JP2003154362A - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

水処理方法および水処理装置

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JP2003154362A JP2001357313A JP2001357313A JP2003154362A JP 2003154362 A JP2003154362 A JP 2003154362A JP 2001357313 A JP2001357313 A JP 2001357313A JP 2001357313 A JP2001357313 A JP 2001357313A JP 2003154362 A JP2003154362 A JP 2003154362A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水資源の有効利用のために、従来80%程度が限
界であった回収率を大幅に引き上げるとともに、RO膜
やNF膜の安定運転を可能にし、排水基準の規制強化対
策に対応が可能な水処理方法および水処理装置を提供す
る。 【解決手段】原水を、固液分離した後、逆浸透膜(RO
膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)を備えた膜モ
ジュールで透過水と濃縮水とに分離する水処理方法であ
って、回収率が少なくとも90%になるように運転する
とともに、膜モジュールの濃縮水の少なくとも一部を軟
化処理法および/または有機物除去法で処理して原水に
還流させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川や湖沼等の水
を浄化するのに好適に用いられる水処理方法および水処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】膜分離技術は、固液分離、イオンの分
離、ガス分離などに用いられる技術で、近年、工業用水
製造および食品、医療、浄水処理、海水淡水化など様々
な分野で用いられている。中でもナノろ過膜(NF膜:Na
nofiltration Membrane)や逆浸透膜(RO膜:Reverse O
smosis Membrane)は、高品質な水を生産できる膜とし
て広く利用されている。
【0003】RO膜、NF膜は、一般に、原水を膜面に沿っ
て供給し、透過水を原水に対して直角方向に流すクロス
フローろ過方式で使われ、膜モジュールに供給した原水
の一部が循環し、膜面にせん断力を与えることで、原水
中の懸濁物質やコロイド物質などのファウリング物質の
膜面への付着や堆積を抑制することができる。膜を透過
しなかった水は濃縮水と呼ばれ、水処理装置の回収率に
よって一部が排水され、残りが膜供給水側に返送され
る。
【0004】回収率の設定については、水資源と水利権
の観点から、また、排水量(濃縮水量)削減や前処理・
排水処理工程の小規模化の観点から、高く設定すること
が重要である。しかしながら、回収率が高くなれば、除
去対象物質の除去率に見合って各成分の濃縮倍率も上が
り、膜への負荷が大きくなる。特に、微生物、中〜高分
子のフミン酸等によるファウリングや、カルシウム、マ
グネシウム、シリカ等が炭酸カルシウム、水酸化マグネ
シウム、硫酸カルシウム水和物、シリカとして析出し膜
表面に付着するスケールによって、透過水量の低下や差
圧の上昇等が発生し、安定運転を困難にすることがあ
り、被処理水の水質にもよるが80%程度の回収率が限界
と考えられている。
【0005】また、RO膜やNF膜を備えた膜モジュールの
濃縮水には、水質汚濁防止法の排水基準で規制されてい
るような、農薬や微量有害有機物、塩類等の溶解性成分
が濃縮されて含まれるが、回収率が高いほど水質汚濁防
止法の排水基準を超えることが多くなり、濃縮水を何ら
かの用途に直接再利用したり河川などに直接放流するこ
とができなくなる。そのため、排水基準を超過する成分
については別途処理が必要となる。低回収率では放流の
ための排水処理施設の規模が大きくなってしまい、例え
ば回収率80%の場合には造水量1万m3/dに対して排水
量は約1,100m3/dとなり、処理コストが大きくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点を解消し、水資源の有効利用のために、従
来80%程度が限界であった回収率を大幅に引き上げると
ともに、RO膜やNF膜の安定運転を可能にし、排水基
準の規制強化対策に対応が可能な水処理方法および水処
理装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めの本発明は、原水を、固液分離した後、逆浸透膜(R
O膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)を備えた膜
モジュールで透過水と濃縮水とに分離する水処理方法で
あって、回収率が少なくとも90%になるように運転す
るとともに、膜モジュールの濃縮水の少なくとも一部を
軟化処理法および/または有機物除去法で処理して原水
に還流させる水処理方法を特徴とするものである。
