JP2003155230A - 抗インフルエンザ薬 - Google Patents

抗インフルエンザ薬

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JP2003155230A
JP2003155230A JP2002257558A JP2002257558A JP2003155230A JP 2003155230 A JP2003155230 A JP 2003155230A JP 2002257558 A JP2002257558 A JP 2002257558A JP 2002257558 A JP2002257558 A JP 2002257558A JP 2003155230 A JP2003155230 A JP 2003155230A
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ambroxol
influenza
virus
influenza virus
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Hiroshi Kido
博 木戸
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
Nippon Boehringer Ingelheim Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インフルエンザウイルス感染の治療または予
防剤を提供すること。 【解決手段】 アンブロキソール、ブロムヘキシンまた
はこれらの薬理学的に許容されうる塩を有効成分とする
抗インフルエンザ薬。気道分泌液中に含まれる抗インフ
ルエンザウイルス作用を示す生体内因子の分泌促進によ
り、抗インフルエンザ作用を持つことを特徴とする。イ
ンフルエンザウイルスの感染性を誘起する気道内プロテ
アーゼに対する阻害物質の分泌促進を介して、気道にお
けるインフルエンザウイルス増殖を抑制することを特徴
とする。さらに、粘膜免疫物質のIgAとIgGの分泌促進を
介して、気道におけるインフルエンザウイルス増殖を抑
制することを特徴とする。さらに気道中の炎症性サイト
カイン放出を抑制することを特徴とする。インフルエン
ザウイルス感染の治療または予防剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗インフルエンザ
ウイルス剤に関する。より詳細には本発明は、インフル
エンザウイルス感染の治療または予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】インフルエンザウイルスは最も普通に見
られる感染病原体の一つであり、特に、高齢者や小児、
特定の慢性疾患を有する者、免疫不全患者においては相
当な有病率及び死亡率の原因となる(Ref.1,2)。イン
フルエンザウィルスにはA,B,C型の3型が報告され
ており、A型が広範な流行を引き起こし、強い病原性を
示すが、B,C型は地域的、限定的な流行で病原性が弱
いことが知られている。しかし、感染機構に関しては、
それぞれ共通の機構が存在していると考えられる。 Ref.1: Kim HW, Brandt CD, Arrobio JO, Murphy B, Ch
anock RM, Parrott RH. Influenza A and B virus infe
ction in infants and young children duringthe year
s 1957-1976. Am J Epidemiol 1979; 109: 464-479. Ref.2: Barker WH, Mullooly JP. Impact of epidemic
type A influenza in adefined adult population. Am
J Epidemiol 1980; 112: 798-813.
【0003】インフルエンザウイルスの病原性は、個々
のウイルスゲノムの多型性と主にウイルスエンベロープ
糖蛋白[赤血球凝集素(HA)]が限定的に開裂されるこ
とで、インフルエンザウイルスの膜融合活性が誘発さ
れ、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こし、ウイルス
ゲノムが細胞質内に入るのを許す気道の宿主細胞が分泌
するトリプシン型プロテアーゼによって決められる(Re
f.3-5)。 Ref.3: Klenk HD, Garten W. Host cell proteases con
trolling virus pathogenicity. Trends Microbiol 198
0; 2: 39-43. Ref.4: Klenk HD, Rott R. The molecular biology of
influenza virus pathogenicity. Adv Virus Res 1988;
34: 247-281. Ref.5: Homma M, Ohuchi M. Trypsin action on the gr
owth of Sendai virusin tissue culture cells. J Vir
ol 1973; 12: 1457-1465.
【0004】ウイルスエンベロープ糖蛋白のプロテアー
ゼによる開裂は、気道上皮細胞の膜上及び/または気道
腔中において起こる(Ref.6,7)。 Ref.6: Kido H, Yokogoshi Y, Sakai K, Tashiro M, Ki
shino Y, Fukutomi A,Kutunuma N. Isolation and char
acterization of a novel trypsin-like protease foun
d in rat bronchiolar epithelial Clara cells. J Bio
l Chem 1992; 267: 13573-13579. Ref.7: Tashiro M, Yokogoshi Y, Tobita K, Seto JT,
Rott R, Kido H. Tryptase Clara, an activating prot
ease for Sendai virus in rat lungs, is involved in
pneumopathogenicity. J Virol 1992; 66: 7211-7216.
【0005】ウイルスエンベロープ糖蛋白を開裂するプ
ロテアーゼの活性は、上気道における粘液プロテアーゼ
インヒビター(MPI)(Ref.8)、及び下気道における肺
サーファクタント(PS)(Ref.9)のような気道分泌液
に含まれる上記プロテアーゼの内因性阻害性化合物によ
って厳密に調節されている。肺のPSに含まれるサーファ
クタント蛋白A(SP-A)は、シアール酸の付加されたC
型レクチンに属し、この蛋白質は直接インフルエンザウ
イルスHAと結合して、ウイルスの細胞内侵入を阻害する
(Ref.10)。気道分泌液に含まれるこれらの化合物の他
に、粘膜免疫システムがウイルスの細胞内侵入を防止す
る主要な免疫学的防御システムであり、具体的には免疫
グロブリンのIgA及びIgGの局所的分泌の誘発がインフル
エンザウイルス感染に対する防御と密接に相関している
(Ref.11-13)。これらの結果は、気道分泌液中に含ま
れるこれら抗ウイルス生体防御物質の濃度がインフルエ
ンザウイルス感染に対する個体の感染感受性を決定する
ことを示唆する。 Ref.8: Beppu Y, Imamura Y, Tashiro M, Towatari T,
Ariga H, Kido H. Human Mucus protease inhibitor in
airway fluids is a potential defensive compound a
gainst infection with influenza Aand Sendai viruse
s. J Biochem 1997; 121: 309-316 . Ref.9: Kido H, Sakai K, Kishino Y, Tashiro M. A pu
lmonary surfactant isa potential endogenous inhibi
tor of proteolytic activation of Sendai virus and
influenza virus. FEBS Lett 1993;322: 115-119. Ref.10: Benne CA, Kraaijeveld CA, van Strijp JAG,
Brouwer E, Harmsen M,Verhoef J, van GoldLMG, van I
waarden JF. Interactions of surfactant protein A w
ith influenza A viruses: bindingand neutralizatio
