JP2003126832A - 石炭灰の処理装置及び計測装置 - Google Patents

石炭灰の処理装置及び計測装置

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JP2003126832A
JP2003126832A JP2001288739A JP2001288739A JP2003126832A JP 2003126832 A JP2003126832 A JP 2003126832A JP 2001288739 A JP2001288739 A JP 2001288739A JP 2001288739 A JP2001288739 A JP 2001288739A JP 2003126832 A JP2003126832 A JP 2003126832A
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JP2001288739A
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Yoshio Kuromi
吉雄 黒見
Hiroyuki Iwabuchi
宏之 岩渕
Seiichi Terakura
誠一 寺倉
Masaru Ishibashi
勝 石橋
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間の計測等が可能な未燃炭素分計測装置
と、この計測信号に基づいて未燃炭素分離装置の分離能
を制御する石炭灰の処理装置とを提供する。 【解決手段】 空胴共振器22を用いてサンプル石炭灰
の複素誘電率を求め、この複素誘電率と、物性既知の石
炭灰を用いて求めた複素誘電率と未燃炭素分率の関数式
とから、未燃炭素分率を求める。また、空胴共振器及び
導波管を用いてサンプル石炭灰の複素誘電率及びマイク
ロ波の位相差を求め、これらと、物性既知の石炭灰を用
いて求めた複素誘電率及び位相差と未燃炭素分率の関数
式とから、未燃炭素分率を求める。また、導波管を用い
てマイクロ波の位相差及び強度差を求め、これらと、物
性既知の石炭灰を用いて求めた位相差及び強度差と未燃
炭素分率の関数式とから、未燃炭素分率を求める。そし
て、これらの計測装置の計測信号に基づき、運転制御装
置によって未燃炭素分離装置の分離能を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石炭灰の処理装置及
び計測装置に関し、石炭焚火力発電所などにおけるボイ
ラの燃焼管理システムや石炭灰の品質管理装置などにお
いて石炭灰中の未燃炭素分率を計測し、また、この計測
信号に基づいて未燃炭素分離装置の分離能を制御する場
合に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚火力発電所におけるボイラの燃焼
管理システムでは、ボイラから排出された石炭灰中の未
燃炭素分率を計測することにより、ボイラの燃焼状態を
モニタすることができる。この場合、石炭灰中の未燃炭
素分率が多ければボイラの燃焼状態は悪く、未燃炭素分
率が少なければボイラの燃焼状態は良好であると判断す
ることができる。また、石炭灰はセメントの混和剤(粘
土成分)として利用されるが、この場合、石炭灰中の未
燃炭素分率が多いと混和剤として利用できないため、石
炭灰中の未燃炭素分率を計測して石炭灰の品質管理を行
う必要がある。
【0003】そして、従来の石炭灰中未燃炭素分計測方
法としては特開平8−193356号公報などで紹介さ
れている「燃焼重量法」と「マイクロ波位相信号+重量
計測法」とがある。これらは次のようなものである。
【0004】重量計測法:石炭灰を当該量(数十μg〜
数g)サンプリングして石炭灰の重量(w0 )を計測す
る。次に、この石炭灰を炉に入れて石炭灰中の未燃炭素
分を燃焼した後、再び石炭灰の重量(w1 )を計測す
る。そして、石炭灰の減少重量(Δw=w0 −w1 )を
未燃炭素分として、未燃炭素分率(Cwt%=Δω/ω
0 )を導出する。
【0005】マイクロ波位相信号+重量計測法:導波管
内に石炭灰を数g充填し、この石炭灰にマイクロ波を照
射してその位相差信号Δφを計測する。次いで石炭灰の
サンプル重量(充填嵩密度)(ω)を計測する。そし
て、この計測値(Δφ,ω)から求めたΔφ/ωと、予
め求めておいたΔφ/ω−Cwt%検量線とから、未燃
炭素分率(Cwt%)を導出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
重量計測法では燃焼操作に時間を要するため、オンライ
ン計測に対応できない。また、マイクロ波位相信号+重
量計測法では重量計測を行う必要があるため、装置構成
や計測手順が煩雑なものとなり、また、装置の設置場所
についても、振動が少ないこと等の制限を生じる。ま
た、重量計測のために完全閉鎖系の計測系とすることが
できず、重量計測の際に石炭灰が周囲に飛散してしまう
という問題点もあった。
【0007】また、石炭灰に含まれる未燃炭素の量を低
減するには未燃炭素分離装置によって石炭灰から未燃炭
素を分離する必要があるが、この分離性能を高めるため
には未燃炭素分率の計測信号に基づいて未燃炭素分離装
置の分離能を制御することが有効である。
【0008】従って、本発明は上記の事情に鑑み、短時
間で計測することができ、特別な設置場所の制限もな
く、しかも、完全閉鎖系の計測系を実現することができ
る石炭灰中未燃炭素分計測装置を提供すること、及び、
この計測装置の計測信号に基づいて未燃炭素分離装置の
分離能を制御する石炭灰の処理装置を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
発明の石炭灰の処理装置は、石炭灰から未燃炭素を分離
する未燃炭素分離装置と、石炭灰中未燃炭素分計測装置
と、運転制御装置とを備えた石炭灰の処理装置であっ
て、前記石炭灰中未燃炭素分計測装置は、サンプリング
管と、このサンプリング管内に充填した物質の複数の誘
電率に関連する物性値を計測できる単一又は複数の誘電
率計測器を備え、サンプリング管にサンプル石炭灰を充
填した状態で、この単一又は複数の誘電率計測器によっ
て複数の誘電率に関連する物性値を求めて、このサンプ
ル石炭灰の複数の誘電率に関連する物性値と、予め物性
既知の石炭灰を用いて求めた複数の誘電率に関連する物
性値と未燃炭素分率の関係とから、サンプル石炭灰中の
未燃炭素分率を求めるように構成するとともに、前記運
転制御装置では、この石炭灰中未燃炭素分計測装置の未
燃炭素分率計測信号と所定の未燃炭素分率設定値とに基
づいて分離能制御信号を出力し、前記未燃炭素分離装置
では、この分離能制御信号に基づいて石炭灰中の未燃炭
素分率が前記未燃炭素分率設定値以下となるように未燃
炭素の分離能を調整するように構成したことを特徴とす
る。この場合、未燃炭素分離装置としては図10に示す
ような静電向流ベルト式のものや図11に示すようなサ
イクロン式のものが望ましいが、これに限らず、他の方
式のものでもよい。
【0010】また、第2発明の石炭灰の処理装置は、第
1発明の石炭灰の処理装置において、前記石炭灰中未燃
炭素分計測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手
段と、空胴共振器と、この空胴共振器を貫通するサンプ
リング管とを備え、マイクロ波発信手段から周波数を変
えて順次マイクロ波を発信し、これらのマイクロ波を空
胴共振器に導入して、サンプリング管にサンプル石炭灰
を充填した状態で、共振器内にマイクロ波の共振状態を
形成せしめた後、信号計測手段で受信してマイクロ波の
信号強度に関する周波数スペクトルを求め、この周波数
スペクトルを電磁場解析することによりサンプル石炭灰
の複素誘電率を求めて、このサンプル石炭灰の複素誘電
率と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘電率
と未燃炭素分率の関数式とから、サンプル石炭灰中の未
燃炭素分率を求めるように構成したことを特徴とする。
【0011】また、第3発明の石炭灰の処理装置は、第
1発明の石炭灰の処理装置において、前記石炭灰中未燃
炭素分計測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手
段と、空胴共振器と、導波管と、これらの空胴共振器及
び導波管を貫通するサンプリング管とを備え、マイクロ
波発信手段から周波数を変えて順次マイクロ波を発信
し、これらのマイクロ波を空胴共振器に導入して、サン
プリング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、共振器
内にマイクロ波の共振状態を形成せしめた後、信号計測
手段で受信してマイクロ波の信号強度に関する周波数ス
ペクトルを求め、この周波数スペクトルを電磁場解析す
ることによりサンプル石炭灰の複素誘電率を求めるとと
もに、マイクロ波発信手段から一定周波数のマイクロ波
を発信し、このマイクロ波を導波管に導入して、サンプ
リング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、導波管に
マイクロ波を伝搬させた後、信号計測手段で受信してサ
ンプル石炭灰により生じるマイクロ波の位相差を求め
て、このサンプル石炭灰の複素誘電率及びマイクロ波の
位相差と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘
電率及びマイクロ波の位相差と未燃炭素分率の関数式と
から、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように
構成したことを特徴とする。
【0012】また、第4発明の石炭灰の処理装置は、第
1発明の石炭灰の処理装置において、前記石炭灰中未燃
炭素分計測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手
段と、導波管と、この導波管を貫通するサンプリング管
とを備え、マイクロ波発信手段から一定周波数のマイク
ロ波を発信し、このマイクロ波を導波管に導入して、サ
ンプリング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、導波
管にマイクロ波を伝搬させた後、信号計測手段で受信し
てサンプル石炭灰により生じるマイクロ波の位相差及び
強度差を求めて、このマイクロ波の位相差及び強度差
と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めたマイクロ波の
位相差及び強度差と未燃炭素分率の関数式とから、サン
プル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように構成したこ
とを特徴とする。
【0013】また、第5発明の石炭灰の処理装置は、第
1,第2,第3又は第4発明の石炭灰の処理装置におい
て、前記未燃炭素分離装置は、隙間を隔てて対向配置し
た電極と、この電極の隙間を通って循環移動する有孔の
無端ベルトとを備え、電極に電圧を印加して電極の隙間
に電界を形成し、且つ、電極の隙間に位置する無端ベル
トのベルト部分が前記電界に直交して互いに反対方向に
移動することにより、電極の隙間に投入した石炭灰の粒
子を表面接触により帯電させて同石炭灰から未燃炭素を
分離するように構成したことを特徴とする。即ち、ここ
では未燃炭素分離装置として静電向流ベルト式のもの
