JP2003121639A - バンドパスフィルターおよびその製造方法 - Google Patents
バンドパスフィルターおよびその製造方法Info
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- JP2003121639A JP2003121639A JP2001320971A JP2001320971A JP2003121639A JP 2003121639 A JP2003121639 A JP 2003121639A JP 2001320971 A JP2001320971 A JP 2001320971A JP 2001320971 A JP2001320971 A JP 2001320971A JP 2003121639 A JP2003121639 A JP 2003121639A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】バンドパスフィルターをスパッタリングで高速
に成膜する。 【解決手段】スパッタリング法を用い、導電性炭化ケイ
素と導電性酸化チタンをターゲットとして成膜を行う。
に成膜する。 【解決手段】スパッタリング法を用い、導電性炭化ケイ
素と導電性酸化チタンをターゲットとして成膜を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定波長範囲を透
過させるバンドパスフィルター、およびこれを製造する
方法に関する。
過させるバンドパスフィルター、およびこれを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、光通信分野で、光ファイバー
を通過する光の波長を制御するため、バンドパスフィル
ターが使用されていた。このバンドパスフィルターは、
高屈折率材料と低屈折率材料を交互に積層することで、
特定波長の光を透過させるものである。このような特定
波長の光を透過させるものとして、MgF2、Si
O2、TiO2の透明膜を基材上に積層したものが知ら
れている(特開平12−206306号公報)。このよ
うな高屈折材料と低屈折材料を積層するための方法とし
て、スパッタリング法が用いられている。この方法は、
大面積で均一の、ナノオーダーでの薄層形成が可能なた
めよく用いられている。
を通過する光の波長を制御するため、バンドパスフィル
ターが使用されていた。このバンドパスフィルターは、
高屈折率材料と低屈折率材料を交互に積層することで、
特定波長の光を透過させるものである。このような特定
波長の光を透過させるものとして、MgF2、Si
O2、TiO2の透明膜を基材上に積層したものが知ら
れている(特開平12−206306号公報)。このよ
うな高屈折材料と低屈折材料を積層するための方法とし
て、スパッタリング法が用いられている。この方法は、
大面積で均一の、ナノオーダーでの薄層形成が可能なた
めよく用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの薄膜
はスパッタリングでの成膜速度が非常に遅く生産性が低
い。成膜速度を上昇させるために、近年スパッタリング
で用いるカソードを2つ並べ、交流を印加することで高
速でスパッタリングできる方法(デュアルカソード法)
が提案されている。しかしながらこの成膜速度は工業化
するのに充分に大きいとはいえない。また低屈折率薄膜
作成時に用いるSiターゲットは脆く、高パワーを印加
すると割れが生じるなどの問題がある。
はスパッタリングでの成膜速度が非常に遅く生産性が低
い。成膜速度を上昇させるために、近年スパッタリング
で用いるカソードを2つ並べ、交流を印加することで高
速でスパッタリングできる方法(デュアルカソード法)
が提案されている。しかしながらこの成膜速度は工業化
するのに充分に大きいとはいえない。また低屈折率薄膜
作成時に用いるSiターゲットは脆く、高パワーを印加
すると割れが生じるなどの問題がある。
【0004】そこで本発明の目的は、高速に成膜を行う
ことができる方法を見出し、高パワーを印加しても割れ
の生じない強固なターゲットを見出すことにある。さら
に、生産性の良いバンドパスフィルターを得ることを目
的とする。
ことができる方法を見出し、高パワーを印加しても割れ
の生じない強固なターゲットを見出すことにある。さら
に、生産性の良いバンドパスフィルターを得ることを目
的とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明は、基板上に低屈
折率膜と高屈折率膜を交互に積層されたバンドパスフィ
ルターにおいて、低屈折率膜が、導電性炭化ケイ素をタ
ーゲットとして用い、高屈折率膜が、導電性酸化チタン
