JP2003106989A - 高分子材料の密着性を予測する方法、装置および粗視化モデルを記述するパラメーターを決定する方法、装置 - Google Patents

高分子材料の密着性を予測する方法、装置および粗視化モデルを記述するパラメーターを決定する方法、装置

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JP2003106989A JP2001297944A JP2001297944A JP2003106989A JP 2003106989 A JP2003106989 A JP 2003106989A JP 2001297944 A JP2001297944 A JP 2001297944A JP 2001297944 A JP2001297944 A JP 2001297944A JP 2003106989 A JP2003106989 A JP 2003106989A
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健夫 田中
Naoki Sakamoto
直紀 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 添加剤を含む高分子材料の密着性を予測する
方法を提供する。 【解決手段】 高分子の分子量、分子量分布、分岐構造
および共重合比、添加剤の大きさおよび濃度、ならびに
粗視化分子を記述するためのポテンシャルパラメーター
を情報処理装置に入力する(ステップS102、S10
4、S106)。情報処理装置はこれらの値から粗視化
分子動力学シミュレーションに用いる粗視化モデルを作
成し(ステップS108)、粗視化分子動力学シミュレ
ーションにより粗視化モデルの平衡化、および応力−ひ
ずみ曲線の算出を行い(ステップS110、S11
2)、密着エネルギーを算出する(ステップS11
4)。なお、必要な力場パラメーターは原子レベルシミ
ュレーション、および実験から決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シミュレーション
により添加剤を含む高分子材料の密着性を予測する方
法、粗視化モデルを記述するパラメーターを決定する方
法、高分子材料の密着性予測装置および粗視化モデル記
述パラメーター決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム、接着剤、粘着剤等の高分子材
料と被着体の密着性を、高分子の分子構造、または添加
剤の種類や添加量に基づくシミュレーションによって予
測する技術が切に望まれている。かかる予測技術が実現
すれば、高分子材料の密着性を材料の製造以前の段階で
推定でき、労力を大幅に低減することが可能となるから
である。
【0003】ある特定の高分子系の密着性を定量的に予
測することが可能になれば、材料設計の大きな指針にな
る。また、モデル系について、高分子の分子量、分子量
分布、分岐構造および共重合比が変化した場合、添加剤
の大きさが変化した場合、添加剤の濃度が変化した場
合、あるいは高分子―高分子間相互作用、高分子―添加
剤間相互作用、添加剤―添加剤間相互作用の相対比が変
化した場合に、その密着性がどの様に変化するかを半定
量的に予測可能になるだけでも、材料設計の大きな指針
になる。
【0004】上記密着性の予測技術としては、大きく分
けて2つの方法が提案されている。高分子を構成するモ
ノマー(構成モノマー)の性質から原子団寄与法やグル
ープ寄与法等の構造物性相関モデルに基づいて密着性を
予測する方法と、高分子の具体的な構造をモデリング
し、分子の運動をシミュレーションすることによって密
着性を予測する方法である。
【0005】構造物性相関モデルに基づく方法として
は、例えば、van Krevelenの方法(文献:van Krevele
n, D.W. "Properties of Polymers", Elsevier (199
0))等の手法を用いて、表面張力を計算し、その表面張
力から密着性を予測する方法が存在する。しかし、この
方法は構成要素の原子や原子団に制約があり、特に添加
剤を含む高分子系の様に高分子鎖の変形が密着エネルギ
ーに大きな影響を及ぼす系においては予測の精度および
汎用性において満足できるものではない。
【0006】これに対し、高分子の分子量、分子量分
布、分岐構造、共重合比を反映させることが可能で、添
加剤を含む系においても高分子材料の密着性を予測しう
るシミュレーションの手法として、原子を最小単位とす
る分子動力学法が存在する。しかし、例えば高分子と添
加剤を混合した材料にこの方法を適用した場合、系を記
述するのに必要な原子が膨大な数となってしまうため、
高分子材料の密着性の予測方法として用いることは実用
上著しく困難であった。
【0007】この問題を克服する方法として、高分子の
構成モノマー単位等の、数個〜数百個の原子を最小単位
の要素(ビーズ)として扱うことにより系内の要素数を
減らし、原子レベル分子動力学よりも大きな系を取り扱
うことができる粗視化分子動力学法が提案されている。
このような方法の例としては、文献(T.Aoyagi et al.;
Computational and Theoretical Polymer Science, vo
l.10(2000), 317)に記載がある。
【0008】また、高分子のみから構成されている材料
については、高分子が付着する被着体からの剥離挙動が
粗視化分子動力学を用いて検討されている。この例は、
文献(M. J. Stevens ; Materials Research Society S
ymposium Proceedings 2001;vol629, FF8.3.1, M. J. S
tevens; Macromolecules, vol34(2001), 2710, K. Lee
et al; Proceeding of the annual meeting adhesion s
