JP2003098089A - 土壌中の有機系物質分析方法およびその装置 - Google Patents

土壌中の有機系物質分析方法およびその装置

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JP2003098089A
JP2003098089A JP2001296220A JP2001296220A JP2003098089A JP 2003098089 A JP2003098089 A JP 2003098089A JP 2001296220 A JP2001296220 A JP 2001296220A JP 2001296220 A JP2001296220 A JP 2001296220A JP 2003098089 A JP2003098089 A JP 2003098089A
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Kozo Yoshikawa
孝三 吉川
Sumio Yamauchi
澄男 山内
Makio Atsumi
真喜男 厚見
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃液の発生量を抑えながらも短時間で分析結
果を得ることができる土壌中の有機系物質分析方法およ
びその装置を提供する。 【解決手段】 水、アルコール系溶媒、脂肪族系溶媒の
うちの少なくとも1種の液体2を回転テーブル11上の
試料1に添加する液体添加器21と、レーザ光101を
発振するレーザ発振器12と、試料1から発光した蛍光
102の目的とする波長領域のみ透過させる波長分離器
17a,17bと、波長分離器17a,17bからの上
記蛍光102を所定時間のみ受光するゲート機能を有す
ると共に当該蛍光102の強度を電気信号に変換する光
電子増倍管18a,18bと、光電子増倍管18a,1
8bからの信号に基づいて、各蛍光102の大きさを時
間ごとに積算するボックスカー積分器19と、ボックス
カー積分器19からの信号に基づいて、試料1中の有機
系物質の量を求める演算器20とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌中に含まれて
いるダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル類等の芳香族
系有機化合物のような有機系物質を分析する分析方法お
よびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】土壌中に含まれているダイオキシン類や
ポリ塩化ビフェニル類(PCB類)等の芳香族系有機化
合物ような有機系物質を分析する場合、従来は、土壌を
有機溶媒中に入れて、土壌中の上記有機系物質を溶媒抽
出し、土壌を取り除いた溶媒をガスクロマトグラフィ等
により分析していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにして土
壌中の有機系物質を分析すると、その抽出作業に時間が
かかってしまい(4〜8時間)、分析結果を得るまでに
長時間を有してしまうだけでなく、有機溶媒の廃液が多
く発生するため(一回当たり50〜100ml)、その
後処理に難点があった。
【0004】このようなことから、本発明は、廃液の発
生量を抑えながらも短時間で分析結果を得ることができ
る土壌中の有機系物質分析方法およびその装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ための、第一番目の発明による土壌中の有機系物質分析
方法は、所定量の土壌の試料に、水、アルコール系溶
媒、脂肪族系溶媒のうちの少なくとも1種の液体を添加
して、当該試料に紫外領域のレーザ光を照射し、当該レ
ーザ光を発振したときから第一の所定時間までの間に当
該試料から発光した蛍光の強度を求めると共に、当該レ
ーザ光を発振したときから第二の所定時間までの間に当
該試料から発光した蛍光の強度を求め、これらの蛍光強
度を比較演算することにより、土壌中の有機系物質の量
を求めることを特徴とする。
【0006】第二番目の発明による土壌中の有機系物質
分析方法は、第一番目の発明において、前記試料を回転
させながら前記レーザ光を照射することを特徴とする。
【0007】第三番目の発明による土壌中の有機系物質
分析方法は、第一番目または第二番目の発明において、
前記試料が、土壌を押し固めて成形されたものであるこ
とを特徴とする。
【0008】第四番目の発明による土壌中の有機系物質
分析方法は、第一番目から第三番目の発明のいずれかに
