JP2003061057A - 付加データ検出装置及び付加データ検出方法並びに付加データ検出プログラム - Google Patents

付加データ検出装置及び付加データ検出方法並びに付加データ検出プログラム

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JP2003061057A
JP2003061057A JP2001246283A JP2001246283A JP2003061057A JP 2003061057 A JP2003061057 A JP 2003061057A JP 2001246283 A JP2001246283 A JP 2001246283A JP 2001246283 A JP2001246283 A JP 2001246283A JP 2003061057 A JP2003061057 A JP 2003061057A
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Application number
JP2001246283A
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English (en)
Inventor
Takashi Kobashi
貴志 小橋
Yuki Matsumura
祐樹 松村
Osamu Nakamura
理 中村
Shunichi Soma
俊一 相馬
Yoichi Nishino
洋一 西野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子透かしパターンの領域設定がDCTブロ
ック構成に合っていない場合であっても、DCT領域か
らの電子透かしの検出を正確に行う。 【解決手段】 電子透かし検出装置10は、検出すべき
電子透かしパターンWと検出対象画像データYとの相関
値である電子透かし成分検出値WMを、検出対象画像デ
ータYに対して設定した一又は複数の領域毎に検出する
相関検出部12を備える。電子透かし検出装置10は、
相関検出部12により、一の領域から抽出すべき相関値
を、当該一の領域のデータのみならず、検出対象画像デ
ータYの全体のデータと、検出対象画像データYと同サ
イズを有する各領域の相関値算出用の電子透かしパター
ンとの相関演算を行うことによって求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる電子透か
しを利用して例えば画像データ等の著作物にかかわる主
データに対して埋め込まれた付加データを検出する付加
データ検出装置及び付加データ検出方法並びに付加デー
タ検出プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、いわゆるコンパクトディスク(Co
mpact Disc)、MD(Mini Disc)、DVD(Digital V
ersatile Disk)といった記録媒体やインターネット等
の普及に伴い、複製や改竄が極めて容易とされる著作物
たるディジタルデータについての違法な複製による著作
権侵害が問題となっている。そこで、この問題に対処す
るため、例えば、いわゆる"COPY ONCE"や"NEVER COPY"
といったディジタルデータの複製制御のための情報や著
作権者表示のための著作権情報を付加データとして画像
データや音声データ等の主データに対して埋め込む技術
である電子透かし(Digital Watermark, Digital Data
Embedding, Digital Data Hiding)が提案されている。
【0003】電子透かしは、例えば、画像データに対し
て付加データを埋め込む場合には、主データたる画像デ
ータの質を維持しつつ人間の視覚では視認しがたい形態
で付加データを埋め込み、また、音声データに対して付
加データを埋め込む場合には、主データたる音声データ
の質を維持しつつ人間の聴覚では聴取しがたい形態で付
加データを埋め込む技術である。
【0004】このような電子透かし情報として主データ
に対して埋め込まれた付加データは、主データを複製し
ようとする場合、記録装置によって検出される。これに
より、電子透かし処理においては、検出された付加デー
タに応じて、データの流通経路や使用権の有無の検査
や、複製制御情報の検証を行うことができ、主データに
ついての違法な複製を防止することができる。
【0005】主データに対して電子透かし情報を埋め込
む技術としては各種提案がなされており、例えば、埋め
込み先である主データが有する統計的性質を利用するも
のがある。その具体例として、画像データが有する統計
的性質に基づいた手法について説明する。
【0006】電子透かし情報(電子透かしパターン)を
埋め込む元画像データを"P"とし、要素が"−1","1"
からなる電子透かしパターンを"W"とする。このとき、
次式(1)に示す性質を満たすものとする。
【0007】
【数1】
【0008】具体例として、元画像データP及び電子透
かしパターンWを、それぞれ、次式(2)及び次式
(3)に示すものとする。
【0009】
【数2】
【0010】
【数3】
【0011】なお、ここでは、説明の簡略化のため、元
画像データPの大きさを縦4×横5画素としている。ま
た、ここでは、元画像データPの大きさと電子透かしパ
ターンWの大きさとが同じであるものとしているが、必
ずしも同じである必要はない。電子透かし技術において
は、元画像データPの大きさと電子透かしパターンWの
大きさとが異なる場合には、元画像データPと電子透か
しパターンWとが重複している部分について演算を施す
ことになる。
【0012】電子透かしの埋め込み処理は、次式(4)
に示す演算を行うことによって行われる。
【0013】
【数4】
【0014】上式(4)における"M"は、元画像データ
Pに対して電子透かしパターンWを埋め込んだ画像デー
タを示すものである。したがって、上式(2)及び上式
(3)の例の場合には、次式(5)に示す演算を行うこ
とによって元画像データPに対して電子透かしパターン
Wが埋め込まれる。
【0015】
【数5】
【0016】一方、電子透かしの検出処理は、電子透か
しパターンWを用いて行われる。電子透かしが埋め込ま
れていない元画像データPに対する電子透かしの検出処
理を次式(6)に示すように定義する。なお、次式
(6)における演算子"・"は、行列の内積を示し、"x"
は、元画像データPと電子透かしパターンWとの内積値
を示すものである。
【0017】
【数6】
【0018】電子透かしパターンWの要素の総和は"0"
であり、画像データにおける隣り合う画素は一般的に近
い値を有する傾向があることから、内積値xは、"0"の
近傍値となる。したがって、上式(2)及び上式(3)
の例の場合には、次式(7)に示す演算を行うことによ
って内積値xが求められる。
【0019】
【数7】
【0020】続いて、電子透かし処理においては、電子
透かしが埋め込まれた画像データMに対して同様の演算
を施す。なお、次式(8)における"x'"は、画像デー
タMと電子透かしパターンWとの内積値を示すものであ
る。
【0021】
【数8】
【0022】このように、元画像データPと電子透かし
パターンWとの内積値xが"0"の近傍値となるのに対し
て、電子透かしが埋め込まれた画像データMと電子透か
しパターンWとの内積値x'は、電子透かしパターンW
自身の内積値"W・W"の近傍値となる。
【0023】したがって、この内積値"W・W"は、電子
透かしの埋め込み強度の尺度として用いることができ
る。ここで、電子透かしパターンWを元画像データPに
対して埋め込む際に目標とする内積値"W・W"が大きい
場合には、「電子透かしの埋め込み強度が強い」と表現
し、内積値"W・W"が小さい場合には、「電子透かしの
埋め込み強度が弱い」と表現する。また、元画像データ
Pと電子透かしパターンWとの内積値x、及び電子透か
しが埋め込まれた画像データMと電子透かしパターンW
との内積値x'の絶対値が大きい場合には、「電子透か
しの検出強度が強い」と表現し、内積値x,x'の絶対
値が大きい場合には、「電子透かしの検出強度が弱い」
と表現する。さらに、電子透かしの検出強度が強いこと
を「画像データと電子透かしパターンとの相関が大きい
又は高い」と表現し、電子透かしの検出強度が弱いこと
を「画像データと電子透かしパターンとの相関が小さい
又は低い」と表現することもある。
【0024】元画像データPと電子透かしパターンWと
の内積値x、及び電子透かしが埋め込まれた画像データ
Mと電子透かしパターンWとの内積値x'を様々な画像
データにおいて求めると、それらの相対頻度分布は、そ
れぞれ、図6に示すように、確率密度関数f,f'によ
って表される。すなわち、元画像データPと電子透かし
パターンWとの内積値xの相対頻度分布は、"0"を平均
