JP2003120511A - 浮上式風力発電設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】空中に自らの浮上力で浮上させることにより、
風の強い高い高度に係留し、風力発電の高効率化をねら
う。 【構成】風車翼２に電動発電機３を結合し、風力発電装
置１を地上に係留する係留索４と電力ケーブル５で結合
した浮上式風力発電設備において、電力を地上より逆に
送ることにより、風車翼が回転し浮上させることのでき
る風力発電設備は、地上の風が弱い場合でも該風力発電
装置１を上昇させることが可能で、高い高度で風力エネ
ルギーを得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明が解決しようとする課題】風力発電設備の設置
は、高い塔を建設し、風車と発電機を塔の上に組み立て
る必要があるが、たとえば凧のように風の力で空中に浮
上できれば、発電装置を係留するための地上設備と受電
設備のみを用意すればよく、建設費が大幅に削減できる
ことと、従来の塔よりさらに高度の高い場所での風力発
電が可能になり、風力が地上では弱い場合でも、空中高
く飛び上がれば風力が高度に応じて強くなる効果によっ
て高度の維持と風力発電効率を高めることを可能にする
構成を提供しようとするものである。 【０００２】凧の原理で浮上する風力発電装置はすで
に、特開平５−２９６１３７「風力発電設備」にある
が、本発明は、風車翼に結合された発電機に地上より電
力ケーブルを介して逆送電して、電動機として回転さ
せ、自らの力で浮上できる浮上式風力発電設備を提供す
るものである。 【０００３】本発明によれば、地上での風が弱い場合、
例えば実施例のように、風車翼のピッチと角度を制御す
れば電動ヘリコプターとなって地上より離陸する機能を
有することになり、一度上昇すれば、高空の強い風力を
利用でき、その風力で浮上を維持することが可能、かつ
風の脈動時でも上空で長時間安定運転することができ、
システムの稼働率をあげることをねらったものである。 【０００４】 【産業上の利用分野】近年、風力発電に関して量産効果
からコストが下がり、風の条件しだいで既存の電力源に
対抗してコスト的に十分な電力源となる状況になってき
た。すでに塔の高さが６０ｍを越える高さで、一機の電
力も１５００ｋＷを越える大型機が開発され、実用化さ
れている。 【０００５】しかし、開発途上国のように、電力網の整
備が遅れている過疎地域で、風力発電を導入する場合に
は、１００ｋＷ以下の小型で安定な発電設備である必要
があり、かつコストを下げる必要がある。 【０００６】 【従来の技術】従来の風力発電装置は風況の良い場所を
探して、高い塔を建設して、風車翼と発電機などをその
先端に設置しなければならない。風は地上高度が高いほ
ど強く吹くことがわかっており、多くの場合高い塔を小
高い丘の上に建設して、少しでも高い場所の風を捕らえ
ることにしている。風力発電の建設費は、高い塔を建設
することと、機材を運び積み立てるためのコストが大き
い。 【０００７】また塔の先端では、常に塔の上で風の方向
を測定し、風車翼が正面を向くための制御を行わねばな
らない。 【０００８】 【発明が解決しようとする課題】本発明は風車翼と発電
装置を塔の先端に設置することなく、浮上させて、係留
索で、地上に係留できれば、風力発電設備の建設が容易
になり、かつ地上設備の移動のみでもって風力発電設備
の移動も可能になる。 【０００９】それには風車翼と発電装置を軽量化して、
自らの力で空中に簡単に浮上し、軽い強力な索により地
上に係留され、その発電された電力を係留索に沿って電
力ケーブルにより地上に送ることのできる構成の風力発
電設備が望まれる。 【００１０】 【発明が解決しようとする手段】浮上式風力発電設備は
係留索の長さで決まる高さに容易に風力発電装置を設置
することができ、地上より強い風が安定に吹く高度で、
かつ風の方向に向かって自動的に向きを変えることがで
きるものである。しかし地上付近で風が弱い場合、初期
