JP2003102829A - 骨盤内抗癌剤灌流療法および骨盤内抗癌剤灌流装置 - Google Patents

骨盤内抗癌剤灌流療法および骨盤内抗癌剤灌流装置

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JP2003102829A
JP2003102829A JP2001300625A JP2001300625A JP2003102829A JP 2003102829 A JP2003102829 A JP 2003102829A JP 2001300625 A JP2001300625 A JP 2001300625A JP 2001300625 A JP2001300625 A JP 2001300625A JP 2003102829 A JP2003102829 A JP 2003102829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、癌組織部に送液した抗癌剤
が骨盤外血流路に漏出することを防止し、抗癌剤による
副作用を防止可能な抗癌剤灌流療法及び抗癌剤灌流装置
を提供することにある。 【解決手段】 本発明は、骨盤内の癌組織部1に抗癌剤
を投与し回収する骨盤内抗癌剤灌流装置37である。体
外の抗癌剤と血液を体内に送液する送液チューブ27及
び送液ポンプ29と、体内の抗癌剤と血液を脱液する脱
液チューブ28及び脱液ポンプ30と、送液チューブ2
7または送液ポンプ29に配設され、抗癌剤と血液の体
内への送液量を調整する手段33、77と、脱液チュー
ブ28または脱液ポンプ30に配設され、抗癌剤と血液
の体外への脱液量を送液量よりも多くなるように調整可
能な手段33、77とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は骨盤内抗癌剤灌流療
法および骨盤内抗癌剤灌流装置に係り、特に骨盤内の進
行癌組織部に抗癌剤を投与し回収する骨盤内抗癌剤灌流
療法および骨盤内抗癌剤灌流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、骨盤内に位置する膀胱、子
宮、リンパ節、その他組織に癌の発症が認められた場
合、早期癌であれば、短期間で確実な治療方法として外
科的手術が行われていた。
【0003】しかし、外科的手術が施行されても腫瘍
(癌)の残存が疑われた場合には手術後に放射線治療や
免疫療法が行われることがある。また、癌が広く転移し
たときのように、手術ができないほど進行した場合は、
外科的手術に抗癌剤を投与する治療を併用して行われて
いた。
【0004】また、抗癌剤を用いた治療法には、Peter
S.Turk,James F.Belliveauらの報告(Archives Surgery
(Vol128,May 1993))にあるように、体外式血液循環装
置を用いて抗癌剤を体外循環させる抗癌剤灌流療法が行
われていた。
【0005】骨盤内抗癌剤灌流療法は、2本のバルーン
カテーテルを、それぞれ大動静脈内に留置して拡張・閉
塞して血流を遮断し、下肢の血流をタニケットを用いて
遮断して骨盤内に位置する動静脈に閉鎖領域を生成し、
当該閉鎖領域内において、体外式血液循環装置を用い
て、30〜40分間連続して抗癌剤を送液し脱液する癌
の治療方法である。
【0006】該抗癌剤を用いた治療法により、腫瘍を消
滅させたり、腫瘍が広がるのを抑えたり、腫瘍による症
状を軽減したりすることができた。
【0007】従来の抗癌剤灌流療法では、体外式血液循
環装置により、大動脈内に送液する抗癌剤の量と、大静
脈内から脱液する血液を含む体液の量は同一であった。
【0008】しかし、大動静脈の中でも、特に骨盤内に
位置する大動静脈には、発達した側副血行路が多く存在
する。従って、送液速度と脱液速度を同一にした場合、
送液側と脱液側とを結ぶ系の圧力が均一となるため、送
液した抗癌剤が、容易に該側副血行路から骨盤外に位置
する血流路へ漏出し、全身に行き渡ってしまうという問
題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、骨盤
内に位置する膀胱や子宮等に発症した進行癌組織部の治
療に用いられるものであって、癌組織部に送液した抗癌
剤の骨盤外に位置する血流路への漏出を防止し、患者の
抗癌剤による副作用を防止することが可能な抗癌剤灌流
療法および抗癌剤灌流装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、請求項1に
係る発明によれば、骨盤内に位置する癌組織部に抗癌剤
を投与し回収する骨盤内抗癌剤灌流療法であって、管状
体からなる第一シースの先端を経皮的に挿入して大腿動
脈内に留置する工程と、管状体からなる第二シースの先
端を経皮的に挿入して大腿静脈内に留置する工程と、可
撓性管状体の先端部に拡張可能な第一バルーンを有する
第一バルーンカテーテルを大腿動脈から経皮的に大動脈
内に挿入して、前記第一バルーンを大動脈内所定位置に
留置する工程と、可撓性管状体の先端部に拡張可能な第
二バルーンを有する第二バルーンカテーテルを大腿静脈
から経皮的に大静脈内に挿入して、前記第二バルーンを
大静脈内所定位置に留置する工程と、前記大動脈内所定
位置よりも下肢側動脈部位において血流を遮断する工程
と、前記大静脈内所定位置よりも下肢側静脈部位におい
て血流を遮断する工程と、前記第一バルーンを拡張して
前記大動脈内所定位置と前記下肢側動脈部位との間に動
脈内閉塞領域を生成する工程と、前記第二バルーンを拡
張して前記大静脈内所定位置と前記下肢側静脈部位との
間に静脈内閉塞領域を生成する工程と、前記第一シース
から前記動脈内閉塞領域へ所定量の抗癌剤を投与する工
程と、前記第二シースから前記静脈内閉塞領域の前記抗
癌剤を含んで前記所定量の抗癌剤よりも多量の体液を回
収する工程と、を備えることにより解決される。
【0011】このように、大動脈内への抗癌剤の送液速
度よりも、大静脈内からの前記抗癌剤を含んだ血液等の
脱液速度が速くなるように、大動脈内へ投与した抗癌剤
よりも、大静脈内の前記抗癌剤を含んだ血液等を多く回
収することで、送液側と脱液側とを結ぶ系において、送
液側よりも脱液側の圧力が低くなり、癌組織への投薬効
果を維持しつつ、抗癌剤の骨盤外に位置する血流路への
漏出量への漏出を防ぐことが可能となる。
【0012】このとき、前記抗癌剤を投与する工程と、
前記体液を回収する工程と、に体外式血液循環装置を用
いるように構成すると好適である。
【0013】これにより、確実に抗癌剤の投与、回収を
行うことができ、投与量管理、回収量管理を行うことが
できる。
【0014】上記課題は、請求項3に係る発明によれ
ば、骨盤内に位置する癌組織部に抗癌剤を投与し回収す
る骨盤内抗癌剤灌流療法であって、可撓性の管状体の先
端部に拡張可能な第一バルーンと、前記管状体内の後端
部から先端部まで連通する第一管腔部と、を有する第一
バルーンカテーテルを大腿動脈から経皮的に大動脈内に
挿入して、前記第一バルーンを大動脈内所定位置に留置
する工程と、可撓性の管状体の先端部に拡張可能な第二
バルーンと、前記管状体内の後端部から先端部まで連通
する第二管腔部と、を有する第二バルーンカテーテルを
大静脈内所定位置に留置する工程と、前記大動脈内所定
位置よりも下肢側動脈部位において血流を遮断する工程
と、前記大静脈内所定位置よりも下肢側静脈部位におい
て血流を遮断する工程と、前記第一バルーンを拡張して
前記大動脈内所定位置と前記下肢側動脈部位との間に動
