JP2003058671A - 研究開発の定量評価方法 - Google Patents

研究開発の定量評価方法

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JP2003058671A JP2001242565A JP2001242565A JP2003058671A JP 2003058671 A JP2003058671 A JP 2003058671A JP 2001242565 A JP2001242565 A JP 2001242565A JP 2001242565 A JP2001242565 A JP 2001242565A JP 2003058671 A JP2003058671 A JP 2003058671A
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Ichiro Samejima
一郎 鮫島
Akinori Matsuura
明徳 松浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研究開発プロジェクトのGO-STOP 評価の一部
として利用可能な、研究開発の定量評価方法に関する。 【解決手段】 研究集団の創出した論文群の年度毎の被
引用件数を抽出する工程と、該被引用件数を累積演算
し、年度毎の累積被引用件数を算出する工程と、該累積
被引用件数を、初年度からの経過年数のべき乗式で表す
工程と、を有し、該べき乗式から求まるべき乗数に基づ
き、前記研究集団の研究活動の活性度を定量評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研究開発プロジェ
クト、グループなどの研究集団が投稿した論文から、当
該研究集団の研究開発を定量的に評価する研究開発の定
量評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】研究集団、およびそれに属する個人の研
究成果は主として学術誌等に投稿された論文として公開
される。論文は、その研究集団、個人の業績であり、こ
れを基に種々の評価がなされてきている。なお、以下で
は、学術誌を学術雑誌とも呼び、また、単に雑誌とも呼
ぶ。
【0003】例えば、大学、公的研究機関では、この論
文を基にした評価が、教員、研究員の採用時にその業
績、能力を評価する一部として採用されており、また内
部においても、資格昇進等の要件の一部としても採用さ
れ始めている。また、研究集団、例えば公的プロジェク
ト、大学、研究機関等への研究予算の配分などにも反映
されつつある。
【0004】このように、論文によって研究集団あるい
は個人の業績が評価され始めた現状において、いかに客
観的に論文を評価するかが重要となってきている。研究
集団を、その投稿した論文から評価する方法として、従
来から良く知られているのは、次の3つである。 (1)研究集団が創出した論文の数による評価 (2)研究集団が創出した論文の種類等によって重み付
けした点数による評価 (3)別の専門家による研究集団の成果に対する評価 ところが、(1)の方法では、客観的データとしての定
量化は可能だが、論文の質の定量化はできない。
【0005】一方、(2)の方法は、論文を投稿した学
会、学術誌、または、論文による公表か、単なる口頭発
表かの基準で論文に重みをつけ、単なる論文の数だけで
なく、ある程度の質も評価しようとするものである。例
えば、国際的にも評価の高いNature、Science などの学
術誌へ投稿された論文には高い点をつけ、国内の学会で
の口頭発表には低い点を付けるなどの方法である。
【0006】しかしながら、学術誌の評価と、それに投
稿された諭文の評価とは必ずしも相関がなく、また、そ
れらの雑誌の限られた編集委員などの評価に基づいて掲
載の可否が決定されるため、論文の質の評価としては、
あまり客観性があるとは言い難い。また、(3)の方法
は、専門家による評価ではあるものの、定性的にならざ
るをえず、また、主観的な方法であると言える。
【0007】他方、個々の論文の評価としては、次の2
つが一般的に行われている。 (1)少数の専門家による論文の質の評価 (2)その論文が他の論文に引用された数による評価 (1)の方法は、例えば、学位論文の審査などであり、
個人の業績、能力などの評価には適するものの、研究集
団による研究活動のように、多数の論文が創出された場
合の論文群としての評価には不適である。
【0008】また、(2)の方法は、既に、Citation I
