JP2003123618A - ヒューズ - Google Patents

ヒューズ

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JP2003123618A
JP2003123618A JP2001318252A JP2001318252A JP2003123618A JP 2003123618 A JP2003123618 A JP 2003123618A JP 2001318252 A JP2001318252 A JP 2001318252A JP 2001318252 A JP2001318252 A JP 2001318252A JP 2003123618 A JP2003123618 A JP 2003123618A
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melting point
fuse
silver
point alloy
low melting
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English (en)
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Michihiko Nakano
充彦 中野
Yoshiro Ichii
芳朗 一井
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Daito Communication Apparatus Co Ltd
Original Assignee
Daito Communication Apparatus Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い定格電流を有しつつ確実に溶断するヒュ
ーズを提供する。 【解決手段】 銀線5aの両端間に低融点合金5bを電気的
に接続する。定格電流を高くしても、銀線5aが金属端子
4にジュール熱を充分に伝える前に低融点合金5bが融解
し可溶体5が溶断する。金属端子4の温度が必要以上に
上昇しないので、金属端子4を接続する部分のはんだが
溶融せず回路の開放を防止する。定格電流を高くしつつ
ヒューズ1が確実に溶断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過電流により溶断
する可溶体を備えたヒューズに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のヒューズは一般的に、過
電流が流れた際に可溶体としての金属線がこの金属線自
身の発するジュール熱にて溶断し、過電流を遮断する機
構を有している。
【0003】しかし、特にプリント基板用の小型ヒュー
ズは、ジュール熱による金属線の発熱がケース体や端子
に容易に伝わる。これにより、端子がはんだ付けされて
いる場合、高温になってプリント基板のはんだ融点であ
る183℃を超えてしまうと、はんだが溶けプリント基
板とヒューズとの電気的接続が不十分になるなど、ヒュ
ーズが好ましくない状態になるおそれがある。
【0004】そこで、一般的には、金属線の融点を低く
することにより、温度上昇を抑制し、ヒューズを確実に
溶断させるようにしている。
【0005】そして、この種のヒューズとしては、たと
えば実公昭60−13158号公報に記載の構成が知ら
れている。
【0006】この実公昭60−13158号公報に記載
のヒューズは、一対の導電性の高い金属端子に、約70
0℃の融点の銀(Ag)合金にて細線状に形成された可
溶体としての金属線が、略中央部を弛ませた状態で溶接
されている。これら一対の金属端子は、略平行に離間さ
れ、絶縁性の樹脂で成形された略有底円筒状の一対のケ
ース体に取り付けられている。
【0007】さらに、これら金属端子および金属線は、
ケース体内で絶縁性の樹脂に内包されて一体に成形され
ている。
【0008】そして、このヒューズをたとえば被保護回
路が設けられた基板に実装する。このとき、金属端子は
被保護回路と通電するように接続される。
【0009】通常の電流下では、一対の金属端子間が通
電し被保護回路に電流が流れる。
【0010】一方、この被保護回路に、たとえば短絡電
流などの過電流が流れた際には、金属線はこの電流によ
ってこの金属線自身の発するジュール熱が放熱を上回っ
て温度が上昇する。そして、融点に到達すると金属線自
身が融解して、電流を被保護回路へ流入させないように
回路を開放して遮断する。
