JP2003062064A - 血液ポンプ - Google Patents

血液ポンプ

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JP2003062064A
JP2003062064A JP2001256412A JP2001256412A JP2003062064A JP 2003062064 A JP2003062064 A JP 2003062064A JP 2001256412 A JP2001256412 A JP 2001256412A JP 2001256412 A JP2001256412 A JP 2001256412A JP 2003062064 A JP2003062064 A JP 2003062064A
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impeller
magnet
supporting
pump chamber
blood
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Application number
JP2001256412A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Ito
和之 伊藤
Shinya Fukahori
真也 深堀
Mutsumi Koujiya
睦 糀屋
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Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型化を図りつつインペラの振れを未然に防止
して、常時良好な回転を得ることができる血液ポンプを
提供する。 【解決手段】ステータ7を有するハウジング2と、入口
ポート3及び出口ポート4と、ステータ7の通電により
ステータ7との間で磁力を及ぼし合うインペラ側マグネ
ット8を有するとともに、軸受け3cにより片面側から
のみ回転自在に支持されたインペラ5とを有する血液ポ
ンプであって、インペラ5のインペラ支持面とは反対の
面に第1支持用マグネット14を配設するとともに、第
1支持用マグネット14と対向する部位に第1支持用マ
グネット14と同極を向かい合わせて第2支持用マグネ
ット15を配設し、これらによる反発力をインペラ5の
同一周上でその軸方向に略均等に及ばせたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インペラの回転に
より血液を循環させるための血液ポンプに関し、特に、
小型で且つインペラの回転が常に良好な血液ポンプに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、体外循環回路用の血液ポンプとし
て、拍動流を供給するための拍動ポンプ型、平滑流を供
給するためのローラポンプ型の他、遠心ポンプ型の血液
ポンプが知られており、人工心肺装置や開心術後の心補
助循環装置等において広く用いられている。かかる遠心
ポンプ型の血液ポンプは、入口ポート及び出口ポートと
連通されたポンプ室を具備し、該ポンプ室内でインペラ
を回転させ、回転によって生じる遠心力とポンプ前後の
差圧とに応じて平滑流を供給するものである。
【0003】一方、上記遠心ポンプ型の血液ポンプに配
設されたインペラは、その回転中心がポンプ室内に形成
された軸受けに回転自在に支持された構造とされるた
め、インペラの回転により当該インペラの支持部位と軸
受けとの間の摺動面において発熱が生じ、この発熱部近
傍において血液が溶血(血球が破壊される現象)し易い
という問題があった。
【0004】また、上記血液ポンプは、体外に設置され
て血液を供給又は循環させることを目的としているた
め、その大きさについてはあまり問題にされなかった
が、将来的には血液ポンプを体内に埋め込んで、人工心
臓等として用いることが考えられており、その際には血
液ポンプをより小型化、特に薄型にする必要がある。
【0005】上記の如く血液ポンプの小型化、薄型化を
達成するためには、インペラをその片面側からのみ支持
することが有効であり、そのような支持構造の血液ポン
