JP2003108753A - 金融機関のリスク管理システム及びそれを用いた処理方法 - Google Patents

金融機関のリスク管理システム及びそれを用いた処理方法

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JP2003108753A
JP2003108753A JP2001301808A JP2001301808A JP2003108753A JP 2003108753 A JP2003108753 A JP 2003108753A JP 2001301808 A JP2001301808 A JP 2001301808A JP 2001301808 A JP2001301808 A JP 2001301808A JP 2003108753 A JP2003108753 A JP 2003108753A
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井 力 今
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リスク管理システムの提供。 【課題手段】 金融機関でのリスク管理を定量的に行う
ため、複数系統のデータを用いて上記系統ごとに上記デ
ータの値の大きさに従って順位を演算し、上記系統ごと
に上記順位に従う累積確率の代表値を算出し、上記代表
値に対応する標準正規分布に基づく相関係数を演算し、
上記相関係数により構成される多次元正規分布を演算処
理し、上記多次元正規分布に基づいて、上記複数系統の
データより求まる数値を演算処理することを特徴とする
リスク管理システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金融機関のリスク
管理あるいは資源配分の最適化の処理システム及び方法
に関し、特に、バリューアットリスク(VAR:Value a
t Risk、予想最大損失額)やストレステストに適用され
る金融機関のリスク管理システム及びそれを用いた処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リスク管理のこのような分野で
は、リスクの評価方法として、バリューアットリスクの
算出によるものとストレステストによる評価方法とがあ
る。バリューアットリスクは、ある一定期間、たとえ
ば、1日間や1週間の間に起こりうる市場変動を現在保有
するポートフォリオに瞬間的に与えた場合に発生する最
大損失(例えば損失の99%点など)を推定するための指
標である。バリューアットリスクの算出には、過去に経
験したイベントに基づいて決められるヒストリカルシナ
リオを用いてバリューアットリスクを算出するヒストリ
カル・シミュレーション法、データの変動が多次元の正
規分布に従うと仮定VARを算出する分散・共分散法
(デルタ法)及び乱数を使った数値計算によりリスク量
を測定するモンテカルロシミュレーション法がある。ま
た、ストレステストは、シナリオ分析によるリスク管理
手法の1つであり、極端な市場変動を仮定したときのポー
トフォリオ損失を算出するものである。VARによるリス
ク管理を補完するものとして用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術で、ヒ
ストリカル・シミュレーション法では、正規分布よりも
高い確率で大きな相場変動が発生するというファットテ
ールと呼ばれる事象の反映に優れているが、過去のデー
タの個数によって最大損失の発生確率の範囲が制限され
てしまうので、ストレステストに用いるようなより発生
確率の低い最大損失の評価ができないという問題があっ
た。一方、多次元の正規分布を仮定する分散・共分散法
では、いくらでも低い発生確率の最大損失を計算できる
が、正規分布のテール部分の確率は、実際の観測データ
のテール部分より小さい確率を示し、裾の部分の発生確
率が正規分布より大きくなるようなファットテールが反
映されないので、リスクの過小評価になるという問題が
あった。また、モンテカルロシミュレーション法では、計
算負荷が高く実用上に問題があった。本発明の目的は、
実際の観測データを用いながらも、従来よりも発生確率
の低いストレス損益のシミュレートができるリスク管理
システム及びそれを用いた処理方法を提供することにあ
る。本発明は、実際の観測データからその周辺の算出デ
ータを算出するリスク管理システム及びそれを用いた処
理方法を提供するものである。また、実際の観測データ
からその周辺の算出データを算出し、算出精度の範囲外
のデータ、例えば、発生確率の低い範囲のデータも含めて
シミュレートするリスク管理システム及びそれを用いた
処理方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のリスク管理システム及びそれを用いた処理
方法は、多次元正規分布上の複数の閾値を算出してマト
リックスを構成し、多次元の正規乱数を算出し、算出し
た多次元正規乱数がマトリックス上のどの閾値に含まれ
るかを判別し、多次元正規乱数の値を算出し、算出した
多次元正規乱数の値に基づくリスク評価値を算出するこ
とを特徴とする。
【0005】また、二系統のデータ群を処理する二次元
の場合や多次元でも確率密度を用いる場合は、上記の他
に、実データに基づいて、正規分布を算出し、算出され
た正規分布から系統の数に対応する、又は、各系統間の
相関係数を算出し、多次元正規分布上のそれぞれの閾値
を算出して多次元正規分布の閾値に対応する多次元のマ
トリックスを構成し、上記相関係数と上記マトリックス
上の複数系統分の閾値によって特定される点の確率密度
を算出し、算出した確率密度に基づいてリスク評価値を
算出することを特徴とする。さらに、本発明のリスク管
理システム及び方法は、正規コピュラ関数により、経験
分布を最大限に活かしつつ、複数のファクターの理論的
にありうる全ての組み合わせについて、発生確率を割り
当てて計算の対象として、演算処理することを特徴とす
る。さらに、本発明は、分布の中央部分の領域に離散的
なヒストリカル分布を適用し、分布の裾部分の領域に連
続的なパレート分布などを外挿した結果を組み合わせて
適用することを特徴とする。そのために、本発明は、デ
ータを入力する入力部と、入力された複数系統のデータ
の大きさにおける順位を算出し、上記順位に対応した累
積確率の代表値を算出し、上記累積確率の代表値から標
準正規分布の値を算出し、相関係数を上記標準正規分布
の値から算出し、算出したい各系統のデータ個数に応じ
て、均等に分布した場合の正規分布の閾値を算出し、上
記閾値によって構成される多次元のマトリックスを生成
する演算処理部と上記マトリックスに損益などの上記複
数系統のデータから求まる数値を算出し、上記数値から
ストレス値などの所定の条件を満たす代表値などを算出
するシミュレーション部とを有してなる演算処理装置
と、データ及びプログラムを保持する記憶部と、演算処
理した結果を表示、出力する出力部とを有することを特
徴とするリスク管理システムである。
【0006】また、本発明は、データを入力する入力部
と、入力された複数系統のデータに基づいて、上記デー
タの範囲外のデータを生成するために連続分布関数を演
算する外挿演算処理部と、入力された複数系統のデータ
の大きさにおける順位を算出し、上記順位に対応した累
積確率の代表値を算出し、上記累積確率の代表値から標
準正規分布の値を算出し、相関係数を上記標準正規分布
の値から算出し、算出したい各系統のデータ個数に応じ
て、均等に分布した場合の正規分布の閾値を算出し、上
記閾値によって構成される多次元のマトリックスを生成
するマトリックス演算処理部と、上記マトリックスに上
記複数系統のデータから求まる数値(損益など)を算出
し、上記数値の代表値など(ストレス値など)を算出す
るシミュレーション部とを有してなる演算処理部と、デ
ータ及びプログラムを保持する記憶部と、演算処理した
結果を表示、出力する出力部とを有することを特徴とす
るリスク管理システムである。また、本発明は、データ
を入力する入力部と、入力された複数系統のデータの大
きさにおける順位を算出し、上記順位に対応した累積確
率の代表値を算出し、上記累積確率の代表値から標準正
規分布の値を算出し、相関係数を上記標準正規分布の値
から算出する演算処理部と、シミュレーションしたい信
頼区間の範囲であって、上記正規分布の領域を制限する
楕円体の形状及び大きさを算出する楕円処理部と、上記
算出された楕円体を制約条件として、上記複数系統のデ
ータより求まる数値(損益など)を逐次算出して代表値
など(ストレス値など)を算出するシミュレーション部
とを有してなる演算処理装置と、データ及びプログラム
