JP2003067950A - 対物レンズアクチュエータ - Google Patents

対物レンズアクチュエータ

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JP2003067950A
JP2003067950A JP2001257111A JP2001257111A JP2003067950A JP 2003067950 A JP2003067950 A JP 2003067950A JP 2001257111 A JP2001257111 A JP 2001257111A JP 2001257111 A JP2001257111 A JP 2001257111A JP 2003067950 A JP2003067950 A JP 2003067950A
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objective lens
lens actuator
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Satohiro Tanaka
聡弘 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高次共振の共振倍率を低下させ、ゲイン余裕
を改善すると共に、磁気ダンパの機能を備えて一次固有
振動に対する共振倍率を低下させる。 【解決手段】 磁性体からなるウエイト体16を、マグ
ネット3a,3bなどからなる磁気回路のフォーカシン
グ方向における磁束分布強度中心(磁束最強度分布
部)、あるいはその近傍位置に設置されているトラッキ
ング用コイル8a,8bの空芯部15に埋設する。この
ことにより、フォーカシング方向に強制変位が生じた場
合に磁性体からなるウエイト体16に、磁気回路の磁束
分布強度中心に引き戻そうとする反力が作用することに
なるため、従来、質量ダンパとして高次共振に対する減
衰効果のみに寄与していたウエイト体を、フォーカシン
グ方向の一次固有振動に対する磁気ダンパとしても使用
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的情報記録お
よび/または再生装置に搭載される光ディスクドライバ
などに適用され、対物レンズに対してフォーカシング制
御およびトラッキング制御を行う駆動系である対物レン
ズアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクドライバのアクティブ制御に
使用されるアクチュエータとしては、製品の高速化に伴
い高周波領域まで制御可能な特性を持つことを要求され
る。このため、直接の改善が必要とされる特性として、
高感度化と共に、可動部構造における弾性変形共振、所
謂、高次共振に対する制御系におけるゲインの余裕が挙
げられる。この特性の意味するところは、使用条件下に
おいてサーボのゲインクロスオーバ周波数におけるアク
チュエータ自体のゲインと、アクチュエータの高次共振
のピークゲインとのゲイン差がどれだけあるかである。
【0003】これを改善する必要性は、サーボシステム
の原理上の理由によるものである。サーボ剛性は、オー
プンループ特性:一巡伝達関数のループゲインまたはゲ
インクロスオーバ周波数をどれだけ上げられるかによっ
て決定する。これらが高ければ、メディアである光ディ
スクが高速回転する際の高い振動加速度あるいは外乱加
速度に追従可能となる。
【0004】ところが一般に振動制御は、ゲインだけで
なく位相を考慮しなければならない。通常、アクチュエ
ータの変位応答は入力信号に対して2次遅れ系であり、
支持構造剛性と可動質量とにより決定する固有振動周波
数より十分高い周波数領域では、変位応答位相が−18
0度以上遅れを持つことになる。ところが位相が−18
0度ということは、いわば逆相の応答であって、これで
はサーボをかけることはできず、発振してしまうことに
なる。
【0005】このため、サーボ機構では電気的に位相補
償をかけることにより、前述のゲインクロスオーバ周波
数付近において、位相を−180度より進ませて使用す
ることになる。ところが補償回路により位相を進ませる
ことは、ゲインクロスオーバ周波数より高い周波数領域
において、必然的にゲインの上昇を招くことになるた
め、オープンループ特性上ではアクチュエータ単体で示
されるゲイン余裕が目減りすることになる。
【0006】しかも、前述した通りゲインクロスオーバ
周波数自体が高く設定されることを要求されるために、
高速化する分だけ高いゲイン余裕が必要になることにな
る。もし、これが不足する場合は、オープンループ特性
における高次共振のピークゲインが0(dB)を超える
ことになる。このとき、その領域では位相が−180度
以上遅れているため、前述したような発振が起きてしま
うことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したよう
な発振が起きるような状態にならないためのアクチュエ
ータ側における特性向上の余地が十分あるかと言うと、
これも実際上では非常に厳しい。ほとんどの技術開発が
