JP2003109756A - 発光装置の作製方法 - Google Patents

発光装置の作製方法

Info

Publication number
JP2003109756A
JP2003109756A JP2002232928A JP2002232928A JP2003109756A JP 2003109756 A JP2003109756 A JP 2003109756A JP 2002232928 A JP2002232928 A JP 2002232928A JP 2002232928 A JP2002232928 A JP 2002232928A JP 2003109756 A JP2003109756 A JP 2003109756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
adhesive layer
film
insulating film
emitting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002232928A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003109756A5 (ja
JP4190825B2 (ja
Inventor
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2002232928A priority Critical patent/JP4190825B2/ja
Publication of JP2003109756A publication Critical patent/JP2003109756A/ja
Publication of JP2003109756A5 publication Critical patent/JP2003109756A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4190825B2 publication Critical patent/JP4190825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分や酸素の透過による劣化を抑えることが
可能な、プラスチック基板上に形成された発光素子を有
する発光装置の作製方法の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明は発光素子を密封する際、少なく
とも酸素や水分の透過を防ぐことができる無機絶縁膜
と、無機絶縁膜よりも内部応力の小さい有機絶縁膜とが
内側に積層された、プラスチックのフィルムを用いて真
空封止する。無機絶縁膜に比べて内部応力が小さい有機
絶縁膜を、無機絶縁膜の間に挟むことで、内部応力を緩
和することができる。複数の無機絶縁膜を積層すること
で、無機絶縁膜にクラックが生じても、他の無機絶縁膜
で水分や酸素が有機発光層に入り込むのを効果的に防ぐ
ことができる。また、封止膜全体の応力を緩和すること
ができ、応力によるクラックが入りにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】半導体装置の作製方法に関
し、特に、プラスチック基板上に形成された発光素子、
例えば有機発光素子(OLED:Organic Light Emitti
ng Device)を有する発光装置に関する。また、該OL
EDパネルにコントローラを含むIC等を実装した、O
LEDモジュールに関する。なお本明細書において、O
LEDパネル及びOLEDモジュールを共に発光装置と
総称する。本発明はさらに、該発光装置を用いた電子機
器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、基板上にTFT(薄膜トランジス
タ)を形成する技術が大幅に進歩し、アクティブマトリ
クス型表示装置への応用開発が進められている。特に、
ポリシリコン膜を用いたTFTは、従来のアモルファス
シリコン膜を用いたTFTよりも電界効果移動度(モビ
リティともいう)が高いので、高速動作が可能である。
そのため、従来、基板外の駆動回路で行っていた画素の
制御を、画素と同一の基板上に形成した駆動回路で行う
ことが可能となっている。
【0003】このようなアクティブマトリクス型表示装
置は、同一基板上に様々な回路や素子を作り込むことで
製造コストの低減、表示装置の小型化、歩留まりの上
昇、スループットの低減など、様々な利点が得られる。
【0004】そしてさらに、自発光型素子としてOLE
Dを有したアクティブマトリクス型発光装置(以下、単
に発光装置と呼ぶ)の研究が活発化している。発光装置
は有機発光装置(OELD:Organic EL Display)又は
有機ライトエミッティングダイオード(OLED:Orga
nic Light Emitting Diode)とも呼ばれている。
【0005】OLEDは自ら発光するため視認性が高
く、液晶表示装置(LCD)で必要なバックライトが要
らず薄型化に最適であると共に、視野角にも制限が無
い。そのため、近年OLEDを用いた発光装置は、CR
TやLCDに代わる表示装置として注目されている。
【0006】OLEDは、電場を加えることで発生する
ルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる有
機化合物(有機発光材料)を含む層(以下、有機発光層
と記す)と、陽極層と、陰極層とを有している。有機化
合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から
基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から
基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明
の発光装置は、上述した発光のうちの、いずれか一方の
発光を用いていても良いし、または両方の発光を用いて
いても良い。
【0007】なお、本明細書では、OLEDの陽極と陰
極の間に形成された全ての層を有機発光層と定義する。
有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入層、電子注
入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。基本的に
OLEDは、陽極/発光層/陰極が順に積層された構造
を有しており、この構造に加えて、陽極/正孔注入層/
発光層/陰極や、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送
層/陰極等の順に積層した構造を有していることもあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような発光装置を
利用したアプリケーションは、様々なものが期待されて
いるが、特に発光装置の厚みが薄いこと、従って軽量化
が可能であることにより携帯機器への利用が注目されて
いる。そのため、フレキシブルなプラスチックフィルム
の上にOLEDを形成することが試みられている。
【0009】プラスチックフィルム等の可撓性を有する
基板の上にOLEDが形成された発光装置は、厚みが薄
く軽量であるということに加えて、曲面を有するディス
プレイや、ショーウィンドウ等などにも用いることがで
きる。よって、その用途は携帯機器のみに限られず、応
用範囲は非常に広い。
【0010】しかし、プラスチックからなる基板は、一
般的に水分や酸素を透過しやすく、有機発光層はこれら
のものによって劣化が促進されるので、発光装置の寿命
が短くなりやすい。そこで従来では、プラスチック基板
とOLEDの間に窒化珪素や窒化酸化珪素などの絶縁膜
を設け、水分や酸素の有機発光層への混入を防いでい
た。
【0011】しかし、プラスチックフィルム等の基板は
一般的に熱に弱く、窒化珪素や窒化酸化珪素などの絶縁
膜の成膜温度を高くしすぎると、基板が変形しやすくな
る。しかし成膜温度が低すぎると膜質の低下につなが
り、水分や酸素の透過を十分防ぐことが難しくなる。
【0012】さらに、水分や酸素の透過を防ぐために、
窒化珪素や窒化酸化珪素などの絶縁膜の膜厚を厚くする
と、内部応力が大きくなり、クラック(亀裂)が入りや
すくなる。また、膜厚を厚くすると、基板を曲げたとき
に膜にクラックが入りやすくなする。
【0013】本発明は上記問題に鑑み、水分や酸素の透
過による劣化を抑えることが可能な、プラスチック基板
上に形成されたOLEDを有する発光装置の提供を課題
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁表面を有
する基板上に設けられたOLEDを密封する技術に関す
るものである。本発明はOLEDを密封する際、少なく
とも酸素や水分の透過を防ぐことができる無機材料から
なる絶縁膜(以下、無機絶縁膜と呼ぶ)と、無機絶縁膜
よりも内部応力の小さい有機材料からなる絶縁膜(以
下、有機絶縁膜と呼ぶ)とが内側に積層された、プラス
チックのフィルムを用いて真空封止する。
【0015】具体的には、無機絶縁膜を2層以上設け
て、さらに該2層の無機絶縁膜の間に樹脂を有する有機
絶縁膜を設ける。そして、該3層以上の絶縁膜が内側に
積層された袋状のプラスチックフィルムの内部に、OL
EDが設けられた基板を入れて密封することにより、発
光装置を形成する。
【0016】なお、無機絶縁膜が成膜されたプラスチッ
クフィルムの柔軟性を高めるため、無機絶縁膜を成膜す
る際に反応ガスに希ガス元素を加え、膜の内部応力を緩
和させても良い。
【0017】本発明では、複数の無機絶縁膜を積層する
ことで、無機絶縁膜にクラックが生じても、他の無機絶
縁膜で水分や酸素が有機発光層に入り込むのを効果的に
防ぐことができる。さらに、無機絶縁膜の成膜温度が低
いために無機絶縁膜の膜質が低下するようなことがあっ
ても、複数の無機絶縁膜を積層することで、水分や酸素
の有機発光層への混入を効果的に防ぐことができる。
【0018】また、無機絶縁膜に比べて内部応力が小さ
い有機絶縁膜を、有機絶縁膜の間に挟むことで、内部応
力を緩和することができる。よって、トータルの無機絶
縁膜の厚さは同じであっても、1層のみの無機絶縁膜に
比べて、有機絶縁膜を間に挟んだ無機絶縁膜は、内部応
力によるクラックが入りにくい。
【0019】また、無機絶縁膜と有機絶縁膜の積層によ
り、よりフレキシブルになり、曲げたときのクラックを
防ぐことができる。
【0020】また、前記無機絶縁膜と有機絶縁膜を積層
した膜(以下、封止膜と呼ぶ)は、真空圧着によりOL
EDが形成された基板と密接して設けられる。従って、
前記封止膜はある程度の柔軟性を有し、且つ可視光に対
して透明もしくは半透明な膜である。
【0021】また、本明細書において、可視光に対して
透明とは可視光の透過率が80〜100%であることを
指し、可視光に対して半透明とは可視光の透過率が50
〜80%であることを指す。
【0022】また、上記構成において、上記OLEDの
劣化を抑えるために、OLEDが形成された基板と、真
空で封止されたプラスチックフィルムの間に乾燥剤を設
けることが好ましい。乾燥剤は酸化バリウム、シリカゲ
ルなどが好適である。乾燥剤は、フレキシブルプリント
基板を貼りつける前後に設置すればよい。また、フレキ
シブルプリント基板のフレキシブルフィルムに乾燥剤を
設置した後、フレキシブルプリント基板を貼りつけても
よい。また、設置する箇所は、プラスチックフィルムで
真空圧着する箇所の近傍に設置することが好ましい。
【0023】なお、本明細書では、プラスチックフィル
ムで封止されて、はじめてOLEDパネルとして完成す
るが、プラスチックフィルムで封止する前の状態のパネ
ルをOLEDパネルと呼んでも良い。
【0024】
【発明の実施の形態】まず、プラスチック基板を用いて
形成されたOLEDパネル101に、電源の電圧や各種
信号を供給するためのFPC103を実装する。また、
OLEDが酸素や水分等によって劣化するのを防止する
ため、乾燥剤104を設ける。乾燥剤104は、吸湿性
物質(好ましくは酸化バリウム)もしくは酸素を吸着し
うる物質を用いる。ここでは、後の真空圧着の工程で封
止膜及びプラスチックフィルムが破壊されないように、
乾燥剤104をFPC103と基板101の端面とに接
する箇所に設け、封止膜及びプラスチックフィルムが局
所的に延伸されないようにする。
【0025】次いで、内部にガスバリアー性を有する封
止膜109が形成された、袋状のプラスチックフィルム
105の中にOLEDパネル101を乾燥剤104と共
に入れる。このときFPC103とOLEDパネル10
1が接続している部分をプラスチックフィルム105の
中に配置する(図1(A))。
【0026】封止膜109は、2層以上の無機絶縁膜
と、該無機絶縁膜の間に設けられた有機絶縁膜とからな
る。無機絶縁膜は、酸素や水分の透過を防ぐことができ
る無機材料を有する絶縁膜であり、有機絶縁膜は無機絶
縁膜よりも内部応力の小さい有機材料を有する絶縁膜を
用いる。
【0027】例えば本実施の形態では、プラスチックフ
ィルム105に接する無機絶縁膜106と、無機絶縁膜
106に接する有機絶縁膜107と、有機絶縁膜107
に接する無機絶縁膜108とを、封止膜109として用
いる。
【0028】なお、無機絶縁膜は2層以上設けていれば
良い。そして無機絶縁膜は、例えば窒化珪素、窒化酸化
珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化酸化
アルミニウムまたは窒化酸化珪化アルミニウム(AlS
iON)を用いることができる。窒化酸化珪化アルミニ
ウムは熱伝導度が比較的高いので、無機絶縁膜に用いる
ことで、素子で発生した熱を効率良く放熱することがで
きる。
【0029】無機絶縁膜の膜厚は50nm〜3μmの範
囲であることが望ましい。なお、無機絶縁膜の成膜方法
はプラズマCVD法のみに限定されず、実施者が適宜設
定することができる。例えば、LPCVD法、スパッタ
法等を用いて成膜しても良い。
【0030】また、有機絶縁膜には、透光性を有し、無
機絶縁膜よりも内部応力が小さく、なおかつ後の工程の
熱処理に耐えうる有機絶縁膜を形成することができる材
料を用いることができる。例えば代表的には、ポリイミ
ド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾ
シクロブテンもしくはエポキシ樹脂等を用いることが可
能である。なお、上述した以外の樹脂を用いることもで
きる。
【0031】有機絶縁膜の膜厚は、200nm〜2μm
の範囲であることが望ましい。
【0032】そして、袋状のプラスチックフィルム10
5の中を真空に引き、袋の入り口を接着剤102で封止
することで、プラスチックフィルム105の内部におい
て、OLEDパネル101が封止膜109に囲まれた状
態で密封される。なお、FPC103の一部は、電源の
電圧や各種信号を供給するためにプラスチックフィルム
105の外部に出しておく。
【0033】図1(B)に真空圧着後の発光装置の断面
図を、図1(C)に上面図を示す。図1(B)は、図1
(C)のA−A’における断面図に相当する。なお、プ
ラスチックフィルム105及び封止膜109は、可視光
に対して透明もしくは半透明であることが肝要である。
さらに、プラスチックフィルム105は、真空圧着が可
能な材料であれば良い。
【0034】なお、本実施の形態では接着剤を用いてプ
ラスチックフィルムを封止しているが、プラスチックフ
ィルムの内部を一部封止膜で覆わない領域を設け、該領
域においてプラスチックフィルムを熱圧着するようにし
ても良い。また、熱圧着後に圧着部分を接着剤でさらに
封止を強化してもよい。なお、熱圧着の際、FPCのフ
レキシブルテープとも接着されるようなフィルム材料で
あることが好ましい。
【0035】プラスチックフィルムの材料としては、熱
可塑性の樹脂材料(ポリエステル、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ弗化ビニル、ポリスチレン、ポリア
クリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロ
ン等)、代表的には、PVF(ポリ弗化ビニル)フィル
ム、マイラーフィルム、またはアクリル樹脂フィルムを
用いればよい。
【0036】ここではプラスチックフィルムとして袋
状、空箱状のものを用いたが、2枚のシート状のものを
重ねて四辺を全て接着剤で封止するか、熱圧着で封止す
るようにしてもよい。
【0037】また、基板上にOLEDを形成した後は、
可能な限りOLEDが外気に曝されないように上記工程
を行うことが望ましい。
【0038】こうして、本発明により、水分、酸素等に
よる劣化が低減され、信頼性の高いOLEDを用いた発
光装置を提供することができる。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0040】(実施例1)本実施例では、袋状のプラス
チックフィルムの内部に封止膜を成膜する方法について
説明する。
【0041】図2に、プラズマCVDを用いた封止膜の
成膜装置の構成を示す。チャンバー201内にRF電源
202に接続された電極203と、接地されている電極
204とが設けられている。
【0042】そして、電極203は袋状のプラスチック
フィルム205の外側を覆うように配置されており、電
