JP2003078553A - パケット転送方法 - Google Patents

パケット転送方法

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JP2003078553A JP2001262657A JP2001262657A JP2003078553A JP 2003078553 A JP2003078553 A JP 2003078553A JP 2001262657 A JP2001262657 A JP 2001262657A JP 2001262657 A JP2001262657 A JP 2001262657A JP 2003078553 A JP2003078553 A JP 2003078553A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1:Nの冗長構成をとった現用パスに2重障害
が発生し,パスを現用パスから予備パスへ迂回させると
き,予備パス上において,パケットの優先クラス又はVP
Nクラスを保ったままパケットを転送できるようにする
こと。 【解決手段】第1のラベルスイッチドパスが設定される
第1の回線,及び第2のラベルスイッチドパスが設定さ
れる第2の回線に障害が発生した場合に,第1のラベルス
イッチドパス及び第2のラベルスイッチドパスに流れる
べきパケットを予備パスに迂回させる。その際,第1の
ラベルスイッチドパスを流れるべきパケットと,第2の
ラベルスイッチドパスを流れるべきパケットとに異なる
ラベルを付与して,予備パスに転送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ネットワークの障
害復旧方法及びその装置に関し、特にMulti Protocol L
abel Switching(MPLS)ネットワークに好適なものに関
する。
【0002】
【従来の技術】MPLSは,イントラネット及びインターネ
ット・バックボーン向け基盤技術として現在Internet En
gineering Task Force (IETF)のMPLSワーキンググルー
プにおいて標準化作業中の技術である。MPLSには,高速
データ転送/スケーラベリティ/トラヒック制御の容易性
といった特徴を持つラベルスイッチングの技術が利用さ
れている。ラベルスイッチングは,ラベルベースのフォ
ワーディングとネットワークレイヤのルーチングとを統
合し,パケットに付与したラベルによってフォワーディ
ングを行うものである。
【0003】ここで,MPLSにおいては,同一の方法また
は扱い(例えば同一のパス上で転送され,そして,同一
のサービスクラスで転送される)で転送されるレイヤ3パ
ケットのグループをフォワーディング等価クラス (FEC)
として定義し,このFECに対応するパケットのグループ
に同一のラベルを付与する。
【0004】そして,ラベルを付与されたパケットにつ
いては,以降,そのラベルのみを参照(ラベルに対応し
たFECにより転送するパス,サービスクラス等レイヤ2
のフォワーディングに必要なパラメータを決定する)
し,レイヤ2のフォワーディングを行うことが出来る。
【0005】パケット中継装置としてのラベルスイッチ
ングルータは,ラベルスイッチングを実現するものであ
り,パケットに如何にラベルを割り当てるかが重要であ
る。
【0006】今日普及しているInternet Protocol (IP)
ネットワークは,主に接続性に焦点が置かれ,1つのサ
ービスクラス(ベストエフォート型)のみを提供してき
た。一方MPLSは,ラベルベースのフォワーディングとネ
ットワークレイヤのルーチングとを統合させることによ
り,データの伝送に柔軟性をもたらすことが可能であ
る。これは,Quality of Service (QoS),Traffic Engi
neering (TE),VirtualPrivate Network (VPN)等の実現
に非常に効果的である。
【0007】しかしながら,これらの提供においては,
データを高信頼かつ効率的に転送することが非常に重要
な課題となっている。現在のルーチングアルゴリズムは
強固で信頼性が高いものの,障害が発生した場合に回復
に多大な時間(数秒から数分単位)がかかり、高信頼性
が求められるサービスには影響を及ぼしかねない。高信
頼化サービスを提供するには,SONETと同様,数10ミリ
秒単位での障害復旧の提供が求められている。MPLSは,
IPベースのトランスポートネットワークにおいて,上記
の要求を満たすプロテクション・レストレーション技術
を可能にするものとして期待されている。
【0008】MPLSネットワークにおいて,経路はコネク
ションオリエンテッドであり,経路をパスとして扱うこ
