JP2003159315A - ガス除去材およびその製造方法 - Google Patents

ガス除去材およびその製造方法

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省二 徳田
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温常湿度下において悪臭ガスや有害ガスの
除去能に優れ、かつ比較的低温で加熱処理することによ
り除去能を回復することができるガス除去材を提供す
る。 【解決手段】 周期律表2a族及び3a族から選ばれる
少なくとも1種の元素を含む金属塩、および/またはル
テニウム化合物、および少なくとも2種以上の遷移卑金
属元素の金属塩との混合溶液から、共沈殿物を生成し、
これを溶液と分離し、さらに酸化処理を行なうことを特
徴とするガス除去材の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、家庭やオフィス、
車室内などの居住空間、および各種工場などで発生する
悪臭ガスや有害ガスを除去するための除去材に関するも
のであり、空気浄化フィルタ、空気清浄機、エアコンデ
ィショナー、生ごみ処理機、排ガス処理装置などに利用
することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、居住空間の気密化やアメニティ指
向の高まり等により悪臭ガスや有害ガスが問題となるこ
とが多く、それらの除去に対するニーズが高まってい
る。悪臭ガスや有害ガスとしては、アンモニアやアミン
類、硫化水素やメルカプタン、低級アルデヒド類、低級
脂肪酸類、低沸点炭化水素類、一酸化炭素、硫黄酸化
物、および窒素酸化物などがある。
【0003】遷移金属の複合酸化物からなるガス吸着剤
や触媒はいくつか報告されている。特開平8−2433
96号公報には2種以上の卑金属を含む無機化合物で構
成される脱臭用触媒が、また特開平10−165805
号公報にはクロム、鉄、コバルト、および銅からなる群
より選択される少なくとも一種の遷移金属およびマンガ
ンの複合酸化物からなる脱臭触媒組成物がそれぞれ開示
されている。これらの触媒を構成する金属酸化物、無機
化合物は親水性であり、通常の生活環境のような常温常
湿度下では、除去対象物質よりも水が選択的に吸着する
ため除去能が急速に低下し、長期にわたって十分な除去
効果を発揮できないという問題がある。
【0004】このような水蒸気による除去能低下の抑制
を目的としたものとして、触媒成分を疎水性ゼオライト
に担持させた脱臭剤や吸着剤が開示されている。特開平
8−243383号公報には、シリカ/アルミナ比が1
00以上の疎水性ゼオライトに触媒成分として二酸化マ
ンガンと銅化合物を担持した疎水性脱臭剤が、また特開
平9−56799号公報には、シリカ/アルミナ比が1
0以上の疎水性ゼオライトに鉄、クロム、ニッケル、コ
バルト、マンガン、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウ
ムから選ばれる金属の酸化物を担持した、加熱再生が可
能な自己再生型吸着剤がそれぞれ開示されている。これ
らはいずれも、常温常湿度下において悪臭ガスを吸着
し、その後の加熱再生処理によって吸着性能が回復され
ると記載されている。しかしながら、上記の疎水性ゼオ
ライトの悪臭ガス吸着機構は物理吸着であるため、再生
処理のための加熱時において、悪臭成分が分解される前
に脱離してしまうという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決することを目的とした発明であり、常温常湿度
下において悪臭ガスや有害ガスの除去能に優れたガス除
去材を提供することを目的とする。また本発明は、使用
後のガス除去材を比較的低温で加熱処理することによ
り、一旦除去したガスが脱離することなく分解し、除去
能を回復することができるガス除去材およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題を解決すべく鋭意検討した結果、先ずクロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛の群から選ばれ
る少なくとも2種以上の遷移卑金属からなる複合酸化物
が低級アルデヒド類、低級脂肪酸類、低沸点炭化水素
類、一酸化炭素、硫黄酸化物、および窒素酸化物等に対
して化学吸着能を示し、かつ比較的低温下でも分解活性
