JP2003084284A - 液晶性物質の配向方法および該方法で得られる液晶フィルム並びに該液晶フィルムを搭載した液晶表示装置 - Google Patents

液晶性物質の配向方法および該方法で得られる液晶フィルム並びに該液晶フィルムを搭載した液晶表示装置

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JP2003084284A
JP2003084284A JP2002143320A JP2002143320A JP2003084284A JP 2003084284 A JP2003084284 A JP 2003084284A JP 2002143320 A JP2002143320 A JP 2002143320A JP 2002143320 A JP2002143320 A JP 2002143320A JP 2003084284 A JP2003084284 A JP 2003084284A
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film
liquid crystal
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polished
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Osamu Otsu
修 大津
Kiyoshi Murata
潔 村田
Shinichiro Suzuki
慎一郎 鈴木
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Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液晶表示装置用色補償板、液晶表示装置用視
野角補償板、光学的位相差板、1/2波長板、1/4波
長板、旋光性光学素子などの光学素子用の液晶フィルム
を製造する方法において、配向支持基板に起因する液晶
の配向欠陥を極めて低減した液晶フィルムが得られる方
法を提供する。 【解決手段】 予め表面の研磨を行った高分子フィルム
を配向支持基板として用いることを特徴とする液晶性物
質の配向方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶性物質の配向
方法および該方法で得られる液晶フィルム並びに該液晶
フィルムを搭載した液晶表示装置に関する。特に、本発
明は、液晶表示装置用色補償板、液晶表示装置用視野角
補償板、光学的位相差板、1/2波長板、1/4波長
板、旋光性光学素子などの光学素子用の液晶フィルムを
製造するための液晶性物質の配向方法および該配向方法
で得られる液晶フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶物質を用いた各種表示機器の
発展には目覚しいものがあり、その発展とともに、前記
表示機器を構成する各種部材に要求される品質も厳しさ
を増している。特に、目視できるような大きさの欠陥は
皆無が望まれている。そのような中で、液晶表示装置用
色補償板、液晶表示装置用視野角補償板、光学的位相差
板、1/2波長板、1/4波長板、旋光性光学素子など
の光学素子に使用される液晶性高分子物質からなるフィ
ルムに見られる欠陥は、種々の原因が考えられその改良
が試みられている。液晶を配向させるために使用される
配向支持基板に起因する欠陥を低減させる方法として、
液晶を配向させる前に行うラビング工程において、可能
な限りラビング密度を高めて配向支持基板表面の平坦性
を高める手法がもっぱら用いられている。この方法によ
れば、0.1μm以下の表層を削ることができると言わ
れているものの、局所的な平面性が改善されるまでの効
果しかなく、配向支持基板そのものに存在する凹凸は減
じることができない。
【0003】フィルム状物体の研磨方法として、特開平
10−337776号には金属製研磨ロールにフィルム
をこすりつけて研磨する方法が、特開平10−1580
2号には半導体部品等の製造工程において使われる化学
的機械研磨法などの方法が例示されている。また、特開
平7−37242号には、研磨テープを表面潤滑材層を
介して被研磨物である磁気テープにこすり付ける方法が
例示されている。これらの方法では、被研磨物の表面を
削ることは可能であるものの、高分子フィルムの表面に
存在する凹凸を研磨することによる液晶の配向欠陥の増
減についての効果は何の説明も記載されていない。
【0004】一方、配向支持基板となる高分子フィルム
の製造方法からも表面の平坦性を向上させる様々な改良
が試みられている。高分子フィルムの製膜法には、溶融
押出法と、高分子物質を溶媒に溶解した溶液を金属等の
ベルト上に液膜として製膜し、次いで溶媒を蒸発させる
流延法とがある。これらの製法によって作られたフィル
ムには、一見して異物や環境ごみに起因するような大き
な凹凸はないものの目視の難しい微小凹凸は数多く存在
する。これらの原因としてはフィルム成形加工工程に混
入する環境ゴミよりも小さな微小ごみや高分子物質自身
がゲル状になったものなどの不溶物を挙げることができ
る。いずれの方法においても、不溶物の除去を目的とし
て加工工程中に濾過の工程を組み入れている。しかしな
がら、溶融押出法では高分子物質の溶融粘性が高く精密
濾過は困難であり、また、高温による高分子物質の劣化
や副反応による架橋等により再度ゲルが発生したりし
て、これらが原因となってフィルム表面に凹凸が形成さ
れる。また、フィルムの製膜時に行われる延伸工程にお
ける延伸ムラも表面の凹凸の一因ともなっている。
【0005】流延法では、溶融押出法と比較して粘度が
低く精密濾過が可能なため、フィルムの平面性に優れる
が、製膜時に溶媒を除去乾燥・回収する工程が必須であ
り高速成形ができず、また少なくとも溶媒が除去される
までの工程をクリーンルームと同等の環境内で行わない
と膜面にゴミ等が付着して突起の原因となるなど、製造
コストの高い工程を経るため、流延法製膜の高分子フィ
ルムは高価なものとなる。製造コストを下げるために高
濃度溶液を用いたり、高速流延を行う試みも行われてい
るが、この方法では逆に平面性が低下するとも言われて
いる。また、流延法製膜のフィルムにおいても乾燥など
の工程上のバラツキに起因する凹凸が存在する。また別
の方法として、特開2000−34356号には、高分
子フィルムを高温処理した時の揮発性成分を減らすこと
によりフィルム表面の平面性を向上する方法が提案され
ている。上記のいずれの方法でも十分な平面性を有する
高分子フィルム、特に液晶の配向支持基板に使用できる
ような高度の平面性を有する高分子フィルムは得られて
いない現状にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液晶表示装
置用色補償板、液晶表示装置用視野角補償板、光学的位
相差板、1/2波長板、1/4波長板、旋光性光学素子
などに用いる光学素子用の液晶フィルムにおいて見られ
る配向に起因する欠陥を著しく低減しうる配向方法およ
び該方法で得られる液晶フィルムを提供するものであ
る。具体的には、液晶性物質の配向支持基板として使用
する高分子フィルムの表面に存在する凹凸を広い範囲で
平坦化し、この凹凸に由来する液晶配向の欠陥を低減さ
せるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、配向支持
基板に使用される高分子フィルムに起因する液晶フィル
ムの欠陥を低減する方法を鋭意検討した結果、液晶フィ
ルムの欠陥は主に高分子フィルムの表面性状に由来する
ことを突き止め、本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明の第1は、フィルム表面を
研磨した高分子フィルムを配向支持基板として用いるこ
とを特徴とする液晶性物質の配向方法に関する。本発明
の第2は、本発明の第1において、該高分子フィルム
が、連続した長尺高分子フィルムであることを特徴とす
る液晶性物質の配向方法に関する。本発明の第3は、本
発明の第1において、連続したフィルム状物質上に研磨
材あるいは研磨砥粒が積層した構造を有する研磨フィル
ムを用いて高分子フィルムを研磨することを特徴とする
液晶性物質の配向方法に関する。本発明の第4は、本発
明の第1において、被研磨フィルムと研磨フィルムが平
行あるいは反平行に相対速度を有して移動しながら接触
させることにより研磨することを特徴とする液晶性物質
の配向方法に関する。
【0009】本発明の第5は、本発明の第1において、
被研磨フィルムと研磨フィルムが研磨部位前後において
当該両フィルムに張力を加えながら研磨することを特徴
とする液晶性物質の配向方法に関する。本発明の第6
は、本発明の第1において、被研磨フィルムと研磨フィ
ルムが接触する部位で発生した静電気を除去しながら研
磨することを特徴とする液晶性物質の配向方法に関す
る。本発明の第7は、本発明の第1において記載の配向
支持基板にラビング処理を施して用いることを特徴とす
る液晶性物質の配向方法に関する。本発明の第8は、前
記配向支持基板に配向層を形成して用いることを特徴と
する液晶性物質の配向方法に関する。本発明の第9は、
前記配向支持基板にラビング処理が施された配向層を形
成して用いることを特徴とする液晶性物質の配向方法に
関する。
【0010】本発明の第10は、本発明の第1〜第9の
いずれかの配向方法により得られる液晶フィルムに関す
る。本発明の第11は、本発明の第10の液晶フィルム
が、一軸あるいはねじれ位相差フィルム、コレステリッ
ク型円偏光反射フィルム、およびネマチックハイブリッ
ド型視野角改良フィルムから選ばれるいずれかの機能を
有するフィルムであることを特徴とする液晶フィルムに
関する。本発明の第12は、本発明の第11の液晶フィ
ルムを少なくとも1枚搭載したことを特徴とする液晶表
示装置に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、予め表面の研磨を行った高分子フィルムを液
晶性物質の配向支持基板として用いることにより、液晶
フィルムの欠陥を著しく低減しうる液晶性物質の配向方
法である。すなわち、本発明は、液晶性物質を配向させ
るにあたり、配向支持基板としてフィルム表面を研磨し
た高分子フィルムを使用するものである。
【0012】本発明で使用できる高分子フィルムは、通
常、市販の高分子フィルムを用いることができ、いずれ
の製膜法によるものであってもよい。好ましくは、後述
する液晶性物質を溶解し得る溶媒への耐溶剤性を有する
ものが良く、より好ましくは後述する液晶性物質の配向
処理を行う温度においても収縮等の変形が小さいか、ま
たは認められないものが望ましい。具体的には、ポリイ
ミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポ
リエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテル
エーテルケトン、ポリケトン、ポリエーテルスルホン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイ
ド、各種ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネ
ート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、トリア
セチルセルロース、ポリビニルアルコールなどを例示す
ることができる。これら高分子フィルムの膜厚に制限は
ないが、通常20μm〜500μm程度が好ましいく、
また延伸処理が施されていてもよい。
【0013】高分子フィルムは、それ自体に液晶配向の
ためのラビング処理を施すことができるものが好まし
い。また高分子フィルムを基材として、表面を研磨した
後に、当該表面に液晶を配向させるための層、すなわち
配向層を形成したものでもよく、さらには形成された配
向層にラビング処理を施してもよい。
【0014】本発明において配向支持基板として特に好
ましいものは、高分子フィルム自体がラビング処理可能
で耐熱性を有するものであり、上記高分子フィルムの中
でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、
トリアセチルセルロースなどを好適に用いることができ
る。これらの高分子フィルムは、長尺のフィルム、ある
いは適当な大きさの枚葉として使用することができる
が、本発明においては、表面が研磨された長尺の高分子
フィルムを用いることによって、欠陥等の無い液晶フィ
ルムの連続製造を可能とすることができることから、長
尺フィルムを用いることが好ましい。
【0015】高分子フィルム表面に配向層を形成する場
合において、配向層を形成する材料としては、低分子液
晶の配向剤として使用される公知のものが使用できる。
例えば、ポリビニルアルコール、加熱処理によりポリイ
ミド化できるような各種のポリアミック酸、ポリイミ
ド、レシチン、各種のカルボン酸クロム錯体、シラン系
カップリング材や酸化珪素の斜方蒸着膜などを例示でき
る。またラビング処理は、通常の液晶表示セル等の製造
に使用される公知の方法を適宜採用することができる。
具体的なラビング処理条件は、使用するラビング布や高
分子フィルムの材質等により変化するため、それぞれに
適切な条件を選定して行うのが好ましい。
【0016】本発明では上述の高分子フィルムに対して
その表面に存在する凹凸を除去するための研磨を施す。
本発明において研磨手段として用いられる研磨フィルム
としては、一般に研磨布として市販されている、研磨テ
ープ、研磨フィルム、ラッピングフィルム等を用いるこ
とができる。これら研磨フィルムには、連続したフィル
ム状の基布とその研磨面側に研磨材あるいは研磨砥粒が
接着材と混合されたものが塗布、印刷あるいは含浸され
た積層構造を有したものがあるが、本発明においては特
に当該構造によって制限をうけるものではなく、本発明
の効果を得ることができる研磨フィルムであれば如何様
な構造のものでも好適に使用することができる。
【0017】研磨フィルムを構成する連続した基布とし
ては、一般に市販されているフィルム状の形態のもので
あればいずれのものでも使用することができる。また当
該基布は、研磨される高分子フィルムの種類、研磨材や
研磨砥粒、あるいは接着剤樹脂の種類等により適宜選択
されるものであるが、通常、高分子材料系のフィルム、
シート、織布、不織布、あるいは紙等からなる基布を好
適に使用することができる。本発明においては、これら
の基布の中でも、基布からの発塵が多いものを使用した
場合、発塵物を原因とする欠陥が増加する恐れがあるた
め、基布自身からの発塵の少ない材料のものが欠陥低減
の目的のうえから好ましく、なかでも、ウレタン、ポリ
エステルなどの高分子材料系のフィルムやシートからな
