JP2003133323A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2003133323A
JP2003133323A JP2001328059A JP2001328059A JP2003133323A JP 2003133323 A JP2003133323 A JP 2003133323A JP 2001328059 A JP2001328059 A JP 2001328059A JP 2001328059 A JP2001328059 A JP 2001328059A JP 2003133323 A JP2003133323 A JP 2003133323A
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emitter region
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JP2001328059A
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Seiji Yasuda
聖治 安田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、バイポーラトランジスタにおいて、
エミッタ・クラウディング効果による電流分布の集中を
緩和できるようにすることを最も主要な特徴としてい
る。 【解決手段】たとえば、n型Si基板11の表面に、n
型エピタキシャル層12を成長させる。そのエピタキシ
ャル層12の表面に、ベース電極から近い部分と遠い部
分とで濃度の異なるベース領域17を形成する。その
後、ベース領域17の表面にエミッタ領域19を形成す
る。こうして、エミッタ・ベース接合部の不純物プロフ
ァイルの最適化により、エミッタ・クラウディング効果
を抑制する構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイポーラ型接合
トランジスタ(以下、バイポーラトランジスタ)または
バイポーラトランジスタを含む半導体装置に関するもの
で、特に、パワートランジスタにおけるエミッタ・ベー
ス接合部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パワートランジスタなどのバイポ
ーラトランジスタにおいて、エミッタ・クラウディング
効果がよく知られている。これは、トランジスタに流す
電流が増大するにつれ、エミッタ領域を流れる電流がベ
ースコンタクトに近いエミッタ領域の周辺領域に集中す
る現象である。
【0003】図15は、従来の一般的なバイポーラトラ
ンジスタの構成例を示すものである。なお、同図(a)
はトランジスタの平面図であり、同図(b)は図(a)
のx−x線に沿うトランジスタの断面図である。
【0004】図15において、半導体基板101は、数
百μmの厚さを有して構成されている。エピタキシャル
成長層102は、上記半導体基板101の表面部に設け
られ、トランジスタのコレクタ領域となる。ベース領域
103は、上記エピタキシャル成長層102の表面部
に、上記半導体基板101および上記エピタキシャル成
長層102とは異なる導電型を有して形成されている。
エミッタ領域104は、上記ベース領域103の表面部
に、上記エピタキシャル成長層と同じ導電型で、より高
い不純物濃度を有して形成されている。
【0005】一方、酸化膜(SiO2 膜)105は、上
記エピタキシャル成長層102の表面上を覆うようにし
て設けられている。エミッタ電極106は、上記エピタ
キシャル成長層102の表面上に、上記エミッタ領域1
04に対応して設けられている。ベース電極107は、
上記エピタキシャル成長層102の表面上に、上記ベー
ス領域103の一部に対応して設けられている。コレク
タの電極108は、上記半導体基板101の裏面側に設
けられている。
【0006】なお、図15は、個別素子としてのトラン
ジスタの構造を示している。トランジスタを集積回路中
に形成する場合には、エピタキシャル成長層とは異なる
導電型の基板を用いる。また、基板上には、上記エピタ
キシャル成長層と同じ導電型で、高不純物濃度の埋め込
み層を形成する。そして、この埋め込み層上に、エピタ
キシャル成長層を成長させる。また、上記埋め込み層を
介して、コレクタ電流を取り出すためのコレクタ電極
を、上記エピタキシャル成長層の表面に形成する。
【0007】npn型トランジスタの場合、エピタキシ
ャル成長層はn型であり、ベース領域はp型、エミッタ
領域はn型である。以後、特に断らない限り、npn型
トランジスタの場合について説明する。pnp型トラン
ジスタの場合についても同じことが成り立つ。
【0008】ここで、バイポーラトランジスタにおける
エミッタ・クラウディング効果について、デバイスシミ
ュレーションの結果を使って説明する。
【0009】図16(a)はシミュレーションに用いた
従来のトランジスタの断面構造を示すものであり、図1
6(b)は図16(a)のy−y線に沿う方向の不純物
分布プロファイルを示すものである。
【0010】図17は、図15に示したトランジスタ
(npn型トランジスタ)のコレクタ領域・エミッタ領
域102,104間に、コレクタ領域102がエミッタ
領域104に対して高電位になるようにVCE=3Vの
電圧を与え、ベース領域103・エミッタ領域104間
に順方向バイアス電圧VBE=0.7Vを与えたとき
に、該トランジスタに流れる電流の断面分布を描いたも
のである。なお、同図(a)は電流ベクトルを示す図で
あり、図(b)はフローラインを示す図である。
【0011】図17(a),(b)に示すように、ベー
ス領域103・エミッタ領域104間の順方向バイアス
電圧がVBE=0.7Vでは、エミッタ領域104の電
流分布はほぼ一様であることが分かる。
【0012】図18は、図15に示したトランジスタ
(npn型トランジスタ)のコレクタ領域・エミッタ領
域102,104間に、コレクタ領域102がエミッタ
領域104に対して高電位になるようにVCE=3Vの
電圧を与え、ベース領域103・エミッタ領域104間
に順方向バイアス電圧VBE=0.8Vを与えたとき
に、該トランジスタに流れる電流の断面分布を描いたも
のである。なお、同図(a)は電流ベクトルを示す図で
あり、図(b)はフローラインを示す図である。
【0013】図18(a),(b)に示すように、ベー
ス領域103・エミッタ領域104間の順方向バイアス
電圧をVBE=0.8Vに増加した場合には、エミッタ
領域104のベース電極107側の端部を流れる電流