値とする正規分布に近い分布となり、電子透かしが埋め
込まれた画像データMと電子透かしパターンWとの内積
値x'の相対頻度分布は、"W・W"を平均値とする正規
分布に近い分布となる。
【0025】そこで、電子透かし処理においては、画像
データに対して電子透かしパターンが埋め込まれている
か否かを判断する際に、電子透かしが埋め込まれていな
い元画像データPと電子透かしパターンWとの内積値x
が"0"を中心として分布することと、電子透かしが埋め
込まれた画像データMと電子透かしパターンWとの内積
値xが"W・W"を中心として分布することを利用する。
すなわち、電子透かし処理においては、電子透かしの有
無を確認したい検出対象画像データと電子透かしパター
ンWとの内積値x''を求め、図7に示すように、ある閾
値thに対する内積値x''の大小に基づいて、電子透か
しの有無を判別する。より具体的には、電子透かし処理
においては、内積値x''と閾値thとの関係が、x''<
thである場合には、検出対象画像データに対して電子
透かしパターンが埋め込まれていないものと判定し、
x''≧thである場合には、検出対象画像データに対し
て電子透かしパターンが埋め込まれているものと判定す
る。
【0026】この閾値thは、内積値xの確率密度関数
fと内積値x'の確率密度関数f'との統計的性質から定
められる値である。電子透かし処理においては、電子透
かしが埋め込まれていないにも拘わらず内積値x''が閾
値thを超えること、すなわち、電子透かしが埋め込ま
れていないにも拘わらず電子透かしが埋め込まれている
ものと判定することを"false positive"といい、電子透
かしが埋め込まれているにも拘わらず内積値x''が閾値
thに満たないこと、すなわち、電子透かしが埋め込ま
れているにも拘わらず電子透かしが埋め込まれていない
ものと判定することを"false negative"という。閾値t
hは、"false positive"になる確率p と"false neg
ative"になる確率pFNとを定めると、定まるものであ
る。ただし、確率密度関数f'の分布の中心位置"W・
W"の値が十分に大きくない場合には、確率pFPと確
率pFNとをともに満足させることが不可能となり得
る。そこで、電子透かし処理においては、電子透かしパ
ターンWの元画像データPへの埋め込み処理を上式
(4)から次式(9)へと変更する。
【0027】
【数9】
【0028】なお、上式(9)における"c"は、負でな
いスカラー値である。電子透かし処理においては、この
変更に伴い、電子透かしの埋め込み強度を電子透かしパ
ターンW自身の内積値"W・W"からスカラー値cを乗じ
た"cW・W"とする。
【0029】電子透かし処理においては、閾値thを定
めるために、図8中斜線部に示すように、まず電子透か
しを用いるアプリケーションにて必要とされる確率p
FPと確率pFNとを定め、そのときの境界値thFP
と境界値thFNとを定める。なお、このとき、th
FP≦thFNが満たされている必要がある。そして、
電子透かし処理においては、thFP≦thFNを満た
すように確率密度関数fと確率密度関数f'との統計的
性質を勘案しながら確率密度関数f'の中心位置"cW・
W"を定め、閾値thを定める。閾値thのとり得る範
囲は、同図に示すように、境界値thFPから境界値t
FNまでの範囲となる。
【0030】電子透かし処理においては、電子透かしパ
ターンWを元画像データPに対して埋め込む際、元画像
データPに対する変更が多いほど、すなわち、内積値"
cW・W"が大きいほど、元画像データPが受けるダメ
ージが大きくなる。そこで、電子透かし処理において
は、内積値"cW・W"が所望の確率pFP,pFNを満
たし、且つ、内積値"cW・W"が最小となるように、ス
カラー値cを定めることが一般的に行われる。すなわ
ち、電子透かし処理においては、次式(10)に示す関
係を満たすようにスカラー値cを定める。この状態を図
示すると、図9に示すようになる。
【0031】
【数10】
【0032】電子透かし処理においては、適用するアプ
リケーションによっては確率pFP,pFNに関して極
めて小さい値が要求されることがある。特に、確率p
FPについては、その要求が著しい。これは、例えば、
電子透かしを著作権保護に用いる場合、違法に複製され
た画像データを合法的な画像データであるものと誤って
判断したとしても、ユーザクレームに至りにくい状況で
あるのに対して、合法的な画像データを違法に複製され
た画像データであるものと誤って判断してしまうと、ユ
ーザクレームに至る可能性が大きいことによる。
【0033】ここで、電子透かし処理においては、確率
FP,pFNは、限りなく"0"に近いことが理想的で
ある。しかしながら、電子透かし処理においては、確率
,pFNが極めて小さい値となるように閾値th
を定めると、例えば図10に示すように、先に図9に示
した場合と比べても明らかなように、電子透かしの強度
を示す内積値"cW・W"が増大し、電子透かしの埋め込
みによる元画像データPへの影響が無視できないものと
なる。
【0034】このように、電子透かし処理においては、
電子透かしの検出の信頼性と電子透かしによる元画像デ
ータの画質への影響は、互いにトレードオフの関係にあ
るといえる。
【0035】このような電子透かし処理においては、電
子透かしの検出の信頼性を確保しつつ、電子透かしの画
質への影響を可能な限り抑制するための種々の手法が提
案されている。広く採用されている基本的な手法として
は、元画像データ内のエッジ部分には電子透かしを強く
埋め込み、元画像データ内の平坦な部分には電子透かし
を弱く埋め込むものが挙げられる。この手法は、電子透
かしを埋め込むことによる画素値の変更が数値的に同じ
である場合には、平坦な部分ではその変更が目立ちやす
い一方で、エッジ部分ではその変更が目立ちにくいとい
う人間の視覚特性を利用したものである。このように、
エッジ部分と平坦部分とで電子透かしの埋め込み強度に
強弱をつけた場合であっても、画像データ全体として一
定量の電子透かしパターンが埋め込まれているならば、
その電子透かしの検出の信頼性は、電子透かしを均一に
埋め込んだ場合と比べてほぼ同程度となる。
【0036】さて、上述した内容は、電子透かしの埋め
込み処理及び検出処理であるが、この検出方法では、画
像データに対して電子透かしパターンが埋め込まれてい
るか否かの2通りの判別しかすることができない。換言
すれば、この検出処理では、1ビットの情報しか表現で
きないことになる。そこで、電子透かし処理において
は、以下に示すように、画像データに対して埋め込む電
子透かし情報を多ビット化することができる。
【0037】多ビットの情報を画像データに対して埋め
込む手法は、複数の電子透かしパターンを用いる手法
と、画像データを小領域に分割する手法と、これらを複
合した手法とに大別される。
【0038】複数の電子透かしパターンを用いる手法に
おいては、複数の電子透かしパターンのそれぞれに異な
る意味を持たせ排他的に画像データに対して埋め込むこ
とによって所望の情報を表現する手法と、複数の電子透
かしパターンを同時に重ねて画像データに対して埋め込
みその組み合わせによって所望の情報を表現する手法
と、これらの2つの手法を複合した手法とが考えられ
る。例えば元画像データPに対してn個の電子透かしパ
ターンWを埋め込み、検出する概念を図11に示す。
【0039】複数の電子透かしパターンのそれぞれに異
なる意味を持たせ排他的に画像データに対して埋め込む
ことによって所望の情報を表現する手法においては、画
像データに対して埋め込みたい情報のビット数をbビッ
トとしたとき、必要となる電子透かしパターンの種類n
は、n=2となる。また、複数の電子透かしパターン
を同時に重ねて画像データに対して埋め込みその組み合
わせによって所望の情報を表現する手法においては、必
要となる電子透かしパターンの種類nは、n=bとな
る。ただし、この手法は、電子透かしパターンの種類が
少なくて済むものの、電子透かしパターンを画像データ
に対して複数重ねて埋め込むことから、画像データの劣
化に対する適切な処置を必要とする場合が多い。さら
に、これらの2つの手法を複合した手法においては、必
要となる電子透かしパターンの種類nは、b≦n≦2
となり、両手法の特徴を併有するものとなる。
【0040】一方、画像データを小領域に分割する手法
は、画像データにおける小領域毎に異なる意味を持たせ
ることによって画像データ中に複数の電子透かしを同時
に存在させようとするものである。この手法を実現する
ための小領域の配置の仕方としては、種々のものが提案
されている。ここでは、図12に示すように、小領域を
格子状に配置した例を用いて説明するものとする。な
お、同図におけるi,jは、ともに負でない整数であ
る。
【0041】この手法においては、元画像データを小領