る基布が特に好ましい。連続した研磨フィルムの基布
が、研磨処理工程に安定して供給され、また、巻き取ら
れるためには、基布の伸びが小さく、また強度、弾性率
が高いものが好ましい。さらに長尺の連続した研磨フィ
ルムをリール状に巻く必要があることから適度な柔軟性
も有するものが好ましいといえる。
【0018】基布の厚みは、研磨フィルムが安定して搬
送することが可能であればいずれの厚みのものも使用す
ることができ、通常、5μm以上1mm以下、好ましく
は10μm以上800μm以下であることが望ましい。
研磨される高分子フィルム(被研磨フィルム)の凹凸を
平坦化するためには基布の平面性はより高いものが好ま
しく、基布の厚み斑として研磨フィルム総厚みに対して
通常5%以下、好ましくは2%以下であることが望まし
い。
【0019】また、基布の上に付着されている砥粒は、
研磨効果を有するものであれば本発明の効果を損なわな
い範囲において何れの材質のものも使うことができる。
具体的には、被研磨フィルムの種類によって適宜選択す
る必要があるが、例えばダイヤモンド、アルミナ(酸化
アルミニウム)、酸化クロム、シリカ、酸化鉄、酸化セ
リウムなどを好適な例示として挙げることができる。ま
た砥粒の平均粒径は、細かいものが望ましく、通常、数
μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μ
m以下であることが研磨後の被研磨フィルムの表面性状
の点から望ましい。また当該砥粒の粒径分布は、特に制
限されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲
であれば特に制限されるものではないが、本発明におい
ては当該分布は狭いものが望ましいと言える。さらに砥
粒の形状も本発明の効果を損なわない範囲であれば特に
制限はされず、例えば球状、幾何学的な形状のもの等を
適宜採用することができる。
【0020】砥粒を包み込んで基布に対して接着する機
能を有する接着材としては、一般に市販されている自然
硬化型、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型などの
いずれの接着材も使用することができる。用いる接着材
の種類は、研磨する高分子フィルムの種類、研磨フィル
ムの基布や砥粒の材質により、さらに接着材に求められ
る基布や砥粒との親和性のみならず研磨効率の観点で最
適な硬度、強度、弾性率を有するものを適宜選択して使
用することが望ましい。接着材の硬度は、砥粒の硬度以
下のものが好ましく、接着強度および接着材の弾性率は
研磨処理中に砥粒が当該接着材中から脱落しなければ特
に制限されるものではないが、いずれも高い値の接着材
を使用することが望ましいと言える。
【0021】本発明に用いる研磨フィルムは、砥粒を含
む接着材が基布上に均一に塗布されたものが望ましい。
塗布する方法としては、基布の種類、砥粒の種類や接着
剤樹脂の種類さらに砥粒を含む接着剤樹脂層の厚みによ
り適宜選択されるものであるが、例えば、静電塗装法、
スラリーローラーコート法、グラビアオフセット法、カ
ーテンコート法、バーコート法、およびスロットコート
やエクストルージョンコートなどのダイコート法などの
一般に行われる塗工方法を採用することができる。砥粒
を含む接着材層の厚みは、研磨の機能を害さない範囲で
あれば特に制限されるものではないが、研磨の均一性の
観点から、通常1μm以上1mm以下、好ましくは2μ
m以上800μm以下であることが望ましい。さらに砥
粒を含む接着材層の表面は、平坦性の高いものが望まし
いが、本発明においては研磨される高分子フィルムの種
類、あるいは、研磨速度の観点で、研磨の均一性を害さ
ない範囲であれば特に制限されず、例えば一定のパター
ン加工したもの等も好適に使用することができる。
【0022】研磨の方法について、図1を用いて説明す
る。本発明では、図1に示すように、長尺の研磨フィル
ムをロール状に巻いたスプールを繰り出す部分(1)、
巻き取る部分(2)を備えた装置に研磨フィルム(3)
の研磨面を外にしてガイドロール(4)に沿わせるよう
に送り出し、その研磨面に被研磨フィルム(6)(高分
子フィルム)を沿わせるように順次送り出すテンション
方式を例示として挙げることができる。また別法として
は、図2に示すように、長尺の研磨フィルムをロール状
に巻いたスプールを繰り出す部分(1)、巻き取る部分
(2)、さらに、研磨フィルムと被研磨フィルムが接触
する部分において圧力を加える機構を備えた装置(9)
および(10)に被研磨フィルム(6)を順次送り出す
バックアップ方式を例示することができる。なお、図中
の矢印はフィルムの移動方向を示す。
【0023】テンション方式を用いて研磨を行う場合に
おいては、研磨フィルムと被研磨フィルムをそれぞれ非
等速で送り出し、ガイドロール上で両者が相対速度を持
つようにして接触することにより研磨を行う。研磨フィ
ルムあるいは被研磨フィルムの裏面が接触するガイドロ
ールには、平坦性が高く、かつ剛性の高い材質のガイド
ロールを設けることが望ましい。また、テンション方式
では、研磨フィルム、被研磨フィルムの装着する位置を
入れ替えて、ガイドロールに触れるフィルムが逆になる
ように配置するかは、用いる研磨フィルムあるいは被研
磨フィルムの種類により研磨効率の観点で適宜選択する
ことができる。
【0024】テンション方式を採用して本発明を実施す
る場合、研磨フィルムや被研磨フィルムがそれぞれ安定
して搬送されていることが必須要件となる。そのために
は、それぞれの繰り出し、巻き取りの部位において、両
フィルムの接触抵抗以上の適する範囲の張力を与えなが
らフィルムを搬送する必要がある。具体的な張力の範囲
として、研磨フィルム、被研磨フィルムそれぞれの幅1
cmあたりに換算して、通常15gf以上1kgf以
下、好ましくは20gf以上800gf以下である。フ
ィルム幅1cmあたりの張力が15gf未満になるとフ
ィルムの搬送が安定しないばかりでなく、研磨抵抗以下
の張力で巻き取ることになってフィルムが搬送できなく
なる恐れがある。逆に1kgfを超える張力を与えた場
合、研磨部位で必要以上の力が加わって研磨されるため
被研磨フィルム面に新たな欠陥の起因となるキズ等が入
る恐れがあるため望ましくない。
【0025】ガイドロール等の材質は、一般的に剛性の
高い金属製やセラミックス製のものが好ましい。また、
ガイドロール表面に更に金属系材料をメッキ加工したも
の、アルマイト処理したもの、あるいは、ガイドロール
が鋼材により構成されるものであれば焼入れ処理等を施
して硬度を高めたものも好適に使用できる。メッキ加工
によりガイドロール表面に付与する金属系材料として
は、メッキ加工可能な、硬質クロム、ニッケル、亜鉛、
銅、金、銀、アルミニウム、窒化チタン、白溶合金、ス
ズ、コバルト、スズ/コバルト合金、ニッケル/コバル
ト合金、亜鉛/アルミニウム/マグネシウム合金、真鍮
などを例示として挙げることができる。
【0026】通常、被研磨フィルムの種類や研磨フィル
ムの種類により研磨の効率が異なるため、本発明の効果
を得るために必要な接触長さは適宜選択して決める必要
がある。テンション方式の場合、ガイドロールが大きく
なるほど、研磨に必要な接触長さは大きくなることか
ら、研磨量も増大する。このことから、本発明の効果を
より顕著に得るうえでは、通常求められる大きさのロー
ルより大きなガイドロールを選択することが望ましいと
言える。具体的には、ガイドロールの直径で通常3cm
以上2m以下、好ましくは5cm以上1m以下である。
ガイドロールの直径が3cm未満の場合、研磨に必要な
接触長さが短くなるばかりでなく、ロールの強度も低く
なり、加工装置の構造の観点からも望ましくない。ま
た、2mを超えるようなあまり大きなガイドロールを用
いた場合、研磨フィルムと被研磨フィルムとの接触部分
の抵抗が大きくなりすぎて、いずれのフィルムも安定し
て搬送することができなくなってしまう恐れがある。ま
た、ガイドロールの回転は、被研磨フィルムの高分子フ
ィルムの種類や先に述べた研磨フィルムの種類などによ
り適宜選択されるものであり、モーターに連結して自ら
回転できるようにしても、フリー回転できるようにし接
触するフィルムと連れ回りするようにしてもよい。
【0027】研磨フィルムおよび被研磨フィルムの搬送
速度は、本発明の効果を得る範囲内においては特に制限
されるものではない。通常、10cm/分以上300m
/分以下、好ましくは20cm/分以上200m/分以
下の搬送速度であることが望ましい。搬送速度が10c
m/分未満の場合、研磨による効果は大きくなるものの
生産効率が低下する恐れがあり望ましくない。また、3
00m/分を超える速度では研磨の効率が十分ではなく
なる恐れがあり望ましくない。
【0028】次いでバックアップ方式を用いて本発明を
実施する場合について説明する。当該方式においては、
研磨フィルムと被研磨フィルムをそれぞれ非等速で送り
出し、さらに、ガイドロール部分で両者が相対速度を持
つようにして接触すると共に、裏面に設置した加圧板も
しくは別のロールに挟み込まれて加圧されることによ
り、被研磨フィルムの表面研磨を行う。
【0029】バックアップ方式においても、研磨フィル
ムや被研磨フィルムがそれぞれ安定して搬送されている
ことが必須要件である。そのためには、それぞれの繰り
出し、巻き取りの部位において、両フィルムの接触抵抗
以上の適する範囲の張力を与えながらフィルムを搬送す
る必要がある。具体的な張力の範囲としては、研磨フィ
ルム、被研磨フィルムそれぞれの幅1cmあたりに換算
して、通常15gf以上1kgf以下、好ましくは20
gf以上800gf以下である。フィルム幅1cmあた
りの張力が15gf未満になるとフィルムの搬送が安定
しないばかりでなく、研磨抵抗以下の張力で巻き取るこ
とになってフィルムが搬送できなくなる恐れがある。逆
に1kgfを超える張力を与えた場合、研磨部位で必要
以上の力が加わって研磨されるために被研磨フィルム面
に新たな欠陥起因となるキズ等が入る恐れがあり望まし
くない。
【0030】バックアップ方式における研磨フィルムお
よび被研磨フィルムの搬送速度は、本発明の効果を得る
ことができる範囲内においては特に制限されるものでは
ない。通常、10cm/分以上300m/分以下、好ま
しくは20cm/分以上200m/分以下の搬送速度で
あることが望ましい。搬送速度が10cm/分未満の場
合、研磨による効果は大きくなるものの生産効率が低下
する恐れがあり望ましくない。また、300m/分を超
える以上の速度では研磨の効率が十分ではなくなる恐れ
があり望ましくない。
【0031】バックアップ方式で本発明を実施する場
合、研磨フィルムと被研磨フィルムが接触する部位にお
いてガイドロールの反対側には、平坦性が高く、かつ剛
性の高い材質のステージを設けておくことが望ましい。
ここで、本発明で言うステージとは、後に説明するガイ
ドロールに接している研磨フィルムならびに被研磨フィ
ルムを同時にガイドロールから加圧し、その圧力を受け
止めることが可能な機能を有する部材を意味する。した
がって当該機能を有する部材であればいずれの構造物で
も用いることができ、一般的には、平面性が高く、か
つ、剛性の高い平板、もしくは、ロール状のものを好適
に用いることができる。ステージに用いられる構造物の
材質は、一般的に剛性の高い金属製やセラミックス製の
ものが好ましい。また、ステージ表面に更に金属系材料
をメッキ加工したもの、アルマイト処理したもの、ある
いは、ステージが鋼材により構成されるものであれば焼
入れ処理等を施して硬度を高めたもの等も好適に使用す
ることができる。メッキ加工によりステージ表面に付与
する金属系材料としては、メッキ加工可能な、硬質クロ
ム、ニッケル、亜鉛、銅、金、銀、アルミニウム、窒化
チタン、白溶合金、スズ、コバルト、スズ/コバルト合
金、ニッケル/コバルト合金、亜鉛/アルミニウム/マ
グネシウム合金、真鍮などを例示として挙げることがで
きる。
【0032】また、研磨フィルムと被研磨フィルムが接
触する部位において、両フィルムに対し加圧する機能を
有するガイドロールには、適度の硬さを有するゴム系の
材料を被覆したロール等を採用することが望ましい。当
該ロールの被覆材料は、一般に工業機械に使用されてい
る当該材料であれば特に制限されるものではなく、例え
ば、天然ゴム、NBR、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、EPDMゴム、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、フッ素樹
脂系ゴムなどを例示として挙げることができる。ロール
の被覆材料としてゴム系の材料を使用する場合、当該ゴ
ム系材料の硬度は、被研磨フィルムや研磨フィルムの種
類、ステージの材質、ゴムの種類により適宜選択される
ものではあるが、JIS規格K7215−1986(プ
ラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)で定められた
A硬さ基準で通常、20〜90、好ましくは30〜80
の範囲であることが本発明では望ましい。
【0033】バックアップ方式は、ガイドロール側から
ステージ側へ加圧し研磨を行う方式であるが、この時の
押し付け力(以下、線圧ということがある;単位長さ当
たりの荷重(総加圧力÷フィルム接触幅))は、使用さ
れるステージやロール等の材質、研磨フィルムや被研磨
フィルムの材質等により変化するため一概には決められ
ないが、通常0.01gf/cm〜50kgf/cm、
好ましくは、0.1gf/cm〜30kgf/cmであ
ることが本発明では望ましい。
【0034】また、ガイドロールの回転は、被研磨フィ
ルムの高分子フィルムの種類や先に述べた研磨フィルム
の種類などにより適宜選択されるものであり、モーター
に連結して自ら回転できるようにしても、フリー回転で
きるようにし接触するフィルムと連れ回りするようにし
てもよい。バックアップ方式において、ガイドロール、
研磨フィルム、被研磨フィルム、ステージの配置は先に
例示した順序に制限されるものではなく、用いる研磨フ
ィルムの種類や被研磨フィルムの種類やその他の研磨条
件により、先に説明した順とは逆に、ガイドロール、被
研磨フィルム、研磨フィルム、ステージの順の配置であ
っても本発明では好適に実施可能である。本発明におい
ては、テンション方式、バックアップ方式、いずれの方
式の場合でも研磨フィルムと被研磨フィルムの搬送方向
が平行、反平行のいずれであってもよい。
【0035】ここで研磨フィルムと被研磨フィルムを平
行搬送する場合、当該両フィルムの搬送速度を異なるよ
うに研磨条件を設定する必要がある。この場合の搬送速
度比は、本発明の効果を損なわない範囲において特に制
限されるものではないが、被研磨フィルムの搬送速度を
1とした場合の研磨フィルムの搬送速度を、通常、0.
