JP2003103666A - 構造用部材 - Google Patents

構造用部材

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JP2003103666A
JP2003103666A JP2001298057A JP2001298057A JP2003103666A JP 2003103666 A JP2003103666 A JP 2003103666A JP 2001298057 A JP2001298057 A JP 2001298057A JP 2001298057 A JP2001298057 A JP 2001298057A JP 2003103666 A JP2003103666 A JP 2003103666A
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Masami Ishibashi
正己 石橋
Satoshi Ishibashi
聡 石橋
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ISHIBASHI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の一部である間仕切壁や建具、家具、
その他の3次元形状を有する機械・電気装置等の骨組材
乃至芯材として好適な構造用部材において、廃棄の際に
構造用部材を構成する各部材を分別する分別作業を不要
とし、廃棄後の材料の再利用を容易とした構造用部材を
提供する。 【解決手段】 平面形状又は3次元形状を有する紙製の
外郭部材2a,2bを向かい合わせて所定の寸法を隔て
て一体化されている構造用部材1であって、外郭部材2
a,2bとして吸水させた積層平板合紙を原料として所
定の形状に成形するために金型内で加圧加熱脱水処理を
行った高密度圧縮成形品を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、紙製の向かい合
った一対の外郭部材が所定の寸法を隔てて一体化されて
いる構造用部材に関するものであって、詳しくは建築物
の一部である間仕切壁や建具、家具、その他の3次元形
状を有する機械・電気装置等の骨組材乃至芯材として好
適な再利用可能である構造用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、間仕切壁や建具、家具、その
他の3次元形状を有する機械・電気装置等の骨組材乃至
芯材としては、図6に示したように、対向する平板4
0,40の間に、木材を小片に削り、接着剤を混ぜて高
温・高圧で成形したいわゆるパーチクルボード41を組
み込んだパーチクルボード合板42(図6(a))、蜂
の巣状芯材43を組み込んだハニカムコア合板44(図
6(b))、ロール芯材45を組み込んだロールコア合
板46(図6(c))といった平板状合板47が広く使
用されている。ここで、パーチクルボード41、蜂の巣
状コア43、ロールコア45等は、一般にコア材と呼ば
れている。
【0003】これらの平板状合板47は、平板40が釘
やねじを保持する強度と厚みを有し、コア材41,4
3,45が骨組材乃至芯材としての厚みを有しながら軽
量性を確保し、かつ一体化された状態で骨組材乃至芯材
として十分な機械的強度が発揮できるようになってい
る。そして、平板40には、用途の違いによって、ベニ
ヤ板、石膏ボード、プラスチック板、アルミニウム板等
が使用される。コア材41,43,45には、軽量な
紙、木材、プラスチック、アルミニウム等の組立品や成
形品が使用されている。
【0004】そのため、これらの平板状合板47が廃棄
処分となった際には、異種材料で構成されている平板4
0とコア材41,43,45とを分ける分別作業が必要
となり、廃棄後の材料の再利用が困難なものとなってい
た。
【0005】また、図6に示したものはいずれも平板状
合板47であって、3次元形状の外観を有する建築物の
一部や家具又は機械・電気装置等に対応した3次元形状
の骨組材乃至芯材ではないため、その用途は平板状の部
分に限られていた。
【0006】ところで、3次元形状を実現すべく、金
属、プラスチック、木材等からなる2枚の薄板にコア材
として紙製の波状板を組み込んだ非平面形建築用パネル
(登録実用新案第3066852号公報に記載されてい
る考案)が提案されている。
【0007】図7は、従来の非平面形建築用パネルを示
す一部分解した斜視図である。
