JP2003068039A - 光磁気記録再生装置 - Google Patents

光磁気記録再生装置

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JP2003068039A
JP2003068039A JP2001253695A JP2001253695A JP2003068039A JP 2003068039 A JP2003068039 A JP 2003068039A JP 2001253695 A JP2001253695 A JP 2001253695A JP 2001253695 A JP2001253695 A JP 2001253695A JP 2003068039 A JP2003068039 A JP 2003068039A
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magnetic head
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magneto
disc
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JP2001253695A
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Masao Tahira
理雄 田平
Tomoyuki Miyake
知之 三宅
Seiichi Nagatome
誠一 永留
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクの外周側に向かうほどディスクへの
押圧を低減させることにより、ディスクチルトを抑制す
ることができ、かつ、ディスクの内周側でも磁気ヘッド
スライダがディスクの面振れ加速度の増加や外部から加
わる加速度に対して追従することができる光磁気記録再
生装置を提供する。 【解決手段】 傾斜部15aを有する当接支持部材15
と、当接部5aを有するヘッドアーム5とを備えてい
る。磁気ヘッドスライダ4の磁気ヘッドロード時には、
当接部5aは当接支持部材15と接触摺動する。傾斜部
15aは、当接支持部材15と当接部5aとが接触する
接触位置からディスク10までの距離はディスク10の
外周側にむかって長くなるように配されている。磁気ヘ
ッドスライダ4ののディスク10に対する押圧荷重は、
ディスク10の外周側にむかって小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドを有
し、記録再生可能な光磁気ディスクに対して情報信号の
記録、再生を行うための光磁気記録再生装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクは、書き換え可能、リム
ーバブルという利点を持つ大容量のディスクとして注目
されており、近年特に磁気変調方式を用いたMD(ミニ
ディスク)の普及がめざましい。
【0003】一般に、このような光磁気ディスクは、図
10に示すように、PC(ポリカーボネート)などから
なる基板100上に、保護膜101、光磁気記録層10
2、保護膜103、反射膜104および樹脂保護膜10
5が形成されている。保護膜100・103はAlN
(窒化アルミニウム)からなり、また、反射膜104は
Al(アルミニウム)などからなる。樹脂保護膜105
は紫外線硬化樹脂からなる。
【0004】また、MDの場合、情報の記録・再生に接
触摺動型の磁気ヘッドを用いるため、樹脂保護膜105
上には、さらに、シリコンオイルなどからなる潤滑性の
高い潤滑膜106が形成されている。
【0005】一方、図11に示すように、現在一般的に
多く用いられており、光磁気ディスクに対して情報の記
録・再生を行う摺動型の磁気ヘッド115は、エナメル
または磁性メッキを施した、径が50〜100μmの線
状の導電性材料からなるコイル111を、ボビン112
に巻回し、E字型のフェライトコア113の中心磁極1
13aに取り付けて形成されたものである。
【0006】このような磁気ヘッド115は、光磁気デ
ィスクに直接接触する摺動部114aを有するスライダ
114に一体的に取り付けられ、磁気ヘッドスライダ1
10を構成する。摺動部114aは、摺動性の高い材料
からなる。
【0007】ここで、磁気ヘッド115による発生磁界
は、特性として磁気ヘッド115と光磁気ディスクとの
距離に大きく依存している。その距離が離れているほ
ど、光磁気ディスク上に所定の磁界を発生させるため
に、磁気ヘッド115に大きな電流を流す必要がある。
その結果、磁気ヘッド115の磁界発生効率が低下し、
また、発熱により磁気ヘッド115が破損する虞れがあ
る。このため、光磁気ディスクと磁気ヘッド115との
距離をできるだけ小さくする必要がある。
【0008】また、スライダ114において、摺動部1
14aを有する部分の高さと、摺動部114aを有さな
い部分の高さには、図11に示すように、段差hがあ
る。この段差hは、通常、20〜100μmとなってい
る。
【0009】このような摺動部114aを有することに
より、光磁気ディスクには、摺動部114aのみが接触
することとなる。従って、磁気ヘッド115が光磁気デ
ィスクの潤滑膜(図10中では潤滑膜106)に接触す
ることを防止することができる。また、摺動部114a
と潤滑膜とを接触させることにより、複雑な機構を伴う
ことなく、光磁気ディスクと磁気ヘッド115との距離
を、小さく、一定に保持することができる。
【0010】上記摺動部114aは、低摩擦係数の材料
により、金型を用いて形成される。摺動部114aの材
料としては、例えば、ポリアリレートやナイロン、ポリ
エステルなどの高分子材料の他に、セラミックなどが挙
げられる。なお、摺動部114aを他の材料で形成した
場合、光磁気ディスク上において、磁気ヘッドスライダ
110と光磁気ディスクとが接触する部分に、テープ状
の低摩擦係数の材料を貼っても同様の効果が得られる。
【0011】上記のような光磁気ディスクに磁界変調方
式で情報の記録・再生を行う光磁気記録再生装置を図1
2(a)(b)に示す。図12(a)(b)に示す光磁
気記録再生装置には、図11で示す磁気ヘッドスライダ
110が用いられている。
【0012】光磁気記録再生装置においては図12
(b)に示すように、ディスクカートリッジ125に収
納された光磁気ディスク120(以下ディスク120と
称する)を間において、ディスク120下面には対物レ
ンズ131を有し、ディスク120にレーザ光を照射す
る光ピックアップ130を配置し、ディスク120上面
には磁気ヘッドスライダ110を配置する。光ピックア
ップ130は、ガイド軸133の軸方向に動くことによ
り、ディスク120の記録領域での移動を行う。
【0013】磁気ヘッドスライダ110は、光ピックア
ップ130と略コの字型の磁気ヘッドアーム123を介
して連結され、光ピックアップ130の動きと連動し
て、レーザスポット位置に合わせてディスク120の面
に沿って移動する。磁気ヘッドスライダ110における
磁気ヘッド115(図11参照)の磁界発生方向を記録
信号に合わせて反転させることにより、ディスク120
上に信号を記録していく。
【0014】光ピックアップ130には、ディスク12
0の記録層の記録再生位置に対する、レーザスポットの
位置の追従、および、ディスク面に対するレーザ焦点深
度の追従を行うために、対物レンズ131を移動させる
アクチュエータが配設されている。
【0015】さらに磁気ヘッドスライダ110は、図1
2(a)に示すように、ディスク120の面振れ、ディ
スク120上のごみ及びうねり等に追従して移動するた
めに、通常厚さ30〜100μmの薄金属からなるサス
ペンション121により、3〜10mNの予圧がかけら
れた状態でディスク120と接触摺動可能に設けられて
いる。またこのサスペンション121の一端は磁気ヘッ
ド取り付け部122により固定支持されている。
【0016】上記光磁気記録再生装置が携帯機器として
用いられる場合には、外部から加わる磁気ヘッドスライ
ダ110への加速度の値を想定し、予圧の値を決定す
る。例えば、磁気ヘッドスライダ110の質量が30m
gで、外部から加えられた加速度を10Gと想定した場
合、予圧は3mNと設定される。
【0017】以上のように、磁気ヘッドスライダ110
がディスク120の面振れなどに追従できるように、サ
スペンションに121より磁気ヘッドスライダ110か
らディスク120に予圧がかけられているため、ディス
ク120を撓ませる力(以下、磁気ヘッド荷重と称す
る)が作用する。MDにおいては、磁気ヘッド荷重によ
って生じるディスクの撓みによる記録再生信号への悪影
響はほとんどない。
【0018】ところが、近年、ディスクの高密度化の要
請に伴って、記録媒体として、磁気的超解像記録媒体が
用いられるようになった。この磁気的超解像記録媒体
は、図10に示すディスクの光磁気記録層102におけ
るレーザ光入射側に、さらに、GdFeCoからなる垂
直異方性を有する再生層が配されている。
【0019】再生層は、室温では面内磁化を有するが、
レーザ光が照射されることによりスポット中心部で温度
が100〜200℃になると垂直磁化となる。このた
め、レーザスポット内の温度分布で最も温度が高くなる
スポット中心付近にのみ光磁気記録層102の垂直磁化
が転写される。これにより、レーザ光の反射光は、極カ
ー効果を生じる。一方、レーザスポット内のスポット中
心以外は、温度が低いため、面内磁化のままであり、光
磁気記録層102の垂直磁化が転写されない。
【0020】このため、反射光の偏光面が回転するの
は、スポット中心部のみの垂直磁界となり、その周りに
は、光磁気記録層102からの垂直磁化を遮るマスクの
はたらきをし、その結果として、レーザ光のスポット径
以下の記録マークを再生することができる。
【0021】しかしながら、磁気的超解像記録媒体を用
いる場合でも、より高記録密度化を図るために、レーザ
光のスポット径の大きさを小さくしていく。このため、
対物レンズの開口数NAを大きくする場合、焦点深度が
小さくなり、対物レンズと光磁気記録層102との距離
を小さくする。これにより、基板100を薄くする必要
がある。しかしながら、基板100が薄くなることによ
り、磁気ヘッドスライダのディスクへの押圧によりディ
スクの撓みが生じ、ディスクチルトが大きくなる。従っ
て、記録再生時において、ディスク120でのレーザス
ポットの焦点位置が、ディスク120のトラック溝の中
心位置からオフセットを生じる。その結果、光の強度が
劣化し、信号のエラーが増大し、記録再生信号の品質が
低下する。
【0022】このような、ディスクチルトを抑制するた
めに、特開平10−302386号公報には、チルト抑
制部材を配置する光学ディスク装置が記載されている。
この光学ディスク装置は、磁気ヘッドスライダと対峙す
る側に配置された光ピックアップ装置上に片持ち板バネ
を支持し、その板バネ先端に、もうひとつのスライダ部
を設け、そのスライダがディスクと接触することによ
り、ディスクが傾かないように支持する。これにより、
磁気ヘッド荷重によるディスクチルトを抑制することが
できる。
【0023】また、特開平10−269641号公報に
は、ディスクチルトを小さくするために、ディスク厚や
ディスク半径を用いて、ディスクチルトが許容値以内に
なるように磁気ヘッド荷重を設定するヘッド装置が記載
されている。このヘッド装置においては、磁気ヘッド荷
重によるディスクチルトの最大値(ディスク外周端での
