JP2003155720A - 水生生物付着防止装置及び水生生物付着防止方法 - Google Patents

水生生物付着防止装置及び水生生物付着防止方法

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JP2003155720A
JP2003155720A JP2001358579A JP2001358579A JP2003155720A JP 2003155720 A JP2003155720 A JP 2003155720A JP 2001358579 A JP2001358579 A JP 2001358579A JP 2001358579 A JP2001358579 A JP 2001358579A JP 2003155720 A JP2003155720 A JP 2003155720A
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wall surface
aquatic organism
aquatic
organism adhesion
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JP2001358579A
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Satoru Tsuda
悟 津田
Akira Fukamizu
亮 深水
Atsushi Nakamaruo
淳 中円尾
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水生生物の付着を抑制する。 【解決手段】 水中構造物の水接触壁面に向けて噴出水
を所定流速で吐出し、前記水接触壁面近傍に所定流速の
水流を生起させる噴出水吐出ノズル11,12と、噴出
水吐出ノズル11,12から噴出水を吐出させるため、
この噴出水吐出ノズル11,12に配管20を介して接
続された噴出水吐出ポンプ30とを具備する。噴出水吐
出ノズル11,12から吐出される噴出水により、水接
触壁面近傍に所定流速の水流を生起させることができる
め、水生生物が、水接触壁面に付着しようとしても、こ
の水流により流されてしまい、付着できずに、近辺の水
(海水)中に戻されることになり、水生生物の付着を抑
制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海水や河川水など
と接触する水中構造物の水接触壁面に付着繁殖する水生
生物の付着を防止する水生生物付着防止装置及び付着防
止方法に関し、特に、海水などを機器冷却水として用い
る構造物の水接触壁面に水生生物(海生生物)が付着す
ることを防止するのに適する水生生物付着防止装置及び
付着防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、海水と接触する各種港湾施設な
どの海洋構造物の水接触壁面(海水接触壁面)に、海水
中の水生生物(海生生物)が付着繁殖して美観を損ねた
り、漂流物の衝突に伴う衝撃等により、これらが壁面か
ら剥離、脱落して、水深を浅くしたり、流水路を構成す
る水中構造物(海洋構造物)においては、付着したり、
剥離、脱落した海生生物によって流水抵抗を増大させて
その機能を低下させたり、流水路を閉塞したり、冷却対
象機器等の負荷を増大させたりするなど、各種トラブル
の要因となっている。
【0003】これら海生生物の付着防止対策としては、
従来、塩素系薬品の添加、防汚塗料の塗布、防汚金属に
よる被覆、海水電解を用いた塩素又は次亜塩素酸イオン
の生成、銅イオン生成などの手段が採用されている。こ
れらは、いずれも毒性イオンの生成によって海生生物を
死滅させるものであり、環境汚染の懸念が絶えない。ま
た、これらの毒性イオンを用いる場合には、十分な防汚
効果を発揮させるためにその濃度が過剰にならざるを得
ず、環境破壊につながる恐れがあることから、今日では
その使用が制限あるいは禁止される方向にある。
【0004】このような点に鑑み、毒性イオンを使用せ
ずに海生生物の付着を防止する手段として、例えば、実
開昭59−41230号公報、実開昭60−3132号
公報、あるいは特開平2−31173号公報には、海中
に立設される鋼管杭などの柱の周囲に、潮の干満により
上下動する環状フロートを設け、環状フロートの上下動
作や回転動作に伴う柱外面への接触により、あるいは、
