JP2003096562A - マグネトロンスパッタ装置 - Google Patents

マグネトロンスパッタ装置

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JP2003096562A
JP2003096562A JP2001292328A JP2001292328A JP2003096562A JP 2003096562 A JP2003096562 A JP 2003096562A JP 2001292328 A JP2001292328 A JP 2001292328A JP 2001292328 A JP2001292328 A JP 2001292328A JP 2003096562 A JP2003096562 A JP 2003096562A
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Toshinori Segawa
利規 瀬川
Yoshinori Kurokawa
好徳 黒川
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価でマッチャなどのスペースを要する高周
波電源回路を用いなくても、比較的容易にプラズマ密度
向上を図り得るようにする。 【解決手段】 基板と該基板に対向する基板対向カソー
ドとを備え、基板対向カソードの表面側にエロージョン
領域を発生させるように、中央磁石と中央磁石を取り囲
む周辺磁石とを基板対向カソードの裏面側に配置し、そ
のエロージョン領域に発生するプラズマによってスパッ
タリングを行い、発生したスパッタ粒子を基板に到達さ
せてスパッタ成膜するようにしたマグネトロンスパッタ
装置において、基板対向カソードの表面側の周囲に、周
辺カソードを配置し、周辺カソードの裏面側に、中央磁
石の磁極とは反対の磁極が基板対向カソードの中央側に
向くように、補強磁石を配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能薄膜を成膜す
るマグネトロンスパッタ装置に関わる。特には、ITO
などの透明導電膜成膜において、低抵抗で透光性を有す
る良質な皮膜を形成できるマグネトロンスパッタ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶や太陽電池に用いられる透明性導電
膜は、低抵抗化が強く望まれており、ITO(Indi
um Tin Oxide)など酸化物に代表される透
明性導電膜が一般に使用されている。ITOの比抵抗
は、In23結晶で形成されるバンドギャップを埋める
導電体(キャリア)の形成とこのキャリアの移動度によ
り決まる。皮膜内のキャリア密度は、形成皮膜における
許容酸素欠損濃度及びターゲット組成によるSn置換濃
度により決まり、移動度は皮膜の結晶性により決まり、
スパッタ膜においては、所定の適当な密度のSnを含有
したターゲット材(In23+10%SnO2 が一般)
を用い微量酸素を添加しつつ、スパッタ過程での排気に
よる欠損酸素を補いつつ最適化を行うことで、透明性の
ある低比抵抗の皮膜を形成している。尚、皮膜形成温度
は、皮膜使用環境の許容される室温〜300℃である。
【0003】近年、アクティブマトリクス構造の液晶な
どでは、従来のガラス基板においてもパターン化素子の
許容温度制約の改善、並びに、最終製品のフレキシブル
性や軽量化の観点から樹脂基板への置き換えが検討され
ており、低温での低比抵抗ITO成膜技術の出現が望ま
れている。透明性に重要な膜厚制御などの皮膜制御性の
観点から、カソードとアノード間でAr放電プラズマを
形成し、カソード周辺で加速されるArイオンでカソー
ドを叩き、スパッタ現象にて飛散するスパッタ粒子で皮
膜を形成するスパッタ成膜が主流になりつつある。
【0004】このスパッタ成膜においては、カソードに
Arイオンが照射された瞬間に飛散するターゲット内の
酸素は、強い電気陰性度から負イオンとなり易く、成膜
を行う0.1Paレベルの高真空領域では、カソード周
辺のシース電界により加速された高速負イオンが基板ま
で容易に到達し、この衝撃により成膜の結晶性劣化を引
き起こして比抵抗の悪化を来すことが課題とされてき
た。図7は従来のマグネトロンスパッタ装置を示してい
る。このマグネトロンスパッタ装置は、同図に示すよう
に、基板51と該基板51に対向する基板対向カソード
52とを備え、基板対向カソード52を直流電源53に
