JP2003119138A - 間質性肺炎および/または肺線維症の予防治療剤 - Google Patents

間質性肺炎および/または肺線維症の予防治療剤

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JP2003119138A
JP2003119138A JP2001311967A JP2001311967A JP2003119138A JP 2003119138 A JP2003119138 A JP 2003119138A JP 2001311967 A JP2001311967 A JP 2001311967A JP 2001311967 A JP2001311967 A JP 2001311967A JP 2003119138 A JP2003119138 A JP 2003119138A
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bleomycin
pulmonary fibrosis
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Mutsuo Yamatani
睦雄 山谷
Takashi Orui
孝 大類
Hidetada Sasaki
英忠 佐々木
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Tohoku Techno Arch Co Ltd
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Tohoku Techno Arch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 治療効果の高い間質性肺炎および/または肺
線維症の予防治療剤を提供すること。 【解決手段】 ビリルビンまたはその塩を有効成分とす
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、治療効果の高い間
質性肺炎および/または肺線維症の予防治療剤に関す
る。より詳細には、ビリルビンまたはその塩を有効成分
とすることを特徴とする間質性肺炎および/または肺線
維症の予防治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】間質性肺炎・肺線維症は原因が明らかで
ない特発性肺線維症と原因がはっきりした二次性肺線維
症に区別される。二次性肺線維症は放射線や薬剤、膠原
病などで起こった肺線維症が該当する。間質性肺炎と間
質性肺線維症とはほぼ同じ意味合いで使用される用語で
あり、通常、炎症の強い急性期の状態にあると判断する
場合に間質性肺炎とされ、炎症が弱くなって、肺の線維
化が明らかになった場合に間質性肺線維症とされる傾向
にある。本発明においても両用語について特段の区別を
つけて使用しているわけではなく、間質性肺炎・肺線維
症はそのいずれをも包含するものとして認識されるもの
である。
【0003】間質性肺線維症は過酷であったり持続した
肺の炎症の種々の類型の結果として位置付けられる。ブ
レオマイシンはストレプトマイセス バーチシラス(St
reptomyces verticillus)から単離されたグリコペプチ
ドの混合物である。ブレオマイシンは効果の高い化学療
法剤であるが、その副作用として実験動物と同様にヒト
においても二次性肺線維症を引き起こすことが知られて
いる。ブレオマイシンが肺線維症を引き起こす機序は今
だ完全には明らかにされていないが、ブレオマイシン自
体によって産生されたスーパーオキサイドラジカルが肺
の上皮や内皮に対して直接的に損傷を与えることが原因
であろうと一般的に考えられている。このような初期の
肺の損傷は引き続いて肺実質内への活性化された炎症細
胞の流入増加を喚起する。肺胞マクロファージや多形核
白血球のような炎症細胞は反応性の高い酸素種を産生
し、これらがブレオマイシン誘発肺線維症の病因に深く
結びついているものと思われる。
