JP2003134024A - 通信システム、送信装置、および通信方法 - Google Patents

通信システム、送信装置、および通信方法

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JP2003134024A
JP2003134024A JP2001330846A JP2001330846A JP2003134024A JP 2003134024 A JP2003134024 A JP 2003134024A JP 2001330846 A JP2001330846 A JP 2001330846A JP 2001330846 A JP2001330846 A JP 2001330846A JP 2003134024 A JP2003134024 A JP 2003134024A
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兵 張
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波環境が変化した場合にも、情報を正しく
送信可能な通信システムを提供する。 【解決手段】 通信システム100は、通信装置10
と、基地局20と、携帯端末装置30と、有線回線40
と、無線回線50とを備える。通信装置10は、携帯端
末装置30へ複数のパケットを送信するとき、無線回線
50の電波環境の指標である信号対雑音比に基づいて無
線回線50におけるパケットの送信ロスの発生を検出す
る。また、通信装置10は、無線回線50におけるパケ
ットの送信ロスを検出すると、一時に送信するパケット
数を半分の数に減少し、その減少した数を基準にして一
時に送信するパケットの数を増加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線回線を介し
て送信元から受信先へ情報をパケットにより送信する場
合に、受信先へパケットを正確に送信可能な通信システ
ム、送信装置、および通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】送信元から受信先へ情報を送信する場
合、OSI(Open SystemsInterco
nnection)参照モデルに従った通信プロトコル
が用いられる。このOSI参照モデルは、通信に必要な
複数のプロトコルを機能別に分けた7つの層によって構
成され、各層が相手方の同じ層とやり取りを行なうこと
によって通信プロトコルが成り立っている。
【0003】そして、ISDN(Integrated
Services Digital Networ
k)等の有線回線を用いて情報を複数のパケットに分割
して送信元から受信先へ送信する場合、TCP(Tra
nsmission Control Protoco
l)という通信プロトコルが最も広く利用されている。
このTCPは、OSI参照モデルにおけるトランスポー
ト層のプロトコルである。
【0004】一方、携帯端末装置の普及や無線通信技術
の発達に伴い、情報が有線回線および無線回線を介して
送信元から受信先へ送信される通信システムも広く利用
されようとしている。そして、無線回線における通信プ
ロトコルは、有線回線における通信プロトコルと同じT
CPが広く使用されようとしている。
【0005】無線回線を用いた無線通信は、有線回線を
用いた有線通信に比べデータの転送誤り率が高く、か
つ、その転送誤り率が電波環境により変化する。そし
て、電波環境の悪化により無線回線を用いた通信システ
ムにおける通信効率が低下し、通信効率が低下すると、
従来のTCPを用いた制御においては、パケットを輻輳
することにより通信効率を高くしようとする。
【0006】しかし、従来のTCPを用いた制御におい
ては、無線回線における高い誤り率によるパケットロス
を輻輳によるロスと区別できないため、輻輳状態にない
にも拘わらず、不必要にデータの送信速度を抑制すると
いう問題がある。
【0007】そこで、このような問題を解決するために
パケットロスが有線回線および無線回線のいずれで生じ
ているかを特定し、有線回線および無線回線のそれぞれ
に適したパケットロスの改善策が採られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の改善策
においては、無線電波環境の変化によるデータフローを
制御するものではないため、端末の移動に伴って電波環
境が劣化している場合において通信効率が著しく低下す
るという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、かかる問題を解決する
ためになされたものであり、その目的は、電波環境が変
化した場合にも、情報を正しく送信可能な通信システム
を提供することである。
【0010】また、この発明の別の目的は、電波環境が
変化した場合にも、受信装置へ情報を正しく送信可能な
送信装置を提供することである。
【0011】さらに、この発明の別の目的は、電波環境
が変化した場合にも、情報を正しく送信可能な通信方法
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、通信
システムは、コネクション型のプロトコルにより送信側
から受信側へ情報を送信する通信システムであって、情
報を複数のパケットに分割して送信する第1の通信装置
と、第1の通信装置から無線回線を介して複数のパケッ
トを受信する第2の通信装置とを備え、第1の通信装置
は、第2の通信装置から受信した無線回線における電波
環境を示す指標値に基づいて無線回線においてパケット
の送信ロスが生じたか否かを判定し、送信ロスが生じた
と判定したとき、第2の通信装置へ到達するパケット数
が増加するように送信するパケットの数を制御する。
【0013】好ましくは、通信システムは、第1の通信
装置から有線回線を介して複数のパケットを受信し、そ
の受信した複数のパケットを無線回線を介して第2の通
信装置へ送信する中継装置をさらに備える。
【0014】好ましくは、指標値は、第2の通信装置に
おける雑音電力に対する受信電力の比を示す信号対雑音
比である。
【0015】好ましくは、指標値は、第2の通信装置に
おける雑音強度に対する受信強度の比を示す信号対雑音
比である。
【0016】好ましくは、第1の通信装置は、信号対雑
音比に基づいてパケットの送信エラーを検出し、その検
出した送信エラーが所定値に達すると送信ロスが生じた
と判定する。
【0017】好ましくは、第1の通信装置は、パケット
の送信ロス率を検出し、その検出した送信ロス率が固有