001以上100以下(1を除く)、好ましくは0.0
05以上80以下(1を除く)となるように設定するこ
とが本発明では望ましい。当該速度比が大きいほど研磨
効率は高くなるが、速度比が100を超えると研磨に使
う研磨フィルムの搬送量が膨大なものになってしまい工
業生産の観点で望ましくない。また、速度比が0.00
1未満では、研磨フィルムの速度が遅すぎるため研磨効
率の観点で望ましいとはいえない。
【0036】また研磨フィルムと被研磨フィルムとを反
平行で搬送する場合、フィルムは対向する方向に送られ
ることになるが、被研磨体の搬送速度を1とした場合の
両者の速度の絶対値の比として、通常、0.001以上
100以下、好ましくは0.005以上80以下となる
ように搬送速度を設定することが本発明では望ましい。
反平行搬送の場合も平行搬送と同様に速度比が大きいほ
ど研磨効率は高くなるが、当該平行搬送時と同様に速度
比が100を超えると研磨に使う研磨フィルムの搬送量
が膨大なものになってしまう。また、速度比が0.00
1未満では、研磨フィルムの速度が遅すぎるため研磨効
率の観点で望ましいとはいえない。
【0037】本発明の方法を用いて後述する液晶フィル
ムを得る場合、テンション方式、バックアップ方式、い
ずれの方式で実施する場合でも、研磨フィルムの搬送装
置、被研磨フィルムとなる長尺高分子フィルムの搬送装
置、ならびに、研磨装置本体全てが空気清浄装置を備え
た仕切られた部屋で行うことが、連続した長尺の高分子
フィルムを研磨する環境として適している。具体的に
は、クリーンルームの標準規格“FED−Std−20
9E“に基づく清浄度クラスにおいて、通常100,0
00以上、好ましくはクラス10,000以上、より好
ましくはクラス1,000以上である環境下において実
施することが望ましい。一般環境下で研磨を行うと、研
磨で発生する研磨紛のみならず空気中に浮遊している塵
埃が研磨フィルムと被研磨フィルムの間に挟み込まれる
可能性があり、研磨後の高分子フィルム表面に欠陥起因
となる新たなキズを発生させる恐れがある。
【0038】また、テンション方式、バックアップ方
式、いずれの方式で研磨を行う場合でも、研磨フィルム
と被研磨フィルムとの接触面で静電気が発生する場合が
あるため、研磨する過程で同時に除電することが望まし
い。除電の方法は、研磨フィルムの種類、被研磨体の高
分子フィルムの種類、ならびに、上述の研磨の条件によ
り適する方法を適宜選択して行う。一般的な方法とし
て、研磨フィルムならびに被研磨フィルムを接地する方
法、帯電部位の電荷を中和するように交流または直流の
電荷を印加する方法、コロナ放電などにより帯電部位と
対極の電荷イオンを発生させ帯電を中和する方法、軟X
線を照射する方法、研磨後の帯電したフィルムをそのフ
ィルムのガラス転移点以上融点以下の温度に加熱する方
法などを挙げることができ、これらの方法のなかから適
宜採用して除電することができる。
【0039】他の研磨方法の例としては、図3に示すよ
うに、研磨布(21)を貼った回転するロールに被研磨
体である高分子フィルム(23)を沿わせるように順次
送り出す方法、あるいは図4に示すように、長尺の研磨
布をロール状に巻いたものを繰り出す部分(24)、巻
き取る部分(25)を備えた装置に被研磨体(23)を
順次送り出す方法を例示することができる。なお、図中
の矢印はロールや研磨ステージ(22)の回転方向また
は移動方向を示す。
【0040】この研磨方法において、研磨布と被研磨体
が接触する側の被研磨体の裏側は、平坦性が高く、かつ
剛性の高い材質、例えば金属やセラミックス製のステー
ジを設け、研磨布の裏には適度の硬さを有するゴム系の
物質を被覆したロール等で押し付けることが好ましい。
この時の押し付け力(単位長さ当たりの荷重)は、使用
されるステージやロール等の材質、研磨布や被研磨体の
材質等により変化するため一概には決められないが、好
ましくは0.01g/cm〜50kg/cm、より好ま
しくは、0.1g/cm〜30kg/cmである。
【0041】本発明では、液晶性物質の配向支持基板と
なる長尺または適当な大きさの枚葉とした高分子フィル
ムの表面を以上説明した方法で研磨することにより、液
晶性物質の配向時に発生する当該フィルム表面の凹凸に
起因した様々な欠陥を安定して減じることが可能とな
る。ここで液晶性物質の配向時における欠陥起因は、特
に当該フィルムの凸部の部分が大きく影響している。光
学的に異常をきたし欠陥として認識されうる領域を形成
可能な凸部の高さは、当該フィルム上で配向させる液晶
性物質の厚みにより異なることから一概には言えない。
しかしながら、配向した液晶性物質の光学的性能が変化
するという観点から言えば、僅か数μmオーダーの凸部
によっても欠陥の原因となる可能性が高い。本発明で
は、当該フィルム表面に存在する凸部の高さが研磨前に
対して、通常2/3以下、好ましくは1/2以下にする
ことができることから欠陥低減を達成できるものであ
る。なお凸部の高さは、3次元計測可能な光学顕微鏡、
あるいは、レーザー顕微鏡、さらには、走査型電子顕微
鏡などを利用することによって測定することができる。
【0042】本発明に使用できる液晶性物質としては、
均一でモノドメインな液晶相が形成できるものであれば
特に制限されず、例えばサーモトロピック液晶性物質、
ライオトロピック液晶性物質いずれでも使用できるが、
なかでもサーモトロピック液晶性物質が本発明では当該
液晶性物質の配向性、配向固定化工程の観点からより望
ましいと言える。また液晶性物質の液晶相としては、ネ
マチック相、ねじれネマチック相、コレステリック相、
スメクチック相およびキラルスメクチック相の中から選
ばれる液晶相を形成し、液晶転移温度以下で液晶相が固
定化できる液晶性物質が後述する液晶フィルムの多用途
性の観点から望ましい。また後述するチルト配向性を有
する液晶性物質も好適に使用することができる。なお、
液晶転移温度以下で結晶相を示すものは、配向固定化後
に長時間経過すると結晶化が起きることもあるが、目的
とする最終用途に悪影響を及ぼすことがなければこの限
りでない。
【0043】本発明に用いられる液晶性物質は、最終用
途によって異なるが、一般的に実用温度範囲でその配向
構造が保持されていることが望ましい。このような観点
から、本発明では分子量の大きく比較的ガラス転移温度
の高い高分子タイプの液晶性物質を使用することが望ま
しい。本発明に好適に使用される高分子タイプの液晶性
物質の分子量は、各種溶媒中、たとえばフェノール/テ
トラクロロエタン(60/40重量比)混合溶媒中、3
0℃で測定した対数粘度が、通常、0.05dl/gか
ら3.0dl/g、好ましくは0.07dl/gから
2.0dl/gの範囲であることが望ましい。対数粘度
が0.05dl/gより小さい場合、配向固定化後の当
該液晶性物質層の強度が弱いことがあり、最終用途にお
いて使用できない恐れがある。また3.0dl/gより
大きい場合、液晶形成時の粘性が高すぎて、配向性の低
下や配向に要する時間の増加などの問題が生じる恐れが
ある。
【0044】また、高分子タイプの液晶性物質において
は、当該物質のガラス転移温度も重要であり、当該温度
は配向固定化した後の配向の安定性に影響を及ぼす。本
発明に好適に使用できる液晶性物質のガラス転移温度と
しては、最終用途などによって異なるため一概には言え
ないが、一般的に室温付近で使用すると考えれば、ガラ
ス転移温度が、通常、30℃以上、好ましくは50℃以
上であることが望ましい。ガラス転移温度が30℃より
も低い場合、室温付近で使用すると一度固定化した液晶
構造が変化する場合があり、液晶構造に由来する機能が
低下してしまう恐れがある。
【0045】ネマチック相、ねじれネマチック相、コレ
ステリック相、スメクチック相およびキラルスメクチッ
ク相を有する高分子タイプの液晶性物質としては、例え
ばポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ
エステルアミドなどの主鎖型液晶性物質、あるいはポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、
ポリシロキサンなどの側鎖型液晶性物質を挙げることが
できる。これら液晶性物質のなかでも、本発明において
は合成の容易さ、配向性およびガラス転移温度などか
ら、芳香族ジカルボン酸類、芳香族ヒドロキシカルボン
酸類、芳香族ジオール類、脂肪族ジオール類あるいはこ
れら化合物の反応性誘導体等を適宜、公知の方法で重縮
合させて得ることができる液晶性ポリエステルが推奨さ
れる。
【0046】上記の如き本発明に用いることができる液
晶性物質の合成法は特に制限されるものではなく、当該
分野で公知の重合法で合成した液晶性高分子物質を好適
に使用できる。例えば液晶性ポリエステルの場合、溶融
重合法あるいは対応するジカルボン酸の酸クロライドを
用いる酸クロライド法で合成することができる。また溶
融重合法で当該ポリエステルを合成する場合には、例え
ば対応するジカルボン酸と対応するジオールのアセチル
化物を、高温、高真空下で重合させることによって製造
することができ、分子量は重合時間のコントロールある
いは仕込み組成のコントロールによって容易に行うこと
ができる。また当該重合の重合反応を促進させるため
に、既知の方法である酢酸ナトリウムなどの金属塩を使
用することも可能である。さらに溶液重合法を用いて液
晶性ポリエステルを得る場合は、所定量のジカルボン酸
ジクロライドとジオールとを溶媒に溶解し、ピリジンな
どの酸受容体の存在下に加熱することにより、当該ポリ
エステルを製造することができる。
【0047】本発明に供される液晶性物質には、当該物
質の配向を著しく乱さない範囲で各種の添加物、例え
ば、染料、顔料、架橋剤、紫外線吸収剤等を適宜添加し
てもよい。さらに上述のねじれネマチック相やコレステ
リック相の配向を発現させるために、ネマチック相を示
す液晶性物質に低分子量または高分子量の光学活性化合
物の適量を混合してもよい。なお、この光学活性化合物
が液晶性を示すものであることは必ずしも必要ないが、
液晶性物質の安定性等の観点から液晶性を示す、例えば
高分子タイプの光学活性を有する液晶性物質(光学活性
化合物)の使用が望ましいと言える。なお、ねじれネマ
チック相のねじれ角度の大きさやコレステリック相のピ
ッチは、光学活性化合物の添加量あるいは液晶配向処理
条件により任意に調節することができる。
【0048】本発明には、上述の液晶配向構造の他に、
フィルムを構成する液晶性物質の平均配向方向が基板に
対して傾いた配向構造(チルト配向)をもつ液晶性物質
も好適に使用することができる。ここで、本発明で言う
チルト配向とは、液晶性物質の平均配向方向が基板平面
に対して5°から85°傾いた状態で配向した構造を意
味する。また液晶性物質の平均配向方向が基板平面に対
して傾いた配向構造とは、基板界面とその反対側の界面
の間に存在する液晶性物質層内の液晶分子の平均配向方
向が、基板に対して一様に略平行、もしくは一様に略垂
直な配向状態をとらないような状態を指す。このような
チルト配向を本発明では均一チルト配向と定義する。こ
こで基板平面と液晶分子の平均配向方向との間の角度を
チルト角と定義すれば、前者がチルト角0°に相当し、
後者が90°に相当する。ここでチルト角としては、最
終用途などによって異なるため一概には言えないが、通
常、5°から85°の範囲、好ましくは8°から80°
の範囲であり、さらに好ましくは10°から70°の範
囲であることが望ましい。チルト角が5°より小さい場
合、あるいは85°より大きい場合は、それぞれホモジ
ニアス配向、ホメオトロピック配向と実質的に変わらな
くなる。
【0049】またチルト配向において、液晶性物質の平
均配向方向が基板平面に対して傾いた配向構造として、
基板界面とその反対側の界面の間に存在する液晶性物質
層内の液晶分子の平均配向方向が、基板に対して一様に
略平行、もしくは一様に略垂直な配向状態をも本発明で
はチルト配向に包含される。このようなチルト配向を、
本発明ではネマチックハイブリッド配向と定義するもの
である。ネマチックハイブリッド配向の場合におけるチ
ルト角は、当該配向構造から膜厚方向に連続的に変化し
ていると推察される。また膜厚方向の平均値をネマチッ
クハイブリッド配向ではチルト角と呼ぶ。
【0050】チルト配向能を有する液晶性物質は、液晶
相としてネマチック相を持つものである。すなわち個々
の液晶分子は基板平面に対してある角度をもって配向し
ているが、その基板への投影成分は常に一定の方向を向
いているような配向構造を形成するものである。このよ
うな配向構造を有する液晶性物質としては、液晶転移点
より上の温度においてチルト配向構造をとり、またその
構造を損なうことなくガラス状態で固定化できるもの
(ガラス固定化能)であれば特に制限されるものではな
い。当該液晶性物質としては、例えば(1)チルト配向
能およびガラス固定化能を有する液晶性物質、(2)チ
ルト配向能およびガラス固定化能を有する液晶性物質
と、ガラス固定化能を有する液晶性物質との組成物、
