JP2003093070A - 分裂酵母のRap1遺伝子及びタンパク質 - Google Patents

分裂酵母のRap1遺伝子及びタンパク質

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JP2003093070A
JP2003093070A JP2001294808A JP2001294808A JP2003093070A JP 2003093070 A JP2003093070 A JP 2003093070A JP 2001294808 A JP2001294808 A JP 2001294808A JP 2001294808 A JP2001294808 A JP 2001294808A JP 2003093070 A JP2003093070 A JP 2003093070A
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rap1
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taz1
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Yuji Chikashige
裕次 近重
Yasushi Hiraoka
泰 平岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分裂酵母の系で減数分裂において、テロメア
とこれに関わるRap1、Taz1というタンパク質が重要な役
割を果たしていることが知られている。減数分裂の時期
にテロメアは互いに集合して、紡錘極体と密接な位置関
係をとる。このテロメアの局在化のためにはタンパク質
Rap1、Taz1が非常に関わっていることが推察されてき
た。本発明ではRap1タンパク質の全長遺伝子をクローニ
ングし、形態観察や遺伝子破壊株の作成により減数分裂
におけるRap1タンパク質の役割について明らかにした。 【解決手段】 Rap1のテロメアへの結合は、Taz1との相
互作用を介しており、Rap1タンパク質は減数分裂におい
て重要なテロメアの集合化に関与していることが示され
た。分裂酵母におけるRap1-Taz1の関係はヒトのrap1-TR
F2の関係と非常によく似ており、ヒトのモデル細胞とし
て分裂酵母の系を研究することで、ヒトの細胞分裂機構
解明への進展を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分裂酵母のテロメ
アに関連するRap1タンパク質の遺伝子配列及び当該タン
パク質の機能に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、テロメアは真核生物の核内ゲ
ノムなどの線状染色体が持つ末端部分に相当する機能構
造体で、グアニンに富む単純配列の繰り返し構造から成
ることが知られている。その役割については、正常体細
胞では、細胞分裂のたびにテロメア長が短小化すること
が知られており、加齢に伴う細胞の老化、腫瘍化との関
連が指摘されている。また、テロメアは減数分裂の際に
も必要とされており、2つの役割が指摘されている。第
1に、減数分裂前期において、酵母、昆虫、植物及びヒ
トでテロメアクラスターが形成されることが示されてい
る。第2に、相同染色体の対合が起こり、遺伝子の乗り
換えが起こることに関与している(Y.Hiraoka,Meitoic
telomeres:a matchmaker for homologus chromosomes.G
enes Cells.3,405-413,1998)。ヒトではテロメアに関
連するタンパク質として、TRF1,TRF2,tankya
se, TIN2,Rap1が発見されている。これらの内、
減数分裂に関与するタンパクとしては、TRF1,TR
F2,tankyase, Rap1が減数分裂期の細胞でテロメア
に相互作用している。
【0003】この内、Rap1はヒトと出芽酵母ではクロー
ニングされている。ヒトでは、Rap1タンパク質は、繰
り返し構造をもつテロメアに直接結合するTRF2に結
合することで、間接的にテロメアに結合している。その
一方で、出芽酵母ではRap1が直接に、結合しているこ
とが知られている。
【0004】分裂酵母のRap1の遺伝子配列は、その一部
の遺伝子配列が、分裂酵母の遺伝子データーベース(EM
BL/Genbank/DDBJ)に、1998年3月23日に612アミ
ノ酸のタンパクとして、機能不明のまま登録されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年分裂酵母の系で減
数分裂において、テロメアとテロメアに関わるRap1、Ta
z1というタンパク質が重要な役割を果たしていることが
明らかにされてきた。分裂酵母において接合後、減数分
裂を始める前に核が接合した細胞内で激しく動き回るホ
ールテール運動という現象を起こす。この時期にテロメ
アはたがいに集合して、核運動を先導する紡錘極体と密
接な位置関係をとることがわかっている。このテロメア
の局在化のためにはタンパク質Rap1、Taz1が非常に関わ
っていることが推察されてきた。本研究ではRap1タンパ
ク質の全長をクローニングし、形態観察や遺伝子破壊株
の作成により減数分裂におけるRap1タンパク質の役割に
ついて明らかにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、分裂酵母 Sch
izosaccharomyces pombeのRap1の遺伝子配列の全長をク
ローニングして明らかにした。さらに、テロメアとの結
合性などの機能及び、減数分裂の際の役割・機能を、形
態観察やRap1の遺伝子破壊株を作成することで明らか
にした。
【0007】本発明のタンパク質は、配列番号1に示さ
れる1番から693番のアミノ酸配列を含むタンパク
質、または配列番号1のアミノ酸において、1もしくは
数個のアミノ酸が欠損、置換、挿入もしくは付加された
アミノ酸配列からなり、分裂酵母が有糸分裂をする際の
テロメアのクラスター化に関わる分裂酵母Rap1タンパク
質である。
【0008】本発明の遺伝子は、上記タンパク質をコー
ドするDNAやその相補的配列ならびにこれらの配列の一
部または全部を含むDNAや上記DNAと80%以上の相同性を
有するDNAである。また、本発明のタンパク質をコード
するDNAとしては、前記したタンパク質をコードするDNA
としては、いかなるものであってもよい。またゲノムDN
A、cDNA、合成DNA、RNA、cRNAのいずれでもよい。
【0009】本発明の発現ベクターは、上記いずれかに
記載のDNAを有する発現ベクターである。本発明におい
て好ましい発現ベクターは、染色体に結合していない環
状2本鎖DNAループであるプラスミドである。本発明の発
現ベクターは、Rap1をコードするDNA配列を適当な宿主
