JP2003105732A - 水中有害微生物の回収・処理システム - Google Patents

水中有害微生物の回収・処理システム

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JP2003105732A
JP2003105732A JP2001305632A JP2001305632A JP2003105732A JP 2003105732 A JP2003105732 A JP 2003105732A JP 2001305632 A JP2001305632 A JP 2001305632A JP 2001305632 A JP2001305632 A JP 2001305632A JP 2003105732 A JP2003105732 A JP 2003105732A
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voltage pulse
water surface
electrodes
algaecidal
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Tomoaki Iyoku
智明 伊予久
Takayuki Yamagami
貴幸 山上
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広域に発生したアオコ等水中有害微生物を効
率良く回収し且つ高能力で処理でき、省エネルギー化、
小型化が可能な水中有害微生物の回収・処理システムを
提供すること。 【解決手段】 水中有害微生物の回収・処理システム
を、高電圧パルスを印加され水面近傍の水中で高電圧パ
ルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パルス殺藻装
置を備え、同電極の組の上部の水面を照射するライトを
備えてなるように構成し、夜間等環境の暗い状態でライ
トを点灯し、高電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印
加しておくだけで、アオコを自動的に連続的且つ高能力
で回収・処理することができるようにし、その回収・処
理のための装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・
処理能力に対して大幅に低減されたものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アオコ等の水中有
害微生物の回収および処理を行なうシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、湖沼、貯水池等の閉鎖水域におい
ては富栄養化現象等により、アオコ等の人畜に対し毒性
を有する水中有害微生物が発生し、水質の悪化の問題が
生じており、その解消が求められている。
【0003】これに対して、フィルタを用いて機械的に
回収除去する方法が試みられたが、フィルタの目詰まり
により速やかに能力が低下してしまう問題があり、また
超音波を照射して水中有害微生物の比重を大きくして沈
降させて回収し、遠心分離等で脱水、分別処理する方法
も試みられたが、超音波の能力に限界があり、また沈降
とその後の工程が非効率的で能率上、エネルギー効率上
十分なものではなかった。
【0004】そこで最近、水中の高電圧パルス放電(ア
ーク放電)によってアオコ等の水中有害微生物の組織を
破壊する高電圧パルス殺藻装置が発表されている。これ
は、図16のアオコの高電圧パルス放電による処理の説
明図の(a)に示すように、例えばアオコaは浮上して
光合成を行なうために光合成で生成した炭酸ガス等の気
泡mを組織中に有しているところを、同図(b)に示す
ように高電圧パルス放電の衝撃波nをアオコaに加え、
アオコaの組織の破裂と気泡mの分離を行い、同図
(c)に示すように破裂し浮力を失ったアオコa’を沈
降させる処理を行なうものである。
【0005】破裂し沈降したアオコa’は、その段階で
完全には死滅はしていないが、もはや浮上できず、水面
において太陽光による光合成を行なえないため死滅に至
るものである。死滅したアオコa’は生きているアオコ
aが有する毒性を失うのでその後の処理は適宜行なうこ
とができる。
【0006】高電圧パルス放電を用いる場合は、放電に
より発生する紫外線や水が解離したラジカル(OH等)
もアオコaの無害化、死滅に効果があると考えられてお
り、高電圧パルス放電を用いた殺藻装置は水中有害微生
物に対して有効なものとされている。
【0007】しかしながら、従来提案されている高電圧
パルス放電を用いた殺藻装置の技術は、単に単体として
船に取り付け水面を巡回したり、それ自体への給水排水
を行なわせるものや、電極構造の改良等が見られるだけ
で、かかる従来技術では湖沼の水面で広範囲に発生した
アオコ等の水中有害微生物を大量に且つ連続的に回収
し、活動不活性化ないし殺藻により高能力で水中有害微
生物を処理することは困難だった。
【0008】例えば、広い範囲の回収処理を行なおうと
殺藻装置を船に取り付けて巡回する場合は船の手当て、
装置取り付け及び運転のコストが膨大となり、一方、回
収・処理経路は狭く回収漏れが生じ、運転時間に限りが
ある。定置された殺藻装置では回収能力が限られ、処理
もアオコaの濃度の被処理水を給水したり、ワンパス処
理となるため、実効を期しがたい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の水中有害微生物の処理装置の問題点を解消し、広域に
発生したアオコ等水中有害微生物を効率良く回収し且つ
高能力で処理でき、省エネルギー化、小型化が可能な水
中有害微生物の回収・処理システムを提供することを課
題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は上記の課
題を解決するためになされたものであって、その第1の
手段として、高電圧パルスを印加され水面近傍の水中で
高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パル
ス殺藻装置を備え、同電極の組の上部の水面を照射する
ライトを備えてなることを特徴とする水中有害微生物の
回収・処理システムを提供する。
【0011】かかる構成により、第1の手段によれば、
夜間等環境の暗い状態でライトを点灯し、高電圧パルス
殺藻装置に高電圧パルスを印加しておくだけで、アオコ
を自動的に連続的且つ高能力で回収・処理することがで
きる。
【0012】(2)第2の手段としては、高電圧パルス
を印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう
電極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電
圧パルス殺藻装置の周囲の水中において同高電圧パルス
殺藻装置を巡る旋回方向に向けた水流を発生させる複数
の水流発生手段を備えてなることを特徴とする水中有害
微生物の回収・処理システムを提供する。
【0013】第2の手段によれば、高電圧パルス殺藻装
置に高電圧パルスを印加し、水流発生手段による渦流れ
を発生させておくだけで、アオコを自動的に昼夜なく連
続的且つ高能力で回収・処理することができる。
【0014】(3)また、第3の手段として、高電圧パ
ルスを印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行
なう電極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同
高電圧パルス殺藻装置が設けられた水中の固定軸とワイ
ヤロープで繋がれ且つ同固定軸との間にオイルフェンス
を取り付けて、前記ワイヤロープを半径とする円軌跡に
従って航行する曳き船を備えてなることを特徴とする水
中有害微生物の回収・処理システムを提供する。
【0015】第3の手段によれば、高電圧パルス殺藻装
置に高電圧パルスを印加し、曳き船によりオイルフェン
スに回転運動をさせておくだけで、一定の円軌跡内の水
域のアオコを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収
・処理することができる。
【0016】(4)第4の手段として、高電圧パルスを
印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電
極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、前記電極
の組は互いに平行に設けられた線状電極の組であって、
水中の固定軸と同線状電極で繋がれ、同線状電極を半径
とする円軌跡に従って航行する曳き船を備えてなること
を特徴とする水中有害微生物の回収・処理システムを提
供する。
【0017】第4の手段によれば、高電圧パルス殺藻装
置に高電圧パルスを印加し、曳き船により線状電極に回
転運動をさせておくだけで、一定の円軌跡内の水域のア
オコを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理
することができる。
【0018】(5)第5の手段として、高電圧パルスを
印加され水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有
する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻
装置の上部には水面に位置して浮上する環状フロート
と、同環状フロートと前記高電圧パルス殺藻装置とを繋
ぐ伸縮筒体が取り付けられ、同高電圧パルス殺藻装置の
下部には前記伸縮筒体から前記電極の組の間を通って水
を排出する水の排出手段を備えてなることを特徴とする
水中有害微生物の回収・処理システムを提供する。
【0019】第5の手段によれば、高電圧パルス殺藻装
置に高電圧パルスを印加し、水の排出手段による水の排
出を行い、水位の下がった伸縮筒体に水面の表層部から
水を流入させることで、アオコを自動的に昼夜なく連続
的且つ高能力で回収・処理することができる。
【0020】(6)第6の手段として、高電圧パルスを
印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電
極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧
パルス殺藻装置は水面の外周境界に形成された隅部に配
置され、同隅部と相対する水面の外周境界近傍に、水面
に浮上し水面にそって前記高電圧パルス殺藻装置に向か
って空気を送風する送風手段を備えてなることを特徴と
する水中有害微生物の回収・処理システムを提供する。
【0021】第6の手段によれば、ダムによる人造湖の
ような水面の外周境界に隅部を有する複雑な形状の水域
においても、高電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印
加し、隅部に相対する側に設置された送風手段からの送
風を行っておくだけで、アオコを自動的に昼夜なく連続
的且つ高能力で回収・処理することができる。
【0022】(7)第7の手段として、高電圧パルスを
印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電
極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧
パルス殺藻装置の周囲に、水面に浮上し水面にそって前
記高電圧パルス殺藻装置に向かって空気を送風する送風
手段を複数備えてなることを特徴とする水中有害微生物
の回収・処理システムを提供する。
【0023】第7の手段によれば、高電圧パルス殺藻装
置に高電圧パルスを印加し、複数の送風手段の送風を行
っておくだけで、アオコを自動的に昼夜なく連続的且つ
高能力で回収・処理することができる。
【0024】(8)第8の手段として、高電圧パルスを
印加され水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有
する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻
装置は水面の外周境界に形成された隅部に配置され、同
隅部と相対する水面の外周境界近傍には前記高電圧パル
ス殺藻装置に向かって移動する波を発生させる造波装置
を備え、前記高電圧パルス殺藻装置は前記造波装置に近
い側に設けられ上縁が略水面の位置となる堰と同堰と間
隔を空けて設けられた背面側の壁の内面とにそれぞれ電
極を取り付けて前記電極の組とし、前記堰の電極下方に
水の排出手段を設けてなることを特徴とする水中有害微
生物の回収・処理システムを提供する。
【0025】第8の手段によれば、高電圧パルス殺藻装
置に高電圧パルスを印加し、高電圧パルス殺藻装置に対
岸の造波装置から波を加えるだけで、アオコを自動的に
昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理することができ
る。
【0026】(9)第9の手段として、高電圧パルスを
印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電
極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧
パルス殺藻装置の周囲の水面の外周境界に形成された隅
部に配置され同高電圧パルス殺藻装置に向けた水流を発
生させる水流発生手段と前記電極の組の上部の水面を照
射するライトとを備えてなることを特徴とする水中有害
微生物の回収・処理システムを提供する。
【0027】第9の手段によれば、アオコの回収・処理
が困難な複雑な形状をした人造湖等の水域においても水
流発生手段で水面近傍のアオコを高電圧パルス殺藻装置