脈内閉塞領域を生成する工程と、前記第二バルーンを拡
張して前記大静脈内所定位置と前記下肢側静脈部位との
間に静脈内閉塞領域を生成する工程と、前記第一管腔部
から前記動脈内閉塞領域へ所定量の抗癌剤を投与する工
程と、前記第二管腔部から前記静脈内閉塞領域の前記抗
癌剤を含んで前記所定量の抗癌剤よりも多量の体液を回
収する工程と、を備えることにより解決される。
【0015】このように、第一バルーンカテーテルおよ
び第二バルーンカテーテルは、バルーン拡張による血流
の遮断と体内への薬剤の投与・回収を一体で行うことが
できるものであるので、患者の体内もしくは血管内へ経
皮的に挿入し留置する器具を少なくすることができる。
また、大動脈内への抗癌剤の送液速度よりも、大静脈内
からの前記抗癌剤を含んだ血液等の脱液速度が速くなる
ように、大動脈内へ投与した抗癌剤よりも、大静脈内の
前記抗癌剤を含んだ血液等を多く回収することで、送液
側と脱液側とを結ぶ系において、送液側よりも脱液側の
圧力が低くなり、癌組織への投薬効果を維持しつつ、抗
癌剤の骨盤外に位置する血流路への漏出量への漏出を防
ぐことが可能となる。
【0016】このとき、前記抗癌剤を投与する工程と、
前記体液を回収する工程と、に体外式血液循環装置を用
いるように構成すると好適である。
【0017】これにより、確実に抗癌剤の投与、回収を
行うことができ、投与量管理、回収量管理を行うことが
できる。
【0018】また、前記体液を回収する工程にて回収し
た体液を、血液透析と、血液濾過と、血液吸着と、遠心
分離と、のうち少なくとも一つを含んだ血液浄化処理を
し、体内に送液する工程を、さらに備えるように構成す
ると好適である。
【0019】これにより、回収した体液から抗癌剤を除
去し、再び血液を体内に送血することができる。
【0020】さらに、任意な時期に、ハプトグロブリン
を含む抗溶血剤を静脈内に投与する工程を、さらに備え
るように構成すると好適である。
【0021】これにより、抗癌剤投与による溶血を防ぐ
ことができる。
【0022】上記課題は、請求項7に係る発明によれ
ば、骨盤内に位置する癌組織部に抗癌剤を投与し回収す
る骨盤内抗癌剤灌流装置であって、体外の抗癌剤を含む
薬液と、血液と、体液と、のうち少なくとも一方を体内
に送液する送液チューブと、体内の抗癌剤を含む薬液
と、血液と、体液と、のうち少なくとも一方を脱液する
脱液チューブと、前記送液チューブに接続された送液ポ
ンプと、前記脱液チューブに接続された脱液ポンプと、
前記送液チューブと、前記送液ポンプと、のうちいずれ
か一方に配設され、体外の抗癌剤を含む薬液と、血液
と、体液と、のうち少なくとも一方の体内への送液量を
調整可能な送液量調整手段と、前記脱液チューブと、前
記脱液ポンプと、のうちいずれか一方に配設され、体内
の抗癌剤を含む薬液と、体液と、血液と、のうち少なく
とも一方の体外への脱液量を、前記送液量よりも多くな
るように調整可能な脱液量調整手段と、を備えることに
より解決される。
【0023】これにより、送液側と脱液側とを結ぶ系に
おいて、送液側よりも脱液側の圧力を低くすることがで
き、癌組織への投薬効果を維持しつつ、抗癌剤の骨盤外
に位置する血流路への漏出量への漏出を防ぐことが可能
となる。
【0024】このとき、前記脱液量調整手段は、抗癌剤
を含む薬液と、血液と、体液と、のうち少なくとも一方
の体内への送液速度よりも10ml/min以上多く脱
液することを可能に構成されていると好適である。
【0025】これにより、抗癌剤による副作用を最小と
して高い癌治療効果を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する部
材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明
の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論で
ある。
【0027】特に、カテーテル等のチューブ類のサイズ
(フレンチ[Fr.])は、本実施形態に最も適したもの
を使用したのであり、本発明を限定する趣旨ではない。
【0028】図1に、本発明の抗癌剤灌流療法を、骨盤
59内に位置する進行癌組織部としての癌組織1に適用
した実施形態を示す。
【0029】患者60は、骨盤59内に位置する部位に
進行癌組織1を発症している。
【0030】大動脈57は、両下肢に向かって右大腿動
脈46と左大腿動脈52に分岐し、大静脈58は、両下
肢に向かって右大腿静脈47と左大腿静脈53に分岐し
ている。
【0031】癌組織1−1は、右大腿動脈46と右大腿
静脈47の間に位置し、癌組織1−2は、左大腿動脈5
2と左大腿静脈53の間に位置している。
【0032】第一バルーンカテーテルとしてのバルーン
カテーテル48−1は、右大腿動脈46から大動脈57
内にイントロデューサ2を用いて経皮的に挿入され、第
二バルーンカテーテルとしてのバルーンカテーテル48
−2は、右大腿静脈47から大静脈58内にイントロデ
ューサ2を用いて経皮的に挿入される。
【0033】第一シースとしてのシース3−1は、左大
腿動脈52内に経皮的に挿入され、第二シースとしての
シース3−2は、左大腿静脈53内に経皮的に挿入され
る。
【0034】シース3−1の後端部に備えられたポート
A54−1からは、図示しない抗癌剤が投与され、シー
ス3−2の後端に備えられたポートA54−2からは、
前記抗癌剤を含んだ血液等が回収される。
【0035】タニケット45−1は、大動脈57内の所
定位置よりも下肢側動脈部位において血流を遮断するた
めに、右大腿部75の所定位置に装着され、タニケット
45−2は、大静脈58内の所定位置よりも下肢側静脈
部位において血流を遮断するために、左大腿部76の所
定位置に装着される。
【0036】バルーンカテーテル48−1の後端側に
は、バルーン49−1を拡張するためのシリンジ15−
1が接続され、バルーンカテーテル48−2の後端側に
は、バルーン49−2を拡張するためのシリンジ15−
2が接続される。シリンジ15−1とシリンジ15−2
の内部には、図示しない生理食塩水等がそれぞれ封入さ
れている。
【0037】進行癌組織1は、例えば、膀胱癌や子宮癌
がある。膀胱癌は、表面に覆われた伸縮性に富む移行上
皮が癌化することによって引き起こされる。膀胱癌は膀
胱内に発生する傾向があるが、尿の流れの上流である尿
管や腎盂にも同様の病変が存在している場合もある。子
宮癌には、子宮肉腫、子宮頸部癌、子宮内膜癌などがあ
る。
【0038】抗癌剤は、腫瘍細胞を破壊する薬剤であ
り、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗癌性抗生物質、植物
アルカロイドなどに分類される。代謝拮抗剤は、増殖の
盛んな癌細胞に多く含まれる酵素を利用して、分裂を抑
える作用を持つ。アルキル化剤は、毒ガス用に開発され
た薬であり、遺伝情報の伝達など生命の本質に重要な役
割を果たしているDNAに作用する。アルキル化剤が結合
した場所でDNAは破損し、癌細胞を死滅させる。抗癌性
抗生物質は、通常の抗生物質と同じように土壌に含まれ
る微生物から作ったものである。植物アルカロイドは、
細胞の分裂に重要な微小管の働きを止めることにより、
癌細胞を死滅させるものである。微小管に作用する抗癌
剤には、パクリタキセル等の物質がある。本発明では、
以上のように、一般的に抗癌剤と言われるものを使用す
ることとする。
【0039】体内から回収する体液には、血液やリンパ
液等の体内に含まれるすべての体液を含む。また、以