環状フロートの内側に設けた引っ掻き片により、柱外面
に付着した海生生物を強制的に掻き落とす手段が開示さ
れている。また、実開平4−22511号公報や特開平
9−78553号公報には、フロートに連結したブラシ
を用いて護岸壁を研掃する手段が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報に開示され
た手段は、いずれにしても、環状フロート、引っ掻き
片、ブラシなどを用いて、各種水中構造物(海洋構造
物)の水接触壁面に直接接触して、該壁面に一旦付着し
た海生生物を、強制的に除去する手段に過ぎない。すな
わち、海生生物が付着すること自体を防ぐことができな
いため、この清掃作業を行うことにより除去される大量
の海生生物を産業廃棄物として処理する必要があり、多
大なコストと労力を要する。また、海生生物の付着量が
大量であるため、清掃の実施回数が多くならざるを得
ず、各清掃作業における作業効率も悪い。また、清掃作
業の実施回数が頻繁であることに伴いブラシ等の摩耗や
消耗が激しく、ブラシ交換等を頻繁に行わなければなら
ないなど、メンテナンスの点で問題がある。
【0006】もっとも、鋼管杭などの柱の周囲に配設さ
れる環状フロートは、それらによって水生生物が柱外面
に付着することを妨害する機能も有する。しかしなが
ら、単独で海中に立設されている柱であれば、このよう
な環状フロートで覆ってその上下動作を利用することに
より、水生生物の付着を妨害することも可能であるが、
機器の冷却水を取水する海水取水路などのような保護対
象となる壁面の面積が非常に大きい場合に、付着を妨害
する環状フロートのようなものを設けることは不可能で
あり、また、現実的ではない。
【0007】本発明は上記に鑑みなされたものであり、
水接触壁面に付着してしまった水生生物を除去するので
はなく、水接触壁面に水生生物が付着すること自体を抑
制し、清掃作業の実施回数を減らして、清掃作業効率の
改善を図り、ブラシ交換等の清掃機器のメンテナンス作
業も容易化することができると共に、付着対象となる水
接触壁面の形状や大きさに拘わらず、効果的に水生生物
の付着を抑制することができる水生生物付着防止装置及
び水生生物付着防止方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
に当たって、本発明者は、水生生物が付着する次のよう
なメカニズムに着目した。すなわち、幼生期の水生生物
は、遊泳能力に乏しいので、自らの遊泳力により着生す
る対象物(壁面)に到達することはできない。このた
め、対象物に付着するには水の流れが必要となる。つま
り、対象物に付着できるか否かは、水の流れが大きな役
割を果たす。また、付着対象物にたどり着いても、その
まま着生してしまうのではなく、しばらくの間探索行動
を行うことが知られている。そこで、付着対象物(壁
面)に到達する前に、あるいは、付着対象物に到達後で
あっても探索行動を行っている間に、付着対象物に留ま
ることのできない程度の水流を起こせば、着生しようと
した水生生物を、その流れによって水中に強制的に戻す
ことができる。
【0009】すなわち、請求項1記載の発明では、水中
構造物の水接触壁面に向けて噴出水を所定流速で吐出
し、前記水接触壁面近傍に所定流速の水流を生起させる
噴出水吐出ノズルと、前記噴出水吐出ノズルから噴出水
を吐出させるため、この噴出水吐出ノズルに配管を介し
て接続された噴出水吐出ポンプとを具備することを特徴
とする水生生物付着防止装置を提供する。請求項2記載
の発明では、前記水接触壁面近傍に、流速1.0m/s
〜10m/sの範囲の水流を生起可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の水生生物付着防止装置
を提供する。請求項3記載の発明では、前記噴出水吐出
ノズルから吐出される噴出水の吐出時の流速が、1.0
m/s〜10m/sの範囲となるように設けられている
ことを特徴とする請求項2記載の水生生物付着防止装置
を提供する。請求項4記載の発明では、前記噴出水吐出
ノズルに至るまでの配管系内への水生生物の付着を防止
するため、前記噴出水吐出ポンプに接続された吸水管の
吸水口付近から、水生生物付着防止効果を有する薬液を
注入可能な薬液供給機構を設けたことを特徴とする請求
項1〜3のいずれか1に記載の水生生物付着防止装置を
提供する。請求項5記載の発明では、前記噴出水吐出ノ