域に分割する際の分割数が問題となる。まず、元画像デ
ータに対して埋め込みたい情報のビット数がbビットで
あるとき、元画像データをb個の小領域に分割する手法
が考えられる。しかしながら、この手法は、様々な元画
像データに対して電子透かしパターンを埋め込む場合、
元画像データが有する視覚特性を考慮して電子透かしパ
ターンを埋め込むことが多いことから、問題が発生しや
すい。例えば、この手法においては、電子透かしをエッ
ジ部分に強く埋め込み、平坦部分に弱く埋め込む等の処
理を加えるとき、あるビットに対応する小領域が偶然に
も平坦部分であった場合に、その領域に埋め込まれてい
る電子透かしを検出できないおそれがある。そして、こ
の手法においては、たとえ1つの領域でも検出に失敗し
た領域が存在すると、残りの領域に埋め込まれている電
子透かしが検出されたとしても、全体の組み合わせとし
ての意味が没却されるという事態に陥る。
【0042】そこで、この手法において元画像データを
小領域に分割するときには、"b"よりも数が多い小領域
に分割することが行われる。例えば、この手法において
は、埋め込みたい情報が8ビット(b,b,b
,b,b,b,b )である場合には、図1
3に示すように、元画像データを小領域に分割し、同一
ビットを複数の小領域に割り当てる。これにより、この
手法においては、様々な元画像データに対して安定して
電子透かしの検出を行うことができるという利点があ
る。すなわち、たとえ1つの小領域で電子透かしパター
ンの埋め込み強度が非常に弱くなったとしても、同じビ
ット情報を埋め込む残りの小領域で必要な電子透かしパ
ターンの埋め込み量が確保されていれば、全体として電
子透かしの検出が可能となる。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した電
子透かし処理においては、画像データが例えばMPEG
(Moving Picture Experts Group)ストリームのように
圧縮され、DCT(Discrete Cosine Transform;離散
コサイン変換)係数で表現される場合には、DCT領域
から電子透かしを検出することが行われている。
【0044】例えば、K,Lを正の整数として、画素数
が縦8K×横8Lで表現される電子透かしが埋め込まれ
た検出対象画像データを考える。ここで、図14に示す
ように、検出対象画像データを縦8×横8画素からなる
ブロックに分割し、各ブロックを行列Ykl(k=0,
・・・,K−1,l=0,・・・,L−1)で表現し、
各ブロックに対応する電子透かしパターンを行列Wkl
(k=0,・・・,K−1,l=0,・・・,L−1)
で表現する。なお、以下では、行列Yklから構成され
る画像データと記述した場合には、分割前の検出対象画
像データYの全体を示し、行列Wklから構成される電
子透かしパターンと記述した場合には、分割前の電子透
かしパターンWの全体を示すものとする。この場合、電
子透かし処理においては、電子透かしパターンWと検出
対象画像データYとの相関値である電子透かし成分検出
値WMを検出する際に、次式(11)に示す演算を行
う。
【0045】
【数11】
【0046】また、行列Yklの要素をykl(i,
j)(i=0,・・・,7,j=0,・・・,7)と
し、行列Wklの要素をwkl(i,j)(i=0,・
・・,7,j=0,・・・,7)とすると、上式(1
1)における内積演算Ykl・W は、次式(12)
によって表される。
【0047】
【数12】
【0048】すなわち、電子透かし処理においては、ブ
ロック毎の電子透かしパターンとの相関値である部分相
関値を求める。ここで、上式(11)における"f"は、
部分相関値評価関数である。この部分相関値評価関数f
としては、何も処理を行わない場合もあり、又は、例え
ばブロック相関値が所定の範囲内にないときは異常デー
タと判断して"0"を出力することによって後段で行われ
る相関値積算の対象から除外する場合もある。後者の場
合には、X,X(X1≦X2)を定数とすると、部
分相関値評価関数fは、次式(13)によって表され
る。
【0049】
【数13】
【0050】ここで、一般に2つの行列A,Bにおける
DCT係数行列を、それぞれ、C,Dで表現すると、次
式(14)に示す関係が成立する。
【0051】
【数14】
【0052】したがって、行列Ykl,Wklにおける
DCT係数行列を、それぞれ、X ,Vklとし、こ
れらの行列Xkl,Vklのそれぞれの要素を、xkl
(i,j),vkl(i,j)とすると、上式(11)
及び上式(12)は、それぞれ、次式(15)及び次式
(16)に示すように変換できる。
【0053】
【数15】
【0054】
【数16】
【0055】なお、上述した内容は、ブロック構成がフ
レーム構造である場合に限らず、フィールド構造である
場合にも同様である。
【0056】このことから、電子透かし処理において
は、例えばMPEGストリームのようなDCT領域から
電子透かしを検出する場合、電子透かしパターンの領域
設定をMPEGにおけるDCTブロック構成に合わせて
設定するならば、電子透かしパターンのDCT係数を用
いることにより、画像データに対してIDCT(Invers
e Discrete Cosine Transform;逆離散コサイン変換)
を施すことなく、DCT領域から直接電子透かし成分検
出値WMを求めることができる。
【0057】しかしながら、電子透かし処理において
は、電子透かしパターンの領域設定をMPEGにおける
DCTブロック構成に合わせて設定しない場合には、上
式(14)を導入することができず、DCT領域からの
電子透かしの検出を行うことができないといった問題が
あった。
【0058】また、電子透かし処理においては、電子透
かしパターンの領域設定をMPEGにおけるDCTブロ
ック構成に合わせて設定した場合であっても、以下のよ
うな不具合が生じていた。
【0059】すなわち、画像データに対してシフト、拡
大、縮小又は回転等の幾何学変換が施された場合や、例
えば、いわゆるSD(Standard Definition)フォーマ
ット画像データからいわゆるHD(High Definition)
フォーマット画像データへの変換といったように画素数
変換による解像度変換が施された場合、又は、これらの
両者を組み合わせた変換が施された場合を考える。
【0060】ここで、図15に示すように、行列Ykl
から構成される画像データ(検出対象画像データY)に
対して何らかの画像変換を施し、変換後の画像データを
縦8×横8画素からなるブロックに分割し、各ブロック
を行列Y'kl(k=0,・・・,K'−1,l=0,・
・・,L'−1)で表現する。同様に、行列Wklから
構成される電子透かしパターン(電子透かしパターン
W)に対して同一の変換を施し、変換後の電子透かしパ
ターンを縦8×横8画素からなるブロックに分割し、各
ブロックに対応する電子透かしパターンを行列W'kl
(k=0,・・・,K'−1,l=0,・・・,L'−
1)で表現する。
【0061】変換前の検出対象画像データYのブロック
を構成する区切りは、変換後の画像データのブロックを
構成する区切りと一致しない。そこで、変換後の画像デ
ータに対して、変換前の検出対象画像データYのブロッ
クを構成する区切りに相当する区切りを設定し、得られ
たブロックのうち、行列Yklで表現されるブロックに
相当するブロックを行列Y"klで表現し、各ブロック
に対応する電子透かしパターンを行列W"klで表現す
る。例えば、変換前の検出対象画像データYを、図16
に示すように、ブロック数が縦6×横8で表現されるも
のであるとしたとき、各種変換を施した画像データにお
ける行列Y'klで表現されるブロックと、行列Y"kl
で表現されるブロックとの関係は、図17乃至図20に
示すようになる。
【0062】すなわち、シフト変換を施した場合には、
図17に示すように、破線で示す画像データにおける行
列Y'klで表現されるブロックと、実線で示す行列Y"
klで表現されるブロックとの関係は、並進関係にある
ものとされる。より換言すれば、同図中斜線部(/)で
示すブロックY"klは、同図中ドット部(・)で示す
ブロックY'klに対して並進関係にあるものとされ
る。
【0063】また、縦横ともに1.2倍に拡大変換を施
した場合には、図18に示すように、破線で示す画像デ
ータにおける行列Y'klで表現されるブロックと、実
線で示す行列Y"klで表現されるブロックとの関係
は、拡大又は縮小関係にあるものとされる。より換言す
れば、同図中斜線部(/)で示すブロックY"klは、
同図中ドット部(・)で示すブロックY'klに対して
拡大関係にあるものとされる。
【0064】さらに、回転変換を施した場合には、図1
9に示すように、破線で示す画像データにおける行列
Y'klで表現されるブロックと、実線で示す行列Y"
