃
度は、木材処理液(木材と接触する溶液)中での濃度と
して0.05〜20質量%、より好適には0.1〜5質量%で
ある。
は、式(I)の第四級アンモニウム化合物と共に使用さ
れる防腐剤及び防虫剤として有用な化合物である。この
ような抗生物性金属イオンを放出する金属化合物は、銅
イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、アルミニウムイ
オン、銀イオンを放出する化合物であり、より具体的に
は、これらの金属原子を含む塩、酸化物、水酸化物、錯
体、あるいはこれらの複合物である。このような金属化
合物として、例えば抗生物性金属イオンが銅イオンの場
合は、硫酸銅、塩化銅、リン酸銅、水酸化銅、炭酸銅、
塩基性塩化銅、塩基性酢酸銅、塩基性リン酸銅、塩基性
炭酸銅、酸化銅、亜酸化銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、オ
レイン酸銅、ステアリン酸銅、オクタン酸銅、安息香酸
銅、クエン酸銅、乳酸銅、酒石酸銅、2−エチルヘキサ
ン酸銅、更には、これらの銅化合物を水溶性の状態に安
定化した錯体等、及びこれらの化合物の水和物が挙げら
れる。
れる化合物として、従来より知られている多くの化合物
が使用可能であり、具体的には、アンモニア、炭酸アン
モニウム、重炭酸アンモニウム、エタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルエ
タノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,
N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノール
アミン、N−エチルジエタノールアミン、イソプロパノ
ールアミン、アミノエチルエタノールアミン、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキ
サミン、ポリエチレンイミン、N,N−ジメチルエチレ
ンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロ
パンジアミン、ポリアリルアミン等が挙げられる。これ
らの錯体化のために使用される化合物は、必要に応じて
複数の化合物を組み合わせて使用することも可能であ
る。
化合物の多くは、木材保存薬剤溶液のpHをアルカリ性
に変えるため、pH調整のための化合物を適宜使用する
ことが望ましい。このようなpH調整のための化合物の
例は、硼酸、ナフテン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、
ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ステアリン酸、
パルミチン酸、オレイン酸、安息香酸、クエン酸、乳
酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、フマル
酸、マロン酸、グルコン酸、セバシン酸、シクロヘキサ
ン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、重炭酸
ナトリウム、重炭酸アンモニウム、リン酸、リン酸二水
素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等及びこれらの水
和物である。
抗生物性金属イオンを放出する金属化合物の濃度は、抗
生物性金属イオンの殺生物活性の強度と保存処理された
木材の使用目的に応じて様々に変更可能であるが、例え
ば、銅イオンを放出する金属化合物の場合は、木材処理
液(木材と接触する溶液)での銅イオン濃度として40
0〜40,000ppm、より好適には800〜10,000pp
m、亜鉛イオンを放出する金属化合物の場合は、木材と
接触する溶液での亜鉛イオン濃度として、銅イオンの場
合の1〜5倍濃度に調製することが望ましい。
ウム化合物は、式(I)の第四級アンモニウム化合物と
共に使用可能な防腐剤として有用である。このような第
四級アンモニウム化合物の具体例としては、塩化ジデシ
ルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化
ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメ
チルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデ
シルピコリニウム、塩化オクチルジデシルピリジニウム
アンモニウム、臭化ラウリルイソキノリニウム等が挙げ
られる。このような第四級アンモニウム化合物の好適な
濃度は、木材処理液(木材と接触する溶液)中での濃度
として0.05〜20質量%、より好適には0.1〜10質量
%である。また、必要に応じて複数の第四級アンモニウ
ム化合物を組み合わせて使用することも可能である。
の薬剤成分の固着性を高める目的で、あるいは、処理木
材表面の封止によって防腐性あるいは防虫性を高める目
的で、フェノール系化合物を木材保存薬剤の成分として
使用可能である。このようなフェノール系化合物の例
は、タンニン、タンニン酸、カテキン、没食子酸、ウル
シオール、ヒノキチオール、ケルセチン、ヘスペリジ
ン、4−ヒドロキシシンナミルアルコール、o−クマリ
ン酸、p−クマリン酸、コニフェリルアルコール、コニ
フェリルアルデヒド、フェルラ酸、エチル−3,4−ジ
ヒドロキシケイ皮酸、3−ヒドロキシ−4−メトキシケ
イ皮酸、3,4−ジヒドロキシケイ皮酸、3−ヒドロキ
シ−4−メトキシシンナムアルデヒド、バニリン、o−
バニリン、バニラ酸、バニリルアルコール、o−バニリ
ルアルコール、イソバニリルアルコール、バニリルアミ
ン、バニリンアジン、4−ヒドロキシ−3−メトキシベ
ンゾニトリル、シリンギン酸、シナピルアルコール、シ
ナピン酸、シナピンアルデヒド、ホモバニラ酸、ホモバ
ニリルアルコール、ホモバニロニトリル、ヘスペリジ
ン、クロロゲン酸、ピロカテコール、ハイドロキノン、
tert−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノ
ン、トリメチルハイドロキノン、ピロガロール、ラウリ
ルガレート、オクチルガレート、3,4−ジヒドロキシ
安息香酸、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−
ジヒドロキシナフタレン、6,7−ジヒドロキシ−2−
ナフタレンスルホン酸、アルカリ蒸解パルプ工業にて得
られるアルカリリグニン、亜硫酸蒸解パルプ工業にて得
られるリグニンスルホン酸またはリグニンスルホン酸塩
等の化合物と、これらを誘導体化した化合物である。こ
れらの化合物の内、好適にはタンニン、タンニン酸、カ
テキン、没食子酸、ウルシオール、ヒノキチオール、ケ
ルセチン、アルカリリグニン、リグニンスルホン酸、リ
グニンスルホン酸塩が使用可能であり、特に好適にはア
ルカリリグニン、リグニンスルホン酸、リグニンスルホ
ン酸塩が使用可能である。このようなフェノール系化合
物の好適な濃度は、木材処理液(木材と接触する溶液)
中での濃度として50〜20,000ppm、より好適には1
00〜2,000ppmである。
カリリグニン、リグニンスルホン酸、及びリグニンスル
ホン酸塩は、パルプ工場において大量に副生されてい
る。しかしながら、商業的には、一部のリグニンスルホ
ン酸塩がコンクリート混和剤、農薬製剤成分、または土
壌改良剤として利用されているのみで、これらの大部分
は焼却されており、近年の環境問題への意識の高まりか
らも、こうしたバイオマス系の化合物の有効な利用が望
まれている。本発明によれば、これらの木材由来の天然
系物質による木材注入性への悪影響を回避し、こうした
天然系物質を木材に注入して有効に利用できる。フェノ
ール系化合物は、上述した木材保存剤成分とともに木材
保存薬剤の構成成分としてもよいが、木材保存薬剤を希
釈して木材処理液とする際に添加してもよい。
たは防虫機能を有する木材保存剤(防腐剤及び/または
防虫剤)は、それぞれ単独で用いてもよいし、また組み
合わせて使用することもできる。このような組み合わせ
の具体例としては、アゾール系抗菌剤、3−フェニルピ
ロール系抗菌剤、及び銅イオンを放出する銅系化合物の
組み合わせが挙げられる。これらの薬剤の組み合わせに
より、防虫効果に加えて相乗的な防腐効果が得られ、し
かも、注入性が改善されて木材内部まで薬剤が浸透する
結果、良好な防腐性と防虫性を有する保存処理木材が製
造可能である。なお、防腐性、防虫性等の生物活性を有