(3)チルト配向能およびガラス固定化能を有する液晶
性物質と、他の液晶性物質との組成物、(4)チルト配
向能を有する液晶性物質と、ガラス固定化能を有する液
晶性物質との組成物、といったものが挙げられる。
【0051】用いられる液晶性物質としては、上述した
ネマチック相、ねじれネマチック相、コレステリック
相、スメクチック相およびキラルスメクチック相を有す
る高分子タイプの液晶性物質と同様に、ポリエステル、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミドな
どの主鎖型液晶性物質、ポリアクリレート、ポリメタク
リレート、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側鎖
型液晶性物質などを例示として挙げることができる。な
かでも合成の容易さ、配向性、ガラス転移点などからポ
リエステルが望ましい。チルト配向能を有する液晶性ポ
リエステルとしては、特に制限されるものではないが、
例えば、主鎖中に炭素数3以上のアルキル基よりなる置
換基を有する芳香族単位、炭素数3以上のアルキル骨格
をもつ単位、もしくはフッ素または含フッ素置換基を有
する芳香族単位を構成成分として含む液晶性ポリエステ
ル等を例示として挙げることができる。
【0052】次に、フィルム表面を研磨した高分子フィ
ルムを配向支持基板とし、上述のごとき液晶性物質を配
向させる方法、当該配向を固定化して液晶フィルムを製
造する方法について説明する。当該製造方法としては、
特に制限されるものではないが、以下の方法に示される
各工程を踏むことが本発明では望ましい。まず、前述の
ように表面研磨を施した高分子フィルム面上に、または
当該フィルム面上に必要に応じてラビング処理や配向膜
を形成した上に液晶性物質からなる層を形成する。液晶
性物質層の形成は溶融塗布法や溶液塗布法等任意の方法
で行うことができる。液晶性物質層の膜厚均一性などの
観点から、液晶性物質を溶解しうる溶剤に溶解した溶液
を、適宜の塗布手段により当該高分子フィルムまたは配
向膜上に塗布することが望ましい。塗布した後、乾燥に
より溶剤を除去し、液晶性物質層を形成する。
【0053】前記溶液の調製に用いる溶剤に関しては、
液晶性物質を溶解でき、かつ適当な条件で留去できる溶
剤であれば特に制限は無く、一般的にアセトン、メチル
エチルケトン、イソホロンなどのケトン類、2−ブトキ
シエチルアルコール、2−ヘキシルオキシエチルアルコ
ール、1−メトキシ-2-プロパノールなどのエーテルア
ルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコール
エーテル類、酢酸エチル、酢酸メトキシプロピル、乳酸
エチルなどのエステル類、フェノール、クロロフェノー
ルなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドンなどのアミド系、クロロホルム、テトラクロロエタ
ン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系などやこれらの
混合系の溶剤を使用することができる。また、配向支持
基板となる高分子フィルム上に均一な塗膜を形成するた
めに、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等を適宜溶液
に添加することもできる。
【0054】また塗布方法としては、特に限定されず、
例えば、スピンコート法、バーコート法、ロールコート
法、カーテンコート法、およびスロットコートやエクス
トルージョンコートなどのダイコート法等を採用するこ
とができる。溶液を塗布した後、ヒーター加熱や温風吹
きつけなどの方法による溶剤除去(乾燥)工程を組み込
み、溶剤を適宜に乾燥して除去する。
【0055】次に、液晶配向を形成するための熱処理を
行う。この熱処理では、使用した液晶性物質の液晶転移
温度(もしくは該液晶性物質が室温においても液晶相が
ガラス固定化されている場合などにおいては、流動開始
温度)以上に液晶性物質を加熱することにより、液晶が
本来有する自己配向能により液晶を配向させる。この熱
処理における液晶相は、使用する液晶性材料の種類に応
じて、例えば、ネマチック相、ねじれネマチック相、コ
レステリック相、ネマチックハイブリッド相、ねじれネ
マチックハイブリッド相、ディスコティックネマチック
相、スメクチック相等などが発現される。
【0056】熱処理の条件として熱処理温度は、用いる
液晶性物質の液晶相挙動(転移温度)により最適条件や
限界値が異なるため一概には言えないが、通常、20〜
300℃、好ましくは50〜250℃、さらに好ましく
は80〜230℃の範囲である。20℃よりも低い場合
には、液晶の流動性が十分に得られず配向が不十分にな
るおそれがある。また300℃を越える場合には、液晶
性物質がこの段階で重合や分解を起こすおそれがあり望
ましくない。また、熱処理時間については、通常、10
秒〜2時間、好ましくは30秒〜1時間、さらに好まし
くは1分〜30分の範囲である。10秒よりも短い熱処
理時間では、液晶配向が十分に完成しないおそれがあ
り、また2時間を超える熱処理時間では、生産性が極端
に悪く、どちらの場合も望ましいとはいえない。
【0057】配向支持基板となる高分子フィルム上また
は配向膜上で配向した液晶性物質層は、次いで、ガラス
転移温度(Tg)以下の温度に冷却することにより配向
構造を固定化することができる。なお、Tgよりも低い
温度においてガラス相を示す液晶性材料を使用する場合
には、当該材料が形成した配向の固定化は容易である
が、固定化後に結晶相を発現する場合がある。この場
合、目的とする最終用途に悪影響を及ぼさない範囲にお
いて、当該材料からなる液晶フィルムを製造することも
可能である。
【0058】配向を固定化するための冷却方法は、本発
明においては特に制限されるものではない。通常、熱処
理した後、配向支持基板となっている高分子フィルムご
と室温中に取り出すことによって、当該フィルム上に形
成された液晶性材料層の配向を固定化することが可能で
ある。また液晶性材料の種類や生産性の観点から、例え
ば冷風吹きつけや冷却ロールとの接触等の強制冷却手段
を用いることによっても配向を固定化することもでき
る。
【0059】配向固定化後の液晶性物質層、すなわち液
晶フィルムの膜厚は特に制限されるものではなく、例え
ば、液晶表示装置などの分野において当該フィルムを使
用する場合には、通常0.1μm以上、好ましくは0.3
μm以上、500μm以下であることが望ましい。0.
1μm未満の厚みでは、用いる液晶性物質により、精度
の高い膜厚制御が困難となる場合がある。また、液晶性
物質の配向構造に起因する機能が十分に発揮されない恐
れがある。液晶フィルムの膜厚が、500μmを越える
と液晶性物質層の配向が不十分となる恐れがある。
【0060】以上、本発明の方法で配向させ、当該配向
構造を固定化して得られた液晶フィルムは、当該フィル
ムが自己支持性を有しているものであれば、配向支持基
板として用いた高分子フィルムを剥離除去し、液晶フィ
ルム単独で、また自己支持性を有しない場合は配向支持
基板として用いた高分子フィルムを支持体としてそのま
ま各種用途に使用することができる。なお、配向支持基
板とした高分子フィルムを支持体とした場合、当該フィ
ルムの光学特性などによって液晶フィルムの用途に不適
当な場合がある。そのような場合は適切な他の転写用基
板上に液晶フィルムを転写し、液晶フィルムから配向支
持基板として用いた高分子フィルムを剥離除去すればよ
い。転写用基板としては、光線の透過する透過型の場合
には、透明で光学的に等方性の基板、例えばガラス板、
石英板またはプラスチック製のフィルムもしくはシート
が好ましい。このようなプラスチックとしては、例え
ば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリ
オレフィン、シクロペンタジエンおよびその誘導体等の
(水素化)脂環族化合物系重合体、ポリアリレート、ト
リアセチルセルロースなどが例示される。また転写用基
板の厚みは、通常、0.1μm〜10mm、好ましくは
1μm〜2mmの範囲であれば、最終用途において何ら
支障をきたすことがない。
【0061】また転写用基板として偏光フィルムまたは
偏光板を使用することもできる。ここで偏光フィルムの
片面および/または両面に保護層を有したものを偏光板
と定義する。偏光フィルムまた偏光板に対する液晶フィ
ルムの貼合面は保護層の有無にかかわらずいずれの面で
もよく、偏光フィルムまたは偏光板に液晶フィルムを転
写して得られる積層体は、いわゆる楕円偏光板としての
機能を発現することができる。
【0062】転写方法は、特に制限されるものではない
が、転写用基板と液晶性フィルムを粘・接着剤層を介し
て貼り合わせ、必要により該粘・接着剤に硬化処理を施
した後に配向支持基板として用いた高分子フィルムを剥
離除去することにより転写することができる。
【0063】配向支持基板となる高分子フィルムの剥離
除去方法についても特に制限されるものではないが、例
えば配向支持基板(高分子フィルム)や転写用基板のコ
ーナー端部に粘着テープを貼り付けて人為的に剥離する
方法、ロール等を用いて機械的に剥離する方法、構成材
料全てに対する貧溶媒に浸積した後に機械的に剥離する
方法、貧溶媒中で超音波をあてて剥離する方法、配向支
持基板(高分子フィルム)、転写用基板と液晶フィルム
との熱膨張係数の差を利用し、温度変化を与えて剥離す
る方法等を適宜採用することができる。以上説明した剥
離転写などの工程は、得られた長尺の液晶フィルムを所
望の大きさに加工したのちに行うこともできるし、長尺
のまま剥離転写などの工程を実施することも可能であ
る。
【0064】また剥離転写に用いられる粘・接着剤の塗
布方法には特に制限は無い。また使用できる粘・接着剤
も特に制限されるものではないが、最終用途によっては
粘・接着剤の種類として光学的に等方的なものが望まし
い場合がある。当該粘・接着剤としては、例えばアクリ
ル系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体
系、各種ゴム系、反応性のものなどを例示として挙げる
ことができる。また反応性の粘・接着剤としては、熱硬
化型、光硬化型または電子線硬化型などが挙げられる。
当該粘・接着剤剤としては、アクリル系のモノマーやオ
リゴマーを主成分とするものを好適に使用することでき
る。なお当該粘・接着剤には、必要に応じて各種の光重
合開始剤、増感剤、粘度調整剤等を添加することもでき
る。反応性の粘・接着剤の硬化方法としては、特に制限
されるものではなく、光硬化法または電子線硬化法を適
宜採用することにより硬化することができるが、配向固
定化された液晶フィルムの当該配向状態を損なわないた
めにも、当該フィルムを形成している液晶性物質のTg
以下の温度で硬化することが望ましい。
【0065】光硬化法の場合は公知の硬化手段、例えば
低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライ
ドランプ、キセノンランプ等を使用することができる。
また露光量は、用いる反応性の粘・接着剤の種類により
異なるため一概には言えないが、通常50〜2000m
J/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2
ある。また電子線硬化法の場合も、電子線の透過力や硬
化力により適宜選定されるものであり一概にはいえない
が、通常、加速電圧が30〜1000kV、好ましくは
50〜500kVの条件で照射して硬化することができ
る。
【0066】粘・接着剤の粘度は通常1〜20,000
mPa・s、好ましくは10〜10,000mPa・s
であり、粘・接着剤の厚さは用いられる用途やその作業
性等により異なるため一概にはいえないが、塗布後の粘
・接着剤の厚みは通常0.1〜200μm、好ましくは
0.5〜50μmであることが望ましい。粘度が前記範
囲外であると、所望の塗布厚が得られ難かったり、作業
性が悪化するので望ましくない。なお粘度が上記範囲か
ら外れている場合には、適宜、溶剤や低粘度のモノマー
等の添加によって粘度を調整し、所望とする粘度範囲に
することができることは言うまでもない。
【0067】斯くして表面研磨を施した高分子フィルム
を配向支持基板として配向固定化して得られた液晶フィ
ルムは、当該フィルムを形成した液晶性材料の種類に応
じて、例えばネマチック配向、ねじれネマチック配向、
コレステリック配向、チルト配向、ネマチックハイブリ
ッド配向、ねじれネマチックハイブリッド配向、ディス
コティックネマチック配向、スメクチック配向といった
配向構造を欠陥等がほとんど発現させずに固定化するこ
とができる。また当該配向構造が固定化された液晶フィ
ルムは、液晶表示装置の光学部材、具体的には、液晶表
示装置用色補償板、液晶表示装置用視野角補償板、光学
的位相差板、1/2波長板、1/4波長板、旋光性光学