プは、例えば特開平4−224760号公報で開示され
ている。該公報で開示された血液ポンプによれば、イン
ペラを両面で支持するものに比べて、摺動部位、即ち発
熱部位を減少させて溶血を抑制することができるととも
に、軸受けが一方にのみ形成されていればよいため血液
ポンプ全体を小型化することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の片
面側からのみ支持されたインペラを有する血液ポンプに
おいては、インペラの回転速度や大きさ等種々の条件に
よっては、当該インペラがその回転軸に対して振れてし
まう虞があり、良好なインペラの回転を常時得ることが
できないという問題があった。
【0007】即ち、図10に示すように、軸Lを中心に
回転するインペラIの場合、構造上振れ中心Cを中心と
してa方向に振れ易くなっており、かかる振れによって
インペラIの側面がポンプ室Pの内周面と接触し易くな
っているのに加え、血液ポンプを小型化するには、イン
ペラとポンプ室の内周面との間のクリアランスを小さく
する必要があるため、インペラが微少量振れただけでも
当該インペラの側面とポンプ室の内周面とが接触しまう
という不具合があった。
【0008】このように、インペラの側面がポンプ室の
内周面に接触すると、インペラの回転数が低下するとと
もに、回転が不安定になって、振れが更に大きくなって
しまい、血液の供給作用に悪影響を及ぼす虞がある他、
インペラの損傷等により血液ポンプの寿命が短くなって
しまうという問題があった。尚、インペラとポンプ室と
の接触によってインペラ表面に傷が付いた場合、その傷
によっても溶血が生じてしまう虞もあった。更に、イン
ペラのポンプ室との接触により、熱が生じてしまうこと
も考えられ、その熱によって溶血が促進されてしまう虞
もあった。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、小型化を図りつつインペラの振れを未然に防
止して、常時良好な回転を得ることができる血液ポンプ
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
内部にポンプ室が形成され、該ポンプ室内に磁力を及ぼ
し得る駆動用マグネットを有するハウジングと、前記ポ
ンプ室に連通され、当該ポンプ室内へ血液を導入するた
めの入口ポートと、前記ポンプ室に連通され、当該ポン
プ室から血液を導出するための出口ポートと、前記ポン
プ室内に配設され、前記駆動用マグネットとの間で磁力
を及ぼし合うインペラ側マグネットを有するとともに、
前記ポンプ室内に延設された軸受けにより片面側からの
み回転自在に支持されたインペラとを有し、前記駆動用
マグネットとインペラ側マグネットとの間で及ぼし合う
磁力で前記インペラを回転させ、前記入口ポートからポ
ンプ室に導入された血液を前記出口ポートから導出する
血液ポンプであって、前記インペラのインペラ支持面と
は反対の面に第1支持用マグネットを配設するととも
に、前記ハウジングにおける前記第1支持用マグネット
と対向する部位に当該第1支持用マグネットと同極を向
かい合わせて第2支持用マグネットを配設し、これら第
1支持用マグネット及び第2支持用マグネットの反発力
を前記インペラの同一周上でその軸方向に略均等に及ば
せたことを特徴とする。
【0011】かかる構成によれば、駆動用マグネットに
よりポンプ室内に磁力が及ぼされると当該駆動用マグネ
ットとインペラ内に配設されたインペラ側マグネットと
の間で磁力に基づく引力を生じ、駆動用マグネットによ
る回転磁場によりインペラが軸受けを中心としてポンプ
室内で回転する。インペラの回転により、入口ポートか
ら導入された血液はポンプ室を経て出口ポートから導出
されることとなるが、第1支持用マグネット及び第2支
持用マグネットの反発力がインペラの支持面とは反対の
面から及ばされる。このため、インペラは同一周上であ
って軸受けに押圧される方向(軸方向)に略均等の反発
力を受けるため、振れ方向の力の影響を受け難くなって
いる。尚、駆動用マグネット、第1支持用マグネット及
び第2支持用マグネットは、永久磁石であっても電磁石
であってもよい。