n. J Infect Dis1995; 171: 335-341. Ref.11: Liew FY, Russell SM, Appleyard G, Brand C
M, Beale J. Cross-protection in mice infected with
influenza A virus by the respiratory routeis corr
elated with local IgA rather thanserum antibody or
cytotoxic T cell reactivity. Eur J Immunol 1984;
14: 350-356. Ref.12: Tamura S, Funato H, Hirabayash Y, et al. F
unctional role of respiratory tract haemagglutinin
-specific IgA antibodies in protection against inf
luenza. Vaccine 1990; 8: 479-485. Ref.13: Wright PF, Murphy BR, Kervina M, Lawrence
EM, Phelan MA, KarzonDT. Secretory immunological r
esponse after intranasal inactivated influenza A v
irus vaccinations: evidence for immunoglobulin A m
emory. InfectImmun 1983; 40: 1092-1095.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】去痰剤あるいは喀痰溶
解薬として知られているアンブロキソール(2-amino-3,
5-dibromo-N-[trans-4-hydroxycyclohexyl]benzylamin
e)は、慢性気管支炎及び新生児呼吸窮迫症候群の治療
に用いられてきた(Ref.14)。アンブロキソールの薬理
学的作用は、気道の腺細胞上での粘液調節として、また
PS産生を増進させる薬剤として報告されている(Ref.1
5)。さらに、アンブロキソールは、抗酸化作用(Ref.1
6)や気管支肺胞マクロファージ、単球及び顆粒球から
の炎症性サイトカイン放出の低減(Ref.17,18)を伴う
抗炎症作用を示す。しかし、In vivo におけるインフル
エンザウイルス感染に対するアンブロキソールの作用は
これまでほとんど知られていない。又、ブロムヘキシン
(2-amino-3,5-dibromo-N-cyclohexyl-N-mehtlybenzylam
ine)も去痰剤として知られており、慢性気管支炎の治療
に用いられてきた。しかしながら、In vivo におけるイ
ンフルエンザウイルス感染に対するブロムヘキシンの作
用はこれまでほとんど知られていない。 Ref.14: Germouty J, Jirou-Najou J. Clinical effica
cy of ambroxol in thetreatment of bronchial stasi
s. Respiration 1987; 51: 37-41. Ref.15: Heath MF, Jacobson W. The inhibition of ly
sosomal phospholipaseA from rabbit lung by ambroxo
l and its consequences for pulmonary surfactant. L
ung 1985; 163: 337-44. Ref.16: Gillissen A, Scharling B, Jaworska M, Bert
ling A, Rasche K, Schultze-Werninghaus G.0xidant s
cavenger function of ambroxol in vitro: a comparis
on with N-acetylcysteine AC. Res Exp Med(Berl)199
7; 196: 389-398.Ref.17: Pfeifer S, Zissel G, Kiena
st K, Muller-Quernheim J. Reduction of cytokine re
lease from blood and bronchoalveolar mononucler ce
lls by ambroxol. Eur J Med Res 1997; 2: 129-132. Ref.18: Gibbs BF, Schmutzler W, Vollrath IB, Brost
harardt P, Braam U, Wolff HH, Zadlo-Klarwasser G.
Ambroxol inhibits the release of histamine,leukotr
ienes and cytokines from human leukocytes and mast
cells. Inflamm Res 1999; 48: 86-93.
【0007】本発明は、抗酸化作用があり、PSの放出を
促進する喀痰溶解剤であるアンブロキソール及び/又は
ブロムヘキシンの、インフルエンザウイルス感染に対す
る防御効果を用いて、抗インフルエンザウイルス剤、す
なわち、インフルエンザウイルス感染の治療または予防
剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アンブロキソ
ール、ブロムヘキシンまたはこれらの薬理学的に許容さ
れうる塩を有効成分とする抗インフルエンザ薬を要旨と
している。
【0009】気道分泌液中に含まれる抗インフルエンザ
ウイルス作用を示す生体内因子(生体防御物質群)の分
泌促進により、抗インフルエンザ作用を持つことを特徴
としており、その場合、本発明は、アンブロキソール、
ブロムヘキシンまたはこれらの薬理学的に許容されうる
塩を有効成分とし、気道分泌液中に含まれる抗インフル
エンザウイルス作用を示す生体内因子の分泌促進によ
り、抗インフルエンザ作用を持つことを特徴とする抗イ
ンフルエンザ薬を要旨としている。
【0010】インフルエンザウイルスの感染性を誘起す
る気道内プロテアーゼに対する阻害物質、さらに粘膜免
疫物質のIgAやIgGの分泌促進を介して、気道におけるイ
ンフルエンザウイルス増殖を抑制することを特徴として
おり、その場合、本発明は、アンブロキソール、ブロム
ヘキシンまたはこれらの薬理学的に許容されうる塩を有
効成分とし、気道分泌液中に含まれる抗インフルエンザ
ウイルス作用を示す生体内因子としてのMPIやPS、さら
に粘膜免疫物質のIgAやIgGの分泌促進によりインフルエ
ンザウイルス増殖を抑制することを特徴とする抗インフ
ルエンザ薬を要旨としている。
【0011】さらに気道中の炎症性サイトカイン放出を
抑制することを特徴としており、その場合、本発明は、
アンブロキソール、ブロムヘキシンまたはこれらの薬理
学的に許容されうる塩を有効成分とし、気道分泌液中に
含まれる抗インフルエンザウイルス因子としてのMPIやP
S、さらに粘膜免疫物質のIgAやIgGの分泌促進によりイ
ンフルエンザウイルス増殖を抑制すること、さらに気道
中への炎症性サイトカイン放出を抑制することを特徴と
する抗インフルエンザ薬を要旨としている。
【0012】本発明の抗インフルエンザ薬は、インフル
エンザウイルス感染の治療または予防剤である。本発明
は、又、抗インフルエンザ薬を製造するための、アンブ
ロキソール、ブロムヘキシンまたはこれらの薬理学的に
許容されうる塩の使用を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で用いるアンブロキソール
(2-amino-3,5-dibromo-N-[trans-4-hydroxycyclohexy
l]benzylamine)について、化1で示されるその塩酸塩
〔一般名:塩酸アンブロキソール(Ambroxol Hydrochlor
ide)、化学名:trans-4-[(2-amino-3,5-dibromobenzyl)
amino]cyclohexanol hydrochloride〕は、去痰剤あるい
は喀痰溶解薬としてドイツをはじめとする世界各国で広
く臨床応用されている薬剤であり、前述のとおり慢性気
管支炎及び新生児呼吸窮迫症候群の治療に用いられてき
た。
【0014】
【化1】
【0015】又、本発明で用いるブロムヘキシン(2-ami
no-3,5-dibromo-N-cyclohexyl-N-mehtlybenzylamine)に
ついて、化2で示されるその塩酸塩〔一般名:塩酸ブロ
ムヘキシン(Bromhexin Hydrochloride)、化学名:2-ami
no-3,5-dibromo-N-cyclohexyl-N-mehtlybenzylamine hy
drochloride〕は、去痰剤としてドイツをはじめとする
世界各国で広く臨床応用されている薬剤であり、前述の
とおり慢性気管支炎の治療に用いられてきた。