を保持する記憶部と、演算処理した結果を表示、出力す
る出力部とを有することを特徴とするリスク管理システ
ムである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、実際の観測データから
その周辺の算出データを算出するシステム及びそれを用
いた処理方法を提供するものである。本発明のリスク管
理システム及びそれを用いた処理方法は、多次元正規分
布上の複数の閾値を算出してマトリックスを構成し、多
次元の正規乱数を算出し、算出した多次元正規乱数がマ
トリックス上のどの閾値に含まれるかを判別し、多次元
正規乱数の値とその発生確率を算出し、算出した発生確
率と多次元正規乱数の値に基づくリスク評価値を算出す
ることを特徴とする。ここで、リスク評価値とは、スト
レステストによる評価結果やVAR(Value at Risk:バリ
ューアットリスク)の値などである。また、二系統のデ
ータ群を処理する二次元の場合や多次元でも確率密度を
用いる場合は、上記の他に、実データに基づいて、正規
分布を算出し、算出された正規分布から2つのまたはす
べての系統間の相関係数を算出し、二次元又は多次元正
規分布上のそれぞれの閾値を算出して二次元又は多次元
のマトリックスを構成し、上記マトリックス上の閾値が
交差する点の確率密度を上記相関係数を用いて算出し、
算出した確率密度に基づいてリスク評価値を算出するこ
とを特徴とする。なお、ここでいう確率密度は、離散的
な確率密度でもある。つまり、多くの物理量は測定する
度に異なる値をとるが、そのような物理量xの分布は確
率密度(分布)関数 p(x)で表される。これは、[x, x+
dx] の間に xの生じる(起こる)確率はp(x)dx で表さ
れ、条件は、
【数1】 また、特定のxまでの確率の総和である累積確率p(x)は
【数2】 として表すことが可能である。以下は、2系統のデータ
を用いて二次元のマトリックスで処理する実施例を示し
ているが、当然のことながら多系統のデータを用いて多
次元のマトリックスで処理を行うことも可能である。
【0008】本発明の実施例では、2系統の実際の観測
データから、このデータを処理して処理データを生成す
る。処理対象によっては観測データを直接用いてもよい
が、ここでは、処理データを用いている。この2系統の
処理データの大きさを昇順(または降順)にした場合の順
位を算出する。それぞれの順位に対応した累積確率の代
表値を算出し、累積確率の代表値から標準正規分布の値
を算出し、2系統の相関係数をこの標準正規分布の値か
ら算出する。ここで、算出したい2系統のデータと相関
する確率密度を算出するために、算出したい各系統のデ
ータ個数に応じて均等に分布した場合の標準正規累積分
布関数の逆関数の値である正規分布の値としての閾値を
算出する。ここで、この閾値は、場合によっては、重み
をつけて分離することは可能であるが、1つの系統のデ
ータの確率密度を均等に割り当てているだけである。デ
ータの系統によって区別することは無く、また、データ
の系統ごとに変化するものでもない。この2系統のデー
タの閾値によって構成される二次元のマトリックスすべ
ての項目をシミュレーションする。本発明の実施例で示
すシミュレーションは、計算時間やデータ個数又は計算
次元数に応じて選択することができる。
【0009】第1のシミュレーションは、相関係数と閾
値を用いる近似式によって、矩形積分を算出し、二次元マ
トリックスの各要素の確率密度を算出し、さらに対応す
る損益を算出する。第2のシミュレーションは、多次元
正規分布の乱数を発生させ、その乱数が、その閾値がどの
区間に入るかを判定し、損益を算出する。第3のシミュ
レーションは、ヒストリカル分布とパレート分布と組み
合わせた場合に、多次元正規分布の乱数を発生させ、そ
の乱数が、その閾値がどの区間に入るかを判定し、確率密
度や損益を算出するものである。さらに、第4のシミュ
レーションは、所定の信頼区間となるような楕円体を生
成し、その楕円体の範囲内にある正規分布上に載る確率
密度を算出し、その確率密度を複数系統のデータによっ
て構成される多次元座標に対応するヒストリカルデータ
上にプロットし、これを繰り返す事で、プロットされた
データの最大損失値が所定信頼区間の最大損失として直
接算出することが可能になる。また、第1及び第2のシ
ミュレーションで算出された確率密度や損益から予め定
めた信頼区間を取ることによって、その信頼区間での確
率密度や損益が算出され、これらを元にバリューアット
リスクの算出及びストレステストを行うことが可能にな
る。本発明のシミュレーションを行う演算処理部には上
述のようなシミュレーションを用いるデータ又は算出す
べきデータ内容に応じて選択する機能を有する。また、
本発明のリスク管理システム及びそれを用いた処理方法
では、実際の観測データからその周辺の算出データを算
出し、算出精度の範囲外のデータ、例えば、発生確率の低
い範囲のデータも含めてシミュレートすることができ
る。離散的なデータである実際の観測データからその観
測データ群の範囲外の領域のシミュレーションについて
は、外挿によって連続分布する関数をあてはめる。この
ような関数としては、パレート分布などの外挿分布関数
を用いる。これによって、離散的データ群と連続分布関
数との組み合わせから、分布の末端部であり、観測デー
タからでは導けない範囲のデータも取り扱うことができ
る。このような実データ群であるヒストリカルデータと
連続関数からなる範囲を先に示した確率密度のマトリッ
クスを選択したシミュレーションを用いて算出する。こ
れによって、観測データだけではシミュレートできない
範囲のシミュレーションが可能になり、バリューアット
リスクやストレステストなどの分布の裾部分の信頼区間
99%あたりの予測までも可能になる。なお、本実施例
では、実際の観測データとして2つの外国為替レートを用
いた場合のそれぞれの損益率から確率密度を求め、その
結果を評価するシステム及び方法について実施例として
説明している。しかし、これは一例であって、観測データ
を直接処理に用いるシステム及び方法も可能である。さ
らに、外国為替レートではなく、他の観測データを用いて
処理することもできる。また、金融に関するデータでは
なく、他の分野のデータであっても同様に処理すること
が可能である。
【0010】本発明について、さらに、図面を用いて詳
細に説明する。図1に本発明のリスク管理システムの一
例を示す。このリスク管理システムは、データの入力及
びデータや処理結果の表示、印字を行う入出力部を有す
る。データの入力部は、例えば、実測値などを他の記憶媒
体やネットワークを介して他のシステムから読み込んだ
り、又は、キーボードから直接システムに入力したり、
ドキュメントを読み込んでOCRによってデジタルデータ
へ変換して入力するものである。また、出力部は、データ
や演算処理結果のテーブルの表示やグラフの表示又は印
字などが可能である。さらに、外部の記憶媒体への書き
込みも含まれる。さらに、リスク管理システムは、データ
の演算処理やデータ処理を行う処理部を有する。データ
の演算処理やデータ処理などの処理を行うプログラムや
リスク管理システムのデータの入出力や転送などのシス
テムの制御を行う制御プログラムなどはメモリ部に一時
的又は所定期間保持される。このメモリ部には、さら
に、データ処理や制御に必要なデータや処理結果を一時
的に保持する。記憶部は、上述の処理プログラムや制御
プログラムを保持したり、データとしての観測データ及
び処理前後のデータを保持するものである。記憶部は、
メモリ部に比較して一般的に記憶容量が大きい。これら
の各部は、バスを介して1つの装置で構成することも、
ネットワーク等を介してシステムを構成することも可能
である。
【0011】本発明は、上述のシステム構成を用いて、
分布の所定領域内の観測データ(経験データ又はヒスト
リカルデータという)からその所定領域内でヒストリカ
ルデータが存在しない点のデータを算出処理することで
ある。さらに、分布の所定領域とこの所定領域に含まれ
ない残りの領域のそれぞれにおいて、異なる分布モデル
を組み合わせて、全領域のヒストリカルには存在しない
データを算出することである。たとえば、本発明では、
分布の中央部分の領域に離散的なヒストリカル分布を適
用し、分布の裾部分の領域に連続的なパレート分布など
の正規分布関数に外挿した結果を組み合わせるものであ
る。このとき分布の中央部分の領域は、経験上、全領域
に対して発生確率が2%〜98%の範囲であることが望
ましい。図2にこれらの処理の一例を示す。これによれ
ば、ヒストリカルデータの範囲でシミュレーションを行
うか、パレート分布などの外挿関数とヒストリカルデー
タとを合成した範囲でシミュレーションを行うものとに