(図10参照)を備えている。
【0014】また、第6発明の石炭灰の処理装置は、第
5発明の石炭灰の処理装置において、前記分離能制御信
号は電圧制御信号、電極間距離制御信号、灰投入量制御
信号又は灰スライド速度制御信号の何れか一つ又は複数
とし、この制御信号に基づいて、前記未燃炭素分離装置
では電極の印加電圧、電極の隙間の間隔、電極の隙間に
投入する石炭灰の投入量、又は、無端ベルトの移動速度
の何れか一つ又は複数を調整して、未燃炭素の分離能を
調整することを特徴とする。
【0015】また、第7発明の石炭灰の処理装置は、第
1,第2,第3,第4,第5又は第6発明の石炭灰の処
理装置において、前記未燃炭素分離装置で石炭灰から分
離した未燃炭素は石炭焚火力発電所のボイラの燃料とし
て利用するようにしたことを特徴とする。この場合、未
燃炭素はコンテナに詰めてボイラまで輸送することが望
ましいが、空気輸送装置によってボイラまで輸送しても
よい。また、コンテナには非帯電性材料を内張りするこ
とが望ましい。
【0016】また、第8発明の石炭灰の処理装置は、第
1,第2,第3,第4,第5又は第6に記載の石炭灰の
処理装置において、前記未燃炭素分離装置で未燃炭素が
分離された石炭灰はセメントの粘土成分として利用する
ようにしたことを特徴とする。
【0017】また、第9発明の石炭灰中未燃炭素分計測
装置は、サンプリング管と、このサンプリング管内に充
填した物質の複数の誘電率に関連する物性値を計測でき
る単一又は複数の誘電率計測器を備え、サンプリング管
にサンプル石炭灰を充填した状態で、この単一又は複数
の誘電率計測器によって複数の誘電率に関連する物性値
を求めて、このサンプル石炭灰の複数の誘電率に関連す
る物性値と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複数
の誘電率に関連する物性値と未燃炭素分率の関係とか
ら、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように構
成したことを特徴とする。
【0018】また、第10発明の石炭灰中未燃炭素分計
測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手段と、空
胴共振器と、この空胴共振器を貫通するサンプリング管
とを備え、マイクロ波発信手段から周波数を変えて順次
マイクロ波を発信し、これらのマイクロ波を空胴共振器
に導入して、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填し
た状態で、共振器内にマイクロ波の共振状態を形成せし
めた後、信号計測手段で受信してマイクロ波の信号強度
に関する周波数スペクトルを求め、この周波数スペクト
ルを電磁場解析することによりサンプル石炭灰の複素誘
電率を求めて、このサンプル石炭灰の複素誘電率と、予
め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘電率と未燃炭
素分率の関数式とから、サンプル石炭灰中の未燃炭素分
率を求めるように構成したことを特徴とする。
【0019】また、第11発明の石炭灰中未燃炭素分計
測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手段と、空
胴共振器と、導波管と、これらの空胴共振器及び導波管
を貫通するサンプリング管とを備え、マイクロ波発信手
段から周波数を変えて順次マイクロ波を発信し、これら
のマイクロ波を空胴共振器に導入して、サンプリング管
にサンプル石炭灰を充填した状態で、共振器内にマイク
ロ波の共振状態を形成せしめた後、信号計測手段で受信
してマイクロ波の信号強度に関する周波数スペクトルを
求め、この周波数スペクトルを電磁場解析することによ
りサンプル石炭灰の複素誘電率を求めるとともに、マイ
クロ波発信手段から一定周波数のマイクロ波を発信し、
このマイクロ波を導波管に導入して、サンプリング管に
サンプル石炭灰を充填した状態で、導波管にマイクロ波
を伝搬させた後、信号計測手段で受信してサンプル石炭
灰により生じるマイクロ波の位相差を求めて、このサン
プル石炭灰の複素誘電率及びマイクロ波の位相差と、予
め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘電率及びマイ
クロ波の位相差と未燃炭素分率の関数式とから、サンプ
ル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように構成したこと
を特徴とする。
【0020】また、第12発明の石炭灰中未燃炭素分計
測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手段と、導
波管と、この導波管を貫通するサンプリング管とを備
え、マイクロ波発信手段から一定周波数のマイクロ波を
発信し、このマイクロ波を導波管に導入して、サンプリ
ング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、導波管にマ
イクロ波を伝搬させた後、信号計測手段で受信してサン
プル石炭灰により生じるマイクロ波の位相差及び強度差
を求めて、このマイクロ波の位相差及び強度差と、予め
物性既知の石炭灰を用いて求めたマイクロ波の位相差及
び強度差と未燃炭素分率の関数式とから、サンプル石炭
灰中の未燃炭素分率を求めるように構成したことを特徴
とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0022】<実施の形態1>図1は本発明の実施の形
態1に係る石炭灰中未燃炭素分計測装置の石炭焚火力発
電所における配置図、図2は各設置場所における前記石
炭灰中未燃炭素分計測装置の概略構成図である。そし
て、図3(a)は前記石炭灰中未燃炭素分計測装置の構
成図、図3(b)は前記石炭灰中未燃炭素分計測装置に
おける複素誘電率の計測手順を示す説明図、図4(a)
及び図4(b)は予め物性既知の石炭灰を用いて求めた
検量線を示すグラフ、図4(c)は前記石炭灰中未燃炭
素分計測装置によって計測した未燃炭素分率と化学分析
により求めた未燃炭素分率とを比較したグラフ、図4
(d)は前記物性既知の石炭灰を用いて複素誘電率と未
燃炭素分率の関数式を求める手順を示す説明図である。
【0023】図1に示すように石炭焚火力発電所におい
て、ボイラ1から煙道3に排出された排ガスはエアヒー
タ2で熱交換され、脱硝装置4で脱硝された後、静電集
塵装置5に導入され、ここで排ガス中の浮遊粉塵である
石炭灰(フライアッシュ)が捕集される。その後、石炭
灰が除去された排ガスは脱硫装置6で脱硫されて煙突7
から放出される。一方、静電集塵装置5で捕集された石
炭灰は、回収配管8を介して灰処理装置9に回収され、
ここで所定の処理が施された後、排出配管18から排出
されて貨車、トラック又は船により、所定の石炭灰利用
場所などに運搬される。
【0024】そして、この排ガス系統では、例えばA箇
所(ボイラ1,エアヒータ2及び脱硝装置4の排ガス出
口)やB箇所(静電集塵装置5及び灰処理装置9の石炭
灰出口)に本実施の形態1の石炭灰中未燃炭素分計測装
置10が配置される。
【0025】A箇所設置の場合には、図2(a)に示す
ように煙道3内において上流側に開口したノズル11
と、下流に開口したノズル12とを設け、煙道3を流れ
る排ガス中の石炭灰の一部がサンプルとしてノズル11
から配管14及びバルブ15を介して石炭灰中未燃炭素
分計測装置10に導入され、ここでサンプル石炭灰中の
未燃炭素分率を測定した後、サンプル石炭灰をバルブ1
6及び配管17を介してノズル12から煙道3内に戻す
ような構成とする。B箇所設置の場合には、図2(b)
に示すように回収配管8又は排出配管18の途中にバル
ブ15、石炭灰中未燃炭素分計測装置10及びバルブ1
6を配設し、バルブ15を介して石炭灰を石炭灰中未燃
炭素分計測装置10に導入し、ここでサンプル石炭灰中
の未燃炭素分率を測定した後、サンプル石炭灰をバルブ
16を介して排出する構成とする。何れの設置場所にお
いても、詳細は後述するが、石炭灰中未燃炭素分計測装
置10は完全閉鎖系の計測系となっている。
【0026】なお、灰処理装置9の石炭灰出口から出た
石炭灰は未燃炭素分離装置101で未燃炭素が分離され
た後、石炭灰中未燃炭素分計測装置10によって計測さ
れ、また、石炭灰から分離した未燃炭素は燃料としてボ
イラ1に供給されるが、この石炭灰の処理装置(図1の
A部)に関する詳細は実施の形態4,5において説明す
る。
【0027】ここでは図3及び図4に基づき、石炭灰中
未燃炭素分計測装置10の構成及び未燃炭素分計測の手
順について詳細に説明する。
【0028】石炭灰中未燃炭素分計測装置10はマイク
ロ波発信・信号計測装置21、空胴共振器22、サンプ
リング管23などを備えている。サンプリング管23は
マイクロ波が透過しやすいテフロン(デュポン社の登録
商標)やセラミックスなどからなり、空胴共振器22の
中央部をマイクロ波の伝搬方向と直交するように貫通し
ている。計測時には、バルブ16を閉じバルブ15を開
けた状態でサンプリング管23に粉末状の石炭灰26を
充填した後、バルブ15を閉じて、このサンプル石炭灰
26中の未燃炭素分率の計測を行う。その後、バルブ1
6を開けてサンプル石炭灰26をサンプリング管23か
ら排出する。以後、計測時には同様の手順を繰り返す。
【0029】マイクロ波発信・信号計測器21は可変周
波数のマイクロ波発信機能と信号計測機能とを備えたも
のであり、このマイクロ波発信・信号計測器21から周
波数を変えて順次マイクロ波を発信し、これらのマイク
ロ波を、送信アンテナ24を介して空胴共振器22に導
入して、サンプリング管23にサンプル石炭灰26を充
填した状態で、共振器22内にマイクロ波の共振状態を
形成せしめた後、受信アンテナ25を介してマイクロ波
発信・信号計測器21で受信してマイクロ波の信号強度
に関する周波数スペクトルを求める(図3のS1参
照)。
【0030】次に、この周波数スペクトルを電磁場解析
することにより(図3のS2参照)、サンプル石炭灰2
6における複素誘電率εr の実部の値εr ’及び虚部の
値ε r ”を求める(図3のS3参照)。このサンプル石
炭灰26の複素誘電率εr はその充填嵩密度ω[g/c
3 ]と未燃炭素分率Cwt%(carbon weight percen
t )[%]の関数である。そして、このサンプル石炭灰
26の複素誘電率εrと、予め物性既知の石炭灰を用い
て求めた複素誘電率と未燃炭素分率の関数式(図4のS
6参照)とから、サンプル石炭灰26中の未燃炭素分率
Cwt%を求める。
【0031】複素誘電率と未燃炭素分率の関数式は次の
ようにして導出する。まず、石炭灰中未燃炭素分計測装
置10のサンプリング管23に物性既知、即ち、未燃炭
素分率Cwt%が既知の石炭灰を充填する。そして、マ
イクロ波発信・信号計測器21から周波数を変えて順次
マイクロ波を発信し、これらのマイクロ波を、送信アン
テナ24を介して空胴共振器22に導入して、サンプリ
ング管23に物性既知のサンプル石炭灰26を充填した
状態で、共振器22内にマイクロ波の共振状態を形成せ
しめた後、受信アンテナ25を介してマイクロ波発信・
信号計測器21で受信してマイクロ波の信号強度に関す
る周波数スペクトルを求め、この周波数スペクトルを電
磁場解析することにより、物性既知のサンプル石炭灰に
おける複素誘電率εr の実部の値εr ’及び虚部の値ε