近傍に回収し、夜間等環境の暗い状態ではライトを点灯
し、高電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加してお
くだけで、アオコを自動的に連続的且つ高能力で回収・
処理することができる。
【0028】(10)第10の手段として、高電圧パル
スを印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行な
う電極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高
電圧パルス殺藻装置が設けられた水中の固定軸とワイヤ
ロープで繋がれ且つ同固定軸との間にオイルフェンスを
取り付けて、前記ワイヤロープを半径とする円軌跡に従
って航行する曳き船と、前記電極の組の上部の水面を照
射するライトとを備えてなることを特徴とする水中有害
微生物の回収・処理システムを提供する。
【0029】第10の手段によれば、昼間等明るい環境
では高電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加し、曳
き船によりオイルフェンスに回転運動をさせておくだけ
で、一定の円軌跡内の水域のアオコを自動的に連続的且
つ高能力で回収・処理することができ、夜間等に曳き船
の航行の制約がある場合であっても、ライトによるアオ
コ回収を行なえるため、昼夜連続してアオコを自動的に
連続的且つ高能力で回収・処理することができる。
【0030】(11)第11の手段として、高電圧パル
スを印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行な
う電極の組を有する第1の高電圧パルス殺藻装置と、高
電圧パルスを印加され水中で高電圧パルス放電を行なう
電極の組を有する第2の高電圧パルス殺藻装置を備え、
同第1の高電圧パルス殺藻装置は水面の外周境界に形成
された隅部に配置され、同隅部と相対する平坦な水面の
外周境界との間の水面には水面に浮上し水面にそって周
囲に向かって空気を送風する送風手段を設けるととも
に、前記の平坦な水面の外周境界の一端に前記第2の高
電圧パルス殺藻装置を備え且つ他端に同第2の高電圧パ
ルス殺藻装置に向かって移動する波を発生させる造波装
置を備え、前記第2の高電圧パルス殺藻装置は、前記造
波装置に近い側に設けられ、上部に水面に位置して浮上
するフロートと伸縮壁で繋がれた前面壁の内面と、同前
面壁と間隔を空けて設けられた背面側の壁の内面とにそ
れぞれ電極を取り付けて前記電極の組とし、前記前面壁
の電極下方に水の排出手段を設けてなることを特徴とす
る水中有害微生物の回収・処理システムを提供する。
【0031】第11の手段によれば、多様な水域の形状
に対応して適合する電圧パルス殺藻装置を用い、送風手
段からの送風と造波装置からの波を加えるだけで、アオ
コを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理す
ることができる。
【0032】(12)第12の手段として、高電圧パル
スを印加され水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組
を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス
殺藻装置は、水面にそって放射状に配置されフロートを
備えて水面に浮上するフレーム構造に支えられた回収室
の底部に取り付けられるとともに、前記高電圧パルス殺
藻装置の下部には前記回収室から前記電極の組の間を通
して水を排出する水の排出手段を備え、前記放射状のフ
レームに下部には略全長にわたってオイルフェンスが垂
下されて前記回収室の周囲の水面を区画し、区画された
水面を前記回収室に連通させ、同区画された水面に沿い
前記回収室に向かって空気を送風する送風手段を備えて
なることを特徴とする水中有害微生物の回収・処理シス
テムを提供する。
【0033】第12の手段によれば、高電圧パルス殺藻
装置に高電圧パルスを印加し、送風手段からの送風を行
っておくだけで、設置された位置の水域のアオコを逃さ
ず、自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理す
ることができる。
【0034】(13)第13の手段として、高電圧パル
スを印加され水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組
を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、ワイヤロープに
繋がれ水面の相対する外周境界の間にわたされた複数の
フロートと同ワイヤロープとフロートの下方に垂下され
水面を二分するオイルフェンスを備え、前記高電圧パル
ス殺藻装置は同オイルフェンスの略中央に位置して水中
に設けられて上部に回収口を備えるとともに下部には前
記回収口から前記電極の組の間を通して水を排出する水
の排出手段を備え、前記ワイヤロープとフロートに取り
付けられたエアホースを介して圧縮空気を供給されて前
記オイルフェンスに接する水面に沿い前記回収口に向か
って空気を送風する送風手段を備えてなることを特徴と
する水中有害微生物の回収・処理システムを提供する。
【0035】第13の手段によれば、高電圧パルス殺藻
装置に高電圧パルスを印加し、オイルフェンス上の送風
手段からの送風を行っておくだけで、アオコを自動的に
昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理することができ
る。
【0036】(14)第14の手段として、高電圧パル
スを印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行な
う電極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高
電圧パルス殺藻装置は水面の外周境界に形成された隅部
に配置され、同水面の外周境界に囲まれた水中に圧縮空
気が供給され気泡を放出する手段を備えてなることを特
徴とする水中有害微生物の回収・処理システムを提供す
る。
【0037】第14の手段によれば、周囲が限られ水面
の外周境界に隅部を有する水域において、電圧パルス殺
藻装置に高電圧パルスを印加し、気泡を放出する手段か
ら気泡を噴出させておくだけで、アオコを自動的に昼夜
なく連続的且つ高能力で回収・処理することができる。
【0038】(15)第15の手段として、高電圧パル
スを印加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行な
う電極の組を有する高電圧パルス殺藻装置を複数備え、
水面の外周境界の複数の箇所から延ばされワイヤロープ
に繋がれた複数のフロートの列を同外周境界に囲まれた
同水面の略中央で連結して同水面を複数に区画するとと
もに、同複数の区画のそれぞれの水中に圧縮空気が供給
され気泡を放出する手段を備え、前記電極の組は前記フ
ロートの列に沿って水面近傍の水中に互いに平行に取り
付けられた線状電極の組であることを特徴とする水中有
害微生物の回収・処理システムを提供する。
【0039】第15の手段によれば、外周境界の周囲が
限られ広い範囲を有する水域において、各電圧パルス殺
藻装置に高電圧パルスを印加し、気泡を放出する手段の
それぞれから気泡を噴出させておくだけで、アオコを自
動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理すること
ができる。
【0040】
【発明の実施の形態】図1に基づき、本発明の実施の第
1形態にかかる水中有害微生物の回収・処理システムを
説明する。図1は、本実施の形態の水中有害微生物の回
収・処理システムの模式的な断面図である。
【0041】なお、本実施の形態において水中有害微生
物としては代表的なアオコを例に説明するが、本発明が
対象とする水中有害微生物は、生物学上の「アオコ」に
限られるものでは勿論なく、回収、処理上アオコと同様
な挙動、特徴を有し、本発明の水中有害微生物の回収・
処理システムの対象とできる水中有害微生物全てである
ことは言うまでもなく、そのことは後述する以下の実施
の形態において同じある。また、各実施の形態において
高電圧パルス殺藻装置はアオコ用なので以下「高電圧パ
ルスアオコ殺藻装置」というが、同様に一般の高電圧パ
ルス殺藻装置の例とするものであり、対象が限定される
ものではない。
【0042】図1において、1は処理対象水域2の水面
であり、水面1近傍および水中にはアオコaが存在す
る。10aは本実施の形態における高電圧パルスアオコ
殺藻装置であり、水面1近傍の水中に水平に上下相対し
て設置された両極のメッシュ電極21の組により構成さ
れている。
【0043】両メッシュ電極21は地上、または浮体上
に設置されたパルス電源11に接続し、パルス電源11
は制御盤12に接続している。高電圧パルスアオコ殺藻
装置10aの近傍の水中にはアオコ検知センサ13が設
けられ、アオコaの集合状態を検知して制御盤12に信
号を出力する。アオコ検知センサ13はアオコaに含ま
れるクロロフィルAの濃度の計測や水の濁度の計測によ
りアオコaの水中密度を検知するものである。
【0044】また、高電圧パルスアオコ殺藻装置10a
の上方にはメッシュ電極21の上部の水面を照射するラ
イト30が設置され、照度計31の信号によって制御盤
12を介して点灯消灯がなされる。なお、以上の水中、
水上に機器の設置手段は図示省略されているが、架台、
フロート等を用いて適宜なされてよい。
【0045】なお、両極の電極は上記のように水平に上
下相対して設置されたメッシュ電極21が、ライト30
で照射される水面1に広がる形で集まるアオコaを処理
するために好ましいが、処理対象水位域2の形状によっ
ては後述の他の形態の電極を用いることも可能である。
【0046】以上のような水中有害微生物の回収・処理
システムにおいては、アオコaに光のある方向へ移動す
る性質(走光性)があり、光を当てると細胞内に光合成
により生成した炭酸ガスと酸素等の気泡により浮上する
性質があるため、夜間等暗い環境でライト30を点灯す
ると、アオコaがライト30の照光域、すなわち高電圧
パルスアオコ殺藻装置10aに集合してくる。
【0047】そこで、照度計31が周囲の明るさを検知
し、一定の暗さとなると制御盤12によりライト30が
点灯され、アオコaはその性質によって高電圧パルスア
オコ殺藻装置10aの位置へ集合することにより自動的
に回収される。
【0048】アオコaの集合密度が一定以上となったこ
とをアオコ検知センサ13が検知したのち、高電圧パル
スアオコ殺藻装置10aのメッシュ電極21間にパルス
電源11から高電圧パルスが印加されると、アオコaは
高電圧パルス放電の衝撃波により速やかに細胞が破裂
し、内部の気泡を失ったアオコa’は水中を沈降し、沈
降したアオコa’は前述のように光合成を行なうことが
できず死滅するので、以降特段の工程を経ずにアオコの
処理が完了する。
【0049】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、夜間等環境の暗い
状態でライト30を点灯し、高電圧パルスアオコ殺藻装
置10aに高電圧パルスを印加しておくだけで、処理対
象水域2のアオコaを自動的に連続的且つ高能力で回収
・処理することができる。また、その回収・処理のため
の装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能力
に対して大幅に低減されたものとなる。
【0050】図2に基づき、本発明の実施の第2形態に
かかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明す
る。図2(a)は、本実施の形態の水中有害微生物の回
収・処理システムの模式的な平面図であり、(b)は
(a)中A−A矢視による模式的な断面図である。
【0051】なお、本実施の形態において、図1に示し
た実施の第1形態中の部分と実質的に同様の構成や機能
の部分については同じ符号、名称を付して説明を省略
し、異なる部分を主に説明する。このことは、後述の他
の実施の形態の説明において既述の実施の形態で示した
部分に関し同様とする。
【0052】図2において、処理対象水域2の略中央に
は高電圧パルスアオコ殺藻装置10bが設けられてお
り、高電圧パルスアオコ殺藻装置10bは水面1近傍の
水中に水平に上下相対して設置された両極のメッシュ電
極21の組を有し、その下方にホッパ33を備えてい
る。両メッシュ電極21はパルス電源11に接続されて
おり、その制御盤は図示省略している。
【0053】ホッパ33下端はアオコ移送ポンプ34に
接続し、アオコ移送ポンプ34はホッパ33から沈降し
た減容したアオコa’をアオコ貯留タンク35へ送出
し、アオコa’はアオコ貯留タンク35から適宜の処理
工程に送られる。
【0054】処理対象水域2の外周部には水中にプロペ
ラ32が複数設けられ処理対象水域2の外周部に沿っ
て、或いはやや中心向きに水流bを噴出し、複数の偶力
方向の水流bは処理対象水域2に渦流れb’を発生させ
る。なお、ここで言うプロペラ32は、高電圧パルスア
オコ殺藻装置10bを巡る旋回方向の水流bを発生する
手段であればよく、文字通りのプロペラに限らずジェッ
トストリーマ等他のものであってもよい。
【0055】このため、高電圧パルスアオコ殺藻装置1
0bは渦流れb’のよどみ域cとなり、処理対象水域2
中のアオコaが、よどみ域cに集合して来るため、自動
的にアオコaの回収がなされる。
【0056】またアオコaは浮遊性があるため比較的水
面1近傍に密度が高く、高電圧パルスアオコ殺藻装置1
0bの両メッシュ電極21間の高電圧パルス放電によっ
て速やかに処理される。
【0057】本実施の形態において、死滅したアオコ
