JP2003086577A - プラズマ処理装置 - Google Patents
プラズマ処理装置Info
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- H05H1/24—Generating plasma
- H05H1/46—Generating plasma using applied electromagnetic fields, e.g. high frequency or microwave energy
Abstract
た誘導結合型のプラズマ処理装置を提供すること。 【解決手段】 誘導結合型プラズマ処理装置の誘導コイ
ル12、13を複数のコイル要素12A、13Aと、こ
れらの間を接続する複数の導線部12B、12Aに分割
し、コイル要素12A、13Aは、処理チャンバ1内に
設け、導線部12B、13Bは外部に配置させたもの
で、処理チャンバ1内にあるコイル要素12A、13A
は、分割された結果、短い円弧状になっているので、処
理チャンバ1の中心に対して容易に対称的に配置でき、
均一なプラズマ分布が容易に得られることになる。
Description
などにおけるプラズマ処理に係り、特に半導体デバイス
や液晶ディスプレー用基板など製造に使用するのに好適
なプラズマ処理装置に関する。
て、プラズマプロセスにおいては、ウエハ内で均一な処
理結果が実現できるプロセス条件(プロセスウインドウ)
が年々狭くなってきており、これからのプラズマプ処理
装置には、より完全なプロセス条件の制御が求められて
いる。
布やプロセスガスの解離、リアクタ内の表面反応などを
極めて高精度に制御できる装置が必要になるが、現在、
このような装置に用いることができるプラズマ源に高周
波誘導結合型プラズマ源がある。
ば特開平2−235332号公報に開示されているよう
に、高周波コイルにより処理チャンバ内に誘導電界を形
成させ、これによりプラズマ中の電子を加速し、処理チ
ャンバ内に導入されたプロセスガスにエネルギーが与え
られるようにし、これによりプラズマの発生と維持が得
られるようにしたものである。
一部を形成している石英などの絶縁材を介して、処理チ
ャンバの外に配置されているが、ここで、これらの高周
波コイルは、一般的にはループ状、コイル状、渦巻(ス
パイラル)状に作られていて、これに周波数が数100
kHzから数100MHzの高周波電力が供給され、誘
導電界が形成されるようになっている。
高周波誘導結合型プラズマ処理装置もあり、例えば、特
開平7−106095号公報に開示されたプラズマ処理
装置では、高周波誘導コイルとなる渦巻形のコイルを、
チャンバ内で、被処理物である半導体ウエハに対向する
位置に設置している。
ラズマ中に誘導電流が生じた結果、電気回路的にはプラ
ズマと高周波コイルが誘導結合した変圧器(高周波コイ
ルを一次コイル、プラズマ中の電流経路を2次コイルと
する変圧器)と見做すことができ、このため、誘導結合
型プラズマ処理装置と呼ばれている。
しては、単純なコイルと高周波電源という簡単で安価な
構成により、1011〜1012(cm-3)という比較的高密
度のプラズマが、数mトール(Torr)の低圧下で発生でき
る点と、被処理物に対向して平面的にコイルを配置する
ことにより、大面積のプラズマが容易に発生できる点、
それに処理チャンバ内部がシンプルであるがゆえに、処
理中に被処理物上に飛来する異物を少なくできる可能性
がある点などが挙げられる。
ば、低圧下でも容易に高密度のプラズマを発生させるこ
とができるので、イオンの平均自由行程が大きくなり、
この結果、被処理物に入射するイオンの方向性がよくな
るので、微細加工に適し、且つ高い処理速度が得られる
ことになる。
下の問題がある。
示される誘導結合型プラズマ処理装置(以下、従来技術
1という)においては、高周波コイルは、処理チャンバ
中のプラズマから石英などの絶縁材を介して大気側に配
置されており、従って、この絶縁材には大気圧に耐える
ための十分な強度が必要で、今後、被処理物が大面積化
すると、それに応じて、この絶縁材も厚くする必要があ
る。
ラズマの距離も大きくなるが、そうすると、例えば、次
の Keller らの論文、すなわち、Jounal Of Vacuum Sci
ence A11(5),Sept/Oct 1993 p2487に論じられているよ
うに、コイルとプラズマの結合状態が悪くなり、プラズ