r ”を求める。
【0032】かかる計測処理を未燃炭素分率Cwt%の
異なる複数種類のサンプル石炭灰に対して行う。また、
これらのサンプル石炭灰の充填嵩密度ωも図示しない重
量計によって計測する。次に、これらの物性既知のサン
プル石炭灰に対する計測値に基づき、図4(a)に例示
するような未燃炭素分率Cwt%と、複素誘電率ε
r(εr ’,εr ”)に関する式α’の値を充填嵩密度
ωで規格化した値との関係を表すCwt%−α’/ω検
量線31と、図4(b)に例示するような未燃炭素分率
Cwt%と、複素誘電率εr (εr ’,εr ”)に関す
る式α”の値を充填嵩密度ωで規格化した値との関係を
表すCwt%−α”/ω検量線32とを、フッティング
して求める。
【0033】α’,α”の式は微粉体の誘電率を記述す
る公知のMaxwell-Wagnerの式に基づいて得られるもので
あり、次の[数1]式のようになっている。
【0034】
【数1】
【0035】このα’,α”の式を用いると、次の[数
2]式のように充填嵩密度ωを分離した式が得られ(図
4のS4参照)、これを変形して[数3]式が得られる
(図4のS5参照)。従って、これらの式から充填嵩密
度ωを消去することができる。つまり、サンプリング管
23に充填されるサンプル石炭灰26の充填嵩密度ωは
その充填具合によって異なり、この充填嵩密度ωに依存
してサンプル石炭灰26中の未燃炭素分率Cwt%も変
化するため、従来の計測手法ではサンプル石炭灰の充填
嵩密度ωも計測しており、このため完全閉鎖系の計測系
とすることができなかった。これに対して、本発明では
充填嵩密度ωの計測を不要にして完全閉鎖系の計測系を
実現するため、Maxwell-Wagnerの式を展開して[数2]
式を導出している。
【0036】
【数2】
【0037】
【数3】
【0038】そして、この[数3]式を連立して充填嵩
密度ωを消去し、未燃炭素分率Cwt%の式に変形する
と、次の[数4]式、即ち、複素誘電率と未燃炭素分率
の関数式を求めることができる(図4のS6参照)。な
お、[数4]式はα’,α”が変数になっているが、こ
れらは上記[数1]式のように複素誘電率ε
r (εr’,εr ”)で表されるため、結局、[数4]
式は複素誘電率と未燃炭素分率の関数式となる。そこ
で、この[数4]式に石炭灰中未燃炭素分計測装置10
で計測したサンプル石炭灰26の複素誘電率ε
r (εr ’,εr ”)を代入すれば、サンプル石炭灰2
6中の未燃炭素分率Cwt%が求まる。
【0039】
【数4】
【0040】そして、この[数4]の複素誘電率と未燃
炭素分率の関数式に含まれる係数は計測するマイクロ波
の波長や空胴共振器の構造などによって決まるため、上
記のように予め物性既知の石炭灰の複素誘電率を石炭灰
中未燃炭素分計測装置10で計測して検量線31,32
を求め、これらの検量線31,32から上記[数2]式
の係数を決定して、[数4]式の係数を決定する。[数
2]式及び[数4]式の具体例を、次の[数5]式に示
す。
【0041】
【数5】
【0042】以上のことから、本実施の形態1の石炭灰
中未燃炭素分計測装置10によれば、サンプル石炭灰の
重量計測を要せず、サンプル石炭灰の複素誘電率を計測
するだけでその未燃炭素分率Cwt%を求めることがで
きるため、短時間で計測することができ、特別な設置場
所の制限もなく、しかも、完全閉鎖系の計測系を実現す
ることができる。図4(c)に示すように本実施の形態
1の石炭灰中未燃炭素分計測装置10で求めた未燃炭素
分率Cwt%は、化学分析によって求めた未燃炭素分率
Cwt%(真値とみなせる値)に近い値となっている。
【0043】なお、複素誘電率εr の実部の値εr ’に
比べて虚部の値εr ”は非常に小さいため、α’につい
ては、εr ”を無視しても、あまり大きな差は生じない
ことから、要求される測定精度などによっては、εr
を無視して未燃炭素分率Cwt%を求めてもよい。
【0044】<実施の形態2>図5(a)は本発明の実
施の形態2に係る石炭灰中未燃炭素分計測装置の構成
図、図5(b)は前記石炭灰中未燃炭素分計測装置にお
ける複素誘電率とマイクロ波の位相差の計測手順を示す
説明図、図6(a)及び図6(b)は予め物性既知の石
炭灰を用いて求めた検量線を示すグラフ、図6(c)は
前記石炭灰中未燃炭素分計測装置によって計測した未燃
炭素分率と化学分析により求めた未燃炭素分率とを比較
したグラフ、図6(d)は前記物性既知の石炭灰を用い
て複素誘電率及びマイクロ波の位相差と未燃炭素分率の
関数式を求める手順を示す説明図である。
【0045】なお、本実施の形態2の石炭灰中未燃炭素
分計測装置40の石炭焚火力発電所における設置場所や
各設置場所での装置構成は上記実施の形態1の石炭灰中
未燃炭素分計測装置10と同様であるため(図1,図2
参照)、ここでの説明及び図示は省略する。以下、図5
及び図6に基づき、本実施の形態2の石炭灰中未燃炭素
分計測装置40の構成及び未燃炭素分計測の手順につい
て詳細に説明する。
【0046】石炭灰中未燃炭素分計測装置40はマイク
ロ波発信・信号計測装置41,42、空胴共振器43、
導波管44、サンプリング管45などを備えている。サ
ンプリング管45はマイクロ波が透過しやすいテフロン
やセラミックスなどからなり、空胴共振器43及び導波
管44の中央部をマイクロ波の伝搬方向と直交するよう
に貫通している。計測時にはバルブ15,16を作動さ
せてこのサンプリング管45にサンプル石炭灰46を充
填するが、この手順については上記実施の形態1と同様
であるため、ここでの説明は省略する。
【0047】マイクロ波発信・信号計測器41は可変周
波数のマイクロ波発信機能と信号計測機能とを備えたも
のであり、このマイクロ波発信・信号計測器41から周
波数を変えて順次マイクロ波を発信し、これらのマイク
ロ波を、送信アンテナ47を介して空胴共振器43に導
入して、サンプリング管45にサンプル石炭灰46を充
填した状態で、共振器43内にマイクロ波の共振状態を
形成せしめた後、受信アンテナ48を介してマイクロ波
発信・信号計測器41で受信してマイクロ波の信号強度
に関する周波数スペクトルを求める(図5のS11参
照)。次に、この周波数スペクトルを電磁場解析するこ
とにより(図5のS12参照)、サンプル石炭灰46に
おける複素誘電率εr の実部の値εr ’及び虚部の値ε
r ”を求める(図5のS13参照)。このサンプル石炭
灰46の複素誘電率εr はその充填嵩密度ωと未燃炭素
分率Cwt%の関数である。
【0048】また、マイクロ波発信・信号計測器42は
固定周波数のマイクロ波発信機能と信号計測機能とを備
えたものであり、このマイクロ波発信・信号計測器42
から一定周波数のマイクロ波を発信し、このマイクロ波
を、送信アンテナ49を設けた同軸導波管変換器50を
介して導波管44に導入して、サンプリング管45にサ
ンプル石炭灰46を充填した状態で、導波管44にマイ
クロ波を伝搬させた後、受信アンテナ51を設けた同軸
導波管変換器52を介してマイクロ波発信・信号計測器
42で受信してサンプル石炭灰56により生じるマイク
ロ波の位相差Δφを求める(図5のS14参照)。即
ち、サンプリング管45がサンプル石炭灰46で充填さ
れた状態で導波管44を伝搬したマイクロ波の位相φ1
から、サンプリング管45がサンプル石炭灰46で充填
されていない状態で導波管44を伝搬したマイクロ波の
位相φ0 を差し引いて(φ1 −φ0 )、位相差Δφを求
める。この位相差Δφもサンプル石炭灰46の充填嵩密
度ωと未燃炭素分率Cwt%の関数である。
【0049】そして、このサンプル石炭灰46の複素誘
電率εr (εr ’,εr ”)及びマイクロ波の位相差Δ
φと、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘電率
及びマイクロ波の位相差と未燃炭素分率の関数式(図6
のS17参照)とから、サンプル石炭灰56中の未燃炭
素分率Cwt%を求める。
【0050】複素誘電率及びマイクロ波の位相差と未燃
炭素分率の関数式は次のようにして導出する。まず、石
炭灰中未燃炭素分計測装置40のサンプリング管45に
物性既知、即ち、未燃炭素分率Cwt%が既知の石炭灰
を充填する。そして、マイクロ波発信・信号計測器41
から周波数を変えて順次マイクロ波を発信し、これらの
マイクロ波を、送信アンテナ47を介して空胴共振器4
3に導入して、サンプリング管45に物性既知のサンプ
ル石炭灰46を充填した状態で、共振器43内にマイク
ロ波の共振状態を形成せしめた後、受信アンテナ48を
介してマイクロ波発信・信号計測器41で受信してマイ
クロ波の信号強度に関する周波数スペクトルを求め、こ
の周波数スペクトルを電磁場解析することにより、物性
既知のサンプル石炭灰における複素誘電率εr の実部の
値εr ’及び虚部の値εr ”を求める。
【0051】また、マイクロ波発信・信号計測器42か
ら一定周波数のマイクロ波を発信し、このマイクロ波
を、送信アンテナ49を設けた同軸導波管変換器50を
介して導波管44に導入して、サンプリング管45に物
性既知のサンプル石炭灰46を充填した状態で、導波管
44にマイクロ波を伝搬させた後、受信アンテナ51を
設けた同軸導波管変換器52を介してマイクロ波発信・
信号計測器42で受信して物性既知のサンプル石炭灰に
より生じるマイクロ波の位相差Δφを求める。
【0052】これらの計測処理を未燃炭素分率Cwt%
の異なる複数種類のサンプル石炭灰に対して行う。ま
た、これらのサンプル石炭灰の充填嵩密度ωも図示しな
い重量計によって計測する。次に、これらの物性既知の
石炭灰に対する計測値に基づき、図6(a)に例示する
ような未燃炭素分率Cwt%と、複素誘電率ε
r (εr’,εr ”)に関する式α’の値を充填嵩密度
ωで規格化した値との関係を表すCwt%−α’/ω検
量線61と、図6(b)に例示するような未燃炭素分率
Cwt%と、マイクロ波の位相差Δφを充填嵩密度ωで
規格化した値との関係を表すCwt%−Δφ/ω検量線
62とを、フッティングして求める。
【0053】一方、式の展開により次の[数6]式のよ
うに充填嵩密度ωを分離した式を求め(図6のS15参
照)、これを変形して[数7]式を得る(図6のS16
参照)。
【0054】
【数6】
【0055】
【数7】
【0056】そして、この[数7]式を連立して充填嵩
密度ωを消去し、未燃炭素分率Cwt%の式に変形する
と、次の[数8]式、即ち、複素誘電率及びマイクロ波
の位相差と未燃炭素分率の関数式を求めることができる
(図6のS17参照)。なお、[数8]式ではα’が変
数になっているが、これは上記[数1]式のように複素
誘電率εr の実部及び虚部の値εr ’,εr ’で表され
るため、結局、[数8]式は複素誘電率及びマイクロ波
の位相差と未燃炭素分率の関数式となる。そこで、この
[数8]式に石炭灰中未燃炭素分計測装置40で計測し
たサンプル石炭灰46の複素誘電率εr (εr ’,
εr ”)とマイクロ波の位相差Δφとを代入すれば、サ
ンプル石炭灰46中の未燃炭素分率Cwt%が求まる。
【0057】
【数8】
【0058】そして、この[数8]の複素誘電率と未燃
炭素分率の関数式に含まれる係数は計測するマイクロ波
の波長や空胴共振器の構造などによって決まるため、上
記のように予め物性既知の石炭灰の複素誘電率及びマイ
クロ波の位相差を石炭灰中未燃炭素分計測装置40で計
測して検量線61,62を求め、これらの検量線61,