ディスクチルト量)と、記録再生が可能であるディスク
チルトの許容量とにより、磁気ヘッド荷重を決定する。
これにより、磁気ヘッド荷重によるディスクチルトによ
る信号品質の劣化を抑制することができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−302386号公報に記載の構成によれば、
板ばねやスライダなどをさらに配設するため、光学ディ
スク装置(光磁気記録再生装置)の機構が煩雑となる。
また、ディスクにおけるレーザ光入射側の面にスライダ
が接触摺動するため、ディスクの面振れにより振動が光
ピックアップ装置に直接伝わり、対物レンズのアクチュ
エータの動作に悪影響を及ぼす。
【0025】また、スライダの接触摺動がディスクのレ
ーザ入射面に傷を付けやすく、その結果、記録再生信号
への悪影響を及ぼす。また、ディスクへの接触摺動部材
の増加は、光ピックアップ装置の送りモータへの負荷の
増大やディスクを回転させるスピンドルモータへの負荷
の増大となる。さらに、製造コストの増大を招来する。
【0026】ところで、ディスクの回転方式には、光ピ
ックアップ装置からのレーザ照射位置がディスク半径位
置にかかわらず回転角速度が一定であるCAV(Consta
nt Angular Velocity )方式と、レーザ照射位置がディ
スク外周位置に向かうほど回転速度が小さくなり、レー
ザ照射位置とディスクとの相対線速度が一定であるCL
V(Constant Linear Velocity)方式とがある。
【0027】CAV方式では、ディスクを回転させるス
ピンドルモータを動的に制御する必要はないが、ディス
クの記録密度のマージンが外周部分で冗長となる。
【0028】一方、CLV方式では、外周部分でも記録
密度を大きくしディスクの大容量化を図ることができる
ため、近年では、ディスクの回転方式として、このCL
V方式が採用される場合が多い。
【0029】また、以下に、ディスクの面振れ加速度に
ついて説明する。
【0030】ディスクの傾きには、ディスク回転時でも
一定である不変成分と、ディスクの回転により変化する
変動成分とに分けられる。不変成分は主に、光ピックア
ップ装置の送り方向を案内するガイド軸の垂直方向に対
するスピンドルモータの回転軸の機械公差により生じる
傾きであり、変動成分は主に、光ピックアップ装置の送
り方向を案内するガイド軸の垂直方向に対するターンテ
ーブルの振れ角である。ディスクの面振れ加速度は、変
動成分により発生する。
【0031】CLV方式の場合、回転線速度vは一定で
あるため、回転角速度ωとディスクにおける光ピックア
ップのレーザ光照射位置r1との関係は、ω=v/r1
となる。また、磁気ヘッドスライダのディスクへの押圧
によるチルトは、磁気ヘッドスライダのある径方向では
略一定であるため、該径方向半径位置r2でのディスク
の面振れの振幅Aと半径位置r2との関係は、ターンテ
ーブル接触面の半径をr3とした場合、A∝(r2−r
3)となる。
【0032】このため、半径位置r2での面振れ加速度
αは、α=A×ω×ω∝(r2−r3)/(r1×r
1)となる。チルト量が問題となる半径位置はレーザ光
照射位置であるので、r2=r1のときのみ考慮すれば
よい。このため、面振れ加速度αは、α∝(r1−r
3)/(r1×r1)=1/r1−r3/(r1×r
1)である。前述の式において、第2項が第1項に比べ
て小さい場合(ディスクの記録領域の最内周付近を除い
た領域)では、ディスクの面振れ加速度αは、レーザ光
照射位置r1に反比例する。従って、CLV方式の場
合、面振れ加速度αは、ディスク内周側(最内周を除
く)で大きいこととなる。
【0033】一方、特開平10−302386号公報に
記載の構成によれば、磁気ヘッド荷重を、ディスクチル
トが最大となるところの値から、バネ定数を決定してい
るので、外部からの加速度によるスライダに加わる力が
バネ荷重を超過する場合がある。
【0034】即ち、磁気ヘッド荷重をディスクチルトが
最大となるところは、ディスクの外周端である。CLV
方式の場合、面振れ加速度は、ディスク内周側で大きい
ため、磁気ヘッドが最外周端でのチルトを許容値以内に
するように磁気ヘッド荷重を設定する方法では、磁気ヘ
ッド内周位置で面振れ加速度に追従できなくなる虞れが
ある。
【0035】また、携帯機器には外部加速度が加わる。
このため、磁気ヘッドスライダの押圧のかかる方向とは
反対の方向に外部加速度が加わった場合、磁気ヘッドス
ライダがディスク面と接触状態を保てなくなり、記録信
号のエラーが増大する虞れがある。
【0036】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、ディスクの外周側に向か
うほどディスクへの押圧を低減させることにより、ディ
スクチルトを抑制することができ、かつ、ディスクの内
周側でも磁気ヘッドスライダがディスクの面振れ加速度
の増加や外部から加わる加速度に対して追従することが
できる光磁気記録再生装置を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録再生
装置は、上記の課題を解決するために、光源と、該光源
から出射されたレーザ光をディスクに集束して照射する
集光手段と、該集光手段とディスクを挟んで対向し、該
ディスクに磁界を付与する磁気ヘッドと、該磁気ヘッド
が磁界付与位置にあるときディスクに対して押圧するよ
うに構成されたスライダと、磁気ヘッドおよびスライダ
を弾性部材を介して回動自在に支持する磁気ヘッド支持
部材と、ディスクを回転させるディスク回転機構とを備
えた光磁気記録再生装置において、ディスクにおけるス
ライダの押圧位置がディスクの外周側になるほど、スラ
イダのディスクに対する押圧荷重が小さくなるように制
御されていることを特徴としている。
【0038】一般に、ディスクの大容量化に対応できる
ように、ディスクの高密度化を図るとき、レーザ光のス
ポット径を小さくする。このような場合、レーザ光の焦
点深度は小さくなるため、ディスクを薄くすることとな
る。
【0039】このような薄いディスクに磁界を付与する
際、弾性部材によりかけられるスライダのディスクに対
する押圧や、ディスク回転機構からの回転力によって、
ディスクには撓みが生じ、ディスクチルトが発生する。
特に、ディスクの外周端付近では、大きなディスクチル
トが発生することとなる。
【0040】また、ディスク回転時におけるディスク回
転機構の振れ、例えば、ディスク回転機構がスピンドル
モータとターンテーブルとを備えている場合、スピンド
ルモータの回転に対するターンテーブルの振れ角によ
り、ディスクには面振れが生じる。この面振れの際の加
速度(面振れ加速度)は、ディスクの中心からの距離に
略反比例する。即ち、面振れ加速度はディスク内周側で
大きいこととなる。
【0041】このように面振れ加速度が大きい場合、ス
ライダとディスクとが安定した押圧状態を保持できなく
なる虞れがある。スライダとディスクとが安定した押圧
状態(例えば、接触状態)を保持できない場合、磁気ヘ
ッドとディスクとの距離が不安定となり、安定して磁界
付与を行うことができなくなる。
【0042】しかしながら、上記の構成によれば、集光
手段の位置がディスクの内周側にあるときには、スライ
ダのディスクへの押圧を大きくすることで磁気ヘッドを
ディスクに追従させることができる。
【0043】また、ディスクの内周側におけるスライダ
のディスクに対する押圧荷重を、スライダがディスクに
追従できるように大きく設定したとしても、ディスクに
おけるスライダの押圧位置がディスクの外周側になるほ
ど、スライダのディスクに対する押圧荷重が小さくなる
ように制御されていることにより、集光手段の位置がデ
ィスクの外周側にあるときに、スライダのディスクに対
する押圧荷重を小さくすることができ、ディスクチルト
の低減を図ることができる。
【0044】従って、光磁気記録再生装置自身に、衝
撃、衝突のような外部からの大きな加速度が加わった場
合でも、スライダとディスクとが安定した押圧状態を保
持できる範囲を、記録領域内(集光手段から出射される
レーザ光に対応して磁気ヘッドが磁界を付与する範囲)
の広い範囲で確保することができる。
【0045】これにより、ディスクが薄い場合でも、外
部からの衝撃に対して、スライダとディスクとが安定し
た押圧状態を保持することができる。即ち、スライダ
(これにより、磁気ヘッド)が、外部から加わる加速度
に対して追従することができる。従って、ディスクの薄
型化を図ることができ、その結果、ディスクの大容量化
のための高密度化が可能になる。
【0046】また、ディスクの面振れ加速度に対するス
ライダの追従性が向上するため、ディスクの回転速度を
大きくすることができる。従って、例えば、高品質動画
像データの記録再生に必要な信号の転送レートの増大が
可能になる。
【0047】本発明の光磁気記録再生装置は、上記の課
題を解決するために、光源と、該光源から出射されたレ
ーザ光をディスクに集束して照射する集光手段と、該集
光手段とディスクを挟んで対向し、該ディスクに磁界を
付与する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドが磁界付与位置に
あるときディスクに対して押圧するように構成されたス
ライダと、磁気ヘッドおよびスライダを弾性部材を介し
て回動自在に支持する磁気ヘッド支持部材と、上記ディ
スクを回転させるディスク回転機構とを備えた光磁気記
録再生装置において、ディスクに対する情報の記録また
は再生時に磁気ヘッド支持部材または弾性部材と接触摺
動する当接支持部材を備え、該当接支持部材は、当接支
持部材と磁気ヘッド支持部材または弾性部材とが接触す
る接触位置からディスクまでの距離が、ディスクにおけ
るスライダの押圧位置がディスクの外周側になるほど長
くなるように配されていることを特徴としている。
【0048】上記の構成によれば、当接支持部材が、当
接支持部材と磁気ヘッド支持部材または弾性部材とが接
触する接触位置からディスクまでの距離が、ディスクに
おけるスライダの押圧位置がディスクの外周側になるほ
ど長くなるように配されていることにより、ディスクの
内周側におけるスライダのディスクに対する押圧荷重
を、スライダがディスクに追従できるように大きく設定
したとしても、スライダのディスクに対する押圧荷重は
ディスクの外周側では小さくなり、ディスクチルトの低
減を図ることができる。
【0049】従って、光磁気記録再生装置自身に、衝
撃、衝突のような外部からの大きな加速度が加わった場
合でも、スライダとディスクとが安定した押圧状態を保
持できる範囲を、記録領域内の広い範囲で確保すること
ができる。
【0050】これにより、ディスクが薄い場合でも、外
部からの衝撃に対して、スライダとディスクとが安定し
た押圧状態を保持することができる。即ち、スライダが
(これにより、磁気ヘッドが)、外部から加わる加速度
に対して追従することができる。従って、ディスクの薄
型化を図ることができ、その結果、ディスクの大容量化
のための高密度化が可能になる。
【0051】また、ディスクの面振れ加速度に対するス
ライダの追従性が向上するため、ディスクの回転速度を
大きくすることができる。従って、例えば、高品質動画
像データの記録再生に必要な信号の転送レートの増大が
可能になる。
【0052】本発明の光磁気記録再生装置は、上記の課
題を解決するために、光源と、該光源から出射されたレ
ーザ光をディスクに集束して照射する集光手段と、該集