値に達すると、パケットの送信ロスが発生したと判定し
たときの第1の送信パケット数よりも小さい第2の送信
パケット数まで送信するパケットの数を減少させ、第2
の送信パケット数を基準にして送信するパケットの数を
増加させる。
【0018】好ましくは、第1の通信装置は、有線回線
においてパケットの送信ロスが生じたとき、パケットの
輻輳制御を行なう。
【0019】好ましくは、第2の通信装置は、移動可能
な通信装置である。また、この発明によれば、送信装置
は、無線回線を介して情報を受信する受信装置へコネク
ション型のプロトコルにより情報を送信する送信装置で
あって、情報を複数のパケットに分割する手段と、複数
のパケットを受信装置へ送信するとともに受信装置から
パケットの確認応答を受信する送受信手段と、制御手段
とを備え、制御手段は、受信装置から受信した無線回線
における電波環境を示す指標値に基づいて無線回線にお
いてパケットの送信ロスが生じたか否かを判定し、送信
ロスが生じたと判定したとき、受信装置へ到達するパケ
ット数が増加するように送受信手段から送信されるパケ
ットの数を制御する。
【0020】好ましくは、指標値は、受信装置における
雑音電力に対する受信電力の比を示す信号対雑音比であ
る。
【0021】好ましくは、指標値は、受信装置における
雑音強度に対する受信電力の比を示す信号対雑強度であ
る。
【0022】好ましくは、信号対雑音比に基づいてパケ
ットの送信エラーを検出するエラー検出手段をさらに備
え、制御手段は、エラー検出手段により検出された送信
エラーが所定値に達すると、送信ロスが発生したと判定
する。
【0023】好ましくは、送信装置は、パケットの送信
ロス率を検出するロス率検出手段をさらに備え、制御手
段は、ロス率検出手段により検出された送信ロス率が固
有値に達すると、パケットの送信ロスが発生したと判定
したときの第1の送信パケット数よりも小さい第2の送
信パケット数まで送受信手段から送信されるパケットの
数を減少させ、第2の送信パケット数を基準にして送受
信手段から送信されるパケットの数を増加させる。
【0024】好ましくは、制御手段は、無線回線に到達
する前に配置された有線回線においてパケットの送信ロ
スが生じたとき、パケットの輻輳制御を行なう。
【0025】また、この発明によれば、通信方法は、無
線回線を介して情報を受信する受信装置へコネクション
型のプロトコルにより情報を送信する通信方法であっ
て、情報を複数のパケットに分割し、複数のパケットを
受信装置へ送信する第1のステップと、受信装置からパ
ケットの確認応答を受信する第2のステップと、無線回
線における電波環境を示す指標値に基づいて無線回線に
おいてパケットの送信ロスが生じたか否かを判定する第
3のステップと、送信ロスが生じたと判定したとき、受
信装置へ到達するパケット数が増加するように送信する
パケットの数を制御する第4のステップとを含む。
【0026】好ましくは、指標値は、受信装置における
雑音電力に対する受信電力の比を示す信号対雑音比であ
る。
【0027】好ましくは、指標値は、受信装置における
雑音強度に対する受信強度の比を示す信号対雑音比であ
る。
【0028】好ましくは、第2のステップにおいて、受
信確認とともに信号対雑音比が受信され、信号対雑音比
に基づいて、パケットの送信エラーを検出する第5のス
テップをさらに含み、検出された送信エラーが所定値に
達すると、第3のステップにおいて、送信ロスが生じた
と判定する。
【0029】好ましくは、通信方法は、パケットの送信
ロス率を検出する第6のステップをさらに含み、検出さ
れた送信ロス率が固有値に達すると、第4のステップに
おいて、パケットの送信ロスが発生したときの第1の送
信パケット数よりも小さい第2の送信パケット数まで送
信するパケットの数が減少され、第2の送信パケット数
を基準にして送信するパケットの数が増加される。
【0030】好ましくは、第4のステップにおいて、無
線回線に到達する前に配置された有線回線においてパケ
ットの送信ロスが生じたとき、パケットの輻輳制御を行
なう。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または
相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0032】図1は、この発明による通信システムの概
略ブロック図である。通信システム100は、通信装置
10と、基地局20と、携帯端末装置30と、有線回線
40と、無線回線50とを備える。
【0033】通信装置10は、例えば、パーソナルコン
ピュータから成り、情報を複数のパケットに分割して有
線回線40、基地局20、および無線回線50を介して
携帯端末装置30へ送信するとともに、携帯端末装置3
0からの情報を受信する。そして、通信装置10は、無
線回線50において送信ロスが生じた場合、携帯端末装
置30へ到達するパケット数が増加するように、送信す
るパケット数を制御する。送信するパケット数の具体的
な制御方法については後述する。また、通信装置10
は、有線回線40において送信ロスが生じた場合、送信
ロスが生じたパケットの輻輳制御を行なう。ここで、
「輻輳制御」とは、通信に輻輳が生じたとき、即ち、通
信がオーバーフローしたとき、輻輳状態を回避するため
に送信パケット数を少なくして通信を行なうように制御
することを言う。
【0034】基地局20は、有線回線40と無線回線5
0との間で通信を中継する中継装置を構成し、通信装置
10から有線回線40を介して受信したパケットを無線
回線50を介して携帯端末装置30へ送信する。また、
基地局20は、パケットロスが生じた場合、後述する方
法によって、そのパケットロスが有線回線40および無
線回線50のいずれで生じたかを示す情報を通信装置1
0へ送信する。なお、基地局20は、パケットロスが無
線回線50において生じたとき、携帯端末装置30にお
ける雑音電力に対する受信電力の比である信号対雑音比
も通信装置10へ送信する。
【0035】携帯端末装置30は、移動可能な端末装置
であり、例えば、携帯電話機から成る。そして、携帯端
末装置30は、有線回線40、基地局20および無線回
線50を介して通信装置10からの情報を受信するとと
もに、情報を通信装置10へ送信する。
【0036】有線回線40は、通信装置10と基地局2
0との間でデータのやり取りを行なう。無線回線50
は、基地局20と携帯端末装置30との間でデータのや
り取りを行なう。なお、通信装置10及び基地局20
は、固定されており、携帯端末装置30のように移動す
るものではない。
