JP2003130722A - 光干渉型マイクロ・ハイドロホン - Google Patents
光干渉型マイクロ・ハイドロホンInfo
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Abstract
価でかつ耐熱性のある光干渉型マイクロ・ハイドロホン
を提供 【解決手段】上下にシリコン構造体120とダイヤフラ
ム140とを有し、ガラス管130と、ファイバ110
を固定するために、中心部にファイバ110を通す穴が
あいているガラス・スプライス(ガラス継ぎ手)150
とを組み合わせている。振動を受けているダイヤフラム
140の一部とファイバ110とで、ファブリ・ペロー
干渉計部170を構成している。このファブリ・ペロー
干渉計部170で、ダイヤフラム140の振動(音波)
を検出している。細管構造162で外部と接続すること
で、ハイドロホン100には、ハイパス特性を持たせて
いる。
Description
・ハイドロホンに関するものである。
次元的な微小構造物を加工するマイクロ・マシニング接
術が、近年急速に発展してきた。マイクロマシニング技
術によれば、これまでにない微細な構造物を製作するこ
とができる(例えば、江刺、藤田、五十嵐、杉山、「マ
イクロマシニングとマイクロメカトロニクス」培風館1
992年発行 参照)。マイクロセンサは、その中で急
速に発展しつつある領域であり、おもに医療や自動車の
分野での実用化が進んでいる。一方、地下計測技術につ
いて考えると、現在使用されている地下計測用センサは
大型でかつ高価であるために、計測には高額な費用が必
要とされ、観測点数が制限されることが多い。そのた
め、小型で安価なセンサの製作が可能になれば、アレイ
計測や一つのシステムに複数のセンサを組み込んでの同
時計測が容易となる。また、小型のセンサには駆動エネ
ルギーが小さいために応答が速く高感度であるという特
徴がある。そのため、微小な圧力、温度、流量等の変化
も測定可能となり得る。
93年より『地下マイクロセンシングプロジェクト』を
実施している。本プロジェクトは、マイクロ・マシニン
グによるマイクロ・センサならびに、マイクロ・ドリリ
ング技術の開発により、マイクロ坑井内計測、マイクロ
MWD、マイクロ・インテリジェント検層等の技術を開
発し、地下計測分野の画期的展開を図ろうとするもので
ある(例えば、新妻、「地下情報のマイクロセンシン
グ」、物理探査、96、pp.33-34、(199
7)等参照)。
サに導入することにより、高感度・小型・安価でかつ耐
熱性のある完全受動型センサを構成でき、地下環境にお
いても優れたセンサが実現可能になる。
ァイバ計測系を用いて、高感度・小型・安価でかつ耐熱
性のある光干渉型マイクロ・ハイドロホンを提供するこ
とである。
めに、本発明は、全反射部を有するダイヤフラムと、端
部にハーフミラーを有する光ファイバと、前記ダイヤフ
ラムを振動するように保持するとともに、前記光ファイ
バを固定する支持部とを備え、前記全反射部と前記光フ
ァイバの前記ハーフミラーとで、ファブリ・ペロー干渉
部を構成し、前記光ファイバは、前記ファブリ・ペロー
干渉部にレーザ光を入射するとともに、前記ファブリ・
ペロー干渉部からの出力を取り出すことができ、前記フ
ァブリ・ペロー干渉部により、前記ダイヤフラムの振動
を検出することを特徴とする光干渉型マイクロ・ハイド
ロホンである。前記支持部は、細管構造により、外部と
接続している構成とすることができる。また、前記支持
部は、前記光ファイバを固定するためのガラス・スプラ
イスと、ガラス管と、シリコン構造体とで構成され、前
記ダイヤフラムは、前記ガラス管により保持されている
構成とすることもできる。前記シリコン構造体には、液
体を注入することができる穴を有し、該穴は、使用時に
はふさがれているようにすることもできる。
実施形態を説明する。図1に、本発明の実施形態である
光干渉型マイクロ・ハイドロホン100の構造を示す。