マの生成効率が低下され、この結果、コイルや整合回路
における発熱ロスが大きくなるという問題が生じる。
径化が進み、この結果、プラズマの分布を自在に制御す
る必要が生じているが、誘導結合プラズマ装置において
は、例えば2系統のコイルのそれぞれに流れる電流及び
電流比を変えることにより、プラズマが生成する位置を
自在に制御し、ウエハ位置でのプラズマ分布を制御する
ことができる。
文、すなわち、J.Vac.Sci.Technol. A 16−1,Jan/Feb 1
998 p.100において、実験的にも理論的にも示されてい
るように、2系統のコイルを使っても、プラズマは2個
の誘導コイルの中間位置、すなわち、コイルの誘導磁界
がもっとも強くなる付近の一箇所に生成するだけであ
る。
るため、ある程度、ウエハを離して設置しないと、たと
え2系統のコイルによっても、プラズマの均一化は得難
く、このため、2箇所でプラズマを生成させようとした
場合には、2個のコイルの距離をコイルとプラズマの距
離に比較して十分に大きくとってやる必要がある。
イルを設置した場合には、コイルとプラズマの距離が或
る程度以下にはできないので、2個のコイルの距離を大
きくした場合、実質的なチャンバのサイズでそれを実現
することは困難になるという問題が生じてしまう。
示されたプラズマ処理装置(以下、従来技術2という)で
は、コイルをチャンバ内に設置することによって、前述
のコイルとプラズマの結合による問題は解決されるけれ
ども、それとは別の新たな問題が生じる。
波コイルは絶縁材料の保護膜により保護されてはいる
が、一般に、このような誘導結合プラズマ装置において
は、コイルの直近に強いプラズマが生成されるため、特
にプラズマエッチング装置のような反応性のガスを用い
る装置では、保護膜が受ける損傷は極めて大きくなり、
頻繁に補修交換などのメンテナンスが必要になるという
問題が生じる。
が破損した場合は、金属イオンが発生し、半導体ウエハ
の金属汚染を生じることになるし、この場合、コイルそ
のものの交換も必要になり、メンテナンスに多大の時間
とコストが消費されることになる。
背後に冷却プレートが設置されているが、このプレート
はコイルに対して絶縁されている必要がある。しかし
て、このような構造では、冷却プレートとコイルの熱的
な結合が得難い。
な低圧下では、構造物の接触面での熱伝達が極めて悪く
なるから、冷却プレートを設けたことによるコイルの冷
却効果はあまり期待できず、充分な冷却が得られないと
いう問題が生じる。
対側のコイルの背後にも、被処理物側と同じように高い
密度のプラズマが生成されてしまうことで、このコイル
背後のプラズマは、被処理物のプラズマ処理には有効に
使われないだけではなく、背後のチャンバ壁が強いプラ
ズマに曝されてしまう。更に、このような誘導結合型の
プラズマ処理装置では、従来技術1のように、コイルを
大気側に設置したタイプでも、従来技術2のように、真
空側に設置したタイプでも、コイルにかかる電圧によっ
て直接電子が加速され、容量結合的にプラズマが生成さ
れるものである。
プも、コイルに分布される電位の均一化に配慮がされて
おらず、均一なプラズマの生成に問題があった。
されたもので、その目的は、均一なプラズマが確実に生
成できるようにした誘導結合型のプラズマ処理装置を提
供することにある。
して、誘導コイルの表面保護と冷却の問題、コイル背後
に発生するプラズマによる効率低下の問題を考慮して、
プラズマの不均一性についての問題を解決し、自在な場
所でプラズマが生成でき、より広い条件下で、安定した
プラズマが高い効率で容易に生成することができるよう
にしたプラズマ処理装置を提供することにあり、更に
は、信頼性が高く、メンテナンスが容易なプラズマ処理
装置を提供することにある。
バに少なくとも1ターンのコイルからなるプラズマ生成
用の誘導コイルを備えた誘導結合型プラズマ処理装置に
おいて、前記誘導コイルが、前記処理チャンバ内に配置
された複数の部分と、前記チャンバの外に配置された複
数の部分に分割されていることにより達成される。
が、前記処理チャンバの中心から同心円状を為して配置
された少なくとも2系統の誘導コイルで構成されている
ようにしても良い。
内に配置された複数の部分が、各々前記処理チャンバの
中心に対して同心円の一部を為して配置されるようにし
ても良く、同じく各々前記処理チャンバの中心から始ま