細胞(大腸菌、酵母、昆虫細胞及び動物細胞等)の染色
体に組み込むことにも利用できる。
【0010】本発明の形質転換体は、上記発現ベクター
により形質転換された形質転換体である。形質転換され
る宿主細胞としては、原核細胞および真核細胞の両方が
挙げられる。例えば、大腸菌株DH5α、分裂酵母Schizos
accharomyces pombe、出芽酵母Saccharomyces cervisia
e、昆虫細胞Spodoptera、COS7細胞、ヒト皮膚線維芽細
胞などが挙げられる。これを形質転換する方法、すなわ
ち上記ベクターを宿主細胞に導入する方法は既知であり
多くの成書(例えば、Maniatis,T.,MolecularCloning :
A laboratory Manual, 第2版(COLD SPRING HARBO R
LABORATORY PRESS 1989))に記載されているので、そ
れらに従って行うことができる。
【0011】本発明の抗体は、上記タンパク質を認識す
る。抗体の作製方法については既知であり、例えばRap1
を認識する抗体を産生させ得る該タンパク質のペプチド
断片を免疫源とし、マウス、ラット、ウサギ及びヤギな
どの動物を免疫して、その血清由来の抗体(ポリクロー
ナル抗体)を作製することができる。好ましい実施態様
によれば、上記抗体は単クローン抗体である。単クロー
ン抗体の作製方法についても既知であり、免疫した動物
の脾臓またはリンパ節から細胞を採取し、ミエローマ細
胞などの細胞と、ポリエチレングリコール(PEG)など
により細胞融合させてハイブリドーマを作製した後、該
ハイブリドーマからモノクローナル抗体を作製すること
が出来る。
【0012】本発明の上記タンパク質をコードするDNA
とハイブリダイズするDNAの検出法は、該DNA若しくはRN
Aを含む試料若しくは含むと推定される試料に、上記配
列を有するDNAをハイブリダイズさせてその特異性若し
くは反応性を検出する工程を含む方法である。上記配列
を有するDNAをプローブとして用いる場合、検出する指
標としては、該ハイブリダイズの結果生成するハイブリ
ットの量(有無)あるいはその生成条件などが挙げられ
る。具体的方法としては例えば、サザンブロッティン
グ、ノーザンブロッティング、in situハイブリダイゼ
ーションなどが挙げられる。使用するプローブは、上記
配列を有するDNAを32PなどのRIまたはビオチンなどで
標識したものを用いることが出来る。
【0013】また、上記配列を有する核酸分子をPCR用
プライマーとして用いる場合、検出する指標としては、
該PCR反応により増幅される増幅産物の量(有無)が挙
げられる。具体的方法としては例えば、PCR−SSOP(Seq
uence-Specific Oligonucleotide Probe)法、PCR-RFLP
(Restriction Fragment Length Polymorphism)法、PC
R-SSP(Sequence-Specific Primer)法、PCR-SSCP(Sin
gle Strand Conformation Polymorphism)法のような方
法が挙げられる。
【0014】本願発明の請求項11に記載する上記タン
パク質の機能を阻害または促進する物質のスクリーニン
グ方法を説明する。すなわち前記スクリーニング法は、
上記タンパク質若しくはそのペプチド断片を含む試料
に、該阻害または促進する物質を含むと推定される試料
を加えてその結合性若しくは反応性を測定する工程を含
む方法である。前記スクリーニング法において用いられ
るタンパク質若しくはペプチド断片は、本発明において
見出されたタンパク質が元来有している生物学的機能を
保持する範囲でその必要な領域を含むものであればよ
い。測定する指標としては、該結合反応の結果生成する
複合体若しくは分解物の量あるいはその生成速度の増加
または減少などが挙げられるが、該結合反応により誘発
される生物作用を測定することも含まれる。本方法では
主に上記タンパク質の機能を阻害または促進する化合物
のスクリーニングを行える。
【0015】また、請求項12に記載の発明は、上記タ
ンパク質の機能を阻害若しくは促進する物質、すなわち
上記タンパク質と該タンパク質に結合可能なタンパク質
との結合反応を阻害または促進する物質のスクリーニン
グ法を提供するものである。前記スクリーニング法は、
上記タンパク質と該タンパク質に結合可能なタンパク質
との結合反応系に、該反応を阻害または促進する物質を
含むと推定される試料を加えて、その結合性若しくは反
応性を測定する工程を含む方法である。前記スクリーニ
ング法において用いられるタンパク質は、該結合反応に
必要な領域を含むものであればそれらタンパク質の断片
あるいは変異体であってもよい。測定する指標として
は、該結合反応の結果生成するタンパク質複合体の量あ
るいはその生成速度の増加または減少などが挙げられる
が、該結合反応により誘発される生物作用を測定するこ
とも含まれる。また、Rap1の全部または一部をGST(Glu
tathione S-transferase)やMBP(Maltose binding pro
tein)などの融合タンパク質を生成し、組織や細胞のホ
モジネイトからPull down assay(免疫沈澱法による結
合タンパク質の検索方法の一種)を行ってもよい。他に
も、細胞内で上記タンパク質、例えばRap1と結合するタ
ンパク質は、出芽酵母あるいは動物細胞において2種の
タンパク質の相互作用を検出することのできるyeast tw
o-hybrid法(Fields, S. et al., Nature 340:245-246,
1989)又は同様の方法を哺乳類培養細胞で行う方法に
より探索することが出来る。前記yeast two-hybrid法に
関しては市販のキットを用いればよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明におけるRap1タンパク質の
cDNAのクローニング方法について説明する。発明者
らが以前に作成した分裂酵母 Schizosaccharomyces pom
beのGFP付きライブラリー遺伝子の内、細胞核内に局
在する遺伝子は、100あまりある。この遺伝子群のア
ミノ酸配列を検証すると、出芽酵母のRap1タンパク質の
アミノ酸配列と相同性を有する遺伝子があることが判明
した。しかし、作成したライブラリーのRap1タンパク質
の遺伝子は、C末端側を含んでいなかったので、改めて
Rap1タンパク質の全長の遺伝子をPCRでクローニング
した。
【0017】分裂酵母からのゲノムの単離について説明
する。対数増殖後期の培地500mlを集菌し、TE buffer
(10mM Tris-HCl緩衝液,1mM EDTA, pH 7.5)で洗浄後、L
ysisI buffer (15mlの20mM クエン酸−リン酸緩衝液、1