図1において、光干渉型マイクロ・ハイドロホン100
は、ガラス管130と、ファイバ110を固定するため
に、中心部にファイバ110を通す穴があいているガラ
ス・スプライス(ガラス継ぎ手)150の上下に、シリ
コン構造体120とダイヤフラム140とを有してい
る。振動を受けているダイヤフラム140の一部とファ
イバ110とで、ファブリ・ペロー干渉計部170を構
成している。このファブリ・ペロー干渉計部170で、
ダイヤフラム140の振動(音波)を検出している。フ
ァブリ・ペロー干渉計部170の動作は、図2を用いて
詳しく説明する。振動検出は、ファイバ110からレー
ザ光を照射して、ファブリ・ペロー干渉計部170での
干渉を、光強度を検出することで行っている。マイクロ
・ハイドロホン100内部のキャビティ160は、細管
構造162で外部と接続しており、この構造により、マ
イクロ・ハイドロホン100には、ハイパス特性を持た
せている。細管構造162によるハイパス特性により、
直流分である水圧の部分をカットしている。
る。図2(a)は、図1のハイドロホンのファブリ・ペ
ロー干渉計部の動作を示す。図2(b)は、マイクロ・
ハイドロホンのレーザ光の波長と反射率との特性を示す
グラフを示す。図2(a)に示すように、本ハイドロホ
ンでは、光ファイバ110の先端にハーフミラー112
を、ダイヤフラム140のファイバ側表面にミラー14
2を取り付け、ファプリ・ペロー干渉計を構成してい
る。このとき、得られる光強度信号は、次の(1)式で
表される(例えば、P.Hariharan Optical interferomet
ry. Academic Press Australia, Sydney, 1985,p
p.151〜163 参照)。
ネルギー反射率、ηはギャップ間の屈折率、dはギャッ
プ長、λは入射光の波長である。上述の(1)式は、図
2(b)に示されるように、観測される光強度が干渉に
よるピークを持つことを示している。本センサでは、こ
の図2(b)で示される干渉パターンのうち、波長の変
化に対して、反射した光の強度信号が直線的に変化する
部分(図2(b)の点線で挟まれる区間)を利用して、
ダイヤフラム140の振動を検出している。図2(b)
の動作点は、特定の波長に対して、ギャップ長、ハーフ
ミラーの反射率等を調整することで得られる。
ロセス例を、図3〜図4を用いて詳しく説明する。 (シリコン構造体プロセス)図3にシリコン構造体の製
作プロセス例を示す。 (1)まず、シリコン構造体を製作するシリコン基板2
00の両面を研磨して、面の方位を(100)とし、表
面洗浄を行う。 (2)シリコン基板200の表面を熱で酸化して、両面
に酸化膜(SiO2)212,214を作成する。 (3)シリコン基板200の酸化膜212,214上に
ポジ型レジスト222,224を塗布する。 (4)塗布したポジ型レジスト222,224に対し
て、マスクにより露光して、フォトリソグラフィーを行
う。 (5)フォトリソグラフィーを行ったシリコン基板20
0のSiO2膜212,214に対してエッチングを行
う。 (6)TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液によ
るエッチングを行い、細管構造部分を作成する。 (7)シリコン基板200上に塗布したレジスト22
2,224や、作成した酸化膜212,214を除去し
て、シリコン基板200を洗浄する。 (8)再度、シリコン基板200に熱処理を行い、酸化
膜252,254を作成する。 (9)再度、シリコン基板200の酸化膜252,25
4上に、ポジ型レジスト262,264を塗布する。 (10)塗布したポジ型レジスト262,264に対し
て、マスクにより露光して、フォトリソグラフィーを行
う。 (11)フォトリソグラフィーを行ったシリコン基板2
00のSiO2膜252,254に対してエッチングを
行う。 (12)シリコン基板200に対して、RIE(反応性