後、体内から回収する体液は、血液等と示す。
【0040】イントロデューサ2の構成を図2に示す。
イントロデューサ2は、カテーテル挿通シース67と、
ダイレータ65と、ガイドワイヤ66と、を備え、バル
ーンカテーテル48−1を右大腿動脈46から大動脈5
7内に経皮的に挿入する際に、もしくは、バルーンカテ
ーテル48−2を右大腿動脈47から大静脈58内に経
皮的に挿入する際に、それぞれ血管内への案内として用
いられる。
【0041】カテーテル挿通シース67は、PTFE製
等からなる可撓性体もしくは剛性体の管状体61と、管
状体61の後端部に備えられるコネクタ62と、を備え
る。また、管状体61には、管状体61の先端からコネ
クタ62の後端まで連通する挿通路63が備えられてい
る。コネクタ62の後端部には、カテーテル挿通シース
67を血管内に挿入して留置した際に、挿通路63から
該血管内の血液等が溢れ出ないように止血弁64が備え
られている。
【0042】ダイレータ65は、血管内にイントロデュ
ーサ2を挿入する際に、管状体61がキンクするのを防
止するための器具である。ダイレータ65は、先端側か
ら後端側まで連通し、ガイドワイヤ66を挿通させるた
めの管路68を備える。また、ダイレータ65の後端部
は、コネクタ62に嵌合される。
【0043】イントロデューサ2の構成は、上記の通り
であり、以下に、イントロデューサ2を用いて、バルー
ンカテーテル48−1を右大腿動脈46から大動脈57
内に経皮的に挿入するための挿通路を確保する方法を示
す。
【0044】イントロデューサ2を使用するには、はじ
めに、右大腿動脈46の位置する皮膚を、周知の方法で
わずかに切開し、該切開部からガイドワイヤ66を右大
腿動脈46内に挿入して所定の位置で留置する。
【0045】ガイドワイヤ66の後端側から、ダイレー
タ65の管路68にガイドワイヤ66を挿通するよう
に、イントロデューサ2の先端を経皮的に右大腿動脈4
6内に挿入し、留置する。
【0046】ガイドワイヤ66を右大腿動脈46から体
外へ抜去した後、ダイレータ65とコネクタ62との嵌
合を解除し、ダイレータ65をカテーテル挿通シース6
7の挿通路63から体外へ引き抜く。このようにして、
カテーテル挿通シース67の先端を経皮的に右大腿動脈
46内に留置する。
【0047】以上のような方法で、イントロデューサ2
を用いて、バルーンカテーテル48−1を右大腿動脈4
6から大動脈57内に挿入する際の挿通路を右大腿動脈
46に確保する。
【0048】なお、バルーンカテーテル48−2を右大
腿静脈47から大静脈58内に経皮的に挿入するための
挿通路を確保する方法も上記と同様であり、イントロデ
ューサ2の先端を経皮的に右大腿静脈47内に挿入し、
カテーテル挿通シース67の先端を経皮的に右大腿静脈
47内に留置するようにして行う。
【0049】シース3の構成を図3に示す。シース3
は、三方活栓56と、PTFE製等からなる可撓性体も
しくは剛性体の管状体7とから構成される。シース3−
1は、大動脈57内の閉塞領域に所定量の抗癌剤を投与
する器具として用いられ、シース3−2は、大静脈内5
8内の閉塞領域の前記抗癌剤を含んで前記所定量の抗癌
剤よりも多量の体液を回収する器具として用いられる。
【0050】三方活栓56には、ポートA54と、ポー
トB55が備えられており、ポートA54とポートB5
5は、切換レバー6の切換操作により、交互に管状体7
の先端に設けられた側孔8および先端孔9まで連通す
る。
【0051】ポートA54は、後述する体外式血液循環
装置の送液チューブもしくは脱液チューブを接続して、
薬液、血液等を体内へ送液もしくは体外へ脱液する。ま
た、ポートB55は、図示しないシリンジ等を接続し、
造影剤、抗凝固剤、溶血剤等の必要薬剤を体内に送液す
る。
【0052】バルーンカテーテル48−1は、大動脈5
7内の所定位置と下肢側動脈部位との間に動脈内閉塞領
域を生成するために、後述するタニケット45−1を併
用して動脈閉塞領域を生成し、バルーンカテーテル48
−2は、大静脈58内の所定位置と下肢側静脈部位との
間に静脈内閉塞領域を生成するために、後述するタニケ
ット45−2を併用して静脈閉塞領域を生成するもので
ある。
【0053】バルーンカテーテル48は、請求項1に係
るバルーンカテーテル10、もしくは、請求項3に係る
バルーンカテーテル16を用いる。
【0054】バルーンカテーテル10の構成を図4に、
バルーンカテーテル16の構成を図5に、それぞれ示
す。以下に、バルーンカテーテル10と、バルーンカテ
ーテル16について、分説する。
【0055】バルーンカテーテル10は、可撓性体から
なる基部11と、シリンジ15を接続するコネクタ12
と、拡張可能なバルーン13と、基部11内に備えら
れ、コネクタ12後端からバルーン中央部のバルーン拡
張孔25まで連通する管路14と、先端コイルマーカ4
3と、を備える。
【0056】バルーン13は、自由吹込ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエステル
等の樹脂で構成される。コネクタ12の手元側に生理食
塩水等(図示しない)を封入したシリンジ15を接続
し、シリンジ15を術者が加圧することで、バルーン1
3は拡張し、バルーン13の周囲が血管内部壁に密着す
ることで、該血管部の血流を遮断する。
【0057】先端コイルマーカ43は、X線透視下によ
るインターベンションを行う際に、バルーンカテーテル
10先端部の位置を術者が把握することができるよう
に、チタン等のX線不透過性材料からなる。
【0058】先端コイルマーカ43を備えることで、X
線透視下にて、血管造影を行う際に、先端コイルマーカ
43の位置を確認しながら、バルーン13を、目的部位
まで選択的に走査することができる。
【0059】なお、本発明の実施形態におけるバルーン
カテーテル10は、大腿動静脈へ適用するため、ガイド
ワイヤは使用せずに単体で血管内に挿入できるように構
成されているが、ガイドワイヤを使用するオーバーワイ
ヤタイプ、RXタイプ、モノレールタイプで構成されて
もよい。
【0060】次に、バルーンカテーテル16について、
図5を用いて説明する。本発明の抗癌剤灌流療法におけ
る別の態様のバルーンカテーテル16は、バルーンカテ
ーテル10に、シース3の機能を兼ね合わせたものであ
る。以下に、構成について説明する。
【0061】バルーンカテーテル16は、可撓性体から
なる基部26と、コネクタ19と、拡張可能なバルーン
20と、先端コイルマーカ44と、基部26内に備えら
れ、コネクタ19後端に備えられたポートA21からバ
ルーン20中央部のバルーン拡張孔24まで連通する管
路A17と、コネクタ19後端に備えられたポートB2
2から基部26先端部に備えられた側孔23まで連通す
る管路B18を備える。
【0062】バルーンカテーテル16を血管内の所定位
置に留置し、バルーン20を拡張させることで、バルー
ン20の周囲を血管内部壁に密着させ、該血管部に血流
遮断部を形成することができる。このとき、ポートB2
2に図示しない必要薬剤を封入したシリンジ等を接続
し、管路B18を通じて、側孔23から該血流遮断部
に、該必要薬剤を送液することができる。また、ポート
B22にシリンジ等の吸引装置を接続することで、該血
流遮断部から、血液等を脱液することもできる。
【0063】バルーンカテーテル16もバルーンカテー
テル10と同様に、オーバーワイヤタイプ、RXタイ
プ、モノレールタイプで構成されてもよい。また、基部
26先端に、先端コイルマーカ44を備えており、X線