【0037】このように、通信装置10と携帯端末装置
30との間では、有線回線および無線回線を介して情報
がやり取りされる。
【0038】図2は、図1に示す通信装置10の概略ブ
ロック図である。通信装置10は、端子101と、イン
タフェース102と、送受信部103と、コントローラ
104と、キー操作部105と、情報処理部106と、
演算処理部107と、記憶部108と、表示部109
と、バスBS1とを含む。
【0039】端子101は、通信装置10を有線回線4
0に接続するための端子である。インタフェース102
は、端子101と送受信部103との間でデータのやり
取りを制御する。送受信部103は、バスBS1を介し
て入力されたデータをインタフェース102および端子
101を介して有線回線40へ送信し、端子101およ
びインタフェース102を介して受信したデータをバス
BS1上へ出力する。
【0040】コントローラ104は、通信装置10の各
部を制御する。キー操作部105は、通信装置10のユ
ーザの指示を受付ける。情報処理部106は、キー操作
部105を介して入力されたユーザからの指示に応じ
て、文書作成、および情報の加工等の各種の情報処理を
行ない、その処理の結果を複数のパケットに分割して記
憶部108に記憶する。
【0041】演算処理部107は、携帯端末装置30が
パケットを受信した場合、携帯端末装置30における雑
音電力に対する受信電力の比である信号対雑音比を携帯
端末装置30から受信し、その受信した信号対雑音比を
用いてパケットの送信エラーを演算し、その演算結果を
記憶部108へ記憶する。
【0042】記憶部108は、各種のデータを記憶す
る。表示部109は、通信装置10のユーザに各種の情
報を視覚情報として与える。バスBS1は、送受信部1
03、コントローラ104、キー操作部105、情報処
理部106、演算処理部107、記憶部108および表
示部109間でデータを転送する。
【0043】図3は、図1に示す携帯端末装置30の概
略ブロック図である。携帯端末装置30は、アンテナ3
01と、送受信部302と、電力検出部303と、演算
処理部304と、コントローラ305と、キー操作部3
06と、表示部307と、情報処理部308と、記憶部
309と、バスBS2とを含む。
【0044】アンテナ301は、無線回線50を介して
基地局20から信号を受信し、その受信した信号を送受
信部302へ出力する。送受信部302は、アンテナ3
01からの信号をベースバンド信号に変換し、その変換
したベースバンド信号をバスBS2へ出力する。また、
送受信部302は、通信装置10からのデータを変調し
てアンテナ301に与える。
【0045】電力検出部303は、アンテナ301が信
号を受信したときの雑音電力と受信電力とを検出し、そ
の検出した雑音電力および受信電力を演算処理部304
へ出力する。演算処理部304は、電力検出部303か
ら入力された雑音電力および受信電力に基づいて、雑音
電力に対する受信電力の比である信号対雑音比を演算
し、その演算結果を記憶部309に記憶する。
【0046】コントローラ305は、携帯端末装置30
の各部を制御する。キー操作部306は、携帯端末装置
30のユーザの指示を受付ける。表示部307は、各種
の情報をユーザに視覚情報として与える。情報処理部3
08は、キー操作部306を介して入力されたユーザの
指示に基づいて、文書作成、および情報の加工等を行な
い、その結果を記憶部309に記憶する。記憶部309
は、各種のデータおよび情報を格納する。
【0047】図4は、OSI参照モデル60、通信シス
テム100における通信プロトコル70、および通信シ
ステム100における通信制御方法の概略を示すフロー
チャート80を示す。
【0048】OSI参照モデル60は、下位層から上位
層へ向けて、物理層、データリンク層、ネットワーク
層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーシ
ョン層、およびアプリケーション層から成る。
【0049】アプリケーション層は、ファイル転送やメ
ッセージ通信などのユーザが実行する多くのサービス間
のプロトコルを制御する。プレゼンテーション層は、文
字コードや画像データの表現形式を制御し、プロセス間
におけるデータ形式などを確認する。セッション層は、
アプリケーションプロセス間の情報の流れなど、通信モ
ードの管理や情報転送に関する通信制御を行なう。
【0050】トランスポート層は、通信情報の質を高め
るための通信制御を行ない、データに欠落があった場
合、相手方に通知する。ネットワーク層は、複数のネッ
トワークにまたがったコンピュータ間のデータ転送やデ
ータの中継機能などを果たす。
【0051】データリンク層は、ノード間で信頼性の高
いデータ伝送を保証するための層であり、中継局間のデ
ータ伝送を確実に行なう。従って、データリンク層は、
ハードウェアインタフェースから成る。
【0052】物理層は、データリンク層から渡されたビ
ット情報を実際に伝送するための電気信号に変換した
り、届いた電気信号をビット情報に変換したり、ケーブ
ルやコネクタなどの規格を取決める層である。従って、
物理層は、相手方と物理的に回線を接続するための層で
あり、物理ハードウェア接続層として機能する。
【0053】OSI参照モデル60がインターネットに
よる通信に用いられる場合、アプリケーション層、プレ
ゼンテーション層およびセッション層は、1つの層とし
てのアプリケーション層として捉えられる。
【0054】従って、通信プロトコル70は、アプリケ
ーション、TCPまたはUDP(User Datag
ram Protocol)、IP(Internet
Protocol)、MAC(Media Addr
ess Control)、およびアンテナの信号対雑
音比特性から成る。UDPは、コネクションレス型の通
信プロトコルであり、TCPは、コネクション型のプロ
トコルである。そして、通信システム100において
は、トランスポート層のプロトコルとしてコネクション
型のプロトコルであるTCPが用いられる。
【0055】トランスポート層のプロトコルとしてTC
Pを用いた場合に、送信元から送信されたパケットが受
信先へ到達しない、いわゆる、パケットロスが生じた場
合に、そのパケットが有線回線40および無線回線50
のいずれで生じたかを示すものとしてECN(Expl
icit Congestion Notificat
ion)と、ELN(Explicit Loss N
otification)とがあり、通信システム10
0においては、ECNが用いられる。
【0056】従って、通信装置10は、送信したパケッ
