JP2003123264A - 光ディスク媒体、光ディスク記録再生装置及び方法 - Google Patents

光ディスク媒体、光ディスク記録再生装置及び方法

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JP2003123264A
JP2003123264A JP2001307403A JP2001307403A JP2003123264A JP 2003123264 A JP2003123264 A JP 2003123264A JP 2001307403 A JP2001307403 A JP 2001307403A JP 2001307403 A JP2001307403 A JP 2001307403A JP 2003123264 A JP2003123264 A JP 2003123264A
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signal
optical
optical disk
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Seiji Kobayashi
誠司 小林
Hisayuki Yamatsu
久行 山津
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数帯域を減少させることなくディジタル
信号を施したアナログ波形をディスク上に記録し、ディ
スク全面に渡って高い記録密度を保つ。 【解決手段】 従来の光ディスクシステムにおいては、
再生に用いる光スポットの大きさに応じてトラックピッ
チと最小のピット間隔が定められていた。また、トラッ
クピッチに対してピット列の最小間隔は若干広めとなっ
ていた。これに対して、本発明の光ディスク媒体におい
て記録されるピット列の平均間隔Dは、トラックピッチ
Tpよりも小さい値、Tp>D>0.75Tpとされて
いる。すなわちピット列の繰り返し周期は、再生スポッ
トが分解できる限界ギリギリの周波数に設定されるの
で、従来よりも高密度化を実現することができる。ま
た、入力情報に対してディジタル変調を施した後、さら
に変調指数の小さい位相変調を施して2値化すること
で、歪みの少ないアナログ波形が記録再生が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばコンパクト
ディスク(CD)またはディジタル・ビデオディスク
(DVD)等のような光ディスク媒体と、この光ディス
ク媒体の作製に用いられる光ディスク記録装置及び記録
方法、ならびに光ディスク媒体の再生を行なう光ディス
ク再生装置及び再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、CDやDVDに代表される従来
の光ディスクでは、光学的に検出可能なピットやマーク
を光ディスク媒体の信号記録面に形成することにより情
報を記録し、これらのピットまたはマークを光学的手段
により検出することにより情報を再生している。従来の
光ディスクにおいて記録されたピットやマークは、光ピ
ックアップにより電気信号として読み出された波形が判
定回路により、1または0の2値情報に変換される。す
なわち、光ピックアップからは「アイパターン」と呼ば
れるアナログの波形が得られるが、これを所定の閾値と
比較することにより、2値の情報として復号し、元のデ
ィジタル情報に復元している。
【0003】また、このような従来からの2値記録に対
して、ピックアップからの波形を多段階に復号すること
により、さらに記録密度を向上する多値記録が提案され
ている。これまでに提案されている多値記録としては、
反射率を段階的に変えるものやピットの長さ、深さや幅
を段階的に変えるものなどが知られている。これらは1
つのピットの状態を段階的に変えることによって多値情
報を記録するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の方法による多値記録には、2つの大きな問
題点がある。まず、第一の問題点は、記録信号の直流成
分である。すなわち、多値の記録を行うと、記録信号に
は直流成分が含まれるようになる。このため、光ピック
アップから検出された再生信号のうち、直流成分を除去
せずに復号回路に送り込まなければならない。一方で、
光ディスクの再生信号には直流的な変動が多く含まれ
る。例えば反射膜の膜厚ムラや、ディスクの傾きなどに
よって、再生信号のレベルが全体的にシフトすることが
通常の光ディスクにおいては頻繁に観測される。このよ
うな、再生信号のレベル上昇、あるいは下降が発生した
場合に、多値記録した光ディスクにおいては、本来とは
異なる別の情報に復号されてしまい、エラーレートが大
幅に悪化するという問題点があった。
【0005】次に、第二の問題点は、符号間干渉の発生
である。すなわち、光ピックアップによる読み取りスポ
ットの大きさは有限であるので、隣接する記録領域間で
符号間干渉が発生する。例えば、大きなレベルを記録し
た領域に隣接して小さいレベルを記録すると、小さいレ
ベルの信号として記録されたはずの情報が、隣接する高
レベルの情報からの干渉により、1段階高いレベルに間
違って復号されてしまう。
【0006】そこで、第一の問題点を解決するために
は、参照レベルを記録することが行われる。例えば特開
平3−237622号公報においては、所定の再生レベ
ルを生じる参照ピットをデータの記録時に光学的記録媒
体上に書き込むことにより、再生時に参照ピットを用い
ることで、オフセット補正ができるようにしたものが提
案されている。
【0007】しかしながら、参照ピットから得られる情
報はノイズの影響を受けて必ずしも正しくない可能性が
ある。また、参照ピットがディスク上のディフェクトに
より影響を受ける可能性もある。そして、万がー、ノイ
ズやディフェクトにより誤った値となった参照ピットを
採用してオフセット補正を行ってしまうと、再生レベル
全体が狂ってしまい、やはり正しい再生を行うことがで
きなくなる。そこで、現実的にはノイズやディフェクト
の影響を除去するために、周期的に沢山の参照ピットを
ディスク上に記録することが必要となる。すなわち、沢
山の参照ピットの平均としてオフセット補正値を求める
ことにより、ノイズやディフェクトの影響を実質的に除
去することが可能となる。しかし、沢山の参照ピットを
ディスク上に記録すると、ユーザデータを記録できる領
域が減ってしまい、実質的な記録密度が下がってしまう
という問題点がある。
【0008】したがって、第一と第二の問題点を両方と
も解決するためには、QAM(Quadrature Amplitude M
odulation )などのディジタル変調を適用することが考
えられる。すなわち、QAMなどのディジタル変調を施
せば、記録信号の直流成分と符号間干渉を完全に除去す
ることができる。しかし、QAMなどのディジタル変調
を施した波形は、ステップ的に変化する波形ではなく、
アナログ的に変化する波形となり、このようなアナログ
波形を歪み無く記録することが新たな問題となる。
【0009】例えば特開平6−333342号公報にお
いては、QAMによるディジタル変調を施した後、さら
に周波数変調(FM変調)して記録信号を生成し、記録
媒体に記録する方式が公開されている。この方式では、
周波数変調を施すことにより、アナログ的に変化する波
形をピットの粗密の度合いとして表すことが可能とな
る。すなわち、高いレベルの信号はピットの密度を高く
して記録し、低いレベルの信号はピットをまばらにして
記録する。各々のピットは『ある・なし』の2つの状態
であるから、これまでのフォトレジストや現像装置をそ
のまま使ってディスクを製作することができる。
【0010】しかしながら、このような周波数変調を適
用することにより、記録信号のスペクトルは2倍以上に
拡大されてしまう。この結果、利用できる周波数帯域が
半分程度に減少してしまう。そして、周波数帯域が半分
に減少してしまうと、たとえ多値記録が実現されて1つ
1つの領域から多数のビット情報が得られても、実質的
には記録領域と隣接する次の領域との間隔を広げなけれ