をターゲットとして用いてスパッタリングにより形成さ
れていることを特徴とするバンドパスフィルターにあ
る。
折率膜と高屈折率膜を交互に積層されたバンドパスフィ
ルターにおいて、低屈折率膜が、導電性炭化ケイ素をタ
ーゲットとして用い、高屈折率膜が、導電性酸化チタン
をターゲットとして用いてスパッタリングにより形成さ
れていることを特徴とするバンドパスフィルターにあ
る。
【0006】導電性炭化ケイ素をターゲットとすること
で、割れなく高パワー印加を行うことができる。さらに
導電性酸化チタンおよび導電性炭化ケイ素をターゲット
としたことで成膜速度を大きくすることができる。
で、割れなく高パワー印加を行うことができる。さらに
導電性酸化チタンおよび導電性炭化ケイ素をターゲット
としたことで成膜速度を大きくすることができる。
【0007】また本発明は、低屈折率膜が、Siと、
C、O、Nからなる群より選択された少なくとも1種の
原子とを含む化合物であり、高屈折率膜が、TiとOを
含む化合物からなる、上記のバンドパスフィルターにあ
る。
C、O、Nからなる群より選択された少なくとも1種の
原子とを含む化合物であり、高屈折率膜が、TiとOを
含む化合物からなる、上記のバンドパスフィルターにあ
る。
【0008】さらに本発明は、低屈折率膜が、SiC
x、SiOx、SiNx、SiCxOy、SiCxN
y、SiOxNy、SiCxOyNzからなる群から選
ばれたケイ素化合物からなり(但しxが0.1〜3、好
ましくは0.5〜2.5、yが0.1〜3、好ましくは
0.5〜2.5、zが0.1〜3、好ましくは0.5〜
2.5)、高屈折率膜が、TiOt(但しtは0.1〜
3、好ましくは0.5〜2.5)からなることを特徴と
する上記のバンドパスフィルターにある。
x、SiOx、SiNx、SiCxOy、SiCxN
y、SiOxNy、SiCxOyNzからなる群から選
ばれたケイ素化合物からなり(但しxが0.1〜3、好
ましくは0.5〜2.5、yが0.1〜3、好ましくは
0.5〜2.5、zが0.1〜3、好ましくは0.5〜
2.5)、高屈折率膜が、TiOt(但しtは0.1〜
3、好ましくは0.5〜2.5)からなることを特徴と
する上記のバンドパスフィルターにある。
【0009】560nmから620nm、好ましくは5
85nmから592nmの波長の光の透過率が50%以
上であり、560nm未満の波長の光と620nmを上
回る波長の光、好ましくは585nm未満の波長の光と
592nmを上回る波長の光の透過率が50%以下であ
る上記のバンドパスフィルターが好ましい。
85nmから592nmの波長の光の透過率が50%以
上であり、560nm未満の波長の光と620nmを上
回る波長の光、好ましくは585nm未満の波長の光と
592nmを上回る波長の光の透過率が50%以下であ
る上記のバンドパスフィルターが好ましい。
【0010】さらに本発明は、基板上に低屈折率膜と高
屈折率膜を交互に積層することからなるバンドパスフィ
ルターの製造方法において、低屈折率膜を、ターゲット
として導電性炭化ケイ素を用いてスパッタリング法によ
り形成し、高屈折率膜を、ターゲットとして導電性酸化
チタンを用いてスパッタリング法により形成することを
特徴とするバンドパスフィルターの製造方法にある。
屈折率膜を交互に積層することからなるバンドパスフィ
ルターの製造方法において、低屈折率膜を、ターゲット
として導電性炭化ケイ素を用いてスパッタリング法によ
り形成し、高屈折率膜を、ターゲットとして導電性酸化
チタンを用いてスパッタリング法により形成することを
特徴とするバンドパスフィルターの製造方法にある。
【0011】上記スパッタリング法が、マグネトロンス
パッタリング法であることを特徴とする方法が好まし
い。
パッタリング法であることを特徴とする方法が好まし
い。
【0012】また上記マグネトロンスパッタリング法
が、デュアルカソードマグネトロンスパッタリング法で
あることを特徴とする方法が好ましい。
が、デュアルカソードマグネトロンスパッタリング法で
あることを特徴とする方法が好ましい。
【0013】上記低屈折率膜が、不活性ガスと反応性ガ
スの混合ガス雰囲気下で成膜される方法が好ましい。
スの混合ガス雰囲気下で成膜される方法が好ましい。
【0014】上記反応性ガスが、分子中に酸素を含むガ
スであることを特徴とする方法が好ましい。
スであることを特徴とする方法が好ましい。
【0015】低屈折率膜が、SiCx、SiOx、Si
Nx、SiCxOy、SiCxNy、SiOxNy、S
iCxOyNzからなる群から選ばれたケイ素化合物か
らなり(但しxが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.
