JP2003073301A - 神経毒性低下剤 - Google Patents
神経毒性低下剤Info
- Publication number
- JP2003073301A JP2003073301A JP2001386706A JP2001386706A JP2003073301A JP 2003073301 A JP2003073301 A JP 2003073301A JP 2001386706 A JP2001386706 A JP 2001386706A JP 2001386706 A JP2001386706 A JP 2001386706A JP 2003073301 A JP2003073301 A JP 2003073301A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- arg
- ser
- tyr
- ala
- lys
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 神経毒性低下剤及び該剤を含んでなる医薬組
成物の提供。 【解決手段】 下記式(I): His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gl
n-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Leu-K-L-M-Leu-N (I) (式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F及びJ は、それぞれ Lys 又は Argを示
し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、F、I 及び J の
少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 Leu 又は nLeu ;
K は、Asn 又は Ala ; L は、Ser 又は Ala; M は、Il
e 又は Val ; N は、-NH2 又は Asn-NH2を示す。)で示
されるペプチドのうち、N末端より少なくとも23残基か
らなるペプチド又はその薬学的に許容される塩を有効成
分として含有する、神経毒性低下剤。
成物の提供。 【解決手段】 下記式(I): His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gl
n-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Leu-K-L-M-Leu-N (I) (式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F及びJ は、それぞれ Lys 又は Argを示
し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、F、I 及び J の
少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 Leu 又は nLeu ;
K は、Asn 又は Ala ; L は、Ser 又は Ala; M は、Il
e 又は Val ; N は、-NH2 又は Asn-NH2を示す。)で示
されるペプチドのうち、N末端より少なくとも23残基か
らなるペプチド又はその薬学的に許容される塩を有効成
分として含有する、神経毒性低下剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、神経毒性低下剤、
詳しくは、血管作働性腸管ペプチド(VIP)、下垂体ア
デニレートシクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)又はそ
の誘導体、その薬学的に許容され得る塩を有効成分とし
て含有する神経毒性低下剤、並びに該剤を含んでなる医
薬組成物に関する。
詳しくは、血管作働性腸管ペプチド(VIP)、下垂体ア
デニレートシクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)又はそ
の誘導体、その薬学的に許容され得る塩を有効成分とし
て含有する神経毒性低下剤、並びに該剤を含んでなる医
薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】Harris により提唱された「腺性下垂体
は、視床下部で産生され門脈を介して下垂体前葉に運ば
れる体液性因子によりコントロールされる」という仮説
に基づき、過去30年の間に甲状腺刺激ホルモン放出ホル
モン(TRH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)、成
長ホルモン分泌抑制ホルモン(ソマトスタチン)、成長
ホルモン放出因子(GRH)、副腎皮質刺激ホルモン放出因
子(CRH)といった視床下部ホルモンが同定されてきた。
これらの物質は神経伝達物質や神経機能調節因子として
作用する神経ペプチドであり、視床下部からの放出後、
下垂体に作用し、各種刺激に応じたホルモンの分泌の促
進や抑制を行う。しかし、上記物質ですべての神経ペプ
チドが同定されたかどうかは議論のあるところである。
そこで有村らは、従来の神経ペプチドに対する分離・同
定の戦略を変え、分離のための指標として下垂体前葉細
胞中の細胞内情報伝達系(特に、CRH、GRHによるGH、AC
THの分泌に重要であるcAMP系)の活性化を指標とし、視
床下部から新たな神経ペプチドの分離を試み、最終的に
それを同定した(Miyata A et al, Biochem Biophys Res
Commun (1989), 164, 567-574)。そして、このペプチ
ドは下垂体のアデニル酸シクラーゼ(adnylate cyclas
e)の活性化を指標として分離されたことから、下垂体
アデニレートシクラーゼ活性化ペプチド(Pituitary Ad
enylate CyclaseActivating Polypeptide、以下、PACAP
と称する) と名付けられた。
は、視床下部で産生され門脈を介して下垂体前葉に運ば
れる体液性因子によりコントロールされる」という仮説
に基づき、過去30年の間に甲状腺刺激ホルモン放出ホル
モン(TRH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)、成
長ホルモン分泌抑制ホルモン(ソマトスタチン)、成長
ホルモン放出因子(GRH)、副腎皮質刺激ホルモン放出因
子(CRH)といった視床下部ホルモンが同定されてきた。
これらの物質は神経伝達物質や神経機能調節因子として
作用する神経ペプチドであり、視床下部からの放出後、
下垂体に作用し、各種刺激に応じたホルモンの分泌の促
進や抑制を行う。しかし、上記物質ですべての神経ペプ
チドが同定されたかどうかは議論のあるところである。
そこで有村らは、従来の神経ペプチドに対する分離・同
定の戦略を変え、分離のための指標として下垂体前葉細
胞中の細胞内情報伝達系(特に、CRH、GRHによるGH、AC
THの分泌に重要であるcAMP系)の活性化を指標とし、視
床下部から新たな神経ペプチドの分離を試み、最終的に
それを同定した(Miyata A et al, Biochem Biophys Res
Commun (1989), 164, 567-574)。そして、このペプチ
ドは下垂体のアデニル酸シクラーゼ(adnylate cyclas
e)の活性化を指標として分離されたことから、下垂体
アデニレートシクラーゼ活性化ペプチド(Pituitary Ad
enylate CyclaseActivating Polypeptide、以下、PACAP
と称する) と名付けられた。
【0003】また、PACAPよりも先に天然より見出され
た神経ペプチドとして血管作働性腸管ペプチド(Vasoac
tive Intestinal Peptide、以下、VIPと称する)があ
る。VIPは腸管から分泌される神経ペプチドの一種であ
り、消化管平滑筋弛緩の作用を有し、また、PACAPのN
末端側からの27個のアミノ酸配列はVIPと極めて類似し
た構造を有している。VIPとPACAPは、ペプチドの長さ、
シーケンス及びC末端がアミド化されているという点で
セクレチン、グルカゴン等と共通点が多いことから、一
般にグルカゴン−セクレチンファミリーに属している。
た神経ペプチドとして血管作働性腸管ペプチド(Vasoac
tive Intestinal Peptide、以下、VIPと称する)があ
る。VIPは腸管から分泌される神経ペプチドの一種であ
り、消化管平滑筋弛緩の作用を有し、また、PACAPのN
末端側からの27個のアミノ酸配列はVIPと極めて類似し
た構造を有している。VIPとPACAPは、ペプチドの長さ、
シーケンス及びC末端がアミド化されているという点で
セクレチン、グルカゴン等と共通点が多いことから、一
般にグルカゴン−セクレチンファミリーに属している。
【0004】一方、PACAP及びVIPの他にも、生体内にお
いて多くの神経伝達物質が神経伝達から興奮毒性まで神
経化学全般にわたって深く関与していることがわかって
いる。近年の分子生物学的手法の発達によりそれら物質
および受容体の解明が進み、著しい多様性を持つことが
明らかになった。特に、数多くの神経伝達物質の中で注
目を集めているのは、様々なホルモン分泌促進作用と顕
著な毒性作用という生体にとって有益な作用と有害な作
用を併せ持つ一酸化窒素(以下、NOと称する)であり、
現在ではその合成酵素も含めた多彩な研究がなされてい
る。NOはガス状ラジカル物質であり、容易に細胞間に拡
散し、標的分子に作用して各種活性を示すが、過剰に生
体内において産生された場合には神経細胞に対して毒性
を示す。この主たる毒性は、NOラジカルによる細胞膜損
傷及びDNA損傷に起因するとされている。すなわち、生
体内で生成されたNOラジカルは、それ自体毒性を有する
が、さらに酸素分子と反応してペルオキシナイトレート
イオン(ONOO-)を生じて強い毒性を示す。この後者の物
質こそが毒性の本体であるとも言われている。
いて多くの神経伝達物質が神経伝達から興奮毒性まで神
経化学全般にわたって深く関与していることがわかって
いる。近年の分子生物学的手法の発達によりそれら物質
および受容体の解明が進み、著しい多様性を持つことが
明らかになった。特に、数多くの神経伝達物質の中で注
目を集めているのは、様々なホルモン分泌促進作用と顕
著な毒性作用という生体にとって有益な作用と有害な作
用を併せ持つ一酸化窒素(以下、NOと称する)であり、
現在ではその合成酵素も含めた多彩な研究がなされてい
る。NOはガス状ラジカル物質であり、容易に細胞間に拡
散し、標的分子に作用して各種活性を示すが、過剰に生
体内において産生された場合には神経細胞に対して毒性
を示す。この主たる毒性は、NOラジカルによる細胞膜損
傷及びDNA損傷に起因するとされている。すなわち、生
体内で生成されたNOラジカルは、それ自体毒性を有する
が、さらに酸素分子と反応してペルオキシナイトレート
イオン(ONOO-)を生じて強い毒性を示す。この後者の物
質こそが毒性の本体であるとも言われている。
【0005】また、NOを生体内にて産生するNO合成酵素
(NO synthase、以下、NOSと称する)も同定され、3種
類のアイソフォームが報告されている。第一の酵素は神
経型NOS(neuronal nitric oxide synthase、以下、nNOS
と称する)である。この酵素は主として神経系に発現す
るが、その後、膵臓、腎臓、肝臓、胃、子宮にも存在す
ることが明らかになっている。第二の酵素は、性質上は
前記nNOSとよく似た、内皮型NOS (endothelial nitric
oxide synthase、以下、eNOS)である。この酵素は主に
血管内皮に存在し、血圧の調節に関係している。nNOS及
びeNOSはともに活性にカルシウムイオンを必要とする。
第三の酵素は誘導型NOS (inducible nitric oxide synt
hase、以下、iNOSと称する)である。この酵素は主にグ
リア細胞やマクロファージに存在し、活性にカルシウム
イオンを必要としない。
(NO synthase、以下、NOSと称する)も同定され、3種
類のアイソフォームが報告されている。第一の酵素は神
経型NOS(neuronal nitric oxide synthase、以下、nNOS
と称する)である。この酵素は主として神経系に発現す
るが、その後、膵臓、腎臓、肝臓、胃、子宮にも存在す
ることが明らかになっている。第二の酵素は、性質上は
前記nNOSとよく似た、内皮型NOS (endothelial nitric
oxide synthase、以下、eNOS)である。この酵素は主に
血管内皮に存在し、血圧の調節に関係している。nNOS及
びeNOSはともに活性にカルシウムイオンを必要とする。
第三の酵素は誘導型NOS (inducible nitric oxide synt
hase、以下、iNOSと称する)である。この酵素は主にグ
リア細胞やマクロファージに存在し、活性にカルシウム
イオンを必要としない。
【0006】これらの酵素の中で、特に神経細胞死に関
与していると言われているのはnNOSである。nNOSはnNOS
活性化物質によって活性化される。nNOS活性化物質と
は、NOSを刺激し活性化する物質を意味し、その多くは
興奮性物質として定義付けられてきた化合物であり、細
胞内カルシウムイオンの濃度を上昇させるという共通し
た特徴を有している。なお、nNOS活性化物質としては、
具体的には、グルタミン酸、カイニン酸、キスカル酸等
があり、そのうちグルタミン酸が最も代表的である。ま
た、おそらく今後も実に多くのnNOS活性化物質が見いだ
されると予想される。
与していると言われているのはnNOSである。nNOSはnNOS
活性化物質によって活性化される。nNOS活性化物質と
は、NOSを刺激し活性化する物質を意味し、その多くは
興奮性物質として定義付けられてきた化合物であり、細
胞内カルシウムイオンの濃度を上昇させるという共通し
た特徴を有している。なお、nNOS活性化物質としては、
具体的には、グルタミン酸、カイニン酸、キスカル酸等
があり、そのうちグルタミン酸が最も代表的である。ま
た、おそらく今後も実に多くのnNOS活性化物質が見いだ
されると予想される。
【0007】これらnNOS活性化物質によるN0産生にはnN
OS活性化物質特異的受容体の一種、N-メチル-D-アスパ
ラギン酸型受容体(以下、NMDA型受容体と称する)が関与