【0011】また、他には、特開平9−204871号
公報に記載のヒューズの構成が知られている。
【0012】このヒューズは、略箱状に形成された上ケ
ースと、略板状に形成された下ケースとを有している。
この上ケースは、たとえばポリエーテルサルフォン(po
lyethersulfone)またはポリブチレンテレフタレート
(polybuthyleneterephthalate)などの絶縁性を有する
樹脂にて成形され、開口部を下に向けて開口している。
【0013】また、下ケースは、絶縁性を有するたとえ
ばポリエーテルサルフォンまたはポリブチレンテレフタ
レートなどの樹脂にて、上ケースの開口部を閉塞するよ
うに成形されている。そして、下ケースには、銅(C
u)にて細線状に形成された一対の金属端子が厚さ方向
に貫通して設けられている。
【0014】これら一対の金属端子は、ケース体内部側
の端に折り返し部を形成しており、この折り返し部にて
可溶体としての金属線の端を溶着している。また、この
金属線は、鉛(Pb)を主成分とする融点約300℃の
低融点合金にて細線状に形成されている。
【0015】そして、このヒューズを、たとえば被保護
回路が設けられた基板に実装する。このとき、一対の金
属端子を被保護回路と接続して通電させる。このヒュー
ズは、上述の実公昭60−13158号公報に記載のヒ
ューズと同様に作用し、過電流が被保護回路に流入しな
いように遮断する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
実公昭60−13158号公報に記載のヒューズにおい
ては、可溶体としての金属線に用いた銀合金は、融点や
熱伝導率が比較的高いため、この銀合金が溶断するまで
の間に発生するジュール熱が金属端子に伝わりやすい。
このジュール熱を抑えるとともに、このヒューズを確実
に溶断させるためには、定格電流6.3Aが従来実現さ
れた上限となっている。
【0017】また、上述の特開平9−204871号公
報に記載のヒューズにおいては、可溶体としての金属線
に用いた鉛合金は体積抵抗率が比較的大きいことによ
り、ジュール熱が発生しやすい。このため、このヒュー
ズで大きい定格電流を取り扱う際には、金属線の線径を
大きくすることで断面積を増やして金属線の電気抵抗を
小さくする必要がある。
【0018】しかし一方で、金属線は、通電と無通電と
を繰り返すことにより、膨張と収縮とを繰り返す。この
ため、金属線を太くすると、金属端子の折り返し部に、
より大きい負担をかけ、金属線と金属端子との電気的な
接続に機械的な負担が加わるおそれがあるため、金属線
を金属端子に適切に溶接しにくい。また、断面積を増や
すことにより、金属線の熱容量が大きくなり、低融点合
金であっても端子に伝わるジュール熱が大きくなる。
【0019】これら鉛合金の性質および溶接技術の制限
により、このヒューズにおいては、線径430μmで定
格電流5.6Aが従来実現された上限となっており、定
格電流の上限を高くできないおそれがあるという問題点
を有している。
【0020】本発明はこのような点に鑑みなされたもの
で、高い定格電流を有しつつ確実に溶断するヒューズを
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のヒューズ
は、対をなす端子と、この対をなす端子間に電気的に接
続された金属線、およびこの金属線の両端間に電気的に
接続された低融点合金を備え、過電流により溶断する可
溶体とを具備したものである。
【0022】そして、金属線の両端間に低融点合金を電
気的に接続させたことにより、定格電流を高くしても、
金属線が端子にジュール熱を充分に伝える前に低融点合
金が融解し可溶体が溶断する。このため、端子の温度が
必要以上に上昇しないので、端子が接続されている部分
のはんだなどが溶融して回路が開放することを防止し、
定格電流を高くしても確実に溶断できる。
【0023】請求項2記載のヒューズは、請求項1記載
のヒューズにおいて、金属線は、銀および銀合金のいず
れか一方であり、低融点合金は、融点が140℃以下で
あるものである。
【0024】そして、低融点合金は融点が140℃以下
の合金であることにより、可溶体の温度が必要以上に高
くなる前に溶断でき、定格電流をより高くできる。ま
た、金属線が比較的導電性の高い銀あるいは銀合金であ
ることにより、電流がこのヒューズを通る際にこの電流
の消耗が比較的少ないため、たとえば回路などに用いて
も負荷になりにくく、使い勝手が向上する。
【0025】請求項3記載のヒューズは、請求項2記載