【0008】このとき、軟化処理法がイオン交換を含む
ものであることや、有機物除去法が、活性炭処理を含む
ものであることが好ましい。また、有機物除去法が、オ
ゾン処理、紫外線処理、過酸化水素処理および触媒処理
の群から選ばれる少なくとも2つの処理を施す促進酸化
処理を含むものであることも好ましい。さらに、精密ろ
過膜(MF膜)および/または限外ろ過膜(UF膜)を
用いて固液分離を行うことや、固液分離の前段で原水に
凝集剤を添加することも好ましい。
【0009】また、本発明は、原水を固液分離する固液
分離手段と、固液分離手段の処理水を透過水と濃縮水と
に分離する、逆浸透膜(RO膜)および/またはナノろ過
膜(NF膜)を有する膜モジュールと、膜モジュールの濃
縮水の少なくとも一部を処理して原水へ還流させる、有
機物除去手段および軟化処理手段を有する還流手段とを
備えている水処理装置を特徴とするものである。
【0010】ここで、還流手段は、有機物除去手段とし
て促進酸化処理手段および活性炭処理手段を備え、促進
酸化処理手段、活性炭処理手段および軟化処理手段をこ
の順序で配置していることが好ましい。
【0011】さらに、上記いずれかの方法または装置を
用いる造水方法も好ましい態様である。
【0012】なお、本発明における回収率は下式の通
り、膜モジュールへの供給水量から膜供給水側に返送さ
れる濃縮水量を差し引いた水量(a)に対する膜透過水
量(b)の比であり、膜分離法における量的な処理効率
を示す指標である。
【0013】
【数1】
【0014】
【発明の実施の形態】図1に本発明の水処理装置のフロ
ーの一例を示す。この水処理装置は、原水50を固液分
離する固液分離装置3と、固液分離装置3の分離水60
を透過水70と濃縮水80とに分離する、逆浸透膜(RO
膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)を有する膜モジ
ュール6と、膜モジュール6の濃縮水80を処理して原
水50へ還流させる、有機物除去手段(促進酸化処理装
置7、活性炭処理装置8)および軟化処理装置9を有す
る還流手段10とを備えている。また、固液分離装置3
よりも上流側には、原水50を一旦貯留するタンク1
と、タンク1に貯留された水を加圧して固液分離装置3
に送水する加圧ポンプ2を設けており、固液分離装置3
と膜モジュール6の間には、固液分離装置3による分離
水60を貯留するタンク4と、タンク4に貯留された分
離水60を加圧して膜モジュール6に送水する加圧ポン
プ5とを設けている。
【0015】この水処理装置において、タンク1に貯留
された原水50は、加圧ポンプ2によって固液分離装置
3に送水され、固液分離装置3によって懸濁物質が除去
される。本発明においては、原水50に含有されている
濁質、微生物、有機物等の不純物がRO膜やNF膜の表
面に付着してろ過差圧が急上昇するのを防ぐために、原
水50を予め固液分離し、RO膜やNF膜に導かれる分
離水60のFI(Fouling Index)値を調
整する。FI値は、スパイラル型モジュールの場合5以
下に、中空糸型モジュールの場合は4以下にすることが
好ましい。FI値とはSDI(Silt Densit
y Index)値とも称され、RO膜やNF膜への供給水
(分離水60)中の不純物の管理指標であり、次式で表
されるものである。
【0016】FI=(1−T0/T15)×100/15 このとき、T0は、0.45μmのメンブレンフィルターを用
いて、試料水を206kPaの加圧下でろ過したとき
に、初めに500mlをろ過するのに要した時間であり、T15
は、T0のあと同じ状態で続けて15分間ろ過した後に、試
料水を再び500mlろ過するのに要した時間である。
【0017】固液分離装置3としては、砂ろ過、保安フ
ィルター等、原水中の懸濁物質の漏出を阻止するろ過装
置が挙げられるが、微生物が膜孔内に入り込まない孔径
1μm以下の精密ろ過膜(MF膜)や限外ろ過膜(UF
膜)を単独あるいは組み合わせて用いることが好まし
い。
【0018】固液分離装置3に分離膜を用いる場合、膜
透過流束や膜差圧の改善および処理水質の向上による処
理能力と安定性の向上を目的として、原水に凝集剤を添
加することもできる。凝集剤の注入率は、マイクロフロ
ックを形成できる程度の少量として、そのまま膜分離す
る、あるいは凝集処理としては十分の凝集剤を添加し、
凝集フロックを沈澱処理した後、その上澄み液を分離膜
で処理してもよい。
【0019】MF膜やUF膜等の分離膜は、分離水60
のFI値をほぼ0に近づけることができることからもわ
かるように、除濁性が高まりNF膜およびRO膜をさら
に長期的に安定運転できる。
【0020】UF膜やMF膜の膜素材としては、酢酸セ
ルロース、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリ
エーテルスルホン、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポ
リ弗化ビニリデン、セラミック等、いずれも適用可能で
ある 膜形態としては、中空糸膜、管状膜、平膜など、いずれ
の形状のものでもよい。ここで、中空糸膜とは外径2mm
未満の円管状の分離膜であり、管状膜とは外径2mm以上