素子などの光学素子としてSTN型、TN型、HAN
型、OCB型、ホモジニアス配向型等の各種液晶表示装
置に搭載することができ、当該フィルムの搭載により表
示性能を大幅に向上させることが可能となる。また液晶
フィルムとして、コレステリック配向を固定化した当該
フィルムは、輝度向上用の偏光反射フィルムや選択反射
能に基因する視角による反射光の色変化を生かした各種
の装飾フィルム、またコレステリック配向に起因する特
有の円偏光選択性を生かした偽造防止用フィルムなどと
して使用することができる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明は、配向支持基板
となる高分子フィルム表面に存在する凹凸部分を研磨す
ることにより除去し、極めて平面性の高い表面性を有す
る当該フィルム上で液晶性物質を配向させるものである
ことから、配向時に発現する欠陥を極めて低いレベルに
まで低減した液晶フィルムを製造することが可能とな
る。また本発明の方法によって得られる液晶フィルム
は、液晶表示装置用色補償板、液晶表示装置用視野角補
償板、光学的位相差板、1/2波長板、1/4波長板、
旋光性光学素子などの光学素子として好適に機能するも
のであり、当該液晶フィルムの品質においても、配向支
持基板に起因する欠陥が低減されることから、長尺の液
晶フィルムを製造する上においては、当該フィルムの生
産効率等の観点からも工業的メリットは大きい。
【0069】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お参考例および実施例で用いた各分折法は以下のとおり
である。 (1)光学パラメータの測定 液晶フィルムの光学パラメータであるねじれ角およびリ
ターデーション(Δn・d)は偏光解析法により測定し
た。 (Δn:複屈折、d:液晶フィルムの液晶層の厚み;単
位nm) (2)対数粘度の測定 ウッベローデ型粘度計を用いて、フェノール/テトラク
ロロエタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で
測定した。 (3)欠陥検査および相挙動の観察 欠陥検査(個数計測)はオリンパス光学(株)製BH2
偏光顕微鏡を用いて行った。また液晶性ポリエステル等
の相挙動はメトラー社製ホットステージ上で、試料を加
熱しつつ、オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡で
観察した。相転移温度等はPerkin−Elmer社
製示差走査熱量計DSC7により測定した。 (4)液晶性物質の組成の決定 液晶性ポリエステルを重水素化クロロホルムに溶解し、
400MHzの1H−NMR(日本電子製JNM−GX4
00)で測定し組成を決定した。 (5)研磨環境の浮遊粒子の測定 リオン株式会社製パーティクルカウンター型番KC−1
8を用いて測定した。同じ条件の研磨を実施している間
に3回測定しその平均値をその条件における粒子数とし
た。
【0070】(参考例1)式(1)の液晶性高分子物質
(対数粘度=0.22dl/g、Tg=61℃)、及び
式(2)の(R)−3−メチルヘキサン−1,6−ジオ
ール単位を含む光学活性な液晶性高分子物質(対数粘度
=0.17dl/g)を合成した。これらの高分子材料の
合成は、オルトジクロルベンゼン溶媒中、トリエチルア
ミンの共存下で、ジカルボン酸単位に対応する酸塩化物
とジオール化合物とを反応させることによって行った。
得られた式(1)の液晶性高分子物質18.1g及び式
(2)の液晶性高分子物質1.9gの混合物を80gの
N-メチルピロリドンに溶解させて液晶性高分子物質溶
液−1を調製した。
【0071】
【化1】
【化2】
【0072】(参考例2)テレフタル酸80mmol、
ピメリン酸23mmol、ヒドロキノンジアセテート5
5mmol、イソプロピルカテコールジアセテート50
mmolおよび触媒として酢酸ナトリウムを用いて窒素
雰囲気下で、280℃で2時間、300℃で2時間重合
を行い、式(3)の液晶性高分子物質を合成した。次に
得られた液晶性高分子物質をテトラクロロエタンに溶解
したのち、メタノールで再沈殿を行って精製した液晶性
高分子物質26gを得た。この液晶性高分子物質の対数
粘度は0.31dl/gであり、DSC測定および偏光
顕微鏡観察の結果液晶相はネマチックであり、液晶相よ
り低温部に結晶相を持たずガラス相を有し、Tgは11
7℃であった。この液晶性高分子物質15gを85gの
テトラクロロエタンへ溶解させて液晶性高分子物質溶液
−2を調製した。
【0073】
【化3】
【0074】(参考例3)式(4)の液晶性高分子物質
(対数粘度=0.21dl/g、Tg=60℃)、及び式
(5)の(R)−3−メチルヘキサン−1,6−ジオー
ル単位を含む光学活性な液晶性高分子物質(対数粘度=
0.18dl/g)を合成した。これらの高分子材料の合
成は、オルトジクロルベンゼン溶媒中、トリエチルアミ
ンの共存下で、ジカルボン酸単位に対応する酸塩化物と
ジオール化合物とを反応させることによって行った。得
られた式(4)の液晶性高分子物質9.2g及び式
(5)の液晶性高分子物質0.8gの混合物を90gの
N-メチルピロリドンに溶解させて液晶性高分子物質溶
液−3を調製した。
【0075】
【化4】
【0076】(実施例1) (a)高分子フィルムの研磨処理 高分子フィルム(被研磨体)として市販のポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)フィルム(幅;450m
m、厚み;100μm、長さ;500m)を図1に示す
テンション方式にて研磨処理を行った。研磨フィルムは
日本ミクロコーティング社製AWA15000(幅;4
50mm、総厚み;32μm、基布材質;ポリエステル
フィルム、砥粒;Al23(酸化アルミニウム)、平均粒
径;0.3μm)を用いた。PEEKフィルムと研磨フ
ィルムは、繰出し部、巻取り部を含めてクリーンブース
中に設置された研磨装置を用い、図1に示す通りに順方
向研磨の配置として、PEEKフィルムの研磨を行っ
た。研磨時のフィルム張力は、両フィルムとも同一の2
2.5kgf(幅1cm当たり500gf)、搬送速度
は、PEEKフィルム1m/min、研磨フィルム0.
1m/minに設定した。ガイドロールは直径150m
m、面長600mmの鋼鉄製のロールで表面にはハード
クロムメッキが20μmの厚みで施されているものを用
いた。研磨フィルムとPEEKフィルムがガイドロール
を過ぎてお互いに離れる部位に向かうようにして、除電
バー(ヒューグルエレクトロニクス社製、型式;41
0、長さ;600mm)のエアーを吹きつけて静電気対
策を行った。用意したPEEKフィルム全長にわたり同
一条件で研磨を実施した。途中、フィルムの“たるみ”
や“よれ”のない安定した研磨が行えた。このときガイ
ドロール横に設置したパーティクルカウンターの測定値
は、0.5μm以上粒子数で920,000個/m3
あった。
【0077】(b)液晶フィルム1の作製 このように研磨処理したPEEKフィルムを、長さ10
cm、幅10cmに切り出して、参考例1で調製した液
晶性高分子物質溶液−1をスピンコーターを用いて塗布
し、60℃のホットプレート上で30分乾燥させ、高温
槽を用いて200℃30分間の熱処理後、室温下に取り
出し放冷し、配向した液晶性高分子物質層を有するフィ
ルムを得た。このフィルムから液晶性高分子物質層のみ
を、紫外線硬化型接着剤UV−3400(東亞合成
(株)製)を介してトリアセチルセルロース(TAC)
フィルムへ転写し液晶フィルム1を作製した。転写後の
液晶性高分子物質層のパラメータ(光学パラメータ)を
測定したところねじれ角−232°、光学厚み(△n・
d)780nmであった。また偏光顕微鏡により観察し
たところ配向が完全であることが確認された。更に、5
0μm以上の輝点として確認される液晶配向欠陥の数を
数えたところ、10cm角のフィルム中に2個確認され
た。同様の実験を4回繰り返し、欠陥部を数えたとこ
ろ、各々、0個、2個、1個、0個であった。光学パラ
メータは5回の平均値で、ねじれ角−231°、光学厚
み(△n・d)783nmであった。
【0078】(c)液晶セル装着検査 液晶フィルム1を用い、図5のような液晶表示装置を作
製した。STN型液晶セルとして、230度左ねじれ、
リターデーション780nmのものを用いた。その結
果、液晶フィルム1を用いることにより見やすい白黒表
示が得られ、液晶フィルム1が液晶表示装置用色補償板
として機能することが分かった。液晶フィルム1を用い
ず、偏光板とSTN型液晶セルのみで表示を行った場
合、いかように配置しても着色した見え難い表示しか得
られなかった。また、液晶フィルム1の顕微鏡検査で確
認された欠陥は、液晶セルに装着した状態においても輝
点として確認できた。
【0079】(実施例2) (a)高分子フィルムの研磨処理 実施例1に記載の研磨の方法において、研磨フィルムの
張力を31.5kgf(幅1cm当り700gf)、P
EEKフィルムの張力を4.5kgf(幅1cm当り1
00gf)にて行った以外は同一の条件で行った。用意
したPEEKフィルム全長にわたり同一条件で研磨を実
施した。途中、フィルムの“たるみ”や“よれ”のない
安定した研磨が行えた。このときガイドロール横に設置
したパーティクルカウンターの測定値は、0.5μm以
上粒子数で850,000個/m3であった。
【0080】(b)液晶フィルム2の作製 このように研磨処理したPEEKフィルムを、長さ10
cm、幅10cmに切り出して、研磨した方向と同じ方
向にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100
でラビングを行ったものを用いた以外は、実施例1記載
の方法と同様にして、液晶フィルム2を5枚作製した。
顕微鏡検査の結果、5枚とも液晶は完全に配向している
ことが確認され、50μm以上の輝点欠陥数はそれぞ
れ、2個、3個、0個、1個、1個。光学パラメータは
5枚の平均値で、ねじれ角−230°、光学厚み(△n
・d)780nmであった。
【0081】(実施例3) (a)高分子フィルムの研磨処理 液晶配向支持基板である高分子フィルムに市販のポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)フィルム(幅;500
mm、厚み;80μm、長さ;400m)を使い、実施
例1と同様にテンション方式の研磨処理を行った。実施
例1と同一の装置を用いたが、ガイドロールに直径30
0mm、面長600mmの鋼鉄製のロールで表面にはハ
ードクロムメッキが20μmの厚みで施されているもの
に交換した。研磨フィルムは日本ミクロコーティング社
製AWA15000(幅;500mm、総厚み;32μ
m、基布材質;ポリエステルフィルム、砥粒;Al23
(酸化アルミニウム)、平均粒径;0.3μm)を用い
た。研磨装置本体、ならびに、繰出し部、巻取り部を含
めてクリーンブース中に設置し、順方向研磨の配置とし
て、PPSフィルムの研磨を行った。研磨時のフィルム
張力は、研磨フィルムの張力を35.0kgf(幅1c
m当り700gf)、PPSフィルムの張力を5.0k
gf(幅1cm当り100gf)に設定した。研磨フィ
ルムとPPSフィルムがガイドロールを過ぎてお互いに
離れる部位に向かうようにして、除電バー(ヒューグル
エレクトロニクス社製、型式;410、長さ;600m
m)のエアーを吹きつけて静電気対策を行った。用意し
たPPSフィルム全長にわたり同一条件で研磨を実施し
た。途中、フィルムの“たるみ”や“よれ”のない安定
した研磨が行えた。このときガイドロール横に設置した
パーティクルカウンターの測定値は、0.5μm以上粒
子数で1,770,000個/m3であった。
【0082】(b)液晶フィルム3の作製 研磨処理したPPSフィルムを長さ10cm、幅10c
mに切り出し、これを研磨した角度に対し時計回りに3
0度の角度にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速
比100でラビングを行ったものを用いた以外は、実施
例2記載の方法と同様にして、液晶フィルム3を5枚作
製した。顕微鏡検査の結果、5枚とも液晶物質は完全に
配向していたものの、ラビングした軸を基準に配向して
いることが確認された。50μm以上の輝点欠陥数はそ
れぞれ、1個、3個、3個、1個、1個。光学パラメー
タは5枚の平均値で、ねじれ角−232°、光学厚み
(△n・d)780nmであった。
【0083】(実施例4) (a)高分子フィルムの研磨処理 液晶配向支持基板である高分子フィルムにPPSフィル
ム(幅;500mm、厚み;80μm、長さ;400
m)を使い、実施例2の研磨条件のなかで、研磨フィル
ムの張力を35.0kgf(幅1cm当り700g
f)、PPSフィルムの張力を5.0kgf(幅1cm
当り100gf)に設定した以外は同一条件で研磨処理
を行った。用意したPPSフィルム全長にわたり同一条
件で研磨を実施した。途中、フィルムの“たるみ”や
