JP2003148818A - 環境温度の調節方法 - Google Patents
環境温度の調節方法Info
- Publication number
- JP2003148818A JP2003148818A JP2001344115A JP2001344115A JP2003148818A JP 2003148818 A JP2003148818 A JP 2003148818A JP 2001344115 A JP2001344115 A JP 2001344115A JP 2001344115 A JP2001344115 A JP 2001344115A JP 2003148818 A JP2003148818 A JP 2003148818A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refrigerant
- hydrocarbon
- mixture
- lower alcohol
- main component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動車や屋内など備えられるエアーコンデッ
ショナーあるいは各種の冷蔵、冷凍装置などの環境冷却
装置を利用する環境温度の調節方法において有利に用い
ることのできる冷媒と潤滑油との組合せを提供するこ
と。 【解決手段】 ハイドロフルオロカーボンに少量の低級
アルコール及び少量の炭素原子数が4以下の低級炭化水
素が混合された冷媒組成物と液状炭化水素からなる潤滑
油とを併用する。
ショナーあるいは各種の冷蔵、冷凍装置などの環境冷却
装置を利用する環境温度の調節方法において有利に用い
ることのできる冷媒と潤滑油との組合せを提供するこ
と。 【解決手段】 ハイドロフルオロカーボンに少量の低級
アルコール及び少量の炭素原子数が4以下の低級炭化水
素が混合された冷媒組成物と液状炭化水素からなる潤滑
油とを併用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境温度を調節す
る方法に関する。本発明は特に、自動車用もしくは室内
用のエアコンデッショナー、あるいは家庭用冷蔵庫また
は業務用低温化機器の運転の際に用いられる冷媒と潤滑
剤と組合せの改良に関する。
る方法に関する。本発明は特に、自動車用もしくは室内
用のエアコンデッショナー、あるいは家庭用冷蔵庫また
は業務用低温化機器の運転の際に用いられる冷媒と潤滑
剤と組合せの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車内、家屋の室内、家庭用ある
いは業務用の冷蔵庫あるいは冷凍庫などを運転して環境
温度を調節する際に、流体間の熱交換を利用する下記の
複数の工程を順に繰り返し連続的に実施するシステムが
一般的に利用されている。
いは業務用の冷蔵庫あるいは冷凍庫などを運転して環境
温度を調節する際に、流体間の熱交換を利用する下記の
複数の工程を順に繰り返し連続的に実施するシステムが
一般的に利用されている。
【0003】(1)高圧下にて液状とされた冷媒と潤滑
油との混合物を内部が低圧雰囲気とされたエバポレータ
内に噴射することによって霧化冷却し、この冷却された
霧化混合物を内部に収容する該エバポレータの外側表面
を、その周囲を流通する流体と接触させることにより熱
交換を介して該流体を冷却する工程; (2)該冷却工程での熱交換により相対的に高温となっ
た上記霧化混合物をラインを介してコンプレッサに供給
する工程、コンプレッサ内部にて、供給された該霧化混
合物を加圧圧縮して高温高圧の霧化混合物を生成させる
工程; (3)高温高圧とされた霧化混合物をコンデンサに供給
する工程; (4)コンデンサ内に供給された高温高圧の霧化混合物
を、該コンデンサを、その外側を流通する流体と接触さ
せることにより、熱交換を介して冷却して、液状とし、
一方、該流体の温度を高める工程; (5)該液状混合物をラインを介してエバポレータに供
給する工程。
油との混合物を内部が低圧雰囲気とされたエバポレータ
内に噴射することによって霧化冷却し、この冷却された
霧化混合物を内部に収容する該エバポレータの外側表面
を、その周囲を流通する流体と接触させることにより熱
交換を介して該流体を冷却する工程; (2)該冷却工程での熱交換により相対的に高温となっ