の円管状の分離膜である。中空糸膜は装置単位あたりの
有効膜面積を大きくできる。
【0021】そして、これらのUF膜やMF膜は、モジ
ュール化され使用される。モジュールとしては菌体によ
って閉塞しがたい構造のものがよく、例えば、外圧ク
ロスフロー中空糸膜モジュール、内径1mm以上の内圧
クロスフロー中空糸膜モジュール等が、膜の充填率が高
く、膜面積が大きくなるので好ましい。
【0022】また、固液分離として用いる膜装置の運転
方式には、定流量ろ過運転と定圧ろ過運転があるが、定
流量ろ過運転は、一定の処理量を得ることができ、処理
プロセスの制御が行いやすいので好ましい。
【0023】上述の固液分離装置3で処理され懸濁物質
が除去された分離水60は、タンク4に貯留された後、
加圧ポンプ5によって膜モジュール6に加圧供給され、
透過水70と濃縮水80とに分離される。このとき、膜
モジュールにおける回収率が90%以上になるように運
転する。
【0024】膜モジュール6に使用されるナノろ過膜、
逆浸透膜は以下のようなものである。
【0025】すなわち、ナノろ過膜(NF膜:Nanofiltra
tion Membrane)は主に分子量数百から数千程度以上の
中〜高分子量の分子や二価イオン、重金属イオンなどの
多価イオンの排除性能が高いもので、飲料水製造用途に
用いる場合、主に、トリハロメタン前駆物質や農薬、フ
ルボ酸等を除去することができる。除去対象物の大きさ
は限外ろ過膜(UF膜)と逆浸透膜(RO膜)の中間に
位置するが、脱塩率が5%以上93%未満(評価条件 N
aCl濃度:500〜2,000mg/l、操作圧力:0.5〜1.5MPa)と
も定義されるものである。
【0026】膜素材としては、ポリアミド系、ポリピペ
ラジンアミド系、ポリエステルアミド系、あるいは水溶
性のビニルポリマーを架橋したものなどがある。また、
膜構造としては、膜の少なくとも片面に緻密層を持ち、
緻密層から膜内部あるいはもう片方の面に向けて徐々に
大きな孔径の微細孔を有する非対称や膜、非対称膜の緻
密層の上に別の素材で形成された非常に薄い活性層を有
する複合膜などがある。さらに、膜形態としては、平
膜、中空糸膜等があり、たとえば膜厚を10μm〜1mmの範
囲、中空糸膜の場合は外径を50μm〜4mmの範囲とする。
【0027】また、逆浸透膜(RO膜:Reverse Osmosis
Membrane)は、NF膜の除去対象物に加えて一価のイオ
ン性物質を除去する場合(主に海水淡水化処理や鹹水脱
塩、純水製造)に用いられ、脱塩率が93%以上(評価条
件 NaCl濃度:500〜2,000mg/l、操作圧力:0.5〜3.0MP
a)とも定義されるものである。
【0028】膜素材としては、酢酸セルロース、セルロ
ース系のポリマー、ポリアミド、およびビニルポリマー
等の高分子材料を用いることができる。代表的な逆浸透
膜としては、酢酸セルロース系またはポリアミド系の非
対称膜、および、ポリアミド系の活性層を有する複合膜
を挙げることができる。中でも、塩の排除性能が高い、
酢酸セルロース系非対称膜、ポリアミド系活性層を有す
る複合膜および芳香族ポリアミド系の活性層を有する複
合膜が好ましく、特に、芳香族ポリアミド複合膜は、高
排除性能かつ高透水性であるので好ましい。膜構造とし
ては、NF膜と同様、非対称膜や複合膜があり、膜形態
についてもNF膜と同様、平膜、中空糸膜等があり、た
とえば膜厚を10μm〜1mmの範囲、中空糸膜の場合は外径
を50μm〜4mmの範囲とする。
【0029】NF膜およびRO膜は、共に運転コストの
観点から低圧で運転できるものが好ましいが、低圧運転
時の造水量を考慮すると複合膜が好ましい。さらに好ま
しくはポリアミド系の複合膜であり、NF膜の場合は、
ポリピペラジンアミド系の複合膜などが透過水量、耐薬
品性等の点からより適している。
【0030】そして、膜モジュール6は、上述のNF
膜、RO膜を実際に使用するためにモジュール化されて
いる。平膜状の場合はスパイラル型、プリーツ型、プレ
ート・アンド・フレーム型、円盤状のディスクを積み重
ねたディスクタイプに、中空糸膜の場合は、中空糸をU
字状やI字状に束ねて容器に収納した中空糸膜型がある
が、本発明はこれらモジュールの形態に左右されるもの
ではない。
【0031】また、本発明において、膜モジュール6に
は、RO膜、NF膜のいずれか一方を使用するのもよい
し、両方を使用するのもよい。これらは、供給水(分離
水60)および必要な透過水70の水質、透過水70の
利用目的に応じて適宜選定すればよい。
【0032】膜モジュール6は、多段に配置して、前段
の膜モジュールの濃縮水を後段の膜モジュール6で処理
するように構成してもよい。この場合には、後段のRO膜
やNF膜の濃縮水中のカルシウム、マグネシウム、シリカ
等の濃度が、溶解度を超えないことを注意する必要があ
る。
【0033】膜モジュール6のろ過圧力は、膜供給水
(分離水60)の種類、運転方法等により、0.5〜3.0M
Pa程度の範囲内で適宜設定することが好ましい。河川水
や湖沼水等の淡水を処理する場合は浸透圧が低いため比
較的低圧でろ過することができる。
【0034】このような膜モジュール6においてRO膜や
NF膜を透過した水は、透過水70として膜モジュール6
から取り出される。この透過水は、トリハロメタン前駆
