JP2003105228A - 金属アルミニウム粉末顔料およびその製造方法 - Google Patents

金属アルミニウム粉末顔料およびその製造方法

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JP2003105228A
JP2003105228A JP2001299266A JP2001299266A JP2003105228A JP 2003105228 A JP2003105228 A JP 2003105228A JP 2001299266 A JP2001299266 A JP 2001299266A JP 2001299266 A JP2001299266 A JP 2001299266A JP 2003105228 A JP2003105228 A JP 2003105228A
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metallic aluminum
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pigment
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Kenichi Tomita
健一 富田
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Nippon Fine Chemical Co Ltd
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Nippon Fine Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】弱い分散力でも容易に分散が可能であり、また
強い分散をかけても表面処理の未処理面が露出すること
のない、光輝金属アルミニウム粉末顔料を提供する。 【解決手段】金属アルミニウム粉末に 一般式 R
SiRm(R:アルキル基及び又はフェニル基、
:アルコキシ基、n=1〜3の整数、m=1〜3の
整数、n+m=4)で表されるアルコキシシランを被覆
させることにより光輝金属アルミニウム粉末顔料を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疎水性及びオイル
分散性に優れた塗料、主に化粧品等の塗料用に用いられ
る金属アルミニウム粉末顔料およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】微粒子金属アルミニウム粉末顔料は、一
般に表面積が大きく、空気中にて酸化されやすいため
に、微粒子金属アルミニウム粉末に脂肪酸等で被覆され
たものがミネラルスピリット等の溶媒に分散されたペー
ストとして供給されている。
【0003】そのために化粧品等の塗料用の光輝顔料と
して利用する場合、疎水性及びオイル分散性に多大の難
点があった。またミネラルスピリットや脂肪酸等は化粧
品用塗料処方中の各種オイルに溶解し、安定な金属表面
の酸化防止膜的な働きを失ってしまう。そのために、塗
料の光輝度が径日で劣化する現象が多々観察されると同
時に、比表面積の大きい、金属アルミニウム粉末表面に
て、脂肪酸等自身が酸化劣化して変臭をきたし、その品
質低下は無視できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、疎水
性及びオイル分散性に優れた光輝金属アルミニューム粉
末を容易にしかも安価に提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意検討を行った結果、基体である金属アルミ
ニウム粉末に対して、アルコキシシランを0.1〜10
0重量%被覆処理した、一次粒子径が0.1〜100μ
mである金属アルミニウム粉末顔料が疎水性及びオイル
分散性に優れた化粧品用塗料等の光輝顔料であることを
見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は基体である金属アルミ
ニウム粉末に対して、アルコキシシランを0.1〜10
0重量%被覆処理した、一次粒子径が0.1〜100μ
mである金属アルミニウム粉末顔料およびその製造方法
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の基体である金属アルミニ
ウム粉末は金属アルミニウムを粉砕や削り出してつくら
れた金属アルミニウム粉末そのままでも、あるいは脂肪
酸等で表面処理された金属アルミニウム粉末をそのま
ま、又はそれをエタノールなどの有機溶媒により洗浄し
て得られる金属アルミニウム粉末でもよい。安全に扱う
には表面処理したものからのものが好ましい。
【0008】本発明の基体となる金属アルミニウム粉末
の一次粒子径は0.1〜100μmが望ましいが、特に
好ましいのは0.5〜50μmである。小さすぎると光
輝顔料としての働きが十分でなく、大きいすぎると化粧
品用塗料に処方されたときに、サラツキ感が出てしまい
使用面において実用的でなくなる。