ばならない。この結果、全体として考えると記録密度は
向上しない。これらの結果を総合的に考えると、特開平
6−333342号公報を適用しても、実質的に記録密
度を向上させることはできない。このため特開平6−3
33342号公報を適用した装置を、高密度化を目標と
して実用化することはあり得ない。
【0011】そこで本発明の目的は、周波数帯域を減少
させることなくQAMなどのディジタル信号を施したア
ナログ波形をディスク上に記録することにより、ディス
ク全面に渡って高い記録密度を保つことのできる光ディ
スク媒体、光ディスク記録/再生装置及び方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスク媒体
は、前記目的を達成するため、ピット列あるいはマーク
列がスパイラルあるいは同心円状のトラックを形成する
ことにより、多値のディジタル情報が記録された光ディ
スク媒体において、前記多値のディジタル情報は、平均
間隔D毎に記録された前記ピットまたはマークの長さ及
びタンジェンシャル方向の位置変化として記録されてい
て、前記ピットまたはマークの平均間隔Dがトラックピ
ッチTpに対して、Tp>D>0.75Tpの関係を満
たしていることを特徴とする。
【0013】また本発明の光ディスク記録装置は、光デ
ィスク媒体に光学的手段によりレーザ光線を集光させて
照射し、同心円状もしくはスパイラル状に形成されたト
ラックを形成してディジタル情報を記録する光ディスク
記録装置において、前記ディジタル情報に基づいて、直
流成分が抑圧され、かつ周波数帯域が所定の周波数FM
以下に制限された多値の変調信号SC(t)を作成する
多値変調手段と、前記周波数FM 以上の周波数F0のキ
ャリア信号を発生させるキャリア発生手段と、前記帯域
制限された多値の変調信号により前記キャリア信号を位
相変調することにより位相変調信号SD(t)を発生す
る位相変調手段と、前記位相変調信号SD(t)を補正
することにより2値信号SE(t)を作成する信号補正
手段と、前記2値信号SE(t)に応じて前記レーザ光
線を変調する光変調手段とを含んで構成されることを特
徴とする。
【0014】また本発明の光ディスク記録方法は、光デ
ィスク媒体に光学的手段によりレーザ光線を集光させて
照射し、同心円状もしくはスパイラル状に形成されたト
ラックを形成してディジタル情報を記録する光ディスク
記録方法において、前記ディジタル情報に基づいて、直
流成分が抑圧され、かつ周波数帯域が所定の周波数FM
以下に制限された多値の変調信号SC(t)を作成し、
前記周波数FM 以上の周波数F0のキャリア信号を発生
させ、前記帯域制限された多値の変調信号により前記キ
ャリア信号を位相変調することにより位相変調信号SD
(t)を発生し、前記位相変調信号SD(t)を補正す
ることにより2値信号SE(t)を作成し、前記2値信
号SE(t)に応じて前記レーザ光線を変調するように
したことを特徴とする。
【0015】また本発明の光ディスク再生装置は、平均
周期Dで繰り返し記録されたピット列もしくはマーク列
がスパイラルもしくは同心円のトラックを形成して多値
のディジタル情報が記録されたディスク媒体に光学的手
段によりレーザ光線を集光させて再生用光スポットとし
て照射し、前記再生用光スポットが前記ディスク媒体に
より反射または回折されたレーザ光線を電気信号として
検出することにより前記ディスク媒体上に記録された情
報を読み出す光ディスク再生装置において、前記電気信
号において平均周期Dで繰り返されるピット列の成分を
取り出す第一のバンドパスフィルタ手段と、前記電気信
号から平均周期Dで繰り返されるピット列の成分を除去
する第二のバンドパスフィルタ手段と、前記第一のバン
ドパスフィルタの出力から前記ディスク媒体の回転揺ら
ぎなどに起因する時間軸の揺らぎ情報を取り出す位相検
出手段と、前記時間軸の揺らぎ情報に基づいて前記第二
のバンドパスフィルタの出力を復号して多値のアナログ
情報を得る第一の復号手段と、前記多値のアナログ情報
を量子化することによりディジタル復号出力を得る量子
化手段とを含んで構成されることを特徴とする。
【0016】また本発明の光ディスク再生方法は、平均
周期Dで繰り返し記録されたピット列もしくはマーク列
がスパイラルもしくは同心円のトラックを形成して多値
のディジタル情報が記録されたディスク媒体に光学的手
段によりレーザ光線を集光させて再生用光スポットとし
て照射し、前記再生用光スポットが前記ディスク媒体に
より反射または回折されたレーザ光線を電気信号として
検出することにより前記ディスク媒体上に記録された情
報を読み出す光ディスク再生方法において、前記電気信
号において平均周期Dで繰り返されるピット列の成分を
第一のバンドパスフィルタ手段によって取り出し、前記
電気信号から平均周期Dで繰り返されるピット列の成分
を第二のバンドパスフィルタ手段によって除去し、前記
第一のバンドパスフィルタの出力から前記ディスク媒体
の回転揺らぎなどに起因する時間軸の揺らぎ情報を取り
出し、前記時間軸の揺らぎ情報に基づいて前記第二のバ
ンドパスフィルタの出力を復号して多値のアナログ情報
を取得し、前記多値のアナログ情報を量子化することに
よりディジタル復号出力を得るようにしたことを特徴と
する。
【0017】上述のように光ディスク媒体に対する多値
記録を行なう場合に、QAMなどのディジタル変調を施
せば、記録信号の直流成分と符号間干渉を完全に除去す
ることができる。さらに、QAMなどのディジタル変調
を施した波形は、ステップ的に変化する波形ではなくア
ナログ的に変化する波形となっている。そこで、本発明
による光ディスク媒体においては、このようなアナログ
波形を、平均間隔D毎に記録されたピットまたはマーク
の長さ及びタンジェンシャル方向の位置変化として記録
する。この結果、光ディスクの帯域を有効に使って、高
速で変化するアナログ波形を記録・再生することが可能
となる。以上の結果、符号間干渉と直流成分の問題を解
決し、なおかつ有効な周波数領域全体を使って高密度の
記録が可能となる。従って従来よりもはるかに高い記録
密度を実現することが可能となる。
【0018】また、本発明による光ディスク記録装置に
おいては、信号の歪みなどの発生を抑圧した状態で、Q
AMなどのディジタル変調波形を記録することが可能と
なり、また、ピックアップの再生可能な周波数帯域幅を
全て有効利用して良好な信号品質の信号を記録すること
が可能となる。この結果、上述した2つの問題を解決
し、なおかつ有効な周波数領域全体を使って高密度の記
録が可能である。従って従来よりもはるかに高い記録密
度を実現することが可能となる。
【0019】また、本発明による光ディスク記録方法に
おいては、信号の歪みなどの発生を抑圧した状態で、Q
AMなどのディジタル変調波形を記録することが可能と
なり、ピックアップの再生可能な周波数帯域幅を全て有
効利用することが可能となる。この結果、上述した2つ
の問題を解決し、なおかつ有効な周波数領域全体を使っ
て高密度の記録が可能である。従って従来よりもはるか
に高い記録密度を実現することが可能となる。
【0020】また本発明による光ディスク再生装置で
は、上述した本発明の光ディスク媒体から、ディスクの
回転揺らぎの影響を取り除いて、QAM変調等を用いて
記録されたアナログ波形を歪み無く再生する。この結
果、本発明による光ディスク再生装置によれば、高い密
度で記録されたデータをエラーの無い状態で再生するこ
とを可能とする。従って従来よりもはるかに高い記録密
度の光ディスク再生装置を実現することが可能となる。
【0021】また本発明による光ディスク再生方法にお
いても、上述した本発明の光ディスク媒体から、ディス
クの回転揺らぎの影響を取り除いて、QAM変調等を用
いて記録されたアナログ波形を歪み無く再生する。この
結果、本発明による光ディスク再生方法によれば、高い
密度で記録されたデータをエラーの無い状態で再生する
ことを可能とする。従って従来よりもはるかに高い記録
密度の光ディスク再生方法を実現することが可能とな
る。
【0022】なお、これまで知られている通常の光ディ
スクにおいては、ピット列の最小間隔とトラックピッチ