62から上記[数6]式の係数を決定して、[数8]式
の係数を決定する。[数6]式及び[数8]式の具体例
を、次の[数9]式に示す。
【0059】
【数9】
【0060】以上のことから、本実施の形態2の石炭灰
中未燃炭素分計測装置40によれば、サンプル石炭灰の
重量計測を要せず、サンプル石炭灰の複素誘電率とマイ
クロ波の位相差を計測するだけでその未燃炭素分率Cw
t%を求めることができるため、短時間で計測すること
ができ、特別な設置場所の制限もなく、しかも、完全閉
鎖系の計測系を実現することができる。図6(c)に示
すように本実施の形態2の石炭灰中未燃炭素分計測装置
40で求めた未燃炭素分率Cwt%は、化学分析によっ
て求めた未燃炭素分率Cwt%(真値とみなせる値)に
非常に近い値となっている。
【0061】なお、複素誘電率εr の実部の値εr ’に
比べて虚部の値εr ”は非常に小さいため、α’につい
てはεr ”を無視しても、あまり大きな差は生じないた
め、要求される測定精度などによってはεr ”を無視し
て未燃炭素分率Cwt%を求めてもよい。
【0062】<実施の形態3>図7(a)は本発明の実
施の形態3に係る石炭灰中未燃炭素分計測装置の構成
図、図7(b)は前記石炭灰中未燃炭素分計測装置にお
けるマイクロ波の位相差及び強度差の計測手順を示す説
明図、図8(a)及び図8(b)は予め物性既知の石炭
灰を用いて求めた検量線を示すグラフ、図8(c)は前
記石炭灰中未燃炭素分計測装置によって計測した未燃炭
素分率と化学分析により求めた未燃炭素分率とを比較し
たグラフ、図8(d)は前記物性既知の石炭灰を用いて
マイクロ波の位相差及び強度差と未燃炭素分率の関数式
を求める手順を示す説明図である。
【0063】なお、本実施の形態3の石炭灰中未燃炭素
分計測装置70の石炭焚火力発電所における設置場所や
各設置場所での装置構成は上記実施の形態1の石炭灰中
未燃炭素分計測装置10と同様であるため(図1,図2
参照)、ここでの説明及び図示は省略する。以下、図7
及び図8に基づき、本実施の形態3の石炭灰中未燃炭素
分計測装置70の構成及び未燃炭素分計測の手順につい
て詳細に説明する。
【0064】石炭灰中未燃炭素分計測装置70はマイク
ロ波発信・信号計測装置71、導波管72、サンプリン
グ管73などを備えている。サンプリング管73はマイ
クロ波が透過しやすいテフロンやセラミックスなどから
なり、導波管72の中央部をマイクロ波の伝搬方向と直
交するように貫通している。計測時にはバルブ15,1
6を作動させてこのサンプリング管73にサンプル石炭
灰74を充填するが、この手順については上記実施の形
態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0065】マイクロ波発信・信号計測器71は固定周
波数のマイクロ波発信機能と信号計測機能とを備えたも
のであり、このマイクロ波発信・信号計測器41から一
定周波数のマイクロ波を発信し、このマイクロ波を、送
信アンテナ75を設けた同軸導波管変換器76を介して
導波管72に導入して、サンプリング管73にサンプル
石炭灰74を充填した状態で、導波管72にマイクロ波
を伝搬させた後、受信アンテナ77を設けた同軸導波管
変換器78を介してマイクロ波発信・信号計測器42で
受信し、サンプル石炭灰56により生じるマイクロ波の
位相差Δφ及び強度差ΔAを求める(図7のS21参
照)。即ち、サンプリング管73をサンプル石炭灰74
で充填させた状態で導波管72内を伝搬したマイクロ波
の位相φ1から、サンプリング管73がサンプル石炭灰
74で充填されていない空の状態で導波管72内を伝搬
したマイクロ波の位相φ0 を差し引いて(φ1
φ0 )、位相差Δφを求める。また、サンプリング管7
3をサンプル石炭灰74で充填させた状態で導波管72
内を伝搬したマイクロ波の強度A1 から、サンプリング
管73がサンプル石炭灰74で充填されていない空の状
態で導波管72内を伝搬したマイクロ波の強度A0 を差
し引いて(A1 −A0 )、強度差ΔAを求める。これら
の位相差Δφ及び強度差ΔAはそれぞれサンプル石炭灰
74の充填嵩密度ωと未燃炭素分率Cwt%の関数であ
る。
【0066】そして、このマイクロ波の位相差Δφ及び
強度差ΔAと、予め物性既知の石炭灰を用いて求めたマ
イクロ波の位相差及び強度差と未燃炭素分率の関数式
(図8のS24参照)とから、サンプル石炭灰56中の
未燃炭素分率Cwt%を求める。
【0067】マイクロ波の位相差及び強度差と未燃炭素
分率の関数式は次のようにして導出する。まず、石炭灰
中未燃炭素分計測装置70のサンプリング管73に物性
既知、即ち、未燃炭素分率Cwt%が既知の石炭灰を充
填する。そして、マイクロ波発信・信号計測器71から
一定周波数のマイクロ波を発信し、このマイクロ波を、
送信アンテナ75を設けた同軸導波管変換器76を介し
て導波管72に導入して、サンプリング管73に物性既
知のサンプル石炭灰74を充填した状態で、導波管72
にマイクロ波を伝搬させた後、受信アンテナ77を設け
た同軸導波管変換器78を介してマイクロ波発信・信号
計測器71で受信して物性既知のサンプル石炭灰により
生じるマイクロ波の位相差Δφ及び強度差ΔAを求め
る。
【0068】これらの計測処理を未燃炭素分率Cwt%
の異なる複数種類のサンプル石炭灰に対して行う。ま
た、これらのサンプル石炭灰の充填嵩密度ωも図示しな
い重量計によって計測する。次に、これらの物性既知の
石炭灰に対する計測値に基づき、図8(a)に例示する
ような未燃炭素分率Cwt%と、マイクロ波の強度差Δ
Aを充填嵩密度ωで規格化した値との関係を表すCwt
%−ΔA/ω検量線81と、図8(b)に例示するよう
な未燃炭素分率Cwt%と、マイクロ波の位相差Δφを
充填嵩密度ωで規格化した値との関係を表すCwt%−
Δφ/ω検量線62とを、フッティングして求める。
【0069】一方、式の展開により次の[数10]式の
ように充填嵩密度ωを分離した式を求め(図8のS22
参照)、これを変形して[数11]式を得る(図8のS
23参照)。
【0070】
【数10】
【0071】
【数11】
【0072】そして、この[数11]式を連立して充填
嵩密度ωを消去し、未燃炭素分率Cwt%の式に変形す
ると、次[数12]式、即ち、マイクロ波の位相差及び
強度差と未燃炭素分率の関数式を求めることができる
(図8のS17参照)。そこで、この[数12]式に石
炭灰中未燃炭素分計測装置70で計測したマイクロ波の
位相差Δφ及び強度差ΔAを代入すれば、サンプル石炭
灰74中の未燃炭素分率Cwt%が求まる。
【0073】
【数12】
【0074】そして、この[数12]のマイクロ波の位
相差及び強度差と未燃炭素分率の関数式に含まれる係数
は計測するマイクロ波の波長や空胴共振器の構造などに
よって決まるため、上記のように予め物性既知の石炭灰
によるマイクロ波の位相差及び強度差を石炭灰中未燃炭
素分計測装置70で計測して検量線81,82を求め、
これらの検量線81,82から上記[数10]式の係数
を決定して、[数12]式の係数を決定する。[数1
0]式及び[数12]式の具体例を、次の[数13]式
に示す。
【0075】
【数13】
【0076】以上のことから、本実施の形態3の石炭灰
中未燃炭素分計測装置70によれば、サンプル石炭灰の
重量計測を要せず、サンプル石炭灰によるマイクロ波の
位相差及び強度差を計測するだけでその未燃炭素分率C
wt%を求めることができるため、短時間で計測するこ
とができ、特別な設置場所の制限もなく、しかも、完全
閉鎖系の計測系を実現することができる。図8(c)に
示すように本実施の形態2の石炭灰中未燃炭素分計測装
置40で求めた未燃炭素分率Cwt%は、化学分析によ
って求めた未燃炭素分率Cwt%(真値とみなせる値)
に近い値となっている。
【0077】なお、上記実施の形態1,2,3の石炭灰
中未燃炭素分計測装置10,40,70を比較すると、
計測精度については計測装置40、計測装置10、計測
装置70の順に精度がよく、逆に、コストについては計
測装置70、計測装置10、計測装置40の順に安価で
ある。従って、要求される計測精度とコストとの兼ね合
いによって最適な計測装置が選択する。
【0078】また、上記実施の形態1,2,3では未燃
炭素分率Cwt%を求めているが、勿論、[数3]式、
[数7]式又は[数11]式を連立して未燃炭素分率C
wt%を消去し、充填嵩密度ωの式を導出すれば、この
式と計測した複素誘電率εrやマイクロ波の位相差Δ
φ、強度差ΔAから充填嵩密度ωを求めることもでき
る。
【0079】ここで、上記実施の形態1〜3に基づいて
説明した本発明の未燃炭素分離装置の原理について説明
する。
【0080】誘電率という物性値は示強量であり、他の
条件が一定の場合には物質の存在量には依存しない。実
際に固体材料や液体材料は、定温定圧下では決まった誘
電率を示す。粉体の場合も、その粒子一粒一粒に関して
はこのことが当てはまる。しかしながら、粉体をマクロ
に捉えた場合には事情が異なり、その充填の仕方により
違った誘電率が計測される。つまり、ある容器内に粉体
が、ふんわりと詰まっている場合にはその容器内の粉体
が詰まっている空間の誘電率は低く計測され、しっかり
と詰まっている場合にはその容器内の粉体が詰まってい
る空間の誘電率は高く計測される。また、石炭灰の場
合、石炭灰の未燃炭素成分が、他の成分(アルミナ、シ
リカ、酸化鉄など及びこれらの共晶体)に比較して、極
めて誘電率が高い。このため、マクロに捉えた場合の石
炭灰の誘電率は、未燃炭素の含有率に依存して変化す
る。
【0081】従って、粉体である石炭灰の誘電率は図9
に示すように計測時の充填の仕方(嵩密度)と未燃炭素
分率とに依存して決まるといえる。このため、次の[数
14]式のように石炭灰の誘電率εは計測時の嵩密度ω
と、石炭灰中の未燃炭素分率Cwt%の関数として与え
られる。
【0082】
【数14】
【0083】このため、誘電率εを計測しても、この計
測値だけではCwt%を算出することができない。そこ
で、これを解決するため、本発明では次の(1),
(2)の手法を用いている。
【0084】(1)1種類のマイクロ波計測器(誘電率
計測器)を用いて複数の誘電率に関連する物性値を計測
する。即ち、請求項10に係る発明では空胴共振器を用
いて複素誘電率(実部の値,虚部の値)を計測し、請求
項12に係る発明では導波管を用いてマイクロ波の位相
差と強度差を計測する。上記実施の形態1では空胴共振
器22を用て複素誘電率εr (実部の値εr ’,虚部の
値εr ”)を計測し、上記実施の形態3では導波管72
を用いてマイクロ波の位相差Δφと強度差ΔAを計測す
る。 (2)2種類のマイクロ波計測器(誘電率計測器)を用
いて、複数の誘電率に関連する物性値を計測する。即
ち、請求項11に係る発明では空胴共振器を用いて複素
誘電率を計測し、導波管を用いてマイクロ波の位相差を
計測する。上記実施の形態2では空胴共振器43を用い
て複素誘電率εr を計測し、導波管44を用いてマイク
ロ波の位相差Δφを計測する。
【0085】そして、これらの計測を行うことにより、
上記[数14]式に相当する関係式を2つ準備し、この
2式を連立させて嵩密度ωを消去することにより、計測
装置で計測される誘電率に関連する物性値と未燃炭素分
率Cwt%との関係式を求めている。
【0086】これを基に、請求項10,11及び12に
係る発明を包含する上位概念の発明の構成は次のように
なる。即ち、本発明の石炭灰中未燃炭素分計測装置は、