klで表現されるブロックとの関係は、回転関係にある
ものとされる。より換言すれば、同図中斜線部(/)で
示すブロックY"klは、同図中ドット部(・)で示す
ブロックY'klに対して回転関係にあるものとされ
る。
【0065】さらにまた、縦横ともに1.5倍に画素数
変換による解像度変換を施した場合には、図20に示す
ように、破線で示す画像データにおける行列Y'kl
表現されるブロックと、実線で示す行列Y"klで表現
されるブロックとの関係は、高解像度又は低解像度の関
係にあるものとされる。より換言すれば、同図中斜線部
(/)で示すブロックY"klは、同図中ドット部
(・)で示すブロックY' に対して高解像度の関係
にあるものとされる。
【0066】なお、各種変換によって画枠からはみ出る
領域の画像データは失われることから、当該領域に相当
する行列Y"kl,W"klの要素は、"0"とするものと
する。ここで、行列Y"kl,W"klのサイズは、縦8
×横8画素とは限らず、変換の種類によって変化する。
例えば、縦8×横8画素からなるブロックを縦横ともに
1.5倍に拡大した場合には、行列Y"kl,W"kl
サイズは、縦12×横12画素となる。
【0067】このとき、次式(17)及び次式(18)
が成立する。
【0068】
【数17】
【0069】
【数18】
【0070】ここで、内積値Wkl・Wklは、通常、
整数k,lによらず、一定になるパターンを用いること
から、内積値W"kl・W"klも一定となる。そのた
め、上式(17)及び上式(18)における"Akl"
は、定数とすることができる。したがって、上式(1
7)を上式(11)に代入することによって次式(1
9)を得ることができる。
【0071】
【数19】
【0072】上式(19)から明らかなように、画像変
換が施された画像データからの電子透かしの検出は、電
子透かしパターンについても同様の変換を施したパター
ンを用いることによって行うことが可能となる。
【0073】しかしながら、行列W"klの周辺領域の
パターンは、画像変換の種類によっては周囲のブロック
のパターンが影響することによって誤差を含むものとな
る。例えば、画像データの拡大、縮小、回転及び画素数
変換等の変換を施した場合には、変換後の画素値は変換
前の複数の画素値から合成されることから、ブロックの
境界付近では、隣接するブロックのパターンに影響され
ることになる。
【0074】また、変換後の画像データのMPEGスト
リームのデータは、行列Y'klに対してDCTが施さ
れたものであり、上式(19)に上式(14)を適用す
ることができない。そのため、電子透かし処理において
は、DCT領域から電子透かし成分検出値WMを求める
ためには、画像データに対してIDCTを施してから上
式(19)を用いて求める必要があった。
【0075】このように、電子透かし処理においては、
画像変換の有無にかかわらず、電子透かしパターンの領
域設定がMPEGにおけるブロック構成に合わせて設定
していない場合には、DCT領域からの電子透かしの検
出を行うことができなかった。また、電子透かし処理に
おいては、空間領域からの検出を行う場合であっても、
画像変換が施された画像データからの検出では電子透か
しパターンに誤差が含まれることから、正確な電子透か
し成分検出値WMを得ることができなかった。
【0076】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、電子透かしパターンの領域設定がMPE
GにおけるDCTブロック構成に合っていない場合であ
っても、DCT領域からの電子透かしの検出を可能と
し、また、画像変換が施された画像データから正確に電
子透かしを検出することができる付加データ検出装置及
び付加データ検出方法並びに付加データ検出プログラム
を提供することを目的とする。
【0077】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明にかかる付加データ検出装置は、主データに対し
て埋め込まれた付加データを検出する付加データ検出装
置であって、検出すべき付加データパターンと付加デー
タを検出する対象としての検出対象主データとの相関値
を、検出対象主データに対して設定した一又は複数の領
域毎に検出する相関検出手段を備え、相関検出手段は、
一の領域から抽出すべき相関値を、当該一の領域のデー
タのみならず、検出対象主データの全体のデータと、検
出対象主データと同サイズを有する各領域の相関値算出
用の付加データパターンとの相関演算を行うことによっ
て求めることを特徴としている。
【0078】このような本発明にかかる付加データ検出
装置は、相関検出手段によって一の領域から抽出すべき
相関値を求める際に、検出対象主データの全体のデータ
と、これと同サイズを有する各領域の相関値算出用の付
加データパターンとの相関演算を行う。
【0079】また、上述した目的を達成する本発明にか
かる付加データ検出方法は、主データに対して埋め込ま
れた付加データを検出する付加データ検出方法であっ
て、検出すべき付加データパターンと付加データを検出
する対象としての検出対象主データとの相関値を、検出
対象主データに対して設定した一又は複数の領域毎に検
出する相関検出工程を備え、相関検出工程では、一の領
域から抽出すべき相関値が、当該一の領域のデータのみ
ならず、検出対象主データの全体のデータと、検出対象
主データと同サイズを有する各領域の相関値算出用の付
加データパターンとの相関演算が行われることによって
求められることを特徴としている。
【0080】このような本発明にかかる付加データ検出
方法は、一の領域から抽出すべき相関値を求める際に、
検出対象主データの全体のデータと、これと同サイズを
有する各領域の相関値算出用の付加データパターンとの
相関演算を行う。
【0081】さらに、上述した目的を達成する本発明に
かかる付加データ検出プログラムは、主データに対して
埋め込まれた付加データを検出するコンピュータ読み取
り可能な付加データ検出プログラムであって、検出すべ
き付加データパターンと付加データを検出する対象とし
ての検出対象主データとの相関値を、検出対象主データ
に対して設定した一又は複数の領域毎に検出する相関検
出処理を備え、相関検出処理では、一の領域から抽出す
べき相関値が、当該一の領域のデータのみならず、検出
対象主データの全体のデータと、検出対象主データと同
サイズを有する各領域の相関値算出用の付加データパタ
ーンとの相関演算が行われることによって求められるこ
とを特徴としている。
【0082】このような本発明にかかる付加データ検出
プログラムは、実行されると、一の領域から抽出すべき
相関値を求める際に、検出対象主データの全体のデータ
と、これと同サイズを有する各領域の相関値算出用の付
加データパターンとの相関演算を行う。
【0083】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0084】この実施の形態は、図1に示すように、例
えばMPEG(Moving Picture Experts Group)方式に
よって圧縮された主データである画像データに対して、
ディジタルデータの複製制御のための情報や著作権者表
示のための著作権情報等が付加データとして埋め込まれ
たいわゆる電子透かし(Digital Watermark, DigitalDa
ta Embedding, Digital Data Hiding)を検出する電子
透かし検出装置10である。この電子透かし検出装置1
0は、付加データとしての電子透かしが埋め込まれた画
像データを用いてDCT(Discrete Cosine Transfor
m;離散コサイン変換)領域から電子透かしを検出する
ものであり、電子透かしパターンの領域設定がMPEG
(Moving Picture Experts Group)におけるDCTブロ
ック構成に合っていない場合であっても、DCT領域か
らの電子透かしの検出を可能とし、また、画像変換が施
された画像データから正確に電子透かしを検出すること
ができるものである。
【0085】電子透かし検出装置10は、同図に示すよ
うに、検出すべき付加データパターンである電子透かし
パターンWを生成する電子透かしパターン生成部11
と、この電子透かしパターン生成部11によって生成さ
れた電子透かしパターンWと検出対象画像データYとの
相関値である電子透かし成分検出値WMを検出する相関
検出部12と、この相関検出部12によって検出された
電子透かし成分検出値WMの信頼性を評価する検出値評
価部13とを備える。
【0086】電子透かし検出装置10は、これらの各部
をハードウェアで実現するのみならず、ソフトウェアで
実現することもできる。電子透かし検出装置10は、ソ
フトウェアで実現する場合には、例えばパーソナルコン
ピュータや画像データを扱うことができる各種電子機器
