JP2003143986A - 植物育成用容器及び植物育成方法 - Google Patents

植物育成用容器及び植物育成方法

Info

Publication number
JP2003143986A
JP2003143986A JP2001352130A JP2001352130A JP2003143986A JP 2003143986 A JP2003143986 A JP 2003143986A JP 2001352130 A JP2001352130 A JP 2001352130A JP 2001352130 A JP2001352130 A JP 2001352130A JP 2003143986 A JP2003143986 A JP 2003143986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
container
growing
container body
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001352130A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Obonai
康弘 小保内
Susumu Furuya
進 古屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MUKOYAMA ORCHIDS CO Ltd
Original Assignee
MUKOYAMA ORCHIDS CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MUKOYAMA ORCHIDS CO Ltd filed Critical MUKOYAMA ORCHIDS CO Ltd
Priority to JP2001352130A priority Critical patent/JP2003143986A/ja
Publication of JP2003143986A publication Critical patent/JP2003143986A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 培養施設の体積効率を上げるべく複数の植物
培養容器を積み重ねて培養に供することが可能であり、
且つ、植物苗の植え付けや生長した植物苗の取り出しに
際して、苗を傷めることなく操作可能な植物育成用容器
を提供すること。 【解決手段】 植物培養用培地を収容可能な上部開口部
を有する筒状の容器本体と、該容器本体の上部開口部を
閉じる蓋体からなる植物育成用容器であって、該容器本
体に所望量の最大量の植物培養用培地を収容した場合
に、該植物培養用培地の上面部よりも上側の容器本体部
分又は蓋体の側面に通気フィルターが配設されているこ
とを特徴とする植物育成用容器及び当該容器を用いた植
物育成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組織培養や圃場栽
培に用いる植物育成用容器及び当該植物育成用容器を用
いた植物育成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、組織培養技術を応用した植物苗の
生産が急速に拡大・普及している。組織培養技術による
植物の繁殖法は、遺伝的に均一なクローンを季節や環境
条件に関係なく、短期間に大量繁殖させることが出来る
点で従来の繁殖法より優れているため、多くの栽培植物
において種子繁殖と栄養繁殖に代わって行われるように
なった。組織培養は無菌培養であるため、培養に供する
植物苗は細菌や糸状菌に感染しておらず、茎頂分裂組織
を含む茎頂部分を切除して培養するとウイルスフリーあ
るいはウイルスの密度が著しく低い種苗を生産すること
ができ、収量や品質が高まるという効果がある。
【0003】このように、植物苗又は植物組織の培養を
行うには培養容器内を無菌状態に保つ必要があるため、
従来は、開口部が狭く、培養容器内に雑菌等が侵入しに
くいフラスコ状の容器を用いて培養を行うことが多かっ
た。また、操作の容易さからフラスコ状の培養容器より
口径の広い筒状の培養容器が用いられる場合もあった。
例えば、特開平6−125764号公報には、口径の広
い筒状の培養容器が記載されている。このような培養容
器を用いて植物苗の生産を行うには、当該培養容器に通
気フィルターを設ける必要があり、例えば、特開平6−
125764号公報に記載の培養容器では、蓋体の上面
に通気フィルターが設けられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
培養容器のように、蓋体の上面に通気フィルターが設け
られている場合、培養容器を縦に重ねて置くと通気効率
が著しく低下するため、実際上は培養容器を重ねずに平
面的に置く必要があった。従って、培養施設の体積効率
が著しく低下するという問題があった。また、このよう