サンプリング管と、このサンプリング管内に充填した物
質の複数の誘電率に関連する物性値を計測できる単一又
は複数の誘電率計測器を備え、サンプリング管にサンプ
ル石炭灰を充填した状態で、この単一又は複数の誘電率
計測器によって複数の誘電率に関連する物性値を求め
て、このサンプル石炭灰の複数の誘電率に関連する物性
値と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複数の誘電
率に関連する物性値と未燃炭素分率の関係(関数式)と
から、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように
構成する。
【0087】<実施の形態4>本実施の形態4では図1
のA部に設ける石炭灰の処理装置の構成について詳述す
る。図10は本発明の実施の形態4に係る石炭灰の処理
装置の構成図である。
【0088】図10に示すように、本実施の形態4では
図1のA部に設ける未燃炭素分離装置101として静電
分離式の未燃炭素分離装置101Aを有している。この
未燃炭素分離装置101Aは、特表平11−50913
4号公報、特表平11−501688号公報、特表20
01−512369号公報などにも示されている米国の
セパレーション・テクノロジーズ・インコーポレーテッ
ド(STI)社製の静電向流ベルト式の未燃炭素分離装
置を基本構成としている。
【0089】詳述すると、図10に示すように未燃炭素
分離装置101Aは、一対の電極102,103と、無
端ベルト84とを有している。電極102,103は図
中左右方向に長く、狭い隙間(例えば約10mm)を隔
てて対向配置されている。電極102,103の隙間の
間隔は電極駆動装置93により電極102,103の何
れか一方又は両方を移動して、調整できるようになって
いる。かかる電極102,103に電源装置85によっ
て直流の高電圧が印加(図示例では電極102が正、電
極3が負となるように印加)されると、電極102,1
03の隙間には電界が形成される。そして、この電界の
強度は電源装置85によって電極102,103の印加
電圧(電位差)を調整すること、又は、電極駆動装置9
3によって電極102,103の隙間の間隔を調整する
ことにより、適宜調整することができる。
【0090】無端ベルト84はメッシュ状(有孔)のも
のであり、両端部がローラ86,87にそれぞれ巻回さ
れて支持されており、これらのローラ86,87の間の
長く延びたベルト部分84a,84bが電極102,1
03の隙間に位置している。従って、モータ等を有して
なる回転駆動装置90によってローラ86を矢印Bのよ
うに回転駆動すると、無端ベルト84が循環移動する
が、このとき電極102,103の隙間ではベルト部分
84aは図中右方向に移動し、ベルト部分84bは図中
左方向に移動する。即ち、ベルト部分84a,84bは
電極102,103の隙間に形成した電界と直交して互
いに反対方向に移動する。
【0091】ローラ86,87と電極102,103と
の間にはテンションローラ88,89がそれぞれ配置さ
れ、これらのテンションローラ88,89によってベル
ト部分84a,84bを電極102,103の隙間で相
互に近接して適宜の張力で張った状態に維持している。
また、無端ベルト84のベルト部分84a,84bの間
には、非導電性の材料で作られ或いは非導電性の材料が
塗布された有孔の中間シート91が設けられている。な
お、中間シート91を設けない場合もある。
【0092】そして、一方の電極102にはスロット状
の開口102aが形成されており、この開口102aか
ら電極102,103の隙間に石炭灰供給装置92によ
って、静電集塵装置5(図1参照)で回収された石炭灰
が投入される。このため、電極102,103の隙間が
石炭灰によって充たされ、この石炭灰が無端ベルト84
のベルト部分84a,84bの移動によって攪拌され
る。その結果、石炭灰の粒子同士が表面接触して帯電す
る。このとき石炭灰中の未燃炭素は負に帯電し、他の成
分は正に帯電する。負に帯電した未燃炭素は電極10
2,103間の電界により電極102側に移動して、ベ
ルト部分84aにより図中右方向に輸送され、正に帯電
した他の成分(石炭灰)は電極102,103間の電界
により電極102側に移動して、ベルト部分84bによ
り図中左方向に輸送される。かくして、石炭灰から未燃
炭素が分離される。
【0093】分離された未燃炭素はホッパ94に集めら
れ、電荷除去装置95でアースされた金網95aを通過
して電荷が除去された後、コンテナ96に詰め込まれて
トラックなどの輸送手段により石炭焚火力発電所のボイ
ラ1まで輸送され、或いは、図示しないブロアなどを有
してなる空気輸送装置97によってボイラ1まで輸送さ
れて、ボイラ1の燃料として利用される。なお、コンテ
ナ96の内面には、未燃炭素の帯電を防止するため、非
帯電性材料(例えばテフロン)104が内張りされてい
る。
【0094】一方、未燃炭素が分離された低未燃炭素分
率の石炭灰は、ホッパ98に集められて未燃炭素分計測
装置10に供給され、この未燃炭素分計測装置10で未
燃炭素分率が計測された後、前述のように貨車、トラッ
ク又は船により、所定の石炭灰利用場所などに運搬され
る。このとき、未燃炭素分計測装置10からは未燃炭素
分率計測信号aが出力され、この計測信号aが運転制御
装置100に入力される。
【0095】このとき例えば石炭灰をセメントの混和剤
(粘土成分)として利用する場合、未燃炭素分率計測信
号aに基づいて、運転制御装置100では石炭灰中の未
燃炭素分率が混和剤に適した値(例えば1%以下)とな
るように未燃炭素分離装置101Aの未燃炭素分離能を
制御する。なお、運転制御装置100には、この運転制
御機能(詳細後述)の他、石炭灰中未燃炭素分計測装置
10で計測した未燃炭素分率Cwt%などを表示する表
示器100aや、目標の未燃炭素分率値を設定する設定
器100aなども備えている。
【0096】そして、運転制御装置100では、石炭灰
中未燃炭素分計測装置10から入力した未燃炭素分率計
測信号aに基づき、未燃炭素分離装置101Aの電源装
置85、電極駆動装置93、石炭灰供給装置92及び回
転駆動装置90に対し、分離能制御信号として電圧制御
信号b、電極間距離制御信号c、灰投入量制御信号d及
び灰スライド速度制御信号eをそれぞれ出力する。
【0097】電源装置85では、電圧制御信号bに基づ
いて電極102,103に印加する電圧値を調整するこ
とにより、未燃炭素の分離能を調整する。即ち、未燃炭
素分率の計測値が所定値よりも高い場合には、電極駆動
装置85では印加電圧値を高くして電界強度を高めるこ
とにより、未燃炭素の分離能を上げる。電極駆動装置9
3では、電極間距離制御信号cに基づいて電極102,
103の隙間の間隔を調整することにより、未燃炭素の
分離能を調整する。即ち、未燃炭素分率の計測値が所定
値よりも高い場合には、電極駆動装置93では電極10
2,103の隙間の間隔を狭くして電界強度を高めるこ
とにより、未燃炭素の分離能を上げる。
【0098】石炭灰供給装置92では、灰投入量制御信
号dに基づいて電極102,103間への単位時間当た
りの石炭灰投入量を調整することにより、未燃炭素の分
離能を調整する。即ち、未燃炭素分率の計測値が所定値
よりも高い場合には、石炭灰供給装置92では電極10
2,103間への石炭灰の投入量を低減することによ
り、未燃炭素の分離能を上げる。回転駆動装置90で
は、灰スライド速度制御信号eに基づいてローラ86の
回転速度を調整し、ひいては無端ベルト84(ベルト部
分84a,84b)の移動速度を調整して石炭灰のスラ
イド速度(攪拌及び輸送速度)を調整することにより、
未燃炭素の分離能を調整する。即ち、未燃炭素分率の計
測値が所定値よりも高い場合には、回転駆動装置90で
はローラ86の回転速度を低減することによって、無端
ベルト84(ベルト部分84a,84b)の移動速度を
低減して石炭灰のスライド速度(攪拌及び輸送速度)を
低減することにより、未燃炭素の分離能を上げる。
【0099】なお、未燃炭素の分離能を調整する際に
は、印加電圧、電極間距離、石炭灰投入量、灰スライド
速度のうち、何れか1つを調整してもよく、複数の調整
をしてもよい。また、石炭灰中未燃炭素分計測装置10
で計測された石炭灰が所定値以上の未燃炭素分率である
場合には、当該石炭灰を廃棄せず、未燃炭素分離装置1
01Aに戻すようにすることが望ましい。
【0100】本実施の形態4の石炭灰の処理装置によれ
ば、石炭灰中未燃炭素分計測装置10の未燃炭素分率計
測信号aに基づき、運転制御装置100によって未燃炭
素分離装置101Aの分離能を制御することにより、所
望の未燃炭素分率の石炭灰を得ることができる。従っ
て、例えばセメントの混和剤として石炭灰を利用する場
合には、この石炭灰をセメントの粘土成分としてより適
したものとすることができる。また、分離した未燃炭素
をボイラ1の燃料して利用することにより、エネルギ効
率の向上を図ることができる。
【0101】なお、本実施の形態4の石炭灰の処理装置
は石炭焚火力発電所の排ガス系統に設置する場合に限ら
ず、他の場所に設置してもよい。例えば、セメント製造
所に石炭灰の処理装置を設置し、ここで未燃炭素の分離
を行ってもよい。
【0102】<実施の形態5>本実施の形態5では図1
のA部に設ける石炭灰の処理装置の他の構成について詳
述する。図11は本発明の実施の形態5に係る石炭灰の
処理装置の構成図である。なお、図11において上記実
施の形態4(図10)と同様の部分については同一の符
号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
【0103】図11に示すように、本実施の形態5では
図1のA部に設ける未燃炭素分離装置101としてサイ
クロン式の未燃炭素分離装置101Bを有している。こ
の未燃炭素分離装置101Bは、一般的に市販されてい
る分級装置を未燃炭素の分離装置に応用するものであ
る。
【0104】詳述すると、図11に示すように円筒円錐
型のケーシング111の上部には石炭灰の投入口112
が設けられ、ケーシング111の内部には分級羽根11
4とガイドベーン115とが設けられている。分級羽根
114はモータ等を有してなる回転駆動装置116によ
って高速回転駆動される。また、ケーシング111の上
部には分級羽根114の内部に通じる未燃炭素の排出口
118が設けられ、ケーシング111の下部には石炭灰
の排出口117が設けられている。
【0105】そして、この未燃炭素分離装置101Bで
は投入口112から石炭灰供給装置113により、静電
集塵装置5(図1参照)で回収された石炭灰をケーシン
グ111内へ投入すると、この石炭灰が高速回転する分
級羽根114の上面で遠心力により分散される。分散さ
れた石炭灰は、ガイドベーン115により作り出される
自由渦と分級羽根114により作り出される強制渦の併
用による力を受け、石炭灰粒子は分級羽根114の回転
方向に旋回運動をする。このとき、石炭灰は渦による遠
心力と分級羽根114の内部へ向かう空気流の抗力との
釣り合いにより分級される。その結果、微粒径の未燃炭
素及び若干の微細粉石炭灰は分級羽根114の内部を通
過して、上部の排出口118からケーシング111外へ
排出され、粒径の比較的大きい石炭灰は下部の排出口1
17からケーシング111外へ排出される。かくして、
石炭灰から未燃炭素が分離される。
【0106】分離された未燃炭素はホッパ94、電荷除
去装置95を経てコンテナ101に詰め込まれて輸送手