分けることが可能である。つまり、これは、得たいデータ
の範囲や精度によって、使い分けることができる。
【0012】上述のように、実際の観測データといって
いたデータの分布は、ヒストリカル分布(経験分布)で
ある。本発明では、ヒストリカル分布では示されていな
い点(座標)のデータを算出(シミュレート)するために、
観測データから、例えば、実際の市場データの変動を算
出し、その変動の大きさについて、昇順(又は降順)に
並べ替えるものである。ここで、ヒストグラムとは、例
えば、身長と頻度(個体数)の対応関係を示したヒスト
グラムなどと同じものであるが、以下の実施例では、ド
ル円レートとユーロ円レートである。
【0013】図3に本発明のリスク管理システムの処理
部と記憶部における処理の一例を示す。記憶部に保持さ
れている実際の観測データは、ここでは、外国為替レート
であり、例えば、ドル円レートやユーロ円レートなどのあ
る国の通貨に対する他の国の通貨の売買又は交換レート
である。このレートを過去の日付ごとに保持している。
観測データは、処理部に読み出され、第1の演算処理部に
よって、例えば、ここでは、外国為替レートに基づいて日
毎の日次収益率が算出される。ここでは、日付ごとの日
次収益率である。この日次収益率は、第2の演算処理部に
よって、例えば、日次収益率の値の大きさに従って順序
がつけられ、または、並べ替えられる。一例として、並べ
替え処理後のデータ値として図3の第3のデータとして
順位で示している。なお、観測データを第1のデータと
すると、第1の演算処理部での演算結果を第2のデータと
し、この第2のデータは記憶部にいったん保持されて、
第2の演算処理部が保持された第2のデータを読み出し
て並べ替え処理を行って第3のデータを算出している。
しかし、第1の演算処理部での結果を一旦記憶部に保持す
ることなく、直接に第2の演算処理部に読み込んで処理
してもよい。または、第1のデータ値をメモリ部に一時
的に保持してもよい。ここで、並べ替えられたデータ又
は順位は、どちらのデータであっても第3のデータとす
る。第3の演算処理部では、順位に従って、累積確率の代
表値及びそれに対応する標準正規分布を演算処理する。
なお、累積確率の代表値とこれに対応する標準正規分布
の演算処理を別の演算処理部で行うことも可能である。
第3のデータに対応した累積確率の代表値を第4のデー
タ、第4のデータに対応する標準正規分布の値を第5の
データとする。第4の処理部では、ドル円及びユーロ円
のそれぞれで算出された標準正規分布の値の相関係数を
算出し、これを第6のデータとする。第5の処理部で
は、算出したい所定日のドル円レートとユーロ円レート
の値を処理する。つまり、現在のドル円レートとユーロ
円レート(又は、仮想的に設定した2種類のレート)を
先のヒストリカルデータである日次収益率に掛け合わせ
ることで、例えば、10日分あれば、ドル円に対して10
個のドル円レートが算出され、同様に、ユーロ円レート
も10個算出される。これらをマトリックス上に構成す
ると10×10のマトリックスが作成される。ドル及び
ユーロの算出されたレートを第7のデータとする。ま
た、これらによって作成されたマトリックスの各点(行
列、座標)の計算すべきデータを第8のデータとする。
第6の処理部では、この実施例では、2系統のデータ群
を用いて二次元のマトリックスを構成することから、2
次正規分布の閾値を算出する。多次元の場合は、正規分
布の閾値である。いま、現在のドル円レートについてヒ
ストリカルデータに基づいた10個のドル円レートを得
ているので、ドル円レートの範囲を10等分し、各閾値を
算出すると0.1刻みになる。この0.1刻みのドル円
レートの範囲に対応する2次正規分布の閾値を算出す
る。この閾値を第9のデータとする。
【0014】以上、これらの演算処理は、図3中の処理に
則して説明したが、例えば、図4に示すように、観測デー
タを読み込んで、第1〜第6までの演算処理を一括して
処理することも可能である。さらに、各処理ごとに演算
処理された結果を記憶部やメモリ部に書き込んで保持す
ることも可能である。なお、上述の演算処理部を6つに
分けたが、1つの演算処理部で処理してもよいし、より
少ない演算処理部又はより多い演算処理部によって処理
することも可能である。
【0015】次に信頼区間および次元数などに応じて、
シミュレーション処理の手法を選択し、シミュレーショ
ンを行う。図5において、シミュレーションを選択し、第
一のシミュレーションが選択された場合、上記マトリッ
クスの確率密度を演算処理する一例を示す。なお、シス
テム構成は図1のものと同じであるが、このような演算
処理機能を別システムに構成してもよく、また、図1と同
じシステム内に設けてもよい。ここでは、先の第1〜6
の演算処理部を有する処理部にこのようなシミュレーシ
ョン部が設けられている場合について、説明する。
【0016】図5の処理部110でマトリックスが作成さ
れると、そのマトリックス内の各セルに確率密度を算出
する演算量、処理次元数や要求精度に応じて、シミュレ
ーション処理を選択する第7の演算処理部と選択された
シミュレーションに従って、マトリックス内の確率密度
や損益を算出する第8の演算処理部とを有する。第7の演
算処理部は、例えば、二次元でかつ高い信頼区間が要求さ
れない場合であれば近似式による第1のシミュレーショ
ンを選択する。また、三次元以上で、高い信頼区間が要
求されない場合であれば第2のシミュレーションを、高
い信頼区間が要求される場合は乱数発生による第三のシ
ミュレーション又は第4のシミュレーションを選択し、実
行する。第8の演算処理部は、第7の演算処理部で選択さ
れたシミュレーションに従って、第一のシミュレーショ
ンの場合は、マトリックス上のセルに対応する確率密度
及び損益を演算処理していく。第二あるいは第三のシミ
ュレーションの場合は、各試行に対応する損益のリスト
を演算処理する。第四のシミュレーションの場合は、楕
円体を制約条件として、損益のリストを演算処理する。
第9の演算処理部は、作成された確率密度と損益のマト
リックス、あるいは損益のリストからバリューアットリ
スクやストレステストの演算処理を行う。第10の演算
処理部では、算出されたデータをもとにグラフや表にす
るための出力処理をし、その結果は出力部の画面やプリ
ンタに表示、出力される。
【0017】次に、計算処理の手順について説明する。
ここでは、一例として、2000年9月4日から19日
までの11日分のドル円為替レート及びユーロ円為替レ
ートとをヒストリカルデータとし、このヒストリカルデ
ータに基づいて所望するドル円レートとユーロ円レート
の相関を取った確率密度を算出する。これによって、1
0個のヒストリカルデータから100個のドル円レート
とユーロ円レートとの組み合わせシナリオが得られる。
11日分のドル円レートと同じ期間の11日分のユーロ
円レートは、入力部を介して記憶部又は処理部に取込ま
れる。取り込まれたドル円レートと取り込まれたユーロ
円レートから、それぞれの日次収益率を算出する。ここ
で、取り込んだデータを第1のデータとするならば、取り
込んだデータから算出されて生成されたデータを第2の
データと定義する。つまり、ドル円レート及びユーロ円
レートは第1のデータであり、ドル及びユーロの日次収
益率は第2のデータである。日次収益率は、算術計算及
び対数計算では、それぞれ以下のような式で算出され
る。 日次収益率=(当日−前日)/前日 (式1) 日次収益率=Log(当日/前日) (式2) 本発明の実施例では、式1を用いて演算処理している。
算出された第2のデータをドル及びユーロごとにその日
次収益率の大きさの昇順(又は降順)に並べ替える、又は、
順位をつける。順位をつけた場合の結果を図6の順序の
項目に示す。
【0018】次に、図7に各順位に対応する累積確率の
代表値と累積確率の代表値に基づく標準正規分布の値を
示す。演算された順位に確率密度を割り当てるために、
ヒストリカルな日次収益率は同じ確率で生じる可能性が
あると仮定する。今、このデータは10個であるので、そ
れぞれの確率は0.1となる。標準正規分布は、経験分
布の確率密度の各領域の中間値に対応させるので、例え
ば、4番目の領域の確率密度は、0.3〜0.4なので
0.35を対応させる。ここでの対応では、実際の日次
収益率の値ではなく、その順序のならびに基づいて確率
密度を割り当てている。このようにして算出された累積
確率の代表値を用いて、確率密度の標準正規分布の値を
算出する。この標準正規分布の値をドル円レートとユー
ロ円レートで算出し、それらの相関関係を算出する。つ
まり、標準正規分布の値で相関係数を算出すれば0.6
03である。一方、第2のデータである日次収益率で相
関係数を求めると、図6に示すように、相関係数は0.