a’は生きている時有した毒性を失っているので、処理
対象水域2が広い水域中の部分水位域である場合はホッ
パ33、アオコ移送ポンプ34、アオコ貯留タンク35
は設けることなく、高電圧パルス放電によって破裂した
アオコa’は沈降にまかせる処理が可能であるが、図2
(b)に図示したように処理対象水域2が狭い閉じられ
た水域の場合、破裂したアオコa’をホッパ33で集
め、アオコ移送ポンプ34によりアオコ貯留タンク35
に貯留した後、減容乾燥、廃棄または焼却等の処理を加
えると、処理対象水域2の汚濁防止上好ましい。
【0058】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10bに高電圧パルスを印加し、プロペラ3
2による渦流れb’を発生させておくだけで、処理対象
水域2のアオコaを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力
で回収・処理することができる。また、その回収・処理
のための装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処
理能力に対して大幅に低減されたものとなる。
【0059】図3に基づき、本発明の実施の第3形態に
かかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明す
る。図3(a)は、本実施の形態の水中有害微生物の回
収・処理システムの模式的な平面図であり、(b)は
(a)中B−B矢視による模式的な断面図である。
【0060】図3において、10cは処理対象水域2中
の一点に設けられた固定軸36に設置された高電圧パル
スアオコ殺藻装置であり、高電圧パルスアオコ殺藻装置
10cは水面1近傍の水中に上下に向けた線状電極23
とそれを囲むように配置された円筒状メッシュ電極22
の組を備えている。
【0061】線状電極23と円筒状メッシュ電極22
は、図示しないパルス電源11に接続されており、その
制御盤は図示省略している。
【0062】固定軸36には、ワイヤロープ37で曳き
船38が一定距離に繋がれており、曳き船38はワイヤ
ロープ37を半径とした略円軌跡を描いて固定軸36の
回りを航行し、固定軸36と曳き船38との間にワイヤ
ロープ37より余長をもってつながれたオイルフェンス
39を曳航する。
【0063】ここで曳き船38は、特に舵の操作を行な
わなくとも、例えば舵が直進状態でもワイヤロープ37
によって拘束されるため強制的に円軌跡を描くことにな
るので、ラジコン等の無人船とすることができる。
【0064】オイルフェンス39は上部縁にフロートを
連設し下縁を例えば20〜30cm程度水中に垂らした
ものであり、アオコaは浮遊性があるため比較的水面1
近傍に密度が高く、曳き船38の回転運動に伴い水面1
を固定軸36周りに順次スイープして水面近傍のアオコ
aを掻き寄せるが、周方向速度の違いと曳航されるオイ
ルフェンス39が余長があるため描く弓形の曲線形状と
によって、円軌道内側水域中のアオコaが中心の固定軸
36に設けられた高電圧パルスアオコ殺藻装置10cへ
と集められ、自動的にアオコaの回収がなされる。
【0065】また、高電圧パルスアオコ殺藻装置10c
の周りの水面1近傍に集められたアオコaは、円筒状メ
ッシュ電極22内に上部から流入し、線状電極23との
間の高電圧パルス放電によって速やかに細胞が破裂し、
内部の気泡を失ったアオコa’は水中を沈降し、沈降し
たアオコa’は前述のように光合成を行なうことができ
ず死滅するので、以降特段の工程を経ずにアオコの処理
が完了する。
【0066】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10cに高電圧パルスを印加し、曳き船38
によりオイルフェンス39に回転運動をさせておくだけ
で、処理対象水域2の一定の円軌道内の水域のアオコa
を自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理する
ことができる。また、その回収・処理のための装置構
成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能力に対して
大幅に低減されたものとなり、特に曳き船38を無人船
とした場合はその効果が顕著であり、好ましい。
【0067】なお、上記の「ワイヤロープ」とは、文字
通りのワイヤロープに限定されず、固定軸36と曳き船
とを連結する手段であればよく、単なるロープ、さらに
はチェーン、ロッドであってもよく、用いられる長さ、
応力、使用形態等の条件によって選定されてよく、本明
細書において、特許請求の範囲の記載においても、「ワ
イヤロープ」とは上記の広い概念の手段を表す名称とし
て用いるものとする。
【0068】図4に基づき、本発明の実施の第4形態に
かかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明す
る。図4(a)は、本実施の形態の水中有害微生物の回
収・処理システムの模式的な平面図であり、(b)は
(a)中C−C矢視による模式的な断面図である。
【0069】図4において、10dは処理対象水域2中
の一点に設けられた固定軸36と曳き船38との間に設
けられた設置された高電圧パルスアオコ殺藻装置であ
り、高電圧パルスアオコ殺藻装置10dは水面1近傍の
水中に平行に張られた線状電極23の組を備えている。
【0070】両線状電極23は、図示しないパルス電源
11に接続されており、その制御盤は図示省略してい
る。
【0071】固定軸36には、平行に張られた2本の線
状電極23の一端が回動自在に取り付けられ、互いが接
触して短絡しないように適宜のスペーサ40で一定間隔
を有しており、他端は曳き船38を一定距離に繋いでい
る。曳き船38は線状電極23を半径とした略円軌跡を
描いて固定軸36の回りを航行する。
【0072】ここで曳き船38は、ラジコン等の無人船
とすることができることは、前述の図3に示した曳き船
38と同様である。
【0073】なお、曳き船38を固定軸36に力学的に
繋ぎ止めることは線状電極23と同じ長さの別途のワイ
ヤロープによって行い、線状電極23は高電圧パルス放
電を行なうためだけのために繋がれるものとしてもよ
い。
【0074】また、線状電極23の回転半径の長さによ
っては曳き船を用いず、片持ちアーム部材を回転させ
て、それに線状電極23を併設したものとしてもよい。
【0075】以上のような本実施の形態では、アオコa
は浮遊性があるため比較的水面1近傍に密度が高く、曳
き船38の回転航行に伴い、高電圧パルスアオコ殺藻装
置10dの線状電極23が水面1近傍を固定軸36周り
に順次スイープすると、水面1近傍のアオコaは線状電
極23の前方に集められ、自動的にアオコaの回収がな
される。
【0076】また集まったアオコaは、回動する高電圧
パルスアオコ殺藻装置10dの両線状電極23の間を通
過する際に、両線状電極23の間の高電圧パルス放電に
よって速やかに細胞が破裂し、内部の気泡を失ったアオ
コa’は水中を沈降し、沈降したアオコa’は前述のよ
うに光合成を行なうことができず死滅するので、以降特
段の工程を経ずにアオコの処理が完了する。
【0077】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10dに高電圧パルスを印加し、曳き船38
により線状電極23に回転運動をさせておくだけで、処
理対象水域2の一定の円軌道内の水域のアオコaを自動
的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理することが
できる。また、その回収・処理のための装置構成、消費
エネルギー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低
減されたものとなり、特に曳き船38を無人船とした場
合はその効果が顕著であり、好ましい。
【0078】図5に基づき、本発明の実施の第5形態に
かかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明す
る。図5は本実施の形態の水中有害微生物の回収・処理
システムの模式的な断面図である。
【0079】図5において、10eは処理対象水域2中
の一点に設けられた架台41に設置された高電圧パルス
アオコ殺藻装置であり、高電圧パルスアオコ殺藻装置1
0eは水中に上下に向けた線状電極23とそれを囲むよ
うに配置され円筒状のケーシングに収められた円筒状メ
ッシュ電極22の組を備えている。
【0080】線状電極23と円筒状メッシュ電極22
は、図示しないパルス電源11に接続されており、その
制御盤は図示省略している。
【0081】高電圧パルスアオコ殺藻装置10eの下部
には水中ポンプ42が備えられ、上方には蛇腹状の伸縮
筒体44が設けられ、伸縮筒体44の上端には環状フロ
ート43が取り付けられている。
【0082】環状フロート43は浮上して水位の変動や
波動にかかわらず常に水面1に位置するとともに、伸縮
筒体44への流入水eの取水口を形成しており、高電圧
パルスアオコ殺藻装置10eの下部に設けられた水の排
出手段としての水中ポンプ42に吸引された伸縮筒体4
4内の水は、高電圧パルスアオコ殺藻装置10eの電極
間を通り、吐出水e’として下方に排出される。
【0083】水中ポンプ42の吐出水e’のため伸縮筒
体44の水位は水面1より低く、伸縮筒体44への水と
それ伴うアオコの流入が確保される。水面1から環状フ
ロート43を越えて流入水eが流入するが、環状フロー
ト43には、水面1からの流入が適切になる高さに取水
溝43aが設けられている。
【0084】アオコaは浮遊性があるため比較的水面1
近傍で密度が高いが、本実施の形態においては、環状フ
ロート43が常に水面1に位置し、流入水eは水面1の
表層部からの逸流水であるのでアオコaの密度の高い水
のみを伸縮筒体44に流入させることができ、その結果
自動的にアオコaの回収がなされる。
【0085】またアオコaは流入水eとともに伸縮筒体
44から高電圧パルスアオコ殺藻装置10eの線状電極
23と円筒状メッシュ電極22の間を通過するとき、両
電極間の高電圧パルス放電によって速やかに細胞が破裂
し、内部の気泡を失ったアオコa’は水中を沈降し、沈
降したアオコa’は前述のように光合成を行なうことが
できず死滅するので、以降特段の工程を経ずにアオコの
処理が完了する。
【0086】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10eに高電圧パルスを印加し、水中ポンプ
42による吐出水e’の排出を行い、水位の下がった伸
縮筒体44に水面1の表層部から流入水eを流入させる
ことで、アオコaを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力
で回収・処理することができる。また、その回収・処理
のための装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処
理能力に対して大幅に低減されたものとなる。
【0087】図6に基づき、本発明の実施の第6形態に
かかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明す
る。図6(a)は、本実施の形態の水中有害微生物の回
収・処理システムの模式的な平面図、(b)は(a)中
D−D矢視による断面を示すアオコ送風機の斜視図、
(c)は(a)中E−E矢視による断面を示す高電圧パ
ルスアオコ殺藻装置の斜視図である。
【0088】図6(a)において、45は処理対象水域
2である人造湖4の外周境界をなすダム3に沿って設け
られた送風手段としてのアオコ用送風機であり、図6
(b)に示すように、アオコ用送風機45は水面1に位
置して浮上するフロート46の内部に送気室47を設
け、上部に空気を取り入れ圧縮空気fを送気室47へ送
り込むブロワ48を有している。
【0089】また、送気室47の送風側は水面1に下縁
を接するスカート49で塞がれており、スカート49は
ゴム等の弾性体で形成され、または上縁でヒンジを介し
て揺動可能に、フロート46に取り付けられいる。
【0090】したがって、ブロワ48の運転によって送
気室47中の圧縮空気fはスカート49の下縁と水面1
の間から水面1に沿う圧縮空気f流れとして噴出する。
【0091】図6(a)において、10fは人造湖4の
外部境界の隅部である上流側の入江の隅部水面を塞ぐよ
うに設けられた高電圧パルスアオコ殺藻装置であり、図
6(c)に示すように、高電圧パルスアオコ殺藻装置1
0fは水面1に位置して浮上するフロート50のアオコ
用送風機45に向いた側面の水面1から水中にかけてメ
ッシュ電極21を設け、メッシュ電極21と一定間隔を
あけて相対する水中に適宜な絶縁ステーを介して線状電
極23を設け、電極の組を形成したものである。
【0092】メッシュ電極22と線状電極23とは、図
示しないパルス電源11に接続されており、その制御盤
は図示省略している。
【0093】アオコaはアオコaは浮遊性があるため比
較的水面1近傍に密度が高く、また水面で生息してるた
め風によって移動が可能であり風下側に集まる性質を有
している。
【0094】本実施の形態は、そのアオコaの性質を利
用し、ダム3による人造湖4のように上流の川の流入す
る側に徐々に狭まる隅部が在り複雑な形状の処理対象水
域が形成されている場合も、その形状を逆に生かしたア
オコaの回収・処理を行なうものである。
【0095】上記のアオコ用送風機45から圧縮空気f
を吹き出すと、圧縮空気fの流れはダム3側から上流の
隅部に向けて水面1上を流れ、水面1上のアオコaは風
下の隅部に移動し、隅部に設けられた高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10fの前に集合し、自動的にアオコaの回