【0008】従来の非平面形建築用パネル52では、図
7に示したように、紙製のコア材50を金属、プラスチ
ック、木材等からなる薄板51によって上下から挟み込
んだサンドイッチ構造を採用している。
【0009】そして、非平面形建築用パネル52は、コ
ア材50は紙製の波状材53と板状材54とを接着して
立体的に嵩高く形成されると共にフェノール樹脂が含浸
又は塗布されており、板状材54の平面性が保持された
まま、コア材50におけるコア空間縮小側に切り込みを
施して波状材54を板状材55の間で部分的に変形させ
ることにより、波状材54と板状材55とのコア空間を
拡大及び縮小することによってコア材50が非平面形に
成形され、予め変形された薄板51がコア材50の上面
及び下面に沿うように接着されている。これにより、紙
製のコア材50を組み込んだサンドイッチ構造に基づく
高い剪断強度を有した非平面形建築用パネル52が実現
される。
【0010】しかしながら、この非平面形建築用パネル
53は、非平面形を保つために薄板51として金属、プ
ラスチック、木材等が使用されることになるため、結果
として、薄板51とコア材50とは異種材料で構成され
る。よって、この非平面形建築用パネル52は3次元形
状ではあるが、前述した平板状合板47と同様に、廃棄
処分となった際には、薄板51とコア材50とを分ける
分別作業が必要となり、廃棄後の材料の再利用が困難な
ものとなっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、以上のよ
うな従来の平板状合板及び非平面形建築用パネルの問題
点を解消すべく考えられたものであって、建築物の一部
である間仕切壁や建具、家具、その他の3次元形状を有
する機械・電気装置等の骨組材乃至芯材として好適な構
造用部材において、廃棄の際に構造用部材を構成する各
部材を分別する分別作業を不要とし、廃棄後の材料の再
利用を容易とした構造用部材を提供することを課題とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、平面形状又は3次元形状
を有する紙製の一対の外郭部材を向かい合わせて所定の
寸法を隔てて一体化されている構造用部材であって、前
記外郭部材は吸水させた積層平板合紙を原料として所定
の形状に成形するために金型内で加圧加熱脱水処理を行
った高密度圧縮成形品からなることを特徴としている。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の構成に加えて、前記外郭部材の少なくとも一方に、外
郭部材同士の間隔を規定する高さを有する凸部を形成
し、該凸部と他方の外郭部材との接触部を水溶性接着剤
にて固定したことを特徴としている。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の構成に加えて、前記一対の外郭部材の間に、該外郭部
材同士の間隔を規定する高さを有する紙製のコア材を水
溶性接着剤にて固定し、該コア材は吸水させた積層平板
合紙を原料として所定の形状に成形するために金型内で
加圧加熱脱水処理を行った高密度圧縮成形品からなるこ
とを特徴としている。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の構成に加えて、前記コア材は面状部と該面状部の少な
くとも一方に突出した凸部とを有していることを特徴と
している。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4
のいずれか1つに記載の構成に加えて、前記水溶性接着
剤は酢酸ビニル系接着剤であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る構造用芯材
の実施の形態について図1乃至図5によって説明する。
【0018】[発明の実施の形態1]図1は、この発明
に係る構造用部材の実施の形態1の外観を示した斜視図
である。
【0019】実施の形態1は、略L字状断面を有する構
造用部材1であって、内側の形状を規定する外郭部材2
aと外側の形状を規定する外郭部材2bとが所定の寸法
を隔てて、内側の外郭部材2aと外側の外郭部材2bと
の間隔を規定する高さを有するコア材3を組み込んでい
る。外郭部材2の略L字状断面の角部は、大きなR状部
を形成しており、このR状部を除いた部分は直線状に延
びている。
【0020】実施の形態1にあっては、コア材3として