のヒューズにおいて、低融点合金は、スズを含み、金属
線の少なくとも前記低融点合金が接続されている部分に
おける銀に対する前記低融点合金のスズの重量比は、
4.4倍以上であるものである。
【0026】そして、金属線の少なくとも低融点合金が
接続されている部分における銀に対する低融点合金のス
ズの重量比は4.4倍以上であることにより、可溶体の
温度がより低く抑えられるため、端子の温度が必要以上
に高くなる前にこの可溶体が溶断する。
【0027】請求項4記載のヒューズは、請求項1ない
し3いずれか一記載のヒューズにおいて、内部に空間を
有しこの空間に可溶体を収容する気密のケース体を具備
したものである。
【0028】そして、可溶体は空間を介して気密のケー
ス体に収容されていることにより、過電流にて溶断した
ときに発生する金属ガスをケース体の外部に排出しない
ため、ヒューズの周囲のプリント基板、あるいは電子部
品などを損傷することなく過電流を遮断する。
【0029】請求項5記載のヒューズは、請求項4記載
のヒューズにおいて、ケース体の内部の空間は、樹脂に
て充填されているものである。
【0030】そして、ケース体の内部の空間は樹脂で充
填されていることにより、可溶体がこの樹脂にて包まれ
るため、可溶体のジュール熱が樹脂を通して放熱される
ので、このジュール熱をより端子に伝わりにくくでき
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明のヒューズの一実施
の形態の構成を図1を参照して説明する。
【0032】図1において、1はヒューズであり、この
ヒューズ1は、内部に中空部2を有した略矩形状の気密
のケース体3を有している。このケース体3は、下面に
開口部3aを有した略箱状のカバー3bと、このカバー3bの
開口部3aを閉塞する略板状の台座部3cとを備えている。
【0033】このカバー3bは、たとえばポリサルフォン
(polysulfone)、ポリエーテルサルフォン(polyether
sulfone)、ポリブチレンテレフタレート(polybuthyle
neterephthalate)、あるいはポリメチルペンテン(pol
ymethylpentene)などの絶縁性を有する合成樹脂または
ガラスなどにて成形されている。
【0034】一方、台座部3cもカバー3bと同様にたとえ
ば芳香族ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポ
リブチレンテレフタレート、あるいはポリメチルペンテ
ンなどの合成樹脂にて成形されている。この台座部3cは
側面に図示しない突起が設けられており、この突起はカ
バー3bの開口部3aの側壁に設けられた図示しない装着溝
と係合して台座部3cをカバー3bに係止させ、ケース体3
を気密にしている。
【0035】また、台座部3cは、長手方向に離間した対
をなす端子としての一対の金属端子4が、厚さ方向に貫
通して設けられている。これら一対の金属端子4は、導
電性を有するたとえば銅(Cu)などの金属にて略細線
状に形成されている。そして、これら一対の金属端子4
は、図示しない低融点合金、たとえばはんだなどにて表
面をめっきなどをして被覆形成されている。
【0036】さらに、一対の金属端子4のケース体3の
内側の接続部4aには、略細線状の可溶体5が両端を溶着
されて張設されている。
【0037】この可溶体5は、融点が比較的高く体積抵
抗率が小さい銀(Ag)を用いた金属線としての銀線5a
およびこの銀線5aの略中心部、すなわちヒューズ1の通
電時に最も高温となる位置に溶着された低融点合金5bか
ら形成されている。また、この低融点合金5bはスズ(S
n)を含有しており、たとえばビスマス(Bi)などと
適当な比率で溶解融合させ融点を140℃以下にしたも
のである。さらに、銀線5aの少なくとも低融点合金5bに
接続、すなわち溶着されている部分における銀に対する
低融点合金5bのスズの重量比は、4.4倍以上とする。
【0038】次に、上記一実施の形態の動作を説明す
る。
【0039】まず、ヒューズ1を、たとえば図示しない
プリント基板に設けられた回路に実装する。このとき、
一対の金属端子4はプリント基板に形成されたスルーホ
ールなどにはんだ付けされ、この回路に通電するように
実装される。
【0040】次いで、図示しない電源にて回路に電力を
供給し、回路を作動させる。
【0041】このとき、通常の電流下では、一対の金属
端子4の一方からヒューズ1に電流が流れ込み、可溶体
5を通過してもう一方の金属端子4から回路へと流出す
る。