収がなされる。
【0096】また、高電圧パルスアオコ殺藻装置10f
の前の水面1近傍に集められたアオコaは、高電圧パル
スアオコ殺藻装置10fのメッシュ電極22と線状電極
23の間で両電極間の高電圧パルス放電によって速やか
に細胞が破裂し、内部の気泡を失ったアオコa’は水中
を沈降し、沈降したアオコa’は前述のように光合成を
行なうことができず死滅するので、以降特段の工程を経
ずにアオコの処理が完了する。
【0097】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、ダム3による人造
湖4のような隅部を有する複雑な形状の処理対象水域2
においても、高電圧パルスアオコ殺藻装置10fに高電
圧パルスを印加し、隅部に相対する側に設置されたアオ
コ用送風機45からの圧縮空気fの送風を行っておくだ
けで、処理対象水域2のアオコaを自動的に昼夜なく連
続的且つ高能力で回収・処理することができる。また、
その回収・処理のための装置構成、消費エネルギー、労
力は、回収・処理能力に対して大幅に低減されたものと
なる。
【0098】図7に基づき、本発明の実施の第7形態に
かかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明す
る。図7(a)は、本実施の形態の水中有害微生物の回
収・処理システムの模式的な平面図であり、(b)は
(a)中F−F矢視による高電圧パルスアオコ殺藻装置
10gの模式的な断面図、(c)は(a)中G−G矢視
によるアオコ用送風機の模式的な断面図である。
【0099】図7(a)において、10gは処理対象水
域2中の一点に設けられた架台53に設置された高電圧
パルスアオコ殺藻装置であり、図7(b)に示すよう
に、高電圧パルスアオコ殺藻装置10gは水面1近傍の
水中に上下に向けた線状電極23とそれを囲むように配
置された円筒状メッシュ電極22の組を備えている。
【0100】線状電極23と円筒状メッシュ電極22
は、図示しないパルス電源11に接続されており、その
制御盤は図示省略している。
【0101】図7(a)において、52は処理対象水域
2の周縁部に複数設けられた送風手段としてのアオコ用
送風機であり、図7(c)に示すように、アオコ用送風
機52は、水面1に位置して浮上するフロート55の上
部に上方から下方に圧縮空気をおくるブロワ54を設
け、ブロワ54の下端の周囲には水面1との間を塞ぎ内
部に送気室59を形成するようにスカート58が取り付
けられている。また、フロート55の下方にはアオコ用
送風機52に姿勢を保つためのバランスウエート56が
設けられ、さらに定位置を得るための係留装置57が取
り付けられる。
【0102】スカート58は、ゴム等の弾性体で形成さ
れ、または上縁でヒンジを介して揺動可能にブロワ54
の下端に取り付けられ、下縁は水面1と接しており、ブ
ロワ54の運転によって送気室59中の圧縮空気fはス
カート58の下縁と水面1の間から水面1に沿う圧縮空
気f流れとして噴出する。
【0103】図6の実施の第6形態に関して述べたよう
に、アオコaは比較的水面1近傍に密度が高く、風下側
に集まる性質を有しているので、処理対象水域2の周縁
部に複数設けられたアオコ用送風機52からの圧縮空気
fの送風が行なわれると、複数のアオコ用送風機52に
囲まれた中央の高電圧パルスアオコ殺藻装置10gの周
囲に吹き寄せ域gが生じ、アオコaが高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10gの周りに集合し、自動的にアオコaの
回収がなされる。
【0104】また、高電圧パルスアオコ殺藻装置10g
の周りの水面1近傍に集められたアオコaは、円筒状メ
ッシュ電極22内に上部から流入し、線状電極23との
間の高電圧パルス放電によって速やかに細胞が破裂し、
内部の気泡を失ったアオコa’は水中を沈降し、沈降し
たアオコa’は前述のように光合成を行なうことができ
ず死滅するので、以降特段の工程を経ずにアオコの処理
が完了する。
【0105】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10gに高電圧パルスを印加し、複数のアオ
コ用送風機52から圧縮空気fの送風を行っておくだけ
で、処理対象水域2のアオコaを自動的に昼夜なく連続
的且つ高能力で回収・処理することができる。また、そ
の回収・処理のための装置構成、消費エネルギー、労力
は、回収・処理能力に対して大幅に低減されたものとな
る。
【0106】図8に基づき、本発明の実施の第8形態に
かかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明す
る。図8(a)は、本実施の形態の水中有害微生物の回
収・処理システムの模式的な平面図であり、(b)は
(a)中H−H矢視による断面を示す高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10hの斜視図である。
【0107】図8(a)において、10hは、周囲が
岸、堤防等水面の外周境界によって限定された処理対象
水域2中に形成された一方の隅部に設けられた高電圧パ
ルスアオコ殺藻装置であり、図8(b)に示すように、
高電圧パルスアオコ殺藻装置10hは上縁が略水面1の
高さの越流用堰61とその背後に間隔を空けて設けられ
る背面壁62との内面に向かい合うようにそれぞれ設置
されたメッシュ電極21の組を有している。
【0108】両メッシュ電極21は、図示しないパルス
電源11に接続されており、その制御盤は図示省略して
いる。
【0109】メッシュ電極21の下方の越流用堰61に
は水の排出手段として排出口63が設けられ、さらに下
方には越流用堰61と背面壁62とが断面でV字型とな
るホッパ65を形成している。
【0110】ホッパ65の下端はアオコ移送ポンプ34
を介してアオコ貯留タンク35が接続している。また、
ホッパ65にはアオコa’が堆積したこと検知しアオコ
移送ポンプ34を起動するためのアオコ堆積センサ64
が設けられている。
【0111】また、処理対象水域2の高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10hと相対する他方の外周境界近傍には、
高電圧パルスアオコ殺藻装置10hに向けて波hを送り
出す造波装置60が設けられており、造波装置60は公
知の適宜のものでよい。
【0112】造波された波hは、一般に水中下方におい
ては波hの進行方向への運動を伴わないが、水面1の表
層部の水は波hの進行方向への移動運動量を受ける。こ
のため造波装置60から高電圧パルスアオコ殺藻装置1
0hに向けて進行する波hによって、水面1近傍に密度
が高いアオコaは対面の隅部に設けられた高電圧パルス
アオコ殺藻装置10hの越流用堰61の手前に集合し、
自動的にアオコaの回収がなされる。
【0113】また、越流用堰61の手前に集められたア
オコaは、波hの水面の昇降によって越流用堰61を越
える越流水h’とともに越流用堰61と背面壁62の間
に取り込まれ両メッシュ電極21の間を通るとき、両電
極間の高電圧パルス放電によって速やかに細胞が破裂
し、内部の気泡を失ったアオコa’は水中を沈降する。
【0114】水中は前述のように波hの進行方向の運動
を伴わないので排出口63からアオコa’が沈降分離し
た清浄水h”が支障なく排出され、ホッパ65内に沈降
したアオコa’は前述のように光合成を行なうことがで
きず死滅することでアオコが処理される。
【0115】本実施の形態においては、図2の実施の第
2形態において説明したと同様に処理対象水域2が閉じ
られた水域であるため、破裂したアオコa’をホッパ6
5で集め、アオコ移送ポンプ34によりアオコ貯留タン
ク35に貯留した後、減容乾燥、廃棄または焼却等の処
理を加えると、処理対象水域2の汚濁防止上好ましい。
【0116】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10hに高電圧パルスを印加し、高電圧パル
スアオコ殺藻装置10hに対岸の造波装置60から波h
を加えるだけで、処理対象水域2のアオコaを自動的に
昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理することができ
る。また、その回収・処理のための装置構成、消費エネ
ルギー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減さ
れたものとなる。
【0117】図9に基づき、本発明の実施の第9形態に
かかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明す
る。図9(a)は、本実施の形態の水中有害微生物の回
収・処理システムの模式的な平面図である。
【0118】図9において、32は処理対象水域2であ
るダム3による人造湖4の外周境界をなす上流側の入江
の隅部の水中に設けられたプロペラであり、人造湖4の
下流側中央部には図1の実施の第1形態と同様な高電圧
パルスアオコ殺藻装置10aとライト30が設けられて
いる。
【0119】なお、ここで言うプロペラ32は、図2の
実施の第2形態で説明したように水流bを発生する手段
であればよく、文字通りのプロペラに限らずジェットス
トリーマ等他のものであってもよい。
【0120】プロペラ32は高電圧パルスアオコ殺藻装
置10aに向って水流bを噴出し、その水流bは高電圧
パルスアオコ殺藻装置10aの周囲に集中するため停滞
し、処理対象水域2中のアオコaが、このよどみ域に集
合して来るため、自動的にアオコaの回収がなされる。
【0121】実施の第1形態で説明したとおりライト3
0が夜間等暗い環境ではアオコaを高電圧パルスアオコ
殺藻装置10aにさらに誘引し、メッシュ電極21間に
パルス電源11から高電圧パルスが印加されると、アオ
コaは高電圧パルス放電の衝撃波により速やかに細胞が
破裂し、内部の気泡を失ったアオコa’は水中を沈降
し、沈降したアオコa’は前述のように光合成を行なう
ことができず死滅するので、以降特段の工程を経ずにア
オコの処理が完了する。
【0122】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、アオコaの回収・
処理が困難な複雑な形状をした人造湖4等の処理対象水
域2においてもプロペラ32等の水流発生手段で水面近
傍のアオコaを高電圧パルスアオコ殺藻装置10a近傍
に回収し、夜間等環境の暗い状態でライト30を点灯
し、高電圧パルスアオコ殺藻装置10aに高電圧パルス
を印加しておくだけで、処理対象水域2のアオコaを自
動的に連続的且つ高能力で回収・処理することができ
る。また、その回収・処理のための装置構成、消費エネ
ルギー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減さ
れたものとなる。
【0123】図10に基づき、本発明の実施の第10形
態にかかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明
する。図10は、本実施の形態の水中有害微生物の回収
・処理システムの模式的な断面図ある。
【0124】本実施の形態は、図3に示した実施の第3
形態と同じものに、図1で示した実施の第1形態のライ
ト30、照度計31、制御盤12等を備え、高電圧パル
スアオコ殺藻装置10cをライト30で照射するように
したものである。
【0125】かかる構成により本実施の形態において
は、昼間等明るい環境では曳き船38が固定軸36周り
にワイヤロープ37を半径とした回転航行に伴い、オイ
ルフェンス39でアオコaが高電圧パルスアオコ殺藻装
置10cへと集められ、自動的にアオコaの回収がなさ
れ、高電圧パルスアオコ殺藻装置10cの円筒状メッシ
ュ電極22と線状電極23の間において高電圧パルス放
電によってアオコの処理がなされるが、照度計31が一
定以下の明るさとなったことを検知すると制御盤12が
ライト30を点灯させ、実施の第1形態と同様のライト
30によるアオコaの回収と高電圧パルスアオコ殺藻装
置10cによるアオコの処理が行なわれる。
【0126】その際、曳き船38とオイルフェンス39
によるアオコaの回収を併用することも可能であるが、
本実施の形態は夜間の曳き船38の航行の制約がある場
合であっても、ライト30によるアオコa回収を行なえ
るため、昼夜連続してアオコaを自動的に連続的且つ高
能力で回収・処理することができる。また、その回収・
処理のための装置構成、消費エネルギー、労力は、回収
・処理能力に対して大幅に低減されたものとなり、特に
曳き船38を無人船とした場合はその効果が顕著であ
り、好ましい。
【0127】図11に基づき、本発明の実施の第11形
態にかかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明
する。図11(a)は、本実施の形態の水中有害微生物
の回収・処理システムの模式的な平面図、(b)は
(a)中I−I矢視による断面を示すアオコ送風機の斜
視図である。
【0128】本実施の形態は、ダム3による人造湖4等
の複雑な処理対象水域2におけるアオコaの回収・処理
を行なえるためのものであり、図7の実施の第7形態の
アオコ用送風機52と、図6の実施の第6形態の高電圧
パルスアオコ殺藻装置10fとを組み合わせ、さらに造
波装置60を備えて図5の実施の第5形態の高電圧パル
スアオコ殺藻装置10eと同様のフロートを用いた取水
部を持つ高電圧パルスアオコ殺藻装置10iを備えたも
のである。図11(a)において、送風手段としてアオ
コ用送風機52は人造湖4の略中央部に設けられ、周囲
に圧縮空気fの流れを送り出し、水面の外周境界をなす
上流の入江等の狭まった隅部にアオコaを吹き寄せて回
収し、高電圧パルスアオコ殺藻装置10fで処理するも