横断面が一方向に連続する同一高さの波形からなる波板
材4を、外郭部材2の略L字状断面の形状に合わせて予
め全体形状が略L字状になるように成形されたものを内
側の外郭部材2aと外側の外郭部材2bとの間に挿入し
ている。
【0021】ここで、内側の外郭部材2aは、積層平板
合紙を構造用部材1の所定の内側形状の内側の丸みR1
を有する形状に圧縮成形したものである。また、外側の
外郭部材2bは、積層平板合紙を構造用部材1の所定の
外側形状の外側の丸みR2を有する形状に圧縮成形した
ものである。同じくコア材3は、内側の外郭部材2aの
成形後の厚みt1分だけ大きな丸みR3の内接Rを有
し、外側の外郭部材2bの成形後の厚みt2分だけ小さ
な丸みR4の外接Rを有する形状に圧縮成形したもので
ある。
【0022】内側の外郭部材2a、外側の外郭部材2b
及びコア材3の圧縮成形法は、この発明の発明者らが既
に発明し提案した、合紙を原料とする精密三次元立体薄
硬紙プレス形成法(特開2000−177033号公報
に記載された発明)又はこれに準じた成形方法を採用す
ればよい。
【0023】実施の形態1では、内側の外郭部材2a、
外側の外郭部材2b及びコア材3とも、成形前に積層平
板合紙を40〜90%の含水率になるよう吸水させ、こ
の吸水した積層平板合紙を原料として、この原料を角部
が所定の大きさのR状をした略L字状断面を有する上型
と下型とからなる金型にセットし、この金型により原料
に約1ton/cmの圧力を加え、100〜250℃
の温度に加熱し、2〜3%の含水率になるまで加圧加熱
脱水処理を行うことのできる圧縮成形機を使用して成形
加工を実施した。
【0024】ここで、圧縮成形による圧縮率は、吸水前
の積層平板合紙の板厚が1mmから3mm以下の場合に
70〜80%、板厚が3mmを超え30mm以下の場合
に50〜70%とすると、圧縮成形品の機械的性質が高
い値を示すことを確認している。
【0025】以上のようにして、所定の形状に成形され
た内側の外郭部材2a、外側の外郭部材2b及びコア材
3の各圧縮成形品が完成したら、これらを接着剤にて一
体に固定する。接着剤は、水溶性である酢酸ビニル系接
着剤を使用し、少なくともコア材3の波形の山と谷の頂
部5と内側の外郭部材2a及び外側の外郭部材2bとの
接触部分に塗布する。接着剤の使用量より、接着剤を部
分的に塗布する手間を省くことを重視する場合には、内
側の外郭部材2a及び外側の外郭部材2bのそれぞれの
内面全面に接着剤を塗布してもよい。
【0026】接着剤として水溶性の酢酸ビニル系接着剤
を使用する理由は、薬学会協定の衛生試験法TLCによ
る試験に合格できる基準であるフタル酸エステルが検出
されないこと、及び食品衛生法・食品、添加物等の規格
基準(昭和34年厚生省告示第370号)に適合するた
めの材質試験項目の鉛とカドミウムの検出量及び溶出試
験項目の重金属と過マンガン酸カリウム消費量の検出量
がそれぞれ基準値を下回ることを目的としている。ま
た、酢酸ビニル系接着剤にあっては、従来のフェノール
樹脂系接着剤のようにホルムアルデヒドも検出されるこ
とがないから、間仕切壁や建具、家具等の骨組材乃至芯
材として使用した場合であっても、間仕切壁や建具、家
具等を使用する住人がシックハウス症候群を招くことも
ないので都合がよい。
【0027】具体的には、実施の形態1で使用した酢酸
ビニル系接着剤は、ペガール210PR、ペガール10
0HHR、ペガール1540、ペガール517R(高圧
ガス工業株式会社製)であって、薬学会協定の衛生試験
法TLCによる試験に合格し、食品衛生法・食品、添加
物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に
適合することが確認されている。
【0028】実施の形態1によれば、外郭部材2a,2
b及びコア材3は吸水させた積層平板合紙を原料として
所定の形状に成形するために金型内で加圧加熱脱水処理
を行った高密度圧縮成形品からなるので、廃棄の際に構
造用部材を構成する外郭部材を分別する分別作業を不要
である。さらに、外郭部材2a,2bとコア材3とを一
体に接着する接着剤には、水溶性の酢酸ビニル系接着剤
を使用しているため、構造用部材1全体を水に浸すこと
で外郭部材2a,2b、コア材3、接着剤の全ての構成
部材を水に溶かすことができるので、新たな構造用部材
1の原料として容易に再利用ができることとなる。
【0029】また、外郭部材2a,2bが紙製の高密度