イオン・エッチング)によるドライ・エッチングを行
い、シリコン基板200の部分を貫通させ、水を通す穴
180や、作成したシリコン構造体を切り離すためのエ
ッチングを行う。この穴180については後で説明す
る。 (13)シリコン基板200上に塗布したレジスト26
2,264や、作成した酸化膜252,254を除去し
て、シリコン基板200を洗浄する。
フラム製作プロセス例を示す。 (1)まず、ダイヤフラムを製作するためのシリコン基
板300の両面を研磨し、表面洗浄を行う。 (2)シリコン基板300上に、ポジ型レジスト31
2,314を塗布する。 (3)マスクを用いて、レジスト312,314に対し
てフォトリソグラフィーを行う。 (4)シリコン基板300に対して、RIE(反応性イ
オン・エッチング)によるドライ・エッチングを行い、
シリコン基板300に振動子の凹凸部分を作成する。 (5)シリコン基板300上のレジスト312,314
を除去する。 (6)ステンシル・マスクを利用して、金属(例えば、
金や銅)をスパッタリングして、ファブリ・ペロー干渉
計部のミラー142を作成する。 (7)シリコン基板300上に、ポジ型レジスト32
2,324を再度塗布する。 (8)マスクを用いて、レジスト322,324に対し
てフォトリソグラフィーを行う。 (9)シリコン基板300に対して、RIE(反応性イ
オン・エッチング)によるドライ・エッチングを行い、
シリコン基板300を貫通させ、作成したダイヤフラム
を切り離すためのエッチングを行う。 (10)シリコン基板300上のレジスト322,32
4を除去する。 (ファイバ・プロセス)スパッタリングにより、ファイ
バ110の端面上に、例えば、TiO2ハーフミラーの
製作を行う。
は、例えば、図5に示すような方法で組み立てる。 (1)シリコン構造体120上に、ガラス・スプライス
150を陽極接合により接着する。 (2)シリコン構造体120上に、外側のガラス管13
0を陽極接合する。 (3)作業台360上にギャップ長調節治具350をお
き、この治具350を用いてファイバ110をガラス・
スプライス150に挿入し、ダイヤフラムとのギャップ
を正確に決めて、ファイバ110をガラス・スプライス
150に接着剤で固定する。 (4)最後のダイヤフラムを、ガラス管130に陽極接
合により接着する。
・ハイドロホン主要部分100とマイクロ・ハイドロホ
ン主要部分100を保護する真鍮ケース370の写真を
示す。図示したハイドロホン主要部分100は直径5m
m、高さ3mmの円柱形状のものである。キャビティ1
60と外部を細管構造162により接続し、ハイパス特
性(fc=100Hz)を持たせている。また、このハ
イドロホン主要部100は、真鍮ケースに入れられ、真
鍮ケースのサイズは、直径9mm、高さ13mmであ
る。これを製作するときに、シリコン構造体やダイヤフ
ラムを、厚さ200μmのシリコン基板から作成した。
ダイヤフラムの振動子の凹凸部分の薄いところは100
μmである。ハーフミラー材料としてTiO2を、全反
射ミラーの材料としては、Au/Crを用いている。実
施例においては、ファプリ・ペロー干渉計部のギャップ
は、32.6μmである。ハイドロホン100の内部を
シリコン構造体に設けた穴180からの水で満たすため
に、水中で最終的な組み立てを行った。なお、この穴1
80は、真鍮ケース370に設けたねじ375で使用時
には塞いでいる。
評価>製作したマイクロ・ハイドロホン100の特性評
価は、図7で示すように、小さな水槽(40cm×50
cm×40cm)450の中で水中スピーカ460を用
いて行った。この評価においては、リファレンス用ハイ
ドロホン(B&K社製8103型)440とともに計測
を行った。干渉は、光ファイバ110に波長可変レーザ
410からレーザ光を入射して、ファブリ・ペロー干渉
計部170からの出力光を、サーキュレータ470で分
離して、パワーメータ430で検出している。波形はオ
シロスコープ420で観測することもできる。
