JP2003098169A - 内分泌攪乱作用を指標とした穀類・青果物等の評価方法とその応用方法 - Google Patents
内分泌攪乱作用を指標とした穀類・青果物等の評価方法とその応用方法Info
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- JP2003098169A JP2003098169A JP2001335750A JP2001335750A JP2003098169A JP 2003098169 A JP2003098169 A JP 2003098169A JP 2001335750 A JP2001335750 A JP 2001335750A JP 2001335750 A JP2001335750 A JP 2001335750A JP 2003098169 A JP2003098169 A JP 2003098169A
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- fruit
- estrone
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- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】穀類・青果物等の内分泌攪乱作用に着目した品
質管理方法を提供すると同時に、穀類・青果物等中の1
7β−エストラジオール、エストロン等のエストロゲン
微量分析を可能とする高感度、高精度で簡便、迅速な分
析法及びその応用方法を提供する。 【解決手段】 穀類・青果物等抽出物中の17β−エス
トラジオール、エストロン等内分泌攪乱物質含量及びそ
れらの活性を化学的、生物学的に測定する事により、穀
類・青果物等の管理に有効な評価方法を得た。特に、穀
類・青果物等中の有機溶媒抽出液を固相抽出やTLC分
離を行わずにカートリッジ通液後、直接LC/MS/M
Sに導入する事によって4時間以内に17β−エストラ
ジオール量、エストロン量を測定できる迅速かつ簡便な
測定法を得た。またその方法を応用した加工食品製造
法、食品保存法、食事療法を提供した。
質管理方法を提供すると同時に、穀類・青果物等中の1
7β−エストラジオール、エストロン等のエストロゲン
微量分析を可能とする高感度、高精度で簡便、迅速な分
析法及びその応用方法を提供する。 【解決手段】 穀類・青果物等抽出物中の17β−エス
トラジオール、エストロン等内分泌攪乱物質含量及びそ
れらの活性を化学的、生物学的に測定する事により、穀
類・青果物等の管理に有効な評価方法を得た。特に、穀
類・青果物等中の有機溶媒抽出液を固相抽出やTLC分
離を行わずにカートリッジ通液後、直接LC/MS/M
Sに導入する事によって4時間以内に17β−エストラ
ジオール量、エストロン量を測定できる迅速かつ簡便な
測定法を得た。またその方法を応用した加工食品製造
法、食品保存法、食事療法を提供した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は17β−エストラジ
オール、エストロン等の内分泌攪乱物質群に着目した穀
類・青果物等の品質評価法及びその応用方法に関するも
のである。
オール、エストロン等の内分泌攪乱物質群に着目した穀
類・青果物等の品質評価法及びその応用方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術では、穀類・青果物等中の栄
養成分、水分、糖度、呈味物質、感覚特性、官能特性、
香気成分、抗ガン成分、血栓溶解成分、血流改善成分、
有害金属元素、ダイオキシン濃度、残留農薬、病原菌検
査、品種DNA鑑定等に関する品質評価法はあるが、特
に17β−エストラジオール、エストロン等、内分泌攪
乱作用(もしくは発ガン作用)を持つ天然エストロゲ
ン”に関する評価方法は、有害金属元素を除いては存在
していなかった(独 立 行 政 法 人 総 合食
品 研 究 所 分 析 評 価 部HP:http:
//www.nfri.affrc.go.jp/co
ntents/guidance/soshiki/d
iv/bunseki/)。また、17β−エストラジ
オール、エストロン含量の測定に関しては畜産食品中残
留ホルモンのみに限定され、穀類、青果物に関しては見
過ごされてきた。なお、健康食品業界では従来、ざくろ
に限定したエストロゲン調査がLC/MS/MS法、R
IA法、エストロゲン受容体結合法等を用いて行われて
いた(http://www.zakuroya.co
m/kodawari.html)が、穀類・青果物等
一般に関した調査は行われていなかった。従って、広く
穀類・青果物一般にエストロゲンを見出し評価法を示し
た本発明によって、従来は考慮されていなかった、穀類
・青果物そのもの、もしくは食品中に生育している微生
物に由来する17β−エストラジオール、エストロン等
の内分泌攪乱物質群のリスク査定を行う事ができるもの
と期待される。
養成分、水分、糖度、呈味物質、感覚特性、官能特性、
香気成分、抗ガン成分、血栓溶解成分、血流改善成分、
有害金属元素、ダイオキシン濃度、残留農薬、病原菌検
査、品種DNA鑑定等に関する品質評価法はあるが、特
に17β−エストラジオール、エストロン等、内分泌攪
乱作用(もしくは発ガン作用)を持つ天然エストロゲ
ン”に関する評価方法は、有害金属元素を除いては存在
していなかった(独 立 行 政 法 人 総 合食
品 研 究 所 分 析 評 価 部HP:http:
//www.nfri.affrc.go.jp/co
ntents/guidance/soshiki/d
iv/bunseki/)。また、17β−エストラジ
オール、エストロン含量の測定に関しては畜産食品中残
留ホルモンのみに限定され、穀類、青果物に関しては見
過ごされてきた。なお、健康食品業界では従来、ざくろ
に限定したエストロゲン調査がLC/MS/MS法、R
IA法、エストロゲン受容体結合法等を用いて行われて
いた(http://www.zakuroya.co
m/kodawari.html)が、穀類・青果物等
一般に関した調査は行われていなかった。従って、広く
穀類・青果物一般にエストロゲンを見出し評価法を示し
た本発明によって、従来は考慮されていなかった、穀類
・青果物そのもの、もしくは食品中に生育している微生
物に由来する17β−エストラジオール、エストロン等
の内分泌攪乱物質群のリスク査定を行う事ができるもの
と期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、穀類、青果物に
広く17β−エストラジオール、エストロン等の内分泌
攪乱物質が含まれている事実を、本発明がなされるまで
は知られていなかったため、有害金属元素、残留農薬、
ダイオキシンの3つに限定した内分泌攪乱物質評価のみ
が行われ、最も内分泌攪乱作用が強い17β−エストラ
ジオール、エストロン等の影響が見過ごされてきた。
広く17β−エストラジオール、エストロン等の内分泌
攪乱物質が含まれている事実を、本発明がなされるまで
は知られていなかったため、有害金属元素、残留農薬、
ダイオキシンの3つに限定した内分泌攪乱物質評価のみ
が行われ、最も内分泌攪乱作用が強い17β−エストラ
ジオール、エストロン等の影響が見過ごされてきた。
【0004】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、穀類、青果物に広く含まれる17β−エストラジオ
ール、エストロン等の内分泌攪乱物質群の含量及びそれ
らの生物活性を測定する事による穀類、青果物の毒性
(内分泌攪乱作用、発ガン作用)の評価方法およびその
応用方法を提供し、食生活を通した毒性リスク(内分泌
攪乱作用、発ガン作用)の2つを軽減させる事を目的と
するものである。
り、穀類、青果物に広く含まれる17β−エストラジオ
ール、エストロン等の内分泌攪乱物質群の含量及びそれ
らの生物活性を測定する事による穀類、青果物の毒性