極204は袋状のプラスチックフィルム205の内部に
配置されている。なお、電極203とプラスチックフィ
ルム205の距離と、電極204とプラスチックフィル
ム205の距離は、プラスチックフィルム205の外側
よりも内側に積極的に封止膜が成膜されるように設定す
ることが肝要である。具体的には、電極203とプラス
チックフィルム205の距離が、電極204とプラスチ
ックフィルム205の距離よりも長くなるように配置す
る。さらには、電極203とプラスチックフィルム20
5の距離が3mm以上、さらには10mm以上離れてい
ることが望ましい。
【0043】プラスチックフィルム205は、その位置
がホルダー206で固定されている。ホルダー206
は、袋状のプラスチックフィルム205の入り口を封じ
てしまわないような構成を有している。
【0044】なお、封止膜を成膜する際に、プラスチッ
クフィルム205の内側の一部にホルダー206を密着
させることで、プラスチックフィルム205の内側に、
封止膜が成膜されずにプラスチックフィルムが露出して
いる領域を作ることが可能である。そして、OLEDパ
ネルを熱圧着により封止するとき、プラスチックフィル
ムが露出している領域において熱圧するようにしても良
い。
【0045】本実施例では、プラスチックフィルム20
5の内側に、2層以上の無機絶縁膜と、該無機絶縁膜の
間に設けられた有機絶縁膜とからなる封止膜208を成
膜する例について説明する。
【0046】無機絶縁膜は、酸素や水分の透過を防ぐこ
とができる無機材料を有する絶縁膜であり、有機絶縁膜
は無機絶縁膜よりも内部応力の小さい有機材料を有する
絶縁膜を用いる。本実施例では具体的に、PETからな
るプラスチックフィルム205に接するように、窒化酸
化珪素からなる無機絶縁膜209を成膜し、前記無機絶
縁膜209に接するようにポリエチレンからなる有機絶
縁膜210を成膜し、有機絶縁膜210に接するように
窒化酸化珪素からなる無機絶縁膜211を成膜する。
【0047】なお、プラスチックフィルムと、無機絶縁
膜の材料はこれに限定されない。プラスチックフィルム
と、無機絶縁膜の材料は、実施の形態に示した材料を自
由に選択して用いることが可能である。ただし、本実施
例ではプラズマCVD法を用いて封止膜を成膜するの
で、無機絶縁膜の材料は、プラズマCVDによって成膜
が可能な材料であることが必要である。
【0048】また、有機絶縁膜の材料はポリエチレンに
限定されず、透光性を有し、無機絶縁膜よりも内部応力
が小さく、なおかつ後の工程の熱処理に耐えうる有機絶
縁膜を形成することができる材料であれば良い。ただ
し、本実施例ではプラズマCVD法を用いて封止膜を成
膜するので、有機絶縁膜は、プラズマCVD法によって
成膜が可能な材料であることが肝要である。例えば、ポ
リエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレ
ン、ベンゾシクロブテン、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)、ポリ塩化ビニル、ポリパラキシリレン系樹脂等を
用いることが可能である。
【0049】まず、チャンバー201内を真空排気した
後、反応ガスとしてSiH4、NH3、及びN2Oをチャ
ンバー201内に導入し、プラズマCVD法を用いて窒
化酸化珪素からなる無機絶縁膜209を成膜する。
【0050】次に、再びチャンバー201内を真空排気
した後、反応ガスとしてエチレンをチャンバー201内
に導入し、プラズマCVD法を用いてポリエチレンから
なる有機絶縁膜210を成膜する。
【0051】次に、再びチャンバー201内を真空排気
した後、反応ガスとしてSiH4、NH3、及びN2Oを
チャンバー201内に導入し、プラズマCVD法を用い
て窒化酸化珪素からなる無機絶縁膜211を成膜する。
【0052】なお、予め内壁に保護絶縁膜207を設け
ておくことで、チャンバー201の内壁に封止膜の原料
が成膜されるのを防ぎ、プラスチックフィルム205に
積極的に封止膜208が成膜されるようにすることがで
きる。
【0053】なお本実施例では、封止膜208をプラズ
マCVD法を用いて成膜しているが、封止膜の成膜方法
はこれに限定されない。例えば、熱CVD法、蒸着法、
スパッタ法、減圧熱CVD法等を用いて成膜しても良
い。
【0054】(実施例2)本実施例では、プラスティッ
クフィルムを用いたOLEDパネルの封止方法について
説明する。
【0055】図3に、袋状のプラスティックフィルムの
内部にOLEDパネルを封止する装置(封止装置)の構
成を示す。封止装置は仕切り膜301で仕切られた2つ
のチャンバーA302、チャンバーB303を有してい
る。仕切り膜301は弾性を有しており、外力によって
ひずみ(変形)を受けても、そのひずみをもとにもどそう
とする力を生ずる性質を有している。
【0056】チャンバーA302とチャンバーB303
はそれぞれ個別に排気系を有している。そして、チャン
バーB303は、ヒーター304と、冷却器305を有
している。
【0057】まず、図3(A)に示すように、袋状のプ
ラスチックフィルム306の内部にOLEDパネル30
7を入れ、チャンバーB303内に配置する。このとき
OLEDパネル307にFPC310が実装されてお
り、袋状のプラスチックフィルム306の入り口付近に
接着剤308が配置されている。
【0058】次に、チャンバーA302とチャンバーB
303の内部を真空排気した後、チャンバーB303内
に不活性ガス(本実施例ではAr)を流し、再び真空排
気することでチャンバーB303内の酸素や水分を除去
する。
【0059】次に、ヒーター304を用いて接着剤30
8を溶解する。なお本実施例では、接着剤308には加
熱溶融により接着するホットメルト接着剤を用いる。代
表的には、エチレン‐酢酸ビニル共重合体,ポリアミ
ド,ポリエステルなどを主剤とする接着剤を用いること
が可能である。
【0060】次に、接着剤308を加熱溶融させた状態
のまま、図3(B)に示すように、チャンバーB303
がチャンバーA302に押しつすように、大気開放など
してチャンバーA302内の圧力を高める。その結果、
弾性を有する仕切り膜301によってプラスチックフィ
ルム306が圧迫される。そして、溶融した接着剤30
8も圧迫されるので、結果的にプラスチックフィルム3
06内部にOLEDパネル307が真空密封される。
【0061】そしてこの状態のまま、冷却器305を用
いて接着剤308を冷却し、プラスチックフィルム30
6内部にOLEDパネル307が真空密封された状態
で、接着剤308を固化させる。
【0062】次に、図3(C)に示すようにチャンバー
B303内の圧力を高め、仕切り膜301を封止された
OLEDパネル307から離す。
【0063】上述した方法により、OLEDパネル30
7を袋状のプラスチックフィルム内に真空封止すること
ができる。
【0064】なお、OLEDパネルの封止の仕方は本実
施例に示した方法に限定されない。
【0065】本実施例は、実施例1と自由に組み合わせ
て実施することが可能である。
【0066】(実施例3)本実施例では、プラスチック
基板上にOLEDを有する、本発明のOLEDパネルの
作製方法について説明する。なお、図4、図5に示した
のは、画素部及び駆動回路における作製工程を示す断面
図である。
【0067】図4(A)において、第1基板1101上
に、非晶質珪素膜からなる第1接着層1102が100
〜500nm(本実施例では300nm)の厚さに形成
される。本実施例では第1基板1101としてガラス基
板を用いるが、石英基板、シリコン基板、金属基板もし
くはセラミックス基板を用いても構わない。第1基板1
101は、後の作製工程における処理温度に耐えうる材
料であれば良い。
【0068】また、第1接着層1102の成膜は減圧熱
CVD法、プラズマCVD法、スパッタ法もしくは蒸着
法を用いれば良い。第1接着層1102の上には酸化珪
素膜からなる絶縁膜1103が200nmの厚さに形成
される。絶縁膜1103の形成は減圧熱CVD法、プラ
ズマCVD法、スパッタ法もしくは蒸着法を用いれば良
い。絶縁膜1103は、第1接着層1102を除去して
第1基板1101を剥離させるときに、第1基板110
1上に形成されている素子を保護する効果がある。
【0069】次に、絶縁膜1103の上に素子を形成す
る(図4(B))。ここで素子とは、アクティブマトリ
クス型の発光装置ならば画素のスイッチング素子として
用いる半導体素子(典型的にはTFT)もしくはMIM
素子並びにOLED等を指す。また、パッシブ型の発光
装置ならばOLEDを指す。図4(B)では、代表的な
素子として、駆動回路1106のTFT1104aと、
画素部のTFT1104b、1104c及びOLED1
105とを示した。
【0070】そして、これらの素子を覆って、絶縁膜1
108を形成する。絶縁膜1108は、成膜後の表面が
より平坦であることが好ましい。なお、絶縁膜1108
は必ずしも設ける必要はない。
【0071】次に、図4(C)に示すように、第2接着
層1109により第2基板1110を貼り合わせる。本
実施例では第2基板1110としてプラスチック基板を
用いる。具体的には、第2基板として、厚さ10μm以
上の樹脂基板、例えばPES(ポリエーテルスルホ
ン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレ
ンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフ
タレート)を用いることができる。
【0072】また、第2接着層1109としては、後に
第1接着層1102を除去する際に選択比のとれる材料
を用いる必要がある。代表的には樹脂からなる絶縁膜を
用いることができ、本実施例ではポリイミドを用いる
が、アクリル、ポリアミドもしくはエポキシ樹脂を用い
ても良い。なお、OLEDから見て観測者側(発光装置
の使用者側)に位置する場合は、光を透過する材料であ
ることが必要である。
【0073】次に、図5(A)に示すように、第1基板
1101、第2基板1110及び第1基板1101と第
2基板1110の間に形成された全ての素子や膜全体
を、フッ化ハロゲンを含むガス中に晒し、第1接着層1
102の除去を行う。本実施例ではフッ化ハロゲンとし
て三フッ化塩素(ClF3)を用い、希釈ガスとして窒
素を用いる。希釈ガスとしては、アルゴン、ヘリウムも
しくはネオンを用いても良い。流量は共に500scc
m(8.35×10-63/s)とし、反応圧力は1〜
10Torr(1.3×102〜1.3×103Pa)と
すれば良い。また、処理温度は室温(典型的には20〜
27℃)で良い。
【0074】この場合、珪素膜はエッチングされるが、
プラスチックフィルム、ガラス基板、ポリイミド膜、酸
化珪素膜はエッチングされない。即ち、三フッ化塩素ガ
スに晒すことで第1接着層1102が選択的にエッチン
グされ、最終的には完全に除去される。なお、同じく珪
素膜で形成されているTFTの活性層は表面に露出して
いないため、三フッ化塩素ガスに晒されることがなく、
エッチングされることはない。
【0075】本実施例の場合、第1接着層1102は露
呈した端部から徐々にエッチングされていき、完全に除
去された時点で第1基板1101と絶縁膜1103が分
離される。このとき、TFT及びOLEDは薄膜を積層
して形成されているが、第2基板1110に移された形
で残る。
【0076】なお、ここでは第1接着層1102が端部
からエッチングされていくことになるが、第1基板11
01が大きくなると完全に除去されるまでの時間が長く
なり好ましいものではない。従って、本実施例は第1基
板1101が対角3インチ以下(好ましくは対角1イン
チ以下)の場合に実施することが望ましい。
【0077】こうして第1基板1101を剥離したら、
図5(B)に示すように、第3接着層1113を形成
し、第3基板1112を貼り合わせる。本実施例では第
3基板1112としてプラスチック基板を用いる。具体
的には、第3基板として、厚さ10μm以上の樹脂基
板、例えばPES(ポリエーテルスルホン)、PC(ポ
リカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)を用
いることができる。
【0078】第3接着層1113として、樹脂からなる
絶縁膜(代表的にはポリイミド、アクリル、ポリアミド
もしくはエポキシ樹脂)を用いることができる。なお、
OLEDから見て観測者側に位置する場合は、光を透過
する材料であることが必要である。
【0079】こうして、二枚の可撓性を有する基板11
10、1112によって挟まれたフレキシブルなOLE
Dパネル(発光装置)を得ることができる。なお、第2
基板1110と第3基板1112とを同一材料にする
と、熱膨張係数が等しくなるので、温度変化による内部
応力歪みの影響を受けにくくすることができる。
【0080】次に、図5(C)に示すように、封止膜1
119が成膜されたプラスチックフィルム1118で、
OLEDパネルを封止する。なお封止の際、封止膜11
19がプラスチックフィルム1118とOLED110
5との間に配置されるようにする。
【0081】なお本実施例では、封止膜1119とし
て、プラスチックフィルム1118に近い側から無機絶
縁膜1119a、有機絶縁膜1119b、無機絶縁膜1
119cが形成されている。
【0082】本実施例に基づいて作製された発光装置
は、プラスチック基板の耐熱性に制限されることなく、
半導体を用いた素子(例えばTFT)を形成することが
できるので、非常に高性能なものとすることができる。
【0083】なお、本実施例では、第1接着層1102
として非晶質珪素を用い、該第1接着層1102をフッ
化ハロゲンを含むガスで除去しているが、本発明はこの
構成に限定されない。第1接着層の材料及びその除去の
仕方は、実施者が設定することが可能である。第1接着
層以外の、除去するのを目的としない基板、素子及び膜
が、第1接着層と共に除去されることで、発光装置の動
作に支障をきたすことがないように、第1接着層の材料
及びその除去の仕方を設定することが肝要である。ま
た、第1接着層の材料は、第1接着層を除去する工程以
外のプロセスにおいて、除去されることのない材料であ
ることが肝要である。
【0084】例えば、第1接着層として、照射するレー
ザー光で全部または一部が気化する有機物を用いても良
い。また、第1接着層がレーザー光を吸収する特性を有
するもの、例えば、YAGレーザーの第2高調波を用い
る場合、効率よく第1接着層のみにレーザー光を吸収さ
せるために、有色、あるいは黒色(例えば、黒色着色剤
を含む樹脂材料)のものを用いることが望ましい。ただ
し、第1接着層は素子形成工程における熱処理によって
気化しないものを用いる。
【0085】また、第1、第2または第3接着層は単層
であっても積層であってもよく、接着層と基板の間にア
モルファスシリコン膜またはDLC膜を設けていてもよ
い。
【0086】また、第1接着層を非晶質珪素膜で形成
し、後の工程で、この第1接着層にレーザー光を照射す
ることにより第1基板を剥離してもよい。この場合、第
1基板を剥離しやすくするため、水素を多く含む非晶質
珪素膜を用いることが好ましい。レーザー光を照射する
ことにより非晶質珪素膜に含まれる水素を気化するの
で、第1基板が剥離しやすくなる。
【0087】レーザー光としては、パルス発振型または
連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YV
4レーザーを用いることができる。レーザー光を第1
基板を通過させて第1接着層に照射して、第1接着層の
みを気化させて第1基板を剥離する。従って、第1基板
としては少なくとも照射するレーザー光が通過する基
板、代表的には透光性を有する基板、例えばガラス基
板、石英基板等を用い、さらに第2、第3基板よりも厚
さの厚いものが好ましい。
【0088】本発明においては、レーザー光が第1基板
を通過させるため、レーザー光の種類と第1基板を適宜
選択する必要がある。例えば、第1基板として石英基板
を用いるのであれば、YAGレーザー(基本波(106
4nm)、第2高調波(532nm)、第3高調波(3
55nm)、第4高調波(266nm)あるいはエキシ
マレーザー(波長308nm)を用い、線状ビームを形
成し、石英基板を通過させればよい。なお、エキシマレ
ーザーはガラス基板を通過しない。従って、第1基板と
してガラス基板を用いるのであればYAGレーザーの基
本波、第2高調波、または第3高調波を用い、好ましく
は第2高調波(波長532nm)を用いて線状ビームを
形成し、ガラス基板を通過させればよい。
【0089】また、例えば、第1接着層に対して流体
(圧力が加えられた液体もしくは気体)を噴射すること
により第1基板を分離する方法(代表的にはウォーター
ジェット法)を用いてもよい。
【0090】また、第1接着層を非晶質珪素膜で形成し
た場合、第1接着層をヒドラジン(hydrazine)を用い
て除去するようにしても良い。
【0091】また、例えば、特開平8−288522号
公報に記載されたエッチングで第1基板を分離する方法
を用いても良い。具体的には、第1接着層に、塗布珪素
酸化膜(SOG)を用い、弗化水素を用いて除去するよ
うにしても良い。この場合、除去することを目的としな
い珪素酸化膜は、スパッタまたはCVD法を用いた緻密
な膜にし、弗化水素で第1接着層を除去する際の選択比
が取れるようにすることが肝要である。