る渦巻の一部を為して配置されているようにしても良
い。
チャンバ内のプラズマ発生空間の間に、前記処理チャン
バ内に配置された複数の部分と略直交する方向にスリッ
トを備えた導電板材が設けられているようにしても良
く、或いは前記処理チャンバに磁場印加手段が設けられ
ているようにしても良い。
コイルは、夫々毎に電力配分制御されるようにしても良
く、前記導電板材は、共通電位に対してゼロ電圧を含む
所定の電圧が印加されているようにしても良い。ここ
で、前記導電板材に、プラズマ着火時とプラズマ着火後
で異なった電圧を印加する手段が設けられているように
しても良い。
ば、誘導コイルを複数のコイル要素に分割して絶縁体か
らなるチャンバ窓(蓋部材)の真空側に配置しプラズマと
の結合性を高める。このとき、コイルは、プラズマに対
しては、別の絶縁体とスリット付の導電体を挾んで更に
別の絶縁体カバーによって覆われる。
され、コイルの電圧による容量結合プラズマの生成を防
ぐシールドとして働き、プラズマの周方向の均一性を実
現すると共に、チャンバ内表面へのイオン入射を制御す
る。
要素は大気側で導線部により連結される。各コイル要素
は、若干径方向の成分を持つように配置されており、こ
れにより、プラズマを通常の角方向に加えて、径方向に
誘導することにより、プラズマの生成領域が径方向に広
がると共に、電子の加速距離が短くなり、電子温度が低
下する。
部に近くても、均一なプラズマ分布が得られるし、複数
系統の誘導コイルを設置することにより、それぞれのコ
イルに対してプラズマを生成し、プラズマやラジカルの
分布を自在に制御することができる。
が大気側に出ているので、アルミニウムなどの高熱伝導
性の金属を用い、大気に出た部分をファンなどで冷却す
ることにより、温度を下げることができ、特に冷媒経路
を真空側にもってくる必要が無くなる。
装置について、図示の実施の形態により詳細に説明す
る。
分野に限定されるものではなく、液晶ディスプレイの製
造や、各種材料の成膜、表面処理に適用が可能である
が、ここでは、半導体デバイス製造用のプラズマエッチ
ング装置に本発明を適用した場合の一実施形態について
説明する。
は処理チャンバで、これは、例えば表面をアルマイト処
理したアルミニウム又はステンレスの有底円筒形の真空
容器として作られ、図示のように接地され、共通電位に
保たれている。
と、被処理物である半導体ウエハを搬入出するための搬
送システム4が備えられており、中には、半導体ウエハ
3を載置するためのステージとなる電極装置5が設置さ
れている。
載置されるが、この半導体ウエハ3は、搬送システム4
により処理チャンバ1中に搬入され、電極装置5上に運
ばれた後、直流電源6に接続された静電チャック7によ
り静電吸着され、電極装置5上に保持される。
ウム、ステンレスなどの金属で作成されているが、その
上部にある静電チャック7は、誘電率が調整されたセラ
ミックなどの絶縁材で作られ、直流電源6から数100
V程度の直流電圧が印加されることにより静電気力を発
生し、ウエハ3を吸着する。
を介して、高周波電源9から数100KHzから数10
MHzの周波数の高周波電圧が供給され、これによりプ
ラズマ処理中に半導体ウエハ3に入射するイオンのエネ
ルギーを制御するようになっている。
てないが、内部に冷媒の流路が設けられていて、プラズ
マにより処理中のウエハ3の温度がプラズマにより加熱
され上昇してしまうのを抑え、一定の温度に保つように
なっている。
伝導の促進のため、例えばヘリウム(He)などの非反応
性ガスが、流路5Aを介して数トール〜10数トール程
度の圧力で導入され、更に電極装置5のウエハ載置面以
外の表面には、絶縁材からなるサセプタ10とカバー1
1が設けてあり、これらによりプラズマや反応性ガスか
ら保護される。
理チャンバ1の内部を大気から隔離するため、石英やア
ルミナセラミックなどの絶縁材で作られた円板からなる
蓋部材17がカバーとして気密状態で載置され、これの
内面側に、同じく石英やアルミナセラミックなどの絶縁
材で作られている円形の板材18により挟み込まれた形
で、ウエハ3と対向するようにして2系統の誘導コイル
12、13が設けてあり、これにより本発明が特徴とす
る高周波コイルシステムが形成されるようになってい
る。
は、詳しくは後述するが、図2に示すように、所定のパ
ターンに従って複数の要素に分割して構成され、夫々が