【0042】さらに、可溶体5では、電流を形成する自
由電子が、銀原子および低融点合金5bを構成する金属原
子などと衝突する。そして、この衝突のエネルギにより
ジュール熱が発生する。
【0043】しかし、たとえば短絡電流などの過電流が
流れる際には、電流が可溶体5を時間当たりに通過する
自由電子の量が増えるため、銀原子および低融点合金5b
を構成する金属原子などとの衝突エネルギが増える。こ
れにより、この可溶体5にて発生するジュール熱が大き
くなる。
【0044】さらに、このジュール熱は、可溶体5から
放出される熱を上回り、この可溶体5の温度が上昇す
る。
【0045】すると、低融点合金5bの温度がこの低融点
合金5bの融点に達し、低融点合金5bが溶解して銀線5aに
対する低融点合金5bの拡散速度が増大する。
【0046】またさらに、銀線5aは、低融点合金5bとの
溶着部で拡散が急速に進行して、可溶体5が溶断する。
このとき、可溶体5が溶断する温度は、低融点合金5bの
融点付近である。
【0047】そして、一対の金属端子4の通電が遮断さ
れて回路が開放し、過電流の回路への侵入が防止され
る。
【0048】上述したように、上記一実施の形態によれ
ば、銀線5aの略中心部に低融点合金5bが溶着されている
ことにより、ヒューズ1に過電流が流入したときは、低
融点合金5bが銀線5aよりも先に溶解する。このため、銀
線5aの両端が溶接されている金属端子4の温度が必要以
上に上昇しないので、ヒューズ1が実装された図示しな
い回路と、この金属端子4との、はんだによる接続が破
壊されにくい。これにより、定格電流を高くしても確実
にヒューズ1を溶断できる。
【0049】また、低融点合金5bは融点が140℃以下
の合金であることにより、可溶体5の温度が必要以上に
高くなる前に溶断できるため、定格電流をより高くでき
る。
【0050】さらに、銀線5aは比較的導電性が高いこと
により、電流がヒューズ1を通る際にこの電流の消耗が
比較的少ないため、回路などに用いても負荷になりにく
く、使い勝手を向上できる。
【0051】またさらに、銀線5aの少なくとも低融点合
金5bに溶着されている部分における銀に対する低融点合
金5bのスズの重量比が4.4倍以上であることにより、
可溶体5の温度をより低く抑えることができる。この結
果、図2に示すように金属端子4の温度をはんだ融点で
ある183℃以下に抑制できるため、金属端子4の温度
が必要以上に高くなるなどして図示しないスルーホール
とのはんだによる電気的接続を損傷することなくこの可
溶体5を確実に溶断できる。
【0052】そして、可溶体5は気密のケース体3の中
空部2に収容されていることにより、可溶体5が過電流
にて溶断したときに発生する金属ガスをケース体3の外
部に排出しないため、ヒューズ1の周囲のプリント基
板、あるいは電子部品などを損傷することなく過電流を
遮断する。またさらに、一般的なヒューズのような、中
空部2を樹脂などにて充填する構造と比較して製造工程
が簡略化されることにより、製造コストが抑えられるな
ど、製造性を向上できる。
【0053】また、銀線5aは体積抵抗率が比較的小さい
ことにより、この銀線5aを細くしても抵抗値に比例する
ジュール熱が発生しにくいため、金属端子4にジュール
熱が伝わりにくい。このため、銀線5aをより細くでき、
この銀線5aを収容するケース体3の大きさをより小さく
できるため、ヒューズ1をより小さくできる。
【0054】なお、上記一実施の形態においては、金属
線として銀線5aを用いたが、この銀線5aと略同等の導電
性を有していれば代わりに銀合金線を用いてもよい。こ
の場合には、金属線を銀線5aにした場合よりも安価にで
きるので、ヒューズ1をより安価にできる。
【0055】さらに、中空部2は、たとえばシリコーン
樹脂などの樹脂にて充填されてもよい。この場合には、
可溶体5にて発生するジュール熱がこの樹脂を通して放
熱されるため、ジュール熱をより端子に伝わりにくくで
きる。
【0056】そして、低融点合金5bは、金属端子4の温
度が必要以上に上昇しなければ、銀線5aの少なくとも低
融点合金5bに溶着されている部分における銀に対する低
融点合金5bのスズの重量比を4.4倍以上にしなくても
よい。
【0057】
【実施例】まず、上記一実施の形態のヒューズにおける
第1の実施例について、図3および表1ないし表4を参
照して説明する。
【0058】第1の実施例のヒューズは、低融点合金と
してビスマス58%、スズ42%を溶解融合し融点をこ
の合金の共晶点である139℃にした合金を、直径1.