【0092】このような構成とすることによって、第2
及び第3基板の厚さが非常に薄い、具体的には50μm
〜300μm、好ましくは150μm〜200μmの厚
さの基板を用いても、信頼性の高い発光装置を得ること
ができる。また、従来ある公知の製造装置を用いて、こ
のように厚さの薄い基板上に素子形成を行うことは困難
であったが、本発明は第1基板に貼り合わせて素子形成
を行うため、装置の改造を行うことなく厚さの厚い基板
を用いた製造装置を使用することができる。
【0093】また、多層の絶縁膜で形成された封止膜を
用いることで、水分や酸素の透過による劣化をより効果
的に抑えることが可能になる。また、基板を曲げたとき
のクラックを防いで、よりフレキシブルな発光装置を実
現することが可能になる。
【0094】本実施例は、実施例1または実施例2と自
由に組み合わせて実施することが可能である。
【0095】(実施例4)本実施例では、プラスチック
基板上にOLEDを有する、本発明のOLEDパネルの
実施例3とは異なる作製方法について説明する。なお、
図6、図7に示したのは、画素部及び駆動回路における
作製工程を示す断面図である。
【0096】図6(A)において、第1基板1201上
に、非晶質珪素膜からなる第1接着層1202が100
〜500nm(本実施例では300nm)の厚さに形成
される。本実施例では第1基板1201としてガラス基
板を用いるが、石英基板、シリコン基板、金属基板もし
くはセラミックス基板を用いても構わない。第1基板1
201は、後の作製工程における処理温度に耐えうる材
料であれば良い。
【0097】また、第1接着層1202の成膜は減圧熱
CVD法、プラズマCVD法、スパッタ法もしくは蒸着
法を用いれば良い。第1接着層1202の上には酸化珪
素膜からなる絶縁膜1203が200nmの厚さに形成
される。絶縁膜1203の形成は減圧熱CVD法、プラ
ズマCVD法、スパッタ法もしくは蒸着法を用いれば良
い。絶縁膜1203は、第1接着層1202を除去して
第1基板1201を剥離させるときに、第1基板120
1上に形成されていた素子を保護する効果がある。
【0098】次に、絶縁膜1203の上に素子を形成す
る(図6(B))。ここで素子とは、アクティブマトリ
クス型の発光装置ならば画素のスイッチング素子として
用いる半導体素子(典型的にはTFT)もしくはMIM
素子並びにOLED等を指す。また、パッシブ型の発光
装置ならばOLEDを指す。図6(B)では、代表的な
素子として、駆動回路1206のTFT1204aと、
画素部のTFT1204b、1204c及びOLED1
205とを示した。
【0099】そして、これらの素子を覆って、絶縁膜1
208を形成する。絶縁膜1208は、成膜後の表面が
より平坦であることが好ましい。なお、絶縁膜1208
は必ずしも設ける必要はない。
【0100】次に、図6(C)に示すように、第2接着
層1209により第2基板1210を貼り合わせる。本
実施例では第2基板1210としてガラス基板を用いる
が、石英基板、シリコン基板、金属基板もしくはセラミ
ックス基板を用いても構わない。第2基板1210は、
後の作製工程における処理温度に耐えうる材料であれば
良い。
【0101】第2接着層1209としては、後に第1接
着層1202を除去する際に選択比のとれる材料を用い
る必要がある。さらに後に、第3基板を貼り合わせるた
めの第3接着層が、第2接着層と一緒に除去され第3基
板が剥がれることのないような材料であることが必要で
ある。本実施例では、特開平5−315630号に記載
されている、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミッ
ク酸溶液を用いる。具体的には、第2接着層1209と
して未硬化の樹脂であるポリアミック酸溶液を10〜1
5μmの厚さで成膜した後、熱圧着により第2基板12
10と層間絶縁膜1208とを貼り合わせる。そして、
加熱することで仮硬化を行う。
【0102】なお、本実施例において、第2接着層の材
料はポリアミック酸溶液に限定されない。後に第1接着
層1202を除去する際に選択比のとれる材料であり、
なおかつ、第3基板を貼り合わせるための第3接着層
が、第2接着層と一緒に除去され第3基板が剥がれるこ
とのないような材料であれば良い。また、第2接着層を
除去する工程以外の工程において、除去されないような
材料であることが肝要である。
【0103】次に、図6(D)に示すように、第1基板
1201、第2基板1210及び第1基板1201と第
2基板1210の間に形成された全ての素子や膜全体
を、フッ化ハロゲンを含むガス中に晒し、第1接着層1
202の除去を行う。本実施例ではフッ化ハロゲンとし
て三フッ化塩素(ClF3)を用い、希釈ガスとして窒
素を用いる。希釈ガスとしては、アルゴン、ヘリウムも
しくはネオンを用いても良い。流量は共に500scc
m(8.35×10-63/s)とし、反応圧力は1〜
10Torr(1.3×102〜1.3×103Pa)と
すれば良い。また、処理温度は室温(典型的には20〜
27℃)で良い。
【0104】この場合、珪素膜はエッチングされるが、
プラスチックフィルム、ガラス基板、ポリイミド膜、酸
化珪素膜はエッチングされない。即ち、三フッ化塩素ガ
スに晒すことで第1接着層1202が選択的にエッチン
グされ、最終的には完全に除去される。なお、同じく珪
素膜で形成されているTFTの活性層は表面に露出して
いないため、三フッ化塩素ガスに晒されることがなく、
エッチングされることはない。
【0105】本実施例の場合、第1接着層1202は露
呈した端部から徐々にエッチングされていき、完全に除
去された時点で第1基板1201と絶縁膜1203が分
離される。このとき、TFT及びOLEDは薄膜を積層
して形成されているが、第2基板1210に移された形
で残る。
【0106】なお、ここでは第1接着層1202が端部
からエッチングされていくことになるが、第1基板12
01が大きくなると完全に除去されるまでの時間が長く
なり好ましいものではない。従って、本実施例は第1基
板1201が対角3インチ以下(好ましくは対角1イン
チ以下)の場合に実施することが望ましい。
【0107】こうして第1基板1201を剥離したら、
図7(A)に示すように、第3接着層1213を形成
し、第3基板1212を貼り合わせる。本実施例では第
3基板1210としてプラスチック基板を用いる。具体
的には、第3基板として、厚さ10μm以上の樹脂基
板、例えばPES(ポリエーテルスルホン)、PC(ポ
リカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)を用
いることができる。
【0108】第3接着層1213として、樹脂からなる
絶縁膜(代表的にはポリイミド、アクリル、ポリアミド
もしくはエポキシ樹脂)を用いることができる。なお、
OLEDから見て観測者側に位置する場合は、光を透過
する材料であることが必要である。
【0109】次に、図7(B)に示すように、第2接着
層1209を除去することで、第2基板1210を剥離
する。具体的には、水に約1時間ほど浸すことで第2接
着層1209が除去され、第2基板1210を剥離する
ことができる。
【0110】なお、第2接着層1209の剥離の仕方
は、第2接着層の材料、素子や膜の材料、基板の材料等
によって使い分けることが肝要である。
【0111】こうして、一枚のプラスチック基板121
2を用いたフレキシブルなOLEDパネル(発光装置)
を得ることができる。
【0112】次に、図7(C)に示すように、封止膜1
219が成膜されたプラスチックフィルム1218で、
OLEDパネルを封止する。なお封止の際、封止膜12
19がプラスチックフィルム1218とOLED120
5との間に配置されるようにする。
【0113】なお本実施例では、封止膜1219とし
て、プラスチックフィルム1218に近い側から無機絶
縁膜1219a、有機絶縁膜1219b、無機絶縁膜1
219cが形成されている。
【0114】本実施例により作製された発光装置は、プ
ラスチック基板の耐熱性に制限されることなく、半導体
を用いた素子(例えばTFT)を形成することができる
ので、非常に高性能なものとすることができる。
【0115】なお、本実施例では、第1接着層1202
として非晶質珪素を用い、該第1接着層1202をフッ
化ハロゲンを含むガスで除去しているが、本発明はこの
構成に限定されない。第1接着層の材料及びその除去の
仕方は、実施者が設定することが可能である。第1接着
層以外の、除去するのを目的としない基板、他の接着
層、素子及び膜が、第1接着層と共に除去されること
で、発光装置の動作に支障をきたすことがないように、
第1接着層の材料及びその除去の仕方を設定することが
肝要である。また、第1接着層の材料は、第1接着層を
除去する工程以外のプロセスにおいて、除去されること
のない材料であることが肝要である。
【0116】また、本実施例では、第2接着層1209
としてポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸溶
液を用い、該第2接着層1209を水で除去している
が、本発明はこの構成に限定されない。第2接着層の材
料及びその除去の仕方は、実施者が設定することが可能
である。第2接着層以外の、除去するのを目的としない
基板、他の接着層、素子及び膜が、第2接着層と共に除
去されることで、発光装置の動作に支障をきたすことが
ないように、第2接着層の材料及びその除去の仕方を設
定することが肝要である。また、第2接着層の材料は、
第2接着層を除去する工程以外のプロセスにおいて、除
去されることのない材料であることが肝要である。
【0117】例えば、第1または第2接着層として、照
射するレーザー光で全部または一部が気化する有機物を
用いても良い。また、第1または第2接着層がレーザー
光を吸収する特性を有するもの、例えば、YAGレーザ
ーの第2高調波を用いる場合、効率よく第1または第2
接着層のみにレーザー光を吸収させるために、有色、あ
るいは黒色(例えば、黒色着色剤を含む樹脂材料)のも
のを用いることが望ましい。ただし、第1または第2接
着層は素子形成工程における熱処理によって気化しない
ものを用いる。
【0118】また、第1、第2または第3接着層は単層
であっても積層であってもよく、接着層と基板の間にア
モルファスシリコン膜またはDLC膜を設けていてもよ
い。
【0119】また、第1または第2接着層を非晶質珪素
膜で形成し、後の工程で、この第1または第2接着層に
レーザー光を照射することにより基板を剥離してもよ
い。この場合、基板を剥離しやすくするため、水素を多
く含む非晶質珪素膜を用いることが好ましい。レーザー
光を照射することにより非晶質珪素膜に含まれる水素を
気化するので、基板が剥離しやすくなる。
【0120】レーザー光としては、パルス発振型または
連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YV
4レーザーを用いることができる。第1基板を剥離す
る場合、レーザー光を第1基板を通過させて第1接着層
に照射して、第1接着層のみを気化させて第1基板を剥
離する。第2基板を剥離する場合、レーザー光を第2基
板を通過させて第2接着層に照射して、第2接着層のみ
を気化させて第2基板を剥離する。従って、第1または
第2基板としては、少なくとも照射するレーザー光が通
過する基板、代表的には透光性を有する基板、例えばガ
ラス基板、石英基板等を用い、さらに第3基板よりも厚
さの厚いものが好ましい。
【0121】本発明においては、レーザー光が第1また
は第2基板を通過させるため、レーザー光の種類と基板
の種類を適宜選択する必要がある。例えば、石英基板を
用いるのであれば、YAGレーザー(基本波(1064
nm)、第2高調波(532nm)、第3高調波(35
5nm)、第4高調波(266nm)あるいはエキシマ
レーザー(波長308nm)を用い、線状ビームを形成
し、石英基板を通過させればよい。なお、エキシマレー
ザーはガラス基板を通過しない。従って、ガラス基板を
用いるのであればYAGレーザーの基本波、第2高調
波、または第3高調波を用い、好ましくは第2高調波
(波長532nm)を用いて線状ビームを形成し、ガラ
ス基板を通過させればよい。
【0122】また、例えば、接着層に対して流体(圧力
が加えられた液体もしくは気体)を噴射することにより
基板を分離する方法(代表的にはウォータージェット
法)を用いてもよい。
【0123】また、接着層を非晶質珪素膜で形成した場
合、接着層をヒドラジン(hydrazine)を用いて除去す
るようにしても良い。
【0124】また、例えば、特開平8−288522号
公報に記載されたエッチングで第1基板を分離する方法
を用いても良い。具体的には、第1または第2接着層
に、塗布珪素酸化膜(SOG)を用い、弗化水素を用い
て除去するようにしても良い。この場合、除去すること
を目的としない珪素酸化膜は、スパッタまたはCVD法
を用いた緻密な膜にし、弗化水素で第1または第2接着
層を除去する際の選択比が取れるようにすることが肝要
である。
【0125】このような構成とすることによって、第3
基板の厚さが非常に薄い、具体的には50μm〜300
μm、好ましくは150μm〜200μmの厚さの基板
を用いても、信頼性の高い発光装置を得ることができ
る。また、従来ある公知の製造装置を用いて、このよう
に厚さの薄い基板上に素子形成を行うことは困難であっ
たが、本発明は第1基板及び第2基板に貼り合わせて素
子形成を行うため、装置の改造を行うことなく厚さの厚
い基板を用いた製造装置を使用することができる。
【0126】また、多層の絶縁膜で形成された封止膜を
用いることで、水分や酸素の透過による劣化をより効果
的に抑えることが可能になる。また、基板を曲げたとき
のクラックを防いで、よりフレキシブルな発光装置を実
現することが可能になる。
【0127】なお、実施例1及び実施例2において、O
LEDが有する陽極を画素電極として用いても良いし、
陰極を画素電極として用いても良い。
【0128】本実施例は、実施例1または実施例2と自
由に組み合わせて実施することが可能である。
【0129】(実施例5)本実施例では、本発明の封止
前の発光装置の外観と、FPCとの接続について説明す
る。
【0130】図8(A)に、実施例3に示した、封止前
の発光装置の外観図の一例を示す。1301は第2基
板、1302は第3基板であり、共に可撓性を有するプ
ラスチック基板である。第2基板1301と第3基板1
302の間に画素部1303と、駆動回路(ソース側駆
動回路1304、ゲート側駆動回路1305)が設けら
れている。
【0131】なお、図8(A)では、ソース側駆動回路
1304とゲート側駆動回路1305を画素部1303
と同じ基板上に作製された例を示しているが、ソース側
駆動回路1304とゲート側駆動回路1305とに代表
される駆動回路を画素部とは異なる基板上に形成し、F
PC等を介して接続するようにしても良い。
【0132】またソース側駆動回路1304とゲート側
駆動回路1305の数及びその配置は、図8(A)に示
した構成に限定されない。
【0133】1306はFPCであり、FPC1306
を介して、画素部1303、ソース側駆動回路1304
及びゲート側駆動回路1305に、コントローラを含む
ICからの信号や電源電圧が供給される。
【0134】図8(A)に示した、FPC1306と第
2基板1301とが接続されている点線で囲んだ部分の
拡大図を、図8(B)に示す。図8(C)は、図8
(B)のA−A’における断面図である。
【0135】第2基板1301と第3基板1302の間
に、画素部1303と、ソース側駆動回路1304と、
ゲート側駆動回路1305とに、信号や電源電圧を供給
するために引きまわされた配線1310が設けられてい
る。また、FPC1306には端子1311が設けられ
ている。
【0136】なお、1314は乾燥剤であり、酸素や水
分など劣化を促進させる物質がOLED(図示せず)に
入り込むのを防ぐ効果がある。
【0137】第2基板1301と、第2基板1301と
引きまわしの配線1310の間に設けられた絶縁膜など
の各種の膜が、一部レーザー等によって取り除かれるこ
とで、コンタクトホール1313が設けられている。よ
って、複数の引きまわしの配線1310は、コンタクト
ホール1313において露出しており、異方性を有する
導電性の樹脂1312によって、端子1311とそれぞ
れ電気的に接続されている。
【0138】なお、図8では第2基板1301側から引
きまわしの配線の一部を露出させる例について説明した
が、本発明はこれに限定されない。第3基板1302側
から引きまわしの配線の一部を露出させるようにしても
良い。
【0139】図9(A)に、図8(A)に示した発光装
置を撓めた様子を示す。実施例3に示した発光装置は、
第2基板と第3基板とが共に可撓性を有しているので、
図9(A)に示すように、ある程度撓めることが可能で
ある。よって、曲面を有するディスプレイや、ショーウ
ィンドウ等などにも用いることができ、その応用範囲は
非常に広い。なお実施例3に示した発光装置に限らず、
実施例4で示した発光装置も、同様に撓めることが可能
である。
【0140】図9(B)に、図9(A)に示した発光装
置の断面図を示す。第2基板1301と第3基板130
2との間に、複数の素子が形成されている。ここでは代
表的に、TFT1320a、1320b、1320c
と、OLED1322とを図示した。なお、破線132
