JP2003143420A - 画像出力装置、画像データ変換装置およびその方法、画像データ変換プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像出力装置、画像データ変換装置およびその方法、画像データ変換プログラムを記録した記録媒体

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JP2003143420A
JP2003143420A JP2002215504A JP2002215504A JP2003143420A JP 2003143420 A JP2003143420 A JP 2003143420A JP 2002215504 A JP2002215504 A JP 2002215504A JP 2002215504 A JP2002215504 A JP 2002215504A JP 2003143420 A JP2003143420 A JP 2003143420A
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Makoto Fujino
真 藤野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 専門的知識を有していない者でも、被写体の
色を忠実に印刷媒体上に再現可能なシステムを提供す
る。 【解決手段】 画像データ変換システムMAのプロファ
イル作成モジュールMA1では、wRGB色空間を基準
とするプリンタ40により印刷された複数の色が配置さ
れた基準画像EをYCbCr色空間を基準とするディジ
タルスチルカメラ10で撮影し、YCbCr基準画像デ
ータE5を生成する。YCbCr基準画像データE5を
受け取ったプリンタ40は、このデータE5のYCbC
r表色値を読み取り、YCbCr表色値と基準画像Eに
ついてのL*a*b*色彩値に基づいてディジタルスチル
カメラ10とプリンタ40との間のプロファイルを作成
する。続く画像印刷モジュールMA2において、プリン
タ40は、作成されたプロファイルを利用してディジタ
ルスチルカメラ10により生成されたYCbCr画像デ
ータH3をwRGB色空間に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データの色空
間を変換する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、被写体の撮影や原稿の読み取りに
よりデジタル画像を取得する装置(例えば、ディジタル
スチルカメラ、ディジタルビデオカメラ、スキャナ等)
の需要が高まっている。このような装置は、主として、
取得したデジタル画像を他のデジタル処理装置において
利用可能とするために、取得した画像データを汎用性の
高いファイル形式で保存する機能を有している。
【0003】ディジタルスチルカメラにより取得した画
像データを他の装置において利用する態様を従来例とし
て図19に示した。図19に示すように、ディジタルス
チルカメラ910は、被写体の撮影により被写体の画像
をRGBカラーによって表現された画像データD1とし
て取得した後、画像データD1の色空間をYCbCr色
空間に変換してJPEG形式に圧縮し、圧縮後のデータ
を画像データD2としてメモリカードMCに記録する。
こうしたディジタルスチルカメラ910では、画像取得
の際に基準とされる色空間として、パーソナルコンピュ
ータの表示画面として標準的に用いられるCRTモニタ
と同じ色空間であるsRGB色空間を採用し、ディジタ
ルスチルカメラ910によって取得された画像のパーソ
ナルコンピュータ990における利用を容易にしてい
た。図19では、こうしたsRGB色空間の領域を、x
y色度図(XYZ色空間を明度情報を除いて色相と彩度
だけで表したもの)内に点模様のハッチングで示してい
る。なお、xy色度図における馬蹄形の輪郭の内側は可
視領域を示す。
【0004】JPEG形式で記録された画像データD2
を受け取ったパーソナルコンピュータ990は、図19
に示すように、圧縮された画像データD2を伸長した後
に所定のマトリクス変換処理を実行し、画像データD2
の色空間をYCbCr色空間からsRGB色空間に変換
する。こうしてsRGB色空間によって表現された画像
データD3は、CRTモニタに画像として表示され、或
いは、色分解処理によってCMYK色空間で表現される
画像データD4に変換された後にプリンタ940を介し
て印刷媒体上に印刷出力される。
【0005】こうしたプリンタ940の表現可能な色の
範囲は、近年、飛躍的に広がっており、この拡大された
範囲で画像データを扱うために、プリンタ940では、
ディジタルスチルカメラ910やCRTモニタ,パーソ
ナルコンピュータ990におけるsRGB色空間よりも
広い色空間(以下、wRGB色空間という)を採用する
ことも提案されている。このwRGB色空間の領域を、
図19におけるプリンタ940についてのxy色度図に
模式的に示した。このxy色度図におけるsRGB色空
間よりも大きな三角形内の領域がwRGB色空間の領域
である。
【0006】ここで、従来のディジタルスチルカメラの
中には、パーソナルコンピュータ990やCRTモニタ
と同様のsRGB色空間を基準としつつ、撮影後の画像
取得やYCbCrカラーへの変換ないし圧縮の段階では
sRGB色空間内の色への絞り込みを行なわないタイプ
のものがあった(このタイプの場合、パーソナルコンピ
ュータ990がマトリクス変換を行なう前段階において
画像データD1,D2をsRGB空間内の色に絞り込
む)。このようなタイプのディジタルスチルカメラで
は、画像データD1や画像データD2内にsRGB色空
間の領域外の色(図19におけるディジタルスチルカメ
ラ910のxy色度図において右下がりの点線で示した
範囲に属する色)を保持していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の手法では、ディジタルスチルカメラ910とプ
リンタ940の間で基準とされる色空間やガンマ値等の
色再現特性が異なるため、sRGB色空間における画像
データD1の色がプリンタ940のwRGB色空間上に
正確に対応づけられない場合があり、このような場合に
はディジタルスチルカメラ910で撮影した被写体の色
をプリンタ940で忠実に印刷することが難かしかっ
た。例えば、図19に示すように、撮影により取得され
た画像データD1の色がxy色度図における座標点w1
上の色(橙色寄りの赤色)であった場合に、マトリクス
変換後の画像データD3の色がxy色度図において座標
点w1とは異なる座標点w2上の色(桃色寄りの赤色)
に対応付けられてしまい、撮影時に取得された色とは違
う色で印刷されてしまうことがあった。このため、従来
は、撮影時に取得された色に近い色での印刷を実現する
ために、入力された画像データD3のsRGB表色値を
wRGB色空間上でより好ましく見える表色値に変更す
る処理(色変更処理SI)をプリンタ940側において
適宜行なう必要があった。
【0008】一方、こうしたディジタルスチルカメラ9
10とプリンタ940というデバイス間における再現色
のズレは、各デバイスの特性(例えば、ガンマ特性等)
をパラメータとして記述したプロファイルを作成してお
き、このプロファイルを利用して一の色空間によって表
現された画像データ(図19におけるsRGB色空間に
よって表現された画像データD3)を機器非依存色(例
えば、XYZ色空間におけるXYZ値等)を介して他の
色空間(図19におけるwRGB色空間)の画像データ
に変換するカラーマネジメントシステムを採用すれば、
解決することができる。しかしながら、従来のカラーマ
ネジメントシステムでは、ディジタルスチルカメラ91
0とプリンタ940との間にプロファイルの利用を可能
とする専用のアプリケーションを用意することが必要に
なることに加え、このアプリケーションを使いこなすに
は使用者に専門的な知識が必要であり、デバイス間にお
ける再現色のズレを簡単に解決できるものではなかっ
た。
【0009】加えて、上記の解決手法では、ディジタル
スチルカメラの特性を記述したディジタルスチルカメラ
用プロファイルおよびプリンタの特性を記述したプリン
タ用プロファイルを同一の機器非依存色に対する変換表
として用意することが必要となる。しかも、ディジタル
スチルカメラやプリンタの特性が機種ごとに異なる場合
にはディジタルスチルカメラ用やプロファイルプリンタ
用プロファイルを機種ごとに用意することが必要とな
り、製造メーカー側の負担が大きかった。加えて、特性
の異なる機種間で共通のプロファイルを作成するために
は、機種ごとに色再現特性を解析しなければならず、多
大な労力が必要であった。
【0010】また、デジタルスチルカメラ910が画像
データD1や画像データD2内にsRGB色空間の領域
外の色を保持するものである場合に図19に示した変換
手法を行なうと、画像データD1や画像データD2内に
保持されていたsRGB色空間の領域外の色は、sRG
B空間への変換により画像データD2から取り除かれて
しまう。このため、画像データD1や画像データD2内
にsRGB色空間の領域外の色であってプリンタ940
の色空間に属する色(図19において右上がりの斜線で
示した範囲に属する色)を保持されていた場合に、この
色をそのままプリンタ940で印刷することはできなか
った。
【0011】本発明は、上記の課題を解決し、専門的知
識を有していない者でも、被写体の色を忠実に印刷媒体
上に再現可能なシステムを提供することを目的として、
以下の構成を採った。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の第一の画像出力装置は、所定の対象物についての
画像を取得する画像取得装置において第一の色空間によ
って表現された画像データとして生成された第一画像デ
ータを外部から受け取り、該受け取った第一画像データ
を前記第一の色空間とは異なる色空間である第二の色空
間によって表現された第二画像データに変換し、該変換
された第二画像データに基づいて画像を出力する画像出
力装置であって、所定の指示がなされたとき、複数の色
が配置された基準画像を機器非依存色の色空間によって
表現された基準画像データとして記憶する記憶装置から
前記基準画像データを読み出し、該基準画像データを前
記第二の色空間によって表現された第二基準画像データ
に変換し、該第二基準画像データに基づいて前記基準画
像を所定の媒体上に出力する基準画像出力部と、前記媒
体上に出力された基準画像が前記画像取得装置によって
取得されることにより生成されたデータであって、第一
の色空間によって表現された第一基準画像データを外部
から受け取り、該受け取った第一基準画像データの表色
値と前記記憶装置に記憶された基準画像データの基準色
彩値との対応関係を決定し、該決定の結果に基づいて前
記第一の色空間から前記第二の色空間への色変換表を作
成する色変換表作成装置から、該色変換表を、前記第二
画像データへの変換可能に入力する色変換表入力部とを
備えたことを要旨とする。
【0013】上記の画像出力装置としては、例えば、紙
という媒体上に画像を出力するプリンタや、画面という
媒体上に画像を出力するモニタ等を考えることができ
る。
【0014】本発明の第一の画像出力装置では、所定の
指示がなされたとき、基準画像出力部が、記憶装置から
機器非依存色の色空間によって表現された基準画像デー
タを読み出し、この基準画像データの色空間を第二の色
空間に変換した第二基準画像データに基づいて複数の色
が配置された基準画像を所定の媒体上に出力する。この
媒体上に出力された基準画像が画像取得装置に取得され
ることにより、第一の色空間によって表現された第一基
準画像データが生成されるが、この第一基準画像データ
を受け取った色変換表作成装置により作成された第一の
色空間から第二の色空間への色変換を色変換表入力部が
入力する。こうした色変換表の入力後に、第一基準画像
データを生成した画像取得装置によって取得され、第一
の色空間によって表現された第一画像データを受け取っ
たとき、色空間変換部は、該第一画像データの表色値を
読み取り、該表色値について色変換表を参照することに
より、第一画像データの第一の色空間から第二の色空間
への変換を実行する。
【0015】このような本発明の第一の画像出力装置に
よれば、基準画像を出力した後、この基準画像の画像取
得装置による取得に伴って作成された当該画像取得装置
と画像出力装置との間の色再現特性の相違に対応した色
変換表を入力する。この入力後、当該画像取得装置にお
いて生成された第一画像データについては、上記色変換
表を参照して第一の色空間から第二の色空間への変換を
実行する。従って、画像取得装置により画像が取得され
た対象物の色の画像出力装置における忠実な再現を、簡
単な手法で実現することができる。
【0016】上記の画像出力装置が記憶装置,色変換表
作成装置のうちの少なくとも一方を備える構成としても
よい。
【0017】本発明の第二の画像出力装置は、所定の対
象物についての画像を取得する画像取得装置において第
一の色空間によって表現された画像データとして生成さ
れた第一画像データを外部から受け取り、該受け取った
第一画像データを前記第一の色空間とは異なる色空間で
ある第二の色空間によって表現された第二画像データに
変換し、該変換された第二画像データに基づいて画像を
出力する画像出力装置であって、複数の色が配置された
基準画像を、機器非依存色の色空間によって表現された
基準画像データとして記憶する記憶部と、所定の指示が
なされたとき、前記記憶部から基準画像データを読み出
して、該基準画像データを前記第二の色空間によって表
現された第二基準画像データに変換し、該第二基準画像
データに基づいて前記基準画像を所定の媒体上に出力す
る基準画像出力部と、前記媒体上に出力された基準画像
が前記画像取得装置によって取得されることにより生成
されたデータであって、第一の色空間によって表現され
た第一基準画像データを外部から受け取る基準データ受
取部と、該基準データ受取部が受け取った第一基準画像
データの表色値と前記記憶部に記憶された基準画像デー
タの基準色彩値との対応関係を決定する関係決定部と、
該関係決定部による決定の結果に基づいて、前記第一の
色空間から前記第二の色空間への色変換表を前記第二画
像データへの変換可能に作成する色変換表作成部とを備
えたことを要旨とする。
【0018】本発明の第二の画像出力装置では、所定の
指示がなされたとき、基準画像出力部が、記憶部から機
器非依存色の色空間によって表現された基準画像データ
を読み出し、この基準画像データの色空間を第二の色空
間に変換した第二基準画像データに基づいて複数の色が
配置された基準画像を所定の媒体上に出力する。この媒
体上に出力された基準画像が画像取得装置に取得される
ことにより、第一の色空間によって表現された第一基準
画像データが生成されるが、画像出力装置は、この第一
基準画像データを基準データ受取部において受け取った
後、関係決定部が第一基準画像データの表色値と基準画
像データの基準色彩値との対応関係を決定し、この決定
の結果に基づいて、色変換表作成部が第一の色空間から
第二の色空間への色変換表を作成する。こうした色変換
表の作成後に、第一基準画像データを生成した画像取得
装置によって取得され、第一の色空間によって表現され
た第一画像データを受け取ったとき、色空間変換部は、
該第一画像データの表色値を読み取り、該表色値につい
て色変換表を参照することにより、第一画像データの第
一の色空間から第二の色空間への変換を実行する。
【0019】このような本発明の第二の画像出力装置に
よれば、基準画像を出力した後に該基準画像の画像取得
装置による取得によって生成された第一基準画像データ
を受け取ることにより、当該画像取得装置と画像出力装
置の間の色再現特性の相違に対応した色変換表を作成
し、この作成後、当該画像取得装置において生成された
第一画像データについては、上記色変換表を参照して第
一の色空間から第二の色空間への変換を実行する。従っ
て、画像取得装置により画像が取得された対象物の色の
画像出力装置における忠実な再現を、簡単な手法で実現
することができる。また、基準画像データを記憶する記
憶部や基準画像データに基づいて色変換表の作成処理を
行なう各部を画像出力装置内に備えるので、画像取得装
置と画像出力装置との間に他の制御装置を媒介すること
なく画像出力装置内で色変換表を作成することができ
る。
【0020】外部から受け取った第一基準画像データに
基づいて前記複数の色の位置関係を判定し、該判定結果
を参照しつつ前記第一基準画像データの表色値と前記基
準画像データの基準色彩値との対応関係を決定する参照
関係決定手段を備えることも好適である。こうすれば、
第一基準画像データの表色値と基準画像データの基準色
彩値との対応関係をより正確に決定することができる。
【0021】第一基準画像データまたは第一画像データ
を受け取ったときに、該データを生成した画像取得装置
の種類を特定する種類特定手段を備える構成としても差
し支えない。こうすれば、第一基準画像データや第一画
像データを生成した画像取得装置の種類を簡便かつ確実
に特定することができる。
【0022】種類特定手段を、第一基準画像データを受
け取ったときに該第一基準画像データを生成した画像取
得装置の種類を特定する手段とするとともに、前記第一
基準画像データに基づいて作成された色変換表を、該第
一基準画像データを生成した画像取得装置と対応付けて
記憶する色変換表記憶部を備えることも望ましい。こう
すれば、作成された色変換表を画像取得装置の種類に応