(内分泌攪乱作用、発ガン作用)の評価方法およびその
応用方法を提供し、食生活を通した毒性リスク(内分泌
攪乱作用、発ガン作用)の2つを軽減させる事を目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)穀類、
青果物中の17β−エストラジオール、エストロン等の
内分泌攪乱物質群の含量を化学的に測定する評価法、
(2)穀類、青果物の内分泌攪攪乱作用を生物学的に測
定する評価法、(3)特に(1)において生物系廃棄物
処理物抽出液を固相抽出やTLC分離を行わずに単にカ
ートリッジ通液後、直接LC/MS/MSに導入する事
によるエストロゲン簡便測定法(4)上の3つをモニタ
リング法として用いた加工食品製造法、食品保存法、食
事療法の4つを要旨とするものである。
青果物中の17β−エストラジオール、エストロン等の
内分泌攪乱物質群の含量を化学的に測定する評価法、
(2)穀類、青果物の内分泌攪攪乱作用を生物学的に測
定する評価法、(3)特に(1)において生物系廃棄物
処理物抽出液を固相抽出やTLC分離を行わずに単にカ
ートリッジ通液後、直接LC/MS/MSに導入する事
によるエストロゲン簡便測定法(4)上の3つをモニタ
リング法として用いた加工食品製造法、食品保存法、食
事療法の4つを要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明は、大きく分けると、(1)穀類、青果物抽
出物中のエストロン等内分泌攪乱物質群の含量をLC/
MS/MS、GC/MS,ELISA等を用いて測定す
る化学的評価法、(2)穀類、青果物抽出物中の内分泌
攪乱作用をエストロゲン受容体結合/転写活性アッセ
イ、Ah受容体結合/転写活性アッセイ、エストロゲン
感受性培養細胞アッセイ、ビテロジェニン等生態毒性特
異的転写産物のRT−PCR/DNAアレイ/抗体検出
法、魚類、両生類、線虫を用いたin vivo法等を
用いて測定する生物学的評価法、(3)上記の2つの評
価法を応用した加工食品製造法、食品保存法、食事療法
の3つから構成され、いずれも穀類、青果物を(重金
属、残留農薬、ダイオキシンの3カテゴリーだけに限定
せずに)トータルの内分泌攪乱作用で穀類、青果物を品
質評価し応用する点を特徴とする。
る。本発明は、大きく分けると、(1)穀類、青果物抽
出物中のエストロン等内分泌攪乱物質群の含量をLC/
MS/MS、GC/MS,ELISA等を用いて測定す
る化学的評価法、(2)穀類、青果物抽出物中の内分泌
攪乱作用をエストロゲン受容体結合/転写活性アッセ
イ、Ah受容体結合/転写活性アッセイ、エストロゲン
感受性培養細胞アッセイ、ビテロジェニン等生態毒性特
異的転写産物のRT−PCR/DNAアレイ/抗体検出
法、魚類、両生類、線虫を用いたin vivo法等を
用いて測定する生物学的評価法、(3)上記の2つの評
価法を応用した加工食品製造法、食品保存法、食事療法
の3つから構成され、いずれも穀類、青果物を(重金
属、残留農薬、ダイオキシンの3カテゴリーだけに限定
せずに)トータルの内分泌攪乱作用で穀類、青果物を品
質評価し応用する点を特徴とする。
【0007】本発明において、評価対象としている穀
類、青果は、本発明によってはじめて、主食の米はじめ
とする広い穀類、青果物中に17β−エストラジオール
及びエストロンが含まれている事が明らかとなったが、
これらは内分泌攪乱作用だけでなく発ガン作用も持つ事
が知られているので、食事等を通した日常的な17β−
エストラジオール及びエストロンの過剰摂取が、人の健
康、特に発ガン性に影響している可能性は否定できな
い。特に、17β−エストラジオールの発がん性につい
ては、医療目的の使用に伴う乳がん、子宮内膜がん、卵
巣がんのリスクの上昇等、ヒトの疫学的データから十分
な証拠があり、動物実験においても長期間投与による発
がん性陽性の十分な証拠がある(林裕造、畜産食品中残
留ホルモンのヒト健康に及ぼす影響に関する研究、平成
11年度厚生科学研究報告書、http://www.