が、反対側よりもやや大きくなっている。
【0014】図19は、図15に示したトランジスタ
(npn型トランジスタ)のコレクタ領域・エミッタ領
域102,104間に、コレクタ領域102がエミッタ
領域104に対して高電位になるようにVCE=3Vの
電圧を与え、ベース領域103・エミッタ領域104間
に順方向バイアス電圧VBE=0.9Vを与えたとき
に、該トランジスタに流れる電流の断面分布を描いたも
のである。なお、同図(a)は電流ベクトルを示す図で
あり、図(b)はフローラインを示す図である。
【0015】図19(a),(b)に示すように、ベー
ス領域103・エミッタ領域104間の順方向バイアス
電圧をさらにVBE=0.9Vに増加した場合には、エ
ミッタ領域104のベース電極107側の端部での電流
分布の集中が一層顕著になっていることが分かる。
【0016】このように、ベース領域103・エミッタ
領域104間の順方向バイアス電圧VBEを増加させ、
トランジスタのコレクタ電流を大きくするにつれ、エミ
ッタ領域104を流れる電流は、ベースコンタクトに近
い側に集中していくことが分かる。
【0017】このエミッタ・クラウディング効果のた
め、大電流を得る目的で単純にエミッタ電極の面積を大
きくしても、流すことができる電流は面積の増加に見合
ったほどは増えない。このため、大電流を流すことが必
要なパワートランジスタなどでは、エミッタ電極の形状
に工夫がなされる。その一例として、櫛形(inter
digital)構造が多く採用されている。
【0018】図20は、櫛形構造を採用するバイポーラ
トランジスタ(パワートランジスタ)の構成例を示すも
のである。なお、同図(a)はトランジスタの平面図で
あり、同図(b)は図(a)のz−z線に沿う断面図で
ある。
【0019】図20において、エピタキシャル成長層2
01は、トランジスタのコレクタ領域となる。ベース領
域202は、上記エピタキシャル成長層201の表面部
に設けられている。複数のエミッタ領域203は、上記
ベース領域202の表面部に一定の間隔を有して配設さ
れている。
【0020】一方、酸化膜(SiO2 膜)204は、上
記エピタキシャル成長層201の表面上を覆うようにし
て設けられている。また、櫛歯状のエミッタ電極205
は、各櫛歯の部分が、上記エミッタ領域203のそれぞ
れに接続されている。さらに、櫛歯状のベース電極20
6は、各櫛歯の部分が、上記エミッタ電極205の相互
間に対応するように配置され、それぞれ、上記ベース領
域202と接続されている。
【0021】このように、従来のパワートランジスタの
場合、エミッタ電極205を、その面積に対する周辺長
の割合が大きくなるように櫛形に形成することにより、
大電流が流れるように工夫されている。
【0022】しかしながら、上記した櫛形構造には以下
に述べるような欠点があった。すなわち、多数の位置に
おいて、エミッタ電極205とベース電極206とが隣
接する。このため、製造工程時に、エミッタ・ベース間
短絡などの不良が発生する確率が高くなる。また、エミ
ッタ電極205の相互間に、それぞれ、ベース電極20
と接続される外部ベース領域が必要となる。このため、
単純な矩形パターン構造とした場合(たとえば、図15
参照)に比べて、トランジスタ全体の面積が大きくな
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
においては、エミッタ電極の形状を櫛形構造とすること
により大電流を流すことができるものの、製造工程での
不良の発生を増大させるとともに、トランジスタの大型
化を招くといった不具合があった。
【0024】そこで、この発明は、製造工程での不良の
発生の増大や大型化を招くことなく、エミッタ・クラウ
ディング効果による電流分布の集中を緩和でき、大電流
を流すことが容易に可能な半導体装置を提供することを
目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の半導体装置にあっては、半導体基板の
表面部に形成された第一導電型のコレクタ領域と、前記
コレクタ領域の表面部に形成された第二導電型のベース
領域と、前記ベース領域の表面部に形成された第一導電
型のエミッタ領域とを有する少なくとも一つのバイポー
ラ型接合トランジスタを具備したものであって、前記ベ
ース領域の不純物濃度を、ベースコンタクトに近い部分
を高く、遠い部分を低くしたことを特徴とする。
【0026】また、この発明の半導体装置にあっては、
半導体基板の表面部に形成された第一導電型のコレクタ
領域と、前記コレクタ領域の表面部に形成された第二導
電型のベース領域と、前記ベース領域の表面部に形成さ
れた第一導電型のエミッタ領域とを有する少なくとも一
つのバイポーラ型接合トランジスタを具備したものであ
って、前記ベース領域は、少なくともその一部が前記エ
ミッタ領域とは異なる二種類以上の元素から構成される
化合物半導体により形成されて、前記エミッタ領域とヘ
テロ接合を形成するとともに、前記二種類以上の元素の
組成比によりバンドギャップが可変であり、しかも、前
記エミッタ領域よりはバンドギャップが小さく、かつ、
前記エミッタ領域の直下の組成比を、ベースコンタクト
に近い部分のバンドギャップがより大きく、遠い部分の
バンドギャップがより小さくなるようにしたことを特徴
とする。
【0027】さらに、この発明の半導体装置にあって
は、半導体基板の表面部に形成された第一導電型のコレ
クタ領域と、前記コレクタ領域の表面部に形成された第
二導電型のベース領域と、前記ベース領域の表面部に形
成された第一導電型のエミッタ領域とを有する少なくと
も一つのバイポーラ型接合トランジスタを具備したもの
であって、前記エミッタ領域は、前記ベース領域とは異
なる二種類以上の元素から構成される化合物半導体によ
り形成されて、前記ベース領域とヘテロ接合を形成する
とともに、前記二種類以上の元素の組成比によりバンド
ギャップが可変であり、しかも、前記ベース領域よりも
バンドギャップが大きく、かつ、その組成比を、ベース
コンタクトに近い部分のバンドギャップが大きく、遠い
部分のバンドギャップが小さくなるようにしたことを特
徴とする。
【0028】この発明の半導体装置によれば、大電流動
作領域で問題となっていたエミッタ・クラウディング効
果を、エミッタ・ベース接合部の不純物プロファイルの
最適化またはエミッタ・ベース領域のバンドギャップの
最適化によって抑制できるようになる。これにより、矩
形または単純な形状のエミッタ電極のままで、エミッタ
領域に大電流をほぼ均一に流することが可能となるもの