物質や農薬、重金属イオン等が除去されているので、飲
料用水や工業用水、農業用水等として利用される。
【0035】一方、濃縮水80は、還流手段10に設け
た有機物除去手段(促進酸化処理装置7、活性炭処理装
置8)や軟化処理手段(軟化処理装置9)で処理し、少
なくとも一部(軟化処理装置9による処理後の濃縮水1
00)をタンク1で原水と還流させる。原水に還流させ
なかった濃縮水(活性炭処理装置8による処理後の濃縮
水90の一部)は、そのまま自然界に放流する。有機物
除去、軟化処理のいずれを採用するかは、原水50の水
質やRO膜、NF膜の除去性能によって決定する。有機物除
去手段の除去対象は、主に臭気(カビ臭)、色度、トリ
ハロメタン、トリハロメタン前駆物質、農薬、陰イオン
界面活性剤、フェノール類、トリクロロエチレン等の低
沸点有機塩素化合物となる。軟化処理手段の除去対象
は、スケール成分であるカルシウム、マグネシウム等で
ある。
【0036】本発明は、予め固液分離で懸濁物質を除去
した分離水60をRO膜やNF膜を備えた膜モジュール
6で処理し、その際に得られる濃縮水80を、有機物除
去手段や軟化処理手段で処理して再度固液分離や逆浸透
分離、ナノろ過に導くので、水質を低下させずに回収率
を高めることができ、また、膜モジュールを回収率90%
以上で運転しても安定運転が可能となる。
【0037】有機物除去手段としては、促進酸化処理装
置7や、活性炭処理装置8などを用いることができる。
また、図1に示すように、促進酸化処理装置7と活性炭
処理装置8の両方を使うかいずれかを単独で使うかは、
濃縮水80の水質に応じて適宜決定すればよい。濃縮水
における除去対象物の濃度が低い場合には、除去物質に
応じていずれかを単独で用いればよいが、濃縮水80の
各有機成分の濃度が高く、活性炭処理単独あるいは促進
酸化処理単独での除去が困難な場合、両者を併用するこ
とが好ましい。また、濃縮水80中に、排水基準で規制
されているようなジクロロエタン、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物やシマジ
ン、チウラム等の農薬や内分泌撹乱物質などの生物難分
解性物質が含まれている場合、もしくは含まれている可
能性がある場合には、促進酸化処理を行うことが好まし
い。
【0038】促進酸化処理とはAOP(=Advanc
ed Oxidation Processes)と称
され、オゾン、紫外線、ガンマ線、過酸化水素、フッ
素、次亜塩素酸ナトリウム、塩素、触媒(光触媒等)な
どの群から選ばれる少なくとも2つを併用して、酸化力
の大きなヒドロキシラジカル(HOラジカル)を水中に
生成し、この酸化力により有機物を分解する方法であ
る。HOラジカルは、酸化力が非常に強力であるため、
水中に存在する高い結合力を有する有機塩素化合物や内
分泌かく乱物質等の難分解性有機物の分解に有効であ
る。これらの促進酸化処理は2次廃棄物の発生がなく、
効果処理が有機物の分解に加えて、脱臭、脱色、殺菌等
副次的な効果も期待でき、従来にない特徴を有してい
る。促進酸化処理の組合せとしては、環境への影響を鑑
みると、オゾン処理、紫外線処理、過酸化水素処理、触
媒(光触媒)処理の群から選ぶことが好ましい。また、
酸化分解に寄与するHOラジカルをより多く生成するの
が好ましく、過酸化水素と紫外線、オゾンと過酸化水
素、オゾンと紫外線がより好ましい。また、オゾン、U
V、過酸化水素の3つを組み合わせる場合には、さらに
酸化分解を効率的に行うことができるので好ましい。
【0039】一方、活性炭処理では、濃縮水中に残存し
ている臭気(カビ臭)、色度、トリハロメタン、トリハ
ロメタン前駆物質、農薬、陰イオン界面活性剤、フェノ
ール類、トリクロロエチレン等の低沸点有機塩素化合物
などを吸着除去する。活性炭は、木質(ヤシ殻、おが
屑)、石炭等を原料として、これらの原料を炭化および
賦活化処理して造られた黒色、多孔性の炭素質の物質
で、その原料、炭化方法および賦活化方法により吸着特
性が異なる。活性炭の特長は、水中に溶解している有機
物に対する除去能力が大きく、薬品処理の場合と異な
り、処理水に反応生成物を残さないことである。
【0040】気体や液体中の微量有機物を吸着する性質
を有している活性炭は、その形状から粉末活性炭、粒状
活性炭、繊維状活性炭に分けられる。応急的あるいは短
期間使用の場合は、粉末活性炭処理や繊維状活性炭処理
が適し、年間連続あるいは比較的長期間使用の場合は、
粒状活性炭処理のほうが有利とされていることから、本
発明においては粒状活性炭のほうが好ましい。粒状活性
炭のうち、木質系のヤシ殻炭は直径3nm以下の細孔が
多く、30nm以上の大きな細孔は少ない。したがっ
て、低分子量の物質が除去されやすい。一方、石炭系は
3nmからかなり大きな細孔まで幅広く存在する。した
がって、より大きい分子量の物質を除去しやすい。本発
明においては、活性炭の原料は限定しないが、活性炭の
吸着能は、共存する有機物とその量によっても変化する
ので、事前に濃縮水中の除去対象物質の物性、実態、処
理効果等について、実験を含めた調査を十分に行い、活
性炭の種類を選定することが好ましい。
【0041】続いて、軟化処理装置9は、濃縮水80を