5、yが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5、zが
0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5)、高屈折率膜
が、TiOt(但しtは0.1〜3、好ましくは0.5
〜2.5)からなることを特徴とする上記の方法が好ま
しい。
Nx、SiCxOy、SiCxNy、SiOxNy、S
iCxOyNzからなる群から選ばれたケイ素化合物か
らなり(但しxが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.
5、yが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5、zが
0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5)、高屈折率膜
が、TiOt(但しtは0.1〜3、好ましくは0.5
〜2.5)からなることを特徴とする上記の方法が好ま
しい。
【0016】さらに本発明は、基板上に低屈折率膜と高
屈折率膜を交互に積層されてなるバンドパスフィルター
において、低屈折率膜が、SiCx、SiNx、SiC
xOy、SiCxNy、SiOxNy、SiCxOyN
zからなる群から選ばれたケイ素化合物からなり(但し
xが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5、yが0.
1〜3、好ましくは0.5〜2.5、zが0.1〜3、
好ましくは0.5〜2.5)、高屈折率膜が、TiOt
(但しtは0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5)か
らなるバンドパスフィルターにある。
屈折率膜を交互に積層されてなるバンドパスフィルター
において、低屈折率膜が、SiCx、SiNx、SiC
xOy、SiCxNy、SiOxNy、SiCxOyN
zからなる群から選ばれたケイ素化合物からなり(但し
xが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5、yが0.
1〜3、好ましくは0.5〜2.5、zが0.1〜3、
好ましくは0.5〜2.5)、高屈折率膜が、TiOt
(但しtは0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5)か
らなるバンドパスフィルターにある。
【0017】上記低屈折率膜が、SiCxOyからなる
ことが好ましい。
ことが好ましい。
【0018】上記炭化ケイ素ターゲットの密度は、2.
9g/cm3以上であることが好ましい。
9g/cm3以上であることが好ましい。
【0019】上記炭化ケイ素ターゲットは、炭化ケイ素
粉末と非金属系焼結助剤との混合物を焼結させることに
より得られたものであることが好ましい。
粉末と非金属系焼結助剤との混合物を焼結させることに
より得られたものであることが好ましい。
【0020】上記スパッタリング時に、炭素化合物が真
空チャンバー内に堆積せず、成膜中の透明導電膜中に混
入しないことが好ましい。
空チャンバー内に堆積せず、成膜中の透明導電膜中に混
入しないことが好ましい。
【0021】上記スパッタリング時に、炭素化合物がガ
ス化し、真空チャンバー外に排気され、真空チャンバー
内に堆積せず、成膜中の透明導電膜中に混入しないこと
が好ましい。
ス化し、真空チャンバー外に排気され、真空チャンバー
内に堆積せず、成膜中の透明導電膜中に混入しないこと
が好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明する。なお本発明においてバンドパスフ
ィルターとは、特定の波長の光のみを透過させる膜をい
い、特定の波長範囲の透過率が10%以上で、半値幅
が、50nmから500nm程度の広帯域パスフィルタ
ーや、1nmから50nm程度の狭帯域パスフィルター
がある。
て具体的に説明する。なお本発明においてバンドパスフ
ィルターとは、特定の波長の光のみを透過させる膜をい
い、特定の波長範囲の透過率が10%以上で、半値幅
が、50nmから500nm程度の広帯域パスフィルタ
ーや、1nmから50nm程度の狭帯域パスフィルター
がある。
【0023】図1は、本発明のバンドパスフィルターの
一例を示す図である。本発明のバンドパスフィルター
は、基板1上に低屈折率膜2と高屈折率膜3を交互に積
層した基本構成を有する。
一例を示す図である。本発明のバンドパスフィルター
は、基板1上に低屈折率膜2と高屈折率膜3を交互に積
層した基本構成を有する。
【0024】低屈折率膜と高屈折率膜の積層の厚さと積
層数は、バンドパスフィルターとして求められる特性を
持つように任意に設計される。例えば、第1層TiOt
(膜厚58.1nm)、第2層SiCxOy(101.