【0016】
【化2】
【0017】本発明の予防及び治療剤におけるウィルス
疾患としては、外膜糖蛋白を有するウィルスにより気道
部で感染発症するものであればよく、例えば、インフル
エンザウィルス、パラインフルエンザウィルス、レスピ
ラトリーシンシシャルウィルス(Respiratory Syncytia
l Virus)、麻疹ウィルス又はムンプスウィルスを原因
とする疾患が挙げられる。
【0018】本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、
通常の薬剤組成物と同様に、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒
剤、カプセル剤、懸濁剤、トローチ剤、チュアブル剤な
どの経口固形製剤およびエリキシル剤、シロップ剤(ド
ライシロップも含む)などの液剤などの形態で投与する
ことができる。また、経口投与に不向きであったり、局
所投与を選択することでより早くより確実な薬効が求め
られる場合には、従来用いられている液剤注入、ミスト
噴霧やネブライザー注入法、およびスピンヘラーやディ
スクヘラーを用いた粉末吸入器(dry powder device; DP
D)や定量噴霧式吸入器(metered dose inhaler; MDI)な
どの方法で投与される。これらの場合、利便性、確実
性、効率などの点を考慮して選択される。
【0019】服用および投与用量は製剤形態によって適
宜調整できる。錠剤などの経口固形製剤、経口液剤など
として1日服用量を1回ないし数回に分けて服用してもよ
い。また、例えばシロップやトローチ、チュアブル錠な
どの幼児頓服して、局所で作用させるとともに内服によ
る全身性作用をも発揮させる製剤形態では1日服用量の1
/2〜1/10を1回量として配合し服用すればよく、この場
合全服用量が1日量に満たなくてもよい。逆に、製剤形
態からみて無理な服用容量とならなければ1日服用量に
相当する量を1回分として配合してもよい。また、局所
適用を目的とした液剤注入剤やミスト噴霧剤、ネブライ
ザー注入法、粉末吸入法などによる場合は、内服用経口
剤の投与量の1/10〜1/100に調製して用いてよい。
【0020】製剤の調製にあたっては、通常使用される
充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢
剤、コーティング剤、徐放化剤など、希釈剤や賦形剤を
用いることができる。この他、必要に応じて溶解補助
剤、緩衝剤、保存剤、可溶化剤、等張化剤、乳化剤、懸
濁化剤、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、硬化剤、吸収剤、
粘着剤、弾性剤、可塑剤、吸着剤、香料、着色剤、矯味
剤、抗酸化剤、保湿剤、遮光剤、光沢剤、帯電防止剤な
どを使用することができる。より具体的には、賦形剤と
して、乳糖、コーンスターチ、マンニトール、D-ソルビ
トール、結晶セルロース、エリスリトール、白糖など、
結合剤としてはヒドロキシプロピルセルロース(HPC-
L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、メチルセルロース、α化デンプンなど、崩
壊剤にはカルメロースカルシウム、クロスカルメロース
ナトリウム、架橋化ポリビニルピロリドンなど、滑沢剤
としてはステアリン酸マグネシウム、タルクなどであ
る。また、香料としてはl-メントール、バニリン、レモ
ン油、ケイヒ油、ハッカ油などのフレーバーや芳香油が
挙げられ、吸着剤には合成ケイ酸アルミニウム、軽質無
水ケイ酸などを配合することができる。また、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど
通常用いられるコーティング剤でコーティング製剤とす
ることもできる。また、必要とすれば、特にトローチ剤
やシロップ剤、チュアブル剤などにおいては甘味剤を用
いることができる。すなわち、マンニトール、ブドウ
糖、麦芽糖、水飴、マルツエキス、マルチトール、ソル
ビトール、白糖、黒砂糖、果糖、乳糖、蜂蜜、キシリト
ール、甘茶、サッカリン、アスパルチルフェニルアラニ
ンエステルなどやその他マルトオリゴ糖、マルトシルシ
ュクロース、還元イソマルチュロース、ラフィノースな
どのオリゴ糖などが挙げられる。これらを用いての製剤
化は、その製剤形態に応じて、当該分野で知られている
方法、慣用の方法そして常法のいずれかの方法により行
うことができる。
【0021】散剤、細粒剤、顆粒剤などの粉粒体製剤
(定量噴霧吸入器(MDI)や粉末吸入器(DPD)なども含む)
では飛散性、付着性などの性状を考慮して適宜目的とす
る製剤の調製を行うことができ、例えば、粉体の嵩、飛
散性、付着性、吸湿性、帯電性、ぬれ、溶解性等の物
性、粒子の粒度(粒径)、表面積、形状などの性質を考慮
して製剤となすことが好ましい。具体的には、粉末吸入
法では薬物を効率的に痰患部に到達させるために薬剤成
分の粒子径に注意を払わなければならいとされており、
最も適した粒子径は0.5〜5.0μmとされている。また、
取り扱いの便や吸湿、分解、変質、変色などの防止も考
慮して調製することが好ましい。粉末の調製には粉砕方
法として、乾式粉砕法、湿式粉砕法、低温粉砕法、ジェ
ット粉砕法、回分式粉砕法、連続開回路粉砕法、連続閉
回路粉砕法、などの従来用いられている方法により適宜
選択したり、その目的に応じてそれらを組み合わせて行
うことができる。
【0022】
【作用】アンブロキソール及びブロムヘキシンは、気道
内の抗ウイルス因子の分泌促進効果により気道における
インフルエンザウイルス増殖を抑制する作用が認められ
る。アンブロキソール作用は、SP-A、MPI、IgA、IgG等
のウイルス増殖阻害物質の気道内濃度の上昇、また気道
分泌液中への炎症性サイトカイン放出の抑制によって説
明されるであろう。
【0023】
【実施例】本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0024】実施例 《概要》抗酸化特性があり、さらにPSの放出を刺激する
咳痰溶解剤であるアンブロキソールの、インフルエンザ
ウイルス感染に対する防御作用をマウスにおいて研究し
た。致死量のインフルエンザA/Aichi68(H3N2)ウイル
スを鼻腔内に感染した後に、マウスにアンブロキソール
または賦形剤を1日2回腹腔内投与し、生存率、BALF中の
ウイルス力価、サイトカイン及びBALF中の抗ウイルス因
子、すなわち粘膜免疫IgAおよびIgG、ならびにPSおよび
MPIの濃度を分析した。アンブロキソールはウイルス増
殖を有意に抑制し、マウスの生存率を著明に改善した。
生存率の測定において、アンプロキソールの作用は10mg
/kg/日で最大に達し、それより高い用量では効果は小さ
くなった。しかし、高い用量の場合でも、コントロール
として用いた生理食塩水投与群よりは生存率の改善を見
た。インフルエンザウイルス感染は気道分泌液中の抗ウ
イルス因子及び炎症性サイトカインを誘発し、アンブロ
キソールはこれら抗ウイルス因子群の放出をさらに促進
したが、それはまたウイルス増殖を助長するトリプシン
型プロテアーゼの放出をも促進した。さらに、アンブロ
キソールは一過性にサイトカイン、すなわち、tumor na
ctosis factor-α(TNF-α)、interferone-γ(IFN-γ)、
interleukin-2(IL-2)の気道液中への放出を抑制した。
アンブロキソールには生体内でのウイルス増殖に関与す
る幾つかのネガティブな作用を認めるが、全体的にはウ
イルス増殖を抑制する気道内物質群のレベルを顕著に上
昇させ、インフルエンザウイルス感染の有効な治療とし
ての臨床適用を示唆している。
【0025】致死量のマウス適応型インフルエンザウイ
ルスA/Aichi/68(H3N2)の鼻腔内感染後のマウスに対す
るアンブロキソールの作用を試験し、生存率、ウイルス
力価及び気道分泌液中のウイルス増殖とトリプシン型プ
ロテアーゼ,MPI,PS,IgA,IgG及びサイトカイ
ンのレベルを試験した。 《対象と方法》 1)動物及び対象 特異病原フリーのメス、生後3週間、体重8-10gのoddYマ
ウスをJapanSLCInc.(静岡、日本)から購入した。マウ
スはすべて徳島大学の動物実験ガイドラインに基づいて
行った。アンブロキソールはBoehringerIngelheimから
供与された。ブタ膵臓トリプシンをSigmaから購入し
た。マウス適応インフルエンザA/Aichi/68(H3N2)ウイ
ルス(Ref.19)は卵齢10日の有胚卵において増殖させた
後に用いた。 Ref.19: Ovcharenko AV, Zhirnov OP. Aprotinin aeros
ol treatment of influenza and paramyxovirus bronch
opneumonia of mice. Antiviral Res. 1994; 23: 107-1
18.
