JP2003151671A - コネクタ - Google Patents

コネクタ

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JP2003151671A
JP2003151671A JP2001351419A JP2001351419A JP2003151671A JP 2003151671 A JP2003151671 A JP 2003151671A JP 2001351419 A JP2001351419 A JP 2001351419A JP 2001351419 A JP2001351419 A JP 2001351419A JP 2003151671 A JP2003151671 A JP 2003151671A
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wall
housing
partition wall
connector
terminal
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JP2001351419A
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Mitsuharu Nakamura
光晴 中村
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コネクタハウジングを小型化することがで
き、しかも端子金具の不完全挿入を検知することができ
るコネクタを提供する。 【解決手段】 コネクタハウジング11を、端子収容室
40を有するフロントハウジング12と、フロントハウ
ジング12に端子金具50の挿入方向から嵌合するリア
ハウジング70とから構成する。端子収容室40の壁部
45の一部を構成する弾性隔壁55には、端子収容室4
0に収容された端子金具50を係止する係止部56を設
け、リアハウジング70には壁部45を兼ねる仕切壁7
2を設ける。双方のハウジング12,70を嵌合させる
ことにより弾性隔壁55と仕切壁72とが壁部45の板
厚の範囲で重なり合い、壁部45が連続して形成され
る。壁部に切欠部58を設け、仕切壁72に切欠部58
に係合する段部78を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コネクタハウジン
グに端子金具を収容して、相手方コネクタと電気的接続
を行うコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、この種のコネクタに関連する技
術の一例として、実開平2−110186号公報に記載
のコネクタである。
【0003】図9(a)に示すように、コネクタ100
は、コネクタハウジング102と、コネクタハウジング
102に収容される端子金具105とを備えている。コ
ネクタハウジング102には、前後に貫通する端子収容
室103が上下2段に設けられている。各端子収容室1
03は、水平方向の仕切壁103a及び垂直方向の仕切
壁103bで格子状に仕切られている。水平方向の仕切
壁103aには、アーチ形をした弾性アーム110が両
持ちで支持されている。弾性アーム110の長手方向の
ほぼ中央の上面には、係止突起111が突設されてい
る。
【0004】図9(b)に示すように、弾性アーム11
0と水平方向の仕切壁103aとの間には、撓みスペー
ス112が形成されている。端子金具105(図9
(a))が端子収容室103に進入し、弾性アーム11
0の係止突起111に端子金具105が当接した際に、
弾性アーム110は、撓みスペース112を利用して弾
性変形し、端子金具105が奥側にさらに深く進入する
ことができるようになっている。
【0005】端子金具105は、タブ状の電気接触部を
有する相手方端子(図示せず)に対する筒状の電気接触
部106と、電線115と接続する電線接続部とを備え
ている。電気接触部106には、先端部を後ろ向きに折
り返した弾性接触片107が一体的に形成されている。
電気接触部106の底部には、弾性アーム110の係止
突起111に対する係止孔108が設けられている。
【0006】電線接続部は、芯線用と被覆線用の各一対
の圧着片とからなっている。双方の圧着片は、いわゆる
B形状に加締められて、電線115から外れないように
なっている。
【0007】このような構成によれば、端子金具105
を端子収容室103に挿入すると、端子金具105は、
弾性アーム110の係止突起111に突き当たり、弾性
アーム110を撓みスペース112側に弾性変形させな
がら奥側に進入し、端子金具105が係止突起111を
乗り越えた位置で弾性アーム110が弾性復帰し、係止
突起111が端子金具105の係止孔108に係合し
て、端子金具105がコネクタハウジング102に固定
されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のコネクタでは、解決すべき以下の問題点がある。
【0009】先ず一つに、上下方向に隣り合う端子収容
室103の間には、撓みスペース112を介して弾性ア
ーム110と水平方向の仕切壁103aとが略平行に重
なって形成されているため、隣接する端子収容室103
のピッチが広くなり、コネクタハウジング102が上下
方向に肥大化するという問題がある。端子金具105の
二重係止用のリアホルダを備えるコネクタハウジングに
あっては、更にリアホルダを差し込むスペースが必要に
なるため、コネクタハウジングが一層肥大化するという
問題がある。
【0010】図示するコネクタ100は、上下2段に端
子収容室103が形成されたコネクタ100であるが、
3段、4段又はそれ以上の多段になると、限られた設置
スペースにコネクタを設置できなくなることもある。
【0011】コネクタハウジング102を小型化するた
めに、無闇に、弾性アーム110の肉厚を薄くしたり、
水平方向の仕切壁103aを薄くしたりすると、弾性ア
ーム110が弾性限度を越えて変形したり、水平方向の
仕切壁103aの電気絶縁性が低下して接続不良を生じ
たりする心配がある。
【0012】撓みスペース112は、係止突起111を
有する弾性アーム110を退避させる方向に弾性変形さ
せる許容空間であり、この撓みスペース112を無くす
こともできない。撓みスペース112が無いと、端子金
具105が係止突起111に突き当たって端子収容室1
03に進入することができなくなるからである。
【0013】また、一つには、端子収容室103に収容
された端子金具105の係止状態を外見で検知すること
ができないため、端子金具105が完全に挿入されない
状態で相手方のコネクタと嵌合し接続不良が生じたり、
端子金具105が後抜けするといった虞もある。
【0014】本発明は、上記した点に鑑み、端子収容室
を上下方向に挟ピッチ化し、コネクタハウジングを小型
化することができ、しかも端子金具の不完全挿入を検知
することができるコネクタを提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、端子収容室を有するフロン
トハウジングと、該フロントハウジングに端子金具の挿
入方向から嵌合するリアハウジングとを備え、該端子収
容室の壁部の一部を構成する弾性隔壁には、該端子収容
室に収容された端子金具を係止する係止部が設けられ、
該リアハウジングには該壁部を兼ねる仕切壁が設けら
れ、双方のハウジングを嵌合させることにより該弾性隔
壁と仕切壁とが該壁部の板厚の範囲で重なり合い、該壁
部が連続して形成されることを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、フロントハウジングと
リアハウジングとが合体してコネクタハウジングが構成
され、フロントハウジングの弾性隔壁とリアハウジング
の仕切壁とが重なり合って端子収容室の壁部が形成され
る。端子金具は、リアハウジングの半嵌合状態で端子収
容室に挿入され、弾性隔壁を弾性変形させながら端子収
容室に収容され係止される。そして、リアハウジングを
深く押し込んで完全嵌合させると、リアハウジングの仕
切壁の先端部が弾性隔壁に重なり、弾性隔壁の弾性変形
が抑制されて端子金具の係止が外れることが防止され
る。
【0017】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のコネクタにおいて、前記壁部には前記弾性隔壁の撓
み方向に切欠部が設けられ、前記仕切壁には該切欠部に
係合する段部が設けられたことを特徴とする。
【0018】上記構成によれば、壁部には切欠部が設け
られ、仕切壁には段部が設けられているから、リアハウ
ジングをフロントハウジングに嵌合させると、端子収容
室の壁部に沿って仕切壁が進入し、更にリアハウジング
を押し込むと、仕切壁の段部が切欠部に係合する。切欠
部は弾性隔壁の撓み方向に設けられた撓みスペースでも
あるから、この撓みスペースに仕切壁の段部が進入する
ことにより、弾性隔壁の弾性変形が抑制されて、端子金
具の係止が外れることが防止される。
【0019】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載のコネクタにおいて、前記仕切壁に、前
記リアハウジングを案内するガイドリブが設けられ、前
記弾性隔壁に隣接して、該ガイドリブを案内するスリッ
トが設けられたことを特徴とする。
【0020】上記構成によれば、仕切壁に設けられたガ
イドリブが、弾性隔壁に隣接して設けられたスリットに
スライド進入し、フロントハウジングとリアハウジング
の幅方向の位置合わせが行われ、双方のハウジングが正