【0004】肺線維症に対して数多くの治療可能性のあ
る方法が研究されている。しかし、N-アセチルシステイ
ンの経口投与がブレオマイシン誘発肺線維症の改善効果
を示し、特発性肺線維症の患者に対する抗酸化剤として
の臨床試験が現在行われていることを除けば、どれ一つ
として臨床試験に至っているものはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
のごとき従来技術に鑑みて治療効果の高い間質性肺炎お
よび/または肺線維症の予防治療剤を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】ところで、ヘムオキシゲ
ナーゼなどによるヘムの分解生成物であるビリルビンは
インビトロにおける強力な内因性抗酸化物質であり、ま
た、インビボにおいて非常に効果的な生理学的抗酸化剤
であると認識されている。それに加えて、Nakagamiらは
抱合ビリルビンは補体が関与する段階での炎症反応を直
接抑制すると報告している(Biochem Biophys Acta 199
3;1158:189-193)。しかし、肺線維症に対するビリルビ
ンの効果は今だ研究されたことはない。それ故、本発明
者らはラットにおける高い血漿ビリルビン値がブレオマ
イシンの経気管注入によって引き起こされる肺線維症を
抑制するかどうかを調べることとした。
【0007】本発明は上記の研究過程とその成果に基づ
くものであり、本発明の間質性肺炎および/または肺線
維症の予防治療剤は、請求項1記載の通り、ビリルビン
またはその塩を有効成分とすることを特徴とする。ま
た、請求項2記載の予防治療剤は、請求項1記載の予防
治療剤において、間質性肺炎および/または肺線維症が
ブレオマイシンによる化学療法を行った際の副作用とし
てのものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の間質性肺炎および/また
は肺線維症の予防治療剤は、ビリルビンまたはその塩を
有効成分とすることを特徴とするものである。
【0009】本発明者らはラットに対して高容量でのビ
リルビンの静脈内投与を反復して行うことにより高ビリ
ルビン血症とし、ビリルビンの抗酸化作用がブレオマイ
シン誘発肺線維症の進展にどのような効果を示すのか検
討したところ、ビリルビンの投与によりブレオマイシン
誘発肺線維症による死亡率が著しく減少することが明ら
かとなった。また、肺線維症に対する高ビリルビン血症
の改善効果は肺の組織学的にも示され、肺線維症の生物
学的マーカーである肺中のヒドロキシプロリンと気管支
肺胞洗浄液中のβ1型トランスフォーミング増殖因子の
含有量の減少によっても示された。また、気管支肺胞洗
浄液中の多形核白血球とリンパ球の数も減少することが
明らかとなった。さらに、ラットの尿中のビリルビン酸
化代謝物量は高ビリルビン血症を伴うブレオマイシン投
与ラットの方が高ビリルビン血症を伴わないブレオマイ
シン投与ラットに比べて著しく多いことが明らかとなっ
た。従って、ビリルビンはその抗酸化作用に基づいて肺
の炎症とそれに続くβ1型トランスフォーミング増殖因
子の産生を一部において阻害し、このことを通してブレ
オマイシン誘発肺線維症を減弱させることができること
が明らかとなった。
【0010】ビリルビンは胆汁色素の主成分で、体内で
は、前述の通り、主にヘムがヘムオキシゲナーゼなどに
より酸化的に開環されビリベルジンとなり、さらに還元
されて生成する。ヒト胆汁中ではα位のメチン基が開裂
した異性体IXαが約96%を占める。ビリルビンにはそ
の他の異性体も存在し得るが、本発明においてはどのよ
うな異性体を有効成分としてもよい。なお、ビリルビン
は塩の形態で使用してもよい。
【0011】本発明はビリルビンを投与することにより
高ビリルビン血症とすることで間質性肺炎・肺線維症に
対する予防治療効果を発揮させるものである。前述のよ
うに間質性肺炎・肺線維症の発症起因は実に様々である
が、ビリルビンはどのような起因によるものであっても