は、ほぼ等しい値となっている。これは再生時に光ディ
スク媒体に照射する光スポットがおおよそ円形であるの
ことに起因する。すなわち、トラック方向の分解能と線
方向の分解能はほぼ同一である。この結果、ピットを分
離して読み出すことと、各トラックに記録された情報を
分離して読み出すことの両方が同時に必要とされる光デ
ィスクでは、ピット列の最小間隔とトラックピッチが、
ほぼ等しい値となる。
【0023】例えばCDやDVDにおいては、3クロッ
ク幅のピットが、3Tのスペースで繰り返し記録された
場合が最小のピット間隔である。このようにして求めら
れるピット列の最小間隔はCDの場合1.66ミクロン
であり、CDのトラックピッチ1.6ミクロンと比較す
るとほぼ等しい。同様にして、DVDにおいても最小の
ピット間隔は0.8ミクロンであるのに対して、トラッ
クピッチは0.74ミクロンとおおよそ等しい値となっ
ている。
【0024】このように従来の光ディスクシステムにお
いては、再生に用いる光スポットの大きさに応じてトラ
ックピッチと、最小のピット間隔が定められていた。ま
た、トラックピッチに対してピット列の最小間隔は若干
広めとなっていた。これに対して、本発明の光ディスク
媒体において記録されるピット列の平均間隔は、トラッ
クピッチよりも小さい値とされている。すなわち本発明
におけるピット列の繰り返し周期は、再生スポットが分
解できる限界ギリギリの周波数に設定されるので、従来
よりも高密度化を実現することができる。
【0025】また本発明においては入力された情報に対
してQAMなどのディジタル変調を施した後、さらに変
調指数の小さい位相変調を施し、2値化することにより
ピット列として記録する情報を作成する。このような信
号処理の結果、非線形特性を持っているフォトレジスト
や現像装置等を使って、歪みの少ないアナログ波形が記
録再生が可能となる。この結果、本発明においては、Q
AMなどのディジタル変調を効率よく適用して、記録密
度を向上させることが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による光ディスク媒
体、光ディスク記録/再生装置及び方法の実施の形態例
について説明する。なお、以下に説明する実施の形態
は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種
々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説
明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限
り、これらの態様に限定されないものとする。
【0027】図1は、本発明の実施の形態に係る光ディ
スク記録装置1を示すブロック図である。この光ディス
ク記録装置1は、ディスク原盤17を露光して情報源1
0より出力されるディジタルデータSAを記録するもの
である。光ディスク媒体の製造工程では、まず、情報源
10の情報が記録されたディスク原盤17を現像し、次
に現像されたディスク原盤17を電鋳処理することによ
りマザーディスクを作成し、このマザーディスクよりス
タンパを作成する。さらに、このスタンパよりディスク
状基板を作成し、このディスク状基板に反射膜、保護膜
を形成して光ディスク媒体(以下、光ディスクという)
2が完成する。
【0028】この光ディスク記録装置1において、スピ
ンドルモータ18は、ディスク原盤17を回転駆動し、
底部に保持したFG信号発生回路より、所定の回転角毎
に信号レベルが立ち上がるFG信号を出力する。スピン
ドルサーボ回路19は、ディスク原盤17の露光位置に
応じて、このFG信号の周波数が所定の周波数になるよ
うにスピンドルモータ18を駆動し、これによりディス
ク原盤17を所定の回転数になるように回転駆動する。
【0029】また、記録用レーザ15は、ガスレーザ等
により構成され、ディスク原盤露光用のレーザビームL
0を射出する。光変調器14は、電気音響光学素子など
で構成されるAOM(Acousto Optic Modulator) であ
り、レーザビームL0をデータセレクタ13の出力に応
じて強度変調し、レーザビームL1として出力する。こ
のレーザビームL1は、ミラー74により光路が折り曲
げられてディスク原盤17に向けて進行し、対物レンズ
73によってディスク原盤17の上に集光される。ミラ
ー74及び対物レンズ73は、図示しないスレッド機構
により、ディスク原盤17の回転に同期してディスク原
盤17の外周方向に順次移動し、これによりレーザビー
ムL1による露光位置を順次ディスク原盤17の外周方
向に変位させる。これによりこの光ディスク記録装置1
では、ディスク原盤17を回転駆動した状態で、ミラー
24及び対物レンズ23の移動により螺旋状にピット列
を形成し、データセレクタ13の出力に対応した露光を
行う。
【0030】また、誤り訂正符号発生回路11は、情報
源10より出力されるディジタルデータSAを受け、誤
り訂正符号を付加した後、インターリーブ処理して8ビ
ットのディジタル信号SBとして出力する。このように
して誤り訂正符号を付加することにより、万が一、ディ
スク上に欠陥があった場合でも正しい情報を読みとるこ
とが可能となる。また、タイミングジェネレータ12
は、FG信号に同期して光ディスク記録装置1全体のタ
イミングをコントロールするさまざまな時間基準信号を
発生し、装置の各部に供給する。これらの全てを図示す
ることは煩雑であるため、図1においてはSLCT信号
だけを示している。
【0031】このSLCT信号は、ディスク原盤17の
回転に同期して、所定の長さのデータがディスク原盤1
7上に記録される度に論理0から1に変化する信号であ
る。SLCT信号の変化に従って、データセレクタ13
は周期的にアドレス変調回路8から得られる信号と2値
化補正回路7から得られる信号とを切り替えて出力す
る。アドレス変調回路8は、再生時に必用となる同期用
のパターン及びアクセスのために必用なアドレス情報な
どを発生して出力する。このようなアドレス情報が周期
的に挿入されることにより、完成されたディスクから再
生信号の同期を得ることが可能となり、またアドレス情
報などを用いて目的のトラックにアクセスすることが可
能となる。
【0032】ビット数変換回路5は、誤り訂正符号発生
回路11より供給される8ビットのディジタルデータS
Bの単位ビット数を変換し、4ビットデータb0、b
1、……b3として多値変調回路4に供給する。多値変
調回路4は、ビットデータb0、b1、……b3に従っ
てQAM変調信号SCを作成する。後述するように、こ
のようにして作成されたQAM変調信号SCは周波数帯
域幅がFMに制限されたアナログの波形となっている。位
相変調回路6は、QAM変調信号SCに応じて周波数F
o のキャリア信号の位相を変調し、位相変調信号SDと
して出力する。
【0033】2値化補正回路7は、位相変調信号SDを
2値化することにより2値化信号BDを作成する。次に
2値化補正回路7は、2値化信号BDの立ち上がりと立
ち下がりエッジ位置をシフトすることにより補正を加
え、2値化パルスSEとして出力する。以上のようにし
て得られた2値化パルスSEは、データセレクタ13に
よりアドレス情報が周期的に挿入された後に、光変調器
14によりレーザ15から得られるレーザ光線L0をオ
ン・オフすることにより、ピット列としてディスク原盤
17に記録される。
【0034】図2は、このようにして露光が行われた光
ディスク2の各トラックの状態を模式的に示す説明図で
ある。この図2において、位相変調回路6により重畳さ
れるキャリア信号により、ディスク原盤17上に記録さ
れるピット列の平均的な間隔Dは、約0.64ミクロン
とされている。また、QAM変調信号SCに応じて、ピ
ットの長さと位置が微妙に変化していることがわかる。
さらに、この図2において、スパイラル状に形成される
トラックのピッチPは、0.74ミクロンとされてい
る。従って本例においては、平均ピット間隔Dは、トラ
ックピッチPの9割程度である。
【0035】以上述べてきたように、本例においては多
値変調回路4により得られたアナログ波形(QAM変調
