JP2003085941A - 気流調整機構を有するディスク装置及びそれに組み込まれる薄板部材 - Google Patents
気流調整機構を有するディスク装置及びそれに組み込まれる薄板部材Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ディスク装置において、回転する記憶ディス
クの周辺の気流が記憶ディスクに及ぼす振動等の影響
を、安価かつ容易に搭載できる気流調整機構によって効
果的に抑制する。 【解決手段】 ディスク装置１０は、ケーシング１２の
凹所２４を画定する内壁面３６の所望位置に固着される
薄板部材３８を備える。薄板部材３８は、複数の微細突
起を形成した主表面を有する基材層と、基材層の裏面に
添着される粘着剤層とを備える。薄板部材３８は、複数
の微細突起をケーシング１２の凹所２４に露出させた状
態で、粘着剤層を介して、ケーシング１２の内壁面３６
に固着される。薄板部材３８は、ケーシング１２の内壁
面３６の形状に追従可能な可撓性を有する。薄板部材３
８は、回転する記憶ディスク１６の周辺に生じる気流と
ケーシング内壁面３６との接触面摩擦を低減する。
クの周辺の気流が記憶ディスクに及ぼす振動等の影響
を、安価かつ容易に搭載できる気流調整機構によって効
果的に抑制する。 【解決手段】 ディスク装置１０は、ケーシング１２の
凹所２４を画定する内壁面３６の所望位置に固着される
薄板部材３８を備える。薄板部材３８は、複数の微細突
起を形成した主表面を有する基材層と、基材層の裏面に
添着される粘着剤層とを備える。薄板部材３８は、複数
の微細突起をケーシング１２の凹所２４に露出させた状
態で、粘着剤層を介して、ケーシング１２の内壁面３６
に固着される。薄板部材３８は、ケーシング１２の内壁
面３６の形状に追従可能な可撓性を有する。薄板部材３
８は、回転する記憶ディスク１６の周辺に生じる気流と
ケーシング内壁面３６との接触面摩擦を低減する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、記憶ディスクにデ
ータの書き込み及び読み出しを行うディスク装置に関
し、特に、高速回転する記憶ディスクに随伴して記憶デ
ィスクの周辺に生じる気流を調整する気流調整機構を備
えたディスク装置に関する。本発明はまた、そのような
ディスク装置に気流調整機構として組み込まれる薄板部
材に関する。
ータの書き込み及び読み出しを行うディスク装置に関
し、特に、高速回転する記憶ディスクに随伴して記憶デ
ィスクの周辺に生じる気流を調整する気流調整機構を備
えたディスク装置に関する。本発明はまた、そのような
ディスク装置に気流調整機構として組み込まれる薄板部
材に関する。
【０００２】
【従来の技術】情報処理装置の補助記憶装置として使用
されるディスク装置では、磁気ディスク、光ディスク、
光磁気ディスク等の種々のディスク状記憶媒体（本明細
書で記憶ディスクと称する）を高速回転させるととも
に、記憶ディスクの記録面に同心円状に設定される多数
の記録トラックに対してヘッド部をトラック追従（トラ
ッキング）動作させることにより、データの書き込み及
び読み出しを行っている。ヘッド部のトラッキング性能
は、ヘッド部を支持するアクチュエータのサーボ制御動
作における位置決め精度に依存する。特に近年、記憶デ
ィスクの記録密度の著しい向上に伴い、アクチュエータ
の位置決め精度に対する要求は相当に厳しくなってい
る。
されるディスク装置では、磁気ディスク、光ディスク、
光磁気ディスク等の種々のディスク状記憶媒体（本明細
書で記憶ディスクと称する）を高速回転させるととも
に、記憶ディスクの記録面に同心円状に設定される多数
の記録トラックに対してヘッド部をトラック追従（トラ
ッキング）動作させることにより、データの書き込み及
び読み出しを行っている。ヘッド部のトラッキング性能
は、ヘッド部を支持するアクチュエータのサーボ制御動
作における位置決め精度に依存する。特に近年、記憶デ
ィスクの記録密度の著しい向上に伴い、アクチュエータ
の位置決め精度に対する要求は相当に厳しくなってい
る。
【０００３】アクチュエータがこのような高精度のトラ
ッキング動作を遂行できるようにするためには、アクチ
ュエータの動作に影響を及ぼす外乱因子を最小限にする
とともに、回転中の記憶ディスクに生じる振動を可及的
に排除することが要求される。例えば、高速回転中の記
憶ディスクに随伴して記憶ディスクの周辺に生じる気流
は、ディスク装置のケーシングの内壁面に衝突して乱流
化することにより、アクチュエータや記憶ディスクに振
動を引き起こす場合がある。アクチュエータや記憶ディ
スクの振動は、ヘッドの位置決め精度及びヘッドとディ
スク記録面との間のギャップ寸法精度を悪化させる要因
となる。
ッキング動作を遂行できるようにするためには、アクチ
ュエータの動作に影響を及ぼす外乱因子を最小限にする
とともに、回転中の記憶ディスクに生じる振動を可及的
に排除することが要求される。例えば、高速回転中の記
憶ディスクに随伴して記憶ディスクの周辺に生じる気流
は、ディスク装置のケーシングの内壁面に衝突して乱流
化することにより、アクチュエータや記憶ディスクに振
動を引き起こす場合がある。アクチュエータや記憶ディ
スクの振動は、ヘッドの位置決め精度及びヘッドとディ
スク記録面との間のギャップ寸法精度を悪化させる要因
となる。
【０００４】このような気流による振動の対策として、
高速回転する記憶ディスクの周辺に生じる気流を調整す
る気流調整機構を備えたディスク装置が、種々提案され
ている。例えば特開２０００−３４８４６５号公報は、
ケーシングの内壁面に取り付けられる整流板を備えたハ
ードディスク装置を開示する。整流板は、記憶ディスク
の外周面を部分的に囲繞する円筒切片形状を有する剛体
であり、ケーシングの円筒状の内壁面に嵌め込んで固定
される。整流板は、金属製の管素材からなり、記憶ディ
スクに対向するその内周面に、周方向へ延びる整流溝が
切削加工により形成される。整流板は、高速回転中の記
憶ディスクの周辺に生じる気流を整流溝に沿って円滑に