効果的に予防治療効果を発揮するものと期待される。と
りわけ、ブレオマイシンによる化学療法を行った際の副
作用としての間質性肺炎・肺線維症に効果があることは
化学療法を行う現場において有益である。しかし、ビリ
ルビンの投与量には十分な注意が必要である。ビリルビ
ンの過剰投与による毒性の発現において最も重要視され
ているのが新生児核黄疸による脳障害である。例えば、
Denneryらは血漿ビリルビン値が10mg/dlを越えると核黄
疸が発症すると報告している(N Engl J Med 2001;344:
581-590)ことから、ビリルビンの投与量は血漿ビリル
ビン値として10mg/dl以下とすることが賢明である。
【0012】投与形態に特段の制限はないが、静脈投与
形態の製剤(注射剤や点滴剤など)とするのがよい。ビ
リルビンは水には不溶であるがアルカリにはよく溶ける
ので、滅菌した水や生理食塩水などを主たる液状担体と
し、溶解性を確保するために水酸化ナトリウムなどを使
用し、自体公知の製剤化を行えばよい。必要であれば、
ベンジルアルコール、フェノール、チメロサールなどの
殺菌剤および防カビ剤、さらには、ショ糖や塩化ナトリ
ウムなどの等張剤、局所麻酔剤、安定剤、緩衝剤などを
含ませてもよい。また、その安定性の確保の観点から、
カプセルなどに充填後、冷凍し、通常の凍結乾燥技術に
より水を除去し、使用直前に凍結乾燥粉末から液状製剤
を再調製するようにしてもよい。
【0013】
【実施例】以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説
明するが、以下の記載は本発明の範囲を何ら限定するも
のではない。
【0014】(方法) 1.動物と手術 Rogerらの方法(Dev Brain Res 1993;76:115-130)に従
って、雄性ウィスターラット(特定病原菌フリーで体重
が260〜280gのもの)に対して高容量でのビリルビンの
静脈内投与を反復して行うことで高い血漿ビリルビン値
を達成した。なお、すべての手術処置はペントバルビタ
ールナトリウム塩(50mg/kg)の腹腔内注射による麻酔
下において行った。外径1mmのポリエチレンカテーテル
をラットの頸静脈に留置し、頸部皮膚からカテーテルを
外部に出した。ラットにステンレスの胸帯(幅2cm)を
巻き、この胸帯に設けた直径3mmの穴にカテーテルを通
した。胸帯の背中側に長さ30cmで内径3mmのステンレス
のスプリングの先端をハンダ付けして固定し、カテーテ
ルをこのステンレスのスプリングの中に通した。スプリ
ングのもう一方の先端はラットを収容したケージの屋根
にある直径3cmの穴に通し、スプリングが自由に移動で
きるようにしてラットの運動を妨げないようにした。カ
テーテルはヘパリン硫酸塩(10U/ml)含有生理食塩液で
満たして、内腔が血液で詰らないようにしておいた。ラ
ットは噛む習性があるので、複数のラットを一つのケー
ジに収容した場合、別のラットに取り付けたカテーテル
を他のラットが噛むことがあるため、ラットは一つのケ
ージに一匹ずつ収容し、以上のような仕組みにした。ビ
リルビン(4.8mg/ml:シグマケミカル社製)をpH7.4の0.
5M水酸化ナトリウム溶液と0.055Mリン酸緩衝液と5%牛血
清アルブミン溶液との混合液(容積比1:2:7)に溶解し
た。ビリルビン投与は覚醒状況下にシリンジポンプを使
用してカテーテルを通して朝9時と夕方6時の1日2回行っ
た。その投与量は1回あたり115.2mg/kgとし、これを180
分かけて静脈内投与した。肺へのブレオマイシンの経気
管注入はブレオマイシン塩酸塩(日本化薬社製)を無菌
生理食塩水に溶解した溶液0.2ml(7.5U/kg)を気管の軟
骨性リングの間に挿入した注射針を通して行った。な
お、上記の実験はすべてのラットについて実験動物の世
話と使用のためのガイドラインに従って行った。ラット
の血液は尾の血管から採取し、血漿ビリルビン値はエス
アールエル社にて測定した。
【0015】2.組織病理評価 ブレオマイシンまたは生理食塩水の経気管注入を行って