還流して原水50とともに再度膜モジュール6に供給し
た場合に、膜面に、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
水酸化マグネシウム等のスケールが析出しないようにす
るもので、たとえば、濃縮水80に苛性ソーダを注入
してpH10程度にした水を反応槽中で炭酸カルシウム
で被覆した流動媒体と接触させ、水中のカルシウムを炭
酸カルシウムとして流動媒体上に晶析させる晶析軟化法
や、消石灰、ソーダ灰、苛性ソーダ等を添加して濃縮
水80のpHを上昇させてCaCO3やMg(OH)2とし
て硬度成分を除くアルカリ凝析法、イオン交換樹脂等
によるイオン交換法等の処理を施すものである。
【0042】晶析軟化法は施設が比較的コンパクトで、
マグネシウムは除去できないがカルシウムを除去でき、
また、汚泥処理を必要としない利点がある。ただし、反
応槽流出水のpH値が高くなることから、pH調整のた
めの設備が必要となる。また、反応槽中の流動媒体は炭
酸カルシウムの晶析により大きさが変化し、除去効率が
低下するため、流動媒体の定期的な排出と補充が必要で
ある。アルカリ凝析法は、硬度成分以外の濁質、重金属
イオン等を同時に除去することが可能である。ただし、
マグネシウムを除去するためには、pH値を11程度に
まで増加させる必要があり、汚泥処理が必要になる。イ
オン交換法は、固体と液体間で、固体成分の主体に大き
な変化を与えることなくイオンを可逆的に授受する操作
で、維持管理が比較的容易である。カルシウム、マグネ
シウムの陽イオンが除去対象物となる水処理では、陽イ
オン交換樹脂を用いる。
【0043】イオン交換樹脂の最も一般的なものは、ス
チレン−ジビニルベンゼン(DVB)付加共重合物を母
体としたものであり、その構造体にさまざまなイオン基
グループがついていて、イオン交換樹脂の化学的性質を
決める。陽イオン交換樹脂には強酸性陽イオン交換樹脂
と弱酸性陽イオン交換樹脂がある。強酸性陽イオン交換
樹脂は、スルホン酸基のような強電解質をもつ陽イオン
交換樹脂で、全pH領域で働き、中性塩を分解する能力
をもつ。弱酸性陽イオン交換樹脂は、カルボキシル基を
もつ陽イオン交換樹脂で、イオン交換性を示す有効pH
範囲は4〜14である。本発明においてはどちらも適用
可能である。
【0044】イオン交換樹脂は有効径0.5mm程度の
樹脂を数十cm程度に充填した固定床吸着装置が一般的
である。イオン交換樹脂の再生には、食塩、硫酸、塩酸
等の数%以上の溶液が用いられるので、装置の材質は耐
食性でなければならない。
【0045】イオン交換処理は、SV(Space V
elocity,1/h)=流量(m3/h)/充填樹
脂量(m3)が10〜30(1/h)の範囲内になる程
度で運転するのが好ましい。
【0046】なお、イオン交換法による硬度成分の除去
性能が極端に高い場合は、NF膜あるいはRO膜処理後
の濃縮水の一部をイオン交換処理した後、カルシウム由
来のスケールが生成しない程度にイオン交換処理しなか
った濃縮水と混合し、被処理水として返送すればよい。
【0047】また、イオン交換処理する濃縮水に懸濁物
質が含まれている場合、イオン交換樹脂は懸濁物質によ
って汚染され、硬度成分除去性能が低下する。また、イ
オン交換樹脂は一般的に有効径が0.5mm前後であるこ
とから、懸濁物質が樹脂層で捕捉されることになり、そ
のため、損失水頭が増加し、処理水量が低下する。しか
しながら、本発明においては、原水50は膜モジュール
6の前段で固液分離され、懸濁物質が除去されているの
で、この問題はない。
【0048】本発明において、有機物除去や軟化処理の
順序は特に限定されるものではないが、促進酸化処理装
置7、活性炭処理装置8および軟化処理装置9を用いる
場合には、促進酸化処理は水中の有機物濃度が高いほう
がHOラジカルによる有機物の酸化分解効率が向上する
こと、また軟化処理は水中に微小有機物が存在している
場合、イオン交換体の表面が速やかに汚染劣化して有効
な処理を続けられないことから、図1に示すように促進
酸化処理装置7、活性炭処理装置8、軟化処理装置9の
順序に設けることが好ましい。
【0049】本発明は、図2、図3に示す態様等に変更
して実施することもできる。
【0050】図2は、図1の水処理装置において促進酸
化処理装置7、活性炭処理装置8を設けなかった態様で
ある。その他については図1の水処理装置と同一であ
る。
【0051】図3は、図1の水処理装置において軟化処
理装置9を設けなかった態様である。その他については
図1の水処理装置と同一である。
【0052】
【実施例】<実施例1>運転を実施した膜ろ過装置を図
1に示す。原水は河川水とした。まず、原水50は加圧ポ
ンプ2を通して固液分離装置3で処理された。固液分離
装置3には外圧式中空糸膜UF膜モジュール(膜材質:ポ
リアクリロニトリル、公称孔径:0.01μm)を使用し
た。運転方式は定流量運転とし、膜透過流束を0.8m/dと
した。
【0053】固液分離装置3で処理した分離水60はタン
ク4に貯水した後、加圧ポンプ5を通してナノろ過膜モ
ジュール(モジュール形状:スパイラル型、膜素材:ポ
リアミド製、脱塩率:55%)を具備した膜モジュール6
で処理した。運転方式は、定流量運転(膜透過流束:0.
