JP2003101747A - 電子透かしシステム、電子透かし埋め込み装置、電子透かし検出装置、電子透かし埋め込み方法およびプログラム - Google Patents

電子透かしシステム、電子透かし埋め込み装置、電子透かし検出装置、電子透かし埋め込み方法およびプログラム

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JP2003101747A
JP2003101747A JP2001285845A JP2001285845A JP2003101747A JP 2003101747 A JP2003101747 A JP 2003101747A JP 2001285845 A JP2001285845 A JP 2001285845A JP 2001285845 A JP2001285845 A JP 2001285845A JP 2003101747 A JP2003101747 A JP 2003101747A
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JP2001285845A
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Kozo Kawada
耕三 河田
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Glory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透かしデータによるメディアデータの性能劣
化を招くことなく、効率良く圧縮や幾何学的変換に強い
電子透かしをおこなうこと。 【解決手段】 埋め込み器100が、画像データにガボ
ールフィルタを適用して得られるガボールフィルタ出力
に基づいて、透かしデータを埋め込む埋め込み点を設定
し、設定した埋め込み点のガボール分解に基づいて、透
かしデータを振幅変調または位相変調により前記原メデ
ィアデータに埋め込み、検出器110は、入力されたメ
ディアデータにガボールフィルタを適用して得られるガ
ボールフィルタ出力と原メディアデータにガボールフィ
ルタを適用して得られるガボールフィルタ出力に基づい
て、透かしデータを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、音楽データ、画
像データおよび映像データなどの原メディアデータに対
して透かしデータを電子的に埋め込む電子透かし埋め込
み装置と、入力されたメディアデータに埋め込まれた透
かしデータを検出する電子透かし検出装置とを有する電
子透かしシステム、電子透かし埋め込み装置、電子透か
し検出装置、電子透かし埋め込み方法およびプログラム
に関し、特に、透かしデータによるメディアデータの性
能劣化を招くことなく、効率良く圧縮や幾何学的変換に
強い電子透かしをおこなうことができる電子透かしシス
テム、電子透かし埋め込み装置、電子透かし検出装置、
電子透かし埋め込み方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】ネットワーク社会の進展に伴い、文書、
書籍、音楽、画像、映像などの各種データがデジタル化
されてきたため、最近では、印刷物に頼らなくても時間
的・空間的なロスなく情報を伝達できるようになってき
ている。その反面で、このロスのない情報伝達は、安易
な不正コピーを増長させるという側面も有するため、ロ
スのない情報伝達をおこなううえで著作権問題が大きな
問題となる。
【0003】具体的には、プログラムの場合には、暗号
鍵などを使ってある程度使用者を制限することができる
わけであるが、音楽データ、画像データおよび映像デー
タなどのメディアデータの場合には、プログラムのよう
に使用者を制限することが難しい。なぜなら、音楽デー
タや映像データを再生するアプリケーションプログラム
や画像データを閲覧するアプリケーションプログラム
は、それぞれメディアデータと独立したものだからであ
る。
【0004】このため、従来から、かかるメディアデー
タに透かしデータを埋め込むことにより、メディアデー
タの不正コピーを抑制する電子透かし技術が注目を浴び
ている。この電子透かし技術では、正規に音楽データA
を購入したユーザXの透かしデータをユーザが知覚でき
ない程度(ユーザが音楽を聞く上で両者の差異を知覚で
きない程度)に音楽データAに埋め込んでデータAxを
作成し、ユーザXがデータAxのコピーデータを他人に
配布した場合には、このコピーデータを検出プログラム
によって処理することにより、データAの不正な流出元
である「ユーザX」を特定する。このため、この電子透
かし技術を用いると、ユーザによる不正コピーを抑制す
る効果を期待できる。また、音楽データAの流出経路上
に位置する各ユーザの透かしデータを音楽データAに順
次埋め込むことにより、さらに不正コピーを抑制するこ
ともできる。
【0005】ところで、かかるメディアデータは、通常
はデータ圧縮をおこなってデータ量を削減した後に配布
されることが多い。かかるデータ圧縮技術としては、ビ
ットデータとして完全に復元することが可能なlossless
圧縮と、ビットデータとして完全には復元できないloss
y圧縮とが知られているが、電子透かし技術を採用する
場合にも高圧縮可能なlossy圧縮が用いられることが多
い。また、悪意のあるユーザが、平行移動、回転、拡大
縮小などの幾何学的変換などをおこなって、透かしデー
タの無効化を図る場合もある。
【0006】このため、lossy圧縮がなされた場合であ
っても透かしデータが除去または改ざんされないように
する措置や、幾何学的変換などに耐えうる措置を講じる
電子透かし技術が知られている。
【0007】たとえば、「Ingenar J. Cox, Joe Kilian
t, Tom Leighton, and Talal Shamo,”Secure Spread S
pectrum Watermarking for Images,Audio and Video,”