トにパケットロスが生じた場合にECNビットを受信
し、そのECNビットが「1」であるか「0」であるか
を判定してパケットロスが有線回線40で生じたか無線
回線50で生じたかを判断する(ステップS1)。この
場合、ECNビットが「1」であるとき有線回線40に
おいてパケットロスが生じたことを示し、ECNビット
が「0」であるとき無線回線50においてパケットロス
が生じたことを示す。
【0057】ステップS1において、ECNビットが
「1」であるとき、通常のTCP制御が行なわれる。す
なわち、パケットロスが生じたとき、パケットの輻輳制
御が行なわれる(ステップS2)。一方、ステップS1
においてECNビットが「0」であるとき、携帯端末装
置30のアンテナ301が受信した雑音電力に対する受
信電力の比である信号対雑音比に基づいて、受信電力情
報に基づく無線TCP制御が行なわれる(ステップS
3)。この無線TCPは、基地局20と携帯端末装置3
0との間の通信を制御するものであり、その詳細につい
ては、後述する。また、信号対雑音比は、無線回線50
の電波環境を示す指標である。
【0058】このように、この発明による通信システム
100においては、無線回線50においてパケットロス
が生じたとき、無線回線50の電波環境に基づいて無線
回線50における通信を制御することを特徴とする。
【0059】図5は、コネクション型の通信システムに
おいて、複数のパケットを送信側から受信側へ送信する
ときの送信側と受信側との間のやり取りを示す概念図で
ある。
【0060】送信側は、n個のパケットを番号1,2,
・・・,nの順で受信側へ送信する。受信側は、番号1
のパケットを受信すると、番号1のパケットを受信した
ことを示す確認応答ACK1を送信側へ送信する。番号
2,3,・・・,nのパケットについても、同様に、確
認応答ACK,ACK3,・・・,ACKnを送信側へ
送信する。
【0061】送信側は、確認応答ACK1,ACK2,
・・・,ACKnを受信することにより、番号1,2,
・・・,nのパケットが受信側へ送信されたことを認識
する。そして、送信側が番号1のパケットを受信側へ送
信してから番号1のパケットを受信したことを示す確認
応答ACK1を受信側から受信するまでの間に、送信側
が受信側へ送信するパケットの個数nを送信ウィンドウ
と言う。従って、送信側から送信されたパケットが確実
に受信側に到達するのであれば、送信ウィンドウが大き
い程、通信効率は高い。
【0062】このように、コネクション型の通信システ
ムにおいては、送信側は、受信側との間で、パケットの
送信と確認応答の受信とを行ないながら複数のパケット
を受信側へ送信する。
【0063】従って、情報を複数のパケットに分割し、
その分割した複数のパケットを通信装置10から携帯端
末装置30へ送信するとき、通信装置10は、n個のパ
ケットを番号1,2,・・・,nの順で有線回線40、
基地局20、および無線回線50を介して携帯端末装置
30へ送信する。そして、携帯端末装置30は、番号
1,2,・・・,nのパケットを受信すると、確認応答
ACK1,ACK2,・・・,ACKnを無線回線5
0、基地局20および有線回線40を介して通信装置1
0へ送信する。
【0064】図6は、複数のパケットが通信装置10か
ら携帯端末装置30へ送信されるときの動作を示すフロ
ーチャートである。通信装置10から携帯端末装置30
への通信が開始されると、キー操作部105から入力さ
れたユーザの指示に従って送信すべき情報を作成し、そ
の作成した情報を複数のパケットに分割してバスBS1
を介して記憶部108に記憶する(ステップS10
0)。
【0065】そして、バスBS1を介して記憶部108
から番号1,2,・・・,nの順に複数のパケットを読
出し、その読出したn個のパケットに携帯端末装置30
の宛先を追加して送受信部103へ与える。その後、受
取ったパケットをインタフェース102および端子10
1を介して携帯端末装置30へ送信する(ステップS1
02)。中継装置としての基地局20は、有線回線40
を介してn個のパケットを番号1,2,・・・,nの順
に受信し、1送信ウィンドウ内の全てのパケットを受信
したか否かを判定する(ステップS104)。
【0066】ステップS104において、1送信ウィン
ドウ内に送信されるn個のパケットのうち、少なくとも
1個のパケットを受信しなかったと判定したとき、有線
回線40におけるパケットロスが生じたと判断し、EC
Nビットを「1」とするECN=1を通信装置10へ送
信する(ステップS106)。一方、ステップS104
において、1送信ウィンドウ内の全てのパケットを受信
したと判定したとき、またはステップS106の後、受
信したパケットを無線回線50を介して携帯端末装置3
0へ送信する(ステップS108)。
【0067】そして、無線回線50を介してパケットを
受信したか否かを判定し(ステップS110)、パケッ
トを受信したとき、信号対雑音比を演算するように演算
処理部304を制御する。この場合、アンテナ301が
パケットを受信するごとに雑音電力および受信電力を検
出し、その検出した雑音電力および受信電力を演算処理
部304へ出力する。
【0068】コントローラ305からの制御に基づい
て、電力検出部303から入力された雑音電力および受
信電力に基づいて信号対雑音比を次式により演算する。
【0069】 信号対雑音比=20×log(Es/En)・・・・(1) 但し、Es:携帯端末装置30における受信電力、E
n:携帯端末装置30における雑音電力である。
【0070】そして、演算した信号対雑音比をバスBS
2を介して記憶部309に記憶する。これにより、信号
対雑音比が検出される(ステップS112)。そして、
バスBS2を介して記憶部309から信号対雑音比を読
出し、その読出した信号対雑音比を、パケットを受信し
たことを示す確認応答ACKに含めて基地局20へ送信
する(ステップS114)。
【0071】一方、ステップS110において、パケッ
トを受信しなかったと判定したとき、ステップS112
における動作と同じ動作により信号対雑音比が検出され
る(ステップS116)。そして、バスBS2を介して
記憶部309から読出した信号対雑音比を、パケットを
受信しなかったことを示す確認応答NACKに含めて基
地局20へ送信する(ステップS118)。なお、携帯
端末装置30において、ステップS110,S112,
S114,S116,S118の動作は、パケットごと
に行なわれる。
【0072】その後、携帯端末装置30から確認応答A
CK,NACKのいずれを受信したかを判定し(ステッ