より駆動すると共に、基板対向カソード52の表面側に
円形もしくはリング状にエロージョン領域54を発生さ
せるように、中央磁石55と中央磁石55を取り囲む周
辺磁石56とを基板対向カソード52の裏面側に配置
し、そのエロージョン領域54に発生するプラズマによ
ってスパッタリングを行い、発生したスパッタ粒子を基
板51に到達させてスパッタ成膜するようにしている。
【0005】しかし、この従来のマグネトロンスパッタ
装置では、磁場強さは基板対向カソード52から遠ざか
るに従い弱まるため、磁場勾配ドリフト効果により基板
対向カソード52周辺のトラップ電子は拡散消失し、高
密度のプラズマ形成に限界があった。従来のマグネトロ
ンスパッタ装置では、前述の酸素負イオン(高エネルギ
ーの)基板入射の存在から、低抵抗で透光性を有する良
質な皮膜を形成することが困難であった。そこで、上記
成膜の結晶性劣化を引き起こして比抵抗が悪化する現象
を低減する技術として、カソードヘの印加電圧として、
DC(直流電源)にRF(高周波電源)を重畳させた
「低電圧スパッタ法」によるカソードDC電圧低下によ
る高速負イオンの低減が提案され、実用化されている
(例えば特開平3−249171号公報)。
【0006】カソード電流Iは、プラズマのシース理論
から I=0.61*N*e*(k*Te/Mi)1/2 *S で決まり、Nはプラズマ密度、eは電子の負荷、kはボ
ルツマン定数、Teは電子温度、Miはイオン質量、S
は電極面積である。すなわち、プラズマ密度Nが増加す
ると電流が増加する、これはプラズマが導体に近づきプ
ラズマインピーダンスが下がったことを意味する。今、
定電力Wにてカソードに電力を供給した場合、形成され
るプラズマ密度が増加すれば、カソード電圧Vとの関係
は、W=V*Iであり、増加電流分だけカソード電圧V
は低下する。
【0007】ある磁場を形成したマグネトロンソースの
プラズマ形成密度は、ガス種(電離電圧)と圧力(衝突
周波数)、カソード種類(2次電子放出係数)などの状
態に対して、一意に決まり、各プラズマソースによりこ
のW−V特性は決定されることになる。即ち、負イオン
のエネルギーを低減するべく加速電圧となるカソード電
圧を下げることとは、プラズマ密度を上げられるプラズ
マソースを提供することと同義と言えるものである。上
記のRF重畳技術は、プラズマシースに磁場でのサイク
ロトロン運動で保持された電子が消失しない高い周波数
でカソードシースを振動させて吸収領域を増大させるこ
とで、プラズマ密度の向上を図った技術と考えられる。
また、RF重畳は、プラズマ電位の上昇を引起し、接地
レベルの基板(対向するアノードに相当)とプラズマ間
でのバイアス電圧を発生させ、カソードで加速された負
イオンがアノード側で減速されることで、衝突エネルギ
ーを減少せしめる効果もあるものと考えられる。
【0008】しかし、上記のRF重畳技術は、高周波を
用いており、高周波電源以外にもマッチャーを必要と
し、その分コスト上昇が避けられず、また、高周波電源
は、電源素子の許容及び電力伝送系のロスなどから大電
力化は技術的にも価格的にも向き難い。更に、高周波方
式は、ターゲットに対向するガラス、フィルムなどの絶
縁基板側へも相当の高周波電流を誘発し、プラズマ電位
変動との積となるプラズマ加熱も加わるため基板側の温
度上昇が生じ易く、制御された成膜の低温化を擾乱する
という問題があった。
【0009】他に、高速酸素負イオン衝撃を減らす方法
として、対向スパッタがある。これは、対向するスパッ
タ源に対して側方に基板を配置させ、入射する負イオン
の方向成分を限定させ、負イオン衝撃を減らす方法であ
る(例えば、電子情報通信学会論文誌 C Vol.J
83−C No.8 pp.715−722 2000
年8月<スパッタ法によるITO薄膜の低温成膜法の検
討(東京工芸大学)>に開示されている)。しかし、こ
の方法は、負イオン衝撃を減らせるメリットある一方
で、基板へ到達するスパッタ粒子も減らすため、成膜効
率が悪い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑み、高価でマッチャなどのスペースを要する高周波電
源回路を用いなくても、比較的容易にプラズマ密度向上
を図り得るようにしたものである。また、ITOなどの
負イオン照射が膜質劣化を引き起こす用途においては、
容易にプラズマ密度向上を図ることでカソードのスパッ