光手段とディスクを挟んで対向し、ディスクカートリッ
ジに収納されたディスクに磁界を付与する磁気ヘッド
と、該磁気ヘッドが磁界付与位置にあるときディスクに
対して押圧するように構成されたスライダと、磁気ヘッ
ドおよびスライダを磁界付与位置と上記ディスクカート
リッジを着脱可能にする退避位置との間で弾性部材を介
して回動自在に支持する磁気ヘッド支持部材と、ディス
クカートリッジを保持するカートリッジホルダと、ディ
スクを回転させるディスク回転機構とを備えた光磁気記
録再生装置において、傾きのある傾斜部を有し、磁気ヘ
ッド支持部材が磁気ヘッドを磁界付与位置に支持した状
態で、磁気ヘッド支持部材または弾性部材と接触摺動す
る当接支持部材を備え、傾斜部は、当接支持部材と磁気
ヘッド支持部材または弾性部材とが接触している接触位
置からディスクまでの距離が、ディスクにおけるスライ
ダの押圧位置がディスクの外周側になるほど長くなるよ
うに傾いていることを特徴としている。
【0053】上記の構成によれば、傾斜部を有すること
により、ディスクの内周側におけるスライダのディスク
に対する押圧荷重を、スライダがディスクに追従できる
ように大きく設定したとしても、スライダのディスクに
対する押圧荷重はディスクの外周側では小さくなり、デ
ィスクチルトの低減を図ることができる。
【0054】従って、光磁気記録再生装置自身に、衝
撃、衝突のような外部からの大きな加速度が加わった場
合でも、スライダとディスクとが安定した押圧状態を保
持できる範囲を、記録領域内の広い範囲で確保すること
ができる。
【0055】これにより、ディスクが薄い場合でも、外
部からの衝撃に対して、スライダとディスクとが安定し
た押圧状態を保持することができる。即ち、スライダが
(これにより、磁気ヘッドが)、外部から加わる加速度
に対して追従することができる。従って、ディスクの薄
型化を図ることができ、その結果、ディスクの大容量化
のための高密度化が可能になる。
【0056】また、ディスクの面振れ加速度に対するス
ライダの追従性が向上するため、ディスクの回転速度を
大きくすることができる。従って、例えば、高品質動画
像データの記録再生に必要な信号の転送レートの増大が
可能になる。
【0057】上記の光磁気記録再生装置は、当接支持部
材が、カートリッジホルダ上に配されていることが好ま
しい。
【0058】上記の構成によれば、当接支持部材を、例
えば、集光手段(例えば、光ピックアップ装置)や磁気
ヘッド支持機構などに取り付けるのではなく、カートリ
ッジホルダに取り付けることにより、簡単な構造とする
ことができる。また、ディスクの面振れによる反力が集
光手段に直接伝わることがない。このため、集光手段を
移動させる、例えばアクチュエータなどへの影響がな
い。また、ディスクを傷つけることもない。
【0059】上記の光磁気記録再生装置は、当接支持部
材が、カートリッジホルダと一体成形により形成されて
いることが好ましい。
【0060】上記の構成によれば、部品点数を削減する
ことができ、また、光磁気記録再生装置の製造工程にお
いて組立工程数を少なくすることができる。従って、コ
ストの削減を図ることができる。
【0061】上記の光磁気記録再生装置は、磁気ヘッド
およびスライダを磁界付与位置と退避位置との間で回動
させるリフタ部を備え、該リフタ部と当接支持部材と
は、一体成形により形成されていることが好ましい。
【0062】上記の構成によれば、部品点数を削減する
ことができ、また、光磁気記録再生装置の製造工程にお
いて組立工程数を少なくすることができる。従って、コ
ストの削減を図ることができる。
【0063】上記の光磁気記録再生装置は、当接支持部
材が、ディスクカートリッジと一体成形により形成され
ていることが好ましい。
【0064】上記の構成によれば、部品点数を削減する
ことができ、また、光磁気記録再生装置の製造工程にお
いて組立工程数を少なくすることができる。従って、コ
ストの削減を図ることができる。
【0065】上記の光磁気記録再生装置は、傾斜部が、
用いるディスクの厚さに対応するように、傾きを複数有
していることが好ましい。
【0066】上記の構成によれば、1つの光磁気記録再
生装置において、厚さの異なる複数のディスクを用いる
ことができる。
【0067】上記の光磁気記録再生装置は、当接支持部
材が、挿入されたディスクの厚さを検知する厚さ検知手
段を備えていることが好ましい。
【0068】上記の構成によれば、厚さ検知手段により
ディスクの厚さを検知できるので、1つの光磁気記録再
生装置において、厚さの異なる複数のディスクを用いる
ことができる。
【0069】上記の光磁気記録再生装置は、ディスクカ
ートリッジが、収納したディスクの厚さに対応した長さ
を有する溝部を備え、厚さ検知手段が、該溝部の長さを
検知することにより挿入されたディスクの厚さを検知す
ることが好ましい。
【0070】上記の構成によれば、簡単な構成で、ディ
スクの厚さを検知することができ、従って、1つの光磁
気記録再生装置において、厚さの異なる複数のディスク
を用いることができる。
【0071】上記の光磁気記録再生装置は、当接支持部
材における接触摺動範囲、および、当接支持部材と接触
している磁気ヘッド支持部材または弾性部材における接
触摺動範囲のうちの少なくとも一方の範囲に、摺動性を
有する摺動部材が配されていることが好ましい。
【0072】具体的には、摺動部材は、上記接触摺動範
囲にコーティングを施すことで形成されたり、接触摺動
範囲に摺動テープを貼付することで形成されることが好
ましい。
【0073】上記の構成によれば、当接支持部材と、磁
気ヘッド支持部材または弾性部材との摩擦係数を小さく
することができる。従って、集光手段の動作に伴い、磁
気ヘッド支持部材が移動する場合、当接支持部材と、磁
気ヘッド支持部材または弾性部材との摺動摩擦の低減を
図ることができる。
【0074】この結果、例えば、集光手段(例えば、光
ピックアップ装置)の送り負荷を低減することができ、
送り動作を安定して行うことができる。これにより、集
光手段の送りモータの消費電力の低減を図ることができ
る。
【0075】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図7 、図11に基づいて説明
すれば、以下の通りである。
【0076】図3(a)は、本実施の形態に係る光磁気
記録再生装置の概略の構成を示す説明図である。同図に
示すように、光磁気記録再生装置は、キャビネット3
5、磁気ヘッドスライダ4、磁気ヘッド支持機構37、
光ピックアップ装置(光源、集光手段)21、スピンド
ルモータ(ディスク回転機構)25、ターンテーブル
(ディスク回転機構)26およびカートリッジホルダ1
を備えており、開口部36a・36bを有するディスク
カートリッジ36内に収納されたディスク10に情報の
記録・再生を行う。
【0077】また、図1(a)は、上記光磁気記録再生
装置の要部の構成を示す斜視図であり、図1(b)は、
図1(a)に示す磁気ヘッド支持機構37の要部の構成
を示す説明図である。
【0078】光ピックアップ装置21は、ガイド軸23
の軸方向に動くことにより、ディスク10の記録領域で
の移動を行う。ここで、この光ピックアップ装置21の
移動方向をラジアル方向とし、ディスク面に平行な面に
おいて、ラジアル方向と垂直となる方向をタンジェンシ
ャル方向という(図1(a)参照)。
【0079】磁気ヘッド支持機構37は、光ピックアッ
プ装置21に固定されており、また、アングル2、サス
ペンション(弾性部材)3およびヘッドアーム(磁気ヘ
ッド支持部材)5を備えている。この磁気ヘッド支持機
構37により光ピックアップ装置21と磁気ヘッドスラ
イダ4(磁気ヘッド、スライダ)とは一体的に固定され
る。
【0080】磁気ヘッドスライダ4は、図11に示す磁
気ヘッドスライダ110と同様、磁気ヘッドと摺動部
(スライダ)とからなる。磁気ヘッドは、ディスク10
に磁界を付与するものである。また、摺動部は、磁気ヘ
ッドが磁界付与位置にあるときディスクと接触するよう
に配されている。
【0081】アングル2の一端は、光ピックアップ装置
21と隣接するように配されている。また、アングル2
は、光ピックアップ装置21側と反対側の端部が光ピッ
クアップ装置21の上面側に立ち上がるように側面部2
aを備えている。アングル2における光ピックアップ装
置21側と反対側の端部では、ヘッドアーム5の回動を
支持する回動支持部2b(図1(b)参照)が側面部2
aから突出している。回動支持部2bには、ヒンジ部6
が貫通している。
【0082】タンジェンシャル方向にのびるように配さ
れているヘッドアーム5には、弾性を有するサスペンシ
ョン3が接合部8において接合されている。サスペンシ
ョン3の形状は、略三角形の板状である。また、ヘッド
アーム5は、サスペンション3を介して、先端部に磁気
ヘッドスライダ4が取り付けられている。接合部8はP
OM(ポリアセタール)、または液晶ポリマーからな
る。接合部8は、例えば、ヘッドアーム5とサスペンシ
ョン3とのそれぞれに貫通穴を設け、その貫通穴を埋め
るように液晶ポリマーで覆うことによって形成される。
【0083】磁気ヘッドスライダ4はサスペンション3
の弾性撓みによりヘッドアーム5に対して上下方向に揺
動可能に支持されており、ディスク10の面振れに追従
する。即ち、ディスク10は、磁気ヘッドスライダ4が
ディスク10の面振れ、ディスク10上のごみ、および
こぶ等に追従して移動するために、サスペンション3に
より押圧された状態で回転する。
【0084】図1(b)に示すように、ヘッドアーム5
をディスク10(図1(a)参照)側に付勢するトーシ
ョンスプリング7は、アングル2のヒンジ部6に巻装さ
れており、その一端はアングル2の側面部2aに貫通し
て保持され、他端はヘッドアーム5のアングル2側の端
部に当接して保持されている。このトーションスプリン
グ7により、ヘッドアーム5は常時倒伏方向、即ちディ
スク10方向(図1(b)中矢印A方向)に弾性偏倚
(付勢)されている。これにより、図2(b)に示すよ
うに、磁気ヘッドスライダ4は光ピックアップ装置21
の対物レンズ(集光手段)22に対向した状態でディス
ク10に摺接するように支持される。
【0085】ここで、トーションスプリング7はSUS
304(オーステナイト系ステンレス鋼)からなり、バ
ネ定数は0.11Nmm/degとしている。また、ト
ーションスプリング7の許容角度は65°である。
【0086】また、ヘッドアーム5は、その下面の先端
に当接部5aを有する。当接部5aは、上半分のない半
球状であり、その径は0.5mmである。磁気ヘッドス
ライダ4がディスク10に摺接している状態において、
当接部5aは後述するカートリッジホルダ1上の当接支
持部材15(図1(a)参照)に対して摺動自在に当接
している。当接部5aを半球状とすることにより、ヘッ
ドアーム5とカートリッジホルダ1との取り付け角度を
厳密に合わせなくても接触状態が変わらないため、摺動
状態を安定にすることができる。
【0087】当接部5aがディスクカートリッジ36を
収納するカートリッジホルダ1上面の当接支持部材15
に接触することにより、その接触位置でヘッドアーム5
のトーションスプリング7による回動は停止し、また磁
気ヘッドスライダ4の高さ(上下)方向の位置決めも行
うことができる。従って、磁気ヘッドスライダ4とディ
スク10との間の高さ位置がずれにくく、磁気ヘッドス
ライダ4を精度良く位置決めできる。
【0088】さらに、図1(b)に示すように、ヘッド