が認められることを見出した。さらに前記複合酸化物
に、ルテニウム酸化物をさらに複合化させることによ
り、分解活性を低下させることなく水蒸気存在下におけ
る吸着能を向上させ得ることに到達した。また周期律表
2a族及び3a族から選ばれる少なくとも1種の元素を
複合化させることにより、より一層の効果が得られるこ
とも見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ルテニウムと
少なくとも2種以上の遷移卑金属元素を含む複合酸化物
からなるガス除去材である。
【0008】本発明のガス除去材の好ましい実施態様
は、前記複合酸化物が周期律表2a族及び3a族から選
ばれる少なくとも1種の元素と、少なくとも2種以上の
遷移卑金属元素を含むガス除去材である。
【0009】さらに、本発明のガス除去材の好ましい実
施態様は、前記遷移卑金属元素が、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛のいずれかであるガ
ス除去材である。
【0010】また本発明は、複合酸化物からなるガス除
去材の製造方法であって、周期律表2a族及び3a族か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属塩、および
/またはルテニウム化合物と、少なくとも2種以上の遷
移卑金属元素の金属塩との混合溶液から、共沈殿物を生
成し、これを溶液と分離し、さらに酸化処理を行なうこ
とを特徴とするガス除去材の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明はルテニウムと少なくとも2種以上の遷移
卑金属元素の複合酸化物からなるガス除去材、およびル
テニウムと周期律表2a族及び3a族から選ばれる少な
くとも1種の元素と少なくとも2種以上の遷移卑金属元
素の複合酸化物からなるガス除去材である。本発明者ら
は先ずクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛の群から選ばれる少なくとも2種以上の金属か
らなる複合酸化物が低級アルデヒド類、低級脂肪酸類、
低沸点炭化水素類、一酸化炭素、硫黄酸化物、および窒
素酸化物等に対して化学吸着能を示し、かつ比較的低温
下でも分解活性が認められることを見出した。ここで遷
移卑金属元素は2種以上であり、その複合酸化物はアモ
ルファス構造となっていることが重要である。2種以上
の遷移卑金属元素が固溶体を形成することにより、アモ
ルファス構造を取りやすくなるのである。有効な固溶体
を形成するため、各遷移卑金属元素の構成比は、遷移卑
金属元素総量に対して10%以上必要である。
【0012】ただし遷移卑金属元素の複合酸化物は水蒸
気が共存すると絶乾雰囲気に比べて急速に吸着能が低下
する。これは除去対象である悪臭ガス、有害ガスの吸着
・分解サイトと考えられる構造欠陥等では電荷が不均衡
な状態となっており、より極性の大きな水分子を選択的
に吸着してしまうためと考えられる。これにルテニウム
や周期表2a族及び3a族から選ばれる金属をさらに複
合化させると、電荷の不均衡な状態が緩和されることに
より、水の吸着能が阻害され、除去対象ガスの吸着が促
進されるものと推定される。周期表2a族及び3a族か
ら選ばれる元素としては、特にストロンチウム、バリウ
ム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム
が好ましい。
【0013】本発明におけるルテニウムの含有量は、複
合酸化物総量に対して酸化物換算で0.1〜5重量%で
ある。含有量がこれよりも少ないと効果が十分ではな
く、また含有量が多くても効果は頭打ちとなる反面、除
去材が高価になるため好ましくない。
【0014】本発明における周期律表2a族及び3a族
から選ばれる元素の含有量は、複合酸化物総量に対して
酸化物換算で0.1〜10重量%である。含有量がこれ
よりも少ないと効果が十分ではなく、逆に含有量がこれ
よりも多いと、ガス吸着能および分解活性が低下するた
め好ましくない。
【0015】本発明の遷移卑金属元素はクロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛から選ばれる2
種以上であるが、好ましくは、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、銅である。本発明の遷移卑金属元素の含有量
は、複合酸化物総量に対して酸化物換算で85〜99.