案内することにより、気流が記憶ディスクに及ぼす振動
等の影響を軽減する。
高速回転する記憶ディスクの周辺に生じる気流を調整す
る気流調整機構を備えたディスク装置が、種々提案され
ている。例えば特開２０００−３４８４６５号公報は、
ケーシングの内壁面に取り付けられる整流板を備えたハ
ードディスク装置を開示する。整流板は、記憶ディスク
の外周面を部分的に囲繞する円筒切片形状を有する剛体
であり、ケーシングの円筒状の内壁面に嵌め込んで固定
される。整流板は、金属製の管素材からなり、記憶ディ
スクに対向するその内周面に、周方向へ延びる整流溝が
切削加工により形成される。整流板は、高速回転中の記
憶ディスクの周辺に生じる気流を整流溝に沿って円滑に
案内することにより、気流が記憶ディスクに及ぼす振動
等の影響を軽減する。
【０００５】また、特開２０００−３５７３８５号公報
は、記憶ディスクの記録面に対向する位置に、ディスク
回転軸線を中心として同心円状に複数の環状溝を設けた
ＣＤ−ＲＯＭ装置を開示する。これら環状溝は、記憶デ
ィスクの回転に伴う気流を真円状に案内し、それによ
り、気流が記憶ディスクに及ぼす振動等の影響を軽減す
る。
は、記憶ディスクの記録面に対向する位置に、ディスク
回転軸線を中心として同心円状に複数の環状溝を設けた
ＣＤ−ＲＯＭ装置を開示する。これら環状溝は、記憶デ
ィスクの回転に伴う気流を真円状に案内し、それによ
り、気流が記憶ディスクに及ぼす振動等の影響を軽減す
る。
【０００６】特開平１１−２９７０３７号公報は、複数
の記憶ディスクの回転に伴う気流を、それら記憶ディス
クの間の空間で回転中心から径方向外方へ強制的に流動
させる案内溝を設けたハードディスク装置を開示する。
このような気流の強制的流動は、記憶ディスクの振動の
抑制に寄与する。
の記憶ディスクの回転に伴う気流を、それら記憶ディス
クの間の空間で回転中心から径方向外方へ強制的に流動
させる案内溝を設けたハードディスク装置を開示する。
このような気流の強制的流動は、記憶ディスクの振動の
抑制に寄与する。
【０００７】特開平１１−７３７５６号公報は、ケーシ
ングの内面隅部に、記憶ディスクの回転に伴う気流を整
流する複数の整流壁を設けたハードディスク装置を開示
する。それら整流壁は、記憶ディスクに対向するそれぞ
れの表面が協働して、円筒形の囲い壁を形成し、それに
より気流を円滑に案内する。
ングの内面隅部に、記憶ディスクの回転に伴う気流を整
流する複数の整流壁を設けたハードディスク装置を開示
する。それら整流壁は、記憶ディスクに対向するそれぞ
れの表面が協働して、円筒形の囲い壁を形成し、それに
より気流を円滑に案内する。
【０００８】米国特許第４８８５６５２号明細書及び対
応の実開平２−１６４７４号公報、並びに米国特許第４
３３９７７７号明細書は、記憶ディスクの回転に伴う気
流を、ケーシング内部に設置したエアフィルタに向けて
強制的に流動させる気流誘導構造を備えたディスク装置
を開示する。
応の実開平２−１６４７４号公報、並びに米国特許第４
３３９７７７号明細書は、記憶ディスクの回転に伴う気
流を、ケーシング内部に設置したエアフィルタに向けて
強制的に流動させる気流誘導構造を備えたディスク装置
を開示する。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】従来、ディスク装置の
ケーシングは、一般に金属材料から鋳造工程等を経て作
製される剛体構造を有し、ディスク装置の主要構成要素
群を安定的に収容する有底凹所を備える。したがって、
上記した従来の各種気流調整機構は、ケーシングの凹所
を画定する内壁面に対し、整流板や整流壁等の別体の部
材を取り付けるための何らかの機械加工が必要となる。
このような機械加工工程は、ディスク装置の製造工程を
煩雑にしたり製造コストを上昇させたりする要因となり
得る。
ケーシングは、一般に金属材料から鋳造工程等を経て作
製される剛体構造を有し、ディスク装置の主要構成要素
群を安定的に収容する有底凹所を備える。したがって、
上記した従来の各種気流調整機構は、ケーシングの凹所
を画定する内壁面に対し、整流板や整流壁等の別体の部
材を取り付けるための何らかの機械加工が必要となる。
このような機械加工工程は、ディスク装置の製造工程を
煩雑にしたり製造コストを上昇させたりする要因となり
得る。
【００１０】本発明の目的は、記憶ディスクにデータの
書き込み及び読み出しを行うディスク装置において、高
速回転する記憶ディスクに随伴して記憶ディスクの周辺
に生じる気流を調整して、特に気流が記憶ディスクに及
ぼす振動等の影響を効果的に抑制でき、しかも安価かつ
容易に装備できる気流調整機構を備えたディスク装置を
提供することにある。
書き込み及び読み出しを行うディスク装置において、高
速回転する記憶ディスクに随伴して記憶ディスクの周辺
に生じる気流を調整して、特に気流が記憶ディスクに及
ぼす振動等の影響を効果的に抑制でき、しかも安価かつ
容易に装備できる気流調整機構を備えたディスク装置を
提供することにある。
【００１１】本発明の他の目的は、ディスク装置に気流
調整機構として組み込むことができる薄板部材を提供す
ることにある。
調整機構として組み込むことができる薄板部材を提供す
ることにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、凹所を画定する内壁面を
有するケーシングと、ケーシングの凹所に設置され、記
録面を有する回転可能な記憶ディスクと、記憶ディスク
の近傍でケーシングの凹所に設置され、ヘッド部を記憶
ディスクの記録面に対向させた状態に支持するととも
に、ヘッド部を記録面に対してトラック追従動作させる
アクチュエータと、回転する記憶ディスクに随伴してケ
ーシングの凹所内で記憶ディスクの周辺に生じる気流を
調整する気流調整機構とを具備し、気流調整機構は、ケ
ーシングの内壁面の形状に追従可能な可撓性を有する薄
板部材を具備し、薄板部材は、複数の微細突起を形成し
た主表面を有する基材層と、基材層の主表面の反対側の