【0012】請求項2記載の発明は、前記第1支持用マ
グネット及び第2支持用マグネットが、前記インペラの
回転軸を中心として円環状に配設されたことを特徴とす
る。
【0013】請求項3記載の発明は、前記第1支持用マ
グネット及び第2支持用マグネットのうち少なくとも一
方は、所定間隔離間して円環状に配設された複数の磁石
であることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明は、前記インペラの回
転中心にテーパ面が形成されるとともに、該テーパ面と
対応するテーパ面が軸受けに形成され、これらテーパ面
同士を摺動面として当該インペラが回転することを特徴
とする。
【0015】請求項5記載の発明は、前記駆動用マグネ
ットが、前記インペラに対し回転力を付与するととも
に、当該インペラを前記軸受け側に引き付ける吸引力を
付与する状態にて配設されたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら具体的に説明する。本実施形態に係
る血液ポンプは、インペラの回転力により入口ポートか
ら導入した血液を出口ポートから導出させるものであ
り、図1に示すように、内部にポンプ室6が形成された
ハウジング2と、ポンプ室6に連通して形成された入口
ポート3及び出口ポート4と、ポンプ室6内に配設され
たインペラ5と、第1支持用マグネット14及び第2支
持用マグネット15とから主に構成されている。
【0017】ハウジング2は、透明樹脂から成る略円筒
状の成形品であり、基台部2a、上蓋2b及び下蓋2c
から主に構成されたものである。基台部2aは、中央に
ポンプ室6を形成すべく下方に開口した第1の凹部P1
が形成されるとともに、該第1の凹部P1の周囲にステ
ータ7を配設すべく上方に開口した第2の凹部P2が円
環状に形成されており、第1の凹部P1の開口を下蓋2
cで塞ぐことによってポンプ室6を形成し、第2の凹部
P2の開口を上蓋2bで塞ぐことによってステータ7及
びその配線等をハウジング2内に内在させている。
【0018】下蓋2cは、基台部2aとの当接面におい
てOリング10を介在させ、ネジ11にて基台部2aの
下面に結合されており、上蓋2bは、その外周縁部に形
成された雌ネジ部を基台部2aの外周縁部に形成された
雄ネジに螺合させることにより基台部2aの上面に結合
されて構成されているが、他の結合手段及び方法によっ
て上蓋2b及び下蓋2cを基台部2aに固定してもよ
い。尚、下蓋2cに形成された第2支持用マグネット1
5の詳細については後述する。
【0019】第2の凹部P2内に配設されるステータ7
は、図2に示すように、円環状に形成されたヨーク12
の内側に向かって延設されたステータコア7aと、該ス
テータコア7aに導電線を巻いて形成されたコイル部7
bとから主に構成され、ポンプ室6内に磁力を及ぼし得
る駆動用マグネットを成している。ステータコア7aの
先端は、ポンプ室6の内周面に沿って拡幅して形成され
る一方、その基端側に巻かれたコイル部7bは外部に配
設される電源及び制御手段等(いずれも不図示)に連結
された配線13に接続されており、かかる電源によるコ
イル部7bに対する電圧の印加が行われると、当該コイ
ル部7bに電流が流れ、ステータコア7a先端からポン
プ室6内に対して磁力を及ぼし得るよう構成されてい
る。
【0020】入口ポート3は、ハウジング2の上面から
突出形成され、ポンプ室6に連通されて血液を当該ポン
プ室6内に導入するものであり、出口ポート4は、ハウ
ジング2の側面から突出形成され、ポンプ室6に連通さ
れてポンプ室6内の血液を外部に導出するものである。
これら入口ポート3及び出口ポート4の先端は、可撓性
チューブ等の先端を嵌合係止し得るよう複数の円環状凸
部が形成されている。
【0021】また、入口ポート3は、図3及び図4で示
すように、ハウジング2の上面に当接及びネジ固定され
る台座部3aが形成されており、その下部から下方に向
かって2本の柱部3bが延設され、更にその先端には軸
受け3cが形成されている。かかる軸受け3cは、イン
ペラ5を回転自在に支持するもので、下端面にテーパ面
3caが形成され、該テーパ面3caと対応したテーパ