信号SC)が、ピット列の位置及び長さの変化として記
録される。また平均ピット間隔Dは、トラックピッチP
の9割程度である。この結果、光ディスクから再生する
ことのできる信号帯域をフルに使ってQAM変調信号S
Cを記録・再生することができる。また、以下に述べる
ように、QAM変調信号SCが良好な信号として検出さ
れるように、ピットのエッジ位置には補正が施されてい
る。
【0036】図3は、多値変調回路4の構成を示すブロ
ック図であり、図4は、図3に示す多値変調回路4の動
作を示すタイミングチャートである。また、図5は、本
例において形成される各信号のスペクトラムを示す説明
図であり、図6は、本例において形成される各信号の波
形とピット形状との関係を模式的に示す説明図である。
図3において、所定の時間間隔Tで多値変調回路4に入
力されたディジタル信号b0、b1、……b3は、4値
多値変調回路40及び41に入力され4値信号に変換さ
れる。ここで、4値多値変調回路40は、2ビットの情
報(b0、b1)が入力されると、図4(A)に示すよ
うな4値の振幅(+1、+0.3、−0.3、−1)の
4値インパルスVxを出力する。同様にして、4値多値
変調回路41は、所定の時間間隔T毎に2ビットの情報
(b2、b3)が入力されると図4(B)に示すような
4値の振幅(+1、+0.3、−0.3、−1)の4値
インパルスVyを出力する。
【0037】インパルス列Vx及びVyは、それぞれ無
限に広い周波数帯域を記録・再生に必要とする信号であ
る。そこで、本例においては、これらの信号にローパス
フィルタ45及びローパスフィルタ46を適用すること
により、所定の周波数帯域Fyに帯域制限された帯域制
限多値波形Vp及びVqを得ることができる。このよう
な帯域制限多値波形Vp及びVqの一例を、それぞれ図
4(C)及び図4(D)に模式的に示す。ここで、ロー
パスフィルタ45及びローパスフィルタ46には以下の
2つの条件が求められる。
【0038】第一の条件は帯域制限多値波形Vp及びV
qの値に符号間干渉を付加しないことである。言い換え
ると帯域制限多値波形Vp及びVqの値は、インパルス
列Vx及びVyの場所においてはインパルス列Vx及び
Vyと同じ電圧となることが要求される。すなわち、帯
域制限多値波形Vp及びVqを所定の時間間隔Tでサン
プリングすることにより、インパルス列Vx及びVyが
復元できなければならない(図4(C)及び図4(D)
を参照)。第二の条件は、所定の周波数帯域Fyに周波
数制限されていることである。すなわち帯域制限多値波
形Vp及びVqのスペクトルを観測すると、周波数Fy
を超える周波数成分は充分に小さい値となっていること
が必要となる。なお、このような周波数特性の一例を、
図5(A)に示す。
【0039】そこで、上述した二つの条件を満足するロ
ーパスフィルタ45及びローパスフィルタ46として
は、Raised Cosine 特性あるいはナイキスト特性と呼ば
れる特性が知られている。Raised Cosine 特性を持つロ
ーパスフィルタを適用することにより、図4(C)及び
図4(D)に模式的に示したような、符号間干渉が無
く、なおかつ所定の帯域Fyに制限されている波形が得
られる。また、Raised Cosine 特性以外であっても、第
一と第二の条件を満足する特性のローパスフィルタであ
れば適用することができる。
【0040】図3において、キャリア発生回路42は、
周波数F1のキャリア信号を発生し+45°位相シフト
回路43、及びー45°位相シフト回路44に供給す
る。+45°位相シフト回路43から得られるキャリア
信号S1、及び−45°位相シフト回路44から得られ
るキャリア信号S2は、次の式(1)(2)として表せ
るような信号となる。なお、式(1)(2)において、
ここでAは定数を、tは時間を表している。 S1=A・sin(2π・F1・t) ……(1) S2=A・cos(2π・F1・t) ……(2) また、キャリア発生回路42の発振周波数F1は、以下
の式(3)を満足するように設定される。 F1>Fy ……(3)
【0041】また、+45°位相シフト回路43から得
られるキャリア信号S1、及び−45°位相シフト回路
44から得られるキャリア信号S2は、乗算回路47及
び48に入力される。乗算回路47及び48は、それぞ
れキャリア信号S1、S2と帯域制限多値波形Vp及び
Vqとの積の演算を行う。これらの結果、乗算回路47
及び48から得られる信号のスペクトルは、図5(B)
に示すようなスペクトルが得られる。この信号は、以下
の式(4)のような周波数帯域に制限されている。 F1−Fy < 周波数帯域 < F1+Fy ……(4) なお、これ以降の説明を簡単にするため、最大の周波数
成分であるF1+Fy=FM として説明する。
【0042】次に、PLL回路400は、いわゆるフェ
ーズロックループ回路で構成され、キャリア発生回路4
2の発振周波数F1に同期して周波数を逓倍してパイロ
ットキャリア信号F0を発生する。ここで、パイロット
キャリア信号F0は、ディスク再生時にキャリア信号F
1等を復元するために用いられる信号であり、その周波
数F0は、以下の式(5)を満足するように設定され
る。 F0>FM ……(5) このような式(5)を満足するようにF0が設定される
ことにより、パイロットキャリア信号F0と記録信号の
スペクトルが分離され、互いに干渉することが無くな
る。
【0043】なお、本例においては、以降の説明を簡単
にするため、F0=2・F1として説明する。つまり、
PLL回路400は、キャリア信号F1を2逓倍して出
力するものとする。また、乗算回路47及び48の出力
は、加算回路49により加算される。すなわち、加算回
路49の出力SCは、以下の式(6)のような信号が得
られる。 SC(t)=Vp(t) sin(2π・F1・t) +Vq(t) cos(2π・F1・t) ……(6)
【0044】以上により、4ビットディジタル信号b
0、b1、……b3の値に応じて変調されたQAM変調
信号SCが得られる。このようなQAM変調信号SCを
図4(E)に模式的に示す。また、図5(B)に示すQ
AM変調信号SCのスペクトラムで判るように、QAM
変調信号SCは、上述した式(3)を満足するために直
流成分を含んでいない。また、QAM変調信号SCにお
ける最高の周波数成分FM は(F1+Fy)になるよう
に帯域制限されている。このように本例の方式において
は、信号の周波数帯域にあらかじめ制限を与えている。
【0045】また、多値変調回路4は、乗算回路401
及び402の出力を加算回路403により加算すること
により、以下の式(7)に示されるような理想QAM信
号SXを演算して出力する。 SX(t)=Vp(t) cos(2π・F1・t) +Vq(t) sin(2π・F1・t) ……(7) 多値変調回路4から得られたQAM変調信号SCは、位
相変調回路6により所定の周波数F0キャリア信号に対
して位相変調が施され、位相変調信号SDとして出力さ
れる。すなわち、次の式(8)に示す演算が位相変調回
路6により施される。 SD(t)=B・ cos(2π・F0・t+m・SC(t)) ……(8) ただし Bとmは所定の定数である。
【0046】ここで、定数mとSC(t)の最大値との
積が1.5よりも小さくなるように定数mが定められ
る。このようにmを小さく保つことにより、位相変調信
号SDの周波数帯域を制限することができる。図6
(A)に模式的に示すように、このような位相変調信号
SDは、一定振幅の波形となっている。また、波形のゼ
ロクロス点の位置がQAM変調信号SCにより異なって
いる。位相変調信号SDは、変調指数mとSC(t)の
最大値の積が小さい場合に、以下の式(9)に示すよう
に近似することことができる。 SD(t)≒ C・ cos(2π・F0・t) −D・Vq(t)・m・sin(2π・F1・t) −D・Vp(t)・m・cos(2π・F1・t) −D・Vp(t)・m・sin(2π・(F0 + F1) ・t) +D・Vq(t)・m・cos(2π・(F0 + F1) ・t) −E・SC2 (t)・cos(2π・F0・t) ……(9) ただし、C、D、Eは定数であり、F1=F0−F1の