ociety 1996, 19th,105)に記載がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】添加剤を含んだフィル
ム、接着剤および粘着剤の密着性の予測には、添加剤に
よる効果が非常に重要であり、添加剤を含めたシミュレ
ーションを行わなければ、高分子材料の密着性を予測す
ることは不可能である。このため、密着性のシミュレー
ションによる予測は、高分子材料の工業的重要性故に当
該分野に関わる技術者の切に望むところである。予測方
法として実用化の可能性が高い粗視化分子動力学法が、
高分子の分子量、分子量分布、分岐構造および共重合比
と添加剤の種類、添加量を与えることによって密着性を
予測する手段として確立されれば、その利用価値として
は大きなものがある。
【0010】しかしながら、上記文献に記載の粗視化分
子動力学を用いた従来の高分子の密着性の予測方法は、
直鎖の高分子のみからなる系の応力−ひずみ曲線、およ
びその形態を検討するものにとどまっている。したがっ
て、例えば添加剤を含み、さらに様々なMw(重量平均
分子量)/Mn(個数平均分子量)比を有するような分
子量分布、分岐構造を持った高分子材料の密着性の予測
手法としては一般的に用いることができないという問題
があった。
【0011】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、添加剤を含む高
分子材料において粗視化分子動力学シミュレーションを
実行して該高分子材料の密着性を予測することができる
高分子材料の密着性を予測する方法、粗視化モデルを記
述するパラメーターを決定する方法、高分子材料の密着
性予測装置および粗視化モデル記述パラメーター決定装
置を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、量子化学計算の結果
から、粗視化分子動力学シミュレーションに用いる粗視
化パラメーター中の高分子と被着体間、および添加剤と
被着体間のポテンシャルパラメーターを決定し、そこか
ら得られたポテンシャルパラメーターに基づいて粗視化
分子動力学シミュレーションを実行して、添加剤を含ん
だ高分子材料の密着性を予測する方法、粗視化モデルを
記述するパラメーターを決定する方法、高分子材料の密
着性予測装置および粗視化モデル記述パラメーター決定
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意
研究を行った。その結果、添加剤を含む高分子材料にお
いて、粗視化分子動力学シミュレーションを実行する手
段を用いて、高分子の分子量、分子量分布、分岐構造お
よび共重合比、添加剤の大きさおよび濃度、ならびに粗
視化分子を記述するためのポテンシャルパラメーターに
基づいて、添加剤を含む高分子材料の密着性を予測する
方法、およびこの方法を実行するための情報処理装置
と、量子化学計算を実行する手段を用いて、この粗視化
モデルを記述するためのポテンシャルパラメーターを決
定する方法、およびこの方法を実行するための情報処理
装置に関する本発明を完成させた。
【0014】具体的には、請求項1に記載の発明は、高
分子材料と、該高分子材料が付着する被着体との密着性
を予測する高分子材料の密着性予測装置を用いて高分子
材料の密着性を予測する方法であって、添加剤を含む高
分子材料を粗視化した粗視化モデルを作成するステップ
と、該作成された粗視化モデルを平衡状態にする第1の
粗視化分子動力学シミュレーションを実行するステップ
と、前記第1の粗視化分子動力学シミュレーションが実
行された粗視化モデルを前記被着体から剥離させる第2
の粗視化分子動力学シミュレーションを実行して応力−
ひずみ曲線を算出するステップと、該算出された応力―
ひずみ曲線に基づき前記高分子材料と前記被着体との密
着エネルギーを算出するステップとを備えることを特徴
とする。
【0015】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の高分子材料の密着性を予測する方法において、
前記作成するステップは、前記高分子材料の分子量、分
子量分布、分岐構造および共重合比と、前記添加剤の大
きさおよび濃度と、前記粗視化モデルのポテンシャルエ
ネルギーとを用いて前記粗視化モデルを作成することを
特徴とする。
【0016】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の高分子材料の密着性を予測する方法に
おいて、前記密着エネルギーを算出するステップは、前
記算出された応力―ひずみ曲線により与えられるひずみ
に対して応力を積分するステップを有することを特徴と
する。
【0017】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
に記載の粗視化モデルを記述するパラメーターを決定す
る方法であって、高分子材料をモノマーを用いてモデル
化するステップと、前記高分子材料が付着する被着体の
表面をクラスターモデルを用いて表現するステップと、
前記モノマーの重心または代表点を、前記クラスターモ
デル表面から所定の距離に固定し、かつ前記クラスター
モデル全体の構造を固定した状態で、前記モノマーの配
向に対して量子化学計算による構造最適化を行うことに
より、前記高分子材料および被着体間のポテンシャルエ
ネルギーを算出するステップと、該算出されたポテンシ
ャルエネルギーを前記モノマーの配向について平均化し
て、前記モノマーの重心または代表点と前記クラスター
モデルの表面との距離に対する平均化ポテンシャルエネ
ルギーを算出するステップとを備えることを特徴とす
る。
【0018】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
に記載の粗視化モデルを記述するパラメーターを決定す
る方法であって、高分子材料が付着する被着体の表面を
クラスターモデルを用いて表現するステップと、前記高
分子材料に添加する添加剤の重心または代表点を前記ク