である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0030】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態にかかる、パワートランジスタ(npn型ト
ランジスタ)の製造方法を説明するために示すものであ
る。
【0031】まず、たとえば同図(a)に示すように、
n型不純物である燐(P)などを高濃度にドープしたシ
リコン(Si)基板11の表面に、n型エピタキシャル
層12を成長させる。エピタキシャル層12の不純物濃
度および成長膜厚は、所望のトランジスタのコレクタ耐
圧やカットオフ周波数(fT)などによって異なる。た
とえば、コレクタ領域・エミッタ領域間の耐圧VCEO
=10V、遮断周波数fT=10ギガヘルツ(GHz)
のトランジスタの場合、エピタキシャル層12の不純物
濃度は約5×1015cm-3、膜厚は3μm程度である。
【0032】次に、エピタキシャル層12の表面に、熱
酸化により、SiO2 膜13を300nm程度の膜厚で
成長させる。そして、ベース領域を形成する部位の上記
SiO2 膜13を、フォトリソグラフィ工程により除去
する。その後、フォトレジスト14により、ベース領域
を形成する部位を除く部位をマスクして、p型不純物で
あるホウ素(B)をイオン注入する。ホウ素のイオン注
入条件は、たとえば、加速エネルギー50keV、注入
ドーズ量2×1014cm-2である。
【0033】次に、たとえば同図(b)に示すように、
上記イオン注入によりベース領域を形成する部位に不純
物層15を形成した後、エミッタ領域を形成する部位
(ベース領域を形成する部位のうち、ベース電極から遠
い部分)を、フォトレジスト16などを使ってマスクす
る。そして、さらにホウ素を、加速エネルギー50ke
V、注入ドーズ量2×1014cm-2の条件でイオン注入
する。このときのイオン注入条件、つまり加速エネルギ
ーおよび注入ドーズ量は、エミッタ・クラウディング効
果を抑制する程度により、適当な値に設定して良い。
【0034】次に、たとえば同図(c)に示すように、
1000℃程度の熱処理によりホウ素を拡散させて、ベ
ース領域17を形成する。これにより、ベース電極から
近い部分と遠い部分とで、深さ(不純物濃度)の異なる
ベース領域17が形成される。
【0035】その後、SiO2 膜13およびフォトレジ
スト14,16を除去した後、CVD(化学的気相成
長)法により、再度、SiO2 膜18を5000オング
ストローム程度の膜厚で成長させる。そして、エミッタ
領域を形成する部位のSiO2膜18をフォトリソグラ
フィ工程により除去し、n型不純物である砒素(As)
をイオン注入する。砒素のイオン注入条件は、たとえ
ば、加速エネルギー100keV、注入ドーズ量1×1
15cm-2である。
【0036】次に、たとえば同図(d)に示すように、
熱処理により砒素を拡散させて、エミッタ領域19を形
成する。続いて、上記SiO2 膜18にコンタクトホー
ルの開口を行う。そして、アルミニウムなどの金属を真
空蒸着法またはスパッタ法などにより成膜し、さらに、
それをエッチングして、上記ベース領域17につながる
ベース電極20、および、上記エミッタ領域19につな
がるエミッタ電極21を形成する。これにより、エミッ
タ領域19の片側にのみベース電極20を配設してなる
構造のトランジスタが完成する。
【0037】なお、上記した工程の説明では、エミッタ
領域19の形成において、直接、砒素をイオン注入する
ようにした。これに限らず、たとえば、エミッタ領域1
9を形成する部位の表面に、砒素または燐(P)を高濃
度にドープした多結晶シリコンを被着し、この多結晶シ
リコンからの固相拡散によりエミッタ領域19を形成す
ることも可能である。
【0038】または、不純物のドープされていない多結
晶シリコンを被着し、そこへ砒素または燐をイオン注入
した後に、同様に、多結晶シリコンからの固相拡散によ
りエミッタ領域19を形成することも可能である。
【0039】さらに、上記した工程の説明では、ベース
領域17における不純物濃度を二段階に変化させるよう
にした。これに限らず、たとえば図1(b)の工程を何
回か繰り返すか、SiO2 膜13の膜厚を部分的に異な
らせることにより、多段階に濃度を変化させるようにし
ても良い。これにより、エミッタ・クラウディング効果
を、より効果的に抑制することが可能となる。
【0040】このようにして形成されたnpnトランジ
スタの、ベース領域17のp型不純物(この場合は、ホ
ウ素)の濃度は、ベースコンタクトに近い部分では高
く、ベースコンタクトに遠い部分では低くなっている。
このため、エミッタ・ベース接合部のポテンシャルバリ
ア(build in potential)は、ベー
スコンタクトに近い部分で大きく、遠い部分で小さくな
る。したがって、エミッタ・ベース接合部に順方向バイ
アス電圧を印加したときに、エミッタ領域19からベー
ス領域17へと注入される、少数キャリアである電子の
数は、ベースコンタクトに近い部分では少なく、遠い部
分では多くなる。
【0041】エミッタ・ベース接合部の電圧が小さく、
エミッタ・クラウディング効果が顕著でないときは、電
流の分布が不均一になる。この場合、流れる全電流が小
さいため、電流分布の不均一性が特に問題になることは
ない。
【0042】エミッタ・ベース接合部の電圧が大きくな
ってくると、上記ポテンシャルバリアの差の効果によ
り、エミッタ・クラウディング効果を抑制することが可
能となる。つまり、全電流が増加した場合にも、エミッ
タ・クラウディング効果による、ベースコンタクトに近
い部分への電流分布の集中を緩和することが可能とな
る。その結果、高電流状態で、かつ、より均一性の優れ
た電流密度分布を得ることができる。
【0043】図2は、本実施形態におけるエミッタ・ク
ラウディング効果の抑制の効果について説明するため
の、デバイスシミュレーションによる結果を示すもので
ある。なお、同図(a)はシミュレーションに用いたパ
ワートランジスタの断面構造を示すものであり、同図
(b),(c),(d)はそれぞれ図(a)中のy1-
y1線,y2−y2線,y3−y3線に沿う不純物分布
プロファイルを示すものである。
【0044】図からも明らかなように、この場合、真性
ベース領域の不純物濃度は、外部ベース領域に近づくほ
ど高くなる。このように、真性ベース領域の不純物濃度
が段階的に変化されている。
【0045】図3〜図5は、図1に示したパワートラン
ジスタのコレクタ領域12・エミッタ領域19間に電圧
VCE=3Vを印加し、ベース領域17・エミッタ領域