そうであるように、ある程度の改善までは改善度合いが
努力あるいは施策に応じて向上していくが、ある所から
は向上度合いが飽和していく。近年では特にその傾向が
強くなり、従来の技術では構造あるいは材料面におい
て、かなりのコストアップを招くか、組み立て作業性を
悪化させる等のトレードオフの発生が避けられなくなり
つつある。
【0008】例えば一般にゲイン余裕確保のためには、
高次共振周波数を上げるか、または構造の振動損失を上
げる方向性で対応することが多い。ところで共振周波数
を上げるためには、構造剛性を高めるか分布質量を減ら
す必要がある。構造剛性を高めるためには弾性係数の高
い材料を使用するか、形状の断面二次モーメントを高め
る必要がある。しかしながら、弾性係数の高い材料は一
般に振動損失が低いか質量密度が高い傾向にあり、形状
の断面二次モーメントを高めようとすると、肉厚増加に
より分布質量の増加を招くため、やはり効果的な改善は
望み難い。
【0009】さらに、高速アクティブ制御に必要な共振
対策としては、並進駆動軸ごとに剛体モードとして一次
固有振動,寄生回転固有振動が存在し、弾性変形モード
に、所謂、高次モードが存在し、これらに対応すること
である。
【0010】一次固有振動の共振倍率低減は、例えばシ
ークによる加減速後の早期振動収束のために重要であ
り、また寄生回転固有振動の共振倍率低減は、その共振
による寄生傾きの発生に伴う記録再生特性の劣化防止に
重要である。また弾性変形モードの共振倍率低減は、前
述した通り高速化のためのサーボ帯域拡大に重要であ
る。
【0011】すなわち、これらはいずれも共振現象に対
して共振倍率を低下させることによる制御性の改善であ
り、基本原理はそれぞれ同様の課題と見ることもでき
る。共振は、どのような機械構造物でも持ち合わせてい
るものであり、かつこれらに対する従来の対策としての
ダンパ減衰特性を考慮することは、それぞれ変形部位と
周波数帯域ごとに効果が全く異なるため、それぞれに異
なるダンパ対策を行わねばならず、結果的に特性の改善
が不十分か、コストアップかの選択を迫られる傾向にあ
った。
【0012】本発明の目的は、前記従来の課題を解決
し、高次共振の共振倍率を低下させ、ゲイン余裕を改善
すると共に、磁気ダンパの機能を備えて一次固有振動に
対する共振倍率を低下させることができるようにした対
物レンズアクチュエータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、光ディスク記録/再生装
置に搭載され、対物レンズを保持するレンズホルダと、
ベース体に設けられた固定磁気回路と、この固定磁気回
路とにより電流値に応じてフォーカシング推力およびト
ラッキング推力を発生するソレノイドコイルおよび前記
レンズホルダが設けられた略矩形状の可動部と、この可
動部を推力発生量に応じて変位可能に支持する弾性支持
部材とを備え、前記対物レンズの光軸を前記可動部の作
動中心に配し、前記可動部における対向する側面がそれ
ぞれ略対称形状に形成されている構成の対物レンズアク
チュエータにおいて、前記可動部における弾性変形によ
る共振振動振幅が大きいフレーム構造の部位に、このフ
レーム構造の剛性よりも低い剛性の部材を介して前記可
動部より質量の小さい磁性体を設けたことを特徴とし、
この構成によって、質量ダンパとして磁性体を前記のよ
うに設けたことにより、可動部の弾性変形による共振成
分が対物レンズの設置位置において共振振幅を低下せる
ことができて、ゲイン余裕を多く確保することができる
ため、高次共振の共振倍率を低下させゲイン余裕を改善
することができ、さらに、磁性体が一次固有振動に対す
る共振倍率を低下させる磁気ダンパの機能を有すること
になる。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
対物レンズアクチュエータにおいて、磁性体として磁性
金属体を用いたことを特徴とし、この構成によって、磁
性体として安価な鉄系材料の使用が可能となる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1記載の
対物レンズアクチュエータにおいて、磁性体として鋼球
を用いたことを特徴とし、この構成によって、安価な規
格材料を使用して所望の機能を付与することが可能とな
る。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1記載の
対物レンズアクチュエータにおいて、磁性体として磁性
金属体がメッキされた材料を用いたことを特徴とし、こ
の構成によって、耐食性などの信頼性に優れかつ磁性体
である高価なニッケル基材などの材料を安価な基材にメ
ッキ処理を施すことにより、より安価な磁性体を採用す
ることができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4い
ずれか1項記載の対物レンズアクチュエータにおいて、
磁性体を固定磁気回路におけるフォーカシング方向の磁
束分布強度中心部分に設置したことを特徴とし、この構
成によって、磁性体を、可動部が中立位置にあるときの
