JP2003073319A - クロム錯体、エチレン系重合体製造用触媒及びエチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

クロム錯体、エチレン系重合体製造用触媒及びエチレン系重合体の製造方法

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JP2003073319A
JP2003073319A JP2001268234A JP2001268234A JP2003073319A JP 2003073319 A JP2003073319 A JP 2003073319A JP 2001268234 A JP2001268234 A JP 2001268234A JP 2001268234 A JP2001268234 A JP 2001268234A JP 2003073319 A JP2003073319 A JP 2003073319A
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iii
catalyst
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JP2001268234A
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Haruhiko Ikeda
晴彦 池田
Hisashi Monoi
尚志 物井
Hajime Yasuda
源 安田
Sukemasa Nakayama
祐正 中山
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Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン系重合体製造用触媒成分と有用なビ
ナフチル骨格を有する基を配位子とする新規なクロム錯
体、その錯体を用いたエチレン系重合体製造用触媒、お
よびその触媒を用いたエチレン系重合体の製造方法を提
供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1〜R12は同一でも異なってもよく、各々水
素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール
基、または炭素原子数1〜20のアルキル基若しくはア
リール基で置換されたシリル基を表わし、Xは酸素原
子、窒素原子、硫黄原子またはリン原子を表わす。)で
示されるビナフチル骨格を有する基を配位子とするクロ
ム錯体、そのクロム錯体と有機アルミニウムからなるエ
チレン系重合体製造用触媒、およびその触媒を用いるエ
チレン系重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なクロム錯体、
そのクロム錯体を用いるエチレン系重合体製造用触媒及
びエチレン系重合体の製造方法に関する。さらに詳しく
言えば、ビナフチル骨格を有する基を配位子とする新規
なクロム錯体、そのクロム錯体と有機アルミニウムから
なるエチレン系重合体製造用触媒、その触媒を用いるエ
チレン系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビナフチル骨格を有する基を配位子とす
る金属錯体として、アルミニウム、ランタン、ユーロピ
ウム、サマリウム、イットリウム、イッテルビウムなど
を中心金属とする錯体が、J. Am. Chem. Soc., 1993, 1
15, 10372, J. Am. Chem. Soc., 1995, 117, 6194, J.
Am. Chem. Soc., 1997, 119, 4783, J. Am. Chem. So
c., 1998, 120, 441, J. Am. Chem. Soc., 1999, 121,
4168, J. Am. Chem. Soc.,2000, 122, 6194に開示され
ており、これらの金属錯体は不斉合成触媒として利用さ
れている。
【0003】しかし、ビナフチル骨格を有する基を配位
子とするクロム錯体は知られておらず、また、アルミニ
ウム、ランタン、ユーロピウム、サマリウム、イットリ
ウム、イッテルビウムなどを中心金属とする公知の錯体
をオレフィン重合触媒に用いられている報告はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エチレン系
重合体製造用触媒成分として有用なビナフチル骨格を有
する基を配位子とする新規なクロム錯体、その錯体を用
いたエチレン系重合体製造用触媒、及びその触媒を用い
たエチレン系重合体の製造方法を提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討した結果、ビナフチル骨格を有する基
を配位子とする新規なクロム錯体、及びその錯体を有機
アルミニウムと反応させて得られる触媒、またはそのク
ロム錯体を無機酸化物担体に担持したものと有機アルミ
ニウム化合物からなる触媒を用いることによって前記課
題を解決した。
【0006】すなわち本発明は、下記1〜2の新規なク
ロム錯体、3〜6のエチレン系重合体製造用触媒、及び
7のエチレン系重合体の製造方法を提供する。
【0007】1.一般式(1)
【化4】 (式中、R1〜R12は同一でも異なってもよく、各々水
素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール
基、または炭素原子数1〜20のアルキル基若しくはア
リール基で置換されたシリル基を表わし、Xは酸素原
子、窒素原子、硫黄原子またはリン原子を表わす。)で
示されるビナフチル骨格を有する基を配位子とするクロ
ム錯体。 2.一般式(2)
【化5】 (式中、Yは周期律表の1族の金属を表わし、Zは電子
供与性化合物を表わす。)で示される前項1記載のクロ
ム錯体。
【0008】3.前項1または2に記載のクロム錯体と
有機アルミニウム化合物からなるエチレン系重合体製造
用触媒。 4.前項1または2に記載のクロム錯体を無機酸化物担
体に担持してなる前項3記載のエチレン系重合体製造用
触媒。 5.有機アルミニウム化合物が一般式(3)
【化6】(R13)nAl(P)3-n (3) (式中、R13は複数存在する場合は同一でも異なってい
てもよく、各々炭素原子数1〜18のアルキル基を表わ
し、Pは複数存在する場合は同一でも異なっていてもよ
く、各々ハロゲン原子、アルコキシ基、シロキシ基、ま
たは水素原子を表わし、nは1〜3の整数である。)で
示されるものである前項3または4に記載のエチレン系
重合体製造用触媒。 6.有機アルミニウム化合物がアルモキサンである前項
3または4に記載のエチレン系重合体製造用触媒。 7.前項3乃至6のいずれかに記載のエチレン系重合体
製造用触媒を用いることを特徴とするエチレン系重合体
の製造方法。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
のクロム錯体は、下記の一般式(1)で表わされるビナ
フチル骨格を有する基を配位子とする化合物である。
【化7】
【0010】式中、R1〜R12は同一でも異なってもよ
く、各々水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、
アリール基、または炭素原子数1〜20のアルキル基若
しくはアリール基で置換されたシリル基を表わす。
【0011】R1〜R12が表わす水素原子以外の具体的
例として、アルキル基の場合はメチル、エチル、n−プ
ロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、ジメチルフェ