のであり、それぞれの作用は既述の通りである。
【0129】アオコ用送風機52からダム3側に向けて
吹き出された圧縮空気fの流れは、アオコaを平坦な水
面の外周境界となるダム3に接する水面1に吹き寄せる
が、これをダム3の一方の側端に設けた公知の適宜な造
波装置60で造波した波hでダム3の他方の側端に設け
た高電圧パルスアオコ殺藻装置10iの近傍に移動する
ことにより回収し、高電圧パルスアオコ殺藻装置10i
で殺藻処理するものである。
【0130】高電圧パルスアオコ殺藻装置10iは、波
hを受ける側の前面壁68と、その後方に間隔を空けて
後方に設けられた背面壁70との内面に相対するように
それぞれ水平方向に配設された線状電極23の組を備え
ている。
【0131】前面壁68は上部に蛇腹等の伸縮壁67を
取り付け、さらにその上部に水面1の高さに浮上してい
るフロート66を備えている。また前面壁68の線状電
極23の下方には内部から外部に清浄水h”を排出する
手段として排出プロペラ69が設けられており、さらに
下方には前面壁68と背面壁70とが断面でV字型とな
るホッパ65を形成している。
【0132】ホッパ65の下端はアオコ移送ポンプ34
を介してアオコ貯留タンク35が接続している。また、
ホッパ65にはアオコa’が堆積したこと検知しアオコ
移送ポンプ34を起動するためのアオコ堆積センサ64
が設けられている。
【0133】造波装置60で造波され高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10iに向けて進行する波hによって、ダム
3に接する水面1近傍のアオコaは、波hの水面の昇降
によってフロート66を越える越流水h’とともに前面
壁68と背面壁70の間に取り込まれ両線状電極23の
間を通るとき、両電極間の高電圧パルス放電によって速
やかに細胞が破裂し、内部の気泡を失ったアオコa’は
水中を沈降する。
【0134】アオコa’が沈降分離した清浄水h”は排
出プロペラ69により排出され、ホッパ65内に沈降し
たアオコa’は光合成を行なうことができず死滅するこ
とでアオコが処理される。
【0135】本実施の形態においては、アオコ用送風機
52でアオコを周囲に吹き寄せ、蒸留側の入江の隅部に
集合させて回収し高電圧パルスアオコ殺藻装置10fで
処理するとともに、ダム3側の直線的は縁部では造波装
置60と高電圧パルスアオコ殺藻装置10iとで回収・
処理することができ、形状の異なる水域部分に対応でき
るものとなっている。
【0136】また、造波装置60を有効に用いる場合は
周囲が岸、ダム等で閉じられた処理対象水域2である場
合であり、本実施の形態でも図示したように、破裂した
アオコa’をホッパ65で集め、アオコ移送ポンプ34
によりアオコ貯留タンク35に貯留した後、減容乾燥、
廃棄または焼却等の処理を加えると、処理対象水域2の
汚濁防止上好ましい。
【0137】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、多様な処理水域の
形状に対応して適合する電圧パルスアオコ殺藻装置10
f、10iを用い、アオコ用送風機52からの送風fと
造波装置60からの波hを加えるだけで、処理対象水域
2のアオコaを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回
収・処理することができる。また、その回収・処理のた
めの装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能
力に対して大幅に低減されたものとなる。
【0138】図12に基づき、本発明の実施の第12形
態にかかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明
する。図は、本実施の形態の水中有害微生物の回収・処
理システムの一部断面とした斜視図である。
【0139】図12において、10jは処理対象水域2
中に浮揚して設けられた回収室71の中央の水中に位置
する底部に設置された高電圧パルスアオコ殺藻装置であ
り、図12に示すように、高電圧パルスアオコ殺藻装置
10jは水面1近傍の水中に上下に向けた線状電極23
とそれを囲むように配置された円筒状メッシュ電極22
の組を備えている。
【0140】回収室71は4方に放射状に延びる支持フ
レーム76と、その上方に平行して延びるエア供給パイ
プ77を介して、支持フレーム76とエア供給パイプ7
7とがその他端側で取り付けるフロート74によって、
適切な高さで水面1上に浮揚支持されている。
【0141】各フロート74の間はエアパイプ78で連
結され全体で四角形のフレームが構成されている。
【0142】回収室の上部には機械室72が設けられ、
エアポンプ、パルス電源、制御盤、動力電源等、必要な
動力、制御機器を搭載している。
【0143】高電圧パルスアオコ殺藻装置10jの下方
には水の排出手段としてエアエダクタポンプ73が設け
られ、機械室72のエアポンプからエアパイプ73aを
介して圧縮空気を供給され、回収室71内の水iを、高
電圧パルスアオコ殺藻装置10jをとおして下方に吐出
せしめる。
【0144】機械室72のエアポンプからは、エア供給
パイプ77を介してエアパイプ78内へ圧縮空気fが供
給され、エアパイプ78の回収室71に向いた側面に開
けられたエアノズル78aから、水面1に対し斜め横方
向に圧縮空気fが噴出しする。
【0145】また、放射状のエア供給パイプ77に沿っ
てオイルフェンス39が垂下して取り付けられ、回収室
71に向かって狭まり、頂点が回収室71内へ連通する
三角状に水面1を区画している。
【0146】以上のような本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、各区画の水面1に
沿い回収室に向かって空気を送風する送風手段を形成す
るエアパイプ78のエアノズル78aから圧縮空気fが
噴射されると、その風によって設置された水域の水面1
のアオコaが逃げることなく回収室71側に吹き寄せら
れ、オイルフェンス39によって分布幅も狭められ、回
収室71内に回収される。
【0147】回収室71の底面は高電圧パルスアオコ殺
藻装置10jに通じており、エアエダクタポンプ73で
吸引される水iとともに、アオコaは高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10jの線状電極23と円筒状メッシュ電極
22の間を通過し、両電極の間の高電圧パルス放電によ
って速やかにアオコaの細胞が破裂し、内部の気泡を失
ったアオコa’はエアエダクタポンプ73で吐出される
水iとともに放出されて、水中に沈降し、沈降したアオ
コa’は前述のように光合成を行なうことができず死滅
するので、以降特段の工程を経ずにアオコの処理が完了
する。
【0148】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10jに高電圧パルスを印加し、機械室のコ
ンプレッサから圧縮空気fの送風を行っておくだけで、
設置された位置の水域のアオコaを逃さず、自動的に昼
夜なく連続的且つ高能力で回収・処理することができ
る。また、その回収・処理のための装置構成、消費エネ
ルギー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減さ
れたものとなる。
【0149】また随時、設置位置を移動することによっ
て、広い水域でアオコaの高度の回収・処理を達成でき
る。
【0150】なお、本実施の形態においては、電力は外
部から導入してもよいが、太陽電池等の自己発電装置に
よれば自立運転が可能となりアオコaの回収・処理運転
の自由度を増すことができる。また、エアエダクタポン
プ73の駆動圧縮空気をオゾンエアにして一層の処理能
力向上を図ることもできる。
【0151】図13に基づき、本発明の実施の第13形
態にかかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明
する。図は、本実施の形態の水中有害微生物の回収・処
理システムの斜視図である。
【0152】図13において、処理対象水域2はダムに
よる人造湖4等のように両側に岸壁がある水域である。
相対する水面の外周境界をなす両河岸の間には複数のフ
ロート80がワイヤロープ79で一列に繋がれて渡され
ている。ワイヤロープ79とフロート80の下側にはオ
イルフェンス39が垂下されており、処理対象水域2の
水面1を二分している。
【0153】オイルフェンス39の略中央には水面1近
傍の水中に回収口87が設けられ、回収口87の下部に
連通して高電圧パルスアオコ殺藻装置kが設けられてい
る。高電圧パルスアオコ殺藻装置10kは上下に向けた
線状電極23とそれを囲むように配置された円筒状メッ
シュ電極22の組を備えている。高電圧パルスアオコ殺
藻装置kの下部にはエアエダクタポンプ73等の排水手
段が設けられている。
【0154】なお、線状電極23と円筒状メッシュ電極
22は、図示しないパルス電源11に接続されており、
その制御盤は図示省略している。
【0155】また、ワイヤロープ79とフロート80の
上部には略全長に渡って、岸上に設けられたエアコンプ
レッサ81から圧縮空気fを供給されるエアホース82
が延設されている。エアホース82には間隔をおいて複
数のノズル管83が両側方へ突出するように設けられ、
各ノズル管83には、回収口87に向いた側面にエアノ
ズル83aが開けられており、エアコンプレッサ81か
らの圧縮空気fがエアノズル83aから水面1に対し斜
め横方向に噴出し、送風手段を構成している。
【0156】ダムによる人造湖4等のように両側に岸壁
がある水域では一般に、両岸壁の間に沿って上流から下
流へ、あるいはその逆に自然風jが生じやすい。
【0157】したがって本実施の形態の水中有害微生物
の回収・処理システムでは、両岸にわたるオイルフェン
ス39を設けたため、自然風jがオイルフェンス39の
一方の側に向かって吹き、オイルフェンス39に接する
一方の水面1に処理対象水域2の一方の側のアオコaが
吹き寄せられる。
【0158】自然風jの向きは逆に入れ替わるので、オ
イルフェンス39の両側にアオコaの吹き寄せが生じる
が、これを両側に突設されたノズル管83のエアノズル
83aから噴出する圧縮空気fによってオイルフェンス
39に沿って中央に向かって移動させ、中央部の回収口
87に集めてアオコaが回収される。
【0159】回収口87の下部は高電圧パルスアオコ殺
藻装置10kに通じており、エアエダクタポンプ73で
吸引される水とともに、アオコaは高電圧パルスアオコ
殺藻装置10kの線状電極23と円筒状メッシュ電極2
2の間を通過し、両電極の間の高電圧パルス放電によっ
て速やかにアオコaの細胞が破裂し、内部の気泡を失っ
たアオコa’はエアエダクタポンプ73で吐出される水
とともに放出されて、水中に沈降し、沈降したアオコ
a’は前述のように光合成を行なうことができず死滅し
アオコが処理される。
【0160】なお、処理対象水域2が狭い限られた水域
である場合は、エアエダクタポンプ73に代えて、破裂
したアオコa’をホッパで集め、アオコ移送ポンプによ
りアオコ貯留タンクに貯留した後、減容乾燥、廃棄また
は焼却等の処理を加えると、処理対象水域2の汚濁防止
上好ましい。
【0161】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、高電圧パルスアオ
コ殺藻装置10kに高電圧パルスを印加し、オイルフェ
ンス39上のエアホース82に圧縮空気fを送り圧縮空
気fの噴出を行っておくだけで、アオコaを自動的に昼
夜なく連続的且つ高能力で回収・処理することができ
る。また、その回収・処理のための装置構成、消費エネ
ルギー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減さ
れたものとなる。
【0162】なお、上記の「ワイヤロープ」とは、文字
通りのワイヤロープに限定されず、フロート80を連結
する手段であればよく、図3の実施の第3形態で述べた
通り単なるロープ、さらにはチェーン、ロッドであって
もよく、用いられる長さ、応力、使用形態等の条件によ
って選定されてよく、「ワイヤロープ」とは上記の広い
概念の手段を表す名称として用いるものとする。
【0163】図14に基づき、本発明の実施の第14形
態にかかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明
する。図14(a)は、本実施の形態の水中有害微生物
の回収・処理システムの模式的な平面図、(b)は
(a)中J−J矢視による模式的な断面図である。
【0164】本実施の形態は、水面の外周境界をなす岸
壁等で周囲が限定されて隅部2aを有する処理対象水域
2におけるアオコaの回収・処理を行うためのものであ
り、図14に示すように、エアコンプレッサ81からエ
アパイプ81aを介して圧縮空気が供給され水中に気泡
kを大量に放出する手段として、エアバブラ84が処理
対象水域2の略中央の水中に設けられている。
【0165】また、処理対象水域2の隅部2aの水面1
近傍の水中には、高電圧パルスアオコ殺藻装置mが設け
られ、高電圧パルスアオコ殺藻装置10mは上下に向け
た線状電極23とそれを囲むように配置された円筒状メ
ッシュ電極22の組を備えている。
【0166】なお、線状電極23と円筒状メッシュ電極
22は、図示しないパルス電源11に接続されており、
その制御盤は図示省略している。
【0167】上記のような本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、エアバブラ84
が、供給された圧縮空気によって水中に気泡kを大量に
放出すると、気泡は水を伴って上昇し、水面1に至った
後はその外周に向けて拡散する水面の流れと波k’を発
生させる。