ラスターモデルの表面から所定の距離に固定し、かつ前
記クラスターモデル全体の構造を固定した状態で、前記
添加剤の配向について量子化学計算による構造最適化を
実行して、前記添加剤および被着体間のポテンシャルエ
ネルギーを算出するステップと、該算出されたポテンシ
ャルエネルギーを前記添加剤の配向について平均化し
て、前記添加剤の重心または代表点と前記クラスターモ
デルの表面との距離に対する平均化ポテンシャルエネル
ギーを算出するステップとを備えることを特徴とする。
【0019】また、請求項6に記載の発明は、高分子材
料と、該高分子材料が付着する被着体との密着性を予測
する高分子材料の密着性予測装置であって、添加剤を含
む高分子材料を粗視化した粗視化モデルを作成する手段
と、該作成する手段により作成された粗視化モデルを平
衡状態にする第1の粗視化分子動力学シミュレーション
を実行する手段と、該実行する手段により前記第1の粗
視化分子動力学シミュレーションが実行された粗視化モ
デルを前記被着体から剥離させる第2の粗視化分子動力
学シミュレーションを実行して応力−ひずみ曲線を算出
する手段と、該応力−ひずみ曲線を算出する手段により
算出された応力―ひずみ曲線に基づき前記高分子材料と
前記被着体との密着エネルギーを算出する手段とを備え
ることを特徴とする。
【0020】また、請求項7に記載の発明は、請求項6
に記載の高分子材料の密着性予測装置において、前記作
成する手段は、前記高分子材料の分子量、分子量分布、
分岐構造および共重合比と、前記添加剤の大きさおよび
濃度と、前記粗視化モデルのポテンシャルエネルギーと
を用いて前記粗視化モデルを作成することを特徴とす
る。
【0021】また、請求項8に記載の発明は、請求項6
または7に記載の高分子材料の密着性予測装置におい
て、前記密着エネルギーを算出する手段は、前記算出さ
れた応力―ひずみ曲線により与えられるひずみに対して
応力を積分することを特徴とする。
【0022】また、請求項9に記載の発明は、請求項6
に記載の粗視化モデルを記述するパラメーターを決定す
る粗視化モデル記述パラメーター決定装置であって、高
分子材料をモノマーを用いてモデル化する手段と、前記
高分子材料が付着する被着体の表面をクラスターモデル
を用いて表現する手段と、前記モノマーの重心または代
表点を、前記クラスターモデル表面から所定の距離に固
定し、かつ前記クラスターモデル全体の構造を固定した
状態で、前記モノマーの配向に対して量子化学計算によ
る構造最適化を行うことにより、前記高分子材料および
被着体間のポテンシャルエネルギーを算出する手段と、
該ポテンシャルエネルギーを算出する手段により算出さ
れたポテンシャルエネルギーを前記モノマーの配向につ
いて平均化して、前記モノマーの重心または代表点と前
記クラスターモデルの表面との距離に対する平均化ポテ
ンシャルエネルギーを算出する手段とを備えることを特
徴とする。
【0023】さらに、請求項10に記載の発明は、請求
項6に記載の粗視化モデルを記述するパラメーターを決
定する粗視化モデル記述パラメーター決定装置であっ
て、高分子材料が付着する被着体の表面をクラスターモ
デルを用いて表現する手段と、前記高分子材料に添加す
る添加剤の重心または代表点を前記クラスターモデルの
表面から所定の距離に固定し、かつ前記クラスターモデ
ル全体の構造を固定した状態で、前記添加剤の配向につ
いて量子化学計算による構造最適化を実行して、前記添
加剤および被着体間のポテンシャルエネルギーを算出す
る手段と、該ポテンシャルエネルギーを算出する手段に
より算出されたポテンシャルエネルギーを前記添加剤の
配向について平均化して、前記添加剤の重心または代表
点と前記クラスターモデルの表面との距離に対する平均
化ポテンシャルエネルギーを算出するステップとを備え
ることを特徴とする。
【0024】このようにして、高分子材料の密着性を予
測することが可能となる。
【0025】本発明の上記の諸目的、諸特徴ならびに諸
利益は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0027】図1は、本発明にかかる高分子の密着性を
予測する方法の手順を示すフロー図である。まず、高分
子の分子量、分子量分布、分岐構造および共重合比、添
加剤の大きさおよび濃度、ならびに粗視化分子を記述す
るためのポテンシャルパラメーターを情報処理装置に対
する入力とする(ステップS102、S104、S10
6)。そして、これらの入力値に基づき粗視化分子動力
学シミュレーションに用いる粗視化モデルを作成し(ス
テップS108)、粗視化分子動力学シミュレーション
により粗視化モデルの平衡化、および応力−ひずみ曲線
の算出を行う(ステップS110、S112)。最後
に、密着エネルギーを算出する(ステップS114)。
【0028】1.粗視化分子動力学法 次に、上述した各ステップの詳細について説明する前
に、粗視化分子動力学法について説明する。
【0029】粗視化分子動力学法は、図2に示すように
いくつかの原子を1つの構成要素(原子)201と考え
て分子動力学計算を行う手法である。シミュレーション
を行うのに必要なパラメーターは、以下のようにして導
出することが可能である。なお、この導出については原
子を最小単位とする従来の分子動力学計算と基本的に同
じアルゴリズムを使用することができる。
【0030】まず、高分子材料のモデリングに必要な、
即ち、高分子の密着性に関わる形態を再現するのに必要
な総原子数または総モノマー数を設定する。即ち、高分
子を構成する単位構造として、特定のm個の原子を粗視
化ビーズ1個に対応させることを決定する。この決定
は、モノマー構造の特徴と計算時間との兼ね合いに基づ
いて行われるが、なるべく少ない原子を1ビーズにする
ことが望ましい。
【0031】添加剤を含んだ高分子系で密着性を予測す
るための粗視化分子動力学シミュレーションを実行する
際には、粗視化分子動力学シミュレーションに用いる粗
視化パラメーター、即ち特定の構造が有するエネルギー