確に嵌合する。
【0021】また、請求項4記載の発明によれば、請求
項1〜請求項3の何れかに1項に記載のコネクタにおい
て、前記仕切壁の先端部に、前記リアハウジングをガイ
ドするテーパ部が形成されたことを特徴とする。
【0022】上記構成によれば、仕切壁の先端部にテー
パ部が形成されているから、フロントハウジングにリア
ハウジングを嵌合する際に、リアハウジングがテーパ部
にガイドされてスムーズに挿入される。
【0023】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜
請求項4の何れか1項に記載のコネクタにおいて、両持
ち構造の前記弾性隔壁の長手方向の中間部に前記係止部
が位置することを特徴とする。
【0024】上記構成によれば、弾性隔壁の中間部に係
止部が位置するから、弾性隔壁の最大撓み位置に係止部
が位置することになり、係止部が端子金具で押し上げら
れて、端子金具が端子収容室に低挿入力で挿入される。
【0025】また、請求項6記載の発明は、請求項3〜
請求項5の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記
スリットを挟む両側に前記係止部が設けられていること
を特徴とする。
【0026】上記構成によれば、スリットの両側に係止
部が設けられているから、各係止部は端子金具の両側の
肩部と係合して、端子金具がバランス良く係止されて端
子金具の後抜けが防止される。そして、端子金具が各係
止部に押し上げた際でも弾性隔壁の変形や破損等を招く
こともない。
【0027】また、請求項7記載の発明は、請求項2〜
請求項6の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記
段部の先端が前記切欠部に連続する突当受部に突き当た
り、前記端子金具の不完全挿入状態が検知されることを
特徴とする。
【0028】上記構成によれば、端子金具が不完全挿入
状態にあるときに、弾性変形した弾性隔壁の突当受部に
段部の先端が突き当たり、リアハウジングの進入が阻止
されて、端子金具の不完全挿入状態が検知される。
【0029】また、請求項8記載の発明は、請求項1〜
請求項7の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記
フロントハウジングの壁部に仮係止用の第1のロック部
と、本係止用の第2のロック部が設けられ、前記リアハ
ウジングの壁部に該第1、第2のロック部に係合する被
ロック部が設けられたことを特徴とする。
【0030】上記構成によれば、被ロック部が仮係止用
の第1のロック部に係合してリアハウジングの仮係止位
置が定まり、被ロック部が本係止用の第2のロック部に
係合してリアハウジングの本係止位置が定まり、仮係止
位置ではフロントハウジングに対する端子金具の組み付
けが行われ、本係止位置では壁部の切欠部にリアハウジ
ングの仕切壁の先端が進入する。
【0031】また、請求項9記載の発明は、請求項1〜
請求項8の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記
フロントハウジングの後壁に傾斜面が形成され、前記リ
アハウジングの奥側に傾斜面が形成され、両ハウジング
の嵌合時に両傾斜面が相互に当接することを特徴とす
る。
【0032】上記構成によれば、フロントハウジングの
後壁の傾斜面に、リアハウジングの奥側の傾斜面が当接
することで、双方のハウジングの上下方向の位置決めが
行われて、がたつきなく双方のハウジングが嵌合する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態の具体
例を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に係
るコネクタの一実施形態を示すものである。
【0034】図1に示すように、コネクタ10は、合成
樹脂製のコネクタハウジング11と、コネクタハウジン
グ11に収容された雌型端子(端子金具)50とからな
っている。コネクタハウジング11は、端子収容室40
を有するフロントハウジング12と、フロントハウジン
グ12に雌型端子50の挿入方向から嵌合するリアハウ
ジング70とからなっている。このコネクタ10は、嵌
合フードを有する相手方コネクタ(図示せず)に嵌入し
て電気的に接続する、いわゆる雄型のコネクタ10に相
当する。
【0035】雌型端子50は、導電性の金属板を打ち抜
き、折り曲げ加工して形成されたものである。一側に相
手方端子に対する筒状の電気接触部51が形成され、他
側に電線接続部52が形成されている。電気接触部51
の内部には、先端部が折り変えされた弾性接触片53が
形成されており、相手方端子(図示せず)に対する接触
圧が維持されるようになっている。電線接続部52は、