とが可能である。つまり,障害が発生する以前にパケッ
トの通る経路を現用パス,予備パスとして予め確保する
ことが可能である。障害が発生した場合,予め定められ
た現用パス,予備パスに従ってパスを切替えるのみで済
むので,迅速に障害を回避することが可能である。この
時,ラベルスタックという手法を用いて障害復旧を実現
している。ラベルスタックとは,ラベルを書替えた後,
それにさらに一段ラベルを付加し,1つのパケットに対
し2つのラベルを多重して転送させる仕組である。最後
に付加されたラベル情報のみ参照して転送することによ
り,仮想的なトンネル化を実現する。
【0009】図6では,ネットワークN1からネットワー
クN3,ネットワークN2からネットワークN3にデータを転
送する場合において,現用パス(LSR10-LSR20-LSR30)
に対し予備パス(LSR10-LSR60-LSR70-LSR80-LSR30)を
予め確保し割当てている。ここで,LSRはラベルスイッ
チングルータを意味する。また,各ネットワーク及各LS
Rを結んでいる細い線は回線を表している。これらの回
線とし,ATM回線,PPP over SONET (POS)回線を用いれ
ばよい。ATM回線を用いる場合は, MPLSネットワーク内
ではVPI/VCIがラベルとなり,POS回線を用いる場合に,
MPSLネットワーク内ではパケットにShimヘッダが付与さ
れ,Shimヘッダ内にラベルが設定される。これらは本願
図面の他のネットワーク図におてい同様である。
【0010】図7及び図8を用いて,図6に示したネッ
トワークにおけるパケット転送について説明する。LSR1
0は,図8(A)に示したようなテーブル(通常時)を用い
て,ネットワークAから受信したパケットにラベルα1
を,ネットワークBから受信したパケットにラベルβ1
を付加する。図8(A)のアドレス情報は,IPアドレス等
を用いればよいまた,図6及び図7では,LSR10がMPLS
ネットワークのバウンダリに位置するエッジノードのイ
メージで図面が記載されているが,LSR10は,MPSLのコ
アに位置するコアノードであっても良い。その場合は,
LSR10に入力されるパケットにすでにラベルが付与され
ているので,そのラベルを用いればよい。これ以降の説
明においても,LSR10はエッジノードであってもコアノ
ード得もあっても良いことを断っておく。LSR20は,図
8(B)に示したようなテーブルを用いて,Label Switche
d Path(LSP)αから受信したパケットのラベルをα1か
らα2に,パスLSPβから受信したパケットのラベルを
β1をβ2にラベルを書き換え,それらをLSR30に転送
する。
【0011】例えば,LSR20-LSR30間で障害が発生した
場合,LSR10はその障害を検知後,図8(A)に示したよう
なテーブル(障害発生時)を用いて,LSR30に到達する
時に本来付加されているべきラベル(以降,現用ラベル
と記す。ネットワークN1-ネットワークN3間のLSPαに対
してはα2,ネットワークN2−ネットワークN3間のLSPβ
に対してはβ2)を付加する。そして,それに予備パスを
出方路とするラベル(以降,予備ラベルと記す。P1)を
付加してラベルスタック転送する。図11にそのパケッ
トフォーマットを示す。
【0012】予備パスへ迂回されたデータは,パス上の
中継ノードにおいて,予備ラベルのみを見てパケットの
転送先を決定し,受信パケットに付与されている予備ラ
ベルを転送先に対応する予備ラベルに書替え,そして予
備ラベルを書き換えたパケットを転送する。例えば,LS
R60は,図8(C)に示すようなテーブルを用いて,予備ラ
ベルをP1からP2に書き換え,予備ラベルが書き換えられ
たパケットを転送する。そしてLSR30の手前のノードLSR
80で,Penultimate Hop Popping (PHP) することによ
り,LSR30には障害時においても通常時と同じラベルを
付加したパケットが送られて来る。ここで,PHPとは,L
SR30の1つ手前のノードにおいて予備ラベルのみ外すこ
とをいう。
【0013】以上の方式を実現することにより,LSR30
ではラベルα2,ラベルβ2が付与されたパケットをネッ
トワークN3に転送するための情報のみを有していれば,
通常時,障害時を問わずパケットを処理することができ
る。装置内に保持すべき情報量を低減することができ
る。
【0014】以上に述べたのは,1:1の構成である。こ
の方式を1:Nの構成に拡張した障害復旧方式を図9に示
す。ここで1:1とは,現用パス1本に対し予備パス1本を
割当てる冗長構成のことで,各々の現用パスに対し必ず
予備パスが存在している為,非常に信頼性の高いネット