な培養容器は容器本体の底が深く、フラスコ状の培養容
器と同様、植物苗の取扱いが困難であるという問題があ
り、例えばランのように植物の外観で商品価値が決まる
花卉の分野においては、培養容器として必ずしも十分な
ものではなかった。
【0005】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、培養施設の体積効率を上げる
べく複数の植物培養容器を積み重ねて培養に供すること
が可能であり、且つ、植物苗の植え付けや生長した植物
苗の取り出しに際して、苗を傷めることなく操作可能な
植物育成用容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、容器本体と蓋体とからな
る筒状の植物育成用容器において、通気フィルターを当
該容器の側面に配設することにより容器内の通気状況が
良好となるとともに、当該容器を縦に積み重ねて培養を
行うことが可能であることを見出すとともに、当該容器
において、必要に応じて容器本体の上端と蓋体の上底部
との間に所定の間隙を設け、その間隙と容器本体の上端
から下底部の高さとを所定の比に設定することにより、
生長した植物苗の取り出し等が容易になることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の植物育成用容器は、植
物培養用培地を収容可能な上部開口部を有する筒状の容
器本体と、該容器本体の上部開口部を閉じる蓋体からな
る植物育成用容器であって、該容器本体に所望量の最大
量の植物培養用培地を収容した場合に、該植物培養用培
地の上面部よりも上側の容器本体部分又は蓋体の側面に
通気フィルターが配設されていることを特徴とする。こ
のような構造を有することにより、容器内の通気状況が
良好となるとともに、当該容器を縦に積み重ねて培養を
行うことが可能となる。
【0008】また、本発明の章句物育成用容器は、前記
蓋体を前記容器本体に取り付けた状態で、前記容器本体
の上端と前記蓋体の上底部との間に所定の間隙が形成さ
れ、且つ、前記間隙の上下方向長さ(X)と前記容器本
体の上端から下底部までの上下方向長さ(Y)とが下記
式(1) X/Y≧0.2 …(1) の関係を満たすことが好ましい。このような特徴を有す
る植物育成用容器を用いて植物苗又は植物組織の培養を
行うことにより、植物苗又は植物組織の植え付け時の操
作が容易になる。また、当該容器を用いて植物苗又は植
物組織を育成することにより、生長した植物の頂部が容
器本体の上端から突出するか又は上端に近い位置まで生
長することになるため、育成した植物を当該容器から取
り出したり、別容器に移植する際に植物を傷めることな
く操作が可能となる。
【0009】また、本発明の植物育成用容器は、前記間
隙の上下方向長さ(X)と前記容器本体の上端から下底
部までの上下方向長さ(Y)と前記植物培養用培地の厚
さ(Z)とが下記式(2) X/(X+Y−Z)≧0.2 …(2) の関係を満たすことが好ましい。このような特徴を有す
る植物育成用容器を用いて植物苗又は植物組織の培養を
行うことにより、植物苗の植え付け時、取り出し時又は
移植時の操作がより容易になる傾向にある。
【0010】さらに、本発明の植物育成用容器は、前記
容器本体において、底面部から開口部に向かって次第に
断面積が増加する形状であることが好ましい。このよう
な形状を有することにより、複数の容器本体を積み重ね
て保管することが可能となり、植物苗や植物組織の育成
や培養に使用しない際の体積効率の向上にも寄与するこ
とが可能となる。
【0011】さらに、本発明の植物育成用容器には、前
記容器本体の外壁面に雄ねじ部を設けるとともに、前記
蓋体の内壁部に雌ねじ部を設けて、前記雌ねじ部が前記
雄ねじ部に螺合可能となっていることが好ましい。ま
た、前記容器本体と前記蓋体との間に前記植物育成容器
を密閉可能とするパッキンが装着されていることが好ま
しい。このような構造を有することにより、植物育成用
容器の密閉性が向上する傾向にある。
【0012】さらに、本発明の植物育成用容器は、前記
の植物育成用容器と、当該植物育成用容器の上に同形の
植物育成用容器を載置した場合に、下側の植物育成用容
器の蓋体の上面と上側の植物育成用容器の容器本体の下
面とが互いに連結可能となる形状をなしていることが好
ましい。すなわち、通気フィルター等のような、載置に
障害となる突起物が蓋体の上面及び容器本体の下面に配
設されておらず、同形の植物育成用容器を安定して載置
可能である形状をなしていることが好ましい。このよう
な形状を有することにより、数段に載置した状態で植物
苗又は植物組織の培養を行うことが可能となり、培養施
設の体積効率の向上に寄与することができる。
【0013】また、本発明の植物育成方法は、上記の植
物育成用容器に収容されている植物培養用培地に植物苗
又は植物組織を植え付けて密閉した後、前記植物育成用
容器を載置して前記植物苗又は植物組織の培養を行うこ