【0168】したがって、水面の流れと波k’によって
処理対象水域2の水面1近傍に浮遊しているアオコaが
外周に向けて移動し隅部2aに集合するため、これによ
りアオコaの回収が容易になされる。
【0169】隅部2aにおいては、アオコaは高電圧パ
ルスアオコ殺藻装置10mの線状電極23と円筒状メッ
シュ電極22間の高電圧パルス放電によって速やかに細
胞が破裂し、内部の気泡を失ったアオコa’は水中を沈
し、沈降したアオコa’は光合成を行なうことができず
死滅することでアオコが処理される。
【0170】なお、本実施の形態においても処理対象水
域2が狭い限られた水域である場合は、図示省略したが
破裂したアオコa’をホッパで集め、アオコ移送ポンプ
によりアオコ貯留タンクに貯留した後、減容乾燥、廃棄
または焼却等の処理を加えると、処理対象水域2の汚濁
防止上好ましい。
【0171】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムによれば、周囲が限られ隅部2
a有する処理対象水域2において、電圧パルスアオコ殺
藻装置10mに高電圧パルスを印加し、エアバブラ84
から気泡を噴出させておくだけで、処理対象水域2のア
オコaを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処
理することができる。また、その回収・処理のための装
置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能力に対
して大幅に低減されたものとなる。
【0172】図15に基づき、本発明の実施の第15形
態にかかる水中有害微生物の回収・処理システムを説明
する。図15(a)は、本実施の形態の水中有害微生物
の回収・処理システムの模式的な平面図、(b)は
(a)中K−K矢視による模式的な断面図、(c)は
(a)中K−K矢視によるフロート周囲の拡大断面を示
す斜視図である。
【0173】本実施の形態は、水面の外周境界をなす岸
壁等で周囲が限定された比較的広い処理対象水域2にお
けるアオコaの回収・処理を行うためのものであり、図
15に示すように、岸壁の複数の地点から処理対象水域
2の略中央に向けて、ワイヤロープ79で一列に繋がれ
たフロート85の列が延ばされ、各フロート85の列は
処理対象水域2の略中央で連結している。
【0174】処理対象水域2はフロート85の列によっ
て水面1を複数に区画され、各区画の略中央には、エア
コンプレッサ81からエアパイプ81aを介して圧縮空
気が供給され、水中に気泡kを大量に放出する手段とし
てエアバブラ84が設けられている。
【0175】フロート85の下側には水中でフロート8
5の列の方向に対して側方に突出するアーム86aを有
する支持フレーム86が取り付けられている。
【0176】支持フレーム86の両側のアーム86aに
はそれぞれ、フロート85の列の方向に張られた線状電
極23の組が絶縁されて取り付けられており、各組の線
状電極23はフロート85の列の略全長に渡って張り渡
されて高電圧パルスアオコ殺藻装置10nを構成してお
り、高電圧パルスアオコ殺藻装置10nは岸上のパルス
電源11から高電圧パルスを供給される。
【0177】上記のような本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムにおいては、各区画のエアバブ
ラ84が、供給された圧縮空気によって水中に気泡kを
大量に放出し外周に向けて拡散する水面の流れと波k’
を発生させ、各区画の接するするフロート85の列の位
置では水面の流れと波k’が衝突し下降流を生じ、岸壁
でも水面の流れと波k’が衝突し下降流を生じる。
【0178】そして、各区画内で図15(b)に示すよ
うな、エアバブラ84の位置で上昇し、水面1を経て各
区画周囲で下降し、水中をエアバブラ84に戻る水の循
環流k”が生じる。
【0179】このため、各区画の水面1近傍に浮遊して
いるアオコaも水面の流れと波k’により外周に向けて
移動し、フロート85の列の位置にアオコaが回収され
る。
【0180】フロート85の列の位置に集合したアオコ
aは、循環流k”のため下降し、フロート85の列に沿
って張り渡された電圧パルスアオコ殺藻装置10nの線
状電極23の組の間を通過するため、両電極間の高電圧
パルス放電によって速やかに細胞が破裂し、内部の気泡
を失ったアオコa’は水中を沈し、沈降したアオコa’
は光合成を行なうことができず死滅することでアオコが
処理される。
【0181】なお、水面の流れと波k’により岸壁側に
移動したアオコaも、循環流k”により逐次フロート8
5の列側に流れ込むので、やがて電圧パルスアオコ殺藻
装置10nの線状電極23の組の間を通過し、処理され
る。
【0182】以上のように本実施の形態の水中有害微生
物の回収・処理システムによれば、周囲が限られた広い
範囲を有する処理対象水域2において、各電圧パルスア
オコ殺藻装置10nに高電圧パルスを印加し、各エアバ
ブラ84から気泡を噴出させておくだけで、処理対象水
域2のアオコaを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で
回収・処理することができる。また、その回収・処理の
ための装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処理
能力に対して大幅に低減されたものとなる。
【0183】なお、上記の「ワイヤロープ」とは、文字
通りのワイヤロープに限定されず、フロート85を連結
する手段であればよく、図3の実施の第3形態で述べた
通り単なるロープ、さらにはチェーン、ロッドであって
もよく、用いられる長さ、応力、使用形態等の条件によ
って選定されてよく、「ワイヤロープ」とは上記の広い
概念の手段を表す名称として用いるものとする。
【0184】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の
範囲でその具体的構造に種々の変更を加えてもよいこと
は言うまでもない。
【0185】
【発明の効果】(1)請求項1の発明によれば、水中有
害微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加
され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極の
組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同電極の組の
上部の水面を照射するライトを備えてなるように構成し
たので、夜間等環境の暗い状態でライトを点灯し、高電
圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加しておくだけ
で、アオコを自動的に連続的且つ高能力で回収・処理す
ることができる。また、その回収・処理のための装置構
成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能力に対して
大幅に低減されたものとなる。
【0186】(2)請求項2の発明によれば、水中有害
微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加さ
れ水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組
を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス
殺藻装置の周囲の水中において同高電圧パルス殺藻装置
を巡る旋回方向に向けた水流を発生させる複数の水流発
生手段を備えてなるように構成したので、高電圧パルス
殺藻装置に高電圧パルスを印加し、水流発生手段による
渦流れを発生させておくだけで、アオコを自動的に昼夜
なく連続的且つ高能力で回収・処理することができる。
また、その回収・処理のための装置構成、消費エネルギ
ー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減された
ものとなる。
【0187】(3)請求項3の発明によれば、水中有害
微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加さ
れ水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組
を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス
殺藻装置が設けられた水中の固定軸とワイヤロープで繋
がれ且つ同固定軸との間にオイルフェンスを取り付け
て、前記ワイヤロープを半径とする円軌跡に従って航行
する曳き船を備えてなるように構成したので、高電圧パ
ルス殺藻装置に高電圧パルスを印加し、曳き船によりオ
イルフェンスに回転運動をさせておくだけで、一定の円
軌跡内の水域のアオコを自動的に昼夜なく連続的且つ高
能力で回収・処理することができる。また、その回収・
処理のための装置構成、消費エネルギー、労力は、回収
・処理能力に対して大幅に低減されたものとなり、特に
曳き船を無人船とした場合はその効果が顕著である。
【0188】(4)請求項4の発明によれば、水中有害
微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加さ
れ水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組
を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、前記電極の組は
互いに平行に設けられた線状電極の組であって、水中の
固定軸と同線状電極で繋がれ、同線状電極を半径とする
円軌跡に従って航行する曳き船を備えてなるように構成
したので、高電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加
し、曳き船により線状電極に回転運動をさせておくだけ
で、一定の円軌跡内の水域のアオコを自動的に昼夜なく
連続的且つ高能力で回収・処理することができる。ま
た、その回収・処理のための装置構成、消費エネルギ
ー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減された
ものとなり、特に曳き船を無人船とした場合はその効果
が顕著である。
【0189】(5)請求項5の発明によれば、水中有害
微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加さ
れ水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高
電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置の
上部には水面に位置して浮上する環状フロートと、同環
状フロートと前記高電圧パルス殺藻装置とを繋ぐ伸縮筒
体が取り付けられ、同高電圧パルス殺藻装置の下部には
前記伸縮筒体から前記電極の組の間を通って水を排出す
る水の排出手段を備えてなるように構成したので、高電
圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加し、水の排出手
段による水の排出を行い、水位の下がった伸縮筒体に水
面の表層部から水を流入させることで、アオコを自動的
に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理することがで
きる。また、その回収・処理のための装置構成、消費エ
ネルギー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減
されたものとなる。
【0190】(6)請求項6の発明によれば、水中有害
微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加さ
れ水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組
を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス
殺藻装置は水面の外周境界に形成された隅部に配置さ
れ、同隅部と相対する水面の外周境界近傍に、水面に浮
上し水面にそって前記高電圧パルス殺藻装置に向かって
空気を送風する送風手段を備えてなるように構成したの
で、ダムによる人造湖のような水面の外周境界に隅部を
有する複雑な形状の水域においても、高電圧パルス殺藻
装置に高電圧パルスを印加し、隅部に相対する側に設置
された送風手段からの送風を行っておくだけで、アオコ
を自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理する
ことができる。また、その回収・処理のための装置構
成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能力に対して
大幅に低減されたものとなる。
【0191】(7)請求項7の発明によれば、水中有害
微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加さ
れ水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組
を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス
殺藻装置の周囲に、水面に浮上し水面にそって前記高電
圧パルス殺藻装置に向かって空気を送風する送風手段を
複数備えてなるように構成したので、高電圧パルス殺藻
装置に高電圧パルスを印加し、複数の送風手段の送風を
行っておくだけで、アオコを自動的に昼夜なく連続的且
つ高能力で回収・処理することができる。また、その回
収・処理のための装置構成、消費エネルギー、労力は、