裏面に添着される粘着剤層とを備え、薄板部材が、複数
の微細突起をケーシングの凹所に露出させた状態で、粘
着剤層を介して、ケーシングの内壁面に固着される、デ
ィスク装置を提供する。
に、請求項１に記載の発明は、凹所を画定する内壁面を
有するケーシングと、ケーシングの凹所に設置され、記
録面を有する回転可能な記憶ディスクと、記憶ディスク
の近傍でケーシングの凹所に設置され、ヘッド部を記憶
ディスクの記録面に対向させた状態に支持するととも
に、ヘッド部を記録面に対してトラック追従動作させる
アクチュエータと、回転する記憶ディスクに随伴してケ
ーシングの凹所内で記憶ディスクの周辺に生じる気流を
調整する気流調整機構とを具備し、気流調整機構は、ケ
ーシングの内壁面の形状に追従可能な可撓性を有する薄
板部材を具備し、薄板部材は、複数の微細突起を形成し
た主表面を有する基材層と、基材層の主表面の反対側の
裏面に添着される粘着剤層とを備え、薄板部材が、複数
の微細突起をケーシングの凹所に露出させた状態で、粘
着剤層を介して、ケーシングの内壁面に固着される、デ
ィスク装置を提供する。
【００１３】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
のディスク装置において、薄板部材の複数の微細突起
が、互いに略平行に延びる複数の突条からなるディスク
装置を提供する。
のディスク装置において、薄板部材の複数の微細突起
が、互いに略平行に延びる複数の突条からなるディスク
装置を提供する。
【００１４】請求項３に記載の発明は、請求項１に記載
のディスク装置において、薄板部材の複数の微細突起
が、それぞれの末端に膨出頭部を有する複数の有頭突子
からなるディスク装置を提供する。
のディスク装置において、薄板部材の複数の微細突起
が、それぞれの末端に膨出頭部を有する複数の有頭突子
からなるディスク装置を提供する。
【００１５】請求項４に記載の発明は、請求項１〜３の
いずれか１項に記載のディスク装置において、薄板部材
が、記憶ディスクの外周縁に対向する位置に配置される
ディスク装置を提供する。
いずれか１項に記載のディスク装置において、薄板部材
が、記憶ディスクの外周縁に対向する位置に配置される
ディスク装置を提供する。
【００１６】請求項５に記載の発明は、請求項１〜４の
いずれか１項に記載のディスク装置において、薄板部材
が、記憶ディスクの記録面に対向する位置に配置される
ディスク装置を提供する。
いずれか１項に記載のディスク装置において、薄板部材
が、記憶ディスクの記録面に対向する位置に配置される
ディスク装置を提供する。
【００１７】請求項６に記載の発明は、請求項１〜５の
いずれか１項に記載のディスク装置に気流調整機構とし
て組み込まれる薄板部材を提供する。
いずれか１項に記載のディスク装置に気流調整機構とし
て組み込まれる薄板部材を提供する。
【００１８】請求項７に記載の発明は、請求項６に記載
の薄板部材において、複数の微細突起が、主表面に形成
される他の複数の微細突起又は微細凹陥に隣接して交互
配置される平坦な開放領域を有する特定の幾何学的パタ
ーンで配置される薄板部材を提供する。
の薄板部材において、複数の微細突起が、主表面に形成
される他の複数の微細突起又は微細凹陥に隣接して交互
配置される平坦な開放領域を有する特定の幾何学的パタ
ーンで配置される薄板部材を提供する。
【００１９】請求項８に記載の発明は、請求項６又は７
に記載の薄板部材において、空気濾過機能を有する表面
をさらに備える薄板部材を提供する。
に記載の薄板部材において、空気濾過機能を有する表面
をさらに備える薄板部材を提供する。
【００２０】請求項９に記載の発明は、請求項６〜８の
いずれか１項に記載の薄板部材において、ディスク装置
のアコースティックエミッションを低減する機能をさら
に有する薄板部材を提供する。
いずれか１項に記載の薄板部材において、ディスク装置
のアコースティックエミッションを低減する機能をさら
に有する薄板部材を提供する。
【００２１】請求項１０に記載の発明は、請求項６〜９
のいずれか１項に記載の薄板部材において、帯電防止機
能、粒子吸着用の荷電表面機能及び吸湿機能のうち、少
なくとも１つの機能をさらに有する薄板部材を提供す
る。
のいずれか１項に記載の薄板部材において、帯電防止機
能、粒子吸着用の荷電表面機能及び吸湿機能のうち、少
なくとも１つの機能をさらに有する薄板部材を提供す
る。
【００２２】請求項１１に記載の発明は、請求項６〜１
０のいずれか１項に記載の薄板部材において、電磁妨害
雑音低減機能及び無線周波干渉低減機能のうち、少なく
とも１つの機能をさらに有する薄板部材を提供する。
０のいずれか１項に記載の薄板部材において、電磁妨害
雑音低減機能及び無線周波干渉低減機能のうち、少なく
とも１つの機能をさらに有する薄板部材を提供する。
【００２３】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一
又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。図面を
参照すると、図１は、本発明の一実施形態によるディス
ク装置１０を、ケーシングのカバーを取り外した状態で
示す斜視図、図２は、ディスク装置１０の気流調整機構
を示す概略断面図である。ディスク装置１０は、パーソ
ナルコンピュータ等の情報処理装置の補助記憶装置とし
て使用されるハードディスク装置の構成を有する。
明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一
又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。図面を
参照すると、図１は、本発明の一実施形態によるディス
ク装置１０を、ケーシングのカバーを取り外した状態で
示す斜視図、図２は、ディスク装置１０の気流調整機構
を示す概略断面図である。ディスク装置１０は、パーソ
ナルコンピュータ等の情報処理装置の補助記憶装置とし
て使用されるハードディスク装置の構成を有する。