594となるので、異なる形での相関関係が定義されて
いる。
【0019】図8に順位に従って日次収益率を並べ替え
たものを示す。シミュレートしたいレートの算出は、算
出したいドル円レート及びユーロ円レートに基づいて算
出する。つまり、この場合は、ある日のドル円レート10
6.84円とユーロ円レート91.04円を用いてそれぞれの日
次収益率との積を計算した結果を記載している。このド
ル円及びユーロ円のそれぞれ10個のレートをマトリック
スに展開することで、図9に示すマトリックスを作成で
きる。なお、各マトリックスの要素をセルとし、セルを特
定するために行と列で指定したり、また、順位を対応さ
せることで(1,1)から(10,10)の座標で特定するこ
とができる。次に2次正規分布の閾値は、シミュレーシ
ョンしたいレートの数に応じて,その範囲で等しい確率
で分割する,つまり,10分割し,各確率は0.1とする。
この確率を昇順に累積し、つまり,上限の値をその確率
密度に応じた(2次)正規分布の閾値として算出する。
なお,閾値の6とー6は、確率がほぼ1に近い値とした
際の閾値として,本発明の実施例では用いている。つま
り、ある表計算ソフトウエアによれば、この−6と6は
正規分布に関する関数のパラメータの上限に近い値とし
て用いることができる値であり、−6及び6の値では、
その確率密度は10億分の1という、極めて小さな値と
なる。
【0020】以上,ここまでは,図2の501,50
2,504について,説明してきた。次に,図2の50
3の外挿関数を用いて,ヒストリカルデータの範囲外の
データの演算処理について説明する。外挿に用いられる
分布の例として、一般化パレート分布(Generalized Pa
retoDistribution)の関数がある。これは、以下のよう
になる。
【数3】 (式3)
【数4】 (式4) また、上述の一般化パレート分布以外に以下のような外
挿分布の関数も本発明に適用することが可能である。正
規分布の左右の裾部分であるテール部分がファットテー
ル分布であることを近似するための近似式として式5又
は式6が用いられる。なお、式5及び式6の場合は、
分布のテール部を近似するための近似式である。 一次近似: 分布関数=1−a・(x−α)、 α>0、x→∞ (式5) 二次近似: 分布関数=1−ax−α{1+bx−β+o(x−β)}、 α>0、β>0、 x→∞ (式6) o: 誤差項 この他の本発明に適用できる近似式としては、保険数理
の分野で用いられる以下に示すような関数を適用して処
理するシステムを実現することは可能である。式8から
式14で用いられている の関係を式7に示す。
【数5】 (式7) 式8から式14は、分布関数または確率密度関数であ
る。このような関数は、例えば、 文献名:Modeling Extr
emal Events, 著者:Embrechts,/Kluppelberg /Mikosch
によって開示されている。
【数6】 (式8)
【数7】 (式9)
【数8】 (式10)
【数9】 (式11)
【数10】 (式12)
【数11】 (式13)
【数12】 (式14) 上述の外挿の関数は,予め演算処理するデータの性質や
内容によってどの関数を用いるかを決めておくことや,
複数の関数で計算処理し、最もヒストリカルデータと整
合性のよい関数の演算結果を選択することも可能であ
る。
【0021】このような多次元の経験分布の相関関係
は、正規コピュラ関数によって定義される。つまり、正
規性を仮定できる場合は、相関係数という1つのパラメ
ータだけで、上記の経験分布の相関関係を定義できるの
である。ここで、コピュラ関数とは、分布同士を関連付
ける(コピュラする)ための関数であり、コピュラ関数
が、特に、正規分布である場合は、正規コピュラ関数とい
う。コピュラ関数は、複数の経験分布をそれぞれの分布
間を一対一の関係の正規分布で定義できるので、相関関
係の定義が難解な経験分布を直接用いて算出処理する必
要が無くなる。つまり、相関係数のみで定義される多次
元の正規分布で計算処理を行い、その計算結果を経験分
布に戻す処理、つまり、逆関数による変換などを実行す
ることで、経験分布上の結果を得ることができる。これ
らの処理により、複数の経験分布のあらゆる組み合わせ
について相関関係を維持しつつシミュレーション処理を
することができる。
【0022】次に、標準正規分布の裾の所定領域につい
て、低い発生確率の市場変動計算も可能なように、連続分
布するパレート分布を適用した場合について、以下に説
明する。ここでは、例えば、標準正規分布の左右2%以上
の領域にパレート分布を用いて外挿することで、より適
切な分布が得られ、ヒストリカル法による限界よりもは
るかに小さい発生確率の損失も、的確に計算できるよう
になる。その結果を図10に示す。実線で示している極
値理論は、ポートフォリオ全体の経験分布に対してパレ
ート分布を適用したものである。オプションリスクがあ
る場合はこの手法を用いる事は出来ないが、今回オプシ
ョンリスクがないと仮定すると、十分低い発生確率の予
想損益が的確に得られる。点線で示すのは、連続分布に
よる外挿を行わない場合の結果であり、これによれば、所
定の損失額以降は度数0の結果しか得られない。これに
対して実線の折れ線は、各ファクター、ここでは、米ドル、
ユーロ及び豪ドルの3つのポートフォリオそれぞれにつ
いて、パレート分布による外挿を分布の左右2%以上の
領域で行ったものを示している。これにより、点線では
度数0となっている領域で、所定の損失を示すように度
数が算出されている。これらの算出手順について、以下
に説明する。裾の部分の外挿による関数で生成した正規
分布の閾値と、この外挿分布に対応する経験分布の例を
以下の表に示す。ここでは、外挿分布の領域を0.02
以下とし、経験分布の領域は0.02より0.002刻み
で増分させるものである。図11にヒストリカル分布と
外挿分布のグラフを示す。
【表1】 例えば、モンテカルロ法などで、シミュレーションによ
り発生させた正規乱数の値が、−2の場合は、上の表の
通り、経験分布の点2の値が採用される。しかし、−
2.1の場合は外挿分布の範囲なので、外挿分布上の該
当する確率密度に当たる値が採用される。関連するファ
クター全てについて、予想収益率を計算し、これを現在
の市場レートに掛け合わせる事で、予想市場レートを得
る。さらに、各取引のプライシングモデルに予想市場レ
ートを適用する事で、予想損益を得る事が出来る。ま
た、あるファクターに関する全ての商品がオプションリ
スクを含まない場合は、プライシングモデルを用いず
に、感応度に予想市場変動をかける事で、簡単に予想損
益を求める事が出来る。
【0023】オプションリスクを含む場合は、原資産の
変動だけではなくボラティリティーの変動も計算する必
要がある。ボラティリティー自体をファクターとして、
経験分布に組み込む事が出来るし、原資産からヒストリ
カルボラティリティーを求める事も出来る。オプション
リスクがある場合は、感応度により予想損益を正確に求
めるのは困難なので、できるだけプライシングモデルを
用いて、予想損益を計算するのが望ましい。さらに、パ
レート分布による外挿を行う際には、分布の2つのパラ
メーターを同時に推定するために非線形最適化によって
行っていた。しかしながら、2つのパラメータのうち1
つのパラメータである形状パラメーター(テールインデ
ックス)の推定値にヒル推定量を使う事ができる。他の
パラメータであるサイズを定めるパラメーターの推定に
は、演算処理時間のかかる非線形最適化の手法を適用し
なくても、ニュートン・ラフソン法などを適用する事に
より、さらに高速に演算処理が可能となる。ここで、パ
レート分布の近似式の一例を以下に示す。 確率密度=a・(経験分布×10−c−b (式15) 図12にこの近似式を満たし、かつ、その誤差の二乗が
最小となるようにa,b,cを算出した一例の表を示す。こ
の表では、経験分布として、株式の変化率を用いて、パ
レート分布の値を算出し、このパレート分布の値と累積
確率の値との差の二乗を算出し、ここでは、10個のデー
タの差の二乗の和を最小とするように、係数a,b,c
を参照する。また、表の下に示しているグラフは、累積
確率(確率密度)とパレート分布の値である確率密度を
示している。このグラフによれば、算出された近似式で
あるパレート分布の例は、確率密度のグラフに対して近
似していることがわかる。
【0024】以下に、分布の形状パラメータとサイズの
パラメータを非線形最適化によって同時に推定する手順
を説明する。例えば、外挿関数を上記の形式とし、係数
a,b,cを求める事を考える。経験分布には確率密度
を均等に割り当てている。これとパレート分布から求ま
る確率密度の差が最も小さくなるようにするため、最小
二乗法により係数を定める。すなわち、各点の差の二乗