【0026】2)ウイルス感染とアンブロキソールの投
与方法 エーテル麻酔下で、マウスを6.6X104プラーク形成単位
(PFU)のインフルエンザA/Aichi/68(H3N2)ウイルスを
投与量20μlで鼻腔内感染させた。感染直後の10〜1
5分以内に、10匹から成る1群に腹腔内(i.p.)に食塩
水に混ぜたアンブロキソール200μlをそれぞれ2、5、10、1
5mg/kg体重で投与した。以後同様の投与を1日2回,7
−10日間行った。気道分泌液中の様々な化合物及び所
定の病理学的変化を分析するための実験では、0、10、30m
g/kg/日のアンブロキソールで治療する3群の動物を選択
した。各群に80匹の動物を使用した。BALF中のウイルス
レベルは、報告したように(Ref.20)免疫蛍光細胞計数
法(immurofluorexant cell-counting method)によっ
て測定した。 Ref.20: Tashiro M, Homma M. Pneumotropism of Senda
i virus in relation to proteasemediated activation
in mouse lungs. Infect Immun 1983; 39: 879-888.
【0027】3)BALFの調整 1群80匹のマウスはアンブロキソールで治療した群、ま
たは治療しない群、あるいはインフルエンザウイルスを
感染させた群または感染させなかった群として、1群80
匹のマウスを使用した。各群から毎日少なくとも5匹の
マウスを選択し、マウスからBALF〔Singh等の方法(Re
f.21)により〕を7日間毎日採取した。BALFは使用する
まで-80℃で保存した。 Ref.21: Singh G, Katyal SL. An immunologic study o
f the secretory products of rat clara cells. J His
tochem Cytochem 1984; 32: 49-54.
【0028】4)BALF中のSP-A,サイトカイン及び免疫
グロブリンの測定 マウスとラットのSP-Aのアミノ酸配列には95%の同一性
があり(Ref.22,23)、分離したラットSP-Aに対するポ
リクローナル抗体が(Ref.6、24)マウスSP-Aに反応し
た。そこで、マウスのBALF中のSP-A濃度を非ビオチン化
とビオチン化したラットのSP-Aに対する特異抗体を用い
たenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)システ
ムを作成し、マウスSP-Aを標準検量線物質として分析し
た。BALF中のサイトカイン〔TNF-α、IL-2、IFN-γ、in
terleukin-6(IL-6)、interleukin-4(IL-4)〕のレベルは
ELISA kits(Bio-source Internaitonal,CA,USA)を用
いて、製造元のプロトコールに基づいて測定した。BALF
中のIgG及びIgAのレベルもELISA kits(Bethyl,TX,US
A)を用いて測定した。490nmまたは450nmにおける吸
光度をlmmuno Mini NJ-2300 multiplate-readerによっ
て読み取った。 Ref.21: Singh G, Katyal SL. An immunologic study o
f the secretory products of rat clara cells. J His
tochem Cytochem 1984; 32: 49-54. Ref.22: Korfhagen TR, Bruno MD, Glasser SW, et al.
Murine pulmonary surfactant SP-A: gene cloning, s
equence, and transcripitional activity. AmJ Physio
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Raymondjean M, KahnA. Characterizationof the rat
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ein A on phagocytosis of fractionated alveolar mac
rophages: relationship to starvation. Cell Mol Bio
l 1992; 38: 123-130.
【0029】5)酵素及びインヒビター測定 トリプシン型プロテアーゼ活性の測定はすでに述べたよ
うに(Kido H, Yokogoshi Y, Sakai K, Tashiro M, Kis
hino Y, Fukutomi A, Kutunuma N. Isolationand chara
cterization of a novel trypsin-like protease found
in rat bronchiolar epithelial Clara cells. J Biol
Chem 1992; 267:13573-13579.)、インフルエンザウイ
ルスHAの開裂部位認識共通配列(consensus cleavage m
otif)に類似しているN-tert-butoxycarbonyl-Gln-Ala-
Arg-4-metyhl-coumaryl-7-amideを基質として用いて分
析した。BALF中におけるインフルエンザウイルスのHA開
裂プロテアーゼの阻害物質の90%を示すMPI(Ref.25,2
6)の阻害活性は、以下のように分析した。酸と熱に安定
なMPIの性質を利用して、MPIを5%(v/v)過塩素酸で処
理して大部分の蛋白質を遠心除去したBALFの上澄を採取
し、さらに100℃で10分間ボイルした。その後上澄を150
0xgで15分間遠心分離し、4M KOHでpH7.0に調整し、上澄
のプロテアーゼ阻害活性をすでに述べられているように
分析した(Beppu Y, Imamura Y, Tashiro M, Towatari
T, Ariga H, Kido H. Human Mucus protease inhibitor
in airway fluids is a potential defensive compoun
dagainst infection with influenza A and Sendai vir
uses. J Biochem 1997; 121: 309-316 .)。 Ref.25: Stolk J, Rossie W, Dijkman JH. Apocynin im
proves the efficacy of a secretory leukocyte prote
ase inhibitor in experimental emphysema. AmJ Respi
r Crit Care Med 1994;150: 1628-1631. Ref.26: Ohlsson K, Tegner H, Akesson U. Isolation
and partial characterization of a low molecular we
ight acid stable protease inhibitor from human bro
nchial secretions. Hoppe Seylers Z Phusiol Chem 19
77; 358: 583-589.