た上記霧化混合物をラインを介してコンプレッサに供給
する工程、コンプレッサ内部にて、供給された該霧化混
合物を加圧圧縮して高温高圧の霧化混合物を生成させる
工程; (3)高温高圧とされた霧化混合物をコンデンサに供給
する工程; (4)コンデンサ内に供給された高温高圧の霧化混合物
を、該コンデンサを、その外側を流通する流体と接触さ
せることにより、熱交換を介して冷却して、液状とし、
一方、該流体の温度を高める工程; (5)該液状混合物をラインを介してエバポレータに供
給する工程。
【0004】すなわち、各工程を循環移動する冷媒に
は、各工程の器具装置を潤滑する潤滑油が付随して循環
移動するようにされている。
は、各工程の器具装置を潤滑する潤滑油が付随して循環
移動するようにされている。
【0005】従来において、冷媒としては、一般的な名
称としてフロンガスと呼ばれているCFC(クロロフル
オロカーボン)あるいはHCFC(ハイドロクロロフル
オロカーボン)などの、フッ素原子と塩素原子とで置換
された気体状の炭化水素が一般的に利用されてきた。し
かしながら、フロンガスがオゾン層の破壊の主原因とな
っている可能性が強いとの理解が一般化したため、世界
的なフロンガス廃止の運動が広がり、既に、1995年
から、上記のようなフロンガスの使用が禁止されてい
る。
称としてフロンガスと呼ばれているCFC(クロロフル
オロカーボン)あるいはHCFC(ハイドロクロロフル
オロカーボン)などの、フッ素原子と塩素原子とで置換
された気体状の炭化水素が一般的に利用されてきた。し
かしながら、フロンガスがオゾン層の破壊の主原因とな
っている可能性が強いとの理解が一般化したため、世界
的なフロンガス廃止の運動が広がり、既に、1995年
から、上記のようなフロンガスの使用が禁止されてい
る。
【0006】一方、塩素原子を含まず、フッソ原子のみ
で置換された、CH2FCF3の化学式で表わされるハイ
ドロフルオロカーボン(HFC、代表例:R134a)
などの代替フロンは、オゾン層への影響が少ないことが
確認されたため、従来用いられてきたフロン(特定フロ
ンと呼ぶ)に代わるものとして、現在では一般的に使用
されるようになっている。
で置換された、CH2FCF3の化学式で表わされるハイ
ドロフルオロカーボン(HFC、代表例:R134a)
などの代替フロンは、オゾン層への影響が少ないことが
確認されたため、従来用いられてきたフロン(特定フロ
ンと呼ぶ)に代わるものとして、現在では一般的に使用
されるようになっている。
【0007】一方、冷媒と併用される潤滑油としては、
冷媒として特定フロンを用いた従来の系では、鉱物油な
どの炭化水素油が一般的に用いられてきた。しかしなが
ら、上記のハイドロフルオロカーボンなどの代替フロン
は、潤滑油との相溶性が不充分ではないため、冷媒循環
系内での冷媒と潤滑油との分離が予想され、冷媒循環系
を備えた機器の運転の際のトラブルが発生される恐れが
大きいことから、上記のような代替フロンとの相溶性が
高いエステル系合成油(POE)、エーテル系合成油
(PVE)、ポリアルキレン系合成油(PAG)などの
合成油が潤滑油として推奨され、現在では、それらの合
成油系潤滑油が代替フロン冷媒と併用されるようになっ
ている。しかしながら、これらの合成油系潤滑油は、そ
の製造のためのコストが炭化水素系潤滑油に比べると遥
かに高いため、その使用は、冷却システムの設置と運転
のための費用の上昇を招くという問題がある。
冷媒として特定フロンを用いた従来の系では、鉱物油な
どの炭化水素油が一般的に用いられてきた。しかしなが
ら、上記のハイドロフルオロカーボンなどの代替フロン
は、潤滑油との相溶性が不充分ではないため、冷媒循環
系内での冷媒と潤滑油との分離が予想され、冷媒循環系
を備えた機器の運転の際のトラブルが発生される恐れが
大きいことから、上記のような代替フロンとの相溶性が
高いエステル系合成油(POE)、エーテル系合成油
(PVE)、ポリアルキレン系合成油(PAG)などの
合成油が潤滑油として推奨され、現在では、それらの合
成油系潤滑油が代替フロン冷媒と併用されるようになっ
ている。しかしながら、これらの合成油系潤滑油は、そ
の製造のためのコストが炭化水素系潤滑油に比べると遥
かに高いため、その使用は、冷却システムの設置と運転
のための費用の上昇を招くという問題がある。
【0008】さらに、従来から継続して用いられいるエ