ズルを保持するノズル保持配管が、前記水中構造物の水
接触壁面に対向して配置され、この水接触壁面の面方向
に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする請
求項1〜4のいずれか1に記載の水生生物付着防止装置
を提供する。請求項6記載の発明では、機器冷却水とし
て用いられる海水を取水するために設けられた開放型取
水路に設置され、この開放型取水路の水接触壁面への水
生生物の付着を防止可能であることを特徴とする請求項
1〜5のいずれか1に記載の水生生物付着防止装置を提
供する。請求項7記載の発明では、前記噴出水吐出ノズ
ルが、所定の長さを有するノズル保持配管に所定間隔毎
に複数設けられており、このノズル保持配管が、前記開
放型取水路の水接触壁面を構成する取水路垂直壁面及び
取水路水平壁面のいずれか少なくとも一方に対向配置さ
れていることを特徴とする請求項6記載の水生生物付着
防止装置を提供する。請求項8記載の発明では、前記ノ
ズル保持配管が、前記取水路垂直壁面及び取水路水平壁
面のいずれにも対向した略L字状に形成されていること
を特徴とする請求項7記載の水生生物付着防止装置を提
供する。請求項9記載の発明では、前記取水路垂直壁面
又は取水路水平壁面に沿って移動可能に設けられている
ことを特徴とする請求項7又は8記載の水生生物付着防
止装置を提供する。請求項10記載の発明では、移動速
度が、0.001m/s〜1m/sであることを特徴と
する請求項9記載の水生生物付着防止装置を提供する。
請求項11記載の発明では、各機構部の運転状況を把握
し、管理用コンピュータとの間で、運転状況の送受信を
行う運転情報伝達機器を備えていることを特徴とする請
求項1〜10のいずれか1に記載の水生生物付着防止装
置を提供する。請求項12記載の発明では、水中構造物
の水接触壁面への水生生物の付着を防止するため、水接
触壁面近傍に所定流速の水流を、常時、所定間隔毎に、
又は任意のタイミングで生起させることを特徴とする水
生生物付着防止方法を提供する。請求項13記載の発明
では、前記水中構造物の水接触壁面近傍に生起させる水
流の流速が、1.0m/s〜10m/sの範囲であるこ
とを特徴とする請求項12記載の水生生物付着防止方法
を提供する。請求項14記載の発明では、前記水中構造
物が、機器冷却水として用いられる海水を取水するため
に設けられた開放型取水路であることを特徴とする請求
項12又は13記載の水生生物付着防止方法を提供す
る。請求項15記載の発明では、前記水中構造物の水接
触壁面に向けて噴出水を吐出させることにより、前記所
定流速の水流を生起させることを特徴とする請求項12
〜14のいずれか1に記載の水生生物付着防止方法を提
供する。
【0010】(作用)本発明の水生生物付着防止装置に
よれば、噴出水吐出ポンプの駆動により、噴出水吐出ノ
ズルから水中構造物の水接触壁面に対して噴出水が吐出
され、それによって、水接触壁面近傍に所定流速の水流
が生起される。この結果、水生生物は、水接触壁面に付
着しようとしても、この水流により流されてしまい、付
着できずに、近辺の水(海水)中に戻される。本発明の
水生生物付着防止方法によれば、水生生物が付着しよう
とする水接触壁面近傍に、所定流速の水流を生起せる構
成であるため、水生生物が水中構造物の水接触壁面に付
着することを防止できる。
【0011】なお、本明細書において、「水生生物」は
「海生生物」を含む意味である。「水中構造物」は、少
なくとも一部が海水や河川水などの水中に浸っている構
造物の全てを含む意味であり、発電所、製鉄所、石油精
製所などの各施設における機器冷却用の冷却水として用
いられる海水を取水するための取水路、あるいは港湾施
設などの「海洋構造物」を含む。「水接触壁面」には海
洋構造物における「海水接触壁面」を含む意味である。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、図面に示した実施形態に基
づき本発明をさらに詳細に説明する。図1〜図3は、本
発明の一の実施形態にかかる水生生物付着防止装置1を
示す図であり、これらの図に示したように、本実施形態
の水生生物付着防止装置1は、噴出水吐出ノズル11,
12及び噴出水吐出ポンプ30を有して構成される。な
お、これらの図において、符号100は、発電所等の施
設で用いられる機器の冷却水として使用される海水を取
水する開放型取水路の一部を示し、水(海水)接触壁面