【0030】《統計》すべての値は平均値±SDで表し
た。アンブロキソールで治療した群と治療しなかった対
照群との有意な差は、paired Student's t-testを用い
て評価し、P<0.05の値を有意と見なした。
【0031】《結果》 1)アンブロキソールはインフルエンザウイルス感染マ
ウスの生存率を著明に改善した。アンブロキソールがイ
ンフルエンザA/Aichi/68(H3N2)ウイルス感染マウスの
生存率を上昇させることを図1に示す。図1中、マウス
は6.6X104PFUのインフルエンザA/Aichi/68(H3N2)ウイル
スで感染させ、その後食塩水(●)、アンブロキソール4
(▲)、10(■)、20(△)、30(□)mg/kg/日を腹腔内に注入
した。各群のマウス(10匹)の生存率を10日間分析した。
前述したようにアンブロキソールは肺および気管支への
PSの分泌を刺激すること、さらに抗酸化作用と抗炎症特
性を示すことがすでに報告されている。これらの所見を
生かし、感染力と進行性の強いインフルエンザA/Aichi/
68(H3N2)ウイルスを感染させたマウスに対するアンブロ
キソールの作用を分析した。体重8−10gのマウスに
致死量に相当するインフルエンザAウイルスを鼻腔内感
染させ、様々な用量のアンブロキソールを1日2回腹腔内
に注射した。アンブロキソール自体は30mg/kg/日までは
何の毒性も示さなかった。ウイルス感染後、2日目から
体重の有意な減少が認められ、アンブロキソール治療を
行わなかった全例(n=10)が10日以内に死亡した。アン
ブロキソール治療群では、用量に依存して感染マウスの
生存率が改善され、用量10mg/kg/日でピークであった
が、それ以上の用量では生存率の改善効果は小さくなっ
た(図1)。マウスを用量10mg/kg/日のアンブロキソー
ルで治療すると、感染マウスの半数が致死感染であるに
もかかわらず生存した。
【0032】2)アンブロキソール治療群ではウイルス
の増殖が抑制された。BALF中のウイルス増殖に対するア
ンブロキソールの抑制作用(A)、及び感染後4日目のマウ
スにおける肉眼的肺病変を図2に示す。 A:各群のマウス(80匹)をインフルエンザA/Aichi/68(H3
N2)ウイルスに感染させ、その後図1の説明に述ベたよう
に、食塩水(●)、アンブロキソール10(△)及び30(▲)mg
/kg/日で治療した。感染及び治療後、5匹の生存マウス
のBALFを7日間毎日採取した。BALFのウイルス力価を前
述の免疫蛍光細胞計数法(Ref.20)によって測定し、細胞
感染単位(cell infecting unit, CIU)で表した。データ
は平均値±SD(n=5)として表現した。Student's t-test
により、食塩水とアンブロキソールで治療したマウスに
ついての値間での有意差を検定した。*P<0.01。 B:非感染群4日目でのマウスの肺(n=5)(1)、インフルエ
ンザウイルスに感染させ食塩水で治療した群の肺(2)、
インフルエンザウイルスに感染させアンブロキソール10
(3)、30(4)mg/kg/日で治療した群におけるマウスの肉眼
的肺病変。アンブロキソールによる感染マウスの生存率
改善の根底にある機序を分析するために、免疫蛍光細胞
計数法によってBALF中のウイルス価を測定した。マウス
にインフルエンザAウイルスを鼻腔内に感染させ、2日経
過したところで、BALF中のウイルス力価は増加を始め、
5日目で最大に達し、6日目以後BALF中のウイルス力価は
急速に減少して7日目で感染2日目に相当する力価にまで
減少した。これは恐らく宿主の免疫学的反応の結果と推
定される(図2A)。用量10mg/kg/日でのアンブロキソ
ール治療群では、ウイルス増殖を有意に抑制したが、用
量30mg/kg/日の処理群での効果はそれより小さかった。
感染後4日目の肺の病理学的変化、肉眼的肺病変を分析
した(図2B)。感染マウスでは発赤を伴う肺に重度の広
範囲な肝臓様病変が観察された。用量10mg/kg/日のアン
ブロキソール治療群では病理学的変化は著明に減少し、
用量30mg/kg/日での病変抑制効果はそれよりも小さかっ
た。感染マウスのウイルス増殖は7日目でほぼ停止し、
ウイルスは気道から排除されたが、肺の病理学的変化は
その後も軽度の進行を伴って継続し、動物は10日以内に
死亡した。感染マウスの生存率の改善及びウイルス増殖
抑制効果におけるアンブロキソールの作用機序を解明す
るために、インフルエンザウイルスの複製を調節するBA
LF中の様々な細胞因子及び炎症性サイトカインに対す
る、アンブロキソールの作用を分析した。
【0033】3)気道分泌液中におけるインフルエンザ
ウイルス複製の促進因子と抑制因子の濃度に対するアン
ブロキソールの作用。Tryptase Claraのような気道に分
泌されるトリプシン型プロテアーゼは、インフルエンザ
ウイルスのHAをHA1とHA2に解裂させ、その結果、ウイル
ス膜融合活性及びウイルス複製を促進する(Ref.6,
7)。このプロテアーゼ活性は、MPI(Ref.8)及びPS(R
ef.9)のような、内因性阻害物質によって抑制される。
従って、これら阻害物質のBALF中の濃度に対するアンブ
ロキソールの作用を分析し、結果を表1(インフルエン
ザAウイルス感染マウスのBALFにおけるトリプシン様プ
ロテアーゼ活性、PS及びMPIに対するアンブロキソール
の作用)に示した。トリプシン型プロテアーゼは、通
常、非感染マウス及びラットにおいて気道内のプロテア
ーゼ阻害物質よりも多く分泌されていて、インフルエン
ザウイルスは常に感染できる状態にある(Ref.6,9)。
インフルエンザウイルスを感染させると、トリプシン型
プロテアーゼの濃度は、6日目をピークとして約6.4倍
増大した。用量10mg/kg/日でのアンブロキソール治療を
した群では、1日目からプロテアーゼの分泌増加が誘発
され、5日目でピークに達した。用量30mg/kg/日の
アンブロキソール投与群ではさらにそのレベルが上昇し
たが、ピークは4日目と早くなり、その後急速に低下す
る傾向を呈した。感染していないマウスにおいても、BA
LF中のトリプシン型プロテアーゼはアンブロキソールに
よる分泌促進が認められた(表2)。用量10及び30mg/
kg/日のアンブロキソール投与群は4日目をピークとし
て、それぞれ2.2倍及び2.4倍トリプシン型プロテアーゼ
レベルを上昇させた。SP-A及びMPIのレベルに対するア
ンブロキソールの作用を分析した〔表1及び2(インフル
エンザウイルス感染群、および感染無しの群におけるマ
ウスBALFのトリプシン様プロテアーゼ活性、PS及びMTI
に対するアンブロキソールの作用)〕。インフルエンザ
ウイルス感染はこれら抗インフルエンザ活性を持つ生体
防御物質のSP-A、MPIの分泌を、6日目をピークとしてそ