ワーク構成であると言える。一方1:Nとは,N本の現用パ
スに対し予備パスを1本割当てる冗長構成のことで,複
数の現用パスで1本の予備パスを共有している為,1:1の
冗長構成と比較してコストを抑えることができる。
【0015】図9においてネットワークN1からLSR20を
通ってネットワークN3にいくトラヒック,ネットワーク
N2からLSR20を通ってネットワークN3にいくトラヒッ
ク,ネットワークN1からLSR70を通ってネットワークN3
にいくトラヒック,ネットワークN2からLSR70を通って
ネットワークN3に行くトラヒックを,それぞれLSPα,L
SPβ,LSPγ,LSPδとする。LSPα,LSPβは現用パスLS
R10-LSR20-LSR30,LSPγ,LSPδは現用パスLSR10-LSR40
-LSR50-LSR30を通り,これら複数の現用パスに対し1本
の予備パスLSR10-LSR60-LSR70-LSR80-LSR30を予め確保
し割当てる。この時,図10に示すようにLSPα,LSP
β,LSPγ,LSPδを通るパケットのラベルは,それぞ
れ,現用パス上の中継ノードにおいて,α1→α2,β
1→β2,γ1→γ2→γ3,δ1→δ2→δ3とラベ
ルを書替えられ,転送される。LSR10,及び現用パス上
の中継ノードは,それぞれ,図8(A),(B)に示したもの
と同様のテーブルを用いればよい。
【0016】例えば,LSR20-LSR30間で障害が発生した
場合,LSR10はその障害を検知後,LSR30に到達する時に
本来付加されているべき現用ラベル(LSPαに対しては
α2,LSPβに対してはβ2)を付加する。そして,更に
予備パスを出方路とする予備ラベル(P1)を付加して
ラベルスタック転送する。同様に,LSR50-LSR30間で障
害が発生した場合,LSR10は障害を検知後,現用ラベル
(LSPγに対してはγ3,LSPδに対してはδ3)を付加す
る。そして,さらに予備ラベル(P1)を付加してラベ
ルスタック転送する。それらのパケットフォーマットを
図12に示す。予備パスへ迂回されたデータは,1:1の
場合と同様,上側の予備ラベルのみP2,P3と書替えられ
転送されて行く。そして,PHPすることにより,LSR30に
は障害時においても通常時と同じラベルを付加したパケ
ットが送られてくる。予備パス上の中継ノードは,図8
(C)に示したテーブルと同様のものを用いればよい。
【0017】この方式により,LSR30では,ラベルα2,
ラベルβ2,ラベルγ3,ラベルδ3が付与されたパケッ
トをネットワークN3に転送するための情報のみ持ってい
れば,通常時,障害時を問わずパケットを処理すること
ができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の1:N障害復旧方
式では,複数の現用パスの障害を1本の予備パスで回避
する時,特定又は任意の同じ予備ラベルが割当てられ
る。しかしながら,図9に示す構成のネットワークにお
いて,優先クラス別又はVPN別に,異なる現用パスにト
ラヒックを振り分け,異なるサービスを提供している場
合に次のような問題が生じする。
【0019】図10用いて,その問題点を説明する。例
えば,現用パスLSR10-LSR20-LSR30上にてラベルα1,α
2,β1,β2は高優先クラス,現用パスLSR10-LSR40-LSR
50-LSR30上にてラベルγ1,γ2,δ1,δ2は低優先クラ
スによりパケットを転送しているとする。LSR20-LSR30
間,LSR50-LSR30間で同時に障害が発生した場合,それ
らの現用パスを通るトラヒックは予備パスLSR10-LSR70-
LSR80-LSR30へ迂回される。その時,迂回されたパケッ
トに対して,元々の現用パスを区別することなく,特定
又は任意の同一のラベルP1を付与した場合,それらのト
ラヒックは予備パス上では同じサービスクラスにより処
理されるので,現用パスの元々の優先クラスは無視され
てしまう。
【0020】LSPαを用いてネットワークN1とネットワ
ークN3との間でVPN1を,LSPβを用いてネットワークN2
とネットワークN3との間でVPN2を,LSPγを用いてネッ
トワークN1とネットワークN3との間でVPN3を,LSPδを
用いてネットワークN2とネットワークN3との間でVPN4を
構成し,VPN1及びVPN2を流れるパケットに対して,VPN3
及びVPN4に流れるパケットよりも高い優先度与えている
場合においても,双方の現用パスに障害が発生した場合
には同様の問題が生じる。
【0021】本発明は,障害が発生した場合,予備パス
へトラヒックを迂回し障害を回避しつつ,現用パス毎に
決定される元々の優先クラス或いはVPNクラスを損なわ