mhlw.go.jp/topics/0106/tp
0601−2a1.html)。
類、青果は、本発明によってはじめて、主食の米はじめ
とする広い穀類、青果物中に17β−エストラジオール
及びエストロンが含まれている事が明らかとなったが、
これらは内分泌攪乱作用だけでなく発ガン作用も持つ事
が知られているので、食事等を通した日常的な17β−
エストラジオール及びエストロンの過剰摂取が、人の健
康、特に発ガン性に影響している可能性は否定できな
い。特に、17β−エストラジオールの発がん性につい
ては、医療目的の使用に伴う乳がん、子宮内膜がん、卵
巣がんのリスクの上昇等、ヒトの疫学的データから十分
な証拠があり、動物実験においても長期間投与による発
がん性陽性の十分な証拠がある(林裕造、畜産食品中残
留ホルモンのヒト健康に及ぼす影響に関する研究、平成
11年度厚生科学研究報告書、http://www.
mhlw.go.jp/topics/0106/tp
0601−2a1.html)。
【0008】穀類、青果物中の内分泌攪乱物質群は酢酸
エチル、メタノール等有機溶媒で抽出する事ができ、酢
酸エチル抽出の場合は、メタノール抽出より塩の持ち込
みが起こりにくいが、抽出時に食品試料が球塊になり効
果的に抽出しにくいケースもあるので注意を要する。な
お、個々の内分泌攪乱物質の極性によっては水溶液(緩
衝液)でも抽出可能である。
エチル、メタノール等有機溶媒で抽出する事ができ、酢
酸エチル抽出の場合は、メタノール抽出より塩の持ち込
みが起こりにくいが、抽出時に食品試料が球塊になり効
果的に抽出しにくいケースもあるので注意を要する。な
お、個々の内分泌攪乱物質の極性によっては水溶液(緩
衝液)でも抽出可能である。
【0009】穀類、青果物の有機溶媒抽出液の直接LC
/MS/MS導入法によるエストロン簡便測定法は以下
の手順で行う。穀類、青果物を必要に応じてミキサーあ
るいは乳鉢で粉砕し10g(湿重量)を秤量して、サロ
ゲートを添加した後に10倍量(100ml)の酢酸エ
チルもしくはメタノールで2回(もしくは3回)に分け
て振とう及び超音波抽出を行う。遠心して得た上清を、
予めコンディショニングした、フロリジル、C18、C
8等のカートリッジに通液し、蒸発乾固後、メタノール
に再溶解させ沈殿を遠心で除いた溶液を、固相抽出やT
LC分離を行わずに、そのままHPLC/MS/MSに
供する事によって、エストロンの場合は100ng/k
gの高感度で4時間以内に堆肥中のエストロン含量を迅
速簡便に測定する事が可能である。この方法は従来行わ
れてきた固相抽出やTLCを伴うLC/MS/MS、G
C/MS法と比べ、迅速かつ簡便である事から大量の試
料を処理する上で有効であり、食品保存におけるリアル
タイム評価等にも利用できる。また、この方法はエスト
ロンだけでなく17β−エストラジオール、エストリオ
ール等やそれらの抱合体も同時分析する事が可能であ
る。また、本方法は穀類、青果物だけでなく、健康食品
やその他の食品や化粧品でも適用可能である。なお、こ
の「固相抽出やTLC等を伴わないLC/MS/MS分
析」に必要な時間はトータルで4時間であり、LC/M
S/MS装置さえあれば、1サンプルわずか4,000
円程度の消耗品代で解析できる。但し、本方法はHPL
Cカラムが汚れやすく環境試料を10サンプル注入ごと
にアセトニトリル50mlでカラム洗浄した上で、更に
可能なら100サンプル注入前後で新品のカラムと交換
した方がよいと考えられるが、それでも1カラム6万円
としてカラム料金の減価償却費は1サンプルわずか60
0円となる。従って、簡便性、経済性の3点について
は、どの従来法よりも有利である。
/MS/MS導入法によるエストロン簡便測定法は以下
の手順で行う。穀類、青果物を必要に応じてミキサーあ
るいは乳鉢で粉砕し10g(湿重量)を秤量して、サロ
ゲートを添加した後に10倍量(100ml)の酢酸エ
チルもしくはメタノールで2回(もしくは3回)に分け
て振とう及び超音波抽出を行う。遠心して得た上清を、
予めコンディショニングした、フロリジル、C18、C
8等のカートリッジに通液し、蒸発乾固後、メタノール