とを特徴とする。当該植物育成用容器を載置して培養を
行うことにより、培養施設の体積効率の向上を図ること
ができるのみならず、当該容器に光を均一に照射するこ
とが可能となるため、高い効率で均質な植物の育成が可
能となる。ここで、本発明の植物育成方法においては、
前記載置された植物育成用容器の側面から光を照射する
ことが好ましい。本発明の植物育成用容器は、上述した
ように、複数の容器を載置して使用することができるた
め、載置した状態でそれらの側面から光を照射すること
により、全ての容器に満遍なく光を入射させることが可
能となり、培養施設の体積効率をより向上させることが
可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、場合により図面を参照しつ
つ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】先ず、本発明の植物育成用容器につい説明
する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態による植物育
成用容器を示す概略正面図及び断面図であり、植物培養
用培地及び当該培地に植え付けられた植物苗とを収容可
能な上部開口部11を有する筒状の容器本体1と、容器
本体1の上部開口部を閉じる蓋体2とから構成される。
【0017】容器本体1は、筒状の周壁14の上端15
側に雄ねじ部12を設けたものである。容器本体1の素
材は、形状を維持でき且つ育成に必要な光を透過可能な
ものであれば特に制限されないが、具体的には、例え
ば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、TPXである
ことが好ましい。ここで、前記容器本体1には収容され
る植物苗又は植物組織の育成に必要な光が入射すればよ
いので、当該容器本体1の少なくとも一部が前述のよう
な光を透過可能な素材であればよい。また、容器本体1
の形状は、底面部から開口部に向かって次第に断面積が
増加する形状であることが好ましく、具体的には、例え
ば、底面部から開口部に向かって次第に拡径するテーパ
ーが付された形状であることがより好ましい。当該容器
本体1は、上部開口を有する筒状のものであればその横
断面の形状は特に制限されず、具体的には、例えば、円
形、角形、略角形、上部開口部が円形且つ下部が略角形
のものが挙げられる。
【0018】また、蓋体2は、内壁部に雌ねじ部23を
設けて、雌ねじ部23を雄ねじ部12に外嵌して螺合可
能となっている。蓋体2の下部開口部の下端25は、雌
ねじ部23と雄ねじ部12とを螺合させた状態で容器本
体1の鍔13に密接自在に形成されているとともに、容
器本体1と蓋体2とが螺合により密接した状態で、蓋体
2において容器本体1の上端15が接する箇所にパッキ
ン21が設けられている。つまり、蓋体2を容器本体1
に螺合させれば、蓋体2の開口側の下端25は次第に容
器本体1の鍔13に圧接され、容器全体が密閉状態を保
つことが可能となる。このように、容器全体が密閉状態
を保つことにより、植物育成用容器内への雑菌の侵入を
防止し、培養中の植物苗を種々の感染症から保護するこ
とが可能となる。ここで、前記パッキン21の素材はオ
ートクレーブ滅菌や長期の使用に耐え得る素材であれば
特に制限はないが、例えば、天然ゴム、合成ゴム、シリ
コンが挙げられる。
【0019】さらに、本発明の植物育成用容器には、そ
の側面に通気フィルター24が配設されている。すなわ
ち、本発明の植物育成用容器の側面に通気孔を形成し、
当該通気孔を塞ぐように通気フィルターが設けられてい
ることが好ましい。通気フィルター24が配設される部
分は、容器本体1又は蓋体2の側面で、且つ、容器本体
1に所望量の最大量の植物培養用培地を収容した場合
に、当該植物培養用培地の上面部よりも上側であり、容
器本体1のできるだけ上端15側に配設されることが好
ましく、蓋体2の側面に配設されることがより好まし
い。通気フィルター24を当該容器の側面に配設するこ
とにより、複数の当該容器を載置することが可能とな
る。また、通気フィルター24を当該容器のできるだけ
上部に配設することで、新鮮な空気の取り込みやエチレ
ンガスの排出等の通気効率が上昇し、植物苗又は植物組
織の育成状態がより良好になる傾向にある。ここで、通
気フィルター24の素材は、通気性があり且つ雑菌の進
入を阻止できるものであれば特に制限はなく、例えば、
天然繊維、合成繊維、テフロン(登録商標)、濾紙が挙
げられる。
【0020】図2は、本発明の一実施形態にかかる植物
育成用容器を用いて植物苗を育成した場合の正面図及び
その断面図である。容器本体1に収容されているのは植
物培養用培地3及び植物苗4である。
【0021】図2において、容器本体1と蓋体2との大
きさの関係は、以下のようであることが好ましい。すな
わち、蓋体2を容器本体1に取り付けた状態で、該容器
本体の上端と該蓋体の上底部との間に所定の間隙が形成