タ電圧を下げ、膜質劣化を軽減するようにしたものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を解決す
る本発明の技術的手段は、基板と該基板に対向する基板
対向カソードとを備え、基板対向カソードの表面側にエ
ロージョン領域を発生させるように、中央磁石と中央磁
石を取り囲む周辺磁石とを基板対向カソードの裏面側に
配置し、そのエロージョン領域に発生するプラズマによ
ってスパッタリングを行い、発生したスパッタ粒子を基
板に到達させてスパッタ成膜するようにしたマグネトロ
ンスパッタ装置において、基板対向カソードの表面側の
周囲に、周辺カソードを配置し、周辺カソードの裏面側
に、中央磁石の磁極とは反対の磁極が基板対向カソード
の中央側に向くように、補強磁石を配置している点にあ
る。
【0012】この場合、基板に対向する基板対向カソー
ドの中央より出る磁力線の一部は、周辺に配置した周辺
カソードに向かい、この磁力線にサイクロトロン運動で
拘束される電子は、両者カソードの負電位で反射されト
ラップされることでプラズマ密度の増加に寄与する。ま
た、基板対向カソードの中央より出る磁力線の一部は、
基板対向カソードの外周部の周辺磁石に向かい、従来同
様の円形もしくはドーナッツ状にエロージョンを発生さ
せるマグネトロンスパッタとして寄与する。両者の合計
としてプラズマ密度の向上が図られる。更に、配置の工
夫で基板対向カソードに平行に近い磁場を与え易く、よ
り高密度のプラズマを得易い。尚、周辺カソードの面積
は基板対向カソードの面積に比べ小さくし、スパッタ成
膜は主に基板対向カソードからスパッタされるスパッタ
粒子を用いることで、比較的効率よくスパッタ成膜が行
え、プラズマ密度向上の結果としてカソード電圧が下が
り、負イオン衝撃の影響を低減できる効果がある。
【0013】本発明の他の技術的手段は、前記基板対向
カソードと周辺カソードとを別電源により駆動するよう
にした点にある。この場合、例えば、基板対向カソード
並びに周辺カソードを最も安価でハンドリングが容易な
DC別電源にて駆動させ、基板対向カソードと周辺カソ
ードとでのトラップ効果によりプラズマ密度を向上させ
た場合、周辺カソードの入力電力を増大させると、周辺
カソードの電圧はより負にシフトするが、この場合に発
生する負イオンは、周辺カソードが基板と直角方向を向
いているため、基板へのイオン衝撃影響は低減したま
ま、よりプラズマ密度向上が図られ、負イオン衝撃の影
響を軽減しつつ、基板対向カソードによるスパッタ粒子
を主体とする、効率的で安価なスパッタ成膜が可能とな
る。
【0014】本発明の他の技術的手段は、前記周辺カソ
ードの補強磁石を、磁極の向きを傾斜変更させるよう
に、回転調整自在とした点にある。この場合、周辺カソ
ードの裏面に配置される磁石を回転させることで、カソ
ード部から基板側へ向かう磁力線の形状を調整でき、基
板へのプラズマ照射量ないしはプラズマ照射分布を調整
することができる。これにより、基板成膜の均一性確保
並びに基板へのプラズマ照射による膜質向上を容易に行
うことができる。本発明の他の技術的手段は、前記基板
対向カソード及び周辺カソードを駆動する電源に、直流
電源、パルス電源又は高周波電源を用いた点にある。
【0015】この場合、プラズマ密度向上が容易に図れ
るため、絶縁物のスパッタでもレート向上ができる。本
発明の他の技術的手段は、前記基板対向カソードを駆動
する電源又は周辺カソードを駆動する電源の一方を高周
波電源又はパルス電源とし、他方を直流電源とした点に
ある。この場合、プラズマ電位変動によるシース面の移
動からDC電源側で効率良いプラズマ吸収が起こり、プ
ラズマ密度を向上できる。
【0016】本発明の他の技術的手段は、前記中央磁
石、周辺磁石又は補強磁石の少なくとも一方を、コイル
ないしは鉄心相当を含む電磁石により構成した点にあ
る。この場合、磁場の変動を電流調整により任意に行
え、エローションの進展に伴い、徴調整も可能となる。
尚、前述の直流電源は、アーク抑制用のパルス重畳DC
電源が望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基いて説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実
施の形態を示している。この実施の形態におけるマグネ
トロンスパッタ装置は、真空チャンバ1内に、スパッタ
によって成膜される基板2が設けられ、ITO、シリコ