【００２４】ディスク装置１０は、ケーシング１２と、
ケーシング１２内に共通の駆動軸１４を中心として回転
可能に設置され、各々に記録面１６ａを有する複数（図
で３枚）の記憶ディスク１６と、それら記憶ディスク１
６を回転駆動する駆動源（図示せず）と、記憶ディスク
１６の近傍でケーシング１２内に移動可能に設置され、
複数のヘッド部１８を複数の記憶ディスク１６の記録面
１６ａにそれぞれ対向させた状態に支持するとともに、
それらヘッド部１８を記録面１６ａに対してトラック追
従（トラッキング）動作させるアクチュエータ２０と、
アクチュエータ２０を駆動するサーボ機構２２とを備え
て構成される。
ケーシング１２内に共通の駆動軸１４を中心として回転
可能に設置され、各々に記録面１６ａを有する複数（図
で３枚）の記憶ディスク１６と、それら記憶ディスク１
６を回転駆動する駆動源（図示せず）と、記憶ディスク
１６の近傍でケーシング１２内に移動可能に設置され、
複数のヘッド部１８を複数の記憶ディスク１６の記録面
１６ａにそれぞれ対向させた状態に支持するとともに、
それらヘッド部１８を記録面１６ａに対してトラック追
従（トラッキング）動作させるアクチュエータ２０と、
アクチュエータ２０を駆動するサーボ機構２２とを備え
て構成される。
【００２５】ケーシング１２は、例えば金属材料から鋳
造工程等を経て作製される剛体構造を有し、ディスク装
置１０の上記した主要構成要素群を安定的に収容する有
底凹所２４を備える。ケーシング１２には、上記主要構
成要素群を凹所２４に収容した状態で凹所２４を遮蔽す
るカバー２６が取着される。
造工程等を経て作製される剛体構造を有し、ディスク装
置１０の上記した主要構成要素群を安定的に収容する有
底凹所２４を備える。ケーシング１２には、上記主要構
成要素群を凹所２４に収容した状態で凹所２４を遮蔽す
るカバー２６が取着される。
【００２６】記憶ディスク１６は、両面に記録面１６ａ
を有する磁気ディスクであり、各記録面１６ａに、回転
軸線を中心として同心円状に設定される多数の記録トラ
ック（図示せず）が形成される。複数の記憶ディスク１
６は、ケーシング１２の凹所２４内で、共通の駆動軸１
４に、軸線方向へ一定の間隔を空けて固定的に取り付け
られ、駆動源の駆動作用により互いに同期して高速回転
する（回転方向を矢印αで示す）。
を有する磁気ディスクであり、各記録面１６ａに、回転
軸線を中心として同心円状に設定される多数の記録トラ
ック（図示せず）が形成される。複数の記憶ディスク１
６は、ケーシング１２の凹所２４内で、共通の駆動軸１
４に、軸線方向へ一定の間隔を空けて固定的に取り付け
られ、駆動源の駆動作用により互いに同期して高速回転
する（回転方向を矢印αで示す）。
【００２７】アクチュエータ２０は、記憶ディスク１６
の記録面１６ａに沿ってそれぞれ延設される支軸旋回可
能な複数（図で４本）のサスペンションアーム２８を備
える。それらサスペンションアーム２８は、それぞれの
基端で互いに一体的に連結され、その一体的連結部分２
８ａが共通の軸３０に取り付けられる。各サスペンショ
ンアーム２８の末端には、板ばね状のヘッド支持板３２
が連結され、各ヘッド支持板３２の末端に、ヘッド部１
８を構成するスライダ（図示せず）が担持される。複数
のサスペンションアーム２８は、ケーシング１２の凹所
２４内で、サーボ機構２２の駆動作用により、軸３０を
中心とした所定角度範囲に渡って互いに同期して旋回す
る（旋回方向を矢印βで示す）。それにより、各サスペ
ンションアーム２８に連結されたヘッド支持板３２の先
端のヘッド部１８が、対応の記憶ディスク１６の記録面
１６ａに設定される記録トラックに対してトラッキング
動作し、記録面１６ａにデータの書き込み及び読み出し
を行う。なお、アクチュエータ２０は、その動作時にお
ける複数のサスペンションアーム２８の慣性モーメント
を低減すべく、各サスペンションアーム２８の略中央位
置に貫通穴３４を設けてアーム２８を軽量化している。
の記録面１６ａに沿ってそれぞれ延設される支軸旋回可
能な複数（図で４本）のサスペンションアーム２８を備
える。それらサスペンションアーム２８は、それぞれの
基端で互いに一体的に連結され、その一体的連結部分２
８ａが共通の軸３０に取り付けられる。各サスペンショ
ンアーム２８の末端には、板ばね状のヘッド支持板３２
が連結され、各ヘッド支持板３２の末端に、ヘッド部１
８を構成するスライダ（図示せず）が担持される。複数
のサスペンションアーム２８は、ケーシング１２の凹所
２４内で、サーボ機構２２の駆動作用により、軸３０を
中心とした所定角度範囲に渡って互いに同期して旋回す
る（旋回方向を矢印βで示す）。それにより、各サスペ
ンションアーム２８に連結されたヘッド支持板３２の先
端のヘッド部１８が、対応の記憶ディスク１６の記録面
１６ａに設定される記録トラックに対してトラッキング
動作し、記録面１６ａにデータの書き込み及び読み出し
を行う。なお、アクチュエータ２０は、その動作時にお
ける複数のサスペンションアーム２８の慣性モーメント
を低減すべく、各サスペンションアーム２８の略中央位
置に貫通穴３４を設けてアーム２８を軽量化している。
【００２８】ディスク装置１０はさらに、高速回転する
複数の記憶ディスク１６に随伴してケーシング１２の凹
所２４内でそれら記憶ディスク１６の周辺に生じる気流
を調整して、特に気流が記憶ディスク１６に及ぼす振動
等の影響を効果的に抑制できる下記の特徴的構成を有し
た気流調整機構を備える。
複数の記憶ディスク１６に随伴してケーシング１２の凹
所２４内でそれら記憶ディスク１６の周辺に生じる気流
を調整して、特に気流が記憶ディスク１６に及ぼす振動
等の影響を効果的に抑制できる下記の特徴的構成を有し
た気流調整機構を備える。
【００２９】ディスク装置１０の気流調整機構は、ケー
シング１２の凹所２４を画定する内壁面３６の所望位置
に固着される薄板部材３８を備える。薄板部材３８は、
図３に示すように、複数の微細突起４０を形成した主表
面４２ａを有する基材層４２と、基材層４２の主表面４
２ａの反対側の裏面に添着される粘着剤層４４とを備え