5m/d)とし、回収率を95%に設定した。
【0054】そして、膜モジュール6によって排出され
る濃縮水80の全量を、オゾンと紫外線からなる促進酸化
処理装置7で処理した。促進酸化処理装置7は小型の反
応槽内に低圧水銀ランプ15W、3本を配置し、濃縮水
に紫外線を照射するとともに、オゾンを10mg/lで
発生、注入するものとした。
【0055】促進酸化処理装置7で処理された濃縮水は
活性炭処理装置8で処理された。活性炭処理装置8は固
定床の粒状活性炭であり、活性炭の原料はヤシ殻とし
た。運転条件はLV:100m/d、ろ層厚:2.5m/dとした。
活性炭処理装置8で処理された濃縮水90の20%は排水
し、80%は軟化処理装置9に流入させた。
【0056】軟化処理装置9ではイオン交換処理を行
い、スルホン酸基の陽イオン交換樹脂を使用した。通水
速度はSV=20(1/h)とした。軟化処理装置9で処理さ
れた濃縮水100はタンク1に返送し、原水と混合した。
【0057】その結果、運転開始直後のNF膜の運転圧力
は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間経過後も
0.42MPaで安定していた。
【0058】また原水50()、固液分離装置3の分離
水60()、膜モジュール6の透過水70()、膜モジ
ュール6の濃縮水80()、促進酸化処理装置7および
活性炭処理装置8で処理された濃縮水90()、軟化処
理装置9で処理された濃縮水100()の平均水質を表
1に示す。なお、平均水質とは、1日1回の頻度で1年
間測定した結果の平均をとったものである。
【0059】
【表1】
【0060】上記の水処理の結果、膜モジュール6の透
過水70()は水道水水質基準を満たしていた。また、
促進酸化処理装置7および活性炭処理装置8で処理され
た濃縮水90()は水質汚濁防止法における排水基準を
満たしていた。 <比較例1>運転を実施した膜ろ過装置を図4に示す。
原水は実施例1と同じ河川水とした。まず、原水50は加
圧ポンプ2を通して固液分離装置3で処理された。固液
分離装置3には外圧式中空糸膜UF膜モジュール(膜材
質:ポリアクリロニトリル、公称孔径:0.01μm)を使
用した。運転方式は定流量運転とし、膜透過流束を0.8m
/dとした。
【0061】固液分離装置3で処理した水60はタンク4
に貯水した後、加圧ポンプ5を通してナノろ過膜モジュ
ール(モジュール形状:スパイラル型、膜素材:ポリア
ミド製、脱塩率:55%)を具備した膜モジュール6で処
理した。運転方式は、定流量運転(膜透過流束:0.5m/
d)とし、回収率を95%に設定した。
【0062】そして、膜モジュール6の濃縮水80は促進
酸化処理装置7、活性炭処理装置8、軟化処理装置9で
処理することなく、20%は排水し、残りの80%はそのま
まタンク1に返送し、原水と混合した。
【0063】その結果、運転開始直後のNF膜の運転圧力
は0.35MPaであったが、運転開始から700時間経過後には
1.7MPaに達し、薬液洗浄を行わざるをえなかった。
【0064】また原水50()、固液分離装置3で処理
された水60()、膜モジュール6で処理された水70
()、膜モジュール6の濃縮水80()の平均水質を
表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】上記の水処理の結果、膜モジュール6で処
理された水70()は水道水水質基準を満たしていた。
しかし、膜モジュール6の濃縮水80()はシマジン、
チウラムに関しては水質汚濁防止法における排水基準を
満たしていなかった。 <実施例2>運転を実施した膜ろ過装置を図2に示す。
原水は地下水とした。まず、原水50は加圧ポンプ2を通
して固液分離装置3で処理された。固液分離装置3には
外圧式中空糸膜UF膜モジュール(膜材質:ポリアクリロ
ニトリル、公称孔径:0.01μm)を使用した。運転方式
は定流量運転とし、膜透過流束を0.8m/dとした。
【0067】固液分離装置3で処理した水60はタンク4
に貯水した後、加圧ポンプ5を通してナノろ過膜モジュ
ール(モジュール形状:スパイラル型、膜素材:ポリア
ミド製、脱塩率:55%)を具備した膜モジュール6で処
理した。運転方式は、定流量運転(膜透過流束:0.5m/
d)とし、回収率を95%に設定した。
【0068】そして、膜モジュール6の濃縮水80は促進
酸化処理装置7と活性炭処理装置8で処理することな
く、濃縮水80の20%は排水し、残りの80%は軟化処理装
置9に流入させた。軟化処理装置9ではイオン交換処理
を行い、スルホン酸基の陽イオン交換樹脂を使用した。
通水速度はSV=20(1/h)とした。軟化処理装置9で処
理された濃縮水100はタンク1に返送し、原水と混合し
た。
【0069】その結果、運転開始直後のNF膜の運転圧力
は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間経過後も
0.63MPaで安定しており、まだ薬液洗浄を行う時期では
なかった。
【0070】また原水50()、固液分離装置3で処理
された水60()、膜モジュール6で処理された水70
()、膜モジュール6の濃縮水80()、軟化処理装
置9で処理された濃縮水100()の平均水質を表3に
示す。
【0071】
【表3】
【0072】上記の水処理の結果、膜モジュール6の透
過水70()は水道水水質基準を満たしていた。また、
膜モジュール6の濃縮水80()は水質汚濁防止法にお
ける排水基準を満たしていた。 <比較例2>運転を実施した膜ろ過装置を図4に示す。