アーム5は回動支点側端部の下面からほぼ垂直に延びる
ように当接レバー5bを有しており、当接レバー5bは
アングル2に近設されている。この当接レバー5bを有
することにより、トーションスプリング7からの力によ
って、図中矢印A方向にヘッドアーム5が必要以上に回
動しないように支えることができる。これにより、磁気
ヘッド支持機構37の組み込みの際における作業性を確
保することができる。
【0089】また、当接レバー5bと回動支持部2bと
はヒンジ部6により結合されており、アングル2にはヘ
ッドアーム5がヒンジ部6を中心として回動可能に軸支
されている。また、当接レバー5bはその先端部でアン
グル2に当接し、それ以外の部分でアングル2に当接し
ないよう、先端部以外は常にアングル2と隙間を持つよ
うな形状となっている。
【0090】ここで、当接部5aとヒンジ部6との距離
d1は65mmとし、接合部8とヒンジ部6との距離d
2は20mmとしている。また、サスペンション3の全
長(タンジェンシャル方向の長さ)は25mmとし、磁
気ヘッドスライダ4の重量は50mgとしている。
【0091】図3(a)に示すように、カートリッジホ
ルダ1は、例えば、薄板をコの字状に折り曲げ、カート
リッジ収納部を形成し、上面に磁気ヘッドスライダ4の
移動領域を確保するための開口部1aが設けられてい
る。開口部1aが開口部36a上に配されていることに
より、磁気ヘッドスライダ4はディスク10に摺接する
ことができる。
【0092】また、カートリッジホルダ1は、その下面
に、ディスク10をチャッキングしたり、光ピックアッ
プ装置21がレーザ光をディスク10に照射できるよう
に、開口部1bが設けられている。ディスク10がチャ
ッキングされて回転している際には、開口部1bは開口
部36b上に配されることとなる。
【0093】カートリッジホルダ1は回動支点1cを有
し、ディスク10に記録再生可能なディスク装填位置
(磁界付与位置)と、ディスクカートリッジ36の挿抜
を可能とするカートリッジ挿抜位置(退避位置)との間
を回動する。カートリッジホルダ1については後に詳述
する。
【0094】キャビネット35は、磁気ヘッド支持機構
37全体、カートリッジホルダ1、および、図示しない
回路基板などを覆うように設けられており、上部キャビ
ネット35aは回動支軸35cにより下部キャビネット
35bに対して回動可能に構成されている。
【0095】上部キャビネット35aと下部キャビネッ
ト35bとは、ディスクカートリッジ36挿入方向手前
側において図示しないロック機構を有している。上部キ
ャビネット35aを閉じることによりロック機構が働
き、また、図示しないロック解除レバーを操作すること
によりロック機構が解除され、上部キャビネット35a
と下部キャビネット35bとの間に設けられた図示しな
いバネのバネ力によって上部キャビネット35aは回動
する。
【0096】以下、ディスク10排出時(蓋開時)の動
作について、図3(a)(b)を用いて説明する。ここ
では、図3(a)は磁気ヘッドスライダ4が磁界付与位
置にあるとき(磁気ヘッドロード時)を示しており、図
3(b)は磁気ヘッドスライダ4が退避位置にあるとき
(磁気ヘッドアンロード時)を示している。
【0097】ここで、カートリッジホルダ1の上面に
は、ヘッドアーム5を回動させるためのリフタ(リフタ
部)11が配されている。リフタ11は回動支点13
(図1(a)参照)を中心として回動可能に構成されて
おり、ヘッドアーム5の下面に、ヘッドアーム5と隙間
を持って位置する。
【0098】まず、吊架アーム31・32が矢印B方向
に回動する(図3(a))。吊架アーム32が回動する
ことにより、リフタ11が持ち上げられ、ヘッドアーム
5がリフタ11と接触し、ヘッドアーム5はヒンジ部6
を中心として回動する。これに伴い、磁気ヘッドスライ
ダ4およびサスペンション3が持ち上げられる。
【0099】また、吊架アーム31が回動することによ
り、カートリッジホルダ1が持ち上げられ、吊架アーム
31とともにカートリッジホルダ1が回動支点1cを中
心として回動し、ディスク10を収納しているカートリ
ッジ1が排出される(図3(b))。
【0100】この時、磁気ヘッドスライダ4はカートリ
ッジホルダ1と間隔を置いた位置にあり、ディスクカー
トリッジ36排出の際の妨げとならない位置まで退避し
ている。また、ディスク10挿入動作は前述の排出動作
の逆の手順で達成される。
【0101】なお、ディスク10は、光学ディスクであ
ればよく、例えば、光ディスクや光磁気ディスクなど、
その種類は限定されるものではない。
【0102】また、当接支持部材15および当接部5a
を配する位置は、これら当接支持部材15と当接部5a
とが接触摺動するように配されていれば特に限定される
ものではない。例えば、当接部5aは、サスペンション
3上に配されていても、接合部8上に配されていてもか
まわない。
【0103】以下、ディスク10に情報の記録や消去を
行う際の動作について説明する。
【0104】まず、スピンドルモータ25に設けられた
ターンテーブル26に開口部1a・1bを有するディス
クカートリッジ36に収納されたディスク10をチャッ
キングする。
【0105】そして、ディスク10の一方の面に所定の
距離をおいて光ピックアップ装置21(図2(a)参
照)を配置し、ディスク10の他方の面上の光ピックア
ップ装置21に対向する位置に磁気ヘッドスライダ4を
配置する。このとき、光ピックアップ装置21と磁気ヘ
ッドスライダ4とは上述した磁気ヘッド支持機構37に
一体的に固定されている。
【0106】その後、図示しない送りモータにより、磁
気ヘッドスライダ4と光ピックアップ装置21とが一体
的に駆動され、磁気ヘッドスライダ4はディスク10に
接触した状態でディスク10の径方向に沿って開口部1
a内を移動し、光ピックアップ装置21はディスク10
の径方向に沿って開口部1b内を移動する。
【0107】このとき、ディスク10に対して、磁気ヘ
ッドスライダ4の磁気ヘッドから磁界が与えられるとと
もに、光ピックアップ装置21からレーザ光が照射され
ることにより、情報の記録や消去が行われる。
【0108】以下、カートリッジホルダ1およびその周
辺の構成、ディスク10に対する磁気ヘッドスライダ4
の押圧などについて説明する。
【0109】図1(a)に示すように、カートリッジホ
ルダ1上には、ラジアル方向にのびる当接支持部材15
がピン(突起状の固定部材)14によって取り付けられ
ている。当接支持部材15には、当接支持部材15上に
おいて当接部5aが接触摺動する部分のうちの少なくと
も一部に、傾きを有する傾斜部15aが設けられてい
る。
【0110】傾斜部15aの傾斜面上には、例えば、テ
フロン(登録商標)テープなどの摺動性の高い摺動部材
16が配されている。これにより、当接支持部材15と
当接部5aとの摩擦係数を小さくすることができる。例
えば、摺動部材16がテフロンテープの場合、摩擦係数
は1/3程度となる。
【0111】従って、光ピックアップ装置21のラジア
ル方向への動作に伴ってヘッドアーム5が移動する場
合、当接部5aと傾斜部15aとの摺動摩擦の低減を図
ることができる。この結果、光ピックアップ装置21の
送り負荷を低減することができ、これにより、光ピック
アップ装置21の送りモータの消費電力の低減を図るこ
とができる。
【0112】なお、摺動部材16としては、摺動性を有
するものであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)シートを貼
っても、TiN(窒化チタン)、DLC(Diamond Like
Carbon )、CrN(窒化クロム)などをコーティング
してもかまわない。
【0113】次に、磁気ヘッド荷重(磁気ヘッドスライ
ダ4がディスク10を撓ませる力)によるディスクチル
トの許容値について、検討する。
【0114】ここで、ディスク10として、ディスク径
64mm、基板厚0.6mm、基板材質ヤング率0.0
024MPa、最小記録マーク長0.235μmの超解
像記録媒体を用いるとする。また、ディスク10の回転
線速度を5m/秒、ディスク10に照射するレーザ光の
波長を650nm、ディスク10の開口数NAを0.6
とする。
【0115】このような場合のディスクチルトの許容値
(レーザ光軸の記録メディア面に対して発生する傾き
(垂直からの傾斜量))は、ビットエラーレートの許容
最大値が1×10-4以下であるとすると、±0.80°
となる。
【0116】一方、スピンドルモータ25はモータ軸の
傾き公差が±0.26°、ターンテーブル26の振れ角
は±0.1°となっている。また、対物レンズ22の光
軸傾き公差は±0.35°である。このようなモータ軸
の傾き公差、ターンテーブル26の振れ角および対物レ
ンズ22の光軸傾き公差の和は、±0.71°となり、
上記ディスクチルトの許容値から引算すると±0.09
°となる。
【0117】この±0.09°が、磁気ヘッド荷重によ
るディスクチルトの許容値となる。ここで、実際には、
磁気ヘッドスライダ4によるディスクチルトは一方向な
ので、予め、スピンドルモータ25の取付け角度を傾け
るなどしない場合、磁気ヘッド荷重によるディスクチル
トの許容値は0.09°となる。
【0118】次に、必要な磁気ヘッド荷重を算出する。
光ピックアップ装置21の送り方向を案内するガイド軸
23(図3(a)参照)の垂直方向に対するターンテー
ブル26の振れ角により、ディスク10に力が加わりデ
ィスク10に面振れが生じる。即ち、ディスク10に、
面振れ速度が加わることとなる。ここで、ディスク10
は、記録・再生時には回転しているため、磁気ヘッドス
ライダ4がディスク10の面振れ加速度や、ディスク1
0を回転させるためにディスク10に、衝撃、衝突など
の外部から加わる加速度(以下、外部加速度と称する)
に追従するためには、磁気ヘッド荷重が必要となる。
【0119】面振れ加速度は、ターンテーブル26の振
れ角から計算される。例えば、最大値となるディスク書
き込み領域最内周位置であるr=12mmのときでも面
振れ加速度は0.7Gである。ここで、r(mm)と
は、ディスク10の半径位置(ディスク10の中心から
の距離)のことをいう。このとき外部加速度は20Gに
想定しているため、この場合、外部加速度から磁気ヘッ
ド荷重を決定する。質量50mgのヘッドスライダが2
0Gの外部加速度に耐えうるに必要な磁気ヘッド荷重は
10mNとなる。
【0120】続いて、ディスク10の半径位置r(m
m)と、ディスク10の撓み量δ(μm)との関係につ
いてシミュレーションを行い、ディスクチルトθ(°)
について検討した。
【0121】図4は、ディスク10の半径位置r(m
m)を横軸とし、ディスク10の撓み量δ(μm)を縦
軸とし、それらの関係を示すグラフである。
【0122】図4におけるそれぞれの系列は、磁気ヘッ
ド荷重に相当する点荷重として、半径位置rが12mm
から32mmの間で5mmおき(r=12,17,2
2,27,32(mm))にそれぞれ10mNの点荷重
を設定した。
【0123】図4に示すように、磁気ヘッド荷重が加わ
る位置(磁気ヘッド荷重位置)がディスク10の外周側
にあるほど、ディスク10の撓み量が大きくなる。ま
た、磁気ヘッド荷重位置がディスク10の外周側にある
ほど、磁気ヘッド荷重位置でのディスク10の傾き(デ
ィスクチルト)が大きくなる。例えば、半径位置r=2
7mmで、ディスクチルトは許容値である0.09°を
超えることとなる。
【0124】ここで、半径位置r=27mmからディス