Proc.ICIP96, vol.III, pp243-246, 1996」(従来技術
1)には、スペクトル拡散の考え方を応用し、画像圧縮
変換への耐性を持たせつつ情報を多周波数変換値へ符号
化する技術が開示されている。
【0008】ところが、この従来技術1によれば、デー
タ検出のロバスト性は向上するものの、かかる透かしデ
ータがノイズ成分として知覚されるため、このノイズ成
分により画質が劣化してしまうという問題がある。
【0009】このため、ノイズに対する知覚が輝度変化
の急なエッジ付近で相対的に鈍くなるといういわゆるマ
スキング効果を利用する従来技術が知られている。たと
えば、特開平10−276321号公報(従来技術2)
には、様々な周波数特徴がどの位置で発生しているかを
検出することができるウエーブレット変換における多重
解像度表現を用いて透かしデータの埋め込み位置を制御
する技術が開示されている。また、「高橋学,斉藤稔,
野口栄治,“ひずみに対するマスキング効果を利用した
電子透かし画像の高品位化”,信学技報 IE99-152,pp2
3-29,2000」(従来技術3)には、透かし重畳操作と画
質劣化抑制操作(マスキング処理)を分離させ、透かし
重畳によって生じる知覚的な画質劣化をマスキング処理
によって抑圧し、高画質化をおこなう技術が開示されて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術2における多重解像度表現は、画像とウエーブレット
関数との相関を意味するので、画像の周波数成分に対す
る位相がウエーブレット変換の位相と一致しないところ
では、たとえエッジ位置であっても相関値が低くなり、
透かしデータの埋め込みには適さないという問題があ
る。また、低域フィルタや高域強調フィルタなどのフィ
ルタ攻撃に対して弱く、周波数分割に制限があるため
に、フィルタ攻撃自体も受けやすいという問題もある。
【0011】一方、従来技術3では、輪郭の輝度変化と
同方向の輝度変化には効果があるが、異方性の輝度変化
には効果がないというマスキング効果の異方性という視
覚特性を用いて画像劣化の知覚を緩和することとしてい
るが、その代償として透かし検出の性能劣化を招くとい
う問題がある。
【0012】具体的には、この従来技術3では、周波数
変換により作成した透かし画像と原画像にガボール(Ga
bor)フィルタを作用させて各々の方向成分に分解し、
方向が一致している透かし成分を重みづけすることによ
り、透かしによる画像劣化を知覚され難くなるよう構成
している。しかし、濃度変化のない平坦部の透かしデー
タは、この重みづけによって消去されることになるの
で、消去された透かしデータが検出誤差となり、結果的
に透かし検出の性能低下を招くことになる。
【0013】この発明は、上述した従来技術による問題
点を解消するためになされたものであり、透かしデータ
によるメディアデータの性能劣化を招くことなく、効率
良く圧縮や幾何学的変換に強い電子透かしをおこなうこ
とができる電子透かしシステム、電子透かし埋め込み装
置、電子透かし検出装置、電子透かし埋め込み方法およ
びプログラムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決して
目的を達成するため、請求項1の発明に係る電子透かし
システムは、音楽データ、画像データおよび映像データ
などの原メディアデータに対して透かしデータを電子的
に埋め込む電子透かし埋め込み装置と、入力されたメデ
ィアデータに埋め込まれた透かしデータを検出する電子
透かし検出装置とを有する電子透かしシステムであっ
て、前記電子透かし埋め込み装置は、前記原メディアデ
ータにガボールフィルタを適用して得られるガボールフ
ィルタ出力に基づいて、前記透かしデータを埋め込む埋
め込み点を設定する埋め込み点設定手段と、前記埋め込
み点設定手段により設定された埋め込み点のガボール分
解に基づいて、前記透かしデータを振幅変調または位相
変調により前記原メディアデータに埋め込む埋め込み手
段とを備え、電子透かし検出装置は、入力されたメディ
アデータにガボールフィルタを適用して得られるガボー
ルフィルタ出力と原メディアデータにガボールフィルタ
を適用して得られるガボールフィルタ出力に基づいて、
前記透かしデータを検出する検出手段を備えたことを特
徴とする。
【0015】また、請求項2の発明に係る電子透かしシ
ステムは、請求項1の発明において、前記電子透かし埋
め込み装置は、所定の鍵に基づいて実数の乱数を発生す
る乱数発生手段と、前記乱数発生手段により発生した乱
数と前記透かしデータとを乗算して前記埋め込み手段に
より埋め込む埋め込みデータを生成する埋め込みデータ
生成手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0016】また、請求項3の発明に係る電子透かし埋
め込み装置は、音楽データ、画像データおよび映像デー
タなどの原メディアデータに対して透かしデータを電子
的に埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、前記原
メディアデータにガボールフィルタを適用して得られる
ガボールフィルタ出力に基づいて、前記透かしデータを
埋め込む埋め込み点を設定する埋め込み点設定手段と、
前記埋め込み点設定手段により設定された埋め込み点の
ガボール分解に基づいて、前記透かしデータを振幅変調
または位相変調により前記原メディアデータに埋め込む
埋め込み手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】また、請求項4の発明に係る電子透かし埋
め込み装置は、請求項3の発明において、所定の鍵に基
づいて実数の乱数を発生する乱数発生手段と、前記乱数
発生手段により発生した乱数と前記透かしデータとを乗
算して前記埋め込み手段により埋め込む埋め込みデータ
を生成する埋め込みデータ生成手段とをさらに備えたこ
とを特徴とする。