し、本発明の木材保存薬剤に添加して使用可能な化合物
の範囲は、式(I)の第四級アンモニウム化合物に混和
して使用可能であればよく、上記の例に限定されるもの
ではない。
果を有することが知られているポリアルキレングリコー
ル系化合物を、必要に応じて、本発明の木材保存薬剤に
添加して使用することも可能である。このようなポリア
ルキレングリコール系化合物の例としては、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレ
ングリコールが挙げられる。また、炭素原子数18以下
の炭化水素系化合物がエトキシル化及び/またはプロポ
キシル化された構造を有する化合物もポリアルキレング
リコール系化合物の例として挙げることができる。この
ようなポリアルキレングリコール系化合物を木材保存薬
剤に添加して使用する場合、複数の種類の化合物、ある
いは様々な分子量の化合物を組み合わせて使用すること
も可能である。このような化合物の内、特に、分子量1
50〜8,000のものが好適に使用可能である。
木材保存薬剤を水等の溶媒を用いて希釈する。上述の通
り、式(I)の第四級アンモニウム化合物の木材処理液
(木材と接触する溶液)中での濃度が0.01〜40質量
%、より好適には0.02〜10質量%の範囲となるように
希釈することが好ましく、従って、通常、1〜100倍
未満程度の範囲で希釈して使用すればよい。
させるためには、通常実施されている、減圧操作及び/
または加圧操作による注入処理が極めて有効である。こ
のような減圧と加圧を用いる注入処理の代表的な方法
は、前排気工程として注入容器内の空気を排気して、8
0〜95kPaの減圧度を30分間〜3時間保持し、続
いて、木材保存薬剤溶液を注入容器に導入後、容器内の
圧力を0.5〜2MPaに加圧して30分間〜数時間その
圧力を保持するものである。充分量の薬剤溶液を難注入
性の木材に対して注入するために必要となる減圧及び加
圧の程度は、注入される木材の長さと断面(木口面)の
大きさに応じて調整する必要があるが、例えば、2m以
上の長さの木材を扱う場合は、加圧の段階で1.0MPa
以上の圧力で、少なくとも2時間の加圧を行うことが望
ましい。また、木材表層に深さ10mm程度の傷を多数
入れるインサイジング処理は、木材保存薬剤溶液を木材
内部に充分に浸透させるための有用な木材前処理方法で
ある。
らに具体的に説明する。ただし、これらは単なる例示で
あり、本発明はこれらのみに限られるものではない。ま
た、以下の実施例において%とは特に記載しない限り質
量%を表わす。また、本発明のアルキレングリコール系
第四級アンモニウム化合物のことを「PG−AC」と略
記する。
1cm×180cm、木口面が2cm×1cm)を各材
種10本ずつ用意し、これらを長さ2cmに切断し、両
木口面に透明タイプ(淡黄色)の2液硬化型エポキシ樹
脂を塗布して、木口面からの溶液の浸透が生じないよう
に封止したものを作成し、注入試験用の試験体とした。
剤を調製した。表中の符号の意味及び保存薬剤の成分と
して用いた化合物の詳細は以下の通りである。 (a)式(I)の第四級アンモニウム化合物 (a-1)PG−AC1 式(I)の第四級アンモニウム化合物において、 R1:−(CH2)11CH3 R2:−CH3 R3:−(CH2CH2O)bH R4:−(CH2CH2O)cH であり、b及びcの値(エチレンオキシドの付加モル
数)が各々平均で5であり、nの値は1であり、XはC
lである化合物。
数)が各々平均で3であり、nの値は1であり、XはC
lである化合物。
数)が各々平均で2であり、nの値は1であり、XはC
lである化合物。
数)が各々平均で3であり、nの値は1であり、XはC
lである化合物。
数)が各々平均で3であり、nの値は1であり、XはC
lである化合物。
オキソール−4−イル)ピロール−3−カルボニトリル (b-3)イソチアゾロン系抗菌剤 IT1:4,5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリ
ン−3−オン IT2:1,2−ベンゾイソチアゾール−3−オン (b-4)防腐性を有する他の第四級アンモニウム化合物 BKC:塩化ベンザルコニウム DDAC:塩化ジデシルジメチルアンモニウム (c)その他 PEG:ポリエチレングリコール(平均分子量1,000)