45mmのボール状にして、金属線としての銀線の略中央
に溶着したものを可溶体として備えた構成を有してい
る。ここで、銀線の少なくとも低融点合金が溶着されて
いる部分における銀に対する低融点合金のスズの重量比
は、約5.1倍となるようにする。
【0059】まず、比較するヒューズとして、スズめっ
きをした銀合金線を可溶体とした比較例1と、銀合金を
可溶体とした比較例2とを用い、第1の実施例、比較例
1および比較例2のヒューズの可溶体の溶断時の端子の
温度をそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1に示すように、可溶体の溶断時の端子
の温度は、比較例1では150℃以上212℃以下であ
り、比較例2では209℃以上228℃以下であるのに
対して、第1の実施例のヒューズは、150℃以上17
0℃以下に抑制されている。これにより、端子を実装す
るプリント基板のスルーホールのはんだ部分の温度を、
はんだの融点である183℃よりも小さくできる。この
結果、第1の実施例のヒューズは、可溶体が溶断しても
端子とプリント基板のスルーホールとの接合が破壊され
にくいため、従来のヒューズと同等の定格電流でもより
確実に溶断される。
【0062】さらに、上記第1の実施例、比較例1およ
び比較例2のヒューズの溶断特性を測定した。この結果
を、それぞれ表2、表3、および表4に示し、これら表
2、表3、および表4の結果をグラフにしたものを図3
に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】図3および表2ないし表4に示すように、
第1の実施例のヒューズは、比較例1と比較すると、略
同等の溶断特性を有しているものの、可溶体は、比較例
1がスズめっきを施した銀合金線であるのに対し、第1
の実施例では銀線に低融点合金を溶着させただけなの
で、製造コストなどを抑えられ、製造性を向上できる。
【0067】また、第1の実施例のヒューズは、比較例
2と比較すると、溶断電流が大きくなってもすぐに溶断
しないため、一般の回路において電源投入時や負荷作動
時の不可避で瞬間的な過電流に対しても不必要に溶断し
ない。
【0068】次に、上記一実施の形態のヒューズにおけ
る第2の実施例について、表5を参照して説明する。
【0069】第2の実施例のヒューズは、第1の実施例
のヒューズと同様の構成を有しているが、定格電流が1
6Aとなっている。
【0070】そして、この第2の実施例のヒューズを用
い、低融点合金の球径を変化させることにより、銀線の
少なくとも低融点合金に溶着されている部分における銀
に対する低融点合金のスズの重量比(スズ/銀比)を変
化させて、周囲温度30℃での銀線の溶断時の端子の温
度上昇、および端子の温度の最大値を測定した。この結
果を表5に示す。
【0071】
【表5】
【0072】表5に示すように、低融点合金の球径が大
きくなるほど、すなわち銀線の少なくとも低融点合金に
溶着されている部分における銀に対する低融点合金のス
ズの重量比が大きくなるほど、端子の温度上昇が抑制さ
れることが分かる。そして、この重量比が4.4倍以上
の場合には、端子の温度上昇が略変化しなかった。
【0073】この結果、銀線の少なくとも低融点合金に
溶着されている部分における銀に対する低融点合金のス
ズの重量比を4.4倍以上にすることにより、端子の温
度をはんだの融点以下に抑制しつつ確実に銀線を溶断で
きる。
【0074】さらに、上記一実施の形態のヒューズにお
ける第3の実施例を図4および表6を参照して説明す
る。
【0075】第3の実施例は、第1の実施例と略同様の
構成を有しているが、定格電流が20Aとなっている。
【0076】一方、比較例3として、銀線に低融点合金
を溶着しないヒューズを用い、この比較例3の溶断時間
を測定した。
【0077】この結果を表6に示し、この表6の結果
と、第3の実施例の溶断時間とをグラフにしたものを図
4に示す。
【0078】
【表6】
【0079】表6に示すように、溶断時間が約1000
秒となるのは、比較例3では30Aとなっている。一
方、図4に示すように、第3の実施例の溶断時間が約1
000秒となるのは、27.5Aであり、比較例3の約
92%となっている。したがって、比較例3の定格電流
は約21.7Aである。
【0080】また、溶断電流が大きくなる場合には、図
示しないが、第3の実施例と比較例3とは差が小さくな
り、溶断時間は略等しくなる。
【0081】この結果、銀線にスズを含有した低融点合
金を溶着すると、定格電流が略等しく低融点合金を溶着
しないものと比較して、電源投入時などの瞬間的で不可
避な過電流に対し溶断しにくいことが分かる。
【0082】また、上記第1ないし第3の実施例によ