を構成する取水路垂直壁面110及び取水路水平壁面1
20を有している。
【0013】噴出水吐出ノズル11,12は、噴出水吐
出ポンプ30に接続されたノズル保持配管20によって
支持されている。ノズル保持配管20は、取水路垂直壁
面110に間隔をもって略平行にかつ垂直方向に伸びる
垂直配管部21と、取水路水平壁面120に間隔をもっ
て略平行にかつ水平方向に伸びる水平配管部22とを有
する略L字状に形成されており、噴出水吐出ノズル1
1,12は、垂直配管部21及び水平配管部22に、そ
れぞれ複数ずつ設けられている。
【0014】また、噴出水吐出ノズル11,12は、取
水路垂直壁面110及び取水路水平壁面120のそれぞ
れに対向して設けられ、離間した位置からそれらに向か
って噴出水を吐出できるような向きに調整されている。
取水路垂直壁面110及び取水路水平壁面120に対す
る噴出水吐出ノズル11,12の各離間距離は、取水路
垂直壁面110及び取水路水平壁面120近傍におい
て、水生(海生)生物の付着を防ぐだけの水流を生じさ
せることができる限り限定されるものではない。噴出水
吐出ノズル11,12の吐出時の流速、噴出水吐出ポン
プ30の性能などの各種要因によっても異なるが、接近
し過ぎると波などによるノズル保持配管20の揺れによ
って各壁面110,120に接触する恐れがあり、離れ
過ぎると所定流速の水流を起こすに当たって噴出水吐出
ポンプ30の大型化を招く等の恐れがある。このため、
取水路垂直壁面110及び取水路水平壁面120に対す
る噴出水吐出ノズル11,12の各離間距離は、1mm
〜1mの範囲で調整することが好ましい。
【0015】取水路垂直壁面110及び取水路水平壁面
120の近傍で生起させる水流の流速は、1.0m/s
〜10m/sの範囲となるように、噴出水吐出ノズル1
1,12の吐出時の流速、噴出水吐出ポンプ30の性
能、噴出水吐出ノズル11,12の各壁面110,12
0に対する離間距離などを選択、調整することが好まし
い。この範囲を下回る場合には、海生生物の付着を防ぐ
ことが困難となり、上回る場合には装置の大型化を招
く。なお、各壁面110,120近傍で上記流速を確保
するために、噴出水吐出ノズル11,12の噴出水の吐
出時の流速は1.0m/s〜10m/sとなるように調
整することが好ましい。
【0016】噴出水吐出ポンプ30には、上記したノズ
ル保持配管20が接続されると共に、噴出水となる水を
吸水する吸水管40が接続される。噴出水としては、他
の供給源(図示せず)から供給される水を用いることも
可能であるが、吸水管40の吸水口40aを海水に浸漬
して、海水を噴出水として利用することが効率的であ
る。
【0017】また、噴出水吐出ノズル11,12に至る
までの配管系の適宜部位、好ましくは、吸水管40の吸
水口40aには、薬液供給機構50の薬液供給管51が
接続されており(図2参照)、必要に応じて、任意のタ
イミングで薬液を供給できる構成となっている。薬液供
給機構50は、上記薬液供給管51と、この薬液供給管
51に接続された薬注ポンプ52と、薬液の供給源とな
る薬液タンク53とを有して構成される。薬液として
は、水生生物付着防止効果を有するものであれば限定さ
れるものではなく、例えば、塩素、二酸化塩素、過酸化
水素、次亜塩素酸等に代表される海生生物繁殖抑止剤を
用いることができる。これらは、噴出水吐出ノズル1
1,12に至るまでの配管系内への海生生物の付着を防
止して、過負荷によって運転に支障を来させないために
用いられるものであり、かかる範囲での防汚効果を発揮
できれば十分である。これらの薬液は、噴出水吐出ノズ
ル11,12から海水と共に噴出されるものの、噴出さ
れる量は、開放型取水路100内に取り込まれている海
水量に比べた場合にごく微量と言える範囲であり、薬液
による海水汚染の恐れはない。もっとも、装置1内に薬
液を注入する構成とすることにより、多少とはいえ海水
中に混入するため、海水汚染の恐れがない範囲におい
て、多少の薬液効果が期待できるという利点もある。
【0018】なお、上記した噴出水吐出ポンプ30及び
薬液供給機構50は、例えば、これらを保持する保持部
材60によって、海水面上方に、海水と非接触状態で配
設される。
【0019】保持部材60は、本実施形態では、取水路
垂直壁面110の面方向に沿って、本実施形態では長手
方向に沿って移動可能に設けられている。具体的には、
図2に示したように、取水路垂直壁面110の長手方向