3は、第2基板1301と第3基板1302との中心線
である。
【0141】第2基板1301は、封止膜1321を間
に挟んでプラスチックフィルム1324に覆われてい
る。また、第3基板1302も、封止膜1321を間に
挟んでプラスチックフィルム1324に覆われている。
【0142】封止膜1321は、プラスチックフィルム
1324に接している無機絶縁膜1321aと、無機絶
縁膜1321aに接している有機絶縁膜1321bと、
有機絶縁膜1321bに接している無機絶縁膜1321
cとを有している。
【0143】次に、実施例4で示した封止前の発光装置
の、FPCとの接続について説明する。図10に、実施
例4で示した封止前の発光装置とFPCとが接続してい
る部分の断面図を示す。
【0144】第3基板1401上には、引きまわしのた
めの配線1403が設けられている。
【0145】第3基板1401と、引きまわしの配線1
403との間に設けられた絶縁膜などの各種の膜が、一
部レーザー等によって取り除かれることで、コンタクト
ホールが設けられている。そして、引きまわしの配線1
403は、該コンタクトホールにおいて露出しており、
異方性を有する導電性の樹脂1406によって、FPC
1404が有する端子1405と電気的に接続されてい
る。
【0146】なお、図10では引きまわしの配線140
3上の絶縁膜の一部を除去して、引きまわしの配線14
03の一部を露出させる例について説明したが、本発明
はこれに限定されない。第3基板1401側から引きま
わしの配線1403の一部を露出させるようにしても良
い。
【0147】本実施例は、実施例1または実施例2と自
由に組み合わせて実施することが可能である。
【0148】(実施例6)本実施例では、本発明の発光
装置の作製方法の一例について説明する。
【0149】図11(A)において、第1基板501上
に、塗布珪素酸化膜(SOG)からなる第1接着層50
2が100〜500nm(本実施例では300nm)の
厚さに形成される。本実施例では第1基板501として
ガラス基板を用いるが、石英基板、シリコン基板、金属
基板もしくはセラミックス基板を用いても構わない。第
1基板501は、後の作製工程における処理温度に耐え
うる材料であれば良い。
【0150】また、塗布珪素酸化膜は、SOG溶液にヨ
ウ素液をスピンコートにより添加し、乾燥させてヨウ素
を離脱させる。その後400℃程度の熱処理を行って成
膜する。本実施例では膜厚100nmのSOGを形成し
た。なお、第1接着層502としてのSOGの作製方法
は、上記方法に限定されない。また、SOGは有機SO
Gでも無機SOGでも良い。後の工程において、弗化水
素により除去することができるSOGであれば良い。そ
して、除去することを目的としない珪素酸化膜は、スパ
ッタまたはCVD法を用いた緻密な膜にし、弗化水素で
第1接着層を除去する際の選択比が取れるようにするこ
とが肝要である。
【0151】次に、第1接着層502上に、減圧熱CV
D法、プラズマCVD法、スパッタ法もしくは蒸着法を
用いて、Alからなる保護膜を成膜する。本実施例で
は、スパッタ法を用いて第1接着層502の上に、Al
からなる保護膜503を200nmの厚さに成膜した。
【0152】なお、本実施例では保護膜503の材料と
してAlを用いたが、本発明はこれに限定されない。保
護膜503は、第1接着層502を除去する際に一緒に
除去されないような材料で、なおかつ保護膜503を除
去する工程以外のプロセスにおいて、除去されることの
ない材料であることが肝要である。さらに、保護膜50
3を除去する工程において、他の膜や基板を除去するこ
とがないような材料であることが肝要である。保護膜5
03は、第1接着層502を除去して第1基板501を
剥離させるときに、第1基板501上に形成されていた
素子を保護する効果がある。
【0153】次に、保護膜503の上に素子を形成する
(図11(B))。図11(B)では、代表的に、駆動
回路のTFT504a、504bを示した。
【0154】そして本実施例では、504aはnチャネ
ル型TFTであり、504bはpチャネル型TFTであ
る。そしてTFT504a、504bは、CMOSを形
成している。
【0155】TFT504aは、保護膜503の上に形
成された第1の電極550と、前記第1の電極550を
覆って形成されている絶縁膜551と、前記絶縁膜55
1に接して形成されている半導体膜552と、前記半導
体膜552に接して形成されている絶縁膜553と、前
記絶縁膜553に接している第2の電極554とを有し
ている。
【0156】TFT504bは、保護膜503の上に形
成された第1の電極560と、前記第1の電極560を
覆って形成されている絶縁膜551と、前記絶縁膜55
1に接して形成されている半導体膜562と、前記半導
体膜562に接して形成されている絶縁膜553と、前
記絶縁膜553に接している第2の電極564とを有し
ている。
【0157】なお、保護膜503の上には、第1の電極
550、560と同時に形成された、端子570が設け
られている。
【0158】また、TFT504aとTFT504bと
を覆って絶縁膜565が形成されている。そして、絶縁
膜565と、絶縁膜551と、絶縁膜553とに形成さ
れたコンタクトホールを介して、半導体膜552及び端
子570に接する配線571と、半導体膜552及び半
導体膜562に接する配線572と、半導体膜562に
接する配線573とを形成する。
【0159】さらに絶縁膜565上には、図示していな
いがOLEDが形成されている。そして、配線571、
配線572、配線573、絶縁膜565及びOLEDを
覆って、絶縁膜574が形成されている。絶縁膜574
は、成膜後の表面がより平坦であることが好ましい。な
お、絶縁膜574は必ずしも設ける必要はない。
【0160】次に、図11(C)に示すように、第2接
着層509により第2基板510を貼り合わせる。本実
施例では第2基板510としてプラスチック基板を用い
る。具体的には、第2基板として、厚さ10μm以上の
樹脂基板、例えばPES(ポリエーテルスルホン)、P
C(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレー
ト)を用いることができる。
【0161】また、第2接着層509としては、後に第
1接着層502を除去する際に選択比のとれる材料を用
いる必要がある。代表的には樹脂からなる絶縁膜を用い
ることができ、本実施例ではポリイミドを用いるが、ア
クリル、ポリアミドもしくはエポキシ樹脂を用いても良
い。なお、OLEDから見て観測者側(発光装置の使用
者側)に位置する場合は、光を透過する材料であること
が必要である。
【0162】次に、図11(D)に示すように、弗化水
素を用いて第1接着層502の除去を行う。本実施例で
は、第1基板501、第2基板510及び第1基板50
1と第2基板510の間に形成された全ての素子や膜全
体を緩衝フッ化水素酸(HF/NH4 F=0.01〜
0.2、例えば、0.1)に浸して、第1接着層502
の除去を行う。
【0163】このとき、除去することを目的としない珪
素酸化膜は、スパッタまたはCVD法を用いた緻密な膜
で形成されているので、弗化水素で第1接着層のみが除
去される。
【0164】本実施例の場合、第1接着層502は露呈
した端部から徐々にエッチングされていき、完全に除去
された時点で第1基板501と保護膜503が分離され
る。このとき、TFT及びOLEDは薄膜を積層して形
成されているが、第2基板510に移された形で残る。
【0165】なお、ここでは第1接着層502が端部か
らエッチングされていくことになるが、第1基板501
が大きくなると完全に除去されるまでの時間が長くなり
好ましいものではない。従って、本実施例は第1基板5
01が対角3インチ以下(好ましくは対角1インチ以
下)の場合に実施することが望ましい。
【0166】次に、図12(A)に示すように、保護膜
503を除去する。本実施例では、リン酸系のエッチン
グ溶液によるウェットエッチングで、Alで形成された
保護膜503を除去し、端子570、第1電極550、
560を露出させる。
【0167】そして、図12(B)に示すように、異方
性を有する導電性の樹脂からなる第3接着層513を形
成し、第3基板512を端子570、第1電極550、
560が露出している側に貼り合わせる。
【0168】本実施例では第3基板512としてプラス
チック基板を用いる。具体的には、第3基板として、厚
さ10μm以上の樹脂基板、例えばPES(ポリエーテ
ルスルホン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチ
レンナフタレート)を用いることができる。
【0169】第3接着層513として、樹脂からなる絶
縁膜(代表的にはポリイミド、アクリル、ポリアミドも
しくはエポキシ樹脂)を用いることができる。なお、O
LEDから見て観測者側に位置する場合は、光を透過す
る材料であることが必要である。
【0170】なお、第3基板512を接着させる前に、
第3基板512にレーザー等でコンタクトホールを形成
し、第3基板512の該コンタクトホールが形成されて
いる部分と、その周辺にAlを蒸着させることで、第3
基板512の両面に電気的に接続された端子580と5
81がそれぞれ形成されてる。なお、端子580と58
1の形成の仕方は上記構成に限定されない。
【0171】第3基板512に形成された端子580
は、第1電極550、560と同時に形成された端子5
70と、第3接着層513を介して電気的に接続されて
いる。
【0172】こうして、二枚のプラスチック基板51
0、512によって挟まれたフレキシブルな発光装置を
得ることができる。なお、第2基板510と第3基板5
12とを同一材料にすると、熱膨張係数が等しくなるの
で、温度変化による内部応力歪みの影響を受けにくくす
ることができる。
【0173】そして、図12(C)に示すように、第3
接着層513に接しておらず、なおかつ第3基板512
に接して形成された端子581と、FPC590が有す
る端子591とを、異方性を有する導電性の樹脂からな
る第4接着層592を介して接続する。
【0174】次に、図12(C)に示すように、封止膜
520が成膜されたプラスチックフィルム521で、O
LEDパネルを封止する。なお封止の際、封止膜520
がプラスチックフィルム521とOLED(図示せず)
との間に配置されるようにする。
【0175】なお本実施例では、封止膜520として、
プラスチックフィルム521に近い側から無機絶縁膜5
20a、有機絶縁膜520b、無機絶縁膜520cが形
成されている。
【0176】本実施例により作製された発光装置は、プ
ラスチック基板の耐熱性に制限されることなく、半導体
を用いた素子(例えばTFT)を形成することができる
ので、非常に高性能なものとすることができる。
【0177】なお、本実施例では、第1接着層502と
してSOGを用い、該第1接着層502を弗化水素を用
いて除去しているが、本発明はこの構成に限定されな
い。第1接着層の材料及びその除去の仕方は、実施者が
設定することが可能である。第1接着層以外の、除去す
るのを目的としない基板、素子及び膜が、第1接着層と
共に除去されることで、発光装置の動作に支障をきたす
ことがないように、第1接着層の材料及びその除去の仕
方を設定することが肝要である。また、第1接着層の材
料は、第1接着層を除去する工程以外のプロセスにおい
て、除去されることのない材料であることが肝要であ
る。
【0178】例えば、第1接着層として、照射するレー
ザー光で全部または一部が気化する有機物を用いても良
い。また、第1接着層がレーザー光を吸収する特性を有
するもの、例えば、YAGレーザーの第2高調波を用い
る場合、効率よく第1接着層のみにレーザー光を吸収さ
せるために、有色、あるいは黒色(例えば、黒色着色剤
を含む樹脂材料)のものを用いることが望ましい。ただ
し、第1接着層は素子形成工程における熱処理によって
気化しないものを用いる。
【0179】また、第1、第2または第3接着層は単層
であっても積層であってもよく、接着層と基板の間にア
モルファスシリコン膜またはDLC膜を設けていてもよ
い。
【0180】また、第1接着層を非晶質珪素膜で形成
し、後の工程で、この第1接着層にレーザー光を照射す
ることにより第1基板を剥離してもよい。この場合、第
1基板を剥離しやすくするため、水素を多く含む非晶質
珪素膜を用いることが好ましい。レーザー光を照射する
ことにより非晶質珪素膜に含まれる水素を気化するの
で、第1基板が剥離しやすくなる。
【0181】レーザー光としては、パルス発振型または
連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YV
4レーザーを用いることができる。レーザー光を第1
基板を通過させて第1接着層に照射して、第1接着層の
みを気化させて第1基板を剥離する。従って、第1基板
としては少なくとも照射するレーザー光が通過する基
板、代表的には透光性を有する基板、例えばガラス基
板、石英基板等を用い、さらに第2、第3基板よりも厚
さの厚いものが好ましい。
【0182】本発明においては、レーザー光が第1基板
を通過させるため、レーザー光の種類と第1基板を適宜
選択する必要がある。例えば、第1基板として石英基板
を用いるのであれば、YAGレーザー(基本波(106
4nm)、第2高調波(532nm)、第3高調波(3
55nm)、第4高調波(266nm)あるいはエキシ
マレーザー(波長308nm)を用い、線状ビームを形
成し、石英基板を通過させればよい。なお、エキシマレ
ーザーはガラス基板を通過しない。従って、第1基板と
してガラス基板を用いるのであればYAGレーザーの基
本波、第2高調波、または第3高調波を用い、好ましく
は第2高調波(波長532nm)を用いて線状ビームを
形成し、ガラス基板を通過させればよい。
【0183】また、第1接着層に対して流体(圧力が加
えられた液体もしくは気体)を噴射することにより第1
基板を分離する方法(代表的にはウォータージェット
法)を用いてもよいし、これらを組み合わせて用いても
よい。
【0184】また、第1接着層を非晶質珪素膜で形成し
た場合、第1接着層をヒドラジン(hydrazine)を用い
て除去するようにしても良い。
【0185】また、例えば、特開平8−288522号
公報に記載されたエッチングで第1基板を分離する方法
を用いても良い。具体的には、第1接着層に、塗布珪素
酸化膜(SOG)を用い、弗化水素を用いて除去するよ
うにしても良い。この場合、除去することを目的としな
い珪素酸化膜は、スパッタまたはCVD法を用いた緻密
な膜にし、弗化水素で第1接着層を除去する際の選択比
が取れるようにすることが肝要である。
【0186】このような構成とすることによって、第2
及び第3基板の厚さが非常に薄い、具体的には50μm
〜300μm、好ましくは150μm〜200μmの厚
さの基板を用いても、信頼性の高い発光装置を得ること
ができる。また、従来ある公知の製造装置を用いて、こ
のように厚さの薄い基板上に素子形成を行うことは困難
であったが、本発明は第1基板に貼り合わせて素子形成
を行うため、装置の改造を行うことなく厚さの厚い基板
を用いた製造装置を使用することができる。
【0187】また、多層の絶縁膜で形成された封止膜を
用いることで、水分や酸素の透過による劣化をより効果
的に抑えることが可能になる。また、基板を曲げたとき
のクラックを防いで、よりフレキシブルな発光装置を実
現することが可能になる。
【0188】本実施例は、実施例1または実施例2と自
由に組み合わせて実施することが可能である。
【0189】(実施例7)本実施例では、本発明の発光
装置の画素部とその周辺に設けられる駆動回路部(ソー
ス信号線側駆動回路、ゲート信号線側駆動回路)のTF
Tを同時に作製する方法について説明する。但し、説明
を簡単にするために、駆動回路部に関しては基本単位で
あるCMOS回路を図示することとする。
【0190】まず、図13(A)に示すように、コーニ
ング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代
表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホ
ウケイ酸ガラスなどのガラスから成る第1基板5000
上に、非晶質珪素膜からなる第1接着層5001が10
0〜500nm(本実施例では300nm)の厚さに形
成される。第1接着層5001の成膜は減圧熱CVD
法、プラズマCVD法、スパッタ法もしくは蒸着法を用
いれば良い。本実施例ではスパッタ法を用いて成膜し
た。
【0191】次に、第1接着層5001上に、酸化シリ
コン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜など
の絶縁膜から成る下地膜5002を形成する。下地膜5
002は、第1接着層5001を除去して基板5000
を剥離させるときに、基板5000上に形成されていた
素子を保護する効果がある。例えば、プラズマCVD法
でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリ
コン膜を10〜200nm(好ましくは50〜100nm)
形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化
水素化シリコン膜を50〜200nm(好ましくは100
〜150nm)の厚さに積層形成する。本実施例では下地