透視下において、選択的に血管内走査を行うことができ
る。
【0064】以上のように、バルーンカテーテル16
は、バルーン拡張による血流の遮断と体内への薬剤の投
与・回収を一体で行うことができるものであるので、患
者60の体内もしくは血管内へ経皮的に挿入し留置する
器具を少なくすることができる。
【0065】タニケット45−1は、大動脈57内の所
定位置よりも下肢側動脈部位において血流を遮断するた
めに、右大腿部75に装着され、タニケット45−2
は、大静脈58内の所定位置よりも下肢側静脈部位にお
いて血流を遮断するために、左大腿部76に装着され
る。
【0066】また、上述のバルーンカテーテル10もし
くはバルーンカテーテル16を併用することにより、タ
ニケット45−1は、大動脈57内の所定位置と下肢側
動脈部位との間に動脈内閉塞領域を生成し、タニケット
45−2は、大静脈58内の所定位置と下肢側静脈部位
との間に静脈内閉塞領域を生成する。
【0067】タニケット45は、周知のものであるの
で、ここでは図を用いて詳細に説明しないが、図示しな
い加圧器具により加圧膨張するインナーチューブと、該
インナーチューブを下肢所定部位周囲に巻きつけて固定
するためのカフと、該加圧器具からの空気もしくは流体
を該インナーチューブ内に送込むためのカフホースを備
える。
【0068】タニケット45を用いて血流を遮断するに
は、該カフホース内を通じて、該加圧器具から該インナ
ーチューブ内に空気もしくは流体を送込む。これにより
該インナーチューブは加圧膨張し、下肢所定部位に位置
する周囲が圧迫されるので、末梢方向への血流が遮断さ
れる。
【0069】本発明に係る体外式血液循環装置としての
抗癌剤灌流装置A37の構成を図6に示す。
【0070】図6に示すように、抗癌剤灌流装置A37
は、送液チューブ27と、脱液チューブ28と、送液ポ
ンプ29と、脱液ポンプ30と、定流量弁31と、流速
センサ32と、制御装置33と、リザーバ39と、抗癌
剤送液器42と、血液回路87と、設定表示パネル77
を備える。
【0071】送液チューブとしての送液チューブ27
と、脱液チューブとしての脱液チューブ28は、シリコ
ーンゴム等の透明性を有する可撓性合成樹脂製管で構成
される。
【0072】送液チューブ27の先端側は、シース3−
1のポートA54−1に接続される。また、脱液チュー
ブ28の先端側は、シース3−2のポートA54−2に
接続される。
【0073】送液ポンプとしての送液ポンプ29と、脱
液ポンプとしての脱液ポンプ30は、一定の圧力で流体
を脱液し送液できるものであり、図9に示すような遠心
ポンプ35で構成される。
【0074】図9に示すように、遠心ポンプ35は、ケ
ース81内に収められた遠心羽根78を、図示しないモ
ータを用いて軸82を中心に回転させることにより、吸
入口79から流体を吸入し、吐出口80から吐出する。
【0075】なお、送液ポンプ29および脱液ポンプ3
0は、一定の圧力で流体を脱液し送液できるものであれ
ばよく、タービンポンプ、スクリューポンプ等で構成さ
れてもよい。また、拍動を与えるローラポンプから構成
されてもよい。
【0076】図6に示すように、送液ポンプ29および
脱液ポンプ30は、制御装置33により駆動制御され、
脱液ポンプ30の吸引動作により、脱液チューブ28か
ら血液等が脱液され、送液ポンプ29の吐出動作によ
り、送液チューブ27から体内に該血液等を送液するこ
とができる。
【0077】制御装置33は、術者の設定により、送液
ポンプ29、脱液ポンプ30、定流量弁31、抗癌剤送
液器42の駆動制御を行う。また、外部に設定表示パネ
ル77を備え、内部にCPU、ROM等を備える。さら
に、図示していないが、外部に動作状体表示灯、警告表
示灯、緊急停止スイッチ、チューブ外れ警告灯、気泡検
知灯等を備えている。
【0078】送液量調整手段としての定流量弁31−1
の構成を図10に示す。図10は、定流量弁31−1の
流路方向から見た断面図である。定流量弁31−1は、
送液チューブ27の外周囲にクランプされる。
【0079】図10に示すように、制御装置33からの
電流制御に応じて、コイル83の磁力は変化し、コイル
83の磁力により、プランジャ84が、送液チューブ2
7を押圧し、送液チューブ27の断面積を変化させるこ
とで、送液量は調整される。
【0080】コイル83に電流を流さないときは、軟磁
性体からなるステーターヨーク85により、プランジャ
84は中立位置に保持され、送液チューブ27は開口し
た状態となる。
【0081】なお、定流量弁31−1は、回転式の弁構
造を電磁ソレノイドにより駆動させるロータリーソレノ
イドを用いた電磁弁から構成されてもよい。
【0082】脱液量調整手段としての定流量弁31−2
は、脱液チューブ28の外周囲にクランプされ、脱液チ
ューブ28からの脱液量を調整するものである。
【0083】定流量弁31−2の構成も、図10に示す
定流量弁31−1と同様であり、詳細な説明を省略す
る。
【0084】図6に示すように、リザーバ39は、脱液
された血液等を貯蓄するものである。リザーバ39に貯
蓄された血液等は、送液ポンプ29により吸引され、送
液チューブ27側に吐出される。
【0085】抗癌剤送液器42は、血液回路87内に抗
癌剤を送液するものであり、シリンジポンプから構成さ
れ、制御装置33により駆動制御される。
【0086】シリンジポンプは、ウォームギア構造もし
くはボールネジ構造を有し、シリンジ本体を不動状態に
保持しつつ、スライダを用いて該シリンジの押し子を一
定に押し込むことにより、該シリンジに封入された薬液
を一定量で吐出できるものである。
【0087】血液回路87内に送液された抗癌剤は、送
液ポンプ29の吸引・吐出動作により、体内に送液され
る。
【0088】また、抗癌剤送液器42と同様な送液器
に、輸液、生理食塩水、抗凝固剤等の必要薬剤をそれぞ
れ封入し、該送液器を血液回路87に併設することで、
血液回路87内に輸液、生理食塩水、抗凝固剤等の所定
量の必要薬剤を含ませることができる。これにより、体
内に送液する必要薬剤、抗癌剤、血液等の配分を自由に
設定し、制御することができる。
【0089】流速センサ32は、抗癌剤や血液等に直接
触れることなく、送液および脱液量を測定できるドップ
ラ式超音波流速計から構成される。なお、超音波を用い
た流速計測には、ドップラ法以外に、時間差法や、シン
グ・アラウンド法があり、これらを用いて構成してもよ
い。
【0090】流速センサ32は、図示していないが、内
部に超音波を発する送信側圧電素子と、ドップラ信号を
受信する受信側圧電素子を備え、該送信側圧電素子か
ら、送液チューブ27内もしくは脱液チューブ28内に
流れる血液等に、超音波を発し、血液等の流速に応じて
得られるドップラ信号を該受信側圧電素子で受信するも
のである。
【0091】受信したドップラ信号は、図示しない増幅
器で増幅された後に、ローパスフィルタで高周波成分を
除去され、流速に応じた測定値として、制御装置33に
送信される。
【0092】なお、流速センサ32−1および流速セン
サ32−2は、送液チューブ27外周および脱液チュー
ブ28外周にそれぞれ配設されているが、流速センサ3
2−1の配設位置を、送液チューブ27外周の代わり
に、送液ポンプ29内の図示しない流路にし、流速セン
サ32−2の配設位置を、脱液チューブ28外周の代わ
りに、脱液ポンプ30内の図示しない流路にしてもよ
い。
【0093】図11に示すように、設定表示パネル77
は、抗癌剤灌流療法を実施する際の各設定を行い、動作
状況を確認する画面であり、抗癌剤灌流設定表示87