面5aとの間でインペラの回転のための摺動面を成して
いる。
【0022】インペラ5は、ポンプ室6内に配設され、
ステータ7の通電により当該ステータ7との間で磁力を
及ぼし合わせるインペラ側マグネット8を有するととも
に、ポンプ室6内に延設された軸受け3cにより上面側
からのみ回転自在に支持されたものであり、図5に示す
ように、中心から放射状に形成された羽根部5bの回転
により血液に対して流動作用を及ぼすものである。尚、
図1における符号9は、インペラ側マグネット8の内周
面に固定されたヨークを示している。
【0023】インペラ5内に配設されたインペラ側マグ
ネット8がステータコア7a先端から生じる磁力を受け
ることにより、インペラ5が軸受け3cを中心に所定方
向に回転することとなるが、コイル部7bへの電圧の印
加タイミングを制御することにより、インペラ5の回転
速度を調整することができる。尚、インペラ5が具備す
る羽根部5bの形状は、ポンプ室6内の血液に対して流
動作用を及ぼすものであれば、他の形状としてもよい。
【0024】また、インペラ5の中央部には円環状の回
転中心部材5cが嵌合固定されており、該回転中心部材
5cの上側内周面には既述したテーパ面5aが形成され
ている。かかるテーパ面5aに軸受け3cのテーパ面3
caを当接させるとともに、図4に示すように、ステー
タ7による上方への吸引力Fを付与することにより、イ
ンペラ5は軸受け3c側に引き付けられつつ片面(上
面)側のみから支持されることとなる。
【0025】このように、インペラ5を片面側のみから
支持することにより、両面から支持するものに比べて小
型化することができるとともに、発熱部位となるインペ
ラ5の支持箇所を減らすことができるため、インペラ5
の回転に伴う発熱を抑制し、溶血を抑制することができ
る。また、軸受け3cのテーパ面3caと回転中心部材
5cのテーパ面5aとをインペラ5の回転時における摺
動面としているので、芯出しが容易で、且つ、安定した
インペラ5の回転を得ることができる。
【0026】更に、インペラ5には、円板状の第1支持
用マグネット14が所定間隔離間して円環状に複数配設
(図5参照)されるとともに、ハウジング2を構成する
下蓋2cには、円環状の第2支持用マグネット15が配
設(図6参照)され、下蓋2cが基台部2aに組み付け
られた状態で第1支持用マグネット14と第2支持用マ
グネット15とが対向するよう構成されている。
【0027】これら第1支持用マグネット14及び第2
支持用マグネット15は、反発力を得るために互いに同
極が向かい合うように配設された永久磁石とする必要が
あるが、向かい合う面双方がS極であってもN極であっ
てもよい。また、第1支持用マグネット14は、図8に
示すように、円環状に配設された矩形の永久磁石から成
るものとしてもよい。
【0028】尚、第1支持用マグネット14及び第2支
持用マグネット15は、血液ポンプ1の薄型化の観点か
ら、それぞれインペラ5の底面及び下蓋2cの上面にイ
ンサート成形にて固定されるのが好ましいが、薄型の磁
石を用いれば、接着剤等によってインペラ5の底面及び
下蓋2cの上面に接着して配設するよう構成してもよ
い。また、各第1支持用マグネット14の離間寸法は、
インペラ5における回転の安定性を勘案して適宜設計さ
れるのが好ましい。
【0029】更に好ましくは、図5に示すように、中心
軸Lと対象の位置に一対の第1支持用マグネット14
(同図における一対の14a若しくは一対の14bの如
く)を配設するのが好ましく、かかる構成によれば、以
下の如き作用効果が得られる。即ち、インペラ5が振れ
中心Cに対して振れた場合、第1支持用マグネット14
と第2支持用マグネット15との間の距離が近くなる部
位が存在する。振れ中心Cに対して前記部位から180
°反対側の部位では、第1支持用マグネット14と第2
支持用マグネット15との間の距離が長くなる。そし
て、インペラ5にはその振れ方向と逆方向に振れ中心C
に対するモーメントが生じるため、インペラ5は元の姿
勢に戻ろうとし、その結果、インペラ5は安定して回転
することができる。
【0030】また、図7に示すように、上記第1支持用
マグネット14に代えて第2支持用マグネット15と同