【0009】本発明のアルコキシシランはそのまま又は
有機溶媒に溶解又は分散させたものを、基体である金属
アルミニウム粉末に対してアルコキシシラン0.1〜1
00重量%加えて被覆させる。被覆にはニーダーなどの
混練機を用いることができる。
【0010】本発明のアルコキシシランは一般式 R
nSiRm で表せるが、Rはアルキル基及び又は
フェニル基が好ましく、Rはアルコキシ基、n=1〜
3の整数、m=1〜3の整数、n+m=4である。例え
ばRがアルキル基のものとしてメチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメト
キシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリ
メトキシシラン、デシルトリエトキシシランなどを、フ
ェニル基のものとしてフェニルトリメトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシランなどを挙げることがで
きる。このうちフェニルトリエトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デ
シルトリエトキシシランが特に好ましい。なお、アルコ
キシシランは2種以上を併用して用いることもできる。
の炭素数は2〜10のものが好ましい。炭素数1の
メチル基のものは疎水化度が低い。一方炭素数が11以
上のものは分子鎖長が長過ぎて、逆に凝集が起きやす
い。アルコキシ基Rは炭素数が2のエトキシ基が好ま
しい。炭素数1のメトキシ基のものは反応性は良いが、
被覆反応の際にメタノールが遊離するために、化粧品用
顔料の製造方法として安全上好ましくない。炭素数3以
上のアルコキシ基のものは反応性が悪く、疎水化度の低
下が起こり、好ましくない。
【0011】アルコキシシランの被覆量は基体の金属ア
ルミニウム粉末に対して0.1〜100重量%、好まし
くは3〜50重量%である。被覆量が少な過ぎると疎水
化度は低下し、多すぎると凝集が起こる。
【0012】被覆処理後、加熱することにより一層効果
を高めることができる。加熱温度としては60〜250
℃が好ましく、より好ましくは100〜150℃であ
る。温度が高すぎると炭化水素基の熱分解が起り、変臭
の原因になる。
【0013】アルコキシシラン処理後の金属アルミニウ
ム粉末に含まれる有機溶媒等は加熱蒸発、もしくは濾過
処理後乾燥することにより除去することができる。基体
として表面処理された金属アルミニウムペーストを用い
た場合には、アルコキシシラン処理後エタノールなどの
溶媒にて洗浄することにより、脂肪酸等を除去しておく
のが好ましい。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。以下の実施例は単に例示のために記するものであ
り、発明の範囲がこれらによって制限されるものではな
い。
【0015】実施例1 平均粒径が11.8μmの金属アルミニウム粉末ペース
ト(日本防湿工業株式会社製アストロシャインNJ−1
600)100gをエタノール150gに懸濁させ、こ
こにヘキシルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会
社製KBG3063)3g(金属アルミニウム粉末ペー
ストに対し3重量%)を加えた。60〜65℃にて60
分間攪拌被覆処理を行い、さらに、90〜95℃にて6
0分攪拌後、95℃にて60分間かけて6.7kPaの
減圧条件下で溶媒を除去した。その後、得られた粉体を
120℃で60分間加熱し、次いで、これをエタノール
300g中に分散し、室温にて攪拌後、エタノール洗浄
液をろ過分離した。この洗浄操作を2回行った後、6.
7kPaの減圧条件下50℃で乾燥を行い、目的とする
疎水性光輝金属アルミニウム粉末65gを得た。
【0016】実施例2 実施例1において、ヘキシルトリエトキシシラン(信越
化学工業株式会社製KBG3063)3gの代わりにフ
ェニルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製K
BE103)3gを用いた以外は、実施例1と同様にし
て、疎水性光輝金属アルミニウム粉末65gを得た。
【0017】実施例3 実施例1において、ヘキシルトリエトキシシラン(信越
化学工業株式会社製KBG3063)3gの代わりにヘ
キシルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製K
BG3063)1.5g及びフェニルトリエトキシシラ
ン(信越化学工業株式会社製KBE103)1.5gを
用いた以外は、実施例1と同様にして、疎水性光輝金属
アルミニウム粉末64gを得た。
【0018】実施例4 実施例1において、ヘキシルトリエトキシシラン(信越
化学工業株式会社製KBG3063)3gの代わりにジ
メチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KB
E22)3gを用いた以外は、実施例1と同様にして、
疎水性光輝金属アルミニウム粉末64gを得た。