を算出する上で必要な力場パラメーターを入力する必要
がある。ここで、力場パラメータは、粗視化分子の結合
長、結合角、二面角、非結合ビーズ間相互作用および被
着体―ビーズ間非結合相互作用を表すポテンシャルエネ
ルギーを含むことができる。
【0032】上記ポテンシャルエネルギーは、任意の関
数で入力可能である。結合長、結合角については、調和
振動子近似で表現する。二面角のポテンシャルエネルギ
ーについては、角度依存性があまりないとして無視す
る。非結合ビーズ間相互作用および被着体―ビーズ間非
結合相互作用のポテンシャルエネルギーは、レナード・
ジョーンズ型の式 U(r)=e{(s/r)12-(s/r)6} (1) を用いることが多い。ここで、U(r)は非結合ビーズ間相
互作用のポテンシャルエネルギー、rはビーズ間距離、
e、sはそれぞれ定数である。
【0033】次に、各ステップにおいて実行される詳細
な処理について説明する。
【0034】2.入力値の設定 図1のステップS102、S104およびS106で
は、高分子材料の分子量、分子量分布、分岐構造および
共重合比、添加剤の大きさおよび濃度、ならびに粗視化
分子を記述するためのポテンシャルパラメーターを情報
処理装置に入力する。これにより、その材料を形成して
いる高分子種の特徴を粗視化分子モデルに反映させて、
粗視化分子動力学シミュレーションにより、添加剤が添
加されている特定の高分子材料の密着性を予測すること
が実用上可能となる。
【0035】添加剤および高分子からなる高分子材料の
密着性を予測するために用いられる、粗視化分子を記述
するポテンシャルパラメーター、即ち、粗視化分子の結
合長、結合角、二面角および非結合ビーズ間相互作用の
ポテンシャルエネルギーは、原子を最小単位とする分子
動力学法、量子化学計算および実験値を用いて以下のよ
うに決定することができる。
【0036】結合長、結合角および二面角については、
文献(D. Reith et al.; Macromolecules, vol.34(200
1), 2335)の方法等により原子を最小単位とする分子動
力学法から求めることが可能である。この方法では、ま
ず目的の高分子1分子、あるいはこの高分子のアモルフ
ァスバルクモデルに対し、目的の温度において原子を最
小単位とする分子動力学シミュレーションを行い、ある
時間での平衡状態における各原子の座標位置を得る。こ
うした座標情報を数多くの時間において求める。
【0037】次に、これらの原子座標情報を粗視化ビー
ズの座標情報に変換する。この変換に際しては、1ビー
ズに相当する原子団の重心を粗視化ビーズの座標とすれ
ばよい。ただし、文献(D. Reith et al.; Macromolecu
les, vol.34(2001), 2335)にあるように他の方法を用
いて原子座標を粗視化ビーズの座標に変換しても構わな
い。
【0038】次に、これら粗視化ビーズの座標情報から
粗視化分子の結合長、結合角および二面角の分布Pを求
め、この分布がボルツマン分布にしたがっていると仮定
することにより、ボルツマン定数k、および絶対温度T
を用いて式 U =―kT lnP (2) により、結合長、結合角および二面角のポテンシャルエ
ネルギーUを求める。この方法を用いて、必要なすべて
の結合長、結合角および二面角のポテンシャルエネルギ
ーを求める。なお、分子動力学法の代わりにRIS Metrop
olis Monte Carloシミュレーション(文献:J.D.Honeyc
utt; Computational and Theoretical Polymer Scienc
e, vol.8(1998), 1)を用いることも可能である。ま
た、二面角のポテンシャルエネルギーについては、角度
依存性があまりなければ無視しても構わない。
【0039】高分子―高分子、添加剤―高分子、または
添加剤―添加剤の間における非結合ビーズ間相互作用に
ついては、原子を最小単位とする分子動力学シミュレー
ションから求められる動径分布関数、凝集エネルギーに
粗視化分子動力学シミュレーションの結果が合うように
フィッティングを行い決定することが可能である。
【0040】また、被着体と高分子間、もしくは被着体
と添加剤間の相互作用については、量子化学計算から算
出可能である。即ち、高分子と被着体間の相互作用につ
いては以下のように算出する。
【0041】まず、高分子をモノマーを用いてモデル化
し、被着体表面をクラスターモデルにより表現する。次
に、モノマーの重心または代表的な原子を、クラスター
モデルの表面における中心付近の点から垂直方向に、所
定の距離離れた位置に固定した状態で、モノマーの種々
の配向について、量子化学計算により構造最適化を行
い、ポテンシャルエネルギーを計算する。構造最適化の
際には、クラスターモデルの表面とモノマーの代表点と
の距離以外にクラスターモデル全体の構造も固定して計
算を行う。
【0042】次に、モノマーの種々の配向について計算
されたポテンシャルエネルギーを平均化し、モノマーの
配向について平均化されたポテンシャルエネルギーを計
算する。また、クラスターモデルの表面とモノマーの代
表点との距離を変えて、モノマーの配向について平均化
されたポテンシャルエネルギーを計算する。これによ
り、高分子と被着体間の相互作用を示すポテンシャル曲
線を算出することができる。
【0043】添加剤と被着体間の相互作用については、
添加剤をモデル化することなく直接扱うことを除けば、
高分子と被着体間の相互作用を示すポテンシャル曲線を
算出する手順と同様である。即ち、被着体表面をクラス
ターモデルにより表現する。次に、添加剤の重心または
代表的な原子を、クラスターモデルの表面における中心
付近の点から垂直方向に、所定の距離離れた位置に固定
した状態で、添加剤の種々の配向について、量子化学計
算により構造最適化を行い、ポテンシャルエネルギーを
計算する。構造最適化の際には、クラスターモデルの表
面と添加剤の代表点との距離以外にクラスターモデル全
体の構造も固定して計算を行う。
【0044】次に、添加剤の種々の配向について計算さ