と、動作表示95と、運転スイッチ101と、抗癌剤投
与キー102を備える。
【0094】抗癌剤灌流設定表示87は、抗癌剤を含ん
だ血液等の「送液速度設定」を表示する送液速度設定表
示88と、血液等の「脱液速度設定」を表示する脱液速
度設定表示89と、「灌流時間設定」を表示する灌流時
間設定表示90と、手技中の任意な時間に体内に送液す
る「抗癌剤送液量設定」を表示する抗癌剤送液量設定表
示91を備える。
【0095】ファンクションキー92を押すことによ
り、送液速度設定表示88、脱液速度設定表示89、灌
流時間設定表示90、抗癌剤送液量設定表示91の順
に、設定値を入力可能に切り換えることができる。
【0096】また、該設定値は、アップキー93、ダウ
ンキー94により表示値を連続的に変更することにより
設定することができる。
【0097】送液速度設定表示88、脱液速度設定表示
89、灌流時間設定表示90の設定値に基づいた信号が
制御装置33に送信され、制御装置33は、所定時間に
て所定量の血液等を灌流するように、送液ポンプ29、
脱液ポンプ30、定流量弁31−1、定流量弁31−2
を所定動作に駆動制御することができる。
【0098】また、手技中の任意な時間に、抗癌剤投与
キー102を操作することにより、抗癌剤送液量設定表
示91の「抗癌剤送液量設定」に基づいた信号が制御装
置33に送信され、制御装置33は、抗癌剤注入器42
を所定動作に駆動制御することができる。
【0099】なお、始動時には、運転スイッチ101を
押すことにより、抗癌剤送液量設定表示91の「抗癌剤
灌流時間設定」に基づいた信号が制御装置33に送信さ
れ、制御装置33は、抗癌剤注入器42を所定動作に駆
動制御する。
【0100】動作表示95は、運転中の各動作状況を表
示するものであり、運転・停止状態表示を行う運転・停
止表示96と、抗癌剤を送液した総量を表示する抗癌剤
投与総量表示97と、血液等を送液した総量を表示する
送液総量表示98と、血液等を脱液した総量を表示する
脱液総量表示99と、残灌流時間を表示する残灌流時間
表示100を備える。
【0101】抗癌剤投与総量表示97の表示値は、抗癌
剤送液量設定表示91による「送液速度設定」と、抗癌
剤投与キー102を操作した回数から求められるもので
あり、抗癌剤を投与した総量を表示するものである。
【0102】送液総量表示98の表示値は、流速センサ
32−1による測定値より算出され、脱液総量表示99
の表示値は、流速センサ32−2による測定値より算出
される。
【0103】次に、抗癌剤灌流装置A37の動作を説明
する。
【0104】術者は、設定表示パネル77を用いて、
「送液速度設定」、「脱液速度設定」、「灌流時間設
定」、「抗癌剤送液量設定」を行う。
【0105】ここでは、動作状況の例として、送液速度
設定表示87に表示される「送液速度設定」を「360
/min」とし、脱速度設定表示88に表示される「脱
液速度設定」を「380ml/min」とし、灌流時間
設定表示90に表示される「灌流時間設定」を「30m
in」とし、抗癌剤送液量設定表示91に表示される
「抗癌剤送液量設定」を「200ml」とした。なお、
これらの設定は、装置稼動中に、患者の容体等に合わせ
て変更することが可能である。
【0106】抗癌剤灌流設定をした後、運転スイッチ1
01を押すことにより、抗癌剤灌流装置A37を稼動さ
せる。すなわち、制御装置33は、抗癌剤灌流設定表示
87による抗癌剤灌流設定に基づき、送液ポンプ29、
脱液ポンプ30、定流量弁31、抗癌剤送液器42の駆
動制御を行い始動する。また、このとき、運転・停止表
示96は、「停止」から「運転」に切り換わる。
【0107】図6に示すように、はじめに、抗癌剤送液
器42から血液回路87内に抗癌剤が200ml送液さ
れ、該抗癌剤は、送液ポンプ29の吸引・吐出動作によ
り、送液チューブ27側に送液される。
【0108】送液チューブ27内に送られてきた該抗癌
剤は、送液ポンプ29の吐出動作と、定流量弁32−1
の流速制御により、360m/minの流速に調整さ
れ、シース3−1を介して体内へ送液される。
【0109】流速センサ32−1は、送液チューブ27
内を送液される抗癌剤の流速を測定し、流速に応じた信
号を制御装置33に送信する。該流速に応じた信号が、
「送液速度設定」の設定値に対して、予め定められた範
囲以上の誤差を生じている場合は、制御装置33による
送液ポンプ29および定流量弁32−1のフィードバッ
ク制御が行われ、「送液速度設定」の設定速度に保たれ
る。
【0110】送液ポンプ29が駆動することにより、送
液チューブ27から送液された抗癌剤が、体内を灌流
し、脱液ポンプ30が駆動することにより、該抗癌剤を
含んだ血液等が脱液チューブ28内に脱液される。
【0111】流速センサ32−2は、脱液チューブ28
内に脱液される該血液等の流速を測定し、流速に応じた
信号を制御装置33に送信する。
【0112】制御装置33は、「脱液速度設定」の速度
設定を保つように、該流速に応じた信号に基づき、脱液
ポンプ30および定流量弁31−2のフィードバック制
御を行う。
【0113】脱液され脱液チューブ28内に送られてき
た該血液等は、脱液ポンプ30の吸引・吐出動作によ
り、リザーバ39に貯蓄される。
【0114】リザーバ39に貯蓄された該血液等は、送
液ポンプ29の吸引・吐出動作により送液チューブ27
側に送液され、送液チューブ27内に送られてきた該血
液等は、定流量弁32−1で、360m/minの流速
に調整され、シース3−1を介して体内へ送液される。
【0115】また、手技中の任意な時間に、抗癌剤投与
キー102を操作することにより、抗癌剤送液量設定表
示91の設定値に基づき、抗癌剤送液器42は、200
mlの抗癌剤を血液回路87内に送液する。
【0116】血液回路87内に送液された抗癌剤は、送
液ポンプ29の吸引・吐出動作によりリザーバ39から
送液されてくる血液等と混合される。このようにして、
抗癌剤を混合した血液等は、再び、送液ポンプ29の吐
出動作と、定流量弁32−1の流速制御により、360
m/minの流速に調整され、シース3−1を介して体
内へ送液される。
【0117】なお、リザーバ39に貯蓄される血液を遠
心分離する検査や、尿検査など、周知の方法で測定され
る血液中の抗癌剤含有量に基づき、術者は、手技中に抗
癌剤の送液量を任意に変更することができ、また、送液
回数を決定することができる。
【0118】以上の抗癌剤灌流を所定時間行うと、制御
装置33内の図示しないカウンタが作動し、制御装置3
3は、送液ポンプ29、脱液ポンプ30、定流量弁3
1、抗癌剤送液器42の動作を停止させる。また、この
とき、運転・停止表示96は、「運転」から「停止」に
切り換わる。
【0119】また、図7に示す抗癌剤灌流装置B38の
ように、血液浄化装置40と、三方向切換式電磁弁74
を備えることで、脱液した血液等を血液浄化し、再び体
内へ送液する体内灌流を行うこともできる。
【0120】なお、抗癌剤灌流装置B38は、主要構成
を抗癌剤灌流装置A37と同様にするものであり、抗癌
剤灌流装置A37に新たに血液浄化装置40と、三方向
切換式電磁弁74を接続するように構成したものであ
る。
【0121】血液浄化装置40は、セルロース等の透析
膜を有するダイアライザを用いて、血液と電解質溶液と
の間の浸透圧により、血液の拡散・ろ過を行う血液透析
装置から構成されてもよい。該血液透析装置により、抗
癌剤は取り除かれ、CaやHCOなどの必要成分が補
液される。
【0122】また、血液浄化装置40は、ろ過膜により