1nm)、第3層TiOt(58.1nm)、第4層S
iCxOy(101.1nm)、第5層TiOt(5
8.1nm)、第6層SiCxOy(101.1n
m)、第7層TiOt(58.1nm)、第8層SiC
xOy(176.9nm)、第9層TiOt(60.0
nm)、第10層SiCxOy(176.9nm)、第
11層TiOt(58.1nm)、第12層SiCxO
y(101.1nm)、第13層TiOt(58.1n
m)、第14層SiCxOy(101.1nm)、第1
5層TiOt(58.1nm)、第16層SiCxOy
(101.1nm)、第17層TiOt(58.1n
m)(但し、x=0.1〜3、y=0.1〜3、t=
0.1〜3)を積層することにより得られ、一般に波長
585nmから592nmの光を透過率50%以上で透
過するバンドパスフィルターの特性が得られる。
層数は、バンドパスフィルターとして求められる特性を
持つように任意に設計される。例えば、第1層TiOt
(膜厚58.1nm)、第2層SiCxOy(101.
1nm)、第3層TiOt(58.1nm)、第4層S
iCxOy(101.1nm)、第5層TiOt(5
8.1nm)、第6層SiCxOy(101.1n
m)、第7層TiOt(58.1nm)、第8層SiC
xOy(176.9nm)、第9層TiOt(60.0
nm)、第10層SiCxOy(176.9nm)、第
11層TiOt(58.1nm)、第12層SiCxO
y(101.1nm)、第13層TiOt(58.1n
m)、第14層SiCxOy(101.1nm)、第1
5層TiOt(58.1nm)、第16層SiCxOy
(101.1nm)、第17層TiOt(58.1n
m)(但し、x=0.1〜3、y=0.1〜3、t=
0.1〜3)を積層することにより得られ、一般に波長
585nmから592nmの光を透過率50%以上で透
過するバンドパスフィルターの特性が得られる。
【0025】本発明は、低屈折率膜を導電性炭化ケイ素
をターゲットとしたスパッタリング法により形成してい
る。これにより割れなく高パワーを印加することができ
る。さらに、高屈折率膜を導電性酸化チタンをターゲッ
トとしたスパッタリング法により形成している。このた
め成膜速度をより大きくすることができる。
をターゲットとしたスパッタリング法により形成してい
る。これにより割れなく高パワーを印加することができ
る。さらに、高屈折率膜を導電性酸化チタンをターゲッ
トとしたスパッタリング法により形成している。このた
め成膜速度をより大きくすることができる。
【0026】各層の厚さは同じでなくともよく、求めら
れる特性に応じて任意に設計される。
れる特性に応じて任意に設計される。
【0027】本発明のスパッタリングを施す基板1は、
ガラス、プラスチック、例えばポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリメチルメタクリレート、アクリル、ポリカー
ボネート(PC)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタク
リル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げら
れるが、特にガラス、PETが好ましい。
ガラス、プラスチック、例えばポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリメチルメタクリレート、アクリル、ポリカー
ボネート(PC)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタク
リル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げら
れるが、特にガラス、PETが好ましい。
【0028】基板の厚さは、透明性を妨げない厚さであ
ればよく、PETの場合は、一般に150から200μ
mである。
ればよく、PETの場合は、一般に150から200μ
mである。
【0029】PETを基板として使用する場合、基板表
面を保護するためにその上にハードコートを積層しても
よく、その厚さは一般に4から6μmである。ハードコ
ートの材料として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
面を保護するためにその上にハードコートを積層しても
よく、その厚さは一般に4から6μmである。ハードコ
ートの材料として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0030】低屈折率膜2は、SiCx、SiOx、S
iNx、SiCxOy、SiCxNy、SiOxNy、
SiCxOyNzからなる群から選ばれたケイ素化合物