【0019】実施例5 実施例1において、ヘキシルトリエトキシシラン(信越
化学工業株式会社製KBG3063)3gの代わりにメ
チルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KB
E13)3gを用いた以外は、実施例1と同様にして、
疎水性光輝金属アルミニウム粉末を64g得た。
【0020】実施例6 実施例1において、ヘキシルトリエトキシシラン(信越
化学工業株式会社製KBG3063)3gの代わりにデ
シルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KB
E3103)3gを用いた以外は、実施例1と同様にし
て、疎水性光輝金属アルミニウム粉末65gを得た。
【0021】実施例7 実施例1において、ヘキシルトリエトキシシラン(信越
化学工業株式会社製KBG3063)3gの代わりにヘ
キシルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製K
BG3063)1.5g及びデシルトリメトキシシラン
(信越化学工業株式会社製KBE3103)1.5gを
用いた以外は、実施例1と同様にして、疎水性光輝金属
アルミニウム粉末65gを得た。
【0022】〔疎水化度比較試験法〕
【0023】炭素%の測定:処理剤の粉体への付着量の
尺度として元素分析装置(ヤナコ分析工業株式会社CH
NコーダーMT−6)を用いて、実施例1〜7で得られ
た疎水性光輝金属アルミニウム粉末の炭素%を測定し
た。また、比較として、被覆処理前のアストロシャイン
NJ−1600アルミニウム粉末ペーストの炭素%を測
定した。結果を表1に示す。
【0024】疎水性試験:10mlスクリュー管に精製
水5mlを取り、そこに実施例1〜7で得られた疎水性
光輝金属アルミニウム粉末0.01gを加えた。その
後、スクリュー管のふたをして1分間振とうし、静置後
の精製水中の金属アルミニウム粉末の分散状態を目視で
観察した。結果を表1に示す。
【0025】オイル分散性試験:10mlスクリュー管
に流動パラフィン5mlを取り、そこに実施例1〜7で
得られた疎水性光輝金属アルミニウム粉末0.01gを
加えた。その後、スクリュー管のふたをして1分間振と
うし、静置後の流動パラフィン中の金属アルミニウム粉
末の分散状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】(注1)比較例には、被覆処理前のアスト
ロシャインNJ−1600アルミニウム粉末ペーストを
真空乾燥したものを用いた。 (注2)疎水性試験の評価基準 ○ 粉末が水面に浮いていた △ 粉末が一部水中に沈んでいた × 粉末が水中に沈んでいた (注3)オイル分散性試験の評価基準 ○ 粉末が均一に分散した △ 粉末が一部分散せず油中に沈んでいた × 粉末が分散せず油中に沈んでいた
【0028】表1の結果より、本発明の処理を行ったア
ルミニウム粉末は、十分な疎水性・オイル分散性を有す
ることがわかる。これに対して、被覆処理前のアルミニ
ウム粉末はオイル分散性は有するものの、疎水性が不十
分なものであった。
【0029】
【発明の効果】本発明は、メーキャップなど化粧品用光
輝顔料に利用できる疎水性及びオイル分散性の優れた金
属アルミニウム粉末顔料を比較的容易にしかも安価に製
造する方法であり、工業的に高い利点がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体である金属アルミニウム粉末に対し
    て、アルコキシシランを0.1〜100重量%被覆処理
    した、一次粒子径が0.1〜100μmである金属アル
    ミニウム粉末顔料。
  2. 【請求項2】アルコキシシランが一般式 RnSiR
    m(R:アルキル基及び又はフェニル基、R:ア
    ルコキシ基、n=1〜3の整数、m=1〜3の整数、n
    +m=4)で表されることを特徴とする請求項1記載の
    金属アルミニウム粉末顔料。
  3. 【請求項3】基体である金属アルミニウム粉末に対し
    て、アルコキシシランを0.1〜100重量%被覆処理
    した後、60〜250℃に加熱することを特徴とする請
    求項1ないし請求項2の金属アルミニウム粉末顔料の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100465235C (zh) * 2006-11-24 2009-03-04 华南理工大学 一种包覆型铝粉颜料的制备方法
JP2010241976A (ja) * 2009-04-07 2010-10-28 Seiko Epson Corp 耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法、耐水化アルミニウム顔料およびそれを含有する水性インク組成物
CN113873993A (zh) * 2019-05-14 2021-12-31 捷鸥化妆品株式会社 一种水性液体化妆品

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