され、且つ、当該間隙の上下方向長さ(X)と該容器本
体の上端から下底部の上下方向長さ(Y)とが下記式
(1) X/Y≧0.2 …(1) の関係を満たしていることが好ましい。
【0022】さらに、前記間隙の上下方向長さ(X)と
前記容器本体の上端から下底部の上下方向長さ(Y)と
が前記式(1)の関係を満たしつつ、これらと前記植物
培養用培地の厚さ(容器本体1の下底部16から当該培
地上面17までの上下方向長さ)(Z)とが下記式
(2) X/(X+Y−Z)≧0.2 …(2) の関係を満たすことが好ましく、X/(X+Y−Z)≧
0.3の関係を満たすことがより好ましい。ここで、本
発明の植物育成用容器は前記の式(1)又は(2)を満
たす限りはその具体的な寸法に特に制限はないが、例え
ば、ランの組織培養に用いる場合は、容器本体1の高さ
が5〜15cmであることが好ましく、蓋体2の高さが
3〜10cmであることが好ましく、容器本体1に収容
する植物培養用培地の高さが2〜6cmであることが好
ましい。このような条件を満たす植物育成用容器を用い
て植物苗又は植物組織の培養を行うことにより、生長し
た植物苗はその丈が容器本体1の上端15より高くな
る、すなわち、容器本体1の上端15より植物苗の頂部
が突出する傾向にあり、植物苗の容器本体1からの取り
出しが容易となる。従って、生長した植物苗を傷付ける
ことなく取り出すことが可能となる。なお、本明細書に
おいて「上下方向」とは、使用状態、すなわち図2に示
された状態における上下方向を意味する。
【0023】本発明の植物育成用容器を用いて組織培養
を行う対象となる植物としては特に制限はないが、例え
ば、シンビジューム、ファレノプシス、カトレア類、オ
ドントグロッサム類、パフィペディラム、ミルトニヤ、
デンドロビューム、エピデンドラム、ジゴペタラム、オ
ンシジューム等のラン科植物;ガーベラ、宿根かすみ
草、ユリ等の花卉;シンゴニウム、フィッカス、シダ類
等の観葉植物;ジャガイモ、アスパラガス、アブラナ科
類等の野菜;サツマイモ、ナガイモ、ニンジン等等の根
菜類;エンドウ、インゲンマメ等の豆類;イネ、ムギ等
の穀類;イチゴ、ラズベリー等の果樹;ナツメヤシ、バ
ナナ、パパイヤ等のプランテーション作物、ユーカリ、
カエデ、カバ、ハイネズ、ハイビャクシン等の森林樹木
が挙げられ、シンビジューム、ファレノプシス、カトレ
ア類、オドントグロッサム類、パフィペディラム、ミル
トニヤ、デンドロビューム、エピデンドラム、ジゴペタ
ラム、オンシジューム等のラン科植物;ガーベラ、宿根
かすみ草、ユリ等の花卉であることが好ましく、シンビ
ジューム、ファレノプシス、カトレア類、オドントグロ
ッサム類、パフィペディラム、ミルトニヤ、デンドロビ
ューム、エピデンドラム、ジゴペタラム、オンシジュー
ム等のラン科植物であることがより好ましい。
【0024】以上、本発明の植物育成用容器の好適な一
実施形態について説明したが、本発明の容器は上記実施
形態に限定されるものではない。例えば、容器本体1の
上部開口部の周壁の外壁部及び蓋体2の開口部の周壁の
内壁部にねじ部を設けず、蓋体2が容器本体1に面接触
状態で嵌合するような成形加工がなされていてもよい。
このように蓋体2と容器本体1とが面接触状態で嵌合す
るように成形されていることにより、植物育成用容器全
体の機密性を高く保つことが可能となり、雑菌による汚
染をより高度に防止することが可能となる。
【0025】また、図1に記載の植物培養用容器の容器
本体1には鍔13が設けられているが、他の実施形態に
おいては、鍔13が設けられていないものであってもよ
い。すなわち、容器本体1と蓋体2とがそれらの間のパ
ッキン等により密閉可能であれば鍔13は必ずしも必須
ではない。
【0026】次に、本発明の植物育成用容器を用いた植
物育成方法について説明する。
【0027】本発明の植物育成用容器を用いて植物組織
又は苗を培養する方法としては、公知の容器を用いた場
合と同様に行うことができるが、上述したように、本発
明の植物育成用容器は、必要に応じて、当該容器の側面
に通気フィルターが配設されているため、複数の容器を
縦に重ねて静置しても通気可能な状態が維持される。例
えば、前記容器を縦に2〜5段程度重ね、且つこれを横
一列に2〜50個程度並べた場合でも、当該容器内外の
通気は妨げられることはなく、また、当該容器の列に平
行に蛍光灯等の光源を設置し、側面から光を照射させる
ことで、すべての容器にまんべんなく光を照射すること
が可能となる。すなわち、従来の培養容器を用いた場合
と比較して、単位面積あたりの培養容器の設置数が多く
なり、植物育成施設の体積効率の上昇に大いに寄与する
ことができる。
【0028】
【実施例】実施例1 容器本体及び蓋体がポリカーボネート製で、下記式
(3)〜(5) 容器本体上端と蓋体の上底部(X)/容器本体上端から下底部(Y)=0.3 …(3)。 蓋体の高さ/容器本体の高さ=0.46 …(4) 容器本体上端の内径/容器本体の下底部内径=1.07 …(5) を満たし、且つ、容器本体と蓋体の間にゴムパッキンが