“よれ”のない安定した研磨が行えた。このときガイド
ロール横に設置したパーティクルカウンターの測定値
は、0.5μm以上粒子数で1,510,000個/m
3であった。
【0084】(b)液晶フィルム4の作製 研磨処理したPPSフィルムを長さ10cm、幅10c
mに切り出し、これを研磨した角度に対し時計回りに9
0度の角度にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速
比100でラビングを行ったものを用いた以外は、実施
例2記載の方法と同様にして、液晶フィルム4を5枚作
製した。顕微鏡検査の結果、5枚とも液晶物質は完全に
配向していたものの、ラビングした軸を基準に配向して
いることが確認された。50μ以上の輝点欠陥数はそれ
ぞれ、2個、1個、0個、2個、1個。光学パラメータ
は5枚の平均値で、ねじれ角−231°、光学厚み(△
n・d)781nmであった。
【0085】(実施例5) (a)高分子フィルムの研磨処理 液晶配向支持基板である高分子フィルムに市販のポリエ
チレンナフタレート(PEN)フィルム(幅;500m
m、厚み;60μm、長さ;500m)を使い、実施例
1と同様にテンション方式の研磨処理を行った。研磨フ
ィルムの張力を35.0kgf(幅1cm当り700g
f)、PENフィルムの張力を5.0kgf(幅1cm
当り100gf)、研磨フィルムの搬送速度を0.6m
/min、PENフィルムの搬送速度を10.0m/m
in、ならびに、ガイドロールに直径が300mm、面
長600mmの鋼鉄製のロールで表面にはハードクロム
メッキが20μmの厚みで施されているものを用いた以
外は実施例1と同一の方法で研磨を行った。用意したP
ENフィルム全長にわたり同一条件で研磨を実施した。
途中、フィルムの“たるみ”や“よれ”のない安定した
研磨が行えた。このときガイドロール横に設置したパー
ティクルカウンターの測定値は、0.5μm以上粒子数
で2,500,000個/m3であった。
【0086】(b)液晶フィルム5の作製 このように研磨処理したPENフィルムを、長さ10c
m、幅10cmに切り出して、日産化学(株)製低温キ
ュアタイプのポリイミドSE3840をスピンコートに
て0.06μmの厚さに塗り、熱オーブンにて200
℃、1時間キュアを行ったのち、研磨した方向と同じ方
向にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100
でラビングを行ったものを用いた以外は、実施例2記載
の方法と同様にして、液晶フィルム5を5枚作製した。
顕微鏡検査の結果、5枚とも液晶は完全に配向している
ことが確認され、50μm以上の輝点欠陥数はそれぞ
れ、1個、0個、3個、3個、1個。光学パラメータは
5枚の平均値で、ねじれ角−235°、光学厚み(△n
・d)784nmであった。
【0087】(実施例6) (a)高分子フィルムの研磨処理 実施例5に記載の研磨の方法において、研磨フィルムの
搬送方向が逆である反平行の研磨であることと、研磨フ
ィルムとPENフィルムの張力を25.0kgf(幅1
cm当り500gf)、ならびに、研磨フィルムの搬送
速度を0.1m/min、PENフィルムの搬送速度を
1.0m/minに設定した以外は、実施例5と同様に
PENフィルムの研磨を行った。用意したPENフィル
ム全長にわたり同一条件で研磨を実施した。途中、フィ
ルムの“たるみ”や“よれ”のない安定した研磨が行え
た。このときガイドロール横に設置したパーティクルカ
ウンターの測定値は、0.5μm以上粒子数で1,19
0,000個/m3であった。
【0088】(b)液晶フィルム6の作製 このように研磨処理したPENフィルムを、実施例1と
同様に長さ10cm、幅10cmに切り出して、研磨し
た方向と同じ方向にレーヨン布を巻きつけたロールによ
り周速比100でラビング処理を行ったものを用いた以
外は、実施例2記載の方法と同様にして、液晶フィルム
6を5枚作製した。顕微鏡検査の結果、5枚とも液晶は
完全に配向していることが確認され、50μm以上の輝
点欠陥数はそれぞれ0個、2個、0個、2個、1個。光
学パラメータは5枚の平均値で、ねじれ角−229°、
光学厚み(△n・d)780nmであった。
【0089】(実施例7) (a)高分子フィルムの研磨処理 高分子フィルム(被研磨体)として市販のポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)フィルム(幅;450m
m、厚み;100μm、長さ;500m)を図2に示す
バックアップ方式にて研磨処理を行った。研磨フィルム
は日本ミクロコーティング社製AWA15000(幅;
450mm、総厚み;32μm、基布材質;ポリエステ
ルフィルム、砥粒;Al23(酸化アルミニウム)、平均
粒径;0.3μm)を用いた。PEEKフィルムと研磨
フィルムは、繰出し部、巻取り部を含めてクリーンブー
ス中に設置された研磨装置を用い、図2に示す通りに順
方向研磨の配置とした。研磨時のフィルム張力は、両フ
ィルムとも同一の22.5kgf(幅1cm当たり50
0gf)、搬送速度は、PEEKフィルム1m/mi
n、研磨フィルム0.1m/minに設定した。ガイド
ロール(9)(バックアップロール、外径100mm、
面長600mm)は、外層にシリコーンゴム(硬度7
0、厚み5mm)が被覆されているもの、ステージ(1
0)にはステンレス製の平板(材質;SUS304、長
さ;250mm、幅;600mm、表面粗度;Ra0.
10μm)を用いた。ガイドロールに対し、ステージの
方向へ線圧が1.0kgf/cmになるようエアシリン
ダーを用いて加圧した。研磨フィルムとPEEKフィル
ムがガイドロールを過ぎてお互いに離れる部位に向かう
ようにして、除電バー(ヒューグルエレクトロニクス社
製、型式;410、長さ;600mm)のエアーを吹き
つけて静電気対策を行った。用意したPEEKフィルム
全長にわたり同一条件で研磨を実施した。途中、フィル
ムの“たるみ”や“よれ”のない安定した研磨が行え
た。このときガイドロール横に設置したパーティクルカ
ウンターの測定値は、0.5μm以上粒子数で1,36
0,000個/m3であった。
【0090】(b)液晶フィルム7の作製 このように研磨処理したPEEKフィルムを、長さ10
cm、幅10cmに切り出して、参考例1で作製した液
晶性高分子物質溶液−1をスピンコーターを用いて塗布
し、60℃のホットプレート上で30分乾燥させ、高温
槽を用いて200℃30分間の熱処理後、室温下に取り
出し放冷し、配向した液晶性高分子物質層を有するフィ
ルムを得た。このフィルムから液晶性高分子物質層のみ
を、紫外線硬化型接着剤UV−3400(東亞合成
(株)製)を介してトリアセチルセルロース(TAC)
フィルムへ転写し液晶フィルム7を作製した。転写後の
液晶性高分子物質層のパラメータ(光学パラメータ)を
測定したところねじれ角−230°、光学厚み(△n・
d)779nmであった。また偏光顕微鏡により観察し
たところ配向が完全であることが確認された。更に、5
0μm以上の輝点として確認される液晶配向欠陥の数を
数えたところ、10cm角のフィルム中に3個確認され
た。同様の実験を4回繰り返し、欠陥部を数えたとこ
ろ、各々、1個、0個、2個、1個であった。光学パラ
メータは5回の平均値で、ねじれ角−233°、光学厚
み(△n・d)783nmであった。
【0091】(実施例8) (a)高分子フィルムの研磨処理 高分子フィルム(被研磨体)として市販のポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム(幅;450mm、
厚み;75μm、長さ;600m)を用いた以外は、実
施例7に記載のバックアップ方式の条件で研磨を行っ
た。用意したPETフィルム全長にわたり同一条件で研
磨を実施した。途中、フィルムの“たるみ”や“よれ”
のない安定した研磨が行えた。このときガイドロール横
に設置したパーティクルカウンターの測定値は、0.5
μm以上粒子数で1,240,000個/m3であっ
た。
【0092】(b)液晶フィルム8の作製 このように研磨処理したPETフィルムを、長さ10c
m、幅10cmに切り出して、参考例1で作製した液晶
性高分子物質溶液−1をスピンコーターを用いて塗布
し、60℃のホットプレート上で30分乾燥させ、高温
槽を用いて200℃30分間の熱処理後、室温下に取り
出し放冷し、配向した液晶性高分子物質層を有するフィ
ルムを得た。このフィルムから液晶性高分子物質層のみ
を、紫外線硬化型接着剤UV−3400(東亞合成
(株)製)を介してトリアセチルセルロース(TAC)
フィルムへ転写し液晶フィルム8を作製した。転写後の
液晶性高分子物質層のパラメータ(光学パラメータ)を
測定したところねじれ角−235°、光学厚み(△n・
d)776nmであった。また偏光顕微鏡により観察し
たところ配向が完全であることが確認された。更に、5
0μm以上の輝点として確認される液晶配向欠陥の数を
数えたところ、10cm角のフィルム中に1個確認され
た。同様の実験を4回繰り返し、欠陥部を数えたとこ
ろ、各々、2個、1個、0個、2個であった。光学パラ
メータは5回の平均値で、ねじれ角−231°、光学厚
み(△n・d)778nmであった。
【0093】(実施例9) (a)高分子フィルムの研磨処理 高分子フィルム(被研磨体)として市販のポリフェニレ
ンサルファイド(PPS)フィルム(幅;500mm、
厚み;80μm、長さ;400m)を図2に示すバック
アップ方式にて研磨処理を行った。研磨フィルムは日本
ミクロコーティング社製AWA15000(幅;500
mm、総厚み;32μm、基布材質;ポリエステルフィ
ルム、砥粒;Al23(酸化アルミニウム)、平均粒径;
0.3μm)を用いた。PPSフィルムと研磨フィルム
は、繰出し部、巻取り部を含めてクリーンブース中に設
置された研磨装置を用い、図2に示す通りに順方向研磨
の配置とした。研磨時のフィルム張力は、両フィルムと
も同一の25.0kgf(幅1cm当たり500g
f)、搬送速度は、PPSフィルム1m/min、研磨
フィルム0.1m/minに設定した。ガイドロール
(バックアップロール、外径100mm、面長600m
m)は、外層にEPDMゴム(硬度40、厚み5mm)
が被覆されているもの、ステージには直径が150m
m、面長600mmの鋼鉄製のロールで表面にはハード
クロムメッキが20μmの厚みで施されているものを用
いた。ガイドロールに対し、ステージの方向へ線圧が
4.5kgf/cmになるようエアシリンダーを用いて
加圧した。研磨フィルムとPPSフィルムがガイドロー
ルを過ぎてお互いに離れる部位に向かうようにして、除
電バー(ヒューグルエレクトロニクス社製、型式;41
0、長さ;600mm)のエアーを吹きつけて静電気対
策を行った。用意したPPSフィルム全長にわたり同一
条件で研磨を実施した。途中、フィルムの“たるみ”や
“よれ”のない安定した研磨が行えた。このときガイド
ロール横に設置したパーティクルカウンターの測定値
は、0.5μm以上粒子数で1,930,000個/m
3であった。
【0094】(b)高分子フィルム表面凹凸の観察 研磨の効果を確認するため、高分子フィルムの突起部分
をキーエンス社製カラーレーザー顕微鏡VK−8500
を用いて観察したところ、研磨前には突起高さが2.5
μmのものが研磨後には約0.3μmに削れていること
が確認できた。研磨前の高分子フィルム表面の顕微鏡写
真を図7に、研磨後の高分子フィルム表面の顕微鏡写真
を図8に示す。
【0095】(c)液晶フィルム9の作製 このように研磨処理したPPSフィルムを、長さ10c
m、幅10cmに切り出して、参考例1で作製した液晶
性高分子物質溶液−1をスピンコーターを用いて塗布
し、60℃のホットプレート上で30分乾燥させ、高温
槽を用いて200℃30分間の熱処理後、室温下に取り
出し放冷し、配向した液晶性高分子物質層を有するフィ
ルムを得た。このフィルムから液晶性高分子物質層のみ
を、紫外線硬化型接着剤UV−3400(東亞合成
(株)製)を介してトリアセチルセルロース(TAC)
フィルムへ転写し液晶フィルム9を作製した。転写後の
液晶性高分子物質層のパラメータ(光学パラメータ)を
測定したところねじれ角−228°、光学厚み(△n・
d)779nmであった。また偏光顕微鏡により観察し
たところ配向が完全であることが確認された。更に、5
0μm以上の輝点として確認される液晶配向欠陥の数を
数えたところ、10cm角のフィルム中に2個確認され
た。同様の実験を4回繰り返し、欠陥部を数えたとこ
ろ、各々、1個、0個、0個、1個であった。光学パラ
メータは5回の平均値で、ねじれ角−225°、光学厚
み(△n・d)777nmであった。
【0096】(実施例10) (a)高分子フィルムの研磨処理液晶配向支持基板であ
る高分子フィルムにポリエーテルエーテルケトン(PE EK)フィルム(幅;450mm、厚み;100μm、
長さ;500m)を使い、実施例1と同様にテンション
方式の研磨処理を行った。研磨フィルムの張力を31.