におけるCPU(Central Processing Unit)によって
電子透かしを検出するための検出プラグラムを実行する
ことにより、各部の機能を実現することができる。この
検出プログラムは、例えばいわゆるコンパクトディスク
(Compact Disc)等の所定の記録媒体やインターネット
等の伝送媒体によって提供されるものである。
【0087】なお、以下では、説明の便宜上、例えば、
K,Lを正の整数として、画素数が縦8K×横8Lで表
現される電子透かしが埋め込まれた検出対象画像データ
Yに対する処理を行うものとし、検出対象画像データY
を縦8×横8画素からなるブロックに分割したときにお
ける各ブロックを行列Ykl(k=0,・・・,K−
1,l=0,・・・,L−1)で表現し、各ブロックに
対応する電子透かしパターンを行列Wkl(k=0,・
・・,K−1,l=0,・・・,L−1)で表現するも
のとする。
【0088】電子透かしパターン生成部11は、図示し
ないメモリ等に記憶されている電子透かしパターン生成
キー情報を用いて、図示しない電子透かし埋め込み装置
によって元画像データに対して埋め込まれた電子透かし
パターンWを生成する。電子透かしパターン生成部11
は、生成した電子透かしパターンWを相関検出部12に
供給する。
【0089】相関検出部12には、電子透かしパターン
生成部11によって生成された電子透かしパターンW
と、電子透かしの有無を確認したい検出対象画像データ
Yとが供給される。相関検出部12は、検出対象画像デ
ータYと電子透かしパターンWとの相関値である電子透
かし成分検出値WMの検出処理を周波数領域で行う。こ
のとき、相関検出部12は、後述するように、電子透か
し成分検出値WMを、検出対象画像データYに対して設
定した一又は複数の領域毎に検出する。相関検出部12
は、検出した電子透かし成分検出値WMを検出値評価部
13に供給する。
【0090】検出値評価部13は、相関検出部12によ
って検出された電子透かし成分検出値WMのレベルによ
って電子透かしの信頼性を評価するものである。検出値
評価部13は、評価結果を検出情報DTとして外部に出
力する。
【0091】このような電子透かし検出装置10は、例
えば画像データを複製しようとする際に、入力された検
出対象画像データYから電子透かし成分検出値WMを検
出し、この電子透かし成分検出値WMの信頼性を評価し
た上で、検出情報DTとして出力する。これにより、電
子透かし検出装置10においては、検出情報DTに応じ
て、主データたる画像データの正当性を評価し、主デー
タについての違法な複製を防止することができる。
【0092】さて、電子透かし検出装置10は、上述し
たように、相関検出部12によって検出対象画像データ
Yと電子透かしパターンWとの相関値を求める処理を行
う。この相関検出部12は、図2に示すように、検出対
象画像データYに対して設定した一又は複数の領域毎に
対応する電子透かしパターンWとの相関値である部分相
関値Cを検出する部分相関値検出部21と、この部分
相関値検出部21によって検出された部分相関値C
信頼性を評価する部分相関値評価部22と、この部分相
関値評価部22から出力される各領域毎の部分相関値C
を積算する相関値積算部23とを有する。
【0093】部分相関値検出部21は、検出対象画像デ
ータYに一又は複数の領域を設定し、各領域毎に、当該
領域に対応する電子透かしパターンWとの相関値である
部分相関値Cを検出する。部分相関値検出部21は、
検出した部分相関値Cを部分相関値評価部22に供給
する。
【0094】部分相関値評価部22は、部分相関値検出
部21によって検出された各領域における部分相関値C
を評価し、必要な演算を施した後、部分相関値C
相関値積算部23に供給する。
【0095】相関値積算部23は、部分相関値評価部2
2から供給された各領域における部分相関値Cを積算
し、画像データ全体に対する相関値としての電子透かし
成分検出値WMを求め、後段の検出値評価部13に供給
する。
【0096】このような相関検出部12は、行列Ykl
から構成される検出対象画像データYに対して任意の一
又は複数の領域を設定し、各領域毎に電子透かしパター
ンを設定する。具体的には、相関検出部12は、例え
ば、図3(A)に示すK×L個のブロックからなる検出
対象画像データYに対して、同図(B)に示すように、
N個の領域を設定する。なお、ここでは、n(=0,
1,・・・,N−1)番目の領域を領域nと称するもの
とする。また、ここでは、各領域の形状が正方形である
ものとして説明するが、各領域は、任意の形状を呈する
ものであってもよい。さらに、ここでは、検出対象画像
データYの全領域を間隙なく一又は複数の領域に分割す
るものとして説明するが、全領域を分割する必要はな
い。
【0097】ここで、相関検出部12における部分相関
値検出部21によって求める領域の単位をN個の領域と
し、領域nから抽出すべき電子透かし成分検出値をWM
とすると、相関検出部12によって求められる電子透
かし成分検出値WMは、次式(20)で表すことができ
る。
【0098】
【数20】
【0099】なお、上式(20)における"f"は、部分
相関値評価関数である。この部分相関値評価関数fとし
ては、何も処理を行わない場合もあり、又は、例えばブ
ロック相関値が所定の範囲内にないときは異常データと
判断して"0"を出力することによって上述した相関値積
算部23による相関値積算の対象から除外する場合もあ
る。
【0100】ここで、電子透かし成分検出値WMを求
めるに際して、領域nのデータのみならず、検出対象画
像データY全体のデータと、これと同サイズを有する各
領域の電子透かし成分検出値WM算出用の電子透かし
パターンとの相関演算を行うことによって求めるものと
し、各領域の電子透かし成分検出値WM算出用の電子
透かしパターンを縦8×横8画素からなるブロックに分
割し、各ブロックを行列Wnkl(k=0,・・・,K
−1,l=0,・・・,L−1)で表現するものとする
と、次式(21)が成立する。
【0101】
【数21】
【0102】行列Wnklで表現されるブロックから構
成される電子透かしパターンとしては、例えば、図4
(A)に示す領域nの電子透かし成分検出値WM算出
用の電子透かしパターンを、同図(B)に示すように、
縦8×横8画素からなるブロックに分割したものが考え
られる。すなわち、この電子透かしパターンは、領域n
に対応する電子透かしパターンに対して、その他の領域
に対応する要素を全て"0"として構成されたものであ
る。
【0103】上式(21)を上式(20)に代入するこ
とによって次式(22)を得ることができる。
【0104】
【数22】
【0105】ここで、行列Ykl,WnklにおけるD
CT係数行列を、それぞれ、Xkl,Vklとする。一
般に2つの行列A,BにおけるDCT係数行列を、それ
ぞれ、C,Dで表現すると、次式(23)に示す関係が
成立することから、次式(23)及び上式(22)から
次式(24)を得ることができる。
【0106】
【数23】
【0107】
【数24】
【0108】上述した検出対象画像データYに対するN
個の領域の設定は任意であることから、電子透かしパタ
ーンの領域設定がMPEGにおけるDCTブロック構成
に合っていない場合であっても、相関検出部12は、上
述した定義にしたがって行列Wnklを各領域に対して
用意することにより、DCT領域からの電子透かしの検
出を行うことが可能となる。なお、図4に示した例で
は、行列Wnklの多くは零行列であることから、相関
検出部12は、その部分の演算を省略することによって
上式(22)及び上式(24)の演算を大幅に簡略化す
ることができる。
【0109】一方、相関検出部12は、検出対象画像デ
ータYに対して何らかの画像変換を施した場合であって
も、以下のようにして画像変換が施された画像データか
ら正確に電子透かしを検出することができる。
【0110】行列Yklから構成される検出対象画像デ
ータYに対して何らかの画像変換を施し、変換後の画像
データを縦8×横8画素からなるブロックに分割し、各
ブロックを行列Y'kl(k=0,・・・,K'−1,l
=0,・・・,L'−1)で表現するとともに、行列W
nklから構成される電子透かしパターンに対して同一
の変換を施し、変換後の電子透かしパターンを縦8×横
8画素からなるブロックに分割し、各ブロックに対応す
る電子透かしパターンを行列W'nkl(k=0,・・
・,K'−1,l=0,・・・,L'−1)で表現する
と、次式(25)及び次式(26)が成立する。
【0111】
【数25】
【0112】
【数26】
【0113】上式(26)における右辺分子は、通常、
一定になるパターンを用いることから、右辺分母も一定
となる。そのため、上式(26)における"B"は、定
数とすることができる。上式(25)を上式(22)に
代入することによって次式(27)を得ることができ