19間に電圧VBE=0.7V,0.8V,0.9Vを
それぞれ加えたときの、該トランジスタに流れる電流の
断面分布を描いたものである。なお、各図において、図
(a)は電流分布ベクトルを示す図であり、図(b)は
フローラインを示す図である。
【0046】図3および図4に示すように、電圧VBE
が0.7V,0.8Vの場合には、ベース電極20から
遠い側の、エミッタ領域19の端部付近で電流密度が高
くなる傾向がある。この程度の電圧VBEでは全電流が
それほど大きくないので、電流分布の不均一性は特に問
題にならない。
【0047】一方、図5に示すように、電圧VBE=
0.9Vの場合には、本実施形態におけるエミッタ・ク
ラウディング効果が、従来のトランジスタ(たとえば、
図19参照)と比ベて大幅に改善されていることが分か
る。
【0048】図6は、電圧VBE=0.9Vとした場合
の、エミッタ・ベース接合部付近の電流密度分布を、本
実施形態のトランジスタ(図5)と従来のトランジスタ
(図19)とを比較して示すものである。因みに、同図
(a)が本実施形態のトランジスタのものであり、同図
(b)が従来のトランジスタのものである。
【0049】エミッタ領域の左端のもっとも電流の集中
した部分の電流密度の値を比較すれば明らかな通り、本
実施形態のトランジスタの最大電流密度は従来の約6割
にまで低減されており、エミッタ・クラウディング効果
が大幅に抑制されていることが分かる。
【0050】また、この事実より、ベース領域の横方向
の不純物濃度を適切に制御することによって、必要な最
大動作電流において、最適な電流密度分布となるように
設計することが可能である。
【0051】(第2の実施形態)図7は、本発明の第2
の実施形態にかかる、パワートランジスタ(npn型ト
ランジスタ)の製造方法を説明するために示すものであ
る。なお、ここでは、エミッタ領域の両側にベース領域
を配設してなるトランジスタを例に説明する。
【0052】まず、たとえば同図(a)に示すように、
高濃度のn型シリコン基板上11の表面に、n型エピタ
キシャル層12を形成する。続いて、エピタキシャル層
12の表面に、熱酸化により、SiO2 膜13を300
nm程度の膜厚で成長させる。そして、ベース領域を形
成する部位の上記SiO2 膜13を、フォトリソグラフ
ィ工程により除去する。その後、p型不純物であるホウ
素(B)をイオン注入し、熱処理を行って、ベース領域
17を形成する。ここまでの工程は、上述した第1の実
施形態の場合とほぼ同様である。
【0053】次に、たとえば同図(b)に示すように、
全面にSiO2 膜18をCVD法により堆積させ、アニ
ールした後、エミッタ領域を形成するための開口を行
う。そして、砒素(As)をイオン注入後、熱処理を行
って、エミッタ領域19を形成する。
【0054】次に、たとえば同図(c)に示すように、
表面のSiO2 膜18をすべて剥離する。そして、シリ
コンナイトライド(SiN)膜31を全面に堆積し、外
部ベース領域を形成する部位のSiN膜31のみを除去
する。また、残存する上記SiN膜31をマスクして、
外部ベース領域を形成する部位のシリコンをエッチング
する。エッチングの深さは、エミッタ領域19の拡散の
深さとほぼ同程度とする。
【0055】続いて、たとえば同図(d)に示すよう
に、エッチングによりできた凹部の側壁部分にSiO2
膜の側壁32を形成する。
【0056】次に、たとえば同図(e)に示すように、
この側壁32をマスクとして、シリコンをさらにエッチ
ングする。このときのエッチングの深さは、ベース・コ
レクタ接合部のやや手前の深さまでとする。
【0057】そして、エッチングによりできた凹部内
に、ホウ素を高濃度にドーピングした多結晶シリコンを
埋め込み、その表面を平坦化して埋め込み層(外部ベー
ス領域)33を形成する。その後、熱処理によって、埋
め込み層33からホウ素を拡散させる。この場合、ホウ
素が内部ベース領域にも拡散していくことにより、内部
ベース領域に、その端から中央に向かってホウ素の濃度
が連続的に減少していくような不純物プロファイルをも
たせることができる。
【0058】引き続き、たとえば同図(f)に示すよう
に、表面に残っているSiN膜31を除去して、新しい
SiO2 膜34を堆積させる。そして、そのSiO2
34に、エミッタ・ベースコンタクトのための各ホール
の開口を行った後、ベース電極20およびエミッタ電極
21を形成する。これにより、エミッタ領域19の両側
にベース電極20を配設してなる構造のトランジスタが
完成する。
【0059】本実施形態の場合、最終的に外部ベース領
域を形成するための多結晶シリコンからの横方向拡散に
より、真性ベース領域における不純物濃度の分布を得る
ようにしている。そのため、ベース領域17に連続的で
滑らかな濃度の勾配をつけることができる。
【0060】このような構成によっても、上述した第1
の実施形態の場合と同様の効果、つまり、エミッタ・ク
ラウディング効果を抑制することが可能となる。
【0061】さらに、本実施形態によれば、真性ベース
領域が高濃度の多結晶シリコンからなる外部ベース領域
と直に接続される。このため、ベース抵抗を大幅に減少
させることができ、高周波特性やノイズ特性をも改善で
きる。
【0062】(第3の実施形態)図8および図9は、本
発明の第3の実施形態にかかる、パワートランジスタ
(npn型トランジスタ)の製造方法を説明するために
示すものである。なお、ここでは、エミッタ領域とコレ
クタ領域とをSiで、ベース領域をSi1-x Gexで形
成した、SiGeHBT(SiGeヘテロ接合バイポー
ラトランジスタ)の場合について説明する。
【0063】まず、たとえば図8(a)に示すように、
n型不純物が高濃度にドープされたn型シリコン基板1
1に、コレクタ領域となるn型エピタキシャル層12を
成長させる。n型エピタキシャル層12の不純物濃度お
よび成長膜厚は、所望のトランジスタの耐圧と動作周波
数により決定される。たとえば、コレクタ領域・エミッ
タ領域間の耐圧VCEO=5V、遮断周波数fT=30
GHzのトランジスタの場合、エピタキシャル層12の
不純物濃度は2×1017/cm3 程度、膜厚は2μm程
度である。
【0064】次に、エピタキシャル層12の表面に、1
000℃の熱酸化により、SiO2膜13を70nm程
度の膜厚で成長させる。また、上記SiO2 膜13上
に、減圧CVD法により、SiN膜31を10nm程度
の膜厚で堆積する。その後、エミッタ領域を形成する部
位を残して、上記SiO2 膜13および上記SiN膜3
1を除去する。
【0065】次に、たとえば図8(b)に示すように、