じて記憶することが可能となり、以後、画像取得装置か
ら第一画像データを受け取ったときにおける色空間の変
換を円滑に実行することができる。また、複数種類の画
像取得装置につき、画像取得装置の種類ごとに色変換表
を記憶することが可能となるので、画像取得装置の種類
に拘らず対象物の色の忠実な再現を行なうことができ
る。例えば、取得される画像の質が異なる二種類の画像
取得装置によって同一の対象物から取得された二種類の
画像がある場合に、各画像取得装置についての色変換表
を一の画像出力装置に記憶しておけば、この色変換表を
参照することにより一の画像出力装置において上記二種
類の画像を同じ色で再現することができる。
【0023】第一の色空間および第二の色空間をsRG
Bの色空間よりも広い領域を有する色空間とすることも
好適である。こうすれば、従来の変換手法によっては出
力することができなかったsRGB色空間に属さない色
を画像出力装置において出力することが可能となる。従
って、画像出力装置における色再現領域の拡大を実現す
ることができる。
【0024】第一の色空間をYCbCrの色空間として
も差し支えない。画像取得装置では、取得した画像をY
CbCrの色空間によって表現された画像データとして
記録媒体に記憶する場合が多い。従って、第一の色空間
をYCbCrの色空間とすれば、記録媒体に記憶された
画像データをそのまま利用して第二の色空間に変換する
ことが可能となり、利便性に優れる。
【0025】前記色変換表は演算式の形式で作成され、
前記色空間変換部は、前記読み取った第一画像データの
表色値を前記演算式に代入演算して当該第一画像データ
が第二の色空間に変換されたときの表色値を求めること
により、前記第一画像データの第一の色空間から第二の
色空間への変換を実行することも望ましい。このような
構成を採れば、画像出力装置は、第一の色空間から第二
の色空間に変換されたときの表色値を、受け取った第一
画像データについてのみ保持すればよく、第一の色空間
によって表現可能な全ての色について予め保持しておく
必要がない。しかも、恒久的に保持する情報は演算式の
みでよく、第一の色空間によって表現可能な多数の色に
ついての第一の色空間の表色値と第二の色空間の表色値
との対応関係を表わした一覧表を恒久的に保持しておく
必要がない。従って、保持すべき情報量を大きく削減し
つつ、第一の色空間の表色値と第二の色空間の表色値と
の正確な対応付けを確保することができる。
【0026】色変換表を構成する内容のうちの少なくと
も一部を、前記第一画像データまたは前記第二画像デー
タを生成可能な他の装置に与える構成内容付与手段を備
えることも望ましい。ここで、他の装置としては、当該
画像出力装置以外の画像出力装置、画像取得装置、モニ
タ、パーソナルコンピュータ等の画像出力装置に接続可
能に構成され、デジタル処理を行なう各種の装置を考え
ることができる。こうすれば、色変換表の内容を他の装
置に与えることが可能となり、他の装置において色変換
表の内容に基づいた種々の処理を実行することができ
る。
【0027】第一基準画像データを外部から受け取った
ときに、該第一基準画像データから画像取得時における
光量等の前記基準画像の取得条件を読み取り、該読み取
られた取得条件に応じて前記色変換表を作成する条件付
き色変換表作成手段を備える構成としても差し支えな
い。基準画像の取得条件としては、画像取得時における
光の量や性質、フラッシュの有無等のような画像の取得
環境に関する情報を考えることができる。こうすれば、
基準画像の取得条件の相違を考慮した色変換表を作成す
ることが可能となり、より精度の高い色変換表を作成す
ることができる。
【0028】本発明の画像データ変換装置は、第一の色
空間によって表現された画像データを前記第一の色空間
とは異なる色空間である第二の色空間によって表現され
た画像データに変換する変換手段を備えた画像データ変
換装置であって、前記第二の色空間を基準色空間とする
画像出力装置により出力可能な画像であり、複数の色が
配置された基準画像のデータを機器非依存色の色空間に
よって表現された基準画像データとして記憶する記憶部
と、前記画像出力装置により、前記基準画像データを前
記第二の色空間によって表現したデータである第二基準
画像データに基づいて前記基準画像が所定の媒体上に出
力された後、該所定の媒体上に出力された基準画像が前
記第一の色空間を基準色空間とする画像取得装置により
取得され、該取得により前記第一の色空間によって表現
された第一基準画像データが生成された場合において、
該第一基準画像データを受け取る基準データ受取部と、
該基準データ受取部が受け取った第一基準画像データの
表色値と前記記憶部に記憶された基準画像データの基準
色彩値との対応関係を決定する関係決定部と、該関係決
定手段による決定の結果に基づいて、前記第一の色空間
から前記第二の色空間への色変換表を作成する色変換表
作成部と、該色変換表作成部により作成された色変換表
を、前記画像出力装置および前記画像取得装置のうちの
少なくとも一方が参照可能な形式で保持する色変換表保
持手段とを備えたことを要旨とする。
【0029】本発明の画像データ変換装置では、第二の
色空間を基準色空間とする画像出力装置により、基準画
像データを第二の色空間によって表現した第二基準画像
データに基づいて複数の色が配置された基準画像が所定
の媒体上に出力された後、該基準画像が前記第一の色空
間を基準色空間とする画像取得装置により取得されるこ
とにより第一の色空間によって表現された第一基準画像
データが生成された場合において、該生成された第一基
準画像データを基準データ受取部において受け取り、該
第一基準画像データの表色値と基準画像データの基準色
彩値との対応関係を関係決定部が決定する。この決定の
結果に基づいて、色変換表作成部が第一の色空間から第
二の色空間への色変換表を作成し、作成された色変換表
を色変換表保持手段が画像出力装置および画像取得装置
のうちの少なくとも一方が参照可能な形式で保持する。
【0030】このような本発明の画像データ変換装置に
よれば、画像出力装置から出力された基準画像の画像取
得装置による取得によって生成された第一基準画像デー
タを受け取ることにより、当該画像取得装置と画像出力
装置の間の色再現特性の相違に対応した色変換表が作成
される。この色変換表が画像出力装置および画像取得装
置のうちの少なくとも一方に参照されることで、画像取
得装置により画像が取得された対象物の色を画像出力装
置において忠実に再現することができる。
【0031】本発明の画像データ変換方法は、第一の色
空間によって表現された画像データを前記第一の色空間
とは異なる色空間である第二の色空間によって表現され
た画像データに変換する画像データの変換方法であっ
て、前記第二の色空間を基準色空間とする画像出力装置
により、複数の色が配置された基準画像を所定の媒体上
に出力し、該所定の媒体上に出力された基準画像を前記
第一の色空間を基準色空間とする画像取得装置により取
得し、該取得により生成され、前記第一の色空間によっ
て表現された第一基準画像データの表色値と前記基準画
像を機器非依存色の色空間によって表現した基準画像デ
ータの基準色彩値との対応関係を決定し、該決定の結果
に基づいて、前記第一の色空間から前記第二の色空間へ
の色変換表を作成し、該作成された色変換表を参照し
て、前記第一の色空間によって表現された画像データを
前記第二の色空間によって表現された画像データに変換
することを要旨とする。
【0032】本発明の画像データ変換方法では、第二の
色空間を基準色空間とする画像出力装置により複数の色
が配置された基準画像を所定の媒体上に出力し、該所定
の媒体上に出力された基準画像を第一の色空間を基準色
空間とする画像取得装置により取得する。続いて、この
取得により生成され、第一の色空間によって表現された
第一基準画像データの表色値と基準画像を機器非依存色
の色空間によって表現した基準画像データの基準色彩値
との対応関係を決定するとともに、該決定の結果に基づ
いて第一の色空間から第二の色空間への色変換表を作成
し、該作成された色変換表を参照して、第一の色空間に
よって表現された画像データを第二の色空間によって表
現された画像データに変換する。
【0033】このような本発明の画像データ変換方法に
よれば、画像出力装置から出力された基準画像を画像取
得装置により取得し、該取得によって生成された第一基
準画像データの表色値と基準画像データの基準色彩値と
の対応関係を決定することにより、当該画像取得装置と
画像出力装置の間の色再現特性の相違に対応した色変換
表が作成される。以後、この色変換表を参照して、第一
の色空間によって表現された画像データが第二の色空間
によって表現された画像データに変換される。従って、
画像取得装置により画像が取得された対象物の色の画像
出力装置における忠実な再現を、簡単な手法で実現する
ことができる。
【0034】本発明の第一のコンピュータプログラムを
記録した記録媒体は、第一の色空間によって表現された
画像データを前記第一の色空間とは異なる色空間である
第二の色空間によって表現された画像データに変換する
ためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体であ
って、前記第二の色空間を基準色空間とする画像出力装
置により出力され、複数の色が配置された基準画像につ
き、該基準画像を機器非依存色の色空間によって表現し
たデータである基準画像データの基準色彩値を特定する
工程と、前記画像出力装置により所定の媒体上に出力さ
れた基準画像が前記第一の色空間を基準色空間とする画
像取得装置によって取得された場合に、該取得により生
成された第一基準画像データの表色値を特定する工程
と、該第一基準画像データの表色値と前記基準画像デー
タの基準色彩値との対応関係を決定する工程と、該決定
の結果に基づいて、前記第一の色空間から前記第二の色
空間への色変換表を作成する工程と、前記第一の色空間
によって表現された画像データを受け取ったとき、該画
像データを前記色変換表を参照することにより前記第二
の色空間によって表現された画像データに変換する工程
とをコンピュータに実行させるためのプログラムをコン
ピュータに読み取り可能に記録したことを要旨とする。
【0035】本発明の第一のコンピュータプログラムを
記録した記録媒体では、この記録媒体に記録された内容
をコンピュータが読み取ることにより、コンピュータ
は、第二の色空間を基準色空間とする画像出力装置によ
り出力され、複数の色が配置された基準画像につき、該
基準画像を機器非依存色の色空間によって表現した基準
画像データの基準色彩値を特定する。また、画像出力装
置により所定の媒体上に出力された基準画像が第一の色
空間を基準色空間とする画像取得装置によって取得され
た場合に、該取得により生成された第一基準画像データ
の表色値を特定するとともに、該第一基準画像データの
表色値と基準画像データの基準色彩値との対応関係を決
定し、該決定の結果に基づいて第一の色空間から第二の
色空間への色変換表を作成する。第一の色空間によって
表現された画像データを受け取ったとき、該画像データ
を色変換表を参照することにより第二の色空間によって
表現された画像データに変換する。
【0036】このような本発明の第一のコンピュータプ
ログラムを記録した記録媒体によれば、この記録媒体に
記録された内容をコンピュータが読み取ることにより、
画像取得装置と画像出力装置の間の色再現特性の相違に
対応した色変換表が作成され、以降、この色変換表を参
照して、第一の色空間によって表現された画像データが
第二の色空間によって表現された画像データに変換され
る。従って、画像取得装置により画像が取得された対象
物の色の画像出力装置における忠実な再現を、簡単に実
現することができる。
【0037】本発明の第二のコンピュータプログラムを
記録した記録媒体は、第一の色空間によって表現された
画像データを前記第一の色空間とは異なる色空間である
第二の色空間によって表現された画像データに変換する
際に用いられる色変換表を作成するためのコンピュータ
プログラムを記録した記録媒体であって、前記第二の色
空間を基準色空間とする画像出力装置により出力され、
複数の色が配置された基準画像につき、該基準画像を機
器非依存色の色空間によって表現したデータである基準
画像データの基準色彩値を特定する工程と、前記画像出
力装置により所定の媒体上に出力された基準画像が前記
第一の色空間を基準色空間とする画像取得装置によって
取得された場合に、該取得により生成された第一基準画
像データの表色値を特定する工程と、該第一基準画像デ
ータの表色値と前記基準画像データの基準色彩値との対
応関係を決定する工程と、該決定の結果に基づいて、前
記第一の色空間から前記第二の色空間への色変換表を作
成する工程と、をコンピュータに実行させるためのプロ
グラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを
要旨とする。
【0038】本発明の第二のコンピュータプログラムを
記録した記録媒体では、この記録媒体に記録された内容
をコンピュータが読み取ることにより、コンピュータ
は、第二の色空間を基準色空間とする画像出力装置によ
り出力され、複数の色が配置された基準画像につき、該
基準画像を機器非依存色の色空間によって表現した基準
画像データの基準色彩値を特定する。また、画像出力装
置により所定の媒体上に出力された基準画像が第一の色
空間を基準色空間とする画像取得装置によって取得され
た場合に、該取得により生成された第一基準画像データ
の表色値を特定するとともに、該第一基準画像データの
表色値と基準画像データの基準色彩値との対応関係を決
定し、該決定の結果に基づいて第一の色空間から第二の
色空間への色変換表を作成する。
【0039】このような本発明の第二のコンピュータプ
ログラムを記録した記録媒体によれば、この記録媒体に
記録された内容をコンピュータが読み取ることにより、
画像取得装置と画像出力装置の間の色再現特性の相違に
対応した色変換表が作成される。以後、この色変換表を
画像取得装置や画像出力装置が参照することにより、第
一の色空間によって表現された画像データを正確に第二
の色空間に置き換えることが可能となり、画像取得装置
により画像が取得された対象物の色の画像出力装置にお
ける忠実な再現を簡単に実現することができる。
【0040】本発明の第三の画像出力装置は、第一の色
空間を有する画像取得装置により取得されることを目的
とした画像であって、複数の色が予め定められた配列で
配置された基準画像を、該第一の色空間とは異なる色空
間である第二の色空間によって表現されたデータに基づ
いて所定の媒体上に出力する画像出力装置であって、前
記基準画像は、前記第一の色空間から前記第二の色空間
への色変換表を作成する基準となる画像であることを要
旨とする。
【0041】本発明の第三の画像出力装置によれば、第
一の色空間を有する画像取得装置により取得されること
を目的として、複数の色が予め定められた配列で配置さ
れ、第一の色空間から第二の色空間への色変換表を作成
する基準となる基準画像を出力する。こうした基準画像
の出力により、画像取得装置と画像出力装置との間の色
空間の変換を簡単かつ確実なものにすることができる。
【0042】本発明の第1の画像データ生成装置は、第
1の色空間の画像データを前記第1の色空間とは異なる
第2の色空間の画像データに変換するための色変換情報
が関連付けられた画像データを生成するための画像デー
タ生成装置であって、画像を撮像して画像データを生成
する撮像手段と、複数の色が所定の位置に各々配置され
ている基準画像に対応する、前記第2の色空間にて表さ
れた基準画像データを格納する記憶手段と、前記撮像手
段によって前記基準画像データを画像出力装置により出
力して得られた画像を撮像し、撮像基準画像データを取
得する撮像基準画像データ取得手段と、前記基準画像に
おける複数の色の位置情報を利用して、前記撮像基準デ
ータと前記第2の色空間の基準画像データとを対応付け
る色変換情報を作成する色変換情報生成手段と、前記生
成された色変換情報と前記撮像手段により生成された画
像データとを関連付けて出力する出力手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0043】本発明の第1の画像データ生成装置によれ
ば、第1の色空間の画像データを前記第1の色空間とは
異なる第2の色空間の画像データに変換するための色変
換情報と生成された画像データとを関連付けて出力する
ことができるので、第1の色空間の画像データを出力す
る画像データ生成装置から出力された画像データを、第
2の色空間の画像データを入力データとして扱う画像出
力装置において、画像データの色彩を簡易且つ忠実に再
現することができる。
【0044】本発明の第1の画像データ装置において、
前記第2の色空間は機器独立色空間であっても良く、前
記第2の色空間の画像データは前記画像出力装置が処理
可能な画像データであっても良い。前者の場合には、機
器独立色空間を介することにより、出力装置が処理可能
な色空間の画像データにかかわらず画像データの色彩の
忠実な再現を実現することができる。後者の場合には、
第2の色空間の画像データは、出力装置が処理可能な画
像データであるから画像データの色彩の忠実な再現を実
現することができる。
【0045】本発明の第1の画像データ生成装置におい
て、前記色変換情報生成手段は、前記基準画像の各色の
位置情報を用いて、前記基準画像における各色の配置位
置に対応する前記撮像基準データを特定し、その特定し
た撮像基準データの値を、前記基準画像における各色の