血液等をろ過し置換液を補液する血液ろ過装置から構成
されてもよく、抗癌剤の特性によっては、抗癌剤と吸着
するような親和性の強い物質を用いて、抗癌剤を吸着除
去する血液吸着装置や、血液の成分分離を行うことで血
液と抗癌剤を分離する遠心分離器等から構成されてもよ
い。
【0123】上述のように、血液浄化装置40により、
回収した血液等は、血液透析、血液濾過、血液吸着、遠
心分離等の血液浄化処理を施すことにより、抗癌剤が除
去され、再び、輸血用血液として体内に送血される。
【0124】また、手技終了後、抗癌剤を投与せずに、
体内の血液等を、血液浄化装置40を用いて血液浄化す
るように、体外灌流することで、体内に残留した抗癌剤
を浄化することもできる。
【0125】なお、設定表示パネル77により選択設定
できる血液浄化設定表示(図示しない)を設け、脱液し
た血液等が脱液ポンプ30から吐出された後、リザーバ
39に貯蓄するか、あるいは、血液浄化装置40にて血
液浄化するかの流路を選択できるように構成されると好
適である。
【0126】すなわち、該血液浄化設定表示による血液
浄化選択設定に基づき、制御装置33は、三方向切換式
電磁弁74に信号を送信し、所定の流路に切り換えるこ
とができるように構成される。これにより、血液回路や
接続チューブの交換等を行うことなく、迅速に血液浄化
を行うことが可能となる。
【0127】また、設定表示パネル77に、抗癌剤投与
間隔を設定することができる抗癌剤投与間隔設定表示
(図示しない)を設け、所定の時間間隔で抗癌剤を自動
的に送液できるように構成されると好適である。
【0128】すなわち、該抗癌剤投与間隔設定表示にて
設定した所定の時間間隔ごとに、制御装置33が、抗癌
剤送液器42に抗癌剤を送液するように駆動制御するよ
うに構成される。これにより、体内に所定量の抗癌剤を
等間隔で送液でき、抗癌剤投与量管理を確実に行うこと
が可能となる。
【0129】また、設定表示パネル77に、脱液する抗
癌剤濃度を設定することができる抗癌剤濃度設定表示
(図示しない)を設け、所定の抗癌剤濃度になるように
脱液速度を自動的に調整されると好適である。
【0130】すなわち、流速センサ32−2に、光セン
サ、化学センサ等により構成される抗癌剤濃度センサを
用いて、脱液した血液等に含まれる抗癌剤の濃度を測定
し、所定の抗癌剤脱液量になるように、定流量弁31−
2および脱液ポンプ30を駆動制御することで、脱液速
度を自動的に調整するように構成される。これにより、
体内に残留する抗癌剤を確実に回収することが可能とな
る。
【0131】また、送液ポンプ29および脱液ポンプ3
0は、図示しないハンドル式クランプを備え、手動式で
ポンプ動作をできるように構成されていると好適であ
る。これにより、停電時、電源シャットアウト時にも安
全に手技を続けることができる。
【0132】次に、図8に示すブロック図により、本発
明の抗癌剤灌流療法の手技手順について述べる。なお、
以下の手順では、骨盤59内に位置する部位に進行癌を
発症していることが検査段階で明らかであり、当該検査
より、外科的手術を行うのではなく、インターベンショ
ンによる施行術のみを行うことを決定したときの手順を
示す。また、実施形態を図1に示す。
【0133】患者60に公知の方法で全身麻酔を行う
(ステップS1)。
【0134】図1に示すように、両側大腿部周上にタニ
ケット45を装着する(ステップS2)。なお、後述す
るステップS6における大動静脈予備閉塞を行うまで
は、タニケット45を解除した状態にしておき、下肢の
血流が遮断されないようにしておく。
【0135】図1に示すように、周知の方法で、カテー
テル挿通シース67の大動静脈への留置を行う(ステッ
プS3)。すなわち、右大腿動脈46に、9Fr.のカ
テーテル挿通シース67−1の先端を経皮的に挿入し右
大腿動脈46内に留置する。また、右大腿静脈47に、
9Fr.のカテーテル挿通シース67−2の先端を経皮
的に挿入し右大腿静脈47内に留置する。
【0136】図1に示すように、周知の方法で、シース
3の大動静脈への留置を行う(ステップS4)。すなわ
ち、左大腿動脈52に、6Fr.のシース3−1の先端
を経皮的に挿入し左大腿動脈52内に留置する。また、
左大腿静脈3には、5Fr.のシース3−2の先端を経
皮的に挿入し左大腿静脈53内に留置する。
【0137】図1に示すように、周知の方法によるX線
透視下で、バルーンカテーテル48−1を留置する(ス
テップS5)。すなわち、バルーンカテーテル48−1
を挿通路63−1に通して右大腿動脈46に挿入し、バ
ルーン49−1を大腿動脈分岐部直上50に留置する。
また、バルーンカテーテル48−2を挿通路63−2に
通して右大腿静脈47に挿入し、バルーン49−2を下
大静脈内総腸骨合流部直上51に留置する。
【0138】なお、本実施例において用いるバルーンカ
テーテル48は、図4に示すバルーンカテーテル10を
用いることとする。また、バルーンカテーテル48−1
は、5Fr.(径30mm)のサイズを用い、バルーン
カテーテル48−2は、6Fr.(径40mm)を用い
る。
【0139】X線透視下にてバルーンカテーテル48を
走査するとき、シース3の三方活栓56に、造影剤を封
入したシリンジを接続しておく。血管に分岐部があると
きには、該シリンジを加圧することで、血管内にX不透
過性の造影剤を送液し、適当なX線照射による血管造影
を行いながら、分岐部において、選択的にバルーン49
を走査する。
【0140】なお、バルーンカテーテル48を、バルー
ンカテーテル10の代わりに、図5に示す本発明の他の
態様であるバルーンカテーテル16を使用した場合に
は、右大腿動静脈にシース3を留置する必要がなくなる
ため、ステップS4のシース3を使用することなく、ス
テップS3の後、直ちにステップS5を行うことができ
る。
【0141】大静脈予備閉塞を行う(ステップS6)。
すなわち、ステップS2にて装着したタニケット45を
適当な圧力で加圧して拡張し、下肢の血流を遮断する。
また、バルーン49を、適当な圧力で加圧して拡張し、
大動静脈内において、タニケット45とバルーン49と
の間で、大動静脈予備閉塞を行う。
【0142】ステップS6の大静脈予備閉塞の後、側副
路血管(図示しない)の位置確認を行う(ステップS
7)。すなわち、血管内にX不透過性の造影剤を送液し
て適当なX線照射による血管造影を行い、前記大動静脈
予備閉塞区間における側副路血管の位置、有無等の確認
を行う。また、癌組織1に対する側副路血管が確保され
ており、抗癌剤が癌組織1に到達可能であることを確認
した後、直ちに、タニケット45とバルーン49を減圧
し、血流を復帰させる。
【0143】図6に示すように、抗癌剤灌流装置A37
のセットアップを行う(ステップS8)。すなわち、シ
ース3−1の後端側に備えられたポートA54−1に送
液チューブ27を接続し、シース3−2の後端側に備え
られたポートA54−2に脱液チューブ28を接続す
る。また、ヘパリン等の抗凝固剤、造影剤等の必要薬剤
を封入したシリンジ(図示しない)を、シース3−1の
三方活栓に備えられたポートB55−1に接続してお
く。
【0144】また、図11に示す表示設定パネル77に
て、送液速度設定表示87に表示される「送液速度設
定」を「360/min」とし、脱速度設定表示88に
表示される「脱液速度設定」を「380ml/min」
とし、灌流時間設定表示90に表示される「灌流時間設
定」を「30min」とし、抗癌剤送液量設定表示91
に表示される「抗癌剤送液量設定」を「200ml」と