8重量%である。含有量がこれよりも少ないと効果が十
分ではなく、逆に含有量がこれよりも多いと、ガス吸着
能および分解活性が低下するため好ましくない。
【0016】本発明の複合酸化物は沈殿法によって得る
ことが出来る。すなわち周期律表2a族および3a族か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属塩、および
/またはルテニウム化合物、2種以上の遷移卑金属塩の
混合溶液に、アルカリ水溶液を加えて共沈殿物を得、そ
の後これを酸化処理することにより得ることが出来る。
アモルファス構造の複合酸化物を得るためには、アルカ
リとしては炭酸化合物が好ましく、例えば炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等が挙げられる。
【0017】共沈殿物を生成させる工程において、沈殿
剤としてアルカリ水溶液とともに酸水溶液、特に蓚酸水
溶液を併用することにより、複合酸化物の細孔径を小さ
くでき比表面積を向上させることができる。蓚酸添加量
はモル比で原料金属量に対して0.1〜1、好ましくは
0.2〜0.8である。この範囲であれば蓚酸を添加し
ない場合に比べて比表面積が約20〜100m2/g向
上する。添加量がこれより少ないと効果が十分でなく、
逆に多すぎても比表面積が減少する傾向がある。また炭
酸アルカリと蓚酸を加える順序は、両者を同時に、ある
いは片方ずつ交互に、の何れでも構わないが、溶液の最
終的なpHが7.5以上、好ましくは8以上となるよう
に炭酸アルカリ添加量で調整することが必要である。こ
のようにして得られた沈殿物は炭酸塩と蓚酸塩の複合体
となり、この特殊な複合組成がガス除去材の比表面積向
上に寄与していると推測される。
【0018】本発明の製造方法における酸化処理には、
酸化剤を用いて液相酸化する方法、空気中で焼成する方
法あり、酸化剤としては例えば過マンガン酸カリウムや
過硫酸アンモニウム等が挙げられる。また焼成温度の好
ましい範囲は200〜400℃であり、より好ましくは
200〜300℃である。焼成温度が高すぎると酸化物
の結晶化が促進され、アモルファス構造の複合酸化物が
得られない。
【0019】本発明のガス除去材は、窒素ガス吸着BE
T法で測定される比表面積が50m 2/g以上、好まし
くは100m2/g以上である場合にガス除去能が満足
すべきレベルとなる。金属の酸化物、複合酸化物ではそ
の構造欠陥等がアルデヒド類の吸着、分解サイトとして
働くと考えられ、その数が多いほど吸着容量および分解
活性が大きく、また比表面積も大きくなる。窒素ガス吸
着BET法で測定される比表面積は次の方法により求め
ることが出来る。すなわち液体窒素温度での窒素ガスの
吸着等温線を測定し、このデータからBET式によって
窒素の単分子層吸着量が求められる。窒素一分子あたり
の占有面積は既知であるので、これより比表面積を算出
することが出来る。具体的には、島津製作所製ASAP
2010装置を用いて吸着等温線の測定を行った後、吸
着平衡圧/飽和蒸気圧が0.05〜0.20の範囲での
吸着量データを用いて算出した。
【0020】本発明のガス除去材は、空気浄化フィルタ
や空気清浄機に搭載され、家庭やオフィス、車室内など
の居住空間、および各種工場などの空気浄化用途に使用
できる。この場合、粉末状、破砕状の吸着分解剤をその
まま用いてもよいが、適当なバインダーを添加してペレ
ット状、ダブレット状に成型したり、あるいはこれらを
ハニカム状、シート状、波板状、網状等の担体に担持し
て用いることもできる。担体としては、セラミック、金
属箔、ガラス繊維シート、高分子繊維不織布、ネット、
ウレタンシート等の他、通電により自己発熱が可能な材
料を用いることもできる。
【0021】本発明のガス除去材の対象ガスは悪臭ガス
や有害ガスである。具体的には、アンモニアやアミン
類、硫化水素やメルカプタン、低級アルデヒド類、低級
脂肪酸類、低沸点炭化水素類、一酸化炭素、硫黄酸化
物、および窒素酸化物などであるが、特に好ましくは低
級アルデヒド類である。
【0022】本発明のガス除去材は、対象ガスが低級ア
ルデヒド類である場合、主に化学吸着によってアルデヒ
ド類を吸着し、その後の加熱によりこれを分解し、吸着
能を再生することが可能である。化学吸着の場合、アル
デヒド類と吸着剤の間に一種の化学結合が形成されるた
め、物理吸着のように加熱時に一旦吸着したアルデヒド
類が容易に脱離するということはない。本発明のガス除
去材の使用温度は特に限定するものではなく、常温に近
い温度での吸着と加熱再生を繰り返す使用法以外にも、
常時加熱しながら連続使用することも可能である。ただ
し製造時の焼成温度を超える温度で加熱すると吸着分解
剤の特性が変化するため、焼成温度以下での使用が好ま