からなり(但しxが0.1〜3、好ましくは0.5〜
2.5、yが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5、
zが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5)、高屈折
率膜3は、TiOt(但しtは0.1〜3、好ましくは
0.5〜2.5)からなる。
iNx、SiCxOy、SiCxNy、SiOxNy、
SiCxOyNzからなる群から選ばれたケイ素化合物
からなり(但しxが0.1〜3、好ましくは0.5〜
2.5、yが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5、
zが0.1〜3、好ましくは0.5〜2.5)、高屈折
率膜3は、TiOt(但しtは0.1〜3、好ましくは
0.5〜2.5)からなる。
【0031】高屈折率膜3は、導電性酸化チタンをター
ゲットとして用いたスパッタリングにより得られる。ま
た、低屈折率膜2は、導電性炭化ケイ素をターゲットと
して用いたスパッタリングにより得られる。
ゲットとして用いたスパッタリングにより得られる。ま
た、低屈折率膜2は、導電性炭化ケイ素をターゲットと
して用いたスパッタリングにより得られる。
【0032】導電性酸化チタンターゲットとは、一般に
体積固有抵抗値が2E−1Ω・cm以下であるターゲッ
トを意味する。また、導電性炭化ケイ素ターゲットと
は、一般に体積固有抵抗値が2E−2Ω・cm以下であ
るターゲットを意味する。導電性酸化チタンターゲッ
ト、導電性炭化ケイ素ターゲットを使用することで、成
膜速度が大きくなり、本方法の実用化が可能となる。
体積固有抵抗値が2E−1Ω・cm以下であるターゲッ
トを意味する。また、導電性炭化ケイ素ターゲットと
は、一般に体積固有抵抗値が2E−2Ω・cm以下であ
るターゲットを意味する。導電性酸化チタンターゲッ
ト、導電性炭化ケイ素ターゲットを使用することで、成
膜速度が大きくなり、本方法の実用化が可能となる。
【0033】導電性炭化ケイ素ターゲットとしては、炭
化ケイ素粉末をコールタールピッチ、フェノール樹脂、
フラン樹脂、エポキシ樹脂、グルコース、蔗糖、セルロ
ース、デンプンなどの非金属系焼結助剤で焼結して得ら
れる、密度2.9g/cm3以上のものが好ましい。こ
のような高密度かつ均一なターゲットであれば、スパッ
タリング成膜時に高入力で安定した放電をおこなうこと
ができ、成膜速度を高めることができる。
化ケイ素粉末をコールタールピッチ、フェノール樹脂、
フラン樹脂、エポキシ樹脂、グルコース、蔗糖、セルロ
ース、デンプンなどの非金属系焼結助剤で焼結して得ら
れる、密度2.9g/cm3以上のものが好ましい。こ
のような高密度かつ均一なターゲットであれば、スパッ
タリング成膜時に高入力で安定した放電をおこなうこと
ができ、成膜速度を高めることができる。
【0034】導電性炭化ケイ素ターゲットを使用するこ
とで、炭化ケイ素から生じた炭素化合物が真空チャンバ
ー内でガス化し、真空チャンバーの外に排気され、その
ため真空チャンバー内に炭素化合物が堆積せず、成膜中
のバンドパスフィルターに混入しないという利点があ
る。
とで、炭化ケイ素から生じた炭素化合物が真空チャンバ
ー内でガス化し、真空チャンバーの外に排気され、その
ため真空チャンバー内に炭素化合物が堆積せず、成膜中
のバンドパスフィルターに混入しないという利点があ
る。
【0035】本発明で用いられるスパッタリング法は、
マグネトロンスパッタリング法が好ましい。デュアルカ
ソード式マグネトロンスパッタリング法も用いることが
でき、これによりさらに高速に成膜を行うことができ
る。
マグネトロンスパッタリング法が好ましい。デュアルカ
ソード式マグネトロンスパッタリング法も用いることが
でき、これによりさらに高速に成膜を行うことができ
る。
【0036】供給ガス、供給ガス流量、圧力、供給電力
などのスパッタリングの条件は、用いるターゲット、成
膜速度などを考慮して、任意に設定することができる。
などのスパッタリングの条件は、用いるターゲット、成
膜速度などを考慮して、任意に設定することができる。
【0037】
【実施例】以下実施例と比較例により本発明を具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0038】[実施例]低屈折率層の成膜は、スパッタリ
ング装置としてマグネトロンスパッタリング装置を用
い、基板をガラスとし、ターゲット材料を導電性炭化ケ
イ素(ブリヂストン製、抵抗値2E−2Ω・cm)とし
て、供給ガスがアルゴン10cc/min+酸素ガス3
cc/min、圧力が5mTorr、供給電力が1.2
kWのスパッタリング条件で行った。
ング装置としてマグネトロンスパッタリング装置を用