M ソルビトール、0.2mg/mlザイモリエース100-T、5mg/m
l NovoエンザイムSP234)に懸濁し、36℃にて1−2時
間撹拌する。次いで、酵母の細胞壁が消化して、プロト
プラスト化した細胞を、15mlのLysisII buffer(50mM E
DTA, 50mM Tris-HCl緩衝液,pH 7.5),1% Triton X-100
に懸濁して、溶菌させる。この懸濁液を遠心分離(300
×g, 20min, 4℃)し、上清を回収し、再度その上清を
遠心分離(8000×g, 20min, 4℃)して、そのペレット
を回収する。次に、このペレット(核分画を含む)を5
mlのLysisIII buffer(300mM NaCl,50mM EDTA, 50mM Tr
is-HCl緩衝液, 100ug/ml プロティナーゼK)に懸濁
し、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を最終濃度が1
%になるように加える。50℃にて5時間以上保温した
後に、フェノール抽出を2回行う。抽出液の2倍量のエ
タノールでDNAを沈殿させ、遠心してペレットを得
る。70%エタノールでペレットを洗浄後、200ul〜500
ulのTE bufferに懸濁する。この方法により、500ml培
養から200ugのゲノムDNAを回収できる。PFG電気
泳動法により50kb程度のDNAが回収できることが知ら
れている。
【0018】上記方法により得られたゲノムDNAをテ
ンプレートに用いて、PCRクローニングを行った。Ra
p1タンパク質の全長の遺伝子を2分割して、C末側の14
03bp(806ntから2208nt)の遺伝子とN末側の2894bp(-
685ntから1978nt)と分けて、それぞれクローニングを
行った。C末側の遺伝子のクローニングは、プライマー
TA14-Hind(配列番号3)とプライマーTA14-Bam
(配列番号4)を用いてPCRを行った。そのプログラ
ムは、94℃で2分を1サイクルした後、94℃で15秒、40
℃で30秒、68℃で2分の温度変化を25サイクル行い、
その後、72℃で4分処理するように設定した。そのPC
R反応液の組成は、10×Pfx Amplification Bufferを5
ul、2.5mMのdNTP mixtureを6ul、50mM MgSO4を1ul、5
0uMのPrimer mixを1ul、100ngのTemplateDNA(上記
のゲノムDNA)を1ul、及びPLATINUM Pfx DNA Polyme
rase(Invitrogen)を1ulを入れ、最終容量を50ulとな
るように、Autoclaved, distilled waterで調整する。
PCRで目的のrap1遺伝子が増幅されたことを、電気泳
動して確認した。
【0019】PCR産物は、フェノール・クロロホルム
抽出して、遠心でエタノール沈殿した後に、70%エタ
ノールでペレットを洗浄後、TE bufferに懸濁して保
存する。これを、制限酵素BamH1で37℃で1時間以上
消化した後に、ゲルで電気泳動させた後、BamH1処理後
のクローニングした遺伝子を回収した。一方で、pCST13
プラスミドを、BamH1とSma1で処理した後、精製してT
E bufferに懸濁して保存する。次いで、このPCR産
物をプラスミドに、Ligation kit(Takara)を用いて、16
℃で1時間処理することにより挿入させた。PCR産物
がプラスミドに挿入されたものを含むLigation反応液の
一部を、大腸菌のコンピテントセル(JM109,Takara)
に、42℃で45秒の処理により形質転換させた。pCST13
にはアンピシリンのマーカーを有するので、トランスホ
ームした大腸菌を、アンピシリンが含まれるLB寒天培
地に蒔いた。この培地を37℃で8時間以上置くと、複
数のコロニーが観察される。このコロニーには、目的遺
伝子が挿入されたpCST13を有するか、又は遺伝子が挿入
されないpCST13がそれぞれ存在することとなる。ここ
で、目的遺伝子のrap1のC末側の遺伝子が挿入されたpC
ST13を得るため、少なくとも4個以上のコロニーをピッ
クアップし、それぞれ液体培地で培養し、プラスミドを
単離した。このプラスミドをPst1とBamH1で消化し、電
気泳動のパターンを観察することで、目的遺伝子を有す
るプラスミドであるか確認し、当該プラスミド(pYC721
と命名)をサブクローニングした。このプラスミドは、
その後のクローニング作業で用いた。
【0020】次に、N末側のrap1遺伝子のクローニング
について説明する。プライマーTA14-Pst(配列番号
5)とプライマーTA14-Bam(配列番号6)を用いてP
CRを行った。そのプログラムは、94℃で2分を1サイ
クルした後、94℃で15秒、40℃で30秒、68℃で2分30秒
の温度変化を25サイクル行い、その後、72℃で4分処
理するように設定した。PCR反応液は、C末側のクロ
ーニングと同様である。PCRによる増幅を電気泳動で
確認後、このPCR産物をフェノール・クロロホルムで
精製し、TE bufferに懸濁して保存する。この精製し
たPCR産物及び挿入されるプラスミドpRK405を制限酵
素Pst1で消化した。上述のようにLigation kit(Takara)
を用いて、pRK405にrap1のN末側の遺伝子を挿入し(サ
ブクローニング)したプラスミド(pYC724と命名)を得
た。
【0021】次いで、pYC721のSma1サイトの外側(プラ
スミド由来の配列)にあるPst1からrap1遺伝子の1978nt
のPst1までを取り除いて、その部分にpYC724からrap1遺
伝子の-685ntから1978ntまでのPst1断片を挿入する。こ
れにより、rap1遺伝子の-685ntから2208ntがプラスミド
に挿入され、全長のrap1遺伝子のクローニングが完成す
る。このクローンの遺伝子配列の解析は、T3(配列番
号7)、T7(配列番号8)TA14-ATG(配列番号9)、
TA14-R1(配列番号10)、TA14-Nde(配列番号11)
及び TA14-Hind(配列番号12)の各種シークエンスプ
ライマーを用いることにより行った。本発明でクローニ
ングされた分裂酵母のrap1遺伝子の全長cDNAの遺伝
子配列を配列番号2に示す。また、その遺伝子配列から
予想されるアミノ酸配列を配列番号1に示す。
【0022】次に、Rap1タンパク質の構造について説明
する。配列番号1に記載したアミノ酸配列の内、5番目
Pheから105番目Valまでは、BRCT ドメインを指す。
このBRCT ドメインとは、最初BRCA1というガン抑制遺伝
子の一つでみつかったタンパク質のモチーフで、機能と
しては、タンパク質とタンパク質の相互作用に関与する
と考えられている。DNA修復関係のタンパク質に多く見
られる。122番目Argから176番目Leuまでは、Myb
ドメインを指す。このMyb ドメインとは、mybというガ