しい。また加熱方法は特に限定するものではなく、熱
風、電熱、赤外線、電磁波等による加熱の他、発熱可能
な担体に担持して加熱することもできる。
【0023】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限
定されるものではない。
【0024】(アセトアルデヒドの初期吸着容量評価)
体積0.25ccガス除去材試料を、両側をグラスウー
ルで挟んで内径10mmφのガラスカラムに充填した。
これにアセトアルデヒド20ppmを含む25℃、60
RH%の空気を400ml/minで連続的に流通させ
た。試料の雰囲気温度も25℃とした。試料の入口・出
口側のガスを一定時間毎にサンプリングし、ガスクロマ
トグラフにてアセトアルデヒド濃度を測定し、その比か
ら除去率を算出した。この除去率が5%以下になるまで
流通、濃度測定を続けた。アセトアルデヒド供給量(濃
度、流量、温度から計算)に対する除去率の曲線を積分
することによりアセトアルデヒド吸着量(mg)を求
め、これを試料の重量で割ることにより、吸着容量(m
g/g)を算出した。
【0025】(吸着容量の回復率の評価)上記の初期吸
着容量評価後の試料について、再生処理を行なった。具
体的には、吸着後の試料にアセトアルデヒド等を含まな
い60RH%の清浄空気を400ml/minで連続的
に流通させた状態で試料を昇温し、そのまま80℃で1
時間保持した。その後、再生処理後の試料について、前
記と同様の方法によりアセトアルデヒドの吸着容量を評
価し、初期吸着容量に対する再生処理後の吸着容量の比
から、吸着容量回復率を計算により求めた。
【0026】(アセトアルデヒド脱離有無の判定)上記
の再生処理中、吸着したアセトアルデヒドが脱離するか
どうかを次のようにして調べた。試料通過後の再生ガス
全量をアセトアルデヒド捕集溶液(2,4−ジニトロフ
ェニルヒドラジンのリン酸溶液)を入れたガス吸収瓶に
通して濃縮した。1時間の再生処理終了後に捕集溶液を
分液漏斗に移し、これに一定量のクロロホルムを加えて
激しく振り混ぜ、静置後クロロホルム層を取り出してこ
れをガスクロマトグラフで分析した。試料通過後の再生
ガス中にアセトアルデヒドが含まれる場合、アセトアル
デヒド−2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンのピーク
が観測され、アセトアルデヒドの脱離ありと判断した。
【0027】(比表面積の測定方法)窒素ガス吸着BE
T法による比表面積の測定は、島津製作所製ASAP2
010装置により行った。試料重量は0.2〜0.8g
程度とし、測定前の前処理として120℃で3時間減圧
乾燥した。測定窒素圧力はP/P0=0.05〜0.2
0の範囲で9点とした。
【0028】(実施例1)硫酸銅五水和物10gと硫酸
コバルト七水和物34g、および塩化ルテニウム0.2
gを蒸留水500mlに溶解しA液とした。これとは別
に蓚酸二水和物10gを水200mlに溶解しB液とし
た。この仕込量で金属元素に対する蓚酸のモル比は約
0.5である。A液を室温にて攪拌しながら、20%炭
酸ナトリウム水溶液を前記金属塩溶液のpHが8.5に
なるまで滴下し、引き続きB液を徐々に加えた。その後
さらに20%炭酸ナトリウム水溶液を前記金属塩溶液の
pHが9になるまで滴下し沈殿物を得た。この状態で約
30分間攪拌を続けて沈殿物を熟成させた。その後沈殿
物を吸引濾過により分別し、次いで約70℃の温水約2
リットルで洗浄した。これを120℃で乾燥後、250
℃で3時間焼成した。得られた複合酸化物を粉砕して実
施例1の試料とした。窒素ガス吸着BET法で測定した
比表面積は182m2/gであった。
【0029】(実施例2)硫酸銅五水和物10gと硫酸
コバルト七水和物34g、硝酸第一セリウム1g、およ
び塩化ルテニウム0.2gを蒸留水500mlに溶解し
A液とした。実施例1と同様の手順で複合酸化物を得、
実施例3の試料とした。窒素ガス吸着BET法で測定し
た比表面積は175m2/gであった。
【0030】(実施例4)硫酸銅五水和物10gと硫酸
ニッケル六水和物32g、硝酸ランタン1g、および塩
化ルテニウム0.2gを蒸留水500mlに溶解しA液
とした。実施例1と同様の手順で複合酸化物を得、実施
例4の試料とした。窒素ガス吸着BET法で測定した比
表面積は295m2/gであった。
【0031】(実施例4)硫酸銅五水和物10gと硫酸
コバルト七水和物34g、硝酸第一セリウム1g、およ
び塩化ルテニウム0.2gを蒸留水500mlに溶解し
た。これを室温にて攪拌しながら、20%炭酸ナトリウ
ム水溶液を前記金属塩溶液のpHが9になるまで滴下し
沈殿物を得た。この状態で約30分間攪拌を続けて沈殿
物を熟成させた。その後沈殿物を吸引濾過により分別
し、次いで約70℃の温水約2リットルで洗浄した。こ