回収・処理能力に対して大幅に低減されたものとなる。
【0192】(8)請求項8の発明によれば、水中有害
微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加さ
れ水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高
電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置は
水面の外周境界に形成された隅部に配置され、同隅部と
相対する水面の外周境界近傍には前記高電圧パルス殺藻
装置に向かって移動する波を発生させる造波装置を備
え、前記高電圧パルス殺藻装置は前記造波装置に近い側
に設けられ上縁が略水面の位置となる堰と同堰と間隔を
空けて設けられた背面側の壁の内面とにそれぞれ電極を
取り付けて前記電極の組とし、前記堰の電極下方に水の
排出手段を設けてなるように構成したので、高電圧パル
ス殺藻装置に高電圧パルスを印加し、高電圧パルス殺藻
装置に対岸の造波装置から波を加えるだけで、アオコを
自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理するこ
とができる。また、その回収・処理のための装置構成、
消費エネルギー、労力は、回収・処理能力に対して大幅
に低減されたものとなる。
【0193】(9)請求項9の発明によれば、水中有害
微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印加さ
れ水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組
を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス
殺藻装置の周囲の水面の外周境界に形成された隅部に配
置され同高電圧パルス殺藻装置に向けた水流を発生させ
る水流発生手段と前記電極の組の上部の水面を照射する
ライトとを備えてなるように構成したので、アオコの回
収・処理が困難な複雑な形状をした人造湖等の水域にお
いても水流発生手段で水面近傍のアオコを高電圧パルス
殺藻装置近傍に回収し、夜間等環境の暗い状態ではライ
トを点灯し、高電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印
加しておくだけで、アオコを自動的に連続的且つ高能力
で回収・処理することができる。また、その回収・処理
のための装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処
理能力に対して大幅に低減されたものとなる。
【0194】(10)請求項10の発明によれば、水中
有害微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印
加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極
の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パ
ルス殺藻装置が設けられた水中の固定軸とワイヤロープ
で繋がれ且つ同固定軸との間にオイルフェンスを取り付
けて、前記ワイヤロープを半径とする円軌跡に従って航
行する曳き船と、前記電極の組の上部の水面を照射する
ライトとを備えてなるように構成したので、昼間等明る
い環境では高電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加
し、曳き船によりオイルフェンスに回転運動をさせてお
くだけで、一定の円軌跡内の水域のアオコを自動的に連
続的且つ高能力で回収・処理することができ、夜間等に
曳き船の航行の制約がある場合であっても、ライトによ
るアオコ回収を行なえるため、昼夜連続してアオコを自
動的に連続的且つ高能力で回収・処理することができ
る。また、その回収・処理のための装置構成、消費エネ
ルギー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減さ
れたものとなり、特に曳き船を無人船とした場合はその
効果が顕著であり、好ましい。
【0195】(11)請求項11の発明によれば、水中
有害微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印
加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極
の組を有する第1の高電圧パルス殺藻装置と、高電圧パ
ルスを印加され水中で高電圧パルス放電を行なう電極の
組を有する第2の高電圧パルス殺藻装置を備え、同第1
の高電圧パルス殺藻装置は水面の外周境界に形成された
隅部に配置され、同隅部と相対する平坦な水面の外周境
界との間の水面には水面に浮上し水面にそって周囲に向
かって空気を送風する送風手段を設けるとともに、前記
の平坦な水面の外周境界の一端に前記第2の高電圧パル
ス殺藻装置を備え且つ他端に同第2の高電圧パルス殺藻
装置に向かって移動する波を発生させる造波装置を備
え、前記第2の高電圧パルス殺藻装置は、前記造波装置
に近い側に設けられ、上部に水面に位置して浮上するフ
ロートと伸縮壁で繋がれた前面壁の内面と、同前面壁と
間隔を空けて設けられた背面側の壁の内面とにそれぞれ
電極を取り付けて前記電極の組とし、前記前面壁の電極
下方に水の排出手段を設けてなるように構成したので、
多様な水域の形状に対応して適合する電圧パルス殺藻装
置を用い、送風手段からの送風と造波装置からの波を加
えるだけで、アオコを自動的に昼夜なく連続的且つ高能
力で回収・処理することができる。また、その回収・処
理のための装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・
処理能力に対して大幅に低減されたものとなる。
【0196】(12)請求項12の発明によれば、水中
有害微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印
加され水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有す
る高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装
置は、水面にそって放射状に配置されフロートを備えて
水面に浮上するフレーム構造に支えられた回収室の底部
に取り付けられるとともに、前記高電圧パルス殺藻装置
の下部には前記回収室から前記電極の組の間を通して水
を排出する水の排出手段を備え、前記放射状のフレーム
に下部には略全長にわたってオイルフェンスが垂下され
て前記回収室の周囲の水面を区画し、区画された水面を
前記回収室に連通させ、同区画された水面に沿い前記回
収室に向かって空気を送風する送風手段を備えてなるよ
うに構成したので、高電圧パルス殺藻装置に高電圧パル
スを印加し、送風手段からの送風を行っておくだけで、
設置された位置の水域のアオコを逃さず、自動的に昼夜
なく連続的且つ高能力で回収・処理することができる。
また、その回収・処理のための装置構成、消費エネルギ
ー、労力は、回収・処理能力に対して大幅に低減された
ものとなる。また随時、設置位置を移動することによっ
て、広い水域でアオコの高度の回収・処理を達成でき
る。
【0197】(13)請求項13の発明によれば、水中
有害微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印
加され水中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有す
る高電圧パルス殺藻装置を備え、ワイヤロープに繋がれ
水面の相対する外周境界の間にわたされた複数のフロー
トと同ワイヤロープとフロートの下方に垂下され水面を
二分するオイルフェンスを備え、前記高電圧パルス殺藻
装置は同オイルフェンスの略中央に位置して水中に設け
られて上部に回収口を備えるとともに下部には前記回収
口から前記電極の組の間を通して水を排出する水の排出
手段を備え、前記ワイヤロープとフロートに取り付けら
れたエアホースを介して圧縮空気を供給されて前記オイ
ルフェンスに接する水面に沿い前記回収口に向かって空
気を送風する送風手段を備えてなるように構成したの
で、高電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加し、オ
イルフェンス上の送風手段からの送風を行っておくだけ
で、アオコを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収
・処理することができる。また、その回収・処理のため
の装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能力
に対して大幅に低減されたものとなる。
【0198】(14)請求項14の発明によれば、水中
有害微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印
加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極
の組を有する高電圧パルス殺藻装置を備え、同高電圧パ
ルス殺藻装置は水面の外周境界に形成された隅部に配置
され、同水面の外周境界に囲まれた水中に圧縮空気が供
給され気泡を放出する手段を備えてなるように構成した
ので、周囲が限られ水面の外周境界に隅部を有する水域
において、電圧パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加
し、気泡を放出する手段から気泡を噴出させておくだけ
で、アオコを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収
・処理することができる。また、その回収・処理のため
の装置構成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能力
に対して大幅に低減されたものとなる。
【0199】(15)請求項15の発明によれば、水中
有害微生物の回収・処理システムを、高電圧パルスを印
加され水面近傍の水中で高電圧パルス放電を行なう電極
の組を有する高電圧パルス殺藻装置を複数備え、水面の
外周境界の複数の箇所から延ばされワイヤロープに繋が
れた複数のフロートの列を同外周境界に囲まれた同水面
の略中央で連結して同水面を複数に区画するとともに、
同複数の区画のそれぞれの水中に圧縮空気が供給され気
泡を放出する手段を備え、前記電極の組は前記フロート
の列に沿って水面近傍の水中に互いに平行に取り付けら
れた線状電極の組であるように構成したので、外周境界
の周囲が限られ広い範囲を有する水域において、各電圧
パルス殺藻装置に高電圧パルスを印加し、気泡を放出す
る手段のそれぞれから気泡を噴出させておくだけで、ア
オコを自動的に昼夜なく連続的且つ高能力で回収・処理
することができる。また、その回収・処理のための装置
構成、消費エネルギー、労力は、回収・処理能力に対し
て大幅に低減されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態にかかる水中有害微生
物の回収・処理システムの模式的な断面図である。
【図2】(a)は本発明の実施の第2形態にかかる水中
有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図であ
り、(b)は(a)中A−A矢視による模式的な断面図
である。
【図3】(a)は本発明の実施の第3形態にかかる水中
有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図であ
り、(b)は(a)中B−B矢視による模式的な断面図
である。
【図4】(a)は本発明の実施の第4形態にかかる水中
有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図であ
り、(b)は(a)中C−C矢視による模式的な断面図
である。
【図5】(a)は本発明の実施の第5形態にかかる水中
有害微生物の回収・処理システムの模式的な断面図であ
る。
【図6】(a)は本発明の実施の第6形態にかかる水中
有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図であ
り、(b)は(a)中D−D矢視による断面を示すアオ
コ送風機の斜視図、(c)は(a)中E−E矢視による
断面を示す高電圧パルスアオコ殺藻装置の斜視図であ
る。
【図7】(a)は本発明の実施の第7形態にかかる水中
有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図であ
り、(b)は(a)中F−F矢視による高電圧パルスア
オコ殺藻装置10gの模式的な断面図、(c)は(a)
中G−G矢視によるアオコ用送風機の模式的な断面図で
ある。
【図8】(a)は本発明の実施の第8形態にかかる水中
有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図であ
り、(b)は(a)中H−H矢視による断面を示す高電
圧パルスアオコ殺藻装置10hの斜視図である。
【図9】(a)は本発明の実施の第9形態にかかる水中
有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図であ
る。
【図10】(a)は本発明の実施の第10形態にかかる
水中有害微生物の回収・処理システムの模式的な断面図
ある。
【図11】(a)は本発明の実施の第11形態にかかる
水中有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図
であり、(b)は(a)中I−I矢視による断面を示す
アオコ送風機の斜視図である。