ク10のさらに外周側にむかって、磁気ヘッド荷重を低
減させるとする。例えば、ディスク10における記録領
域最外周端である半径位置r=32mmの位置での磁気
ヘッド荷重を6.5mNとする。これにより、光ピック
アップ装置21からディスク10へのレーザ照射位置で
のディスクチルトを、許容範囲である0.09°に低減
することができる。
【0125】また、以下に、上述した当接支持部材15
上を当接部5aが接触摺動するように磁気ヘッドスライ
ダ4を移動させた場合において、磁気ヘッド荷重が与え
るディスクチルトが許容値を超えない範囲となるときの
条件について図2(a)(b)に基づいて説明する。こ
こで、図2(a)(b)において、実線で描かれたヘッ
ドアーム5、磁気ヘッドスライダ4、サスペンション3
などは、それらが半径位置r=32mm(記録領域にお
ける最外周端)にある場合を示し、また、点線で描かれ
たヘッドアーム5、磁気ヘッドスライダ4、サスペンシ
ョン3などは、それらが半径位置r=27mmにある場
合を示す。
【0126】図2(a)に示すように、光ピックアップ
装置21とそれに連動する磁気ヘッドスライダ4とがラ
ジアル方向外周側に移動するとき、傾斜部15a上にお
いて、当接部5aが上方に移動する。この高さ方向にお
ける変化量(傾斜部15aの高さ変化量)をΔx1で示
す。このため、ヘッドアーム5がヒンジ部6で回動す
る。この結果、図2(b)に示すように、接合部8の高
さ位置が上方に持ち上げられることとなる。この高さ方
向の変化量(高さ変化量、サスペンション3の押し込み
量)をΔx2で示す。
【0127】このように、接合部8および当接部5aが
高さ方向において上方に移動することにより、サスペン
ション3のディスク10への押し込み量(サスペンショ
ン3のディスク10への押圧力)が減少し、従って、磁
気ヘッド荷重が減少する。ここで、磁気ヘッド荷重の変
化によるディスク撓み量の変化量は、接合部8の高さ変
化量Δx2に比べて、相対的に小さくすることができ
る。
【0128】まず、目標磁気ヘッド荷重(外部加速度に
耐えうるに必要な磁気ヘッド荷重)10mNと、最外周
端での限界荷重(ディスクチルトを許容値内とすること
ができる最外周端での磁気ヘッド荷重)6.5mNとか
ら、サスペンション3のバネ定数と傾斜部15aの傾き
を決定する。
【0129】ヘッドアーム5の回動動作は、サスペンシ
ョン3の押し込み量Δx2だけでなく、サスペンション
3の入射角度にも影響を及ぼす。このため、磁気ヘッド
スライダ4の磁極位置のずれや、磁気ヘッドスライダ4
の押圧の変化を招く場合がある。従って、ヘッドアーム
5の回動量は小さくすることが望ましい。
【0130】磁極のタンジェンシャル方向における寸法
から、磁極の位置ずれ量の許容範囲を求めることができ
る。また、磁極の位置ずれ量の許容範囲と、接合部8と
ヒンジ部6との距離とから、サスペンション3の押し込
み量Δx2を求めることができる。
【0131】ここでは、サスペンション3の押し込み量
Δx2は1mmとなる。また、接合部8とヒンジ部6と
の距離d2(図1(b)参照)からヒンジ部6の回動範
囲が求まり、ここでは、2.9°となる。この回動範囲
において、ヒンジ部6での回動による磁気ヘッド荷重の
変化は5%程度である。
【0132】これに対して、磁気ヘッド荷重の変化量
3.5mN(10mN−6.5mN)は、最小値6.5
mNに対しても50%以上あるので、上記ヒンジ部6で
の回動による磁気ヘッド荷重の変化は無視できるとみな
せる。
【0133】磁気ヘッド荷重の変化量3.5mNと、サ
スペンション3の押し込み量Δx2(1mm)とから、
サスペンション3のバネ定数は、3.5mN/mmと決
定される。この条件を満たすサスペンション3として
は、材質はステンレスであるSUS304、板厚50μ
mのものが考えられる。通常、サスペンション3の板厚
は、40〜80μmである。
【0134】当接支持部材15の傾斜部15aの高さ変
化量Δx1は、サスペンション3の押し込み量Δx2
と、距離d1(当接部5aとヒンジ部6との距離)と距
離d2(接合部8とヒンジ部6との距離)との比(図1
(b参照)とにより求まるものであるが、ここでは、
3.25mmとなる。傾斜部15aの範囲は、r=27
mmからr=32mmまでの間の5mmであるので、傾
斜角度(傾き)は33°となる。
【0135】ここで、当接部5aは、傾斜部15aと接
触摺動するため、傾斜角度は45°を超えないことが望
ましい。なお、傾斜角度が大きくなる場合には、当接部
5aと傾斜部15aとの接触位置と、ヒンジ部6との距
離d1が小さくなるように、当接支持部材15を配設す
れがよい。
【0136】次に、磁気ヘッド荷重によるディスク10
からの反力、または、外部加速度からヘッドアーム5に
加わる力によって、当接部5aと傾斜部15aとが離れ
ないように、トーションスプリング7から当接部5aへ
の荷重を設定する。このとき、当接支持部材15は当接
部5aからの押圧によってはほとんど撓まないとするこ
とができるので、余裕を持たせたとして、磁気ヘッドス
ライダ4のロード時にトーションスプリング7から当接
部5aへの荷重が30mN前後になるようにする。トー
ションスプリング7の回動角度を18°に設定すること
により、この条件を満たすことができる。また、この角
度は、キャビネット35の開閉動作に伴うヒンジ部6の
回動範囲を考慮しても、トーションスプリング7の許容
角度内である。
【0137】上記のような条件における、ディスクチル
トおよび耐加速度上限値(磁気ヘッドスライダ4とディ
スク10とが接触状態を保つことができる外部からの最
大加速度)を図5に示す。図5は、横軸をディスク10
の半径位置r(mm)とし、系列(●)は、ディスクチ
ルトを示しており、左縦軸をディスクチルトθ(°)と
している。また、系列(○)は、耐加速度上限値を示し
ており、右縦軸を加速度(G)としている。
【0138】同図に示すように、光ピックアップ装置2
1上でのディスクチルト量は、ディスクチルト最外周端
でも許容値0.09°を超えていない。また、光ピック
アップ装置21がr=27mmより内周側にあるときで
は、耐外部加速度が想定した外部加速度20Gに達して
いる。
【0139】これにより、ディスクチルトによるエラー
レートが悪化することなく、また、外部から加わった加
速度に対応して、磁気ヘッドスライダ4とディスク10
とが接触状態を保つことができる範囲を、記録領域内の
広い範囲で確保することができる。
【0140】以上のように、図示しない光源と、該光源
から出射されたレーザ光を対物レンズ22によりディス
ク10に集束して照射する光ピックアップ装置21と、
該光ピックアップ装置21とディスク10を挟んで対向
し、該ディスク10に磁界を付与する磁気ヘッドと、該
磁気ヘッドが磁界付与位置にあるときディスク10に対
して押圧するように構成された(ディスク10に接触す
るように配される)摺動部(スライダ)と、上記磁気ヘ
ッドおよび摺動部を有する磁気ヘッドスライダ4をサス
ペンション3を介して回動自在に支持するヘッドアーム
5と、ディスク10を回転させるディスク回転機構であ
るスピンドルモータ25およびターンテーブル26とを
備えた光磁気記録再生装置において、磁気ヘッドスライ
ダ4における摺動部のディスク10に対する押圧荷重
が、ディスク10の外周側にむかって小さく変化するよ
うに、サスペンション3とヘッドアーム5との接合部8
と、ディスク10との距離を変化させる当接支持部材1
5を備えている。
【0141】即ち、ディスク10に対する情報の記録ま
たは再生時にヘッドアーム5(当接部5a)と接触摺動
する当接支持部材15を備え、当接支持部材15は、傾
斜部15aを備えていることにより、当接支持部材15
とヘッドアーム5とが接触する接触位置からディスク1
0までの距離(傾斜部15aの高さ)がディスク10の
外周側にむかって長くなるように配されている。
【0142】一般に、ディスクの大容量化に対応できる
ように、ディスクの高密度化を図るとき、レーザ光のス
ポット径を小さくする。このため、対物レンズの開口数
NAを大きくする場合、レーザ光の焦点深度は浅くなる
ため、ディスクを薄くすることとなる。
【0143】このような薄いディスクに磁界を付与する
際、サスペンション3によりかけられる磁気ヘッドスラ
イダ4における摺動部のディスク10に対する押圧や、
スピンドルモータ25からの回転力によって、ディスク
10には撓みが生じ、ディスクチルトが発生する。特
に、ディスク10の外周端付近では、大きなディスクチ
ルトが発生することとなる。
【0144】また、ディスク10の回転時におけるター
ンテーブル26の振れ角により、ディスク10には面振
れが生じる。この面振れの際の加速度(面振れ加速度)
は、ディスク10の回転線速度が一定の場合、レーザ照
射位置がディスクチルト内周側にあるほど、ディスク回
転数の増加に伴って、大きくなる傾向がある。
【0145】このように面振れ加速度が大きい場合、磁
気ヘッドスライダ4における摺動部とディスク10とが
接触状態(安定した押圧状態)を保持できなくなる虞れ
がある。摺動部とディスク10とが接触状態を保持でき
ない場合、磁気ヘッドスライダ4における磁気ヘッドと
ディスク10との距離が不安定となり、安定して磁界付
与を行うことができなくなる。
【0146】しかしながら、上述したように、当接支持
部材15を備えている場合、ディスク10の内周側にお
ける摺動部のディスク10に対する押圧荷重を、摺動部
がディスク10に追従できるように大きく設定したとし
ても、当接支持部材が配されていることにより、摺動部
のディスク10に対する押圧荷重をディスク10の外周
部にむかって小さくなるように変化させることができ
る。
【0147】従って、摺動部とディスク10とが接触状
態を保持できる範囲を、記録領域内(集光手段、即ち対
物レンズ22から出射されるレーザ光に対応して磁気ヘ
ッドが磁界を付与する範囲)の広い範囲で確保すること
ができる。また、ディスクチルトを低減することができ
る。このため、記録再生時において、ディスク10での
レーザスポットの焦点位置が、ディスク10のトラック
溝の中心位置からオフセットを生じて、その結果、光の
強度が劣化し、信号のエラーが増大し、記録再生信号の
品質が低下することを防止することができる。
【0148】これにより、ディスクチルトの高密度化・
薄型化、摺動部とディスク10とが接触状態を保持する
ことができる外部から加えられた最大加速度(耐外部加
速度)の増加、および、ディスク10の回転線速度の増
加を図ることができる。この結果、ディスク10の大容
量化を図ることができる。
【0149】なお、磁気ヘッドスライダ4は、ディスク
10と摺動部において摺動する摺動型としたが、ディス
ク10を押圧するものであればこれに限定されるもので
はなく、押圧状態であってもディスク10から浮上して
いる浮上型の磁気ヘッドスライダでもかまわない。浮上
型の磁気ヘッドスライダの場合、スライダとディスク1
0との間に生じる空気圧によって、ディスク10を押圧
する。
【0150】従って、浮上型であっても、ディスク10
におけるスライダの押圧位置がディスク10の外周側に
なるほど、スライダのディスク10に対する押圧荷重が
小さくなるように制御されていれば、上記と同様の効果
が得られる。
【0151】また、当接支持部材15が、カートリッジ
ホルダ1上に配されていることにより、当接支持部材1
5が、例えば、光ピックアップ装置21や磁気ヘッド支
持機構37などに取り付けられている場合と比較する