れを120℃で乾燥後、250℃で3時間焼成した。得
られた複合酸化物を粉砕して実施例5の試料とした。窒
素ガス吸着BET法で測定した比表面積は143m2
gであった。
【0032】(比較例1)実施例1において、塩化ルテ
ニウム0.2gを添加しない以外は実施例1と全く同様
の手順により無機系化合物を作製し、これを比較例1の
試料とした。窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積
は176m2/gであった。
【0033】(比較例2)硫酸コバルト七水和物34
g、および塩化ルテニウム0.2gを蒸留水500ml
に溶解しA液とした。実施例1と同様の手順で複合酸化
物を得、比較例2の試料とした。窒素ガス吸着BET法
で測定した比表面積は45m2/gであった。またこの
試料のX線回折を測定したところ、Co34結晶の鋭い
ピークが多数観測された。
【0034】(比較例3)硫酸銅五水和物2.4gと硫
酸コバルト七水和物9gを蒸留水30mlに溶解し金属
塩溶液とした。これを疎水性ゼオライト(シリカ/アル
ミナ比=400)6gに含浸し、120℃で乾燥、次い
で250℃で焼成した。こうして得られた銅・コバルト
酸化物担持疎水性ゼオライト(担持量21重量部)を比
較例3の試料とした。窒素ガス吸着BET法で測定した
比表面積は180m2/gであった。
【0035】これらの試料について、上述の方法でアセ
トアルデヒド初期吸着容量、再生処理後の吸着容量回復
率、およびアセトアルデヒド脱離の有無を評価した。実
施例1〜4は初期吸着容量が大きく、かつ80℃の再生
処理により吸着能が回復することが確認された。再生処
理中にアセトアルデヒドの脱離が認められなかったこと
から、吸着能の回復はアセトアルデヒドの分解によるも
のと判断できる。一方、比較例1、比較例3は初期吸着
容量がかなり小さく、そのため再生後の吸着容量回復率
を評価するには至らなかった。また比較例3は加熱再生
処理においてアセトアルデヒドの脱離が認められた。吸
着したアセトアルデヒドが分解する前に昇温過程におい
て脱離したものと考えられる。比較例2は再生処理にお
いてアセトアルデヒドの脱離は認められなかったもの
の、初期吸着容量、吸着容量回復率ともに低いレベルで
あった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上述べたように本発明のガス除去材
は、常温常湿度下においておいて悪臭ガスや有害ガスの
除去能に優れている。且つ使用後に比較的低温で加熱処
理することにより、一旦除去したガスが脱離することな
く分解し、除去能を回復することができる。したがって
通常の生活空間のように水蒸気が存在し、高温処理が困
難な環境においても長期にわたって優れた除去能を維持
することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルテニウムと少なくとも2種以上の遷移
    卑金属元素を含む複合酸化物からなることを特徴とする
    ガス除去材。
  2. 【請求項2】 周期律表2a族及び3a族から選ばれる
    少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項1
    に記載のガス除去材。
  3. 【請求項3】 遷移卑金属元素が、クロム、マンガン、
    鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のガス
    除去材。
  4. 【請求項4】 周期律表2a族及び3a族から選ばれる
    少なくとも1種の元素を含む金属塩、および/またはル
    テニウム化合物と、少なくとも2種以上の遷移卑金属元
    素の金属塩との混合溶液から、共沈殿物を生成し、これ
    を溶液と分離し、さらに酸化処理を行なうことを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載のガス除去材の製
    造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192332A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Toyobo Co Ltd 有機化合物吸着除去剤及びその製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192332A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Toyobo Co Ltd 有機化合物吸着除去剤及びその製造方法

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