【図12】本発明の実施の第12形態にかかる水中有害
微生物の回収・処理システムの一部断面とした斜視図で
ある。
【図13】本発明の実施の第13形態にかかる水中有害
微生物の回収・処理システムの斜視図である。
【図14】(a)は本発明の実施の第14形態にかかる
水中有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図
であり、(b)は(a)中J−J矢視による模式的な断
面図である。
【図15】(a)は本発明の実施の第15形態にかかる
水中有害微生物の回収・処理システムの模式的な平面図
であり、(b)は(a)中K−K矢視による模式的な断
面図、(c)は(a)中K−K矢視によるフロート周囲
の拡大断面を示す斜視図である。
【図16】アオコの高電圧パルス放電による処理の説明
図である。
【符号の説明】
1 水面 2 処理対象水域 3 ダム 4 人造湖 10a〜10n 高電圧パルスアオコ殺藻装
置 11 パルス電源 12 制御盤 13 アオコ検知センサ 21 メッシュ電極 22 円筒状メッシュ電極 23 線状電極 30 ライト 31 照度計 32 プロペラ 33 ホッパ 34 アオコ移送ポンプ 35 アオコ貯留タンク 36 固定軸 37 ワイヤロープ 38 曳き船 39 オイルフェンス 43 環状フロート 44 伸縮筒体 45 アオコ用送風機 52 アオコ用送風機 60 造波装置 61 越流用堰 65 ホッパ 66 フロート 67 伸縮壁 71 回収室 73 エアエダクタポンプ 74 フロート 78 エアパイプ 80 フロート 82 エアホース 83 ノズル管 84 エアバブラ 85 フロート 86 支持フレーム 87 回収口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D051 AA06 AB07 CA11 CA26 DD25 DD30 4D061 DA02 DB02 EA15 EB33 EB35 FA20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水中
    で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パ
    ルス殺藻装置を備え、同電極の組の上部の水面を照射す
    るライトを備えてなることを特徴とする水中有害微生物
    の回収・処理システム。
  2. 【請求項2】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水中
    で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パ
    ルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置の周囲の
    水中において同高電圧パルス殺藻装置を巡る旋回方向に
    向けた水流を発生させる複数の水流発生手段を備えてな
    ることを特徴とする水中有害微生物の回収・処理システ
    ム。
  3. 【請求項3】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水中
    で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パ
    ルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置が設けら
    れた水中の固定軸とワイヤロープで繋がれ且つ同固定軸
    との間にオイルフェンスを取り付けて、前記ワイヤロー
    プを半径とする円軌跡に従って航行する曳き船を備えて
    なることを特徴とする水中有害微生物の回収・処理シス
    テム。
  4. 【請求項4】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水中
    で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パ
    ルス殺藻装置を備え、前記電極の組は互いに平行に設け
    られた線状電極の組であって、水中の固定軸と同線状電
    極で繋がれ、同線状電極を半径とする円軌跡に従って航
    行する曳き船を備えてなることを特徴とする水中有害微
    生物の回収・処理システム。
  5. 【請求項5】 高電圧パルスを印加され水中で高電圧パ
    ルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パルス殺藻装
    置を備え、同高電圧パルス殺藻装置の上部には水面に位
    置して浮上する環状フロートと、同環状フロートと前記
    高電圧パルス殺藻装置とを繋ぐ伸縮筒体が取り付けら
    れ、同高電圧パルス殺藻装置の下部には前記伸縮筒体か
    ら前記電極の組の間を通って水を排出する水の排出手段
    を備えてなることを特徴とする水中有害微生物の回収・
    処理システム。
  6. 【請求項6】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水中
    で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パ
    ルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置は水面の
    外周境界に形成された隅部に配置され、同隅部と相対す
    る水面の外周境界近傍に、水面に浮上し水面にそって前
    記高電圧パルス殺藻装置に向かって空気を送風する送風
    手段を備えてなることを特徴とする水中有害微生物の回
    収・処理システム。
  7. 【請求項7】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水中
    で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パ
    ルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置の周囲
    に、水面に浮上し水面にそって前記高電圧パルス殺藻装
    置に向かって空気を送風する送風手段を複数備えてなる
    ことを特徴とする水中有害微生物の回収・処理システ
    ム。
  8. 【請求項8】 高電圧パルスを印加され水中で高電圧パ
    ルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パルス殺藻装
    置を備え、同高電圧パルス殺藻装置は水面の外周境界に
    形成された隅部に配置され、同隅部と相対する水面の外
    周境界近傍には前記高電圧パルス殺藻装置に向かって移
    動する波を発生させる造波装置を備え、前記高電圧パル
    ス殺藻装置は前記造波装置に近い側に設けられ上縁が略
    水面の位置となる堰と同堰と間隔を空けて設けられた背
    面側の壁の内面とにそれぞれ電極を取り付けて前記電極
    の組とし、前記堰の電極下方に水の排出手段を設けてな
    ることを特徴とする水中有害微生物の回収・処理システ
    ム。
  9. 【請求項9】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水中
    で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パ
    ルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置の周囲の
    水面の外周境界に形成された隅部に配置され同高電圧パ
    ルス殺藻装置に向けた水流を発生させる水流発生手段と
    前記電極の組の上部の水面を照射するライトとを備えて
    なることを特徴とする水中有害微生物の回収・処理シス
    テム。
  10. 【請求項10】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水
    中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧
    パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置が設け
    られた水中の固定軸とワイヤロープで繋がれ且つ同固定
    軸との間にオイルフェンスを取り付けて、前記ワイヤロ
    ープを半径とする円軌跡に従って航行する曳き船と、前
    記電極の組の上部の水面を照射するライトとを備えてな
    ることを特徴とする水中有害微生物の回収・処理システ
    ム。
  11. 【請求項11】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水
    中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する第1の
    高電圧パルス殺藻装置と、高電圧パルスを印加され水中
    で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する第2の高
    電圧パルス殺藻装置を備え、同第1の高電圧パルス殺藻
    装置は水面の外周境界に形成された隅部に配置され、同
    隅部と相対する平坦な水面の外周境界との間の水面には
    水面に浮上し水面にそって周囲に向かって空気を送風す
    る送風手段を設けるとともに、前記の平坦な水面の外周
    境界の一端に前記第2の高電圧パルス殺藻装置を備え且
    つ他端に同第2の高電圧パルス殺藻装置に向かって移動
    する波を発生させる造波装置を備え、前記第2の高電圧
    パルス殺藻装置は、前記造波装置に近い側に設けられ、
    上部に水面に位置して浮上するフロートと伸縮壁で繋が
    れた前面壁の内面と、同前面壁と間隔を空けて設けられ
    た背面側の壁の内面とにそれぞれ電極を取り付けて前記
    電極の組とし、前記前面壁の電極下方に水の排出手段を
    設けてなることを特徴とする水中有害微生物の回収・処
    理システム。
  12. 【請求項12】 高電圧パルスを印加され水中で高電圧
    パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パルス殺藻
    装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置は、水面にそって
    放射状に配置されフロートを備えて水面に浮上するフレ
    ーム構造に支えられた回収室の底部に取り付けられると
    ともに、前記高電圧パルス殺藻装置の下部には前記回収
    室から前記電極の組の間を通して水を排出する水の排出
    手段を備え、前記放射状のフレームに下部には略全長に
    わたってオイルフェンスが垂下されて前記回収室の周囲
    の水面を区画し、区画された水面を前記回収室に連通さ
    せ、同区画された水面に沿い前記回収室に向かって空気
    を送風する送風手段を備えてなることを特徴とする水中
    有害微生物の回収・処理システム。
  13. 【請求項13】 高電圧パルスを印加され水中で高電圧
    パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧パルス殺藻
    装置を備え、ワイヤロープに繋がれ水面の相対する外周
    境界の間にわたされた複数のフロートと同ワイヤロープ
    とフロートの下方に垂下され水面を二分するオイルフェ
    ンスを備え、前記高電圧パルス殺藻装置は同オイルフェ
    ンスの略中央に位置して水中に設けられて上部に回収口
    を備えるとともに下部には前記回収口から前記電極の組
    の間を通して水を排出する水の排出手段を備え、前記ワ
    イヤロープとフロートに取り付けられたエアホースを介
    して圧縮空気を供給されて前記オイルフェンスに接する
    水面に沿い前記回収口に向かって空気を送風する送風手
    段を備えてなることを特徴とする水中有害微生物の回収
    ・処理システム。
  14. 【請求項14】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水
    中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧
    パルス殺藻装置を備え、同高電圧パルス殺藻装置は水面
    の外周境界に形成された隅部に配置され、同水面の外周
    境界に囲まれた水中に圧縮空気が供給され気泡を放出す
    る手段を備えてなることを特徴とする水中有害微生物の
    回収・処理システム。
  15. 【請求項15】 高電圧パルスを印加され水面近傍の水
    中で高電圧パルス放電を行なう電極の組を有する高電圧
    パルス殺藻装置を複数備え、水面の外周境界の複数の箇
    所から延ばされワイヤロープに繋がれた複数のフロート
    の列を同外周境界に囲まれた同水面の略中央で連結して
    同水面を複数に区画するとともに、同複数の区画のそれ
    ぞれの水中に圧縮空気が供給され気泡を放出する手段を
    備え、前記電極の組は前記フロートの列に沿って水面近
    傍の水中に互いに平行に取り付けられた線状電極の組で
    あることを特徴とする水中有害微生物の回収・処理シス
    テム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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