ン遺伝子でみつかったDNA結合モチーフの一つで、これ
を持っているタンパク質はこれを介してDNAに直接結合
する場合が多い。Rap1の場合は、出芽酵母では、Mybド
メインを介して直接テロメアDNAに結合する。671番
目Lysから688番目Tyrまでは、核局在シグナルを指
す。
【0023】また、図1にヒト、分裂酵母及び出芽酵母
のRap1のアミノ酸配列の比較を示した。ヒトのRap1は3
99アミノ酸であり、出芽酵母は827アミノ酸であ
り、本発明による分裂酵母はRap1は693アミノ酸であ
る。それぞれのタンパクは、BRCT ドメイン、Myb ドメ
イン及び核局在シグナルをN末側から順に有する。アミ
ノ酸配列の比較により、分裂酵母はBRCT ドメインにお
いて、ヒトとは18%の相同性を、出芽酵母とは16%の相
同性を持ち、Myb ドメインにおいては、ヒトとは20%の
相同性を、出芽酵母とは22%の相同性を持つことがわか
った。
【0024】次に、本発明でクローニングした分裂酵母
のRap1タンパク質の機能について説明する。「従来の技
術」で説明したように、ヒトのRap1タンパク質はTRF2
タンパク質を介してテロメアと結合し減数分裂に重要な
役割を果たすことが知られているが、ヒトと同じような
モデルが考えられる分裂酵母のRap1タンパク質において
も、テロメアと結合するか否か検討した。分裂酵母で
は、テロメアと結合するヒトのTRF1やTRF2とホ
モロジーが高く、同一の機能を有しているTaz1タンパク
質が知られている。そこで、Taz1タンパク質とRap1タン
パク質が分裂酵母内で結合しているか蛍光顕微鏡下で調
べた。減数分裂前期の分裂酵母において、テロメアは、
紡錘極体(spindle-pole body)の近くに局在してい
る。紡錘極体(SPB)とは、高等生物の中心体に相当す
るものであり、分裂酵母が接合後、減数分裂を開始する
前に核が接合した細胞内で激しく動き回るホールテール
運動を起こすが、その核の動きを先導するものである。
Taz1遺伝子とRap1遺伝子にGFP(Green fluorescent
protein)の遺伝子を付加して、分裂酵母内で発現させ
た。SPBは、SPBマーカーとして良く使用されるan
ti-Sad1抗体を用いた。酵母は、以下のように処理をし
て、蛍光免疫染色を行った。酵母の免疫染色方法は、酵
母をホルムアルデヒドとグルタルアルデヒドの混液で処
理し(固定作業)た後、ザイモリエースとノボザイムに
より消化し細胞壁に穴をあける。処理した酵母をPBS等
で洗い、適当な濃度に希釈した1次抗体溶液に、この処
理した酵母を一定時間漬け、これをPBS等で洗い非特異
的に結合した抗体を除去する。次に、1次抗体に対する
2次抗体(蛍光物質が結合した抗体)で処理して、再度
PBS等で洗い非特異的に結合した抗体を除去する。最後
に蛍光脱色を防止する薬剤溶液で処理して、蛍光顕微鏡
で観察する。結果は、Taz1タンパク質とRap1タンパク質
がそれぞれSPBに共局在していることが酵母細胞内で
示された。Taz1タンパクは、51個の細胞中49個で確
認され、Rap1タンパク質は48個の全ての細胞で確認さ
れた。また、Taz1タンパク質とRap1タンパク質の共局在
も27個の細胞の全てにおいて確認された。すなわち、
減数分裂前期に細胞核が細胞内を往復運動する際に、テ
ロメアがSPBとクラスターを形成する部分に、Taz1タ
ンパクとRap1タンパクが共局在していることが示され
た。
【0025】さらに、この2種のタンパク質の結合性を
酵母Two-hybrid法を用いて確認した。分裂酵母のTaz1遺
伝子とRap1遺伝子をそれぞれ、pGBKT,pGADTに挿入し、p
GBKT−Taz1、pGADT−Taz1、pGBKT−Rap1、pGADT−Rap1
を作成した。酵母Two-hybrid法は、このように2種類の
発現ベクターに、それぞれbait,target(ベート、ター
ゲット)となる遺伝子を挿入し、酵母細胞核内でこれら
のタンパクを発現させる。仮に、この2つのタンパク質
が結合すると、特定の転写因子が発現され、それに続く
特定のタンパク質が発現される。このタンパク質の発現
により、酵母のコロニーに着色される又は、栄養欠損培
地でも増殖できるようにして、細胞内でのタンパク質の
結合の有無が確認できるものである。
【0028】において記載されたTaz1タンパク質とRap1
タンパク質の共局在を確認するためにこの実験が行われ
た。
【0026】図2は、本発明による酵母Two-hybrid法の
結果を示した。この場合は、タンパク質同士の結合があ
ると、アミノ酸の1つのアデニン(ade)が欠乏している
培地でも酵母が発育する。右側の培地はアデニンが含ま
れた通常の培地でのコントロール実験である。左側の培
地は、タンパク結合実験を示す。ベクターのみとRap1若
しくはTaz1の組み合わせでは、細胞内で何らのタンパク
結合はないので、酵母の生育は見られない。一方で、Ra
p1とTaz1の組み合わせでは、タンパク結合があり、酵母
の生育が見られる。また、Rap1とRap1同士でも酵母の生
育が見られ、多量体を作ることが示唆される。
【0027】次に、分裂酵母のRap1の機能を明らかにす
るために、分裂酵母のRap1遺伝子の破壊株を作成した。
一般的に酵母において遺伝子破壊株を作製する場合,相
同組み換えによる形質転換法が用いられる。相同組み換
えとは,ある頻度で配列の同じところで組み換えを起こ
して,染色体の標的部位でDNAの入れ替わりが起こるこ
とである。ここでは、PCR-based gene targetting meth
odを用いた。rap1遺伝子をura4+栄養選択マーカーで置
換することによって破壊株を作製した。ura4+栄養選択
マーカーを含むDNA断片を、プライマーTA14-NAE5(配列
番号13に示す)及びプライマーTA14-NAE3(配列番号
14)を用いて合成し,塩化リチウム法(Moreno et al.
795-823,194,Methods Enzymol,1991)によりdiploid
細胞CRL169/CRL699に導入した。想定した組み換えが起
きているかをPCR及びサザンハイブリダイゼーションに
より確認した。PCRでは,ura4+栄養選択マーカーを増幅
させるプライマーを用いて,PCRを行い,DNAが増幅する
か否かにより確認できる。またサザンハイブリダイゼー
ションは,実施例で詳述するが、例えば以下の様な方法
で行えばよい。先ず上記形質転換体よりDNAを調整す
る。次に、このDNAを適当な制限酵素で消化し、アガロ
ースゲルまたはポリアクリルアミドゲルなどのゲル電気
泳動にかけてナイロンメンブランフィルターにブロッテ
ィング(転写)する。ここでプローブとしては、例えば
rap1を適当な制限酵素で消化した断片を32PなどのRIま
たはビオチンなどで標識したものを用いることができ
る。そしてこのプローブと前記フィルターとをハイブリ