【0018】また、請求項5の発明に係る電子透かし検
出装置は、音楽データ、画像データおよび映像データな
どの原メディアデータに対して透かしデータを電子的に
埋め込んだメディアデータを入力し、該入力したメディ
アデータに埋め込まれた透かしデータを検出する電子透
かし検出装置であって、入力されたメディアデータにガ
ボールフィルタを適用して得られるガボールフィルタ出
力と原メディアデータにガボールフィルタを適用して得
られるガボールフィルタ出力に基づいて、前記透かしデ
ータを検出する検出手段を備えたことを特徴とする。
【0019】また、請求項6の発明に係る電子透かし埋
め込み方法は、音楽データ、画像データおよび映像デー
タなどの原メディアデータに対して透かしデータを電子
的に埋め込む電子透かし埋め込み方法であって、前記原
メディアデータにガボールフィルタを適用して得られる
ガボールフィルタ出力に基づいて、前記透かしデータを
埋め込む埋め込み点を設定する埋め込み点設定工程と、
前記埋め込み点設定工程により設定された埋め込み点の
ガボール分解に基づいて、前記透かしデータを振幅変調
または位相変調により前記原メディアデータに埋め込む
埋め込み工程とを含んだことを特徴とする。
【0020】また、請求項7の発明に係るプログラム
は、音楽データ、画像データおよび映像データなどの原
メディアデータに対して透かしデータを電子的に埋め込
む電子透かし埋め込み装置のプログラムであって、前記
原メディアデータにガボールフィルタを適用して得られ
るガボールフィルタ出力に基づいて、前記透かしデータ
を埋め込む埋め込み点を設定する埋め込み点設定工程
と、前記埋め込み点設定工程により設定された埋め込み
点のガボール分解に基づいて、前記透かしデータを振幅
変調または位相変調により前記原メディアデータに埋め
込む埋め込み工程とをコンピュータに実行させることを
特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係る電子透かしシステム、電子透かし埋め込み装
置、電子透かし検出装置、電子透かし埋め込み方法およ
びプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。な
お、本実施の形態では、画像データに対して透かしデー
タを埋め込む場合について示すこととする。
【0022】まず、本実施の形態に係る電子透かしシス
テムのシステム構成について説明する。図1は、本実施
の形態に係る電子透かしシステムのシステム構成を示す
ブロック図である。同図に示すように、この電子透かし
システムは、原画像データfに透かしデータsを埋め込
んで画像データf’を生成する埋め込み器100と、こ
の画像データf’から透かしデータsを検出する検出器
110とからなる。なお、この埋め込み器100は、特
許請求の範囲の電子透かし埋め込み装置に対応し、検出
器110は、特許請求の範囲の電子透かし検出装置に対
応する。
【0023】ここで、この電子透かしシステムでは、マ
スキング効果の異方性という視覚特性を十分に利用でき
るようにするために、位置−周波数領域で不確定性を最
小にするものとして知られているガボール(Gabor)関
数を利用する。具体的には、事前に選んでおいたガボー
ルフィルタ列φを原画像データfに作用させ、その出力
gのガボール分解列から埋め込み点を作成し、この埋め
込み点およびその近傍に透かしデータを変調して画像に
挿入する。
【0024】本実施の形態では、この変調方式として、
振幅変調方式または位相変調方式を採用している。この
振幅変調方式を用いてデータsの埋め込みをおこなう場
合には、埋め込み点のガボール分解をsに比例した量だ
け掛け算したものを原画像データfに加え、透かしデー
タを検出する場合には、埋め込み点のガボール分解の振
幅が原画像データの何倍であるかを計算して求める。こ
の振幅変調によれば、埋め込み点だけではなくその近傍
にも埋め込まれることになるので、微少な幾何学的変換
があっても透かしデータを検出できることとなり、幾何
学的攻撃に対してロバストになるという効果が得られ
る。
【0025】これに対して、位相変調方式を用いてデー
タsの埋め込みをおこなう場合には、埋め込み点のガボ
ール分解をsに比例した量だけ位置シフトしたものと置
き換え、透かしデータを検出する場合には、埋め込み点
のガボール分解の位相と原画像データの位相とのシフト
量を計算して求める。この位相変調によれば、ガボール
出力の位相が画像劣化を知覚させない低域フィルタまた
は高域強調フィルタに影響を受けにくいという特性を利
用するので、フィルタ攻撃に対してロバストになるとい
う効果が得られる。
【0026】このように、本実施の形態に係る電子透か
しシステムでは、ガボール関数を介してマスキング効果
の異方性という視覚特性を利用することにより、透かし
データによる画質の劣化を低減するとともに、振幅変調
または位相変調により透かしデータを埋め込むことによ
り、幾何学的攻撃またはフィルタ攻撃にロバストとなる
ようにしている。
【0027】次に、図1に示した埋め込み器100およ
び検出器110の具体的な構成について説明する。同図
に示すように、埋め込み器100は、フィルタリング処
理部101と、埋め込み点設定部102と、乱数発生部
103と、変調処理部104と、乗算器105と、加算
器106とを有する。なお、この埋め込み点設定部10
2、変調処理部104、乱数発生部103および乗算器
105は、それぞれ特許請求の範囲の埋め込み点設定手
段、埋め込み手段、乱数発生手段および埋め込みデータ
生成手段に対応する。
【0028】フィルタリング処理部101は、原画像デ
ータに対してガボールフィルタ列を適用してガボール出
力を取得する処理部である。ここで、このガボールフィ
ルタとは、人間の初期知覚のモデルとして知られる図2
(a)に示したガボール関数φで構成した方向依存型フ
ィルタである。このガボール関数φは、図2(b)に示
すような実数部および虚数部からなるものである。