全面に、第1のSiGe層41を形成する。SiGe層
41の成長は、エピタキシャル成長炉において、Siの
ソースとしてSiH4 (モノシラン)またはSi2 6
(ジシラン)またはSiH2Cl2 (ジクロルシラン)
などを用い、GeのソースとしてGeH4 (ゲルマン)
を用い、900℃〜1100℃程度の高温で行われる。
【0066】上記エピタキシャル層12に接した部分で
はSiGeのエピタキシャル層が成長し、上記SiN膜
31に接した部分では多結晶または非晶質(アモルファ
ス)の膜が形成される。この場合、SiGe層41のG
eの濃度(モル比)は0〜0.05程度にする。SiG
e層41のGeのモル比は、GeH4 とSiH4 などの
流量比により決定される。
【0067】次に、たとえば図8(c)に示すように、
全面を、CMP(化学的機械的研磨)法により平坦化す
る。このとき、SiN膜31がCMPのストッパとして
作用するため、SiGe層41の厚さは80nm程度に
制御される。
【0068】次に、たとえば図8(d)に示すように、
上記SiO2 膜13および上記SiN膜31の一部を残
し、その周辺部をエッチングにより除去する。SiGe
層41へのプラズマによる損傷を避けるため、ウェット
エッチングが望ましい。すなわち、フォトレジスト(図
示していない)をマスクに、熱燐酸処理により、SiN
膜31を選択的にエッチングする。また、残っているS
iN膜31をマスクにして、SiO2 膜13をエッチン
グする。
【0069】次に、たとえば図8(e)に示すように、
全面に、第2のSiGe層42を成長させる。成長の方
法は、第1のSiGe層41の場合とほぼ同様である。
ただし、第2のSiGe層42のGeのモル比は、第1
のSiGe層41のGeのモル比よりも高く、0.08
〜0.12程度とする。
【0070】次に、たとえば図8(f)に示すように、
再度、CMP法により全面を平坦化する。この場合も、
SiN膜31がCMPのストッパとして作用するため、
SiGe層42の膜厚は80nm程度に制御される。
【0071】次に、たとえば図9(a)に示すように、
残りの上記SiO2 膜13および上記SiN膜31をす
べて除去する。その後、全面に、第3のSiGe層43
を成長させる。成長の方法は、第1のSiGe層41お
よび第2のSiGe層42の場合とほぼ同様である。た
だし、第3のSiGe層43のGeのモル比は、第1の
SiGe層41および第2のSiGe層42のGeのモ
ル比よりも高く、0.13〜0.2程度とする。
【0072】次に、たとえば図9(b)に示すように、
CMP法により全面を平坦化する。この場合、CMPの
ストッパになるSiN膜がないため、ポリシングの終点
は、CMPのレートなどにより制御する必要がある。こ
のようなプロセスにより、SiGe層41,42,43
のエピタキシャル工程(ベース領域の形成)が終了す
る。
【0073】なお、SiGe層41,42,43のGe
のモル比を、その中央部から周辺部に向かって三段階に
変化させたが、実際には、エピタキシャル成長中の熱処
理によりGeが拡散する。そのため、分布は階段状には
ならず、だれた形になる。
【0074】また、本実施形態の説明では、SiGe層
の成長を3回に分けて行ったが、さらに多数回に分けて
行うことも可能である。成長の回数が多いほど、モル比
のプロファイルの自由度が高まる。本発明の効果を得る
ためには、最低、SiGe層の成長を2回に分けて行う
ことが必要である。
【0075】次に、たとえば図9(c)に示すように、
SiGe層41,42,43の表面に、全面的に、減圧
CVD法によりSiO2 膜44を堆積させる。そして、
そのSiO2 膜44の、エミッタ領域を形成する部位を
開口する。
【0076】次に、たとえば図9(d)に示すように、
全面に、高濃度のn型シリコン層45を成長させる。
【0077】次に、たとえば図9(e)に示すように、
CMP法によって上記シリコン層45の平坦化を行い、
エミッタ領域を形成する。
【0078】続いて、たとえば図9(f)に示すよう
に、上記SiO2 膜44の一部を除去した後、アルミニ
ウムなどの金属をスパッタ法などにより形成する。そし
て、それをエッチングして、上記SiGe層41につな
がるベース電極46、および、上記エミッタ領域(シリ
コン層45)につながるエミッタ電極47を形成する。
こうして、SiGeHBTが完成する。
【0079】通常、SiGeHBTの場合、ベース領域
のGeのモル比xは、一定の値にする。あるいは、エミ
ッタ領域から注入された電子を加速する電界の効果を得
るために、エミッタ領域の端部からコレクタ領域の端部
に向かって、モル比が増加するような勾配を与えること
が行われる。
【0080】本実施形態のSiGeHBTにおいては、
エミッタ領域からコレクタ領域に向かう方向のモル比の
分布には関わりなく、横方向(エミッタ・ベース接合部
に平行な方向)にモル比の傾斜をつける。具体的には、
真性ベース領域のベースコンタクトからの距離が遠い場
所ほど、Geのモル比を大きくする。
【0081】図10は、SiGeHBTの平面構造と真
性ベース領域のモル比の分布との関係を示すものであ
る。なお、同図(a)はベース電極がエミッタ領域の両
側にある場合を、同図(b)はベース電極がエミッタ領
域の片側だけにある場合を、それぞれ示している。
【0082】図10(a),(b)において、40はベ
ース領域、45はエミッタ領域、46はベース電極、4
7はエミッタ電極である。
【0083】図10(a)に示すように、ベース電極4
6がエミッタ領域45の両側にある場合、モル比は、真
性ベース領域の両端から中央に向かって単調に増加して
いくような分布とする。
【0084】これに対し、図10(b)に示すように、
ベース電極46がエミッタ領域45の片側だけにあるよ
うな配置の場合、モル比は、真性ベース領域のベース電
極46に近い側から遠い側に向かって単調に増加してい
くような分布とする。
【0085】図11は、上記のようなGeのモル比の分
布を与えることによる効果について、デバイスシミュレ
ーションの結果を使って説明する。
【0086】なお、同図(a)はシミュレーションに使
ったSiGeHBTの構造を示すもので、ベースコンタ
クトがエミッタ領域の両側にある場合も片側にしかない
場合も原理は同じなので、ここでは、エミッタ領域の両
側にベース電極がある場合を例に説明する。
【0087】また、同図(b)は、このSiGeHBT
において、エミッタ領域の直下の真性ベース領域におけ
る横方向のGeのモル比分布を示すものであり、上述し
たように、モル比は真性ベース領域の両端から中央に向