膜5002を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単
層膜または2層以上積層させた構造として形成しても良
い。
【0192】島状半導体層5003〜5006は、非晶
質構造を有する半導体膜をレーザー結晶化法や公知の熱
結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する。
この島状半導体層5003〜5006の厚さは25〜8
0nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結
晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコ
ンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで
形成すると良い。
【0193】レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製
するには、パルス発振型または連続発光型のエキシマレ
ーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いる。
これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器か
ら放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し半導体
膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施
者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザーを用
いる場合はパルス発振周波数300Hzとし、レーザーエ
ネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的には20
0〜300mJ/cm2)とする。また、YAGレーザーを用
いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数3
0〜300kHzとし、レーザーエネルギー密度を300
〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm2)とす
ると良い。そして幅100〜1000μm、例えば40
0μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って
照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オー
バーラップ率)を50〜90%として行う。
【0194】次いで、島状半導体層5003〜5006
を覆うゲート絶縁膜5007を形成する。ゲート絶縁膜
5007はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、
厚さを40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形
成する。本実施例では、120nmの厚さで酸化窒化シリ
コン膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸
化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコ
ンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良
い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズ
マCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)と
2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜4
00℃とし、高周波(13.56MHz)、電力密度0.
5〜0.8W/cm2で放電させて形成することが出来る。
このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後4
00〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として
良好な特性を得ることが出来る。
【0195】そして、ゲート絶縁膜5007上にゲート
電極を形成するための第1の導電膜5008と第2の導
電膜5009とを形成する。本実施例では、第1の導電
膜5008をTaで50〜100nmの厚さに形成し、第
2の導電膜5009をWで100〜300nmの厚さに形
成する。
【0196】Ta膜はスパッタ法で、Taのターゲット
をArでスパッタすることにより形成する。この場合、
Arに適量のXeやKrを加えると、Ta膜の内部応力
を緩和して膜の剥離を防止することが出来る。また、α
相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度でありゲート電極
に使用することが出来るが、β相のTa膜の抵抗率は1
80μΩcm程度でありゲート電極とするには不向きであ
る。α相のTa膜を形成するために、Taのα相に近い
結晶構造をもつ窒化タンタルを10〜50nm程度の厚さ
でTaの下地に形成しておくとα相のTa膜を容易に得
ることが出来る。
【0197】W膜を形成する場合には、Wをターゲット
としたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タング
ステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することも
出来る。いずれにしてもゲート電極として使用するため
には低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μ
Ωcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きく
することで低抵抗率化を図ることが出来るが、W中に酸
素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高
抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純
度99.9999または純度99.99 %のWターゲ
ットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入
がないように十分配慮してW膜を形成することにより、
抵抗率9〜20μΩcmを実現することが出来る。
【0198】なお、本実施例では、第1の導電膜500
8をTa、第2の導電膜5009をWとしたが、特に限
定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu
などから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする
合金材料もしくは化合物材料で形成してもよい。また、
リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜
に代表される半導体膜を用いてもよい。本実施例以外の
他の組み合わせの一例で望ましいものとしては、第1の
導電膜5008を窒化タンタル(TaN)で形成し、第
2の導電膜5009をWとする組み合わせ、第1の導電
膜5008を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の
導電膜5009をAlとする組み合わせ、第1の導電膜
5008を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導
電膜5009をCuとする組み合わせが挙げられる。
【0199】次に、レジストによるマスク5010を形
成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング
処理を行う。本実施例ではICP(Inductively Couple
d Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、
エッチング用ガスにCF4とCl2を混合し、1Paの圧力
でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電
力を投入してプラズマを生成して行う。基板側(試料ス
テージ)にも100WのRF(13.56MHz)電力を投
入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF
4とCl2を混合した場合にはW膜及びTa膜とも同程度
にエッチングされる。
【0200】上記エッチング条件では、レジストによる
マスクの形状を適したものとすることにより、基板側に
印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第
2の導電層の端部がテーパー形状となる。テーパー部の
角度は15〜45°となる。ゲート絶縁膜上に残渣を残
すことなくエッチングするためには、10〜20%程度
の割合でエッチング時間を増加させると良い。W膜に対
する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には
3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化
窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチ
ングされることになる。こうして、第1のエッチング処
理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形
状の導電層5011〜5016(第1の導電層5011
a〜5016aと第2の導電層5011b〜5016
b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜5007にお
いては、第1の形状の導電層5011〜5016で覆わ
れない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなっ
た領域が形成される。(図13(A))
【0201】そして、第1のドーピング処理を行いN型
を付与する不純物元素を添加する。ドーピングの方法は
イオンドープ法もしくはイオン注入法で行えば良い。イ
オンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×10
14atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行
う。N型を付与する不純物元素として15族に属する元
素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる
が、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層5
011〜5015がN型を付与する不純物元素に対する
マスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域5017
〜5025が形成される。第1の不純物領域5017〜
5025には1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度
範囲でN型を付与する不純物元素を添加する。(図13
(B))
【0202】次に、図13(C)に示すように、レジス
トマスクは除去しないまま、第2のエッチング処理を行
う。エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用い、W
膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエッチン
グ処理により第2の形状の導電層5026〜5031
(第1の導電層5026a〜5031aと第2の導電層
5026b〜5031b)を形成する。このとき、ゲー
ト絶縁膜5007においては、第2の形状の導電層50
26〜5031で覆われない領域はさらに20〜50nm
程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0203】W膜やTa膜のCF4とCl2の混合ガスに
よるエッチング反応は、生成されるラジカルまたはイオ
ン種と反応生成物の蒸気圧から推測することが出来る。
WとTaのフッ化物と塩化物の蒸気圧を比較すると、W
のフッ化物であるWF6が極端に高く、その他のWC
5、TaF5、TaCl5は同程度である。従って、C
4とCl2の混合ガスではW膜及びTa膜共にエッチン
グされる。しかし、この混合ガスに適量のO2を添加す
るとCF4とO2が反応してCOとFになり、Fラジカル
またはFイオンが多量に発生する。その結果、フッ化物
の蒸気圧が高いW膜のエッチング速度が増大する。一
方、TaはFが増大しても相対的にエッチング速度の増
加は少ない。また、TaはWに比較して酸化されやすい
ので、O2を添加することでTaの表面が酸化される。
Taの酸化物はフッ素や塩素と反応しないためさらにT
a膜のエッチング速度は低下する。従って、W膜とTa
膜とのエッチング速度に差を作ることが可能となりW膜
のエッチング速度をTa膜よりも大きくすることが可能
となる。
【0204】そして、図14(A)に示すように第2の
ドーピング処理を行う。この場合、第1のドーピング処
理よりもドーズ量を下げて高い加速電圧の条件としてN
型を付与する不純物元素をドーピングする。例えば、加
速電圧を70〜120keVとし、1×1013atoms/cm2
ドーズ量で行い、図13(B)で島状半導体層に形成さ
れた第1の不純物領域の内側に新たな不純物領域を形成
する。ドーピングは、第2の形状の導電層5026〜5
030を不純物元素に対するマスクとして用い、第1の
導電層5026a〜5030aの下側の領域にも不純物
元素が添加されるようにドーピングする。こうして、第
3の不純物領域5032〜5036が形成される。この
第3の不純物領域5032〜5036に添加されたリン
(P)の濃度は、第1の導電層5026a〜5030a
のテーパー部の膜厚に従って緩やかな濃度勾配を有して
いる。なお、第1の導電層5026a〜5030aのテ
ーパー部と重なる半導体層において、第1の導電層50
26a〜5030aのテーパー部の端部から内側に向か
って若干、不純物濃度が低くなっているものの、ほぼ同
程度の濃度である。
【0205】図14(B)に示すように第3のエッチン
グ処理を行う。エッチングガスにCHF6を用い、反応
性イオンエッチング法(RIE法)を用いて行う。第3
のエッチング処理により、第1の導電層5026a〜5
031aのテーパー部を部分的にエッチングして、第1
の導電層が半導体層と重なる領域が縮小される。第3の
エッチング処理によって、第3の形状の導電層5037
〜5042(第1の導電層5037a〜5042aと第
2の導電層5037b〜5042b)を形成する。この
とき、ゲート絶縁膜5007においては、第3の形状の
導電層5037〜5042で覆われない領域はさらに2
0〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成さ
れる。
【0206】第3のエッチング処理によって、第3の不
純物領域5032〜5036においては、第1の導電層
5037a〜5041aと重なる第3の不純物領域50
32a〜5036aと、第1の不純物領域と第3の不純
物領域との間の第2の不純物領域5032b〜5036
bとが形成される。
【0207】そして、図14(C)に示すように、Pチ
ャネル型TFTを形成する島状半導体層5004、50
06に第1の導電型とは逆の導電型の第4の不純物領域
5043〜5054を形成する。第3の形状の導電層5
038b、5041bを不純物元素に対するマスクとし
て用い、自己整合的に不純物領域を形成する。このと
き、Nチャネル型TFTを形成する島状半導体層500
3、5005および配線部5042はレジストマスク5
200で全面を被覆しておく。不純物領域5043〜5
054にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されている
が、ジボラン(B 26)を用いたイオンドープ法で形成
し、そのいずれの領域においても不純物濃度が2×10
20〜2×1021atoms/cm3となるようにする。
【0208】以上までの工程でそれぞれの島状半導体層
に不純物領域が形成される。島状半導体層と重なる第3
の形状の導電層5037〜5041がゲート電極として
機能する。また、5042は島状のソース信号線として
機能する。
【0209】レジストマスク5200を除去した後、導
電型の制御を目的として、それぞれの島状半導体層に添
加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程
はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。
その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマ
ルアニール法(RTA法)を適用することが出来る。熱
アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.