ン、アルミ、チタン等からなる基板対向カソード3が基
板2に対向するように配置されている。基板対向カソー
ド3は円板状に形成され、基板対向カソード3の表面側
の周囲に、周辺カソード4がリング状に設けられてい
る。基板対向カソード3と周辺カソード4とは一体に形
成されていて、両者で中央を掘り込んだ有底円筒状に形
成されている。
【0018】基板対向カソード3の裏面側に、中央磁石
7と中央磁石7を取り囲む周辺磁石8とが設けられてい
る。中央磁石7は基板対向カソード3の裏面の中央に1
個配置され、周辺磁石8は、基板対向カソード3の裏面
の外周部に、等間隔をおいて複数個環状に配置されてい
る。また、中央磁石7は基板対向カソード3に対しS極
を向け、各周辺磁石8は中央磁石7とは逆に基板対向カ
ソード3に対しN極を向けた状態で設置されており、中
央磁石7及び周辺磁石8によって、基板対向カソード3
の表面側に円形もしくはリング状にエロージョン領域9
を発生させるように構成されている。
【0019】そして、基板対向カソード3の表面側がタ
ーゲット11とされ、エロージョン領域9に発生するプ
ラズマによってターゲット11のスパッタリングを行
い、発生したスパッタ粒子を基板2に到達させてスパッ
タ成膜するようになっている。なお、12は中央磁石7
及び各周辺磁石8を固定するヨークである。周辺カソー
ド4の裏面(外周面)側には、補強磁石13が設けられ
ている。補強磁石13は周辺カソード4の外周面に、等
間隔をおいて複数個リング状に配置され、各補強磁石1
3は、基板対向カソード3の中央磁石7の磁極とは反対
の磁極(N極)が基板対向カソード3の中央側に向くよ
うに設置され、中央磁石3の磁力線は周辺カソード4の
補強磁石13にも収束するようになっている。
【0020】基板対向カソード3及び周辺カソード4に
は、DC(直流)電源15が接続され、マグネトロン放
電により高密度のプラズマが形成される。基板対向カソ
ード3、周辺カソード4及び各磁石7,8、13は、図
示しない冷却ジャケット構造にて冷却されるようになっ
ている。上記実施の形態によれば、図示省略の真空ポン
プを駆動させ、真空チャンバ1内を所定の真空度とし、
図示省略の放電ガス供給源から放電ガスを真空チャンバ
1内に供給する。そして、DC電源15により基板対向
カソード3、周辺カソード4に負電圧を印加することに
より、ターゲット1の表面で上記した磁界によって放電
され、エロージョン領域9におけるスパッタリングによ
って、ターゲット11からのスパッタ粒子が基板2に到
達し、基板2表面には薄膜が形成される。
【0021】この際、円形若しくは環状のエロージョン
領域9を形成する磁力線17に沿う磁場強度より、補強
磁石13とで形成される磁力線18に沿う磁場強度を強
く設定すると、磁場勾配のドリフト効果により基板対向
カソード3側により電子がトラップされ ホローカソー
ド効果も寄与して高密度プラズマが得易くなる。尚、直
流電源は、アーク抑制(ターゲット表面の凸起部などに
電流が集中しアーク放電に移行する)ための負のパルス
重畳機能を有するパルス重畳型DC電源が採用されてい
る。
【0022】従って、高価でマッチャなどのスペースを
要する高周波電源回路を用いることなく、比較的容易に
プラズマ密度の向上を図ることができ成膜レートの向上
が図れる。また、ITOなどの負イオン照射が膜質劣化
を引き起こす用途においては、プラズマ密度向上によ
り、基板対向カソード3のスパッタ電圧を容易に下げる
ことができ、膜質劣化を軽減することができる。図3
は、本発明の第2の実施の形態を示している。基板対向
カソード3と周辺カソード4とは別体(独立)に形成さ
れ、基板対向カソード3にDC電源15が接続され、周
辺カソード4には、基板対向カソード3用のDC電源1
5とは別の、周辺カソード4用のDC電源19が接続さ
れており、それぞれの基板対向カソード3及び周辺カソ
ード4に対し独立に電力供給を可能にしている。その他
の点は前記実施の形態の場合と同様の構成である。
【0023】図4は、本発明の第3の実施の形態を示し
ている。図3の第2の実施形態の場合と同様に、基板対
向カソード3と周辺カソード4とは別体(独立)に形成
され、基板対向カソード3にDC電源15が接続され、
周辺カソード4には、基板対向カソード3用のDC電源
15とは別の、周辺カソード4用のDC電源19が接続
されている。そして、周辺カソード4の裏面に配置され
た補強磁石7は、中央の支軸21を支点に回転調整自在