に沿って、案内レール70が固定されており、保持部材
60に設けた車輪などの走行部材61がこの案内レール
70に沿って移動する。車輪などの走行部材61は、保
持部材60に搭載された駆動モータ62によって駆動さ
れる。なお、符号63は、駆動モータ62のモータ回転
方向を反転させ、案内レール70に沿った移動方向を反
転させるために保持部材60に付設された移動方向反転
スイッチである。また、本実施形態では、噴出水吐出ノ
ズル11,12を支持するノズル保持配管20が上記し
たように略L字状に形成されている。従って、移動中、
水平配管部22がたわむことを防止するため、該水平配
管部22には、車輪等の補助用走行部材22aが設けら
れている(図1参照)。
【0020】上記した保持部材60には、さらに、各機
構部の運転状況を把握し、水生生物付着防止装置1から
離間した建物内等に配置された管理用コンピュータ(図
示せず)との間で、運転状況の送受信を行う運転情報伝
達機器80を備えている。例えば、駆動モータ62の運
転状況、案内レール70に対する保持部材60の移動位
置、噴出水吐出ポンプ30の負荷情報、薬注ポンプ52
の負荷情報、薬液タンク53の液位などを検知するセン
サ(図示せず)などからの情報に基づき、これらの各機
構部の運転状況を把握して、送受信部(図示せず)を通
じてかかる情報を管理用コンピュータに送信するもので
ある。これにより、管理用コンピュータでは、水生生物
付着防止装置1の各機構部の運転状況を遠隔地で容易に
把握することができる。また、受信した各機構部の運転
状況に応じて、管理用コンピュータから噴出水吐出ポン
プ30や駆動モータ62等の制御情報を送ることもで
き、水生生物付着防止装置1を遠隔制御することも可能
である。
【0021】本実施形態の水生生物付着防止装置1は、
噴出水吐出ポンプ30を駆動させることにより、吸水管
40の吸水口40aより海水を吸い込み、ノズル保持配
管20を経由して、噴出水吐出ノズル11,12より噴
出水が吐出される。噴出水が吐出されることにより、海
生生物の付着対象となる開放型取水路100の取水路垂
直壁面110及び取水路水平壁面120の各近傍におい
て所定流速の水流が発生する。この水流の流速が、好ま
しくは1.0m/s〜10m/sの範囲となるように制
御することにより、海生生物が付着対象物であるこれら
の各壁面110,120に近づいてきても付着する前に
水流によって押し流すことができ、あるいは、付着対象
物で探索行動を行っている間に水流によって押し流すこ
とができる。
【0022】取水路垂直壁面110及び取水路水平壁面
120は、各設備において種々の規模のものが採用され
ており、その長さは数十メートルから数百メートル程度
のものまである。従って、保持部材60に支持される噴
出水吐出ノズル11,12は、各壁面110,120全
体の近傍に水流を起こさせることができるように、図3
に示した如く、案内レール70に沿って所定の移動速度
で移動させながら、噴出水を吐出させる。この際の移動
速度は任意であるが、水流を生じさせたある部位から一
旦離れて当該部位に戻ってくる間に、海生生物が付着し
てしまわない程度であることが好ましく、取水路垂直壁
面110及び取水路水平壁面120の長さが、0.3m
〜300mの範囲であれば、0.001m/s〜1m/
sの範囲の移動速度に設定することが好ましい。
【0023】このようにして水生生物付着防止装置1を
運転させることにより、取水路垂直壁面110や取水路
水平壁面120への海生生物の付着量を大幅に減らすこ
とができる。この結果、取水時に海生生物を吸引するこ
とによって冷却対象機器等に生じる負荷上昇に伴う不具
合の発生を低減することができ、これら各機器等の運転
の信頼性の向上に資する。
【0024】そして、海生生物の付着量が少なくなるた
め、各壁面110,120に付着した海生生物を掻き落
とす清掃作業の実施回数を減らすことができ、清掃作業
を簡素化することができる。また、従来、清掃作業によ
り収集される海生生物が大量であるため、それらを産業
廃棄物として処分するにも多大なコストと労力を要して
いたが、本実施形態によれば、海生生物の付着量自体を
低減できるため、かかる処分コストや労力の低減も図る
ことができる。
【0025】なお、水生生物付着防止装置1の駆動によ
り、海生生物の付着対象である取水路垂直壁面110や
取水路水平壁面120の近傍に水流を生じさせるタイミ
ングは限定されるものではなく、海生生物の発生状況等