【0029】埋め込み点設定部102は、フィルタリン
グ処理部101から出力されるガボール出力に基づい
て、透かしデータsの埋め込み点を設定する処理部であ
る。具体的には、ガボールフィルタ出力の振幅の大きな
ものからN個の埋め込み点(フィルタ番号と座標の組)
を検出し、この埋め込み点を変調処理部104に出力す
る。
【0030】乱数発生部103は、埋め込み器100と
検出器110で共通に持つ鍵に基づいて乱数列(実数)
を発生する処理部である。この乱数列は、乗算器105
で透かしデータ(1または−1)に乗算され、その乗算
結果(変調度系列)が変調処理部104に出力される。
【0031】変調処理部104は、フィルタリング処理
部101から受け取ったガボールフィルタ出力、埋め込
み点設定部102から受け取った埋め込み点および変調
度系列に基づいて、振幅変調または位相変調により透か
し画像データを作成する処理部である。なお、この変調
処理部104の詳細な処理内容については後述する。
【0032】そして、この変調処理部104により作成
された透かし画像データは、加算器106により原画像
データと加算され、その加算結果が埋め込み器100か
ら出力される。また、埋め込み器100から出力された
画像データは、図示しない圧縮器などによりMPEGな
どの圧縮処理がされるため、検出器110に入力される
までに圧縮などに起因するノイズが付加された状態とな
る。なお、ここでは説明の便宜上、データ伝送に伴うノ
イズは考慮しないものとする。
【0033】次に、図1に示した検出器110の構成に
ついて説明する。同図に示すように、この検出器110
は、フィルタリング処理部111と、変調度検出部11
2と、乱数発生部113と、相関判定部114とを有す
る。なお、この検出器110は、埋め込み器100が使
用した鍵と同じ鍵を保有するとともに、埋め込み器10
0が設定したN個の埋め込み点の情報(フィルタ番号と
埋め込み位置の座標におけるガボール出力)を前もって
受け取るものとする。このフィルタリング処理部11
1、変調度検出部112および相関判定部114は、特
許請求の範囲の検出手段に対応する。
【0034】フィルタリング処理部111は、検出対象
となる画像データに上記ガボールフィルタ列を適用して
ガボールフィルタ出力を得る処理部である。変調度検出
部112は、N個の埋め込み点における2つの画像の値
を用いて振幅変調または位相変調の変調度系列を復元す
る処理部である。なお、この変調度検出部112の詳細
な処理内容については後述する。
【0035】乱数発生部113は、すでに説明した埋め
込み器100の乱数発生部103と同様に、鍵に基づい
て乱数列(実数)を発生する処理部である。相関判定部
114は、2つの変調度系列の相関を算出して透かしデ
ータを推定する処理部である。
【0036】次に、図1に示した埋め込み器100の処
理手順について説明する。図3は、図1に示した埋め込
み器100の処理手順を示すフローチャートである。同
図に示すように、この埋め込み器100は、原画像デー
タを入力すると(ステップS301)、この原画像デー
タをフィルタリング処理部101に入力して原画像デー
タのガボールフィルタ出力を取得する(ステップS30
2)。
【0037】その後、このガボールフィルタ出力が埋め
込み点設定部102に入力され、この埋め込み点設定部
102では、後述する手順によりガボールフィルタ出力
の振幅の大きなものからN個の埋め込み点(フィルタ番
号と座標の組)を検出する(ステップS303)。
【0038】また、この埋め込み器100では、乱数発
生部103において鍵に基づいて実数の乱数列を発生し
(ステップS304)、発生した乱数列に透かしデータ
(1または−1)を掛けて変調度系列を作成する(ステ
ップS305)。
【0039】そして、変調処理部104は、この変調度
系列、ガボールフィルタ出力および埋め込み点を受け取
ったならば、後述する振幅変調または位相変調により透
かし画像データを作成し(ステップS306)、作成し
た透かし画像データを原画像データを加える(ステップ
S307)。
【0040】次に、図3のステップS303に示したN
個の埋め込み点の検出手順について具体的に説明する。
図4は、図3のステップS303に示したN個の埋め込
み点の検出手順を示すフローチャートである。
【0041】同図に示すように、埋め込み点を検出する
際には、まず全てのガボールフィルタ出力の振幅データ
をワーク領域にコピーするとともに、変数kを1に初期
化する(ステップS401)。そして、このワーク領域
から最大点(フィルタ番号iと座標xの組)を検出し
(ステップS402)、ガボールフィルタiの振幅関数
をFIRフィルタで近似し、その台εを求める(ステッ
プS403)。
【0042】そして、座標xを原点としたときにε以内
にあるワーク領域の値をゼロとし(ステップS40
4)、変数kをインクリメントした後に(ステップS4
05)、変数kをNと比較する(ステップS406)。
そして、この変数kがNよりも大きくない場合には(ス
テップS406否定)、ステップS402に移行する処
理を繰り返す。
【0043】次に、図1に示した検出器110の処理手
順について説明する。図5は、図1に示した検出器11
0の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、
埋め込み器100が使用する鍵と同じ鍵を検出器110
側で共有し、埋め込み点設定部102により設定された
埋め込み点を検出器110があらかじめ受け取っている
ものとする。
【0044】同図に示すように、この検出器110は、
透かしデータの検出対象となる画像データを入力すると
(ステップS501)、フィルタリング処理部111
が、この画像データのガボールフィルタ出力を取得する
(ステップS502)。
【0045】また、乱数発生部113は、埋め込み器1
00と共有する鍵に基づいて実数からなる乱数列を発生
し(ステップS503)、変調度検出部112は、N個
の埋め込み点における2つの画像データの値を用いて変