る。薄板部材３８は、複数の微細突起４０をケーシング
１２の凹所２４に露出させた状態で、粘着剤層４４を介
して、ケーシング１２の内壁面３６に固着される。
シング１２の凹所２４を画定する内壁面３６の所望位置
に固着される薄板部材３８を備える。薄板部材３８は、
図３に示すように、複数の微細突起４０を形成した主表
面４２ａを有する基材層４２と、基材層４２の主表面４
２ａの反対側の裏面に添着される粘着剤層４４とを備え
る。薄板部材３８は、複数の微細突起４０をケーシング
１２の凹所２４に露出させた状態で、粘着剤層４４を介
して、ケーシング１２の内壁面３６に固着される。
【００３０】薄板部材３８は、ケーシング１２の内壁面
３６の形状に追従可能な可撓性を有する。この可撓性
は、後述する薄板部材３８の材料及び寸法の選択によっ
て付与される。特に図示実施形態では、薄板部材３８
は、ケーシング１２の内壁面３６上で、複数の記憶ディ
スク１６の外周縁１６ｂに対向する側面領域３６ａの所
定位置に配置される。一般にケーシング１２の側面領域
３６ａは、回転する記憶ディスク１６によって生じる気
流を円滑に流動させるために、記憶ディスク１６の外周
縁１６ｂの曲率に対応する曲率を有する円筒形状に形成
される。薄板部材３８は、このような所定の曲率を有す
る内壁面３６に、無理なく追従して撓曲した状態で固着
される。
３６の形状に追従可能な可撓性を有する。この可撓性
は、後述する薄板部材３８の材料及び寸法の選択によっ
て付与される。特に図示実施形態では、薄板部材３８
は、ケーシング１２の内壁面３６上で、複数の記憶ディ
スク１６の外周縁１６ｂに対向する側面領域３６ａの所
定位置に配置される。一般にケーシング１２の側面領域
３６ａは、回転する記憶ディスク１６によって生じる気
流を円滑に流動させるために、記憶ディスク１６の外周
縁１６ｂの曲率に対応する曲率を有する円筒形状に形成
される。薄板部材３８は、このような所定の曲率を有す
る内壁面３６に、無理なく追従して撓曲した状態で固着
される。
【００３１】また、図示実施形態では、薄板部材３８の
複数の微細突起４０は、互いに略平行に延びる複数の突
条４６（図３）から形成される。したがって薄板部材３
８は、複数の微細突起４０を構成する突条４６の延長方
向が、記憶ディスク１６の記録面１６ａに略平行に方向
付けされるように、内壁面３６上で位置決めされる。
複数の微細突起４０は、互いに略平行に延びる複数の突
条４６（図３）から形成される。したがって薄板部材３
８は、複数の微細突起４０を構成する突条４６の延長方
向が、記憶ディスク１６の記録面１６ａに略平行に方向
付けされるように、内壁面３６上で位置決めされる。
【００３２】なお、薄板部材３８は、図３に示す構成に
限らず、複数の微細突起が、主表面に形成される他の複
数の微細突起又は微細凹陥に隣接して交互配置される平
坦な開放領域を有する特定の幾何学的パターンで配置さ
れるように、構成することもできる。すなわち、薄板部
材３８は、基材層の主表面に、角錐形、正方形、長方
形、円形、四半円形及びそれらの組み合わせによって規
定される凹陥部分や凹面ないし凸面を、任意選択的に含
むことができる。
限らず、複数の微細突起が、主表面に形成される他の複
数の微細突起又は微細凹陥に隣接して交互配置される平
坦な開放領域を有する特定の幾何学的パターンで配置さ
れるように、構成することもできる。すなわち、薄板部
材３８は、基材層の主表面に、角錐形、正方形、長方
形、円形、四半円形及びそれらの組み合わせによって規
定される凹陥部分や凹面ないし凸面を、任意選択的に含
むことができる。
【００３３】このような構成を有する薄板部材３８は、
複数の記憶ディスク１６の外周縁１６ｂに対向するケー
シング内壁面３６の側面領域３６ａにおいて、記憶ディ
スク１６の回転に伴って生じる気流の接触面摩擦を可及
的に低減し、その結果、側面領域３６ａに沿った気流を
円滑に案内して実質的層流状に安定化するように作用す
る。それにより、気流が記憶ディスク１６に及ぼす振動
等の影響が、極めて効果的に抑制される。
複数の記憶ディスク１６の外周縁１６ｂに対向するケー
シング内壁面３６の側面領域３６ａにおいて、記憶ディ
スク１６の回転に伴って生じる気流の接触面摩擦を可及
的に低減し、その結果、側面領域３６ａに沿った気流を
円滑に案内して実質的層流状に安定化するように作用す
る。それにより、気流が記憶ディスク１６に及ぼす振動
等の影響が、極めて効果的に抑制される。
【００３４】このような気流調整機能に関連して、又は
それとは別に、薄板部材３８は基材層４２の主表面４２
ａに、空気濾過機能を有する表面部分をさらに備えるこ
とができる。上記した構成と同様の突起や凹陥は、薄板
部材３８の主表面上及びディスク装置のケーシング内部
の微粒子群を捕獲収集することができる。この観点で、
後述する基材層４２の樹脂材料を適宜選択したり、カー
ボンや他の吸着材料のような添加剤を加えることによ
り、化学的濾過機能を付与することもできる。
それとは別に、薄板部材３８は基材層４２の主表面４２
ａに、空気濾過機能を有する表面部分をさらに備えるこ
とができる。上記した構成と同様の突起や凹陥は、薄板
部材３８の主表面上及びディスク装置のケーシング内部
の微粒子群を捕獲収集することができる。この観点で、
後述する基材層４２の樹脂材料を適宜選択したり、カー
ボンや他の吸着材料のような添加剤を加えることによ
り、化学的濾過機能を付与することもできる。
【００３５】さらに、それ自体に十分な可撓性を有する
薄板部材３８を、粘着剤層４４を介してケーシング内壁
面３６の所望位置に固着する本発明の構成は、ケーシン
グ１２が金属材料から鋳造工程等を経て作製される剛体
構造を有する場合であっても、ケーシング１２の内壁面
３６に対し薄板部材３８を取り付けるための機械加工を
全く必要としない。したがって薄板部材３８によれば、
ディスク装置１０の製造工程の簡略化及び製造コストの
低減が実現される。
薄板部材３８を、粘着剤層４４を介してケーシング内壁
面３６の所望位置に固着する本発明の構成は、ケーシン