mpact (被引用件数)として、良く知られた手法であ
り、欧米では早くから採用されており、日本でも一部の
研究所、大学でも採用が始められている。Citation Imp
act を用いる手法は、個々の論文の質を評価するものと
して、広く認知されているが、次のような不具合点もあ
る。 (1)Citation Impact による評価では、自己引用、集
団内の相互引用などでデータが歪められる可能性が内在
する。 (2)プロジェクトの分野、タイプによって、創出され
た論文に対するCitationImpact は異なってくる。その
ため、プロジェクトの分野、タイプに応じた層別が必要
となってくる。
【0009】このような問題はあるものの、個別論文の
評価としては、Citation Impact が徐々に定着しつつあ
る。しかしながら、個人ではなく、研究集団として創出
した多数の論文群の評価を、研究分野などの違いの影響
を排除して行う手法としては、これまで、利用可能な方
法が無かった。
【0010】ところで、論文の被引用情報を知るために
は、例えば、ISI (Institute forScientific Informat
ion)が作成している論文情報データベースであるSCI
(The Science Citation Index、以下SCI と呼ぶ)を利
用することができる。なお、SCI は、SciSearch 等の商
用データベースを用いて利用することが可能であり、個
別論文毎に検索することができる。
【0011】一方、論文を投稿した学術誌の評価には、
主に、インパクトファクタ(以下、Impact Factor とも
記載する。)が利用されている。インパクトファクタ
は、「ある1年間における前年2年間の雑誌毎の総収載
論文による平均被引用回数」と定義され、個々の論文で
はなく、雑誌全体としての評価法である。
【0012】ここで、雑誌JのK年におけるインパクト
ファクタ(PJK)は、 PJK=AJK/BJK、 ここで、 AJK:(K−1)年および(K−2)年に雑誌Jに掲載
された論文がK年に引用された回数、 BJK:(K−1)年および(K−2)年に雑誌Jに掲載
された論文総数、 である。
【0013】インパクトファクタは、学術雑誌の質を評
価する有効な方法として、今日広く認識されるようにな
ってきた。このインパクトファクタ算出のもとになるデ
ータベース、SCI の収録対象は、自然科学のジャーナル
全般であり、160 以上の主要な自然科学および工学の分
野における5,550 以上(1999年時点)のタイトルを全世
界から収録している。
【0014】このように、インパクトファクタは、雑誌
のランキング、および、論文の出典先を評価する手段と
して、広く用いられている。また、一部の研究者は、既
に、論文投稿先の雑誌のインパクトファクタを、投稿先
を決定する指標として用いており、インパクトファクタ
が大きいことがそれなりに重要であるとの認識も広まり
つつある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、研究集団の
創出した論文群に基づき、その研究集団の研究活動の活
性度、質を客観的、かつ、定量的に示す指標を明らかと
し、それらの指標に基づき研究集団の成果を定量的に評
価する方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、研究集団の創
出した論文群の年度毎の被引用件数を抽出する工程と、
該被引用件数を累積演算し、年度毎の累積被引用件数を
算出する工程と、該累積被引用件数を、初年度からの経
過年数のべき乗式で表す工程と、を有し、該べき乗式か
ら求まるべき乗数に基づき、前記研究集団の研究活動の
活性度を評価することを特徴とする研究開発活性度の定
量評価方法によって上記課題を解決した。
【0017】ここで、前記べき乗数が2より大きい場合
に、前記研究集団の研究活動の活性度が通常以上である
と評価することが好適であることを見出した。また、本
発明は、研究集団の創出した論文群の年度毎の被引用件
数を抽出する工程と、該被引用件数に基づき、各年度の
年平均被引用件数を算出する工程と、研究集団の創出し
た論文群のそれぞれの論文を投稿した学術誌のそれぞれ
のインパクトファクタを抽出する工程と、該インパクト
ファクタから、研究集団の創出した論文群のインパクト
ファクタ総和を算出する工程と、を有し、前記年平均被
引用件数と前記インパクトファクタ総和の比に基づき、
前記研究集団の研究活動の質を評価することを特徴とす
る研究開発の質の定量評価方法によって上記課題を解決
した。