調度系列を復元し(ステップS504)、相関判定部1
14は、2つの相関度系列の相関を算出して透かしデー
タを推定し(ステップS505)、推定した透かしデー
タを出力する。
【0046】次に、図1に示した変調処理部104およ
び変調度検出部112による振幅変調を用いた埋め込み
および検出について具体的に説明する。図6は、図1に
示した変調処理部104および変調度検出部112によ
る振幅変調を用いた埋め込みおよび検出の概念を説明す
るための説明図である。ただし、ここでは区間[−1,
1]の一様乱数r0kと透かしデータ(1または−1)
との積を変調度rk(k=1,…,N)とし、α=0.1
とする。
【0047】同図(a)に示すように、この変調処理部
104が振幅変調を用いた埋め込みをおこなう場合に
は、画像データfにガボールフィルタを適用してガボ
ールフィルタ出力を得るとともに、ガボールフィルタ
の振幅を取得する。
【0048】そして、このガボールフィルタ出力とガ
ボールフィルタの振幅との積をとり、それにαおよび
変調度rkを積算した後、この積算値を画像データf
に加える処理をN回繰り返す。
【0049】同図(b)に示すように、変調度検出部1
12による振幅変調を用いた検出をおこなう場合には、
原画像データのガボール出力と、埋め込み画像デー
タのガボール出力とから、(g’−g)/gを求め
る。雑音がなければ、この値がα×rkに近いものにな
る。
【0050】次に、変調処理部104による振幅変調を
用いた埋め込み手順について説明する。図7は、変調処
理部104による振幅変調を用いた埋め込み手順を示す
フローチャートである。
【0051】同図に示すように、正の実数値である埋め
込み強度aを入力するとともに、透かし画像データδf
(x)=0、変数k=1とおいた後(ステップS70
1)、k番目の埋め込み点(フィルタ番号iと位置x)
と変調度rkを得る(ステップS702)。そして、フ
ィルタ番号iのガボールフィルタの振幅を位置xだけシ
フトしてφ’(x)を得る(ステップS703)。
【0052】その後、フィルタ番号iのガボールフィル
タ出力g(x)を入力し(ステップS704)、 δf(x)=δf(x)+a×rk×φ’(x)×{Re
[g(x)]+Im[g(x)]} の算定式によりδf(x)を算定する(ステップS70
5)。ただし、Re[g(x)]はg(x)の実数部を示し、Im
[g(x)]はg(x)の虚数部を示すものとする。
【0053】そして、変数kをインクリメントした後
(ステップS706)、変数kをNと比較して(ステッ
プS707)、この変数kがNを越えるまでは(ステッ
プS707否定)ステップS702に移行し、変数kが
Nを越えた時点で(ステップS707肯定)処理を終了
する。
【0054】次に、変調度検出部112による振幅変調
を用いた変調度系列の検出手順について説明する。図8
は、変調度検出部112による振幅変調を用いた変調度
系列の検出手順を示すフローチャートである。
【0055】同図に示すように、まず埋め込み強度aを
入力し、k=1とした後に(ステップS801)、k番
目の埋め込み点(フィルタ番号iと位置x)を得る(ス
テップS802)。
【0056】そして、フィルタ番号iの位置xにおける
検出対象となる画像データおよび原画像データの各ガボ
ールフィルタ出力の振幅を検出し、それぞれgA’、gA
とする(ステップS803)。その後、k番目の変調度
rk’を rk’=(gA’−gA)/(a×gA) によって推定する(ステップS804)。
【0057】そして、変数kをインクリメントした後
(ステップS805)、変数kをNと比較して(ステッ
プS806)、この変数kがNを越えるまでは(ステッ
プS806否定)ステップS802に移行し、変数kが
Nを越えた時点で(ステップS806肯定)処理を終了
する。
【0058】相関判定部114では乱数r0kと変調度
rk’の正規化相関値を求め、正規化相関値がゼロに近
い場合は透かしが無く、1(または−1)に近い場合は
透かしデータは1(または−1)であると推定する。
【0059】次に、図1に示した変調処理部104およ
び変調度検出部112による位相変調を用いた埋め込み
および検出について具体的に説明する。図9は、図1に
示した変調処理部104および変調度検出部112によ
る位相変調を用いた埋め込みおよび検出の概念を説明す
るための説明図である。ただし、ここでは区間[−1,
1]の一様乱数r0kと透かしデータ(1または−1)
との積を変調度rk(k=1,…,N)とし、α=0.3
とする。
【0060】同図(a)に示すように、この変調処理部
104が位相変調を用いた埋め込みをおこなう場合に
は、画像データfにガボールフィルタを適用してガボ
ールフィルタ出力を得るとともに、ガボールフィルタ
の振幅を取得する。
【0061】そして、このガボールフィルタ出力とガ
ボールフィルタの振幅との積をとるとともに、ガボー
ルフィルタ出力をα×rk×(π/ωi)ずらし、この
値とガボールフィルタの振幅との積をとる。そして、
画像データfからの値を減算しの値を加算する置き
換えをおこなう。上記一連の処理をN回繰り返す。
【0062】同図(b)に示すように、変調度検出部1
12による位相変調を用いた検出をおこなう場合には、
原画像データのガボール出力と、埋め込み画像デー
タのガボール出力とから、arctan{Im(g')/Re(g')}
−arctan{Im(g)/Re(g)}を求める。雑音がなければ、
この値がα×rk×πと近いものになる。
【0063】次に、変調処理部104による位相変調を
用いた埋め込み手順について説明する。図10は、変調
処理部104による位相変調を用いた埋め込み手順を示
すフローチャートである。
【0064】同図に示すように、透かし画像データδf
(x)=0、埋め込み強度aを入力、k=1とした後
(ステップS1001)、k番目の埋め込み点(フィル
タ番号iと位置x)と変調度rkを得る(ステップS1
002)。そして、フィルタ番号iのガボールフィルタ