グ１２が金属材料から鋳造工程等を経て作製される剛体
構造を有する場合であっても、ケーシング１２の内壁面
３６に対し薄板部材３８を取り付けるための機械加工を
全く必要としない。したがって薄板部材３８によれば、
ディスク装置１０の製造工程の簡略化及び製造コストの
低減が実現される。
【００３６】薄板部材３８の基材層４２としては、特に
限定されないが、例えばポリプロピレン、ポリエチレ
ン、アクリル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレート等からなる
樹脂基板を採用できる。また、液晶ポリマーも、基材層
の材料として使用できる。このような基材層４２に対
し、複数の微細突起４０は、例えばエンボス成形、押出
成形、化学エッチング、イオンエッチング（イオンミリ
ング）等の加工工程によって形成できる。また、粘着剤
層４４は、一般的な粘着剤、好ましくはアクリル系粘着
剤から作製できる。この場合、０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ
の全体厚み（微細突起４０を含む厚み）の基材層４２
と、３０μｍ〜１００μｍの厚みの粘着剤層４４とを、
適宜組み合わせて使用することが、所要の可撓性を付与
する観点で好ましい。
限定されないが、例えばポリプロピレン、ポリエチレ
ン、アクリル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレート等からなる
樹脂基板を採用できる。また、液晶ポリマーも、基材層
の材料として使用できる。このような基材層４２に対
し、複数の微細突起４０は、例えばエンボス成形、押出
成形、化学エッチング、イオンエッチング（イオンミリ
ング）等の加工工程によって形成できる。また、粘着剤
層４４は、一般的な粘着剤、好ましくはアクリル系粘着
剤から作製できる。この場合、０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ
の全体厚み（微細突起４０を含む厚み）の基材層４２
と、３０μｍ〜１００μｍの厚みの粘着剤層４４とを、
適宜組み合わせて使用することが、所要の可撓性を付与
する観点で好ましい。
【００３７】また、複数の微細突起４０を構成する突条
４６の他の例として、米国特許第４９８６４９６号、同
第５０６９４０３号、同第５１３３５１６号、同第５８
４８７６９号に開示されている図４（ａ）〜（ｅ）に断
面図で示す形状を挙げることができる。図３及び図４に
示す各種形状の突条４６においては、各突条４６の高さ
（基端から頂点までの距離）は２０μｍ〜４００μｍ、
Ｖ字形の基端交差部（すなわち谷）の角度は１５°〜１
４０°、隣り合う突条４６の頂点同士の間隔は２０μｍ
〜４００μｍであることが好ましい。いずれの形状の突
条４６も、ケーシング１２の内壁面３６上で薄板部材３
８の適正な方向性を確保することにより、気流に対する
効果的な整流作用を発揮できる。
４６の他の例として、米国特許第４９８６４９６号、同
第５０６９４０３号、同第５１３３５１６号、同第５８
４８７６９号に開示されている図４（ａ）〜（ｅ）に断
面図で示す形状を挙げることができる。図３及び図４に
示す各種形状の突条４６においては、各突条４６の高さ
（基端から頂点までの距離）は２０μｍ〜４００μｍ、
Ｖ字形の基端交差部（すなわち谷）の角度は１５°〜１
４０°、隣り合う突条４６の頂点同士の間隔は２０μｍ
〜４００μｍであることが好ましい。いずれの形状の突
条４６も、ケーシング１２の内壁面３６上で薄板部材３
８の適正な方向性を確保することにより、気流に対する
効果的な整流作用を発揮できる。
【００３８】薄板部材３８の基材層４２に形成される複
数の微細突起４０は、上記した突条４６に限定されず、
例えば図５に示す角錐台状の突子４８や、図６に示す茸
状の有頭突子５０から構成することもできる。いずれの
場合も、ケーシング１２の内壁面３６の所望表面部位に
薄板部材３８を適正に方向付けして固着することによ
り、複数の微細突起４０が、高速回転中の記憶ディスク
１６の周辺に生じる気流に対し前述した整流作用を発揮
する。その結果、気流の安定化が促進され、気流が記憶
ディスク１６に及ぼす振動等の影響が効果的に抑制され
る。
数の微細突起４０は、上記した突条４６に限定されず、
例えば図５に示す角錐台状の突子４８や、図６に示す茸
状の有頭突子５０から構成することもできる。いずれの
場合も、ケーシング１２の内壁面３６の所望表面部位に
薄板部材３８を適正に方向付けして固着することによ
り、複数の微細突起４０が、高速回転中の記憶ディスク
１６の周辺に生じる気流に対し前述した整流作用を発揮
する。その結果、気流の安定化が促進され、気流が記憶
ディスク１６に及ぼす振動等の影響が効果的に抑制され
る。
【００３９】特に、末端に膨出頭部５２を有する有頭突
子５０は、気流に対する良好な整流効果を発揮できるこ
とが判っている。この場合、有頭突子５０は、図７に示
す断面形状を有することが有利である。このような形状
の有頭突子５０を有する基材層４２の各部寸法の一例を
列記すると、頭部５２の直径Ｄ＝０．３００ｍｍ、有頭
突子５０の高さＨ＝０．３２５ｍｍ、基材層４２の全体
厚みＴ＝０．４４ｍｍである。
子５０は、気流に対する良好な整流効果を発揮できるこ
とが判っている。この場合、有頭突子５０は、図７に示
す断面形状を有することが有利である。このような形状
の有頭突子５０を有する基材層４２の各部寸法の一例を
列記すると、頭部５２の直径Ｄ＝０．３００ｍｍ、有頭
突子５０の高さＨ＝０．３２５ｍｍ、基材層４２の全体
厚みＴ＝０．４４ｍｍである。
【００４０】なお、薄板部材３８の基材層４２に好適に
使用できる材料として、複数の微細突起４０が突条４６
からなる場合は、例えばミネソタマイニングアンドマニ
ュファクチャリング社（米国、ミネソタ州）から入手可
能な突条付テープ（製品番号：Ｂ−１００）を採用でき
る。また、複数の微細突起４０が有頭突子５０からなる
場合は、例えばミネソタマイニングアンドマニュファク