プS120)、確認応答NACKを受信したとき、EC
Nビットを「0」に設定したECN=0と、確認応答N
ACKに含まれる信号対雑音比とを有線回線40を介し
て通信装置10へ送信する(ステップS122)。
【0073】一方、ステップS120において、確認応
答ACKを受信したと判定したとき、その受信した確認
応答ACKをそのまま有線回線40を介して通信装置1
0へ送信する(ステップS124)。
【0074】ステップS106、またはステップS12
2、またはステップS124の後、基地局20からEC
N=1、ECN=0、および確認応答ACKのいずれを
受信したかを判定する(ステップS126)。そして、
ECN=0を受信したと判定したとき、無線回線50に
おけるパケットロスが生じたと判断し、携帯端末装置3
0から送信された信号対雑音比に基づくTCP制御を行
なって携帯端末装置30へ複数のパケットを送信する
(ステップS128)。
【0075】また、ステップS126において、ECN
=1を受信したと判定したとき、有線回線40における
パケットロスが生じたと判断し、通常のTCP制御を行
なって携帯端末装置30へ複数のパケットを送信する
(ステップS130)。
【0076】さらに、ステップS126において、確認
応答ACKを受信したと判定したとき、記憶部108を
検索し、全てのパケットを送信したか否かを判定する
(ステップS132)。そして、全てのパケットを送信
していないと判定したとき、次の1送信ウィンドウ内の
n個のパケットを記憶部108から順次読出し、上述し
たステップS102〜S132を繰返す。また、ステッ
プS132において、全てのパケットを送信したと判定
したとき、通信装置10から携帯端末装置30への通信
動作が終了する。
【0077】なお、上記においては、信号対雑音比は、
携帯端末装置30における雑音電力Enと受信電力Es
とに基づいて演算されたが、携帯端末装置30における
信号の受信強度Isと雑音強度Inとに基づいて演算さ
れてもよい。その場合、上記式(1)の代わりに次の式
(2)が用いられる。
【0078】 信号対雑音比=10×log(Is/In)・・・・(2) 図7は、図6に示すステップS128の動作、すなわ
ち、受信電力情報に基づくTCP制御の動作を詳細に説
明するためのフローチャートである。図6のステップS
126において、ECN=0を受信したと判定したの
ち、パケットの送信ロス数NLPを「0」に設定する
(ステップS200)。そして、ECN=0とともに受
信した信号対雑音比をバスBS1を介して演算処理部1
07に与え、信号対雑音比に基づいてパケットの送信エ
ラーを演算するように演算処理部107を制御する。
【0079】その後、受取った信号対雑音比を用いて送
信エラーを上記の式(1)と次の式(3)とにより演算
し、その演算結果をバスBS1を介して記憶部108に
格納する(ステップS202)。
【0080】 p=A/2×exp(−Es/En)・・・・(3) 但し、p:送信エラー、A:通信システム100に固有
の定数である。
【0081】つまり、パケットの送信エラーpは、信号
対雑音比、究極的には携帯端末装置30における受信電
力Esおよび雑音電力Enに基づいて演算される。な
お、信号対雑音比が上記の式(2)によって演算される
とき、送信エラーpは、携帯端末装置30における信号
の受信強度Isおよび雑音強度Inに基づいて演算され
る。
【0082】その後、記憶部108から送信エラーpを
バスBS1を介して読出し、送信エラーpが所定値以上
か否かを判定する(ステップS204)。そして、送信
エラーpが所定値以上のとき、無線回線50の電波環境
の指標である信号対雑音比に基づいて無線回線50にお
いてパケットの送信ロスが生じたことを確認する。
【0083】図6に示すステップS126において、コ
ントローラ104は、無線回線50においてパケットの
送信ロスが生じたことを示すECN=0を受信してお
り、ステップS204において、さらに、送信エラーp
が所定値以上のときにパケットの送信ロスが生じたこと
を確認することにしたのは、通信装置10のコントロー
ラ104は、ECN=0の受信に応じて、携帯端末装置
30へ到達するパケット数を多くするように、送信する
パケット数を制御するモードへ移行させ、無線回線50
におけるパケットの送信ロスの確認は携帯端末装置30
から受信した信号対雑音比に基づいて行なうことにした
ためである。
【0084】また、基地局20は、パケットを受信して
いないことを示す確認応答NACKに基づいてECN=
0を通信装置10へ送信するので、ステップS204に
おいては、携帯端末装置30における受信電力情報を示
す信号対雑音比に基づいて検出された送信エラーpは、
通常、所定値以上になる。従って、ステップS202に
おいて演算された送信エラーpが所定値以上と判定され
るまで、ステップS204が繰返される。
【0085】ステップS204において、送信エラーp
が所定値以上であると判定すると、パケットの送信ロス
数NLPを「1」だけ加算し(ステップS206)、パ
ケットの送信ロス数NLPが2以上か否かを判定する
(ステップS208)。ステップS208において、送
信ロス数NLPが2未満であるとき、ステップS20
4,S206,S208が繰返される。
【0086】一方、ステップS208において、パケッ
トの送信ロス数NLPが2以上であると判定したとき、
早期回復(ステップS210)または早期再送(ステッ
プS212)を行なう。つまり、パケットの送信ロス数
NLPが2以上か否かは1送信ウィンドウ内において判
定されるため、1送信ウィンドウ内におけるパケットの
送信ロス数が2以上と判定されたとき、早期回復(ステ
ップS210)、または早期再送(ステップS212)
が行なわれる。
【0087】なお、1送信ウィンドウ内にパケットの送
信ロスが2以上発生することは、パケットの送信ロス率
が2/(1送信ウィンドウ)以上であることを意味す
る。従って、この発明においては、携帯端末装置30へ
のパケットの送信ロス率が2/(1送信ウィンドウ)以
上のとき、早期回復(ステップS210)または早期再
送(ステップS212)を行なう。
【0088】図8は、図7に示すステップS210の早
期回復の概念を説明するための図である。図8におい
て、縦軸は、通信装置10が一時に送信するパケット数
であり、横軸は時間である。通信装置10のコントロー
ラ104は、基地局20からECN=0を受信し、1送
信ウィンドウ内のパケットの送信ロス数が2以上と判定
するまでは、図8に示すように、一時に送信するパケッ
ト数を1個、2個、4個、8個、9個、10個、11