から21日後にペントバルビタールナトリウム塩(100mg/
kg,腹腔内投与)の麻酔下にてラットを犠牲にした。肺
を10%ホルムアルデヒド中性緩衝溶液で少なくとも48時
間以上固定し、それからパラフィンに包埋した。肺の薄
切りにした連続的な3μmの切片をヘマトキシリン・エオ
ジン染色した。肺の線維化の程度はAshcroftらの方法
(J Clin Pathol 1988;41:467-470)に従って半定量的
に評価した。肺線維症の評価は100倍率にて1サンプルあ
たり30領域を任意に選択し、評価0〜評価8の尺度で評価
する人がどのラットがどの薬品を投与した群に属するか
分からないようにして行った。肺線維症の評価の基準
は、評価0:正常な肺である、評価1:肺胞壁または細気
管支壁にごくわずかな線維性肥厚がある、評価3:肺構
造の顕著な損傷はないが中程度の線維性肥厚がある、評
価5:肺構造の明らかな損傷がある線維症であり線維性
バンドか小さな線維状の塊がある、評価7:肺構造のひ
どい歪みがあり広範囲にわたって線維状領域がある、評
価8:全視野が肺の線維化を起こしている、とした。2つ
の奇数の評価の間で判定が困難な場合、その間の偶数の
評価とした。肺線維症のスコアは各々のサンプルについ
て集計して求めた平均評価として表した。
【0016】3.気管支肺胞洗浄液の白血球分析 気管支肺胞洗浄液のサンプリングはKhalilらの方法(J
Clin Invest 1993;92:1812-1818)とGiriらの方法(Tox
icol Pathol 1986;14:149-157)に従ってブレオマイシ
ンまたは生理食塩水の経気管注入を行ってから21日後に
行った。全微分細胞カウントを行うために一部の洗浄液
を分け置き、残りは4℃において5分間270Gで遠心分離を
行った。上澄液はβ1型トランスフォーミング増殖因子
のアッセイを行うために-80℃にて保存した。全白血球
のカウントは上記の文献に記載された方法に従って行っ
た。
【0017】4.ヒドロキシプロリンとβ1型トランス
フォーミング増殖因子のアッセイ ラット肺中のヒドロキシプロリンのアッセイを通常行わ
れる比色定量測定手順に従ってブレオマイシンまたは生
理食塩水の経気管注入を行ってから21日後にエスアール
エル社にて行った。さらに、気管支肺胞洗浄液中のβ1
型トランスフォーミング増殖因子の濃度を活性β1型ト
ランスフォーミング増殖因子を検出することができるEL
ISAキット(アマシャム社製)を使用して測定した。
【0018】5.ラット尿中のビリルビン酸化代謝物の
計量 ブレオマイシンの経気管注入を行ってから1週間後に24
時間尿を収集し、Yamaguchiらの文献(Biochim Biophys
Acta 1996;1289:110-114)に記載されたELISA法にて計
量した。
【0019】6.実験プロトコール ブレオマイシンの経気管注入を行った後の生存率に対す
る高ビリルビン血症の効果を検討するため、ラットを無
作為に4つの群に分けた。1つはブレオマイシンの経気管
注入とともにビリルビンのビークルを静脈内投与される
群である。残りの3つはブレオマイシンの経気管注入と
ともにビリルビンを静脈内投与される群であるが、その
うちの1つはブレオマイシン注入の7日前からブレオマイ
シン注入の21日後までビリルビンを投与される群であ
り、1つはブレオマイシン注入を行った日からブレオマ
イシン注入の21日後までビリルビンを投与される群であ
り、残りの1つはブレオマイシン注入の7日後からブレオ
マイシン注入の21日後までビリルビンを投与される群で
ある。
【0020】また、ブレオマイシン誘発肺線維症、その
際の肺中のヒドロキシプロリン量、気管支肺胞洗浄液中
のβ1型トランスフォーミング増殖因子量と白血球数、
尿中のビリルビン酸化代謝物濃度の変化に対する高ビリ
ルビン血症とブレオマイシンの作用を検討するため、ラ
ットを無作為に4つの群に分けた。1つは生理食塩水の経
気管注入とともにビリルビンのビークルを静脈内投与さ