電力分岐回路14と整合回路15を介して高周波電源1
6に接続されている。
考慮して、誘導コイルが2系統、設けてあるが、さらに
多くの系統にしてもよく、一方、分布制御があまり重要
でない場合は、1系統にしてもよい。
板材18の内側には、金属円板からゆる導電体19が設
置されるが、これには、図2に示すように、複数本のス
リット41が放射状に形成してあり、その中心付近から
電力供給ライン19Aが蓋部材17の外側に引き出さ
れ、電力分岐回路14と整合回路15を介して高周波電
源16に接続されている。
19が設けられていると、処理チャンバ1内にあるプラ
ズマと誘導コイル12、13の間の容量結合が阻害され
ることになるが、ここで、この容量結合は、プラズマの
着火に寄与するので、導電体19を設けた場合には、プ
ラズマが着火し難くなる。
を制御し、プラズマの点火時には導電体19に多くの高
周波電力を配分させ、プラズマの着火促進を図り、その
後、誘導コイル12、13に高周波電力を重点的に配分
してプラズマを高密度化するという、一連の着火シーケ
ンスを実行させることにより、容易に解決できる。
なるカバー20が設けてあり、これにより処理チャンバ
1内のプラズマ生成空間から、導電体19が隔離される
ようになっている。
ガス配管21に連通した複数個の吹出口21Aが設けて
あり、これにより処理チャンバ1内に処理ガスが導入さ
れるようになっている。
の外側に空芯コイル40が設けてあり、これにより、処
理チャンバ1内のプラズマに所定の磁場を印加し、プラ
ズマの輸送が制御できるようになっている。しかし、こ
のことは、必ずしも必須の要件という訳ではない。
詳細について説明すると、まず、この図2では、円弧状
の太い実線が処理チャンバ1内の真空中にあるコイルの
主要部分となる複数個のコイル要素12A、13Aの夫
々を表わし、太い破線は外側の大気中にあって、コイル
要素間を接続している夫々の導線部12B、13Bを表
わしており、このとき、各コイル要素12A、13Aの
夫々の端部にある黒丸は、内部と外部を結ぶ導線の引出
部12C、12D、12E、13C、13D、13Eを
表わす。
これらの導線の引出部は、上記したスリット41と同じ
位置に重ならないことが望ましく、この様子を示すた
め、図2には、導電体19に設けてあるスリット41も
一緒に描いてある。
に、本発明の実施形態としてのプラズマ生成用誘導コイ
ルの分割方法と接続方法には種々のパターンがあるが、
この図2は、高周波コイルシステムの好ましい実施形態
の一例で、ここでは、2系統のプラズマ生成用誘導コイ
ル12、13が、夫々基本的には2ターンのコイルにな
るように構成され、これを1ターンについて3分割し、
各系統毎に6個のコイル要素を用いたものである。
形態における2系統の誘導コイル12、13は、円形の
蓋部材17の内周側と外周側に分けて、ほぼ同心円状に
配置されている。ここでは、図示のように、内側が誘導
コイル12で、外側が誘導コイル13になっている。
は、上記したように、円弧状の太い実線で描かれている
夫々6本のコイル要素12A、13Aと、太い破線で描
かれている夫々5本の導線部12B、13Bで構成され
ている。
何れも、内周側から緩やかに外周側に延びる渦巻の一部
をなす円弧として形成され、このとき各コイル要素12
A、13Aは、夫々が半分の長さにわたって順次重なり
合うようにして配置されている。
夫々の両端にある引出部12C、13Cにおいて蓋部材
17の外側の大気中に導線で引き出され、各導線部12
B、13Bにより順次接続されるが、このとき、上記し
た重なり合っている部分で折り返した形で接続され、こ
れにより、上記したように、全体として2ターンのコイ
ルが形成されるようになる。
1に示されているように、蓋部材17の上側に離れて配
線されるようにし、これにより、処理チャンバ1内のプ
ラズマから充分な距離がとれるようにする。
で、最初コイルの端部を夫々引出部12D、13Dと
し、最後のコイルの端部を夫々引出部12E、13Eと
した上で、図1に示されているように、一方の引出部1
2D、13Dを夫々電力分岐回路14に接続し、他方の
引出部12E、13Eは夫々接地するのである。
コイルシステムを構成する誘導コイルの分割方法と接続
方法には、種々のパターンがあり、コイルをどのように
分割し、どのように配置し、どのように接続するかは、
使用する周波数、コイルのインダクタンス、コイルに流