の振幅を位置xだけシフトしてφ’(x)を得る(ステ
ップS1003)。
【0065】その後、フィルタ番号iのガボールフィル
タ出力g(x)を入力し(ステップS1004)、フィ
ルタ番号iのガボールフィルタの中心周波数に対応する
周期ベクトルtを用いて、変調度rkから位置シフト量
a×rk×tを求める(ステップS1005)。
【0066】そして、g(x)を位置シフト量a×rk
×tだけシフトしたものからg(x)を減算してδg
(x)を取得し(ステップS1006)、 δf(x)=δf(x)+φ’(x)×{Re[δg(x)]+
Im[δg(x)]} の算定式によりδf(x)を算定する(ステップS10
07)。
【0067】そして、変数kをインクリメントした後
(ステップS1008)、変数kをNと比較して(ステ
ップS1009)、この変数kがNを越えるまでは(ス
テップS1009否定)ステップS1002に移行し、
変数kがNを越えた時点で(ステップS1009肯定)
処理を終了する。
【0068】次に、変調度検出部112による位相変調
を用いた変調度系列の検出手順について説明する。図1
1は、変調度検出部112による位相変調を用いた変調
度系列の検出手順を示すフローチャートである。
【0069】同図に示すように、まず埋め込み強度aを
入力し、k=1とした後に(ステップS1101)、k
番目の埋め込み点(フィルタ番号iと位置x)を得る
(ステップS1102)。
【0070】そして、フィルタ番号iの位置xにおける
検出対象となる画像データおよび原画像データの各ガボ
ールフィルタ出力の位相を検出し、それぞれgP’、gP
とする(ステップS1103)。その後、k番目の変調
度rk’を rk’=(gP’−gP)/(a×π) によって推定する(ステップS1104)。
【0071】そして、変数kをインクリメントした後
(ステップS1105)、変数kをNと比較して(ステ
ップS1106)、この変数kがNを越えるまでは(ス
テップS1106否定)ステップS1002に移行し、
変数kがNを越えた時点で(ステップS1106肯定)
処理を終了する。
【0072】相関判定部114では乱数r0kと変調度
rk’の正規化相関値を求め、正規化相関値がゼロに近
い場合は透かしが無く、1(または−1)に近い場合は
透かしデータは1(または−1)であると推定する。
【0073】このように、本実施の形態では、マスキン
グ効果の異方性という視覚特性に基づく処理をおこなっ
ているので、知覚を考慮した場合の画質劣化が少なくな
る。ここで、このマスキング効果における輪郭の輝度変
化はガボールフィルタ出力に相当し、重畳されるべき透
かしデータは、輝度変化の振幅変調または位相変調によ
る微少な変量として構成される。
【0074】また、低域フィルタや高域強調フィルタに
よるフィルタ攻撃によって、ガボールフィルタ出力の振
幅がフィルタゲインの周波数特性に比例して変化する
が、位相については直接には影響を受けない。このた
め、位相変調の場合には、フィルタ攻撃に対するロバス
ト性が高くなる。ただし、すべてのガボール関数をその
中心周波数の絶対値が同じ値となるように設計すれば、
攻撃するフィルタがガボールフィルタ出力に及ぼす影響
が揃うため、振幅変調の場合でも、相関を用いた検出を
おこなうことにより、フィルタ攻撃による影響を受ける
ことなく透かしデータを検出することができる。
【0075】一方、幾何学的変換に対しては、一般的に
は画像データのマッチングでその変換パラメータを検出
できるため、その効果を用いて画像データに逆変換を施
せば良い。本実施の形態では、制御位置だけではなくそ
の近傍にも透かしデータを埋め込むこととしているの
で、マッチング誤差が残る場合にも、振幅変調ではロバ
ストに検出することができる。なお、位相変調の場合に
は、マッチング誤差が透かしデータに対して直接ノイズ
として作用するので、検出精度を上げるためには幾何学
的変換による誤差をゼロに近づける必要がある。
【0076】また、本実施の形態では、どの位置にどの
ような周波数特性があるかを検出しているので、広い意
味では上記従来技術2(特開平10−276321号公
報)と同様のウエーブレット変換を用いていることにな
るが、ここでは複素ウエーブレット関数を用いているの
で、実ウエーブレット関数を用いる従来技術2とは本質
的に異なる。また、本実施の形態では、周波数分割方法
(中心周波数の設定)の自由度が大きいため、たとえば
個々の画像データごとに周波数分割を変えることがで
き、その情報を秘密にすることによって安全性を高める
ことができる。
【0077】また、本実施の形態では、埋め込み位置を
積極的に制御することとしているので、単にガボールフ
ィルタを用いる上記従来技術3などとは異なる。本実施
の形態によれば、平坦部はガボールフィルタ振幅出力が
小さいことから埋め込むべき位置とは判定されないの
で、何の情報も埋め込まれることがない。このため、上
記従来技術に見られたような情報の消去は起こらず、透
かしデータ検出時の性能劣化が生じないという効果が得
られる。
【0078】上述してきたように、本実施の形態によれ
ば、埋め込み器100が、画像データにガボールフィル
タを適用して得られるガボールフィルタ出力に基づい
て、透かしデータを埋め込む埋め込み点を設定し、設定
した埋め込み点のガボール分解に基づいて、透かしデー
タを振幅変調または位相変調により前記原メディアデー
タに埋め込み、検出器110は、入力されたメディアデ
ータにガボールフィルタを適用して得られるガボールフ
ィルタ出力と原メディアデータにガボールフィルタを適
用して得られるガボールフィルタ出力に基づいて、透か
しデータを検出するよう構成したので、透かしデータに
よる画像データの性能劣化を招くことなく、効率良く圧
縮や幾何学的変換に強い電子透かしをおこなうことがで
きる。
【0079】なお、本実施の形態では、画像データに対
して透かしデータを埋め込む場合を示したが、本発明は
これに限定されるものではなく、音声データや映像デー
タなどの他のメディアデータに対して透かしデータを埋