様の円環状に形成された1つの磁石を用いるようにして
もよいが、本実施形態の如く、所定間隔離間して複数配
設したものによれば、1つの円環状のものに比べてイン
ペラ5を軽量化することができる。
【0031】尚、本実施形態とは逆に、第1支持用マグ
ネット14を1つの円環状磁石とし、第2支持用マグネ
ット15を所定間隔離間して円環状に複数配設した磁石
とすることができ、更に、第1支持用マグネット14及
び第2支持用マグネット15の双方を所定間隔離間して
円環状に複数配設した磁石とすることもできる。また、
本実施形態における回転中心部材5cのようなインペラ
の上下を貫く孔がない血液ポンプであれば、第1支持用
マグネット及び第2支持用マグネットを円形状に形成
し、各円形の中心をインペラの回転中心と合致させて同
一周上から及ばされる反発力を略均等にしてもよい。
【0032】次に、上記血液ポンプ1の作用について説
明する。まず、入口ポート3及び出口ポート4の先端に
所定部位(例えば血液回路等)を構成する可撓性チュー
ブを接続した後、制御手段による印加制御を行いつつ電
源によるステータ7への電圧印加を行ってインペラ5を
回転させる。即ち、ポンプ室6を取り囲む複数のステー
タ7に印加している電圧の位相を回転させることにより
回転磁場が生じるので、インペラ5に対し回転力を付与
するのである。この時、インペラ5は、インペラ側マグ
ネット8とステータコア7aとの吸引力により上方へ引
き付けられつつ回転するので、安定したインペラ5の回
転を得ることができる。
【0033】即ち、インペラ5には回転方向への吸引力
の他、インペラ側マグネット8とステータコア7aとの
吸引力により上方へ引き付けられる力F(図4参照)が
働く結果、インペラ5の回転中心が軸受け3cに押しつ
けられるので、回転中心部材5cのテーパ面5aが軸受
け3cのテーパ面3caに押圧されつつ摺動し、テーパ
による芯出し効果が十分に発揮される。尚、この時、ヨ
ーク9及び12によってマグネット8及びステータ7の
磁束漏れがそれぞれ防止され、互いに効率良く磁力を付
与(相互作用)することができる。
【0034】更に、インペラ5は、第1支持用マグネッ
ト14及び第2支持用マグネット15により、図9に示
すように、当該インペラ5の同一周上に均等な軸方向の
反発力fが作用しており、図1中上方(即ち、インペラ
5の回転中心部材5cが軸受け3cへ押圧される方向)
へ押圧されつつ回転することとなる。これにより、本実
施形態の如く片面側からのみ支持されて振れが生じ易く
なっているインペラ5に対し、振れ方向の力の影響を受
け難くすることができるとともに、第1支持用マグネッ
ト14と第2支持用マグネット15とが反発力を生じて
いるので、吸引力に比べてインペラ5の回転をより安定
化させることができる。
【0035】即ち、第1支持用マグネットと第2支持用
マグネットとを異極で形成して吸引力を生じさせた場
合、インペラの回転軸が振れによって傾いたとき、磁石
同士が近接する部分が存在し、その部分の吸引力が大き
くなるので、傾いた方向への吸引力が更に大きくなって
しまって振れを増幅させるのに対し、本実施形態の如く
反発力であれば、振れを増幅させる虞がないのである。
【0036】また、インペラ5の振れを未然に防止する
ことができるため、インペラ5の側面とポンプ室6との
間のクリアランスを、振れを想定して設計されたものに
比べて小さくすることができ、ステータコア7aの先端
とインペラ側マグネット8との離間寸法を最大限短くす
ることができるため、ステータ7に印加する電圧に対す
るインペラ5の回転効率を向上させることができる。
【0037】即ち、ステータコア7aの先端とインペラ
側マグネット8との離間寸法が大きい程、ステータコア
7aがインペラ側マグネット8に及ぼす磁力(吸引力)
が小さくなってしまうので、当該離間寸法をできるだけ
短くして磁力を大きくしたいところであるが、従来はイ
ンペラ5とポンプ室6との接触を避けるべく、インペラ
の回転効率を犠牲にして離間寸法を大きめに取っていた
のに対し、本発明によれば、かかる接触の原因である振
れが未然に防止されるため、限離間寸法を極めて小さく
することができ、インペラの回転効率を向上させること
ができるのである。