れる電流と発熱量、生成させたいプラズマの分布などに
よって変わってくる。
する前に、本発明の実施形態による種々のパターンによ
る誘導コイルの分割方法と接続方法について説明する
と、まず、図3は、最も基本的なパターンによる実施形
態で、この誘導コイルは、基本的には2ターンのコイル
である。
当り4分割し、合計8個のコイル要素22Aとし、これ
らの端部をそれぞれ導線部22Bで接続して2ターンの
コイルとし、一方の端部22Dにより高周波電源16に
接続し、他方の端部22Eは接地したものである。
バ1の中に設けられ、導線部22Bは外側に引き出され
ていることは言うまでもない。このとき、大気側にある
各コイル要素の導線部22Bは、プラズマに影響しない
ように、プラズマから十分の距離をとることが望まし
い。
合、その巻き方に由来して対称構造が崩れてしまうの
で、プラズマの生成に偏りが出てしまうが、この図3の
実施形態による高周波コイルシステムの場合、誘導コイ
ルの中で、プラズマと結合する部分となるコイル要素2
2Aだけを処理チャンバ1内に配置させ、導線部22B
は大気中に取り出されている。
構造をもたらしているのは、この実施形態の場合、導線
部22Bだけであるが、これらは何れも大気中に配置さ
れていて、各コイル要素22Aは、短く分割された結
果、全て中心に対して対称的になっている。
後の図4以降の実施形態によれば、コイルの巻き方に起
因するプラズマの偏りが防止でき、均一なプラズマを確
実に生成させることができる。
的になっていても、誘導コイル全体で見た場合、これに
かかる電圧は高周波電源16側のコイル要素ほど高く、
接地側ではゼロ電圧になるので、コイルの電圧によって
直接電子が加速されるという容量結合性のプラズマが生
成されてしまうと、電圧が高い部分でプラズマが強くな
って、非対称性が生じる。
が、図1に示したように、各コイル要素と略直角に交差
するようにしたスリット41が形成され、接地した導電
体19をコイルとプラズマの間に設け、シールドとする
ことにより、コイルとプラズマとの容量結合を防止し、
容量結合による非対称性を抑え、プラズマの軸対称性を
完全に得ることができる。
りに、所定の電圧の電源に接続することにより、導電体
19とプラズマの間に設けられたカバー20に入射する
イオンを制御し、この表面での反応を制御することがで
きる。
周側から緩やかに外周側に延びる渦巻の一部をなす円弧
として、つまり円周方向から外して、僅かに斜め方向に
配置した場合の一実施形態で、この場合、図3に示した
パターンに比較して、各コイル要素22Aが重なり合う
ようにして配置できるため、コイル個数を多くすること
ができる。
方向の均一性が更に良好になる点が利点として挙げら
れ、もう一点、生成されるプラズマの電子温度が低くな
るという利点も挙げることができる。
によって生成される電界に沿って、円周上で加速され
る。ここで、最も一般的な例として、1パスカル程度の
圧力のもとで、13.56MHzの放電周波数において
は、殆ど全ての電子は、中性気体分子やラジカルなど、
何等かの粒子に衝突するまで加速される。
が傾斜しているので、電子は若干径方向に加速されるこ
とになって加速電界を逸脱する電子が生じ、この結果、
電子温度が低く抑えられるのである。
電子温度低下による効果は、例えば下記の論文、すなわ
ち、 Shindo et al “Appl. Phys. Lett.” Vol.76, No.10, 6 March 2000 p.1247 に論じられているが、更に、プラズマ生成位置が径方向
に広がるので、ウエハ位置がプラズマ生成部に接近して
いても、均一化が得易いという効果もある。
導電界は実質的にリング状に電子を加速させるように生
じてしまう。従って、どの程度傾斜させるかは、放電の
寸法とコイル要素とプラズマのカップリングの程度に大
きく左右されるから、注意して決める必要がある。
向から外して、僅かに斜め方向にした場合の一実施形態
であるが、ここでは、更に各コイル要素22Aを長く
し、周方向に概略5/6ターン(角度では略300°)の
長さになるようにした場合の一実施形態で、こうするこ
とにより、別のターンを構成するコイル要素間の接続距
離が短縮されるので、導線部22Bが短くて済み、大気
側での接続線の取り回しが合理的になる。
ズマ処理装置では、13.56MHz程度の放電周波数