おいて、前記有機系物質が、ダイオキシン類、ポリ塩化
ビフェニル類等の芳香族系有機化合物であることを特徴
とする。
【0009】また、前述した課題を解決するための、第
五番目の発明による土壌中の有機系物質分析装置は、所
定量の土壌の試料に、水、アルコール系溶媒、脂肪族系
溶媒のうちの少なくとも1種の液体を添加する液体添加
手段と、前記試料に紫外領域のレーザ光を照射するレー
ザ光照射手段と、前記レーザ光照射手段からレーザ光を
発振したときから第一の所定時間までの間に前記試料か
ら発光した蛍光の強度を求める第一の蛍光強度算出手段
と、前記レーザ光照射手段からレーザ光を発振したとき
から第二の所定時間までの間に前記試料から発光した蛍
光の強度を求める第二の蛍光強度算出手段と、前記第一
の蛍光強度算出手段で求められた第一の蛍光強度と前記
第二の蛍光強度算出手段で求められた第二の蛍光強度と
を比較演算することにより、土壌中の有機系物質の量を
求める有機系物質量算出手段とを備えてなることを特徴
とする。
【0010】第六番目の発明による土壌中の有機系物質
分析装置は、第五番目の発明において、前記試料を回転
可能に保持する回転保持手段を備えたことを特徴とす
る。
【0011】第七番目の発明による土壌中の有機系物質
分析装置は、第五番目または第六番目の発明において、
前記試料が、土壌を押し固めて成形されたものであるこ
とを特徴とする。
【0012】第八番目の発明による土壌中の有機系物質
分析装置は、第五番目から第七番目の発明のいずれかに
おいて、前記有機系物質が、ダイオキシン類、ポリ塩化
ビフェニル類等の芳香族系有機化合物であることを特徴
とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による土壌中の有機系物質
分析方法およびその装置の実施の形態を図1〜3を用い
て以下に説明する。図1は、有機系物質分析装置の概略
構成図、図2は、有機系物質を含有する土壌の蛍光強度
を測定した測定結果を表すグラフ、図3は、有機系物質
を含有しない土壌の蛍光強度を測定した測定結果を表す
グラフである。なお、本発明は以下の実施の形態に限定
されるものではない。
【0014】図1に示すように、本実施の形態にかかる
土壌中の有機系物質分析装置は、ダイオキシン類やポリ
塩化ビフェニル(PCB)類等の芳香族系有機化合物の
ような有機系物質を含有する所定量の土壌の試料1を回
転可能に保持する回転保持手段である回転テーブル11
と、水、アルコール系溶媒、脂肪族系溶媒のうちの少な
くとも1種の液体を試料1に添加する液体添加手段であ
る液体添加器21と、紫外線(UV)領域の波長のレー
ザ光101を発振するレーザ発振器12と、このレーザ
発振器12からのレーザ光101を上記回転テーブル1
1上へ向けて反射させると共に当該試料1から発光した
可視領域の波長の蛍光102を透過させるダイクロイッ
クミラー13と、このダイクロイックミラー13を透過
した上記蛍光102を集光する集光レンズ14と、集光
レンズ14で集光された上記蛍光102を採光する採光
レンズ15と、採光レンズ15で採光された上記蛍光1
02を二方向へ分岐して案内する光ファイバ16a,1
6bと、これら光ファイバ16a,16bで案内された
上記蛍光102から目的とする波長領域のみを透過させ
る波長分離器17a,17bと、これら波長分離器17
a,17bからの上記蛍光102を所定時間のみ受光す
るゲート機能を有すると共に当該蛍光102の強度を電
気信号に変換する光電子増倍管(Photo-Multi Tube: P
MT)18a,18bと、PMT18a,18bからの
信号に基づいて、各蛍光102の大きさを時間ごとに積
算するボックスカー積分器19と、前記回転テーブル1
1の回転作動、レーザ発振器12のレーザ光101の発
振作動、PMT18a,18bのゲート作動、液体添加
器21からの液体2の添加をそれぞれ制御すると共に、
上記ボックスカー積分器19からの信号に基づいて、試
料1中の有機系物質の量を求める演算器20とを備えて
なるものである。
【0015】試料1は、土壌をプレスの金型等の内部に
入れて押し固めることにより(1分間程度)、所定量
(5cm3 程度)のペレット状に成形したものである。
【0016】回転テーブル11は、上面に試料1を載置
され、当該上面が回転することにより、試料1を回転さ
せることができるようになっている。
【0017】液体添加器21は、上記回転テーブル11
上の上記試料1に水、アルコール系溶媒、脂肪族系溶媒
のうちの少なくとも1種の液体2を添加する(試料1に