に再溶解させ沈殿を遠心で除いた溶液を、固相抽出やT
LC分離を行わずに、そのままHPLC/MS/MSに
供する事によって、エストロンの場合は100ng/k
gの高感度で4時間以内に堆肥中のエストロン含量を迅
速簡便に測定する事が可能である。この方法は従来行わ
れてきた固相抽出やTLCを伴うLC/MS/MS、G
C/MS法と比べ、迅速かつ簡便である事から大量の試
料を処理する上で有効であり、食品保存におけるリアル
タイム評価等にも利用できる。また、この方法はエスト
ロンだけでなく17β−エストラジオール、エストリオ
ール等やそれらの抱合体も同時分析する事が可能であ
る。また、本方法は穀類、青果物だけでなく、健康食品
やその他の食品や化粧品でも適用可能である。なお、こ
の「固相抽出やTLC等を伴わないLC/MS/MS分
析」に必要な時間はトータルで4時間であり、LC/M
S/MS装置さえあれば、1サンプルわずか4,000
円程度の消耗品代で解析できる。但し、本方法はHPL
Cカラムが汚れやすく環境試料を10サンプル注入ごと
にアセトニトリル50mlでカラム洗浄した上で、更に
可能なら100サンプル注入前後で新品のカラムと交換
した方がよいと考えられるが、それでも1カラム6万円
としてカラム料金の減価償却費は1サンプルわずか60
0円となる。従って、簡便性、経済性の3点について
は、どの従来法よりも有利である。
【0010】また、この1サンプルあたり僅か4,00
0円で4時間以内に解析できるという本発明の特徴は大
量のサンプルが従来法と比べると格段に分析しやすくな
る事につながり、本発明をモニタリング法等として用い
て、(1)保存中の食品のエストロゲン量をリアルタイ
ムチェックしたり、(2)エストロゲン量が少ない生鮮
食料品部分を選抜した上に酵素処理等でエストロゲン含
量を低下させた加工食品を製造したり、(3)個々の食
品のエストロゲン含量を測定後、17β−エストラジオ
ール等を用いた動物発ガン実験結果と照らし合わせる事
により、許容一日摂取量、耐容一日摂取量を算定し、エ
ストロゲン量を調節した食事療法を行う事等の応用方法
が可能となる。
0円で4時間以内に解析できるという本発明の特徴は大
量のサンプルが従来法と比べると格段に分析しやすくな
る事につながり、本発明をモニタリング法等として用い
て、(1)保存中の食品のエストロゲン量をリアルタイ
ムチェックしたり、(2)エストロゲン量が少ない生鮮
食料品部分を選抜した上に酵素処理等でエストロゲン含
量を低下させた加工食品を製造したり、(3)個々の食
品のエストロゲン含量を測定後、17β−エストラジオ
ール等を用いた動物発ガン実験結果と照らし合わせる事
により、許容一日摂取量、耐容一日摂取量を算定し、エ
ストロゲン量を調節した食事療法を行う事等の応用方法
が可能となる。
【0011】
【実施例】次に、実施例にて本発明をより詳細に説明す
るが、本発明は下記の例のみに限定されるものではな
い。市販されている精米、餅米、ピーマン、エリンギ、
カブ、マイタケ、ナスビ、ニンジン、キュウリ、エンド
ウ豆、バナナ、ブドウを乳鉢もしくはミキサーで粉砕
後、それぞれ10g(湿重量)を秤量し、遠沈管に入れ
50mlの酢酸エチルを加えた。激しく30分振とう
後、40分間超音波処理し抽出した。次に、3000r
pm、10分で遠心処理を行った後に、上清をとり、沈
殿物に更に50mlの酢酸エチルを加え、同じ処理を行
い、その上清を合わせた。そのうち5mlを、予めメタ
ノールを10ml通液する事によってコンディショニン
グしたC18,C8、フロリジルの3種のカートリッジ
(ウォーターズ社製セップパックプラス)を連結させた
カートリッジに通液する事によって、固相抽出やTLC
を行わないで簡便にクリーンアップした溶出液のうち1
0μlを直接、HPLC/MS/MS(API200
0、パーキンエルマー社製)に供した。HPLC/MS
/MSのカラムはC8(2.0mm X 150mm、
資生堂社製)を、溶媒は40%アセトニトリルを使い、
20℃、0.2ml/minでHPLCに供した。一
方、MS/MSはイオン化はNegative、MRM