関係を用いている。
【0047】ここで、式(9)における第一項は周波数
F0のキャリア信号を表している。この信号成分はディ
スクの再生時にPLL回路において使われる。また、式
(9)における第二項及び第三項は、記録したい信号成
分であるVpとVqを表していて、F0のキャリアより
も低い周波数側に存在している。なお、この第二項及び
第三項の信号は、式(7)において説明した理想QAM
信号SXと同じ波形をしている。また、式(9)におけ
る第四項及び第五項は、記録したい信号成分であるVp
とVqを表しており、F0のキャリアよりも高い周波数
側に存在している。さらに式(9)における第六項は、
信号の2次歪みをあらわしており、今回の記録において
はノイズとして考えられる。
【0048】このような式(9)のスペクトルを図5
(C)に示す。このスペクトルで判るように、第一項は
F0を中心とするキャリアであり、第二項〜第五項はキ
ャリアF0の両側の側帯波として観測される。さらに第
六項の成分はスペクトル全域に渡るノイズとして観測さ
れる。なお、式(7)は近似式であって、実際はさらに
高次の成分が発生している。これらの高次の成分も第六
項の成分と同じようにノイズと考えられる。2値化補正
回路7は、位相変調信号SDと理想QAM信号SXを使
って2値化パルスSEを出力する。
【0049】図7は、このような2値化補正回路7の一
例を示すブロック図である。コンパレータ61は、入力
された位相変調信号SDを、所定のレベル(例えばゼ
ロ)と比較することにより、2値化信号BDとして出力
する。例えば、図6(A)に示された位相変調信号SD
が、ゼロレベルと大小比較されることにより、2値化信
号BDとして図6(B)に例示するような波形に変換さ
れている。ここで2値化再生信号BDの値は、(+1)
または(−1)の2種類のレベルを取るものとする。こ
のように2値化を行うことにより、信号波形は大きく歪
むので高調波成分が発生する。この様子を図5(D)に
示す。この信号波形は図5(C)の波形に比較して、さ
らに歪みによるノイズ成分が重畳されて増加しているこ
とが判る。
【0050】バンドパス・フィルタBPF62は、この
ようなスペクトラム成分の中から、式(9)における第
二項と第三項の周波数成分を抽出する。すなわち、図5
(D)においてバンドパス・フィルタ通過領域として示
した周波数帯域のみを通過させ、それ以外の周波数成分
を除去する。バンドパス・フィルタBPF63は、BP
F62と全く同様の特性を持つフィルタであり、理想Q
AM信号SXから所定の周波数帯域のみを選択的に抽出
して出力する。なお、これ以降の説明のために、BPF
62及びBPF63の特性をインパルス応答 g(t) と表
記する。
【0051】乗算器64は、BPF63を通過した信号
に所定の定数αを乗じて出力する。また、引き算算回路
66は、BPF62の出力と乗算器64の出力の差を演
算する。すなわち、引き算回路66の出力信号Vdは、
以下の式(10)で表すことができる。 Vd(t)=BPF(二値化したSD(t))−BPF(α・SX(t)) ……(10) 2値化補正回路7の目的は、このような差信号Vdがで
きるだけ小さくなるように、2値化再生信号BDを補正
して出力することである。言い換えると、バンドパスフ
ィルタ62の通過帯域内で、理想QAM信号SXにでき
るだけ近くなるような2値化再生信号BDを求めて出力
する。
【0052】発振回路65は、水晶発振回路等で構成さ
れ、高い周波数のクロックXCKを発振して2値化補正
回路7の各部に供給する。フリップフロップ67は、ク
ロックXCKが変化する毎にコンパレータ61の出力か
ら得られる2値化再生信号BDをサンプリングし、Bd
(n)として出力する。なお、これ以降の説明におい
て、nはクロックの数を表すことにする。AD変換器6
8も同様に、クロックXCKの変化点毎に差信号Vdを
ディジタルの値に変換し、Vd(n)として後段の回路
に供給する。
【0053】エッジ補正回路60A及び60Bは、それ
ぞれ同一構成の回路である。エッジ補正回路60Aは、
差信号Vd(n)のエネルギが小さくなるように2値化
再生信号BD(n)のエッジ位置を1クロックだけずら
してBd’(n)として出力する。また、カスケード接
続を可能とするために、差信号Vd(n)に適当な遅延
を与えてVd’(n)として出力する。エッジ補正回路
60Bは、エッジ補正回路60Aと同じに構成され、エ
ッジ補正回路60Aにカスケード接続されていて、エッ
ジ補正回路60Aの出力に更に補正を加えることによ
り、信号品質をさらに良好にする。このようにエッジ補
正回路60A、60Bは、何段ものカスケード接続する
ことにより、信号品質を一段と向上させる。
【0054】図8は、このようなエッジ補正回路60A
の構成を示すブロック図である。同図において、このエ
ッジ補正回路60Aに入力された2値化再生信号BD
(n)は、クロックXCKの単位でフリップフロップ6
10〜614により順次シフトされていく。また、差信
号Vd(n)に関しても同様に、フリップフロップ62
0〜624及びフリップフロップ650〜654により
順次シフトが与えられていく。
【0055】エッジ判定回路601は、フリップフロッ
プ612の出力に2値化再生信号BD(n)のエッジが
現れたことを検出してエッジパルスEPを出力する。す
なわち、図に示すようにフリップフロップ610〜61
4の各出力が(−1、−1、−1、+1、+1)となっ
ていた場合には、ちょうど立ち下がりエッジがフリップ
フロップ612の出力に検出された瞬間であるから、エ
ッジパルスEPを出力する。また、これとは逆に、(+
1、+1、+1、−1、−1)であった場合において
は、立ち上がりエッジがフリップフロップ612の出力
に現れた瞬間であるから、同様にしてエッジ検出パルス
EPを出力する。
【0056】二乗回路630〜634は、入力された差
信号Vd(n)の二乗を計算し、出力する。総和回路6
39は、二乗回路630〜634の出力の総和を求め、
誤差パワーPp(n)として出力する。このようにして
求められる誤差パワーPp(n)は、図9に示す式(1
1)のように示すことができる。なお、ここでMは演算
を行う長さである。以上説明したようにして得られる誤
差パワーPp(n)は、2値化再生信号BDに変更を与
えなかった場合の差信号Vdのエネルギと考えることが
できる。
【0057】また、2倍反転回路609は、フリップフ
ロップ612の出力レベル(+1またはー1)に対し
て、定数(−2)を乗じて出力する。すなわち、フリッ
プフロップ612の出力レベルが+1であった場合、2
倍反転回路609の出力には、−2が出力される。同様
にフリップフロップ612の出力レベルがー1であった
場合、2倍反転回路609の出力には、+2が出力され
る。すなわち、2倍反転回路609の出力には、フリッ
プフロップ612の出力が反転した場合におけるフリッ
プフロップ612の出力変化に相当するレベルが現れ
る。
【0058】2倍反転回路609の出力は、乗算回路6
40〜644に入力される。乗算回路640〜644の
別の入力には、先に説明したBPF62及びBPF63
のインパルス応答g(t)が、それぞれ定数として接続
されている。すなわち、クロックXCKの間隔をΔ秒と
したときに、乗算回路640には、g(−2・Δ)が接
続されている。同様にして乗算回路641にはg(−
Δ)が、乗算回路642〜644には、それぞれ、g
(0)、g(Δ)、g(2・Δ)の各定数が接続されて
いる。
【0059】各乗算回路640〜644は、それぞれ2
種類の入力の積を演算して出力し、乗算回路640〜6
44の各出力は、加算回路655〜659にそれぞれ入
力される。加算回路655〜659の別の入力端子に
は、フリップフロップ650〜654の出力が接続され
ている。これらの結果、加算回路655〜659の出力
には遅延されたVd(n)と、乗算回路640〜644
の和が得られる。
【0060】二乗回路660〜664は、加算回路65
5〜659の二乗を計算し、出力する。総和回路670
は、二乗回路660〜664の出力の総和を求め、エッ
ジ反転誤差パワーPq(n)として出力する。このよう