対して3〜30vol.%程度)ようになっている。
【0018】上記脂肪族系溶媒としては、n−ヘキサン
等が挙げられ、アルコール系溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、ブタノール、イソプロパノール(IP
A)等が挙げられる。
【0019】レーザ発振器12は、UV領域(例えば2
66nm)の波長のレーザ光101をパルス的に発振す
ることができるようになっている。
【0020】一方の波長分離器17aは、蛍光102の
うち、前記有機系物質から発光される300〜600n
mの波長領域のみ通過させるようになっている。また、
他方の波長分離器17bは、蛍光102のうち、土壌そ
のものから発光される500〜900nmの波長領域の
み通過させるようになっている。
【0021】一方のPMT18aは、前記演算器19か
らの信号に基づき、レーザ発振器12からレーザ光10
1を発振したとき(t=0)から、有機系物質からの蛍
光102の発光寿命(t=10〜100ns)の間(第
一の所定時間)まで受光するように前記ゲートが作動し
て、当該蛍光102の大きさを電気信号に変換するよう
になっている。
【0022】他方のPMT18bは、前記演算器19か
らの信号に基づき、レーザ発振器12からレーザ光10
1を発振したとき(t=0)から、土壌自身からの蛍光
102の発光寿命(t=5ms程度)の間(第二の所定
時間)まで受光するように前記ゲートが作動して、当該
蛍光102の大きさを電気信号に変換するようになって
いる。
【0023】ボックスカー積分器19は、上記PMT1
8a,18bからの信号に基づいて、各蛍光102の大
きさを時間ごとに積算して、各蛍光102の合計強度を
それぞれ求めるようになっている。
【0024】演算器20は、上記ボックスカー積分器1
9からの信号に基づいて、上記PMT18aからの蛍光
102の合計強度(第一の蛍光強度)と上記PMT18
bからの蛍光102の合計強度(第二の蛍光強度)とを
比較して、第二の蛍光強度に対する第一の蛍光強度の割
合を求めることにより、試料1中の有機系物質の量を求
めると共に、回転テーブル11の回転作動(入切や速度
等)、レーザ発振器12のレーザ光101の発振作動
(発振開始やパルス幅等)、PMT18a,18bのゲ
ート作動(開放タイミングや開放時間等)、液体添加器
20からの液体2の添加(添加量等)をそれぞれ制御す
ることができるようになっている。
【0025】このような本実施の形態では、レーザ発振
器12、ダイクロイックミラー13等によりレーザ光照
射手段を構成し、集光レンズ14、採光レンズ15、光
ファイバ16a,16b等により蛍光案内手段を構成
し、波長分離器17a、PMT18a、ボックスカー積
分器19等により第一の蛍光強度算出手段を構成し、波
長分離器17b、PMT18b、ボックスカー積分器1
9等により第二の蛍光強度算出手段を構成し、演算器2
0等により有機系物質量算出手段を構成している。
【0026】このような有機系物質分析装置を使用した
土壌中の有機系物質分析方法を次に説明する。
【0027】まず、始めに、土壌をプレスの金型等の内
部に入れて押し固めることにより(1分間程度)、所定
量(5cm3 程度)のペレット状の試料1を成形し、回
転テーブル11上に載置した後、演算器20を作動させ
ると、演算器20からの信号に基づき、回転テーブル1
1を回転させると共に、液体添加器21から液体2を試
料1に添加して含浸させる。
【0028】続いて、演算器20からの信号に基づき、
レーザ発振器12からレーザ光101(波長:266n
m)がパルス状に発振されると、当該レーザ光101
は、ダイクロイックミラー13を介して前記試料1に照
射され、前記有機系物質からの300〜600nmの波
長領域の蛍光102(図2参照)および土壌からの50
0〜900nmの波長領域の蛍光102(図3参照)が
発光し、当該蛍光102が前記ダイクロイックミラー1
3、集光レンズ14、受光レンズ15を介して光ファイ
バ16a,16b内にそれぞれ入光する。
【0029】一方の光ファイバ16a内に入光した蛍光
102は、前記波長分離器17aにより、300〜60
0nmの波長領域の成分のみ通過し、他方の光ファイバ
16b内に入光した蛍光102は、前記波長分離器17
bにより、500〜900nmの波長領域の成分のみ通
過する。
【0030】一方のPMT18aは、演算器20からの
信号に基づき、上記波長分離器17aで抽出された上記
波長領域の蛍光102のうち、レーザ発振器12からレ
ーザ光101を発振したとき(t=0)から、有機系物
質からの蛍光102の発光寿命(t=10〜100n