装着されている植物育成用容器を作製した(図1)。さ
らに、この植物育成用容器の蓋体の側面に直径15mm
の通気フィルター(渡辺泰(株)製)を装着した。
【0029】作製した植物培養用容器の密閉性を確認す
るため、植物育成用容器の容器本体に水を1リットル加
え、蓋体をしっかりと装着して当該容器を逆さまにし
た。その結果、容器本体と蓋体の咬合部から全く水は漏
れなかった。
【0030】次に、当該植物育成用容器へ培養液を27
0ml加えてオートクレーブ滅菌した後、培養液にコチ
ョーラン白大輪系品種のPhal. My Joseph 'Obje'のクロ
ーン苗を25本移植した。移植されたクローン苗は25
℃、2500Lux、16時間日長の培養室で4ヶ月間培
養した。その結果、クローン苗は順調に生育し、容器か
らの取り出しも容易に行うことができた。なお、この場
合の培地の高さ(Z)は3.5cmであり、容器本体上
端と蓋体の上底部(X)及び容器本体上端から下底部
(Y)との関係は、 X/(X+Y−Z)=0.4 …(6) であった。
【0031】次に、上記のようにコチョーランのクロー
ン苗を移植した植物育成用容器を40本準備し、5個の
当該容器を1列に並べ、さらにこれらを4段重ねにした
ものを20cmの列間を置いて2列に並べた。この列間
の中央に40Wの蛍光灯を37cm間隔で縦に2本つる
し、さらに当該蛍光灯から2列の容器列を挟んだ外側に
容器列から10cmの距離を置いてそれぞれ同じ蛍光灯
を縦に2本づつつるした。この状態でクローン苗を25
℃、16時間日長の培養室で4ヶ月間培養した。その結
果、クローン苗は順調に生育し、容器からの取り出しも
容易に行うことができた。また、生育したクローン苗
は、実施例2で生育させたクローン苗よりも茎が太く丈
夫であった。
【0032】比較例2 植物育成用容器として通常使用されているマヨネーズ瓶
(容量950ml、山村硝子(株)製)の容器本体の上
端内径/容器本体の下底部内径を測定したところ0.7
8であった。また、蓋体の役割を果たすキャップ(直径
75mm、発売元:鍋林フジサイエンス)の高さ/前記
容器本体の高さを測定したところ0.12であり、蓋体
と容器本体の間にはゴムパッキンが装着されていなかっ
た。さらに、前記マヨネーズ瓶の上端と前記キャップの
上底部との間には間隙は設けられていなかった。この場
合、培地の高さ(Z)、容器本体上端と蓋体の上底部
(X)及び容器本体上端から下底部(Y)との関係は、 X/(X+Y−Z)=0 …(7) となった。
【0033】なお、当該容器の容器本体と蓋体の側面に
は通気フィルターを装着することが出来なかったため、
蓋体の上面に直径15mmの通気フィルター(渡辺泰
(株)製)を装着した。
【0034】この植物育成用容器の密閉性を確認するた
め、容器本体に水を0.5リットル加え、キャップをし
っかりと装着して当該容器を逆さまにした。その結果、
容器本体と蓋体の咬合部から水が漏れてきた。従って、
当該植物育成用容器は密閉性が保たれていないことが確
認された。
【0035】また、この植物育成用容器へ培養液を27
0ml加えてオートクレーブ滅菌した後、培養液にコチ
ョーラン白大輪系品種のPhal. My Joseph 'Obje'のクロ
ーン苗を25本移植した。移植されたクローン苗は25
℃、2500Lux、16時間日長の培養室で4ヶ月間培
養した。その結果、苗は葉と葉が重なり合ったり折れ曲
がっているものがあった。容器からの取り出しも容易で
はなく、取り出し時に葉や根を傷めてしまった。
【0036】上記のようにコチョーランのクローン苗を
移植した植物育成用容器を準備し、実施例1で示したよ
うに積み重ねてクローン苗を培養を行おうとしたが、当
該容器は安定性が悪く、しかも上部に通気フィルターが
装着されているため、重ね置きは不可能であった。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の植物育成
用容器によれば、植物苗の植え付けや生長した植物苗の
取り出しに際して、植物苗を傷つけることなく操作で
き、且つ、培養施設の体積効率を上げるべく積み重ねて
培養に供することが可能な植物育成用容器を提供するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による植物育成用容器を示
す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態による植物育成用容器を用
いて植物苗の培養を行った状態を示す概略正面図であ
る。
【符号の説明】
1…容器本体、2…蓋体、3…植物培養用培地、4…植
物苗、11…上部開口部、12…雄ねじ部、13…鍔、
14…周壁、15…上端、16…下底部、植物培養用培
地上面、21…パッキン、22…上底部、23…雌ねじ
部、24…通気フィルター、25…開口部下端