にして求められるエッジ反転誤差パワーPq(n)は、
フリップフロップ612の出力をBd(n)とすると、
図9に示す式(12)のように示すことができる。ま
た、エッジ反転誤差パワーPq(n)は、2値化再生信
号BDのエッジ部分を反転した場合における差信号Vd
のエネルギである。
【0061】また、コンパレータ609は、総和回路6
39から得られる誤差パワーPp(n)と、総和回路6
70から得られるエッジ反転誤差パワーPq(n)との
大小比較を行う。すなわち、コンパレータ609は、2
値化再生信号Bdのエッジを反転した場合と、反転しな
かった場合において、どちらが理想波形に近づいている
かを判定して出力する。また、アンド回路608は、エ
ッジ判定回路601からエッジ検出パルスEPが出力さ
れ、なおかつコンパレータ609の反転結果が、誤差パ
ワーPp(n)>エッジ反転誤差パワーPq(n)であ
る場合にレベル1を出力する。また、イクスクルーシブ
・オア回路605は、アンド回路608の出力がレベル
1であった場合に、フリップフロップ612の出力を反
転する。すなわち、エッジ部分を反転することにより誤
差パワーが減少する場合においては、エッジ部分の2値
化波形が反転される。このようにして2値化信号は次第
に変化して理想波形に近づいていく。
【0062】以上に述べたように構成することにより、
エッジ補正回路60Aの出力として得られる補正2値信
号Bd’(n)は、バンドパスフィルタ62を通して評
価した場合に、より理想QAM信号SXとの差が小さく
なるようにエッジ位置が補正されている。エッジ補正回
路60Bは、同様の操作を繰り返し行うことにより、2
重補正2値信号Bd”(n)を出力する。2重補正2値
信号Bd”(n)は、さらに理想QAM信号SXに近づ
いた2値信号となっている。なお、本例では2段構成と
して説明してあるが、必要であればさらに多くの段数だ
けエッジ補正回路60Aと等価な演算が繰り返し行わ
れ、最終段の出力から2値化パルスSEが出力される。
【0063】2値化パルスSEの波形を図6(C)に示
す。この図で明らかなように、単純に2値化することに
より得られた2値化再生信号BD(図6(B))に比較
して、エッジの位置が微妙にシフトされている。ここ
で、2値化パルスSEのスペクトルを観測すると、図5
(D)に図示するように、バンドパスフィルタ62の通
過帯域に飛び込んでいたノイズの成分が低減されてい
る。
【0064】図1において、データセレクタ13により
アドレス情報が周期的に挿入された後に、2値化パルス
SEに応じてレーザ光線L0をオン・オフすることによ
り、ピット列が形成されるようにディスク原盤17に記
録がなされる。このようにしてディスク原盤17に刻ま
れたピット列を2値化パルスSEと対応させると、例え
ば図6(D)に示すような形状となっている。ここで、
キャリア信号F0で定まる平均周期でピットが繰り返し
記録され、エッジ位置がずれることにより、バンドパス
フィルタの帯域内に発生するノイズが低減されるように
されている。
【0065】先に説明したように、ピット列の平均間隔
DがトラックピッチPの半分以下となるように、周波数
F0としては充分高い周波数が使われている。このよう
な記録を行うことにより、再生の光ピックアップで定ま
る周波数帯域を有効利用して多値情報を記録・再生する
ことが可能となる。また、本例において光変調器14に
入力される信号は2値の波形であるので、光変調器14
の非線形性や、フォトレジストの非線形性などにより記
録・再生信号が影響されることがなく、常に良好な信号
を記録・再生することが可能となっている。
【0066】図10は、本実施の形態に係る光ディスク
再生装置3の構成例を示すブロック図である。以下、こ
の図10を参照し、上述のようにしてQAM変調信号S
Cが位相変調された後、2値の情報としてピット列を形
成している光ディスク2を再生する光ディスク再生装置
3について説明する。この光ディスク再生装置3におい
て、光ディスク2は、スピンドルモータ131によって
回転される。スピンドルモータ131は、サーボ回路1
35により所定の回転数で回転するように制御が行われ
ている。また、光ピックアップ7も、サーボ回路135
によってフォーカス・トラッキングなど所定の動作をす
るように制御される。光ピックアップ107から照射さ
れたレーザ光線は、光ピックアップ7内部の回折格子に
より3つのスポットに分割されて光ディスク2を照射
し、再び光ピックアップ107に戻る。光ディスク2に
より反射された光線の一部分は、光ピックアップ107
内部の複数のディテクタにより検出される。この信号
は、マトリックス演算回路133に入力される。
【0067】マトリックス演算回路133は、オペレー
ショナル・アンプリファイヤなどで構成され、複数のデ
ィテクタから得られた検出信号からHF(High Frequen
cy)信号、トラックエラー信号(TK)、フォーカスエ
ラー信号(FS)などの信号を演算する。トラックエラ
ー信号(TK)とフォーカスエラー信号(FS)はサー
ボ回路135に送られ、それぞれトラッキング、及びフ
ォーカスサーボが正しく得られるように制御が行われ
る。また、HF信号はアドレス復号回路137に送ら
れ、アドレス情報が検出されて図示しないシステムコン
トローラに送られ、光ピツクアッブ7のアクセスなどが
行われる。
【0068】また、バンドパスフィルタ138は、HF
信号のうち、周波数F0近辺の狭い周波数成分だけを通
過させることにより、パイロットキャリア信号F0を抜
き取りPLL回路134に供給する。PLL回路134
はフェーズロックループ回路で構成され、パイロットキ
ャリア信号F0の周波数を2分の1に低下させて変調キ
ャリア信号F1を復元し、復号回路106に供給する。
また、HF信号は、バンドパスフィルタ136に供給さ
れる。バンドパスフィルタ136は、光ディスク記録装
置1で説明したバンドパスフィルタ62及び63と同等
の作用をHF信号に行う。
【0069】図12は、本例の光ディスク2に記録され
た信号のスペクトラムを示す説明図である。これまで説
明してきたように、図12(A)に示すような信号が光
ディスク2にはピット列として記録されている。しか
し、再生する際に用いる光ピックアップ107の空間分
解能(MTF)の影響により、図12(B)に示すよう
な特性が乗算される。この結果は、例えば図12(C)
に示すようなスペクトルとなって、HF信号として検出
される。そこで、バンドパスフィルタ136は図12
(C)において「BPF通過帯域」として示した周波数
領域だけを通過させることにより、上述した式(9)の
第二項と第三項の成分だけを通過させる。
【0070】HF信号は、イコライザ139に入力され
る。イコライザ139は、主に光ピツクアッブ107の
周波数特性(MTF)を補正して出力する。イコライザ
139を用いることにより、光ピツクアッブ107によ
り発生する周波数特性の劣化をほぼ完全に除去すること
ができる。このようにしてイコライザ139の出力に
は、MTFの影響が取り除かれて、式(9)の第二項と
第三項の成分が復元される。
【0071】復号回路106は、HF信号及びPLL回
路134からのキャリア信号F1に基づいて記録された
情報を復号し、ビット数変換回路108に供給する。ビ
ット数変換回路108は、復号回路106からの4ビッ
ト幅のデータを8ビット幅に変換し、信号SFとしてE
CC回路136に供給する。ECC回路136は、記録
時の符号化において付加されたECC(Error Correcti
ng Code )に基づいて、復号回路106から出力される
8ビット幅信号SF中の誤りを訂正する。このような誤
りは、例えば光ディスク2上のディフェクト等に起因し
て生じるものである。
【0072】このようにしてECC回路136の出力か
ら得られる信号は、記録装置から出力された情報と等し
くなっている。従って、例えば本再生装置をコンパクト
ディスクプレイヤと同じような用途に適用する場合にお
いては、ECC回路136の出力にDAコンバータとス
ピーカを接続することにより、スピーカから音楽信号が
再生される。
【0073】図11は、復号回路106の内部構成を示