アーコンデッショナー、冷蔵庫、冷凍装置などでは、炭
化水素系潤滑油が用いられおり、その炭化水素系潤滑油
を全部抜き出して、その代わりに合成油系潤滑油を充填
する作業は、費用的にも、時間的にも好ましくない。こ
のことを考慮して、代替フロンを冷媒として用いた場合
でも、炭化水素系潤滑油を使用して差し支えない旨の提
案も既になされている(ASHRAE Journa
l、1999年11月号、55〜61頁、同、2000
年8月号、56頁)。しかしながら、代替フロンと炭化
水素系潤滑油の相溶性の低さは実験的に確認されている
ため、実際の装置での冷却系において、代替フロンと炭
化水素系潤滑油とを併用することはリスクがある。
アーコンデッショナー、冷蔵庫、冷凍装置などでは、炭
化水素系潤滑油が用いられおり、その炭化水素系潤滑油
を全部抜き出して、その代わりに合成油系潤滑油を充填
する作業は、費用的にも、時間的にも好ましくない。こ
のことを考慮して、代替フロンを冷媒として用いた場合
でも、炭化水素系潤滑油を使用して差し支えない旨の提
案も既になされている(ASHRAE Journa
l、1999年11月号、55〜61頁、同、2000
年8月号、56頁)。しかしながら、代替フロンと炭化
水素系潤滑油の相溶性の低さは実験的に確認されている
ため、実際の装置での冷却系において、代替フロンと炭
化水素系潤滑油とを併用することはリスクがある。
【0009】一方、ハイドロフルオロカーボンについて
は、その冷媒としての使用についても、従来の特定フロ
ンと比較すると、充分な冷却能力を示さないなどの報告
もあり、充分満足できるものとは言えない。
は、その冷媒としての使用についても、従来の特定フロ
ンと比較すると、充分な冷却能力を示さないなどの報告
もあり、充分満足できるものとは言えない。
【0010】代替フロンとしてのハイドロフロオロカー
ボンの使用に関する上記のような問題点の解決策とし
て、特開平8−295877号公報には、ハイドロフロ
オロカーボンを、これに少量のエタノールなどの低級ア
ルコールと少量のプロパンなどの低級炭化水素と添加し
た冷媒組成物として使用することが提案されている。こ
の公報における記載によると、この冷媒組成物は、冷却
系内における霧化効率と凝縮効率とが優れているとされ
ている。そして、この冷媒組成物は、既に開発が進めら
れており、R−SP34あるいはSP34Eとして商品
化されている。
ボンの使用に関する上記のような問題点の解決策とし
て、特開平8−295877号公報には、ハイドロフロ
オロカーボンを、これに少量のエタノールなどの低級ア
ルコールと少量のプロパンなどの低級炭化水素と添加し
た冷媒組成物として使用することが提案されている。こ
の公報における記載によると、この冷媒組成物は、冷却
系内における霧化効率と凝縮効率とが優れているとされ
ている。そして、この冷媒組成物は、既に開発が進めら
れており、R−SP34あるいはSP34Eとして商品
化されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、自動車や屋内に備えられるエアーコンデッ
ショナーあるいは各種冷蔵、冷凍装置などの環境冷却装
置を利用する環境温度の調節方法において有利に用いる
ことのできる冷媒と潤滑油と組合せを提供することにあ
る。
する課題は、自動車や屋内に備えられるエアーコンデッ
ショナーあるいは各種冷蔵、冷凍装置などの環境冷却装
置を利用する環境温度の調節方法において有利に用いる
ことのできる冷媒と潤滑油と組合せを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ハイドロフ
ルオロカーボンに少量の低級アルコール及び少量の炭素
原子数が4以下の低級炭化水素が混合されてなる冷媒組
成物と液状炭化水素からなる潤滑油とが、互いに充分な
相溶性を示し、さらに、そのような組合せによって配合
した混合物が、エアーコンデッショナーや冷蔵庫などの
環境温度調節用の機器の冷却系の長期間の連続運転に使
用しても、そのような混合系に起因すると考えられるト
ラブルの発生がないことを見出した。
ルオロカーボンに少量の低級アルコール及び少量の炭素
原子数が4以下の低級炭化水素が混合されてなる冷媒組
成物と液状炭化水素からなる潤滑油とが、互いに充分な
相溶性を示し、さらに、そのような組合せによって配合