ない障害復旧方式を実現することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の一側面において
は,第1のラベルスイッチドパスが設定される第1の回
線,及び第2のラベルスイッチドパスが設定される第2
の回線に障害が発生した場合に,第1のラベルスイッチ
ドパス及び第2のラベルスイッチドパスに流れるべきパ
ケットを予備パスに迂回させる。その際,第1のラベル
スイッチドパスを流れるべきパケットと,第2のラベル
スイッチドパスを流れるべきパケットとに異なるラベル
を付与して,予備パスに転送する。
【0023】本発明の他の側面については,発明の実施
の形態で明らかにされる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は,本発明の1:Nの冗長構成
を採用したMPLSネットワークを説明するための図であ
る。ネットワークN1からLSR20を通ってネットワークN
3,ネットワークN2からLSR20を通ってネットワークN3,
ネットワークN1からLSR70を通ってネットワークN3,ネ
ットワークN2からLSR70を通ってネットワークN3に行く
トラヒックをそれぞれLSPα,LSPβ,LSPγ,LSPδとす
る。LSPα,LSPβは現用パスLSR10-LSR20-LSR30,LSP
γ,LSPδは現用パスLSR10-LSR40-LSR50-LSR30を通る。
これら複数の現用パスに対し1本の予備パスLSR10-LSR60
-LSR70-LSR80-LSR30を予め確保し割当てる。ここで,LS
Pα及びLSPβは,LSPγ及びLSPδよりも優先度の高いパ
スである。
【0025】LSR10に入力されたパケットは,通常時
は,図2に示すテーブル(通常時)に従い,ラベルがα
1,β1,γ1,δ1が付与される。図9に示したのと
同様にLSPα,LSPβ,LSPγ,LSPδはそれぞれα1→α
2,β1→β2,γ1→γ2→γ3,δ1→δ2→δ3
とラベルが書替えられながら,現用パスを転送されてい
く。
【0026】現用パス上で障害が生じ,そのパス上を流
れるデータをLSR10にて予備パスへ切替え迂回させる際
には,図2に示したテーブル(障害発生時)に従い,現
用パス毎に一意に決まる予備ラベルをLSR10にて付加す
る。現用パスLSR10-LSR20-LSR30間で障害が発生した場
合,LSR10は,その障害を検知後,LSR30に到達する時に
本来付加されているべき現用ラベル(LSPαに対しては
α2,LSPβに対してはβ2)をパケットに付加する。そ
して,更にそれに予備パスを出方路とし,現用パス毎に
一意に決定する予備ラベル(この場合,現用パスLSR10-
LSR20-LSR30に対してP1α)を付加して予備パスLSR10-L
SR60-LSR70-LSR80-LSR30へラベルスタック転送する。同
様に,現用パスLSR10-LSR40-LSR50-LSR30上で障害が発
生した場合,LSR10はその障害を検知後,現用ラベル(L
SPγに対してはγ3,LSPδに対してはδ3)をパケット
に付加する。そして,それに予備パスを出方路とし,現
用パス毎に一意に決定する予備ラベル(この場合,現用
パスLSR10-LSR40-LSR50-LSR30に対してP1β)を付加し
て予備パスLSR10-LSR60-LSR70-LSR80-LSR30へラベルス
タック転送する。図13に,それらのパケットフォーマ
ットを示す。
【0027】現用パスLSR10-LSR20-LSR30を流れるべき
パケットと,現用パスLSR10-LSR40-LSR50-LSR30をなが
れるべきパケットには,それぞれ異なる予備ラベルが付
与される。LSR60は,例えば,予備ラベルP1αが付与さ
れるパケットに対して,予備ラベルP1βが付与されるパ
ケットよりも優先的に転送する。
【0028】LSR60から転送されたパケットは,LSR70に
おいて,予備ラベルのみP1α→P2α,P1β→P2βと書替
えられる。LSR70においても,LSR60と同様に,パケット
の優先転送制御を行うことができる。
【0029】LSR80に到達したパケットは,PHPの処理が
行われ,LSR30に到達する。
【0030】障害が発生しパスを現用パスから予備パス
へ迂回させる時,優先度の高いLSRα及びβを流れるべ
きパケットと,優先度の低いLSRγ及びδを流れるべき
パケットに異なる予備ラベルを付与される。すなわち,
LSRα及びβを流れるべきパケットと, LSRγ及びδを
流れるべきパケットとは異なるサービスクラスになるた
め,予備パス上において,LSRα及びβを流れるべきパ
ケットをLSRγ及びδを流れるべきパケットより優先し
て転送する制御を行うことが可能となる。
【0031】ネットワークN1とN3との間で,LSRαを用