【0038】そして、インペラ5の回転に伴って羽根部
5bが回転し、入口ポート3から血液を導入しつつ、そ
の血液を出口ポート4から導出するポンプ動作が行わ
れ、電源によるステータ7への電圧印加を停止すること
により、ステータコア7aからの磁力がなくなってイン
ペラ5の回転が止まり、血液ポンプ1の駆動が停止す
る。
【0039】以上、本実施形態について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、例えばポンプ室
底面から突出した別の軸受けによりインペラ下面が支持
されるよう構成された血液ポンプに適用することもで
き、この場合、インペラの上面に第1支持マグネットを
配設するとともに、第2支持マグネットをポンプ室より
上側に配設して構成する。尚、ハウジング側に形成され
る第2支持マグネットは、永久磁石の他、電磁石等とす
ることができる。更に、軸受け先端を球状とし該球状に
対応した形状の凹部をインペラの回転中心に形成してお
き、これらをインペラ回転時の摺動面とすることもでき
る。
【0040】また、図11に示すように、インペラ5の
回転力を付与する駆動用マグネットとして永久磁石7’
を用いてもよく、この場合、各インペラ側マグネット8
と対向する面の極が交互に逆になるよう複数の永久磁石
7’を円環状に形成してモータMにより回転させ、イン
ペラ側マグネット8に対し回転方向の磁力を及ぼしてイ
ンペラ5を回転させるよう構成するのが好ましい。勿
論、同図に示したように、インペラ5の上面には第1支
持用マグネット14が配設されるとともに、これと対向
する面(ハウジング2側の面)に第2支持用マグネット
15が配設された構成とする必要がある。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、インペラは同
一周上に均等な軸方向の反発力が作用して、振れ方向の
力の影響を受け難くなっているので、小型化を図りつつ
インペラの振れを未然に防止して、常時良好な回転を得
ることができる。
【0042】請求項2の発明によれば、第1支持用マグ
ネット及び第2支持用マグネットがインペラの回転軸を
中心として円環状に配設されているため、インペラは同
一周上に均等な軸方向の反発力が作用して、振れ方向の
力の影響を受け難くすることができる。
【0043】請求項3の発明によれば、前記第1支持用
マグネット及び第2支持用マグネットのうち少なくとも
一方は、所定間隔離間して円環状に配設された複数の磁
石であるので、血液ポンプ全体を軽量化することができ
る。特に、第1支持用マグネットを所定間隔離間して配
設すれば、インペラを軽量化することができる。
【0044】請求項4の発明によれば、請求項1〜請求
項3の上記効果に加え、インペラの回転中心と軸受けと
の摺動面がテーパ面同士であるため、芯出しを容易にす
ることができ、インペラ回転時の安定性も向上させるこ
とができる。
【0045】請求項5の発明によれば、請求項1〜請求
項4の上記効果に加え、駆動用マグネットによりインペ
ラを軸受け側に引き付ける吸引力を生じさせているの
で、インペラが振れてしまうのを回避することができ、
より安定した回転とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る血液ポンプを示す縦断
面図
【図2】本発明の実施形態に係る血液ポンプを示す上面
【図3】本発明の実施形態に係る血液ポンプにおける軸
受け及びインペラを示す模式図
【図4】本発明の実施形態に係る血液ポンプにおける軸
受け及びインペラを示す模式図
【図5】本発明の実施形態に係る血液ポンプにおけるイ
ンペラを示す底面図
【図6】本発明の実施形態に係る血液ポンプにおけるハ
ウジングを構成する下蓋を示す上面図
【図7】本発明の他の実施形態に係る血液ポンプにおけ
るインペラを示す底面図
【図8】本発明の他の実施形態に係る血液ポンプにおけ
るインペラを示す底面図
【図9】本発明の実施形態に係る血液ポンプにおけるイ
ンペラが反発力を略均等に受けた状態を示す模式図
【図10】血液ポンプにおけるインペラを1点支持にし
た場合の振れを説明するための模式図
【図11】本発明の他の実施形態に係る血液ポンプを示
す縦断面図