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物培養用培地を収容可能な上部開口部
    を有する筒状の容器本体と、該容器本体の上部開口部を
    閉じる蓋体からなる植物育成用容器であって、 該容器本体に所望量の最大量の植物培養用培地を収容し
    た場合に、該植物培養用培地の上面部よりも上側の容器
    本体部分又は蓋体の側面に通気フィルターが配設されて
    いることを特徴とする植物育成用容器。
  2. 【請求項2】 前記蓋体を前記容器本体に取り付けた状
    態で、該容器本体の上端と該蓋体の上底部との間に所定
    の間隙が形成され、且つ、該間隙の上下方向長さ(X)
    と該容器本体の上端から下底部までの上下方向長さ
    (Y)とが下記式(1) X/Y≧0.2 …(1) の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の植物
    育成用容器。
  3. 【請求項3】 前記間隙の上下方向長さ(X)と前記容
    器本体の上端から下底部までの上下方向長さ(Y)と前
    記植物培養用培地の厚さ(Z)とが下記式(2) X/(X+Y−Z)≧0.2 …(2) の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載
    の植物育成用容器。
  4. 【請求項4】 前記容器本体において、底面部から開口
    部に向かって次第に断面積が増加する形状であることを
    特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の
    植物育成用容器。
  5. 【請求項5】 前記容器本体の外壁面に雄ねじ部を設け
    るとともに、前記蓋体の内壁部に雌ねじ部を設けて、該
    雌ねじ部が該雄ねじ部に螺合可能となっていることを特
    徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の植
    物育成用容器。
  6. 【請求項6】 前記容器本体と前記蓋体との間に前記植
    物育成容器を密閉可能とするパッキンが装着されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に
    記載の植物育成用容器。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちのいずれか一項に記
    載の植物育成用容器と、当該植物育成用容器の上に同形
    の植物育成用容器を載置した場合に、下側の植物育成用
    容器の蓋体の上面と上側の植物育成用容器の容器本体の
    下面とが互いに連結可能となる形状をなしていることを
    特徴とする植物育成用容器。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちのいずれか一項に記
    載の植物育成用容器に収容されている植物培養用培地に
    植物苗又は植物組織を植え付けて密閉した後、該植物育
    成用容器を載置して該植物苗又は植物組織の培養を行う
    ことを特徴とする植物育成方法。
  9. 【請求項9】 前記載置された植物育成用容器の側面か
    ら光を照射することを特徴とする請求項8に記載の植物
    育成方法。
JP2001352130A 2001-11-16 2001-11-16 植物育成用容器及び植物育成方法 Pending JP2003143986A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001352130A JP2003143986A (ja) 2001-11-16 2001-11-16 植物育成用容器及び植物育成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001352130A JP2003143986A (ja) 2001-11-16 2001-11-16 植物育成用容器及び植物育成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003143986A true JP2003143986A (ja) 2003-05-20

Family

ID=19164349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001352130A Pending JP2003143986A (ja) 2001-11-16 2001-11-16 植物育成用容器及び植物育成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003143986A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2154083A3 (de) * 2008-08-13 2011-03-02 Fritz Hark Orchideen GmbH & Co. KG Behälter sowie Verfahren zur Herstellung einer Verbindung zwischen einem Unterteil und einem Oberteil eines Behälters