フォーカシング方向の磁束分布強度中心近傍の可動部上
に配設することにより、高次共振の質量ダンパ効果を確
保しつつ、磁気ダンパとしてフォーカシング方向の一次
固有振動に対する共振倍率をも低下させることができ
る。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項1〜4い
ずれか1項記載の対物レンズアクチュエータにおいて、
磁性体を固定磁気回路におけるフォーカシング方向の磁
束分布強度中心部分、かつトラッキング方向に複数個設
置したことを特徴とし、この構成によって、磁性体を、
可動部が中立位置にあるときのフォーカシング方向の磁
気回路磁束分布中心近傍の可動部上にトラッキング方向
に複数個設けることにより、高次共振の質量ダンパ効果
を確保しつつ、磁気ダンパとしてフォーカシング一次固
有振動、および寄生傾きロール固有振動に対する共振倍
率をも低下させることができる。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項1〜4い
ずれか1項記載の対物レンズアクチュエータにおいて、
磁性体を固定磁気回路におけるトラッキング方向の磁束
分布強度中心部分に設置したことを特徴とし、この構成
によって、磁性体を、可動部が中立位置にあるときのト
ラッキング方向の磁束分布強度中心近傍の可動部上に配
設することにより、高次共振の質量ダンパ効果を確保し
つつ、磁気ダンパとしてトラッキング方向の一次固有振
動に対する共振倍率をも低下させることができる。
【0020】請求項8に記載の発明は、請求項1〜4い
ずれか1項記載の対物レンズアクチュエータにおいて、
磁性体を固定磁気回路におけるトラッキング方向の磁束
分布強度略中心部分、かつフォーカシング方向に複数個
設置したことを特徴とし、この構成によって、磁性体
を、可動部が中立位置にあるときのトラッキング方向の
磁気回路磁束分布中心近傍の可動部上にフォーカシング
方向に複数個設けることにより、高次共振の質量ダンパ
効果を確保しつつ、磁気ダンパとしてトラッキング一次
固有振動、および寄生傾きロール固有振動に対する共振
倍率をも低下させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0022】図1は本発明の第1実施形態を説明するた
めの対物レンズアクチュエータの全体構成を示す斜視図
であり、T軸方向は光ディスクにおけるタンジェンシャ
ル方向であり、F軸方向はフォーカシング方向であり、
R軸方向はラジアル方向(トラッキング方向)である。
【0023】図1において、1はステータ部、2は支持
部材であるベース体、3a,3bはマグネットであり、
ベース体2におけるマグネット3a,3bを固定する立
壁2a,2dと、これらの立壁2a,2dに対向する立
壁2b,2cとが固定磁気回路のヨークとなり、マグネ
ット3a,3bを介して相対向するヨークとしての立壁
2aと立壁2b間、および立壁2cと立壁2d間に磁気
回路ギャップGが形成される。
【0024】また、4は可動部、5はレンズホルダ、6
はレンズホルダ5の上部に固定される対物レンズ、7は
フォーカシング用コイル、8a,8bは環状をなすトラ
ッキング用コイル、9はレンズホルダ5の両横側部にそ
れぞれ複数本(本例では合計4本)設置された弾性支持
部材としての線状ばね、10は各線状ばね9の一端を固
定する線状ばね固定用兼コイル給電用プリント基板、1
1は固定ブロックである。
【0025】可動部4は、作動中心と対物レンズ6の光
軸とが一致するように構成され、レンズホルダ5と、レ
ンズホルダ5外周に一体形成されたフレーム体12に巻
回されたフォーカシング用コイル7および該フォーカシ
ング用コイル7の対向側部にそれぞれ一対ずつ設置され
たトラッキング用コイル8a,8bと、線状ばね固定用
兼コイル給電用プリント基板10とにより構成されてい
る。可動部4全体として略矩形状をなし、ラジアル方向
両側にフォーカス軸F,タンジェンシャル軸Tで形成さ
れる平面に関して略対称であり、かつタンジェンシャル
方向両側にフォーカス軸F,ラジアル軸Rで形成される
平面に関して略対称であり、かつフォーカス方向両側に
ラジアル軸R,タンジェンシャル軸Tで形成される平面
に略対称であるように構成されている。
【0026】また可動部4の支持構造として、線状ばね
9の他端を、固定ブロック11の通孔11a,11bを
貫通して、固定ブロック11に設けられたフレキシブル
プリント基板13に半田付けによって接続固定してい
る。
【0027】なお、本実施形態では、線状ばね9は金属
製の線ばねであって、固定方法として給電接続を兼ねた
半田付けの例を挙げているが、任意の材質,任意の断面
形状の線状ばねを使用することができ、さらにその固定
方法としては接着あるいはインサート成型の方法などを
用いることが考えられる。
【0028】図2(a),(b)は本実施形態における
可動部のみを示す斜視図であり、図2(a)は図1に示
す状態と同じ側面を示し、図2(b)は逆側の側面を示
しており、フレーム体12におけるタンジェンシャル方
向Tにて相対向する側面のそれぞれに設けられた各トラ