ニルメチル、メチルジフェニルメチル、トリフェニルメ
チルなどが挙げられ、アリール基の場合はフェニル、ト
リル、キシリル、メシチル、ナフチル、インデニルなど
が挙げられ、アルキル置換シリル基の場合はトリメチル
シリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、
トリt−ブチルシリル、トリシクロヘキシルシリルなど
が挙げられ、アリール置換シリル基の場合はトリフェニ
ルシリル、トリトリルシリル、トリキシリルシリル、ト
リメシチルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジフェニ
ルメチルシリルなどが挙げられる。R1〜R12としては
特に水素原子が好ましい。
【0012】Xは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リ
ン原子を表わし、その中でも酸素原子、窒素原子が好ま
しい。Xはナフチル骨格の炭素原子に結合しており、一
方は金属原子と共有結合、イオン結合または配位結合す
る。本発明のクロム錯体としては下記の一般式(2)で
表わされる化合物が挙げられる。
【化8】
【0013】式中、Yは周期律表の1族の金属、具体的
にはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムを表わ
す。Zは電子供与性化合物を表わし、具体的には窒素、
酸素、リン、硫黄原子のいずれかを含む化合物が挙げら
れる。
【0014】窒素含有化合物としては、ニトリル、アミ
ン、ニトロ化合物、アミドなどが挙げられ、その具体例
としては、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルピリジ
ン、ジメチルアミノピリジン、ジメチルホルムアミド、
N−メチルホルムアミド、アニリン、ニトロベンゼン、
テトラメチルエチレンジアミン、ジエチルアミン、イソ
プロピルアミン、ヘキサメチルジシラザン、ピロリド
ン、ピラゾール、イミダゾール等が挙げられる。
【0015】酸素含有化合物としては、水、エステル、
エーテル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が挙げら
れ、具体例としては、エチルアセテート、メチルアセテ
ート、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエー
テル、ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、
アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノー
ル、アセトアルデヒド等が挙げられる。
【0016】リン含有化合物としては、ヘキサメチルホ
スホルアミド、ヘキサメチルホスホラストリアミド、ト
リエチルホスファイト、トリブチルホスフィンオキシ
ド、トリエチルホスフィン等が挙げられる。
【0017】硫黄含有化合物としては、二硫化炭素、ジ
メチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、チオフ
ェン、ジメチルスルフィド等が挙げられる。これらの中
でも、酸素含有化合物が好ましく、特に、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランが好ましい。
【0018】一般式(1)で示されるクロム錯体の具体
的例としては、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム
(III)・3リチウム・3アセトニトリル錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3
ピリジン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム
(III)・3リチウム・3ジメチルピリジン錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3
ジメチルアミノピリジン錯体、トリス(1,1−ビナフト
レート)クロム(III)・3リチウム・3ジメチルホルムア
ミド錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)
・3リチウム・3N−メチルホルムアミド錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3
アニリン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム
(III)・3リチウム・3ニトロベンゼン錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3
テトラメチルエチレンジアミン錯体、トリス(1,1−ビ
ナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3ジエチルア
ミン錯体、
【0019】トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(II
I)・3リチウム・3イソプロピルアミン錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3
ヘキサメチルジシラザン錯体、トリス(1,1−ビナフト
レート)クロム(III)・3リチウム・3ピロリドン錯体、
トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウ
ム・3ピラゾール錯体、トリス(1,1−ビナフトレー
ト)クロム(III)・3リチウム・3イミダゾール錯体、ト
リス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム
・3水和物錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロ
ム(III)・3リチウム・3エチルアセテート錯体、トリ
ス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・
3メチルアセテート錯体、トリス(1,1−ビナフトレー
ト)クロム(III)・3リチウム・3テトラヒドロフラン錯
体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リ
チウム・3ジオキサン錯体、
【0020】トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(II
I)・3リチウム・3ジエチルエーテル錯体、トリス(1,
1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3ジメ
トキシエタン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)ク
ロム(III)・3リチウム・3ジグライム錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3
トリグライム錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)ク
ロム(III)・3リチウム・3アセトン錯体、トリス(1,
1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3メチ
ルエチルケトン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)
