JP2003057522A - レンズ鏡胴 - Google Patents

レンズ鏡胴

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JP2003057522A
JP2003057522A JP2001248680A JP2001248680A JP2003057522A JP 2003057522 A JP2003057522 A JP 2003057522A JP 2001248680 A JP2001248680 A JP 2001248680A JP 2001248680 A JP2001248680 A JP 2001248680A JP 2003057522 A JP2003057522 A JP 2003057522A
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cam
lens
worm
worm wheel
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JP2001248680A
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English (en)
Inventor
Junichi Matsumoto
本 淳 一 松
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Nidec Precision Corp
Original Assignee
Nidec Copal Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レンズ鏡胴において、レンズ枠に加わった衝撃
力を吸収して、機能上の信頼性を確保する。 【解決手段】レンズを保持し光軸方向に移動自在に支持
されたレンズ枠41と、レンズ枠41を移動させる円筒
カム30と、円筒カム30に駆動力を伝達するためのウ
ォームギヤ73,74を含む歯車機構70とを備えたレ
ンズ鏡胴において、歯車機構70の一部に、レンズ枠4
1に所定以上の衝撃力が加わったときに力の伝達を断つ
クラッチ機構74b,75b,76を採用する。これに
より、ウォームギヤの破損等が防止され、所望の機能が
確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカメラ、
銀塩フィルム式カメラ等に搭載される変倍撮影が可能な
レンズ鏡胴に関し、特に、光軸方向におけるレンズの駆
動機構にウォームギヤを用いたレンズ鏡胴に関する。
【0002】
【従来の技術】広角及び望遠での撮影が行なえるカメラ
用のレンズ鏡胴においては、第1レンズ群、第2レンズ
群等の複数のレンズ群、これらレンズ群を光軸方向に移
動させるためのカム筒、カム筒に駆動力を伝達するため
の歯車機構等を備えたものが知られている。このレンズ
鏡胴において、レンズ群は、レンズを保持し光軸方向に
往復動自在に支持されたレンズ筒(直進筒)を有してい
る。また、歯車機構は、装置を小型化し、減速比を大き
くする等の観点から、その一部に、ウォームとウォーム
ホイールとからなるウォームギヤを有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のレン
ズ鏡胴がカメラに搭載されて使用される場合、特に、カ
ム筒のカム溝が光軸方向に対して傾斜した領域にレンズ
筒のフォロワーピンが位置する状態で、外部からレンズ
筒を押し込むような衝撃力(荷重)が加わると、通常の
駆動力伝達順路とは逆に、先ずレンズ筒が押されて、カ
ム筒及び歯車機構が繰り込み方向に回転させられるよう
に、衝撃力による回転力が伝達されようとする。
【0004】しかしながら、ウォームギヤにおいては、
被動側のウォームホイールから駆動側のウォームへの回
転力の伝達は機構上不可能である。したがって、外部か
らの衝撃力は、歯車機構で吸収されず、ウォームギヤの
破損あるいはカム溝に連結されるフォロワーピンの抜け
落ち等を招く虞がある。
【0005】これに対処するべく、ウォームギヤの強度