被覆線と芯線を加締める各一対の圧着片からなってい
る。
【0036】フロントハウジング12は、相手方コネク
タに嵌入するコネクタ嵌合部13と、リアハウジング7
0に嵌合するハウジング嵌合部25とからなっている。
コネクタ嵌合部13とハウジング嵌合部25の境界には
段差壁35が形成されており、段差壁35にはハウジン
グ嵌合部25に嵌入するリアハウジング70の前壁71
aが当接してリアハウジング70の嵌合方向の位置決め
が行われるようになっている。すなわち、段差壁35
は、リアハウジング70に対するストッパーとして機能
している。リアハウジング70が嵌合した状態において
は、コネクタ嵌合部13の外壁(壁部)15とリアハウ
ジング70の外壁(壁部)71とには段差が無くなり、
両外壁15,71面が面一となる(図7)。
【0037】コネクタ嵌合部13の外壁15は、相手方
コネクタが嵌合する側の前壁15aと、相手方コネクタ
に対するロックレバー20(図2)が形成された上壁1
5cと、上壁15cの反対側に対向して位置する下壁1
5dと、左右両側の側壁15e,15fとからなってい
る。
【0038】上記のコネクタ嵌合部13の前後、上下、
左右の向きは、説明の都合上便宜的に定めたものであっ
て、実際に使用する方向を定めたものではない。従っ
て、前後を逆にして使用することもあれば、上下を逆に
して使用することもある。
【0039】図2に示すように、コネクタ嵌合部13の
前壁15a(図1参照)には、端子収容室40の前端開
口43と、端子抜き治具用の挿入孔17が複数設けられ
ている。コネクタ嵌合部13の両側壁15e,15f
(片方しか図示せず)には、相手方コネクタをガイドす
るスライド溝18が形成されている。コネクタ嵌合部1
3の上壁15cには、上述したロックレバー20の基部
20aが繋がっている。
【0040】このロックレバー20は、一対の脚部20
b、20cと、一対の脚部20b,20cの自由端部を
繋ぐ橋絡部20fとからなっている。各脚部20b、2
0cの自由端側には、相手方コネクタの係止部に係合す
る爪部20d,20eが形成されている。橋絡部20f
は、ロックレバー20の操作部に相当し、この橋絡部2
0fが上下に撓むことで、相手方コネクタに対するロッ
クとロック解除とが行われるようになっている。なお、
橋絡部20fは、リアハウジング70の門型防護壁82
(図4)により保護されているため、不用意に押されて
ロックが解除される心配はない。
【0041】コネクタ嵌合部13に嵌合する相手方コネ
クタは、雄型端子が収容されたいわゆる雌型のコネクタ
である。コネクタハウジング11と相手方コネクタとの
固定は、上述したロックレバー20を利用して行われ
る。すなわち、嵌合フードを有する相手方コネクタが深
くコネクタ嵌合部13に外嵌することにより、ロックレ
バー20が撓み、一対の爪部20d,20eが相手方コ
ネクタの係止部に係合して、両コネクタがロックされる
ようになっている。
【0042】なお、相手方コネクタとの嵌合は、先にリ
アハウジング70をハウジング嵌合部25に嵌合して、
雌型端子50を係止した後で行われる。リアハウジング
70を嵌合する前に、相手方コネクタを嵌合すると、雌
型端子50の係止が不十分な状態で相手方の雄型端子が
端子収容室40の前端開口43に進入してきて、雌型端
子50が雄型端子に押し出されたり、接続不良などの不
都合を生ずることとなる虞があるからである。
【0043】ハウジング嵌合部25は、リアハウジング
70の内側に嵌入する嵌合部である。ハウジング嵌合部
25の外壁(壁部)26は、ロックレバー20に対向す
る側の上壁26aと、この上壁26aの反対側に位置す
る下壁26bと、リアハウジング70が嵌合する側の後
壁26cと、上壁26a及び下壁26bに直交して繋が
る左右両側の側壁26d,26e(片方しか図示せず)
とからなっている。
【0044】ハウジング嵌合部25の上壁26aには後
壁26cから段差壁35の手前側まで深く切り込まれた
複数のスリット60が所定間隔で形成されている。ハウ
ジング嵌合部25の側壁26d,26eには、左右方向
の全幅に亘り横方向のスリット31が形成されており、
これによりハウジング嵌合部25は上下に分かれてい
る。横方向のスリット31には、リアハウジング70の
仕切壁72(図4)が差し込まれるようになっている。
【0045】図3に示すように、ハウジング嵌合部25
の後壁26cは、所定の傾斜角度で傾斜する傾斜面26
fに形成されている。後壁26cには、リアハウジング
70の奥側の傾斜面86(図5)が当接して、フロント
ハウジング12とリアハウジング70の上下方向の位置
決めが行われて、がたつきなく双方のハウジング12,
70が嵌合するようになっている。
【0046】図3に示すように、ハウジング嵌合部25
の内側には、水平方向と垂直方向の隔壁41,42で格