している。NMDA型受容体を介したN0産生のメカニズムは
次のとおりである。すなわち、細胞外に流出したグルタ
ミン酸等のnNOS活性化物質がNMDA型受容体を活性化し、
それによって該受容体が開かれる。開かれた受容体を介
して細胞外から細胞内へカルシウムイオンの流入が起き
る。その結果、カルシウムイオン依存性であるnNOSおよ
びeNOSが活性化され、NOが産生される。この産生された
NOが過剰量である場合に生体内の神経細胞に対して毒性
を示す。
OS活性化物質特異的受容体の一種、N-メチル-D-アスパ
ラギン酸型受容体(以下、NMDA型受容体と称する)が関与
している。NMDA型受容体を介したN0産生のメカニズムは
次のとおりである。すなわち、細胞外に流出したグルタ
ミン酸等のnNOS活性化物質がNMDA型受容体を活性化し、
それによって該受容体が開かれる。開かれた受容体を介
して細胞外から細胞内へカルシウムイオンの流入が起き
る。その結果、カルシウムイオン依存性であるnNOSおよ
びeNOSが活性化され、NOが産生される。この産生された
NOが過剰量である場合に生体内の神経細胞に対して毒性
を示す。
【0008】このnNOSに関する現象は単にin vitroのみ
で語られているものではなく、in vivoでも検証されて
いる。例えば、遺伝的にnNOSを欠損させたnNOSノックア
ウトマウスを用いて脳虚血による海馬神経細胞の脱落を
検討した結果、nNOSノックアウトマウスでは正常マウス
と比較して脳虚血時の傷害が軽減することが明らかにさ
れた。この知見は、nNOSによって産生されたNOが脳虚血
による神経細胞死のメディエーターの一つとして作用す
ることを示唆するものである。また、アルツハイマー病
の原因とされるβ-アミロイドによってもNOが用量依存
的に産生されており、本疾患のメカニズムの一つに「カ
ルシウム−NO経路」が存在している可能性が強く示唆さ
れている。
で語られているものではなく、in vivoでも検証されて
いる。例えば、遺伝的にnNOSを欠損させたnNOSノックア
ウトマウスを用いて脳虚血による海馬神経細胞の脱落を
検討した結果、nNOSノックアウトマウスでは正常マウス
と比較して脳虚血時の傷害が軽減することが明らかにさ
れた。この知見は、nNOSによって産生されたNOが脳虚血
による神経細胞死のメディエーターの一つとして作用す
ることを示唆するものである。また、アルツハイマー病
の原因とされるβ-アミロイドによってもNOが用量依存
的に産生されており、本疾患のメカニズムの一つに「カ
ルシウム−NO経路」が存在している可能性が強く示唆さ
れている。
【0009】ところで、前記PACAP及びVIPペプチドとそ
の特異的受容体は、生体内の極めて広範囲にわたって分
布し、同時に、時としてNOSとの共存がよく確認されて
おり、これら両者の関係が注目されている。例えば、PA
CAP及びVIPペプチドの代表的な気管支平滑筋弛緩作用に
もeNOS活性化による経路が関与していると考えられてい
るが、このことは、PACAP及びVIPの弛緩作用が、NOS阻
害剤添加によって有意に阻害されることからも明らかで
ある。
の特異的受容体は、生体内の極めて広範囲にわたって分
布し、同時に、時としてNOSとの共存がよく確認されて
おり、これら両者の関係が注目されている。例えば、PA
CAP及びVIPペプチドの代表的な気管支平滑筋弛緩作用に
もeNOS活性化による経路が関与していると考えられてい
るが、このことは、PACAP及びVIPの弛緩作用が、NOS阻
害剤添加によって有意に阻害されることからも明らかで
ある。
【0010】従って、NOS含有ニューロンに多く分布が
認められているPACAPやVIPは神経毒性に関しての何らか
の作用を示すことが考えられるが、現在、nNOSによる毒
性とこれら神経ペプチドとの因果関係を明確に示す報告
はなされていない。また、PACAP、VIP又はその誘導体が
NO産生を抑制し、神経毒性を低下させるということも報
告されていない。
認められているPACAPやVIPは神経毒性に関しての何らか
の作用を示すことが考えられるが、現在、nNOSによる毒
性とこれら神経ペプチドとの因果関係を明確に示す報告
はなされていない。また、PACAP、VIP又はその誘導体が
NO産生を抑制し、神経毒性を低下させるということも報
告されていない。
【0011】一方、脳卒中、老年痴呆、筋萎縮性側索硬
化症 (ALS) 、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハ
ンチントン病等の神経変性疾患に対して種々の治療剤が
用いられてきているが、例えば、抗痴呆薬としてコリン
エステラーゼ阻害薬のタクリンには肝機能障害が、パー
キンソン病治療薬としてのドーバミン受容体刺激剤やL
−ドーパ剤等には、消化器症状や精神症状などの副作用
が認められている。そのため、神経変性疾患の症状を治
療、予防できるとともに、副作用が低減された治療薬の
開発が求められている。
化症 (ALS) 、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハ
ンチントン病等の神経変性疾患に対して種々の治療剤が
用いられてきているが、例えば、抗痴呆薬としてコリン
エステラーゼ阻害薬のタクリンには肝機能障害が、パー
キンソン病治療薬としてのドーバミン受容体刺激剤やL
−ドーパ剤等には、消化器症状や精神症状などの副作用
が認められている。そのため、神経変性疾患の症状を治
療、予防できるとともに、副作用が低減された治療薬の
開発が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、神経毒性低
下剤及び該剤を含んでなる医薬組成物を提供することを
目的とする。
下剤及び該剤を含んでなる医薬組成物を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、NO産生起因の神
経毒性に対して低下作用を有するペプチドを見い出し、
本発明を完成するに至った。
を解決するため鋭意研究を行った結果、NO産生起因の神
経毒性に対して低下作用を有するペプチドを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、以下の(1)〜
(7)を提供する。 (1)下記式(I): His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gln-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Le u-K-L-M-Leu-N (I) (式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F及びJ は、それぞれ Lys 又は Argを示
し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、F、I 及び J の
少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 Leu 又は nLeu ;
K は、Asn 又は Ala ; L は、Ser 又は Ala; M は、Il
e 又は Val ; N は、-NH2 又は Asn-NH2を示す。)で示
されるペプチドのうち、N末端より少なくとも23残基か
らなるペプチド又はその薬学的に許容される塩を有効成
分として含有する、神経毒性低下剤。
(7)を提供する。 (1)下記式(I): His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gln-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Le u-K-L-M-Leu-N (I) (式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F及びJ は、それぞれ Lys 又は Argを示
し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、F、I 及び J の
少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 Leu 又は nLeu ;
K は、Asn 又は Ala ; L は、Ser 又は Ala; M は、Il
e 又は Val ; N は、-NH2 又は Asn-NH2を示す。)で示
されるペプチドのうち、N末端より少なくとも23残基か
らなるペプチド又はその薬学的に許容される塩を有効成
分として含有する、神経毒性低下剤。
【0015】(2)下記式(II):
His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gln-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Le
u-K-L-M-Leu-P-Gly-Q-R (II)
(式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F及びJ は、それぞれ Lys 又は Argを示
し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、F、I 及び J の
少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 Leu 又は nLeu ;
K は、Asn 又は Ala ; L は、Ser 又は Ala; M は、Il
e 又は Val ; P は、Asn 又は化学結合; Q は、Lys、 A
rg、 Lys-Arg、 Arg-Arg 又は化学結合; R は、-OH 又
は -NH2 を示す。)で示されるペプチド又はその薬学的
に許容される塩を有効成分として含有する、神経毒性低
下剤。
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F及びJ は、それぞれ Lys 又は Argを示
し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、F、I 及び J の
少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 Leu 又は nLeu ;
K は、Asn 又は Ala ; L は、Ser 又は Ala; M は、Il
e 又は Val ; P は、Asn 又は化学結合; Q は、Lys、 A
rg、 Lys-Arg、 Arg-Arg 又は化学結合; R は、-OH 又
は -NH2 を示す。)で示されるペプチド又はその薬学的
に許容される塩を有効成分として含有する、神経毒性低
下剤。
【0016】(3)下記式 (III):
His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gln-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Le
u-K-L-M-Leu-N-Gly-O-P-Tyr-Q-Gln-R-Val-S-Asn-T-U (III)
(式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F、J、O、P、Q、R、S、T は、それぞれ Lys
又は Arg を示し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、
F、I 及び J の少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 L
eu 又は nLeu ; K は、Asn 又は Ala ;L は、Ser 又は
Ala ; M は、Ile 又は Val ; N は、化学結合又は Asn
; U は-OH 又は -NH2 を示す。)で示されるペプチド
又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有す
る、神経毒性低下剤。
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F、J、O、P、Q、R、S、T は、それぞれ Lys
又は Arg を示し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、
F、I 及び J の少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 L
eu 又は nLeu ; K は、Asn 又は Ala ;L は、Ser 又は
Ala ; M は、Ile 又は Val ; N は、化学結合又は Asn
; U は-OH 又は -NH2 を示す。)で示されるペプチド
又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有す
る、神経毒性低下剤。
【0017】(4) 過剰に産生された一酸化窒素に起
因する疾病の治療薬である、(1)(2)または(3)
記載の剤。 (5) β-アミロイドの蓄積に起因する疾病の治療薬
である、(1)、(2)または(3)記載の剤。 (6) 疾病が脳血栓虚血、筋萎縮性側索硬化症、アル
ツハイマー病、パーキンソン病又はハンチントン病であ
る、(5)記載の剤。 (7) (1)〜(6)のいずれかに記載の剤を含んで
なる医薬組成物。以下、本発明についてさらに詳細に説
明する。
因する疾病の治療薬である、(1)(2)または(3)
記載の剤。 (5) β-アミロイドの蓄積に起因する疾病の治療薬
である、(1)、(2)または(3)記載の剤。 (6) 疾病が脳血栓虚血、筋萎縮性側索硬化症、アル
ツハイマー病、パーキンソン病又はハンチントン病であ
る、(5)記載の剤。 (7) (1)〜(6)のいずれかに記載の剤を含んで
なる医薬組成物。以下、本発明についてさらに詳細に説
明する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の神経毒性低下剤の有効成
分であるペプチドは、具体的には、配列番号1に記載の
アミノ酸配列からなるペプチドのうち、N末端より少な
くとも23残基からなるペプチド、又は配列番号1に記載
のアミノ酸配列からなるペプチドのC末端に、Asnまた
は配列番号2〜11のいずれかに記載のアミノ酸配列が付
加したアミノ酸配列からなるペプチドである。
分であるペプチドは、具体的には、配列番号1に記載の
アミノ酸配列からなるペプチドのうち、N末端より少な
くとも23残基からなるペプチド、又は配列番号1に記載