s)の間(第一の所定時間)まで受光するように前記ゲ
ートが作動して、当該時間の蛍光102のみの大きさを
電気信号に変換してボックスカー積分器19に送信す
る。
【0031】他方のPMT18bは、演算器20からの
信号に基づき、上記波長分離器17bで抽出された上記
波長領域の蛍光102のうち、レーザ発振器12からレ
ーザ光101を発振したとき(t=0)から、土壌自身
からの蛍光102の発光寿命(t=5ms程度)の間
(第二の所定時間)まで受光するように前記ゲートが作
動して、当該時間の蛍光102のみの大きさを電気信号
に変換してボックスカー積分器19に送信する。
【0032】ボックスカー積分器19は、上記PMT1
8a,18bからの信号に基づいて、各蛍光102の大
きさを時間ごとに積算して、各蛍光102の合計強度を
それぞれ求めた後、その結果を演算器20に送信する。
【0033】演算器20は、上記ボックスカー積分器1
9からの信号に基づいて、上記PMT18aからの蛍光
102の合計強度(第一の蛍光強度)と上記PMT18
bからの蛍光102の合計強度(第二の蛍光強度:レフ
ァレンス)とを比較して、第二の蛍光強度に対する第一
の蛍光強度の割合を求めることにより、試料1中の有機
系物質の量を算出し、その結果をモニタ等に表示する。
【0034】つまり、試料1に上記液体2を添加して、
当該試料1にレーザ光101を照射し、当該レーザ光1
01を発振したときから第一の所定時間(有機系物質の
蛍光寿命時間)までの間に当該試料1から発光した蛍光
102の強度を求めると共に、当該レーザ光101を発
振したときから第二の所定時間(土壌自身の蛍光寿命時
間)までの間に当該試料1から発光した蛍光102の強
度を求め、第一の蛍光強度(有機系物質の蛍光強度)と
第二の蛍光強度(土壌自身の蛍光強度)とを比較演算す
ることにより、土壌中の有機系物質の量を求めるように
したのである。
【0035】具体的には、試料1に上記液体2を添加せ
ずに計測すると、図3に示したような、土壌に起因する
ピークしか第二の所定時間(5ms程度)内に現れない
ものの、試料1に上記液体2を添加して計測すると、図
2に示したような、400nm前後の波長領域に芳香族
炭化水素に起因するピークが第一の所定時間(10〜1
00ns)内に現れるようになり、当該ピークに基づい
て土壌中の有機系物質を分析することができるようにな
るのである。
【0036】この理由は明らかではないが、上述したよ
うな液体を上記試料に添加すると、試料中の土壌の粒子
間に上記液体が全体にわたって浸入し、当該粒子の表面
に付着している有機系物質と試料の表面との間に当該液
体による光路が形成されて、試料表面側と試料内部側と
の間での光のやりとりが試料全体にわたってまんべんな
くでき、また、アルコール系溶媒や脂肪族系溶媒が添加
されると、試料中の土壌の粒子間に全体にわたって浸入
した当該溶媒が、当該粒子の表面に付着している有機系
物質を溶解して粒子表面から上記光路中に有機系物質を
引き出して、有機系物質に対するUVの照射および有機
系物質からの蛍光の発光がより効率的になり、さらに、
添加される液体がアルコール系溶媒であると、前記粒子
との高い親和性により当該粒子とムラなく馴染み、光路
が均一に形成されやすくなって、有機系物質に対するU
Vの照射および有機系物質からの蛍光の発光がより確実
になるためと推察される。
【0037】このため、本実施の形態では、従来に比べ
て、有機溶媒の使用量(一回当たり0〜2ml程度)が
非常に少なくて済むと共に、土壌の採取から分析結果を
得るまでの時間(約10〜20分間)が大幅に短縮され
る。
【0038】したがって、本実施の形態によれば、有機
溶媒の廃液の発生量を抑えながらも短時間で分析結果を
得ることができる。
【0039】また、試料1を回転させながらレーザ光1
01を照射するようにしたので、試料1の局所的な変化
(含液率等)を抑制することができ、より正確に測定す
ることができる。
【0040】また、土壌を押し固めて試料を成形してい
るので、一定量とすることが容易にでき、試験の再現性
を向上させることができると共に、単位体積当たりの量
を多くすることができ、検出感度の向上を図ることがで
きる。
【0041】なお、上記液体に例えば芳香族系溶媒(例
えばベンゼン、トルエン、キシレン等)やカルボニル基
含有溶媒(例えば、アセトン、酢酸等)を使用すると、
当該液体に起因するピークが400nm前後に観測され
てしまうため、好ましくない。
【0042】また、上記試料への前記液体の添加量とし
ては、水の場合には、当該試料中に水が10〜25vol.