に支持されており、補強磁石7を回転調整することによ
り、磁極の向きを傾斜変更させるように、補強磁石7を
支軸21廻りに任意の角度に傾けて固定できるように構
成されている。これにより、基板対向カソード3及び周
辺カソード4の周辺での磁力線の配置を大きく変動させ
ることなく、基板2側での磁力線の形状が変わり、基板
2の処望領域への拡散プラズマ量が制御でき、基板2へ
の均質プラズマ処理が可能となる。その他の点は前記実
施の形態の場合と同様の構成である。
【0024】図5は、本発明の第4の実施の形態を示し
ている。基板対向カソード3と周辺カソード4とは別体
(独立)に形成され、基板対向カソード3にDC電源1
5が接続され、周辺カソード4には、基板対向カソード
3用のDC電源15とは別の、高周波電源22がマッチ
ング回路23を介して接続されている。その他の点は前
記実施の形態の場合と同様の構成である。その他、高周
波電源以外には、パルス電源との組み合わせもある。こ
の場合、周辺カソード4には、プラズマ電位は高周波電
場で変動し、DC電源15を接続した基板対向カソード
3のプラズマ密度の向上を図ることができる。
【0025】図6は、本発明の第5の実施の形態を示し
ている。基板2に対向する基板対向カソード3が、長尺
の長方板形状に形成され、周辺カソード4は、基板対向
カソード3の幅方向両側に一対設けられていて、それぞ
れ基板対向カソード3の長手方向に沿うように配置さ
れ、基板対向カソード3の周囲を囲みきらない構造にな
っている。ただし、有効成膜幅には、前述のマグネトロ
ン効果が十分働き、所定のカソードスパッタ電圧の低下
と成膜均一性が確保できる簡便な構造である。当然より
閉じ込め効率を向上させるには、基板対応カソード3の
周囲を囲みきる構造が望ましいが、本実施の形態は、構
造上、よりシンプルな構成とできる点で有利であるもの
である。
【0026】また、中央磁石7は基板対向カソード3の
裏面側の幅方向中央に、基板対向カソード3の長手方向
に沿う細長い形状とされ、周辺磁石8は中央磁石7の周
囲を取り囲むように環状に形成されて、基板対向カソー
ド3の裏面に設けられている。補強磁石13は周辺カソ
ード4に沿う細長い形状とされて、一対の周辺カソード
4に対応して一対設けられ、各補強磁石13は各周辺カ
ソード4の裏面(外側面)側に配置されている。また、
前記図3の第2の実施の形態の場合と同様に、周辺カソ
ード4は基板対向カソード3とは別体(独立)に形成さ
れ、基板対向カソード3にDC電源15が接続され、周
辺カソード4には、基板対向カソード3用のDC電源1
5とは別の、周辺カソード3用のDC電源19が接続さ
れている。その他の点は前記図1及び図2の第1の実施
の形態の場合と同様の構成である。
【0027】なお、前記図3の第2の実施の形態等で
は、基板対向カソード3にDC電源15が接続されると
共に、周辺カソード4にもDC電源19が接続され、ま
た前記図5の第4の実施の形態では、基板対向カソード
3にDC電源15が接続され、周辺カソード4に高周波
電源22がマッチング回路23を介して接続されている
が、これらに代え、基板対向カソード3に高周波電源を
マッチング回路を介して接続すると共に、周辺カソード
4にDC電源を接続するようにしてもよい。また、基板
対向カソード3と周辺カソード4との両方に、それぞれ
別個に高周波電源をマッチング回路を介して接続するよ
うにしてもよい。さらに、基板対向カソード3と周辺カ
ソード4との両方に、互いに共通の高周波電源をマッチ
ング回路を介して接続するようにしてもよい。
【0028】また、前記中央磁石7、周辺磁石8及び補
強磁石13は、それぞれを永久磁石により構成するよう
にしてもよいし、また、中央磁石7、周辺磁石8及び補
強磁石13の少なくとも一方を、コイルないしは鉄心相
当を含む電磁石により構成するようにしてもよい。ま
た、前記図1〜図5に示す実施の形態では、中央磁石7
を取り囲む周辺磁石8は、基板対向カソード3の裏面の
外周部に、等間隔をおいて複数個環状に配置されている
が、これに代え、図6の実施の形態の場合と同様に、リ
ング状の周辺磁石8を中央磁石7を取り囲むように設け
るようにしてもよい。また、前記図1〜図5に示す実施
の形態では、補強磁石13は周辺カソード4の外周面
に、等間隔をおいて複数個リング状に配置されている
が、これに代え、リング状の補強磁石13を周辺カソー
ド4の外周面に外嵌するように設けるようにしてもよ
い。