かって単調に増加していくような分布としている。
【0088】さらに、同図(c)は、このSiGeHB
Tにおいて、コレクタ領域・エミッタ領域間に、コレク
タ・ベース接合部が逆バイアスとなるような電圧VCE
=2Vを印加し、ベース領域・エミッタ領域間に順方向
に電圧VBE=1.0Vをかけたときの電流ベクトルを
示す図であり、同図(d)は、同じくフローラインを示
す図である。
【0089】図12は、比較のために、Geのモル比の
分布以外はまったく同じで、ベース領域のGeのモル比
が全領域にわたって一様(x=0.1)とされた従来の
SiGeHBTについて、上記と同様のシミュレーショ
ンを行った結果を示すものである。
【0090】すなわち、同図(a)は、従来のSiGe
HBTにおいて、コレクタ領域・エミッタ領域間に電圧
VCE=2Vを印加し、ベース領域・エミッタ領域間に
順方向に電圧VBE=1.0Vをかけたときの電流ベク
トルを示す図であり、同図(d)は、同じくフローライ
ンを示す図である。
【0091】図11(c),(d)および図12
(a),(b)を比較すると、本実施形態のSiGeH
BTの方が、従来のSiGeHBTに比べて、エミッタ
領域の周辺部での電流分布の集中が少なくなっているこ
とが分かる。
【0092】図13は、本実施形態のSiGeHBTの
特性をさらに明らかにするために、上記した図11
(a)のx’−x’線に沿う位置での電流密度の分布を
比較して示すものである。なお、同図(a)は本実施形
態のSiGeHBTについてのものであり、同図(b)
は従来のSiGeHBTについてのものである。
【0093】この場合、両者とも流れている全電流はほ
ぼ等しい。本実施形態のSiGeHBTでは、従来のS
iGeHBTに比べて、エミッタ領域の中央部と端部と
における電流密度の差が小さくなっている。また、エミ
ッタ領域の端部における最大電流密度も、従来のSiG
eHBTの約15%も小さくなっている。このことから
も、エミッタ・クラウディング効果が抑制されているこ
とが分かる。
【0094】以上、述べたように、真性ベース領域のG
eのモル比がベースコンタクトに近い側から遠い側にむ
かって増加するような分布とすることにより、エミッタ
領域の電流分布をより一様に近づけることが可能とな
る。
【0095】すなわち、エミッタ・ベース接合部をバン
ドギャップが可変な材料の組み合わせにより形成し、エ
ミッタ領域およびベース領域の材料のバンドギャップの
差を、ベースコンタクトに近い部分で大きく、遠い部分
で小さくなるようにする。これにより、ポテンシャルバ
リアをベースコンタクトに近い部分で大きく、遠い部分
で小さくすることができる。その結果、上述した第1,
第2の実施形態の場合と同様に、エミッタ・クラウディ
ング効果を抑制することが可能となる。
【0096】なお、上記の実施形態において、モル比の
分布をさらに最適化して、より一様な電流分布を得るこ
とも当然可能である。
【0097】また、この実施形態では、npn型のSi
GeHBTについて説明したが、pnp型のSiGeH
BTについても同じ効果が得られる。
【0098】さらに、SiGeに限らず、一般の化合物
半導体の組成比を変えることにより、バンドギャップの
大きさを変えることができる半導体材料をベース領域に
用いたHBTであれば、同様の効果が期待できる。
【0099】(第4の実施形態)図14は、本発明の第
4の実施形態にかかる、パワートランジスタの製造方法
を説明するために示すものである。なお、ここでは、エ
ミッタ領域をAlGaAsで、コレクタ領域とベース領
域とをGaAsで形成した、npn型トランジスタの場
合について説明する。
【0100】まず、たとえば同図(a)に示すように、
n型不純物を高濃度にドープしたn型GaAs基板51
上に、n型エピタキシャルGaAs層52を成長させ
る。さらに、その上に、p型エピタキシャルGaAs層
53を成長させる。この場合、n型エピタキシャルGa
As層52がトランジスタのコレクタ領域に、p型エピ
タキシャルGaAs層53がトランジスタのベース領域
になる。
【0101】次に、たとえば同図(b)に示すように、
全面に、SiO2 膜54を堆積する。そして、そのSi
2 膜54の、エミッタ領域を形成する部位を開孔す
る。その後、AlGaAsを全面に気相成長により成長
させる。このとき、上記GaAs層53に接した部分で
はAlGaAsのエピタキシャル層55が成長するが、
SiO2 膜54に接した部分では多結晶またはアモルフ
ァスの膜56が形成される。
【0102】次に、たとえば同図(c)に示すように、
エピタキシャルAlGaAs層55以外の膜56を除去
した後、再度、SiO2 膜57で全面を覆う。続いて、
エピタキシャルAlGaAs層55に隣接する部位のS
iO2 膜54,57だけを選択的に除去し、上記GaA
s層53を露出させる。
【0103】その後、上記エピタキシャルAlGaAs
層55よりもAl組成比の小さい、AlGaAs層を気
相成長させる。すると、同様にして、GaAs層53に
接した部分ではAlGaAsのエピタキシャル層58が
成長するが、それ以外の、SiO2 膜54,57に接し
た部分では多結晶またはアモルファスの膜59が形成さ
れる。
【0104】次に、たとえば同図(d)に示すように、
再び、エピタキシャルAlGaAs層58以外の膜59
を除去する。さらに、全てのSiO2 膜54,57を除
去した後、全面に、新たにSiO2 膜60を厚く形成す
る。そして、全面をエッチバックまたはCMP法などに
より、エミッタ領域(エピタキシャルAlGaAs層5
5,58)の表面が平坦になるように加工する。
【0105】続いて、たとえば同図(e)に示すよう
に、全面に、SiO2 膜61を形成した後、エミッタ電
極およびベース電極の形成のためのコンタクトホールを
開口する。そして、アルミニウムなどの金属をスパッタ
法などにより形成し、それをエッチングして、上記p型
エピタキシャルGaAs層53につながるベース電極6
2、および、上記エピタキシャルAlGaAs層55,
58につながるエミッタ電極63を形成する。こうし
て、npn型トランジスタが完成する。
【0106】このトランジスタの場合、エミッタ領域の
ベースコンタクトに近い部分(エピタキシャルAlGa
As層58)は、遠い部分(エピタキシャルAlGaA
s層55)に比べて、バンドギャップが小さくなってい
る。このため、エミッタ・ベース接合部のベースコンタ
クトに近い部分は、遠い部分に比べて、ポテンシャルバ
リアが大きくなる。これにより、エミッタ領域のベース
電極側の端部に集中する電流を抑制することが可能とな