した混合物が、エアーコンデッショナーや冷蔵庫などの
環境温度調節用の機器の冷却系の長期間の連続運転に使
用しても、そのような混合系に起因すると考えられるト
ラブルの発生がないことを見出した。
【0013】従って、本発明は、高圧下にて液状とされ
た冷媒と潤滑油との混合物を内部が低圧雰囲気とされた
エバポレータ内に噴射することによって霧化冷却し、こ
の冷却された霧化混合物を内部に収容する該エバポレー
タの外側表面を、その周囲を流通する流体と接触させる
ことにより熱交換を介して該流体を冷却する工程、該冷
却工程での熱交換により相対的に高温となった上記霧化
混合物をラインを介してコンプレッサに供給する工程、
コンプレッサ内部にて、供給された該霧化混合物を加圧
圧縮して高温高圧の霧化混合物を生成させる工程、高温
高圧とされた霧化混合物をコンデンサに供給する工程、
コンデンサ内に供給された高温高圧の霧化混合物を、該
コンデンサを、その外側を流通する流体と接触させるこ
とにより、熱交換を介して冷却して、液状とし、一方、
該流体の温度を高める工程、そして該液状混合物をライ
ンを介してエバポレータに供給する工程を、この順に繰
り返し連続的に実施することにより環境温度を調節する
方法において、該冷媒としてハイドロフルオロカーボン
に少量の低級アルコール及び少量の炭素原子数が4以下
の低級炭化水素が混合されてなる組成物を用い、該潤滑
油として液状炭化水素を用いることを特徴とする方法に
ある。
た冷媒と潤滑油との混合物を内部が低圧雰囲気とされた
エバポレータ内に噴射することによって霧化冷却し、こ
の冷却された霧化混合物を内部に収容する該エバポレー
タの外側表面を、その周囲を流通する流体と接触させる
ことにより熱交換を介して該流体を冷却する工程、該冷
却工程での熱交換により相対的に高温となった上記霧化
混合物をラインを介してコンプレッサに供給する工程、
コンプレッサ内部にて、供給された該霧化混合物を加圧
圧縮して高温高圧の霧化混合物を生成させる工程、高温
高圧とされた霧化混合物をコンデンサに供給する工程、
コンデンサ内に供給された高温高圧の霧化混合物を、該
コンデンサを、その外側を流通する流体と接触させるこ
とにより、熱交換を介して冷却して、液状とし、一方、
該流体の温度を高める工程、そして該液状混合物をライ
ンを介してエバポレータに供給する工程を、この順に繰
り返し連続的に実施することにより環境温度を調節する
方法において、該冷媒としてハイドロフルオロカーボン
に少量の低級アルコール及び少量の炭素原子数が4以下
の低級炭化水素が混合されてなる組成物を用い、該潤滑
油として液状炭化水素を用いることを特徴とする方法に
ある。
【0014】本発明はまた、自動車用または室内用のエ
アコンデッショナー、あるいは家庭用冷蔵庫または業務
用低温化機器を利用して実施される上記の環境温度の調
節方法にもある。
アコンデッショナー、あるいは家庭用冷蔵庫または業務
用低温化機器を利用して実施される上記の環境温度の調
節方法にもある。
【0015】本発明はまた、ハイドロフルオロカーボン
に少量の低級アルコール及び少量の炭素原子数が4以下
の低級炭化水素が混合されてなる冷媒組成物と液状炭化
水素からなる潤滑油とが混合されてなる冷媒と潤滑油と
の混合物にもある。
に少量の低級アルコール及び少量の炭素原子数が4以下
の低級炭化水素が混合されてなる冷媒組成物と液状炭化
水素からなる潤滑油とが混合されてなる冷媒と潤滑油と
の混合物にもある。
【0016】本発明はまた、上記の混合物を収容してな
る自動車用または室内用のエアコンデッショナー、ある
いは家庭用冷蔵庫または業務用低温化機器にもある。
る自動車用または室内用のエアコンデッショナー、ある
いは家庭用冷蔵庫または業務用低温化機器にもある。
【0017】本発明は更に、自動車用または室内用のエ
アコンデッショナー、あるいは家庭用冷蔵庫または業務
用低温化機器を運転する際に、その冷媒として、ハイド
ロフルオロカーボンに少量の低級アルコール及び少量の
炭素原子数が4以下の低級炭化水素が混合されてなる冷
媒組成物を用い、潤滑油として液状炭化水素からなる潤
滑油を用いることを特徴とするエアコンデッショナーの
運転方法にもある。
アコンデッショナー、あるいは家庭用冷蔵庫または業務
用低温化機器を運転する際に、その冷媒として、ハイド
ロフルオロカーボンに少量の低級アルコール及び少量の