配置位置に対応する前記基準画像データの値に対応付け
て前記色変換情報を作成しても良い。かかる場合には、
基準画像における各色の位置情報(配置位置)に基づい
て正確に撮像基準データの値を基準画像データの値に対
応付けることができる。また、基準画像に表されていな
い色については、補完演算によって補うことによってよ
り多くの色に対応した色変換情報を生成することができ
ることはいうまでもない。
【0046】本発明の第1の画像データ生成方法は、第
1の色空間の画像データを前記第1の色空間とは異なる
第2の色空間の画像データに変換するための色変換情報
が関連付けられた画像データを生成するための画像デー
タ生成方法であって、複数の色が所定の位置に各々配置
されている基準画像に対応する、前記第2の色空間で表
された基準画像データを、前記第2の色空間の画像デー
タを用いて画像を出力する画像出力装置により出力し、
前記出力された画像を撮像して撮像基準画像データを取
得し、前記基準画像における複数の色の位置情報を利用
して、前記撮像基準データと前記第2の色空間の基準画
像データとを対応付ける色変換情報を作成し、画像を撮
像して画像データを生成し、前記生成した色変換情報と
前記生成した画像データとを関連付けて出力することを
特徴とする。
【0047】本発明の第1の画像データ生成方法によれ
ば、第1の色空間の画像データを前記第1の色空間とは
異なる第2の色空間の画像データに変換するための色変
換情報と生成された画像データとを関連付けて出力する
ことができるので、第1の色空間の画像データを出力す
る画像データ生成装置から出力された画像データを、第
2の色空間の画像データを処理可能なデータとして扱う
画像出力装置において、画像データの色彩を簡易且つ忠
実に再現することができる。
【0048】本発明の第2の画像データ生成方法は、第
1の色空間の画像データを機器独立色空間の画像データ
に変換するための色変換情報が関連付けられた画像デー
タを生成する画像データ生成方法であって、複数の色が
所定の位置に各々配置されている基準画像に対応する、
前記機器独立色空間で表された基準画像データを画像出
力装置により出力し、前記出力された画像を撮像して撮
像基準画像データを取得し、前記基準画像における複数
の色の位置情報を利用して、前記撮像基準データと前記
機器独立色空間の基準画像データとを対応付ける色変換
情報を作成し、画像を撮像して画像データを生成し、前
記生成した色変換情報と前記生成した画像データとを関
連付けて出力することを特徴とする。
【0049】本発明の第2の画像データ生成方法によれ
ば、第1の色空間の画像データを機器独立色空間の画像
データに変換するための色変換情報と生成された画像デ
ータとを関連付けて出力することができるので、機器独
立色空間を介することにより、第1の色空間の画像デー
タを出力する画像データ生成装置から出力された画像デ
ータを、出力装置が処理可能な色空間の画像データにか
かわらず、画像データの色彩の忠実且つ簡易な再現を実
現することができる。
【0050】なお、特許請求の範囲では、請求項1ない
し3の発明に限定要素や付加的要素を加えたものを請求
項4ないし11の発明として構成したが、上記の限定要
素や付加的要素を請求項12ないし16の発明に加える
ことにより発明を構成することも可能である。
【0051】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成および
作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形
態を、以下の順序でいくつかの実施例に基づいて説明す
る。 A.第1実施例 B.第2実施例 C.応用例 D.変形例
【0052】A.第1実施例 図1は本発明の第1実施例である画像データ変換システ
ムMAの概要を示す説明図であり、図2は画像データ変
換システムMAにおけるプロファイル作成モジュールM
A1の内容を示す説明図である。画像データ変換システ
ムMAは、一の色空間によって表現された画像データを
一の色空間とは異なる色空間によって表現された画像デ
ータに変換するシステムである。
【0053】まず、画像データ変換システムMAの基本
的な構成について説明する。図1に示すように、画像デ
ータ変換システムMAは、画像取得装置としてのディジ
タルスチルカメラ10と画像出力装置としてのプリンタ
40を備える。
【0054】ディジタルスチルカメラ10は、対象物を
撮影することにより画像を取得し、取得した画像をデジ
タル形式の画像データとしてメモリカードMCに保存す
る機能を有し、この機能を実行するためにCPU,RO
M,RAM等により構成された制御機構20を備える。
【0055】図1に示すように、ディジタルスチルカメ
ラ10は、sRGB色空間,YCbCr色空間というデ
ィジタルスチルカメラ10特性に依存する二つの色空間
を基準としている。YCbCr色空間は、sRGB色空
間よりも広い色再現領域を有する。特許請求の範囲にい
う第一の色空間は、第1実施例ではYCbCr色空間に
相当する。
【0056】ディジタルスチルカメラ10の制御機構2
0は、対象物の撮影による画像の取得によりsRGB色
空間によって表現された画像データを生成し、生成され
た画像データをYCbCr色空間によって表現された画
像データに変換した後にJPEG圧縮を行ない、圧縮後
のYCbCr画像データをメモリカードMCに記録す
る。なお、メモリカードMCへの画像データの保存形式
としては、上記JPEG形式のほか、TIFF形式、G
IF形式、BMP形式等の保存形式を用いることができ
る。
【0057】プリンタ40は、他のデジタル装置から画
像データを受け取り、受け取った画像データをプリンタ
が有する色空間で表現された画像データに変換し、変換
後の画像データに基づいて画像を出力する機能を有して
おり、より具体的には、紙や布,CD−R等の記録メデ
ィア,OHPシート等の印刷媒体上に画像を印刷する機
能を有する。こうした機能を実行するために、プリンタ
40は、CPU,ROM,RAM等により構成された制
御機構50を備える。
【0058】図1に示すように、プリンタ40は、wR
GB色空間,CMYK色空間(図示せず)というプリン
タ40特性に依存する二つの色空間を基準としている。
wRGB色空間は、sRGB色空間よりも広い色再現領
域を有する。特許請求の範囲にいう第二の色空間は、第
1実施例ではwRGB色空間に相当する。
【0059】プリンタ40がwRGB色空間以外の色空
間によって表現された画像データを受け取った場合に
は、制御機構50は、この画像データをwRGB色空間
によって表現された画像データに変換し、変換後の画像
データを色分解してCMYK色空間によって表現された
画像データに変換する。制御機構50は、このCMYK
画像データに基づいてC(シアン),M(マゼンタ),
Y(イエロー)K(ブラック)の4色のインクの吐出態
様を決定し、決定された吐出態様に基づいた印刷の実行
を指示する。
【0060】なお、図1に示す画像データ変換システム
MAでは、ディジタルスチルカメラ10からプリンタ4
0への画像データの受け渡しは、ディジタルスチルカメ
ラ10のメモリカードスロットル11から引き抜かれた
メモリカードMCをプリンタ40のメモリカードドライ
ブ41に差し込むことにより実現される。即ち、メモリ
カードドライブ41に接続されたプリンタ40の制御機
構50は、メモリカードMCに記録されたYCbCr画
像データを読み取り、読み取った画像データをwRGB
色空間によって表現された画像データに変換するのであ
る。一方、ディジタルスチルカメラ10とプリンタ40
とがケーブルによって接続される場合には、画像データ
の受け渡しはケーブルを介して実行される。
【0061】画像データ変換システムMAの特徴的な構
成について説明する。図1に示すように、画像データ変
換システムMAは、プロファイル作成モジュールMA
1,画像印刷モジュールMA2という二つのモジュール
から構成されている。
【0062】プロファイル作成モジュールMA1では、
ディジタルスチルカメラ10とプリンタ40という二つ
のデバイス間のプロファイルを作成する処理を行なう。
ここで、プロファイルとは、デバイスに依存する一の色
空間で表現された色をデバイスに依存する他の色空間で
再現する手法を記述したファイルであり、本実施例で
は、YCbCr色空間で表現された色をwRGB色空間
で再現する手法を記述したプロファイルYWを意味す
る。このプロファイルYWの詳細については後述する。
【0063】プロファイル作成モジュールMA1の構成
を図2に示した。図2に示すように、プロファイル作成
モジュールMA1は、プリンタ40により複数の色が配
置された基準画像を用紙上に印刷するモジュール(M1
00)、用紙上の基準画像をディジタルスチルカメラ1
0で撮影することにより基準画像を取得し、基準画像の
撮影画像データを形成するモジュール(M120)、こ
の撮影画像データを受け取ったプリンタ40により撮影
画像データに基づいてディジタルスチルカメラ10とプ
リンタ40との間のプロファイルを作成するモジュール
(M140)という三つのモジュールから構成されてい
る。
【0064】これらの各モジュールにおいて行なわれる
一連の処理のうち、プリンタ40側における処理は、プ
リンタ40の制御機構50内に設けられた記憶部51,
指令部53,色空間変換部68,L−w演算部55,色
分解部56,出力部58,データ受取部60,関係決定
部64,表色値特定部65,色変換表作成部66および
色変換表記憶部67という各機能部によって実行される
(図1を参照)。また、ディジタルスチルカメラ10側
における処理は、ディジタルスチルカメラ10の制御機
構20内に設けられた画像取得部22,色変換部24お
よび圧縮部26という各機能部によって実行される(図
1を参照)。
【0065】上記の各機能部において行なわれる処理に
つき、図1および図3を参照しつつ具体的に説明する。
図1では、プロファイル作成モジュールMA1において
各機能部が実行する処理の流れを黒色の細い矢印で示し
ている。また、図3では、プロファイル作成モジュール
MA1において制御機構50ないし制御機構20が全体
として行なう処理の流れをプロファイル作成処理ルーチ
ンとしてフローチャートを用いて示している。以下の説
明においては、図1を中心として各機能部が実行する処
理の内容を説明するとともに、図3にも記載されている
処理内容については説明文中に図3に相当するステップ
名を付記するものとする。
【0066】図1に示すように、記憶部51には、複数
の色が配置された基準画像Eを特定するための情報であ
る基準画像データE0が予め記憶されている。この基準
画像データE0は、機器非依存色の色空間であるL*a*
b*色空間によって表現されている。使用者による所定
の操作により基準画像Eの出力指示を受けた指令部53
は、基準画像Eのデータを形成する指令を色空間変換部
68に送る。指令を受けた色空間変換部68は、まず、
記憶部51からL*a*b*色空間によって表現された基
準画像データE0を読み出し(ステップS200、ステ
ップS210)、この基準画像データE0をwRGB色
空間によって表現されたwRGB基準画像データE1に
変換する(ステップS220)。特許請求の範囲にいう
第二基準画像データは、第1実施例ではwRGB基準画
像データE1に相当する。
【0067】基準画像データE0からwRGB基準画像
データE1への変換は、色空間変換部68内のL−w演
算部55が、基準画像データE0の色彩値(以下、基準
色彩値という)をwRGB色空間によって表現した場合
の表色値を求める演算を行なうことにより実現される。
このL−w演算部55が行なう処理の詳細については後
述する。
【0068】なお、基準画像データE0からwRGB基
準画像データE1への変換をL−w演算部55による演
算を行なうことなく実現することも可能である。具体的
には、wRGB色空間によって表現されたwRGB基準
画像データE1を予め記憶部51に記憶しておき、指令
部53からの指令を受けたときに色空間変換部68が記
憶部51を参照してwRGB基準画像データE1を読み
出す構成等を考えることができる。
【0069】色空間変換部68は、演算によって求めら
れたwRGB基準画像データE1の表色値を基準色彩値
と対応付けて記憶部51に一時的に記憶するとともに、
wRGB基準画像データE1を色分解部56に送る。色
分解部56は、受け取ったwRGB基準画像データE1
を色分解してCMYK色空間によって表現されたCMY
K基準画像データE2に変換し(ステップS230)、
このCMYK基準画像データE2を出力部58が出力す
る。これにより、基準画像Eが印刷された状態の用紙P
がプリンタ40の外部に排出される(ステップS24
0)。
【0070】この後、所定の撮影指示に基づいて用紙P
上の基準画像Eがディジタルスチルカメラ10によって
撮影されると、画像取得部22は、基準画像Eの光の情
報をCCD上に結像させることにより基準画像Eの画像
を取得し(ステップS300、ステップS310)、取
得した画像についてCCDによる光電変換およびA/D
コンバータによるAD変換を行なうことによりsRGB
色空間によって表現されたsRGB基準画像データE3
を生成する(ステップS320)。画像取得部22は、
このsRGB基準画像データE3を色変換部24に送
る。色変換部24は、受け取ったsRGB基準画像デー
タE3をYCbCr色空間によって表現されたYCbC
r基準画像データE4に変換し(ステップS330)、
このYCbCr基準画像データE4を圧縮部26に送
る。圧縮部26は、受け取ったYCbCr基準画像デー
タE4のCb成分およびCr成分を間引くことによりデ
ータ量を削減する。これにより、YCbCr基準画像デ
ータE4は圧縮されてYCbCr基準画像データE5と
なる(ステップS340)。特許請求の範囲にいう第一
基準画像データは、第1実施例ではYCbCr基準画像
データE5に相当する。こうして圧縮されたYCbCr
基準画像データE5はメモリカードMCに記録される
(ステップS350)。
【0071】この後、YCbCr基準画像データE5を
記録したメモリカードMCがプリンタ40のメモリカー
ドドライブ41に差し込まれ、プリンタ40に対してプ
ロファイルを作成する旨の所定の指示がなされると、デ
ータ受取部60はメモリカードMCの記録内容を読み出
してYCbCr基準画像データE5を受け取り(ステッ
プS250、ステップS260)、このYCbCr基準
画像データE5を関係決定部64に送る。
【0072】関係決定部64は、YCbCr基準画像デ
ータE5を表色値特定部65に送る。表色値特定部65
は、YCbCr基準画像データE5の表色値を特定し、
特定された表色値の情報を関係決定部64に渡す。関係
決定部64は、受け取ったYCbCr基準画像データE
5の表色値とL*a*b*色空間によって表現された基準
画像データE0の基準色彩値との対応関係を決定する
(ステップS270)。この対応関係決定処理の詳細に
ついては後述する。この後、関係決定部64は、決定し
た対応関係に基づいて、YCbCr基準画像データE5
の表色値を基準色彩値と対応付けながら記憶部51に一
時的に記憶し、記憶した旨を色変換表作成部66に送
る。
【0073】YCbCr基準画像データE5の表色値を
記憶した旨を受け取った色変換表作成部66は、まず、
記憶部51に記憶されたYCbCr基準画像データE5
の表色値と基準色彩値の対応関係に基づいて後述する回
帰演算処理を行なう(ステップS280)。次に、色変
換表作成部66は、回帰演算処理による演算結果を利用
してYCbCr色空間からwRGB色空間への色変換表
であるプロファイルYWを作成し、このプロファイルY
Wを色変換表記憶部67に記憶する(ステップS29
0)。なお、第1実施例では、プロファイルYWをYC
bCr表色値からwRGB表色値への変換式の形式で作
成し、この変換式を色変換表記憶部67に記憶してい
る。このプロファイルYWを作成する処理の詳細につい
ては後述する。
【0074】以上、プロファイル作成モジュールMA1
において行なわれる処理の内容について説明した。次
に、プロファイル作成モジュールMA1の終了後に行な
われる画像印刷モジュールMA2について説明する。画
像印刷モジュールMA2は、プロファイル作成モジュー
ルMA1において作成されたプロファイルYWを利用し
て、ディジタルスチルカメラ10のメモリカードMCに
記録されたYCbCr色空間によって表現された画像デ
ータをwRGB色空間によって表現された画像データに
変換し、変換後の画像データに基づいてプリンタ40に
より印刷する処理を行なうモジュールである。このモジ
ュールで行なわれる一連の処理のうち、ディジタルスチ
ルカメラ10側における処理は、ディジタルスチルカメ
ラ10の制御機構20内に設けられた画像取得部22,
色変換部24および圧縮部26という各機能部によって
実行される(図1を参照)。また、プリンタ40側にお
ける処理は、図1に示したプリンタ40の制御機構50
内に設けられたデータ受取部60,表色値特定部65,
色空間変換部68,色変換表記憶部67,Y−w演算部
69,色分解部56および出力部58という各機能部に
よって実行される(図1を参照)。
【0075】上記の各機能部において行なわれる処理に
つき、図1および図4を参照しつつ具体的に説明する。
図1では、画像印刷モジュールMA2において各機能部
が実行する処理の流れを黒色の太い矢印で示している。
また、図4では、画像印刷モジュールMA2において制
御機構20ないし制御機構50が全体として行なう処理
の流れを画像忠実印刷処理処理ルーチンとしてフローチ