ダイズさせ、洗浄後、オートラジオグラフィーを行えば
よい。この結果よりRap1タンパク質は有糸分裂成長には
不可欠なものではないことがわかった。
【0028】上述したrap1遺伝子破壊株、taz1遺伝子破
壊株及び野生株の酵母のテロメアDNAの伸長をサザン
ブロット法を用いて確認した(図3)。上述した方法に
より、酵母からゲノムDNAを単離して、制限酵素Apa1
で8時間以上処理する。その処理したゲノムDNAを、
アガロースゲルで電気泳動した後に、アルカリ変性をさ
せる。次いで、このゲルの泳動パターンをナイロン膜に
吸着、固定する。テロメアリピート配列を持つDNAの
プローブにペルオキシダーゼを付加させ、この膜とハイ
ブリダイゼーションさせる。これに発光基質を作用させ
ることで各酵母のテロメアDNAが検出される。図3に
結果を示すが、rap1遺伝子破壊株においてtaz1遺伝子破
壊株と同程度のテロメアの伸長が示された。
【0029】また、分裂酵母の野生株、taz1遺伝子欠損
株、rap1遺伝子欠損株、taz1、rap1両方の遺伝子を欠損
させた細胞を比較した所、これらは全て栄養増殖可能で
あるが、各遺伝子欠損株ではテロメアが伸長することが
わかった。
【0030】次に、分裂酵母のrap1遺伝子破壊株(Δra
p1)による胞子形成能を示した。それぞれの細胞を胞子
形成培地へ移して26度で48時間後の酵母の様子を位相
差顕微鏡で観察した(図4)。ここでいう胞子形成培地
とは、分裂酵母の場合はビタミンミネラルなど、もしく
は麦芽エキスを含み、窒素源を含まないかもしくは窒素
源が非常に少ない培地のことである。野生型では、それ
ぞれの子嚢に同じ大きさの4個の胞子(以下芽胞は同じ
意味を示す)が出来たが、変異株では、正常に4個の胞
子が出来ている子嚢があまりなく、胞子を作くらない、
4個作っていても大きさに大小があるなど、ノーマルな
4個の胞子を作らなかった。減数分裂において、rap1遺
伝子破壊株(Δrap1)は正常な芽胞を形成することが出
来なかった。
【0031】taz1遺伝子破壊株(△taz1)についても同
様に、位相差顕微鏡で観察した。4つの胞子を含んだ子
嚢の数が、Rap1が存在する細胞(n=115)では78%ある
のに対し、Rap1も欠損させた細胞では8%と少ない値を
示した。random spore analysis(ランダム胞子分析実
験)においては生育可能な芽胞は81%から7%まで減少
した。細胞を胞子形成培地に移したとしてもすべての細
胞が子嚢をつくるわけではなく、全体としては細胞と子
嚢の混在したものである。これらに細胞壁を破壊する酵
素を処理すると、細胞と子嚢が破壊されて、細胞は死
に、子嚢はこわれて、中から胞子が出てくる。この酵素
によって胞子は破壊されないのでこれによって全体から
胞子だけが選択できる。これを適当な培地に希釈してま
いて培養し、胞子を発芽させてそれぞれのコロニーの性
質を調べる実験をここでいうrandomspore analysisと呼
ぶ。それぞれのコロニーは1個の胞子が発芽してできた
ものであるから一つのクローンということができるが、
多数の子嚢の混在したものから、ただ胞子をばらばらに
しただけであるからrandomと呼ぶことになっている。こ
れに対して、1個の子嚢からできる4個の胞子を、子嚢
ごとに、分取して発芽させ解析することをtetrad analy
sis(四分子分析)という。これより、Taz1、Rap1どちら
かの遺伝子の欠損は有糸分裂成長には少しの影響しか与
えないが、胞子形成には大きな欠陥を引き起こすことが
わかった。
【0032】分裂酵母のRap1の遺伝子破壊株(Δrap1)
の減数分裂前期核における、紡錘極体とテロメア、Taz1
タンパク質とテロメア、紡錘極体とTaz1タンパク質のそ
れぞれの局在を蛍光顕微鏡下で観察した。前述の通り、
野生株の酵母においては、テロメア、紡錘極体、Taz1タ
ンパク質及びRap1タンパク質は、いずれも共局在してい
る。紡錘極体とテロメアの減数分裂前期核における局在
をしらべたところ、Δrap1株では、観察した65個の核
のうち、野生株と同様の共局在を示したのは6個(9%)
の核においてのみであり、残りの核(91%)において
は、テロメアは紡錘極体近傍へシングルクラスターを形
成せず、様々な場所に散在していた。
【0033】次にΔrap1株におけるテロメアとTaz1タン
パク質の共局在について調べた。減数分裂前期核80個
で合わせて270個のTaz1-GFPタンパク質の局在を示す
スポットが観察され、このうち96%がテロメアと共局
在していた。これらの結果は、Δrap1株では、Taz1タン
パク質はテロメアへ局在することはできるが、こうして
できたテロメア-Taz1タンパク質複合体が紡錘極体と共
局在できなくなっていることをしめしている。このこと
をさらに確かめるために、紡錘極体蛋白質Sad1と赤色蛍
光蛋白質の融合蛋白質(Sad1-DsRed)とTaz1-GFPとを用
いて、rap1遺伝子欠損株におけるテロメア(Taz1-GFPが
結合と考えられる)と紡錘極体の局在を生きた細胞中で
観察した。生育している細胞を継続観察することで、野
生株においては、減数分裂前期、紡錘極体が細胞内を往
復運動し、テロメア(Taz1-GFP)も紡錘極体と供に移動す
ることがはっきりと示される。一方、rap1遺伝子欠損株
においては、野生株と同様に紡錘極体は細胞内を往復運
動するものの、このとき、テロメアは紡錘極体と行動を
ともにせず、紡錘極体とは離れた場所に散在したままで
あることがわかった。以上の結果から、Rap1タンパク質
は、Taz1タンパク質のテロメアへの局在には必須ではな
いが、テロメア-Taz1複合体が紡錘極体近傍へクラスタ
ーを形成する際に必須の機能を担っていることが明らか
となった。
【0034】次に分裂酵母のRap1タンパク質のテロメア
への局在にTaz1タンパク質が必要であるか調べるため
に、taz1遺伝子破壊株の減数分裂前期におけるRap1の局
在を測定した。これらの細胞において、61個の減数分裂
前期核の中39個(64%)でRap1-GFPは拡散していて特定
の部位への局在がみられなかった。(図5)。残りの核
においては、20個(33%)でRap1-GFPが一箇所に集ま
り、2個の核(3%)で二箇所にRap1-GFPが集合してい
た。以前の報告(P.Cooper,Y.Watanabe,P.Nurse,Nature
392,828(1998))より、taz1遺伝子欠損株では減数分裂
前期、野生株と異なり、テロメアが1カ所にクラスター
しないことが知られている。我々は、taz1欠損株におい
て、減数分裂前期、Rap1-GFPがシングルスポットを形成
している細胞について、テロメアの局在を調べた。観察
した57個の細胞の内、野生株と同様にテロメアがシング
ルクラスターを形成していたのは3個にすぎず(データ
示さず)、残る54個の核においては、3〜8個(平均4.