ル、プロピコナゾール、FP1、IT1、及びIT2
は、それぞれイソプロパノールを用いて濃度1%の溶液
を前もって調製し、この溶液を用いて木材保存薬剤を調
製した。また、表1中の質量%で示された薬剤組成の残
部には水道水を用いた。
希釈倍率」に従って水道水でさらに希釈した。なお、希
釈倍率1では薬液をそのまま使用した。希釈倍率nは、
薬液をその(n−1)倍量の容積の水道水を加えて希釈
したことを示す。
操作を行なった。更に、比較例(比較例1)として、各
薬剤組成からPG−ACを除いた組成の薬剤も調製し、
対応する実施例薬剤と同じ希釈倍率で(希釈倍率1では
希釈なし)注入操作を行なった。
合わせて行なった。はじめに、前記のカラマツ心材、及
びベイマツ心材の試験体を各々10個、合計20個の試
験体を注入用の小容器に入れ、前記の木材保存処理用溶
液を小容器に満たし、試験体が液面上に浮き上がらない
ように重りを載せてから、この小容器を鉄製の注入容器
内に設置し、注入容器の蓋を閉め、注入容器の上部から
真空ポンプで内部の空気を排気して90kPaの減圧度
を1時間保持する減圧操作を行なった。次に、注入容器
内に空気を導入して常圧に戻してから注入容器の蓋を開
け、取り出した小容器内の試験体と木材保存処理用溶液
を厚手のポリエチレン袋に素早く移した後、空気を追い
出しながら袋を閉じ、再びこの袋を注入容器内に設置
し、注入容器の蓋を閉め、液送ポンプによって注入容器
内に水を送り込む方法で、1.4MPaの圧力を2時間維
持して加圧操作を行なった。
験体の木口面を観察し、木材保存処理用溶液が浸潤した
部分の面積が、木口面の全面積に占める割合を計算し、
浸潤度(%)を求めた。浸潤度が80%以上である試験
体を合格として判定を行い、以下の基準に従い、5段階
の評価を行なった。
本から2本の場合:評価[+] 10本中3本から4本の場合に評価:[++] 10本中5本から6本の場合に評価:[+++] 10本中7本から8本の場合に評価:[++++] 10本中9本から10本の場合に評価:[+++++]
行なった評価結果を表2に示す。なお、比較例の薬剤名
は、対応する実施例(PG−ACを含む場合の薬剤)の
薬剤名を2文字重ねることで区別した。
0cm、木口面が2cm×2cm)を2本用意し、これ
らを実施例1での角材と同様に加工し、木口が封止され
た注入試験用の試験体を作成した。
ACの替わりに、塩化ジデシルジメチルアンモニウムを
PG−ACと同濃度で含有する薬剤を比較例(比較例
2)として調製した。この比較例の薬剤名は、PG−A
Cを含む場合の薬剤名を3文字重ねることで区別した。
ACの替わりに、ジデシルメチルポリオキシエチルアン
モニウムプロピオネートをPG−ACと同濃度で含有す
る薬剤を比較例(比較例3)として調製した。この比較
例の薬剤名は、PG−ACを含む場合の薬剤名を4文字
重ねることで区別した。
希釈倍率」に沿って水道水で希釈して得られた木材保存
処理用溶液を用いて、薬剤の注入操作を行なった。注入
操作は、実施例1に記載の装置と方法で、まず、前記の
ベイツガ試験体2個に対して木材保存処理用溶液0.4kg
を接触させて行なった。そして、注入操作後の木材保存
処理用溶液を繰り返し用いて、毎回、新しいベイツガの
試験体2個に対して同様に注入操作を行うことで、薬剤
注入性の変化を調べた。1回目と6回目の注入操作後、
直ちに試験体の木口面を観察し、木材保存処理用溶液が
浸潤した部分の面積が、木口面の全面積に占める割合を
計算し、浸潤度(%)を求めた。浸潤度(%)の結果を
2個の試験体の平均値として表3に示した。
薬剤を水で希釈したところ、フェノール系化合物である
リグニンスルホン酸ナトリウムを含有する比較例薬剤T
TTとTTTTにおいては不溶性の沈降物の生成と注入
性の低下が認められた。
0cm、木口面が2cm×2cm)を長さ20cmに切
断し、更に、実施例1記載の方法で木口を封止し、劣化
試験用の試験体を作成した。次に、表4に示した薬剤
を、表1に示した「使用時の希釈倍率」に沿って水道水
で希釈し、得られた木材保存処理用溶液を用いて、実施
例1に記載の方法で薬剤の注入操作を行なった。注入後
の試験体は室温で1ケ月の乾燥を行なった。
児島県内の山林土壌に、試験体の長さの半分を地表面下
に垂直に埋め込む方法で、これらの処理試験体を設置し