炭素原子数が4以下の低級炭化水素が混合されてなる冷
媒組成物を用い、潤滑油として液状炭化水素からなる潤
滑油を用いることを特徴とするエアコンデッショナーの
運転方法にもある。
【0018】本発明で用いる冷媒組成物と潤滑油との組
合せからなる混合物の好ましい実施態様は下記の通りで
ある。
合せからなる混合物の好ましい実施態様は下記の通りで
ある。
【0019】(1)ハイドロフルオロカーボンがCH2
FCF3の化学式で表わされる化合物を主成分とし、低
級アルコールがエタノールを主成分とし、かつ低級炭化
水素がプロパンを主成分とする混合物。 (2)低級アルコール及び低級炭化水素が、冷媒組成物
中にそれぞれ0.1〜5重量%の範囲にて存在する混合
物。 (3)低級アルコールおよび低級炭化水素が、冷媒混合
物中にそれぞれ0.2〜3重量%の範囲にて存在する混
合物。
FCF3の化学式で表わされる化合物を主成分とし、低
級アルコールがエタノールを主成分とし、かつ低級炭化
水素がプロパンを主成分とする混合物。 (2)低級アルコール及び低級炭化水素が、冷媒組成物
中にそれぞれ0.1〜5重量%の範囲にて存在する混合
物。 (3)低級アルコールおよび低級炭化水素が、冷媒混合
物中にそれぞれ0.2〜3重量%の範囲にて存在する混
合物。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、自動車や屋内など備え
られるエアーコンデッショナーあるいは各種の冷蔵、冷
凍装置などの環境冷却装置を利用する環境温度の調節方
法において有利に用いることのできる、ハイドロフルオ
ロカーボンに少量の低級アルコール及び少量の炭素原子
数が4以下の低級炭化水素が混合された冷媒組成物と液
状炭化水素からなる潤滑油との組合せを提供するもので
ある。
られるエアーコンデッショナーあるいは各種の冷蔵、冷
凍装置などの環境冷却装置を利用する環境温度の調節方
法において有利に用いることのできる、ハイドロフルオ
ロカーボンに少量の低級アルコール及び少量の炭素原子
数が4以下の低級炭化水素が混合された冷媒組成物と液
状炭化水素からなる潤滑油との組合せを提供するもので
ある。
【0021】本発明の冷媒組成物で用いるハイドロフル
オロカーボンは、フッソ原子のみで置換されている、通
常HFCと略記される化合物であり、その例としては、
最初にRあるいはHFCを付した23(CHF3)、3
2(CH2F2)、125(CHF2CF3)、134a
(CH2FCF3)、143a(CH3CF3)3、152
(CH3CHF2)と名付けられた化合物を挙げることが
できる。特に好ましいのは、134a(CH2FCF3)
である。
オロカーボンは、フッソ原子のみで置換されている、通
常HFCと略記される化合物であり、その例としては、
最初にRあるいはHFCを付した23(CHF3)、3
2(CH2F2)、125(CHF2CF3)、134a
(CH2FCF3)、143a(CH3CF3)3、152
(CH3CHF2)と名付けられた化合物を挙げることが
できる。特に好ましいのは、134a(CH2FCF3)
である。
【0022】低級アルコールとしては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ルなどを用いることができるが、特に好ましいのはエタ
ノールである。
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ルなどを用いることができるが、特に好ましいのはエタ
ノールである。
【0023】炭素原子数が4以下の低級炭化水素として
は、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン
などを挙げることができるが、特に好ましいのはプロパ
ンである。
は、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン
などを挙げることができるが、特に好ましいのはプロパ
ンである。
【0024】低級アルコール及び低級炭化水素は、冷媒
組成物中にそれぞれ0.1〜5重量%の範囲にて存在す
るように配合することが好ましく、特に、それぞれ0.
2〜3重量%の範囲にて存在するように配合することが
好ましい。
組成物中にそれぞれ0.1〜5重量%の範囲にて存在す
るように配合することが好ましく、特に、それぞれ0.