6)のテロメアシグナルが観察された。そしてこれらの
テロメアシグナルの大半はRap1-GFPのスポットから離れ
て観察された。以上の結果から、Rap1タンパク質はTaz1
が無いと、テロメアに局在することが出来ないことがわ
かった。taz1遺伝子欠損株にみられる表現型が、Taz1を
介したRap1のテロメアへの局在の欠如に基づくとすれ
ば、taz1遺伝子欠損株の表現型がrap1遺伝子欠損株のそ
れと似ている理由がよく説明される。
【0035】Rap1-GFPが単独スポットを示すtaz1遺伝子
欠損株において、Rap1-GFPが紡錘極体へ局在しているか
調べるために、taz1欠損細胞においてSad1-DsRedを発現
させることで紡錘極体の位置を観察した。Rap1-GFPシグ
ナルが単独に見える細胞21個のうち20個において、ホー
ルテール運動の際に移動している核の端の部分に存在す
る紡錘極体とRap1-GFPシグナルが共に局在していること
がわかった。これにより、Taz1遺伝子欠損株において、
いくつかのRap1は紡錘極体へ局在することが出来ること
がわかった。Taz1欠損細胞においてRap1が紡錘極体の所
で単一のスポットを形成した場合、Rap1スポットはしば
しば(54個中50個で)テロメアのスポットと共に局在す
る。一方、ほとんどのtaz1欠損細胞では減数分裂前期に
おいて、Rap1-GFPシグナルは拡散し、拡散したRap1は紡
錘極体の方へは移動しないようにみえる。これらの観測
より、ある一つのモデルが立てられる。即ちTaz1という
のはRap1が効率的にテロメアへ局在するのに必要である
が、しかしTaz1が無くてもある頻度ではRap1はテロメア
に結合することが出来、いったんテロメアに結合したRa
p1はTaz1が無くても紡錘極体へ局在できると考えられる
のである。
【0036】この可能性を検証するために、Taz1 Myb D
NA結合部位(Taz1Mybと命名)を含むTaz1のC末端側16
7残基のアミノ酸を、Rap1に融合させたタンパク質を作
成した。Taz1 Mybフラグメントはテロメアに結合する
が、Rap1には結合しない(図2)。また、taz1遺伝子の
みを欠損した細胞においてはTaz1Mybを発現させても紡
錘極体でのテロメアの集合は起こらない(図6)。一
方、Rap1-Taz1Myb融合蛋白質をtaz1、rap1遺伝子を両方
欠損させた細胞で発現させた場合、テロメアは紡錘極体
近傍にしばしば局在する。taz1遺伝子、rap1遺伝子を両
方欠損させた細胞でRap1-GFP-Taz1Myb融合蛋白質を発現
させた場合、56%の核において全てのテロメアが紡錘極
体に局在している現象が観察された(図6)。この頻度
は、taz1遺伝子、rap1遺伝子を両方欠損させた細胞にお
いてRap1-GFPを発現させた場合の2%や、taz1遺伝子の
みを欠損させた細胞においてGFP-Taz1Mybを発現させた
場合の7%に比べると非常に高い値である(図6)。taz
1遺伝子、rap1遺伝子を両方欠損させた細胞における芽
胞の形成や生育は、Rap1-Taz1Myb融合蛋白質の発現によ
って大分改善される。これらの結果から、分裂酵母のRa
p1タンパク質のテロメアへの結合は、テロメアの集合、
減数分裂の進行において重要な条件であることがわか
る。
【0037】
【発明の効果】本発明は、分裂酵母 Schizosaccharomyc
es pombeのRap1の遺伝子配列の全長をクローニングして
明らかにした。また、テロメアとの結合性などの機能及
び、減数分裂の際の役割・機能を、形態観察やRap1の遺
伝子破壊株を作成することで、分裂酵母のRap1タンパク
質と出芽酵母のRap1タンパク質の間の、二つの大きな違
いを明らかにした。分裂酵母のRap1は栄養増殖において
は不可欠なものではないが、出芽酵母のRap1は転写調整
に一つの役割を果たしており、栄養増殖においては不可
欠なものである。そして、分裂酵母のRap1のテロメアへ
の結合はTaz1に大きく依存しているが、出芽酵母のRap1
は直接テロメアへ結合することが出来る。したがって、
分裂酵母におけるRap1-Taz1の関係はヒトのrap1-TRF2の
関係と非常によく似ていることがわかった(図7)。我
々の結果は次の事も示している。分裂酵母のRap1のテロ
メアへの結合は、天然では、Taz1との相互作用を介し
て、また、人工的にTaz1 DNA結合部位を融合させること
によっても可能となり、いずれの場合も分裂酵母におけ
る減数分裂の進行を確実なものとする。Rap1のテロメア
への結合の様式が種の間で違うとしても、Rap1分子自体
が酵母とヒトにおいて保存されており、それらがいずれ
も減数分裂期テロメアへ局在することは、分裂酵母減数
分裂に見出されたRap1の重要な役割が、真核生物の間で
保存されていることを示している。Rap1タンパク質は分
裂酵母減数分裂において重要なテロメアの集合化に関与
しており、この分野の研究を進めることで、減数分裂と
テロメアといった細胞の老化、ガン化との関連が指摘さ
れている細胞分裂制御機構についての研究の進展を図る
ことができる。分裂酵母におけるRap1-Taz1の関係はヒ
トのrap1-TRF2の関係と非常によく似ており、ヒトのモ
デル細胞として分裂酵母の系を研究することで、ヒトの
細胞分裂機構解明への進展を図ることができる。
【0038】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110>Kansai Advanced Research Center,Commnucations Research Center/ Japan Science and Technology Corporation <120>A gene encoding yeast Schizosaccharomyces pombe rap1 <160>16 <210> 1 <211> 693 <212> PRT <213> yeast Schizosaccharomyces pombe <400> Met Ser Phe Thr Phe5 Thr Lys Ser Asp Gly10 Ser Ser Ile Leu Phe15 Ala Val Ser Lys Asn20 Phe Glu His Ile Arg25 Gly Phe Lys Asn Ala30 Ile Asp Cys Phe Lys35 Gly Lys Ile Glu Phe40 Leu Ser Phe Asp Lys45 Val Asp Pro Thr Lys50 His Asp Tyr Tyr Leu55 Val Ala Glu Asp Glu60 Arg Val Ser Asp Leu65 Asp Ile Pro Lys Gly70 Phe Phe Glu Arg Asn75 Pro Glu Phe Arg His80 Lys MET Leu Lys Ile85 Ala Trp Ile Thr Gln90 Cys Ile Glu Gln Gly95 Lys Leu Leu Pro Thr100 Glu Ser Phe Glu Val105 Glu Leu Asn Gln Asp110 Asp Val Asn Arg Thr115 His Asp Gly Phe Arg120 Lys Arg Glu Leu Phe125 Thr Leu Glu Asp Glu130 Lys Ile Leu Ile Asp135 His Val His Lys Asn140 Asp Ile Asn Arg Phe145 Gly Thr Lys Val Tyr150 Glu Glu Leu Ala Arg155 Lys Tyr Pro Gln His160 Ser Leu Glu Ser Trp165 Arg Gln His Tyr Lys170 Tyr MET Lys Lys Arg175 Leu Pro Pro Val Ser180 Asp Ser Asp Glu Ser185 Asn Tyr Cys Gln Arg190 Ile Ile Val Lys Pro195 Tyr Ser Ser Gln Lys200 Asp Tyr Thr Gln Ser205 Thr His Glu Gln Thr210 Leu Ser Ser Pro Ile215 Ser Lys Ser Ala Ser220 Val Ser Lys Ser Glu225 Asn Lys Ala Leu Val230 Asn Asn Lys Arg Tyr235 Ser Asp Ser Tyr Phe240 Tyr Phe Ser Lys MET245 Arg Arg Ile Ser Ile250 Asp Val Asp Tyr Val255 Asp Glu Asp Leu Asn260 Leu Ile Asn Ala Tyr265 Leu Ser Gln Phe Gly270 Lys Lys Arg Ser Leu275 Asn Glu Leu Cys Ala280 Leu Leu Ser Arg Arg285 Phe Ser Asn Arg His290 Thr Phe Ser Glu Trp295 Arg Ala Leu Phe MET300 His Phe Phe Pro Phe305 Ile Asn Ser Glu Gly310 Val Asp Pro Ala Ile315 