い、基板をガラスとし、ターゲット材料を導電性炭化ケ
イ素(ブリヂストン製、抵抗値2E−2Ω・cm)とし
て、供給ガスがアルゴン10cc/min+酸素ガス3
cc/min、圧力が5mTorr、供給電力が1.2
kWのスパッタリング条件で行った。
【0039】高屈折率層の成膜は、スパッタリング装置
としてマグネトロンスパッタリング装置を用い、基板を
ガラスとし、ターゲット材料を導電性酸化チタン(旭硝
子製、抵抗値2E−1Ω・cm)として、供給ガスがア
ルゴン10cc/min、圧力が5mTorr、供給電
力が1.2kWのスパッタリング条件で行った。
としてマグネトロンスパッタリング装置を用い、基板を
ガラスとし、ターゲット材料を導電性酸化チタン(旭硝
子製、抵抗値2E−1Ω・cm)として、供給ガスがア
ルゴン10cc/min、圧力が5mTorr、供給電
力が1.2kWのスパッタリング条件で行った。
【0040】[比較例]低屈折率層の成膜は、スパッタリ
ング装置としてマグネトロンスパッタリング装置を用
い、基板をガラスとし、ターゲット材料をSiとして、
供給ガスがアルゴン5cc/min+酸素ガス5cc/
min、圧力が5mTorr、供給電力が1.2kWの
スパッタリング条件で行った。
ング装置としてマグネトロンスパッタリング装置を用
い、基板をガラスとし、ターゲット材料をSiとして、
供給ガスがアルゴン5cc/min+酸素ガス5cc/
min、圧力が5mTorr、供給電力が1.2kWの
スパッタリング条件で行った。
【0041】高屈折率層の成膜は、スパッタリング装置
として、マグネトロンスパッタリング装置を用い、基板
をガラスとし、ターゲット材料をTiとして、供給ガス
がアルゴン5cc/min+酸素ガス5cc/min、
圧力が5mTorr、供給電力が1.2kWのスパッタ
リング条件で行った。
として、マグネトロンスパッタリング装置を用い、基板
をガラスとし、ターゲット材料をTiとして、供給ガス
がアルゴン5cc/min+酸素ガス5cc/min、
圧力が5mTorr、供給電力が1.2kWのスパッタ
リング条件で行った。
【0042】表1に示す層構成、膜厚でバンドパスフィ
ルターを作製した。作製したフィルターの光学特性を図
2に示す。
ルターを作製した。作製したフィルターの光学特性を図
2に示す。
【0043】
【表1】
x=0.8、y=1.2、t=1.9を表す。
【0044】表1に示したように実施例では17層のバ
ンドパスフィルターを約50分で作製できるのに対し、
比較例では約10時間成膜に時間を要することが判っ
た。
ンドパスフィルターを約50分で作製できるのに対し、
比較例では約10時間成膜に時間を要することが判っ
た。
【0045】
【発明の効果】導電性炭化ケイ素および導電性酸化チタ
ンをターゲットとして用いたスパッタリングにより、基
板上にバンドパスフィルターの層を高速で安定して作製
することができ、生産性に富んだバンドパスフィルター
を容易に作製することができる。
ンをターゲットとして用いたスパッタリングにより、基
板上にバンドパスフィルターの層を高速で安定して作製
することができ、生産性に富んだバンドパスフィルター
を容易に作製することができる。
【図1】本発明のバンドパスフィルターの一例を示す断
面図である。
面図である。
【図2】実施例のバンドパスフィルターの反射率
(R)、透過率(T)を示すグラフである。
(R)、透過率(T)を示すグラフである。
1 基板
2 低屈折率膜
3 高屈折率膜
─────────────────────────────────────────────────────
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Fターム(参考) 2H048 GA04 GA12 GA33 GA60
4K029 BA41 BA48 BB02 BC07 BD00
CA06 DC05
Claims (12)
- 【請求項1】基板上に低屈折率膜と高屈折率膜を交互に
積層されてなるバンドパスフィルターにおいて、低屈折
率膜が、導電性炭化ケイ素をターゲットとして用い、高
屈折率膜が、導電性酸化チタンをターゲットとして用い
てスパッタリングにより形成されていることを特徴とす
るバンドパスフィルター。 - 【請求項2】低屈折率膜が、Siと、C、O、Nからな
る群より選択された少なくとも1種の原子とを含む化合
物からなり、高屈折率膜が、TiとOを含む化合物から
なる、請求項1に記載のバンドパスフィルター。 - 【請求項3】低屈折率膜が、SiCx、SiOx、Si
Nx、SiCxOy、SiCxNy、SiOxNy、S
iCxOyNzからなる群から選ばれたケイ素化合物か
らなり(但しxが0.1〜3、yが0.1〜3、zが
0.1〜3)、高屈折率膜が、TiOt(但しtは0.