れる対照群である。1つは生理食塩水の経気管注入とと
もにビリルビンを静脈内投与される群である。1つはブ
レオマイシンの経気管注入とともにビリルビンのビーク
ルを静脈内投与される群である。残りの1つはブレオマ
イシンの経気管注入とともにビリルビンを静脈内投与さ
れる群である。ラットはブレオマイシンまたは生理食塩
水の経気管注入を行った日の7日前から21日後まで、ビ
リルビンまたはそのビークルとしての生理食塩水を反復
して静脈内投与された。
【0021】7.統計分析 死亡率は21日間におけるlog rank testにより評価し
た。全ての数値は平均値±SDとして表示してある。統計
分析はunpaired student’s testにより行った。有意性
はp<0.05の値を容認した。
【0022】(結果)まず最初に、反復して行う高容量
でのビリルビンの静脈内投与を開始した後の血漿ビリル
ビン値を確認した。ビリルビン投与の前後における血漿
ビリルビン値の変化と4週間にわたって血漿ビリルビン
値が高いレベルで維持されるかどうかを調べるため、ビ
リルビンの静脈内投与を開始してから2日後と4週間後に
おける朝夕のビリルビン投与前後における血漿ビリルビ
ン値を測定した。その結果、ビリルビンの静脈内投与を
開始してから少なくとも4週間は血漿ビリルビン値は3〜
10mg/dlの範囲にあった。ビリルビンの静脈内投与を開
始してから2日後の朝9時のビリルビン投与の10分前にお
ける血漿ビリルビン値(3.2±0.1mg/dl,n=7)は4週間後
の朝9時のビリルビン投与の10分前における血漿ビリル
ビン値(3.3±0.1mg/dl,p>0.02,n=7)と違いはなかっ
た。同様に、ビリルビンの静脈内投与を開始してから2
日後の朝9時の3時間にわたるビリルビン投与の10分後に
おける血漿ビリルビン値(7.8±0.4mg/dl,n=7)は4週間
後の朝9時の3時間にわたるビリルビン投与の10分後にお
ける血漿ビリルビン値(7.9±0.1mg/dl,p>0.02,n=7)と
違いはなかった。ビリルビンの静脈内投与を開始してか
ら2日後の夕方6時のビリルビン投与の10分前における血
漿ビリルビン値(4.4±0.2mg/dl,n=7)は4週間後の夕方
6時のビリルビン投与の10分前における血漿ビリルビン
値(4.3±0.3mg/dl,p>0.02,n=7)と違いはなかった。さ
らに、ビリルビンの静脈内投与を開始してから2日後の
夕方6時の3時間にわたるビリルビン投与の10分後におけ
る血漿ビリルビン値(9.1±0.3mg/dl,n=7)は4週間後の
夕方6時の3時間にわたるビリルビン投与の10分後におけ
る血漿ビリルビン値(9.2±0.3mg/dl,p>0.02,n=7)と違
いはなかった。以上の結果から、反復して行う高容量で
のビリルビンの静脈内投与を開始してから1週間後にブ
レオマイシンの経気管注入を行うこととした。各群の生
存率を図1に示す。ブレオマイシン投与群(BLM)(n=2
5)においてはラットが毎週一様に死亡した。これに対
してビリルビン・ブレオマイシン投与群では最初の10日
間はラットが死亡したが、その後の死亡はなかった。ブ
レオマイシンの経気管注入を行った21日後では、ブレオ
マイシンの経気管注入の7日前から21日後までビリルビ
ンを反復して静脈内投与したビリルビン・ブレオマイシ
ン投与群(BLM+BIL(Pre-treatment))の生存率はブレオ
マイシン投与群の生存率と比べて著しく高かった(p<0.
05;n=25)。同様に、ブレオマイシンの経気管注入の当
日から21日後までビリルビンを反復して静脈内投与した
ビリルビン・ブレオマイシン投与群(BLM+BIL(Day 0
〜))の生存率はブレオマイシン投与群の生存率と比べ
て著しく高かった(p<0.05;n=25)。さらに、ブレオマ
イシンの経気管注入の7日後から21日後までビリルビン
を反復して静脈内投与したビリルビン・ブレオマイシン
投与群(BLM+BIL(Post-treatment))の生存率はブレオ
マイシン投与群の生存率と比べて著しく高かった(p<0.