れたポテンシャルエネルギーを平均化し、添加剤の配向
について平均化されたポテンシャルエネルギーを計算す
る。また、クラスターモデルの表面とモノマーの代表点
との距離を変えて、モノマーの配向について平均化され
たポテンシャルエネルギーを計算する。
【0045】このようにして求められた粗視化分子を記
述するためのポテンシャルパラメーターを、ステップS
106において本発明を適用した高分子材料の密着性予
測装置に入力することにより、添加剤、高分子から構成
される高分子材料の密着性を予測することが可能とな
る。なお、ポテンシャルパラメーターの計算を、本発明
を適用した高分子材料の密着性予測装置において実行す
ることとしてもよい。
【0046】3.粗視化モデルの作成 ステップS108では、上記のように決定され入力され
たパラメーターに基づいて、粗視化モデルの作成処理を
行う。
【0047】図3は、粗視化モデル、即ち高分子と添加
剤を詰めたセルを模擬的に示す図で、黒丸は高分子、白
丸は添加剤を示す。粗視化ビーズからなる高分子と添加
剤を詰める直方体のセル300については、z方向の上
下に壁を置き、一方の面を被着体302、他方の面を高
分子のバルクと表面近傍層との境界301とする。そし
て、高分子のバルクと表面近傍層との境界301の間に
はノイマン条件を適用し、xy方向に周期境界条件を適
用する。セル300に詰め込んだ粗視化ビーズに対し
て、結合長、結合角、二面角、非結合ビーズ間相互作
用、被着体―ビーズ間相互作用を適用して、後述する粗
視化分子動力学シミュレーションを行う。
【0048】高分子における分子量、分子量分布、分岐
構造および共重合比について、その特徴をシミュレーシ
ョンに反映させることは以下のようにして可能である。
即ち、粗視化ビーズからなる高分子と添加剤を作成し、
直方体のセルに詰める際、高分子の分子量については、
一本の鎖を構成するビーズの個数を変えることでその特
徴をシミュレーションに反映させることができる。ま
た、高分子の分子量分布については、一本の鎖を構成す
るビーズの個数の分布を変えることでその特徴をシミュ
レーションに反映させることができる。高分子の分岐構
造については、モデル高分子に分岐を導入することでそ
の特徴をシミュレーションに反映させることができる。
高分子の共重合比については、一本の鎖を構成する種類
の異なるビーズの割合を変えることでその特徴をシミュ
レーションに反映させることができる。
【0049】また、添加剤の大きさと濃度の入力時につ
いて、その特徴をシミュレーションに反映させることは
以下のようにして可能である。即ち、粗視化ビーズから
なる高分子と添加剤を作成し、直方体のセルに詰める
際、添加剤分子を構成するビーズの個数を変えること
で、添加剤の大きさについてその特徴をシミュレーショ
ンに反映させることができ、添加剤分子の個数を変える
ことで、添加剤濃度について、その特徴をシミュレーシ
ョンに反映させることができる。
【0050】粗視化分子を記述するためのポテンシャル
パラメーター、即ち特定の構造が有するエネルギーを算
出する上で必要な力場パラメーターである、粗視化分子
の結合長、結合角、二面角、および非結合ビーズ間相互
作用および被着体―ビーズ間の非結合相互作用を表すポ
テンシャルエネルギーの特徴は、上記のように任意の関
数を用いてシミュレーションに反映させることが可能で
ある。例えば、非結合ビーズ間相互作用のポテンシャル
エネルギーを表すためにレナード・ジョーンズ型の式 U(r)=e{(s/r)12-(s/r)6} (1) を用いた場合は、レナード・ジョーンズ型の式のe、sを
変えることによってポテンシャルエネルギーの特徴を表
すことが可能である。
【0051】4.粗視化分子動力学シミュレーション 図1のステップS110では、上記のように作成された
粗視化モデルを平衡状態にするために、粗視化分子動力
学シミュレーションを行う。粗視化分子動力学シミュレ
ーションは、高分子材料のモデルの平衡状態が得られる
まで、目安としてはエネルギーの減衰率が1%以内に収
まるまで行うことが望ましい。
【0052】図1のステップS112では、上記の粗視
化分子動力学シミュレーションによって平衡化された高
分子材料のモデルに対して、粗視化分子動力学シミュレ
ーションにより、密着性を求める上で適切な外的作用、
即ち、伸張を及ぼし、その過程ならびに終状態における
粗視化分子動力学シミュレーションの結果から密着性を
予測する。
【0053】次いで、粗視化シミュレーションによる応
力−ひずみ曲線を計算する。応力−ひずみ曲線は、上記
で得られた構造に対し、z方向に底面積一定で伸張する
ことで剥離を模した粗視化分子動力学シミュレーション
を高分子と被着体が完全に剥離するまで行い、xy平面
にかかる応力を同じく粗視化分子動力学シミュレーショ
ンの結果から算出することで得ることができる。
【0054】なお、伸張速度は、一定のひずみを印加し
た際の応力緩和時間と計算時間との兼ね合いから決定す
ることができる。特に、伸張速度は応力に影響を及ぼす
主要な応力緩和時間tの逆数より遅くするのが望まし
い。
【0055】5.密着エネルギーの算出 ステップS114では、ステップS112で得られた応
力―ひずみ曲線において、応力をひずみに対して積分す
ることによって密着エネルギーを得る。
【0056】さらに、同じ条件において初期構造を変え
てシミュレーションを繰り返し、その平均値をとって応
力−ひずみ曲線を得ることが望ましい。
【0057】図4は、高分子材料の密着性予測装置また
は粗視化モデル記述パラメーター決定装置として使用さ
れる情報処理装置のハードウェア構成を概略的に示すブ
ロック図である。
【0058】情報処理装置400は、該装置全体を制御
する中央処理装置(Central Processing Unit;CPU)4
01と、一時記憶領域としてのRAM(Random Access Mem
ory)405とを備えている。このCPU401およびRAM
405は、バス407を介して補助記憶装置409およ