すブロック図である。バンドパスフィルタ136とイコ
ライザ139により補正された信号Hqと、キャリア信
号F1は、乗算回路163により乗算される。この結
果、Hq信号のスペクトラムは周波数原点付近に移動す
る。乗算回路163の出力はヒルベルト変換器164に
入力される。ヒルベルト変換器164は、フーリエ変換
器などで構成され、入力された信号の周波数成分から実
部と虚部を分離してそれぞれUxとUyとして出力す
る。この結果得られるUxは、図3において説明した帯
域制限多値波形Vpにほぼ等しくなっている。また、U
yは、同じく帯域制限多値波形Vqに等しくなってい
る。従って、UxとUyを所定の周期Tでサンプリング
することにより、記録された多値情報を復元することが
できる。
【0074】ヒルベルト変換器164の出力Ux及びU
yは、それぞれ4値復号回路165及び166に接続さ
れる。4値復号回路165及び166は、入力された信
号を所定の間隔T毎に3つのスレッシュホールドレベル
と比較することにより、4段階の情報のいずれであるか
を判定する。4値復号回路165及び166は、このよ
うにして得られた判定結果を基にして、記録された2ビ
ット情報(b0、b1)もしくは(b2、b3)を復号
して出力する。
【0075】このようにして復号された情報は、ビット
数変換回路108によりビット数の単位を8ビットに揃
えて8ビット幅のデータSFとして出力される。ビット
数変換回路108の出力SFは、ECC回路136によ
りディスク上のディフェクトや欠陥などの影響が除去さ
れ、出力される。ECC回路136より得られる出力信
号は、光ディスク記録装置1において記録した情報と、
ディフェクトなどの影響を除き同一となっている。
【0076】以上のような実施の形態においては、QA
M変調信号などの符号間干渉が除去されている信号を記
録・再生するので、符号間干渉の影響を受けず多値の復
号が従来技術に比較して安定かつ正確に行われる。この
結果、記録密度を向上させることが可能となる。また、
この実施の形態においては、記録・再生信号の直流成分
が抑圧されているので、光ディスクで一般に観測される
直流成分の変動にも極めて強くなっている。さらに、こ
の実施の形態では、多値の情報が短い周期で繰り返され
るピット列として記録されているので、従来のフォトレ
ジス等をそのまま使ってQAM変調信号などのアナログ
波形を記録・再生することが可能となっている。
【0077】なお、以上の例においては、情報を周期的
に配置したピット列の長さ及び位置変化として記録した
が、本発明はこれに限定されるものでなく、ピット列の
代わりに、例えば相変化(PC)や、光磁気(MO)な
どのマークを使うことも、もちろん可能である。また、
以上の例においては、レーザ光線を光源に用いた記録装
置を説明した。しかし、本発明はこれに限定されるもの
でなく、レーザ光線に代えて例えば電子線露光装置を用
いることも、もちろん可能である。さらに、以上の例に
おいては、変調方式としてQAM変調を用いた。しか
し、符号間干渉が除去され、周波数帯域が制限された多
値の変調方式であれば方式を問わずに使用することがで
きる。なお、このような変調方式としては、例えばTC
M(Trellis Coded Modulation)、OFDM(Orthogon
al Frequency DomainMultiplexing)等、多数知られて
いる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による光デ
ィスク媒体によれば、記録信号の直流成分と符号間干渉
を完全に除去することができるQAMなどのディジタル
変調を施した場合のアナログ波形を、平均間隔D毎に記
録されたピットまたはマークの長さ及びタンジェンシャ
ル方向の位置変化として記録することができることか
ら、光ディスクの帯域を有効に使って、高速で変化する
アナログ波形を記録・再生することが可能となる。この
結果、上述した符号間干渉と直流成分の問題を解決し、
なおかつ有効な周波数領域全体を使って高密度の記録が
可能となり、従来よりもはるかに高い記録密度を実現す
ることが可能となる。
【0079】また、本発明による光ディスク記録装置に
よれば、信号の歪みなどの発生を抑圧した状態で、QA
Mなどのディジタル変調波形を記録することが可能とな
る。また本発明の光ディスク記録装置では、ピックアッ
プの再生可能な周波数帯域幅を全て有効利用して良好な
信号品質の信号を記録することが可能となる。この結
果、上述した符号間干渉と直流成分の問題を解決し、な
おかつ有効な周波数領域全体を使って高密度の記録が可
能である。従って従来よりもはるかに高い記録密度を実
現することが可能となる。
【0080】また、本発明による光ディスク記録方法に
よれば、信号の歪みなどの発生を抑圧した状態で、QA
Mなどのディジタル変調波形を記録することが可能とな
るので、ピックアップの再生可能な周波数帯域幅を全て
有効利用することが可能となる。この結果、上述した符
号間干渉と直流成分の問題を解決し、なおかつ有効な周
波数領域全体を使って高密度の記録が可能であり、従来
よりもはるかに高い記録密度を実現することが可能とな
る。
【0081】また本発明による光ディスク再生装置で
は、上述した本発明の光ディスク媒体からディスクの回
転揺らぎの影響を取り除いて、QAM変調等を用いて記
録されたアナログ波形を歪み無く再生することができ
る。この結果、高い密度で記録されたデータをエラーの
無い状態で再生することを可能となり、従来よりもはる
かに高い記録密度の光ディスク再生装置を実現すること
が可能となる。
【0082】また本発明による光ディスク再生方法にお
いても、上述した本発明の光ディスク媒体からディスク
の回転揺らぎの影響を取り除いて、QAM変調等を用い
て記録されたアナログ波形を歪み無く再生することがで
きる。この結果、高い密度で記録されたデータをエラー
の無い状態で再生することを可能となり、従来よりもは
るかに高い記録密度の光ディスク再生方法を実現するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ディスクを作成す
る光ディスク記録装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による光ディスクのトラッ
クピッチとピット間隔の関係を模式的に説明する概念図
である。
【図3】図1に示す光ディスク記録装置における多値変
調回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す多値変調回路の動作を模式的に示す
説明図である。
【図5】本発明の実施の形態によって形成される各信号
のスペクトラムを示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態により形成される各信号の
波形とピット形状との関係を模式的に説明する図であ
る。
【図7】図1に示す光ディスク記録装置における2値化
補正回路の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す2値化補正回路におけるエッジ補正
回路の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態で用いる演算式の一部を示
す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る光ディスク再生装
置を示すブロック図である。
【図11】図10に示す光ディスク再生装置における復
号回路の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態によって光ディスクに記
録された信号スペクトラムを示す説明図である。
【符号の説明】
1……光ディスク記録装置、2……光ディスク、3……
光ディスク再生装置、4……多値変調回路、6……位相
変調回路、7……2値化補正回路、60A、60B……