する。
【0145】また、「送液速度設定」と「脱液速度設
定」は、患者の容体等に応じて任意に設定することがで
きるが、必ず、「送液速度設定」よりも「脱液速度設
定」の方が10ml/min以上速くなるように設定す
る。このようにすることにより、送液側と脱液側とを結
ぶ系において、送液側よりも脱液側の圧力が低くなり、
癌組織1への投薬効果を維持しつつ、抗癌剤の骨盤59
外に位置する血流路への漏出を防ぐことが可能となる。
【0146】しかし、送液速度と脱液速度との差が大き
くなれば、抗癌剤の骨盤59外への漏出量は減少する
が、輸血量も多くなるので、適当な格差を確保する必要
がある。
【0147】大動静脈閉塞を行う(ステップS9)。す
なわち、ヘパリン等の抗凝固剤を適当に送液し、タニケ
ット45を適当な圧力で加圧して拡張し、下肢の血流を
遮断する。また、バルーン49を、適当な圧力で加圧し
て拡張し、大動静脈内において、タニケット45とバル
ーン49との間で、大動静脈閉塞を行う。
【0148】設定表示パネル77に備えられた運転スイ
ッチ101を操作し、抗癌剤灌流を行う(ステップS1
0)。すなわち、抗癌剤を左大腿動脈52から大動脈5
7を介して癌組織部1へ投与する。また、癌組織部1を
通過して大静脈58へ漏出した抗癌剤、または、癌組織
部1を経由しないその他の側副路血管から大静脈58へ
漏出した抗癌剤を血液等と共にシース3−2より抗癌剤
灌流装置A37内に回収する。
【0149】また、上記の抗癌剤灌流中において、10
分ごとに抗癌剤投与キー102を操作し、抗癌剤を癌組
織部1へ投与する。なお、抗癌剤投与量、抗癌剤投与時
期、抗癌剤投与回数は、患者の容体、リザーバ39に貯
蓄される血液の遠心分離検査や尿検査などによる血液中
の抗癌剤含有量に基づき、変更することができる。
【0150】また、任意な時期に、ハプトグロブリンを
含む抗溶血剤を静脈内に投与しておくことが望ましい。
【0151】また、術中に輸血や輸液により循環動態を
保つことが望ましい。
【0152】抗癌剤灌流終了後、タニケット45および
バルーン49を減圧し、大動静脈閉塞を解除する。ま
た、止血するためにプロタミン等のヘパリン拮抗薬を適
当量投与する。
【0153】また、図6に示す脱液チューブ28および
送液チューブ27を図示しない血液透析装置に接続し、
体内に停滞した抗癌剤を浄化しておくことが望ましい。
なお、抗癌剤灌流装置B38を、図8に示す抗癌剤灌流
療法に用いた場合は、脱液チューブ28および送液チュ
ーブ27を図示しない血液透析装置に接続することな
く、三方向切換式電磁弁74の流路を血液浄化装置40
側に切り換えることで、体内に停滞した抗癌剤を浄化血
液浄化を行うことができる。
【0154】大動静脈閉塞の解除後、器具を除去する
(ステップS11)。すなわち、シース3、バルーンカ
テーテル48、イントロデューサ2、タニケット45を
除去して止血を施す。患者60を麻酔から覚醒させて手
技を終了する。
【0155】なお、発明者らは、本発明の抗癌剤灌流療
法により、送液した抗癌剤の骨盤59外に位置する血流
路への漏出を、採血による抗癌剤血中濃度および尿中へ
の抗癌剤排泄量から実験的に算出した。従来の抗癌剤灌
流療法と本発明の抗癌剤灌流療法の実験的な比較を以下
に示す。
【0156】骨盤内に位置する組織に局所的に1分あた
り注入する抗癌剤の量をα[ml/min]とし、同じ
局所から1分あたり吸引する抗癌剤の量をΒ[ml/m
in]として、両者の差を(1)に表す。 (Β−α)=λ(Β−α) (1) ここで、(1)式において、α[ml/min]と、Β
[ml/min]が、同一量であれば、λ=0[ml
/min]となる。
【0157】(1)式において、注入した抗癌剤量に対
する損失量(骨盤外に位置する血流路に漏出し、全身に
灌流した抗癌剤の量)の比をγとすると、発明者らが行
った実験によれば、λのとき、γ=60%となった。
すなわち、従来の抗癌剤灌流療法では、注入した抗癌剤
量の60%が、全身に灌流したことになる。
【0158】これに対して、本発明の抗癌剤灌流療法で
は、λ10のとき、γ=30%以下、λ20のとき、γ
=15〜20%、λ30のとき、γ=10〜15%、λ
40のとき、γ=10%以下であった。
【0159】従って、本発明の抗癌剤灌流療法におい
て、抗癌剤灌流による治療効果を得るためには、n吸引
する抗癌剤の量Βの方が、注入する抗癌剤の量αより
も、10ml/min以上多くする必要がある。これに
より、全身に灌流する抗癌剤を、注入量の30%以下に
抑えることができる。
【0160】また、好ましくは、吸引する抗癌剤の量Β
の方が、注入する抗癌剤の量αよりも、20〜30ml
/min多くすると、全身に灌流する抗癌剤を、注入量
の10〜20%に抑えることができ、高い癌治療効果を
得ることができる。
【0161】なお、吸引する抗癌剤の量Βの方が、注入
する抗癌剤の量αよりも、40ml/min以上多くす
ると、全身に灌流する抗癌剤を、注入量の10%以下に
抑えることができるが、患者の容体に応じて輸血が必要
になる。
【0162】従って、注入する抗癌剤の量αと、吸引す
る抗癌剤の量Βの関係を示す(Β−α)=xは、(2)
式を満たす必要がある。 λ10≧λ≧λ40 (10≦x≦40) (2)
【0163】(2)式を満たすことにより、抗癌剤によ
る副作用を最小として高い癌治療効果を得ることができ
る。
【0164】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、大動脈内
への抗癌剤の送液速度よりも、大静脈内からの前記抗癌
剤を含んだ血液等の脱液速度が速くなるように、大動脈
内へ投与した抗癌剤よりも、大静脈内の前記抗癌剤を含
んだ血液等を多く回収することで、癌組織への投薬効果
を維持しつつ、抗癌剤の骨盤外に位置する血流路への漏
出を防ぐことができる。
【0165】また、抗癌剤が全身に広まることを防止す
ることができ、抗癌剤による副作用を低減あるいは防止
することができる。
【0166】さらに、バルーンカテーテルは、バルーン
拡張による血流の遮断と体内への薬剤の投与・回収を一
体で行うことができるものであるので、患者の体内もし
くは血管内へ経皮的に挿入し留置する器具を少なくする
ことができる。
【0167】抗癌剤灌流装置を用いることにより、確実
に抗癌剤の投与、回収を行うことができ、投与量管理、
回収量管理を行うことができる。
【0168】抗癌剤灌流装置は、抗癌剤の送液速度より
も、血液等の回収速度を速く設定できるので、癌組織へ
の投薬効果を維持しつつ、抗癌剤の骨盤外に位置する血
流路への漏出を防ぐことが可能となる。従って、抗癌剤
が全身に広まることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る骨盤内抗癌剤灌流療
法の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る骨盤内抗癌剤灌流療
法で用いるイントロデューサの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る骨盤内抗癌剤灌流療
法で用いるシースの断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る骨盤内抗癌剤灌流療
法で用いるバルーンカテーテルの断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る骨盤内抗癌剤灌流療