る。
【0114】
【数27】
【0115】行列Y'kl,W'nklにおけるDCT係
数を、それぞれ、X'kl,V'nk とすると、上式
(23)及び上式(27)から次式(28)を得ること
ができる。
【0116】
【数28】
【0117】これにより、相関検出部12は、画像変換
が施された画像データにおいて電子透かしパターンの領
域設定がMPEGにおけるDCTブロック構成に合って
いない場合であっても、上述した定義にしたがって行列
W'nklを各領域に対して用意することにより、DC
T領域からの電子透かしの検出を行うことが可能とな
る。また、行列W'nklには、領域nの周辺領域の電
子透かしパターンの影響が加味されないことから、周辺
領域の電子透かしパターンによる誤差が発生することは
ない。なお、図4に示した例では、行列W'nklの多
くは零行列であることから、相関検出部12は、その部
分の演算を省略することによって上式(27)及び上式
(28)の演算を大幅に簡略化することができる。
【0118】このように、電子透かし検出装置10は、
画像変換の有無にかかわらず、電子透かしパターンの領
域設定がMPEGにおけるブロック構成に合っていない
場合であっても、DCT領域からの電子透かしの検出を
行うことができる。また、電子透かし検出装置10は、
各領域の電子透かしパターンが領域間で相互に影響を及
ぼし合うことがないように、電子透かしを検出すること
ができる。
【0119】このような電子透かし検出装置10は、相
関検出部12における部分相関値検出部21によって図
5に示す一連の処理を経ることにより、部分相関値C
を検出することができる。
【0120】まず、部分相関値検出部21は、同図に示
すように、ステップS1において、各ブロックに対応す
る電子透かしパターンを示す行列Wklから行列W
nklを生成する。
【0121】続いて、部分相関値検出部21は、ステッ
プS2において、検出対象画像データYに対して画像変
換が施されているか否かを判別する。例えば、部分相関
値検出部21は、いわゆるSD(Standard Definitio
n)フォーマット画像データからいわゆるHD(High De
finition)フォーマット画像データへの変換といったよ
うに画素数変換による解像度変換が施されているか否か
を判別するためには、MPEGストリームの画像サイズ
情報を参照することにより、当該画像変換が施されてい
るか否かを判別することができる。また、部分相関値検
出部21は、シフト、拡大、縮小又は回転等の幾何学変
換が施されているか否かを判別するためには、それを検
出するための電子透かし情報を画像データに対して別途
埋め込んでおく方法や、電子透かしの自己相関を用いる
方法等を適用することにより、当該画像変換が施されて
いるか否かを判別することができる。
【0122】ここで、画像変換が施されていないものと
判別した場合には、部分相関値検出部21は、ステップ
S5へと処理を移行し、行列Wnklに対してDCTを
施し、行列Vnklを生成する。
【0123】さらに、部分相関値検出部21は、ステッ
プS6において、上式(24)に示した行列Vnkl
用いた内積演算を行う。
【0124】一方、ステップS2において画像変換が施
されているものと判別した場合には、部分相関値検出部
21は、ステップS3へと処理を移行し、行列Wnkl
に対して同じ変換を施して行列W'nklを生成し、こ
の行列W'nklに対してDCTを施し、行列V'nkl
を生成する。
【0125】さらに、部分相関値検出部21は、ステッ
プS4において、上式(28)に示した行列V'nkl
を用いた内積演算を行う。
【0126】そして、部分相関値検出部21は、ステッ
プS7において、上式(24)及び上式(28)に示し
たように、ステップS4又はステップS6において求め
られた内積値を領域毎に積算して部分相関値Cを生成
し、一連の処理を終了する。
【0127】電子透かし検出装置10においては、部分
相関値検出部21によってこのような処理を行うことに
より、部分相関値Cを生成することができる。なお、
電子透かし検出装置10は、上述したステップS3又は
ステップS5において行列V nkl,V'nklを生成
するのではなく、対応する画像変換の種類を限定するこ
とにより、予め必要な数の行列Vnkl,V'nkl
求めたものを図示しないメモリ等の記憶手段に記憶して
おき、画像変換の種類によってメモリから読み出すべき
行列Vnkl,V'nklを切り替えて使用するように
してもよい。電子透かし検出装置10においては、いず
れの場合であっても、行列Vnkl,V'nklのう
ち、全ての要素が"0"である又は微小値であるものにつ
いては、演算を省略することができる。
【0128】なお、電子透かし検出装置10において
は、検出対象画像データYに対する領域設定は任意であ
り、例えば行列Yklのブロック構成に合わせて設定し
た場合(このとき、N=K×Lとなる。)には、上述し
た従来の技術として示した例に相当することになる。
【0129】また、電子透かし検出装置10において
は、1画素毎に領域設定を行う(このとき、N=8K×
8Lとなる。)ことも可能である。このとき、電子透か
し検出装置10においては、各領域の電子透かしパター
ンを、行列Wklから構成される元の電子透かしパター
ンWとは関係なく全領域を"1"とするならば、DCT領
域から1画素単位のデータを抽出することができる。さ
らに、電子透かし検出装置10においては、画像変換前
の1画素単位に相当するデータを、元の検出対象画像デ
ータYに戻すことなく、画像変換が施された場合のDC
T領域から直接抽出することもできる。このようにして
得られたデータは、行列Yklから構成される元の検出
対象画像データYと等しいことから、電子透かし検出装
置10は、このデータと元の電子透かしパターンWとを
用いて次式(29)によって電子透かし成分検出値WM
を得ることができる。
【0130】
【数29】
【0131】なお、この手法を応用した例として、任意
の電子透かしパターンが埋め込まれた検出対象画像デー
タに対してフォーマット変換が施された場合を考える。
例えば、標準的なビデオ画像データは、画素数が縦48
0×横720で構成されるが、この画像データを縦48
0×横480画素に変換して放送する場合や、いわゆる
DVD(Digital Versatile Disk)に記録する場合があ
る。このような場合、電子透かし検出装置10において
は、変換前の画像データから抽出する電子透かし成分検
出値と同等のものが、変換後の画像データから元の画像
フォーマットに逆変換を施すことなく、空間領域又はD
CT領域にかかわらず直接抽出することが可能となる。
勿論、電子透かし検出装置10においては、他のフォー
マット変換であっても同様に電子透かし成分検出値を直
接抽出することができる。
【0132】また、SDフォーマット画像データとHD
フォーマット画像データとの間で互換性を持たせるため
に、電子透かしパターンとして、相互に変換した際に同
等となるものを用いる場合を考える。例えば、SDフォ
ーマット画像データからHDフォーマット画像データへ
とアップコンバートする場合には、電子透かし検出装置
10においては、SDフォーマット画像データから抽出
する電子透かし成分検出値と同等のものが、HDフォー
マット画像データからSDフォーマット画像データへと
ダウンコンバートすることなく、空間領域又はDCT領
域にかかわらず直接抽出することが可能となる。勿論、
電子透かし検出装置10においては、HDフォーマット
画像データからSDフォーマット画像データへとダウン
コンバートする場合であっても、HDフォーマット画像
データから抽出する電子透かし成分検出値と同等のもの
が、SDフォーマット画像データからHDフォーマット
画像データへとアップコンバートすることなく、空間領
域又はDCT領域にかかわらず直接抽出することが可能
となる。
【0133】以上説明したように、電子透かし検出装置
10は、画像変換の有無にかかわらず、電子透かしパタ
ーンの領域設定がMPEGにおけるブロック構成に合っ
ていない場合であっても、DCT領域からの電子透かし
の検出を行うことができる。また、電子透かし検出装置
10は、各領域の電子透かしパターンが領域間で相互に
影響を及ぼし合うことがないように、電子透かしを検出
することができることから、より正確な電子透かしの検
出を行うことができる。したがって、電子透かし検出装
置10は、ユーザにとって優れた利便を提供することが
できるものである。
【0134】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではない。例えば、上述した実施の形態で
は、画像データに対して埋め込まれた電子透かしを検出
するものとして説明したが、本発明は、主データとし
て、画像データ以外の2次元データ、音声データ等の1