と、光磁気記録再生装置を簡単な構造とすることができ
る。
【0152】また、上記の光磁気記録再生装置は、スピ
ンドルモータ25およびターンテーブル26が、ディス
ク10を回転線速度が一定になるように回転させてい
る。
【0153】これにより、光ピックアップ装置21から
のレーザ光照射位置がディスク10の内周側にあるとき
には、摺動部のディスク10への押圧を大きくすること
で、磁気ヘッドスライダ4をディスク10に追従させる
ことができる。
【0154】一方、レーザ光照射位置が、ディスク10
の外周側にあるときには、摺動部のディスク10への押
圧を小さくすることで、ディスクチルトの低減を図るこ
とができる。
【0155】これらにより、ディスクの高密度化・薄型
化、摺動部とディスク10とが接触状態を保持すること
ができる外部から加えられた最大加速度(耐外部加速
度)の増加、および、ディスク10の回転線速度の増加
を図ることができる。この結果、ディスクの大容量化を
図ることができる。
【0156】なお、当接支持部材15は、図6に示すよ
うに、カートリッジホルダ1と一体成形によって形成す
ることにより、当接支持部材(カートリッジホルダ)6
0としてもかまわない。当接支持部材60も上記当接支
持部材15と同様、磁気ヘッドスライダ4のディスク1
0に対する押圧荷重が、ディスク10の外周部にむかっ
て小さくなるように設けられた傾斜部60aを有してい
る。
【0157】また、当接支持部材15は、リフタ11と
一体成形によって形成することにより、図7に示すよう
に、リフタ当接支持部材(リフタ部、当接支持部材)7
0としてもかまわない。リフタ当接支持部材70は、図
1に示すリフタ11においてディスク面と平行なカート
リッジホルダ1の面(以下、カートリッジホルダ面と称
する)上に配された部分が、カートリッジホルダ面上に
おいてヒンジ部6と開口部1aを挟んで対向する側に配
されるように、ディスク面と垂直なカートリッジホルダ
1の面(カートリッジホルダ側面)上に配されたリフタ
11の一部をのばした構成である。
【0158】リフタ当接支持部材70は、上記当接支持
部材15と同様、磁気ヘッドスライダ4のディスク10
に対する押圧荷重が、ディスク10の外周部にむかって
小さくなるように設けられた傾斜部70aを有してい
る。
【0159】また、リフタ当接支持部材70は、図1
(a)に示すリフタ11と同様、ヘッドアーム5の回動
動作を回動支点13を中心として行う。蓋開時には、当
接部5aと当接しながら回動動作を行うことにより、磁
気ヘッドスライダ4を持ち上げる。また、蓋開時におけ
る磁気ヘッドスライダ4の磁気ヘッドのロード時には、
リフタ当接支持部材70はカートリッジホルダ1上に接
触するように配される。そして、リフタ当接支持部材7
0と当接部5aとが接触摺動することにより、傾斜部7
0aにおいて、磁気ヘッドスライダ4のディスク10に
対する押圧荷重が、ディスク10の外周部にむかって小
さくなる。
【0160】このように、図1(a)に示す当接支持部
材15とリフタ11とが一体成形によって形成されてい
ること(リフタ当接支持部材70)により、部品点数を
削減することができ、また、光磁気記録再生装置の製造
工程において組立工程数を少なくすることができる。従
って、コストの削減を図ることができる。
【0161】以上のように、当接支持部材15(図1
(a)参照)を、他の部材(カートリッジホルダ1、リ
フタ11など)と一体成形により形成することにより、
部品点数を削減することができ、また、光磁気記録再生
装置の製造工程において組立工程数を少なくすることが
できる。従って、コストの削減を図ることができる。
【0162】〔実施の形態2〕本発明の第2の実施の形
態について図8に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、実施の形態1における構成要素と同等の機能
を有する構成要素については、同一の符号を付記してそ
の説明を省略する。
【0163】図1(a)に示す当接部5aが接合部8上
に設けられている(この場合は、接合部5aと接合部8
とを一体成形により形成した)場合の一例を、図8
(a)(b)に示す。
【0164】図8(a)に示すように、接合当接部(接
合部、当接部)82は、図1(a)に示す接合部8と当
接部5aとを一体成形により形成したものである。即
ち、図1(b)に示すd1とd2とは、d1=d2を満
足する。接合当接部82はPOMからなり、径が1.5
mmの半球状である。
【0165】一方、ディスクカートリッジとしては、図
8(b)に示すように、窪み部84が設けられたディス
クカートリッジ80を用いる。光磁気記録再生装置にデ
ィスクカートリッジ80を挿入したとき、接合当接部8
2は窪み部84(当接支持部材)に当接するように配さ
れている。窪み部84は、底部84aと傾斜部84bと
を有する。
【0166】また、ディスクカートリッジ80は、磁気
ヘッドスライダ4をディスク10に近接配置するための
第1開口部80aを有する。図8(b)に示すように、
ディスクカートリッジ80は、図中矢印方向に開閉可能
であり、第1開口部80aを覆うことができるスライド
シャッター85を備えている。スライドシャッター85
は、第1開口部80aが必要となるディスク10の回転
時には開けられているが、ディスク10が収納されたカ
ートリッジ80を記録再生装置から取り出す際には閉じ
られる。
【0167】窪み部84の深さは、傾斜部84bと比較
してディスク10の内周側に配されている底部84aが
最も深く、ディスク10の外周端にむかって窪み部84
の深さが浅くなるように傾斜部84bが配されている。
【0168】磁気ヘッドスライダ4のロード時(磁気ヘ
ッドロード時)には、ヘッドアーム86の接合当接部8
2と窪み部84とが接触摺動する。光ピックアップ装置
21がディスク10の外周側にむかうほど、接合当接部
82は傾斜部84bによって持ち上げられ、磁気ヘッド
スライダ4からディスク10に加わる荷重は小さくなり
ディスクチルトが低減される。
【0169】ここで、傾斜面84bの形状(傾き)の計
算方法は、上述した当接支持部材15の傾斜部15aの
計算方法と同様である。しかし、この場合、ディスクカ
ートリッジ80そのものに傾斜を設けるため、接合当接
部82の上下方向の可動範囲として、ディスクカートリ
ッジ80の板厚以上の可動範囲を設けることはできな
い。また、トーションスプリング7により、接合当接部
82には荷重がかかるため、ディスクカートリッジ80
の窪み部84の深さを深くすると、ディスクカートリッ
ジ80が接合当接部82からの荷重に耐えられなくなる
虞れがある。
【0170】また、図1に示すヘッドアーム5と図8
(a)に示すヘッドアーム86とは、その形状が異な
り、長さd1が異なる。
【0171】そこで、接合当接部82と窪み部84とが
接触状態を保持するために必要な押圧荷重を30mNと
し、磁気ヘッドロード時のトーションスプリング7の回
転角度を5.5°に設定する。また、トーションスプリ
ング7による接合当接部82からの押圧により窪み部8
4が撓み、接合当接部82の高さ位置が変化しないかを
確認する目的で、接合当接部82と接触している側のデ
ィスクカートリッジ80の面の厚さを0.3mmとし、
両側を支持固定されているという条件で(境界条件とし
て、変位量0、かつ、回転成分0を与えて)、シミュレ
ーションを行った。その結果、ディスクカートリッジ8
0は、接合当接部82からの30mNの荷重に耐えら
れ、変形量も無視できる程度であった。これにより、デ
ィスクカートリッジ80の板厚が1mmの場合、窪み部
84の深さを0.7mmとすることができる。
【0172】従って、接合当接部82の上下方向の可動
範囲は0.7mmとなる。このため、サスペンション3
のバネ定数は5.0mN/mmとなり、サスペンション
3の板厚は、50μmとなる。また、窪み部84の傾斜
部84bの傾斜角度は8°となる。
【0173】なお、異なる厚さのディスクに対しては、
それぞれのディスクに適した形状の傾斜面、あるいは、
曲面をディスクカートリッジ80に配設することができ
る。
【0174】〔実施の形態3〕本発明の第3の実施の形
態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、実施の形態1における構成要素と同等の機能
を有する構成要素については、同一の符号を付記してそ
の説明を省略する。
【0175】図9(a)は、本発明の実施の一形態に係
る光磁気記録再生装置の要部の構成を示す斜視図であ
り、図9(b)は、図9(a)に示す可動支持部材92
の構成を示す拡大斜視図であり、図9(c)は、図9
(a)に示す光磁気記録再生装置に挿入されるディスク
カートリッジ90の構成を示す斜視図である。
【0176】本実施の形態に係る光磁気記録再生装置
は、図9(a)に示すように、実施の形態1において、
図1(a)に示した光磁気記録再生装置の当接支持部材
15のかわりに可動支持部材(当接支持部材)92を備
えている。また、カートリッジホルダ1には、さらに、
スプリング係合部96、スライド孔97および突起状の
保持部98が設けられている。
【0177】ところで、光磁気記録再生装置の記録密度
は年々向上している。例えば、パーソナルコンピュータ
のリムーバブルディスクとして用いられているMOディ
スクは、128Mバイトの発売以来、230Mバイト、
540/640Mバイト、1300Mバイトと、その容
量を増大している。このように、より高密度な光磁気デ
ィスクを提供する場合、高密度ディスク対応ドライブで
も、以前に提供したディスクとの互換性を可能にする必
要が生じる。また、ディスクの厚さを薄くすることによ
り高密度化を図る場合、光磁気記録再生装置は、異なる
厚さを持つディスクに対応した構造としなければならな
い。
【0178】本実施の形態で用いるディスク10は、M
Dと同じディスク厚1.2mmのディスクと、図1で示
す光磁気記録再生装置で用いられたディスク厚0.6m
mのディスクとの2種類とする。
【0179】図9(c)に示すように、ディスクカート
リッジ90の側壁に設けられた溝(溝部)91の長さd
3は、ディスクカートリッジ90内に挿入されたディス
ク10の厚さを検知させる手段である。ディスク10の
厚さが1.2mmの場合には、溝91の長さd3は20
mmとし、ディスク10の厚さが0.6mmの場合に
は、溝91の長さd3は2mmとする。
【0180】厚さ1.2mmのディスク10の形状は、
平板状であり、厚さ0.6mmのディスク10の形状
は、ディスク10をターンテーブル26に固定するクラ
ンプ領域のみ厚さ1.2mmであり、記録再生領域では
厚さ0.6mmである。このため、ディスク10がター
ンテーブル26に載置されたとき、装置基準面に対する
ディスクの最上面(摺動面)の相対高さは、両方のディ
スクで同じになる。
【0181】図9(b)に示すように、可動支持部材9
2には、スライド孔95が設けられており、カートリッ
ジホルダ1に設けられた突起状の保持部98(図9
(a))により、タンジェンシャル方向にスライド可能
に保持されている。
【0182】ディスクカートリッジ90が挿入されてい
ないときには、可動支持部材92に設けられたスプリン
グ係合部94と、カートリッジホルダ1に設けられたス
プリング係合部96との間に吊架された図示しない引っ
張りバネによって、可動支持部材92はディスクカート
リッジ90を挿入する入り口側に位置している。
【0183】一方、ディスクカートリッジ90が挿入さ
れるときには、可動支持部材92に設けられた検知レバ