れぞれ6倍及び4.4倍増大させた。感染マウス群でのアン
ブロキソールによる治療は、MPI及びSP-Aの濃度を投与
後第1日目より急激にしかも著明に増加させ、ピーク値
でそれぞれベース濃度の9−10倍及び8.4倍にまで増加さ
せた。感染マウスを10mg/kg/日のアンブロキソールによ
り治療した群では、MPI及びSP-Aのレベルは第1日目の急
激な増加の後も濃度は徐々に上昇し、5日目をピークと
して、7日目まで高い濃度に維持された。しかし、マウ
スをアンブロキソール30mg/kg/日で治療したところ、第
1日目の急激な増加の後、4日目をピークとしてその後急
速に消失した。非感染マウス群のSP-A及びMPIの分泌に
対してもアンブロキソールは軽度ながら分泌促進作用が
観察された。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】4)アンブロキソールは粘膜免疫IgA及びI
gGの分泌を促進する。次に、BALF中の粘膜免疫IgA及びI
gGの分泌に対するアンブロキソールの作用を分析した
(図3及び図4)。非感染マウス群(A)及びインフルエン
ザAウイルス感染マウス群(B)のBALFにおける粘膜免疫Ig
Aレベルに対するアンブロキソールの分泌促進作用を図
3に示す。図中、食塩水(白棒)、アンブロキソール10mg
/kg/日(黒棒)、30mg/kg/日(斜線棒)によって治療した
非感染群(A)及び感染群(B)マウスのBALFにおけるIgAレ
ベルを、7日間測定した。データは平均値±SD(n=5)とし
て表した。Student's t-testにより、食塩水とアンブロ
キソールで治療したマウスについての値間で*P<0.05、*
*P<0.01。
【0037】非感染マウス群(A)及びインフルエンザAウ
イルス感染マウス群(B)のBALFにおける粘膜免疫IgGレベ
ルに対するアンブロキソールの分泌促進作用を図4に示
す。図中、食塩水(白棒)、アンブロキソール10mg/kg/日
(黒棒)、30mg/kg/日(斜線棒)によって治療した非感染群
(A)及び感染群(B)マウスのBALFにおけるIgGレベルを、7
日間測定した。データは平均値±SD(n=5)として表し
た。Student's t-testにより、食塩水とアンブロキソー
ルで治療したマウスについての値間で*P<0.05。
【0038】インフルエンザウイルスの鼻腔内接種は、
粘膜免疫IgA及びIgGの分泌を際立って促進し、これら抗
体のレベルはウイルス増殖抑制の程度と相関関係がある
と考えられている(Liew FY, Russell SM, Appleyard
G, Brand CM, Beale J. Cross-protection in mice inf
ected with influenza A virus by the respiratory ro
ute is correlated with local IgA rather than serum
antibody or cytotoxic T cellreactivity. Eur J Imm
unol 1984; 14: 350-356.、 Tamura S, FunatoH, Hirab
ayash Y, et al. Functional role of respiratory tra
ct haemagglutinin-specific IgA antibodies in prote
ction against influenza. Vaccine 1990; 8: 479-48
5.)。非感染マウス群のBALF中のIgAの濃度は10.3±6.6
ng/mlと非常に低く、一方恐らく血清から気道分泌液中
に拡散したためと思われるIgGの濃度は460±26.2ng/ml
と比較的高かった(図3A及び図4A)。非感染マウス群の
10及び30mg/kg/日のアンブロキソールによる治療は、Ig
Aの分泌を促進し、7日目及び5日目における濃度を、そ
れぞれ約10倍上昇させ、IgGの濃度も7日目と6日目で約
1.2倍と若干上昇させた。マウスをインフルエンザウイ
ルスに感染させると、BALF中のIgA及びIgG濃度は1−2
日後から際立って上昇し、7日目にIgAレベルは約400
倍、IgGは6日目に11倍に上昇し、ピークに達した(図3B
及び図4B)。感染マウスの10及び30mg/kg/日のアンブロ
キソールによる治療によって、IgAのレベルはそれぞれ
7日目にベース濃度の約600倍、5日目に700倍と有意に
上昇した。10及び30mg/kg/日のアンブロキソール治療
は、感染マウスにおけるIgGの分泌を中度に刺激し、そ
れぞれ6日目に約16倍、5日目に15倍に促進した。これら
の結果は、感染によって誘発された粘膜免疫IgA分泌の
アンブロキソールによる顕著な促進と、IgG分泌の中度
促進が行われたためと推定される。従って、これら免疫
グロブリンレベルの上昇も気道におけるウイルスの増殖
抑制効果の一因と推定された。
【0039】5)サイトカイン放出に対するアンブロキ
ソールの作用 アンブロキソールが、in vitroでTNF-α、IL-2、IL-1、
IL-4、IL-13及びIFN-γ等の炎症性サイトカインの放出
を抑制することが報告されている(Pfeifer S,Zissel
G, Kienast K, Muller-Quernheim J. Reduction of cyt
okine releasefrom blood and bronchoalveolar mononu
clear cells by ambroxol. Eur J MedRes 1997; 2: 129
-132.、Gibbs BF, Schmutzler W, Vollrath IB, Brosth
arardtP, Braam U, Wolff HH, Zadlo-Klarwasser G. Am
broxol inhibits the releaseof histamine, leukotrie
nes and cytokines from human leukocytes and mastce
lls. Inflamm Res 1999; 48: 86-93.)。インフルエン
ザウイルスに感染したマウスにおけるアンブロキソール
の抗炎症作用を測定するために、我々は、炎症性サイト
カインのTNF-α、IL-4及びIFN-γ、IL-6とIL-12のよう
な粘膜免疫を助長するサイトカイン(Boyaka PN, Marin
aro M, Jackson R, Menon S, Kiyono H,Jirillo E, McG
hee JR. IL-12 is an effective adjuvant for inducti
on of mucosal immunity. J Immunol 1999;162:122-12
8.)のレベルを分析し、その結果を表3(インフルエン