ャートを用いて示している。以下の説明においては、図
1を中心として各機能部が実行する処理の内容を説明す
るとともに、図4にも記載されている処理内容について
は説明文中に図4に相当するステップ名を付記するもの
とする。
【0076】プロファイルYWが作成されたディジタル
スチルカメラ10により被写体としての対象物Hが撮影
されると、図1に示すように、画像取得部22は、対象
物Hの光の情報をCCD上に結像させることにより対象
物Hの画像を取得し(ステップS400、ステップS4
10)、取得した画像についてCCDによる光電変換、
A/DコンバータによるAD変換を行なうことによりs
RGB色空間によって表現されたsRGB画像データH
1を生成する(ステップS420)。画像取得部22
は、このsRGB画像データH1を色変換部24に送
る。色変換部24は、受け取ったsRGB画像データH
1をYCbCr色空間によって表現されたYCbCr画
像データH2に変換し(ステップS430)、このYC
bCr画像データH2を圧縮部26に送る。圧縮部26
は、受け取ったYCbCr画像データH2のCb成分お
よびCr成分を間引くことによりデータ量を削減する。
これにより、YCbCr画像データH2は圧縮されてY
CbCr画像データH3となる(ステップS440)。
特許請求の範囲にいう第一画像データは、第1実施例で
はYCbCr画像データH3に相当する。こうして圧縮
されたYCbCr画像データH3はメモリカードMCに
記録される(ステップS450)。
【0077】YCbCr画像データH3を記録したメモ
リカードMCがプリンタ40のメモリカードドライブ4
1に差し込まれ、プリンタ40に対して印刷を実行する
旨の所定の指示がなされると、データ受取部60はメモ
リカードMCの記録内容を読み出してYCbCr画像デ
ータH3を受け取り(ステップS500、ステップS5
10)、このYCbCr画像データH3を表色値特定部
65に送る。表色値特定部65は、受け取ったYCbC
r画像データH3のYCbCr色空間における表色値を
特定した後(ステップS520)、YCbCr画像デー
タH3を色空間変換部68に送る。
【0078】色空間変換部68は、色変換表記憶部67
に記憶されたプロファイルYWを参照し、YCbCr画
像データH3の表色値に対応するwRGB色空間の表色
値を求める(ステップS530)。このYCbCr表色
値に対応するwRGB表色値を求める処理は、色空間変
換部68内のY−w演算部69が、プロファイルYWと
してのYCbCr表色値からwRGB表色値への変換式
に画像データH3のYCbCr表色値を代入して演算す
ることにより実現される。このL−w演算部69が行な
う処理の詳細については後述する。
【0079】色空間変換部68は、Y−w演算部69の
演算結果に基づいてYCbCr画像データH3をwRG
B画像データH4に変換し(ステップS540)、wR
GB画像データH4を色分解部56に送る。特許請求の
範囲にいう第二画像データは、第1実施例ではwRGB
画像データH4に相当する。色分解部56は、受け取っ
たwRGB画像データH4を色分解してCMYK色空間
によって表現されたCMYK画像データH5に変換し、
このCMYK画像データH5を出力部58が出力する。
これにより、対象物Hの画像が印刷された状態の用紙P
がプリンタ40の外部に排出される。
【0080】以上、画像データ変換システムMAにおい
て行なわれる処理を全体的に説明した。次に、上記の処
理のうち、プリンタ40側で行なわれるプロファイルY
Wの作成処理(図3のステップS200〜S290)、
作成されたプロファイルYWに基づくYCbCrからw
RGBへの色空間の変換処理(図4のステップS500
〜S560)の内容につき、以下により具体的に説明す
る。
【0081】まず、プリンタ40側で行なわれるプロフ
ァイルYWの作成処理について説明する。上述したよう
に、プリンタ40に対して所定の印刷指示がなされると
基準画像Eが出力ないし印刷されるが、第1実施例で
は、基準画像Eとして、複数の色のカラーパッチを縦横
に配列することにより構成されたカラーチャートEPを
採用し、このカラーチャートEPの画像を用紙P上に出
力することとしている。こうしたカラーチャートEPの
構造を図5に示す。図5に示すように、カラーチャート
EPは、横長矩形の輪郭を有し、この輪郭内に240個
(縦12個×横20個)のカラーパッチを備える。
【0082】図5に示すカラーチャートEPは、互いに
異なる色を有する240色のカラーパッチから構成され
ている。各カラーパッチの色に関しては、後述するよう
に、各カラーパッチの色をL*a*b*色空間によって表
現したときの色彩値(以下、基準色彩値という)が、後
述する基準テーブルBTに基準色彩値情報LQとして記
憶されている。
【0083】カラーチャートEPにおけるカラーパッチ
の配列は、各カラーパッチの画素ごとの色彩値の情報を
カラーチャートEPの走査方向順に並べることにより特
定することができる。こうした配列の特定に関し、第1
実施例では、図5に示すように、カラーパッチの配列に
関する情報(以下、配列情報FLという)をカラーチャ
ートEP内の行位置および桁位置の組み合わせによって
定義している。即ち、カラーチャートEPには、第a行
〜第l行(計12行)の各行に20桁分のカラーパッチ
が配置されるものとし、1行目の1桁目に位置するカラ
ーパッチの配列情報FLを「a1」と表わし、12行目
の20桁目に位置するカラーパッチの配列情報FLを
「l20」と表わしている。
【0084】図5に黒色で塗りつぶされた三角形で示す
ように、配列情報FLが「a1」,「a20」のカラー
パッチの近傍には、それぞれ黒色の識別マークZ1,黒
色の識別マークZ2が配置されている。識別マークZ1
および識別マークZ2は、共にカラーチャートEPの輪
郭よりも外側の領域に配置されている。このうち識別マ
ークZ1は、図5に示すように、1−1輪郭軌跡線より
も上側(図5に示すY方向側)かつ3−3輪郭軌跡線よ
りも左側(図5に示す−X方向側)の領域に配置されて
いる。また、識別マークZ2は、1−1輪郭軌跡線より
も上側(図5に示すY方向側)かつ4−4輪郭軌跡線よ
りも右側(図5に示すX方向側)の領域に配置されてい
る。
【0085】また、図5に斜線ハッチングで塗りつぶさ
れた三角形で示すように、配列情報FLが「l1」,
「l20」のカラーパッチの近傍には、それぞれ赤色の
識別マークZ3,赤色の識別マークZ4が配置されてい
る。識別マークZ3および識別マークZ4は、共にカラ
ーチャートEPの輪郭よりも外側の領域に配置されてい
る。このうち識別マークZ3は、図5に示すように、2
−2輪郭軌跡線よりも下側(図5に示す−Y方向側)か
つ4−4輪郭軌跡線よりも右側(図5に示すX方向側)
の領域に配置されている。また、識別マークZ4は、2
−2輪郭軌跡線よりも下側(図5に示す−Y方向側)か
つ3−3輪郭軌跡線よりも左側(図5に示す−X方向
側)の領域に配置されている。これら4個の識別マーク
Z1〜Z4は、後述するようにプリンタ40により判読
されることによりカラーチャートEPの天地左右を識別
する情報(以下、識別情報SBという)として機能す
る。
【0086】カラーチャートEPにおける各カラーパッ
チの色彩値に応じた配置関係を図6に示す。カラーチャ
ートEPにおいては、同程度の明度を有するカラーパッ
チが一の領域にまとめて配置されている。即ち、図6
(A)に丸囲みの数字で示すように、カラーチャートE
P左下隅の領域内には、基準色彩値のL*(明度)の
値が「10前後」であるカラーパッチがまとめて配置さ
れている。同様に、領域の右隣の領域,領域の右
隣の領域には、それぞれL*の値が「20前後」,
「30前後」であるカラーパッチがまとめて配置されて
いる。また、領域,領域,領域の直ぐ上に位置す
る領域,領域,領域には、それぞれL*の値が
「40前後」,「50前後」,「60前後」であるカラ
ーパッチがまとめて配置されている。更に、領域,領
域,領域の直ぐ上に位置する領域,領域,領域
には、それぞれL*の値が「70前後」,「80前
後」,「90前後」であるカラーパッチがまとめて配置
されている。このように、カラーチャートEPは、明度
の値の大きさに応じて領域から領域までの9つの領
域に区分されている。
【0087】また、カラーチャートEPでは、プリンタ
40の色空間であるwRGB色空間内に属する色を広範
囲に亘って抽出し、各カラーパッチの色としている。例
えば、図6(B)のxy色度図において右上がりの斜線
で示した範囲Dは、wRGB色空間において彩度の高い
色が属する範囲を示しており、この範囲DにはsRGB
色空間外の色が含まれている。カラーチャートEPは、
こうした範囲Dに属する色を有するカラーパッチを領域
に備える。
【0088】各カラーパッチの基準色彩値情報LQは、
配列情報FLとともに、基準画像データE0として記憶
部51の基準テーブルBTに予め記憶されている。基準
画像データE0が記憶された状態の基準テーブルBTを
図7に示す。図7に示すように、基準テーブルBTに
は、「a1」〜「l20」までの配列情報FLと、各配
列情報FLに対応する基準色彩値情報LQが記憶されて
いる。
【0089】基準色彩値情報LQはL*a*b*色空間に
よって表現された色彩値の形式で表わされる。例えば、
図7に示すように、配列情報FLが「a1」のカラーパ
ッチには、(L*,a*,b*)=(m0,n0,o0)
という基準色彩値情報LQが付与されている。この基準
色彩値情報LQは、L*(明度),a*(赤⇔緑方向の色
度),b*(黄⇔青方向の色度)の各値がそれぞれm
0,n0,o0であるという内容を表わしている。な
お、基準テーブルBTにおいては、L*,a*,b*の値
を「m+数字」,「n+数字」,「o+数字」という形
式で表わしているが、「m」の後の数字は0(ゼロ)か
ら100までの値を採り得る。また、「n」や「o」の
後の数字は、可視領域に属する色の色度の数に対応した
値を採ることができる。
【0090】また、図7に示すように、基準テーブルB
Tには、基準色彩値情報LQの内容に対応するwRGB
表色値情報WQが記憶されている。このwRGB表色値
情報WQは、L*a*b*色空間によって表現された基準
色彩値をプリンタ40の色空間であるwRGB色空間に
よって表現したときの表色値の情報である。例えば、図
7に示すように、配列情報FLが「a1」のカラーパッ
チには、基準色彩値(m0,n0,o0)に対応するw
RGB表色値の情報として、(wR,wG,wB)=
(p0,q0,r0)というwRGB表色値情報WQが
付与されている。このwRGB表色値情報WQは、wR
(wRGB色空間における赤),wG(wRGB色空間
における緑),wB(wRGB色空間における青)の各
値がそれぞれp0,q0,r0であるという内容を表わ
している。なお、基準テーブルBTにおいては、wR,
wG,wBの値を「p+数字」,「q+数字」,「r+
数字」という形式で表わしているが、「p」,「q」,
「r」の後の数字は、R,G,Bの各色の一般的な階調
数(各色256階調)に対応して、0(ゼロ)から25
5までの値を採り得る。
【0091】wRGB表色値情報WQである(wR,w
G,wB)の値は、基準画像Eとしてのカラーチャート
EPの出力指示に伴って実行される演算により求めら
れ、基準テーブルBTに書き込まれる。この演算は、前
述したwRGB基準画像データE1の変換処理(図3の
ステップS220)においてL−w演算部55が行な
う。具体的には、L−w演算部55は、指令部53から
基準画像Eのデータを形成する旨の指令を受け取ったと
き、色変換表記憶部67を参照してL*a*b*色空間か
らwRGB色空間への変換式を読み出す。この変換式
は、以下の式2のような内容を有する。
【0092】[式2] Fy=(L*+16)/116 Fy≧0.20456のとき、Y=Y0・Fy3 Fy<0.20456のとき、Y=(Y0/7.78
7)・(L*−16/116) Fx=(Fy+a*/500) Fx≧0.20456のとき、X=X0・Fx3 Fx<0.20456のとき、X=(X0/7.78
7)・(Fy+a*/500−16/116) Fz=(Fy−b*/200) Fz≧0.20456のとき、Z=Z0・Fx3 Fz<0.20456のとき、Z=(Z0/7.78
7)・(Fy−b*/200−16/116) ただし、X0,Y0,Z0は、白色点での三刺激値 (R/255)γ=m11・X+m12・Y+m13・
Z (G/255)γ=m21・X+m22・Y+m23・
Z (B/255)γ=m31・X+m32・Y+m33・
Z ただし、m11〜m33は、XYZ→RGB色空間変換
マトリクス
【0093】続いて、L−w演算部55は、基準テーブ
ルBTを参照して基準色彩値情報LQを読み出し、各配
列情報FLごとの基準色彩値(L*,a*,b*)の値を
上記の式2に代入して演算結果を算出する。こうした演
算により、カラーチャートEP上の240色全てのカラ
ーパッチについて、(L*,a*,b*)の値に対応する
(wR,wG,wB)の値を求めることができる。
【0094】このように求められたwRGB表色値情報
WQに基づいてカラーチャートEPが印刷される。即
ち、各カラーパッチについての(wR,wG,wB)の
値をCMYKカラーに分解することによりwRGB基準
画像データE1をCMYK基準画像データE2に変換し
た後、このCMYK基準画像データE2を出力して用紙
P上にカラーチャートEPを印刷するのである(図3の
ステップS230、ステップS240を参照)。図3の
ステップS210〜S240の処理が制御機構50の各
機能部によって行なわれる様子をブロック図として図8
に示した。
【0095】用紙P上に印刷されたカラーチャートEP
は、既述したように、ディジタルスチルカメラ10によ
り撮影される。この撮影によりディジタルスチルカメラ
10内でsRGB基準画像データE3が生成され、メモ
リカードMCにYCbCr基準画像データE5が記録さ
れる。このメモリカードMC内のYCbCr基準画像デ
ータE5をプリンタ40が読み取ってプロファイルYW
を作成する処理(図3のステップS270、S280、
S290)の詳細につき、以下に説明する。
【0096】図9は、図3のステップS270における
対応関係決定処理の詳細を対応関係決定処理ルーチンと
して示すフローチャートである。本ルーチンは、メモリ
カードMC内のYCbCr基準画像データE5を関係決
定部64が受け取ったときに起動する。本ルーチンが起
動されると、まず、YCbCr基準画像データE5をイ
メージデータとしてバッファに展開し(ステップS60
0)、このイメージデータ上に四つの識別マークZ1〜
Z4が存在するか否かを判断する処理を行なう(ステッ
プS610)。四つの識別マークZ1〜Z4が全て存在
しないと判断した場合には、カラーチャートEPが全範
囲に亘って撮影されていないとみなし、この旨を表示ラ
ンプの点滅等により警告する処理(ステップS690)
を行ない、図3のステップS250の処理に戻る。
【0097】四つの識別マークZ1〜Z4が全て存在す
ると判断した場合には、各識別マークZ1〜Z4のYC
bCr色空間における表色値を読み取る処理を行なう
(ステップS620)。上記の表色値の読み取り処理
は、JPEG形式の画像データの解析プログラムを予め
ROM等に格納しておくことにより実現することができ
る。
【0098】次に、読み取られた各識別マークZ1〜Z
4の色彩値の違いに基づいてYCbCr基準画像データ
E5の天地左右を決定する処理を行なう(ステップS6
30)。具体的には、二つの黒色の識別マークZ1,Z
2の位置する方向がカラーチャートEPの上方向に相当
し、二つの赤色の識別マークZ3,Z4の位置する方向
がカラーチャートEPの下方向に相当する旨を決定す
る。
【0099】こうしてYCbCr基準画像データE5の
天地左右を決定した後、YCbCr基準画像データE5
中のカラーパッチに相当するデータについてYCbCr
色空間における表色値を読み取る処理を行なう(ステッ
プS640)。この読み取り処理は、イメージデータの
上から順に、左から右に向かって行なわれる。図5に示
したカラーチャートEPで言えば、配列情報FLが「a
1」,「a2」,…,「a20」,「b1」,…,「b
20」,…,「l1」,…,「l20」の順に、YCb
Cr表色値が読み取られる。
【0100】次に、YCbCr表色値を読み取り順に記
憶部51の対応テーブルCTに書き込む処理を行なう
(ステップS650)。YCbCr基準画像データE5
のYCbCr表色値が書き込まれた状態の対応テーブル
CTを図10に示す。図10に示すように、対応テーブ
ルCTには、カラーチャートEPの配列情報FL,YC
bCr表色値情報YQ,基準色彩値情報LQという3つ
の項目が設けられている。配列情報FLの項目に属する
各欄にはカラーチャートEPの配列情報FLに対応する
「a1」から「l20」までの記号が予め記入されてい
る。また、基準色彩値情報LQの項目に属する各欄には
配列情報FLの内容に応じた基準色彩値の値が予め記入
されている。読み取られたYCbCr表色値は、YCb
Cr表色値情報YQという項目に属する各欄に項目a1
から順に書き込まれる。
【0101】YCbCr色空間における表色値は、Y
(輝度),Cb(彩度),Cr(彩度)という三つの成
分の値の組み合わせによって特定される。例えば、図1
0に示すように、配列情報FL「a1」に対応するYC
bCr表色値情報YQの欄には、(Y,Cb,Cr)=
(s0,t10,u20)というYCbCr表色値が書
き込まれており、このYCbCr表色値は、Y(輝
度),Cb(彩度),Cr(彩度)の各値がそれぞれs