子状に仕切られた端子収容室40が複数設けられてい
る。端子収容室40は、コネクタ嵌合部13の前壁15
aからハウジング嵌合部25の後壁26cに亘り貫通形
成されている。すなわち、端子収容室40の前端開口4
3は、コネクタ嵌合部13の前壁15aに略矩形状に開
口形成され、端子収容室40の後端開口44は、ハウジ
ング嵌合部25の後壁26cに開口形成されている。端
子収容室40の前端開口43からは、相手方コネクタの
雄型端子が進入して、雌型端子50と電気的に接触でき
るようになっている。端子収容室40の後端開口44か
らは、雌型端子50に接続する電線65が引き出される
ようになっている。
【0047】再び図1に示すように、端子収容室40
は、水平方向の隔壁41で上下二段に仕切られている。
従って、各端子収容室40には、雌型端子50が上下二
段に収容されるようになっている。なお、端子収容室4
0は、二段構成に限定されるものではなく、三段又はそ
れ以上の多段に構成してもよい。
【0048】端子収容室40の水平方向の隔壁41は、
端子収容室40の内壁(壁部)45の一部を構成する両
端支持構造の弾性隔壁55と、リアハウジング70の仕
切壁72とが重なり合って構成されている。この弾性隔
壁55には、後壁26cから段差壁35側にかけてスリ
ット60(図2、図3)が形成されている。このスリッ
ト60には、リアハウジング70の仕切壁72に形成さ
れたガイドリブ74(図5)がスライド挿入するように
なっている。
【0049】図3に示すように、スリット60により分
割された両側の梁部57,57には、一対の係止突起
(係止部)56がそれぞれ下向きに突出形成されてい
る。この係止突起56は、弾性隔壁55の長手方向の中
間部に位置しており、前側の垂直係止面56aと、後側
の傾斜面56bとからなっている。垂直係止面56aに
は、雌型端子50の肩部が当接するようになっている。
後側の傾斜面56bは、後方に行くに従い漸次傾斜する
なだらかな傾斜面であり、端子収容室40に挿入された
雌型端子50が係止突起56を押し上げて奥側に進入す
ることができるようになっている。
【0050】係止突起56は、弾性隔壁55の最大撓み
位置である中間部に形成されているから、弾性隔壁55
が容易に弾性変形して雌型端子50の挿入が低挿入力で
行われるようになっている。また、雌型端子50に対す
る前後方向の位置決め精度も向上する。位置決め精度が
向上するのは、弾性隔壁55が雌型端子50の挿入方向
に直交する方向に弾性変形するからである。他方、弾性
隔壁が片持ち構造の場合は、弾性アームは円弧状のたわ
み曲線を描いて弾性変形することとなり、係止突起56
の位置が前後にぶれて雌型端子50の肩部との間に隙間
が形成されてしまい、位置決め精度が悪くなるという問
題がある。
【0051】係止突起56の裏側には、切欠部58(図
1)が形成されている。切欠部58が形成されることに
より、弾性隔壁55の曲げ剛性が低下して、より一層弾
性隔壁55の弾性変形が助長されるようになる。
【0052】一方、この切欠部58には、リアハウジン
グ70の仕切壁72の先端部である突当部78aが係合
するようになっている。すなわち、コネクタハウジング
11にリアハウジング70を嵌合すると、仕切壁72が
端子収容室40の内壁45に沿って進入し、切欠部58
に突当部78aが係合して、弾性隔壁55の弾性変形が
抑制されて、係止の外れることが防止されるようになっ
ている。
【0053】図8に示すように、切欠部58の後方はス
リット60の又部に繋がっている。この又部は、リアハ
ウジング70の仕切壁72に突出形成された突当部78
aが突き当たる突当受部59である。すなわち、端子収
容室40に挿入された雌型端子50が不完全な挿入状態
にあって、雌型端子50が係止突起56を押し上げたま
まの状態になっているときには、弾性隔壁55が上方に
湾曲し、突当部78aが弾性隔壁55の突当受部59に
突き当たり、リアハウジング70が半嵌合状態となる。
逆に、上段に示されるように、全ての雌型端子50が端
子収容室40に完全に収容された状態にあるときには、
リアハウジング70はコネクタハウジング11に緊密に
嵌合する。従って、リアハウジング70が半嵌合状態に
なることで、少なくとも一つの雌型端子50の不完全挿
入が検知されるようになっている。
【0054】次に、リアハウジング70について説明す
る。図4に示すように、リアハウジング70は、コネク
タハウジング11のハウジング嵌合部25に嵌合するフ
ード状の外壁(壁部)71を備えている。リアハウジン
グ70の内側には、仕切壁72で上下に二分された嵌合
空間84が形成されている。
【0055】外壁71は、上下壁71c,71dと、上
下壁71c,71dの両端部を繋ぐ側壁71e,71f
(片方しか図示せず)と、後壁71bとからなってい