2〜3重量%の範囲にて存在するように配合することが
好ましい。
【0025】本発明の冷媒組成物は、常温で気体状であ
るため、通常は、ボンベなどの耐圧容器に充填して、保
管と輸送が行なわれる。
るため、通常は、ボンベなどの耐圧容器に充填して、保
管と輸送が行なわれる。
【0026】潤滑油は、パラフィン系あるいはナフテン
系などの合成あるいは石油起源の炭化水素油を用いる。
これらの潤滑油は、従来、特定フロン(塩素原子とフッ
素原子とを含むフルオロカーボン)を冷媒として用いて
いた冷却装置において一般的に用いられてきたものであ
る。また、その潤滑油としての使用方法、冷却装置への
充填方法などについても、従来一般的に利用されてきた
方法を利用することができる。
系などの合成あるいは石油起源の炭化水素油を用いる。
これらの潤滑油は、従来、特定フロン(塩素原子とフッ
素原子とを含むフルオロカーボン)を冷媒として用いて
いた冷却装置において一般的に用いられてきたものであ
る。また、その潤滑油としての使用方法、冷却装置への
充填方法などについても、従来一般的に利用されてきた
方法を利用することができる。
【0027】本発明の環境温度の調節方法は、通常の家
庭用あるいは自動車用のエアーコンデッショナー装置を
利用して実施することができる。あるいは、家庭用ある
いは業務用の冷蔵庫もしくは冷凍庫を利用して実施する
ことができる。また、その他にも、各種の業務用冷却装
置を利用して実施することができる。そして、それらの
各装置を利用して、当該装置にて一般的とされる運転条
件にて目的の温度調節の実現が可能となる。
庭用あるいは自動車用のエアーコンデッショナー装置を
利用して実施することができる。あるいは、家庭用ある
いは業務用の冷蔵庫もしくは冷凍庫を利用して実施する
ことができる。また、その他にも、各種の業務用冷却装
置を利用して実施することができる。そして、それらの
各装置を利用して、当該装置にて一般的とされる運転条
件にて目的の温度調節の実現が可能となる。
【0028】
【実施例】[実施例1]−相溶性の試験
自動車用エアーコンデッショナー(カーエアコン)で従
来から一般的に用いられてきたナフテン系潤滑油と、本
発明に従う冷媒組成物[R−134a(CH2FCF3)
/エタノール/プロパン=98.8質量%/0.6質量
%/0.6質量%]との相溶性を、混合比を、冷媒組成
物/潤滑油=20/100〜80/100(質量比)の
範囲とし、−40℃〜90℃の温度範囲にて相溶性を試
験したところ、この温度範囲では、いずれの混合比で
も、実用レベルでは相溶性が充分であることが確認され
た。
来から一般的に用いられてきたナフテン系潤滑油と、本
発明に従う冷媒組成物[R−134a(CH2FCF3)
/エタノール/プロパン=98.8質量%/0.6質量
%/0.6質量%]との相溶性を、混合比を、冷媒組成
物/潤滑油=20/100〜80/100(質量比)の
範囲とし、−40℃〜90℃の温度範囲にて相溶性を試
験したところ、この温度範囲では、いずれの混合比で
も、実用レベルでは相溶性が充分であることが確認され
た。
【0029】[実施例]−実用試験
市販の乗用車(車種:カリーナ、トヨタ自動車(株)
製)に搭載されているカーエアコン(機種:14720
0−5750型、(株)デンソー製)に、潤滑油として
ナフテン系潤滑油を充填し、実施例1において試験した
冷媒組成物[R−134a(CH2FCF3)/エタノー
ル/プロパン=98.8質量%/0.6質量%/0.6
質量%]と同一の冷媒組成物を、規定された量にて充填
し、この冷却装置系を、外気の環境温度にて24ヶ月間
連続運転した。その運転期間中、冷却能力の変化を定期
的に確認したが、連続運転をしている間、冷却能力の低
下は見られず、またエアコン運転のトラブルは発生しな
かった。
製)に搭載されているカーエアコン(機種:14720
0−5750型、(株)デンソー製)に、潤滑油として
ナフテン系潤滑油を充填し、実施例1において試験した
冷媒組成物[R−134a(CH2FCF3)/エタノー
ル/プロパン=98.8質量%/0.6質量%/0.6
質量%]と同一の冷媒組成物を、規定された量にて充填
し、この冷却装置系を、外気の環境温度にて24ヶ月間
連続運転した。その運転期間中、冷却能力の変化を定期
的に確認したが、連続運転をしている間、冷却能力の低
下は見られず、またエアコン運転のトラブルは発生しな
かった。
【0030】
【発明の効果】本発明が提供する冷媒と潤滑油との混合
物は、相溶性が高く、かつ自動車や屋内に備えられるエ
アーコンデッショナーあるいは各種の冷蔵、冷凍装置な
どの環境冷却装置を利用する環境温度の調節方法の長期
間の連続運転においても、高い冷却能力が維持でき、か
つ実用レベルの運転においてトラブルが発生しない。
物は、相溶性が高く、かつ自動車や屋内に備えられるエ
アーコンデッショナーあるいは各種の冷蔵、冷凍装置な
どの環境冷却装置を利用する環境温度の調節方法の長期
間の連続運転においても、高い冷却能力が維持でき、か
つ実用レベルの運転においてトラブルが発生しない。
Claims (20)
- 【請求項1】 高圧下にて液状とされた冷媒と潤滑油と
の混合物を内部が低圧雰囲気とされたエバポレータ内に
噴射することによって霧化冷却し、この冷却された霧化
混合物を内部に収容する該エバポレータの外側表面を、
その周囲を流通する流体と接触させることにより熱交換
を介して該流体を冷却する工程、該冷却工程での熱交換