を高め、あるいは、カム筒を厚肉にしてカム溝を深くす
ると、歯車機構の大型化又は材質変更による高コスト化
を招き、あるいは、レンズ鏡胴の径方向における大型化
を招くことになる。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みて成されたもの
であり、その目的とするところは、装置の小型化、構造
の簡略化等を図りつつ、外部から衝撃力等を受けても破
損等を招くことなく、確実に機能し得るレンズ鏡胴を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のレンズ鏡胴は、
レンズを保持し光軸方向に移動自在に支持されたレンズ
保持部材と、レンズ保持部材を移動させるためのカム作
用をなすカム部材と、カム部材に駆動力を伝達するため
のウォームギヤを含む伝達手段とを備えたレンズ鏡胴で
あって、上記伝達手段は、レンズ保持部材に所定以上の
荷重が加わったときに力の伝達を断つクラッチ機構を有
する、ことを特徴としている。この構成によれば、レン
ズ保持部材が外部から所定以上の荷重、例えば、レンズ
保持部材が押し込まれるような衝撃力を受けると、レン
ズ保持部材の押込み動作に連動してカム部材が移動させ
られ、伝達手段のクラッチ機構において、その衝撃力の
伝達が断たれる。これにより、ウォームギヤへは衝撃力
が伝達されず、その破損等が防止され、所望の機能が確
保される。
【0008】上記構成において、クラッチ機構は、ウォ
ームギヤを形成するウォームホイールのスラスト面に形
成された駆動歯車部と、カム部材とウォームホイールと
の間に介在する連結歯車のスラスト面に形成され駆動歯
車部と噛合し得る被動歯車部と、被動歯車部と駆動歯車
部とを噛合させるべく所定の付勢力を及ぼす付勢部材と
を有する、構成を採用できる。この構成によれば、レン
ズ保持部材が所定以上の荷重、例えば衝撃力を受けた場
合は、その衝撃力はカム部材に伝達され、カム部材から
連結歯車に伝達される。そして、付勢部材の付勢力に抗
して被動歯車部と駆動歯車部との噛合が解かれ、連結歯
車が空転する。これにより、衝撃力が吸収されて、ウォ
ームホイール及びウォームは停止したまま保持される。
【0009】上記構成において、カム部材は、円筒面に
カム溝が形成された円筒カムであり、伝達手段は、ウォ
ームと、ウォームに噛合するウォームホイールと、上記
クラッチ機構を介してウォームホイールに連結される第
1の連結歯車と、第1の連結歯車に噛合する第2の連結
歯車と、上記円筒カムの外周面に形成されて第2の連結
歯車に噛合する弧状歯車部とを含む、構成を採用でき
る。この構成によれば、通常の駆動動作においては、ウ
ォームが回転すると、ウォームホイールが回転させら
れ、クラッチ機構を構成する駆動歯車部と被動歯車部と
の噛合により、第1の連結歯車が回転させられ、第2の
連結歯車を介してカム部材が回転させられ、レンズ保持
部材が光軸方向に移動させられる。一方、レンズ保持部
材に対して、外部から所定以上の荷重、例えば衝撃力が
加わった場合、その衝撃力は円筒カムに伝達され、円筒
カムの弧状歯車部から第2の連結歯車を介して第1の連
結歯車に伝達される。そして、付勢部材の付勢力に抗し
て被動歯車部と駆動歯車部との噛合が解かれ、第1の連
結歯車が空転する。これにより、衝撃力が吸収され、ウ
ォームホイール及びウォームは停止したまま保持され
る。
【0010】上記構成において、ウォームホイールは一
体的に形成されたシャフトを有し、連結歯車は上記シャ
フトに回動自在に支持され、付勢部材は上記シャフトに
外嵌されて連結歯車をウォームホイールに向けて付勢す
るコイルスプリングからなる、構成を採用できる。この
構成によれば、ウォームホイールのシャフトに連結歯車
を取り付け、続いて、コイルスプリングを取りつけるこ
とにより、クラッチ機構が形成されるため、構造の簡略
化、小型化、組み付け作業の容易化等が行なえる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しつつ説明する。図1ないし図11
は、本発明に係るレンズ鏡胴の一実施形態を示すもので
ある。このレンズ鏡胴は、図1及び図2に示すように、