が一般的に用いられているが、この場合、電子温度の低
下など放電周波数を高くすることによる様々な効果が報
告されており、プロセスによっては、周波数を高くする
方が有利である。
た場合には、負荷(この場合は誘導コイル)のインダクタ
ンスを下げる必要があるが、次の図6と図7は、このよ
うな要望に応えることができるようにした場合の実施形
態で、これらは何れも図4の実施形態と同じコイル分割
によるものであるが、夫々が各コイル要素の接続を変え
た場合の実施形態になっている。
何れも各コイル要素を並列に接続するすることにより、
合計したインダクタンスが低く抑えられるようにしたも
のであり、このとき、図6ではコイル要素22Aを2個
づつ直列にして3回路のコイルとした上で、これらを並
列に接続して3個の並列コイル回路としたもので、図7
では6個のコイル要素22Aの全てを並列に接続して6
個の並列コイル回路としたものである。
は、これら図6、図7に示した接続方法に限らず、様々
な接続パターンが考えられるが、それらは全て本発明に
含まれるものである。
イル分割形式を用い、更にプラズマの分布制御のため、
中心付近に更にもう一系統の誘導コイルを設けた場合の
一実施形態で、ここでは、内側の誘導コイルの構成要素
については、符号に更にAを付し、外側には更にBが付
してある。
電力分岐回路14によって、外側の誘導コイルと内側の
誘導コイルに対する高周波電力の配分を変え、これによ
り、プラズマの分布を自在に制御することができる。
と内側の誘導コイルの距離を、これらのコイルとプラズ
マとの距離に対して十分大きくとることにより、夫々コ
イルにより別個の位置にプラズマを生成させることがで
き、従って、この場合、電力分岐回路14により外側と
内側のコイルの電力配分を変えてやれば、更に広範囲に
プラズマの分布を制御することができる。
るが、更にAが付された外側のコイルとBが付された内
側のコイルに流れる電流の向きを反転させた場合の一実
施形態で、この場合、外側のコイルの各コイル要素22
AAと内側のコイル要素ABの間では誘導磁場が打ち消
し合うようになる。
側のコイルと内側のコイルの距離を図8の実施形態の場
合よりも近くしても、夫々のコイルの近傍毎に完全に2
箇所分けてプラズマを生成することができる。但し、こ
のとき、内外各々のコイルに供給される高周波電力につ
いて、それらの位相を合わせておく必要があることは言
うまでもない。
誘導コイルを2系統設け、各々の系統でコイルの電力配
分を変え、プラズマ分布を制御するものであるが、次の
図10も同じく2系統のコイル配置による実施形態であ
る。
図5に示した、円周方向からコイル要素を斜めに逸らし
たタイプの誘導コイルを2系統設けた場合の本発明の一
実施形態であり、従って、これが図2の実施形態に相当
する。
コイルの巻き方に起因するプラズマの偏りが防止でき、
均一なプラズマを確実に生成させることができる。
ば、接地した導電体19をコイルとプラズマの間に設け
てあるので、コイルとプラズマとの容量結合を防止し、
容量結合による非対称性を抑え、プラズマの軸対称性を
完全に得ることができる。
ば、各コイル要素12A、13Aが夫々重なり合うよう
にして配置できるため、コイル個数を多くすることがで
き、この結果、円周方向の均一性が更に良好になり、生
成されるプラズマの電子温度を低く抑えることができ
る。
合もコイル要素12A、13A、22Aの両端が大気側
に引き出されており、しかも何れも1ターン以下の比較
的短い長さに抑えられている。
ば、各コイル要素12A、13A、22Aをアルミニウ
ムなどの比較的熱伝導性のよい材料で形成してやれば、
各コイル要素の熱が大気側に伝達されるので、各コイル
要素の発熱による温度上昇を容易に抑えることができ、
この結果、上記実施形態によれば、処理チャンバの温度
管理が容易になり、構成の簡略化を図ることができる。
熱が更に促進されるようにしても良く、図11は、導線
部での放熱促進が図れるようにした本発明の一実施形態
で、図示のように、例えばコイル要素22Aの大気中で
の導線部22Bとして、冷却用のフィンを備えた導電体
30を設けたものである。
い伝熱面積を与え、コイル要素22Aから伝達された熱
を効率的に放散させる働きをするので、雰囲気温度に応
じた所定の冷却機能が得られることになる。なお、必要
に応じでファンなどによる強制空冷を適用しても良い。
イル要素以外の部品が図示されてないが、実際には導電