モード(測定質量数:269/145、271/14
5)で測定した。この条件ではエストロン(E1)は約
8分30秒、17β−エストラジオール(E2)は約5
分50秒の保持時間で検出できる。以上の分析の結果、
精米、餅米、ピーマン、カブの葉、エンドウ豆に17β
−エストラジオールかエストロンが検出できた。特に主
食の精米に関してはE1が1.2μg/kg(湿重
量)、E2が12.5μg/kg(湿重量)という高濃
度のエストロンで汚染されている事を確認できた。なお
HPLCカラムはC8カラムだけでなく、C18(OD
S)カラムでも良好な結果が得られたが、いずれのカラ
ムでも10サンプル注入ごとにアセトニトリル50ml
でカラム洗浄した。
るが、本発明は下記の例のみに限定されるものではな
い。市販されている精米、餅米、ピーマン、エリンギ、
カブ、マイタケ、ナスビ、ニンジン、キュウリ、エンド
ウ豆、バナナ、ブドウを乳鉢もしくはミキサーで粉砕
後、それぞれ10g(湿重量)を秤量し、遠沈管に入れ
50mlの酢酸エチルを加えた。激しく30分振とう
後、40分間超音波処理し抽出した。次に、3000r
pm、10分で遠心処理を行った後に、上清をとり、沈
殿物に更に50mlの酢酸エチルを加え、同じ処理を行
い、その上清を合わせた。そのうち5mlを、予めメタ
ノールを10ml通液する事によってコンディショニン
グしたC18,C8、フロリジルの3種のカートリッジ
(ウォーターズ社製セップパックプラス)を連結させた
カートリッジに通液する事によって、固相抽出やTLC
を行わないで簡便にクリーンアップした溶出液のうち1
0μlを直接、HPLC/MS/MS(API200
0、パーキンエルマー社製)に供した。HPLC/MS
/MSのカラムはC8(2.0mm X 150mm、
資生堂社製)を、溶媒は40%アセトニトリルを使い、
20℃、0.2ml/minでHPLCに供した。一
方、MS/MSはイオン化はNegative、MRM
モード(測定質量数:269/145、271/14
5)で測定した。この条件ではエストロン(E1)は約
8分30秒、17β−エストラジオール(E2)は約5
分50秒の保持時間で検出できる。以上の分析の結果、
精米、餅米、ピーマン、カブの葉、エンドウ豆に17β
−エストラジオールかエストロンが検出できた。特に主
食の精米に関してはE1が1.2μg/kg(湿重
量)、E2が12.5μg/kg(湿重量)という高濃
度のエストロンで汚染されている事を確認できた。なお
HPLCカラムはC8カラムだけでなく、C18(OD
S)カラムでも良好な結果が得られたが、いずれのカラ
ムでも10サンプル注入ごとにアセトニトリル50ml
でカラム洗浄した。
【0012】
【発明の効果】また、
【実施例1】で示した結果と20pMの17β−エスト
ラジオール(E2)がアルファルファの成長を促進した
という報告(環境庁リスク対策検討会監修、環境ホルモ
ン、環境新聞社、1998)を併せて考えると、(1)
従来、“女性ホルモン”だと考えられていたエストロゲ
ン類が実は“植物ホルモン”でもある可能性と、(2)
穀類か青果物の表面もしくは内部に生育している微生物
がエストロゲンを産生している可能性の2つが考えら
れ、現時点ではこの2つの可能性のいずれであるかは解
明されていない。しかし、この2つの可能性のいずれに
せよ、17β−エストラジオールやエストロンが内分泌
攪乱作用だけでなく発ガン作用も有し、しかも主食の米
に大量に含まれているという事実の重要性には変わりは
ない。従って、本発明によって、今後、穀類、青果物中
のこれら“内分泌影響物質”の量を管理した食生活を心
がけると同時に、(後者の可能性の場合は)食品保存に
注意を払う事により事により、人の発ガンリスク等を減
少させる事ができる可能性が期待できるだけでなく、
(エストロゲン分泌量減少が原因となっている)更年期
障害、生理不順、不妊等の症状の軽減(食事療法として
のエストロゲン治療)にも利用できる可能性も期待でき
る。
ラジオール(E2)がアルファルファの成長を促進した
という報告(環境庁リスク対策検討会監修、環境ホルモ