1〜3)からなることを特徴とする請求項1または2に
記載のバンドパスフィルター。 - 【請求項4】560nmから620nmの波長範囲の光
の透過率が50%以上である、請求項1から3のいずれ
かに記載のバンドパスフィルター。 - 【請求項5】基板上に低屈折率膜と高屈折率膜を交互に
積層することからなるバンドパスフィルターの製造方法
において、低屈折率膜を、ターゲットとして導電性炭化
ケイ素を用いてスパッタリング法により形成し、高屈折
率膜を、ターゲットとして導電性酸化チタンを用いてス
パッタリング法により形成することを特徴とするバンド
パスフィルターの製造方法。 - 【請求項6】スパッタリング法がマグネトロンスパッタ
リング法であることを特徴とする請求項5に記載の方
法。 - 【請求項7】マグネトロンスパッタリング法が、デュア
ルカソードマグネトロンスパッタリング法であることを
特徴とする請求項6に記載の方法。 - 【請求項8】低屈折率膜が、不活性ガスと反応性ガスの
混合ガス雰囲気下で成膜される請求項5から7のいずれ
かに記載の方法。 - 【請求項9】反応性ガスが、分子中に酸素を含むガスで
あることを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】、低屈折率膜が、SiCx、SiNx、
SiCxOy、SiCxNy、SiOxNy、SiCx
OyNzからなる群から選ばれたケイ素化合物からなり
(但しxが0.1〜3、yが0.1〜3、zが0.1〜
3)、高屈折率膜が、TiOt(但しtは0.1〜3)
からなることを特徴とする、請求項5から9のいずれか
に記載の方法。 - 【請求項11】基板上に低屈折率膜と高屈折率膜を交互
に積層されてなるバンドパスフィルターにおいて、低屈
折率膜が、SiCx、SiNx、SiCxOy、SiC
xNy、SiOxNy、SiCxOyNzからなる群か
ら選ばれたケイ素化合物からなり(但しxが0.1〜
3、yが0.1〜3、zが0.1〜3)、高屈折率膜
が、TiOt(但しtは0.1〜3)からなるバンドパ
スフィルター。 - 【請求項12】低屈折率膜が、SiCxOyからなる請
求項11に記載のバンドパスフィルター。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001320971A JP2003121639A (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | バンドパスフィルターおよびその製造方法 |
PCT/JP2002/010826 WO2003034106A1 (fr) | 2001-10-18 | 2002-10-18 | Element optique et procede de production de cet element, filtre passe bande, filtre de coupure des ondes proche infrarouge et film anti-reflexion |
EP02785927A EP1437609A4 (en) | 2001-10-18 | 2002-10-18 | OPTICAL ELEMENT AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR AND BAND PASS FILTER, CLOSE-INFRARED BLOCKING FILTER AND ANTIREFLEX FILM |
US10/492,847 US20040240093A1 (en) | 2001-10-18 | 2002-10-18 | Optical element and production method therefor, and band pass filter, near infrared cut filter and anti-reflection film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001320971A JP2003121639A (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | バンドパスフィルターおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003121639A true JP2003121639A (ja) | 2003-04-23 |
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ID=19138271
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003121639A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7842168B2 (en) | 2003-04-25 | 2010-11-30 | Asahi Glass Company, Limited | Method for producing silicon oxide film and method for producing optical multilayer film |
-
2001
- 2001-10-18 JP JP2001320971A patent/JP2003121639A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7842168B2 (en) | 2003-04-25 | 2010-11-30 | Asahi Glass Company, Limited | Method for producing silicon oxide film and method for producing optical multilayer film |
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