%含有されるように水を添加し、アルコール系溶媒や脂
肪族系溶媒の場合には、試料に対して3〜30vol.%添
加すると好ましい。なぜなら、アルコール系溶媒や脂肪
族系溶媒の試料に対する添加量が30vol.%を超える
と、試料が当該溶媒を含有しきれなくなってしまい、3
vol.%未満であると、その効果がほとんどなくなってし
まい、試料中の水の含有量が上記範囲以外であると、蛍
光強度の向上をあまり発現することができないからであ
る。
【0043】また、前記有機系物質としては、ダイオキ
シン類やポリ塩化ビフェニル類(PCB類)等のような
ハロゲン化芳香族系有機化合物などが挙げられるが、芳
香族系有機化合物(例えば潤滑油や切削油等)であれ
ば、上述と同様にして分析することができる。
【0044】また、本実施の形態では、波長分離器17
a,17bを用いたが、これに代えて、分光器を用いる
ことを可能である。
【0045】また、本実施の形態では、ボックスカー積
分器19を用いたが、これに代えて、ICCDを用いる
ことも可能である。
【0046】
【発明の効果】第一番目の発明による土壌中の有機系物
質分析方法は、所定量の土壌の試料に、水、アルコール
系溶媒、脂肪族系溶媒のうちの少なくとも1種の液体を
添加して、当該試料に紫外領域のレーザ光を照射し、当
該レーザ光を発振したときから第一の所定時間までの間
に当該試料から発光した蛍光の強度を求めると共に、当
該レーザ光を発振したときから第二の所定時間までの間
に当該試料から発光した蛍光の強度を求め、これらの蛍
光強度を比較演算することにより、土壌中の有機系物質
の量を求めることから、有機溶媒の使用量が非常に少な
くて済むと共に、土壌の採取から分析結果を得るまでの
時間が大幅に短縮されるので、有機溶媒の廃液の発生量
を抑えながらも短時間で分析結果を得ることができる。
【0047】第二番目の発明による土壌中の有機系物質
分析方法は、第一番目の発明において、前記試料を回転
させながら前記レーザ光を照射するので、試料の局所的
な変化(含液率等)を抑制することができ、より正確に
測定することができる。
【0048】第三番目の発明による土壌中の有機系物質
分析方法は、第一番目または第二番目の発明において、
前記試料が、土壌を押し固めて成形されたものであるの
で、一定量とすることが容易にでき、試験の再現性を向
上させることができると共に、単位体積当たりの量を多
くすることができ、検出感度の向上を図ることができ
る。
【0049】第四番目の発明による土壌中の有機系物質
分析方法は、第一番目から第三番目の発明のいずれかに
おいて、前記有機系物質が、ダイオキシン類、ポリ塩化
ビフェニル類等の芳香族系有機化合物であるので、上述
した効果を確実に得ることができる。
【0050】第五番目の発明による土壌中の有機系物質
分析装置は、所定量の土壌の試料に、水、アルコール系
溶媒、脂肪族系溶媒のうちの少なくとも1種の液体を添
加する液体添加手段と、前記試料に紫外領域のレーザ光
を照射するレーザ光照射手段と、前記レーザ光照射手段
からレーザ光を発振したときから第一の所定時間までの
間に前記試料から発光した蛍光の強度を求める第一の蛍
光強度算出手段と、前記レーザ光照射手段からレーザ光
を発振したときから第二の所定時間までの間に前記試料
から発光した蛍光の強度を求める第二の蛍光強度算出手
段と、前記第一の蛍光強度算出手段で求められた第一の
蛍光強度と前記第二の蛍光強度算出手段で求められた第
二の蛍光強度とを比較演算することにより、土壌中の有
機系物質の量を求める有機系物質量算出手段とを備えて
なることから、有機溶媒の使用量が非常に少なくて済む
と共に、土壌の採取から分析結果を得るまでの時間が大
幅に短縮されるので、有機溶媒の廃液の発生量を抑えな
がらも短時間で分析結果を得ることができる。
【0051】第六番目の発明による土壌中の有機系物質
分析装置は、第五番目の発明において、前記試料を回転
可能に保持する回転保持手段を備えたので、試料の局所
的な変化(含液率等)を抑制することができ、より正確
に測定することができる。
【0052】第七番目の発明による土壌中の有機系物質
分析装置は、第五番目または第六番目の発明において、
前記試料が、土壌を押し固めて成形されたものであるの
で、一定量とすることが容易にでき、試験の再現性を向
上させることができると共に、単位体積当たりの量を多
くすることができ、検出感度の向上を図ることができ
る。
【0053】第八番目の発明による土壌中の有機系物質
分析装置は、第五番目から第七番目の発明のいずれかに
おいて、前記有機系物質が、ダイオキシン類、ポリ塩化
ビフェニル類等の芳香族系有機化合物であるので、上述