ー(厚さ検知手段)93が、カートリッジホルダ1に設
けられたスライド孔97を通って、挿入されたディスク
カートリッジ90の側面に配されている溝91に係合す
る。このように、ディスクカートリッジ90の挿入移動
動作に伴って、可動支持部材92のタンジェンシャル方
向の移動が行われる。このときのスライド移動量は、溝
91の長さd3によって決定される。
【0184】ディスク10の厚さが1.2mmの場合、
溝91の長さd3は20mmであるので、検知レバー9
3は溝91内を移動し、これにより、可動支持部材92
は移動しない。従って、図示しないリフタにより磁気ヘ
ッドスライダ4がロード状態になっても、ヘッドアーム
5の先端にある当接部5aは可動支持部材92に接触し
ない。図1(b)に示すヘッドアーム5の当接レバー5
bが、アングル2の側壁と当接することにより、ヘッド
アーム5の位置が固定される。このとき、当接部5aは
どことも接触しておらず、ヘッドアーム5は、アングル
2に対して片持ち梁状に保持される。このときの磁気ヘ
ッド荷重は10mNである。
【0185】また、ディスク10の厚さが1.2mmの
場合、厚さが0.6mmの場合と比較すると、そのディ
スク10の剛性は略8倍であり、このため、発生するデ
ィスクチルトは略1/8倍となる。従って、磁気ヘッド
荷重によるディスクチルトは問題にならない。これによ
り、ディスク10の外周側でも、磁気ヘッド荷重を低減
する必要がなく、記録領域全域で、想定した外部加速度
に対応した磁気ヘッド荷重を加えることができる。
【0186】一方、ディスク10の厚さが0.6mmの
場合、溝91の長さd3は2mmであるので、検知レバ
ー93は溝91で係合されるが、そのまま、ディスクカ
ートリッジ90の挿入動作とともに、可動支持部材92
はスライド移動する。そして、ヘッドアーム5の先端に
ある当接部5aと可動支持部材92とが接触できる位置
まで移動する。ディスクカートリッジ90の固定と、上
述した係合部94・96間に吊架された図示しない引っ
張りバネの引っ張り力により、可動支持部材92の位置
は固定される。図示しないリフタにより、磁気ヘッドス
ライダ4がロード状態になったとき、ヘッドアーム5の
先端の当接部5aは、可動支持部材92に接触摺動す
る。
【0187】また、ディスク10の厚さが0.6mmの
場合、磁気ヘッド荷重によるディスクチルトは、ディス
ク10の外周側でディスクチルトが許容値を超えないよ
うに当接部5aに接触摺動する可動支持部材92に傾斜
部92aを設けて、さらに、傾斜部92a上に、摺動性
の高い摺動部材16を配していてもよい。
【0188】これにより、ディスク厚の大きいディスク
では記録領域全体で設定した外部加速度に対応させるこ
とができ、また、ディスク厚の小さいディスクでは、デ
ィスクチルトによるエラーレートは悪化せず、また、外
部から加わった衝撃による加速度に対応して、磁気ヘッ
ドスライダ4とディスク10とが接触状態を保持するこ
とができる範囲を、記録領域内の広い範囲で確保するこ
とができる。
【0189】また、上記のように、検知レバー93を備
えていることにより、簡単な構成で、ディスクカートリ
ッジ90内に挿入されているディスク10の厚さを検知
することができ、従って、1つの光磁気記録再生装置に
おいて、厚さの異なる複数のディスクを用いることがで
きる。
【0190】
【発明の効果】以上のように、本発明の光磁気記録再生
装置は、ディスクにおけるスライダの押圧位置がディス
クの外周側になるほど、スライダのディスクに対する押
圧荷重が小さくなるように制御されている構成である。
【0191】これにより、光磁気記録再生装置自身に、
衝撃、衝突のような外部からの大きな加速度が加わった
場合でも、スライダとディスクとが安定した押圧状態を
保持できる範囲を、記録領域内(集光手段から出射され
るレーザ光に対応して磁気ヘッドが磁界を付与する範
囲)の広い範囲で確保することができる。また、ディス
クチルトの低減を図ることができる。このため、記録再
生時において、ディスクチルトによって、フォーカス方
向のサーボに収差が発生し、トラック方向のサーボには
トラックオフセットが発生する。その結果、光の強度が
劣化し、信号のエラーが増大し、記録再生信号の品質の
劣化を防止することができる。
【0192】従って、ディスクチルトの高密度化・薄型
化、スライダとディスクとが安定した押圧状態を保持す
ることができる範囲内での外部から加えられる最大加速
度(耐外部衝撃)の増加、および、ディスクの回転線速
度の増加を図ることができる。これにより、信号の転送
レートを大きくすることができ、その結果、時間当たり
のデータ量の大きい高品質動画像データの記録再生が可
能となる。また、ディスクチルトの低減により、ディス
クの薄型化が可能となる。
【0193】その結果、開口数NAの大きな対物レンズ
を用いた光学系を採用することができ、レーザ光の焦点
(レーザスポット)を小さく絞ることで記録マーク長を
小さく設定することができ、このため、ディスクの高密
度化が可能となり、その結果、ディスクの大容量化を図
ることができるといった効果を奏する。
【0194】本発明の光磁気記録再生装置は、ディスク
に対する情報の記録または再生時に磁気ヘッド支持部材
または弾性部材と接触摺動する当接支持部材を備え、該
当接支持部材は、当接支持部材と磁気ヘッド支持部材ま
たは弾性部材とが接触する接触位置からディスクまでの
距離が、ディスクにおけるスライダの押圧位置がディス
クの外周側になるほど長くなるように配されている構成
である。
【0195】これにより、ディスクの内周側におけるス
ライダのディスクに対する押圧荷重を、スライダがディ
スクに追従できるように大きく設定したとしても、スラ
イダのディスクに対する押圧荷重が、ディスクの外周側
にむかって小さくなる。この結果、光磁気記録再生装置
自身に、衝撃、衝突のような外部からの大きな加速度が
加わった場合でも、スライダとディスクとが安定した押
圧状態を保持できる範囲を、記録領域内の広い範囲で確
保することができる。また、ディスクチルトを低減する
ことができる。このため、記録再生時において、ディス
クチルトによって、フォーカス方向のサーボに収差が発
生し、トラック方向のサーボにはトラックオフセットが
発生する。その結果、光の強度が劣化し、信号のエラー
が増大し、記録再生信号の品質の劣化を防止することが
できる。
【0196】従って、ディスクチルトの高密度化・薄型
化、スライダとディスクとが安定した押圧状態を保持す
ることができる範囲内での外部から加えられる最大加速
度(耐外部衝撃)の増加、および、ディスクの回転線速
度の増加を図ることができる。これにより、信号の転送
レートを大きくすることができ、その結果、時間当たり
のデータ量の大きい高品質動画像データの記録再生が可
能となる。また、ディスクチルトの低減により、ディス
クの薄型化が可能となる。
【0197】この結果、開口数NAの大きな対物レンズ
を用いた光学系を採用することができ、レーザ光の焦点
(レーザスポット)を小さく絞ることで記録マーク長を
小さく設定することができ、このため、ディスクの高密
度化が可能となり、その結果、ディスクの大容量化を図
ることができるといった効果を奏する。
【0198】本発明の光磁気記録再生装置は、傾きのあ
る傾斜部を有し、磁気ヘッド支持部材が磁気ヘッドを磁
界付与位置に支持した状態で、磁気ヘッド支持部材また
は弾性部材と接触摺動する当接支持部材を備え、傾斜部
は、当接支持部材と磁気ヘッド支持部材または弾性部材
とが接触している接触位置からディスクまでの距離が、
ディスクにおけるスライダの押圧位置がディスクの外周
側になるほど長くなるように傾いている構成である。
【0199】これにより、光磁気記録再生装置自身に、
衝撃、衝突のような外部からの大きな加速度が加わった
場合でも、スライダとディスクとが安定した押圧状態を
保持できる範囲を、記録領域内の広い範囲で確保するこ
とができる。また、ディスクチルトを低減することがで
きる。このため、記録再生時において、ディスクチルト
によって、フォーカス方向のサーボに収差が発生し、ト
ラック方向のサーボにはトラックオフセットが発生す
る。その結果、光の強度が劣化し、信号のエラーが増大
し、記録再生信号の品質の劣化を防止することができ
る。
【0200】従って、ディスクチルトの高密度化・薄型
化、スライダとディスクとが安定した押圧状態を保持す
ることができる範囲内での外部から加えられる最大加速
度(耐外部衝撃)の増加、および、ディスクの回転線速
度の増加を図ることができる。これにより、信号の転送
レートを大きくすることができ、その結果、時間当たり
のデータ量の大きい高品質動画像データの記録再生が可
能となる。また、ディスクチルトの低減により、ディス
クの薄型化が可能となる。この結果、開口数NAの大き
な対物レンズを用いた光学系を採用することができ、レ
ーザ光の焦点(レーザスポット)を小さく絞ることで記
録マーク長を小さく設定することができ、このため、デ
ィスクの高密度化が可能となり、その結果、ディスクの
大容量化を図ることができるといった効果を奏する。
【0201】本発明の光磁気記録再生装置は、当接支持
部材が、カートリッジホルダ上に配されている構成であ
る。
【0202】これにより、当接支持部材を、例えば、集
光手段や磁気ヘッド支持機構などに取り付ける場合と比
較すると、カートリッジホルダに取り付けることによ
り、簡単な構造とすることができる。また、ディスクの
面振れによる反力が集光手段に直接伝わることがない。
このため、集光手段を移動させる、例えばアクチュエー
タなどへの影響がない。また、ディスクを傷つけること
もないといった効果を奏する。
【0203】本発明の光磁気記録再生装置は、当接支持
部材が、カートリッジホルダと一体成形により形成され
ている構成である。
【0204】これにより、部品点数を削減することがで
き、また、光磁気記録再生装置の製造工程において組立
工程数を少なくすることができる。従って、コストの削
減を図ることができるといった効果を奏する。
【0205】本発明の光磁気記録再生装置は、磁気ヘッ
ドおよびスライダを磁界付与位置と退避位置との間で回
動させるリフタ部を備え、該リフタ部と当接支持部材と
は、一体成形により形成されている構成である。
【0206】これにより、部品点数を削減することがで
き、また、光磁気記録再生装置の製造工程において組立
工程数を少なくすることができる。従って、コストの削
減を図ることができるといった効果を奏する。
【0207】本発明の光磁気記録再生装置は、当接支持
部材が、ディスクカートリッジと一体成形により形成さ
れている構成である。
【0208】これにより、部品点数を削減することがで
き、また、光磁気記録再生装置の製造工程において組立
工程数を少なくすることができる。従って、コストの削
減を図ることができるといった効果を奏する。
【0209】本発明の光磁気記録再生装置は、傾斜部
が、用いるディスクの厚さに対応するように、傾きを複
数有している構成である。
【0210】これにより、1つの光磁気記録再生装置に
おいて、厚さの異なる複数のディスクを用いることがで
きるといった効果を奏する。
【0211】本発明の光磁気記録再生装置は、当接支持
部材が、挿入されたディスクの厚さを検知する厚さ検知
手段を備えている構成である。
【0212】これにより、検知手段によりディスクの厚
さを検知できるので、1つの光磁気記録再生装置におい
て、厚さの異なる複数のディスクを用いることができる
といった効果を奏する。