る。両側の側壁71e,71fには、ハウジング嵌合部
25の側壁26d,26eに形成された仮係止用の第1
のロック部28、本係止用の第2のロック部29に係合
するロック用アーム(被ロック部)79が形成されてい
る。このロック用アーム79は、上下の腕部80a,8
0bと、上下の腕部80a,80bと繋ぐ架橋部80c
とからなっており、全体として枠状に形成されている。
ロック用アーム79はその基部側を支点として外側に撓
み可能になっている。
【0056】図5に示すように、リアハウジング70の
奥側にはリブ状の傾斜面86が形成されている。この傾
斜面86が、ハウジング嵌合部25の後壁26cである
傾斜面26f(図3)に当接して、フロントハウジング
12とリアハウジング70の上下方向に摺接して位置決
めが行われるようになっている。
【0057】図6に示すように、リアハウジング70を
ハウジング嵌合部25に嵌合する際は、二段階に分けて
操作を行う。先ず、ロック用アーム79の架橋部80c
を仮係止用の第1のロック部28に係合させることによ
りリアハウジング70を仮係止し、次に、ロック用アー
ム79を外側に撓ませながら奥側に押し込み、架橋部8
0cを本係止用の第2のロック部29に係合させること
によりリアハウジング70を本係止する。仮係止位置で
は雌型端子50の組み付けが行われ、本係止位置では雌
型端子50の係止が行われるようになっている。このよ
うに、リアハウジング70を二段階に分けて嵌合操作す
ることにより、雌型端子50の組み付けが行い易く、コ
ネクタ10の組立作業性が向上する。
【0058】リアハウジング70の上壁71cの後方側
の縁部には、門型防護壁82が形成されている。この門
型防護壁82の内側に、コネクタハウジング11のロッ
クレバー20の橋絡部20fが収まる格好になり、不用
意な外部との干渉からロックレバー20が押されてロッ
クが外れることが防止されている。
【0059】図5に示すように、上壁71cの下面に
は、所定のピッチで配列した位置決め用のガイドリブ7
3が設けられている。このガイドリブ73が、ハウジン
グ嵌合部25の上壁26aのスリット60(図3)に係
合して、リアハウジング70の左右方向の位置決めが行
われるようになっている。また、仕切壁72の下面に
も、所定のピッチで配列したガイドリブ74が設けられ
ている。仕切壁72と上壁71cのガイドリブ73,7
4は、端子収容室40の内壁45である水平方向の隔壁
41のスリット60(図3)にそれぞれ案内されるよう
になっている。
【0060】リアハウジング70の仕切壁72および上
壁71cには、それぞれガイドリブ73,74が設けら
れているから、コネクタハウジング11のハウジング嵌
合部25に対するリアハウジング70の左右方向の位置
決めが正確に行われて、雌型端子50の係止が確実に行
われるようになっている。
【0061】また、仕切壁72と上壁71cのガイドリ
ブ73,74の先端側には、段部78に繋がる突当部7
8aが突設している。突当部78aは、弾性隔壁55の
切欠部58に連続する突当受部59(図7)に突き当た
り、雌型端子50の不完全挿入状態を検知する部分であ
る。
【0062】仕切壁72および上壁71cの先端側に
は、リアハウジング70をハウジング嵌合部25に嵌合
する際の干渉を防止するためのテーパ部85が形成され
ている。リアハウジング70は、このテーパ部85に案
内されてフロントハウジング12に嵌合するようになっ
ている。
【0063】テーパ部85の先端側には、突当部78a
が突設されている。突当部78aは、段部78を介して
ガイドリブ73,74に連続し、仕切壁72の先端側よ
り突出している。不完全挿入状態の雌型端子50(図
8)がある場合には、この突当部78aが突当受部59
に突き当たり、リアハウジング70が本係止されること
はない。従って、リアハウジング70の嵌合状態で、雌
型端子50の不完全挿入状態を発見することができ、雌
型端子50の接続不良等を未然に防止することができ
る。
【0064】なお、図8に示すコネクタ10の上段の雌
型端子50のように、雌型端子50が完全挿入状態にあ
る時には、突当部78aは内壁45の切欠部58に係合
して、雌型端子50の係止が行われるようになってい
る。リアハウジング70が仮係止位置にあるときの切欠
部58は係止突起56の撓みスペースとして機能してい
るが、リアハウジング70が本係止位置にあるときの切
欠部58は仕切壁72の係合スペースとして機能して、
この係合スペースに仕切壁72及び上壁71cの先端側
がそれぞれ係合して弾性隔壁55の撓みが抑制され、雌
型端子50の係止が確実に行われるようになっている。
【0065】仕切壁72と上壁71cは、弾性隔壁55
の補強も兼ねている。すなわち、リアハウジング70が
ハウジング嵌合部25に嵌合した際に、端子収容室40