ン、環境新聞社、1998)を併せて考えると、(1)
従来、“女性ホルモン”だと考えられていたエストロゲ
ン類が実は“植物ホルモン”でもある可能性と、(2)
穀類か青果物の表面もしくは内部に生育している微生物
がエストロゲンを産生している可能性の2つが考えら
れ、現時点ではこの2つの可能性のいずれであるかは解
明されていない。しかし、この2つの可能性のいずれに
せよ、17β−エストラジオールやエストロンが内分泌
攪乱作用だけでなく発ガン作用も有し、しかも主食の米
に大量に含まれているという事実の重要性には変わりは
ない。従って、本発明によって、今後、穀類、青果物中
のこれら“内分泌影響物質”の量を管理した食生活を心
がけると同時に、(後者の可能性の場合は)食品保存に
注意を払う事により事により、人の発ガンリスク等を減
少させる事ができる可能性が期待できるだけでなく、
(エストロゲン分泌量減少が原因となっている)更年期
障害、生理不順、不妊等の症状の軽減(食事療法として
のエストロゲン治療)にも利用できる可能性も期待でき
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 17β−エストラジオール、エストロン
等の内分泌攪乱物質群の含量及びそれらの活性を指標と
した穀類・青果物等及びそれらの処理物の評価方法 - 【請求項2】 請求項1で記載している方法をモニタリ
ング法として用いた加工食品製造法、食品保存法 - 【請求項3】 穀類及び青果物中の17β−エストラジ
オール、エストロン等の内分泌攪乱物質群含量測定値を
用いた許容一日摂取量、耐容一日摂取量測定法、及び更
年期障害、生理不順、不妊等に対するエストロゲン治療
法(食事療法)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001335750A JP2003098169A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 内分泌攪乱作用を指標とした穀類・青果物等の評価方法とその応用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001335750A JP2003098169A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 内分泌攪乱作用を指標とした穀類・青果物等の評価方法とその応用方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104297364A (zh) * | 2014-09-15 | 2015-01-21 | 上海市农业科学院 | 一种评价杏鲍菇鲜味程度的方法 |
EP2974731A1 (de) * | 2014-07-18 | 2016-01-20 | Hennig Arzneimittel GmbH&Co. Kg | Verabreichungsform enthaltend Pilzkomponenten |
JP2017198703A (ja) * | 2007-11-27 | 2017-11-02 | クエスト ダイアグノスティックス インヴェストメンツ インコーポレイテッド | 質量分析によってエストラジオールを検出するための方法 |
-
2001
- 2001-09-25 JP JP2001335750A patent/JP2003098169A/ja active Pending
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DE102014118772B4 (de) * | 2014-07-18 | 2019-07-04 | Hennig Arzneimittel Gmbh & Co. Kg | Nahrungsergänzungsmittel in Kapselform enthaltend chinesische Vitalpilze und deren Verwendung |
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