びROM(Read-Only Memory)403と接続されている。
【0059】補助記憶装置409は、例えばハードディ
スクやCD-ROM、DVD(Digital VideoDisk)等が使用され
る。ROM403は、集積回路を使用した読み出し専用の
不揮発性の記憶装置である。この補助記憶装置409お
よびROM403には、RAM405にロードされてCPU40
1等に所望の命令を与え、本発明に関わる諸機能を実現
するためのコンピューター・プログラムが記憶されてい
る。
【0060】表示装置415には、LCD(Liquid Crysta
l Display)やCRT(Cathode-Ray Tube)等が使用され
る。入力装置413は、文字や数字を入力するために使
用され、例えばキーボード、マウス、トラックボール等
のポインティングデバイスが使用される。これらの構成
要素もまた、バス407を介して結合されている。
【0061】図5は、本発明を適用した高分子材料の密
着性予測装置の機能構成を示すブロック図である。高分
子材料の密着性予測装置500は、少なくとも入力値設
定部501、粗視化分子作成部502、平衡化部50
3、応力−ひずみ曲線算出部504および密着エネルギ
ー算出部505から構成されている。
【0062】入力値設定部501は、高分子の分子量、
分子量分布、分岐構造および共重合比、添加剤の大きさ
および濃度、ならびに粗視化分子を記述するためのポテ
ンシャルパラメーターを設定する。粗視化分子作成部5
02では、入力されたパラメータに基づいて粗視化モデ
ルが作成され、直方体セルに詰められる。平衡化部50
3は、粗視化分子動力学シミュレーションを実行して、
系を平衡状態にする。応力−ひずみ曲線算出部504
は、平衡化部503において平衡状態になった系に対
し、粗視化分子動力学を用いた剥離シミュレーションを
実行することで、応力―ひずみ曲線を作成する。密着エ
ネルギー算出部505は、応力―ひずみ曲線算出部で作
成された応力―ひずみ曲線において、ひずみに対し応力
を積分することにより密着エネルギーを算出する。
【0063】図6は、本発明を適用した粗視化モデル記
述パラメーター決定装置の機能構成を示すブロック図で
ある。粗視化モデル記述パラメーター決定装置600
は、少なくとも、モデル化部601、被着体表現部60
2、ポテンシャルエネルギー計算部603、ポテンシャ
ルエネルギー平均化部604および出力部605から構
成されている。
【0064】モデル化部601は、高分子をモノマーを
用いてモデル化する。被着体表現部602は、被着体表
面をクラスターモデルにより表現する。ポテンシャルエ
ネルギー計算部603は、モノマーの種々の配向につい
て、量子化学計算により構造最適化を行い、ポテンシャ
ルエネルギーを計算する。ポテンシャルエネルギー平均
化部604は、ポテンシャルエネルギー計算部603に
より計算されたポテンシャルエネルギーを平均化し、モ
ノマーの配向について平均化されたポテンシャルエネル
ギーを計算する。出力部605は、ポテンシャルエネル
ギー平均化部604により平均化されたポテンシャルエ
ネルギーを記憶装置に記憶し、あるいは不図示の表示装
置に表示する。
【0065】また、添加剤と被着体間の相互作用を計算
する場合は、モデル化部601による処理は行われず、
ポテンシャルエネルギー計算部603は計算の際に添加
剤をモデル化せずに直接用いる。
【0066】
【実施例】上述した高分子材料の密着性予測方法を用い
た実施例を以下に示す。
【0067】(実施例1)添加剤と高分子との相互作用
の違いが添加剤を含む高分子材料の密着性にどのような
影響を与えるかについて検討した。添加剤として大き
さ、およびモル分率は同じであるが、高分子との相互作
用の強さが異なるものを高分子に混合した3通りの系に
ついて密着性の差異を調べた。それぞれの系に対する入
力値については図7に示す。
【0068】それぞれの系について粗視化分子を作成
し、これをセルに詰め、得られた構造をz方向に伸張
し、各ひずみにおけるxy平面にかかる応力から求めた
応力−ひずみ曲線を図8に示す。本図において、横軸は
ひずみ(単位:nm)を、縦軸は応力(単位:MPa)
をそれぞれ示している。
【0069】図9は、図8に示す応力−ひずみ曲線から
得られた各系の密着エネルギー(単位:Jm−2)を示
す。この変形および応力の計算には、高機能材料設計プ
ラットフォーム共同体によって開発されたプログラムCO
GNACを用いた。
【0070】(実施例2)添加剤の大きさが添加剤を含
む高分子材料の密着性にどのような影響を与えるかにつ
いて検討した。本実施例では、添加剤としてモル分率、
高分子との相互作用の強さは同じであるが、大きさが異
なるものを高分子に混合した3通りの系について密着性
の差異を調べた。それぞれの系に対する入力値について
は図10に示す。
【0071】実施例1と同様に、粗視化分子を作成し、
これらをセルに詰める。得られた構造をz方向に伸張
し、各ひずみにおけるxy平面にかかる応力から求めた
応力−ひずみ曲線を図11に示す。また、図11の曲線
から得られた密着エネルギーを図12に示す。この変
形、および応力の計算には高機能材料設計プラットフォ
ーム共同体によって開発されたプログラムCOGNACを用い
た。
【0072】(実施例3)添加剤の濃度が添加剤を含む
高分子材料の密着性にどのような影響を与えるかについ
て検討した。本実施例では、大きさ、高分子との相互作
用が同じ添加剤を、モル分率を変えて高分子に混合した
3通りの系について密着性の差異を調べた。それぞれの
系に対する入力値については図13に示す。
【0073】実施例1と同様に、粗視化分子を作成し、
これをセルに詰める。得られた構造をz方向に伸張し、
各ひずみにおけるxy平面にかかる応力から求めた応力
−ひずみ曲線を図14に示す。また、図14の曲線から
得られた密着エネルギーを図15に示す。この変形、お
よび応力の計算には高機能材料設計プラットフォーム共
同体によって開発されたプログラムCOGNACを用いた。