ザA/Aichi/68(H3N2)ウイルス感染マウスのBALFにおけ
るサイトカインのTNF-α、IL-12、IFN-γ、IL-6に対す
るアンブロキソールの作用)に示した。
【0040】非感染マウスのBALF中のサイトカインは、
すべて検出限界を下回っていた。インフルエンザウイル
スを感染させると、時間経過のパターンは異なっている
が、IL-4を除くすべての試験したサイトカインのBALF中
への分泌を有意に誘発した。具体的には、インフルエン
ザウイルスを感染させると、TNF-αが最初に上昇し、1
日目でピークに達し、その後急速に低下し、6日目に第
二の小さなピークに達した。IL-6のレベルも感染後1日
目で急速に上昇し、そのレベルは高いまま維持され、5
日目にピークとなったが、その後7日目に急速に低下し
始めた。IL-12及びIFN-γの濃度はアンブロキソール投
与後徐々に上昇し、それぞれ4日目と6日目にピークとな
った。しかし、感染マウスのBALF中のIL-4は感染してい
る7日間とも検出されなかった(データ未表示)。感染
マウスのアンブロキソールによる治療には、3−5日目に
おけるTNF-α、1日目におけるIFN-γ、4日目におけるI
L-12の放出に対する抑制効果を認めたが、アンブロキソ
ールで治療している間、その抑制効果は常に認められた
わけではかった。それに反してアンブロキソールによる
治療では、感染マウスのBALFにおけるIL-6のレベルは4
日目と6日目で上昇した。
【0041】
【表3】
【0042】《考察》本研究において、アンブロキソー
ルは気道におけるインフルエンザウイルスの増殖を有意
に抑制し、致死量のインフルエンザA/Aichi/68(H3N2)
ウイルスによって感染したマウスの生存率を改善するこ
とが認められた。インフルエンザウイルスは気道に対す
る臓器特異性を示し、その病原性及び複製は気道におけ
る様々な宿主細胞由来の因子群及びT−細胞及びB−細
胞の免疫応答によって決定されている。動物の気道にお
いて、tryptase Clara等のトリプシン型プロテアーゼが
インフルエンザウイルス複製を促進する細胞因子(Kido
H, Yokogoshi Y, Sakai K, Tashiro M, Kishino Y, Fu
kutomi A, KutunumaN. Isolation and characterizatio
n of a novel trypsin-like protease found in rat br
onchiolar epithelial Clara cells. J Biol Chem 199
2; 267:13573-13579.、Tashiro M, Yokogoshi Y,Tobita
K, Seto JT, Rott R, Kido H. Tryptase Clara, an ac
tivating protease for Sendai virus in rat lungs, i
s involved in pneumopathogenicity. J Virol 1992; 6
6: 7211-7216.)であり、逆にプロテアーゼのインヒビ
ターであるMPI(Beppu Y, Imamura Y, Tashiro M, Towa
tari T, Ariga H, Kido H. Human Mucus protease inhi
bitor in airway fluids is a potential defensive co
mpound against infection with influenza A and Send
ai viruses. J Biochem 1997;121: 309-316 .)やプロ
テアーゼを吸着してその活性を阻害するPS(Kido H, Sa
kai K, Kishino Y, Tashiro M. A pulmonary surfactan
t isa potential endogenous inhibitor of proteolyti
c activation of Sendai virus and influenzavirus. F
EBS Lett 1993; 322: 115-119.)がウイルスの増殖を抑
制する因子として報告されている。通常の気道環境内で
のトリプシン型プロテアーゼの濃度は、インフルエンザ
ウイルスの感染及び増殖を可能にする濃度に保たれてお
り、インヒビターの濃度よりも高い。 肺胞上皮を覆う
PSはtryptase Claraと結合して、そのプロテアーゼ活性
を阻害する(Kido H, Sakai K, Kishino Y, Tashiro M.
Apulmonarysurfactant is a potential endogenous in
hibitor of proteolyticactivation of Sendai virus a
ndinfluenza virus. FEBS Lett 1993; 322: 115-119.、
Kido H, Murakami M, Oba K, Chen Y, Towatari T. Cel
lular proteinases trigger the infectivity of the i
nfluenza A and Sendai viruses. Mol Cells 1999; 9:
235-244.)。インフルエンザウイルスを感染させること
により、ウイルスの増殖に必要なトリプシン型プロテア
ーゼの分泌と、そのインヒビターの分泌が共に促進され
た。さらに感染マウスをアンブロキソールで治療する
と、各々の分泌量がさらに著明に促進されたが、その効
果は、プロテアーゼとインヒビターのバランスを変化さ
せた。感染によって誘発されたプロテアーゼの濃度はア
ンブロキソールによってさらに1.3−1.4倍上昇し、一方
SP-A及びMPIのレベルはアンブロキソールによってそれ
ぞれ1.5−1.7倍及び1.9借上昇した。これらの結果は、
アンブロキソールの治療によって感染マウスの気道分泌
液中におけるウイルス増殖阻害作用を示す物質群の比率
を上昇させ、気道内環境を未治療に比べてウイルス増殖
抑制傾向を強める方向に変化させたことを示す。
【0043】さらに、アンブロキソールの作用は、図3
に示したように、非感染マウス及び感染マウスの粘膜免
疫IgAとIgGの放出を増大させることであった。この薬剤
はIgGの分泌促進についても中度に促進した(図4)。非
感染マウス群においても、アンブロキソールはIgAの放
出を促進し、ベース濃度の約10倍、IgGの濃度はベース
濃度の1.2倍となった。ウイルス感染後、BALF中のIgA及
びIgGの濃度は際立って上昇したが、感染マウスのアン
ブロキソール治療によって、感染によって誘発されたIg
A及びIgGの最大濃度はそれぞれさらに約1.5−1.8倍、1.