Leu Ser Asp Arg Glu320 Thr Ser Ala MET Leu325 Asp Glu Thr Ser Asp330 Asn Glu Val Ala Asp335 Ile Asp Asp Gln MET340 Ile Glu Arg Lys Tyr345 Leu Phe Ser Ala Ser350 Glu Pro Asn Thr Val355 Lys Ser Thr Asn Arg360 Leu Ile Phe Ser Glu365 Arg Lys Ala Tyr Ala370 Ala Asp Asp Ser Ile375 Asp Asn Thr Pro Ser380 Lys Val Pro Ile Val385 Asn Ser Leu Ser Asp390 Pro Arg Thr Asn Arg395 Pro Phe Phe Tyr Ser400 Asn Pro Asp Ser MET405 Tyr Arg Ser Ile Ser410 Asn Pro Leu His Leu415 Val Asp Ser Gln His420 Leu Ser Pro Leu Asn425 Arg Lys Thr His Phe430 Asn Asn Pro Ile Gly435 Gln Pro Gln Phe Thr440 Cys Leu Asp Asp His445 Glu Lys Thr Leu Arg450 Glu Thr Ser Phe Arg455 Ser Leu Asp Asp MET460 Ser Leu Arg Lys Ser465 Asn Ser Asp Asn Ile470 Phe Val Lys Pro Gly475 Glu Asp Leu Glu Ile480 Pro Leu Leu Ser Asp485 Tyr Ser Asp Ser Glu490 Asn Ile Ser Glu Lys495 Ser Ser Asp Asp Glu500 Glu Ala Phe Glu Lys505 Gln Val Thr Ser Ser510 Tyr Ser Ser Pro Ile515 Lys Val Lys Ser Gln520 Gly Lys Ser Ser Lys525 Gly Ser Ser Gly Leu530 Asp Val Arg Glu His535 Glu Gly Ser Asp Asp540 Asp Ala Glu Val Phe545 Val Asp Arg Ser Pro550 Glu Ser Phe Gly Ala555 Thr Lys Val Ala His560 Thr Ser Leu Glu Gly565 Asn Ala Ala Ser His570 Lys Lys Val Glu Glu575 Asn MET Gln Gln Pro580 Val Thr Lys Lys Gln585 Lys Lys Tyr Arg MET590 Val Asn Glu Glu Ala595 His Thr Gly Pro Thr600 Ile Ile Ile Pro Ser605 Asp Asn Asn Glu Lys610 Val Thr Thr Leu Pro615 Ala Gly His Val Pro620 Ser Glu Glu Lys Gly625 Lys Phe Ile Asn Leu630 Ala MET His Glu Leu635 Gln Asn Glu Val Ser640 Ile Leu Arg Ser Ser645 Val Asn His Arg Glu650 Val Asp Glu Ala Ile655 Asp Asn Ile Leu Arg660 Tyr Thr Asn Ser Thr665 Glu Gln Gln Phe Leu670 Glu Ala MET Glu Ser675 Thr Gly Gly Arg Val680 Arg Ile Ala Ile Ala685 Lys Leu Leu Ser Lys690 Gln Thr Ser <210> 2 <211> 2079 <212> DNA <213> yeast Schizosaccharomyces pombe <400> ATGTCATTTA CATTCACCAA AAGCGATGGC TCGTCCATTT TATTTGCAGT GTCAAAAAAC60 TTT GAACATA TTAGGGGATT CAAAAATGCA ATTGATTGTT TTAAAGGAAA AATTGAATTT120 TTAAGT TTTG ATAAAGTTGA CCCTACTAAA CACGATTATT ACTTAGTCGC AGAAGATGAA180 CGCGTCTCG G ACTTAGATAT TCCCAAGGGA TTTTTCGAGC GTAATCCAGA ATTTCGACAT240 AAAATGTTAA A AATTGCGTG GATTACTCAG TGTATTGAAC AAGGAAAACT TTTGCCTACG300 GAATCCTTCG AAGT AGAATT AAATCAAGAC GACGTAAATC GTACCCATGA TGGGTTTAGA360 AAGAGAGAAC TGTTCAC TTT AGAAGATGAA AAAATTCTTA TTGACCATGT GCATAAGAAT420 GATATAAACC GCTTTGGTAC AAAGGTTTAT GAGGAACTCG CCAGAAAGTA TCCTCAACAT480 TCTCTTGAAT CCTGGCGGCA AC ATTATAAG TACATGAAAA AACGCTTACC ACCTGTATCT540 GATTCCGATG AATCTAATTA TTGCC AAAGG ATAATTGTAA AGCCTTACTC GTCCCAAAAG600 GATTATACAC AAAGCACACA TGAACAAA CT CTATCATCCC CGATTTCCAA GTCTGCTTCG660 GTTTCAAAAA GCGAAAATAA AGCTTTAGTG AATAATAAAA GGTATTCTGA CAGTTACTTC720 TATTTTTCTA AGATGAGACG CATTTCGATA GAT GTTGATT ATGTAGATGA GGACCTAAAC780 TTAATCAATG CATACTTATC CCAATTTGGA AAAAAG AGAA GTCTAAACGA ATTGTGTGCT840 CTGTTGAGTA GAAGGTTTTC TAACCGACAT ACATTTTCC G AATGGAGGGC GCTTTTTATG900 CATTTTTTTC CTTTTATAAA TTCTGAAGGA GTTGATCCTG C TATTTTATC AGATAGAGAA960 ACATCTGCAA TGCTTGATGA AACTTCGGAT AATGAGGTTG CTGA TATTGA CGACCAAATG1020 ATAGAAAGGA AATATTTATT TAGTGCTTCT GAACCGAATA CTGTCA AATC TACCAATCGA1080 TTGATATTCT CTGAAAGGAA AGCATATGCA GCTGATGACT CGATTGAT AA TACACCTTCG1140 AAAGTACCCA TTGTTAATAG CTTAAGTGAT CCGCGAACCA ATAGACCTTT CTTTTATTCA1200 AACCCAGACA GCATGTACCG CTCTATATCT AATCCCTTAC ACTTGGTTGA T TCTCAACAT1260 TTATCTCCAT TAAATCGAAA AACTCATTTT AACAATCCTA TTGGTCAACC CCA ATTTACT1320 TGTCTCGATG ATCACGAAAA AACCTTGCGT GAAACTTCAT TTAGATCGCT TGATG ACATG1380 AGTTTAAGAA AATCCAATTC TGATAATATT TTCGTCAAAC CTGGTGAAGA CCTCGAG ATT1440 CCTTTGCTGA GTGACTATAG TGATAGTGAA AACATTTCAG AAAAGTCTTC AGATGATGA A1500 GAGGCTTTTG AGAAACAAGT GACATCAAGT TACTCTTCAC CTATAAAAGT AAAATCCCAA1 560 GGAAAAAGCT CTAAAGGGTC ATCAGGATTA GATGTGCGTG AACATGAAGG CTCCGACGAT162 0 GACGCCGAGG TTTTTGTTGA TCGGTCTCCA GAAAGCTTTG GTGCCACAAA AGTCGCTCAC1680 ACTTCGTTAG AAGGAAATGC AGCTTCTCAT AAGAAAGTGG AAGAGAACAT GCAGCAACCG1740 GT TACCAAAA AGCAGAAAAA ATACAGAATG GTTAACGAAG AAGCTCATAC CGGTCCGACT1800 ATAA TCATAC CGTCAGATAA TAATGAAAAA GTAACTACAT TACCTGCAGG TCATGTACCC1860 AGTGAA GAGA AAGGAAAATT TATTAACTTA GCAATGCATG AATTACAAAA TGAAGTTTCT1920 ATTTTAAG GT