に応じて任意に調整することができる。例えば、常時水
流を発生させるように動作させてもよいし、所定間隔毎
に、例えば、数時間おき、数日おきといったように動作
させてもよい。また、季節や水温等を考慮して、必要な
タイミングでのみ動作させることもできる。
【0026】(試験例)図4及び図5に示したように、
海中に500mmW×2000mmL×50mmDのコ
ンクリートテストピース150を浸漬し、噴出水吐出ノ
ズル11とコンクリートテストピース150との距離が
200mmとなるように設置した。また、噴出水は、コ
ンクリートテストピース150に対して、2分間隔で約
3秒ずつ吐出させた。噴出水吐出ノズル11からの吐出
時の噴出水の流速は3m/sに設定した。
【0027】(比較例)図4に示したように、上記試験
例と同様の大きさのコンクリートテストピース250
を、噴出水が当たらない位置でそのまま浸漬して放置し
た。
【0028】3ヶ月後、試験例と比較例の各コンクリー
トテストピース150,250への海生生物の付着状況
を観察した。その結果、試験例のコンクリートテストピ
ースには、イガイやフジツボの付着がほとんど観察され
なかったのに対し、比較例のコンクリートテストピース
250は、イガイやフジツボで覆われており、本発明の
海生生物の付着防止効果が極めて高いことが分かった。
【0029】なお、図1〜図3に示した実施形態では、
ノズル保持配管20として略L字状のものを使用してい
るが、付着対象となっている構造物の形状に対応して、
それらの面に沿った方向に噴出水吐出ノズルを配設でき
る形状であればよく、例えば、垂直配管部21のみで構
成されていてもよい(図4及び図5参照)。また、垂直
配管部21だけでなく、これに略直交する方向に伸びる
枝管を設けたり、水平配管部22でも同様に、略直交す
る方向に伸びる枝管を設けたりすることもできる。これ
らの枝管にも噴出水吐出ノズルを設けることによって、
一度に、より大面積の付着対象の近傍に水流を生じさせ
ることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明の水生生物付着防止装置及び水生
生物付着防止方法によれば、水生生物の付着対象となる
水中構造物の水接触壁面近傍に所定流速の水流を生起可
能な構成を有している。このため、水生生物が、水接触
壁面に付着しようとしても、この水流により流されてし
まい、付着できずに、近辺の水(海水)中に戻されるこ
とになり、水生生物の付着を抑制することができる。従
って、水接触壁面への水生生物の付着量を大幅に低減で
き、清掃作業の実施回数を減らして、清掃作業効率の改
善を図り、ブラシ交換等の清掃機器のメンテナンス作業
の容易化も図ることができる。また、水流を生起させる
噴出水吐出ノズルを保持するノズル保持配管の形状の工
夫や、ノズル保持配管を含む本発明の水生生物付着防止
装置を移動可能な構成とすることにより水接触壁面の形
状や大きさに拘わらず、効果的に水生生物の付着を抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態に係る水生生物付着防止
装置の構成を示す正面図である。
【図2】上記実施形態に係る水生生物付着防止装置の構
成を示す平面図である。
【図3】上記実施形態に係る水生生物付着防止装置を移
動可能とした場合の全体イメージを示す図である。
【図4】試験例、比較例の試験方法を説明するための側
面図である。
【図5】試験例の試験方法を説明するための正面図であ
る。
【符号の説明】
1 水生生物付着防止装置 11,12 噴出水吐出ノズル 20 ノズル保持配管 21 垂直配管部 22 水平配管部 30 噴出水吐出ポンプ 40 吸水管 50 薬液供給機構 60 保持部材 62 駆動モータ 70 案内レール 100 開放型取水路 110 取水路垂直壁面 120 取水路水平壁面 150,250 コンクリートテストピース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中円尾 淳 東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガ ノ株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中構造物の水接触壁面に向けて噴出水
    を所定流速で吐出し、前記水接触壁面近傍に所定流速の