次元データ又は立体像等の3次元データを用いた場合で
あっても容易に適用することができる。
【0135】このように、本発明は、その趣旨を逸脱し
ない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもな
い。
【0136】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる付加データ検出装置は、主データに対して埋め込ま
れた付加データを検出する付加データ検出装置であっ
て、検出すべき付加データパターンと付加データを検出
する対象としての検出対象主データとの相関値を、検出
対象主データに対して設定した一又は複数の領域毎に検
出する相関検出手段を備え、相関検出手段は、一の領域
から抽出すべき相関値を、当該一の領域のデータのみな
らず、検出対象主データの全体のデータと、検出対象主
データと同サイズを有する各領域の相関値算出用の付加
データパターンとの相関演算を行うことによって求め
る。
【0137】したがって、本発明にかかる付加データ検
出装置は、相関検出手段によって一の領域から抽出すべ
き相関値を求める際に、検出対象主データの全体のデー
タと、これと同サイズを有する各領域の相関値算出用の
付加データパターンとの相関演算を行うことにより、画
像変換の有無にかかわらず、付加データパターンの領域
設定が検出対象主データに対してDCTを施したDCT
ブロック構成に合っていない場合であっても、DCT領
域からの電子透かしの検出を正確に行うことができる。
【0138】また、本発明にかかる付加データ検出方法
は、主データに対して埋め込まれた付加データを検出す
る付加データ検出方法であって、検出すべき付加データ
パターンと付加データを検出する対象としての検出対象
主データとの相関値を、検出対象主データに対して設定
した一又は複数の領域毎に検出する相関検出工程を備
え、相関検出工程では、一の領域から抽出すべき相関値
が、当該一の領域のデータのみならず、検出対象主デー
タの全体のデータと、検出対象主データと同サイズを有
する各領域の相関値算出用の付加データパターンとの相
関演算が行われることによって求められる。
【0139】したがって、本発明にかかる付加データ検
出方法は、一の領域から抽出すべき相関値を求める際
に、検出対象主データの全体のデータと、これと同サイ
ズを有する各領域の相関値算出用の付加データパターン
との相関演算を行うことにより、画像変換の有無にかか
わらず、付加データパターンの領域設定が検出対象主デ
ータに対してDCTを施したDCTブロック構成に合っ
ていない場合であっても、DCT領域からの電子透かし
の検出を正確に行うことが可能となる。
【0140】さらに、本発明にかかる付加データ検出プ
ログラムは、主データに対して埋め込まれた付加データ
を検出するコンピュータ読み取り可能な付加データ検出
プログラムであって、検出すべき付加データパターンと
付加データを検出する対象としての検出対象主データと
の相関値を、検出対象主データに対して設定した一又は
複数の領域毎に検出する相関検出処理を備え、相関検出
処理では、一の領域から抽出すべき相関値が、当該一の
領域のデータのみならず、検出対象主データの全体のデ
ータと、検出対象主データと同サイズを有する各領域の
相関値算出用の付加データパターンとの相関演算が行わ
れることによって求められる。
【0141】したがって、本発明にかかる付加データ検
出プログラムは、実行されると、一の領域から抽出すべ
き相関値を求める際に、検出対象主データの全体のデー
タと、これと同サイズを有する各領域の相関値算出用の
付加データパターンとの相関演算を行うことにより、画
像変換の有無にかかわらず、付加データパターンの領域
設定が検出対象主データに対してDCTを施したDCT
ブロック構成に合っていない場合であっても、DCT領
域からの電子透かしの検出を正確に行うことを可能とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す電子透かし検出
装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】同電子透かし検出装置が備える相関検出部の構
成を説明するブロック図である。
【図3】検出対象画像データを説明する図であって、
(A)は、検出対象画像データが複数のブロックから構
成される様子を示し、(B)は、検出対象画像データに
対して複数の領域を設定した様子を示す図である。
【図4】電子透かしパターンを説明する図であって、
(A)は、一の領域に対応する電子透かしパターンを示
し、(B)は、(A)に示す電子透かしパターンを複数
のブロックに分割した様子を示す図である。
【図5】同相関検出部が有する部分相関値検出部におけ
る一連の処理を説明するフローチャートである。
【図6】元画像データと電子透かしパターンとの内積
値、及び電子透かしが埋め込まれた画像データと電子透
かしパターンとの内積値の相対頻度分布を説明する図で
ある。
【図7】電子透かしの有無を確認したい検出対象画像デ
ータと電子透かしパターンとの内積値の相対頻度分布を
説明する図であって、ある閾値に対する内積値の大小に
基づいて、電子透かしの有無を判別する様子を説明する
ための図である。
【図8】電子透かしの有無を確認したい検出対象画像デ
ータと電子透かしパターンとの内積値の相対頻度分布を
説明する図であって、閾値を定めるために必要なパラメ
ータを説明するための図である。
【図9】電子透かしの有無を確認したい検出対象画像デ
ータと電子透かしパターンとの内積値の相対頻度分布を
説明する図であって、内積値が所定の条件を満たすよう
にスカラー値を定める様子を説明するための図である。
【図10】電子透かしの有無を確認したい検出対象画像
データと電子透かしパターンとの内積値の相対頻度分布
を説明する図であって、確率が極めて小さい値となるよ
うに閾値を定めた様子を説明するための図である。
【図11】元画像データに対して複数の電子透かしパタ
ーンを埋め込み、検出する電子透かし処理を概念的に説
明する図である。
【図12】画像データを説明する図であって、画像デー
タを小領域に分割する手法を実現するための小領域の配
置の仕方の一例として小領域を格子状に配置した様子を
説明するための図である。
【図13】画像データを説明する図であって、元画像デ
ータを小領域に分割し、同一ビットを複数の小領域に割
り当てる様子を説明するための図である。
【図14】縦8×横8画素からなるブロックに分割した
検出対象画像データを説明する図である。
【図15】検出対象画像データに対して何らかの画像変
換を施して得られた変換後の画像データを説明する図で
あって、縦8×横8画素からなるブロックに分割した画
像データを説明する図である。
【図16】画像変換前の検出対象画像データを説明する
図である。
【図17】シフト変換を施した場合における画像変換後
の画像データと、この画像データに対して画像変換前の
検出対象画像データのブロックを構成する区切りに相当
する区切りを設定して得られたブロックで表現される画
像データとの関係を説明する図である。
【図18】縦横ともに1.2倍に拡大変換を施した場合
における画像変換後の画像データと、この画像データに
対して画像変換前の検出対象画像データのブロックを構
成する区切りに相当する区切りを設定して得られたブロ
ックで表現される画像データとの関係を説明する図であ
る。
【図19】回転変換を施した場合における画像変換後の
画像データと、この画像データに対して画像変換前の検
出対象画像データのブロックを構成する区切りに相当す
る区切りを設定して得られたブロックで表現される画像
データとの関係を説明する図である。
【図20】縦横ともに1.5倍に画素数変換による解像
度変換を施した場合における画像変換後の画像データ
と、この画像データに対して画像変換前の検出対象画像
データのブロックを構成する区切りに相当する区切りを
設定して得られたブロックで表現される画像データとの
関係を説明する図である。
【符号の説明】
10 電子透かし検出装置、 11 電子透かしパター
ン生成部、 12 相関検出部、 13 検出値評価
部、 21 部分相関値検出部、 22 部分相関値評
価部、 23 相関値積算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 理 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 相馬 俊一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 西野 洋一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5B057 BA01 CA19 CE09 CG05 CG07 CH08 DA08 DC34 5C063 AA01 AB03 AB07 AC01 AC05 AC10 CA23 CA36 DA03 DA07 DA13 DB09 5C076 AA14 BA06