いてVPN1を構成し,ネットワークN2とN3との間で,LSR
βを用いてVPN2を構成し,ネットワークN1とN3との間
で,LSRγを用いてVPN3を構成し,ネットワークN2とN3
との間で,LSRγを用いてVPN4を構成した場合を考え
る。この場合においても,予備パスへ迂回させる際に,
VPN1及び2を流れるべきパケットと,VPN3及び4を流
れるべきパケットとに異なる予備パスを付加することに
より,予備パス上において,VPN1及び2を流れるべき
パケットを,VPN3及び4を流れるべきパケットより優
先して転送する制御を行うことが可能となる。
【0032】本実施例によれば,現用パス毎に異なる優
先クラスあるいはVPNクラスを保ったままデータ転送を
行うことができる。
【0033】図3は,LSR10で行うラベルスタックのパ
ケットフォーマットを示した図であり,通常時は,IPヘ
ッダとIPペイロードから成るIPパケットに対し,32ビッ
トのラベルのみ付与してパケットを転送する。一方,障
害時は,IPパケットに対し,まず32ビットの現用ラベル
(宛先に到達する時に本来付加されているべきラベル)
を付加し,更にその上に32ビットの予備ラベル(予備パ
スを出方路とし,現用パス毎に一意に決定するラベル)
を付与してパケットを転送する。なお,32ビットのラベ
ルフォーマットは,20ビットのラベル部と,3ビットのe
xperimental(優先クラスを示す)部と,1ビットのstac
k(スタックの有無を示す。0の場合は該ラベルの下にラ
ベルが有ることを示し,1の場合は該ラベルが最下位の
ラベルであることを示す)部と,8ビットのTTL部から成
る。障害時,パケットはラベルスタックされており,現
用ラベルのstack部は0を示し,予備ラベルのstack部は1
を示している。
【0034】図4は,図1のMPLSネットワークを構成す
る各LSRの構成例を示したブロック図である。ルータ200
はパケットが入力されるN本の入力回線210-i(i=1〜N)と
パケットの受信処理を行うパケット受信処理部220-i
と、パケット転送処理部230と、パケットの出力回線を
判定するルーティング処理部240と、パケットをスイッ
チングするスイッチ230と、パケットの優先転送制御を
行うパケット送信処理部260-jと、回線状態を監視する
回線状態監視部270-jと、パケットが出力されるN本の出
力回線290-jと、ルータ全体の制御およびルーティング
処理を行う制御部280より構成される。制御部280はルー
ティング処理部内の各テーブルの設定、各回線状態監視
部からの障害通知の処理等を行う。
【0035】ルータ200の入力回線210-iよりパケットが
入力されると、パケット受信回路220-iは、それをパケ
ット転送処理部1200へ送信する。パケット転送処理部20
3はパケットを受信すると,ラベルを含むヘッダ情報を
抽出してルーティング処理部240に送信する。この際,
パケットは一時的に蓄積しておく。ルーティング処理部
240は、図2又は図8に示したテーブルを保持してお
り,受信したヘッダ情報に基づきそのテーブルを検索す
る。その検索の結果,パケットに付与すべき出力ラベル
又は現用ラベル及び予備ラベル,並びにパケットを出力
すべき出力回線が決定される。パケット転送処理部230
は,決定されたラベルをパケットに付与し,スイッチ25
0にパケットを送信する。スイッチ250は,ルーティング
処理部で決定された出力回線にパケットをスイッチング
し,パケットはパケット送信処理部260-jに到達する。
パケット送信処理部260-jはパケットの優先度に対応し
た送信制御を行い、出力回線290-jにパケットを送信す
る。
【0036】図5は,パケット送信処理部の一構成例を
示す。パケット送信処理部は,入力受信したパケットを
高優先キューと低優先キューとに振り分ける振り分け回
路261と,高優先キューから,低優先キューよりも優先
してキューイングされたパケット読み出す読み出し回路
262とを有する。例えば,LSR60においては,ラベルP1α
が付与されたパケットは高優先キューに,ラベルP1βが
付与されたパケットは低優先キューに振り分けられ,パ
ケットの優先転送制御が行われる。
【0037】最後に,上述の説明から明らかであるが,
図14に図1におけるLSR10のパケット転送フローを示
す。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に係るパケ
ット中継装置によれば,1:Nの冗長構成をとった現用
パスに2重障害が発生しパスを現用パスから予備パスへ
迂回させるとき,パケットの優先クラス或いはVPNを損