る結果、上述した第1〜第3の実施形態の場合と同様
に、エミッタ・クラウディング効果を抑制する効果が期
待される。
【0107】なお、上記実施形態に限らず、たとえば、
第3の実施形態と第4の実施形態とを組み合わせること
も可能である。すなわち、エミッタ領域が、ベース領域
とは異なる二種類以上の元素から構成される化合物半導
体により形成されて、上記ベース領域とヘテロ接合を形
成するとともに、上記二種類以上の元素の組成比により
バンドギャップが可変であり、しかも、上記ベース領域
よりもバンドギャップが大きく、かつ、その組成比を、
ベースコンタクトに近い部分のバンドギャップが大き
く、遠い部分のバンドギャップが小さくなるようにし、
また、上記ベース領域が、少なくともその一部が上記エ
ミッタ領域とは異なる二種類以上の元素から構成される
化合物半導体により形成されて、上記二種類以上の元素
の組成比によりバンドギャップが可変であり、しかも、
上記エミッタ領域よりもバンドギャップが小さく、か
つ、その組成比を、ベースコンタクトに近い部分のバン
ドギャップが小さく、遠い部分のバンドギャップが大き
くなるように構成することも可能である。
【0108】または、たとえば、第1の実施形態と第3
の実施形態とを組み合わせることも可能である。すなわ
ち、ベース領域が、少なくともその一部がエミッタ領域
とは異なる二種類以上の元素から構成される化合物半導
体により形成されて、上記エミッタ領域とヘテロ接合を
形成するとともに、上記二種類以上の元素の組成比によ
りバンドギャップが可変であり、しかも、上記エミッタ
領域よりはバンドギャップが小さく、かつ、上記エミッ
タ領域の直下の組成比を、ベースコンタクトに近い部分
のバンドギャップがより大きく、遠い部分のバンドギャ
ップがより小さくなるようにすることで、ベースコンタ
クトに近い部分の不純物濃度分布が遠い部分に比べて高
くなるように構成することも可能である。
【0109】または、たとえば、第1の実施形態と第4
の実施形態とを組み合わせることも可能である。すなわ
ち、エミッタ領域が、ベース領域とは異なる二種類以上
の元素から構成される化合物半導体により形成されて、
上記ベース領域とヘテロ接合を形成するとともに、上記
二種類以上の元素の組成比によりバンドギャップが可変
であり、しかも、上記ベース領域よりもバンドギャップ
が大きく、かつ、その組成比を、ベースコンタクトに近
い部分のバンドギャップが大きく、遠い部分のバンドギ
ャップが小さくなるようにすることで、上記ベース領域
の上記エミッタ領域との接合部の、ベースコンタクトに
近い部分の不純物濃度が遠い部分に比べて高くなるよう
に構成することも可能である。
【0110】さらには、たとえば、第1の実施形態と第
3の実施形態と第4の実施形態とを組み合わせることも
可能である。すなわち、エミッタ領域が、ベース領域と
は異なる二種類以上の元素から構成される化合物半導体
により形成されて、上記ベース領域とヘテロ接合を形成
するとともに、上記二種類以上の元素の組成比によりバ
ンドギャップが可変であり、しかも、上記ベース領域よ
りもバンドギャップが大きく、かつ、その組成比を、ベ
ースコンタクトに近い部分のバンドギャップが大きく、
遠い部分のバンドギャップが小さくなるようにし、ま
た、上記ベース領域が、少なくともその一部が上記エミ
ッタ領域とは異なる二種類以上の元素から構成される化
合物半導体により形成されるとともに、上記二種類以上
の元素の組成比によりバンドギャップが可変であり、し
かも、上記エミッタ領域よりはバンドギャップが小さ
く、かつ、その組成比を、ベースコンタクトに近い部分
のバンドギャップが小さく、遠い部分のバンドギャップ
が大きくなるようにすることで、上記ベース領域の上記
エミッタ領域との接合部の、ベースコンタクトに近い部
分の不純物濃度が遠い部分に比べて高くなるように構成
することも可能である。
【0111】その他、本願発明は、上記(各)実施形態
に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸
脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さら
に、上記(各)実施形態には種々の段階の発明が含まれ
ており、開示される複数の構成要件における適宜な組み
合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、
(各)実施形態に示される全構成要件からいくつかの構
成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の
欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明
の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)
が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が
発明として抽出され得る。
【0112】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、製造工程での不良の発生の増大や大型化を招くこと
なく、エミッタ・クラウディング効果による電流分布の
集中を緩和でき、大電流を流すことが容易に可能な半導
体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの製造方法を説明するために示す工程断面
図。
【図2】同じく、第1の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの不純物分布プロファイルを示す図。
【図3】同じく、第1の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの電流分布プロファイルを示す第1の特性
図。
【図4】同じく、第1の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの電流分布プロファイルを示す第2の特性
図。
【図5】同じく、第1の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの電流分布プロファイルを示す第3の特性
図。
【図6】同じく、第1の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの、エミッタ・ベース接合部付近の電流密度
分布を示す特性図。