05;n=15)。また、以上の3つのビリルビン・ブレオマイ
シン投与群の生存率の間に際立った差異はなかった。な
お、図1では省略したが、ブレオマイシンの経気管注入
を行ってから3週間、ビリルビン投与群(n=7)と対照群
(n=7)ではラットの死亡はなかった。
【0023】組織病理評価の結果、ブレオマイシン投与
群の肺はび漫性で炎症細胞の著しい浸潤が認められ、典
型的な線維性変化を伴った肺胞壁肥厚の程度が増加して
いた(図2a)。一方、ブレオマイシンの経気管注入の7
日前から21日後までビリルビンを反復して静脈内投与し
たビリルビン・ブレオマイシン投与群の肺は線維性病変
と炎症細胞の浸潤がブレオマイシン投与群よりも少なか
った(図2b)。ビリルビン投与群の肺にはブレオマイシ
ン投与群やビリルビン・ブレオマイシン投与群の肺に認
められたような障害と同一視できるような部位は見られ
なかったことから(図2c)、高ビリルビン血症自体は肺
に対してなんらの変化も引き起こさないことがわかっ
た。なお、すべての群の肺において細菌感染性の肺炎は
見られなかった。4つの群における線維症の評価結果を
表1に示す。ブレオマイシン投与群は4群の中で著しく高
い肺線維症スコアを示した(p<0.001)。ブレオマイシ
ンの経気管注入の7日前から21日後までビリルビンを反
復して静脈内投与したビリルビン・ブレオマイシン投与
群のスコアはブレオマイシン投与群のスコアに比べて遥
かに低かった(p<0.001)。
【0024】コラーゲン沈着の指標となる肺中のヒドロ
キシプロリン量を表1に示す。ブレオマイシン投与群に
おけるヒドロキシプロリン量は対照群に比較して著しく
多かった。一方、ブレオマイシンの経気管注入の7日前
から21日後までビリルビンを反復して静脈内投与したビ
リルビン・ブレオマイシン投与群のヒドロキシプロリン
量は対照群のヒドロキシプロリン量レベルを維持してお
り、ブレオマイシン投与群のヒドロキシプロリン量に比
べて遥かに少なかった(p<0.001)。
【0025】ブレオマイシンの経気管注入の21日後にす
べてのラットから気管支肺胞洗浄液を採取した。4つの
群の気管支肺胞洗浄液の白血球特性を図3に示す。気管
支肺胞洗浄液中における主たる細胞種である肺胞マクロ
ファージの数は4つの群の中で目立った差異はなかった
が、ブレオマイシン投与群におけるリンパ球(p<0.05)
と好中球(p<0.05)の数は対照群の数に比べて著しく多
かった。ブレオマイシンの経気管注入の7日前から21日
後までビリルビンを反復して静脈内投与したビリルビン
・ブレオマイシン投与群のリンパ球と好中球の数はブレ
オマイシン投与群の数に比べて非常に少なかった。
【0026】ビリルビン投与群の気管支肺胞洗浄液中の
β1型トランスフォーミング増殖因子量は対照群とほぼ
同じレベルであった。ブレオマイシン投与群の気管支肺
胞洗浄液中のβ1型トランスフォーミング増殖因子量は
対照群に比べて著しく多かった(表1)。一方、ブレオ
マイシンの経気管注入の7日前から21日後までビリルビ
ンを反復して静脈内投与したビリルビン・ブレオマイシ
ン投与群のβ1型トランスフォーミング増殖因子量はブ
レオマイシン投与群に比べて非常に少なかった(表
1)。
【0027】ビリルビン投与群の尿中のビリルビン酸化
代謝物量は対照群とほぼ同じレベルであった(p>0.
4)。一方、ブレオマイシン投与群の尿中のビリルビン
酸化代謝物量は対照群に比べて僅かに多かった(p<0.00
1)。その上、ブレオマイシンの経気管注入の7日前から
21日後までビリルビンを反復して静脈内投与したビリル
ビン・ブレオマイシン投与群の尿中のビリルビン酸化代
謝物量はブレオマイシン投与群に比べて非常に多かった
(表1)。
【0028】
【表1】
【0029】(考察)間質性肺線維症の最も明白な特徴
は肺胞壁へのコラーゲンの沈着であり、これは肺におけ
るガス交換ユニットの減弱を引き起こす。上記の実験か
ら、ブレオマイシンによって引き起こされる肺線維症に
対する高ビリルビン血症の阻害効果が肺の組織病理評価
によって明らかにされた。また、高ビリルビン血症はブ
レオマイシンによって誘発された、肺線維症を表す生物
学的マーカーである肺中のヒドロキシプロリン量と気管
支肺胞洗浄液中のβ1型トランスフォーミング増殖因子
量の増加を阻害した。
【0030】ビリルビン酸化代謝物をYamaguchiらの方