のアミノ酸配列からなるペプチドのC末端に、Asnまた
は配列番号2〜11のいずれかに記載のアミノ酸配列が付
加したアミノ酸配列からなるペプチドである。
【0019】
His-Ser-Asp-Xaa-Xaa-Phe-Thr-Asp-Xaa-Tyr-Xaa-Arg-Xaa-Arg-Xaa-Gln-Xaa-Ala-
Val-Xaa-Xaa-Tyr-Leu-Xaa-Xaa-Xaa-Leu (配列番号1)
Gly-Lys (配列番号2)
Gly-Arg (配列番号3)
Gly-Lys-Arg (配列番号4)
Gly-Arg-Arg (配列番号5)
Asn-Gly-Lys (配列番号6)
Asn-Gly-Arg (配列番号7)
Asn-Gly-Lys-Arg (配列番号8)
Asn-Gly-Arg-Arg (配列番号9)
Gly-Xaa-Xaa-Tyr-Xaa-Gln-Xaa-Val-Xaa-Asn-Xaa (配列番号10)
Asn-Gly-Xaa-Xaa-Tyr-Xaa-Gln-Xaa-Val-Xaa-Asn-Xaa (配列番号11)
【0020】上記ペプチドのN末端のアミノ基には、極
性物質又は非極性物質を結合させて分子の極性を変化さ
せたり、ポリエチレングリコール、グルコサミノグリカ
ン(ヒアルロン酸等)の高分子を結合させて酵素耐性を
持たせたり、該アミノ酸をリポソーム基質に結合させて
リポソームに封入する、あるいは脂質膜表面に固定する
こともできる。また、上記ペプチドのC末端は、−OH、
−NH2のいずれでもよい。
性物質又は非極性物質を結合させて分子の極性を変化さ
せたり、ポリエチレングリコール、グルコサミノグリカ
ン(ヒアルロン酸等)の高分子を結合させて酵素耐性を
持たせたり、該アミノ酸をリポソーム基質に結合させて
リポソームに封入する、あるいは脂質膜表面に固定する
こともできる。また、上記ペプチドのC末端は、−OH、
−NH2のいずれでもよい。
【0021】具体的には、PACAP38(ペプチド1:配列
番号12)、PACAP27(ペプチド2:配列番号13)、VIP
(ペプチド3:配列番号14)、PACAPの誘導体であるArg
-PACAP38(ペプチド4;配列番号15)、PACAP-like-pep
tide(ペプチド5;配列番号16)、Arg-PACAP27(ペプ
チド6;配列番号17)、[A4,V5]-PACAP27(ペプチド
7;配列番号18)及び[A4,V5,N9]-PACAP27(ペプチド
8;配列番号19)、VIPの誘導体である[G4,I5]-VIP(ペ
プチド9;配列番号20)及び[G4,I5,S9]-VIP(ペプチド
10;配列番号21)、VIPの高塩基性誘導体であるVIP高塩
基性誘導体A(ペプチド11;配列番号22)、VIP高塩基
性誘導体B(ペプチド12;配列番号23)、VIP高塩基性
誘導体C(ペプチド13;配列番号24)及びVIP高塩基性
誘導体D(ペプチド14;配列番号25)、PACAP27の高塩
基性誘導体であるPACAP27高塩基性誘導体A(ペプチド1
5;配列番号26)、PACAP27高塩基性誘導体B(ペプチド
16;配列番号27)及びPACAP27高塩基性誘導体C(ペプ
チド17;配列番号28)、VIP/PACAP高塩基性キメラペプ
チド(ペプチド18;配列番号29)、PACAP short form
(ペプチド19;配列番号30)及びVIP short form(ペプ
チド20;配列番号31)がある。
番号12)、PACAP27(ペプチド2:配列番号13)、VIP
(ペプチド3:配列番号14)、PACAPの誘導体であるArg
-PACAP38(ペプチド4;配列番号15)、PACAP-like-pep
tide(ペプチド5;配列番号16)、Arg-PACAP27(ペプ
チド6;配列番号17)、[A4,V5]-PACAP27(ペプチド
7;配列番号18)及び[A4,V5,N9]-PACAP27(ペプチド
8;配列番号19)、VIPの誘導体である[G4,I5]-VIP(ペ
プチド9;配列番号20)及び[G4,I5,S9]-VIP(ペプチド
10;配列番号21)、VIPの高塩基性誘導体であるVIP高塩
基性誘導体A(ペプチド11;配列番号22)、VIP高塩基
性誘導体B(ペプチド12;配列番号23)、VIP高塩基性
誘導体C(ペプチド13;配列番号24)及びVIP高塩基性
誘導体D(ペプチド14;配列番号25)、PACAP27の高塩
基性誘導体であるPACAP27高塩基性誘導体A(ペプチド1
5;配列番号26)、PACAP27高塩基性誘導体B(ペプチド
16;配列番号27)及びPACAP27高塩基性誘導体C(ペプ
チド17;配列番号28)、VIP/PACAP高塩基性キメラペプ
チド(ペプチド18;配列番号29)、PACAP short form
(ペプチド19;配列番号30)及びVIP short form(ペプ
チド20;配列番号31)がある。
【0022】本発明のグルタミン酸起因の神経毒性に対
する低下作用剤に使用するペプチドは、公知のペプチド
合成の常法に従って合成できる。例えば、「ザ.ペプチ
ド(The Peptides)」第1巻(1966年) [Schreder and Luhk
e 著、Academic Press, NewYork, U.S.A.]、あるいは
「ペプチド合成」[泉屋ら著、丸善株式会社(1975年)]
の記載に従い、具体的には、アジド法、酸クロライド
法、酸無水物法、混合酸無水物法、DCC法、活性エス
テル法(P-ニトロフエニルエステル法、N−ヒドロキシ
コハク酸イミドエステル法、シアノメチルエステル法な
ど)、ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボイミダ
ゾール法、酸化還元法、DCC−アディティブ(HON
B、HOBt、HONSu)法など、各種の方法により
合成することができる。これらの方法は、固相合成及び
液相合成のいずれにも適用できる。
する低下作用剤に使用するペプチドは、公知のペプチド
合成の常法に従って合成できる。例えば、「ザ.ペプチ
ド(The Peptides)」第1巻(1966年) [Schreder and Luhk
e 著、Academic Press, NewYork, U.S.A.]、あるいは
「ペプチド合成」[泉屋ら著、丸善株式会社(1975年)]
の記載に従い、具体的には、アジド法、酸クロライド
法、酸無水物法、混合酸無水物法、DCC法、活性エス
テル法(P-ニトロフエニルエステル法、N−ヒドロキシ
コハク酸イミドエステル法、シアノメチルエステル法な
ど)、ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボイミダ
ゾール法、酸化還元法、DCC−アディティブ(HON
B、HOBt、HONSu)法など、各種の方法により
合成することができる。これらの方法は、固相合成及び
液相合成のいずれにも適用できる。
【0023】本発明におけるペプチド合成は、上記のよ
うな一般的なポリペプチドの合成法、例えば、末端アミ
ノ酸に順次1個ずつアミノ酸を縮合させるいわゆるステ
ップワイズ法、または数個のフラグメントに分けてカッ
プリングさせていく方法によって行われる。
うな一般的なポリペプチドの合成法、例えば、末端アミ
ノ酸に順次1個ずつアミノ酸を縮合させるいわゆるステ
ップワイズ法、または数個のフラグメントに分けてカッ
プリングさせていく方法によって行われる。
【0024】例えば、ステップワイズ法による固相合成
は、具体的には、メリフィールド(Merrifield.R.B.)の
方法 [Solid phase peptide synthesis, J.Amer.Chem.S
oc.,85, 2149-2159 (1963)]に従い、以下のようにして
行うことができる。まず、C末端アミノ酸(アミノ基を
保護したもの)をそのカルボキシル基によって不溶性樹
脂に結合させ、その後、該C末端アミノ酸のアミノ基の
保護基を除去する。次いで、得られたこの遊離の反応性
アミノ基に、目的とするペプチドのアミノ酸配列に従っ
て、アミノ基を保護したアミノ酸の反応性カルボキシル
基を縮合反応により順次結合させる。このようにして一
段階ずつ全配列を合成した後、ペプチドを不溶性樹脂か
らはずす。
は、具体的には、メリフィールド(Merrifield.R.B.)の
方法 [Solid phase peptide synthesis, J.Amer.Chem.S
oc.,85, 2149-2159 (1963)]に従い、以下のようにして
行うことができる。まず、C末端アミノ酸(アミノ基を
保護したもの)をそのカルボキシル基によって不溶性樹
脂に結合させ、その後、該C末端アミノ酸のアミノ基の
保護基を除去する。次いで、得られたこの遊離の反応性
アミノ基に、目的とするペプチドのアミノ酸配列に従っ
て、アミノ基を保護したアミノ酸の反応性カルボキシル
基を縮合反応により順次結合させる。このようにして一
段階ずつ全配列を合成した後、ペプチドを不溶性樹脂か
らはずす。
【0025】上記の固相合成において用いられる不溶性
樹脂は、反応性カルボキシル基との結合性を有するもの
であればいずれをも使用できる。例えば、クロロメチル
樹脂、オキシメチル樹脂、4−オキシメチルフェニルア
セタミドメチル樹脂(PAM樹脂)、ベンズヒドリルアミン
樹脂(BHA樹脂)、アミノメチル樹脂、メチルベンズヒ
ドリル樹脂(MBHA樹脂)、4−アミノメチルフェノキシ
メチル樹脂、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹
脂などが挙げられる。
樹脂は、反応性カルボキシル基との結合性を有するもの
であればいずれをも使用できる。例えば、クロロメチル
樹脂、オキシメチル樹脂、4−オキシメチルフェニルア
セタミドメチル樹脂(PAM樹脂)、ベンズヒドリルアミン
樹脂(BHA樹脂)、アミノメチル樹脂、メチルベンズヒ
ドリル樹脂(MBHA樹脂)、4−アミノメチルフェノキシ
メチル樹脂、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹
脂などが挙げられる。
【0026】また、α−アミノ基の保護基として9−フ
ルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)を使用す
る場合は、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹脂
など、トリフルオロ酢酸(TFA)によって樹脂から脱離で
きるものがよく、t−ブトキシカルボニル基(Boc)を使
用する場合には、4−オキシメチルフェニルアセタミド
メチル樹脂(PAM樹脂)など、フッ化水素などによって
樹脂から脱離できるものがよい。樹脂1g当りのペプチド
濃度は0.5mmole以下とすることが好ましい。
ルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)を使用す
る場合は、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹脂
など、トリフルオロ酢酸(TFA)によって樹脂から脱離で
きるものがよく、t−ブトキシカルボニル基(Boc)を使
用する場合には、4−オキシメチルフェニルアセタミド
メチル樹脂(PAM樹脂)など、フッ化水素などによって
樹脂から脱離できるものがよい。樹脂1g当りのペプチド
濃度は0.5mmole以下とすることが好ましい。
【0027】上記の方法においては、アミノ酸のペプチ
ド結合に関与するアミノ基への保護基の結合及び該保護
基の脱離、並びにアミノ酸のペプチド結合に関与するカ
ルボキシル基の活性化が必要である。アミノ基の保護基
としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)、
t−ブトキシカルボニル(Boc)、t−アミノオキシカ
ルボニル(Aoc)、イソボニルオキシカルボニル、p-メ
トキシベンジルオキシカルボニル、2−クロル−ベンジ
ルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、
トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、o-ニト
ロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフイノチオイ
ルなどの基が挙げられる。
ド結合に関与するアミノ基への保護基の結合及び該保護
基の脱離、並びにアミノ酸のペプチド結合に関与するカ
ルボキシル基の活性化が必要である。アミノ基の保護基
としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)、
t−ブトキシカルボニル(Boc)、t−アミノオキシカ
ルボニル(Aoc)、イソボニルオキシカルボニル、p-メ
トキシベンジルオキシカルボニル、2−クロル−ベンジ
ルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、
トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、o-ニト
ロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフイノチオイ
ルなどの基が挙げられる。
【0028】また、アミノ酸の中で、側鎖に官能基を有
するもの、例えば、His、Tyr、Thr、Lys、Asp、Arg及び
Serは、その側鎖の官能基を保護しておくのが好まし
い。官能基の保護は、下記のような保護基を通常用いら
れている方法で上記アミノ酸に結合させ、反応終了後、
該保護基は脱離される。Hisのイミノ基の保護基として
は、例えばベンジルオキシメチル(Bom)、p-トルエン
スルホニル(Tos)、ベンジル(Bzl)、ベンジルオキシ
カルボニル(Z)、トリチル基などが挙げられる。
するもの、例えば、His、Tyr、Thr、Lys、Asp、Arg及び
Serは、その側鎖の官能基を保護しておくのが好まし
い。官能基の保護は、下記のような保護基を通常用いら
れている方法で上記アミノ酸に結合させ、反応終了後、
該保護基は脱離される。Hisのイミノ基の保護基として
は、例えばベンジルオキシメチル(Bom)、p-トルエン
スルホニル(Tos)、ベンジル(Bzl)、ベンジルオキシ
カルボニル(Z)、トリチル基などが挙げられる。
【0029】Ser及びThrの水酸基は、例えば、エステル
化またはエーテル化によって保護することができるが、
この保護は必須ではない。エステル化に適する基として
は、アセチルなどの低級アルカノイル基、ベンゾイルな
どのアロイル基、ベンゾイルオキシカルボニル、エチル