【符号の説明】
1…血液ポンプ 2…ハウジング 2a…基台部 2b…上蓋 2c…下蓋 3…入口ポート 3a…台座部 3b…柱部 3c…軸受け 3ca…テーパ面 4…出口ポート 5…インペラ 5a…テーパ面 5b…羽根部 5c…回転中心部材 6…ポンプ室 6a…内周面 7…ステータ(駆動用マグネット) 7a…ステータコア 7b…コイル部 7’…駆動用マグネット 8…インペラ側マグネット 9…ヨーク 10…Oリング 11…ネジ 12…ヨーク 13…配線 14…第1支持用マグネット 15…第2支持用マグネット A、B…仮想球 C…振れ中心 P1…第1の凹部 P2…第2の凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糀屋 睦 静岡県榛原郡榛原町静谷498−1 日機装 株式会社静岡製作所内 Fターム(参考) 4C077 AA30 BB10 DD08 HH09 HH19 JJ08 JJ19 KK01 NN01 PP24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にポンプ室が形成され、該ポンプ室内
    に磁力を及ぼし得る駆動用マグネットを有するハウジン
    グと、 前記ポンプ室に連通され、当該ポンプ室内へ血液を導入
    するための入口ポートと、 前記ポンプ室に連通され、当該ポンプ室から血液を導出
    するための出口ポートと、 前記ポンプ室内に配設され、前記駆動用マグネットとの
    間で磁力を及ぼし合うインペラ側マグネットを有すると
    ともに、前記ポンプ室内に延設された軸受けにより片面
    側からのみ回転自在に支持されたインペラと、を有し、
    前記駆動用マグネットとインペラ側マグネットとの間で
    及ぼし合う磁力で前記インペラを回転させ、前記入口ポ
    ートからポンプ室に導入された血液を前記出口ポートか
    ら導出する血液ポンプであって、 前記インペラのインペラ支持面とは反対の面に第1支持
    用マグネットを配設するとともに、前記ハウジングにお
    ける前記第1支持用マグネットと対向する部位に当該第
    1支持用マグネットと同極を向かい合わせて第2支持用
    マグネットを配設し、これら第1支持用マグネット及び
    第2支持用マグネットの反発力を前記インペラの同一周
    上でその軸方向に略均等に及ばせたことを特徴とする血
    液ポンプ。
  2. 【請求項2】前記第1支持用マグネット及び第2支持用
    マグネットは、前記インペラの回転軸を中心とした円環
    状に配設されたことを特徴とする請求項1記載の血液ポ
    ンプ。
  3. 【請求項3】前記第1支持用マグネット及び第2支持用
    マグネットのうち少なくとも一方は、所定間隔離間して
    円環状に配設された複数の磁石であることを特徴とする
    請求項2記載の血液ポンプ。
  4. 【請求項4】前記インペラの回転中心にテーパ面が形成
    されるとともに、該テーパ面と対応するテーパ面が軸受
    けに形成され、これらテーパ面同士を摺動面として当該
    インペラが回転することを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれか1つに記載の血液ポンプ。
  5. 【請求項5】前記駆動用マグネットは、前記インペラに
    対し回転力を付与するとともに、当該インペラを前記軸
    受け側に引き付ける吸引力を付与する状態にて配設され
    たことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つ
    に記載の血液ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017164599A1 (ko) * 2016-03-24 2017-09-28 서울대학교산학협력단 혈액 펌프
KR20200008815A (ko) * 2018-07-17 2020-01-29 서강대학교산학협력단 원심형 혈액 펌프

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