【0213】本発明の光磁気記録再生装置は、ディスク
カートリッジが、収納したディスクの厚さに対応した長
さを有する溝部を備え、厚さ検知手段が、該溝部の長さ
を検知することにより挿入されたディスクの厚さを検知
する構成である。
【0214】これにより、簡単な構成で、ディスクの厚
さを検知することができ、従って、1つの光磁気記録再
生装置において、厚さの異なる複数のディスクを用いる
ことができるといった効果を奏する。
【0215】本発明の光磁気記録再生装置は、当接支持
部材における接触摺動範囲、および、当接支持部材と接
触している磁気ヘッド支持部材または弾性部材における
接触摺動範囲のうちの少なくとも一方の範囲に、摺動性
を有する摺動部材が配されている構成である。
【0216】具体的には、接触摺動範囲にコーティング
を施したり、摺動テープを貼付することで摺動部材が形
成される構成である。
【0217】これにより、当接支持部材と、磁気ヘッド
支持部材または弾性部材との摩擦係数を小さくすること
ができる。従って、集光手段の動作に伴い、磁気ヘッド
支持部材が移動する場合、当接支持部材と、磁気ヘッド
支持部材または弾性部材との摺動摩擦の低減を図ること
ができる。
【0218】この結果、例えば、集光手段の送り負荷を
低減することができ、送り動作を安定して行うことがで
きる。これにより、集光手段の送りモータの消費電力の
低減を図ることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の一形態に係る光磁気
記録再生装置の要部の構成を示す斜視図であり、(b)
は、(a)に示す光磁気記録再生装置に用いられる磁気
ヘッド支持機構の要部の構成を示す説明図である。
【図2】(a)は、光ピックアップ装置と磁気ヘッドス
ライダとがラジアル方向外周側に移動するときの当接部
の高さ方向における移動量を示す説明図であり、(b)
は、(a)の場合の当接部の高さ方向における移動量、
および、接合部の高さ方向における移動量を示す説明図
である。
【図3】(a)は、本実施の形態に係る光磁気記録再生
装置の概略の構成を示す説明図であり、(b)は、
(a)に示す光磁気記録再生装置がディスクカートリッ
ジを排出する動作を示す説明図である。
【図4】ディスクの半径位置r(mm)と、ディスクの
撓み量δ(μm)との関係を示すグラフである。
【図5】本発明によるディスクの半径位置r(mm)
と、ディスクチルトθ(°)または加速度(G)との関
係を示すグラフである。
【図6】ディスクカートリッジと当接支持部とを一体成
形により形成した場合の構成を示す斜視図である。
【図7】リフタと当接支持部とを一体成形により形成し
た場合の構成を示す斜視図である。
【図8】(a)は、カートリッジと当接支持部とを一体
成形により形成した場合の光磁気記録再生装置の構成を
示す断面図であり、(b)は、(a)に示す光磁気記録
再生装置に挿入されるディスクカートリッジの構成を示
す斜視図である。
【図9】(a)は、本発明の他の実施の一形態に係る光
磁気記録再生装置の要部の構成を示す斜視図であり、
(b)は、(a)に示す可動支持部の構成を示す拡大斜
視図であり、(c)は、(a)に示す光磁気記録再生装
置に挿入されるディスクカートリッジの構成を示す斜視
図である。
【図10】ディスクの構成を示す断面図である。
【図11】磁気ヘッドスライダの構成を示す断面図であ
る。
【図12】(a)は、従来の光磁気記録再生装置の要部
の構成を示す平面図であり、(b)は、(a)に示す光
磁気記録再生装置の要部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カートリッジホルダ 2 アングル 3 サスペンション(弾性部材) 4 磁気ヘッドスライダ(磁気ヘッド、スライダ) 5 ヘッドアーム(磁気ヘッド支持部材) 5a 当接部 5b 当接レバー 7 トーションスプリング 8 接合部 10 ディスク 11 リフタ(リフタ部) 13 回動支点 15 当接支持部材 15a 傾斜部 16 摺動部材 21 光ピックアップ装置(光源、集光手段) 25 スピンドルモータ(ディスク回転機構) 26 ターンテーブル(ディスク回転機構) 37 磁気ヘッド支持機構 60 当接支持部材(カートリッジホルダ) 60a 傾斜部 70 リフタ当接支持部材(リフタ部、当接支持部
材) 70a 傾斜部 80 ディスクカートリッジ 82 接合当接部(接合部、当接部) 84 窪み部(当接支持部材) 84a 底部 84b 傾斜部 86 ヘッドアーム(磁気ヘッド支持部材) 90 ディスクカートリッジ 91 溝(溝部) 92 可動支持部材(当接支持部材) 92a 傾斜部 93 検知レバー(厚さ検知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/105 581 G11B 11/105 581D 17/32 17/32 A Z (72)発明者 永留 誠一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5D039 AA03 BA02 BB04 BC02 BC03 BC26 DA10 5D059 AA08 BA01 CA08 CA14 DA12 EA16 5D075 AA03 CF08 CF10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、該光源から出射されたレーザ光を
    ディスクに集束して照射する集光手段と、該集光手段と
    ディスクを挟んで対向し、該ディスクに磁界を付与する
    磁気ヘッドと、該磁気ヘッドが磁界付与位置にあるとき
    ディスクに対して押圧するように構成されたスライダ
    と、上記磁気ヘッドおよびスライダを弾性部材を介して
    回動自在に支持する磁気ヘッド支持部材と、上記ディス
    クを回転させるディスク回転機構とを備えた光磁気記録
    再生装置において、 上記ディスクにおける上記スライダの押圧位置がディス
    クの外周側になるほど、上記スライダのディスクに対す
    る押圧荷重が小さくなるように制御されていることを特
    徴とする光磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】光源と、該光源から出射されたレーザ光を
    ディスクに集束して照射する集光手段と、該集光手段と
    ディスクを挟んで対向し、該ディスクに磁界を付与する
    磁気ヘッドと、該磁気ヘッドが磁界付与位置にあるとき
    ディスクに対して押圧するように構成されたスライダ
    と、上記磁気ヘッドおよびスライダを弾性部材を介して
    回動自在に支持する磁気ヘッド支持部材と、上記ディス
    クを回転させるディスク回転機構とを備えた光磁気記録
    再生装置において、 上記ディスクに対する情報の記録または再生時に磁気ヘ
    ッド支持部材または弾性部材と接触摺動する当接支持部
    材を備え、 該当接支持部材は、当接支持部材と磁気ヘッド支持部材
    または弾性部材とが接触する接触位置からディスクまで
    の距離が、ディスクにおけるスライダの押圧位置がディ
    スクの外周側になるほど長くなるように配されているこ
    とを特徴とする光磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】光源と、該光源から出射されたレーザ光を
    ディスクに集束して照射する集光手段と、該集光手段と
    ディスクを挟んで対向し、ディスクカートリッジに収納
    されたディスクに磁界を付与する磁気ヘッドと、該磁気
    ヘッドが磁界付与位置にあるときディスクに対して押圧
    するように構成されたスライダと、上記磁気ヘッドおよ
    びスライダを磁界付与位置と上記ディスクカートリッジ
    を着脱可能にする退避位置との間で弾性部材を介して回
    動自在に支持する磁気ヘッド支持部材と、上記ディスク
    カートリッジを保持するカートリッジホルダと、上記デ
    ィスクを回転させるディスク回転機構とを備えた光磁気
    記録再生装置において、 傾きのある傾斜部を有し、上記磁気ヘッド支持部材が磁
    気ヘッドを磁界付与位置に支持した状態で、上記磁気ヘ
    ッド支持部材または弾性部材と接触摺動する当接支持部
    材を備え、 上記傾斜部は、当接支持部材と磁気ヘッド支持部材また
    は弾性部材とが接触している接触位置からディスクまで
    の距離が、ディスクにおけるスライダの押圧位置がディ
    スクの外周側になるほど長くなるように傾いていること
    を特徴とする光磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】上記当接支持部材は、上記カートリッジホ
    ルダ上に配されていることを特徴とする請求項3に記載
    の光磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】上記当接支持部材は、上記カートリッジホ
    ルダと一体成形により形成されていることを特徴とする
    請求項4に記載の光磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】上記磁気ヘッドおよびスライダを上記磁界
    付与位置と上記退避位置との間で回動させるリフタ部を
    備え、該リフタ部と当接支持部材とは、一体成形により
    形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光磁
    気記録再生装置。
  7. 【請求項7】上記当接支持部材は、上記ディスクカート
    リッジと一体成形により形成されていることを特徴とす
    る請求項3に記載の光磁気記録再生装置。
  8. 【請求項8】上記傾斜部は、用いるディスクの厚さに対
    応するように、傾きを複数有していることを特徴とする
    請求項3ないし7のいずれか1項に記載の光磁気記録再
    生装置。
  9. 【請求項9】上記当接支持部材は、挿入されたディスク
    の厚さを検知する厚さ検知手段を備えていることを特徴
    とする請求項3ないし8のいずれか1項に記載の光磁気
    記録再生装置。
  10. 【請求項10】上記ディスクカートリッジは、収納した
    ディスクの厚さに対応した長さを有する溝部を備え、上
    記厚さ検知手段は、該溝部の長さを検知することにより
    挿入されたディスクの厚さを検知することを特徴とする
    請求項9に記載の光磁気記録再生装置。
  11. 【請求項11】上記当接支持部材における接触摺動範
    囲、および、上記当接支持部材と接触している磁気ヘッ
    ド支持部材または弾性部材における接触摺動範囲のうち
    の少なくとも一方の範囲には、摺動性を有する摺動部材
    が配されていることを特徴とする請求項2ないし10の
    いずれか1項に記載の光磁気記録再生装置。
  12. 【請求項12】上記摺動部材は、上記接触摺動範囲にコ
    ーティングを施すことで形成されることを特徴とする請
    求項11に記載の光磁気記録再生装置。
  13. 【請求項13】上記摺動部材は、上記接触摺動範囲に摺
    動テープを貼付することで形成されることを特徴とする
    請求項11に記載の光磁気記録再生装置。
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