    水流を生起させる噴出水吐出ノズルと、 前記噴出水吐出ノズルから噴出水を吐出させるため、こ
    の噴出水吐出ノズルに配管を介して接続された噴出水吐
    出ポンプとを具備することを特徴とする水生生物付着防
    止装置。
  2. 【請求項2】 前記水接触壁面近傍に、流速1.0m/
    s〜10m/sの範囲の水流を生起可能に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1記載の水生生物付着防止装
    置。
  3. 【請求項3】 前記噴出水吐出ノズルから吐出される噴
    出水の吐出時の流速が、1.0m/s〜10m/sの範
    囲となるように設けられていることを特徴とする請求項
    2記載の水生生物付着防止装置。
  4. 【請求項4】 前記噴出水吐出ノズルに至るまでの配管
    系内への水生生物の付着を防止するため、前記噴出水吐
    出ポンプに接続された吸水管の吸水口付近から、水生生
    物付着防止効果を有する薬液を注入可能な薬液供給機構
    を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に
    記載の水生生物付着防止装置。
  5. 【請求項5】 前記噴出水吐出ノズルを保持するノズル
    保持配管が、前記水中構造物の水接触壁面に対向して配
    置され、この水接触壁面の面方向に沿って移動可能に設
    けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1に記載の水生生物付着防止装置。
  6. 【請求項6】 機器冷却水として用いられる海水を取水
    するために設けられた開放型取水路に設置され、この開
    放型取水路の水接触壁面への水生生物の付着を防止可能
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記
    載の水生生物付着防止装置。
  7. 【請求項7】 前記噴出水吐出ノズルが、所定の長さを
    有するノズル保持配管に所定間隔毎に複数設けられてお
    り、このノズル保持配管が、前記開放型取水路の水接触
    壁面を構成する取水路垂直壁面及び取水路水平壁面のい
    ずれか少なくとも一方に対向配置されていることを特徴
    とする請求項6記載の水生生物付着防止装置。
  8. 【請求項8】 前記ノズル保持配管が、前記取水路垂直
    壁面及び取水路水平壁面のいずれにも対向した略L字状
    に形成されていることを特徴とする請求項7記載の水生
    生物付着防止装置。
  9. 【請求項9】 前記取水路垂直壁面又は取水路水平壁面
    に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする請
    求項7又は8記載の水生生物付着防止装置。
  10. 【請求項10】 移動速度が、0.001m/s〜1m
    /sであることを特徴とする請求項9記載の水生生物付
    着防止装置。
  11. 【請求項11】 各機構部の運転状況を把握し、管理用
    コンピュータとの間で、運転状況の送受信を行う運転情
    報伝達機器を備えていることを特徴とする請求項1〜1
    0のいずれか1に記載の水生生物付着防止装置。
  12. 【請求項12】 水中構造物の水接触壁面への水生生物
    の付着を防止するため、水接触壁面近傍に所定流速の水
    流を、常時、所定間隔毎に、又は任意のタイミングで生
    起させることを特徴とする水生生物付着防止方法。
  13. 【請求項13】 前記水中構造物の水接触壁面近傍に生
    起させる水流の流速が、1.0m/s〜10m/sの範
    囲であることを特徴とする請求項12記載の水生生物付
    着防止方法。
  14. 【請求項14】 前記水中構造物が、機器冷却水として
    用いられる海水を取水するために設けられた開放型取水
    路であることを特徴とする請求項12又は13記載の水
    生生物付着防止方法。
  15. 【請求項15】 前記水中構造物の水接触壁面に向けて
    噴出水を吐出させることにより、前記所定流速の水流を
    生起させることを特徴とする請求項12〜14のいずれ
    か1に記載の水生生物付着防止方法。
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