1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的
には500〜600℃で行うものであり、本実施例では
500℃で4時間の熱処理を行う。ただし、第3の形状
の導電層5037〜5042に用いた配線材料が熱に弱
い場合には、配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコ
ンを主成分とする)を形成した後で活性化を行うことが
好ましい。
【0210】さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気
中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行
い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は
熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボ
ンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、
プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用い
る)を行っても良い。
【0211】次いで、図15(A)に示すように、第1
の層間絶縁膜5055を酸化窒化シリコン膜から100
〜200nmの厚さで形成する。その上に有機絶縁物材料
から成る第2の層間絶縁膜5056を形成した後、第1
の層間絶縁膜5055、第2の層間絶縁膜5056、お
よびゲート絶縁膜5007に対してコンタクトホールを
形成し、各配線(接続配線、信号線を含む)5057〜
5062、5064をパターニング形成した後、接続配
線5062に接する画素電極5063をパターニング形
成する。
【0212】第2の層間絶縁膜5056としては、樹脂
を材料とする膜を用い、その樹脂としてはポリイミド、
ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)
等を使用することが出来る。特に、第2の層間絶縁膜5
056は平坦化の意味合いが強いので、平坦性に優れた
アクリルが好ましい。本実施例ではTFTによって形成
される段差を十分に平坦化しうる膜厚でアクリル膜を形
成する。好ましくは1〜5μm(さらに好ましくは2〜
4μm)とすれば良い。
【0213】コンタクトホールの形成は、ドライエッチ
ングまたはウエットエッチングを用い、N型の不純物領
域5017、5018、5021、5023またはP型
の不純物領域5043〜5054に達するコンタクトホ
ール、配線5042に達するコンタクトホール、電源供
給線に達するコンタクトホール(図示せず)、およびゲ
ート電極に達するコンタクトホール(図示せず)をそれ
ぞれ形成する。
【0214】また、配線(接続配線、信号線を含む)5
057〜5062、5064として、Ti膜を100n
m、Tiを含むアルミニウム膜を300nm、Ti膜15
0nmをスパッタ法で連続形成した3層構造の積層膜を所
望の形状にパターニングしたものを用いる。勿論、他の
導電膜を用いても良い。
【0215】また、本実施例では、画素電極5063と
してITO膜を110nmの厚さに形成し、パターニング
を行った。画素電極5063を接続配線5062と接し
て重なるように配置することでコンタクトを取ってい
る。また、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(Z
nO)を混合した透明導電膜を用いても良い。この画素
電極5063がOLEDの陽極となる。(図15
(A))
【0216】次に、図15(B)に示すように、珪素を
含む絶縁膜(本実施例では酸化珪素膜)を500nmの厚
さに形成し、画素電極5063に対応する位置に開口部
を形成して、バンクとして機能する第3の層間絶縁膜5
065を形成する。開口部を形成する際、ウエットエッ
チング法を用いることで容易にテーパー形状の側壁とす
ることが出来る。開口部の側壁が十分になだらかでない
と段差に起因する有機発光層の劣化が顕著な問題となっ
てしまうため、注意が必要である。
【0217】次に、有機発光層5066および陰極(M
gAg電極)5067を、真空蒸着法を用いて大気解放
しないで連続形成する。なお、有機発光層5066の膜
厚は80〜200nm(典型的には100〜120nm)、
陰極5067の厚さは180〜300nm(典型的には2
00〜250nm)とすれば良い。
【0218】この工程では、赤色に対応する画素、緑色
に対応する画素および青色に対応する画素に対して順
次、有機発光層および陰極を形成する。但し、有機発光
層は溶液に対する耐性に乏しいためフォトリソグラフィ
技術を用いずに各色個別に形成しなくてはならない。そ
こでメタルマスクを用いて所望の画素以外を隠し、必要
箇所だけ選択的に有機発光層および陰極を形成するのが
好ましい。
【0219】即ち、まず赤色に対応する画素以外を全て
隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて赤色発光の
有機発光層を選択的に形成する。次いで、緑色に対応す
る画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを
用いて緑色発光の有機発光層を選択的に形成する。次い
で、同様に青色に対応する画素以外を全て隠すマスクを
セットし、そのマスクを用いて青色発光の有機発光層を
選択的に形成する。なお、ここでは全て異なるマスクを
用いるように記載しているが、同じマスクを使いまわし
ても構わない。
【0220】ここではRGBに対応した3種類のOLE
Dを形成する方式を用いたが、白色発光のOLEDとカ
ラーフィルタを組み合わせた方式、青色または青緑発光
のOLEDと蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを
組み合わせた方式、陰極(対向電極)に透明電極を利用
してRGBに対応したOLEDを重ねる方式などを用い
ても良い。
【0221】なお、有機発光層5066としては公知の
材料を用いることが出来る。公知の材料としては、駆動
電圧を考慮すると有機材料を用いるのが好ましい。例え
ば正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子注入層で
なる4層構造を有機発光層とすれば良い。
【0222】次に、同じゲート信号線にゲート電極が接
続されたスイッチング用TFTを有する画素(同じライ
ンの画素)上に、メタルマスクを用いて陰極5067を
形成する。なお本実施例では陰極5067としてMgA
gを用いたが、本発明はこれに限定されない。陰極50
67として他の公知の材料を用いても良い。
【0223】最後に、樹脂でなる平坦化膜5068を3
00nmの厚さに形成する。平坦化膜5068を形成して
おくことで、有機発光層5066を水分等から保護する
ことができ、OLEDの信頼性をさらに高めることが出
来る。
【0224】こうして図15(B)に示すような状態ま
で完成する。そして、図示しないが、実施例3に記載の
作製方法に従うならば、封止膜が設けられた第2基板
が、平坦化膜5068に第2接着層を用いて張り合わさ
れる。そして、以下の工程は、実施の形態1に示した方
法に従って行えば良い。また、実施例4に記載の作製方
法に従うならば、第2基板が平坦化膜5068に第2接
着層を用いて張り合わされる。そして、以下の工程は、
実施の形態2に示した方法に従って行えば良い。
【0225】なお、本実施例における発光装置の作製工
程においては、回路の構成および工程の関係上、ゲート
電極を形成している材料であるTa、Wによってソース
信号線を形成し、ソース、ドレイン電極を形成している
配線材料であるAlによってゲート信号線を形成してい
るが、異なる材料を用いても良い。
【0226】ところで、本実施例の発光装置は、画素部
だけでなく駆動回路部にも最適な構造のTFTを配置す
ることにより、非常に高い信頼性を示し、動作特性も向
上しうる。また結晶化工程においてNi等の金属触媒を
添加し、結晶性を高めることも可能である。それによっ
て、ソース信号線駆動回路の駆動周波数を10MHz以上
にすることが可能である。
【0227】まず、極力動作速度を落とさないようにホ
ットキャリア注入を低減させる構造を有するTFTを、
駆動回路部を形成するCMOS回路のNチャネル型TF
Tとして用いる。なお、ここでいう駆動回路としては、
シフトレジスタ、バッファ、レベルシフタ、線順次駆動
におけるラッチ、点順次駆動におけるトランスミッショ
ンゲートなどが含まれる。
【0228】本実施例の場合、Nチャネル型TFTの活
性層は、ソース領域、ドレイン領域、ゲート絶縁膜を間
に挟んでゲート電極と重なるオーバーラップLDD領域
(L OV領域)、ゲート絶縁膜を間に挟んでゲート電極と
重ならないオフセットLDD領域(LOFF領域)および
チャネル形成領域を含む。
【0229】また、CMOS回路のPチャネル型TFT
は、ホットキャリア注入による劣化が殆ど気にならない
ので、特にLDD領域を設けなくても良い。勿論、Nチ
ャネル型TFTと同様にLDD領域を設け、ホットキャ
リア対策を講じることも可能である。
【0230】その他、駆動回路において、チャネル形成
領域を双方向に電流が流れるようなCMOS回路、即
ち、ソース領域とドレイン領域の役割が入れ替わるよう
なCMOS回路が用いられる場合、CMOS回路を形成
するNチャネル型TFTは、チャネル形成領域の両サイ
ドにチャネル形成領域を挟む形でLDD領域を形成する
ことが好ましい。このような例としては、点順次駆動に
用いられるトランスミッションゲートなどが挙げられ
る。また駆動回路において、オフ電流を極力低く抑える
必要のあるCMOS回路が用いられる場合、CMOS回
路を形成するNチャネル型TFTは、LOV領域を有して
いることが好ましい。このような例としては、やはり、
点順次駆動に用いられるトランスミッションゲートなど
が挙げられる。
【0231】また、本実施例で示す工程に従えば、発光
装置の作製に必要なフォトマスクの数を抑えることが出
来る。その結果、工程を短縮し、製造コストの低減及び
歩留まりの向上に寄与することが出来る。
【0232】本実施例は、実施例1〜5と組み合わせて
実施することが可能である。
【0233】(実施例8)本実施例では、逆スタガ型の
TFTを用いた本発明の発光装置の構造について説明す
る。
【0234】図16に本発明の発光装置の断面図を示
す。可撓性を有する第2基板602及び第3基板672
を覆って封止膜601が形成されている。そして、封止
膜601を覆ってプラスチックフィルム671が設けら
れている。封止膜601は、無機絶縁膜601a、有機
絶縁膜601b、無機絶縁膜601cを有している。
【0235】第2基板602と第3基板672の間に
は、TFT、OLED、その他の素子が形成されてい
る。本実施例では、駆動回路610が有するTFT60
4aと、画素部611が有するTFT604b、604
cを代表例として示す。
【0236】OLED605は、画素電極640と、有
機発光層641と、陰極642とを有している。
【0237】TFT604aは、ゲート電極613、6
14と、ゲート電極613、614に接して形成された
絶縁膜612と、絶縁膜612に接して形成された半導
体膜615とを有している。またTFT604bは、ゲ
ート電極620、621と、ゲート電極620、621
に接して形成された絶縁膜612と、絶縁膜612に接
して形成された半導体膜622とを有している。またT
FT604cは、ゲート電極630と、ゲート電極63
0に接して形成された絶縁膜612と、絶縁膜612に
接して形成された半導体膜631とを有している。
【0238】なお、本実施例では実施例3に従って作製
された発光装置に、逆スタガ型のTFTを用いた例につ
いて説明しているが、本実施例はこの構成に限定されな
い。実施例4に従って作製された発光装置に、逆スタガ
型のTFTを用いていても良い。
【0239】本実施例は、実施例1〜5と自由に組み合
わせて実施することが可能である。
【0240】(実施例9)本実施例では、流体を吹きつ
けることにより接着層を除去する例について説明する。
【0241】流体の吹きつけ方法としては、高圧の水流
をノズルから噴射して吹きつける方法(ウォータージェ
ット法と呼ばれる)や高圧のガス流を噴射して吹きつけ
る方法を用いることができる。このとき、水の代わりに
有機溶媒、酸性溶液もしくはアルカリ性溶液を用いても
良い。また、ガスとしては空気、窒素ガス、炭酸ガスも
しくは希ガスを用いても良いし、これらのガスをプラズ
マ化したものであっても良い。ただし、除去することを
目的としない膜や基板が共に除去されてしまわないよう
に、接着層の材料と、除去することを目的としない膜及
び基板の材料によって、適切な流体を選択することが肝
要である。
【0242】そして、接着層としては、多孔質シリコン
層又は水素、酸素、窒素もしくは希ガスを添加したシリ
コン層を用いる。また、多孔質シリコン膜を用いる場
合、非晶質シリコン膜もしくは多結晶シリコン膜を陽極
化成処理により多孔質化して用いても良い。
【0243】図17に、ウォータージェット法を用いて
接着層を除去している様子を示す。基板1601と基板
1602の間に、OLED1604が設けられている。
OLED1604は絶縁膜1603で覆われている。
【0244】また、基板1601とOLED1604と
の間には、絶縁膜1605と接着層1606が設けられ
ている。そして接着層1606は基板1601に接して
いる。なおここでは代表的にOLEDだけを示している
が、通常はTFTやその他の素子も絶縁膜1605と絶
縁膜1603の間に設けられている。
【0245】なお、接着層1606の膜厚は0.1〜9
00μm(好ましくは0.5〜10μm)で良い。本実施
例では、接着層1606として1μmの膜厚のSOGを
用いる。
【0246】そして、ノズル1608から流体1607
を接着層1606に吹きつける。なお、接着層1606
の露出している部分全てに、効率良く流体1607を吹
き付けるために、基板と垂直な中心線を軸に接着層16
06を矢印のように回転させながら流体を吹き付けると
良い。
【0247】ノズル1608からは1×107〜1×1
9Pa(好ましくは3×107〜5×108Pa)の圧
力が加わった流体1607が噴射されて、接着層160
6の露出している部分に吹きつけられる。流体1607
は試料が回転しているため接着層1606の露出面に沿
って吹きつけられていく。
【0248】ノズル1608から噴射される流体が接着
層1606に吹きつけられると、その衝撃により接着層
が脆性により崩壊して除去されるか、化学的に除去され
る。これにより、接着層1606は崩壊もしくは除去さ
れ、基板1601と絶縁膜1605とが分離される。接
着層の崩壊により分離させた場合、残存した接着層は改
めてエッチングにより除去すれば良い
【0249】なお、流体1607は水、有機溶媒、酸性
溶液もしくはアルカリ性溶液といった液体を用いても良
い、空気、窒素ガス、炭酸ガスもしくは希ガスといった
気体を用いても良い。さらにこれらのガスをプラズマ化
したものでも良い。
【0250】本実施例は、実施例1〜8と組み合わせて
実施することが可能である。
【0251】(実施例10)本発明において、三重項励
起子からの燐光を発光に利用できる有機発光材料を用い
ることで、外部発光量子効率を飛躍的に向上させること
ができる。これにより、OLEDの低消費電力化、長寿
命化、および軽量化が可能になる。
【0252】ここで、三重項励起子を利用し、外部発光
量子効率を向上させた報告を示す。(T.Tsutsui, C.Adac
hi, S.Saito, Photochemical Processes in Organized
Molecular Systems, ed.K.Honda, (Elsevier Sci.Pub.,
Tokyo,1991) p.437.)
【0253】上記の論文により報告された有機発光材料
(クマリン色素)の分子式を以下に示す。
【0254】
【化1】
【0255】(M.A.Baldo, D.F.O'Brien, Y.You, A.Shou
stikov, S.Sibley, M.E.Thompson,S.R.Forrest, Nature
395 (1998) p.151.)
【0256】上記の論文により報告された有機発光材料
(Pt錯体)の分子式を以下に示す。
【0257】
【化2】
【0258】(M.A.Baldo, S.Lamansky, P.E.Burrrows,
M.E.Thompson, S.R.Forrest, Appl.Phys.Lett.,75 (199
9) p.4.) (T.Tsutsui, M.-J.Yang, M.Yahiro, K.Nakamu
ra,T.Watanabe, T.tsuji, Y.Fukuda, T.Wakimoto, S.Ma
yaguchi, Jpn.Appl.Phys.,38 (12B) (1999) L1502.)