【0018】ここで、前記比が1より小さい場合に、研
究活動の質が低下していると評価することが好適である
ことを見出した。さらに、本発明は、上記の研究開発活
性度の定量評価方法と、研究開発の質の定量評価方法を
適用し、研究集団の研究開発を総合的に定量評価するこ
とを特徴とする研究開発の定量評価方法によって上記課
題を解決した。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に至った経緯を説明
するとともに、本発明の好適な実施の形態について説明
する。本発明者らは、研究集団の創出した論文群に対す
る被引用件数の関係を調査した結果、以下のような性質
があることを見出した。
【0020】まず、ある研究集団がある研究開発プロジ
ェクトに基づいて投稿した各年度の論文群に対する年間
被引用件数と、その年間被引用件数を累積した全論文に
対する年間被引用件数の推移の一例を図5に示す。図5
において、最上部の折線は、その研究開発プロジェクト
の前年度までの各年度の論文群に対する年間被引用件数
の累積を表す。
【0021】次に、当該研究開発プロジェクトにおける
各年度の論文群のImpact Factor 総和とプロジェクト全
体の被引用件数の関係を図3に示す。図3の縦軸はプロ
ジェクト全体の当年度被引用件数であり、横軸はその前
年までの論文群のImpact Factor 総和の累積値である。
このグラフから、前年までのImpact Factor 総和の累積
値と当年度のプロジェクト全体の被引用件数とがほぼ比
例関係にあることが判る。
【0022】この状況を更に詳細に見るため、各年度の
論文群の年平均被引用件数(すなわち、同一年度に発表
された論文の累積被引用件数の総和を、その経過年数で
除した値)、各年度の論文群のImpact Factor 総和、お
よび、両者の比(すなわち、年平均被引用件数/Impact
Factor 総和)を、それぞれ年度毎にプロットしたグラ
フの例を図4に示す。
【0023】図4から、当該研究開発プロジェクトの年
平均被引用件数/Impact Factor 総和の比が第5年度に
1を割り込み、第8年度に更に大きく低下していること
が判る。ここで、当該研究開発プロジェクトは、5年度
目に大きな山を越したことから1を割り込んだものと推
察される。すなわち、研究開発プロジェクトの年平均被
引用件数/Impact Factor 総和の比は当該プロジェクト
の研究活動の質が変化していることを示す指標であると
言うことができる。なお、ここで定義する「研究活動の
質」は、そのプロジェクトを第三者から見た場合の関心
度、重要度等を基に評価する指標である。
【0024】Impact Factor は、論文が掲載された雑誌
において、その論文が引用されると期待する期待値であ
ると言える。すなわち、当該論文の実際の被引用件数と
Impact Factor を比較し、その値が1以上であれば、被
引用件数が期待以上であるということができる。以上の
ことから、研究開発プロジェクトの年平均被引用件数/
Impact Factor 総和の比が1を下回れば、研究活動の質
が低下していると評価することができる。
【0025】以上の調査をベースにすると、下記(1)
〜(5)は明らかである。 (1)個別論文の累積被引用件数はプロジェクト期間中
ほぼ直線的であり、毎年一定数の引用を受ける(すなわ
ち、年平均被引用件数)として単純化することができ
る。 (2)個別論文の年平均被引用件数と、それが投稿され
た雑誌のImpact Factorとは無関係である。 (3)しかしながら、論文群としてみた場合、論文群の
年平均被引用件数と、そのImpact Factor 総和とは緩や
かな相関がある。 (4)当該プロジェクト全体の、ある年度の年間の被引
用件数は、論文群の年間の被引用件数の累積である。 (5)論文群の年平均被引用件数/Impact Factor 総和
の値は各年度によって異なり、この比は、プロジェクト
の内部要因、外部要因等に変化があったことを示してい
る。
【0026】以上の前提に基づき、図1に示す簡易なモ
デルによって、研究開発プロジェクトの各年度の論文群
と当該プロジェクト全体の年間の被引用件数にどのよう
な関係があるかを更に詳細に検討する。図1に示す簡易
モデルは、次のように単純化している。 (1)論文は、個別論文ではなく、年度毎の論文群とし
て扱う。 (2)研究開発開始からi年目の論文群は次の特性を有
する。
【0027】 (a)論文数 :Ni (b)論文の年平均被引用件数 :CIi (c)投稿先雑誌のImpact Factor 累積値 :IFi (3)i年目の論文群の、i+1年目以降の年平均波引