0,t10,u20であるという内容を表わしている。
なお、対応テーブルCTにおいては、Y,Cb,Crの
値を「s+数字」,「t+数字」,「u+数字」という
形式で表わしているが、「s」や「t」,「u」の後の
数字はYCbCr色空間内の任意の値を採り得る。
【0102】YCbCr基準画像データE5についてY
CbCr表色値の書き込みが完了することにより、対応
テーブルCTは、図10に示すようなYCbCr表色値
と基準色彩値との対応関係が記述された一覧表となる。
全てのカラーパッチに相当するデータについてYCbC
r表色値の書き込みが完了したと判断した場合には、書
き込みが完了した旨を色変換表作成部66に送り(ステ
ップS660,ステップS670)、本ルーチンを終了
する。以上説明した対応関係決定処理が制御機構50の
各機能部によって行なわれる様子をブロック図として図
11に示した。
【0103】対応関係決定処理が終了したときには、図
11に示すように、記憶部51に基準テーブルBTおよ
び対応テーブルCTという二つのテーブルが作成済みと
なる。この基準テーブルBTと対応テーブルCTの記憶
内容を併せることにより、両テーブルBT,CTに共通
のL*a*b*色彩値を介して、各カラーパッチのwRG
B表色値とYCbCr表色値との対応関係を取ることが
できる。例えば、配列情報FLが「a1」の(m0,n
0,o0)という基準色彩値を有するカラーパッチは、
プリンタ40により印刷される際に(p0,q0,r
0)というwRGB表色値となり(図7を参照)、この
wRGB表色値に基づいて印刷された用紙Pがディジタ
ルスチルカメラ10に撮影されることにより(s0,t
10,u20)というYCbCr表色値となる(図10
を参照)。従って、ディジタルスチルカメラ10による
被写体の撮影により、(s0,t10,u20)という
YCbCr表色値を有する画像データが生成された場合
には、この画像データを(p0,q10,r0)という
wRGB表色値に変換してプリンタ40で印刷すれば、
ディジタルスチルカメラ10が撮影時に取得した色と同
じ色で撮影画像を印刷することができる。
【0104】一方、カラーチャートEP上の240色以
外の色を有する被写体がディジタルスチルカメラ10に
より撮影された場合には、上記対応テーブルCTにはな
いYCbCr表色値を有する画像データが生成される。
第1実施例では、このような画像データについてもディ
ジタルスチルカメラ10が撮影時に取得した色と同じ色
で撮影画像を印刷することを可能とすべく、上記の対応
関係決定処理に続いて、以下に説明する回帰演算処理
(図3のステップS280)を行なう。
【0105】図12は、図3のステップS280におけ
る回帰演算処理の詳細を回帰演算処理処理ルーチンとし
て示すフローチャートである。本ルーチンは、対応関係
決定処理の終了後に起動する。本ルーチンが起動される
と、まず、対応テーブルCTを参照し、先頭の配列情報
FLを解析対象として設定する処理を行なう(ステップ
S700)。次に、解析対象として設定された配列情報
FLについて対応テーブルCTに記録されている基準色
彩値情報LQおよびYCbCr表色値情報YQを読み出
す処理を行なう(ステップS710)。以上の処理によ
り、図10に示した例で言えば、配列情報FL「a1」
が解析対象として設定され、配列情報FL「a1」に属
する(m0,n0,o0)というL*a*b*色彩値およ
び(s0,t10,u20)というYCbCr表色値が
読み出される。
【0106】次に、読み出した基準色彩値情報LQおよ
びYCbCr表色値情報YQを、以下三つの基礎演算式
JMに代入し(ステップS720)、代入後の各基礎演
算式JMを演算バッファに記憶する処理を行なう(ステ
ップS730)。 <基礎演算式JM> L*=(α1,α2,…α20)(1,Y,Cb,Cr,Y
2,Cb2,Cr2,Y*Cb,Y*Cr,Cb*Cr,
Y3,Cb3,Cr3,Y2*Cb,Y2*Cr,Y*Cb
2,Y*Cr2,Cb2*Cr,Cb*Cr2,Y*Cb*
Cr)t a*=(β1,β2,…β20)(1,Y,Cb,Cr,Y
2,Cb2,Cr2,Y*Cb,Y*Cr,Cb*Cr,
Y3,Cb3,Cr3,Y2*Cb,Y2*Cr,Y*Cb
2,Y*Cr2,Cb2*Cr,Cb*Cr2,Y*Cb*
Cr)t b*=(γ1,γ2,…γ20)(1,Y,Cb,Cr,Y
2,Cb2,Cr2,Y*Cb,Y*Cr,Cb*Cr,
Y3,Cb3,Cr3,Y2*Cb,Y2*Cr,Y*Cb
2,Y*Cr2,Cb2*Cr,Cb*Cr2,Y*Cb*
Cr)t 上記の基礎演算式JMは、色変換表作成部66内の記憶
領域に予め記憶されている。なお、上記の基礎演算式J
Mにおいて、α1,α2,…α20、β1,β2,…β20、γ
1,γ2,…γ20は未知の定数である。
【0107】次に、次の配列情報FLが存在するか否か
を判断する処理を行ない(ステップS740)、次の配
列情報FLが存在すると判断した場合には、次の配列情
報FLを解析対象として設定し(ステップS750)、
ステップS710に戻って上記の処理を繰り返す。以上
の処理により、図10に示した例で言えば、「a1」か
ら「l20」までの各配列情報FLごとのL*a*b*色
彩値およびYCbCr表色値を代入した基礎演算式JM
が、順次に演算バッファに記憶される。
【0108】ステップS740において、次の配列情報
FLが存在しないと判断した場合には、全ての配列情報
FLについて基準色彩値情報LQおよびYCbCr表色
値情報YQの基礎演算式JMへの代入処理が終了したと
みなし、演算バッファに記憶された全ての式を読み出し
て回帰演算を行なう(ステップS760)。具体的に
は、代入後の各式について最小二乗法の原理を適用する
ことにより、回帰係数である60個の未知の定数(α
1,α2,…α20、β1,β2,…β20、γ1,γ2,…γ2
0)の値を求める。
【0109】次に、求められた回帰係数を上記の基礎演
算式JMに代入する処理を行なった後(ステップS77
0)、回帰係数を代入した後の基礎演算式JMを式1と
して色変換表記憶部67に記憶する処理を行ない(ステ
ップS780)、本ルーチンを終了する。回帰係数が代
入された式1は、YCbCr表色値とL*a*b*色彩値
との間の変換式となる。従って、この変換式に任意のY
CbCr表色値(Y,Cb,Cr)を代入することによ
り、代入されたYCbCr表色値に対応するL*a*b*
色彩値(L*,a*,b*)を求めることが可能となる。
【0110】以上説明した回帰演算処理が制御機構50
の各機能部によって行なわれる様子をブロック図として
図13に示した。図13に示すように、回帰演算処理が
終了したときには、色変換表記憶部67に、YCbCr
表色値からL*a*b*色彩値への変換式である式1およ
びL*a*b*色空間からwRGB色空間への変換式であ
る式2の二つの式が記憶された状態となる。回帰演算処
理の後に行なわれるプロファイルの作成ないし記憶処理
(図3のステップS290)では、上記二つの式を合わ
せて「YCbCr表色値→L*a*b*色彩値→wRGB
色空間への変換式」とし、これをディジタルスチルカメ
ラ10用のプロファイルYWとして色変換表記憶部67
に保持する処理を行なう(図13を参照)。
【0111】以上、プリンタ40側で行なわれるプロフ
ァイルYWの作成処理について説明した。このようなプ
ロファイルYWの作成後に、プロファイルYWが作成さ
れたディジタルスチルカメラ10により対象物Hが撮影
され、この撮影画像をYCbCr画像データH3として
記録したメモリカードMCがプリンタ40のメモリカー
ドドライブ41に差し込まれると、プリンタ40は、受
け取ったYCbCr画像データH3の色空間をディジタ
ルスチルカメラ10用のプロファイルYWに基づいてY
CbCr色空間からwRGB色空間に変換し、撮影画像
の印刷を行なう(図4のステップS500〜S56
0)。
【0112】プロファイルYWに基づくYCbCr色空
間からwRGB色空間への変換処理(図4のステップS
530,S540の処理)が制御機構50の各機能部に
よって行なわれる様子をブロック図として図14に示し
た。図14に示すように、色空間変換部68内のY−w
演算部69は、表色値特定部65からYCbCr画像
データH3のYCbCr表色値を受け取ると、色変換
表記憶部67からプロファイルYW(式1および式2)
を読み出し、受け取ったYCbCr表色値を式1に代
入して演算を行なうことによりYCbCr表色値に対応
するL*a*b*色彩値を求めた後、このL*a*b*色彩値
を式2に代入して演算を行なうことによりL*a*b*色
彩値に対応するwRGB表色値を求める。色空間変換
部68は、こうして求められたwRGB表色値に基づい
てYCbCr画像データH3をwRGB画像データH4
に変換し、wRGB画像データH4を色分解部56に送
る。従って、YCbCr色空間によって表現された画像
データH3を迅速かつ正確にwRGB色空間に置き換え
ることができる。
【0113】なお、第1実施例の画像データ変換システ
ムMAは、ディジタルスチルカメラにより生成された画
像データを受け取ったときに、この画像データを生成し
たディジタルスチルカメラの機種名をプリンタ40側で
判別する判別手段を備える。この判別手段は、ディジタ
ルスチルカメラによって撮影がなされた際に、撮影に係
る画像データとともに撮影した機種名の情報(以下、機
種名情報という)をメモリカードMCに記録しておき、
このメモリカードMCからプリンタ40が機種名情報を
読み取ることにより実現される。この判別手段に関連す
る構成について、以下に説明する。
【0114】まず、ディジタルスチルカメラによって撮
影された画像データがメモリカードMCに記録される形
式について説明する。本実施例に係るディジタルスチル
カメラ10は、画像データと、画像データに関する付属
情報が記述される付属情報格納領域とを備える画像ファ
イルを生成し、生成した画像ファイルをメモリカードに
格納する。第1実施例の画像データ変換システムMAを
構成するディジタルスチルカメラによって生成される画
像ファイルの構造の一例について図15を参照して以下
説明する。
【0115】図15に示すように、画像ファイル800
は、JPEG形式の画像データを格納するJPEG画像
データ格納領域801と、JPEG形式の画像データに
関する付属情報(以下、付属情報AIという)を格納す
る付属情報格納領域802を備える。
【0116】付属情報格納領域802には、付属情報A
Iとして、JPEG画像データ格納領域801に格納さ
れた画像データの生成時(撮影時)における撮影条件が
撮影情報としてが格納されている。この撮影情報には、
撮影したディジタルスチルカメラの機種名情報や、撮影
日時、撮影時に基準とされた色空間に関する情報、撮影
時における露出に関する情報(例えば、シャッター速度
や絞り)等がある。図15に示す例では、機種名情報と
して「001」という機種名の情報が格納されている。
また、第1実施例におけるディジタルスチルカメラ10
では、撮影時に基準とされた色空間に関する情報として
「sRGB」という情報が付属情報AIとして格納され
る。
【0117】また、付属情報格納領域802には、他の
付属情報AIとして、JPEG画像データ格納領域80
1に格納されているJPEG形式の画像データのサムネ
イル画像データがJPEG形式にて格納されている。こ
れらの付属情報AIは画像データがメモリカードMCに
書き込まれる際に自動的に付属情報格納領域802に格
納される。
【0118】第1実施例では、付属情報格納領域802
に、プリンタ40における画像処理を制御する情報であ
る制御情報CIを格納することとしている。制御情報C
Iは、プリンタ40等の出力装置が有する画像出力特性
を考慮して、最適な画像出力結果を得ることができるよ
うに画像出力条件を指定する情報である。制御情報CI
として格納される情報は、出力装置における出力の基本
条件を指定する基本情報と、出力装置における出力画像
を特徴付けるための任意条件を指定する任意情報とを含
んでいる。基本情報には、例えば、ガンマ値、プリンタ
40側において選択可能な色空間に関する情報が含まれ
る。任意情報には、例えば、コントラスト、カラーバラ
ンス調整、シャープネス、色補正に関するパラメータが
含まれている。なお、前述したプロファイルYMを上記
基本情報として格納することも可能であるが、この点に
ついては後述する。
【0119】なお、ディジタルスチルカメラによって生
成される画像ファイルは、例えば、日本電子工業振興協
会(JEIDA)によって策定されたExifファイル
フォーマットに従ったファイル構造を有しても良い。E
xifファイルフォーマットに従う画像ファイルは、E
xifタグと呼ばれる定義済み格納領域を有し、上記撮
影情報は、Exifタグに記述される。Exifタグに
は、ディジタルスチルカメラの製造者に解放された未定
義領域であるMakernoteタグが用意されてお
り、制御情報CIは、このMakernoteタグに記
載されてもよい。
【0120】このような構造を有する画像ファイル80
0から機種名情報を読み取って行なわれるプリンタ40
側の処理につき、図16を参照しつつ説明する。図16
は、メモリカードMCに記録された画像ファイルの読み
取り指示がプリンタ40になされた後に、制御機構50
の各機能部によって行なわれる処理の内容をブロック図
として示す説明図である。
【0121】図16において、画像ファイル800aに
は、図5に示した用紙P上のカラーチャートEPをディ
ジタルスチルカメラ10Aによって撮影することにより
生成されたYCbCr基準画像データE5と、ディジタ
ルスチルカメラ10Aの機種名を表わす「001」とい
う付属情報AIが格納されている。また、画像ファイル
800bには、図5に示した用紙P上のカラーチャート
EPをディジタルスチルカメラ10Bによって撮影する
ことにより生成されたYCbCr基準画像データE5´
と、ディジタルスチルカメラ10Bの機種名を表わす
「002」という付属情報AIが格納されている。画像
ファイル800kには、対象物Hをディジタルスチルカ
メラ10Aによって撮影することにより生成されたYC
bCr画像データH3と、ディジタルスチルカメラ10
Aの機種名を表わす「001」という付属情報AIが格
納されている。
【0122】まず、ディジタルスチルカメラ10A用の
プロファイルYW1を作成する処理について説明する。
画像ファイル800aを記録したメモリカードMCがプ
リンタ40のメモリカードドライブ41に差し込まれ、
プリンタ40に対してプロファイルYWを作成する旨の
指示がなされると、データ受取部60は、画像ファイ
ル800aからYCbCr基準画像データE5と「00
1」という機種名情報を読み取り、関係決定部64に送
る。関係決定部64は、YCbCr基準画像データE
5を表色値特定部65に送った後、表色値特定部65か
らYCbCr基準画像データE5の表色値の情報を受け
取り、この表色値の情報を機種名情報とともに記憶部5
1の対応テーブルCTに書き込む。表色値特定部65
から対応テーブルCTに書き込み完了の旨を受け取った
色変換表作成部66は、対応テーブルCTに記録されて
いる「001」という機種名情報についての基準色彩値
情報LQおよびYCbCr表色値情報YQを参照し、
前述した回帰演算処理を行なってYCbCr表色値とL
*a*b*色彩値との間の変換式(式1)を作成する。
この後、色変換表作成部66は、作成された式1を「0
01」という機種名情報と関連付けた上で色変換表記憶
部67に記憶するとともに、式1とL*a*b*色空間か
らwRGB色空間への変換式(式2)を合わせたものを
ディジタルスチルカメラ10A用のプロファイルYW1
として保持する。
【0123】この後、画像ファイル800bを記録した
メモリカードMCがプリンタ40のメモリカードドライ
ブ41に差し込まれ、プリンタ40に対してプロファイ
ルYWを作成する旨の指示がなされると、データ受取
部60は、画像ファイル800bからYCbCr基準画
像データE5´と「002」という機種名情報を読み取
る。この後、画像ファイル800aのときと同様の手法
でYCbCr表色値とL*a*b*色彩値との間の変換式
が作成される。
【0124】なお、図16に示すように、表色値特定部
65によって特定されたYCbCr基準画像データE5
´のYCbCr表色値(s20,t80,u90)は、
YCbCr基準画像データE5のYCbCr表色値(s
10,t50,u40)と異なっている。従って、画像
ファイル800bについての回帰演算処理にて求められ
る回帰係数の値は、画像ファイル800aの場合とは異
なる値となる。この結果、画像ファイル800bについ
ては、画像ファイル800aの場合とは異なったYCb
Cr表色値とL*a*b*色彩値との間の変換式(式1
´)が作成される。この後、色変換表作成部66は、作
成された式1´を「002」という機種名情報と関連付
けた上で色変換表記憶部67に記憶するとともに、式1
´とL*a*b*色空間からwRGB色空間への変換式
(式2)を合わせたものをディジタルスチルカメラ10
B用のプロファイルYW2として保持する。
【0125】このように、画像データ変換システムMA
では、一のカラーチャートEPが複数の異なるディジタ
ルスチルカメラにより撮影された場合に、ディジタルス
チルカメラの機種ごとにプロファイルYWが作成され
る。また、作成されたプロファイルYWは機種名情報と
関連付けて記憶される。
【0126】二つのプロファイルYW1,YW2が記憶
された後、画像ファイル800kを記録したメモリカー
ドMCがプリンタ40のメモリカードドライブ41に差
し込まれ、プリンタ40に対して印刷を実行する旨の指