法(J Biochem (Tokyo) 1994;116:298-303)によって単
離した。Yamaguchiらは、上記文献において、開腹術を
受けた患者においては尿中のビリルビン酸化代謝物が増
加することを論証し、ビリルビン酸化代謝物がビリルビ
ン酸化のマーカーであること、ビリルビンはインビボに
おける酸化的ストレスに対して保護効果を有しうること
を提唱している。それ故、上記の実験におけるラットの
尿中におけるビリルビン酸化代謝物の増加はブレオマイ
シン投与後のインビボにおけるビリルビン酸化の証拠と
なり得た。ビリルビン・ブレオマイシン投与群における
尿中のビリルビン酸化代謝物の劇的な増加はビリルビン
がブレオマイシンの酸化作用に対して抗酸化剤として機
能していること、このビリルビン消費は肺における炎症
とそれに続く肺へのコラーゲン沈着の阻害に部分的に関
与しうることが示唆された。ビリルビン投与群における
ビリルビン酸化代謝物の増加はビリルビン・ブレオマイ
シン投与群と比較して非常に限られていたので、ビリル
ビンはそれ自体が酸化され、ブレオマイシン誘発肺線維
症に対して抗酸化剤として作用したことは明らかであっ
た。これらの知見は、ビリルビンが肺におけるブレオマ
イシン誘発酸化に対して肺を保護するという極めて大事
な役割を果していることを示唆していた。ところで、喫
煙もまた肺に対して酸化的ストレスを与え、肺気腫の危
険因子であることが明らかにされている。喫煙者の血漿
ビリルビン値は非喫煙者のそれより著しく低いが、これ
はインビボにおいてそれ自体が酸化的分解することを介
して抗酸化剤として機能していることを示すものであ
る。ビリルビンは反応性酸素種に対して効力があるスカ
ベンジャーであり、スーパーオキサイドアニオンと化学
的に相互作用を示し、オキシダントを発生させる一連の
経路を抑える抗酸化剤として機能する。それ故、ビリル
ビンはブレオマイシン投与後の肺炎症における種々のオ
キシダントのスカベンジャーとして機能しており、ラッ
トの尿中におけるビリルビン酸化代謝物の増加は全体的
な酸化状態についての部分的な指標となりうることは明
らかである。マウスにおいては、スーパーオキサイドジ
スムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペロキシダーゼ
を含む抗酸化剤の活性はブレオマイシン投与から2日後
には減少し、4日後には増加することが知られている
が、上記の実験においては、ラットではブレオマイシン
が抗酸化剤量に影響を及ぼし、抗酸化剤はブレオマイシ
ンの酸化作用に対して機能している可能性を示唆してい
る。肺線維症の患者の気管支肺胞洗浄液中には、酸化さ
れた細胞外グルタチオン量が増加していることが知られ
ているが、上記の実験ではそのような測定はなされなか
った。作用機序についての更なる検討が必要のようであ
る。
【0031】損傷を受けた肺組織におけるブレオマイシ
ンの直接的な酸化作用のほか、それと同時に起こる炎症
細胞の活性化が肺線維症の進行には必須の過程であると
されている。肺線維症の実験動物モデルや患者における
線維化を誘導するサイトカインとしてのβ1型トランス
フォーミング増殖因子は最も効力のある炎症制御因子で
あり、結合組織合成を引き起こす。Giriらは抗β1型ト
ランスフォーミング増殖因子抗体がブレオマイシン投与
マウスにおける肺コラーゲン沈着を減じることを報告し
ている(Thorax 1993;48:959-966)。ビリルビン・ブレ
オマイシン投与群から得られた気管支肺胞洗浄液中のβ
1型トランスフォーミング増殖因子量はブレオマイシン
投与群のそれに比較して著しく少ないというデータは上
記の報告内容と合致している。
【0032】免疫システムの複雑なカスケードにおいて
は、肺胞マクロファージは間質性肺炎症におけるβ1型
トランスフォーミング増殖因子の主たる生成源である。
しかし、上記の実験においては、気管支肺胞洗浄液中の
マクロファージの数は4つの群の間で異ならなかった。
他の報告によると、ブレオマイシン投与後数週間以内の
早い時期に気管支肺胞洗浄液中の全細胞数が明らかに増
加するとある。このブレオマイシン処置後の細胞数の初
期段階での変化は主に多形核白血球とリンパ球の増加に
よるものであり、肺胞マクロファージの数は増加しなか