用件数を経過年度に関係なく一定(Hi )とする。
【0028】ここで、 Hi =Ni * CIi ・・・(1) である。以上のように単純化すれば、j+1年目末(j
>i)における当該プロジェクトの年間の被引用件数HT
j は下記(2) 式で表わせる。
【0029】 HTj =ΣHi (i=1〜j) ・・・(2) また、k+1年目末におけるプロジェクトの累積被引用
件数をHRとすれば、HRは下記(3) 式で表せる。 HR=ΣHTj =ΣΣNi *CIi (i=1〜j)、(j=1〜k) ・・・(3) 上記の(2) 、(3) 式において、各年度の論文群の特性を
全年度にわたって一定であると仮定してより単純化すれ
ば、Hi 、Ni 、CIi 、IFi は一定であるとすることが
でき、それぞれH0 、N0 、CI0 、IF0 の定数とするこ
とができる。
【0030】これによって、上記の(2) 、(3) 式は、そ
れぞれ下記の(4) 、(5) 式のように単純化することがで
きる。 HTj =H0 ・j=N0 *CI0 *j ・・・(4) HR =ΣHTj =ΣH0 ・j=H0 ・k*(k+1)/2 =N0 *CI0 *k*(k+1)/2 ・・・(5) 上記(4) 式において、N0 ・jはj年目までのプロジェ
クト全論文の累計であり、また、CI0 はプロジェクト全
論文平均の年間被引用件数である。
【0031】すなわち、(4) 式の意味は、「j+1年目
末におけるプロジェクトの年間被引用件数HTj は、j年
目までのプロジェクト論文数の累計と全論文平均の年間
被引用件数の積で表わせる」ということを意味してい
る。つまり、HTj =(j年目までのプロジェクト論文数
累計)・(全論文平均の年間被引用件数)である。
【0032】また、上記(5) 式により、プロジェクトの
累計被引用件数は、プロジェクト開始からの経過年数の
ほぼ2乗に比例することが判る。さらに、一般式に拡張
して検討を行う。被引用の関係を、経過年数に対する連
続関数とし、プロジェクトにおけるi年度の論文群の、
i+x年経過後における年間被引用回数が次式で表わせ
るものとする。
【0033】 Hi (x)=Ai *xn ・・・(6) ただし、x:論文群発表後からの経過年数、Ai :定数
である。上記(6) 式を、i年度における論文数Ni と論
文の年平均被引用件数CIi を用いて表わすと、CIi に相
当する項が経過年数により変化することになる。すなわ
ち、 Hi (x)=Bi *Ni *xn ・・・(7) ただし、Bi :定数である。
【0034】ここで、Ai =Bi *Ni であり、「i+
1年目のプロジェクト全体の被引用件数」に相当する
(但しBi は年度により変化する。)。上記の式におい
て、n=0は、毎年一定の被引用件数があることを示し
ており、簡易モデルの仮定と同じである。また、n>0
は、被引用回数が年を追う毎に増加することを示してお
り、プロジェクト以外から盛んに引用されていると見な
すことができ、プロジェクトが外部から注目を受けてい
るとも見なせる。一般的に、論文発表後3〜4年間の状
態がこれに相当する。
【0035】更に、n<0は、プロジェクト外部からの
関心が低下したと見なすことができ、論文発表後4年目
以降の状態に相当することになる。すなわち、nの値
は、プロジェクト外からの関心度を示す指数であり、経
過年数によって変化する変数と見なすことができる。次
に、論文群のプロジェクト開始後i年経過後の出現数を
次式の(8) 式で表わせるものとする。
【0036】 Ni (i)=N0 *im ・・・(8) ただし、N0 :初年度の論文数である。そうすると、上
記(8) 式において、m=0は、毎年一定数の論文が創出
されていることを示す。この値(すなわち、m)が、0
より大きいことは、プロジェクトに参画する研究者の数
が増加し、また、プロジェクトの環境が整い論文を作成
しやすくなったことを意味しており、例えば、ブレーク
スルー的な発見、発明がなされたなどのことが考えら
れ、プロジェクト活動が活発になったものとみなすこと
ができる。逆に、m<0は、プロジェクト活動が衰退し
ているものとみなせる。
【0037】すなわち、mの値は、プロジェクト内部の
活性度を表わす指数とみなすことができ、通常はm>0
であることが期待される。次に、上記(7) 、(8) 式か
ら、i年度の論文群のi+x年経過後における被引用件
数Hi (x)は、下記(9) 式のように表わすことができ