圧縮成形品であることから、軽量であるにも拘わらず釘
や木ねじを打ち込むことが可能であるため、建築物の一
部である間仕切壁や建具、家具、その他の3次元形状を
有する機械・電気装置等の骨組材乃至芯材として好適で
あるといえる。
【0030】[発明の実施の形態2]図2は、この発明
に係る構造用部材の実施の形態2の外観を示した斜視図
である。
【0031】図2に示した実施の形態2にあっては、内
側の外郭部材2aを平板とし、外側の外郭部材2bは平
板部6の一方の端に厚み方向に曲げてL形部7を形成
し、平板部6の他方の端に厚み方向に傾斜したなだらか
な曲面のスロープ部8を形成して内側の外郭部材2aに
接合している。
【0032】コア材3は、横断面が一方向に連続する同
一高さの波形からなる波板材9からなり、この波板材9
の一側が内側の外郭部材2aの平板に接触し、波板材4
の反対側が外側の外郭部材2bの平板部6に接触してお
り、外側の外郭部材2bのスロープ部8では、波板材9
の波高10と波長11を傾斜に沿って次第に小さくする
ことで所定の形状を保つようにしている。内側の外郭部
材2a及び外側の外郭部材2bとコア材3の波形の山と
谷の頂部5との接触部は接着剤にて一体に固定されてい
る。さらに、内側の外郭部材2aである平板の短手方向
に当たる端面12,13は外側の外郭部材2bのスロー
プ部8の内面及びL形部7の内面と接着剤により接着固
定されている。接着剤は、実施の形態1と同様に、水溶
性の酢酸ビニル系接着剤を使用している。
【0033】また、内側の外郭部材2a、外側の外郭部
材2b及びコア材3の圧縮成形法は、実施の形態1と同
様に、吸水させた積層平板合紙を原料として所定の形状
に成形するために金型内で加圧加熱脱水処理を行えばよ
い。
【0034】実施の形態2では、内側の外郭部材2aの
短手方向の端面12,13と外側の外郭部材2bとが接
合され密閉状態となっているため、実施の形態1に比べ
てより剛性が高いものとなっている。そして、必要があ
れば、内側の外郭部材2aと外側の外郭部材2bとを組
み合わた際に構造用部材1のずべての外周面を塞いで開
口部14がないものを作ることも可能であり、この場合
にはさらに剛性の高いものが完成できる。
【0035】[発明の実施の形態3]図3は、この発明
に係る構造用部材の実施の形態3の外観を示した斜視図
である。
【0036】一方の外郭部材2aを平板の紙製の高密度
圧縮成形品とし、他方の外郭部材2bは全体が平板状で
その片面に同じ大きさのドーム状の凸部15が等間隔に
多数配置された形態をした紙製の高密度圧縮成形品とし
ている。
【0037】そして、一方の平板状の外郭部材2aに他
方の外郭部材2bの凸部15の頂部が接触できるように
対峙させ、その接触部を水溶性の酢酸ビニル系接着剤で
接着固定して一体化している。これにより、一方の平板
状の外郭部材2aと他方の外郭部材2bとの間には凸部
15の高さに相当する寸法の隙間が生じることになる。
【0038】図示した実施の形態3では、片方の外郭部
材2bにのみ凸部15を形成したものを使用したが、両
方の外郭部材2a,2bとも凸部15を形成した外郭部
材2を使用して互いにそれらの凸部12が向かい合うよ
うにして一体化してもよい。つまり、図4(a)に示し
たように、一方の外郭部材2aの頂部15と他方の外郭
部材2bの頂部15とを突き合わせてもよいし、図4
(b)に示したように、一方の外郭部材2aの頂部16
が他方の外郭部材2bの隣り合う頂部15,15の間に
位置するようにしてもよい。前者の場合には、一方の外
郭部材2aと他方の外郭部材2bとの隙間W1が凸部1
5の高さの2倍に相当する寸法となり、後者の場合に
は、一方の外郭部材2aと他方の外郭部材2bとの隙間
W2が凸部15の高さに相当する寸法となる。
【0039】実施の形態3にあっては、内側の外郭部材
2aと外側の外郭部材2bとの隙間W1,W2及び構造
用部材1の剛性を決定するのは凸部15であり、実施の
形態1又は2のようなコア材3が不要となるため、製造
コストの低減が図れる。
【0040】また、製造コストが多少高くなってもよい
のであれば、これら凸部15を有する外郭部材2a,2
bをコア材と見なし、このコア材の外側に平板の高密度
圧縮成形品(平板の外郭部材)を接合してもよい。これ
により、外郭部材が平板であるからその全面のどの箇所
にも釘やねじを打ち込めることとなり、打ち込んだ釘や
ねじがしっかりと保持できるようになる。
【0041】なお、図4では凸部15としてドーム状