め込む場合に適用することもできる。
【0080】また、本実施の形態では、埋め込み器10
0の埋め込み点設定部102により設定された埋め込み
点を検出器110に出力することとしたが、原画像デー
タを検出器110に入力し、この検出器110で埋め込
み器100と同様に埋め込み点を設定することもでき
る。同じ原画像データであれば、この場合でも同じ埋め
込み点を取得することができる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、電子透かし埋め込み装置が、原メディアデータ
にガボールフィルタを適用して得られるガボールフィル
タ出力に基づいて、透かしデータを埋め込む埋め込み点
を設定し、設定した埋め込み点のガボール分解に基づい
て、透かしデータを振幅変調または位相変調により前記
原メディアデータに埋め込み、電子透かし検出装置は、
入力されたメディアデータにガボールフィルタを適用し
て得られるガボールフィルタ出力と原メディアデータに
ガボールフィルタを適用して得られるガボールフィルタ
出力に基づいて、透かしデータを検出するよう構成した
ので、透かしデータによるメディアデータの性能劣化を
招くことなく、効率良く圧縮や幾何学的変換に強い電子
透かしをおこなうことが可能な電子透かしシステムが得
られるという効果を奏する。
【0082】また、請求項2の発明によれば、電子透か
し埋め込み装置が、所定の鍵に基づいて実数の乱数を発
生し、この乱数と透かしデータとを乗算して埋め込みデ
ータを生成するよう構成したので、透かしデータをラン
ダムな実数値に変換してメディアデータに埋め込み、も
ってユーザにとって埋め込みデータをよりトランスペア
レント(透過的)にすることが可能な電子透かしシステ
ムが得られるという効果を奏する。
【0083】また、請求項3の発明によれば、原メディ
アデータにガボールフィルタを適用して得られるガボー
ルフィルタ出力に基づいて、透かしデータを埋め込む埋
め込み点を設定し、設定された埋め込み点のガボール分
解に基づいて、透かしデータを振幅変調または位相変調
により原メディアデータに埋め込むよう構成したので、
透かしデータによるメディアデータの性能劣化を招くこ
となく、効率良く圧縮や幾何学的変換に強い電子透かし
を埋め込むことが可能な電子透かし埋め込み装置が得ら
れるという効果を奏する。
【0084】また、請求項4の発明によれば、所定の鍵
に基づいて実数の乱数を発生し、この乱数と透かしデー
タとを乗算して埋め込みデータを生成するよう構成した
ので、透かしデータをランダムな実数値に変換してメデ
ィアデータに埋め込み、もってユーザにとって埋め込み
データをよりトランスペアレント(透過的)にすること
が可能な電子透かし埋め込み装置が得られるという効果
を奏する。
【0085】また、請求項5の発明によれば、入力され
たメディアデータにガボールフィルタを適用して得られ
るガボールフィルタ出力と原メディアデータにガボール
フィルタを適用して得られるガボールフィルタ出力に基
づいて、透かしデータを検出するよう構成したので、効
率良く圧縮や幾何学的変換に強い電子透かしの検出をお
こなうことが可能な電子透かし検出装置が得られるとい
う効果を奏する。
【0086】また、請求項6の発明によれば、原メディ
アデータにガボールフィルタを適用して得られるガボー
ルフィルタ出力に基づいて、透かしデータを埋め込む埋
め込み点を設定し、設定された埋め込み点のガボール分
解に基づいて、透かしデータを振幅変調または位相変調
により原メディアデータに埋め込むよう構成したので、
透かしデータによるメディアデータの性能劣化を招くこ
となく、効率良く圧縮や幾何学的変換に強い電子透かし
を埋め込むことが可能な電子透かし埋め込み方法が得ら
れるという効果を奏する。
【0087】また、請求項7の発明によれば、原メディ
アデータにガボールフィルタを適用して得られるガボー
ルフィルタ出力に基づいて、透かしデータを埋め込む埋
め込み点を設定し、設定された埋め込み点のガボール分
解に基づいて、透かしデータを振幅変調または位相変調
により原メディアデータに埋め込むよう構成したので、
透かしデータによるメディアデータの性能劣化を招くこ
となく、効率良く圧縮や幾何学的変換に強い電子透かし
を埋め込む処理をコンピュータにより実行することが可
能なプログラムが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る電子透かしシステ
ムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態で用いるガボール関数を説明する
ための説明図である。
【図3】図1に示した埋め込み器の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図4】埋め込み点の検出手順を示すフローチャートで
ある。
【図5】図1に示した検出器の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】図1に示した変調処理部および変調度検出部に
よる振幅変調を用いた埋め込みおよび検出の概念を説明
するための説明図である。
【図7】変調処理部による振幅変調を用いた埋め込み手
順を示すフローチャートである。
【図8】変調度検出部による振幅変調を用いた変調度系
列の検出手順を示すフローチャートである。
【図9】図1に示した変調処理部および変調度検出部に
よる位相変調を用いた埋め込みおよび検出の概念を説明
するための説明図である。
【図10】変調処理部による位相変調を用いた埋め込み
手順を示すフローチャートである。
【図11】変調度検出部による位相変調を用いた変調度
系列の検出手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 埋め込み器 101 フィルタリング処理部 102 埋め込み点設定部 103 乱数発生部 104 変調処理部 105 乗算器 106 加算器 110 検出器 111 フィルタリング処理部 112 変調度検出部 113 乱数発生部 114 相関判定部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音楽データ、画像データおよび映像デー