5kgf(幅1cm当り700gf)、PEEKフィル
ムの張力を4.5kgf(幅1cm当り100gf)、
研磨フィルムの搬送速度を0.6m/min、PEEK
フィルムの搬送速度を10m/min、ならびに、ガイ
ドロールに直径300mm、面長600mmの鋼鉄製の
ロールで表面にはハードクロムメッキが20μmの厚み
で施されているものを用いた以外は実施例1と同一の方
法で研磨を行った。用意したPEEKフィルム全長にわ
たり同一条件で研磨を実施した。途中、フィルムの“た
るみ”や“よれ”のない安定した研磨が行えた。このと
きガイドロール横に設置したパーティクルカウンターの
測定値は、0.5μm以上粒子数で1,790,000
個/m3であった。
【0097】(b)液晶フィルム10の作製 このように研磨処理したPEEKフィルムを、長さ10
cm、幅10cmに切り出して、研磨した方向と同じ方
向にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100
でラビングを行ったものを配向支持基板として用い、参
考例2で調製した液晶性高分子物質溶液−2をスピンコ
ーターを用いて塗布し、60℃のホットプレート上で3
0分乾燥させ、高温槽を用いて210℃30分間の熱処
理後、室温下に取り出し放冷し、配向した液晶性高分子
物質層を有するフィルムを得た。このフィルムから液晶
性高分子物質層のみを、紫外線硬化型接着剤UV−34
00(東亞合成(株)製)を介してトリアセチルセルロ
ース(TAC)フィルムへ転写し液晶フィルム10を作
製した。転写後の液晶フィルム10を直交配置した偏光
板にラビング軸が45度になるよう挟みこんでラビング
軸に沿ってフィルムを傾けながら目視観察したところ、
フィルムが白色から徐々に暗くなっていることから、液
晶フィルム10はチルト配向していることが確認でき
た。液晶フィルム10のパラメータ(光学パラメータ)
を測定したところ光学厚み(△n・d)119nm、平
均チルト角24度であった。また偏光顕微鏡により観察
したところ配向が完全であることが確認された。更に、
50μm以上の輝点として確認される液晶配向欠陥の数
を数えたところ、10cm角のフィルム中に1個確認さ
れた。同様の実験を4回繰り返し、欠陥部を数えたとこ
ろ、各々、3個、0個、1個、2個であった。光学パラ
メータは5回の平均値で、光学厚み(△n・d)120
nm、平均チルト角25度であった。
【0098】(c)液晶セル装着検査 液晶フィルム10を2枚用い、TFT電極を有する90
度ねじれの液晶セル(TN型液晶セル)に対し、図6の
ような配置で補償を行った。その結果、液晶フィルム1
0が無い場合に比べ、著しく視野角の広い表示が得られ
ることが分かった。このことから液晶フィルム10が液
晶表示装置用視野角補償板として機能することが判明し
た。また、液晶フィルム10の顕微鏡検査で確認された
欠陥は、液晶セルに装着した状態においても輝点として
確認できた。
【0099】(実施例11) (a)高分子フィルムの研磨処理 高分子フィルム(被研磨体)として市販のポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)フィルム(幅;450m
m、厚み;100μm、長さ;500m)を図2に示す
バックアップ方式にて研磨処理を行った。実施例7に記
載のものと同一研磨条件で、配向支持基板フィルムを研
磨した。用意したPEEKフィルム全長にわたり同一条
件で研磨を実施した。途中、フィルムの“たるみ”や
“よれ”のない安定した研磨が行えた。このときガイド
ロール横に設置したパーティクルカウンターの測定値
は、0.5μm以上粒子数で1,460,000個/m
3であった。
【0100】(b)液晶フィルム11の作製 このように研磨処理したPEEKフィルムを、長さ10
cm、幅10cmに切り出して、研磨した方向と同じ方
向にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100
でラビングを行ったものを配向支持基板として用い、参
考例2で作製した液晶性高分子物質溶液−2をスピンコ
ーターを用いて塗布し、60℃のホットプレート上で3
0分乾燥させ、高温槽を用いて210℃30分間の熱処
理後、室温下に取り出し放冷し、配向した液晶性高分子
物質層を有するフィルムを得た。このフィルムから液晶
性高分子物質層のみを、紫外線硬化型接着剤UV−34
00(東亞合成(株)製)を介してトリアセチルセルロ
ース(TAC)フィルムへ転写し液晶フィルム11を作
製した。転写後の液晶フィルム11を直交配置した偏光
板にラビング軸が45度になるよう挟みこんでラビング
軸に沿ってフィルムを傾けながら目視観察したところ、
フィルムが白色から徐々に暗くなっていることから、液
晶フィルム11はチルト配向していることが確認でき
た。液晶フィルム11のパラメータ(光学パラメータ)
を測定したところ光学厚み(△n・d)107nm、平
均チルト角24度であった。また偏光顕微鏡により観察
したところ配向が完全であることが確認された。更に、
50μm以上の輝点として確認される液晶配向欠陥の数
を数えたところ、10cm角のフィルム中に3個確認さ
れた。同様の実験を4回繰り返し、欠陥部を数えたとこ
ろ、各々、1個、0個、4個、1個であった。光学パラ
メータは5回の平均値で、光学厚み(△n・d)111
nm、平均チルト角26度であった。
【0101】(比較例1) (a)液晶フィルム12の作製 高分子フィルムとして市販のポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)フィルム(幅;450mm、厚み;10
0μm、長さ;500m)を、長さ10cm、幅10c
mに切り出して、切り出す前のフィルムの長手方向と平
行にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100
でラビングを行ったものを配向支持基板として用い、実
施例1と同様の手順で液晶フィルム12を作製した。液
晶性高分子物質層のパラメータ(光学パラメータ)を測
定したところねじれ角−235°、光学厚み(△n・
d)785nmであった。また偏光顕微鏡により観察し
たところ配向が完全であることが確認された。更に、5
0μm以上の輝点として確認される液晶配向欠陥の数を
数えたところ、10cm角のフィルム中に67個確認さ
れた。同様の実験を4回繰り返し、欠陥部を数えたとこ
ろ、各々、51個、71個、48個、72個であった。
光学パラメータは5回の平均値で、ねじれ角−233
°、光学厚み(△n・d)784nmであった。
【0102】(b)液晶セル装着検査 液晶フィルム12を用い、図5のような液晶表示装置を
作製した。STN型液晶セルとして、230度左ねじ
れ、リターデーション780nmのものを用いた。その
結果、液晶フィルム12を用いることにより見やすい白
黒表示が得られ、液晶フィルム12が色補償フィルムと
して機能することが分かった。液晶フィルム12を用い
ず、偏光板とSTN型液晶セルのみで表示を行った場
合、いかように配置しても着色した見え難い表示しか得
られなかった。また、液晶フィルム12の顕微鏡検査で
確認された欠陥は、全て液晶セルに装着した状態におい
ても輝点として確認できた。
【0103】(比較例2) (a)高分子フィルムの研磨処理 高分子フィルム(被研磨体)として市販のポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)フィルム(幅;450m
m、厚み;100μm、長さ;500m)を図1に示す
テンション方式にて研磨処理を行った。実施例1記載の
研磨方法において、搬送速度が、PEEKフィルム15
m/min、研磨フィルム0.01m/minに設定し
た以外は、同一条件にて研磨を行った。用意したPEE
Kフィルム全長にわたり同一条件で研磨を実施した。途
中、フィルムの“たるみ”や“よれ”のない安定した研
磨が行えた。このときガイドロール横に設置したパーテ
ィクルカウンターの測定値は、0.5μm以上粒子数で
240,000個/m3であった。
【0104】(b)液晶フィルム13の作製 このように研磨処理したPEEKフィルムを、長さ10
cm、幅10cmに切り出して、研磨した方向と同じ方
向にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100
でラビングを行ったものを配向支持基板として用い、実
施例1と同様の手順で液晶フィルム13を作製した。液
晶性高分子物質層のパラメータ(光学パラメータ)を測
定したところねじれ角−233°、光学厚み(△n・
d)781nmであった。また偏光顕微鏡により観察し
たところ配向が完全であることが確認された。更に、5
0μm以上の輝点として確認される液晶配向欠陥の数を
数えたところ、10cm角のフィルム中に42個確認さ
れた。同様の実験を4回繰り返し、欠陥部を数えたとこ
ろ、各々、30個、52個、35個、59個であった。
光学パラメータは5回の平均値で、ねじれ角−232
°、光学厚み(△n・d)786nmであった。
【0105】(c)液晶セル装着検査 液晶フィルム13を用い、図5のような液晶表示装置を
作製した。STN型液晶セルとして、230度左ねじ
れ、リターデーション780nmのものを用いた。その
結果、液晶フィルム13を用いることにより見やすい白
黒表示が得られ、液晶フィルム13が色補償フィルムと
して機能することが分かった。液晶フィルム13を用い
ず、偏光板とSTN型液晶セルのみで表示を行った場
合、いかように配置しても着色した見え難い表示しか得
られなかった。また、液晶フィルム13の顕微鏡検査で
確認された欠陥は、全て液晶セルに装着した状態におい
ても輝点として確認できた。
【0106】(比較例3) (a)高分子フィルムの研磨処理 液晶配向支持基板である高分子フィルムにPPSフィル
ム(幅;500mm、厚み;80μm、長さ;400
m)を使い、実施例4記載の研磨条件のなかで、研磨フ
ィルムとPPSフィルムの張力を0.5kgf(幅1c
m当り10gf)に設定した以外は同一条件とした。研
磨を開始するにあたり、装置のスタートボタンを押して
両フィルムの搬送用モーターの駆動音を確認し、両フィ
ルムとも張力が張っていることが目視で確認できたが、
高分子フィルムの搬送速度が極端に低く、研磨フィルム
の速度とほぼ同じであることが判明した。この張力条件
では、研磨部分の抵抗の方がフィルム張力より勝ってい
ることが判った。
【0107】(比較例4) (a)高分子フィルムの研磨処理 液晶配向支持基板である高分子フィルムにPPSフィル
ム(幅;500mm、厚み;80μm、長さ;400
m)を使い、フィルム張力は研磨フィルム、PPSフィ
ルムとも同じ25kgf(幅1cm当り500gf)と
して、静電気対策の除電バーを取り外した以外は、実施
例1記載の条件でPPSフィルムを研磨した。用意した
PPSフィルム全長にわたり同一条件で研磨を実施し
た。途中、フィルムの“たるみ”や“よれ”のない安定
した研磨が行えた。このときガイドロール横に設置した
パーティクルカウンターの測定値は、0.5μm以上粒
子数で820,000個/m3であった。
【0108】(b)液晶フィルム14の作製 このように研磨処理したPPSフィルムを、長さ10c
m、幅10cmに切り出して、研磨した方向と同じ方向
にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100で
ラビングを行ったものを配向支持基板として用い、実施
例1と同様の手順で液晶フィルム14を作製した。液晶
性高分子物質層のパラメータ(光学パラメータ)を測定
したところねじれ角−226°、光学厚み(△n・d)
774nmであった。また偏光顕微鏡により観察したと
ころ液晶の配向は十分にされていたが、長さ数十μmの
小さなキズが多数確認できた。同様の実験を4回繰り返
し、液晶フィルム14の顕微鏡観察を行ったところ、全
てのフィルムに小さなキズがあることが判った。光学パ
ラメータは5回の平均値で、ねじれ角−225°、光学
厚み(△n・d)779nmであった。
【0109】(比較例5) (a)高分子フィルムの研磨処理 液晶配向支持基板である高分子フィルムにPENフィル
ム(幅;500mm、厚み;60μm、長さ;500
m)を使い、フィルム張力は研磨フィルム、PENフィ
ルムとも同じ25kgf(幅1cm当り500gf)と
して、研磨装置を囲っていたクリーンブースの仕切りフ
ィルムを取り外し、クリーンエアーの吹き出しファンの
電源をOFFにした以外は、実施例1記載の条件でPE
Nフィルムを研磨した。用意したPENフィルム全長に
わたり同一条件で研磨を実施した。途中、フィルムの
“たるみ”や“よれ”のない安定した研磨が行えた。こ
のときの浮遊粒子数は、ガイドロール横に設置したパー
ティクルカウンターの測定可能な上限(0.1μm以上
粒子数で1,000,000,000個/m3)を超え
ており測定できなかった。
【0110】(b)液晶フィルム15の作製 このように研磨処理したPENフィルムを、長さ10c
m、幅10cmに切り出して、研磨した方向と同じ方向
にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100で
ラビングを行ったものを配向支持基板として用い、実施
例1と同様の手順で液晶フィルム15を作製した。液晶
性高分子物質層のパラメータ(光学パラメータ)を測定
したところねじれ角−233°、光学厚み(△n・d)
787nmであった。また偏光顕微鏡により観察したと
ころ液晶の配向は十分にされていたが、長さ数百μmの
キズが多数確認できた。同様の実験を4回繰り返し、液
晶フィルム15の顕微鏡観察を行ったところ、全てのフ
ィルムに同様のキズがあることが判った。光学パラメー
タは5回の平均値で、ねじれ角−235°、光学厚み
(△n・d)789nmであった。
【0111】(比較例6) (a)液晶フィルム16の作製 高分子フィルムとして市販のポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)フィルム(幅;450mm、厚み;10
0μm、長さ;500m)を、長さ10cm、幅10c
mに切り出して、切り出す前のフィルムの長手方向と平
行にレーヨン布を巻きつけたロールにより周速比100
でラビングを行ったものを配向支持基板として用い、実
施例10と同様の手順で液晶フィルム16を作製した。