段により、又は、空気輸送装置97により、燃料として
ボイラ1まで輸送される。一方、未燃炭素が分離された
低未燃炭素分率の石炭灰は、ホッパ98を経て未燃炭素
分計測装置10で計測された後、貨車、トラック又は船
により、所定の石炭灰利用場所などに運搬される。この
とき、未燃炭素分計測装置10からは未燃炭素分率計測
信号aが出力され、この計測信号aが運転制御装置10
0に入力される。
【0107】そして、運転制御装置100では、石炭灰
中未燃炭素分計測装置10から入力した未燃炭素分率計
測信号aに基づき、未燃炭素分離装置101Bの回転駆
動装置116及び石炭灰供給装置113に対し、分離能
制御信号として分級羽根114の回転数制御信号f及び
灰投入量制御信号gをそれぞれ出力する。
【0108】回転駆動装置116では、回転数制御信号
fに基づいて分級羽根114の回転数を調整することに
より、未燃炭素の分離能を調整する。即ち、未燃炭素分
率の計測値が所定値よりも高い場合には、回転駆動装置
116では分級羽根114の回転数を高くすることによ
り、未燃炭素の分離能を上げる。石炭灰供給装置113
では、灰投入量制御信号gに基づいてケーシング111
内への単位時間当たりの石炭灰の投入量を調整すること
により、未燃炭素の分離能を調整する。即ち、未燃炭素
分率の計測値が所定値よりも高い場合には、石炭灰供給
装置113ではケーシング111内への石炭灰の投入量
を低減することにより、未燃炭素の分離能を上げる。
【0109】なお、未燃炭素の分離能を調整する際に
は、分級羽根回転数、石炭灰投入量のうち、何れか1つ
を調整してもよく、両方を調整してもよい。また、石炭
灰中未燃炭素分計測装置10で計測された石炭灰が所定
値以上の未燃炭素分率である場合には、当該石炭灰を廃
棄せず、未燃炭素分離装置101Bに戻すようにするこ
とが望ましい。
【0110】本実施の形態5の石炭灰の処理装置でも、
石炭灰中未燃炭素分計測装置10の未燃炭素分率計測信
号aに基づき、運転制御装置100によって未燃炭素分
離装置101Bの分離能を制御することにより、所望の
未燃炭素分率の石炭灰を得ることができる。従って、例
えばセメントの混和剤として石炭灰を利用する場合に
は、この石炭灰をセメントの粘土成分としてより適した
ものとすることができる。また、分離した未燃炭素をボ
イラ1の燃料して利用することにより、エネルギ効率の
向上を図ることができる。
【0111】なお、本実施の形態5の石炭灰の処理装置
も、石炭焚火力発電所の排ガス系統に設置する場合に限
らず、他の場所に設置してもよい。例えば、セメント製
造所に石炭灰の処理装置を設置して、ここで未燃炭素の
分離を行ってもよい。
【0112】また、本発明の石炭灰の処理装置に備える
未燃炭素分離装置としては、上記実施の形態4で示した
静電向流ベルト式のもの(図10参照)、或いは、上記
実施の形態5で示したサイクロン式のもの(図11参
照)が望ましいが、必ずしもこれに限定するものではな
く、他の方式のものであってもよい。
【0113】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態とともに具体的
に説明したように、第1発明の石炭灰の処理装置は、石
炭灰から未燃炭素を分離する未燃炭素分離装置と、石炭
灰中未燃炭素分計測装置と、運転制御装置とを備えた石
炭灰の処理装置であって、前記石炭灰中未燃炭素分計測
装置は、サンプリング管と、このサンプリング管内に充
填した物質の複数の誘電率に関連する物性値を計測でき
る単一又は複数の誘電率計測器を備え、サンプリング管
にサンプル石炭灰を充填した状態で、この単一又は複数
の誘電率計測器によって複数の誘電率に関連する物性値
を求めて、このサンプル石炭灰の複数の誘電率に関連す
る物性値と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複数
の誘電率に関連する物性値と未燃炭素分率の関係とか
ら、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように構
成するとともに、前記運転制御装置では、この石炭灰中
未燃炭素分計測装置の未燃炭素分率計測信号と所定の未
燃炭素分率設定値とに基づいて分離能制御信号を出力
し、前記未燃炭素分離装置では、この分離能制御信号に
基づいて石炭灰中の未燃炭素分率が前記未燃炭素分率設
定値以下となるように未燃炭素の分離能を調整するよう
に構成したことを特徴とする。
【0114】従って、この第1発明の石炭灰の処理装置
によれば、未燃炭素分計測装置は後述する第9発明の効
果を有し、しかも、この計測装置の計測信号に基づき、
運転制御装置で分離能制御信号により未燃炭素分離装置
の分離能を制御することによって、所望の未燃炭素分率
の石炭灰を得ることができる。
【0115】また、第2発明の石炭灰の処理装置は、第
1発明の石炭灰の処理装置において、前記石炭灰中未燃
炭素分計測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手
段と、空胴共振器と、この空胴共振器を貫通するサンプ
リング管とを備え、マイクロ波発信手段から周波数を変
えて順次マイクロ波を発信し、これらのマイクロ波を空
胴共振器に導入して、サンプリング管にサンプル石炭灰
を充填した状態で、共振器内にマイクロ波の共振状態を
形成せしめた後、信号計測手段で受信してマイクロ波の
信号強度に関する周波数スペクトルを求め、この周波数
スペクトルを電磁場解析することによりサンプル石炭灰
の複素誘電率を求めて、このサンプル石炭灰の複素誘電
率と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘電率
と未燃炭素分率の関数式とから、サンプル石炭灰中の未
燃炭素分率を求めるように構成したことを特徴とする。
【0116】従って、この第2発明の石炭灰の処理装置
によれば、未燃炭素分計測装置は後述する第10発明の
効果を有し、しかも、この計測装置の計測信号に基づ
き、運転制御装置で分離能制御信号により未燃炭素分離
装置の分離能を制御することによって、所望の未燃炭素
分率の石炭灰を得ることができる。
【0117】また、第3発明の石炭灰の処理装置は、第
1発明の石炭灰の処理装置において、前記石炭灰中未燃
炭素分計測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手
段と、空胴共振器と、導波管と、これらの空胴共振器及
び導波管を貫通するサンプリング管とを備え、マイクロ
波発信手段から周波数を変えて順次マイクロ波を発信
し、これらのマイクロ波を空胴共振器に導入して、サン
プリング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、共振器
内にマイクロ波の共振状態を形成せしめた後、信号計測
手段で受信してマイクロ波の信号強度に関する周波数ス
ペクトルを求め、この周波数スペクトルを電磁場解析す
ることによりサンプル石炭灰の複素誘電率を求めるとと
もに、マイクロ波発信手段から一定周波数のマイクロ波
を発信し、このマイクロ波を導波管に導入して、サンプ
リング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、導波管に
マイクロ波を伝搬させた後、信号計測手段で受信してサ
ンプル石炭灰により生じるマイクロ波の位相差を求め
て、このサンプル石炭灰の複素誘電率及びマイクロ波の
位相差と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘
電率及びマイクロ波の位相差と未燃炭素分率の関数式と
から、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように
構成したことを特徴とする。
【0118】従って、この第3発明の石炭灰の処理装置
によれば、未燃炭素分計測装置は後述する第11発明の
効果を有し、しかも、この計測装置の計測信号に基づ
き、運転制御装置で分離能制御信号により未燃炭素分離
装置の分離能を制御することによって、所望の未燃炭素
分率の石炭灰を得ることができる。
【0119】また、第4発明の石炭灰の処理装置は、第
1発明の石炭灰の処理装置において、前記石炭灰中未燃
炭素分計測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手
段と、導波管と、この導波管を貫通するサンプリング管
とを備え、マイクロ波発信手段から一定周波数のマイク
ロ波を発信し、このマイクロ波を導波管に導入して、サ
ンプリング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、導波
管にマイクロ波を伝搬させた後、信号計測手段で受信し
てサンプル石炭灰により生じるマイクロ波の位相差及び
強度差を求めて、このマイクロ波の位相差及び強度差
と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めたマイクロ波の
位相差及び強度差と未燃炭素分率の関数式とから、サン
プル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように構成したこ
とを特徴とする。
【0120】従って、この第4発明の石炭灰の処理装置
によれば、未燃炭素分計測装置は後述する第12発明の
効果を有し、しかも、この計測装置の計測信号に基づ
き、運転制御装置で分離能制御信号により未燃炭素分離
装置の分離能を制御することによって、所望の未燃炭素
分率の石炭灰を得ることができる。
【0121】また、第5発明の石炭灰の処理装置は、第
1,第2,第3又は第4発明の石炭灰の処理装置におい
て、前記未燃炭素分離装置は、隙間を隔てて対向配置し
た電極と、この電極の隙間を通って循環移動する有孔の
無端ベルトとを備え、電極に電圧を印加して電極の隙間
に電界を形成し、且つ、電極の隙間に位置する無端ベル
トのベルト部分が前記電界に直交して互いに反対方向に
移動することにより、電極の隙間に投入した石炭灰の粒
子を表面接触により帯電させて同石炭灰から未燃炭素を
分離するように構成したことを特徴とする。
【0122】従って、この第5発明の石炭灰の処理装置
によれば、未燃炭素分計測装置の計測信号に基づき、運
転制御装置で分離能制御信号により静電向流ベルト式の
未燃炭素分離装置の分離能を制御することによって、所
望の未燃炭素分率の石炭灰を得ることができる。
【0123】また、第6発明の石炭灰の処理装置は、第
5発明の石炭灰の処理装置において、前記分離能制御信
号は電圧制御信号、電極間距離制御信号、灰投入量制御
信号又は灰スライド速度制御信号の何れか一つ又は複数
とし、この制御信号に基づいて、前記未燃炭素分離装置
では電極の印加電圧、電極の隙間の間隔、電極の隙間に
投入する石炭灰の投入量、又は、無端ベルトの移動速度
の何れか一つ又は複数を調整して、未燃炭素の分離能を
調整することを特徴とする。
【0124】従って、この第6発明の石炭灰の処理装置
によれば、未燃炭素分計測装置の計測信号に基づき、運
転制御装置で電圧制御信号、電極間距離制御信号、灰投
入量制御信号又は灰スライド速度制御信号の何れか一つ
又は複数により静電向流ベルト式の未燃炭素分離装置の
分離能を制御することによって、所望の未燃炭素分率の
石炭灰を得ることができる。
【0125】また、第7発明の石炭灰の処理装置は、第
1,第2,第3,第4,第5又は第6発明の石炭灰の処