クロム(III)・3リチウム・3メタノール錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3
エタノール錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロ
ム(III)・3リチウム・3アセトアルデヒド錯体、トリ
ス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・
3ヘキサメチルホスホルアミド錯体、
【0021】トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(II
I)・3リチウム・3ヘキサメチルホスホラストリアミド
錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3
リチウム・3トリエチルホスファイト錯体、トリス(1,
1−ビナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3トリ
ブチルホスフィンオキシド錯体、トリス(1,1−ビナフ
トレート)クロム(III)・3リチウム・3トリエチルホス
フィン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(II
I)・3リチウム・3二硫化炭素錯体、トリス(1,1−ビ
ナフトレート)クロム(III)・3リチウム・3ジメチルス
ルホキシド錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロ
ム(III)・3リチウム・3テトラメチレンスルホン錯
体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3リ
チウム・3チオフェン錯体、トリス(1,1−ビナフトレ
ート)クロム(III)・3リチウム・3ジメチルスルフィド
錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3
ナトリウム・3水和物錯体、
【0022】トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(II
I)・3ナトリウム・3エチルアセテート錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3ナトリウム・
3メチルアセテート錯体、トリス(1,1−ビナフトレー
ト)クロム(III)・3ナトリウム・3テトラヒドロフラン
錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3
ナトリウム・3ジオキサン錯体、トリス(1,1−ビナフ
トレート)クロム(III)・3ナトリウム・3ジエチルエー
テル錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)
・3ナトリウム・3ジメトキシエタン錯体、トリス(1,
1−ビナフトレート)クロム(III)・3ナトリウム・3ジ
グライム錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム
(III)・3ナトリウム・3トリグライム錯体、トリス
(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3ナトリウム・
3アセトン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロ
ム(III)・3ナトリウム・3メチルエチルケトン錯体、
【0023】トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(II
I)・3ナトリウム・3メタノール錯体、トリス(1,1−
ビナフトレート)クロム(III)・3ナトリウム・3エタノ
ール錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)
・3ナトリウム・3アセトアルデヒド錯体、トリス(1,
1−ビナフトレート)クロム(III)・3カリウム・3水和
物錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・
3カリウム・3エチルアセテート錯体、トリス(1,1−
ビナフトレート)クロム(III)・3カリウム・3メチルア
セテート錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム
(III)・3カリウム・3テトラヒドロフラン錯体、トリ
ス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3カリウム・
3ジオキサン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)ク
ロム(III)・3カリウム・3ジエチルエーテル錯体、ト
リス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3カリウム
・3ジメトキシエタン錯体、
【0024】トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(II
I)・3カリウム・3ジグライム錯体、トリス(1,1−ビ
ナフトレート)クロム(III)・3カリウム・3トリグライ
ム錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・
3カリウム・3アセトン錯体、トリス(1,1−ビナフト
レート)クロム(III)・3カリウム・3メチルエチルケト
ン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・
3カリウム・3メタノール錯体、トリス(1,1−ビナフ
トレート)クロム(III)・3カリウム・3エタノール錯
体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3カ
リウム・3アセトアルデヒド錯体、トリス(1,1−ビナ
フチル−N,N−ジメチルアミノ)クロム(III)・3リチ
ウム・3水和物錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,
N−ジメチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3エチ
ルアセテート錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N
−ジメチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3メチル
アセテート錯体、
【0025】トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメ
チルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3テトラヒドロ
フラン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメ
チルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジオキサン錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメチルアミ
ノ)クロム(III)・3リチウム・3ジエチルエーテル錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメチルアミ
ノ)クロム(III)・3リチウム・3ジメトキシエタン錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメチルアミ
ノ)クロム(III)・3リチウム・3ジグライム錯体、トリ
ス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメチルアミノ)クロム
(III)・3リチウム・3トリグライム錯体、トリス(1,
1−ビナフチル−N,N−ジメチルアミノ)クロム(III)
・3リチウム・3アセトン錯体、トリス(1,1−ビナフ
チル−N,N−ジメチルアミノ)クロム(III)・3リチウ
ム・3メチルエチルケトン錯体、トリス(1,1−ビナフ
チル−N,N−ジメチルアミノ)クロム(III)・3リチウ
ム・3メタノール錯体、トリス(1,1−ビナフチル−
N,N−ジメチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3
エタノール錯体、
【0026】トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメ
チルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3アセトアルデ
ヒド錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−
ブチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3水和物錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブチル
アミノ)クロム(III)・3リチウム・3エチルアセテート
錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブチ
ルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3メチルアセテー
ト錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブ
チルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3テトラヒドロ
フラン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt
−ブチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジオキサ
ン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブ
チルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジエチルエー
テル錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−
ブチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジメトキシ
エタン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt
−ブチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジグライ
ム錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブ
チルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3トリグライム
錯体、
【0027】トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt
−ブチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3アセトン
錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブチ
ルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3メチルエチルケ
トン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−
ブチルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3メタノール
錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブチ
ルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3エタノール錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブチル
アミノ)クロム(III)・3リチウム・3アセトアルデヒド
錯体トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシリル
アミノ)クロム(III)・3リチウム・3水和物錯体、トリ
ス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシリルアミノ)
クロム(III)・3リチウム・3エチルアセテート錯体、
トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシリルアミ
ノ)クロム(III)・3リチウム・3メチルアセテート錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシリル
アミノ)クロム(III)・3リチウム・3テトラヒドロフラ
ン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシ
リルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジオキサン錯
体、
【0028】トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチ
ルシリルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジエチル
エーテル錯体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメ
チルシリルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジメト
キシエタン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリ
メチルシリルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジグ
ライム錯体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチ
ルシリルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3トリグラ
イム錯体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチル
シリルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3アセトン錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシリル
アミノ)クロム(III)・3リチウム・3メチルエチルケト
ン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシ
リルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3メタノール錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシリル
アミノ)クロム(III)・3リチウム・3エタノール錯体、
トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチルシリルアミ
ノ)クロム(III)・3リチウム・3アセトアルデヒド錯体
などが挙げられる。
【0029】これらの中でもトリス(1,1−ビナフトレ
ート)クロム(III)・3リチウム・3テトラヒドロフラン
錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3
リチウム・3ジエチルエーテル錯体、トリス(1,1−ビ
ナフトレート)クロム(III)・3ナトリウム・3テトラヒ
ドロフラン錯体、トリス(1,1−ビナフトレート)クロ
ム(III)・3ナトリウム・3ジエチルエーテル錯体、ト
リス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)・3カリウム
・3テトラヒドロフラン錯体、トリス(1,1−ビナフト
レート)クロム(III)・3カリウム・3ジエチルエーテル
錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメチルア
ミノ)クロム(III)・3リチウム・3テトラヒドロフラン
錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジメチルア
ミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジエチルエーテル錯
体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブチル
アミノ)クロム(III)・3リチウム・3テトラヒドロフラ
ン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−N,N−ジt−ブ
チルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジエチルエー
テル錯体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメチル
シリルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3テトラヒド
ロフラン錯体、トリス(1,1−ビナフチル−ビストリメ
チルシリルアミノ)クロム(III)・3リチウム・3ジエチ
ルエーテル錯体が好ましい。
【0030】本発明のクロム錯体は、クロム塩と1,1
−ビナフトールの塩とを、溶媒中で、好ましくは分子状
酸素の不存在下に反応させることにより製造することが
できる。クロム塩としては0〜6価の有機または無機の
クロム塩が用いられるが、2価または3価のものを用い
るのが好ましい。すなわち、クロム塩としては、下記一
般式(4)で表わされるものが用いられる。
【0031】
【化9】Cr(Q)n (4) (式中、Qは有機基、無機基、陰性原子または電子供与
性化合物を表わし、nは1ないし6の整数を表わす。n
が2〜6の場合には複数のQは互いに異なっていてもよ
い。)
【0032】クロム塩として、好ましくはハロゲンを含
むもの、例えば、無水2塩化クロム、無水3塩化クロ
ム、3塩化クロム(テトラヒドロフラン)3錯体、無水
2臭化クロム、無水3臭化クロム、無水2ヨウ化クロ
ム、無水3ヨウ化クロム、無水2フッ化クロム、無水3
フッ化クロムなどが用いられる。特に好ましいのは、無
水2塩化物および無水3塩化物であり、無水2塩化クロ
ム、無水3塩化クロムを用いるのが好ましい。
【0033】クロム塩と反応させる1,1−ビナフトー
ルの塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セ
シウムなど周期律表の1族の金属との塩が用いられる。
反応は、−78℃から100℃、好ましくは−30℃か
ら30℃で行われる。反応時間は、特に限定されるもの
ではないが、通常1分から48時間、好ましくは1時間
から24時間である。反応終了後、減圧にしたり、不活
性ガスを吹き込んだりして溶媒を除去し、クロム錯体と
副生塩を固体として得る。該固体中のクロム錯体のみを
選択的に溶解する溶媒を用いてクロム錯体のみを溶解
し、ろ過により副生塩を除去する。ろ液を濃縮、再結晶
しクロム錯体を得る。再結晶は通常室温以下で行うこと
が好ましい。
【0034】本発明のクロム錯体は、有機アルミニウム
化合物と組合せてエチレン系重合体製造用触媒として用
いることができる。ここで、有機アルミニウム化合物と
しては、下記の一般式(3)で表わされる化合物または
アルモキサンが好ましく用いられる。
【0035】
【化10】(R13)nAl(P)3-n (3) (式中、R13は複数存在する場合は同一でも異なってい
てもよく、各々炭素原子数1〜18のアルキル基を表わ
し、Pは複数存在する場合は同一でも異なっていてもよ
く、各々ハロゲン原子、アルコキシ基、シロキシ基、ま
たは水素原子を表わし、nは1〜3の整数である。)
【0036】一般式(3)で示される有機アルミニウム
化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキ
ルアルミニウムハライド、ジアルキルアルミニウムアル
コキシド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキル
アルミニウムジアルコキシド、ジアルキルアルミニウム
ハイドライド、シロキシアラン等が挙げられる。トリア
ルキルアルミニウムの具体例としては、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等が挙げら
れる。ジアルキルアルミニウムハライドの具体例として
は、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミ
ニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライ
ド等が挙げられる。
【0037】ジアルキルアルミニウムアルコキシドの具
体例としては、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジメ
チルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムイ
ソプロポキシド、ジメチルアルミニウムn−ブトキシ
ド、ジメチルアルミニウムイソブトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムイソプロ
ポキシド、ジエチルアルミニウムn−ブトキシド、ジエ
チルアルミニウムイソブトキシド、ジイソブチルアルミ
ニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムイソプロ
ポキシド、ジイソブチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジイソブチルアルミニウムイソブトキシド、ジn−ヘキ
シルアルミニウムエトキシド、ジn−ヘキシルアルミニ
ウムイソプロポキシド、ジn−ヘキシルアルミニウムn
−ブトキシド、ジn−ヘキシルアルミニウムイソブトキ
シド等が挙げられる。アルキルアルミニウムジハライド
の具体例としては、メチルアルミニウムジクロライド、
エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニ
ウムジクロライド等が挙げられる。