ッキング用コイル8a,8bの空芯部15内に、比較的
質量密度の高い金属材料などからなるウエイト体16
を、図示しない剛性の低い固着手段、例えば比較的軟質
の接着剤により外部に突出しないように埋設している。
【0029】前記ウエイト体16を固着する場合、力学
的にトラッキング用コイル8a,8bと一体部品として
扱えるほどの強固な固着手段を採用した場合には、固着
手段によるダンパ効果が期待できないため、本実施形態
では、ウエイト体16を低い剛性の剛性体(接着剤)を
介して固着して、この剛性体をダイナミックダンパとし
て機能させるようにしている。このため加振源でもある
コイルの振動振幅を低下させて、結果的に対物レンズ6
のラジアル方向(トラッキング方向)Rにおける位置応
答の共振感度を低下させることができる。さらに本実施
形態では、ウエイト体16を外部に突出しないように埋
設して固着することにより、外部構成部材との当接など
による取り付け作業中の破損、あるいは固着耐久性など
の信頼性を高め、かつ空芯部15の内枠部によってウエ
イト体16の位置決めが容易に行われ、組立が確実かつ
簡単になるという効果が得られる。
【0030】また本実施形態において、ウエイト体16
は、磁性体で形成されており、さらにマグネット3a,
3bなどからなる磁気回路のフォーカシング方向におけ
る磁束分布強度中心(磁束最強度分布部)、あるいはそ
の近傍位置に設置されているトラッキング用コイル8
a,8bの空芯部15に埋設されている。このようにし
たことにより、フォーカシング方向に強制変位が生じた
場合に磁性体からなるウエイト体16に、磁気回路の磁
束分布強度中心に引き戻そうとする反力が作用すること
になるため、従来では、質量ダンパとして高次共振に対
する減衰効果のみに寄与していたウエイト体を、フォー
カシング方向の一次固有振動に対する磁気ダンパとして
も使用することができる。
【0031】なお、さらに本実施形態では、推力寄生モ
ーメントが可動部に作用してラジアルチルトが発生した
場合に、同様に全てのウエイト体16に磁束強度分布中
心方向に反力が作用するため、可動体4が回転に対して
も磁気ダンパ効果を付与することができ、寄生回転固有
振動に対してもダンパ効果が期待できる。すなわち、有
害な寄生回転固有振動の代表として知られるロール共振
すなわちラジアルチルト共振などの抑制にも効果が期待
できる。
【0032】図3は磁気回路における磁束強度分布の等
高線を例示した模式図であり、楕円形状に示した線が磁
束強度分布中心であって、図3において楕円形状に記載
したのは,実際に製品化されるアクチュエータにおける
磁気回路の性能が、このような特性を持つためである。
一般的に磁束強度分布中心の形状は、マグネット形状に
よらず概ね丸い形状となり、しかも構造寸法の制約上の
理由から、完全な円形になることは殆んどない。このこ
とを利用して、例えば図示したように磁束強度分布中心
上にウエイト体16を配置すると、図示したようなロー
ル(矢印方向の回転)が可動部4に生じたときにウエイ
ト体16には磁束強度分布中心方向に戻ろうとする力が
作用するため、この力が回転量を減少させる方向に作用
することになる。これは従来のアクティブ駆動方向に対
する磁気ダンパの原理を、パッシブとなる寄生回転共振
にも応用することができることを示している。
【0033】図4に示すように、図3に示した前記ウエ
イト体配置例を紙面上下方向をフォーカシング方向Fと
し、左右方向をトラッキング方向Rとすれば、この構造
は前記と同様に高次共振と、フォーカシング方向Fの一
次共振とロール共振に対する統一ダンパ系として機能さ
せる構造となる。
【0034】また、図3に示す配置例を、紙面上下方向
をトラッキング方向Rとし、左右方向をフォーカシング
方向Fとすれば、この構造は前記同様に高次共振とトラ
ッキング方向Rの一次共振とロール共振に対する統一ダ
ンパ系として機能させる構造となる。
【0035】さらに、前記各配置例を適宜組み合わせる
ようなウエイト体16の配置構造を採用することによ
り、ウエイト体16の群により、アクティブ一次固有振
動,パッシブ寄生回転固有振動,可動部弾性変形固有振
動のいずれの共振に対してもダンパ効果を期待すること
が可能な統一ダンパ系を形成することが可能になる。
【0036】前記実施形態にて説明した構成を採用する
ことによって、これまでは低周波領域における共振対策
としては、後付けのゴム系あるいはゲル系ダンパを使用
し、また高周波領域における共振対策としては、可動部
4の材料あるいは形状変更を行うことにより、それぞれ
個別の対策を行ってきたのに対して、本実施形態では統
一ダンパ系で代用することが可能となり、高機能,低コ
スト,高信頼性を得ることが可能となる。なお、特性を
優先する場合には、従来のダンパと併用して低周波領域
の共振倍率低下効果を増強することも考えられる。
【0037】なお、磁性体としてのウエイト体16とし
て、各種のものを使用することができるが、例えば磁性
金属体において鉄系材料を使用すれば安価なウエイト体
16となる。また磁性体として鋼球を用いれば、一般的
な安価な規格材料を使用して所望の機能を付与すること