個、・・・・と増加させながらパケットを携帯端末装置
30へ送信する。そして、コントローラ104は、一時
に送信するパケット数が12個まで増加した時点で、基
地局20からECN=0を受信し、1送信ウィンドウ内
のパケットの送信ロス数NLPが2以上と判定すると、
一時に送信するパケット数を半分の6個まで減少させ、
6個を基準にして送信するパケット数を増加する。
【0089】このように、送信するパケットに送信ロス
が発生したとき、一時に送信するパケット数を半分の個
数に減少し、その減少した個数を基準にして一時に送信
するパケット数を増加させて携帯端末装置30へ到達す
るパケット数を多くするパケット数の制御方法を「早期
回復」という。
【0090】通信装置10のコントローラ104は、図
8に示すように、一時に送信するパケット数が基準値S
TVに達するまでは、一時に送信するパケット数を2m
(mは自然数)に従って増加し、基準値STVを超える
と一時に送信するパケット数を線形的に増加する。そし
て、この基準値STVは、無線回線50の電波環境を示
す指標である信号対雑音比に基づいて決定される。すな
わち、携帯端末装置30において検出された信号対雑音
比が大きいとき(電波環境が良いことを示す)、基準値
STVは大きく設定され、携帯端末装置30において検
出された信号対雑音比が小さいとき(電波環境が悪いこ
とを示す)、基準値STVは小さく設定される。
【0091】従って、この発明においては、送信側は、
無線回線50の電波環境に基づいて決定された所定の基
準値STVに達するまでは、一時に送信するパケット数
を指数関数的に増加し、基準値に達すると、一時に送信
するパケット数を線形的に増加することを特徴とする。
また、この発明においては、送信側は、無線回線50に
おいて、パケットの送信ロスが生じたとき、一時に送信
するパケット数を半分の個数まで減少し、その減少した
個数を基準にして一時に送信するパケット数を増加する
ことを特徴とする。送信側が、一時に送信するパケット
数をこのように制御することによって、携帯端末装置3
0へ到達するパケット数が増加し、通信システム100
における通信効率を高くできる。
【0092】また、図8においては、パケットの送信ロ
スが生じたとき、通信装置10が一時に送信するパケッ
ト数を12個から半分の6個まで減少させ、その後、一
時に送信するパケット数を線形的に増加する。6個とい
う個数は、基準値STVよりも小さいが、一時に送信す
るパケット数を6個を基準にして指数関数的に増加する
と、1回の増加によって基準値STVを超えるので、こ
のような場合は、一時に送信するパケット数を線形的に
増加することにしたものである。
【0093】図9は、図7に示すステップS212の早
期再送の概念を説明するための図である。送信側である
通信装置10は、n個のパケットを1送信ウィンドウ内
で送信し、番号1のパケットが受信側である携帯端末装
置30へ到達せず、番号2,3,・・・,nのパケット
は携帯端末装置30へ到達したとする。この場合、携帯
端末装置30は、番号1のパケットの不受理に伴い、確
認応答NACK1を通信装置10へ送信し、番号2,
3,・・・,nのパケットの受信に伴い確認応答ACK
2,ACK3,・・・,ACKnを通信装置10へ送信
する。
【0094】通信装置10は、番号1のパケットを送信
したときから一定時間Toutが終了する前に、番号
2,3,・・・のパケットを受信したことを示す確認応
答ACK2,ACK3,・・・を受信したとき、番号1
のパケットを再送することを「早期再送」という。通信
装置10は、送信するパケットをこのように制御しても
携帯端末装置30へ到達するパケット数を増加させるこ
とができる。
【0095】図6に示すように、送信側である通信装置
10は、基地局20からECN=1が送信されたとき
(ステップS106参照)、有線回線40においてパケ
ットの送信ロスが生じたことを認識でき、基地局20か
らECN=0が送信されたとき(ステップS122参
照)、無線回線50においてパケットの送信ロスが生じ
たことを認識できる。そして、通信装置10は、無線回
線50においてパケットの送信ロスが発生したとき、上
述したように、「早期回復(図7のステップS210参
照)」または「早期再送(図7のステップS212参
照)」によって、携帯端末装置30へ到達するパケット
数を増加する。
【0096】図10は、有線回線および無線回線を介し
て複数のパケットを送信側から受信側へ送信した場合
に、受信側へ到達したパケット数の受信側における信号
対雑音比依存性を示すシミュレーションの結果である。
図10において、縦軸は、受信側へ到達したパケット数
を示し、横軸は、受信側における信号対雑音比を示す。
なお、”TCP−Reno”は、現在の実装において主
流となっているTCPのバージョンを示す。信号対雑音
比が−5dB〜10dBの範囲においては、受信側へ到
達するパケット数は、概ね信号対雑音比の減少に伴って
減少し、信号対雑音比が−20dB〜−5dBの範囲に
おいては、受信側へ到達するパケット数は、信号対雑音
比の減少に伴って指数関数的に減少し、信号対雑音比が
−15dB以下では、パケットは、受信側へ殆ど到達し
ない。
【0097】このように、有線回線および無線回線を介
して送信側から受信側へパケットを送信する通信システ
ムにおいて従来のTCPを適用した場合、受信側へ到達
するパケット数は、受信側における信号対雑音比に大き
く依存することが解かる。
【0098】図11は、図10の信号対雑音比が−15
dB〜−5dBの範囲において、受信側へ到達したパケ
ット数の信号対雑音比依存性を、従来のTCPによる制
御方法と本発明による制御方法との間で比較したシミュ
レーションの結果である。曲線k1は、本発明による場
合を示し、曲線k2は、従来のTCPによる場合を示
す。図11から明らかなように、図10において、受信
側へ到達するパケット数が非常に少ない領域において、
本発明による制御方法を適用した場合は、従来の制御方
法を適用した場合に比べ、受信側へ到達するパケット数
が約2倍に増加している。従って、無線回線の電波環境
の指標である信号対雑音比を用いてパケットの送信個数
を制御することにより受信側へ到達するパケット数を増
加させることができる。
【0099】なお、この発明においては、「指標値」と
は、図10及び図11に示した信号対雑音比の値を言
う。
【0100】図12は、ウィンドウサイズを従来のTC
Pによる制御方法と本発明による制御方法との間で比較
したシミュレーションの結果である。縦軸はウィンドウ
サイズを示し、横軸は時間を示す。また、曲線k3は、