【0038】アルキルアルミニウムジアルコキシドの具
体例としては、メチルアルミニウムジメトキシド、メチ
ルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニウムジイ
ソプロポキシド、メチルアルミニウムジn−ブトキシ
ド、メチルアルミニウムジイソブトキシド、エチルアル
ミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジイソプロ
ポキシド、エチルアルミニウムジn−ブトキシド、エチ
ルアルミニウムジイソブトキシド、イソブチルアルミニ
ウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジイソプロ
ポキシド、イソブチルアルミニウムジn−ブトキシド、
イソブチルアルミニウムジイソブトキシド、n−ヘキシ
ルアルミニウムジエトキシド、n−ヘキシルアルミニウ
ムジイソプロポキシド、n−ヘキシルアルミニウムジn
−ブトキシド、n−ヘキシルアルミニウムジイソブトキ
シド等が挙げられる。
【0039】ジアルキルアルミニウムハイドライドの具
体例としては、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジn−ブチルアルミ
ニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイド
ライド、ジn−ヘキシルアルミニウムハイドライド等が
挙げられる。
【0040】上記有機アルミニウム化合物の中でもジア
ルキルアルミニウムハライドが好ましく、中でもジエチ
ルアルミニウムクロライドがもっとも好ましい。
【0041】本発明で使用するアルモキサンはこの分野
でよく知られている化合物であり、その製造方法および
構造は Polyhedron, 9, 429〜453(1990)、Ziegler Cata
lysts, G. Fink et al.(Eds.) 57〜82, Springer-Verla
g (1995)などに詳しく記載されている。
【0042】本発明に用いられるアルモキサンとして
は、下記一般式(5)または(6)で表わされる化合物
が挙げられる。
【化11】
【0043】上記式中、R14はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの炭化水素
基であり、好ましくは、メチル基、イソブチル基であ
る。pは1から100の整数であり、好ましくは4以
上、特に好ましくは8以上である。
【0044】この種の化合物の製法は公知であり、例え
ば結晶水を有する塩類(硫酸銅水和物、硫酸アルミニウ
ム水和物等)のペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、デカン、ベンゼン、トルエン等の不活性炭化
水素溶媒の懸濁液に、トリアルキルアルミニウムを添加
して得る方法や、炭化水素溶媒中でトリアルキルアルミ
ニウムに、固体、液体あるいは気体状の水を作用させる
方法がある。
【0045】また、下記一般式(7)または(8)で示
されるアルモキサンを用いてもよい。
【化12】 上記式中、R15は、メチル基、エチル基、プロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基であり、
好ましくは、メチル基、イソブチル基である。また、R
16はメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基などの炭化水素基、あるいは塩素、臭素等
のハロゲンあるいは水素、水酸基から選ばれ、R15とは
異なった基を示す。また、分子中の複数のR15およびR
16は同一でも異なっていてもよい。qは通常1から10
0の整数であり、好ましくは3以上であり、q+rは2
から100、好ましくは6以上である。
【0046】一般式(7)あるいは(8)において、下
記のユニット
【化13】 はブロック的に結合したものでも、規則的あるいは不規
則的にランダムに結合したものでも良い。このようなア
ルモキサンは、前述した一般式のアルモキサンと同様の
方法で、1種類のトリアルキルアルミニウムの代わり
に、2種以上のトリアルキルアルミニウムを用いるか、
1種類以上のトリアルキルアルミニウムと1種類以上の
ジアルキルアルミニウムモノハライドあるいはジアルキ
ルアルミニウムモノハイドライドなどを用いて製造する
ことができる。
【0047】本発明の触媒は、前述のようにクロム化合
物と有機アルミニウム化合物を組合せて用いられるが、
無機酸化物担体をさらに化合物と組合せてもよい。その
場合の無機酸化物担体としては、周期律表第2、4、1
3または14族の金属の酸化物である。具体的には、マ
グネシア、チタニア、ジルコニア、シリカ、アルミナ、
シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコ
ニア、リン酸アルミニウムまたはこれらの混合物等が挙
げられる。リン酸アルミニウムは形式上はリン酸塩であ
るが、酸化物としての性質を有する。これらの中で好ま
しいのはシリカ−アルミナおよびシリカである。
【0048】これらの無酸化物担体の特性としては、比
表面積が50〜1000m2/g、好ましくは200〜80
0m2/g、細孔体積が0.5〜3.0cm3/g、好ましくは
0.7〜2.5cm3/g、平均粒径が10〜200μm、好
ましくは30〜150μmの範囲のものが用いられる。
無機酸化物担体は、使用する前に予め吸着した水分を除
去し、焼成しておくことが望ましい。無機酸化物担体の
焼成は、通常モレキュラーシーブ流通下、乾燥した窒素
ガス気流により、100℃〜900℃、好ましくは20
0℃〜800℃の温度範囲で、30分〜48時間、好ま
しくは2時間〜36時間、さらに好ましくは5時間〜2
4時間行なわれる。充分な量の窒素ガスを供給し無機酸
化物担体を流動状態において乾燥させることが好まし
い。また、チタネート類やフッ素含有塩類等を添加して
焼成し、得られるエチレン系重合体の分子量分布や共重
合性を制御する公知の方法を併用してもよい。
【0049】本発明の触媒を得る方法としては、(A)
クロム錯体を無機酸化物担体に担持させた後、有機アル
ミニウム化合物と反応させて触媒とする方法、(B)無
機酸化物担体不存在下でクロム錯体を有機アルミニウム
と反応させて触媒とする方法、が挙げられるがいずれの
方法で行っても良い。(A)の方法においては、クロム
錯体の無機酸化物担体への担持は、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどのような不活性炭化水素中で行
う。
【0050】無機酸化物担体に対するクロム原子の担持
量は0.01〜10%(質量%、以下同じ。)、好ましくは
0.03〜5%、反応温度は−78℃〜溶媒の沸点、好まし
くは−20℃〜60℃、また反応時間は10分〜24時
間、好ましくは30分〜5時間である。
【0051】担持反応後、溶媒を減圧下で除去する方
法、または濾過によって分離する方法により流動性の良
い固体成分が得られる。あるいは溶媒を除去せずに、引
き続き次の有機アルミニウム化合物との反応を行っても
良い。上記固体成分を有機アルミニウム化合物と反応さ
せるにあたっては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デ
カン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
などのような不活性炭化水素中で行う。固体成分中のク
ロム原子に対して、反応に用いる有機アルミニウム化合
物中のアルミニウム原子がアルミニウム/クロムモル比