チャリング社（米国、ミネソタ州）から入手可能な有頭
突子付テープ（製品番号：ＣＳ−２００）を採用でき
る。
使用できる材料として、複数の微細突起４０が突条４６
からなる場合は、例えばミネソタマイニングアンドマニ
ュファクチャリング社（米国、ミネソタ州）から入手可
能な突条付テープ（製品番号：Ｂ−１００）を採用でき
る。また、複数の微細突起４０が有頭突子５０からなる
場合は、例えばミネソタマイニングアンドマニュファク
チャリング社（米国、ミネソタ州）から入手可能な有頭
突子付テープ（製品番号：ＣＳ−２００）を採用でき
る。
【００４１】上記構成を有する薄板部材３８は、図８に
示すように、ケーシング１２の内壁面３６上で、下端に
位置する記憶ディスク１６の下側の記録面１６ａに対向
する底面領域３６ｂの所定位置や、上端に位置する記憶
ディスク１６の上側の記録面１６ａに対向する頂面領域
３６ｃ（例えばカバー２６の裏面）の所定位置に配置す
ることもできる。この構成においても、薄板部材３８
は、複数の記憶ディスク１６の記録面１６ａに対向する
ケーシング内壁面３６の底面及び頂面領域３６ｂ、３６
ｃにおいて、記憶ディスク１６の回転に伴って生じる気
流の接触面摩擦を可及的に低減して気流を実質的層流状
に安定化するように作用し、それにより、気流が記憶デ
ィスク１６に及ぼす振動等の影響を極めて効果的に抑制
できる。
示すように、ケーシング１２の内壁面３６上で、下端に
位置する記憶ディスク１６の下側の記録面１６ａに対向
する底面領域３６ｂの所定位置や、上端に位置する記憶
ディスク１６の上側の記録面１６ａに対向する頂面領域
３６ｃ（例えばカバー２６の裏面）の所定位置に配置す
ることもできる。この構成においても、薄板部材３８
は、複数の記憶ディスク１６の記録面１６ａに対向する
ケーシング内壁面３６の底面及び頂面領域３６ｂ、３６
ｃにおいて、記憶ディスク１６の回転に伴って生じる気
流の接触面摩擦を可及的に低減して気流を実質的層流状
に安定化するように作用し、それにより、気流が記憶デ
ィスク１６に及ぼす振動等の影響を極めて効果的に抑制
できる。
【００４２】さらに薄板部材３８は、それ自体が有する
可撓性により、記憶ディスク１６の外周縁１６ｂの曲率
に対応しない異形の内壁面３６（例えば図１に符号５４
で示す部位）や、ケーシング１２の凹所２４内に設置さ
れる各構成部品の表面にも、無理なく追従させて撓曲さ
せた状態で固着できる。また、曲率（したがって径寸
法）の異なる記憶ディスクを内蔵した異種のディスク装
置に対しても、同一構成の薄板部材３８を汎用的に使用
して、ケーシング内の所望位置に設置することができ
る。
可撓性により、記憶ディスク１６の外周縁１６ｂの曲率
に対応しない異形の内壁面３６（例えば図１に符号５４
で示す部位）や、ケーシング１２の凹所２４内に設置さ
れる各構成部品の表面にも、無理なく追従させて撓曲さ
せた状態で固着できる。また、曲率（したがって径寸
法）の異なる記憶ディスクを内蔵した異種のディスク装
置に対しても、同一構成の薄板部材３８を汎用的に使用
して、ケーシング内の所望位置に設置することができ
る。
【００４３】本発明に係る薄板部材はさらに、ディスク
装置のアコースティックエミッションを低減する機能を
有することもできる。ディスク装置のディスク駆動軸に
おける流体軸受作用により、気流ノイズは最も影響の大
きなノイズとなる。この点で、薄板部材は、表面の気流
特性の変更によって生じるノイズを低減したり、ディス
ク装置内で発生するアコースティックノイズを吸収して
消失させたりすることができる。
装置のアコースティックエミッションを低減する機能を
有することもできる。ディスク装置のディスク駆動軸に
おける流体軸受作用により、気流ノイズは最も影響の大
きなノイズとなる。この点で、薄板部材は、表面の気流
特性の変更によって生じるノイズを低減したり、ディス
ク装置内で発生するアコースティックノイズを吸収して
消失させたりすることができる。
【００４４】以上、本発明の好適な実施形態を説明した
が、本発明は、図示実施形態の構成に限定されず、特許
請求の範囲の記載内で種々の変形及び修正を成し得るも
のである。例えば、本発明に係るディスク装置及びその
製造方法は、光ディスクや光磁気ディスク等の、磁気デ
ィスク以外の記憶ディスクを搭載したディスク装置にも
適用できる。
が、本発明は、図示実施形態の構成に限定されず、特許
請求の範囲の記載内で種々の変形及び修正を成し得るも
のである。例えば、本発明に係るディスク装置及びその
製造方法は、光ディスクや光磁気ディスク等の、磁気デ
ィスク以外の記憶ディスクを搭載したディスク装置にも
適用できる。
【００４５】また薄板部材は、帯電防止機能、粒子吸着
用の荷電表面機能及び吸湿機能のうち、少なくとも１つ
の機能を有することができる。さらに薄板部材は、電磁
妨害雑音低減機能及び無線周波干渉低減機能のうち、少
なくとも１つの機能を有することもできる。
用の荷電表面機能及び吸湿機能のうち、少なくとも１つ
の機能を有することができる。さらに薄板部材は、電磁
妨害雑音低減機能及び無線周波干渉低減機能のうち、少
なくとも１つの機能を有することもできる。
【００４６】
【実施例】図１に示す基本構成を有する３．５インチ型
ハードディスク装置において、記憶ディスク１６を１０
０００ｒｐｍで回転させたときに、上端に位置する記憶
ディスク１６に生じる鉛直方向（駆動軸１４の軸線方
向）の振動を、ケーシング内壁面３６の側面領域３６ａ
に薄板部材３８を取り付けた本発明構造（図２）と、薄
板部材３８を取り付けていない従来構造とのそれぞれに
対し、レーザ変位計で測定した。測定箇所は、記憶ディ
スク１６の記録面１６ａの径方向中央とした。薄板部材
３８としては、複数の突条４６からなる微細突起４０を
基材層４２に形成したもの（サンプル１）と、複数の有
頭突子５０からなる微細突起４０を基材層４２に形成し
たもの（サンプル２）とを使用した。結果は、従来構造
では鉛直方向振幅で１．７１μｍの振動が上端の記憶デ
ィスク１６に生じたのに対し、本発明構造においてはこ