オキシカルボニルなどの炭酸から誘導される基などが挙
げられる。また、エーテル化に適する基としては、ベン
ジル(Bzl)、テトラヒドロピラニル、tert−ブチル基
などが挙げられる。
化またはエーテル化によって保護することができるが、
この保護は必須ではない。エステル化に適する基として
は、アセチルなどの低級アルカノイル基、ベンゾイルな
どのアロイル基、ベンゾイルオキシカルボニル、エチル
オキシカルボニルなどの炭酸から誘導される基などが挙
げられる。また、エーテル化に適する基としては、ベン
ジル(Bzl)、テトラヒドロピラニル、tert−ブチル基
などが挙げられる。
【0030】Tyrの水酸基の保護基としては、例えば、
ベンジル(Bzl)、ブロモベンジルオキシカルボニル(B
r-Z)、ジクロロベンジル(Cl2-Bzl)、ベンジルオキシカ
ルボニル(Z)、アセチル、p-トルエンスルホニル(To
s)基などが挙げられる。Lysのアミノ基の保護基として
は、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)、クロロ
ベンジルオキシカルボニル(Cl-Z)、ジクロロベンジル
(Cl2-Bzl)、t−ブトキシカルボニル基(Boc)、p-ト
ルエンスルホニル(Tos)基などが挙げられる。
ベンジル(Bzl)、ブロモベンジルオキシカルボニル(B
r-Z)、ジクロロベンジル(Cl2-Bzl)、ベンジルオキシカ
ルボニル(Z)、アセチル、p-トルエンスルホニル(To
s)基などが挙げられる。Lysのアミノ基の保護基として
は、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)、クロロ
ベンジルオキシカルボニル(Cl-Z)、ジクロロベンジル
(Cl2-Bzl)、t−ブトキシカルボニル基(Boc)、p-ト
ルエンスルホニル(Tos)基などが挙げられる。
【0031】Argのグアニジノ基の保護基としては、例
えば、p-トルエンスルホニル(Tos)、ニトロ、ベンジ
ルオキシカルボニル(Z)、t−アミルオキシカルボニ
ル(Aoc)基などが挙げられる。Aspのカルボキシル基の
保護は、例えば、ベンジルアルコール、メタノール、エ
タノール、tert−ブタノール、シクロヘキシル(cHex)な
どによるエステル化により行われる。
えば、p-トルエンスルホニル(Tos)、ニトロ、ベンジ
ルオキシカルボニル(Z)、t−アミルオキシカルボニ
ル(Aoc)基などが挙げられる。Aspのカルボキシル基の
保護は、例えば、ベンジルアルコール、メタノール、エ
タノール、tert−ブタノール、シクロヘキシル(cHex)な
どによるエステル化により行われる。
【0032】その他のアミノ酸の保護基として、Trpの
インドリル基の保護基としては、例えば、ホルミル、カ
ルボベンゾキシル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベン
ゼンスルホニル、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボ
ニルなどが挙げられるが、この保護は必須ではない。Me
tのチオメチル基の保護基としては、予めメチルスルホ
キシドにしておき、後に還元する方法があるが、この保
護は必須ではない。
インドリル基の保護基としては、例えば、ホルミル、カ
ルボベンゾキシル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベン
ゼンスルホニル、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボ
ニルなどが挙げられるが、この保護は必須ではない。Me
tのチオメチル基の保護基としては、予めメチルスルホ
キシドにしておき、後に還元する方法があるが、この保
護は必須ではない。
【0033】一方、カルボキシル基の活性化は、従来公
知の方法にて行うことができ、用いられる試薬なども公
知のものから適宜選択しえる。例えば、カルボキル基の
活性化は、該カルボキシル基と種々の試薬とを反応さ
せ、対応する酸クロライド、酸無水物または混合酸無水
物、アジド、活性エステル(ペンタクロロフェノール、
p-ニトロフェノール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、
N−ヒドロキシベンズトリアゾール、N−ヒドロキシ−
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等との
エステル)などを形成させることにより行う。
知の方法にて行うことができ、用いられる試薬なども公
知のものから適宜選択しえる。例えば、カルボキル基の
活性化は、該カルボキシル基と種々の試薬とを反応さ
せ、対応する酸クロライド、酸無水物または混合酸無水
物、アジド、活性エステル(ペンタクロロフェノール、
p-ニトロフェノール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、
N−ヒドロキシベンズトリアゾール、N−ヒドロキシ−
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等との
エステル)などを形成させることにより行う。
【0034】上記の固相における反応性アミノ基と反応
性カルボキシル基との縮合反応(ペプチド結合形成反
応)に用いる溶媒としては、ペプチド結合形成に使用で
きるものであればいずれでもよい。例えば、無水または
含水のジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、ピリジン、クロロホルム、ジオキサ
ン、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル
リン酸トリアミド(HMPA)などを単独で、あるいは2種
以上の混合溶媒として使用することができる。
性カルボキシル基との縮合反応(ペプチド結合形成反
応)に用いる溶媒としては、ペプチド結合形成に使用で
きるものであればいずれでもよい。例えば、無水または
含水のジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、ピリジン、クロロホルム、ジオキサ
ン、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル
リン酸トリアミド(HMPA)などを単独で、あるいは2種
以上の混合溶媒として使用することができる。
【0035】また、上記縮合反応は、縮合剤、例えばジ
シクロヘキシルカルボキシイミド(DCC)、カルボジイミ
ダゾールなどのカルボジイミド試薬やテトラエチルピロ
ホスフェイト、ベンゾトリアゾール−N−ヒドロキシト
リスジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化
物塩(Bop試薬)などの存在下に行うこともできる。
シクロヘキシルカルボキシイミド(DCC)、カルボジイミ
ダゾールなどのカルボジイミド試薬やテトラエチルピロ
ホスフェイト、ベンゾトリアゾール−N−ヒドロキシト
リスジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化
物塩(Bop試薬)などの存在下に行うこともできる。
【0036】得られたペプチドは、通常の方法に従い脱
塩、精製することができる。例えば、DEAE−セルロース
などのイオン交換クロマトグラフィー、セファデックス
LH-20 、セファデックスG-25 などの分配クロマトグラ
フィー、シリカゲルなどの順相クロマトグラフィー、OD
S−シリカゲルなどの逆相クロマトグラフィー、高速液
体クロマトグラフィーなどが挙げられる。上記のように
して得られた精製ペプチドは、各種の酸を用いて、所望
により薬学的に許容される塩、例えば、酢酸塩、塩酸
塩、リン酸塩などにすることが出来る。
塩、精製することができる。例えば、DEAE−セルロース
などのイオン交換クロマトグラフィー、セファデックス
LH-20 、セファデックスG-25 などの分配クロマトグラ
フィー、シリカゲルなどの順相クロマトグラフィー、OD
S−シリカゲルなどの逆相クロマトグラフィー、高速液
体クロマトグラフィーなどが挙げられる。上記のように
して得られた精製ペプチドは、各種の酸を用いて、所望
により薬学的に許容される塩、例えば、酢酸塩、塩酸
塩、リン酸塩などにすることが出来る。
【0037】上記のようにして調製したペプチド及びそ
の薬学的に許容される塩を有効成分として含有する剤
は、神経毒性低下作用を有する。ここで、神経毒性と
は、神経変性疾患をもたらす生体内で過剰に産生された
NOによる毒性を意味する。具体的には、グルタミン酸な
どのnNOS活性化物質が大量に遊離した場合、nNOS活性化
物質特異的受容体が過剰に反応し、過剰に産生されたNO
によって結果的に神経細胞の恒常性が失われて細胞死に
至る神経毒性であり、例えば、実験医学 (1994) 12,19
5-200 にも報告されている。また、神経毒性低下作用と
は、nNOS活性を阻害し、NO産生を抑制することによって
前記神経毒性を低下させることができる作用のことを意
味する。例えば、この作用については、被検物質の存在
下で試験対象の細胞にグルタミン酸などのnNOS活性化物
質を添加して刺激した後、nNOS活性、NO産生量、細胞死
数の検出を行い、神経毒性低下作用物質を存在させなか
ったコントロールにおけるそれらの測定値よりも低い値
の場合に、NO産生抑制効果や細胞死抑制効果が認めら
れ、神経毒性低下作用有りと判断することができる。
の薬学的に許容される塩を有効成分として含有する剤
は、神経毒性低下作用を有する。ここで、神経毒性と
は、神経変性疾患をもたらす生体内で過剰に産生された
NOによる毒性を意味する。具体的には、グルタミン酸な
どのnNOS活性化物質が大量に遊離した場合、nNOS活性化
物質特異的受容体が過剰に反応し、過剰に産生されたNO
によって結果的に神経細胞の恒常性が失われて細胞死に
至る神経毒性であり、例えば、実験医学 (1994) 12,19
5-200 にも報告されている。また、神経毒性低下作用と
は、nNOS活性を阻害し、NO産生を抑制することによって
前記神経毒性を低下させることができる作用のことを意
味する。例えば、この作用については、被検物質の存在
下で試験対象の細胞にグルタミン酸などのnNOS活性化物
質を添加して刺激した後、nNOS活性、NO産生量、細胞死
数の検出を行い、神経毒性低下作用物質を存在させなか
ったコントロールにおけるそれらの測定値よりも低い値
の場合に、NO産生抑制効果や細胞死抑制効果が認めら
れ、神経毒性低下作用有りと判断することができる。
【0038】本発明のペプチド及び誘導体は神経毒性低
下作用を有するが、PACAP及びVIPに比べてそれぞれの誘
導体にはさらなる強力な活性と臨床的に望ましい補助的
な効果が認められる。例えば、Arg-PACAP38 や Arg-PAC
AP27 をはじめとする塩基性アミノ酸置換誘導体群は生
体内におけるペプチダーゼに対して極めて強い耐性を有
しており、このことは Peptide Chemistry (1996) 249-
252 に明記されている。一般的にペプチド・タンパク質
は生体内において速やかに代謝されるようになっている
が、この代謝課程を担う重要物質の一つがペプチダーゼ
である。したがってこのペプチダーゼに対する耐性は生
体内での本塩基性アミノ酸置換誘導体群の作用時間延長
をもたらし、慢性的な疾病である中枢変性疾患に対して
極めて有効である。この結果は投与回数の低減とそれに
伴う薬価の低下をもたらし、医療経済学的に考慮しても
顕著な効果であると考えられる。さらに、N末端を変化
させた誘導体群は、PACAPが有する一過性の気管支平滑
筋収縮作用を示さず、臨床的に使用した場合に想定され
る対象患者の幅を広くすることが可能である。以上の補
助的な効果を有する誘導体は、PACAP及びVIPに比べて優
れた神経毒性低下作用を示しており、特に、PACAP誘導
体ではArg-PACAP38(ペプチド4;配列番号16)、Arg-P
ACAP27(ペプチド6;配列番号18)、PACAP27 高塩基性
誘導体A(ペプチド15:配列番号26)、PACAP27 高塩基
性誘導体B(ペプチド16:配列番号27)、PACAP27 高塩
基性誘導体C(ペプチド17:配列番号28)、VIP誘導体で
は[G4,I5,S9]-VIP(ペプチド10;配列番号22)において
その作用が顕著である。
下作用を有するが、PACAP及びVIPに比べてそれぞれの誘
導体にはさらなる強力な活性と臨床的に望ましい補助的
な効果が認められる。例えば、Arg-PACAP38 や Arg-PAC
AP27 をはじめとする塩基性アミノ酸置換誘導体群は生
体内におけるペプチダーゼに対して極めて強い耐性を有
しており、このことは Peptide Chemistry (1996) 249-
252 に明記されている。一般的にペプチド・タンパク質
は生体内において速やかに代謝されるようになっている
が、この代謝課程を担う重要物質の一つがペプチダーゼ
である。したがってこのペプチダーゼに対する耐性は生
体内での本塩基性アミノ酸置換誘導体群の作用時間延長
をもたらし、慢性的な疾病である中枢変性疾患に対して
極めて有効である。この結果は投与回数の低減とそれに
伴う薬価の低下をもたらし、医療経済学的に考慮しても
顕著な効果であると考えられる。さらに、N末端を変化
させた誘導体群は、PACAPが有する一過性の気管支平滑
筋収縮作用を示さず、臨床的に使用した場合に想定され
る対象患者の幅を広くすることが可能である。以上の補
助的な効果を有する誘導体は、PACAP及びVIPに比べて優
れた神経毒性低下作用を示しており、特に、PACAP誘導
体ではArg-PACAP38(ペプチド4;配列番号16)、Arg-P
ACAP27(ペプチド6;配列番号18)、PACAP27 高塩基性
誘導体A(ペプチド15:配列番号26)、PACAP27 高塩基
性誘導体B(ペプチド16:配列番号27)、PACAP27 高塩
基性誘導体C(ペプチド17:配列番号28)、VIP誘導体で
は[G4,I5,S9]-VIP(ペプチド10;配列番号22)において
その作用が顕著である。
【0039】過剰産生されたN0が起因する神経毒性が関
与する疾患としては、脳卒中等脳血栓虚血、ALS、ある
いはパーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン
病等の神経変性疾患が挙げられ、本発明のペプチド及び
その薬学的に許容される塩を有効成分として含有する神