により相対的に高温となった上記霧化混合物をラインを
介してコンプレッサに供給する工程、コンプレッサ内部
にて、供給された該霧化混合物を加圧圧縮して高温高圧
の霧化混合物を生成させる工程、高温高圧とされた霧化
混合物をコンデンサに供給する工程、コンデンサ内に供
給された高温高圧の霧化混合物を、該コンデンサを、そ
の外側を流通する流体と接触させることにより、熱交換
を介して冷却して、液状とし、一方、該流体の温度を高
める工程、そして該液状混合物をラインを介してエバポ
レータに供給する工程を、この順に繰り返し連続的に実
施することにより環境温度を調節する方法において、該
冷媒としてハイドロフルオロカーボンに少量の低級アル
コール及び少量の炭素原子数が4以下の低級炭化水素が
混合されてなる組成物を用い、該潤滑油として液状炭化
水素を用いることを特徴とする方法。 - 【請求項2】 ハイドロフルオロカーボンがCH2FC
F3の化学式で表わされる化合物を主成分とし、低級ア
ルコールがエタノールを主成分とし、かつ低級炭化水素
がプロパンを主成分とする請求項1に記載の環境温度の
調節方法。 - 【請求項3】 低級アルコールおよび低級炭化水素が、
冷媒組成物中に、それぞれ0.1〜5重量%の範囲にて
存在する請求項1もしくは2に記載の環境温度の調節方
法。 - 【請求項4】 低級アルコールおよび該低級炭化水素
が、冷媒組成物中に、それぞれ0.2〜3重量%の範囲
にて存在する請求項3に記載の環境温度の調節方法。 - 【請求項5】 自動車用または室内用のエアコンデッシ
ョナーを利用して実施される請求項1乃至4のうちのい
ずれかの項に記載の環境温度の調節方法。 - 【請求項6】 家庭用冷蔵庫または業務用低温化機器を
利用して実施される請求項1乃至4のうちのいずれかの
項に記載の環境温度の調節方法。 - 【請求項7】 ハイドロフルオロカーボンに少量の低級
アルコール及び少量の炭素原子数が4以下の低級炭化水
素が混合されてなる冷媒組成物と液状炭化水素からなる
潤滑油とが混合されてなる冷媒と潤滑油との混合物。 - 【請求項8】 ハイドロフルオロカーボンがCH2FC
F3の化学式で表わされる化合物を主成分とし、低級ア
ルコールがエタノールを主成分とし、かつ低級炭化水素
がプロパンを主成分とする請求項7に記載の混合物。 - 【請求項9】 低級アルコール及び低級炭化水素が、冷
媒組成物中にそれぞれ0.1〜5重量%の範囲にて存在
する請求項7もしくは8に記載の混合物。 - 【請求項10】 低級アルコールおよび低級炭化水素
が、冷媒混合物中にそれぞれ0.2〜3重量%の範囲に
て存在する請求項9に記載の混合物。 - 【請求項11】 請求項7乃至10のうちのいずれかの
項に記載の混合物を収容してなる自動車用または室内用
のエアコンデッショナー。 - 【請求項12】 請求項7乃至10のうちのいずれかの
項に記載の混合物を収容してなる家庭用冷蔵庫または業
務用低温化機器。 - 【請求項13】 自動車用または室内用のエアコンデッ
ショナーを運転する際に、その冷媒として、ハイドロフ
ルオロカーボンに少量の低級アルコール及び少量の炭素
原子数が4以下の低級炭化水素が混合されてなる冷媒組
成物を用い、潤滑油として液状炭化水素からなる潤滑油
を用いることを特徴とするエアコンデッショナーの運転
方法。 - 【請求項14】 ハイドロフルオロカーボンがCH2F
CF3の化学式で表わされる化合物を主成分とし、低級
アルコールがエタノールを主成分とし、かつ低級炭化水
素がプロパンを主成分とする請求項13に記載のエアコ
ンデッショナーの運転方法。 - 【請求項15】 低級アルコールおよび低級炭化水素
が、冷媒組成物中に、それぞれ0.1〜5重量%の範囲
にて存在する請求項13もしくは14に記載のエアコン
デッショナーの運転方法。 - 【請求項16】 低級アルコールおよび低級炭化水素
が、冷媒組成物中に、それぞれ0.2〜3重量%の範囲
にて存在する請求項15に記載のエアコンデッショナー
の運転方法。 - 【請求項17】 家庭用冷蔵庫または業務用低温化機器
を運転する際に、その冷媒として、ハイドロフルオロカ
ーボンに少量の低級アルコール及び少量の炭素原子数が
4以下の低級炭化水素が混合されてなる冷媒組成物を用
い、潤滑油として液状炭化水素からなる潤滑油を用いる
ことを特徴とする運転方法。 - 【請求項18】 ハイドロフルオロカーボンがCH2F
CF3の化学式で表わされる化合物を主成分とし、低級
アルコールがエタノールを主成分とし、かつ該低級炭化
水素がプロパンである請求項17に記載の運転方法。 - 【請求項19】 低級アルコールおよび低級炭化水素
が、冷媒組成物中に、それぞれ0.1〜5重量%の範囲
にて存在する請求項17もしくは18に記載の運転方
法。 - 【請求項20】 低級アルコールおよび低級炭化水素
が、冷媒組成物中に、それぞれ0.2〜3重量%の範囲
にて存在する請求項19に記載の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001344115A JP2003148818A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | 環境温度の調節方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001344115A JP2003148818A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | 環境温度の調節方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003148818A true JP2003148818A (ja) | 2003-05-21 |