【0074】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上述の実施形態に限定されず、他の種々
の形態でも実施できることはいうまでもない。例えば、
粗視化分子を記述するためのポテンシャルパラメーター
を決める方法は、以上に示した方法に限定されるもので
はない。
【0075】また、高分子材料の密着性予測装置および
粗視化モデル記述パラメーター決定装置を回線を通じて
通信可能に接続し、図6の出力部605から図5の入力
値設定部500へ、粗視化モデルを記述するパラメータ
ーの受渡を行う構成としても良い。
【0076】また、本発明にかかる高分子材料の密着性
を予測する方法および粗視化モデルを記述するパラメー
ターを決定する方法を、図4の例に示す1台の情報処理
装置を用いて行うことも可能である。この場合、図6の
出力部605は通信インタフェースとして機能し、図5
に示す入力値設定部500へ、粗視化モデルを記述する
パラメーターの受渡が行われることとなる。
【0077】更に、以上述べた形態以外にも種々の変形
が可能である。しかしながら、その変形が特許請求の範
囲に記載された技術思想に基づくものである限り、その
変形は本発明の技術範囲内となる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
添加剤を含む高分子材料に関する密着性を予測すること
が可能となる。結果として、高分子材料の密着性を材料
の製造以前の段階で推定でき、望ましい材料の開発に集
中することで、製造方法の開発に関わる労力を大幅に低
減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる高分子の密着性の予測方法の手
順を示すフロー図である。
【図2】粗視化モデルの作成方法を模式的に示す図であ
る。
【図3】粗視化分子を作成し、これをセルに詰めた状態
を示す図である。
【図4】高分子材料の密着性予測装置または粗視化モデ
ル記述パラメーター決定装置として使用される情報処理
装置のハードウェア構成の一例を示す機能ブロック図で
ある。
【図5】本発明の一実施形態による高分子の密着性予測
装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態による粗視化モデル記述パ
ラメーター決定装置の機能構成を示すブロック図であ
る。
【図7】実施例1における高分子の密着性予測装置への
入力値を示す図である。
【図8】添加剤のモル分率および大きさが一定で、添加
剤と高分子との相互作用の強さを変えたときの応力―ひ
ずみ曲線の変化を示す図である。
【図9】添加剤のモル分率および大きさが一定で、添加
剤と高分子との相互作用の強さを変えたときの密着エネ
ルギーの変化を示す図である。
【図10】実施例2における高分子の密着性予測装置へ
の入力値を示す図である。
【図11】添加剤のモル分率、高分子との相互作用の強
さは一定で、添加剤の大きさを変えたときの応力―ひず
み曲線の変化を示す図である。
【図12】添加剤のモル分率、高分子との相互作用の強
さは一定で、添加剤の大きさを変えたときの密着エネル
ギーの変化を示す図である。
【図13】実施例3における高分子の密着性予測装置へ
の入力値を示す図である。
【図14】添加剤の大きさ、高分子との相互作用の強さ
は一定で、添加剤のモル分率を変えたときの応力―ひず
み曲線の変化を示す図である。
【図15】添加剤の大きさ、高分子との相互作用の強さ
は一定で、添加剤のモル分率を変えたときの密着エネル
ギーの変化を示す図である。
【符号の説明】
201 ビーズ 300 セル 301 境界 302 被着体 400 情報処理装置 401 CPU 403 ROM 405 RAM 407 バス 409 補助記憶装置 413 入力装置 415 表示装置 500 高分子材料の密着性予測装置 501 入力値設定部 502 粗視化分子作成部 503 平衡化部 504 応力−ひずみ曲線算出部 505 密着エネルギー算出部 600 粗視化モデル記述パラメーター決定装置 601 モデル化部 602 被着体表現部 603 ポテンシャルエネルギー計算部 604 ポテンシャルエネルギー平均化部 605 出力部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料と、該高分子材料が付着する
    被着体との密着性を予測する高分子材料の密着性予測装
    置を用いて高分子材料の密着性を予測する方法であっ
    て、 添加剤を含む高分子材料を粗視化した粗視化モデルを作
    成するステップと、 該作成された粗視化モデルを平衡状態にする第1の粗視
    化分子動力学シミュレーションを実行するステップと、 前記第1の粗視化分子動力学シミュレーションが実行さ
    れた粗視化モデルを前記被着体から剥離させる第2の粗
    視化分子動力学シミュレーションを実行して応力−ひず
    み曲線を算出するステップと、 該算出された応力―ひずみ曲線に基づき前記高分子材料
    と前記被着体との密着エネルギーを算出するステップと
    を備えることを特徴とする高分子材料の密着性を予測す
    る方法。
  2. 【請求項2】 前記作成するステップは、前記高分子材
    料の分子量、分子量分布、分岐構造および共重合比と、
    前記添加剤の大きさおよび濃度と、前記粗視化モデルの
    ポテンシャルエネルギーとを用いて前記粗視化モデルを
    作成することを特徴とする請求項1に記載の高分子材料
    の密着性を予測する方法。
  3. 【請求項3】 前記密着エネルギーを算出するステップ
    は、前記算出された応力―ひずみ曲線により与えられる
    ひずみに対して応力を積分するステップを有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の高分子材料の密着
    性を予測する方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の粗視化モデルを記述す