輪郭が略矩形形状でフィルタ11、撮像素子としてのC
CD12等が取り付けられるベース10、ベース10に
固着される固定筒20、固定筒20の内側において回転
及び直進自在に支持されたカム部材としての円筒カム3
0、円筒カム30の内側において、光軸方向Lに移動自
在に支持された第1レンズ群40及び第2レンズ群5
0、ベース10に支持されて光軸方向Lに移動自在な第
3レンズ群60、円筒カム30に駆動力を伝える伝達手
段としての歯車機構70、駆動源としてのモータ80等
を備えている。
【0012】円筒カム30は、図1及び図2に示すよう
に、外周面から径方向外側に突出して設けられた3個の
フォロワーピン31、光軸方向Lの後方領域外周面に形
成された弧状歯車部32、図6の展開図に示すように内
周面に形成されて第1レンズ群40にカム作用を及ぼす
3本の第1カム溝33及び第2レンズ群50にカム作用
を及ぼす3本の第2カム溝34、内周面に回動自在に取
り付けられて第1レンズ群40及び第2レンズ群50の
回転を規制しつつ光軸方向Lへ案内するガイド筒35等
により構成されている。そして、フォロワーピン31
は、固定筒20の内周面に形成されたカム溝21に挿入
されており、円筒カム30が待機位置(沈胴位置)から
回転させられると、所定量だけ光軸方向L前方(被写体
側)へ向けて直進移動し、その後は回転移動だけ行なう
ようになっている。
【0013】第1レンズ群40は、図1及び図2に示す
ように、レンズG1,G2,G3を保持するレンズ保持
部材としての円筒状のレンズ枠41(直進筒)、レンズ
枠41の外周面から径方向外側に突出して設けられた3
個のフォロワーピン42等により構成されている。そし
て、3個のフォロワーピン42が、円筒カム30の第1
カム溝33に挿入されており、円筒カム30が回動する
と、第1レンズ群40は、その回転がガイド筒35によ
り規制されつつ、光軸方向Lに移動させられるようにな
っている。
【0014】第2レンズ群50は、図1及び図2に示す
ように、レンズG4,G5,G6を保持するレンズ枠5
1、レンズ枠51から径方向外側に突出して設けられた
3個のフォロワーピン52、レンズ枠51に保持されて
露光用開口部を開閉するシャッタ機構53等により構成
されている。そして、3個のフォロワーピン52が、円
筒カム30の第2カム溝34に挿入されており、円筒カ
ム30が回動すると、第2レンズ群50は、その回転が
ガイド筒35により規制されつつ、光軸方向Lに移動さ
せられるようになっている。
【0015】第3レンズ群60は、図2及び図7に示す
ように、レンズG7を保持するレンズ枠61、レンズ枠
61に一体的に形成されベース10に固定されたガイド
軸13,14に外嵌されるガイド孔をもつ連結部62,
63、ベース10に固定されたモータ64により駆動さ
れるリードスクリュー65に螺合される連結部66等に
より構成されている。そして、モータ64の駆動力によ
りリードスクリュー65が回動すると、レンズ枠61
は、ガイド軸13,14により回転が規制されつつ光軸
方向Lに移動させられるようになっている。尚、レンズ
枠61はスプリング67によりベース10側に引寄せら
れている。
【0016】伝達手段としての歯車機構70は、図1な
いし図4に示すように、モータ80の回転軸81に固着
されたウォーム71、ウォーム71と噛合するウォーム
ホイール72、ウォームホイール72と同軸にて一体的
に形成されたウォーム73、ウォーム73と噛合するウ
ォームホイール74、ウォームホイール74に対して連
結及び離脱され得るように同軸に配置されて回転する第
1の連結歯車75、第1の連結歯車75をウォームホイ
ール74に向けて付勢する付勢部材としてのコイルスプ
リング76、コイルスプリング76の端部を規制するワ
ッシャ77、第1の連結歯車75に噛合する第2の連結
歯車78、円筒カム30の外周面に形成されて第2の連
結歯車78と噛合する弧状歯車部32等により構成され
ている。
【0017】図4及び図5に示すように、ウォームホイ
ール74には、回転軸となるシャフト74aが一体的に
形成され、又、そのスラスト面には、山形の歯をなす駆
動歯車部74bが形成されている。第1の連結歯車75
には、その中央部に貫通孔75aが形成され、又、その
スラスト面には駆動歯車部74bと噛合し得る被動歯車
部75bが形成されている。
【0018】また、図4及び図5に示すように、第1の
連結歯車75の他方側スラスト面には、付勢部材として
のコイルスプリング76の一端部76aが当接され、そ
の他端部76bとシャフト74aの突起74a´との間
にワッシャ77が装着されて、コイルスプリング76が
所定の付勢力を発生するように圧縮された状態で取り付
けられている。したがって、コイルスプリング76の付
勢力により、第1の連結歯車75はウォームホイール7
4に向けて押し付けられており、すなわち、駆動歯車部
74bと被動歯車部75bとが噛合するように付勢され
ている。
【0019】ここで、コイルスプリング76の付勢力と
しては、レンズ枠41が外部から衝撃力等の荷重を受け
て、フォロワーピン42が第1カム溝33から外れる前
に、被動歯車と駆動歯車部74bとの噛み合いが解かれ
て、第1連結歯車75の空回りを許容するバネ力に設定
され、又、モータ80によりウォーム73を介して駆動
される場合は、駆動歯車部74bと被動歯車部75bと
が確実に噛み合って、ウォームホイール74の回転力が
第1の連結歯車75に伝達されるバネ力に設定される。
【0020】上記駆動歯車部74b、被動歯車部75
b、コイルスプリング76等により、ウォームホイール
74と第1の連結歯車75との間において、一方の回転
に抵抗する所定レベル上の負荷(荷重)が加わったとき
に、両者間での力の伝達を断つクラッチ機構が構成され
ている。このように、簡略な構造にてクラッチ機構が形
成されているため、装置の小型化等が行なえる。
【0021】上記クラッチ機構の組み付けに際しては、
図5に示すように、ウォームホイール74のシャフト7
4aに第1の連結歯車75を回動自在に取り付け、続い
て、コイルスプリング76をシャフト74aに取り付
け、最後に、コイルスプリング76を圧縮した状態でワ
ッシャ77を装着することにより、モジュール品として
の組み付けが完了する。
【0022】このように、組み付け作業が簡単であると
共に、モジュール品として取り扱えるため、部品管理等
において取り扱い上の利便性が良い。また、コイルスプ
リング76及び第1の連結歯車75は、ウォームホイー
ル74と一体的に形成された共通のシャフト74aに外
嵌されるため、相互の位置ずれが防止されて、駆動歯車
部74bと被動歯車部75bとの噛み合いが確実に行な
われ、又、コイルスプリング76の付勢力がスラスト方
向に確実に作用することになる。
【0023】次に、上記レンズ鏡胴の動作について、図
2、図7ないし図9の動作図、及び図10及び図11の
カム溝を示した展開図及び断面図を参照しつつ説明す
る。尚、3本の第1カム溝33及び3本の第2カム溝3
4は、それぞれ同一の形状をなすため、図10に示すよ
うに、それぞれ1本のカム溝33,34についてその作
用を説明する。先ず、図2に示すように、第1レンズ群
40のレンズ枠41(直進筒)が沈胴した状態におい
て、レンズ枠41のフォロワーピン42及びレンズ枠5
1のフォロワーピン52は、第1カム溝33及び第2カ
ム溝34に対して、図10中の符号42a,52aで示
す位置にある。
【0024】この沈胴状態から、モータ80が一方向に
回転すると、歯車機構70を介して、円筒カム30が回
転しつつ光軸方向L前方に向かって直進し、所定角度回
転したところで直進が止まり回転のみが続行される。円
筒カム30の回転により、フォロワーピン42,52は
それぞれ第1カム溝33及び第2カム溝34に案内され
て、レンズ枠41は光軸方向Lの前方に向けて移動し、
レンズ枠52は光軸方向Lの後方に向けて移動し、図7
に示すような広角撮影位置に至る。この広角撮影位置に
おいて、レンズ枠41(第1レンズ群40)は繰り出さ
れた状態となり、レンズ枠41のフォロワーピン42及
びレンズ枠51のフォロワーピン52は、第1カム溝3
3及び第2カム溝34に対して、図10中の符号42
b,52bで示す位置にある。
【0025】この広角撮影位置あるいは近傍の領域にお
いて、外部からレンズ枠41を押し込むような衝撃力が
加わると、この衝撃力がフォロワーピン42を介して円
筒カム30を同方向に回転させようとする。この同方向
への回転力は、第2の連結歯車78、第1の連結歯車7
5、ウォームホイール74を介して、ウォーム73に伝
達されようとする。一方、ウォームホイール74からウ
ォーム73への回転力の伝達は機構上不可能であるた
め、ウォームホイール74が回転を阻止する負荷として
作用する。その結果、コイルスプリング76の付勢力に
抗して、被動歯車部75bと駆動歯車部74bとの噛み
合いが解かれて、第1の連結歯車75は空転する。この
ように、クラッチ機構により力の伝達が断たれること
で、衝撃力が吸収されることになり、フォロワーピン4
2の抜け落ちあるいはウォームギヤ(ウォーム73及び
ウォームホイール74)の破損等が防止される。
【0026】この広角撮影位置から、モータ80が同一
方向にさらに回転すると、歯車機構70を介して、円筒
カム30がさらに同方向に回転し、フォロワーピン4
2,52はそれぞれ第1カム溝33及び第2カム溝34
に案内されて、レンズ枠41光軸方向Lの後方に向けて
移動し、レンズ枠51は光軸方向Lの前方に向けて移動
し、図8に示すような(広角撮影位置と望遠撮影位置と
の中間に位置する)中間撮影位置に至る。この中間撮影
位置においても、レンズ枠41(第1レンズ群40)は
繰り出された状態にあり、レンズ枠41のフォロワーピ
ン42及びレンズ枠51のフォロワーピン52は、第1
カム溝33及び第2カム溝34に対して、図10中の符
号42c,52cで示す位置にある。
【0027】すなわち、この中間撮影位置において、図
10に示すように、第1カム溝33は光軸方向Lに対し
て略垂直となるため、外部からレンズ枠41を押し込む
ような衝撃力が加わったとしても、円筒カム30を回転
させる力とはならず、フォロワーピン42と第1カム溝
33との間で、この衝撃力に耐えることになる。この状
態においては、図11(a)に示すように、フォロワー
ピン42に対する第1カム溝33のスラスト方向におけ
る傾斜は最も急峻であるため、フォロワーピン42が第
1カム溝33から容易に抜け落ちることはない。図10
及び図11(a)に示すように、この位置において、フ
ォロワーピン42を受ける突出壁36を設けることで、
フォロワーピン42の抜く落ちは確実に防止される。
【0028】上記中間撮影位置から、モータ80が同一
方向にさらに回転すると、歯車機構70を介して、円筒
カム30がさらに同方向に回転し、フォロワーピン4
2,52はそれぞれ第1カム溝33及び第2カム溝34
に案内されて、レンズ枠41及びレンズ枠51は、共に
光軸方向Lの前方に向けて移動し、図9に示すような望
遠撮影位置に至る。この望遠撮影位置においても、レン
ズ枠41(第1レンズ群40)は繰り出された状態にあ
り、レンズ枠41のフォロワーピン42及びレンズ枠5
1のフォロワーピン52は、第1カム溝33及び第2カ
ム溝34に対して、図10中の符号42d,52dで示
す位置にある。
【0029】この望遠撮影位置あるいは近傍の領域にお
いて、外部からレンズ枠41を押し込むような衝撃力が
加わると、この衝撃力がフォロワーピン42を介して円
筒カム30を逆向きに回転させようとする。この逆向き
の回転力は、第2の連結歯車78、第1の連結歯車7
5、ウォームホイール74を介して、ウォーム73に伝
達されようとするが、前述同様に、コイルスプリング7
6の付勢力に抗して、被動歯車部75bと駆動歯車部7
4bとの噛み合いが解かれて第1の連結歯車75が空転
し、力の伝達が断たれることで、衝撃力が吸収されるこ
とになる。これにより、フォロワーピン42の抜け落ち
あるいはウォームギヤ(ウォーム73及びウォームホイ
ール74)の破損等が防止される。
【0030】この望遠撮影位置においては、図11
(b)に示すように、フォロワーピン42に対する第1
カム溝33のスラスト方向における傾斜は緩やかである
ため、フォロワーピン42が第1カム溝33から抜け落
ち易くなる。したがって、コイルスプリング76の付勢
力としては、例えば、この望遠撮影位置にある状態でレ
ンズ枠41が外部から衝撃力を受けたとき、フォロワー
ピン42が第1カム溝33から外れる前に、被動歯車と
駆動歯車部74bとの噛み合いが解かれて、第1連結歯
車75の空回りを許容する力に設定される。ここで、望
遠撮影位置に限るものではなく、カム溝のプロフィルに
応じて、最も傾斜が緩やかな領域でのフォロワーピンの
抜け落ちを防止するように、コイルスプリング76の付
勢力(バネ力)は設定される。
【0031】尚、モータ80が逆方向に回転すると、歯
車機構70を介して、円筒カム30は逆向きに回転し、
第1レンズ群40及び第2レンズ群50は、望遠撮影位
置から逆の経路を辿って、中間撮影位置、広角撮影位
置、沈胴位置へと移動する。また、上記一連の変倍動作
において、第3レンズ群60も、モータ64の回転によ
り、光軸方向Lにおける所望の位置に移動させられる。
【0032】上記実施形態においては、クラッチ機構と
して、ウォームホイール74に一体的に形成された駆動
歯車部74b、第1の連結歯車75に一体的に形成され
た被動歯車部75b、コイルスプリング76等により構
成されるものを示したが、これに限定されるものではな
く、摩擦力により力の伝達を行なう摩擦板等をウォーム
ホイール及び連結歯車のスラスト面に固着し、その接合
及び離脱により駆動力の伝達及び非伝達を行なう構成を
採用してもよい。
【0033】また、上記実施形態においては、歯車機構
70の一部をなす連結歯車として、第1の連結歯車75
及び第2連結歯車78を採用したが、これに限定される
ものではなく、第1の連結歯車75を直接円筒カム30
の弧状歯車部32に噛合させた構成、あるいは、より多
くの連結歯車を採用し、円筒カム30の弧状歯車部32
からウォームギヤ(ウォーム73,ウォームホイール7
4)までの間の少なくとも一部に、上記のようなクラッ
チ機構を採用してもよい。
【0034】また、上記実施形態においては、カム部材
として、回転によりカム作用をなす円筒カム30を示し
たが、これに限定されるものではなく、平面上を直線的
にあるいは円弧状に往復動することによりカム作用をな
すカム部材を採用した構成において、本発明のクラッチ
機構を採用してもよい。
【0035】さらに、上記実施形態においては、第1レ
ンズ群40、第2レンズ群50、及び第3レンズ群60
からなる3つのレンズ群を備える構成において本発明に
係るクラッチ機構を採用したが、繰り出されるレンズ保
持部材(レンズ枠)を備えるものであれば、1つのレン
ズ群あるいは4つ以上のレンズ群を備える構成において
本発明に係るクラッチ機構を採用してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のレンズ鏡胴
によれば、レンズ保持部材を駆動するカム部材に駆動力
を伝達するための伝達手段において、レンズ保持部材に
所定以上の荷重が加わったときに力の伝達を断つクラッ
チ機構を設けたことにより、外部からレンズ保持部材を
押し込むような衝撃力が加わった場合に、クラッチ機構
によりその衝撃力が吸収されることで、ウォームギヤの
破損等を防止でき、所望の機能を確保することができ
る。また、クラッチ機構として、ウォームホイールのス
ラスト面に形成された駆動歯車部と、連結歯車のスラス
ト面に形成され駆動歯車部と噛合し得る被動歯車部と、
両者を噛合させるべく所定の付勢力を及ぼす付勢部材と
により構成することで、特に、配置スペースを必要とす
るような別個の部品を用いることなくクラッチ機構を形
成することができるため、機構の簡略化、小型化を行な
うことができる。さらに、ウォームホイールに一体的に
形成されたシャフトに対して、連結歯車を回動自在に支
持し又コイルスプリングを外嵌させて取り付ける構成と
することで、構造の簡略化、小型化、組み付け作業の容
易化等を行なうことができ、又、クラッチ機構をモジュ
ール品として取り扱うことができるため、部品管理等に
おける利便性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレンズ鏡胴の一実施形態を示す正
面図である。
【図2】本発明に係るレンズ鏡胴の一実施形態を示す縦
断面図である。
【図3】レンズ鏡胴の一部をなす歯車機構を示す正面図
である。
【図4】レンズ鏡胴の一部をなす歯車機構を示す底面図
である。
【図5】歯車機構の一部をなすクラッチ機構を示す分解
斜視図である。
【図6】カム部材としての円筒カムのカム溝を展開した
展開図である。
【図7】レンズ鏡胴が広角撮影位置にある状態を示す縦
断面図である。
【図8】レンズ鏡胴が中間撮影位置にある状態を示す縦
断面図である。
【図9】レンズ鏡胴が望遠撮影位置にある状態を示す縦
断面図である。
【図10】それぞれの撮影位置におけるカム溝とフォロ
ワーピンとの関係を示す展開図である。
【図11】カム溝とフォロワーピンとの係合関係を示す
断面図であり、(a)は図10中のA1−A1の位置に
おける断面図、(b)は図10中のA2−A2の位置に
おける断面図である。
【符号の説明】
10 ベース 20 固定筒 21 カム溝 30 円筒カム(カム部材) 31 フォロワーピン 32 弧状歯車部 33 第1カム溝 34 第2カム溝 35 ガイド筒 36 突出壁 40 第1レンズ群 41 レンズ枠(レンズ保持部材) 42 フォロワーピン 50 第2レンズ群 51 レンズ枠 52 フォロワーピン 60 第3レンズ群 61 レンズ枠 70 歯車機構(伝達手段) 71 ウォーム 72 ウォームホイール 73 ウォーム(ウォームギヤ) 74 ウォームホイール(ウォームギヤ) 74a シャフト 74b 駆動歯車部(クラッチ機構) 75 第1の連結歯車 75b 被動歯車部(クラッチ機構) 76 コイルスプリング(付勢部材、クラッチ機構) 77 ワッシャ 78 第2の連結歯車 80 モータ 81 回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G03B 5/00 G02B 7/04 D E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズを保持し光軸方向に移動自在に支
    持されたレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を移動
    させるためのカム作用をなすカム部材と、前記カム部材
    に駆動力を伝達するためのウォームギヤを含む伝達手段
    と、を備えたレンズ鏡胴であって、 前記伝達手段は、前記レンズ保持部材に所定以上の荷重
    が加わったときに力の伝達を断つクラッチ機構、を有す
    る、ことを特徴とするレンズ鏡胴。
  2. 【請求項2】 前記クラッチ機構は、前記ウォームギヤ
    を形成するウォームホイールのスラスト面に形成された
    駆動歯車部と、前記カム部材と前記ウォームホイールと
    の間に介在する連結歯車のスラスト面に形成され前記駆
    動歯車部と噛合し得る被動歯車部と、前記被動歯車部と
    前記駆動歯車部とを噛合させるべく所定の付勢力を及ぼ
    す付勢部材と、を有する、ことを特徴とする請求項1記
    載のレンズ鏡胴。
  3. 【請求項3】 前記カム部材は、円筒面にカム溝が形成
    された円筒カムであり、 前記伝達手段は、ウォームと、前記ウォームに噛合する
    ウォームホイールと、前記クラッチ機構を介して前記ウ
    ォームホイールに連結される第1の連結歯車と、前記第
    1の連結歯車に噛合する第2の連結歯車と、前記円筒カ
    ムの外周面に形成されて前記第2の連結歯車に噛合する
    弧状歯車部と、を含む、ことを特徴とする請求項2記載
    のレンズ鏡胴。
  4. 【請求項4】 前記ウォームホイールは、一体的に形成
    されたシャフトを有し、 前記連結歯車は、前記シャフトに回動自在に支持され、 前記付勢部材は、前記シャフトに外嵌されて前記連結歯
    車を前記ウォームホイールに向けて付勢するコイルスプ
    リングからなる、ことを特徴とする請求項2又は3記載
    のレンズ鏡胴。
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