本発明による場合を示し、曲線k4は、従来のTCPに
よる場合を示す。図12から明らかなように、本発明に
よるパケットの送信制御方法を適用することにより、ウ
ィンドウサイズを約2倍に大きくすることができ、受信
側へ到達するパケット数を多くすることができる。
【0101】上記においては、通信装置10は、有線回
線40、基地局20および無線回線50を介してデータ
を通信装置20へ送信するとして説明したが、この発明
においては、通信装置10は、無線回線50のみを介し
てデータを通信装置20へ送信してもよい。
【0102】また、受信側へ到達しなかったパケット数
が1送信ウィンドウ内で2個以上であるときに、早期回
復または早期再送による送信制御を行なうとして説明し
たが、本発明においては、早期回復または早期再送によ
る送信制御を行なうか否かの判断を1送信ウィンドウ内
ではなく、複数の送信ウィンドウ内において発生した送
信ロス数に基づいて行なってもよい。また、1送信ウィ
ンドウ内に発生する送信ロス数が2個以外の場合に早期
回復または早期再送による送信制御を行なうように構成
してもよい。
【0103】また、通信装置10は、一時に送信するパ
ケット数を基準値STVまでは2mに従って増加させる
として説明したが、本発明においては、これに限らず、
それ以外の指数関数に従って一時に送信するパケット数
を増加してもよく、無線回線50における電波環境に応
じて一時に送信するパケット数を増加する割合を決定し
てもよい。
【0104】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明では
なくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲
と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる
ことが意図される。
【0105】
【発明の効果】この発明によれば、パケットの送信側
は、無線回線における電波環境の指標である信号対雑音
比を用いてパケットの送信エラーを検出し、受信側へ到
達しなかったパケット数が所定値以上のとき、一時に送
信するパケット数を半分の個数まで減少し、その減少し
た個数を基準にして一時に送信するパケット数を増加さ
せるように制御するので、受信側へ到達するパケット数
を多くすることができる。
【0106】その結果、通信効率を高くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による通信システムの概略ブロック
図である。
【図2】 図1に示す通信装置の概略ブロック図であ
る。
【図3】 図1に示す携帯端末装置の概略ブロック図で
ある。
【図4】 OSI参照モデル、図1に示す通信システム
における通信プロトコル、および図1に示す通信システ
ムにおける通信制御方法の概略を示すフローチャートを
示す図である。
【図5】 送信ウィンドウを説明するための概念図であ
る。
【図6】 図1に示す通信システムにおける複数のパケ
ットの送信動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図7】 図6に示すフローチャートのステップS12
8の詳細を示すフローチャートである。
【図8】 図7に示す早期回復の概念を説明するための
図である。
【図9】 図7に示す早期再送の概念を説明するための
図である。
【図10】 従来のTCPを用いた通信システムにおけ
る受信側へ到達するパケット数の受信側における信号対
雑音比依存性を示すシミュレーションである。
【図11】 図10の信号対雑音比が−15dB〜−5
dBの範囲において、受信側へ到達するパケット数の受
信側における信号対雑音比依存性を、従来のTCPによ
る場合と本発明による場合との間で比較するシミュレー
ションである。
【図12】 ウィンドウサイズを従来のTCPによる制
御方法と本発明による制御方法との間で比較するシミュ
レーションである。
【符号の説明】
10 通信装置、20 基地局、30 携帯端末装置、
40 有線回線、50無線回線、60 OSI参照モデ
ル、70 通信プロトコル、80 フローチャート、1
00 通信システム、101 端子、102 インタフ
ェース、103,302 送受信部、104,305
コントローラ、105,306 キー操作部、106,
308 情報処理部、107,304 演算処理部、1
08,309 記憶部、109,307 表示部、30
1 アンテナ、303 電力検出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K067 AA13 AA33 BB04 BB21 CC08 DD24 DD45 EE02 EE10 EE16 FF16 FF23 HH22 HH23 LL01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクション型のプロトコルにより送信
    側から受信側へ情報を送信する通信システムであって、 前記情報を複数のパケットに分割して送信する第1の通
    信装置と、 前記第1の通信装置から無線回線を介して前記複数のパ
    ケットを受信する第2の通信装置とを備え、 前記第1の通信装置は、前記第2の通信装置から受信し
    た前記無線回線における電波環境を示す指標値に基づい
    て前記無線回線において前記パケットの送信ロスが生じ
    たか否かを判定し、前記送信ロスが生じたと判定したと
    き、前記第2の通信装置へ到達するパケット数が増加す
    るように前記送信するパケットの数を制御する、通信シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 前記第1の通信装置から有線回線を介し
    て前記複数のパケットを受信し、その受信した複数のパ
    ケットを前記無線回線を介して前記第2の通信装置へ送
    信する中継装置をさらに備える、請求項1に記載の通信
    システム。
  3. 【請求項3】 前記指標値は、前記第2の通信装置にお
    ける雑音電力に対する受信電力の比を示す信号対雑音比
    である、請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  4. 【請求項4】 前記指標値は、前記第2の通信装置にお
    ける雑音強度に対する受信強度の比を示す信号対雑音比
    である、請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  5. 【請求項5】 前記第1の通信装置は、前記信号対雑音