エッジ補正回路、106……復号回路。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 20/10 321 G11B 20/10 321Z Fターム(参考) 5D029 WA17 WA20 WC09 WD10 5D044 BC04 CC05 CC06 DE12 5D090 AA01 BB04 CC01 CC04 CC14 CC16 EE02 EE13 GG02 HH01 LL08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピット列あるいはマーク列がスパイラル
    あるいは同心円状のトラックを形成することにより、多
    値のディジタル情報が記録された光ディスク媒体におい
    て、 前記多値のディジタル情報は、平均間隔D毎に記録され
    た前記ピットまたはマークの長さ及びタンジェンシャル
    方向の位置変化として記録されていて、 前記ピットまたはマークの平均間隔Dがトラックピッチ
    Tpに対して、 Tp>D>0.75Tp の関係を満たしている、 ことを特徴とする光ディスク媒体。
  2. 【請求項2】 前記多値のディジタル情報は、予め直流
    成分及び所定の周波数FM を超える成分が除去されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
  3. 【請求項3】 前記周波数FM は、前記光ディスク媒体
    の記録あるいは再生の線速度をV(m/秒)としたとき
    に、 FM <(V÷D) の関係を満たしていることを特徴とする請求項2記載の
    光ディスク媒体。
  4. 【請求項4】 前記多値のディジタル情報は、直交振幅
    変調またはQAMであることを特徴とする請求項1記載
    の光ディスク媒体。
  5. 【請求項5】 光ディスク媒体に光学的手段によりレー
    ザ光線を集光させて照射し、同心円状もしくはスパイラ
    ル状に形成されたトラックを形成してディジタル情報を
    記録する光ディスク記録装置において、 前記ディジタル情報に基づいて、直流成分が抑圧され、
    かつ周波数帯域が所定の周波数FM 以下に制限された多
    値の変調信号SC(t)を作成する多値変調手段と、 前記周波数FM 以上の周波数F0のキャリア信号を発生
    させるキャリア発生手段と、 前記帯域制限された多値の変調信号により前記キャリア
    信号を位相変調することにより位相変調信号SD(t)
    を発生する位相変調手段と、 前記位相変調信号SD(t)を補正することにより2値
    信号SE(t)を作成する信号補正手段と、 前記2値信号SE(t)に応じて前記レーザ光線を変調
    する光変調手段と、 を含んで構成されることを特徴とする光ディスク記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記位相変調手段は、A、B、mをそれ
    ぞれ任意の定数としたときに、 SD(t)=A・sin(2π・F0・t+m・SC
    (t)+ B) またはこれと等価な演算を行なう手段であり、 前記定数mとSC(t)の最大値との積が1.0以下で
    あることを特徴とする請求項5記載の光ディスク記録装
    置。
  7. 【請求項7】 前記光変調手段は、前記レーザ光線をオ
    ン・オフする光変調手段であることを特徴とする請求項
    5記載の光ディスク記録装置。
  8. 【請求項8】 前記信号補正手段は、所定の周波数帯域
    内において所望の信号にできるだけ近い信号が得られる
    ように、前記位相変調信号SD(t)の変化点位置を調
    整することによって前記2値信号SE(t)を得るよう
    に構成された手段であることを特徴とする請求項5記載
    の光ディスク記録装置。
  9. 【請求項9】 前記多値変調手段は、QAM変調手段で
    あることを特徴とする請求項5記載の光ディスク記録装
    置。
  10. 【請求項10】 光ディスク媒体に光学的手段によりレ
    ーザ光線を集光させて照射し、同心円状もしくはスパイ
    ラル状に形成されたトラックを形成してディジタル情報
    を記録する光ディスク記録方法において、 前記ディジタル情報に基づいて、直流成分が抑圧され、
    かつ周波数帯域が所定の周波数FM 以下に制限された多
    値の変調信号SC(t)を作成し、 前記周波数FM 以上の周波数F0のキャリア信号を発生
    させ、 前記帯域制限された多値の変調信号により前記キャリア
    信号を位相変調することにより位相変調信号SD(t)
    を発生し、 前記位相変調信号SD(t)を補正することにより2値
    信号SE(t)を作成し、 前記2値信号SE(t)に応じて前記レーザ光線を変調
    するようにした、 ことを特徴とする光ディスク記録方法。
  11. 【請求項11】 平均周期Dで繰り返し記録されたピッ
    ト列もしくはマーク列がスパイラルもしくは同心円のト
    ラックを形成して多値のディジタル情報が記録されたデ
    ィスク媒体に光学的手段によりレーザ光線を集光させて
    再生用光スポットとして照射し、前記再生用光スポット
    が前記ディスク媒体により反射または回折されたレーザ
    光線を電気信号として検出することにより前記ディスク
    媒体上に記録された情報を読み出す光ディスク再生装置
    において、 前記電気信号において平均周期Dで繰り返されるピット
    列の成分を取り出す第一のバンドパスフィルタ手段と、 前記電気信号から平均周期Dで繰り返されるピット列の
    成分を除去する第二のバンドパスフィルタ手段と、 前記第一のバンドパスフィルタの出力から前記ディスク
    媒体の回転揺らぎなどに起因する時間軸の揺らぎ情報を
    取り出す位相検出手段と、 前記時間軸の揺らぎ情報に基づいて前記第二のバンドパ
    スフィルタの出力を復号して多値のアナログ情報を得る
    第一の復号手段と、 前記多値のアナログ情報を量子化することによりディジ
    タル復号出力を得る量子化手段と、 を含んで構成されることを特徴とする光ディスク再生装
    置。
  12. 【請求項12】 前記第二のバンドパスフィルタ手段に
    加え、電気信号の周波数特性を補正するイコライザ手段
    を含むことを特徴とする請求項11記載の光ディスク再
    生装置。
  13. 【請求項13】 直交振幅変調復号手段またはQAM復
    号手段を含むことを特徴とする請求項11記載の光ディ
    スク再生装置。
  14. 【請求項14】 平均周期Dで繰り返し記録されたピッ
    ト列もしくはマーク列がスパイラルもしくは同心円のト
    ラックを形成して多値のディジタル情報が記録されたデ
    ィスク媒体に光学的手段によりレーザ光線を集光させて
    再生用光スポットとして照射し、前記再生用光スポット
    が前記ディスク媒体により反射または回折されたレーザ
    光線を電気信号として検出することにより前記ディスク
    媒体上に記録された情報を読み出す光ディスク再生方法
    において、 前記電気信号において平均周期Dで繰り返されるピット
    列の成分を第一のバンドパスフィルタ手段によって取り
    出し、 前記電気信号から平均周期Dで繰り返されるピット列の
    成分を第二のバンドパスフィルタ手段によって除去し、 前記第一のバンドパスフィルタの出力から前記ディスク
    媒体の回転揺らぎなどに起因する時間軸の揺らぎ情報を
    取り出し、 前記時間軸の揺らぎ情報に基づいて前記第二のバンドパ
    スフィルタの出力を復号して多値のアナログ情報を取得
    し、 前記多値のアナログ情報を量子化することによりディジ
    タル復号出力を得るようにした、ことを特徴とする光デ
    ィスク再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112805782A (zh) * 2018-11-15 2021-05-14 松下知识产权经营株式会社 光盘装置

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