浮上に困難があり、また風力の変動に対して、安定に高
度を維持できるかの問題がある。ここでは風力発電機を
電動機として動作させて積極的に風車翼の回転を浮上に
用いることで容易に地上より浮上できる風力発電設備を
提供しようとするもので、実施例では回転翼として可変
ピッチのヘリコプター方式で離陸し、さらに高空の風に
対して向かい角度可変のオートジャイロ方式を採用す
る。 【００１１】近年、強力な永久磁石の開発により発電機
を軽量化することが可能になった。その発電機は電力を
逆送すれば電動機になり、これで風車翼を回転させ、風
車翼のピッチ制御により風車翼はヘリコプターの回転翼
となって浮上力を発生することができる。しかし、水平
垂直尾翼や浮上のための翼、もしくはガス気球を設け、
安定浮上を補助ことは有効である。 【００１２】 【発明実施の形態】図１は本発明の実施例であるが、地
上の風が弱い場合、風車翼２と電動発電機３に地上より
電力を供給することで、電動ヘリコプターとなって浮上
力を得て、係留索を引っ張って所定の高さまで上がり、
以後、風車翼２のピッチ制御と姿勢制御よってオートジ
ャイロの運転になって、風車翼は風によって回り続け、
発電を行う。 【００１３】この発電設備はオートジャイロの原理で風
を受けて風車翼２を回転させ、風の力で揚力を得ること
を基本としている。風速が足りず、揚力が足りない場
合、地上より送る電力により回転翼２を電動発電機３に
より回転させ、浮上高度の維持も行うことで高度の維持
が図れることに特徴がある。 【００１４】また、風速が定格値より大きすぎる場合、
地上に下ろして係留することで強風対策が容易になり、
かつ保守作業も地上に降ろして行えるので容易である。 【００１５】これらの運転における高度の制御、姿勢の
制御などは、必要なセンサーと風車翼２のピッチ制御や
風力発電装置１の風に対する角度制御など運転に必要な
制御をする制御装置６があって、地上よりの指令、もし
くは与えられたプログラムにより運転が行われる。 【００１６】図２に全体システムを示すが発電設備の運
転には、フライホイールなどの電力貯蔵設備が地上設備
７としてあることが望ましい。短周期の風力変動による
電力脈動を平滑化できるほか、地上に係留された状態で
発電された弱い電力でも蓄積できれば、本発電装置は蓄
積された電力を使い短時間に高空へと浮上し、浮上した
後は強い風を捕らえて風力発電を行い、脈動する発電電
力を貯蔵して安定な電力供給を実現する。 【００１７】 【発明の効果】本発明による風力発電設備は塔などの地
上設備が要らず、電力で回転翼を回し、高い高度に風車
を置くことができるのでより強い風を受けることがで
き、風力発電の利用率が上がる。

【図面の簡単な説明】 【図１】図１は風力発電装置１の拡大図である。風車翼
２（ピッチ可変）を電動ヘリコプターさらにオートジャ
イロの回転翼として用い、電動発電機３で駆動または発
電をする風力発電装置を係留索４と電力ケーブル５で地
上設備と結合した本発明の実施例を示す。 【図２】図２は実施例の全体を示す。 【符号の説明】 １：風力発電装置 ２：風車翼（ピッチ可変） ３：電動発電機 ４：係留索 ５：電力ケーブル ６：制御装置 ７：地上設備 ８：浮上姿勢安定化装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康慎 同上 Ｆターム(参考） 3H078 AA02 AA26 BB11 CC01 CC22 CC46

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 空中に浮上する風力発電装置と、該風力
   発電装置を地上に係留する係留索と前記風力発電装置の
   発電機と地上の電力設備とを結合する電力ケーブルとか
   ら成る風力発電設備において、風車翼に結合された電動
   発電機に地上より逆送電して、その電動機作用により風
   車翼を回転し、風が無い場合も含めて揚力を発生させ
   て、浮上できることを特徴とした風力発電設備。