経毒性低下剤はこれら疾患の治療及び予防に有効であ
る。
与する疾患としては、脳卒中等脳血栓虚血、ALS、ある
いはパーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン
病等の神経変性疾患が挙げられ、本発明のペプチド及び
その薬学的に許容される塩を有効成分として含有する神
経毒性低下剤はこれら疾患の治療及び予防に有効であ
る。
【0040】本発明のペプチド及びその塩を上記疾患の
患者の治療に使用する場合には、そのまま投与すること
ができる。さらに、本発明のペプチド及びその塩と、公
知の方法により薬学的に許容される種々の担体及びその
他の成分とを混合し、液状、固体状の中枢神経系に作用
させる非経口、経口、エアゾル、経肺、経皮、経鼻又は
眼球投与のための医薬組成物としても利用することがで
きる。例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠
を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを
含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤などとして、経口
的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全
に投与することができる。また、本発明の医薬組成物
は、脳室内ポンプによって脳を直接的な標的にすること
もできる。
患者の治療に使用する場合には、そのまま投与すること
ができる。さらに、本発明のペプチド及びその塩と、公
知の方法により薬学的に許容される種々の担体及びその
他の成分とを混合し、液状、固体状の中枢神経系に作用
させる非経口、経口、エアゾル、経肺、経皮、経鼻又は
眼球投与のための医薬組成物としても利用することがで
きる。例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠
を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを
含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤などとして、経口
的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全
に投与することができる。また、本発明の医薬組成物
は、脳室内ポンプによって脳を直接的な標的にすること
もできる。
【0041】本発明の医薬組成物に用いられる薬学的に
許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有
機あるいは無機担体物質があげられる。例えば、固形製
剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤
における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝
剤、無痛化剤などが用いられる。また、必要に応じて、
防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤な
どの添加物を用いることもできる。賦形剤としては、例
えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、コーン
スターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが用い
られる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシ
リカなどが用いられる。結合剤としては、例えば、結晶
セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ
糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤として
は、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメ
ロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウ
ム、L-ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられ
る。溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プ
ロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロ
コシ油などが挙げられる。溶解補助剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリ
スアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミ
ン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げら
れる。懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタ
ノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミ
ノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩
化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの
界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
スなどの親水性高分子などが用いられる。等張化剤とし
ては、例えば、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリ
ウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、
クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤と
しては、例えば、ベンジルアルコールなどが挙げられ
る。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エス
テル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙
げられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アス
コルビン酸などが挙げられる。
許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有
機あるいは無機担体物質があげられる。例えば、固形製
剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤
における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝
剤、無痛化剤などが用いられる。また、必要に応じて、
防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤な
どの添加物を用いることもできる。賦形剤としては、例
えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、コーン
スターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが用い
られる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシ
リカなどが用いられる。結合剤としては、例えば、結晶
セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ
糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤として
は、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメ
ロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウ
ム、L-ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられ
る。溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プ
ロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロ
コシ油などが挙げられる。溶解補助剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリ
スアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミ
ン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げら
れる。懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタ
ノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミ
ノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩
化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの
界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
スなどの親水性高分子などが用いられる。等張化剤とし
ては、例えば、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリ
ウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、
クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤と
しては、例えば、ベンジルアルコールなどが挙げられ
る。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エス
テル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙
げられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アス
コルビン酸などが挙げられる。
【0042】本発明のペプチド及びその塩の投与量は、
使用(検査)目的、被験者の年齢、体重、投与方法など
により適宜決定されるが、例えば、ヒトを含む哺乳動物
に静脈内投与を行う場合、ペプチド量として一回あた
り、0.1〜100 μgを使用することが好ましい。
使用(検査)目的、被験者の年齢、体重、投与方法など
により適宜決定されるが、例えば、ヒトを含む哺乳動物
に静脈内投与を行う場合、ペプチド量として一回あた
り、0.1〜100 μgを使用することが好ましい。
【0043】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [実施例1](ペプチドの合成) 下記のアミノ酸配列を有するPACAP38、PACAP27、VIP
(ペプチド1〜3)及びこれらより誘導されるペプチド
誘導体(ペプチド4〜21)をそれぞれ通常のペプチド
固相合成法に従い合成した。なお、各ペプチドのN末端
は−H、C末端は−NH2である。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [実施例1](ペプチドの合成) 下記のアミノ酸配列を有するPACAP38、PACAP27、VIP
(ペプチド1〜3)及びこれらより誘導されるペプチド
誘導体(ペプチド4〜21)をそれぞれ通常のペプチド
固相合成法に従い合成した。なお、各ペプチドのN末端
は−H、C末端は−NH2である。
【0044】(1) ペプチド1:PACAP38
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Ly
s (配列番号12) (2) ペプチド2:PACAP27 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu (配列番号13) (3) ペプチド3:VIP His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn (配列番号14) (4) ペプチド4:PACAP誘導体Arg-PACAP38 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Ar
g (配列番号15) (5) ペプチド5:PACAP誘導体PACAP-like-peptide(st
argazer-PACAP) His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Gln-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Ly
s (配列番号16) (6) ペプチド6:PACAP誘導体Arg-PACAP27 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu (配列番号17) (7) ペプチド7:PACAP誘導体[A4,V5]-PACAP27 His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu (配列番号18) (8) ペプチド8:PACAP誘導体[A4,V5,N9]-PACAP27 His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu (配列番号19) (9) ペプチド9:VIP誘導体[G4,I5]-VIP His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn (配列番号20) (10) ペプチド10:VIP誘導体[G4,I5,S9]-VIP His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn (配列番号21) (11) ペプチド11:VIP高塩基性誘導体A His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn-Gly-Lys(配列番号22) (12) ペプチド12:VIP高塩基性誘導体B His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn-Gly-Lys-Arg (配列番号23) (13) ペプチド13:VIP高塩基性誘導体C His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg (配列番号24) (14) ペプチド14:VIP高塩基性誘導体D His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-nLeu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser
-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg (配列番号25) (15) ペプチド15:PACAP27 高塩基性誘導体A His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Lys (配列番号26) (16) ペプチド16:PACAP27 高塩基性誘導体B His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Lys-Arg (配列番号27) (17) ペプチド17:PACAP27 高塩基性誘導体C His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Arg-Arg (配列番号28) (18) ペプチド18:VIP/PACAP 高塩基性キメラペプチド His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-nLeu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser
-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-A
sn-Arg (配列番
号29) (19) ペプチド19:PACAP short form His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu
(配列番号30) (20) ペプチド20:VIP short form His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu
(配列番号31) (21) ペプチド21:PACAP誘導体PACAP-like-peptide(s
tingray-PACAP) His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Pro-Lys-Arg-Arg-Asn-Se
r-Gly-Arg-Arg-Val-Phe-Tyr
(配列番号32)
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Ly
s (配列番号12) (2) ペプチド2:PACAP27 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu (配列番号13) (3) ペプチド3:VIP His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn (配列番号14) (4) ペプチド4:PACAP誘導体Arg-PACAP38 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Ar
g (配列番号15) (5) ペプチド5:PACAP誘導体PACAP-like-peptide(st
argazer-PACAP) His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Gln-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Ly
s (配列番号16) (6) ペプチド6:PACAP誘導体Arg-PACAP27 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu (配列番号17) (7) ペプチド7:PACAP誘導体[A4,V5]-PACAP27 His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu (配列番号18) (8) ペプチド8:PACAP誘導体[A4,V5,N9]-PACAP27 His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu (配列番号19) (9) ペプチド9:VIP誘導体[G4,I5]-VIP His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn (配列番号20) (10) ペプチド10:VIP誘導体[G4,I5,S9]-VIP His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn (配列番号21) (11) ペプチド11:VIP高塩基性誘導体A His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn-Gly-Lys(配列番号22) (12) ペプチド12:VIP高塩基性誘導体B His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn-Gly-Lys-Arg (配列番号23) (13) ペプチド13:VIP高塩基性誘導体C His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg (配列番号24) (14) ペプチド14:VIP高塩基性誘導体D His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-nLeu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser
-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg (配列番号25) (15) ペプチド15:PACAP27 高塩基性誘導体A His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Lys (配列番号26) (16) ペプチド16:PACAP27 高塩基性誘導体B His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Lys-Arg (配列番号27) (17) ペプチド17:PACAP27 高塩基性誘導体C His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Arg-Arg (配列番号28) (18) ペプチド18:VIP/PACAP 高塩基性キメラペプチド His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Arg-Gln-nLeu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser
-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-A
sn-Arg (配列番
号29) (19) ペプチド19:PACAP short form His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu
(配列番号30) (20) ペプチド20:VIP short form His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu
(配列番号31) (21) ペプチド21:PACAP誘導体PACAP-like-peptide(s
tingray-PACAP) His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
r-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-
Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Pro-Lys-Arg-Arg-Asn-Se
r-Gly-Arg-Arg-Val-Phe-Tyr
(配列番号32)
【0045】[実施例2]PACAP及びVIP誘導体のnNOS阻
害活性 脳・神経系研究におけるモデル系として用いられてい
る、ラットの副腎髄質褐色細胞腫由来細胞、PC12細胞を
使用してPACAP及びVIP群のnNOS阻害活性を検討した。5
%ウマ血清及び5%新生仔ウシ血清含有 Dulbecco's mo
dified minimum essential medium (DMEM) にて、PC12
細胞を5% CO2/95% airの環境下で37℃に保って培養
した。トリプシンにてPC12細胞を培養フラスコからはが
した後、24well培養プレートにて前記細胞を培養し(10
5 cells/well)、実施例1で調製したPACAP38、PACAP2
7、VIP及びこれらより誘導されるペプチド誘導体(ペプ
チド1〜7)の存在下においてグルタミン酸で刺激した
際に放出されるNOを亜硝酸イオンとして算出した。定量
には2,3-Diaminonapthaleneを使用し、形成される蛍光
色素量を亜硝酸イオンとして検出した。その結果を図1
に示す。
害活性 脳・神経系研究におけるモデル系として用いられてい
る、ラットの副腎髄質褐色細胞腫由来細胞、PC12細胞を
使用してPACAP及びVIP群のnNOS阻害活性を検討した。5
%ウマ血清及び5%新生仔ウシ血清含有 Dulbecco's mo
dified minimum essential medium (DMEM) にて、PC12
細胞を5% CO2/95% airの環境下で37℃に保って培養
した。トリプシンにてPC12細胞を培養フラスコからはが
した後、24well培養プレートにて前記細胞を培養し(10
5 cells/well)、実施例1で調製したPACAP38、PACAP2
7、VIP及びこれらより誘導されるペプチド誘導体(ペプ
チド1〜7)の存在下においてグルタミン酸で刺激した
際に放出されるNOを亜硝酸イオンとして算出した。定量
には2,3-Diaminonapthaleneを使用し、形成される蛍光
色素量を亜硝酸イオンとして検出した。その結果を図1
に示す。
【0046】図1から明らかなように、PACAP及びPACAP
誘導体が存在した場合、nNOS活性は低くなり、高いnNOS
阻害活性を示している。一方、VIP及びVIP誘導体が存在
した場合にもnNOS活性の抑制が認められたが、PACAP及
びPACAP誘導体に比較してその効果は弱かった。また、P
ACAP及びVIPに対し、それぞれの誘導体の方が高いnNOS
阻害活性を有することが明らかであった。一方、VIP誘
導体のうち、PACAP受容体親和性を増加させたVIP誘導
体、例えば、ペプチド7はVIPに比べて強いnNOS抑制作
用を示した。以上の結果から、本発明のPACAP及びVIP誘
導体にはnNOS抑制作用が認められ、特にPACAP誘導体に
その効果が著しいことが確認された。
誘導体が存在した場合、nNOS活性は低くなり、高いnNOS
阻害活性を示している。一方、VIP及びVIP誘導体が存在
した場合にもnNOS活性の抑制が認められたが、PACAP及
びPACAP誘導体に比較してその効果は弱かった。また、P
ACAP及びVIPに対し、それぞれの誘導体の方が高いnNOS
阻害活性を有することが明らかであった。一方、VIP誘
導体のうち、PACAP受容体親和性を増加させたVIP誘導
体、例えば、ペプチド7はVIPに比べて強いnNOS抑制作
用を示した。以上の結果から、本発明のPACAP及びVIP誘
導体にはnNOS抑制作用が認められ、特にPACAP誘導体に
その効果が著しいことが確認された。
【0047】[実施例3]NO産生と各種ペプチド類によ
る細胞毒性抑制の検討 実施例2と同様に調製したPC12培養細胞にグルタミン酸
(10-3 M)を添加し、その際に産生されるNOをモニタリ
ングした。同時に、PACAP及びVIP、並びにNOS阻害剤(L
-NAME)を添加した場合のNO産生についても同様にモニ
タリングを実施した。さらに15分間のグルタミン酸刺激
の後、培地を新鮮なものに変更し、24時間培養したとき
の遅延型細胞死についてもトリパンブルーを用いた色素
排除試験によって評価した。また、グルタミン酸にPC12
細胞を短時間暴露する際に、本発明のPACAP及びVIP誘導
体を添加し、その後の細胞死へ与える影響についても同
じく検討を行った。その結果を図2に示す。
る細胞毒性抑制の検討 実施例2と同様に調製したPC12培養細胞にグルタミン酸
(10-3 M)を添加し、その際に産生されるNOをモニタリ
ングした。同時に、PACAP及びVIP、並びにNOS阻害剤(L
-NAME)を添加した場合のNO産生についても同様にモニ
タリングを実施した。さらに15分間のグルタミン酸刺激
の後、培地を新鮮なものに変更し、24時間培養したとき
の遅延型細胞死についてもトリパンブルーを用いた色素
排除試験によって評価した。また、グルタミン酸にPC12
細胞を短時間暴露する際に、本発明のPACAP及びVIP誘導
体を添加し、その後の細胞死へ与える影響についても同
じく検討を行った。その結果を図2に示す。
【0048】図2から明らかなように、グルタミン酸添
加による刺激により約2倍のnNOS活性が確認されたが、
PACAP及びVIPを添加した群ではコントロールと近いデー
タを示し、PACAP及びVIPによるnNOS活性抑制効果が確認
され、NOの産生が少量に抑えられることが明らかとなっ
た。また、PACAP群を添加した場合には、NOS阻害剤であ
るL-NAMEを添加した場合と同様のNO産生抑制効果及び細
胞死抑制効果があることが分かった。
加による刺激により約2倍のnNOS活性が確認されたが、
PACAP及びVIPを添加した群ではコントロールと近いデー
タを示し、PACAP及びVIPによるnNOS活性抑制効果が確認
され、NOの産生が少量に抑えられることが明らかとなっ
た。また、PACAP群を添加した場合には、NOS阻害剤であ