【図7】本発明の第2の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの製造方法を説明するために示す工程断面
図。
【図8】本発明の第3の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの製造方法を説明するために示す第1の工程
断面図。
【図9】同じく、第3の実施形態にかかるバイポーラト
ランジスタの製造方法を説明するために示す第2の工程
断面図。
【図10】同じく、第3の実施形態にかかる、SiGe
HBTの平面構造と真性ベース領域のモル比の分布との
関係を示す図。
【図11】同じく、第3の実施形態にかかるSiGeH
BTの電流分布プロファイルを示す特性図。
【図12】比較のために、ベース領域のGeのモル比が
全領域にわたって一様とされた従来のSiGeHBTの
電流分布プロファイルを示す特性図。
【図13】同じく、第3の実施形態にかかるSiGeH
BTと従来のSiGeHBTの電流密度の分布を比較し
て示す特性図。
【図14】本発明の第4の実施形態にかかるバイポーラ
トランジスタの製造方法を説明するために示す工程断面
図。
【図15】従来技術とその問題点を説明するために示
す、一般的なバイポーラトランジスタの構成図。
【図16】同じく、従来のバイポーラトランジスタの不
純物分布プロファイルを示す図。
【図17】同じく、従来のバイポーラトランジスタの電
流分布プロファイルを示す第1の特性図。
【図18】同じく、従来のバイポーラトランジスタの電
流分布プロファイルを示す第2の特性図。
【図19】同じく、従来のバイポーラトランジスタの電
流分布プロファイルを示す第3の特性図。
【図20】同じく、従来の櫛形構造を採用するバイポー
ラトランジスタの一例を示す構成図。
【符号の説明】
11…n型シリコン基板 12…n型エピタキシャル層(コレクタ領域) 13,18…SiO2 膜 14,16…フォトレジスト 15…不純物層 17…ベース領域 19…エミッタ領域 20…ベース電極 21…エミッタ電極 31…SiN膜 32…側壁 33…埋め込み層 34,44…SiO2 膜 40…ベース領域 41…第1のSiGe層 42…第2のSiGe層 43…第3のSiGe層 45…n型シリコン層(エミッタ領域) 46…ベース電極 47…エミッタ電極 51…n型GaAs基板 52…n型エピタキシャルGaAs層(コレクタ領域) 53…p型エピタキシャルGaAs層(ベース領域) 54,57,60,61…SiO2 膜 55,58…エピタキシャルAlGaAs層(エミッタ
領域) 56,59…多結晶またはアモルファスの膜 62…ベース電極 63…エミッタ電極
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Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面部に形成された第一導
    電型のコレクタ領域と、前記コレクタ領域の表面部に形
    成された第二導電型のベース領域と、前記ベース領域の
    表面部に形成された第一導電型のエミッタ領域とを有す
    る少なくとも一つのバイポーラ型接合トランジスタを具
    備した半導体装置であって、 前記ベース領域の不純物濃度を、ベースコンタクトに近
    い部分を高く、遠い部分を低くしたことを特徴とする半
    導体装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板はシリコンであることを
    特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板の表面部に形成された第一導
    電型のコレクタ領域と、前記コレクタ領域の表面部に形
    成された第二導電型のベース領域と、前記ベース領域の
    表面部に形成された第一導電型のエミッタ領域とを有す
    る少なくとも一つのバイポーラ型接合トランジスタを具
    備した半導体装置であって、 前記ベース領域は、少なくともその一部が前記エミッタ
    領域とは異なる二種類以上の元素から構成される化合物
    半導体により形成されて、前記エミッタ領域とヘテロ接
    合を形成するとともに、前記二種類以上の元素の組成比
    によりバンドギャップが可変であり、しかも、前記エミ
    ッタ領域よりはバンドギャップが小さく、かつ、前記エ
    ミッタ領域の直下の組成比を、ベースコンタクトに近い
    部分のバンドギャップがより大きく、遠い部分のバンド
    ギャップがより小さくなるようにしたことを特徴とする
    半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記エミッタ領域はシリコンであり、前
    記ベース領域の少なくとも一部はシリコン・ゲルマニウ
    ム(Si1-x Gex )であることを特徴とする請求項3
    に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板の表面部に形成された第一導
    電型のコレクタ領域と、前記コレクタ領域の表面部に形
    成された第二導電型のベース領域と、前記ベース領域の
    表面部に形成された第一導電型のエミッタ領域とを有す
    る少なくとも一つのバイポーラ型接合トランジスタを具
    備した半導体装置であって、 前記エミッタ領域は、前記ベース領域とは異なる二種類
    以上の元素から構成される化合物半導体により形成され
    て、前記ベース領域とヘテロ接合を形成するとともに、
    前記二種類以上の元素の組成比によりバンドギャップが
    可変であり、しかも、前記ベース領域よりもバンドギャ
    ップが大きく、かつ、その組成比を、ベースコンタクト
    に近い部分のバンドギャップが大きく、遠い部分のバン
    ドギャップが小さくなるようにしたことを特徴とする半
    導体装置。
  6. 【請求項6】 前記エミッタ領域はAlx Ga1-x As
    であり、前記ベース領域はGaAsであることを特徴と
    する請求項5に記載の半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103377918A (zh) * 2012-04-27 2013-10-30 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 Npn异质结双极晶体管及其制造方法

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