液晶フィルム16を直交配置した偏光板にラビング軸が
45度になるよう挟みこんでラビング軸に沿ってフィル
ムを傾けながら目視観察したところ、フィルムが白色か
ら徐々に暗くなっていることから、液晶フィルム16は
チルト配向していることが確認できた。液晶フィルム1
6のパラメータ(光学パラメータ)を測定したところ光
学厚み(△n・d)123nm、平均チルト角25度で
あった。また偏光顕微鏡により観察したところ配向が完
全であることが確認された。更に、50μm以上の輝点
として確認される液晶配向欠陥の数を数えたところ、1
0cm角のフィルム中に87個確認された。同様の実験
を4回繰り返し、欠陥部を数えたところ、各々、73
個、60個、68個、52個であった。光学パラメータ
は5回の平均値で、光学厚み(△n・d)122nm、
平均チルト角25度であった。
【0112】(b)液晶セル装着検査 液晶フィルム16を2枚用い、TFT電極を有する90
度ねじれの液晶セル(TN型液晶セル)に対し、図6の
ような配置で補償を行った。その結果、光学フィルム1
6が無い場合に比べ、著しく視野角の広い表示が得られ
ることが分かった。また、液晶フィルム16の顕微鏡検
査で確認された欠陥は、液晶セルに装着した状態におい
ても輝点として確認できた。
【0113】(実施例12) (a)高分子フィルムの研磨処理 高分子フィルム(被研磨体)として市販の厚み100μ
mのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム
を10cm角に切り出し、図4に示す方法にて研磨処理
を行った。研磨布として三共理化学(株)製研磨テープ
WA20000(砥粒酸化アルミニウム、粒径0.2μ
m)を使い、フィルムの切り出す前の長手方向と研磨の
方向が一致するように送り速度10mm/秒、被研磨体
を載せたステージの移動速度20mm/秒、直径7cm
長さ10cmのバックアップロールの線圧1.5kg/
cmにて行った。
【0114】(b)液晶高分子の配向処理 研磨後のフィルムに日産化学(株)製低温キュアタイプ
のポリイミドSE3840をスピンコートにて0.06
μmの厚さに塗り、熱オーブンにて200℃、1時間キ
ュアを行ったのち、ナイロン布を巻きつけたロールによ
り周速比100で研磨方向と同じ方向にラビングを行っ
た。ラビング済みフィルム上にスピンコーターを用いて
参考例3で調製した液晶性高分子物質溶液−3を塗布
し、60℃のホットプレート状で30分乾燥させ、熱オ
ーブン中で200℃で30分間熱処理後、室温下に取り
出し放冷し、配向した液晶性高分子物質層を有するフィ
ルムを得た。
【0115】(c)欠陥検査 このフィルムから液晶性高分子物質層のみを、紫外線硬
化型接着剤UV−3400(東亞合成(株)製)を介し
てトリアセチルセルロース(TAC)フィルムへ転写し
た。転写後の液晶性高分子物質層のパラメータ(光学パ
ラメータ)を測定したところねじれ角−230°、光学
厚み(△n・d)0.850μmであった。また偏光顕
微鏡により観察したところ配向が完全であることが確認
された。更に、50μm以上の輝点として確認される液
晶配向欠陥の数を数えたところ、10cm角のフィルム
中に1個確認された。同様の実験を4回繰り返し、欠陥
部を数えたところ、各々、0個、1個、1個、0個であ
った。光学パラメータは5回の平均値で、ねじれ角−2
30.5°、光学厚み(△n・d)0.853μmであ
った。
【0116】(実施例13)高分子フィルムとして、市
販の厚み100μmのポリフェニレンサルファイド (PPS)フィルムを用いた以外は、実施例12と同様
に行い、TACフィルム上に液晶性高分子物質層を転写
した(5枚)。転写後の液晶性高分子物質層を偏光顕微
鏡により観察したところ、何れの液晶性高分子物質層に
おいても配向が完全であることが確認された。光学パラ
メータは、5枚の平均値でねじれ角−231.1°、光
学厚み(△n・d)0.859μmであった。欠陥数
は、各々、0個、0個、1個、1個、1個であった。
【0117】(実施例14)高分子フィルムとして、実
施例13で用いた市販の厚み100μmのPPSフィル
ムを用い、研磨処理後、配向基板にポリイミドを塗布せ
ずにラビング処理後、参考例3で調製した液晶性高分子
物質溶液−3を用いて配向した液晶性高分子物質層を有
するフィルムを5枚作製し、これらのフィルムから実施
例12と同様にして液晶性高分子物質層のみをTACフ
ィルムへ転写した後、偏光顕微鏡により観察した。何れ
の液晶性高分子物質層においても配向が完全であること
が確認された。光学パラメータは、5枚の平均値でねじ
れ角−230.9°、光学厚み(△n・d)0.856
μmであった。欠陥数は、各々、1個、0個、1個、0
個、0個であった。
【0118】(実施例15)高分子フィルムに、市販の
厚み100μmのポリエチレンナフタレート(PEN)
フィルムを用いた。研磨処理後、配向基板にポリイミド
を塗布せずにラビング処理後、参考例3で調製した液晶
性高分子物質溶液−3を用いて配向した液晶性高分子物
質層を有するフィルムを5枚作製した。これらのフィル
ムから実施例12と同様にして液晶性高分子物質層のみ
をTACフィルムへ転写した後、偏光顕微鏡により観察
したところ、何れの液晶性高分子物質層においても配向
が完全であることが確認された。光学パラメータは、5
枚の平均値でねじれ角−231.5.°、光学厚み(△
n・d)0.866μmであった。欠陥数は、各々、1
個、2個、1個、0個、3個であった。
【0119】(比較例7)実施例12で使用した市販の
厚み100μmのPEEKフィルムを10cm角に切り
出し、日産化学(株)製低温キュアタイプのポリイミド
SE3840をスピンコートにて0.06μmの厚さに
塗り、熱オーブンにて200℃、1時間キュアを行った
のち、ナイロン布を巻きつけたロールにより周速比10
0でフィルムの切り出す前の長手方向と一致する向きに
ラビングを行った。参考例3で調製した液晶性高分子物
質溶液−3をラビング済みフィルムにスピンコーターを
用いて塗布し、乾燥後、200℃で30分間熱処理を行
い、次いで室温下に取り出し放冷し、配向した液晶性高
分子物質層を有するフィルムを5枚作製した。得られた
フィルムから液晶性高分子物質層のみを実施例12と同
様にしてTACフィルムへ転写した。偏光顕微鏡により
観察すると、何れの液晶性高分子物質層においても配向
が完全であることが確認された。光学パラメータは、5
枚の平均値でねじれ角−230.5°、光学厚み(△n
・d)0.855μmであった。欠陥数は、各々、10
個、8個、6個、7個、9個であった。
【0120】(比較例8)実施例12で使用した市販の
厚み100μmのPEEKフィルムを10cm角に切り
出し、配向膜を塗布せずに、ナイロン布を巻きつけたロ
ールにより周速比100でフィルムの切り出す前の長手
方向と一致する向きにラビングを行った。参考例3で調
製した液晶性高分子物質溶液−3をラビング済みフィル
ムにスピンコーターを用いて塗布し、乾燥後、200℃
で30分間熱処理を行い、次いで室温下に取り出し放冷
し、配向した液晶性高分子物質層を有するフィルムを5
枚作製した。全てのフィルムから実施例1と同様にして
液晶性高分子物質層のみをTACフィルムへ転写した。
偏光顕微鏡により観察すると、何れの液晶性高分子物質
層においても配向が完全であることが確認された。光学
パラメータは、5枚の平均値でねじれ角−230.7
°、光学厚み(△n・d)0.855μmであった。欠
陥数は、各々、11個、7個、10個、9個、4個であ
った。
【0121】(比較例9)実施例13で使用した市販の
厚み100μmのPPSフィルムを用いた以外は、比較
例8と同様に行い、液晶性高分子物質層のみをTACフ
ィルムへ転写した。転写後の液晶性高分子物質層を偏光
顕微鏡により観察すると、何れも配向が完全であること
が確認された。光学パラメータは、5枚の平均値でねじ
れ角−232.1°、光学厚み(△n・d)0.865
μmであった。欠陥数は、各々、5個、12個、15
個、3個、7個であった。
【0122】(比較例10)実施例15で使用した市販
の厚み100μmのPENフィルムを用いた以外は、比
較例8と同様に行い、液晶性高分子物質層のみをTAC
フィルムへ転写した。転写後の液晶性高分子物質層を偏
光顕微鏡により観察すると、何れも配向が完全であるこ
とが確認された。光学パラメータは、5枚の平均値でね
じれ角−231.5°、光学厚み(△n・d)0.86
0μmであった。欠陥数は、各々、4個、18個、17
個、3個、9個であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】テンション方式の研磨法の概略を示す模式図で
ある。
【図2】バックアップ方式の研磨法の概略を示す模式図
である。
【図3】研磨処理法の他の概略を示す模式図である。
【図4】研磨処理法の他の概略を示す模式図である。
【図5】実施例1、比較例1および比較例2で用いた液
晶表示装置斜視図(a)および軸配置(b)を示す模式
図である。
【図6】実施例9および比較例6で用いた液晶表示装置
斜視図(a)および軸配置(b)を示す模式図である。
【図7】研磨前の高分子フィルム表面の顕微鏡写真であ
る。
【図8】研磨後の高分子フィルム表面の顕微鏡写真であ
る。
【符号の説明】
1 研磨フィルムの繰り出しスプール 2 研磨フィルムの巻き取りスプール 3 研磨フィルム 4 ガイドロール 5 その他のガイドロール 6 被研磨フィルム 7 被研磨フィルムの繰り出しスプール 8 被研磨フィルムの巻き取りスプール 9 ガイドロール(バックアップロール) 10 ステージ 11 上側偏光板 12 液晶フィルム1、11または12 12′ 液晶フィルム9または15 13 粘着剤を有するトリアセチルセルロースフィル
ム 14 STN型液晶セル 14′ TN型液晶セル 15 下側偏光板 16、20 偏光板の透過軸 17 基板フィルムの研磨方向ならびにラビング方向
に対応する方向 18、19 電極基板のラビング方向 21 研磨布 22 研磨ステージ 23 被研磨体 24 研磨布の繰出しスプール 25 研磨布の巻取りスプール 26 バックアップロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 慎一郎 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA07 BA25 BA42 BB44 BB45 BB46 BB49 BC04 BC09 BC22 2H091 FA11 FB02 FC15 LA12 LA18 4F209 AC03 AF01 AG01 AG05 AG21 AH33 AH73 PA01 PB01 PC03 PC05 PG01 PQ20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム表面を研磨した高分子フィルム
    を配向支持基板として用いることを特徴とする液晶性物
    質の配向方法。
  2. 【請求項2】 高分子フィルムが、連続した長尺高分子
    フィルムであることを特徴とする請求項1記載の液晶性
    物質の配向方法。
  3. 【請求項3】 連続したフィルム状物質上に研磨材ある
    いは研磨砥粒が積層した構造を有する研磨フィルムを用
    いて高分子フィルムを研磨することを特徴とする請求項
    1記載の液晶性物質の配向方法。
  4. 【請求項4】 被研磨フィルムと研磨フィルムが平行あ
    るいは反平行に相対速度を有して移動しながら接触させ
    ることにより研磨することを特徴とする請求項1記載の
    液晶性物質の配向方法。
  5. 【請求項5】 被研磨フィルムと研磨フィルムが研磨部
    位前後において当該両フィルムに張力を加えながら研磨
    することを特徴とする請求項1記載の液晶性物質の配向
    方法。
  6. 【請求項6】 被研磨フィルムと研磨フィルムが接触す
    る部位で発生した静電気を除去しながら研磨することを
    特徴とする請求項1記載の液晶性物質の配向方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の配向支持基板にラビング
    処理を施して用いることを特徴とする液晶性物質の配向
    方法。
  8. 【請求項8】 前記配向支持基板に配向層を形成して用
    いることを特徴とする請求項1記載の液晶性物質の配向
    方法。
  9. 【請求項9】 前記配向支持基板にラビング処理が施さ
    れた配向層を形成して用いることを特徴とする請求項1
    記載の液晶性物質の配向方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれかの項に
    記載の配向方法により得られる液晶フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の液晶フィルムが、一
    軸あるいはねじれ位相差フィルム、コレステリック型円
    偏光反射フィルム、およびネマチックハイブリッド型視
    野角改良フィルムから選ばれるいずれかの機能を有する
    フィルムであることを特徴とする液晶フィルム。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の液晶フィルムを少
    なくとも1枚搭載したことを特徴とする液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005103702A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Toyo Tire & Rubber Co Ltd Cmp用研磨パッド及びその梱包方法
JP2009286008A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Tokyo Institute Of Technology ナノインプリント用モールド
US8704981B2 (en) 2011-03-25 2014-04-22 Fujifilm Corporation Method of producing light-reflective film

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