理装置において、前記未燃炭素分離装置で石炭灰から分
離した未燃炭素は石炭焚火力発電所のボイラの燃料とし
て利用するようにしたことを特徴とする。
【0126】従って、この第7発明の石炭灰の処理装置
によれば、分離した未燃炭素をボイラの燃料して利用す
ることにより、エネルギ効率の向上を図ることができ
る。
【0127】また、第8発明の石炭灰の処理装置は、第
1,第2,第3,第4,第5又は第6に記載の石炭灰の
処理装置において、前記未燃炭素分離装置で未燃炭素が
分離された石炭灰はセメントの粘土成分として利用する
ようにしたことを特徴とする。
【0128】従って、この第8発明の石炭灰の処理装置
によれば、未燃炭素分計測装置の計測信号に基づき、運
転制御装置で分離能制御信号により静電向流ベルト式の
未燃炭素分離装置の分離能を制御することによって、所
望の未燃炭素分率の石炭灰を得ることができるため、石
炭灰をセメントの粘土成分としてより適したものとする
ことができる。
【0129】また、第9発明の石炭灰中未燃炭素分計測
装置は、サンプリング管と、このサンプリング管内に充
填した物質の複数の誘電率に関連する物性値を計測でき
る単一又は複数の誘電率計測器を備え、サンプリング管
にサンプル石炭灰を充填した状態で、この単一又は複数
の誘電率計測器によって複数の誘電率に関連する物性値
を求めて、このサンプル石炭灰の複数の誘電率に関連す
る物性値と、予め物性既知の石炭灰を用いて求めた複数
の誘電率に関連する物性値と未燃炭素分率の関係とか
ら、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように構
成したことを特徴とする。
【0130】従って、この第9発明の石炭灰中未燃炭素
分計測装置によれば、サンプル石炭灰の重量計測を要せ
ず、サンプル石炭灰の複数の誘電率に関連する物性値を
計測するだけでその未燃炭素分率を求めることができる
ため、短時間で計測することができる、また、特別な設
置場所の制限もなく、しかも、完全閉鎖系の計測系を実
現することも可能となる。
【0131】また、第10発明の石炭灰中未燃炭素分計
測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手段と、空
胴共振器と、この空胴共振器を貫通するサンプリング管
とを備え、マイクロ波発信手段から周波数を変えて順次
マイクロ波を発信し、これらのマイクロ波を空胴共振器
に導入して、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填し
た状態で、共振器内にマイクロ波の共振状態を形成せし
めた後、信号計測手段で受信してマイクロ波の信号強度
に関する周波数スペクトルを求め、この周波数スペクト
ルを電磁場解析することによりサンプル石炭灰の複素誘
電率を求めて、このサンプル石炭灰の複素誘電率と、予
め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘電率と未燃炭
素分率の関数式とから、サンプル石炭灰中の未燃炭素分
率を求めるように構成したことを特徴とする。
【0132】従って、この第10発明の石炭灰中未燃炭
素分計測装置によれば、サンプル石炭灰の重量計測を要
せず、サンプル石炭灰の複素誘電率を計測するだけでそ
の未燃炭素分率を求めることができるため、短時間で計
測することができ、特別な設置場所の制限もなく、しか
も、完全閉鎖系の計測系を実現することができる。
【0133】また、第11発明の石炭灰中未燃炭素分計
測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手段と、空
胴共振器と、導波管と、これらの空胴共振器及び導波管
を貫通するサンプリング管とを備え、マイクロ波発信手
段から周波数を変えて順次マイクロ波を発信し、これら
のマイクロ波を空胴共振器に導入して、サンプリング管
にサンプル石炭灰を充填した状態で、共振器内にマイク
ロ波の共振状態を形成せしめた後、信号計測手段で受信
してマイクロ波の信号強度に関する周波数スペクトルを
求め、この周波数スペクトルを電磁場解析することによ
りサンプル石炭灰の複素誘電率を求めるとともに、マイ
クロ波発信手段から一定周波数のマイクロ波を発信し、
このマイクロ波を導波管に導入して、サンプリング管に
サンプル石炭灰を充填した状態で、導波管にマイクロ波
を伝搬させた後、信号計測手段で受信してサンプル石炭
灰により生じるマイクロ波の位相差を求めて、このサン
プル石炭灰の複素誘電率及びマイクロ波の位相差と、予
め物性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘電率及びマイ
クロ波の位相差と未燃炭素分率の関数式とから、サンプ
ル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように構成したこと
を特徴とする。
【0134】従って、この第11発明の石炭灰中未燃炭
素分計測装置によれば、サンプル石炭灰の重量計測を要
せず、サンプル石炭灰の複素誘電率とマイクロ波の位相
差を計測するだけでその未燃炭素分率を求めることがで
きるため、短時間で計測することができ、特別な設置場
所の制限もなく、しかも、完全閉鎖系の計測系を実現す
ることができる。
【0135】また、第12発明の石炭灰中未燃炭素分計
測装置は、マイクロ波発信手段と、信号計測手段と、導
波管と、この導波管を貫通するサンプリング管とを備
え、マイクロ波発信手段から一定周波数のマイクロ波を
発信し、このマイクロ波を導波管に導入して、サンプリ
ング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、導波管にマ
イクロ波を伝搬させた後、信号計測手段で受信してサン
プル石炭灰により生じるマイクロ波の位相差及び強度差
を求めて、このマイクロ波の位相差及び強度差と、予め
物性既知の石炭灰を用いて求めたマイクロ波の位相差及
び強度差と未燃炭素分率の関数式とから、サンプル石炭
灰中の未燃炭素分率を求めるように構成したことを特徴
とする。
【0136】従って、この第12発明の石炭灰中未燃炭
素分計測装置によれば、サンプル石炭灰の重量計測を要
せず、サンプル石炭灰によるマイクロ波の位相差及び強
度差を計測するだけでその未燃炭素分率の求めることが
できるため、短時間で計測することができ、特別な設置
場所の制限もなく、しかも、完全閉鎖系の計測系を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る石炭灰中未燃炭素
分計測装置の石炭焚火力発電所における配置図である。
【図2】各設置場所における前記石炭灰中未燃炭素分計
測装置の概略構成図である。
【図3】(a)は前記石炭灰中未燃炭素分計測装置の構
成図、(b)は前記石炭灰中未燃炭素分計測装置におけ
る複素誘電率の計測手順を示す説明図である。
【図4】(a)及び(b)は予め物性既知の石炭灰を用
いて求めた検量線を示すグラフ、(c)は前記石炭灰中
未燃炭素分計測装置によって計測した未燃炭素分率と化
学分析により求めた未燃炭素分率とを比較したグラフ、
(d)は前記物性既知の石炭灰を用いて複素誘電率と未
燃炭素分率の関数式を求める手順を示す説明図である。
【図5】(a)は本発明の実施の形態2に係る石炭灰中
未燃炭素分計測装置の構成図、(b)は前記石炭灰中未
燃炭素分計測装置における複素誘電率とマイクロ波の位
相差の計測手順を示す説明図である。
【図6】(a)及び(b)は予め物性既知の石炭灰を用
いて求めた検量線を示すグラフ、(c)は前記石炭灰中
未燃炭素分計測装置によって計測した未燃炭素分率と化
学分析により求めた未燃炭素分率とを比較したグラフ、
(d)は前記物性既知の石炭灰を用いて複素誘電率及び
マイクロ波の位相差と未燃炭素分率の関数式を求める手
順を示す説明図である。
【図7】(a)は本発明の実施の形態3に係る石炭灰中
未燃炭素分計測装置の構成図、(b)は前記石炭灰中未
燃炭素分計測装置におけるマイクロ波の位相差及び強度
差の計測手順を示す説明図である。
【図8】(a)及び(b)は予め物性既知の石炭灰を用
いて求めた検量線を示すグラフ、(c)は前記石炭灰中
未燃炭素分計測装置によって計測した未燃炭素分率と化
学分析により求めた未燃炭素分率とを比較したグラフ、
(d)は前記物性既知の石炭灰を用いてマイクロ波の位
相差及び強度差と未燃炭素分率の関数式を求める手順を
示す説明図である。
【図9】本発明の石炭灰中未燃炭素分計測装置の原理を
説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る石炭灰の処理装
置の構成図である
【図11】本発明の実施の形態5に係る石炭灰の処理装
置の構成図である
【符号の説明】
1 石炭焚ボイラ 2 エアヒータ 3 煙道 4 脱硝装置 5 静電集塵装置 6 脱硫装置 7 煙突 8 回収配管 9 灰処理装置 10 石炭灰中未燃炭素分計測装置 11,12 ノズル 14 配管 15,16 バルブ 17 配管 18 排出配管 21 マイクロ波発信・信号計測器 22 空胴共振器 23 サンプリング管 24 送信アンテナ 25 受信アンテナ 26 サンプル石炭灰 31,32 検量線 40 石炭灰中未燃炭素分計測装置 41,42 マイクロ波発信・信号計測器 43 空胴共振器 44 導波管 45 サンプリング管 46 サンプル石炭灰 47 受信アンテナ 48 送信アンテナ 49 送信アンテナ 50 同軸導波管変換器 51 受信アンテナ 52 同軸導波管変換器 61,62 検量線 70 石炭灰中未燃炭素分計測装置 71 マイクロ波発信・信号計測器 72 導波管 73 サンプリング管 74 サンプル石炭灰 75 送信アンテナ 76 同軸導波管変換器 77 受信アンテナ 78 同軸導波管変換器 81,82 検量線 84 無端ベルト 84a,84b ベルト部分 85 電源装置 86,87 ローラ 88,89 テンションローラ 90 回転駆動装置 91 中間シート 92 石炭灰供給装置 93 電極駆動装置 94 ホッパ 95 電荷除去装置 95a 金網 96 コンテナ 97 空気輸送装置 98 ホッパ 100 運転制御装置 100a 表示器 100b 設定器 101 未燃炭素分離装置 101A 静電向流ベルト式の未燃炭素分離装置 101B サイクロン式の未燃炭素分離装置 102 電極 102a 開口 103 電極 104 非帯電性材料 111 ケーシング 112 投入口 113 石炭灰供給装置 114 分級羽根 115 ガイドベーン 116 回転駆動装置 117,118 排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 22/00 B09B 5/00 ZABN (72)発明者 寺倉 誠一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 石橋 勝 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA36 BA03 CA44 CB46 DA02 DA10 4D054 GA09 GB03 GB08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭灰から未燃炭素を分離する未燃炭素
    分離装置と、石炭灰中未燃炭素分計測装置と、運転制御
    装置とを備えた石炭灰の処理装置であって、 前記石炭灰中未燃炭素分計測装置は、サンプリング管