なうことなく障害を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1:Nの冗長構成をとったMPLSネッ
トワークを説明する図である。
【図2】ラベルスイッチングルータが保持するテーブル
の構成例を説明するための図である。
【図3】通常時のパケット及び障害時のラベルスタック
したパケットフォーマットを示す図である。
【図4】ラベルスイッチングルータの構成例を示すブロ
ック図である。
【図5】パケット送信処理部の構成例を示す図である。
【図6】従来の1:1の冗長構成をとったMPLSネットワー
クを説明するため図である。
【図7】従来の1:1の冗長構成をとったMPLSネットワー
クにおけるラベルの設定例を説明するための図である。
【図8】ラベルスイッチングルータが保持するテーブル
の構成例を説明するための図である。
【図9】従来の1:Nの冗長構成をとったMPLSネットワー
クを説明するための図である。
【図10】従来の1:Nの冗長構成をとったMPLSネットワ
ークにおけるラベルの設定例を説明するための図であ
る。
【図11】図6及び図7に示したネットワークにおい
て,現用パス上で障害が生じた場合に予備パスに迂回さ
れるパケットのフォーマットを示す図である。
【図12】図9及び図10に示したネットワークにおい
て,現用パス上で障害が生じた場合に予備パスに迂回さ
れるパケットのフォーマットを示す図である。
【図13】図1に示したネットワークにおいて,現用パ
ス上で障害が生じた場合に予備パスに迂回されるパケッ
トのフォーマットを示す図である。
【図14】本発明のラベルスイッチングルータの動作フ
ローの一実施例を示す図である。
【符号の説明】
110 ラベル 120-1−120-2 IPヘッダ 130-1−130-2 IPペイロード 140 現用ラベル 150 予備ラベル 160 ラベル 170 Experimental ビット 180 Stack ビット 190 TTL ビット 200 ラベルスイッチングルータ 210 主処理部 220 ラベル管理部 230 ラベル分配プロトコル処理部 240 ラベルスイッチング処理部 250 IPルーチング処理部 260 スイッチ処理部 270-1−270-m 回線インタフェース処理部 280-1−280-n 物理回線 310-1−310-2 現用ラベル 320-1−320-2 予備ラベル 410-1−410-4 現用ラベル 420-1−420-4 予備ラベル 510-1―510-4 現用ラベル 520-1―520-4 予備ラベル。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の回線上に設定される第1のラベルスイ
    ッチドパスと,第2の回線上に設定され,前記第1のラベ
    ルスイッチドパスよりも優先度の低い第2のラベルスイ
    ッチドパスと,予備パスとを出力パスとして収容するパ
    ケット転送装置におけるパケット転送方法であって,前
    記第1及び第2の回線に障害が発生していない場合に,第
    1のパケットの受信すると,それに第1のラベルを付与
    し,前記第1のラベルが付与されたパケットを前記第1の
    ラベルスイッチドパスに転送し,第2のパケットの受信
    すると,それに第2のラベルを付与し,前記第2のラベ
    ルが付与されたパケットを前記第2のラベルスイッチド
    パスに転送し,前記第1及び第2の回線に障害が発生した
    場合に,前記第1のパケットを受信すると,前記第1のパ
    ケットに第3のラベルを付与し,前記第3のラベルが付
    与されたパケットを前記予備パスに転送し,前記第2の
    パケットを受信すると,前記第2のパケットに第4のラ
    ベルを付与し,前記第4のラベルが付与されたパケット
    を前記予備パスに転送する。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のパケットの転送方法であ
    って,前記第1及び第2の回線に障害が発生した場合に,
    前記第1のパケットを受信すると,前記第1のラベルスイ
    ッチドパス,前記第2のラベルスイッチドパス及び前記
    予備パスとを入力パスとして収容する他のパケットの通
    信装置が前記第1のラベルスイッチドパスから受信する
    パケットに付与されている第5のラベルを,前記第1の
    パケットと前記第3のラベルとの間に付与し,前記第3及
    び第5のラベルが付与されたパケットを前記予備パスに
    転送し,前記第2のパケットを受信すると,前記他のパ
    ケットの通信装置が前記第2のラベルスイッチドパスか
    ら受信するパケットに付与されている第6のラベルを,