るL-NAMEを添加した場合と同様のNO産生抑制効果及び細
胞死抑制効果があることが分かった。
【0049】[実施例4]β-アミロイドによる細胞死
の検討 NOがアルツハイマー病の原因とされているβ-アミロイ
ドによっても用量依存的に産生されることが示唆されて
いることから、本発明のペプチドのβ-アミロイドに対
する影響を検討することとし、初めに、β-アミロイド
によって神経細胞の細胞死が生じることを確認した。
の検討 NOがアルツハイマー病の原因とされているβ-アミロイ
ドによっても用量依存的に産生されることが示唆されて
いることから、本発明のペプチドのβ-アミロイドに対
する影響を検討することとし、初めに、β-アミロイド
によって神経細胞の細胞死が生じることを確認した。
【0050】実施例2と同様に培養したPC12細胞にβ-
アミロイド(β-アミロイド1-42、アメリカンペプタイ
ドカンパニー社)(10-3 M)を添加し、48時間培養し、
生じる細胞死について検討した。β-アミロイドは約5 m
g/mLの濃度で約24時間前処理を行い、凝集体(βシート
構造に変化したフィブリル体)へと変換させた。細胞死
については、細胞の膜状に常在し細胞死に伴う細胞膜の
破壊によって外部へと放出される乳酸デヒドロゲナーゼ
を検出することによってモニタリングした。培地は3種
類、すなわち、5%ウマ血清及び5%新生仔ウシ血清含有
DMEM、0.25%ウマ血清及び0.25%新生仔ウシ血清含有DM
EM、そして0.2μM インシュリン含有無血清 DMEMを用意
し、β-アミロイドによる細胞死を検討した。その結果
を図3示す。0.2μMインシュリン含有無血清及び0.25%
ウマ血清及び0.25%新生仔ウシ血清含有DMEMにおいて
は、コントロール対照群(β-アミロイド無添加群)と
比して有意にβ-アミロイドによる細胞死が確認され
た。一方、DMEM 5%ウマ血清及び5%新生仔ウシ血清含
有DMEM中でのPC12培養細胞は、48時間後においてもβ-
アミロイドによる細胞死は確認されなかった。このこと
から、血清中成分が何らかの神経毒性低下に関与してい
る可能性が示唆された。なお、以上の結果から、以降の
実施例においては、0.2μM インシュリン含有無血清DME
Mを用いることにした。
アミロイド(β-アミロイド1-42、アメリカンペプタイ
ドカンパニー社)(10-3 M)を添加し、48時間培養し、
生じる細胞死について検討した。β-アミロイドは約5 m
g/mLの濃度で約24時間前処理を行い、凝集体(βシート
構造に変化したフィブリル体)へと変換させた。細胞死
については、細胞の膜状に常在し細胞死に伴う細胞膜の
破壊によって外部へと放出される乳酸デヒドロゲナーゼ
を検出することによってモニタリングした。培地は3種
類、すなわち、5%ウマ血清及び5%新生仔ウシ血清含有
DMEM、0.25%ウマ血清及び0.25%新生仔ウシ血清含有DM
EM、そして0.2μM インシュリン含有無血清 DMEMを用意
し、β-アミロイドによる細胞死を検討した。その結果
を図3示す。0.2μMインシュリン含有無血清及び0.25%
ウマ血清及び0.25%新生仔ウシ血清含有DMEMにおいて
は、コントロール対照群(β-アミロイド無添加群)と
比して有意にβ-アミロイドによる細胞死が確認され
た。一方、DMEM 5%ウマ血清及び5%新生仔ウシ血清含
有DMEM中でのPC12培養細胞は、48時間後においてもβ-
アミロイドによる細胞死は確認されなかった。このこと
から、血清中成分が何らかの神経毒性低下に関与してい
る可能性が示唆された。なお、以上の結果から、以降の
実施例においては、0.2μM インシュリン含有無血清DME
Mを用いることにした。
【0051】[実施例5]神経ペプチドPACAP27による
β-アミロイドに対する神経毒性低下作用 実施例4と同様にPC12細胞を培養してβ-アミロイドを
添加し、その際に神経ペプチドPACAP27を共存させてβ-
アミロイドによる細胞死に対する神経毒性低下作用につ
いて確認した。細胞死は細胞から培地中への乳酸デヒド
ロゲナーゼ放出量検出にてモニタリングした。結果を図
4に示す。β-アミロイドの存在下では経時的に細胞が
死んでいく様が確認できた。また、24時間の培養ではそ
れほど細胞が死なず、ある程度の時間が経過してから細
胞が死んでいくことから、β-アミロイドによる細胞死
はアポトーシス誘導に起因している可能性が示唆され
た。一方、神経ペプチドPACAP27を添加した細胞群で
は、その細胞死が非常に強力に抑制されており、ほぼコ
ントロールと同値であった。このことからPACAP類は極
めて強力な神経毒性低下作用をβ-アミロイドに対して
示すことが明らかとなった。
β-アミロイドに対する神経毒性低下作用 実施例4と同様にPC12細胞を培養してβ-アミロイドを
添加し、その際に神経ペプチドPACAP27を共存させてβ-
アミロイドによる細胞死に対する神経毒性低下作用につ
いて確認した。細胞死は細胞から培地中への乳酸デヒド
ロゲナーゼ放出量検出にてモニタリングした。結果を図
4に示す。β-アミロイドの存在下では経時的に細胞が
死んでいく様が確認できた。また、24時間の培養ではそ
れほど細胞が死なず、ある程度の時間が経過してから細
胞が死んでいくことから、β-アミロイドによる細胞死
はアポトーシス誘導に起因している可能性が示唆され
た。一方、神経ペプチドPACAP27を添加した細胞群で
は、その細胞死が非常に強力に抑制されており、ほぼコ
ントロールと同値であった。このことからPACAP類は極
めて強力な神経毒性低下作用をβ-アミロイドに対して
示すことが明らかとなった。
【0052】[実施例6]各種ペプチド類のβ-アミロ
イドに対する影響 すなわち、実施例2と同様に調製したPC12培養細胞にア
ミロイド(50μM)と各種PACAP関連神経ペプチド(ペプチ
ド1、2、4、5、7、8、15、16、17、19及び21)、
VIP関連神経ペプチド(ペプチド3、9、10、11、12、1
3、14、18及び20)を各々添加し、WST-8法によって生細
胞数を算出し、アミロイドに対する各種ペプチドの影響
について比較検討を行った。神経ペプチドが神経毒性低
下作用を有していたならば、神経ペプチド無添加の場合
の生細胞数と明確な違いを認めることが出来る。各種神
経ペプチドを添加したPC12細胞において、神経ペプチド
無添加群よりも細胞生存率が高い(P < 0.05)場合を神
経毒性低下作用ありと判定した。その結果を表1及び表
2に示す。
イドに対する影響 すなわち、実施例2と同様に調製したPC12培養細胞にア
ミロイド(50μM)と各種PACAP関連神経ペプチド(ペプチ
ド1、2、4、5、7、8、15、16、17、19及び21)、
VIP関連神経ペプチド(ペプチド3、9、10、11、12、1
3、14、18及び20)を各々添加し、WST-8法によって生細
胞数を算出し、アミロイドに対する各種ペプチドの影響
について比較検討を行った。神経ペプチドが神経毒性低
下作用を有していたならば、神経ペプチド無添加の場合
の生細胞数と明確な違いを認めることが出来る。各種神
経ペプチドを添加したPC12細胞において、神経ペプチド
無添加群よりも細胞生存率が高い(P < 0.05)場合を神
経毒性低下作用ありと判定した。その結果を表1及び表
2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】[実施例7]神経ペプチドPACAP27、VIP、
humanin、細胞透過性cAMP誘導体による神経毒性低下作
用 実施例2と同様にPC12細胞を培養してβ-アミロイドを
添加し、その際に神経ペプチドPACAP27、VIP、humani
n、細胞透過性cAMP誘導体を各々共存させてβ-アミロイ
ドによる細胞死に対するそれらの影響を確認した。細胞
死については、WST-8 法による細胞数評価を行い、細胞
の生存率を算出することによって検討した。その結果を
図5に示す。β-アミロイド存在下では約7割の細胞が
死滅した。一方、cAMP誘導体であるdibutyryl-cAMPを共
存させた場合には極めて強力に細胞死が抑制され、神経
毒性低下作用が確認された。また、PACAP27(10-9 M)も
強力な神経毒性低下作用を明瞭に示した。PACAP類はcAM
Pの上昇を介して作用を示すことが知られているが、こ
の結果は神経ペプチドのβ-アミロイドに対する神経毒
性低下作用もcAMPを介したものである可能性を示唆して
いる。さらに、PACAP27の類似化合物であるVIPもPACAP2
7よりも効果は弱いがβ-アミロイドによる神経毒性低下
作用を示した。また、最近発見されたヒト由来神経保護
物質であるhumanin(Proc Natl Acad Sci USA (2001) 9
8 (11) 6336-6341)についても神経毒性低下作用を検討
したが、やはりPACAP27よりも効果は弱いものの神経毒
性低下作用を示した。
humanin、細胞透過性cAMP誘導体による神経毒性低下作
用 実施例2と同様にPC12細胞を培養してβ-アミロイドを
添加し、その際に神経ペプチドPACAP27、VIP、humani
n、細胞透過性cAMP誘導体を各々共存させてβ-アミロイ
ドによる細胞死に対するそれらの影響を確認した。細胞
死については、WST-8 法による細胞数評価を行い、細胞
の生存率を算出することによって検討した。その結果を
図5に示す。β-アミロイド存在下では約7割の細胞が
死滅した。一方、cAMP誘導体であるdibutyryl-cAMPを共
存させた場合には極めて強力に細胞死が抑制され、神経
毒性低下作用が確認された。また、PACAP27(10-9 M)も
強力な神経毒性低下作用を明瞭に示した。PACAP類はcAM
Pの上昇を介して作用を示すことが知られているが、こ
の結果は神経ペプチドのβ-アミロイドに対する神経毒
性低下作用もcAMPを介したものである可能性を示唆して
いる。さらに、PACAP27の類似化合物であるVIPもPACAP2
7よりも効果は弱いがβ-アミロイドによる神経毒性低下
作用を示した。また、最近発見されたヒト由来神経保護
物質であるhumanin(Proc Natl Acad Sci USA (2001) 9
8 (11) 6336-6341)についても神経毒性低下作用を検討
したが、やはりPACAP27よりも効果は弱いものの神経毒
性低下作用を示した。
【0056】[実施例8]神経ペプチド類の濃度と神経
毒性低下作用の関係 実施例2と同様にPC12細胞を培養してβ-アミロイドを
添加し、その際に様々な濃度の神経ペプチド類を共存さ
せて神経毒性低下作用と濃度の関係について精査を行っ
た。WST-8法によって細胞数を算出し、β-アミロイドに
よる細胞死をどの程度減弱できたか数値化した。その結
果を図6に示す。神経ペプチドPACAPは極めて低い濃度
においても神経毒性低下作用を示し、その効果は10-9〜
10-13 Mにおいて最も強力であった。また、VIPも比較的
高濃度において強い神経毒性低下作用を示した。このこ
とから、PACAPはVIPと比して少なくとも一万倍は強力で
ある神経毒性低下作用を有することが明瞭に示された。
毒性低下作用の関係 実施例2と同様にPC12細胞を培養してβ-アミロイドを
添加し、その際に様々な濃度の神経ペプチド類を共存さ
せて神経毒性低下作用と濃度の関係について精査を行っ
た。WST-8法によって細胞数を算出し、β-アミロイドに
よる細胞死をどの程度減弱できたか数値化した。その結
果を図6に示す。神経ペプチドPACAPは極めて低い濃度
においても神経毒性低下作用を示し、その効果は10-9〜
10-13 Mにおいて最も強力であった。また、VIPも比較的
高濃度において強い神経毒性低下作用を示した。このこ
とから、PACAPはVIPと比して少なくとも一万倍は強力で
ある神経毒性低下作用を有することが明瞭に示された。
【0057】[実施例9]β-アミロイドによるカスパ
ーゼ−3活性化作用と神経ペプチドによるその抑制効果 実施例2とほぼ同様に処理したPC12細胞を24 wellプレ
ートにて培養し(2×10 5 cells/well)、10-5 Mのβ-ア
ミロイドを添加し、その際にcAMP誘導体(10-4 M)と神経
ペプチドPACAP(10-9 M)を各々添加してアポトーシス関
連酵素である カスパーゼ−3の活性化作用を検討し
た。カスパーゼ−3の活性化作用は、カスパーゼ-3特異
基質であるAc-DEVD-AMCを用いて行った。その結果を図
7に示す。β-アミロイドの添加によってカスパーゼ−
3の活性は向上するが、cAMP誘導体の添加によってこの
作用は著しく減弱化された。また、神経ペプチドPACAP
の添加によっても完全ではないが約50%の抑制効果を示
した。この結果によって、神経ペプチドのカスパーゼ系
への作用がβ-アミロイドに対する神経毒性低下作用に
大きく関与している可能性が示唆された。ただし、この
抑制作用は完全ではなかったことを考慮すれば、他の作
用機序も関与している可能性が考えられる。
ーゼ−3活性化作用と神経ペプチドによるその抑制効果 実施例2とほぼ同様に処理したPC12細胞を24 wellプレ
ートにて培養し(2×10 5 cells/well)、10-5 Mのβ-ア
ミロイドを添加し、その際にcAMP誘導体(10-4 M)と神経
ペプチドPACAP(10-9 M)を各々添加してアポトーシス関
連酵素である カスパーゼ−3の活性化作用を検討し
た。カスパーゼ−3の活性化作用は、カスパーゼ-3特異
基質であるAc-DEVD-AMCを用いて行った。その結果を図
7に示す。β-アミロイドの添加によってカスパーゼ−
3の活性は向上するが、cAMP誘導体の添加によってこの
作用は著しく減弱化された。また、神経ペプチドPACAP
の添加によっても完全ではないが約50%の抑制効果を示
した。この結果によって、神経ペプチドのカスパーゼ系
への作用がβ-アミロイドに対する神経毒性低下作用に
大きく関与している可能性が示唆された。ただし、この
抑制作用は完全ではなかったことを考慮すれば、他の作
用機序も関与している可能性が考えられる。
【0058】
【発明の効果】本発明の神経毒性低下剤は、NO過剰産生
に起因する細胞毒性及びβ-アミロイドの蓄積に起因す
る細胞毒性を低下させることができ、神経変性疾患等の
治療及び/又は予防に有効である。
に起因する細胞毒性及びβ-アミロイドの蓄積に起因す
る細胞毒性を低下させることができ、神経変性疾患等の
治療及び/又は予防に有効である。
【0059】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> ITOHAM FOODS INC.