の合計を目的関数として、これが最小になるように係数
を変化させる最適化計算を行う。最適化計算は、例えば
エクセルのソルバー機能として実現されている準ニュー
トン法などを用いる事が出来る。さらに、形状パラメー
タにヒル推定量を適用して、決定してからサイズのパラ
メータを算出する手順について、以下に説明する。ヒル
により、裾の分布の形を決めるパラメーターαの最尤法
(さいゆうほう)による推定値(最もありそうな値)は
次の通り。この推定値は、ヒル推定量と呼ばれる。
【数13】 (式16) m :裾の部分の観測数 Xm+1:裾の部分を示すしきい値 上記計算式によりまずαを求める。その他の未定の計数
は、準ニュートン法による最適化計算、あるいは係数が
一つの場合は、ニュートン・ラフソン法などにより、や
はり確率密度との誤差がもっとも小さくなるように求め
る。以上で、図2の503のパレート分布による外挿処
理が終了する。
【0025】次に、シミュレーションについて、説明す
る。これまで説明してきた2次元データの確率密度のシ
ミュレーションには、近似式を用いたシミュレーション
が計算負荷及び計算時間の観点からも適している。以下
に近似式を用いたシミュレーションの一例を示す。これ
は、Dreznerの式と呼ばれる2次元標準正規分布の確率
密度関数で、2変数(系統)の相関係数ρとそれぞれの閾
値(a,b)から小数点以下4桁の精度を持つ近似式で
ある。なお、近似式は,a,b,ρの値によって,下記
の5つの近似式に場合分けされる。
【数14】 (式17) この確率密度関数の値から二次元の正規分布上の任意の
矩形領域の確率を求めることができる。具体的には,矩
形積分値を算出することで、経験分布に対応させて、全
ての矩形領域の発生確率を求めたものは、離散的な二次
元の確率密度関数の値になる。相関係数は0.603と
算出されているので,この相関係数と各セルに対応する
ようにa, bの値をとることで,各セルの確率密度がこの
矩形積分値として得られる。Dreznerの式は、対象が二
次元の場合にのみ適用できる関数であって、2次元を超
える多次元の場合には、上記の式17そのものを用いる
ことはできないが、多次元へ展開した式を算出すれば、
多次元の近似式で算出可能である。。図9に確率密度を
まとめたもの示す。なお、下線を引いてある数値は,ド
ル円及びユーロ円の順序を座標とした場合に対応するセ
ルである。つまり、(8,8)、(2,1)、(7,
2)、(1,6)、(9,9)、(5,3)、(10,
10)、(6,4)、(3,5)、(4,7)の10個
のデータであり,これは、ヒストリカルデータに対応す
る。この結果、ヒストリカルデータが実際に存在した組
み合わせだけでなく、理論的に組み合わせが有り得る
が、ヒストリカルデータが存在しない部分の発生確率も
演算処理している。つまり、図9のデータが算出され、ま
た、この表を三次元のグラフとすると図13に示すよう
になる。
【0026】なお、ここで、図9で示したマトリックス
は確率密度を0.1の均等としていたが、ここに重みを
つけてマトリックスを構成することも可能である。つま
り、予めマーケットの予測などを定量的に織り込むこと
ができるデータでは、マトリックスの行方向及び列方向
別々に重み付けをして確率密度を算出することが可能で
ある。また、図9では、ドル円レート及びユーロ円レー
トの値が確率密度に対して均等であるが、これらのレー
ト自身は不均等である。そこで、これらのレートを、例
えば、0.5刻みとなるように、最小二乗法などの補間
処理によって補間し、補間したレートに基づく確率密度
を算出することもできる。
【0027】次に、第2のシミュレーションは、多次元
正規乱数を発生させて、発生した値がどのセル領域に入
るかを判定し、対応する損益を算出するものであり、一
般には,モンテカルロ法によるシミュレーションであ
る。これは所定の精度となるように繰り返し行うので,
計算負荷、計算時間ともかかるが,三次元以上の多次元
の場合には,第1のシミュレーションは用いることがで
きないので,この第2のシミュレーションを用いるか、
次の多次元の確率密度を算出する第3のシミュレーショ
ンになる。
【0028】第3のシミュレーションは、離散的なヒス
トリカル分布と外挿されたパレート分布などの連続分布
を正規コピュラ関数などで合せた分布であり、この合わ
せた分布に用いられる正規分布が多次元であるのなら、
各ファクターが正規性を有すると仮定した場合に複数フ
ァクターから構成される多次元分布も正規分布である。
このときの確率密度関数は、以下の式によって表され
る。
【数15】 (式18)X:p次元の確率ベクトル、μ:Xの平均ベ
クトル、Σ:Xの分散共分散行列 第4のシミュレーションは、正規分布上に楕円体の方程
式を定める。そして、信頼区間にあたるストレステスト
を行うために、楕円体の大きさを定めるパラメータを信
頼区間に該当するよう算出する。楕円体による第4のシ
ミュレーションは、所定領域でのストレステストの演算
をより高速にすることが可能である。これによれば、ス
トレステストの境界条件である楕円体のパラメーターを
推定し、適当なデータ(スタート地点)から、所定の制
約条件の中での、最大損失を推定する。経験分布上の初
期値Yに対応する多次元正規分布上の点X(正規分布の
値のベクトル)を選択し、点Xを微小に移動させた点
X’を選択する。ただし、X’は楕円体内部の点であ
る。次に、点X’の各要素の確率密度に対応する経験分
布上の点Y’を選択する。初期値Yの損失額とY’の損
失額を比較し、Y’の損失額が大きければ、次の初期値
をY’にする。これを損失額が最大になるまで繰り返
す。よって、上記のようにして算出する楕円体の場合
は、マトリックスを計算する必要がなく、場合によって
は、処理時間を短縮することが可能である。ここで、所
定の制約条件とは、次の通り。記号を以下のように定め
ると、楕円体の方程式は、 式14で表される。 XΣ−1X=r (式19) Σ:正規分布の共分散行列、X:正規分布のベクトル、
Σ−1:共分散行列の逆行列 r:楕円の大きさを表わすパラメーター
【0029】特定の信頼区間に当たるストレステストを
行うには、信頼区間に該当するrを定め、その楕円体の
中でストレスケースを探索すれば良い。この計算過程で
は、ファクター別の感応度を求める処理を数十回繰り返
す必要があるが、この負荷はモンテカルロシミュレーシ
ョンに比べると、数分の1から数十分の1になり、結果
として、高速な処理が可能となる。楕円体によるストレ
ステストでは、現在の相場水準から最適化計算を行うも
のがあるが、むしろヒストリカル法における最大損失が
最もストレステストの境界条件(ストレスケース)に近
いとするほうがより自然な想定である。ヒストリカル法
における最大損失を初期値とすることで、より的確なス
トレス値が得られる。
【0030】これらは、演算処理部やデータ処理部で処
理される。楕円体の場合は、以下に詳細を説明するが、
楕円体の形状や大きさを決めるために、例えば、楕円体
の式19のrをモンテカルロ法などのシミュレーション
によって算出する。本発明のシステムでは、このように
所定の信頼区間の正規分布上に展開される楕円体領域を
算出するための第11の演算処理部又は楕円体処理部をシ
ステムに有することで実現する。
【0031】次に、ストレステストの算出にあたり、楕円
体を適用して演算処理時間を短縮することについて、以
下に説明する。所定領域のデータに対して、すべてのデ
ータを演算処理に用いるのではなく、所定の信頼区間に
該当する楕円体の半径r を定め、それによって定義され
る楕円体の領域内でストレスケースを探索する。これに
より、少ないデータ数でも精度よく演算処理が可能であ
る。以下に処理手順の概要を示す。 (ア) 共分散行列の計算 経験分布と対応させた正規分布から、共分散行列及びそ
の逆行列を計算する。 (イ) パラメーターrの計算 楕円の大きさに関するパラメータrは、例えば、モンテ
カルロ法によって、算出できる。 (ウ) 最適化計算 準ニュートン法などの適切な手法により、最適化計算を
行う。 Y:経験分布上のベクトル、X:正規分布上のベクト
ル、G:損益の計算関数から、目的関数を経験分布及び
その外挿関数を含めた範囲上で損失を最大化する、つま
り、G(Y)を最小化するような値をとる。つまり、制約条
件は、経験分布と対応させる正規分布を区分する楕円体
内部であり、 XΣ−1X≦r(式19) で示される。上記計算を行うには、Xの変化に対するG
(Y)の変化が計算できなければならない。これまでの
説明では、Yは離散的な値しか取らなかったが、最適化
計算のためには点と点の間を線形補間するなどの工夫を
行う。
【0032】次に、楕円体のパラメーターrは、以下の
手順で求める。 (エ) コレスキー分解 正規分布の共分散行列をコレスキー分解する。共分散行