CN109601376A (zh) * 2018-10-24 2019-04-12 杭州师范大学 克隆植物功能性状观察装置及操作方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2154083A3 (de) * 2008-08-13 2011-03-02 Fritz Hark Orchideen GmbH & Co. KG Behälter sowie Verfahren zur Herstellung einer Verbindung zwischen einem Unterteil und einem Oberteil eines Behälters
US8356725B2 (en) 2008-08-13 2013-01-22 Fritz Hark Orchideen Gmbh & Co. Kg Container and method for producing a connection between a lower part and an upper part of a container
CN109601376A (zh) * 2018-10-24 2019-04-12 杭州师范大学 克隆植物功能性状观察装置及操作方法
CN109601376B (zh) * 2018-10-24 2023-11-17 杭州师范大学 克隆植物功能性状观察装置及操作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9095099B2 (en) Container for cultivating biological materials
US6451590B1 (en) Apparatus and method for propagating plants
KR101148759B1 (ko) 자실체의 모양을 균일하게 만드는 버섯의 병재배 방법
WO2019093410A1 (ja) 水耕栽培装置、および、水耕栽培方法
CN109952869B (zh) 马铃薯脱毒微型薯繁育工艺
WO1990015526A1 (en) Integument and method for culturing and growing organic material
JP2003143986A (ja) 植物育成用容器及び植物育成方法
KR200393056Y1 (ko) 다용도 용기
JP2006223264A (ja) キノコの栽培方法及びそれに用いるキャップ
JP2003143985A (ja) 植物育成用容器及び植物育成方法
EP0418323A4 (en) Integument and method for culturing and growing organic material
CN212813398U (zh) 一种水培装置
JP2000209944A (ja) エリンギィの人工栽培方法
CN2185502Y (zh) 多用花木、蔬菜无土栽培器
KR200375590Y1 (ko) 육묘용 포트
JP2000300067A (ja) きのこの栽培方法及びこれに用いる栽培瓶
CN107873165B (zh) 用于直接播种试管微块茎的预处理方法
KR200427154Y1 (ko) 재배용기 및 그의 재배용 포트
KR20010036047A (ko) 버섯 재배용 배양병과 이를 이용한 버섯 재배방법
KR101650873B1 (ko) 병뚜껑을 이용한 버섯의 병재배 방법
CN216982752U (zh) 一种高通量可分离式植物育苗装置
JPS6339517A (ja) 植物組織培養方法及び培養容器
EP3888453A1 (en) Reactor system for in vitro culture of plant material, kit for transforming a receptacle into a reactor suitable for the system and method for in vitro culture of plant material using the reactor system
Toler et al. Growth and net photosynthetic rates of Hosta ‘blue vision’during acclimatization in bright, natural light with CO 2 enrichment
JP2022075432A (ja) ジャンボなめこ生育用のキャップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070626