り、端子の温度上昇を抑制する効果は、低融点合金の融
点および銀線の少なくとも低融点合金に溶着されている
部分における銀に対する低融点合金のスズの重量比にて
制御されることが分かる。
【0083】
【発明の効果】請求項1記載のヒューズによれば、金属
線の両端間に低融点合金を電気的に接続させたことによ
り、定格電流を比較的高くしても、金属線が端子にジュ
ール熱を充分に伝える前に低融点合金が融解することに
より可溶体が溶断する。この結果、端子の温度が必要以
上に上昇しないので、端子が接続されている部分のはん
だなどを溶融して回路が開放することを防止し、定格電
流を高くしつつ確実に溶断できる。
【0084】請求項2記載のヒューズによれば、請求項
1記載のヒューズの効果に加え、低融点合金は融点が1
40℃以下の合金であることにより、可溶体の温度が必
要以上に高くなる前に溶断できるため、定格電流をより
高くできる。また、金属線が比較的導電性の高い銀ある
いは銀合金であることにより、電流がこのヒューズを通
る際にこの電流の消耗が比較的少ないため、たとえば回
路などに用いても負荷になりにくく、使い勝手を向上で
きる。
【0085】請求項3記載のヒューズによれば、請求項
2記載のヒューズの効果に加え、金属線の少なくとも低
融点合金が接続されている部分における銀に対する低融
点合金のスズの重量比は4.4倍以上であることによ
り、可溶体の温度がより低く抑えられるため、端子の温
度が必要以上に高くなる前にこの可溶体を溶断できる。
【0086】請求項4記載のヒューズによれば、請求項
1ないし3いずれか一記載のヒューズの効果に加え、可
溶体は空間を介して気密のケース体に収容されているこ
とにより、過電流にて溶断したときに発生する金属ガス
をケース体の外部に排出しないため、ヒューズの周囲の
プリント基板、あるいは電子部品などを損傷することな
く過電流を遮断できる。
【0087】請求項5記載のヒューズによれば、請求項
4記載のヒューズの効果に加え、ケース体の内部の空間
は樹脂で充填されたことにより、可溶体がこの樹脂にて
包まれるため、可溶体のジュール熱が樹脂を通して放熱
されるので、端子にこのジュール熱をより伝わりにくく
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒューズの一実施の形態を示す説明断
面図である。
【図2】同上ヒューズの、金属線の少なくとも低融点合
金が接続されている部分における銀に対する低融点合金
のスズの重量比と、端子の温度との関係を示すグラフで
ある。
【図3】同上ヒューズの第1の実施例における溶断特性
を示すグラフである。
【図4】同上ヒューズの第3の実施例における溶断特性
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ヒューズ 3 ケース体 4 金属端子 5 可溶体 5a 金属線としての銀線 5b 低融点合金

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対をなす端子と、 この対をなす端子間に電気的に接続された金属線、およ
    びこの金属線の両端間に電気的に接続された低融点合金
    を備え、過電流により溶断する可溶体とを具備したこと
    を特徴としたヒューズ。
  2. 【請求項2】 金属線は、銀および銀合金のいずれか一
    方であり、 低融点合金は、融点が140℃以下であることを特徴と
    した請求項1記載のヒューズ。
  3. 【請求項3】 低融点合金は、スズを含み、 金属線の少なくとも前記低融点合金が接続されている部
    分における銀に対する前記低融点合金のスズの重量比
    は、4.4倍以上であることを特徴とした請求項2記載
    のヒューズ。
  4. 【請求項4】 内部に空間を有しこの空間に可溶体を収
    容する気密のケース体を具備したことを特徴とした請求
    項1ないし3いずれか一記載のヒューズ。
  5. 【請求項5】 ケース体の内部の空間は、樹脂にて充填
    されていることを特徴とした請求項4記載のヒューズ。
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KR101266808B1 (ko) 2012-11-23 2013-05-30 오리셀 주식회사 퓨즈 및 이의 제조 방법
WO2013168923A1 (ko) * 2012-05-08 2013-11-14 주식회사 엘지화학 전극 리드 및 이를 포함하는 이차전지
CN106229241A (zh) * 2016-08-29 2016-12-14 杜尧生 熔断电阻器

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