列は、モンテカルロシミュレーションで利用するため
に、コレスキー分解により、三角行列に分解する。 共分散行列:Σ(対称行列かつ正定値) 上三角行列:A 下三角行列:A‘ コレスキー分解では、Σ=A‘AとなるようなAを求め
るため、次の操作を行う。 三角行列の要素 :aij 共分散行列の要素:sij
【数16】 (式20)また
【数17】 (式21) (オ) シミュレーションの実施 以下の手順、を繰り返す。 独立な正規乱数と、分解行列から相関を反映したベ
クトルXを計算 XΣ−1X=rにより、rを求める。 多数のrをソートし、信頼区間に相当する順番のrを採
用する。
【0033】つまり、所定信頼区間の楕円体に含まれる
正規分布上のデータをヒストリカル分布上のデータに置
き換えたときの最大値や最小値が、例えば、その信頼区
間の最大損失として算出できる。
【0034】次に、本発明の処理に含まれるシミュレー
ションの手順の一例を以下に示す。 (ア) 市場データの読み込み:為替レートなど、ポート
フォリオで保有する商品の損益を計算するために必要な
市場レートの時系列データを読み込む。 (イ) 収益率の計算:時系列データの日次対数収益率を
計算する。 (ウ) 収益率のソート:収益率を降順(又は昇順)にソー
トする。 (エ) 順序表の計算:ソートの結果を元に、元の収益率
データが、全体に対して何番目かを、それぞれ求める。 (オ) しきい値の計算:離散的な経験分布に対応して、
連続的な正規分布のどの区間が対応するかを判定できる
ように、正規分布のしきい値を計算する。 (カ) 正規分布の計算:経験分布の確率密度に対応する
標準正規分布を計算する。 (キ) 共分散行列の計算:標準正規分布から、共分散行
列を計算 (ク) コレスキー分解の計算:共分散行列を三角行列に
分解する。 (ケ) ポジションの読み込み:以下の2つの場合が考え
られる。 取引データ :プライシングモデルにより正確に損
益を計算する場合 感応度データ:デルタ、ガンマ、べガなどの感応度
により、簡便に損益を計算する場合 (コ) 離散分布の損益の計算:感応度データにより計算
する場合:ポートフォリオの予想損益は、各ファクター
の変化に対する損益を合計するだけで計算できる。よっ
て、予めファクター別の損益を計算して、配列に保持し
ておく事で計算時間を節約できる。 (サ) 外挿関数の導出:パレート分布などの適切な外挿
関数を選択し、パラメーターを求める。 (シ) シミュレーションの実施 以下の手順を繰り返す。 独立な正規乱数の生成 ファクターの数だけ、独立な標準正規乱数を生成する。 相関を反映した正規分布の計算 正規乱数ベクトルに、コレスキー分解により求めた三角
行列を掛け合わせ、相関を反映した正規分布のベクトル
を求める。 経験分布への戻し 正規分布の確率密度により、以下のように分岐 ・外挿関数の範囲:外挿した連続分布の対応する確率密
度を求める。 ・離散分布の範囲:正規分布のしきい値により、対応す
る経験分布の点を求める。 予想損益の計算 取引データによるフルバリュエーションを行う場合は、
経験分布の組み合わせが求まるたびに、再計算を行う必
要がある。感応度による簡易的な計算(以下、感応度
法)を行うときは、離散分布の範囲の場合は、計算済み
の損益を選択し、加算すれば良い。外挿関数の範囲の場
合は、やはり再計算を行う必要がある。 (ス) ストレス値の選択 多数の予想損益をソートし、ストレスとして規定した確
率密度(信頼区間)に該 当する順位の予想損益を、
ストレス値として選択する。
【0035】また、他の高速化の手法として、階層化によ
るサンプリングを適用する事が考えられる。上述の算出
手順では、外挿領域について、正規乱数により確率密度
をサンプリングし、そのたびに、外挿した連続分布上の
点を求め、損益を計算し直すものである。しかし、この
ような手順に対して、例えば、0.04%などの適度な
微小区間ごとに予め損益を計算しておけば、以降は、そ
れらをサンプリングするだけで、時間のかかる損益の再
計算を要しないため、計算機の負荷の軽減及び計算速度
の向上が図れる。
【0036】このようにして得られたシミュレーション
の結果は、出力部によって、例えば図13に示すような
三次元グラフにして出力する。図13は、図9で算出さ
れたドル円レート及びユーロ円レートに対応する確率密
度の算出値を三次元グラフで示したものである。このよ
うなグラフに限らず、棒グラフや円グラフ等の他のグラ
フで表示してもよい。
【0037】相関係数が、0.603と高いので、円に対
するユーロ及びドルの変化は、同じ方向に変化する確率
が高いことがわかる。逆に、別方向、つまり、異なって変
化する確率は低いことがわかる。ドル円レートとユーロ
円レートのどの組み合わせにおいても確率が0ではない
ので、所定の確率で発生するリスクを捉えた結果となっ
ていることが示されている。これは、ヒストリカルデー
タには現れない変動シナリオの組み合わせが大きな損失
をもたらすような場合にも対応しているといえる。さら
に、ドル円レートの発生確率の総和及びユーロ円レート
の発生確率の総和は、10%となっているので、各レー
トでの発生確率が同じであるとした仮定が維持されてい
ることがわかる。従って、従来よりも発生確率の低いス
トレス損益のシミュレートができ、かつ、高速に算出で
きるリスク管理システム及び方法が達成される。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、実際の観測データを用
いながらも、従来よりも発生確率の低いストレス損益の
シミュレートができる。また、実際の観測データからそ
の周辺の算出データを高速に算出することが可能であ
る。さらに、外国為替レートではなく、他の観測データ
を用いて処理することもできる。また、金融関係ではな
く、他の分野のデータであっても同様に処理することが
可能である。また、二次元のデータだけでなく、多次元
のデータの処理が可能でかつ、最適な処理を可能にす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のリスク管理システムの概略
図である。
【図2】本発明の一実施例のリスク管理システムの処理
フローの概要図である。
【図3】本発明の一実施例のリスク管理システムの機能
ブロック図である。
【図4】本発明の一実施例のリスク管理システムの他の
機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施例のリスク管理システムの他の
機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施例のリスク管理システムで処理
されたデータの一例である。
【図7】本発明の一実施例のリスク管理システムで処理
されたデータの一例である。
【図8】本発明の一実施例のリスク管理システムで処理
されたデータの一例である。
【図9】本発明の一実施例のリスク管理システムで処理
されたデータの一例である。
【図10】本発明の一実施例の外挿関数を用いた場合と
用いない場合との比較図である。
【図11】ヒストリカル分布と外挿分布を合成した一例
である。
【図12】パレート分布の演算結果とパレート分布と確
率密度との近似を示した一例である。
【図13】本発明の一実施例のリスク管理システムで処
理されたデータの一例を立体グラフ化した一例である。
【符号の説明】
100…入力部、110…処理部、120…メモリ部、
130…記憶部

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数系統のデータを用いて上記系統ごとに
    上記データの値の大きさに従って順位を演算し、上記系
    統ごとに上記順位に従う累積確率の代表値を算出し、上
    記代表値に対応する標準正規分布に基づく相関係数を演
    算し、上記相関係数により構成される多次元正規分布を
    演算処理し、上記多次元正規分布に基づいて、上記複数
    系統のデータより求まる数値を演算処理することを特徴
    とするリスク管理システム。
  2. 【請求項2】複数系統のデータ群を処理するリスク管理
    システムであって、実データに基づいて、正規分布を算
    出し、算出された正規分布から各系統間の相関係数を算
    出し、正規分布上のそれぞれの閾値を算出して上記正規
    分布の閾値に対応する多次元のマトリックスを生成し、
    上記マトリックス上の閾値によって特定される点の確率
    密度を上記相関係数に基づいて算出し、上記確率密度に
    基づいてリスク評価値を算出することを特徴とするリス
    ク管理システム。
  3. 【請求項3】多次元正規分布上の複数の閾値を算出して