の振動振幅が、サンプル１で１．３３μｍに、またサン
プル２で０．８７μｍに抑制された。
ハードディスク装置において、記憶ディスク１６を１０
０００ｒｐｍで回転させたときに、上端に位置する記憶
ディスク１６に生じる鉛直方向（駆動軸１４の軸線方
向）の振動を、ケーシング内壁面３６の側面領域３６ａ
に薄板部材３８を取り付けた本発明構造（図２）と、薄
板部材３８を取り付けていない従来構造とのそれぞれに
対し、レーザ変位計で測定した。測定箇所は、記憶ディ
スク１６の記録面１６ａの径方向中央とした。薄板部材
３８としては、複数の突条４６からなる微細突起４０を
基材層４２に形成したもの（サンプル１）と、複数の有
頭突子５０からなる微細突起４０を基材層４２に形成し
たもの（サンプル２）とを使用した。結果は、従来構造
では鉛直方向振幅で１．７１μｍの振動が上端の記憶デ
ィスク１６に生じたのに対し、本発明構造においてはこ
の振動振幅が、サンプル１で１．３３μｍに、またサン
プル２で０．８７μｍに抑制された。
【００４７】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、記憶ディスクにデータの書き込み及び読み出
しを行うディスク装置において、高速回転する記憶ディ
スクに随伴して記憶ディスクの周辺に生じる気流を調整
して、特に気流が記憶ディスクに及ぼす振動等の影響を
効果的に抑制できる信頼性に優れた気流調整機構を、安
価かつ容易に搭載できるようになる。
によれば、記憶ディスクにデータの書き込み及び読み出
しを行うディスク装置において、高速回転する記憶ディ
スクに随伴して記憶ディスクの周辺に生じる気流を調整
して、特に気流が記憶ディスクに及ぼす振動等の影響を
効果的に抑制できる信頼性に優れた気流調整機構を、安
価かつ容易に搭載できるようになる。
【図１】本発明の一実施形態によるディスク装置を、ケ
ーシングのカバーを取り外した状態で示す斜視図であ
る。
ーシングのカバーを取り外した状態で示す斜視図であ
る。
【図２】図１のディスク装置における複数の記憶ディス
クと薄板部材とを示す概略断面図である。
クと薄板部材とを示す概略断面図である。
【図３】図２の薄板部材を拡大して示す斜視図である。
【図４】（ａ）〜（ｅ）はいずれも、変形例による薄板
部材の拡大断面図である。
部材の拡大断面図である。
【図５】変形例による薄板部材の拡大斜視図である。
【図６】他の変形例による薄板部材の拡大正面図であ
る。
る。
【図７】図６の薄板部材における有頭突子の好適な形状
を示す部分拡大断面図である。
を示す部分拡大断面図である。
【図８】異なる位置に薄板部材を配置したディスク装置
の概略断面図である。
の概略断面図である。
１２…ケーシング
１４…駆動軸
１６…記憶ディスク
１８…ヘッド部
２０…アクチュエータ
２４…凹所
３６…内壁面
３８…薄板部材
４０…微細突起
４２…基材層
４４…粘着剤層
４６…突条
５０…有頭突子
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考）
Ｇ１１Ｂ 33/14 Ｇ１１Ｂ 33/14 Ｅ
５０１ ５０１Ｇ
５０１Ｍ
(72)発明者 河本 郁子
神奈川県相模原市南橋本３−８−８ 住友
スリーエム株式会社内
Claims (11)
- 【請求項１】 凹所を画定する内壁面を有するケーシン
グと、 前記ケーシングの前記凹所に設置され、記録面を有する
回転可能な記憶ディスクと、 前記記憶ディスクの近傍で前記ケーシングの前記凹所に
設置され、ヘッド部を該記憶ディスクの前記記録面に対
向させた状態に支持するとともに、該ヘッド部を該記録
面に対してトラック追従動作させるアクチュエータと、 回転する前記記憶ディスクに随伴して前記ケーシングの
前記凹所内で該記憶ディスクの周辺に生じる気流を調整
する気流調整機構とを具備し、 前記気流調整機構は、前記ケーシングの前記内壁面の形
状に追従可能な可撓性を有する薄板部材を具備し、該薄
板部材は、複数の微細突起を形成した主表面を有する基
材層と、該基材層の該主表面の反対側の裏面に添着され
る粘着剤層とを備え、該薄板部材が、該複数の微細突起
を前記ケーシングの前記凹所に露出させた状態で、該粘
着剤層を介して、該ケーシングの前記内壁面に固着され
る、ディスク装置。 - 【請求項２】 前記薄板部材の前記複数の微細突起が、
互いに略平行に延びる複数の突条からなる請求項１に記
載のディスク装置。 - 【請求項３】 前記薄板部材の前記複数の微細突起が、
それぞれの末端に膨出頭部を有する複数の有頭突子から
なる請求項１に記載のディスク装置。 - 【請求項４】 前記薄板部材が、前記記憶ディスクの外
周縁に対向する位置に配置される請求項１〜３のいずれ
か１項に記載のディスク装置。 - 【請求項５】 前記薄板部材が、前記記憶ディスクの前
記記録面に対向する位置に配置される請求項１〜４のい
ずれか１項に記載のディスク装置。 - 【請求項６】 請求項１〜５のいずれか１項に記載のデ
ィスク装置に前記気流調整機構として組み込まれる薄板
部材。 - 【請求項７】 前記複数の微細突起が、前記主表面に形
成される他の複数の微細突起又は微細凹陥に隣接して交
互配置される平坦な開放領域を有する特定の幾何学的パ
ターンで配置される請求項６に記載の薄板部材。 - 【請求項８】 空気濾過機能を有する表面をさらに備え
る請求項６又は７に記載の薄板部材。 - 【請求項９】 ディスク装置のアコースティックエミッ
ションを低減する機能をさらに有する請求項６〜８のい
ずれか１項に記載の薄板部材。 - 【請求項１０】 帯電防止機能、粒子吸着用の荷電表面
機能及び吸湿機能のうち、少なくとも１つの機能をさら
に有する請求項６〜９のいずれか１項に記載の薄板部
材。 - 【請求項１１】 電磁妨害雑音低減機能及び無線周波干
渉低減機能のうち、少なくとも１つの機能をさらに有す
る請求項６〜１０のいずれか１項に記載の薄板部材。
Priority Applications (4)
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