る。 Hi (x)=Bi *N0 *im *xn ・・・(9) また、j+1年後におけるプロジェクト全体の累積被引
用件数HRは、下記(10)式となる。
【0038】 HR=∫∫Hi (x)dx di =N0 ∫Bi *im *∫xn dx di ・・・(10) ただし、x=0〜j−1であり、i=0〜jである。こ
こで、(10)式中、m、n、Bi はiの関数のため、一般
形を得ることはできないが、m、n=0、Bi :一定
(B0 )とする特殊系では、上述の簡易モデルと同じと
なり、下記(11)式で表わすことができる。
【0039】HR=N0 *B0 *j2 ・・・(11) また、B:一定(B0 )とし、m、nも年度によって変
化しないものとした場合、(10)式の積分形は、下記(12)
式のようになる。 HR=N0 *B0 *1/(n+1)*∫im *(j−1)n+1 di ・・・(12) ただし、i=0〜jである。
【0040】上記(12)式の一般解も同様に得ることはで
きないが、m>0では、(12)式の解の主要部分の、プロ
ジェクト開始後からの経過年数jに対してのべき乗数
は、2+m+nとなる。定数N0 *B0 は、プロジェク
トの規模(例えば、予算、研究人員など)、分野(例え
ば、関心が高い分野か否かなど)、フェーズ(例えば、
探索段階、応用研究段階、実用化研究段階など)によっ
て大きく変わることが予想される。従って、プロジェク
トのタイプの違いにより、プロジェクト間で累積被引用
回数は大きく変動することになる。
【0041】そのため、単にプロジェクトの規模を示す
パラメータでこの値を正規化したとしても、分野、フェ
ーズ等による正規化は困難である。これに対し、経過年
数のべき乗数(2+m+n)は、無次元数であり、か
つ、mは、プロジェクトの研究活動の内部活性度を示
し、また、nはプロジェクト外からの研究活動の成果で
ある論文に対する評価を示すことから、総合すれば、
(2+m+n)のべき乗数は、プロジェクトの研究活動
のレベル、すなわち、活性度を表わす指標となりうる。
【0042】ここで、研究活動が通常程度であれば、2
+m+n>2であるといえる。すなわち、べき乗数が2
より大きい場合に、研究集団の研究活動の活性度が通常
以上であると評価することができる。
【0043】
【実施例】以下に、本発明の研究開発の定量評価方法
を、ある研究開発プロジェクトモデルに適用した一例を
実施例として説明する。本発明は、例えば、図7に示す
ように、データベース1から所要のデータ(ここでは、
該当する論文数、当該論文に対する被引用件数、インパ
クトファクタ等)を抽出し、演算処理装置2で所定の演
算を行い、評価装置3で所定の評価を行うことによって
実行される。そして、ディスプレイ等の任意の出力装置
4にその評価結果を出力する。ここで、データベース1
は、外部の商用データベースであっても良いし、また、
任意の研究機関のデータベースであってもよく、特に限
定するものではない。
【0044】本実施例として例示した研究開発プロジェ
クトについて、当該プロジェクト全体の累積被引用件数
を図2に示す。図2のグラフから、累積被引用件数のカ
ーブは、プロジェクト開始後からの経過年数に対し、ほ
ぼ2次曲線状になっていることが判る。研究開発活動の
活性度を計算するに際しては、上記の累積カーブからも
直接計算することができるが、積分された形なので、年
度毎の変化(寄与)が緩和された形になってしまう。こ
れに対し、年度毎の被引用件数(図2の棒グラフ)は、
累積カーブの微分形であるので、これを用いて計算した
研究活動の活性度は、年度毎の変化をより鮮明にあらわ
すことになる。
【0045】なお、年度毎の被引用件数を代表するパラ
メータとしては、次の2つが代表的である。第1は、年
度毎の論文群のImpact Factor 総和をとる方式である。
なお、これは自己評価に相当する。第2は、年度毎の論
文群の年平均被引用件数をとる方式である。なお、これ
は他者評価に相当する。
【0046】以上の2方式で計算した結果を図6に示
す。図6から、上記第1の方式と第2の方式における活
性度の指標がほぼ平行に推移しており、同傾向にあるこ
とがわかる。特に、第2における他者評価に相当する活
性度の指標では第7年度目における外部評価が大きく変
化した時の推移をよく捉えている。
【0047】すなわち、第2方式の活性度の指標で評価
すれば、例示のプロジェクトは、第7年度目以降、その
活性度が標準を下回ったと評価することができる。一
方、当該研究開発プロジェクトにおける各年度の論文群
のImpact Factor 総和とプロジェクト全体の被引用件数
の関係は、既に説明した図3に示すとおりであり、当該
研究開発プロジェクトの年平均被引用件数/Impact Fac
tor 総和の比は、図4のグラフに示すようになる。
【0048】図4に示した当該プロジェクトの年平均被
引用件数/Impact Factor 総和の変化から、当該プロジ
ェクトの研究活動の質が第8年目以降は低下しているこ
とが推定され、また、当該プロジェクトの研究活動の活
性度は、第7年度以降で標準を下回ったと評価される。
以上の評価を総合的に勘案すると、研究開発が開始され
た年を初年度として、第7年度目の時点で、同プロジェ
クトに対し何らかのアクションが必要であったと評価す
ることができる。
【0049】
【発明の効果】本発明は、従来の論文の件数のみで評価
するのではなく、被引用件数等の推移を指数化して評価
することを可能とした。これによって、本発明の評価方
法を用い、プロジェクトのGO-STOP 評価の一部として利
用することができる。また、これらの指数は無次元数で
あることから、異なるプロジェクト間の比較を行うこと
も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】研究集団の投稿した論文群に対する被引用件数
の累積について説明する模式図である。
【図2】ある研究プロジェクトの年度毎の被引用件数と
その累積被引用件数を例示するグラフである。
【図3】前年までのインパクトファクタ総和の累積値と
当年度引用件数の相関を例示するグラフである。
【図4】ある研究プロジェクトの年度毎の(年平均被引
用件数/インパクトファクタ総和)の推移を例示するグ
ラフである。
【図5】ある研究プロジェクトの年度毎の被引用件数の
累積の推移を例示するグラフである。
【図6】ある研究プロジェクトの年平均被引用件数とイ
ンパクトファクタ総和について、各年度毎の研究開発の
活性度を指標として例示するグラフである。
【図7】本発明の研究開発の定量評価方法を適用するシ
ステム構成の模式図である。
【符号の説明】
1 データベース 2 演算処理装置 3 評価装置 4 出力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 明徳 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 日 比谷国際ビル 川鉄テクノリサーチ株式会 社内 Fターム(参考) 5B056 BB00 BB72 HH00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研究集団の創出した論文群の年度毎の被
    引用件数を抽出する工程と、該被引用件数を累積演算
    し、年度毎の累積被引用件数を算出する工程と、該累積
    被引用件数を、初年度からの経過年数のべき乗式で表す
    工程と、を有し、該べき乗式から求まるべき乗数に基づ
    き、前記研究集団の研究活動の活性度を評価することを
    特徴とする研究開発活性度の定量評価方法。
  2. 【請求項2】 前記べき乗数が2より大きい場合に、前
    記研究集団の研究活動の活性度が通常以上であると評価
    することを特徴とする請求項1に記載の研究開発活性度
    の定量評価方法。
  3. 【請求項3】 研究集団の創出した論文群の年度毎の被
    引用件数を抽出する工程と、該被引用件数に基づき、各
    年度の年平均被引用件数を算出する工程と、研究集団の
    創出した論文群のそれぞれの論文を投稿した学術誌のそ
    れぞれのインパクトファクタを抽出する工程と、該イン
    パクトファクタから、研究集団の創出した論文群のイン
    パクトファクタ総和を算出する工程と、を有し、前記年
    平均被引用件数と前記インパクトファクタ総和の比に基
    づき、前記研究集団の研究活動の質を評価することを特
    徴とする研究開発の質の定量評価方法。
  4. 【請求項4】 前記比が1より小さい場合に、研究活動
    の質が低下していると評価することを特徴とする請求項
    3に記載の研究開発の質の定量評価方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の研究開発活性度の定量
    評価方法と、請求項3に記載の研究開発の質の定量評価
    方法を適用し、研究集団の研究開発を総合的に定量評価
    することを特徴とする研究開発の定量評価方法。
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