CGTCAGTAAA TCACCGTGAG GTTGATGAAG CGATCGACAA TATTTTAAGG1980 TACACAAATT CAACAGAACA ACAATTCCTT GAAGCTATGG AATCTACGGG TGGAAGAGTA2040 CGAATTGCCA T TGCTAAACT ACTTTCAAAA CAAACTTCT <210>3 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence プライマーTA14-Hind(配列番号3) ATAAAGCTTTAGTGAATAATAAAAGG <210>4 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence プライマーTA14-Bam(配列番号4) GGGATCCAGAAGTTTGTTTTGAAAGTAGTTTAGC <210>5 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence プライマーTA14-Pst(配列番号5) <210>6 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence プライマーTA14-Bam(配列番号6) GGGATCCAGAAGTTTGTTTTGAAAGTAGTTTAGC <210>7 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence T3(配列番号7) AATTAACCCTCACTAAAGGG <210>8 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence T7(配列番号8) GTAATACGACTCACTATAGGGC <210>9 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence TA14-ATG(配列番号9) ATGTTAAAAATTGCGTGGATTACTC <210>10 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence TA14-R1(配列番号10) CGAATTCGAGAATATAATTCTTTGTC <210>11 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence TA14-Nde(配列番号11) CATATGCAGCTGATGACTCGATTG <210>12 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence TA14-Hind(配列番号12) ATAAAGCTTTAGTGAATAATAAAAGG <210>13 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence TA14-NAE5(配列番号13) ccagcatttcttgattgtaaagtaaattacttattttttaactcatttttacgcgcaaaaaaagaataaaag tatgaactAGCCCCCGATTTAGAGCTTGACGGGG <210>14 <211> <212>DNA <213>Artificial Sequence プライマーTA14-NAE3(配列番号14) gcataaaaagattcgtaatattgtacaagtttaggtctctttagagaaatagaatttgggcagagatgctcg gcaatttaCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCG
【図面の簡単な説明】
【図1】分裂酵母Rap1タンパク質のアミノ酸配列、ヒ
ト、出芽酵母及び分裂酵母のRap1のアミノ酸配列比較
【図2】本発明による酵母Two-hybrid法の結果
【図3】サザンブロット法を用いた、rap1遺伝子破壊
株、taz1遺伝子破壊株及び野生株の酵母のテロメアDN
Aの伸長を示したグラフ
【図4】分裂酵母野生株とrap1遺伝子破壊株における胞
子の出来方の比較
【図5】分裂酵母野生株とtaz1欠損株におけるRap1タン
パク質局在化の割合の比較を示したグラフ
【図6】各条件におけるテロメアの局在化の割合
【図7】ヒト、出芽酵母及び分裂酵母のRap1のテロメア
への結合の模式図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 1/21 C12R 1:645 5/10 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 1/19 5/00 A C12R 1:645) (72)発明者 平岡 泰 東京都小金井市貫井北町4−2−1 独立 行政法人通信総合研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 DA02 DA05 DA06 DA11 DA12 EA02 EA04 GA11 HA12 HA15 4B065 AA01X AA57X AA72X AA72Y AA90X AB01 BA02 CA24 CA46 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA15 DA75 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表の配列番号1の1位のMetから693
    位のSerまでのアミノ酸を含むタンパク質、または前記
    アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸を欠
    失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列を含む
    タンパク質、あるいはそれらのペプチド断片であり、分
    裂酵母が減数分裂をする際のテロメアのクラスター化に
    関わる分裂酵母Rap1タンパク質。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のタンパク質をコードする
    塩基配列を含むDNAやその相補的配列ならびにこれらの
    配列の一部または全部を含むDNAや上記DNAと80%以上の
    相同性を有するDNA。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のRap1タンパク質に、Taz1
    タンパク質の DNA結合部位(Myb部位)を融合させたタ
    ンパク質、または前記アミノ酸配列において1若しくは
    数個のアミノ酸を欠失、置換、挿入もしくは付加された
    アミノ酸配列を含むタンパク質、あるいはそれらのペプ
    チド断片であり、Rap1、Taz1欠損分裂酵母においてテ
    ロメアのクラスター化を進行させる分裂酵母Rap1-Taz1M
    yb融合蛋白質
  4. 【請求項4】請求項3に記載のタンパク質をコードする
    塩基配列を含むDNAやその相補的配列ならびにこれらの
    配列の一部または全部を含むDNAや上記DNAと80%以上の
    相同性を有するDNA。
  5. 【請求項5】請求項2または4のいずれかに記載の遺伝
    子を有する発現ベクター
  6. 【請求項6】請求項5に記載の発現ベクターにより形質
    転換された形質転換体
  7. 【請求項7】請求項1に記載のタンパク質Rap1を欠損さ
    せた分裂酵母
  8. 【請求項8】請求項1に記載のタンパク質Rap1及びTaz1
    を欠損させた分裂酵母
  9. 【請求項9】請求項1及び請求項3に記載するタンパク
    質に対する抗体
  10. 【請求項10】請求項1に記載のタンパク質をコードす
    るDNAを含む試料もしくは含むと推定される試料に、該D
    NAの一部をプローブとしてハイブリダイズさせて、その
    特異性若しくは反応性を検出する工程を含む方法。
  11. 【請求項11】請求項1に記載のタンパク質の機能を阻
    害または促進する物質のスクリーニング法であって、請
    求項1及び請求項3に記載のタンパク質を含む試料に、
    該阻害または促進する物質を含むと推定される試料を加
    えてその結合性若しくは反応性を測定する工程を含む方
    法。
  12. 【請求項12】請求項1に記載のタンパク質の機能を阻
    害または促進する物質のスクリーニング法であって、請
    求項1及び請求項3に記載のタンパク質と該タンパク質
    に結合可能なタンパク質との結合反応系に、該阻害また
    は促進する物質を含むと推定される試料を加えて、その
    結合性若しくは反応性を測定する工程を含む方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109762845A (zh) * 2019-01-15 2019-05-17 中国科学院生物物理研究所 Rap1功能丧失的间充质干细胞模型及其构建方法与应用

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