=1〜1000、好ましくは5〜300となるような量
で反応を行うのが好ましい。
【0052】反応温度は−78℃〜溶媒の沸点、好まし
くは−20℃〜60℃、また反応時間は10分〜24時
間、好ましくは30分〜5時間である。反応後、溶媒を
減圧下で除去する方法、またはろ過によって分離する方
法によって流動性の良いさらさらの触媒が得られる。
【0053】(B)の方法においては、クロム錯体をペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのような不活性
炭化水素中で、有機アルミニウム化合物と反応させる。
反応に用いる有機アルミニウム化合物中のアルミニウム
原子がアルミニウム/クロム原子比=1〜1000、好まし
くは5〜500となるような量で反応を行うのが好まし
い。反応温度は−78℃〜溶媒の沸点、好ましくは−2
0℃〜60℃、また反応時間は10分〜24時間、好ま
しくは30分〜5時間である。この反応により、クロム
錯体が活性化される。
【0054】本発明の触媒を用いて本発明のエチレン系
重合体の製造を実施するには、溶液重合、懸濁重合のよ
うな液相重合法で行う。液相重合法は通常炭化水素溶媒
中で実施されるが、炭化水素溶媒としてはプロパン、ブ
タン、イソブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水
素の単独または混合物が用いられる。重合温度は、一般
には−78℃〜250℃であるが、0〜200℃、特に
0〜100℃が好ましい。反応器中の触媒濃度およびエ
チレン圧は重合を進行させるのに十分なものであれば任
意の濃度および圧力でよい。また、分子量調節のために
重合系内に水素などを共存させることができる。
【0055】さらに、必要に応じて、エチレンと共に、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィンを単
独または2種類以上重合反応器に導入してエチレン系共
重合体を得ることができる。
【0056】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。実施例および比較例において
採用した物性測定方法は以下の通りである。
【0057】a)分子量分布(Mw/Mn)生成エチレ
ン系重合体について以下の条件でゲル透過クロマトグラ
フ(GPC)を行い、数平均分子量(Mn)および重量
平均分子量(Mw)を求め、分子量分布(Mw/Mn)
を算出した。
【0058】ゲル透過クロマトグラフ測定条件: 装置 :WATERS150Cモデル、 カラム:Shodex−HT806M、 溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン、 温度 :135℃、 単分散ポリスチレンフラクションを用いてユニバーサル
評定。なお、MwのMnに対する比率(Mw/Mn)で
示される分子量分布(Mw/Mnが大きいほど分子量分
布が広い)については、「サイズ排除クロマトグラフィ
ー(高分子の高速液体クロマトグラフィー)」、森定雄
著、共立出版、96ページに記載された分子量と検出器
感度の式にn−アルカンおよびMw/Mn≦1.2の分別
直鎖ポリエチレンのデータを当てはめて、次式で示され
る分子量Mの感度を求め、サンプル実測値の補正を行っ
た。
【数1】分子量Mの感度=a+b/M (a、bは定数で、a=1.032、b=189.2)
【0059】b)ブチル分岐数 以下に示した条件により13C−NMRを測定し、Journa
l of Polymer Science,Polymer Physics Edition, Volu
me13, 901ページ, 1975年に記載されたJ. C. Randall
の方法に基づいて1000炭素連鎖あたりのブチル分岐数を
定量した。 装置 :JMX−GSX400、 溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン/ベンゼン−d
6/ヘキサメチルジシロキサン(混合比:30/10/
1) 温度 :120℃ サンプル濃度 :0.3g/3ml パルス繰り返し時間 :2秒
【0060】実施例1: (1)1,1−ジナフトキソジリチウムの合成 Angew. Chem. Int. Engl., 2000, 39, 2858に記載され
た方法に従って、1,1−ジナフトキソリチウムを合成
した。すなわち、予めアルゴンで置換した300mlの
フラスコに、1,1−ビナフトール5.39g(18.8mmo
l)を入れ、テトラヒドロフラン100mlを加えた。
氷浴で0〜3℃に冷却後、n−ブチルリチウムのn−ヘ
キサン溶液23.7ml(37.7mmol)を滴下した。滴下
終了後、反応溶液を室温まで戻し、室温で1晩撹拌し
た。反応液は白く濁りスラリーとなった。このスラリー
の濃度は0.15mmol/mlであった。
【0061】(2)トリス(1,1−ビナフトレート)ク
ロム(III)・3リチウム・3テトラヒドロフラン錯体の
合成 予めアルゴンで置換した300mlのフラスコに、3塩
化クロム(テトラヒドロフラン)3錯体を2.35g(6.27
mmol)を入れ、テトラヒドロフラン150mlを加
えた。氷浴で0〜3℃に冷却後、上記(1)で合成した
1,1−ジナフトキソジリチウムのテトラヒドロフラン
溶液を123.7ml(18.8mmol)を滴下した。滴下終
了後、反応溶液を室温まで戻し1晩撹拌後、溶媒を減圧
留去してテトラヒドロフランを除いた。反応混合物をト
ルエンで抽出し、副生した沈殿を遠心分離することによ
り除去した。上澄みを集め、トルエン/テトラヒドロフ
ラン混合溶媒により結晶化させ、緑色の結晶を収率6
%、0.54g得た。このもののX線結晶解析の結果を図1
に示す。但し図1では結晶溶媒であるトルエンは省略さ
れている。また代表的な結合距離および結合角を表1
に、結晶データを表2に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】(3)クロム化合物を無機酸化物担体に担
持した場合の触媒の調製 無機酸化物担体として、予め窒素で置換した100ml
のフラスコに、600℃で24時間焼成したW. R. Grac
e Corporationから購入した952グレードのシリカ
(平均粒径80μm、比表面積300m2/g、細孔体
積1.6cm3/g)3.0gを入れ、トルエン30mlを加
えスラリーとした。(3)で得られたクロム錯体の溶液
0.66ml(クロム原子担持量=0.10%)を添加し、40
℃で1時間撹拌した。引き続き、メチルアルモキサン
(東ソー・アクゾ社製)の1.8mol/リットル−トル
エン溶液3.2ml(アルミニウム/クロムモル比=10
0)を添加し、40℃で2時間撹拌した。減圧下で溶媒
を除去し、さらさらの自由流動性(free flowing)の触
媒を得た。
【0065】(4)クロム化合物を無機酸化物担体に担
持しない場合の触媒調製・重合 充分にアルゴン置換したシュレンク管に蒸留トルエン3
0mlおよび(3)で得たクロム錯体を仕込み、その
後、ジエチルアルミニウムクロライドをアルミニウム原
子/クロム原子モル比=100になるように添加し、2
0℃で1時間撹拌した。ドライアイス−メタノール浴に
より冷却しながら、脱気して系内のアルゴンを除いた
後、20℃に調整し、ついでエチレンを導入することで
重合反応を開始させた。重合反応は、大気圧下、激しく
撹拌しながら行った。所定時間の重合反応が終了した
後、大量の塩酸−メタノール溶液を加えて重合反応を停
止させた。反応液をろ過してポリマーを回収した。錯体
1mol当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は1.