(半球状)の形状のものを示したが、これに限定される
ものではなく、圧縮成形金型で形成できる中空体で剛性
を有する形状であれば、円柱、多角柱、截頭半球、截頭
円錐、截頭多角錐、その他任意に選定すればよい。
【0042】
【実施例】この発明に係る構造用部材の機械的性質を確
認するため、図5に示したように、同一の厚みと形状を
有する平板状の外郭部材2a,2bの間にコア材3を組
み込んだ実施の形態1に対応する構造用部材1を製作し
て、曲げ試験と木ねじ保持力の試験を行った。なお、構
造用部材1の構成部品である外郭部材2a,2b及びコ
ア材3は、すべて吸水させた積層平板合紙を原料として
所定の形状に成形するために金型内で加圧加熱脱水処理
を行った高密度圧縮成形品を使用した。
【0043】試験体の具体的な仕様は、外郭部材2とし
て成形後の板厚t=2.5mm、縦X=300mm、横
Y=250mmの平板の高密度圧縮成形品を2枚向かい
合わせて、その間にコア材3を組み込んでこれらを一体
に接着して高さ30mmの大きさのものを使用した。コ
ア材3は、成形後の板厚t=2.5mm、幅W=25m
mの帯板を直線部と片側にのみ突設させた円弧状の凸部
とを長手方向に互い違いに形成した形状のものとし、こ
れを6本使用し互い違いに向きを変えて外郭部材2の短
手方向に所定の間隔を置いて配置している。隣り合う凸
部の狭い部分の間隔S1=25mm、隣り合う直線部の
狭い部分の間隔S2=25mmとしている。このような
仕様のものを試験体として、建築用ボード類の曲げ試験
方法(JIS−A−1408)に準拠して実施の形態1
に対応する構造用部材1の試験を行った。その試験結果
は、表1のとおりである。
【0044】
【表1】
【0045】試験結果は、最大荷重約110kgf(平
均値)のときに最大たわみ量が約2.1mm(平均値)
という値であって、試験荷重を除去すれば元の形状に復
元できる状態であった。これにより、図5に示したよう
な試験体として使用した密度の粗いコア材であっても8
85N(90kgf)以上というJISの判定基準に合
格することがわかった。
【0046】また、木ねじ保持力の試験の試験体はCC
5(成形後の板厚5mm、原料として新聞や雑誌等の古
紙を使用したもの、高崎三興株式会社製)とLL5(成
形後の板厚5mm、原料として段ボールや板紙等の古紙
を使用したもの、高崎三興株式会社製)のグレードの異
なる2種類の吸水させた積層平板合紙を原料として金型
内で加圧加熱脱水処理を行った平板の高密度圧縮成形品
を使用し、繊維板の木ねじ保持力試験方法(JIS−A
−5905)に準拠して平板の高密度圧縮成形品(コア
材なし)について木ねじの保持力の試験を行った。その
試験結果は、表2のとおりである。
【0047】
【表2】
【0048】試験結果としては、試験体CC5で平均2
3.5kgf、試験体LL5で平均29.1kgfとい
う保持力を示した。この値は、内装用壁材として実用さ
れている段谷産業株式会社製の「e.ウォール」という
商品の公表されている板厚6mmの木ねじ保持力117
N(12kgf)(http//www.dantan
i.co.jp/e−wall/shiken−8.h
tml)と比較した場合、ほぼ2倍以上の値である。し
たがって、試験体の板厚が5mmであるにも拘わらず木
ねじの保持力は実用されている内装用壁材よりも大きい
ことがわかった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、平面形状又は3次元形状を有する紙製の
一対の外郭部材を向かい合わせて所定の寸法を隔てて一
体化されている構造用部材であって、外郭部材は吸水さ
せた積層平板合紙を原料として所定の形状に成形するた
めに金型内で加圧加熱脱水処理を行った高密度圧縮成形
品からなるので、廃棄の際に構造用部材を構成する外郭
部材を分別する分別作業を不要とし、廃棄後の材料の再
利用が容易である。
【0050】また、外郭部材として紙製の高密度圧縮成
形品をしようしているから、軽量であるにも拘わらず実
用上十分な曲げ強度及び木ねじ保持力を得ることができ
るため、建築物の一部である間仕切壁や建具、家具、そ
の他の3次元形状を有する機械・電気装置等の骨組材乃
至芯材として好適な構造用部材を提供することができ
る。
【0051】請求項2に記載の発明によれば、外郭部材
の少なくとも一方に、外郭部材同士の間隔を規定する高
さを有する凸部を形成し、該凸部と他方の外郭部材との
接触部を水溶性接着剤にて固定したので、請求項1の効