した効果を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による土壌中の有機系物質分析装置の実
施の形態の概略構成図である。
【図2】有機系物質を含有する土壌の蛍光強度を測定し
た測定結果を表すグラフである。
【図3】有機系物質を含有しない土壌の蛍光強度を測定
した測定結果を表すグラフである。
【符号の説明】
1 試料 2 液体 11 回転テーブル 12 レーザ発振器 13 ダイクロイックミラー 14 集光レンズ 15 採光レンズ 16a,16b 光ファイバ 17a,17b 波長分離器 18a,18b 光電子増倍管(PMT) 19 ボックスカー積分器 20 演算器 21 液体添加器 101 レーザ光 102 蛍光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 厚見 真喜男 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2G043 AA03 BA14 CA06 DA01 DA06 EA01 FA03 GA07 GB19 HA01 HA05 HA09 KA01 KA02 KA03 KA05 KA08 KA09 LA02 NA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定量の土壌の試料に、水、アルコール
    系溶媒、脂肪族系溶媒のうちの少なくとも1種の液体を
    添加して、当該試料に紫外領域のレーザ光を照射し、当
    該レーザ光を発振したときから第一の所定時間までの間
    に当該試料から発光した蛍光の強度を求めると共に、当
    該レーザ光を発振したときから第二の所定時間までの間
    に当該試料から発光した蛍光の強度を求め、これらの蛍
    光強度を比較演算することにより、土壌中の有機系物質
    の量を求めることを特徴とする土壌中の有機系物質分析
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記試料を回転させながら前記レーザ光を照射すること
    を特徴とする土壌中の有機系物質分析方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 前記試料が、土壌を押し固めて成形されたものであるこ
    とを特徴とする土壌中の有機系物質分析方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかにおい
    て、 前記有機系物質が、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニ
    ル類等の芳香族系有機化合物であることを特徴とする土
    壌中の有機系物質分析方法。
  5. 【請求項5】 所定量の土壌の試料に、水、アルコール
    系溶媒、脂肪族系溶媒のうちの少なくとも1種の液体を
    添加する液体添加手段と、 前記試料に紫外領域のレーザ光を照射するレーザ光照射
    手段と、 前記レーザ光照射手段からレーザ光を発振したときから
    第一の所定時間までの間に前記試料から発光した蛍光の
    強度を求める第一の蛍光強度算出手段と、 前記レーザ光照射手段からレーザ光を発振したときから
    第二の所定時間までの間に前記試料から発光した蛍光の
    強度を求める第二の蛍光強度算出手段と、 前記第一の蛍光強度算出手段で求められた第一の蛍光強
    度と前記第二の蛍光強度算出手段で求められた第二の蛍
    光強度とを比較演算することにより、土壌中の有機系物
    質の量を求める有機系物質量算出手段とを備えてなるこ
    とを特徴とする土壌中の有機系物質分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記試料を回転可能に保持する回転保持手段を備えたこ
    とを特徴とする土壌中の有機系物質分析装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6において、 前記試料が、土壌を押し固めて成形されたものであるこ
    とを特徴とする土壌中の有機系物質分析装置。
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7のいずれかにおい
    て、 前記有機系物質が、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニ
    ル類等の芳香族系有機化合物であることを特徴とする土
    壌中の有機系物質分析装置。
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