<120> Pharmaceutical composition having neurotoxicity-reducing action
<130> P01-0945
<160> 32
<170> PatentIn Ver. 2.1
<210> 1
<211> 27
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 4
<223> Xaa represents Ala or Gly
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 5
<223> Xaa represents Ile or Val
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 9
<223> Xaa represents Asn or Ser
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 11
<223> Xaa represents Thr or Ser
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 13
<223> Xaa represents Leu or Tyr
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 15
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 17
<223> Xaa represents Met or Leu or nLeu
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 20
<223> Xaa represents Lys or Arg or Gln
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 21
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 24
<223> Xaa represents Asn or Ala
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 25
<223> Xaa represents Ser or Ala
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 26
<223> Xaa represents Ile or Val
<400> 1
His Ser Asp Xaa Xaa Phe Thr Asp Xaa Tyr Xaa Arg Xaa Arg Xaa Gln
1 5 10 15
Xaa Ala Val Xaa Xaa Tyr Leu Xaa Xaa Xaa Leu
20 25
<210> 2
<211> 2
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 2
Gly Lys
1
<210> 3
<211> 2
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 3
Gly Arg
1
<210> 4
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 4
Gly Lys Arg
1
<210> 5
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 5
Gly Arg Arg
1
<210> 6
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 6
Asn Gly Lys
1
<210> 7
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 7
Asn Gly Arg
1
<210> 8
<211> 4
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 8
Asn Gly Lys Arg
1
<210> 9
<211> 4
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 9
Asn Gly Arg Arg
1
<210> 10
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 2
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 3
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 5
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 7
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 9
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 11
<223> Xaa represents Lys or Arg
<400> 10
Gly Xaa Xaa Tyr Xaa Gln Xaa Val Xaa Asn Xaa
1 5 10
<210> 11
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequnece
<220>
<223> Synthetic Peptide
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 3
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 4
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 6
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 8
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 10
<223> Xaa represents Lys or Arg
<220>
<221> PEPTIDE
<222> 12
<223> Xaa represents Lys or Arg
<400> 11
Asn Gly Xaa Xaa Tyr Xaa Gln Xaa Val Xaa Asn Xaa
1 5 10
<210> 12
<211> 38
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 12
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Lys Arg Tyr Lys
20 25 30
Gln Arg Val Lys Asn Lys
35
<210> 13
<211> 27
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 13
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu Ala Ala Val Leu
20 25
<210> 14
<211> 28
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 14
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn
20 25
<210> 15
<211> 38
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 15
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln
1 5 10 15
Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Arg Arg Tyr Arg
20 25 30
Gln Arg Val Arg Asn Arg
35
<210> 16
<211> 38
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 16
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Gln Lys Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Arg Arg Tyr Arg
20 25 30
Gln Arg Val Arg Asn Lys
35
<210> 17
<211> 27
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 17
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln
1 5 10 15
Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu
20 25
<210> 18
<211> 27
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 18
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu Ala Ala Val Leu
20 25
<210> 19
<211> 27
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 19
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Ser Arg Tyr Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu Ala Ala Val Leu
20 25
<210> 20
<211> 28
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 20
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn
20 25
<210> 21
<211> 28
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 21
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Thr Arg Leu Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn
20 25
<210> 22
<211> 30
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 22
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln
1 5 10 15
Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Lys
20 25 30
<210> 23
<211> 31
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 23
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln
1 5 10 15
Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Lys Arg
20 25 30
<210> 24
<211> 31
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 24
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln
1 5 10 15
Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Arg Arg
20 25 30
<210> 25
<211> 30
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 25
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln
1 5 10 15
Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Arg Arg
20 25 30
<210> 26
<211> 29
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 26
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln
1 5 10 15
Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Lys
20 25
<210> 27
<211> 30
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 27
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln
1 5 10 15
Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Lys Arg
20 25 30
<210> 28
<211> 30
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 28
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln
1 5 10 15
Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Arg Arg
20 25 30
<210> 29
<211> 38
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 29
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln
1 5 10 15
Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Arg Arg Tyr Arg
20 25 30
Gln Arg Val Arg Asn Arg
35
<210> 30
<211> 23
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 30
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu
20
<210> 31
<211> 23
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 31
His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu
20
<210> 32
<211> 44
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Peptide
<400> 11
His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Lys Gln
1 5 10 15
Met Ala Val Lys Lys Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Lys Arg Tyr Lys
20 25 30
Pro Lys Arg Arg Asn Ser Gly Arg Arg Val Phe Tyr
35 40
【0060】
【配列表フリーテキスト】配列番号1:XaaはAla又はGl
yを表す(存在位置:4) 配列番号1:XaaはIle又はValを表す(存在位置:5) 配列番号1:XaaはAsn又はSerを表す(存在位置:9) 配列番号1:XaaはThr又はSerを表す(存在位置:11) 配列番号1:XaaはLeu又はTyrを表す(存在位置:13) 配列番号1:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:15) 配列番号1:XaaはMet又はLeu又はnLeuを表す(存在位
置:17) 配列番号1:XaaはLys又はArg又はGlnを表す(存在位
置:20) 配列番号1:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:21) 配列番号1:XaaはAsn又はAlaを表す(存在位置:24) 配列番号1:XaaはSer又はAlaを表す(存在位置:25) 配列番号1:XaaはIle又はValを表す(存在位置:26) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:2) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:3) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:5) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:7) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:9) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:11) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:3) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:4) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:6) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:8) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:10) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:12)
yを表す(存在位置:4) 配列番号1:XaaはIle又はValを表す(存在位置:5) 配列番号1:XaaはAsn又はSerを表す(存在位置:9) 配列番号1:XaaはThr又はSerを表す(存在位置:11) 配列番号1:XaaはLeu又はTyrを表す(存在位置:13) 配列番号1:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:15) 配列番号1:XaaはMet又はLeu又はnLeuを表す(存在位
置:17) 配列番号1:XaaはLys又はArg又はGlnを表す(存在位
置:20) 配列番号1:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:21) 配列番号1:XaaはAsn又はAlaを表す(存在位置:24) 配列番号1:XaaはSer又はAlaを表す(存在位置:25) 配列番号1:XaaはIle又はValを表す(存在位置:26) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:2) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:3) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:5) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:7) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:9) 配列番号10:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:11) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:3) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:4) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:6) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:8) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:10) 配列番号11:XaaはLys又はArgを表す(存在位置:12)
【図1】神経ペプチド類によるnNOS活性抑制作用を示す
図である。
図である。
【図2】グルタミン酸によるNO産生と各種神経ペプチド
による細胞毒性抑制を示す図である。
による細胞毒性抑制を示す図である。
【図3】細胞死を及ぼすβ-アミロイドの影響を示す図
である。
である。
【図4】神経ペプチドのβ-アミロイドに対する神経毒
性低下作用の程度を示す図である。
性低下作用の程度を示す図である。
【図5】神経ペプチドPACAP27、VIP、humanin、細胞透
過性cAMP誘導体による神経毒性低下作用を示す図であ
る。
過性cAMP誘導体による神経毒性低下作用を示す図であ
る。
【図6】神経ペプチド類の濃度と神経毒性低下作用との
関係を示す図である。
関係を示す図である。
【図7】β-アミロイドによるカスパーゼ-3活性化作用
と神経ペプチドによるその抑制効果を示す図である。
と神経ペプチドによるその抑制効果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 25/16 A61P 25/28
25/28 39/02
39/02 43/00 111
43/00 111 C07K 14/00 ZNA
// C07K 14/00 ZNA A61K 37/24
Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA19
CA59 DB03 DB37 NA14 ZA15
ZA16 ZA36 ZA54 ZC03 ZC04
ZC19 ZC41
4H045 AA10 AA30 BA09 BA17 BA18
BA19 EA21 FA20 FA33
Claims (7)
- 【請求項1】 下記式(I): His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gln-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Le u-K-L-M-Leu-N (I) (式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F及びJ は、それぞれ Lys 又は Argを示
し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、F、I 及び J の
少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 Leu 又は nLeu ;
K は、Asn 又は Ala ; L は、Ser 又は Ala; M は、Il
e 又は Val ; N は、-NH2 又は Asn-NH2を示す。)で示
されるペプチドのうち、N末端より少なくとも23残基か
らなるペプチド又はその薬学的に許容される塩を有効成
分として含有する、神経毒性低下剤。 - 【請求項2】 下記式(II): His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gln-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Le u-K-L-M-Leu-P-Gly-Q-R (II) (式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F及びJ は、それぞれ Lys 又は Argを示
し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、F、I 及び J の
少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 Leu 又は nLeu ;
K は、Asn 又は Ala ; L は、Ser 又は Ala; M は、Il
e 又は Val ; P は、Asn 又は化学結合; Q は、Lys、 A
rg、 Lys-Arg、 Arg-Arg 又は化学結合; R は、-OH 又
は -NH2 を示す。)で示されるペプチド又はその薬学的
に許容される塩を有効成分として含有する、神経毒性低
下剤。 - 【請求項3】 下記式 (III): His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-Asp-C-Tyr-D-Arg-E-Arg-F-Gln-G-Ala-Val-I-J-Tyr-Le u-K-L-M-Leu-N-Gly-O-P-Tyr-Q-Gln-R-Val-S-Asn-T-U (III) (式中、A は、Ala 又は Gly ; B は、Ile 又は Val ; C
は、Asn 又は Ser ; Dは、Thr 又は Ser ; E は、Leu
又は Tyr ; F、J、O、P、Q、R、S、T は、それぞれ Lys
又は Arg を示し、IはLys 、Arg 又はGln を示すが、
F、I 及び J の少なくとも一つは Arg ; G は、Met、 L
eu 又は nLeu ; K は、Asn 又は Ala ;L は、Ser 又は
Ala ; M は、Ile 又は Val ; N は、化学結合又は Asn
; U は-OH 又は -NH2 を示す。)で示されるペプチド
又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有す
る、神経毒性低下剤。 - 【請求項4】 過剰に産生された一酸化窒素に起因する
疾病の治療薬である、請求項1、2または3記載の剤。 - 【請求項5】 β-アミロイドの蓄積に起因する疾病の
治療薬である、請求項項1、2または3記載の剤。 - 【請求項6】 疾病が脳血栓虚血、筋萎縮性側索硬化
症、アルツハイマー病、パーキンソン病又はハンチント
ン病である、請求項5記載の剤。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の剤
を含んでなる医薬組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001386706A JP2003073301A (ja) | 2001-06-22 | 2001-12-19 | 神経毒性低下剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-189446 | 2001-06-22 | ||
JP2001189446 | 2001-06-22 | ||
JP2001386706A JP2003073301A (ja) | 2001-06-22 | 2001-12-19 | 神経毒性低下剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003073301A true JP2003073301A (ja) | 2003-03-12 |
Family
ID=26617406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001386706A Pending JP2003073301A (ja) | 2001-06-22 | 2001-12-19 | 神経毒性低下剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003073301A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004048401A1 (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-10 | Itoham Foods Inc. | ペプチド及びこれを含む医薬組成物 |
-
2001
- 2001-12-19 JP JP2001386706A patent/JP2003073301A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004048401A1 (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-10 | Itoham Foods Inc. | ペプチド及びこれを含む医薬組成物 |
US7332473B2 (en) | 2002-11-27 | 2008-02-19 | Itoham Foods Inc. | Peptides and medicinal compositions containing the same |
AU2003284428B2 (en) * | 2002-11-27 | 2010-08-26 | Ils Inc. | Peptides and medicinal compositions containing the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102351313B1 (ko) | Gip/glp1 공효능제 화합물 | |
US5604203A (en) | Analogs of peptide YY and uses thereof | |
EP2694095B1 (en) | Compositions comprising glucagon analogs and methods of making and using the same | |
RU2430107C2 (ru) | Производные метастина и их применение | |
EP3046573B1 (en) | Amylin analogues | |
US20070244041A1 (en) | Peptide Yy Analogues | |
CN110099692A (zh) | 作为神经肽y受体调节剂的环状肽酪氨酸酪氨酸化合物 | |
CN1469884A (zh) | 尾加压素-ⅱ激动剂和拮抗剂 | |
JPH11501281A (ja) | 神経ペプチドyアンタゴニスト及びアゴニスト | |
NZ757113A (en) | Improved peptide pharmaceuticals for insulin resistance | |
JP2023071869A (ja) | グルカゴンおよびglp-1受容体の長時間作用型コアゴニスト | |
JPH06503090A (ja) | ノナペプチドのボンベシン拮抗薬 | |
JP2012507487A (ja) | 神経ペプチド2受容体(y−2r)アゴニスト及びその使用 | |
WO1998020885A1 (en) | Analogs of peptide yy and uses thereof | |
US7094755B2 (en) | Vasoactive intestinal peptide analogs | |
US20070287665A1 (en) | Urotensin-II agonists and antagonists | |
JPH08510260A (ja) | Lhrh拮抗剤 | |
EP2252314B1 (en) | Leptin agonist and methods of use | |
JP2003073301A (ja) | 神経毒性低下剤 | |
JPWO2003051387A1 (ja) | コンフォメーション病の治療及び/又は予防剤 | |
JP2001226284A (ja) | 神経突起誘発剤 | |
US20230203107A1 (en) | Peptide for treating sepsis derived from rv3364c protein of mycobacterium tuberculosis | |
AU2005202153B2 (en) | Urotensin-II agonists | |
RU2779314C2 (ru) | Коагонисты рецепторов глюкагона и glp-1 длительного действия | |
JP3042782B2 (ja) | 心房性ナトリウム尿排泄亢進ペプチド類似化合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060822 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070206 |