果に加えて、コア材を使用せずに実用的な厚さを確保し
た構造用部材が得られる。
【0052】請求項3に記載の発明によれば、一対の外
郭部材の間に、該外郭部材同士の間隔を規定する高さを
有する紙製のコア材を水溶性接着剤にて固定し、該コア
材は吸水させた積層平板合紙を原料として所定の形状に
成形するために金型内で加圧加熱脱水処理を行った高密
度圧縮成形品からなるので、請求項1の効果に加えて、
構造用部材全体を水に浸すことで外郭部材、コア材、接
着剤の全ての構成部材を水に溶かすことができるので、
新たな構造用部材の原料として容易に再利用ができる。
【0053】請求項4に記載の発明によれば、コア材は
面状部と該面状部の少なくとも一方に突出した凸部とを
有しているので、厚みが高くなっても剛性を維持できる
から、請求項3の効果に加えて、より厚みの高い構造用
部材を得ることができる。
【0054】請求項5に記載の発明によれば、水溶性接
着剤は酢酸ビニル系接着剤であるので、ホルムアルデヒ
ドも検出されることがないから、請求項2乃至4のいず
れか1つの効果に加えて、間仕切壁や建具、家具等の骨
組材乃至芯材として使用した場合であっても、間仕切壁
や建具、家具等を使用する住人がシックハウス症候群を
招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る構造用部材の実施の形態1の
外観を示した斜視図である。
【図2】 同構造用部材の実施の形態2の外観を示した
斜視図である。
【図3】 同構造用部材の実施の形態3の外観を示した
分解斜視図である。
【図4】 同構造用部材の実施の形態3の断面図であ
り、(a)は外郭部材の凸部の頂部同士を突き合わせた
状態を示し、(b)は外郭部材の凸部同士が干渉しない
ようにした状態を示している。
【図5】 同構造用部材の実施の形態1に対応する曲げ
試験の試験体を示した分解斜視図である。
【図6】 従来の平板状合板を示した一部破断の斜視図
であり、(a)はパーチクルボード合板、(b)はハニ
カムコア合板、(c)はロールコア合板を示している。
【図7】 従来の非平面形建築用パネルを示す一部分解
した斜視図である。
【符号の説明】
1 構造用部材 2、2a、2b 外郭部材 3 コア材 4、9 波板材(コア材) 5 頂部 6 平板部 7 L形部 8 スロープ部 12、13 端面 14 開口部 15 凸部
フロントページの続き Fターム(参考) 2B250 AA01 AA13 BA00 CA11 HA01 2B260 AA20 BA04 CA00 CC03 CD02 CD06 CD11 4F100 BA02 BA06 BA07 BA13 DC00A DC00B DG10A DG10B GB41 GB51 JL16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面形状又は3次元形状を有する紙製の
    一対の外郭部材を向かい合わせて所定の寸法を隔てて一
    体化されている構造用部材であって、前記外郭部材は吸
    水させた積層平板合紙を原料として所定の形状に成形す
    るために金型内で加圧加熱脱水処理を行った高密度圧縮
    成形品からなることを特徴とする構造用部材。
  2. 【請求項2】 前記外郭部材の少なくとも一方に、外郭
    部材同士の間隔を規定する高さを有する凸部を形成し、
    該凸部と他方の外郭部材との接触部を水溶性接着剤にて
    固定したことを特徴とする請求項1に記載の構造用部
    材。
  3. 【請求項3】 前記一対の外郭部材の間に、該外郭部材
    同士の間隔を規定する高さを有する紙製のコア材を水溶
    性接着剤にて固定し、該コア材は吸水させた積層平板合
    紙を原料として所定の形状に成形するために金型内で加
    圧加熱脱水処理を行った高密度圧縮成形品からなること
    を特徴とする請求項1に記載の構造用部材。
  4. 【請求項4】 前記コア材は面状部と該面状部の少なく
    とも一方に突出した凸部とを有していることを特徴とす
    る請求項3に記載の構造用部材。
  5. 【請求項5】 前記水溶性接着剤は、酢酸ビニル系接着
    剤であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1
    つに記載の構造用部材。
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