【0029】また、前記実施の形態では、中央磁石7は
基板対向カソード3に対しS極を向け、各周辺磁石8は
中央磁石7とは逆に基板対向カソード3に対しN極を向
けた状態で設置されているが、これに代え、逆に中央磁
石7を基板対向カソード3に対しN極を向け、各周辺磁
石8を中央磁石7とは逆に基板対向カソード3に対しS
極を向けた状態で設置するようにしてもよく、この場合
には、各補強磁石13を、基板対向カソード3の中央磁
石7の磁極(N極)とは反対の磁極であるS極が基板対
向カソード3の中央側に向くように設置すればよい。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、高価でマッチャなどの
スペースを要する高周波電源回路を用いなくても、比較
的容易にプラズマ密度向上を図り得るようになる。ま
た、ITOなどの負イオン照射が膜質劣化を引き起こす
用途においては、容易にプラズマ密度の向上によるカソ
ードのスパッタ電圧を下げ、膜質劣化を軽減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す概略断面図で
ある。
【図2】同概略底面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す概略断面図で
ある。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す概略断面図で
ある。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す概略断面図で
ある。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す概略断面図で
ある。
【図7】従来例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2 基板 3 基板対向カソード 4 周辺カソード 7 中央磁路 8 周辺磁路 9 エロージョン領域 13 補強磁石 15 DC電源 19 DC電源 22 高周波電源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と該基板に対向する基板対向カソー
    ドとを備え、基板対向カソードの表面側にエロージョン
    領域を発生させるように、中央磁石と中央磁石を取り囲
    む周辺磁石とを基板対向カソードの裏面側に配置し、そ
    のエロージョン領域に発生するプラズマによってスパッ
    タリングを行い、発生したスパッタ粒子を基板に到達さ
    せてスパッタ成膜するようにしたマグネトロンスパッタ
    装置において、 基板対向カソードの表面側の周囲に、周辺カソードを配
    置し、周辺カソードの裏面側に、中央磁石の磁極とは反
    対の磁極が基板対向カソードの中央側に向くように、補
    強磁石を配置していることを特徴とするマグネトロンス
    パッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記基板対向カソードと周辺カソードと
    を別電源により駆動するようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載のマグネトロンスパッタ装置。
  3. 【請求項3】 前記周辺カソードの補強磁石を、磁極の
    向きを傾斜変更させるように、回転調整自在としたこと
    を特徴とする請求項1に記載のマグネトロンスパッタ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記基板対向カソード及び周辺カソード
    を駆動する電源に、直流電源、パルス電源又は高周波電
    源を用いたことを特徴とする請求項1に記載のマグネト
    ロンスパッタ装置。
  5. 【請求項5】 前記基板対向カソードを駆動する電源又
    は周辺カソードを駆動する電源の一方を高周波電源又は
    パルス電源とし、他方を直流電源としたことを特徴とす
    る請求項2に記載のマグネトロンスパッタ装置。
  6. 【請求項6】 前記中央磁石、周辺磁石又は補強磁石の
    少なくとも一方を、コイルないしは鉄心相当を含む電磁
    石により構成したことを特徴とする請求項1に記載のマ
    グネトロンスパッタ装置。
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