    前記第2のパケットと前記第4のラベルとの間に付与
    し,前記第4及び第6のラベルが付与されたパケットを
    前記予備パスに転送する。
  3. 【請求項3】第1の回線上に設定される第1のラベルスイ
    ッチドパスと,第2の回線上に設定され第2のラベルス
    イッチドパスと,予備パスとを出力パスとして収容する
    パケット転送装置におけるパケット転送方法であって,
    前記第1及び第2の回線に障害が発生していない場合に,
    第1のパケットを受信すると,それに第1のラベルを付
    与し,前記第1のラベルが付与されたパケットを前記第1
    のラベルスイッチドパスに転送し,前記第1のラベルよ
    り優先度の低い第2のパケットを受信すると,それに第2
    のラベルを付与し,前記第2のラベルが付与されたパケ
    ットを前記第2のラベルスイッチドパスに転送し,前記
    第1及び第2の回線に障害が発生した場合に,前記第1の
    パケットの受信すると,前記第1のパケットに第3のラ
    ベルを付与し,前記第3のラベルが付与されたパケット
    を前記予備パスに転送し,前記第2のパケットを受信す
    ると,前記第2のパケットに第4のラベルを付与し,前
    記第4のラベルが付与されたパケットを前記予備パスに
    転送する。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のパケットの転送方法であ
    って,前記第1及び第2の回線に障害が発生した場合に,
    前記第1のパケットを受信すると,前記第1のラベルスイ
    ッチドパス,前記第2のラベルスイッチドパス及び前記
    予備パスとを入力パスとして収容する他のパケットの通
    信装置が前記第1のラベルスイッチドパスから受信する
    パケットに付与されている第5のラベルを,前記第1の
    パケットと前記第3のラベルとの間に付与し,前記第3及
    び第5のラベルが付与されたパケットを前記予備パスに
    転送し,前記第2のパケットを受信すると,前記他のパ
    ケットの通信装置が前記第2のラベルスイッチドパスか
    ら受信するパケットに付与されている第6のラベルを,
    前記第2のパケットと前記第4のラベルとの間に付与
    し,前記第4及び第6のラベルが付与されたパケットを
    前記予備パスに転送する。
  5. 【請求項5】第1の回線上に設定される第1のバーチャル
    プライベートネットワーク(VPN)と,第2の回線上に設
    定され第2のVPNと,予備パスとを収容するパケット転
    送装置におけるパケット転送方法であって,前記第1及
    び第2の回線に障害が発生していない場合に,前記第1の
    VPNを流れる第1のパケットを受信すると,それに第1の
    ラベルを付与し,前記第1のラベルが付与されたパケッ
    トを前記第1のラベルスイッチドパスに転送し,前記第
    2のVPNを流れる第2のパケットを受信すると,それに
    第2のラベルを付与し,前記第2のラベルが付与された
    パケットを前記第2のラベルスイッチドパスに転送し,
    前記第1及び第2の回線に障害が発生した場合に,前記第
    1のパケットの受信すると,前記第1のパケットに第3の
    ラベルを付与し,前記第3のラベルが付与されたパケッ
    トを前記予備パスに転送し,前記第2のパケットを受信
    すると,前記第2のパケットに第4のラベルを付与し,
    前記第4のラベルが付与されたパケットを前記予備パス
    に転送する。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のパケットの転送方法であ
    って,前記第1及び第2の回線に障害が発生した場合に,
    前記第1のパケットを受信すると,前記第1のVPN,前記
    第2のVPN及び前記予備パスとを収容する他のパケットの
    通信装置が前記第1のVPNから受信するパケットに付与さ
    れている第5のラベルを,前記第1のパケットと前記第3
    のラベルとの間に付与し,前記第3及び第5のラベルが
    付与されたパケットを前記予備パスに転送し,前記第2
    のパケットを受信すると,前記他のパケットの通信装置
    が前記第2のVPNから受信するパケットに付与されてい
    る第6のラベルを,前記第2のパケットと前記第4のラ
    ベルとの間に付与し,前記第4及び第6のラベルが付与
    されたパケットを前記予備パスに転送する。
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