の弾性隔壁55に重なることで、弾性隔壁55の曲げ剛
性が向上して、変形等が防止されるようになっている。
【0066】なお、リアハウジング70の上壁71c
は、コネクタ10の端子収容室40を区画形成するもの
であり、仕切壁72の役割も兼ねている。
【0067】上記構成の作用について説明すると、フロ
ントハウジング12のハウジング嵌合部25にリアハウ
ジング70を嵌合し、リアハウジング70のロック用ア
ーム79をハウジング嵌合部25の第1のロック部28
に係合させてリアハウジング70を一旦仮係止する。そ
して、この仮係止状態において、電線65付きの雌型端
子50を一つづつ端子収容室40に挿入する。
【0068】続いて、リアハウジング70の両側の側壁
71e,71fに形成されたロック用アーム79を外方
に撓ませながら、リアハウジング70を奥側に押し込ん
で仮係止位置から本係止位置へ移行させる。この際、一
つでも不完全挿入状態の雌型端子50があるときには、
リアハウジング70の突当部78aが弾性隔壁55の突
当受部59に突き当たり、リアハウジング70を本係止
位置へ移行することができなくなり、雌型端子50の不
完全挿入状態が未然に検知される。全ての雌型端子50
が完全に挿入された時には、リアハウジング70は本係
止位置まで移行して、ハウジング嵌合部25の第2のロ
ック部29にロック用アーム79を係合させ、リアハウ
ジング70をコネクタハウジング11に本係止させる。
【0069】次に、フロントハウジング12のコネクタ
嵌合部13に相手方コネクタを嵌合させ、ロックレバー
20を弾性変形させながら奥側に押し込み、弾性復帰し
たロックレバー20の一対の爪部20d,20eを相手
方コネクタの係止部に係合させ、双方のコネクタを電気
的に接続する。
【0070】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、フロントハウジングとリアハウジングとが合体し、
フロントハウジングの弾性隔壁がリアハウジングの仕切
壁と重なり合って端子収容室の壁部が形成されるから、
弾性隔壁の弾性変形が抑制されて、端子金具の係止が外
れることが防止される。また、従来例に示した水平方向
の仕切壁や撓みスペースも不要となり、端子収容室の省
スペース化を図ることができる。従って、端子金具の係
止の信頼性を向上でき、しかもコネクタハウジングの小
型化を図ることができる。
【0071】また、請求項2記載の発明によれば、仕切
壁の段部が壁部の切欠部に係合することにより、仕切壁
と弾性隔壁とが出っ張りなく重なり合い、しかも弾性隔
壁が補強され弾性隔壁の弾性変形が抑制される。従っ
て、端子金具に対する係止の信頼性がより向上し、請求
項1記載の効果を助長する効果を奏する。
【0072】また、請求項3記載の発明によれば、仕切
壁のガイドリブが弾性隔壁に隣接して設けられたスリッ
トにスライド挿入してリアハウジングが案内されること
で、双方のハウジングの位置合わせが容易に行われ、双
方のハウジングが正確に嵌合する。従って、双方のハウ
ジングの位置決め精度が向上し、請求項1記載の発明の
効果を確実に達成することができる。
【0073】また、請求項4記載の発明によれば、仕切
壁の先端部にテーパ部が形成されているから、フロント
ハウジングにリアハウジングを嵌合する際に、リアハウ
ジングがテーパ部にガイドされてスムーズに挿入され
る。従って、テーパ部のすべり案内作用によりコネクタ
の組付作業性が向上する。
【0074】また、請求項5記載の発明によれば、弾性
隔壁の最大撓み位置である中間部に係止部が位置するか
ら、係止部を有する弾性隔壁が撓みやすくなり、端子金
具が端子収容室に低挿入力で挿入される。従って、コネ
クタハウジングに対する端子金具の組付作業性が向上す
る。
【0075】また、請求項6記載の発明によれば、スリ
ットの両側に係止部が設けられているから、端子金具の
両側の肩部が係止部と係合して、端子金具が2点でバラ
ンス良く係止される。従って、弾性隔壁の変形や破損等
を招くことなく、端子金具の係止の信頼性が向上する。
【0076】また、請求項7記載の発明によれば、端子
金具が不完全挿入状態にあるときに、弾性変形した弾性
隔壁の突当受部に段部の先端が突き当たり、リアハウジ
ングの進入が阻止される。従って、リアハウジングの嵌
合状態によって端子金具の不完全挿入状態を検知するこ
とができる。
【0077】また、請求項8記載の発明によれば、被ロ
ック部が仮係止用の第1のロック部に係合してリアハウ
ジングが仮係止され、この仮係止状態でコネクタハウジ
ングに対する端子金具の組み付けが行われ、被ロック部
が第2のロック部に係合してリアハウジングが本係止さ
れ、本係止状態で切欠部に仕切壁が係合する。従って、
フロントハウジングに対する端子金具とリアハウジング
の組み付けが順次行われて、コネクタの組立作業性が向