原水は実施例2と同じ地下水とした。まず、原水50は加
圧ポンプ2を通して固液分離装置3で処理された。固液
分離装置3には外圧式中空糸膜UF膜モジュール(膜材
質:ポリアクリロニトリル、公称孔径:0.01μm)を使
用した。運転方式は定流量運転とし、膜透過流束を0.8m
/dとした。
【0073】固液分離装置3で処理した水60はタンク4
に貯水した後、加圧ポンプ5を通してナノろ過膜モジュ
ール(モジュール形状:スパイラル型、膜素材:ポリア
ミド製、脱塩率:55%)を具備した膜モジュール6で処
理した。運転方式は、定流量運転(膜透過流束:0.5m/
d)とし、回収率を95%に設定した。
【0074】そして、膜モジュール6の濃縮水80は促進
酸化処理装置7、活性炭処理装置8、軟化処理装置9で
処理することなく、20%は排水し、残りの80%はそのま
まタンク1に返送し、原水と混合した。
【0075】その結果、運転開始直後のNF膜の運転圧力
は0.35MPaであったが、運転開始から700時間経過後には
1.6MPaに達し、薬液洗浄を行わざるをえなかった。
【0076】また原水50()、固液分離装置3で処理
された水60()、膜モジュール6で処理された水70
()、膜モジュール6の濃縮水80()の平均水質を
表4に示す。
【0077】
【表4】
【0078】上記の水処理の結果、膜モジュール6で処
理された水70()は水道水水質基準を満たしていた。
また、膜モジュール6の濃縮水80()は水質汚濁防止
法における排水基準を満たしていた。 <実施例3>運転を実施した膜ろ過装置を図3に示す。
原水は湖沼水とした。まず、原水50は加圧ポンプ2を通
して固液分離装置3で処理された。固液分離装置3には
外圧式中空糸膜UF膜モジュール(膜材質:ポリアクリロ
ニトリル、公称孔径:0.01μm)を使用した。運転方式
は定流量運転とし、膜透過流束を0.8m/dとした。
【0079】固液分離装置3で処理した水60はタンク4
に貯水した後、加圧ポンプ5を通してナノろ過膜モジュ
ール(モジュール形状:スパイラル型、膜素材:ポリア
ミド製、脱塩率:55%)を具備した膜モジュール6で処
理した。運転方式は、定流量運転(膜透過流束:0.5m/
d)とし、回収率を95%に設定した。
【0080】そして、膜モジュール6によって排出され
る濃縮水全量80を、オゾンとUVからなる促進酸化処理
装置7で処理した。促進酸化処理装置7は小型の反応槽
内に低圧水銀ランプ15W、3本を配置し、濃縮水にU
Vを照射するとともに、オゾンを10mg/lで発生、
注入するものとした。
【0081】促進酸化処理装置7で処理された濃縮水は
活性炭処理装置8で処理された。活性炭処理装置8は固
定床の粒状活性炭であり、活性炭の原料はヤシ殻とし
た。運転条件はLV:100m/d、ろ層厚:2.5m/dとした。
活性炭処理装置8で処理された濃縮水90の20%は排水
し、80%は軟化処理装置9で処理することなく、タンク
1にそのまま返送し、原水と混合した。
【0082】その結果、運転開始直後のNF膜の運転圧力
は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間経過後も
0.83MPaで安定しており、まだ薬液洗浄を行う時期では
なかった。
【0083】また原水50()、固液分離装置3で処理
された水60()、膜モジュール6で処理された水70
()、膜モジュール6の濃縮水80()、促進酸化処
理装置7および活性炭処理装置8で処理された濃縮水90
()の平均水質を表5に示す。
【0084】
【表5】
【0085】上記の水処理の結果、膜モジュール6で処
理された水70()は水道水水質基準を満たしていた。
また、促進酸化処理装置7および活性炭処理装置8で処
理された濃縮水90()は水質汚濁防止法における排水
基準を満たしていた。 <比較例3>運転を実施した膜ろ過装置を図4に示す。
原水は実施例3と同じ湖沼水とした。まず、原水50は加
圧ポンプ2を通して固液分離装置3で処理された。固液
分離装置3には外圧式中空糸膜UF膜モジュール(膜材
質:ポリアクリロニトリル、公称孔径:0.01μm)を使
用した。運転方式は定流量運転とし、膜透過流束を0.8m
/dとした。
【0086】固液分離装置3で処理した水60はタンク4
に貯水した後、加圧ポンプ5を通してナノろ過膜モジュ
ール(モジュール形状:スパイラル型、膜素材:ポリア
ミド製、脱塩率:55%)を具備した膜モジュール6で処
理した。運転方式は、定流量運転(膜透過流束:0.5m/
d)とし、回収率を95%に設定した。
【0087】そして、膜モジュール6の濃縮水80は促進
酸化処理装置7、活性炭処理装置8、軟化処理装置9で
処理することなく、20%は排水し、残りの80%はそのま
まタンク1に返送し、原水と混合した。
【0088】その結果、運転開始直後のNF膜の運転圧力
は0.35MPaであったが、運転開始から700時間経過後には
1.8MPaに達し、薬液洗浄を行わざるをえなかった。
【0089】また原水50()、固液分離装置3で処理
された水60()、膜モジュール6で処理された水70
()、膜モジュール6の濃縮水80()の平均水質を
表6に示す。
【0090】
【表6】
【0091】上記の水処理の結果、膜モジュール6で処
理された水70()は水道水水質基準を満たしていた。
しかし、膜モジュール6の濃縮水80()はシマジン、
チウラムに関しては水質汚濁防止法における排水基準を
満たしていなかった。
【0092】