    と、このサンプリング管内に充填した物質の複数の誘電
    率に関連する物性値を計測できる単一又は複数の誘電率
    計測器を備え、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填
    した状態で、この単一又は複数の誘電率計測器によって
    複数の誘電率に関連する物性値を求めて、このサンプル
    石炭灰の複数の誘電率に関連する物性値と、予め物性既
    知の石炭灰を用いて求めた複数の誘電率に関連する物性
    値と未燃炭素分率の関係とから、サンプル石炭灰中の未
    燃炭素分率を求めるように構成するとともに、 前記運転制御装置では、この石炭灰中未燃炭素分計測装
    置の未燃炭素分率計測信号と所定の未燃炭素分率設定値
    とに基づいて分離能制御信号を出力し、前記未燃炭素分
    離装置では、この分離能制御信号に基づいて石炭灰中の
    未燃炭素分率が前記未燃炭素分率設定値以下となるよう
    に未燃炭素の分離能を調整するように構成したことを特
    徴とする石炭灰の処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の石炭灰の処理装置にお
    いて、 前記石炭灰中未燃炭素分計測装置は、マイクロ波発信手
    段と、信号計測手段と、空胴共振器と、この空胴共振器
    を貫通するサンプリング管とを備え、マイクロ波発信手
    段から周波数を変えて順次マイクロ波を発信し、これら
    のマイクロ波を空胴共振器に導入して、サンプリング管
    にサンプル石炭灰を充填した状態で、共振器内にマイク
    ロ波の共振状態を形成せしめた後、信号計測手段で受信
    してマイクロ波の信号強度に関する周波数スペクトルを
    求め、この周波数スペクトルを電磁場解析することによ
    りサンプル石炭灰の複素誘電率を求めて、このサンプル
    石炭灰の複素誘電率と、予め物性既知の石炭灰を用いて
    求めた複素誘電率と未燃炭素分率の関数式とから、サン
    プル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるように構成したこ
    とを特徴とする石炭灰の処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の石炭灰の処理装置にお
    いて、 前記石炭灰中未燃炭素分計測装置は、マイクロ波発信手
    段と、信号計測手段と、空胴共振器と、導波管と、これ
    らの空胴共振器及び導波管を貫通するサンプリング管と
    を備え、マイクロ波発信手段から周波数を変えて順次マ
    イクロ波を発信し、これらのマイクロ波を空胴共振器に
    導入して、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填した
    状態で、共振器内にマイクロ波の共振状態を形成せしめ
    た後、信号計測手段で受信してマイクロ波の信号強度に
    関する周波数スペクトルを求め、この周波数スペクトル
    を電磁場解析することによりサンプル石炭灰の複素誘電
    率を求めるとともに、マイクロ波発信手段から一定周波
    数のマイクロ波を発信し、このマイクロ波を導波管に導
    入して、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填した状
    態で、導波管にマイクロ波を伝搬させた後、信号計測手
    段で受信してサンプル石炭灰により生じるマイクロ波の
    位相差を求めて、このサンプル石炭灰の複素誘電率及び
    マイクロ波の位相差と、予め物性既知の石炭灰を用いて
    求めた複素誘電率及びマイクロ波の位相差と未燃炭素分
    率の関数式とから、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を
    求めるように構成したことを特徴とする石炭灰の処理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の石炭灰の処理装置にお
    いて、 前記石炭灰中未燃炭素分計測装置は、マイクロ波発信手
    段と、信号計測手段と、導波管と、この導波管を貫通す
    るサンプリング管とを備え、マイクロ波発信手段から一
    定周波数のマイクロ波を発信し、このマイクロ波を導波
    管に導入して、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填
    した状態で、導波管にマイクロ波を伝搬させた後、信号
    計測手段で受信してサンプル石炭灰により生じるマイク
    ロ波の位相差及び強度差を求めて、このマイクロ波の位
    相差及び強度差と、予め物性既知の石炭灰を用いて求め
    たマイクロ波の位相差及び強度差と未燃炭素分率の関数
    式とから、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるよ
    うに構成したことを特徴とする石炭灰の処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の石炭灰
    の処理装置において、前記未燃炭素分離装置は、隙間を
    隔てて対向配置した電極と、この電極の隙間を通って循
    環移動する有孔の無端ベルトとを備え、電極に電圧を印
    加して電極の隙間に電界を形成し、且つ、電極の隙間に
    位置する無端ベルトのベルト部分が前記電界に直交して
    互いに反対方向に移動することにより、電極の隙間に投
    入した石炭灰の粒子を表面接触により帯電させて同石炭
    灰から未燃炭素を分離するように構成したことを特徴と
    する石炭灰の処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の石炭灰の処理装置にお
    いて、 前記分離能制御信号は電圧制御信号、電極間距離制御信
    号、灰投入量制御信号又は灰スライド速度制御信号の何
    れか一つ又は複数とし、この制御信号に基づいて、前記
    未燃炭素分離装置では電極の印加電圧、電極の隙間の間
    隔、電極の隙間に投入する石炭灰の投入量、又は、無端
    ベルトの移動速度の何れか一つ又は複数を調整して、未
    燃炭素の分離能を調整することを特徴とする石炭灰の処
    理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5又は6に記載
    の石炭灰の処理装置において、 前記未燃炭素分離装置で石炭灰から分離した未燃炭素は
    石炭焚火力発電所のボイラの燃料として利用するように
    したことを特徴とする石炭灰の処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5又は6に記載
    の石炭灰の処理装置において、 前記未燃炭素分離装置で未燃炭素が分離された石炭灰は
    セメントの粘土成分として利用するようにしたことを特
    徴とする石炭灰の処理装置。
  9. 【請求項9】 サンプリング管と、このサンプリング管
    内に充填した物質の複数の誘電率に関連する物性値を計
    測できる単一又は複数の誘電率計測器を備え、サンプリ
    ング管にサンプル石炭灰を充填した状態で、この単一又
    は複数の誘電率計測器によって複数の誘電率に関連する
    物性値を求めて、このサンプル石炭灰の複数の誘電率に
    関連する物性値と、予め物性既知の石炭灰を用いて求め
    た複数の誘電率に関連する物性値と未燃炭素分率の関係
    とから、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求めるよう
    に構成したことを特徴とする石炭灰中未燃炭素分計測装
    置。
  10. 【請求項10】 マイクロ波発信手段と、信号計測手段
    と、空胴共振器と、この空胴共振器を貫通するサンプリ
    ング管とを備え、 マイクロ波発信手段から周波数を変えて順次マイクロ波
    を発信し、これらのマイクロ波を空胴共振器に導入し
    て、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填した状態
    で、共振器内にマイクロ波の共振状態を形成せしめた
    後、信号計測手段で受信してマイクロ波の信号強度に関
    する周波数スペクトルを求め、この周波数スペクトルを
    電磁場解析することによりサンプル石炭灰の複素誘電率
    を求めて、このサンプル石炭灰の複素誘電率と、予め物
    性既知の石炭灰を用いて求めた複素誘電率と未燃炭素分
    率の関数式とから、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を
    求めるように構成したことを特徴とする石炭灰中未燃炭
    素分計測装置。
  11. 【請求項11】 マイクロ波発信手段と、信号計測手段
    と、空胴共振器と、導波管と、これらの空胴共振器及び
    導波管を貫通するサンプリング管とを備え、 マイクロ波発信手段から周波数を変えて順次マイクロ波
    を発信し、これらのマイクロ波を空胴共振器に導入し
    て、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填した状態
    で、共振器内にマイクロ波の共振状態を形成せしめた
    後、信号計測手段で受信してマイクロ波の信号強度に関
    する周波数スペクトルを求め、この周波数スペクトルを
    電磁場解析することによりサンプル石炭灰の複素誘電率
    を求めるとともに、マイクロ波発信手段から一定周波数
    のマイクロ波を発信し、このマイクロ波を導波管に導入
    して、サンプリング管にサンプル石炭灰を充填した状態
    で、導波管にマイクロ波を伝搬させた後、信号計測手段
    で受信してサンプル石炭灰により生じるマイクロ波の位
    相差を求めて、このサンプル石炭灰の複素誘電率及びマ
    イクロ波の位相差と、予め物性既知の石炭灰を用いて求
    めた複素誘電率及びマイクロ波の位相差と未燃炭素分率
    の関数式とから、サンプル石炭灰中の未燃炭素分率を求
    めるように構成したことを特徴とする石炭灰中未燃炭素
    分計測装置。
  12. 【請求項12】 マイクロ波発信手段と、信号計測手段
    と、導波管と、この導波管を貫通するサンプリング管と
    を備え、 マイクロ波発信手段から一定周波数のマイクロ波を発信
    し、このマイクロ波を導波管に導入して、サンプリング
    管にサンプル石炭灰を充填した状態で、導波管にマイク
    ロ波を伝搬させた後、信号計測手段で受信してサンプル
    石炭灰により生じるマイクロ波の位相差及び強度差を求
    めて、このマイクロ波の位相差及び強度差と、予め物性
    既知の石炭灰を用いて求めたマイクロ波の位相差及び強
    度差と未燃炭素分率の関数式とから、サンプル石炭灰中
    の未燃炭素分率を求めるように構成したことを特徴とす
    る石炭灰中未燃炭素分計測装置。
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