上する。
【0078】また、請求項9記載の発明によれば、フロ
ントハウジングの後壁の傾斜面に、リアハウジングの奥
側の傾斜面が当接することで、双方のハウジングの上下
方向の位置決めが行われる。従って、双方のハウジング
をがたつきなく緊密に嵌合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコネクタの一実施形態を示す断面
図である。
【図2】図1に示されたコネクタを構成するフロントハ
ウジングの全体斜視図である。
【図3】図2に示されたフロントハウジングの要部を示
す断面図である。
【図4】図1に示されたコネクタを構成するリアハウジ
ングの全体斜視図である。
【図5】図4に示されたリアハウジングの要部を示す斜
視図である。
【図6】図2に示されたフロントハウジングと図4に示
されたリアハウジングとの半嵌合状態を示す斜視図であ
る。
【図7】図1に示されたコネクタハウジングの嵌合状態
を示す断面斜視図である。
【図8】図1に示されたコネクタに収容された下段の端
子金具が不完全挿入状態にあるときの断面図である。
【図9】従来のコネクタの一例を示す断面図であり、
(a)は縦断面図、(b)は斜め方向から見た要部断面
図である。
【符号の説明】
10 コネクタ 11 コネクタハウジング 12 フロントハウジング 13 コネクタ嵌合部 25 ハウジング嵌合部 40 端子収容室 41 水平方向の隔壁 45 内壁(壁部) 50 雌型端子(端子金具) 55 弾性隔壁 56 係止突起(係止部) 58 切欠部 59 突当受部 60 スリット 70 リアハウジング 72 仕切壁 73,74 ガイドリブ 78 段部 78a 突当部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端子収容室を有するフロントハウジング
    と、該フロントハウジングに端子金具の挿入方向から嵌
    合するリアハウジングとを備え、該端子収容室の壁部の
    一部を構成する弾性隔壁には、該端子収容室に収容され
    た端子金具を係止する係止部が設けられ、該リアハウジ
    ングには該壁部を兼ねる仕切壁が設けられ、双方のハウ
    ジングを嵌合させることにより該弾性隔壁と仕切壁とが
    該壁部の板厚の範囲で重なり合い、該壁部が連続して形
    成されることを特徴とするコネクタ。
  2. 【請求項2】 前記壁部には前記弾性隔壁の撓み方向に
    切欠部が設けられ、前記仕切壁には該切欠部に係合する
    段部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のコネ
    クタ。
  3. 【請求項3】 前記仕切壁に、前記リアハウジングを案
    内するガイドリブが設けられ、前記弾性隔壁に隣接し
    て、該ガイドリブを案内するスリットが設けられたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
  4. 【請求項4】 前記仕切壁の先端部に、前記リアハウジ
    ングをガイドするテーパ部が形成されたことを特徴とす
    る請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコネクタ。
  5. 【請求項5】 両持ち構造の前記弾性隔壁の長手方向の
    中間部に前記係止部が位置することを特徴とする請求項
    1〜請求項4の何れか1項に記載のコネクタ。
  6. 【請求項6】 前記スリットを挟む両側に前記係止部が
    設けられたことを特徴とする請求項3〜請求項5の何れ
    か1項に記載のコネクタ。
  7. 【請求項7】 前記段部の先端が前記切欠部に連続する
    突当受部に突き当たり、前記端子金具の不完全挿入状態
    が検知されることを特徴とする請求項2〜請求項6の何
    れか1項に記載のコネクタ。
  8. 【請求項8】 前記フロントハウジングの壁部に仮係止
    用の第1のロック部と、本係止用の第2のロック部が設
    けられ、前記リアハウジングの壁部に該第1、第2のロ
    ック部に係合する被ロック部が設けられたことを特徴と
    する請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のコネク
    タ。
  9. 【請求項9】 前記フロントハウジングの後壁に傾斜面
    が形成され、前記リアハウジングの奥側に傾斜面が形成
    され、両ハウジングの嵌合時に両傾斜面が相互に当接す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に
    記載のコネクタ。
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