示がなされると、データ受取部60は、画像ファイル
800kからYCbCr画像データH3と「001」と
いう機種名情報を読み取り、表色値特定部65に送る。
表色値特定部65は、YCbCr画像データH3の表色
値を特定し、この表色値の情報を機種名情報とともに色
空間変換部68内のY−w演算部69に送る。Y−w演
算部69は、色変換表記憶部67から「001」とい
う機種名情報に対応するプロファイルYW1(式1およ
び式2)を読み出し、この式1および式2に受け取っ
たYCbCr表色値を適用して演算を行なうことにより
YCbCr表色値に対応するwRGB表色値を求める。
色空間変換部68は、こうして求められたwRGB表
色値に基づいてYCbCr画像データH3をプリンタ4
0の基準色空間で表現されたwRGB画像データH4に
変換し、このwRGB画像データH4を色分解部56に
送る。
【0127】このように、第1実施例の画像データ変換
システムMAによれば、ディジタルスチルカメラにより
撮影された画像をプリンタによって印刷する際に、プリ
ンタ40、受け取った画像ファイルからディジタルスチ
ルカメラの機種名を判別し、機種名に応じたプロファイ
ルを読み出して、画像ファイル内のYCbCr画像デー
タをwRGB画像データに変換することができる。
【0128】画像データ変換システムMAを適用した場
合における、ディジタルスチルカメラ10によって取得
された画像の色とプリンタ40によって印刷される色と
の関係を図17に示す。図17に示すように、ディジタ
ルスチルカメラ10による撮影によって生成されたYC
bCr画像データH3の表色値がYCbCrカラースペ
ースにおける座標点v1上の値(橙色寄りの赤色を表わ
す値)であった場合に、このYCbCr画像データH3
を受け取ったプリンタ40側でのプロファイルYMを用
いた色空間変換により、YCbCr画像データH3の表
色値はxy色度図上における座標点w1上の値(橙色寄
りの赤色を表わす値)に対応付けられる。従って、プリ
ンタ40においては、撮影時に取得された色と同じ色彩
値を有するwRGB画像データH4に基づいて画像の印
刷が行なわれる。
【0129】以上説明した第1実施例の画像データ変換
システムMAでは、wRGB色空間を基準色空間とする
プリンタ40により基準画像Eとしてのカラーチャート
EPを用紙P上に印刷し、この用紙P上に印刷されたカ
ラーチャートEPをYCbCr色空間を基準色空間とす
るディジタルスチルカメラ10が取得する。続いて、こ
の取得により生成されたYCbCr基準画像データE5
を受け取ったプリンタ40は、YCbCr基準画像デー
タE5の表色値とカラーチャートEPをL*a*b*色空
間によって表現した基準画像データE0の基準色彩値と
の対応関係を決定するとともに、該決定の結果に基づい
てYCbCr色空間からwRGB色空間への色変換表で
あるプロファイルYWを作成する。以降、このプロファ
イルYWを参照して、YCbCr色空間によって表現さ
れたYCbCr画像データH3がwRGB色空間によっ
て表現されたwRGB画像データH4に変換される。従
って、ディジタルスチルカメラ10により画像が取得さ
れた対象物Hの色のプリンタ40における忠実な再現
を、簡単な手法で実現することができる。
【0130】例えば、使用者は、ディジタルスチルカメ
ラ10により撮影された対象物Hの画像をプリンタ40
で印刷する際に、ディジタルスチルカメラ10とプリン
タ40の間の色空間や色再現特性の相違に対処して細か
な調整や色変更処理を行なう必要がなく、かつ、このよ
うな調整や色変更処理を行なわなくても、撮影時におけ
る画像色が忠実に再現された画像を用紙P上に得ること
ができる。
【0131】また、第1実施例の画像データ変換システ
ムMAでは、プロファイルYWの作成処理や記憶処理を
行なう各機能部(関係決定部64,表色値特定部65,
色変換表作成部66,記憶部51,色変換表記憶部6
7,色空間変換部68のL−w演算部55)をプリンタ
40内に備える。従って、ディジタルスチルカメラ10
とプリンタ40との間に他の制御装置を媒介することな
く、プリンタ40内でプロファイルYWを作成すること
ができる。
【0132】第1実施例におけるプリンタ40は、YC
bCr基準画像データE5が記録されたメモリカードM
Cを直接に受け取ってプロファイルYWを作成する。従
って、ディジタルスチルカメラ10とプリンタ40との
間に介装されたパーソナルコンピュータ等の制御装置に
よってプロファイルYWを作成する場合と比べて、プロ
ファイルYWの作成に当たりディスプレイ上の画面を見
ながらキーボードやマウス等を操作する必要がなく、使
用者の使い勝手が大きく簡便化される。
【0133】第1実施例の画像データ変換システムMA
では、複数のカラーパッチを含むカラーチャートEPの
撮影により生成されたYCbCr基準画像データE5を
受け取ったプリンタ40は、カラーパッチ近傍に位置す
る識別マークZ1〜Z4の色彩値の違いに基づいてYC
bCr基準画像データE5の天地左右を識別することに
より各カラーパッチの位置関係を判定し、こうした位置
関係の判定後にプロファイルYWを作成する。従って、
YCbCr基準画像データE5の表色値と基準画像デー
タE0の基準色彩値との対応関係を正確に決定すること
が可能となり、信頼性の高いプロファイルYWを得るこ
とができる。
【0134】また、第1実施例の画像データ変換システ
ムMAでは、YCbCr基準画像データE5を含む画像
ファイルを受け取ったプリンタ40が、画像ファイルの
付属情報AIを読み取って、当該YCbCr基準画像デ
ータE5を生成したディジタルスチルカメラの機種名を
特定するとともに、YCbCr基準画像データE5に基
づいて作成されたプロファイルYWを、ディジタルスチ
ルカメラの機種名と対応付けて記憶する。この後、YC
bCr画像データH3を含む画像ファイルを受け取った
プリンタ40は、画像ファイルの付属情報AIを読み取
って当該YCbCr画像データH3を生成したディジタ
ルスチルカメラの機種名を特定し、この特定された機種
名に対応したプロファイルYWを読み出して、YCbC
r画像データH3をwRGB画像データH4に変換す
る。従って、画像ファイルをプリンタ40に与えるだけ
で、ディジタルスチルカメラの種類に応じた色空間の変
換を円滑に行なうことができる。
【0135】加えて、複数種類のディジタルスチルカメ
ラにつき、ディジタルスチルカメラの種類ごとにプロフ
ァイルYWが記憶されることで、ディジタルスチルカメ
ラの種類に拘らず、取得された画像色の忠実な再現を行
なうことができる。例えば、ガンマ特性が異なる二種類
のディジタルスチルカメラについて、それぞれプロファ
イルを作成し一のプリンタ40内に記憶しておく。この
後、各ディジタルスチルカメラによって同一の対象物H
についての画像が取得され、これらの画像データがプリ
ンタ40によりwRGB色空間に変換される際には、上
記ディジタルスチルカメラの種類に対応する各プロファ
イルが参照される。従って、各ディジタルスチルカメラ
により取得された二種類の画像を一のプリンタ40にお
いて同じ色で再現することができる。
【0136】第1実施例の画像データ変換システムMA
では、色変換表としてのプロファイルYWを演算式(式
1,式2)の形式で作成しておき、読み取ったYCbC
r画像データH3の表色値をY−w演算部69が前記演
算式に代入して演算を行なうことにより、当該YCbC
r画像データH3がwRGB色空間に変換されたときの
表色値を求める。従って、プリンタ40は、YCbCr
色空間からwRGB色空間に変換されたときの表色値
を、受け取ったYCbCr画像データH3についてのみ
一時的に保持すればよく、YCbCr色空間によって表
現可能な全ての色について予め保持しておく必要がな
い。しかも、恒久的に保持する情報は式1および式2か
らなる演算式のみでよく、YCbCr色空間によって表
現可能な多数の色についてのYCbCr表色値とwRG
B表色値との対応関係を表わした一覧表(ルックアップ
テーブル)を恒久的に保持しておく必要がない。従っ
て、保持すべき情報量を大きく削減しつつ、YCbCr
表色値とwRGB表色値との正確な対応付けを確保する
ことができる。
【0137】また、第1実施例の画像データ変換システ
ムMAでは、sRGB色空間よりも広い色再現領域を有
するYCbCr色空間からsRGB色空間よりも広い色
再現領域を有するwRGB色空間への画像データの変換
を行なう。従って、従来の変換手法によっては出力する
ことができなかったsRGB色空間に属さない色をプリ
ンタ40において出力することが可能となり、プリンタ
40における色再現領域の拡大を実現することができ
る。
【0138】即ち、ディジタルスチルカメラの種類によ
っては、画像の取得の際にsRGB色空間よりも広い色
再現領域を有する色空間で画像データを生成し、この画
像データをYCbCr色空間に変換することで、sRG
B色空間よりも広い色再現領域(図17に右下がりの斜
線で示した領域)を有する画像データをメモリカードM
Cに保持するタイプのものがある。このようなタイプの
ディジタルスチルカメラの場合には、YCbCr色空間
からwRGB色空間への画像データの変換を行なうこと
で、ディジタルスチルカメラが撮影時に取得した広範囲
の色を有効に利用し、プリンタ40において再現するこ
とができる。
【0139】例えば、図17に示すように、ディジタル
スチルカメラ10による撮影によって生成されたYCb
Cr画像データH3の表色値が、YCbCrカラースペ
ース内であってsRGB色空間外の領域に属する座標点
v2上の値(鮮やかな青色を表わす値)であった場合
に、このYCbCr画像データH3を受け取ったプリン
タ40側でのプロファイルYMを用いた色空間変換によ
り、YCbCr画像データH3の表色値は、xy色度図
上においてwRGB色空間内であってsRGB色空間外
の領域に属する座標点w3上の値(鮮やかな青色を表わ
す値)に対応付けられる。このように、画像データ変換
システムMAによれば、ディジタルスチルカメラ10に
よりsRGB色空間では表現できない色が取得された場
合に、この色をプリンタ40によって用紙P上に表現す
ることができる。
【0140】B.第2実施例 図18は本発明の第2実施例である画像データ変換シス
テムMBの概要を示す説明図である。画像データ変換シ
ステムMBは、画像データ変換システムMAと同様に、
一の色空間によって表現された画像データを一の色空間
とは異なる色空間によって表現された画像データに変換
するシステムである。
【0141】図18に示すように、画像データ変換シス
テムMBは、第1実施例と同様に、ディジタルスチルカ
メラ110とプリンタ140との間のプロファイルYW
を作成するプロファイル作成モジュールMB1と、ディ
ジタルスチルカメラ110によって生成されたYCbC
r画像データH3をプロファイルYWを利用してwRG
B画像データH4に変換し、印刷を行なう画像印刷モジ
ュールMB2という二つのモジュールとから構成されて
いる。図18では、プロファイル作成モジュールMB1
において各装置の機能部が実行する処理の流れを黒色の
細い矢印で示し、プロファイル作成モジュールMB1に
おいて各装置の機能部が実行する処理の流れを黒色の太
い矢印で示している。
【0142】画像データ変換システムMBは、プロファ
イルYWを作成する各機能部をプリンタ40とは別の装
置である画像データ変換装置に設ける点で、第1実施例
の画像データ変換システムMAと異なる。第2実施例で
は、この画像データ変換装置をパーソナルコンピュータ
90として構成する。即ち、図18に示すように、パー
ソナルコンピュータ90は、メモリカードMCの記録内
容を読み取るメモリカードドライブ91を備える。この
パーソナルコンピュータ90の出力ポートはケーブルC
Vを介してプリンタ140の入力ポートに接続されてい
る。
【0143】図18に示すように、パーソナルコンピュ
ータ90は、CPUやROM,RAM等の制御部品によ
って構成された記憶装置90Aおよび色変換処理装置9
0Bを備える。記憶装置90Aは第1実施例における制
御機構50の記憶部51と同様の機能を有する。また、
色変換処理装置90Bは、第1実施例における制御機構
50のデータ受取部60,指令部53,L−w演算部5
5およびY−w演算部69を備えた色空間変換部68,
関係決定部64,表色値特定部65,色変換表作成部6
6,色変換表記憶部67と同様の機能を実行する。
【0144】また、プリンタ140には、色変換処理装
置90Bによって変換された画像データを入力するデー
タ入力部180と、第1実施例と同様の色分解部15
6,出力部158が設けられている。
【0145】図18に示すように、パーソナルコンピュ
ータ90,プリンタ140は、それぞれwRGB色空
間,CMYK色空間(図示せず)を基準とする。また、
ディジタルスチルカメラ110は、第1実施例と同様
に、sRGB色空間およびYCbCr色空間を基準とし
ている。
【0146】このように構成された画像データ変換シス
テムMBでは、プロファイル作成モジュールMA1にお
いて以下のようにプロファイルが作成される。即ち、使
用者による所定の操作により基準画像Eの出力指示を受
けたパーソナルコンピュータ90は、基準画像Eのデー
タを形成する指令を色変換処理装置90Bに送る。指令
を受けた色変換処理装置90Bは、まず、記憶装置90
AからL*a*b*色空間によって表現された基準画像デ
ータE0を読み出し、この基準画像データE0をwRG
B色空間によって表現されたwRGB基準画像データE
1に変換し、wRGB基準画像データE1をプリンタ1
40のデータ入力部180に送る。データ入力部180
はwRGB基準画像データE1を色分解部156に送
る。色分解部156は、受け取ったwRGB基準画像デ
ータE1を色分解してCMYK基準画像データE2に変
換し、このCMYK基準画像データE2を出力部158
が出力する。これにより、基準画像Eが印刷された状態
の用紙Pがプリンタ140の外部に排出される。
【0147】用紙P上の基準画像Eがディジタルスチル
カメラ110により撮影されることによって生成された
sRGB基準画像データE3は、色変換部124により
YCbCr基準画像データE4に変換された後、圧縮部
126によりYCbCr基準画像データE5に変換され
る。圧縮されたYCbCr基準画像データE5はメモリ
カードMCに記録される。
【0148】この後、YCbCr基準画像データE5を
記録したメモリカードMCがパーソナルコンピュータ9
0のメモリカードドライブ91に差し込まれ、パーソナ
ルコンピュータ90に対してプロファイルを作成する旨
の所定の指示がなされると、色変換処理装置90Bは、
まず、メモリカードMCの記録内容を読み出し、YCb
Cr基準画像データE5の表色値を特定する。次に、色
変換処理装置90Bは、YCbCr基準画像データE5
の表色値とL*a*b*色空間によって表現された基準画
像データE0の基準色彩値との対応関係を決定し、YC
bCr基準画像データE5の表色値を基準色彩値と対応
付けながら記憶装置90Aに一時的に記憶する。次に、
色変換処理装置90Bは、第1実施例と同様に、YCb
Cr基準画像データE5の表色値と基準色彩値との対応
関係に基づいて回帰演算処理を行なってYCbCr色空
間からwRGB色空間への色変換表であるプロファイル
YW(式1および式2)を作成し、作成したプロファイ
ルYWを色変換処理装置90B内に記憶する。
【0149】画像印刷モジュールMB2では、このよう
に作成されたプロファイルに基づいて以下のように画像
データの出力ないし画像の印刷が行なわれる。即ち、プ
ロファイルYWが作成されたディジタルスチルカメラ1
0により被写体としての対象物Hが撮影され、この撮影
の結果生成されたsRGB画像データH1は、色変換部
124によりYCbCr画像データH2に変換された
後、圧縮部126によりYCbCr画像データH3に変
換される。圧縮されたYCbCr画像データH3はメモ
リカードMCに記録される。
【0150】この後、YCbCr画像データH3を記録
したメモリカードMCがパーソナルコンピュータ90の
メモリカードドライブ91に差し込まれ、パーソナルコ
ンピュータ90に対してプリンタ40による印刷を実行
する旨の所定の指示がなされると、色変換処理装置90
Bは、まず、メモリカードMCの記録内容を読み出し、
YCbCr画像データH3の表色値を特定する。次に、
色変換処理装置90Bは、YCbCr画像データH3の
表色値をプロファイルYWを構成する式1および式2に
代入して演算を行なうことによりYCbCr画像データ
H3をwRGB画像データH4に変換し、wRGB画像
データH4をプリンタ140のデータ入力部180に送
る。データ入力部180はwRGB画像データH4を色
分解部156に送る。色分解部156は、受け取ったw
RGB画像データH4を色分解してCMYK画像データ
H5に変換し、このCMYK画像データH5を出力部1
58が出力する。これにより、対象物Hの画像が印刷さ
れた状態の用紙Pがプリンタ140の外部に排出され
る。
【0151】このような第2実施例の画像データ変換シ
ステムMBにおいても、第1実施例と同様の効果を得る
ことができる。
【0152】なお、第2実施例において、プリンタ14
0が記憶装置90A,色変換処理装置90Bのうちの少
なくとも一方を備える構成としてもよい。また、ディジ
タルスチルカメラ110が記憶装置90A,色変換処理
装置90Bのうちの少なくとも一方を備える構成とする
ことも可能である。ディジタルスチルカメラ110に色
変換処理装置90Bを設けた場合には、ディジタルスチ
ルカメラ110がプロファイルYWを参照することによ