    マトリックスを構成し、多次元の正規乱数を算出し、算
    出した上記多次元正規乱数が上記マトリックス上のどの
    閾値に含まれるかを判別し、上記多次元正規乱数の値を
    保持し、上記多次元正規乱数の値に基づくリスク評価値
    を算出することを特徴とするリスク管理システム。
  4. 【請求項4】入力された複数系統のデータによって構成
    されるヒストリカル分布と、上記ヒストリカル分布上の
    データを含まない裾の領域であって、上記ヒストリカル
    分布と連続した分布となる外挿関数を算出し、上記外挿
    関数に基づいて上記裾の領域のデータを算出し、上記複
    数系統の上記ヒストリカル分布のデータと上記外挿関数
    に基づいて生成されたデータから上記複数系統のデータ
    に基づくマトリックスを演算し、上記マトリックスの上
    記系統ごとの交点となるセルに対して上記複数系統のデ
    ータより求まる数値を演算し、上記数値から所定の条件
    を満たすリスク評価値を演算することを特徴とするリス
    ク管理システム。
  5. 【請求項5】データを入力する入力部と、 入力された複数系統のデータの大きさに従う順位を算出
    し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、上
    記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、相
    関係数を上記標準正規分布の値から算出し、算出したい
    各系統のデータ個数に応じて、均等に分布した場合の正
    規分布の閾値を算出し、上記閾値によって構成される多
    次元のマトリックスを生成するマトリックス演算処理部
    と、 上記マトリックスの上記系統に基づく所定の交点に上記
    複数系統のデータから求まる数値を算出するシミュレー
    ション部と、上記数値から所定の条件を満たすリスク評
    価値を算出する演算処理部とを有してなる演算処理装置
    と、 データ及びプログラムを保持する記憶部と、 演算処理した結果を表示、出力する出力部とを有するこ
    とを特徴とするリスク管理システム。
  6. 【請求項6】データを入力する入力部と、 入力された複数系統のデータに基づいて、上記データの
    範囲外のデータを生成するために連続分布関数を演算す
    る外挿演算処理部と、 入力された複数系統のデータの大きさに従う順位を算出
    し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、上
    記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、相
    関係数を上記標準正規分布の値から算出し、算出したい
    各系統のデータ個数に応じて、均等に分布した場合の正
    規分布の閾値を算出し、上記閾値によって構成される多
    次元のマトリックスを生成するマトリックス演算処理部
    と、 上記マトリックスに対応する上記複数系統のデータある
    いは上記外挿部のデータより求まる数値を算出するシミ
    ュレーション部と、上記数値から所定の条件を満たすリ
    スク評価値を算出するリスク評価処理部とを有してなる
    演算処理部と、 データ及びプログラムを保持する記憶部と、 演算処理した結果を表示、出力する出力部とを有するこ
    とを特徴とするリスク管理システム。
  7. 【請求項7】第1のデータである実測値及び演算処理の
    結果を保持する記憶部と、上記第1のデータに基づいて
    損益に関する第2のデータを算出する第1の演算処理部
    と、上記第1のデータの値の大きさに応じて順序を設定
    する第2の演算処理部と、上記順序に従って累積確率の
    代表値を演算し、割り当て、上記累積確率の代表値に対
    応する正規分布の値を算出する第3の演算処理部と、そ
    れぞれの系統間の相関係数を算出する第4の演算処理部
    と、上記第2のデータに基づいてシミュレーションする
    数値の組み合わせを生成する第5の演算処理部と、上記
    組み合わせに対して上記データより求まる数値をシミュ
    レートする第6の演算部と、上記数値から所定の条件を
    満たすリスク評価値を演算処理する第7の演算部とを有
    することを特徴とするリスク管理システム。
  8. 【請求項8】請求項7において、上記実測値とは所定期
    日間の外国為替レートであり、上記第1のデータ値とは
    日次収益率であることを特徴とするリスク管理システ
    ム。
  9. 【請求項9】請求項8において、上記外国為替レートと
    は、所定期日間のドル−円レート又はユーロ−円レート
    又は任意の国の通貨に対する上記任意の国以外の他の任
    意の国の通貨との売買レートであることを特徴とするリ
    スク管理システム。
  10. 【請求項10】請求項8において、上記第4の演算処理
    部は、所定の範囲に対して、連続分布関数に外挿して演
    算されたデータを含めて処理することを特徴とするリス
    ク管理システム。
  11. 【請求項11】請求項10において、上記連続分布関数
    は、パレート分布関数であることを特徴とするリスク管
    理システム。
  12. 【請求項12】請求項10乃至11のいずれか1項にお
    いて、上記所定の範囲は、分布の左右2%以上の範囲で
    あることを特徴とするリスク管理システム。
  13. 【請求項13】データを入力する入力部と、 入力された複数系統のデータの大きさにおける順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    相関係数を上記標準正規分布の値から算出し、算出した
    い各系統のデータ個数に応じて、均等に分布した場合の
    正規分布の閾値を算出し、上記閾値によって構成される
    多次元のマトリックスを生成するマトリックス演算処理
    部と、 上記データの数及び系統の数に応じて、予め定められた
    シミュレーションの処理を選択するシミュレーション選
    択部と、上記選択されたシミュレーションに従って、上
    記マトリックスに上記複数系統のデータより求まる数値
    を算出するシミュレーション部と、 上記数値から所定の条件を満たすリスク評価値を演算す
    る演算処理部とを有してなる演算処理装置と、 データ及びプログラムを保持する記憶部と、演算処理し
    た結果を表示、出力する出力部とを有することを特徴と
    するリスク管理システム。
  14. 【請求項14】データを入力する入力部と、 入力された複数系統のデータの大きさにおける順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    相関係数を上記標準正規分布の値から算出する演算処理
    部と、 シミュレーションしたい信頼区間の範囲であって、上記
    正規分布の領域を規定する楕円体の形状及び大きさを算
    出する楕円処理部と、 上記算出された楕円体を制約条件として、上記複数系統
    のデータより求まる数値を算出して上記制約条件を満た
    すリスク評価値を算出するシミュレーション部とを有し
    てなる演算処理装置と、 データ及びプログラムを保持する記憶部と、 演算処理した結果を表示、出力する出力部とを有するこ
    とを特徴とするリスク管理システム。
  15. 【請求項15】入力部を介してデータを入力するステッ
    プと、 入力された複数系統のデータの大きさに応じた順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    相関係数を上記標準正規分布の値から算出し、算出した
    い各系統のデータ個数に応じて、均等に分布した場合の
    正規分布の閾値を算出し、上記閾値によって構成される
    多次元のマトリックスを生成するステップと、 上記データの数及び系統の数に応じて、予め定められた
    シミュレーションの処理を選択するステップと、 上記選択されたシミュレーションに従って、上記マトリ
    ックスに上記複数系統のデータから求まる数値を算出す
    るステップと、 上記数値のから所定条件を満たすリスク評価値を算出す
    るステップとを有することを特徴とするリスク管理シス
    テムを用いたリスク管理方法。
  16. 【請求項16】入力部を介してデータを入力するステッ
    プと、 入力された複数系統のデータの大きさに応じた順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    相関係数を上記標準正規分布の値から算出するステップ