    比に基づいて前記パケットの送信エラーを検出し、その
    検出した送信エラーが所定値に達すると前記送信ロスが
    生じたと判定する、請求項3または請求項4に記載の通
    信システム。
  6. 【請求項6】 前記第1の通信装置は、前記パケットの
    送信ロス率を検出し、その検出した送信ロス率が固有値
    に達すると、前記パケットの送信ロスが発生したと判定
    したときの第1の送信パケット数よりも小さい第2の送
    信パケット数まで前記送信するパケットの数を減少さ
    せ、前記第2の送信パケット数を基準にして前記送信す
    るパケットの数を増加させる、請求項5に記載の通信シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 前記第1の通信装置は、前記有線回線に
    おいて前記パケットの送信ロスが生じたとき、前記パケ
    ットの輻輳制御を行なう、請求項1から請求項6のいず
    れか1項に記載の通信システム。
  8. 【請求項8】 前記第2の通信装置は、移動可能な通信
    装置である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記
    載の通信システム。
  9. 【請求項9】 無線回線を介して情報を受信する受信装
    置へコネクション型のプロトコルにより前記情報を送信
    する送信装置であって、 前記情報を複数のパケットに分割する手段と、 前記複数のパケットを前記受信装置へ送信するとともに
    前記受信装置から前記パケットの確認応答を受信する送
    受信手段と、 制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記受信装置から受信した前記無線回
    線における電波環境を示す指標値に基づいて前記無線回
    線において前記パケットの送信ロスが生じたか否かを判
    定し、前記送信ロスが生じたと判定したとき、前記受信
    装置へ到達するパケット数が増加するように前記送受信
    手段から送信されるパケットの数を制御する、送信装
    置。
  10. 【請求項10】 前記指標値は、前記受信装置における
    雑音電力に対する受信電力の比を示す信号対雑音比であ
    る、請求項9に記載の送信装置。
  11. 【請求項11】 前記指標値は、前記受信装置における
    雑音強度に対する受信電力の比を示す信号対雑強度であ
    る、請求項9に記載の送信装置。
  12. 【請求項12】 前記信号対雑音比に基づいて前記パケ
    ットの送信エラーを検出するエラー検出手段をさらに備
    え、 前記制御手段は、前記エラー検出手段により検出された
    送信エラーが所定値に達すると、前記送信ロスが発生し
    たと判定する、請求項10又は請求項11に記載の送信
    装置。
  13. 【請求項13】 前記パケットの送信ロス率を検出する
    ロス率検出手段をさらに備え、 前記制御手段は、前記ロス率検出手段により検出された
    送信ロス率が固有値に達すると、前記パケットの送信ロ
    スが発生したと判定したときの第1の送信パケット数よ
    りも小さい第2の送信パケット数まで前記送受信手段か
    ら送信されるパケットの数を減少させ、前記第2の送信
    パケット数を基準にして前記送受信手段から送信される
    パケットの数を増加させる、請求項12に記載の送信装
    置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は、前記無線回線に到達
    する前に配置された有線回線において前記パケットの送
    信ロスが生じたとき、前記パケットの輻輳制御を行な
    う、請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の送
    信装置。
  15. 【請求項15】 無線回線を介して情報を受信する受信
    装置へコネクション型のプロトコルにより前記情報を送
    信する通信方法であって、 前記情報を複数のパケットに分割し、前記複数のパケッ
    トを前記受信装置へ送信する第1のステップと、 前記受信装置から前記パケットの確認応答を受信する第
    2のステップと、 前記無線回線における電波環境を示す指標値に基づいて
    前記無線回線において前記パケットの送信ロスが生じた
    か否かを判定する第3のステップと、 前記送信ロスが生じたと判定したとき、前記受信装置へ
    到達するパケット数が増加するように前記送信するパケ
    ットの数を制御する第4のステップとを含む、通信方
    法。
  16. 【請求項16】 前記指標値は、前記受信装置における
    雑音電力に対する受信電力の比を示す信号対雑音比であ
    る、請求項15に記載の通信方法。
  17. 【請求項17】 前記指標値は、前記受信装置における
    雑音強度に対する受信強度の比を示す信号対雑音比であ
    る、請求項15に記載の通信方法。
  18. 【請求項18】 前記第2のステップにおいて、前記受
    信確認とともに前記信号対雑音比が受信され、 前記信号対雑音比に基づいて、前記パケットの送信エラ
    ーを検出する第5のステップをさらに含み、 前記検出された送信エラーが所定値に達すると、前記第
    3のステップにおいて、前記送信ロスが生じたと判定す
    る、請求項16又は請求項17に記載の通信方法。
  19. 【請求項19】 前記パケットの送信ロス率を検出する
    第6のステップをさらに含み、 前記検出された送信ロス率が固有値に達すると、前記第
    4のステップにおいて、前記パケットの送信ロスが発生
    したときの第1の送信パケット数よりも小さい第2の送
    信パケット数まで前記送信するパケットの数が減少さ
    れ、前記第2の送信パケット数を基準にして前記送信す
    るパケットの数が増加される、請求項18に記載の通信
    方法。
  20. 【請求項20】 前記第4のステップにおいて、前記無
    線回線に到達する前に配置された有線回線において前記
    パケットの送信ロスが生じたとき、前記パケットの輻輳
    制御を行なう、請求項15から請求項19のいずれか1
    項に記載の通信方法。
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