    るパラメーターを決定する方法であって、 高分子材料をモノマーを用いてモデル化するステップ
    と、 前記高分子材料が付着する被着体の表面をクラスターモ
    デルを用いて表現するステップと、 前記モノマーの重心または代表点を、前記クラスターモ
    デル表面から所定の距離に固定し、かつ前記クラスター
    モデル全体の構造を固定した状態で、前記モノマーの配
    向に対して量子化学計算による構造最適化を行うことに
    より、前記高分子材料および被着体間のポテンシャルエ
    ネルギーを算出するステップと、 該算出されたポテンシャルエネルギーを前記モノマーの
    配向について平均化して、前記モノマーの重心または代
    表点と前記クラスターモデルの表面との距離に対する平
    均化ポテンシャルエネルギーを算出するステップとを備
    えることを特徴とする粗視化モデルを記述するパラメー
    ターを決定する方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の粗視化モデルを記述す
    るパラメーターを決定する方法であって、 高分子材料が付着する被着体の表面をクラスターモデル
    を用いて表現するステップと、 前記高分子材料に添加する添加剤の重心または代表点を
    前記クラスターモデルの表面から所定の距離に固定し、
    かつ前記クラスターモデル全体の構造を固定した状態
    で、前記添加剤の配向について量子化学計算による構造
    最適化を実行して、前記添加剤および被着体間のポテン
    シャルエネルギーを算出するステップと、 該算出されたポテンシャルエネルギーを前記添加剤の配
    向について平均化して、前記添加剤の重心または代表点
    と前記クラスターモデルの表面との距離に対する平均化
    ポテンシャルエネルギーを算出するステップとを備える
    ことを特徴とする粗視化モデルを記述するパラメーター
    を決定する方法。
  6. 【請求項6】 高分子材料と、該高分子材料が付着する
    被着体との密着性を予測する高分子材料の密着性予測装
    置であって、 添加剤を含む高分子材料を粗視化した粗視化モデルを作
    成する手段と、 該作成する手段により作成された粗視化モデルを平衡状
    態にする第1の粗視化分子動力学シミュレーションを実
    行する手段と、 該実行する手段により前記第1の粗視化分子動力学シミ
    ュレーションが実行された粗視化モデルを前記被着体か
    ら剥離させる第2の粗視化分子動力学シミュレーション
    を実行して応力−ひずみ曲線を算出する手段と、 該応力−ひずみ曲線を算出する手段により算出された応
    力―ひずみ曲線に基づき前記高分子材料と前記被着体と
    の密着エネルギーを算出する手段とを備えることを特徴
    とする高分子材料の密着性予測装置。
  7. 【請求項7】 前記作成する手段は、前記高分子材料の
    分子量、分子量分布、分岐構造および共重合比と、前記
    添加剤の大きさおよび濃度と、前記粗視化モデルのポテ
    ンシャルエネルギーとを用いて前記粗視化モデルを作成
    することを特徴とする請求項6に記載の高分子材料の密
    着性予測装置。
  8. 【請求項8】 前記密着エネルギーを算出する手段は、
    前記算出された応力―ひずみ曲線により与えられるひず
    みに対して応力を積分することを特徴とする請求項6ま
    たは7に記載の高分子材料の密着性予測装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の粗視化モデルを記述す
    るパラメーターを決定する粗視化モデル記述パラメータ
    ー決定装置であって、 高分子材料をモノマーを用いてモデル化する手段と、 前記高分子材料が付着する被着体の表面をクラスターモ
    デルを用いて表現する手段と、 前記モノマーの重心または代表点を、前記クラスターモ
    デル表面から所定の距離に固定し、かつ前記クラスター
    モデル全体の構造を固定した状態で、前記モノマーの配
    向に対して量子化学計算による構造最適化を行うことに
    より、前記高分子材料および被着体間のポテンシャルエ
    ネルギーを算出する手段と、 該ポテンシャルエネルギーを算出する手段により算出さ
    れたポテンシャルエネルギーを前記モノマーの配向につ
    いて平均化して、前記モノマーの重心または代表点と前
    記クラスターモデルの表面との距離に対する平均化ポテ
    ンシャルエネルギーを算出する手段とを備えることを特
    徴とする粗視化モデル記述パラメーター決定装置。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の粗視化モデルを記述
    するパラメーターを決定する粗視化モデル記述パラメー
    ター決定装置であって、 高分子材料が付着する被着体の表面をクラスターモデル
    を用いて表現する手段と、 前記高分子材料に添加する添加剤の重心または代表点を
    前記クラスターモデルの表面から所定の距離に固定し、
    かつ前記クラスターモデル全体の構造を固定した状態
    で、前記添加剤の配向について量子化学計算による構造
    最適化を実行して、前記添加剤および被着体間のポテン
    シャルエネルギーを算出する手段と、 該ポテンシャルエネルギーを算出する手段により算出さ
    れたポテンシャルエネルギーを前記添加剤の配向につい
    て平均化して、前記添加剤の重心または代表点と前記ク
    ラスターモデルの表面との距離に対する平均化ポテンシ
    ャルエネルギーを算出するステップとを備えることを特
    徴とする粗視化モデル記述パラメーター決定装置。
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