正弦波を入力した場合の検出波形を示す。どちらのハイ
ドロホンからも歪の小さい信号が得られた。製作したマ
イクロ・ハイドロホン100の周波数特性を図9に示
す。図中の0dBは、出力の最大値とした。およそ1k
Hzのところまでハイドロホンで検出することができ
た。これ以上の周波数帯域では、水中スピーカの性能
上、測定できなかった。250Hz以下の帯域では、細
管構造によると思われるハイパス特性が確認できた。な
お、300Hz、600Hzに見られるピークは、原因
は不明だが、センサ固有のピークであると考えられる。
また、1500Hz付近のピークは、リファレンスセン
サにおいても検出されたので、水槽など測定系の影響に
よるものと思われる。
ホン440の出力をとり、縦軸には製作したハイドロホ
ン100の出力をとったものである。リファレンス用ホ
ンでは音圧に比例して出力が得られていると仮定する
と、グラフの直線性のよい区間が音圧に比例して出力が
得られているといえる。例えば500Hzの場合、測定
系のノイズレベルは30mVであり、2.3V程度まで
直線性が得られた。このとき、センサのダイナミック・
レンジは約38dBであり、このとき絶対感度は約−1
97dB(0dB=1V/μPa)であった。
ロホンは、完全に受動素子であるために、高温環境下で
も使用することができる。また、サイズは一般的な圧電
型ハイドロホンの1/10以下であり、例えば、複数の
マイクロ・ハイドロホンによるアレイ計測も容易とな
る。
光ファイバ計測系を用いることで、高感度・小型・安価
でかつ耐熱性のある光干渉型マイクロ・ハイドロホンを
得ることができる。この構成において、マイクロ・マシ
ニング技術を用いることで、小さいマイクロ・ハイドロ
ホンを製作することができる。
す図である。
図である。
体の製造過程を示す図である。
の製造過程を示す図である。
ある。
る。
構成を示す図である。
図である。
波数特性を示す図である。
線性を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 全反射部を有するダイヤフラムと、 端部にハーフミラーを有する光ファイバと前記ダイヤフ
ラムを振動するように保持するとともに、前記光ファイ
バを固定する支持部とを備え、 前記全反射部と前記光ファイバの前記ハーフミラーと
で、ファブリ・ペロー干渉部を構成し、 前記光ファイバは、前記ファブリ・ペロー干渉部にレー
ザ光を入射するとともに、前記ファブリ・ペロー干渉部
からの出力を取り出すことができ、 前記ファブリ・ペロー干渉部により、前記ダイヤフラム
の振動を検出することを特徴とする光干渉型マイクロ・
ハイドロホン。 - 【請求項2】 請求項1記載の光干渉型マイクロ・ハイ
ドロホンにおいて、 前記支持部は、細管構造により、外部と接続しているこ
とを特徴とする光干渉型マイクロ・ハイドロホン。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光干渉型マイク
ロ・ハイドロホンにおいて、 前記支持部は、前記光ファイバを固定するためのガラス
・スプライスと、 ガラス管と、シリコン構造体とで構成され、 前記ダイヤフラムは、前記ガラス管により保持されてい
ることを特徴とする光干渉型マイクロ・ハイドロホン。 - 【請求項4】 請求項3記載の光干渉型マイクロ・ハイ
ドロホンにおいて、 前記シリコン構造体には、液体を注入することができる
穴を有し、該穴は、使用時にはふさがれていることを特
徴とする光干渉型マイクロ・ハイドロホン。
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- 2001-10-23 JP JP2001324751A patent/JP3642570B2/ja not_active Expired - Fee Related
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