た。なお設置の際には、処理試験体と同じ大きさで、薬
剤処理を行っていないベイツガの試験体を準備し、各薬
剤処理試験体1本に対して、これと並行に接する形で無
処理の試験体1本を添えて同時に設置した。そして、野
外曝露を1年間行なった後、試験体の腐朽状況とシロア
リによる食害状況を目視により4段階で評価した。結果
を表4に示した。
り、本発明の木材保存薬剤は難注入性木材での注入性の
改善効果を有している。また、同じ木材保存処理用溶液
を用いて、木材への注入操作を繰り返して実施しても、
良好な注入性が維持されているため、少量の木材保存剤
溶液を用いる小規模の注入設備においても、経済的に、
且つ安定に保存処理木材が製造できる。また、防腐剤、
及び/または防虫剤を含有する木材保存処理用溶液での
良好な注入性は、保存処理木材としての有用な防腐性や
防虫性を与えるものであることが示されている。また、
フェノール系化合物であるリグニンスルホン酸が存在し
ていても凝集、沈降や注入性の低下を招かないため、本
発明の木材保存薬剤が、フェノール系化合物の有効な利
用法を与えるものであることも示されている。
注入性が改善された木材保存薬剤と、こうした注入性の
改善された木材保存薬剤において使用可能な有効な防腐
剤あるいは防虫剤の組み合わせが得られる。また、本発
明の木材保存薬剤は、フェノール系化合物を含有する組
成でもその注入性を改善する効果が得られるため、注入
性に対する悪影響のため利用が進められていないフェノ
ール系化合物を有効に利用するための木材保存薬剤が得
られる。
Claims (10)
- 【請求項1】 木材防腐機能及び/または防虫機能を有
する木材保存剤と次式(I): 【化1】 [式中、R1〜R4は、(1)R1が炭素原子数20以下
の有機置換基を表わし、R2が炭素原子数4以下の有機
置換基、−[CH2CH2O]aHまたは−[CH2CH
(CH3)O]aHを表わし、R3が−[CH2CH2O]b
H、または−[CH 2CH(CH3)O]bHを表わし、
R4が−[CH2CH2O]cHまたは−[CH2CH(C
H3)O]cHを表わし、aは1〜5の整数、b及びcは
1〜10の整数であるか、(2)R1〜R3がそれらが結
合している窒素原子と共にヘテロ芳香族環を形成し、R
4が−[CH2CH2O]dHまたは−[CH2CH(C
H3)O]dHを表わし、dは5〜20の整数であり、X
n-は無機系または有機系の価数nのアニオンであり、n
は1、2または3である。]で示される1種または2種
以上のアルキレングリコール系第四級アンモニウム化合
物を含有することを特徴とする木材保存薬剤。 - 【請求項2】 木材保存剤が、アゾール系抗菌剤、3−
フェニルピロール系抗菌剤及びイソチアゾロン系抗菌剤
からなる群より選択される1種または2種以上の抗菌剤
である請求項1に記載の木材保存薬剤。 - 【請求項3】 木材保存剤が、硼素系化合物である請求
項1に記載の木材保存薬剤。 - 【請求項4】 木材保存剤が、抗生物性金属イオンを放
出する金属化合物である請求項1に記載の木材保存薬
剤。 - 【請求項5】 木材保存剤が、前記式(I)以外の構造
を有する第四級アンモニウム化合物である請求項1に記
載の木材保存薬剤。 - 【請求項6】 前記式(I)のアルキレングリコール系
第四級アンモニウム化合物が、木材処理時に0.01〜40
質量%の濃度で含有されるように調整されている請求項
1乃至5のいずれかに記載の木材保存薬剤。 - 【請求項7】 さらにフェノール系化合物を含有する請
求項1乃至6のいずれかに記載の木材保存薬剤。 - 【請求項8】 フェノール系化合物が、木材処理時に5
0質量ppm〜20,000質量ppmの濃度で含有されるよ
うに調整されている請求項7に記載の木材保存薬剤。 - 【請求項9】 フェノール系化合物が、リグニン、リグ
ニンスルホン酸及びリグニンスルホン酸塩からなる群よ
り選択される1種または2種以上の化合物である請求項
7または8に記載の木材処理薬剤。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の木
材保存薬剤を用いて木材処理を行うことを特徴とする木
材処理方法。
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