50×104g/mol・hrであった。物性測定結果を
表3に示す。
【0066】(5)クロム化合物を無機酸化物担体に担
持しない場合の重合 充分に窒素置換した1.5リットルのオートクレーブにイ
ソブタン0.6リットルおよび(3)で得られた触媒0.32
gを仕込み、内温を90℃まで昇温した。ついでエチレ
ンを圧入し、エチレン分圧を1.4MPaとなるように保
ちながら、1時間重合を行った。ついで内容ガスを系外
に放出することにより重合を終結した。その結果、2.2
gのポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重合時
間1時間当たりの重合活性は7g/g・hrであった。
錯体1mol当たり、重合時間1時間当たりの重合活性
は2.56×104g/mol・hrであった。物性測定結
果は表3に示す。
【0067】実施例2 実施例1(4)において、メチルアルモキサンをアルミ
ニウム原子/クロム原子モル比=50になるように添加
した以外は、全て実施例1(4)と同様に重合を行っ
た。その結果、錯体1mol当たり、重合時間1時間当
たりの重合活性は7.20×103g/mol・hrであっ
た。
【0068】実施例3 実施例1(4)において、メチルアルモキサンをアルミ
ニウム原子/クロム原子モル比=200になるように添
加した以外は、全て実施例1(4)と同様に重合を行っ
た。その結果、錯体1mol当たり、重合時間1時間当
たりの重合活性は9.44×103g/mol・hrであっ
た。物性測定結果を表3に示す。
【0069】実施例4 実施例1(4)において、メチルアルモキサンをアルミ
ニウム原子/クロム原子モル比=1000になるように添加
した以外は、全て実施例1(4)と同様に重合を行っ
た。その結果、錯体1mol当たり、重合時間1時間当
たりの重合活性は7.13×103g/mol・hrであっ
た。物性測定結果を表3に示す。
【0070】実施例5 実施例1(4)において、ジエチルアルミニウムクロラ
イドをアルミニウム原子/クロム原子モル比=100に
なるように添加した以外は、全て実施例1(4)と同様
に重合を行った。その結果、錯体1mol当たり、重合
時間1時間当たりの重合活性は1.19×104g/mol
・hrであった。物性測定結果を表3に示す。
【0071】実施例6 実施例1(4)において、エチレン導入直前に1−ヘキ
セン0.1mlを添加して、共重合を行った以外は、全て
実施例1(4)と同様に重合を行った。その結果、錯体
1mol当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は9.
22×102g/mol・hrであった。物性測定結果を
表3に示す。
【0072】実施例7 実施例1(4)において、重合温度を0℃とした以外
は、全て実施例1(4)と同様に重合を行った。その結
果、錯体1mol当たり、重合時間1時間当たりの重合
活性は4.13×102g/mol・hrであった。物性測
定結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】本発明に係るクロム錯体は新規な化合物
であり、有機アルミニウム化合物と反応させることによ
り、α−オレフィンの重合反応の触媒として有用とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トリス(1,1−ビナフトレート)クロム(III)
・3リチウム・3テトラヒドロフラン錯体の結晶状態を
示す図である。
【図2】 本発明によるエチレン系重合体製造用触媒調
製のフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 物井 尚志 神奈川県川崎市川崎区千鳥町10番1号 日 本ポリオレフィン株式会社研究開発センタ ー内 (72)発明者 安田 源 広島県東広島市鏡山一丁目4番1号 広島 大学工学部内 (72)発明者 中山 祐正 広島県東広島市鏡山一丁目4番1号 広島 大学工学部内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB40 BA14 BA45 BN30 4H048 AA01 AA03 AB40 VB10 4H050 AA01 AA03 AB40 WB13 4J028 AA01A AB00A AC42A BA00A BA01B BB00A BB01B BC15B BC24B BC25B CA25A CA27A CA28A CA29A EA01 EB02 EC01 EC02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1〜R12は、同一でも異なってもよく、各々
    水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール
    基、または炭素原子数1〜20のアルキル基若しくはア
    リール基で置換されたシリル基を表わし、Xは酸素原
    子、窒素原子、硫黄原子またはリン原子を表わす。)で
    示されるビナフチル骨格を有する基を配位子とするクロ
    ム錯体。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (式中、Yは周期律表の1族の金属を表わし、Zは電子
    供与性化合物を表わす。)で示される請求項1記載のク
    ロム錯体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のクロム錯体と
    有機アルミニウム化合物からなるエチレン系重合体製造
    用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のクロム錯体を
    無機酸化物担体に担持してなる請求項3記載のエチレン
    系重合体製造用触媒。
  5. 【請求項5】 有機アルミニウム化合物が一般式(3) 【化3】(R13)nAl(P)3-n (3) (式中、R13は複数存在する場合は同一でも異なってい
    てもよく、各々炭素原子数1〜18のアルキル基を表わ
    し、Pは複数存在する場合は同一でも異なっていてもよ
    く、各々ハロゲン原子、アルコキシ基、シロキシ基、ま
    たは水素原子を表わし、nは1〜3の整数である。)で
    示されるものである請求項3または4に記載のエチレン
    系重合体製造用触媒。
  6. 【請求項6】 有機アルミニウム化合物がアルモキサン
    である請求項3または4に記載のエチレン系重合体製造
    用触媒。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6のいずれかに記載のエチ
    レン系重合体製造用触媒を用いることを特徴とするエチ
    レン系重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011020942A (ja) * 2009-07-14 2011-02-03 Konan Gakuen 環状ビナフチル構造を有する化合物、分子接合素子、ホスト‐ゲスト混合物及び超分子連鎖構造

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