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主データに対して埋め込まれた付加デー
    タを検出する付加データ検出装置であって、 検出すべき付加データパターンと上記付加データを検出
    する対象としての検出対象主データとの相関値を、上記
    検出対象主データに対して設定した一又は複数の領域毎
    に検出する相関検出手段を備え、 上記相関検出手段は、一の領域から抽出すべき相関値
    を、当該一の領域のデータのみならず、上記検出対象主
    データの全体のデータと、上記検出対象主データと同サ
    イズを有する各領域の相関値算出用の付加データパター
    ンとの相関演算を行うことによって求めることを特徴と
    する付加データ検出装置。
  2. 【請求項2】 上記相関検出手段は、 上記検出対象主データに対して設定した一又は複数の領
    域毎に対応する付加データパターンとの相関値である第
    1の部分相関値を検出する部分相関値検出手段と、 上記部分相関値検出手段によって検出された上記第1の
    部分相関値の信頼性を評価する部分相関値評価手段と、 上記部分相関値評価手段から出力される各領域毎の第2
    の部分相関値を積算する相関値積算手段とを有すること
    を特徴とする請求項1記載の付加データ検出装置。
  3. 【請求項3】 上記各領域の相関値算出用の付加データ
    パターンは、各領域に対応する電子透かしパターンに対
    して、その他の領域に対応する要素を全て0として構成
    されたものであることを特徴とする請求項1記載の付加
    データ検出装置。
  4. 【請求項4】 上記相関検出手段は、上記各領域の相関
    値算出用の付加データパターンのうち、要素が0又は微
    小値である部分の演算を省略することを特徴とする請求
    項3記載の付加データ検出装置。
  5. 【請求項5】 上記相関検出手段は、上記相関値を周波
    数領域で検出することを特徴とする請求項1記載の付加
    データ検出装置。
  6. 【請求項6】 検出すべき付加データパターンを生成す
    る付加データパターン生成手段を備えることを特徴とす
    る請求項1記載の付加データ検出装置。
  7. 【請求項7】 上記相関検出手段によって検出された上
    記相関値の信頼性を評価する相関値評価手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の付加データ検出装置。
  8. 【請求項8】 主データに対して埋め込まれた付加デー
    タを検出する付加データ検出方法であって、 検出すべき付加データパターンと上記付加データを検出
    する対象としての検出対象主データとの相関値を、上記
    検出対象主データに対して設定した一又は複数の領域毎
    に検出する相関検出工程を備え、 上記相関検出工程では、一の領域から抽出すべき相関値
    が、当該一の領域のデータのみならず、上記検出対象主
    データの全体のデータと、上記検出対象主データと同サ
    イズを有する各領域の相関値算出用の付加データパター
    ンとの相関演算が行われることによって求められること
    を特徴とする付加データ検出方法。
  9. 【請求項9】 上記相関検出工程は、 上記検出対象主データに対して設定した一又は複数の領
    域毎に対応する付加データパターンとの相関値である第
    1の部分相関値を検出する部分相関値検出工程と、 上記部分相関値検出工程にて検出された上記第1の部分
    相関値の信頼性を評価する部分相関値評価工程と、 上記部分相関値評価工程にて出力される各領域毎の第2
    の部分相関値を積算する相関値積算工程とを有すること
    を特徴とする請求項8記載の付加データ検出方法。
  10. 【請求項10】 上記各領域の相関値算出用の付加デー
    タパターンは、各領域に対応する電子透かしパターンに
    対して、その他の領域に対応する要素を全て0として構
    成されたものであることを特徴とする請求項8記載の付
    加データ検出方法。
  11. 【請求項11】 上記相関検出工程では、上記各領域の
    相関値算出用の付加データパターンのうち、要素が0又
    は微小値である部分の演算が省略されることを特徴とす
    る請求項10記載の付加データ検出方法。
  12. 【請求項12】 上記相関検出工程では、上記相関値が
    周波数領域で検出されることを特徴とする請求項8記載
    の付加データ検出方法。
  13. 【請求項13】 検出すべき付加データパターンを生成
    する付加データパターン生成工程を備えることを特徴と
    する請求項8記載の付加データ検出方法。
  14. 【請求項14】 上記相関検出工程にて検出された上記
    相関値の信頼性を評価する相関値評価工程を備えること
    を特徴とする請求項8記載の付加データ検出方法。
  15. 【請求項15】 主データに対して埋め込まれた付加デ
    ータを検出するコンピュータ読み取り可能な付加データ
    検出プログラムであって、 検出すべき付加データパターンと上記付加データを検出
    する対象としての検出対象主データとの相関値を、上記
    検出対象主データに対して設定した一又は複数の領域毎
    に検出する相関検出処理を備え、 上記相関検出処理では、一の領域から抽出すべき相関値
    が、当該一の領域のデータのみならず、上記検出対象主
    データの全体のデータと、上記検出対象主データと同サ
    イズを有する各領域の相関値算出用の付加データパター
    ンとの相関演算が行われることによって求められること
    を特徴とする付加データ検出プログラム。
  16. 【請求項16】 上記相関検出処理は、 上記検出対象主データに対して設定した一又は複数の領
    域毎に対応する付加データパターンとの相関値である第
    1の部分相関値を検出する部分相関値検出処理と、 上記部分相関値検出処理にて検出された上記第1の部分
    相関値の信頼性を評価する部分相関値評価処理と、 上記部分相関値評価処理にて出力される各領域毎の第2
    の部分相関値を積算する相関値積算処理とを有すること
    を特徴とする請求項15記載の付加データ検出プログラ
    ム。
  17. 【請求項17】 上記各領域の相関値算出用の付加デー
    タパターンは、各領域に対応する電子透かしパターンに
    対して、その他の領域に対応する要素を全て0として構
    成されたものであることを特徴とする請求項15記載の
    付加データ検出プログラム。
  18. 【請求項18】 上記相関検出処理では、上記各領域の
    相関値算出用の付加データパターンのうち、要素が0又
    は微小値である部分の演算が省略されることを特徴とす
    る請求項17記載の付加データ検出プログラム。
  19. 【請求項19】 上記相関検出処理では、上記相関値が
    周波数領域で検出されることを特徴とする請求項15記
    載の付加データ検出プログラム。
  20. 【請求項20】 検出すべき付加データパターンを生成
    する付加データパターン生成処理を備えることを特徴と
    する請求項15記載の付加データ検出プログラム。
  21. 【請求項21】 上記相関検出処理にて検出された上記
    相関値の信頼性を評価する相関値評価処理を備えること
    を特徴とする請求項15記載の付加データ検出プログラ
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004320765A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Fr Telecom ビデオ画像のシーケンスに透かし入れする方法、装置、及び、コンピュータプログラム
JP2005218079A (ja) * 2003-12-17 2005-08-11 Mitsubishi Electric Information Technology Centre Europa Bv 少なくとも1つの送信機および1つの受信機を含む通信システムにおいてデータを送信するための方法、少なくとも1つの送信機および1つの受信機を含む通信システム、ならびにNs個の時間窓にわたってNs個のパルスからなる少なくとも1つの系列によって形成される信号を送信および受信するように構成される装置

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