法で用いるバルーンカテーテルの断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る骨盤内抗癌剤灌流装
置の構成を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る骨盤内抗癌剤灌流
装置の構成を示す説明図である。
【図8】本発明の本発明の一実施形態に係る骨盤内抗癌
剤灌流療法の手技手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る抗癌剤灌流装置で用
いる遠心ポンプの構成を示す説明図である。
【図10】定流量弁の断面図である。
【図11】設定表示パネルの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1、1−1、1−2 進行癌組織 2 イントロデューサ 3−1、3−2 シース 6 切換レバー 7 管状体 8 側孔 9 先端孔 10、16、48−1、48−2 バルーンカテーテル 11、26 基部 13、49−1 バルーン 14、68 管路 15、15−1、15−2 シリンジ 23 側孔 25 バルーン拡張孔 27 送液チューブ 28 脱液チューブ 29 送液ポンプ 30 脱液ポンプ 31 定流量弁 32 流速センサ 33 制御装置 35 遠心ポンプ 37 抗癌剤灌流装置A 38 抗癌剤灌流装置B 39 リザーバ 42 抗癌剤送液器 43、44 先端コイルマーカ 45−1、45−2 タニケット 46 右大腿動脈 47 右大腿静脈 52 左大腿動脈 53 左大腿静脈 54、54−1、54−2 ポートA 55 ポートB 56 三方活栓 57 大動脈 58 大静脈 59 骨盤 60 患者 61 管状体 12、62 コネクタ 63 挿通路 64 止血弁 65 ダイレータ 66 ガイドワイヤ 67 カテーテル挿通シース 75 右大腿部 76 左大腿部 77 設定表示パネル 87 血液回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨盤内に位置する癌組織部に抗癌剤を投
    与し回収する骨盤内抗癌剤灌流療法であって、管状体か
    らなる第一シースの先端を経皮的に挿入して大腿動脈内
    に留置する工程と、管状体からなる第二シースの先端を
    経皮的に挿入して大腿静脈内に留置する工程と、可撓性
    管状体の先端部に拡張可能な第一バルーンを有する第一
    バルーンカテーテルを大腿動脈から経皮的に大動脈内に
    挿入して、前記第一バルーンを大動脈内所定位置に留置
    する工程と、可撓性管状体の先端部に拡張可能な第二バ
    ルーンを有する第二バルーンカテーテルを大腿静脈から
    経皮的に大静脈内に挿入して、前記第二バルーンを大静
    脈内所定位置に留置する工程と、前記大動脈内所定位置
    よりも下肢側動脈部位において血流を遮断する工程と、
    前記大静脈内所定位置よりも下肢側静脈部位において血
    流を遮断する工程と、前記第一バルーンを拡張して前記
    大動脈内所定位置と前記下肢側動脈部位との間に動脈内
    閉塞領域を生成する工程と、前記第二バルーンを拡張し
    て前記大静脈内所定位置と前記下肢側静脈部位との間に
    静脈内閉塞領域を生成する工程と、前記第一シースから
    前記動脈内閉塞領域へ所定量の抗癌剤を投与する工程
    と、前記第二シースから前記静脈内閉塞領域の前記抗癌
    剤を含んで前記所定量の抗癌剤よりも多量の体液を回収
    する工程と、を備えることを特徴とする骨盤内抗癌剤灌
    流療法。
  2. 【請求項2】 前記抗癌剤を投与する工程と、前記体液
    を回収する工程と、に体外式血液循環装置を用いること
    を特徴とする請求項1に記載の骨盤内抗癌剤灌流療法。
  3. 【請求項3】 骨盤内に位置する癌組織部に抗癌剤を投
    与し回収する骨盤内抗癌剤灌流療法であって、可撓性の
    管状体の先端部に拡張可能な第一バルーンと、前記管状
    体内の後端部から先端部まで連通する第一管腔部と、を
    有する第一バルーンカテーテルを大腿動脈から経皮的に
    大動脈内に挿入して、前記第一バルーンを大動脈内所定
    位置に留置する工程と、可撓性の管状体の先端部に拡張
    可能な第二バルーンと、前記管状体内の後端部から先端
    部まで連通する第二管腔部と、を有する第二バルーンカ
    テーテルを大静脈内所定位置に留置する工程と、前記大
    動脈内所定位置よりも下肢側動脈部位において血流を遮
    断する工程と、前記大静脈内所定位置よりも下肢側静脈
    部位において血流を遮断する工程と、前記第一バルーン
    を拡張して前記大動脈内所定位置と前記下肢側動脈部位
    との間に動脈内閉塞領域を生成する工程と、前記第二バ
    ルーンを拡張して前記大静脈内所定位置と前記下肢側静
    脈部位との間に静脈内閉塞領域を生成する工程と、前記
    第一管腔部から前記動脈内閉塞領域へ所定量の抗癌剤を
    投与する工程と、前記第二管腔部から前記静脈内閉塞領
    域の前記抗癌剤を含んで前記所定量の抗癌剤よりも多量
    の体液を回収する工程と、を備えることを特徴とする骨
    盤内抗癌剤灌流療法。
  4. 【請求項4】 前記抗癌剤を投与する工程と、前記体液
    を回収する工程と、に体外式血液循環装置を用いること
    を特徴とする請求項3に記載の骨盤内抗癌剤灌流療法。
  5. 【請求項5】 前記体液を回収する工程にて回収した体
    液を、血液透析と、血液濾過と、血液吸着と、遠心分離
    と、のうち少なくとも一つを含んだ血液浄化処理をし、
    体内に送液する工程を、さらに備えることを特徴とする
    請求項1または請求項3に記載の骨盤内抗癌剤灌流療
    法。
  6. 【請求項6】 任意な時期に、ハプトグロブリンを含む
    抗溶血剤を静脈内に投与する工程を、さらに備えること
    を特徴とする請求項1または請求項3に記載の骨盤内抗
    癌剤灌流療法。
  7. 【請求項7】 骨盤内に位置する癌組織部に抗癌剤を投
    与し回収する骨盤内抗癌剤灌流装置であって、体外の抗
    癌剤を含む薬液と、血液と、体液と、のうち少なくとも
    一方を体内に送液する送液チューブと、体内の抗癌剤を
    含む薬液と、血液と、体液と、のうち少なくとも一方を
    脱液する脱液チューブと、前記送液チューブに接続され
    た送液ポンプと、前記脱液チューブに接続された脱液ポ
    ンプと、前記送液チューブと、前記送液ポンプと、のう
    ちいずれか一方に配設され、体外の抗癌剤を含む薬液
    と、血液と、体液と、のうち少なくとも一方の体内への
    送液量を調整可能な送液量調整手段と、前記脱液チュー
    ブと、前記脱液ポンプと、のうちいずれか一方に配設さ
    れ、体内の抗癌剤を含む薬液と、体液と、血液と、のう
    ち少なくとも一方の体外への脱液量を、前記送液量より
    も多くなるように調整可能な脱液量調整手段と、を備え
    ることを特徴とする骨盤内抗癌剤灌流装置。
  8. 【請求項8】 前記脱液量調整手段は、抗癌剤を含む薬
    液と、血液と、体液と、のうち少なくとも一方の体内へ
    の送液速度よりも10ml/min以上多く脱液するこ
    とを可能に構成されたことを特徴とする請求項7に記載
    の骨盤内抗癌剤灌流装置。
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