45倍上昇し、アンブロキソールに起因するIgA及びIgGの
濃度の上昇が、感染マウスの生存率の改善に重要な役割
を果たすことを示している。IgA及びIgG、SP-A、MPI及
びトリプシン型プロテアーゼといった様々な因子の分泌
がアンブロキソールによって促進される機序は理解され
ていないが、これらの所見は、アンブロキソールが上気
道及び下気道の複数の標的細胞を刺激することを示唆す
るものである。マウスを10mg/kg/日という最適用量のア
ンブロキソールで治療すると、気道液中のウイルス増殖
の阻害物質と免疫グロブリンの濃度を、感染後時間と共
に徐々に上昇させ、その濃度はウイルス複製が終了する
7日目まで高いままであった。しかし、より高い用量の
アンブロキソールによる治療はこれらの濃度を急速に上
昇させ、ピークはより早く4−5日目で達するが、そのレ
ベルを感染中持続することはできなかった。このことが
30mg/kg/日のアンブロキソールのウイルス増殖抑制効果
の低い原因かもしれない。これらの結果は、気道分泌液
中の阻害物質やトリプシン型プロテアーゼの合成をアン
ブロキソールが促進するよりは、むしろその分泌を促進
したことを示している。さらに、これらウイルス増殖阻
害物質を7日間高レベルで維持することが、感染マウス
の生存率改善に要求されると考えられた。
【0044】ウイルス増殖は7日目に終了したが(図
2)、肺の炎症は軽度の進行を伴い継続した。最近、多
数の研究によって、アンブロキソールに抗炎症作用があ
り(Gillissen A, Scharling B, Jaworska M, Bertling
A, Rasche K, Schultze-Werninghaus G. Oxidant scav
enger function of ambroxol in vitro: a comparison
with N-acetylcysteine AC. Res Exp Med (Berl) 1997;
196: 389-398.)、炎症性サイトカインの産生を低減さ
せる(Pfeifer S, Zissel G, Kienast K, Muller-Quern
heim J. Reduction of cytokine release from blood a
nd bronchoalveolarmononuclear cells by ambroxol. E
ur J Med Res 1997; 2: 129-132.、Gibbs BF, Schmutzl
er W, Vollrath IB, Brostharardt P, Braam U, Wolff
HH, Zadlo-Klarwasser G. Ambroxol inhibits the rele
ase of histamine, leukotrienes and cytokines fromh
uman leukocytes and mast cells. Inflamm Res 1999;
48: 86-93.)ことが明らかになった。本研究では、感染
マウスの気道分泌液中の炎症性サイトカインのTNF-α及
びIFN-γのレベルをアンブロキソールが抑制することが
認められたが、その作用は感染中常に認められたわけで
はない。またIL-6及びIL-12のどちらにも、粘膜免疫の
促進効果が報告されており、特にIL-12が粘膜免疫IgAの
産生促進効果があると報告されている(Boyaka PN, Mar
inaro M, Jackson R, Menon S, Kiyono H, Jirillo E,
McGhee JR. IL-12 is an effective adjuvant for indu
ction of mucosal immunity. J Immunol 1999;162:122-
128.)。感染マウスのアンブロキソールによる治療は、
4日目及び6日目でのBALF中のIL-6レベルを上昇させ、4
日目でのIL-12のレベルを一過性に抑制した。アンブロ
キソールには、トリプシン型プロテアーゼレベルの上昇
やIL-12の放出の一過性の抑制のように、インフルエン
ザウイルスに対する生体防御システムにとって不利と推
定される作用も一部認められるが、アンブロキソール治
療は、全体的には気道分泌液中のウイルス増殖抑制効果
を示す生体内因子群の濃度を著明に増加させ、その結果
気道内ウイルス増殖を抑制してマウスの生存率を有意に
改善させた。このうちインフルエンザウイルスの増殖抑
制に関与するアンブロキソール作用は、SP-A、MPI、Ig
A、IgG等の気道内濃度の上昇、また気道中の炎症性サイ
トカイン放出の抑制によって説明されるであろう。これ
らの結果は、アンブロキソールをインフルエンザAウイ
ルス感染の治療または予防として臨床使用できるであろ
うことを示唆している。
【0045】
【発明の効果】インフルエンザは、一般に流行する傾向
があり、その流行については報道されることが多い。従
って、本発明の抗インフルエンザ剤は、報道後にあって
は、速やかに使用することで、発症後であっても、その
疾患の治療剤として利用できる。特に、本発明のインフ
ルエンザウイルス感染の治療または予防剤は、原因ウィ
ルスが、外膜糖蛋白を有するウィルスであって気道部に
感染し増殖するもの、例えば、インフルエンザウィルス
によって発症するウィルス疾患に効果的に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンブロキソールがインフルエンザAウイルス
感染マウスの生存率を上昇させることを示す図面であ
る。
【図2】BALF中のウイルス増殖に対するアンブロキソー
ルの抑制作用(A)、及び感染後4日目のマウスにおける肉
眼的肺病変を示す図面である。
【図3】非感染マウス群(A)及びインフルエンザAウイル
ス感染マウス群(B)のBALFにおける粘膜免疫IgA濃度に対
するアンブロキソールの刺激作用を示す図面である。
【図4】非感染マウス群(A)及びインフルエンザAウイル
ス感染マウス群(B)のBALFにおける粘膜免疫IgG濃度に対
するアンブロキソールの刺激作用を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木戸 博 徳島県徳島市蔵本町3−18−15 徳島大学 内 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 FA08 MA01 MA04 NA14 ZB21 ZB33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンブロキソール、ブロムヘキシンまた
    はこれらの薬理学的に許容されうる塩を有効成分とする
    抗インフルエンザ薬。
  2. 【請求項2】 アンブロキソールまたはその薬理学的に
    許容されうる塩を有効成分とする抗インフルエンザ薬。
  3. 【請求項3】 気道分泌液中に含まれる抗インフルエン
    ザウイルス作用を示す生体内因子の分泌促進により、抗
    インフルエンザ作用を持つことを特徴とする請求項1又
    は2の抗インフルエンザ薬。
  4. 【請求項4】 インフルエンザウイルスの感染性を誘起
    する気道内プロテアーゼに対する阻害物質の分泌促進を
    介して、気道におけるインフルエンザウイルス増殖を抑
    制することを特徴とする請求項3の抗インフルエンザ
    薬。
  5. 【請求項5】 さらに、粘膜免疫物質のIgAとIgGの分泌
    促進を介して、気道におけるインフルエンザウイルス増
    殖を抑制することを特徴とする請求項4の抗インフルエ
    ンザ薬。
  6. 【請求項6】 さらに気道中の炎症性サイトカイン放出
    を抑制することを特徴とする請求項3〜5のいずれかの
    抗インフルエンザ薬。
  7. 【請求項7】 インフルエンザウイルス感染の治療また
    は予防剤である請求項1ないし6のいずれかの抗インフ
    ルエンザ薬。
  8. 【請求項8】 抗インフルエンザ薬を製造するための、
    アンブロキソール、ブロムヘキシンまたはこれらの薬理
    学的に許容されうる塩の使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006019183A1 (ja) * 2004-08-18 2006-02-23 The University Of Tokushima 粘膜免疫、その感作剤を用いる粘膜ワクチン及び予防接種システム
JP2007291067A (ja) * 2006-03-29 2007-11-08 Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd 医薬組成物
JP2007291072A (ja) * 2006-03-27 2007-11-08 Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd 医薬組成物

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