った。上記の実験における、気管支肺胞洗浄液中のリン
パ球と多形核白血球の著しい増加はこれらの報告内容と
一致している。従って、ブレオマイシン投与後の細胞数
の時間的変化は細胞種によって異なっているのかもしれ
ない。線維化肺から得られた気管支肺胞洗浄液中におけ
るβ1型トランスフォーミング増殖因子量の上昇は肺胞
マクロファージの数の増加と常に一致しているわけでは
ない。従って、肺胞マクロファージの活性化は気管支肺
胞洗浄液中のβ1型トランスフォーミング増殖因子量の
多さを維持するのに必要である。
【0033】ビリルビンは抗酸化効果を有するが、それ
自体が高い反応性を有している。その毒性は容量依存的
であり、10mg/dl以上の血漿ビリルビン値とアルブミン
に対するビリルビンの比率が1以上であると新生赤血球
細胞に対して毒性を示し、未成熟ラットにおけるグルコ
ースの局所的な脳代謝率を減じさせる。本発明者らはビ
リルビン投与群において肺以外の器官障害を調べていな
いが、核黄疸を示す患者において観察されるような出血
を含む炎症性の変化をラットの肺においては認められな
かった。それ故、10mg/dl以下のビリルビンの静脈内投
与ではラットに対して顕著な毒性とならない。事実、ビ
リルビン投与群のすべてのラットは実験期間を通して生
存していた。
【0034】要約すると、形態上と生化学的な実験を通
してラットにおけるブレオマイシン誘発肺線維症に対す
る高ビリルビン血症の有益な効果を明らかにすることが
できた。ビリルビン・ブレオマイシン投与群における尿
中のビリルビン酸化代謝物の増加に基づいて、ビリルビ
ンの抗酸化作用がラットにおける肺線維症の抑制に部分
的に関与していると結論付けられた。上記の実験結果
は、ビリルビンが血清中の酸素ラジカルの生理的許容力
を維持するために必須の成分であるというだけではな
く、ある種の酸化的状態、例えば、肺線維症における炎
症状態などに対し、間質性肺炎への治療上における重要
な役割を果し得るという考え方を支持している。新生児
黄疸は生後における他の抗酸化システムが十分に機能し
得ない間の反応性酸素種に対する適応性防御現象である
という事実によって上記の可能性は支持されている。ビ
リルビンはヒト血清中に本来的に存在するものであるの
で、ビリルビンは肺線維症治療の候補化合物となり得る
ことを強く支持している。なお、本発明者らは、以上の
知見の他に、特発性肺線維症患者が高ビリルビン血症を
伴った場合、その病状が改善することを確認している。
【0035】製剤例:注射剤 ビリルビン(4.8mg/ml)をpH7.4の0.5M水酸化ナトリウ
ム溶液と0.055Mリン酸緩衝液と5%牛血清アルブミン溶液
との混合液(容積比1:2:7)に溶解した後、滅菌して注
射剤とした。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、治療効果の高い間質性
肺炎・肺線維症の予防治療剤を提供される。特に、ブレ
オマイシンによる化学療法を行った際の副作用として発
症する間質性肺炎・肺線維症の予防治療剤として有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブレオマイシン経気管注入後の日数と生存率
の関係を示すグラフ。
【図2】 組織病理評価による肺の写真(黒棒は100倍
率による100μmを表す)。
【図3】 気管支肺胞洗浄液の白血球特性を示すグラ
フ。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C050 AA01 BB04 CC16 EE01 FF02 GG01 HH04 4C086 AA01 AA02 BC05 MA01 MA04 NA14 ZA59 ZC54

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビリルビンまたはその塩を有効成分とす
    ることを特徴とする間質性肺炎および/または肺線維症
    の予防治療剤。
  2. 【請求項2】 間質性肺炎および/または肺線維症がブ
    レオマイシンによる化学療法を行った際の副作用として
    のものであることを特徴とする請求項1記載の予防治療
    剤。
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