【発明の効果】本発明においては、予め固液分離した逆
浸透ろ過(RO)膜および/またはナノろ過膜(NF膜)の
濃縮水を軟化処理法および/または有機物除去法で処理
することによって、高回収率運転でもファウリングやス
ケールを抑制でき、さらに濃縮水を排水基準値以下に低
減できることから、そのまま放流することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理装置の一実施態様を示すフロー
図である。
【図2】本発明の水処理装置の他の実施態様を示すフロ
ー図である。
【図3】本発明の水処理装置のさらに他の実施態様を示
すフロー図である。
【図4】比較例1、2、3の水処理装置の態様を示すフ
ロー図である。
【符号の説明】
1、4:タンク 2、5:加圧ポンプ 3:固液分離装置 6:膜モジュール 7:促進酸化処理装置 8:活性炭処理装置 9:軟化処理装置 10:還流手段 50:原水 60:固液分離装置3の分離水 70:膜モジュール6の透過水 80:膜モジュール6の濃縮水 90:促進酸化処理装置7および活性炭処理装置8で処
理された濃縮水 100:軟化処理装置9で処理された濃縮水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/42 C02F 1/42 B 4D050 1/52 1/52 Z 1/72 1/72 Z 1/78 1/78 9/00 502 9/00 502F 502G 502H 502J 502N 502P 502R 503 503A 503C 504 504D Fターム(参考) 4D006 GA03 GA07 HA04 HA18 HA19 HA41 HA61 KA03 KA52 KB04 KB11 KB12 KB13 KB30 KE01Q KE03Q MA01 MA06 MA31 MA33 MB02 MB07 MC18 MC27 MC39 MC39X MC54 MC55 MC56 MC57 PA01 PB08 PB22 PB24 PC63 4D015 BA19 CA01 CA14 EA37 FA02 FA22 FA24 4D024 AA01 AA05 AB02 AB11 BA02 BB01 BB02 BC01 CA01 DB05 DB10 DB19 DB23 DB24 4D025 AA03 AB19 BA09 BA10 BA22 BB07 DA03 DA04 DA10 4D037 AA05 AA11 AB01 BA18 CA01 CA03 CA06 CA08 CA11 CA12 CA15 4D050 AA02 AA12 AB02 AB03 AB04 AB07 AB15 AB19 BB02 BB09 BD03 BD06 CA06 CA07 CA08 CA09 CA16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原水を、固液分離した後、逆浸透膜(RO
    膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)を備えた膜モ
    ジュールで透過水と濃縮水とに分離する水処理方法であ
    って、回収率が少なくとも90%になるように運転する
    とともに、膜モジュールの濃縮水の少なくとも一部を軟
    化処理法および/または有機物除去法で処理して原水に
    還流させることを特徴とする水処理方法。
  2. 【請求項2】軟化処理法がイオン交換を含むものであ
    る、請求項1に記載の水処理方法。
  3. 【請求項3】有機物除去法が、活性炭処理を含むもので
    ある、請求項1または2に記載の水処理方法。
  4. 【請求項4】有機物除去法が、オゾン処理、紫外線処
    理、過酸化水素処理および触媒処理の群から選ばれる少
    なくとも2つの処理を施す促進酸化処理を含むものであ
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の水処理方法。
  5. 【請求項5】精密ろ過膜(MF膜)および/または限外
    ろ過膜(UF膜)を用いて固液分離を行う、請求項1〜
    4のいずれかに記載の水処理方法。
  6. 【請求項6】固液分離の前段で原水に凝集剤を添加す
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の水処理方法。
  7. 【請求項7】原水を固液分離する固液分離手段と、固液
    分離手段の処理水を透過水と濃縮水とに分離する、逆浸
    透膜(RO膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)を有す
    る膜モジュールと、膜モジュールの濃縮水の少なくとも
    一部を処理して原水へ還流させる、有機物除去手段およ
    び軟化処理手段を有する還流手段とを備えていることを
    特徴とする水処理装置。
  8. 【請求項8】還流手段は、有機物除去手段として促進酸
    化処理手段および活性炭処理手段を備え、促進酸化処理
    手段、活性炭処理手段および軟化処理手段をこの順序で
    配置している、請求項7に記載の水処理装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜6のいずれかの方法、または、
    請求項7もしくは8に記載の装置を用いることを特徴と
    する造水方法。
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