Family
ID=19157684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001344115A Pending JP2003148818A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | 環境温度の調節方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003148818A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015063699A (ja) * | 2004-04-29 | 2015-04-09 | ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド | フッ素置換オレフィンを含有する組成物 |
-
2001
- 2001-11-09 JP JP2001344115A patent/JP2003148818A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015063699A (ja) * | 2004-04-29 | 2015-04-09 | ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド | フッ素置換オレフィンを含有する組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Yu et al. | Evaluation of low-GWP and mildly flammable mixtures as new alternatives for R410A in air-conditioning and heat pump system | |
US9994749B2 (en) | Compositions and methods for refrigeration | |
US11345840B2 (en) | Refrigerant with lubricating oil for replacement of R22 refrigerant | |
KR101256486B1 (ko) | 냉매 조성물 | |
JP2018044169A (ja) | ヒドロフルオロカーボン/トリフルオロヨードメタン/炭化水素の冷媒組成物 | |
JP7060017B2 (ja) | 熱サイクル用作動媒体、熱サイクルシステム用組成物および熱サイクルシステム | |
CN107044739B (zh) | 冷冻机、冷冻机的制造方法及提高cop的方法 | |
KR20150132168A (ko) | 낮은 기후 변화의 영향을 갖는 효율적인 가열 및/또는 냉각을 위한 시스템 | |
JPH08218062A (ja) | 冷媒組成物とその製造方法 | |
KR20090101358A (ko) | 펜타플루오로에탄, 테트라플루오로에탄 및 탄화수소 조성물 | |
JP2022519506A (ja) | フルオロオレフィンとフルオロアルカンの組成物 | |
JP2003148818A (ja) | 環境温度の調節方法 | |
MX2015002083A (es) | Composiciones de transferencia de calor con bajo potencial de calentamiento global. | |
CN113637458A (zh) | 制冷工质、制冷装置及应用 | |
WO2024009684A1 (ja) | 冷凍機油及び作動流体組成物 | |
KR0154109B1 (ko) | 압축식 냉동 사이클의 윤활방법 | |
CA3206189A1 (en) | Heat transfer compositions, methods, and systems | |
KR20220137896A (ko) | 조성물 | |
CN115038771A (zh) | 组合物 | |
CN102803427B (zh) | 换热组合物和方法 | |
Singh et al. | Review on Analysis of Vapour Compression Refrigeration System Charge with Varied Concentration of SiO2 Nano Lubricant in Domestic Refrigerator with Varied Length of Capillary Tube |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041025 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070517 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070522 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070928 |