    タなどの原メディアデータに対して透かしデータを電子
    的に埋め込む電子透かし埋め込み装置と、入力されたメ
    ディアデータに埋め込まれた透かしデータを検出する電
    子透かし検出装置とを有する電子透かしシステムであっ
    て、 前記電子透かし埋め込み装置は、 前記原メディアデータにガボールフィルタを適用して得
    られるガボールフィルタ出力に基づいて、前記透かしデ
    ータを埋め込む埋め込み点を設定する埋め込み点設定手
    段と、 前記埋め込み点設定手段により設定された埋め込み点の
    ガボール分解に基づいて、前記透かしデータを振幅変調
    または位相変調により前記原メディアデータに埋め込む
    埋め込み手段とを備え、 電子透かし検出装置は、 入力されたメディアデータにガボールフィルタを適用し
    て得られるガボールフィルタ出力と原メディアデータに
    ガボールフィルタを適用して得られるガボールフィルタ
    出力に基づいて、前記透かしデータを検出する検出手段
    を備えたことを特徴とする電子透かしシステム。
  2. 【請求項2】 前記電子透かし埋め込み装置は、所定の
    鍵に基づいて実数の乱数を発生する乱数発生手段と、前
    記乱数発生手段により発生した乱数と前記透かしデータ
    とを乗算して前記埋め込み手段により埋め込む埋め込み
    データを生成する埋め込みデータ生成手段とをさらに備
    えたことを特徴とする請求項1に記載の電子透かしシス
    テム。
  3. 【請求項3】 音楽データ、画像データおよび映像デー
    タなどの原メディアデータに対して透かしデータを電子
    的に埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、 前記原メディアデータにガボールフィルタを適用して得
    られるガボールフィルタ出力に基づいて、前記透かしデ
    ータを埋め込む埋め込み点を設定する埋め込み点設定手
    段と、 前記埋め込み点設定手段により設定された埋め込み点の
    ガボール分解に基づいて、前記透かしデータを振幅変調
    または位相変調により前記原メディアデータに埋め込む
    埋め込み手段とを備えたことを特徴とする電子透かし埋
    め込み装置。
  4. 【請求項4】 所定の鍵に基づいて実数の乱数を発生す
    る乱数発生手段と、前記乱数発生手段により発生した乱
    数と前記透かしデータとを乗算して前記埋め込み手段に
    より埋め込む埋め込みデータを生成する埋め込みデータ
    生成手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項3に
    記載の電子透かし埋め込み装置。
  5. 【請求項5】 音楽データ、画像データおよび映像デー
    タなどの原メディアデータに対して透かしデータを電子
    的に埋め込んだメディアデータを入力し、該入力したメ
    ディアデータに埋め込まれた透かしデータを検出する電
    子透かし検出装置であって、 入力されたメディアデータにガボールフィルタを適用し
    て得られるガボールフィルタ出力と原メディアデータに
    ガボールフィルタを適用して得られるガボールフィルタ
    出力に基づいて、前記透かしデータを検出する検出手段
    を備えたことを特徴とする電子透かし検出装置。
  6. 【請求項6】 音楽データ、画像データおよび映像デー
    タなどの原メディアデータに対して透かしデータを電子
    的に埋め込む電子透かし埋め込み方法であって、 前記原メディアデータにガボールフィルタを適用して得
    られるガボールフィルタ出力に基づいて、前記透かしデ
    ータを埋め込む埋め込み点を設定する埋め込み点設定工
    程と、 前記埋め込み点設定工程により設定された埋め込み点の
    ガボール分解に基づいて、前記透かしデータを振幅変調
    または位相変調により前記原メディアデータに埋め込む
    埋め込み工程とを含んだことを特徴とする電子透かし埋
    め込み方法。
  7. 【請求項7】 音楽データ、画像データおよび映像デー
    タなどの原メディアデータに対して透かしデータを電子
    的に埋め込む電子透かし埋め込み装置のプログラムであ
    って、 前記原メディアデータにガボールフィルタを適用して得
    られるガボールフィルタ出力に基づいて、前記透かしデ
    ータを埋め込む埋め込み点を設定する埋め込み点設定工
    程と、 前記埋め込み点設定工程により設定された埋め込み点の
    ガボール分解に基づいて、前記透かしデータを振幅変調
    または位相変調により前記原メディアデータに埋め込む
    埋め込み工程とをコンピュータに実行させることを特徴
    とするプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004098171A1 (ja) * 2003-04-25 2004-11-11 Oki Electric Industry Co., Ltd. 透かし情報検出方法

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WO2004098171A1 (ja) * 2003-04-25 2004-11-11 Oki Electric Industry Co., Ltd. 透かし情報検出方法
CN100399790C (zh) * 2003-04-25 2008-07-02 冲电气工业株式会社 水印信息检测方法

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