    と、 シミュレーションしたい信頼区間の範囲であって、上記
    正規分布の領域を規定する楕円体の形状及び大きさを算
    出するステップと、 上記算出された楕円体を制約条件として、上記複数系統
    のデータより求まる数値を算出して上記制約条件を満た
    すリスク評価値を算出するステップとを有することを特
    徴とするリスク管理システムを用いたリスク管理方法。
  17. 【請求項17】複数系統のデータを用いて上記系統ごと
    に上記データの値の大きさに従って順位を演算し、上記
    系統ごとに上記順位に従う累積確率の代表値に対応する
    標準正規分布に基づく相関係数を演算し、上記順位に従
    う正規分布の閾値と上記相関係数によって構成される多
    次元マトリックスを生成し、上記多次元マトリックスの
    各系統のデータの交点となるセルの確率密度を上記相関
    係数を用いて演算処理することを特徴とするリスク管理
    システム。
  18. 【請求項18】入力された複数系統のデータによって構
    成される分布であって、上記分布の所定の領域に離散的
    なヒストリカル分布を与え、上記ヒストリカル分布の裾
    部分の領域に上記ヒストリカル分布と連続した分布とな
    る外挿関数を算出し、上記外挿関数に基づいてデータを
    生成し、上記複数系統の上記ヒストリカル分布のデータ
    と上記外挿関数に基づいて生成されたデータから上記複
    数系統の正規分布に基づく相関係数を演算し、上記相関
    係数と上記複数系統のデータに基づくマトリックスを演
    算し、上記マトリックスの上記系統ごとの交点となるセ
    ルに対して確率密度を演算することを特徴とするリスク
    管理システム。
  19. 【請求項19】データを入力する入力部と、 入力された複数系統のデータの大きさにおける順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    上記複数系統の相関係数を上記標準正規分布の値から算
    出し、算出したい各系統のデータ個数に応じて、均等に
    分布した場合の正規分布の閾値を算出し、上記閾値によ
    って構成される多次元のマトリックスを生成するマトリ
    ックス演算処理部と、 上記マトリックスの上記系統に基づく所定の交点の確率
    密度を算出するシミュレーション部とを有してなる演算
    処理装置と、 データ及びプログラムを保持する記憶部と、 演算処理した結果を表示、出力する出力部とを有するこ
    とを特徴とするリスク管理システム。
  20. 【請求項20】データを入力する入力部と、 入力された複数系統のデータに基づいて、上記データの
    範囲外のデータを生成するために連続分布関数を演算す
    る外挿演算処理部と、 入力された複数系統のデータの大きさにおける順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    上記複数系統の相関係数を上記標準正規分布の値から算
    出し、算出したい各系統のデータ個数に応じて、均等に
    分布した場合の正規分布の閾値を算出し、上記閾値によ
    って構成される多次元のマトリックスを生成するマトリ
    ックス演算処理部と、 上記マトリックスの確率密度を算出するシミュレーショ
    ン部とを有してなる演算処理部と、 データ及びプログラムを保持する記憶部と、 演算処理した結果を表示、出力する出力部とを有するこ
    とを特徴とするリスク管理システム。
  21. 【請求項21】第1のデータである実測値及び演算処理
    の結果を保持する記憶部と、上記第1のデータに基づい
    て損益に関する第2のデータを算出する第1の演算処理
    部と、上記第1のデータの値の大きさに応じて順序を設
    定する第2の演算処理部と、上記順序に従って累積確率
    の代表値を演算し、割り当て、上記累積確率の代表値に
    対応する正規分布の値を算出する第3の演算処理部と、
    それぞれの系統間の相関係数を算出する第4の演算処理
    部と、上記第2のデータに基づいてシミュレーションす
    る数値の組み合わせを生成する第5の演算処理部と、上
    記組み合わせに対して確率密度を演算する第6の演算部
    とを有することを特徴とするリスク管理システム。
  22. 【請求項22】データを入力する入力部と、 入力された複数系統のデータの大きさに従う順位を算出
    し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、上
    記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、上
    記複数系統の相関係数を上記標準正規分布の値から算出
    し、算出したい各系統のデータ個数に応じて、均等に分
    布した場合の正規分布の閾値を算出し、上記相関係数と
    上記閾値によって構成される多次元のマトリックスを生
    成するマトリックス演算処理部と、 上記データの数及び系統の数に応じて、予め定められた
    シミュレーションの処理を選択するシミュレーション選
    択部と、 上記選択されたシミュレーションに従って、上記マトリ
    ックスの確率密度を算出するシミュレーション部とを有
    してなる演算処理装置と、 データ及びプログラムを保持する記憶部と、 演算処理した結果を表示、出力する出力部とを有するこ
    とを特徴とするリスク管理システム。
  23. 【請求項23】データを入力する入力部と、 入力された複数系統のデータの大きさに応じた順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    上記複数系統の相関係数を上記標準正規分布の値から算
    出し、算出したい各系統のデータ個数に応じて、均等に
    分布した場合の正規分布の閾値を算出し、上記相関係数
    と上記閾値によって構成される多次元のマトリックスを
    生成するマトリックス演算処理部と、 シミュレーションしたい信頼区間の範囲であって、上記
    正規分布の領域を規定する楕円体の形状及び大きさを算
    出する楕円処理部と、 上記算出された楕円体の形状及び大きさを制約条件と
    し、上記複数系統のデータで規定される数値に対応する
    確率密度を算出するシミュレーション部とを有してなる
    演算処理装置と、 データ及びプログラムを保持する記憶部と、 演算処理した結果を表示、出力する出力部とを有するこ
    とを特徴とするリスク管理システム。
  24. 【請求項24】入力部を介してデータを入力するステッ
    プと、 入力された複数系統のデータの大きさに応じた順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    上記標準正規分布の値から相関係数を算出し、算出した
    い各系統のデータ個数に応じて、均等に分布した場合の
    正規分布の閾値を算出し、上記相関係数と上記閾値によ
    って構成される多次元のマトリックスを生成するステッ
    プと、上記データの数及び系統の数に応じて、予め定め
    られたシミュレーションの処理を選択するステップと、 上記選択されたシミュレーションに従って、上記マトリ
    ックスの確率密度を算出するステップとを有することを
    特徴とするリスク管理システムを用いたリスク管理方
    法。
  25. 【請求項25】入力部を介してデータを入力するステッ
    プと、 入力された複数系統のデータの大きさに応じた順位を算
    出し、上記順位に対応した累積確率の代表値を算出し、
    上記累積確率の代表値から標準正規分布の値を算出し、
    上記標準正規分布の値から相関係数を算出し、算出した
    い各系統のデータ個数に応じて、均等に分布した場合の
    正規分布の閾値を算出し、上記閾値によって構成される
    多次元のマトリックスを生成するステップと、 シミュレーションしたい信頼区間の範囲であって、上記
    正規分布の領域を規定する楕円体の形状及び大きさを算
    出するステップと、 上記算出された楕円体の形状及び大きさを制約条件とし
    て、上記マトリックス規定される数値に対応する確率密
    度を算出するステップとを有することを特徴とするリス
    ク管理システムを用いたリスク管理方法。
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