が可能となる。さらに、磁性体として磁性金属体がメッ
キされた材料を用いることが考えられ、例えば耐食性な
どの信頼性に優れ、かつ磁性体である高価なニッケル基
材などの材料を安価な基材にメッキ処理を施すことによ
り製造することによって、製造コストが安価で、特性に
優れた磁性体となる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可動部における弾性変形による共振振動振幅が大きいフ
レーム構造の部位に、このフレーム構造の剛性よりも低
い剛性の部材を介して可動部より質量の小さい磁性体を
設けたことによって、可動部における弾性変形による共
振成分の振幅を、対物レンズの設置位置において低下さ
せることができ、制御動作における高次共振のゲイン余
裕を多く確保することができると共に、磁性体が磁気ダ
ンパとして機能するため、一次固有振動に対する共振倍
率を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための対物レンズ
アクチュエータの全体構成を示す斜視図
【図2】本実施形態における可動部のみを示す斜視図
【図3】本実施形態における磁気回路の磁束強度分布を
模式的に示す説明図
【図4】本実施形態における磁束強度分布の生成状態を
磁気回路を簡略して示す可動部の斜視図
【符号の説明】
1 ステータ部 2 ベース体 3a,3b マグネット 4 可動部 5 レンズホルダ 6 対物レンズ 7 フォーカシング用コイル 8a,8b トラッキング用コイル 9 線状ばね 12 フレーム体 15 トラッキング用コイルの空芯部 16 ウエイト体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスク記録/再生装置に搭載され、
    対物レンズを保持するレンズホルダと、ベース体に設け
    られた固定磁気回路と、この固定磁気回路とにより電流
    値に応じてフォーカシング推力およびトラッキング推力
    を発生するソレノイドコイルおよび前記レンズホルダが
    設けられた略矩形状の可動部と、この可動部を推力発生
    量に応じて変位可能に支持する弾性支持部材とを備え、
    前記対物レンズの光軸を前記可動部の作動中心に配し、
    前記可動部における対向する側面がそれぞれ略対称形状
    に形成されている構成の対物レンズアクチュエータにお
    いて、 前記可動部における弾性変形による共振振動振幅が大き
    いフレーム構造の部位に、このフレーム構造の剛性より
    も低い剛性の部材を介して前記可動部より質量の小さい
    磁性体を設けたことを特徴とする対物レンズアクチュエ
    ータ。
  2. 【請求項2】 前記磁性体として磁性金属体を用いたこ
    とを特徴とする請求項1記載の対物レンズアクチュエー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記磁性体として鋼球を用いたことを特
    徴とする請求項1記載の対物レンズアクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記磁性体として磁性金属体がメッキさ
    れた材料を用いたことを特徴とする請求項1記載の対物
    レンズアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記磁性体を前記固定磁気回路における
    フォーカシング方向の磁束分布強度中心部分に設置した
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の対物
    レンズアクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記磁性体を前記固定磁気回路における
    フォーカシング方向の磁束分布強度中心部分、かつトラ
    ッキング方向に複数個設置したことを特徴とする請求項
    1〜4いずれか1項記載の対物レンズアクチュエータ。
  7. 【請求項7】 前記磁性体を前記固定磁気回路における
    トラッキング方向の磁束分布強度中心部分に設置したこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の対物レ
    ンズアクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記磁性体を前記固定磁気回路における
    トラッキング方向の磁束分布強度中心部分、かつフォー
    カシング方向に複数個設置したことを特徴とする請求項
    1〜4いずれか1項記載の対物レンズアクチュエータ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009072330A1 (ja) * 2007-12-04 2009-06-11 Mitsubishi Electric Corporation 対物レンズ駆動装置及び光ピックアップ装置

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