りYCbCr画像データH3をwRGB画像データH4
に変換し、このwRGB画像データH4をパーソナルコ
ンピュータ90やプリンタ140に印刷可能に送出する
ことができる。
【0153】第2実施例では、作成されたプロファイル
YWをパーソナルコンピュータ90側に記憶する構成と
したが、第2実施例における色変換処理装置90Bに替
えて、作成したプロファイルYWをプリンタ140に送
出する色変換表作成装置90Cを設け、この色変換表作
成装置90Cから送出されたプロファイルYWをプリン
タ140側に記憶する構成としてもよい。この構成にお
いて、YCbCr画像データH3の表色値を特定する表
色値特定部65およびY−w演算部69をプリンタ14
0に設ければ、YCbCr画像データH3を受け取った
プリンタ140がプロファイルYWを参照することによ
りwRGB画像データH4に変換し、このwRGB画像
データH4に基づいて対象物Hの画像を出力することが
できる。
【0154】また、作成したプロファイルYWをプリン
タ140に送出する色変換表作成装置90Cをディジタ
ルスチルカメラ110に設け、この色変換表作成装置9
0Cから送出されたプロファイルYWをディジタルスチ
ルカメラ110,パーソナルコンピュータ90またはプ
リンタ140に記憶しておき、プロファイルYWを適宜
用いる構成としてもよい。
【0155】更に、第2実施例において、パーソナルコ
ンピュータ90にCRTモニタ95を接続し、パーソナ
ルコンピュータ90がディジタルスチルカメラ110か
ら受け取ったYCbCr画像データH3を、プリンタ用
にwRGB画像データH4に変換するとともに、CRT
モニタ95用にsRGB色空間によって表現されたsR
GB画像データH6に変換する構成としてもよい。こう
すれば、ディジタルスチルカメラ110による撮影によ
り取得された画像を、印刷用,表示用のように多目的に
利用することができる。また、sRGB画像データH6
をプリンタ140にも入力可能に構成し、sRGB画像
データH6に基づいた印刷を可能とすれば、プロファイ
ルYWが未作成のディジタルスチルカメラ110からY
CbCr画像データH3を受け取った場合にも相当程度
の印刷品質を確保することができる。
【0156】C.応用例 第1実施例では、プリンタ40によってプロファイルY
W(色変換情報)を作成し、作成したプロファイルYW
をプリンタ40内の色変換表記憶部67に記憶する構成
としたが、プロファイルYWの少なくとも一部をディジ
タルスチルカメラ10にて作成し、作成したプロファイ
ルYWを画像ファイル800の付属情報格納領域802
に制御情報CIとして格納する構成としてもよい。ある
いは、作成したプロファイルYWと画像データとを関連
付けて出力するようにしても良い。具体的には、プロフ
ァイルYWを構成する要素のうち、YCbCr表色値か
らL*a*b*色彩値への変換式(式1)を制御情報CI
として格納する構成や、YCbCr表色値からL*a*b
*色彩値への変換式の回帰係数を制御情報CIとして格
納する構成などを考えることができる。この場合、プロ
ファイルYWを構成するL*a*b*→wRGBへの変換
式(式2)はプリンタ40内に記憶される。
【0157】なお、プロファイルYWの少なくとも一部
を画像ファイル800に格納する手法としては、ディジ
タルスチルカメラ10でカラーチャートEPを撮影し、
第1の実施例ではプリンタ40によって実行されていた
プロファイルYWの作成をディジタルスチルカメラ10
にて実行し、プロファイルYWを作成した後に、以下の
「プロファイル記録プログラム」が記憶された素子をデ
ィジタルスチルカメラ10の制御機構20内に設ける手
法を考えることができる。「プロファイル記録プログラ
ム」とは、撮影により生成された画像データをメモリカ
ードMCに記録するに当たり、該画像データとともにプ
ロファイルYWのうちの式1や回帰係数を画像ファイル
化して記録するプログラムである。
【0158】こうすれば、プリンタ40は、ディジタル
スチルカメラから印刷用の画像ファイル800を受け取
ったとき、この画像ファイル800から、YCbCr画
像データと共に、YCbCr画像データの表色値をL*
a*b*色彩値に変換するための色変換情報(制御情報C
I)、すなわち、例えば、式1そのものや式1の回帰係
数を得ることができる。従って、ディジタルスチルカメ
ラによる撮影画像をプリンタ40で印刷するに当たり、
プリンタ40側でディジタルスチルカメラの機種を特定
する必要がなく、プリンタ40における処理を簡略化す
ることができる。また、画像データと制御情報CIとは
同一の画像ファイル、あるいは、画像データと制御情報
CIとは関連付けられているので、プリンタ40におい
て画像処理(色変換処理)を実行する際に、制御情報C
I(色変換情報)を指定したり、検索したりする必要な
く、画像データを忠実に再現するための色変換を容易に
実行することができる。
【0159】なお、上記したプロファイルYWを画像フ
ァイル800に格納する構成は、色変換表としてのプロ
ファイルを構成する内容のうちの少なくとも一部をプリ
ンタ40以外の他の装置に与える構成内容付与手段の一
例であり、色変換表を構成する内容をディジタルスチル
カメラ10以外の装置に与えても差し支えない。このよ
うな装置としては、当該プリンタ40以外の他のプリン
タやモニタ、携帯電話、パーソナルコンピュータ等のよ
うな、画像出力装置に接続可能に構成され、デジタル処
理を行なう各種の装置を考えることができる。これらの
装置に色変換表の内容を与えることにより、他の装置に
おいて色変換表の内容に基づいた種々の処理を実行する
ことができる。
【0160】上記実施例において、YCbCr画像デー
タH3を受け取ったプリンタ40やパーソナルコンピュ
ータ90が、このYCbCr画像データH3からカラー
チャートEPの取得条件を読み取り、この取得条件に応
じてプロファイルYWを作成する構成としても差し支え
ない。カラーチャートEPの取得条件としては、撮影時
(画像の取得時)における光量(露出)や光の性質、フ
ラッシュの有無等のような画像の取得環境に関する情報
を考えることができる。これらの情報は、画像ファイル
800の付属情報格納領域802に付属情報AIとして
記録しておくことにより、プリンタ40やパーソナルコ
ンピュータ90が読み取ることができる。こうすれば、
カラーチャートEPの取得条件の相違を考慮した色変換
表を作成することが可能となり、より精度の高いプロフ
ァイルYWを作成することができる。
【0161】また、プロファイル作成モジュールMA1
や画像印刷モジュールMA2において色空間変換部6
8,L−w演算部55,データ受取部60,関係決定部
64,表色値特定部65,色変換表作成部66,Y−w
演算部69が行なう処理の内容を、ROMやCD−RO
M等の記録媒体にコンピュータによる読み取りが可能な
形式で記録する構成としてもよい。このような記録媒体
によれば、記録媒体に記録された内容をコンピュータが
読み取ることにより、ディジタルスチルカメラ10とプ
リンタ40の間の色再現特性の相違に対応したプロファ
イルYWが作成され、以後、このプロファイルYWを参
照して、YCbCr色空間によって表現されたYCbC
r画像データH3がwRGB色空間によって表現された
wRGB画像データH4に変換される。従って、ディジ
タルスチルカメラ10により画像が取得された対象物H
の画像の色のプリンタ40における忠実な再現を、簡単
に実現することができる。
【0162】また、プロファイル作成モジュールMA1
において色空間変換部68,L−w演算部55,データ
受取部60,関係決定部64,表色値特定部65,色変
換表作成部66が行なう処理の内容を、ROMやCD−
ROM等の記録媒体にコンピュータによる読み取りが可
能に記録する構成とすることも可能である。このような
記録媒体によれば、YCbCr色空間によって表現され
たYCbCr画像データH3を正確にwRGB色空間に
置き換えることが可能となる。
【0163】なお、上記した記録媒体の構成に関して
は、色空間変換部68,L−w演算部55,データ受取
部60,関係決定部64,表色値特定部65,色変換表
作成部66,Y−w演算部69が行なう処理のうちの一
部を、ROMやCD−ROM等の記録媒体にコンピュー
タによる読み取りが可能に記録する構成としてもよい。
【0164】D.変形例 以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、
こうした実施例に限定されるものではなく、発明の要旨
を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施可能
である。
【0165】例えば、上記実施例では、ディジタルスチ
ルカメラ10,110とプリンタ40,140との間に
おける画像データ変換システムMA,MBについて説明
したが、ディジタルスチルカメラ10に替えて、基準と
なる色空間がプリンタ40,140等の画像出力装置と
異なる他の画像取得装置を適用することも可能である。
このような画像取得装置としては、ディジタルスチルカ
メラを備えたデジタル機器(例えば、デジタルカメラ付
きパソコンやデジタルカメラ付き携帯電話)やスキャ
ナ,ディジタルビデオカメラ等を考えることができる。
【0166】具体的には、スキャナでの読み取りによっ
て取得されたカラーチャートEPの画像やディジタルビ
デオカメラでの撮影により取得されたカラーチャートE
Pの動画のうちの一の静止画像を、プリンタ40やパー
ソナルコンピュータ90に入力し、スキャナやディジタ
ルビデオカメラとプリンタ40との間のプロファイルを
作成するように構成すればよい。こうしたスキャナやデ
ィジタルビデオカメラ等の画像取得装置が取得画像をメ
モリカードに記録可能なタイプである場合には、メモリ
カードをプリンタ40やパーソナルコンピュータ90に
差し込むことによりプロファイルYWが作成され、簡便
である。
【0167】また、ディジタルスチルカメラ10,スキ
ャナ,ディジタルビデオカメラという異なる種類の画像
取得装置ごとに作成された複数のプロファイルをプリン
タ40による読み取り可能に記憶することも、異なる画
像取得装置によって取得された一の画像を同じ色で印刷
することが可能となる点で好適である。
【0168】上記実施例において用いた色空間はあくま
でも例示であり、ディジタルスチルカメラ10等の画像
取得装置やプリンタ40等の画像出力装置において他の
色空間を用いても差し支えない。基準とされる色空間が
画像取得装置と画像出力装置との間で異なっており、画
像取得装置において生成された画像データが画像取得装
置の有する色空間を反映して生成されるものであれば、
本発明を適用することができる。
【0169】また、画像取得装置や画像出力装置におい
て、画像データの生成に基準とされる色空間を複数の色
空間の中から選択可能に構成してもよい。この場合であ
っても、基準とされる色空間が画像取得装置と画像出力
装置との間で異なっていれば、上記実施例の画像データ
変換システムMA,MBを適用して画像取得装置と画像
出力装置との間のプロファイルYWを作成することがで
きる。
【0170】複数の種類の画像取得装置がそれぞれ異な
った色空間を基準としている場合には、各画像取得装置
が画像データの形成に基準とされた色空間に関する情報
を画像データと関連付けて記録するとともに、この記録
内容を画像出力装置が認識するように構成してもよい。
画像データの形成に基準とされた色空間に関する情報
は、例えば、前述した画像ファイル800内に付属情報
AIとして格納しておくことができる。こうすれば、機
器非依存色の色空間(例えば、L*a*b*色空間やXY
Z色空間等)を介して各画像取得装置と画像出力装置と
の間におけるプロファイルを作成することができる。
【0171】例えば、sRGB色空間,YCbCr色空
間,NTSCのRGB色空間をそれぞれ基準とする三つ
の画像取得装置があり、画像出力装置がwRGB色空間
を基準とする場合には、sRGB表色値,YCbCr表
色値,NTSCのRGB表色値のそれぞれとL*a*b*
色彩値との対応関係に基づいて、sRGB色空間とwR
GB色空間との間の変換式,YCbCr色空間とwRG
B色空間との間の変換式,NTSCのRGBとwRGB
色空間との間の変換式を作成し、これら複数の変換式を
各画像取得装置により取得された画像の印刷に備えて保
持しておくことができる。
【0172】上記実施例の画像データ変換システムM
A,MBにおいて、プリンタ40に替えて、基準とされ
る色空間が画像取得装置と異なる他の画像出力装置を適
用することも可能である。このような他の画像出力装置
としては、各種のデジタル機器に表示用として設けられ
るモニタ等を考えることができる。
【0173】また、画像ファイルの形式は、上記実施例
で用いた画像ファイル800に限られるものではなく、
画像出力装置によって出力されるべき画像データと、該
画像データの形成に基準とされた色空間に関する情報と
が少なくとも含まれている画像ファイルであれば良い。
機種名情報が含まれる画像ファイルとすれば、なお好適
である。
【0174】上記実施例におけるプリンタ40ないしパ
ーソナルコンピュータ90はあくまで例示であり、その
構成は各実施例の記載内容に限定されるものではない。
プリンタ40ないしパーソナルコンピュータ90は、少
なくとも画像ファイル800の画像データおよび付属情
報AIを読み取り、この読み取り結果に基づいてプロフ
ァイルYWを作成できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である画像データ変換シス
テムMAの概要を示す説明図である。
【図2】画像データ変換システムMAにおけるプロファ
イル作成モジュールMA1の内容を示す説明図である。
【図3】プロファイル作成処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図4】画像忠実印刷処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図5】カラーチャートEPの構造を示す説明図であ
る。
【図6】カラーチャートEPにおける各カラーパッチの
色彩値に応じた配置関係を示す説明図である。
【図7】基準画像データE0が記憶された状態の基準テ
ーブルBTを示す説明図である。
【図8】図3のステップS210〜S240の処理が制
御機構50の各機能部によって行なわれる様子を示すブ
ロック図である。
【図9】図3のステップS270における対応関係決定
処理の詳細を対応関係決定処理ルーチンとして示すフロ
ーチャートである。
【図10】YCbCr基準画像データE5のYCbCr
表色値が書き込まれた状態の対応テーブルCTを示す説
明図である。
【図11】対応関係決定処理が制御機構50の各機能部
によって行なわれる様子を示すブロック図である。
【図12】図3のステップS280における回帰演算処
理の詳細を回帰演算処理ルーチンとして示すフローチャ
ートである。
【図13】回帰演算処理が制御機構50の各機能部によ
って行なわれる様子を示すブロック図である。
【図14】プロファイルYWに基づくYCbCr色空間
からwRGB色空間への変換処理が制御機構50の各機
能部によって行なわれる様子を示すブロック図である。
【図15】本実施例において用いられ得る画像ファイル
800の構造を示す説明図である。
【図16】メモリカードMCに記録された画像ファイル
の読み取り指示がプリンタ40になされた後に、制御機
構50の各機能部によって行なわれる処理の内容を示す
ブロック図である。
【図17】画像データ変換システムMAを適用した場合
における、ディジタルスチルカメラ10によって取得さ
れた画像の色とプリンタ40によって印刷される色との
関係を示す説明図である。
【図18】本発明の第2実施例である画像データ変換シ
ステムMBの概要を示す説明図である。
【図19】ディジタルスチルカメラにより取得した画像
データを他の装置において利用する態様を従来例として
示す説明図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,110,910…ディジタルス
チルカメラ 11,111…メモリカードスロットル 20,120…制御機構 22,122…画像取得部 24,124…色変換部 26,126…圧縮部 40,140,940…プリンタ 41…メモリカードドライブ 50…制御機構 51…記憶部 53…指令部 55…L−w演算部 56,156…色分解部 58,158…出力部 60…データ受取部 64…関係決定部 65…表色値特定部 66…色変換表作成部 67…色変換表記憶部 68…色空間変換部 69…Y−w演算部 90,990…パーソナルコンピュータ 90A…記憶装置 90B…色変換処理装置 90C…色変換表作成装置 91…メモリカードドライブ 180…データ入力部 800,800a,800b,800k…画像ファイル 801…JPEG画像データ格納領域 802…付属情報格納領域 AI…付属情報 BT…基準テーブル CI…制御情報 CT…対応テーブル CV…ケーブル E…基準画像 E0…基準画像データ E1…wRGB基準画像データ E2…CMYK基準画像データ E3…sRGB基準画像データ E4…YCbCr基準画像データ E5…YCbCr基準画像データ EP…カラーチャート FL…配列情報 H…対象物 H1…sRGB画像データ H2…YCbCr画像データ H3…YCbCr画像データ H4…wRGB画像データ H5…CMYK画像データ H6…sRGB画像データ JM…基礎演算式 LQ…基準色彩値情報 MA,MB…画像データ変換システム MA1,MB1…プロファイル作成モジュール MA2,MB2…画像印刷モジュール MC…メモリカード P…用紙 SB…識別情報 WQ…wRGB表色値情報 YQ…YCbCr表色値情報 YW,YW1,YW2…プロファイル Z1,Z2,Z3,Z4…識別マーク
フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CE18 CG02 5C066 AA01 AA05 CA05 EB01 EE02 GA01 GA02 GA05 JA01 KE09 KF05 5C077 LL01 LL12 MP08 PP32 PP33 PP34 PQ23 TT02 TT09 5C079 HA18 HB01 HB03 HB04 HB12 KA04 LB02 MA04 MA11 NA03 PA03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の対象物についての画像を取得する
    画像取得装置において第一の色空間によって表現された
    画像データとして生成された第一画像データを外部から
    受け取り、該受け取った第一画像データを前記第一の色
    空間とは異なる色空間である第二の色空間によって表現
    された第二画像データに変換し、該変換された第二画像
    データに基づいて画像を出力する画像出力装置であっ
    て、 所定の指示がなされたとき、複数の色が配置された基準
    画像を機器非依存色の色空間によって表現された基準画
    像データとして記憶する記憶装置から前記基準画像デー
    タを読み出し、該基準画像データを前記第二の色空間に
    よって表現された第二基準画像データに変換し、該第二
    基準画像データに基づいて前記基準画像を所定の媒体上
    に出力する基準画像出力部と、 前記媒体上に出力された基準画像が前記画像取得装置に
    よって取得されることにより生成されたデータであっ
    て、第一の色空間によって表現された第一基準画像デー
    タを外部から受け取り、該受け取った第一基準画像デー
    タの表色値と前記記憶装置に記憶された基準画像データ
    の基準色彩値との対応関係を決定し、該決定の結果に基
    づいて前記第一の色空間から前記第二の色空間への色変
    換表を作成する色変換表作成装置から、該色変換表を、
    前記第二画像データへの変換可能に入力する色変換表入
    力部とを備えた画像出力装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶装置,前記色変換表作成装置の
    うちの少なくとも一方を備えた請求項1に記載の画像出
    力装置。
  3. 【請求項3】 所定の対象物についての画像を取得する
    画像取得装置において第一の色空間によって表現された
    画像データとして生成された第一画像データを外部から
    受け取り、該受け取った第一画像データを前記第一の色
    空間とは異なる色空間である第二の色空間によって表現
    された第二画像データに変換し、該変換された第二画像
    データに基づいて画像を出力する画像出力装置であっ
    て、 複数の色が配置された基準画像を、機器非依存色の色空
    間によって表現された基準画像データとして記憶する記
    憶部と、 所定の指示がなされたとき、前記記憶部から基準画像デ
    ータを読み出して、該基準画像データを前記第二の色空
    間によって表現された第二基準画像データに変換し、該
    第二基準画像データを所定の媒体上に出力する基準画像
    出力部と、 前記媒体上に出力された基準画像が前記画像取得装置に
    よって取得されることにより生成されたデータであっ
    て、第一の色空間によって表現された第一基準画像デー
    タを外部から受け取る基準データ受取部と、 該基準データ受取部が受け取った第一基準画像データの
    表色値と前記記憶部に記憶された基準画像データの基準
    色彩値との対応関係を決定する関係決定部と、 該関係決定部による決定の結果に基づいて、前記第一の
    色空間から前記第二の色空間への色変換表を前記第二画
    像データへの変換可能に作成する色変換表作成部とを備
    えた画像出力装置。
  4. 【請求項4】 前記外部から受け取った第一基準画像デ
    ータに基づいて前記複数の色の位置関係を判定し、該判
    定結果を参照しつつ前記第一基準画像データの表色値と
    前記基準画像データの基準色彩値との対応関係を決定す
    る参照関係決定手段を備えた請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の画像出力装置。
  5. 【請求項5】 前記第一基準画像データまたは前記第一
    画像データを受け取ったときに、該データを生成した画
    像取得装置の種類を特定する種類特定手段を備えた請求
    項1ないし4のいずれかに記載の画像出力装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の画像出力装置であっ
    て、 前記種類特定手段は、前記第一基準画像データを受け取
    ったときに、該第一基準画像データを生成した画像取得
    装置の種類を特定する手段であり、 前記第一基準画像データに基づいて作成された前記色変
    換表を、該第一基準画像データを生成した画像取得装置
    と対応付けて記憶する色変換表記憶部を備えた画像出力
    装置。
  7. 【請求項7】 前記第一の色空間および前記第二の色空
    間は、sRGBの色空間よりも広い領域を有する色空間
    である請求項1ないし6のいずれかに記載の画像出力装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第一の色空間は、YCbCrの色空
    間である請求項1ないし7のいずれかに記載の画像出力
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の画
    像出力装置であって、 前記色変換表は演算式の形式で作成され、 前記色空間変換部は、前記読み取った第一画像データの
    表色値を前記演算式に代入演算して当該第一画像データ
    が第二の色空間に変換されたときの表色値を求めること
    により、前記第一画像データの第一の色空間から第二の
    色空間への変換を実行する画像出力装置。
  10. 【請求項10】 前記色変換表を構成する内容のうちの
    少なくとも一部を、前記第一画像データまたは前記第二
    画像データを生成可能な他の装置に与える構成内容付与
    手段を備えた請求項1ないし9のいずれかに記載の画像
    出力装置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の画像出力装置であって、 前記第一基準画像データを外部から受け取ったときに、
    該第一基準画像データから画像取得時における光量等の
    前記基準画像の取得条件を読み取り、該読み取られた取
    得条件に応じて前記色変換表を作成する条件付き色変換
    表作成手段を備えた請求項1に記載の画像出力装置。
  12. 【請求項12】 第一の色空間によって表現された画像
    データを前記第一の色空間とは異なる色空間である第二
    の色空間によって表現された画像データに変換する変換
    手段を備えた画像データ変換装置であって、 前記第二の色空間を基準色空間とする画像出力装置によ
    り出力可能な画像であり、複数の色が配置された基準画
    像のデータを機器非依存色の色空間によって表現された
    基準画像データとして記憶する記憶部と、 前記画像出力装置により、前記基準画像データを前記第
    二の色空間によって表現したデータである第二基準画像
    データに基づいて前記基準画像が所定の媒体上に出力さ
    れた後、該所定の媒体上に出力された基準画像が前記第
    一の色空間を基準色空間とする画像取得装置により取得
    され、該取得により前記第一の色空間によって表現され
    た第一基準画像データが生成された場合において、該第
    一基準画像データを受け取る基準データ受取部と、 該基準データ受取部が受け取った第一基準画像データの
    表色値と前記記憶部に記憶された基準画像データの基準
    色彩値との対応関係を決定する関係決定部と、 該関係決定手段による決定の結果に基づいて、前記第一
    の色空間から前記第二の色空間への色変換表を作成する
    色変換表作成部と、 該色変換表作成部により作成された色変換表を、前記画
    像出力装置および前記画像取得装置のうちの少なくとも
    一方が参照可能な形式で保持する色変換表保持手段とを
    備えた画像データ変換装置。
  13. 【請求項13】 第一の色空間の画像データを前記第一
    の色空間とは異なる第二の色空間の画像データに変換す
    る画像データの変換方法であって、 前記第二の色空間の画像データを入力データとして用い
    る画像出力装置により、複数の色が配置された基準画像
    を所定の媒体上に出力し、 該所定の媒体上に出力された基準画像を前記第一の色空
    間の画像データを出力画像として出力する画像取得装置
    により取得し、 該取得により生成され、前記第一の色空間によって表現
    された第一基準画像データの表色値と前記基準画像を機
    器非依存色の色空間によって表現した基準画像データの
    基準色彩値との対応関係を決定し、 該決定の結果と、予め関連付けられている前記第二の色
    空間と前記機器非依存色の色空間との関係を用いて、前
    記第一の色空間の画像データを前記第二の色空間の画像
    データへと変換するための色変換表を作成し、 該作成された色変換表を参照して、前記第一の色空間に
    よって表現された画像データを前記第二の色空間によっ
    て表現された画像データに変換する画像データの変換方
    法。
  14. 【請求項14】 第一の色空間の画像データを前記第一
    の色空間とは異なる第二の色空間の画像データに変換す
    るためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体で
    あって、 前記第二の色空間の画像データを入力データとして用い
    る画像出力装置により出力され、複数の色が配置された
    基準画像につき、該基準画像を機器非依存色の色空間に
    よって表現したデータである基準画像データの基準色彩
    値を特定する工程と、 前記画像出力装置により所定の媒体上に出力された基準
    画像が前記第一の色空間の画像データを出力画像として
    出力する画像取得装置によって取得された場合に、該取
    得により生成された第一基準画像データの表色値を特定
    する工程と、 該第一基準画像データの表色値と前記基準画像データの
    基準色彩値との対応関係を決定する工程と、 該決定の結果と、予め関連付けられている前記第二の色
    空間と前記機器非依存色の色空間との関係を用いて、前
    記第一の色空間の画像データを前記第二の色空間の画像
    データへと変換するための色変換表を作成する工程と、 前記第一の色空間の画像データを受け取ったとき、該画
    像データを前記色変換表を参照することにより前記第二
    の色空間の画像データに変換する工程とをコンピュータ
    に実行させるためのプログラムをコンピュータに読み取
    り可能に記録した記録媒体。
  15. 【請求項15】 第一の色空間の画像データを前記第一
    の色空間とは異なる第二の色空間の画像データに変換す
    る際に用いられる色変換表を作成するためのコンピュー
    タプログラムを記録した記録媒体であって、 前記第二の色空間の画像データを入力データとして用い
    る画像出力装置により出力され、複数の色が配置された
    基準画像につき、該基準画像を機器非依存色の色空間に
    よって表現したデータである基準画像データの基準色彩
    値を特定する工程と、 前記画像出力装置により所定の媒体上に出力された基準
    画像が前記第一の色空間の画像データを出力画像として
    出力する画像取得装置によって取得された場合に、該取
    得により生成された第一基準画像データの表色値を特定
    する工程と、 該第一基準画像データの表色値と前記基準画像データの
    基準色彩値との対応関係を決定する工程と、 該決定の結果と、予め関連付けられている前記第二の色
    空間と前記機器非依存色の色空間との関係を用いて、前
    記第一の色空間の画像データを前記第二の色空間の画像
    データへと変換するための色変換表を作成する工程と、 をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピ
    ュータに読み取り可能に記録した記録媒体。
  16. 【請求項16】 第一の色空間を有する画像取得装置に
    より取得されることを目的とした画像であって、複数の
    色が予め定められた配列で配置された基準画像を、該第
    一の色空間とは異なる色空間である第二の色空間によっ
    て表現されたデータに基づいて所定の媒体上に出力する
    画像出力装置であって、 前記基準画像は、前記第一の色空間から前記第二の色空
    間への色変換表を作成する基準となる画像である画像出
    力装置。
  17. 【請求項17】 第1の色空間の画像データを前記第1
    の色空間とは異なる第2の色空間の画像データに変換す
    るための色変換情報が関連付けられた画像データを生成
    するための画像データ生成装置であって、 画像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、 複数の色が所定の位置に各々配置されている基準画像に
    対応する、前記第2の色空間にて表された基準画像デー
    タを格納する記憶手段と、 前記撮像手段によって前記基準画像データを画像出力装
    置により出力して得られた画像を撮像し、撮像基準画像
    データを取得する撮像基準画像データ取得手段と、 前記基準画像における複数の色の位置情報を利用して、
    前記撮像基準データと前記第2の色空間の基準画像デー
    タとを対応付ける色変換情報を作成する色変換情報生成
    手段と、 前記生成された色変換情報と前記撮像手段により生成さ
    れた画像データとを関連付けて出力する出力手段とを備
    える画像データ生成装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の画像データ生成装
    置において、 前記第2の色空間は機器独立色空間である画像データ生
    成装置。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の画像データ生成装
    置において、 前記第2の色空間の画像データは前記画像出力装置が処
    理可能な画像データである画像データ生成装置。
  20. 【請求項20】 請求項18または請求項19に記載の
    画像データ生成装置において、 前記色変換情報生成手段は、前記基準画像の各色の位置
    情報を用いて、前記基準画像における各色の配置位置に
    対応する前記撮像基準データを特定し、その特定した撮
    像基準データの値を、前記基準画像における各色の配置
    位置に対応する前記基準画像データの値に対応付けて前
    記色変換情報を作成する画像データ生成装置。
  21. 【請求項21】 第1の色空間の画像データを前記第1
    の色空間とは異なる第2の色空間の画像データに変換す
    るための色変換情報が関連付けられた画像データを生成
    するための画像データ生成方法であって、 複数の色が所定の位置に各々配置されている基準画像に
    対応する、前記第2の色空間で表された基準画像データ
    を、前記第2の色空間の画像データを用いて画像を出力
    する画像出力装置により出力し、 前記出力された画像を撮像して撮像基準画像データを取
    得し、 前記基準画像における複数の色の位置情報を利用して、
    前記撮像基準データと前記第2の色空間の基準画像デー
    タとを対応付ける色変換情報を作成し、 画像を撮像して画像データを生成し、 前記生成した色変換情報と前記生成した画像データとを
    関連付けて出力する画像データ生成方法。
  22. 【請求項22】 第1の色空間の画像データを機器独立
    色空間の画像データに変換するための色変換情報が関連
    付けられた画像データを生成する画像データ生成方法で
    あって、 複数の色が所定の位置に各々配置されている基準画像に
    対応する、前記機器独立色空間で表された基準画像デー
    タを画像出力装置により出力し、 前記出力された画像を撮像して撮像基準画像データを取
    得し、 前記基準画像における複数の色の位置情報を利用して、
    前記撮像基準データと前記機器独立色空間の基準画像デ
    ータとを対応付ける色変換情報を作成し、 画像を撮像して画像データを生成し、 前記生成した色変換情報と前記生成された画像データと
    を関連付けて出力する画像データ生成方法。
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