体30は大気側で、コイル要素22Aは真空側にある。
そして、この場合、冷却を考えると、各コイル要素の長
さは短いほうがよく、願わくば1ターン未満であること
が望ましい。
デバイス製造用のプラズマエッチング装置に適用した場
合の実施形態を例としていたが、本発明は、上記したプ
ラズマエッチング装置に限定されるものではなく、プラ
ズマCVD装置、プラズマアッシング装置、プラズマス
パッタ装置などにも適用可能であり、更には半導体デバ
イスの処理のみならず、液晶ディスプレイ基板の処理
や、その他、表面処理全般に適用が可能であることは言
うまでもない。
ラズマ生成領域が広い範囲にわたって均一化できると共
に、電子の加速距離が短くなるので、電子温度の低下が
得られる。
くても、均一なプラズマ分布が得られると共に、低電子
温度化によりチャージアップダメージが低減できるとい
う効果が得られる。
コイルを設置することにより、それぞれのコイルに対し
てプラズマを生成し、プラズマやラジカルの分布を自在
に制御することができる。
大気側で接続することにより、プラズマ分布の均一性と
共に、コイルが真空側にあっても、コイルの冷却が効率
的に得られるという効果が得られる。
マ処理性能と装置の稼働率が向上でき、ハイスループッ
トのもとでの微細なエッチング加工や、高品質の成膜加
工、表面処理などを可能にすることができる。
示す断面図である。
示す平面図である。
すパターン説明図である。
すパターン説明図である。
すパターン説明図である。
すパターン説明図である。
すパターン説明図である。
すパターン説明図である。
すパターン説明図である。
示すパターン説明図である。
示す説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 処理チャンバに少なくとも1ターンのコ
イルからなるプラズマ生成用の誘導コイルを備えた誘導
結合型プラズマ処理装置において、 前記誘導コイルが、前記処理チャンバ内に配置された複
数の部分と、前記チャンバの外に配置された複数の部分
に分割されていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、 前記プラズマ生成用の誘導コイルが、前記処理チャンバ
の中心から同心円状を為して配置された少なくとも2系
統の誘導コイルで構成されていることを特徴とするプラ
ズマ処理装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の発明において、 前記誘導コイルの処理チャンバ内に配置された複数の部
分が、各々前記処理チャンバの中心に対して同心円の一
部を為して配置されていることとを特徴とするプラズマ
処理装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の発明において、 前記誘導コイルの処理チャンバ内に配置された複数の部
分が、各々前記処理チャンバの中心から始まる渦巻の一
部を為して配置されていることとを特徴とするプラズマ
処理装置。 - 【請求項5】 請求項1〜請求項4に記載の何れかの発
明において、 前記誘導コイルと前記処理チャンバ内のプラズマ発生空
間の間に、前記処理チャンバ内に配置された複数の部分
と略直交する方向にスリットを備えた導電板材が設けら
れていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項6】 請求項1〜請求項5に記載の何れかの発
明において、 前記処理チャンバに磁場印加手段が設けられていること
を特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項7】 請求項2に記載の発明において、 前記少なくとも2系統の誘導コイルは、夫々毎に電力配
分制御されるように構成されていることを特徴とするプ
ラズマ処理装置。 - 【請求項8】 請求項5に記載の発明において、 前記導電板材は、共通電位に対してゼロ電圧を含む所定
の電圧が印加されていることを特徴とするプラズマ処理
装置。 - 【請求項9】 請求項5に記載の発明において、 前記導電板材に、プラズマ着火時とプラズマ着火後で異
なった電圧を印加する手段が設けられていることを特徴
とするプラズマ処理装置。
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