【0259】上記の論文により報告された有機発光材料
(Ir錯体)の分子式を以下に示す。
【0260】
【化3】
【0261】以上のように三重項励起子からの燐光発光
を利用できれば原理的には一重項励起子からの蛍光発光
を用いる場合より3〜4倍の高い外部発光量子効率の実
現が可能となる。
【0262】なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施
例9のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施するこ
とが可能である。
【0263】(実施例11)有機発光材料は、一般的に
インクジェット法、スピンコート法、蒸着法を用いて成
膜されている。本実施例では、上記方法以外の、有機発
光層の成膜方法について説明する。
【0264】本実施例では、有機発光材料を構成してい
る分子の集合体を分散させたコロイド溶液(ゾルとも呼
ぶ)を用いたスプレー噴射により、不活性ガス雰囲気下
で基板上に有機発光材料の分子の集合体を含む膜を形成
する。なお、有機発光材料は、液体中に数個の分子が集
合した粒子として存在している。
【0265】図18に、有機発光材料であるイリジウム
錯体、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(I
r(ppy)3)と、ホストとなる有機発光材料(以
下、ホスト材料という)であるバソキュプロイン(BC
P)とをトルエンに分散させた組成物を、不活性ガス
(本実施例では窒素ガス)でノズル(図示しない)から
噴射させて、有機発光層650を成膜している様子を示
す。
【0266】なお、図18では、マスク651を用いて
選択的に有機発光層650を25〜40nmの膜厚で成
膜する。イリジウム錯体はトルエンに不溶であり、また
BCPもトルエンに不溶である。
【0267】実際には、有機発光層は単層で用いる場合
と、複数の層を積層して用いる場合とがある。複数の層
を積層して用いる場合、有機発光層650を成膜した後
に、別の有機発光層を同様に成膜して積層する。この場
合、積層された全ての有機発光層をまとめて有機発光層
と総称する。
【0268】本実施例の成膜方法では、液体中の有機発
光材料がどのような状態であろうとも成膜可能な手段で
あり、特に溶解しにくい有機発光材料を用いて良質な有
機発光層を形成するのに有効な方法である。そして、キ
ャリアガスを用いて有機発光材料を含む液体を噴射(ス
プレー)させて成膜を行うため、短時間で成膜が可能で
ある。また、噴射させる有機発光材料を含む液体の作製
方法は、非常に単純なものとすることができる。また、
本実施例は、所望のパターンの膜を形成する場合には、
マスクを用い、マスクの開口部を通過させて成膜を行
う。また、高価な有機発光材料を効率よく使用するた
め、マスクに付着した有機発光材料を収集し、再度利用
することも可能である。
【0269】インクジェット法及びスピンコート法で
は、溶媒に対する溶解度が高い有機発光材料は用いるこ
とができないという制約があった。また蒸着法では、蒸
着させる前に有機発光材料自体が分解してしまう有機発
光材料は、用いることができないという制約があった。
しかし本実施例の成膜方法は、上述した制約にしばられ
ない。
【0270】本実施例の成膜方法に適している有機発光
材料として、キナクリドン、トリス(2−フェニルピリ
ジン)イリジウム、バソキュプロイン、ポリ(1,4−
フェニレンビニレン)、ポリ(1,4−ナフタレンビニ
レン)、ポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンビニ
レン)、ポリチオフェン、ポリ(3−フェニルチオフェ
ン)、ポリ(1,4−フェニレン)、ポリ(2,7−フ
ルオレン)等が挙げられる。
【0271】なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施
例10のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施する
ことが可能である。
【0272】(実施例12)本実施例では、本発明の発
光装置の、画素部の詳細な上面構造を図19(A)に、
回路図を図19(B)に示す。図19(A)及び図19
(B)では共通の符号を用いるので互いに参照すれば良
い。
【0273】スイッチング用TFT802のソース領域
とドレイン領域は、一方ははソース配線815に電気的
に接続され、他方はドレイン配線805に電気的に接続
される。また、ドレイン配線805は電流制御用TFT
806のゲート電極807に電気的に接続される。ま
た、電流制御用TFT806のソース領域とドレイン領
域は、一方は電流供給線816に電気的に接続され、他
方はドレイン配線817に電気的に接続される。また、
ドレイン配線817は点線で示される画素電極818に
電気的に接続される。
【0274】このとき、819で示される領域には保持
容量が形成される。保持容量819は、電流供給線81
6と電気的に接続された半導体膜820、ゲート絶縁膜
と同一層の絶縁膜(図示せず)及びゲート電極807と
の間で形成される。また、ゲート電極807、第1層間
絶縁膜と同一の層(図示せず)及び電流供給線816で
形成される容量も保持容量として用いることが可能であ
る。
【0275】本実施例は、実施例1〜11と組み合わせ
ることが可能である。
【0276】(実施例13)本実施例では本発明の発光
装置の回路構成例を図20に示す。なお、本実施例では
デジタル駆動を行うための回路構成を示す。本実施例で
は、ソース側駆動回路901、画素部906及びゲート
側駆動回路907を有している。
【0277】ソース側駆動回路901は、シフトレジス
タ902、ラッチ(A)903、ラッチ(B)904、
バッファ905を設けている。なお、アナログ駆動の場
合はラッチ(A)、(B)の代わりにサンプリング回路
(トランスファゲート)を設ければ良い。また、ゲート
側駆動回路907は、シフトレジスタ908、バッファ
909を設けている。バッファ909は必ずしも設ける
必要はない。
【0278】また、本実施例において、画素部906は
複数の画素を含み、その複数の画素にOLEDが設けら
れている。このとき、OLEDの陰極は電流制御TFT
のドレインに電気的に接続されていることが好ましい。
【0279】これらソース側駆動回路901およびゲー
ト側駆動回路907は実施例2〜4で得られるnチャネ
ル型TFTまたはpチャネル型TFTで形成されてい
る。
【0280】なお、図示していないが、画素部906を
挟んでゲート側駆動回路907の反対側にさらにゲート
側駆動回路を設けても良い。この場合、双方は同じ構造
でゲート配線を共有しており、片方が壊れても残った方
からゲート信号を送って画素部を正常に動作させるよう
な構成とする。
【0281】本実施例は、実施例1〜12と組み合わせ
ることが可能である。
【0282】(実施例14)発光装置は自発光型である
ため、液晶ディスプレイに比べ、明るい場所での視認性
に優れ、視野角が広い。従って、様々な電子機器の表示
部に用いることができる。
【0283】本発明の発光装置を用いた電子機器とし
て、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディス
プレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーショ
ンシステム、音響再生装置(カーオーディをディオコン
ポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機
器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、
携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた
画像再生装置(具体的にはDVD(digital v
ersatile disc)等の記録媒体を再生し、
その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)など
が挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多
い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されるため、
発光装置を用いることが望ましい。それら電子機器の具
体例を図21に示す。
【0284】図21(A)はデジタルスチルカメラであ
り、本体2101、表示部2102、受像部2103、
操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッタ
ー2106等を含む。本発明の発光装置は表示部210
2に用いることができる。
【0285】図21(B)はモバイルコンピュータであ
り、本体2301、表示部2302、スイッチ230
3、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含
む。本発明の発光装置は表示部2302に用いることが
できる。
【0286】図21(C)はゴーグル型ディスプレイ
(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体250
1、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明
の発光装置は表示部2502に用いることができる。
【0287】ここで図21(D)は携帯電話であり、本
体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力
部2704、音声出力部2705、操作キー2706、
外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。
本発明の発光装置は表示部2703に用いることができ
る。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を
表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができ
る。
【0288】なお、将来的に有機発光材料の発光輝度が
高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡
大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクター
に用いることも可能となる。
【0289】また、上記電子機器はインターネットやC
ATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて
配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情
報を表示する機会が増してきている。有機発光材料の応
答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好まし
い。
【0290】また、発光装置は発光している部分が電力
を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報
を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特
に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする
表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景
として文字情報を発光部分で形成するように駆動するこ
とが望ましい。
【0291】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能であ
る。また、本実施例の電子機器は実施例1〜13に示し
たいずれの構成の発光装置を用いても良い。
【0292】(実施例15)OLEDに用いられる有機
発光材料は低分子系と高分子系に大別される。本発明の
発光装置は、低分子系の有機発光材料でも高分子系の有
機発光材料でも用いることができる。
【0293】低分子系の有機発光材料は、蒸着法により
成膜される。したがって積層構造をとりやすく、ホール
輸送層、電子輸送層などの機能が異なる膜を積層するこ
とで高効率化しやすい。
【0294】低分子系の有機発光材料としては、キノリ
ノールを配位子としたアルミニウム錯体Alq3、トリ
フェニルアミン誘導体(TPD)等が挙げられる。
【0295】一方、高分子系の有機発光材料は低分子系
に比べて物理的強度が高く、素子の耐久性が高い。また
塗布により成膜することが可能であるので、素子の作製
が比較的容易である。
【0296】高分子系の有機発光材料を用いた発光素子
の構造は、低分子系の有機発光材料を用いたときと基本
的には同じであり、陰極/有機発光層/陽極となる。し
かし、高分子系の有機発光材料を用いた有機発光層を形
成する際には、低分子系の有機発光材料を用いたときの
ような積層構造を形成させることは難しく、知られてい
る中では2層の積層構造が有名である。具体的には、陰
極(Al合金/発光層/正孔輸送層/陽極(ITO)と
いう構造である。なお、高分子系の有機発光材料を用い
た発光素子の場合には、陰極材料としてCaを用いるこ
とも可能である。
【0297】なお、素子の発光色は、発光層を形成する
材料で決まるため、これらを選択することで所望の発光
を示す発光素子を形成することができる。発光層の形成
に用いることができる高分子系の有機発光材料は、ポリ
パラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポ
リチオフェン系、ポリフルオレン系が挙げられる。
【0298】ポリパラフェニレンビニレン系には、ポリ
(パラフェニレンビニレン) [PPV] の誘導体、ポリ
(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレ
ン) [RO−PPV]、ポリ(2−(2'−エチル−ヘキ
ソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレ
ン)[MEH−PPV]、ポリ(2−(ジアルコキシフェ
ニル)−1,4−フェニレンビニレン)[ROPh−PP
V]等が挙げられる。
【0299】ポリパラフェニレン系には、ポリパラフェ
ニレン[PPP]の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキ
シ−1,4−フェニレン)[RO−PPP]、ポリ(2,
5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)等が挙げられ
る。
【0300】ポリチオフェン系には、ポリチオフェン
[PT]の誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)
[PAT]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)[PH
T]、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)[PCH
T]、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェ
ン)[PCHMT]、ポリ(3,4−ジシクロヘキシル
チオフェン)[PDCHT]、ポリ[3−(4−オクチ
ルフェニル)−チオフェン][POPT]、ポリ[3−
(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン][P
TOPT]等が挙げられる。
【0301】ポリフルオレン系には、ポリフルオレン
[PF]の誘導体、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレ
ン)[PDAF]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレ
ン)[PDOF]等が挙げられる。
【0302】なお、正孔輸送性の高分子系の有機発光材
料を、陽極と発光性の高分子系有機発光材料の間に挟ん
で形成すると、陽極からの正孔注入性を向上させること
ができる。一般にアクセプター材料と共に水に溶解させ
たものをスピンコート法などで塗布する。また、有機溶
媒には不溶であるため、上述した発光性の有機発光材料
との積層が可能である。
【0303】正孔輸送性の高分子系の有機発光材料とし
ては、PEDOTとアクセプター材料としてのショウノ
ウスルホン酸(CSA)の混合物、ポリアニリン[PA
NI]とアクセプター材料としてのポリスチレンスルホ
ン酸[PSS]の混合物等が挙げられる。
【0304】なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施
例14のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施する
ことが可能である。
【0305】
【発明の効果】本発明では、封止膜を有するプラスチッ
クフィルムでOLEDが設けられている基板全体を真空
封止することによって、水分や酸素によるOLEDの劣
化を防ぐ効果が増し、OLEDの安定性を高めることが
できる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることがで
きる。
【0306】本発明では、複数の無機絶縁膜を積層する
ことで、無機絶縁膜にクラックが生じても、他の無機絶
縁膜で水分や酸素の有機発光層への混入を効果的に防ぐ
ことができる。さらに、成膜温度が低いために無機絶縁
膜の膜質が低下するようなことがあっても、複数の無機
絶縁膜を積層することで、水分や酸素の有機発光層への
混入を効果的に防ぐことができる。
【0307】また、無機絶縁膜に比べて内部応力が小さ
い有機絶縁膜を、有機絶縁膜の間に挟むことで、絶縁膜
全体の内部応力を緩和することができる。よって、トー
タルの無機絶縁膜の厚さは同じであっても、1層のみの
無機絶縁膜に比べて、有機絶縁膜を間に挟んだ無機絶縁
膜は、内部応力によるクラックが入りにくい。
【0308】したがって、1層のみの無機絶縁膜に比べ
て、トータルの無機絶縁膜の膜厚は同じであっても、水
分や酸素の有機発光層への混入を効果的に防ぐことがで
き、さらに、内部応力によるクラックが入りにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光装置の上面図及び断面図を示
す図。
【図2】 封止膜の成膜装置の図。
【図3】 本発明の発光装置の封止の仕方を示す図。
【図4】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図5】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図6】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図7】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図8】 本発明の封止前の発光装置の外観図と、F
PCとの接続部分の拡大図と断面図。
【図9】 本発明の発光装置を撓めた様子を示す図
と、その断面図。
【図10】 本発明の封止前の発光装置のFPCとの接
続部分の断面図。
【図11】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図12】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図13】 本発明の発光装置のTFT及びOLEDの
作製工程を示す図。
【図14】 本発明の発光装置のTFT及びOLEDの
作製工程を示す図。
【図15】 本発明の発光装置のTFT及びOLEDの
作製工程を示す図。
【図16】 本発明の発光装置の断面図。
【図17】 ウォータージェット法で接着層を除去して
いる様子を示す図。
【図18】 スプレー噴射により有機発光層を成膜して
いる様子を示す図。
【図19】 画素の上面図及び画素の回路図。
【図20】 発光装置の回路構成を示す図。
【図21】 本発明の発光装置を用いた電子機器の図。

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】間に発光素子が形成された第1のプラスチ
    ック基板と第2のプラスチック基板を、複数の絶縁膜が
    内側に積層された、可撓性を有する袋状のプラスチック
    フィルムの内部に入れ、 前記プラスチックフィルムの内部を排気し、 前記プラスチックフィルムの口を封じる発光装置の作製
    方法であって、 前記複数の絶縁膜のうち、少なくとも1つの絶縁膜は他
    の絶縁膜よりも内部応力が小さいことを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  2. 【請求項2】一方の面に発光素子が形成されたプラスチ
    ック基板を、複数の絶縁膜が内側に積層された、可撓性
    を有する袋状のプラスチックフィルムの内部に入れ、 前記プラスチックフィルムの内部を排気し、 前記プラスチックフィルムの口を封じる発光装置の作製
    方法であって、 前記複数の絶縁膜のうち、少なくとも1つの絶縁膜は他
    の絶縁膜よりも内部応力が小さいことを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記プ
    ラスチック基板は、ポリエーテルスルホン、ポリカーボ
    ネート、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレ
    ンナフタレートを有することを特徴とする発光装置の作
    製方法。
  4. 【請求項4】第1の基板上に第1接着層を形成し、 前記第1接着層上に第1の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜上に発光素子を形成し、 前記発光素子を覆って第2の絶縁膜を形成し、 前記第2の絶縁膜に第2の基板を第2接着層で貼り合わ
    せ、 前記第1接着層を除去することで、前記第1の基板を取
    り除いて前記第1の絶縁膜を露出させ、 第3の基板と、前記第1の絶縁膜とを第3接着層で貼り
    合わせ、 積層された複数の絶縁膜で前記第2の基板及び前記第3
    の基板を覆うように、前記積層された複数の絶縁膜が内
    側に形成された、可撓性を有する袋状のプラスチックフ
    ィルムを設け、 前記プラスチックフィルムの内部を排気し、 前記プラスチックフィルムの口を封じる発光装置の作製
    方法であって、 前記第2の基板及び前記第3の基板はプラスチックで形
    成されており、 前記複数の絶縁膜のうち、少なくとも1つの絶縁膜は他
    の絶縁膜よりも内部応力が小さいことを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  5. 【請求項5】第1の基板上に第1接着層を形成し、 前記第1接着層上に第1の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜上に発光素子、薄膜トランジスタ及び
    配線を形成し、 前記発光素子、薄膜トランジスタ及び配線を覆って第2
    の絶縁膜を形成し、 第2の基板と前記第2の絶縁膜とを第2接着層で貼り合
    わせ、 前記第1接着層を除去することで、前記第1の基板を取
    り除いて前記第1の絶縁膜を露出させ、 第3の基板と前記第1の絶縁膜とを第3接着層で貼り合
    わせ、 前記第2の基板、前記第2の絶縁膜及び前記第2接着層
    の一部を除去することで前記配線の一部を露出させ、異
    方性を有する導電性の樹脂を用いて前記配線の一部とF
    PCが有する端子とを電気的に接続し、 積層された複数の絶縁膜で前記第2の基板及び前記第3
    の基板を覆うように、 前記積層された複数の絶縁膜が内側に形成された、可撓
    性を有する袋状のプラスチックフィルムを設け、 前記プラスチックフィルムの内部を排気し、 前記プラスチックフィルムの口を封じる発光装置の作製
    方法であって、 前記第2の基板及び前記第3の基板はプラスチックで形
    成されており、 前記複数の絶縁膜のうち、少なくとも1つの絶縁膜は他
    の絶縁膜よりも内部応力が小さいことを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  6. 【請求項6】第1の基板上に第1接着層を形成し、 前記第1接着層上に第1の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜上に発光素子、薄膜トランジスタ及び
    配線を形成し、 前記発光素子、薄膜トランジスタ及び配線を覆って第2
    の絶縁膜を形成し、 第2の基板と前記第2の絶縁膜とを第2接着層で貼り合
    わせ、 前記第1接着層を除去することで、前記第1の基板を取
    り除いて前記第1の絶縁膜を露出させ、 第3の基板と前記第1の絶縁膜とを第3接着層で貼り合
    わせ、 前記第3の基板、前記第1の絶縁膜及び前記第3接着層
    の一部を除去することで前記配線の一部を露出させ、異
    方性を有する導電性の樹脂を用いて前記配線の一部とF
    PCが有する端子とを電気的に接続し、 積層された複数の絶縁膜で前記第2の基板及び前記第3
    の基板を覆うように、前記積層された複数の絶縁膜が内
    側に形成された、可撓性を有する袋状のプラスチックフ
    ィルムを設け、 前記プラスチックフィルムの内部を排気し、 前記プラスチックフィルムの口を封じる発光装置の作製
    方法であって、 前記第2の基板及び前記第3の基板はプラスチックで形
    成されており、 前記複数の絶縁膜のうち、少なくとも1つの絶縁膜は他
    の絶縁膜よりも内部応力が小さいことを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  7. 【請求項7】請求項4乃至請求項6のいずれか1項にお
    いて、前記第1接着層に対して流体を噴射することによ
    り、前記第1接着層を除去することを特徴とする発光装
    置の作製方法。
  8. 【請求項8】請求項4乃至請求項6のいずれか1項にお
    いて、前記第1接着層は、シリコンを有することを特徴
    とする発光装置の作製方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記第1接着層をフッ
    化ハロゲンを用いて除去することを特徴とする発光装置
    の作製方法。
  10. 【請求項10】請求項4乃至請求項6のいずれか1項に
    おいて、前記第1接着層は、SOGを有することを特徴
    とする発光装置の作製方法。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記第1接着層を
    弗化水素を用いて除去することを特徴とする発光装置の
    作製方法。
  12. 【請求項12】請求項4乃至請求項6のいずれか1項に
    おいて、前記第1接着層をレーザー光を用いて除去する
    ことを特徴とする発光装置の作製方法。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記レーザー光
    は、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザ
    ー、YAGレーザーまたはYVO4レーザーであること
    を特徴とする発光装置の作製方法。
  14. 【請求項14】請求項12において、前記レーザー光
    は、YAGレーザーの基本波、第2高調波または第3高
    調波であることを特徴とする発光装置の作製方法。
  15. 【請求項15】請求項4乃至請求項14のいずれか1項
    において、前記第2の基板、前記第3の基板または前記
    プラスチックフィルムは、ポリエーテルスルホン、ポリ
    カーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ
    エチレンナフタレートを有することを特徴とする発光装
    置の作製方法。
  16. 【請求項16】請求項4乃至請求項15のいずれか1項
    において、前記プラスチックフィルムは、ポリエステ
    ル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニ
    ル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレ
    ンテレフタレートまたはナイロンを有することを特徴と
    する発光装置の作製方法。
  17. 【請求項17】第1の基板上に第1接着層を形成し、 前記第1接着層上に第1の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜上に発光素子を形成し、 前記発光素子を覆って第2の絶縁膜を形成し、 第2の基板と前記第2の絶縁膜とを第2接着層で貼り合
    わせ、 前記第1接着層を除去することで、前記第1の基板を取
    り除いて前記第1の絶縁膜を露出させ、 第3の基板と前記第1の絶縁膜とを第3接着層で貼り合
    わせ、 前記第2接着層を除去することで、前記第2の基板を取
    り除いて前記第2の絶縁膜を露出させ、 積層された複数の絶縁膜で前記第3の基板及び前記第2
    の絶縁膜を覆うように、前記積層された複数の絶縁膜が
    内側に形成された、可撓性を有する袋状のプラスチック
    フィルムを設け、 前記プラスチックフィルムの内部を排気し、 前記プラスチックフィルムの口を封じる発光装置の作製
    方法であって、 前記第3の基板はプラスチックで形成されており、 前記複数の絶縁膜のうち、少なくとも1つの絶縁膜は他
    の絶縁膜よりも内部応力が小さいことを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  18. 【請求項18】第1の基板上に第1接着層を形成し、 前記第1接着層上に第1の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜上に発光素子、薄膜トランジスタ及び
    配線を形成し、 前記発光素子、薄膜トランジスタ及び配線を覆って第2
    の絶縁膜を形成し、 第2の基板と前記第2の絶縁膜とを第2接着層で貼り合
    わせ、 前記第1接着層を除去することで、前記第1の基板を取
    り除いて前記第1の絶縁膜を露出させ、 第3の基板と前記第1の絶縁膜とを第3接着層で貼り合
    わせ、 前記第2接着層を除去することで、前記第2の基板を取
    り除いて前記第2の絶縁膜を露出させ、 前記第2の絶縁膜の一部を除去することで前記配線の一
    部を露出させ、異方性を有する導電性の樹脂を用いて前
    記配線の一部とFPCが有する端子とを電気的に接続
    し、 積層された複数の絶縁膜で前記第3の基板及び前記第2
    の絶縁膜を覆うように、前記積層された複数の絶縁膜が
    内側に形成された、可撓性を有する袋状のプラスチック
    フィルムを設け、 前記プラスチックフィルムの内部を排気し、 前記プラスチックフィルムの口を封じる発光装置の作製
    方法であって、 前記第3の基板はプラスチックで形成されており、 前記複数の絶縁膜のうち、少なくとも1つの絶縁膜は他
    の絶縁膜よりも内部応力が小さいことを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  19. 【請求項19】第1の基板上に第1接着層を形成し、 前記第1接着層上に第1の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜上に発光素子、薄膜トランジスタ及び
    配線を形成し、 前記発光素子、薄膜トランジスタ及び配線を覆って第2
    の絶縁膜を形成し、 第2の基板と前記第2の絶縁膜とを第2接着層で貼り合
    わせ、 前記第1接着層を除去することで、前記第1の基板を取
    り除いて前記第1の絶縁膜を露出させ、 第3の基板と前記第1の絶縁膜とを第3接着層で貼り合
    わせ、 前記第2接着層を除去することで、前記第2の基板を取
    り除いて前記第2の絶縁膜を露出させ、 前記第3の基板、前記第1の絶縁膜及び前記第3接着層
    の一部を除去することで前記配線の一部を露出させ、異
    方性を有する導電性の樹脂を用いて前記配線の一部とF
    PCが有する端子とを電気的に接続し、 積層された複数の絶縁膜で前記第3の基板及び前記第2
    の絶縁膜を覆うように、前記積層された複数の絶縁膜が
    内側に形成された、可撓性を有する袋状のプラスチック
    フィルムを設け、 前記プラスチックフィルムの内部を排気し、 前記プラスチックフィルムの口を封じる発光装置の作製
    方法であって、 前記第3の基板はプラスチックで形成されており、 前記複数の絶縁膜のうち、少なくとも1つの絶縁膜は他
    の絶縁膜よりも内部応力が小さいことを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  20. 【請求項20】請求項17乃至請求項19のいずれか1
    項において、前記第1接着層または前記第2接着層のい
    ずれか一方が、流体を噴射することにより除去されるこ
    とを特徴とする発光装置の作製方法。
  21. 【請求項21】請求項17乃至請求項19のいずれか1
    項において、前記第1接着層は、シリコンを有すること
    を特徴とする発光装置の作製方法。
  22. 【請求項22】請求項21において、前記第1接着層を
    フッ化ハロゲンを用いて除去することを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  23. 【請求項23】請求項17乃至請求項19のいずれか1
    項において、前記第1接着層は、SOGを有することを
    特徴とする発光装置の作製方法。
  24. 【請求項24】請求項23において、前記第1接着層を
    弗化水素を用いて除去することを特徴とする発光装置の
    作製方法。
  25. 【請求項25】請求項17乃至請求項19のいずれか1
    項において、前記第1接着層または前記第2接着層のい
    ずれか一方が、レーザー光を用いて除去されることを特
    徴とする発光装置の作製方法。
  26. 【請求項26】請求項25において、前記レーザー光
    は、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザー
    や、YAGレーザーや、YVO4レーザーであることを
    特徴とする発光装置の作製方法。
  27. 【請求項27】請求項25において、前記レーザー光
    は、YAGレーザーの基本波、第2高調波または第3高
    調波であることを特徴とする発光装置の作製方法。
  28. 【請求項28】請求項17乃至請求項27のいずれか1
    項において、前記第3の基板は、ポリエーテルスルホ
    ン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートま
    たはポリエチレンナフタレートを有することを特徴とす
    る発光装置の作製方法。
  29. 【請求項29】請求項17乃至請求項28のいずれか1
    項において、前記プラスチックフィルムは、ポリエステ
    ル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニ
    ル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレ
    ンテレフタレートまたはナイロンを有することを特徴と
    する発光装置の駆動方法。
  30. 【請求項30】請求項5乃至請求項29のいずれか1項
    において、前記複数の絶縁膜のうち、前記少なくとも1
    つの絶縁膜は、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポ
    リイミドアミド、ベンゾシクロブテンもしくはエポキシ
    樹脂を有することを特徴とする発光装置の作製方法。
  31. 【請求項31】請求項5乃至請求項30のいずれか1項
    において、前記複数の絶縁膜のうち、前記少なくとも1
    つの絶縁膜は、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチ
    レン、ポリスチレン、ベンゾシクロブテン、ポリ(p−
    フェニレンビニレン)、ポリ塩化ビニルまたはポリパラ
    キシリレン系樹脂を有することを特徴とする発光装置の
    作製方法。
  32. 【請求項32】請求項5乃至請求項31のいずれか1項
    において、前記複数の絶縁膜のうち、前記他の絶縁膜
    は、窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化
    アルミニウム、窒化酸化アルミニウムまたは窒化酸化珪
    化アルミニウムを有することを特徴とする発光装置の作
    製方法。
JP2002232928A 2001-07-03 2002-08-09 発光装置の作製方法 Expired - Fee Related JP4190825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002232928A JP4190825B2 (ja) 2001-07-03 2002-08-09 発光装置の作製方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001201580 2001-07-03
JP2001-201580 2001-07-03
JP2002232928A JP4190825B2 (ja) 2001-07-03 2002-08-09 発光装置の作製方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002191956A Division JP3761843B2 (ja) 2001-07-03 2002-07-01 発光装置及び電子機器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003109756A true JP2003109756A (ja) 2003-04-11
JP2003109756A5 JP2003109756A5 (ja) 2005-10-20
JP4190825B2 JP4190825B2 (ja) 2008-12-03

Family

ID=26618020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002232928A Expired - Fee Related JP4190825B2 (ja) 2001-07-03 2002-08-09 発光装置の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4190825B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004349097A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Sony Corp 表示装置
JP2009177205A (ja) * 2009-05-01 2009-08-06 Sony Corp 固体撮像素子の製造方法
JP2010165673A (ja) * 2008-12-17 2010-07-29 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置及び電子機器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004349097A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Sony Corp 表示装置
JP2010165673A (ja) * 2008-12-17 2010-07-29 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置及び電子機器
JP2016106363A (ja) * 2008-12-17 2016-06-16 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置および電子機器
US9425371B2 (en) 2008-12-17 2016-08-23 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting device and electronic device
US9799716B2 (en) 2008-12-17 2017-10-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting device and electronic device
JP2009177205A (ja) * 2009-05-01 2009-08-06 Sony Corp 固体撮像素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4190825B2 (ja) 2008-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100884218B1 (ko) 발광 장치의 제조 방법
JP4244120B2 (ja) 発光装置及びその作製方法
KR100913927B1 (ko) 발광 디바이스 및 그 제조 방법
JP3761843B2 (ja) 発光装置及び電子機器
US7488986B2 (en) Light emitting device
US8362487B2 (en) Light emitting device comprising film having hygroscopic property and transparency
US7572478B2 (en) Light emitting device
EP1298736B1 (en) Method of manufacturing a light emitting device
JP2003332073A (ja) 発光装置およびその作製方法
JP4190825B2 (ja) 発光装置の作製方法
JP4101503B2 (ja) 発光装置及びその作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050627

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080916

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4190825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees