JP2003056586A - スプライン構造 - Google Patents

スプライン構造

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JP2003056586A
JP2003056586A JP2001244505A JP2001244505A JP2003056586A JP 2003056586 A JP2003056586 A JP 2003056586A JP 2001244505 A JP2001244505 A JP 2001244505A JP 2001244505 A JP2001244505 A JP 2001244505A JP 2003056586 A JP2003056586 A JP 2003056586A
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Japan
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spline
shaft portion
outer spline
inner spline
oil dam
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JP2001244505A
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Tetsuya Nakagawa
哲也 仲川
Yoshihiro Takahashi
能大 高橋
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルダムを損傷させることなく、内スプラ
インと外スプラインとの位置合わせを作業性良く行うこ
とができるスプライン構造を提供する。 【解決手段】 スプライン構造S1は、内面2に内スプ
ライン1が設けられた筒部10と、外面4に外スプライ
ン3が設けられた軸部20とを有し、軸部20を筒部1
0に挿入することによって軸部20と筒部10とが接続
される。内スプライン1は、筒部10のうち軸部20に
対する挿入口10Aから所定距離L1内側に設けられて
いる。また、筒部10の内面2のうち、挿入口10A近
傍における内スプライン1と軸線方向に特定距離L2離
間する位置に、内スプライン1とは別の第2内スプライ
ン5が設けられている。オイルダム6は、内スプライン
1と第2内スプライン5との間に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプライン構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種駆動装置における動力伝達手段とし
て、スプライン継手によって接続されるシャフトが多く
用いられているが、例えば航空機エンジンの補助駆動ス
プラインにおいては、スプライン継手におけるハブ(筒
部)とシャフト(軸部)とが滑動する場合がある。した
がって、このようなスプライン構造においては、筒部と
軸部との潤滑性向上のために、オイルダムを備えたもの
がある。
【0003】図5はオイルダムを備えた従来のスプライ
ン構造の一例である。図5に示すように、従来のスプラ
イン構造SJは、内面に内スプライン51が設けられた
筒部52と、外面に外スプライン53が設けられた軸部
54とを備えている。軸部54を筒部52に挿入し外ス
プライン53と内スプライン51とを噛み合わせること
によって筒部52と軸部54とが接続され、ベアリング
Rに支持されながら回転する。
【0004】内スプライン51は、筒部52の内面のう
ち軸部54に対する挿入口52aから所定距離内側(軸
部54の挿入方向先端A側)に設けられている。すなわ
ち、筒部52の挿入口52a近傍における内面には内ス
プラインが設けられていない。そして、挿入口52a近
傍の内スプラインが設けられていない部分56には、ス
プライン用潤滑油を保持しているオイルダム55が設け
られている。潤滑油を保持しているオイルダム55はゴ
ム製であって、筒部52の径方向内側に突起部を有して
いる。
【0005】図6は、図5に示したスプライン構造SJ
を組み立てる様子を示した図である。スプライン構造S
Jを組み立てる際には、まず、図6(a)に示すよう
に、筒部52の挿入口52aから軸部54を挿入する。
そして、筒部52の内スプライン51と軸部54の外ス
プライン53とが噛み合うように軸部54を軸線回りに
回転させつつ内スプライン51と外スプライン53との
位置合わせを行う。そして、位置合わせが行われたら、
図6(b)に示すように、軸部54を筒部52に挿入す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、外ス
プライン53と内スプライン51との位置合わせを行う
際、軸部54の先端を筒部52に挿入させた状態で軸部
54を回転したり、あるいは筒部52に対して軸部54
を抜き差ししたりする。しかしながら、オイルダム55
は筒部52の径方向内側に突起しているため、軸部54
の先端を筒部52に挿入した状態で軸部54を回転した
り抜き差ししたりすると、オイルダム55と軸部54の
外スプライン53とが干渉する。このように、従来で
は、オイルダム55と外スプライン53とが干渉してい
る状態で内スプライン51と外スプライン53との位置
合わせ動作が行われていた。すると、この位置合わせ動
作によってオイルダム55が損傷する。更に、前述した
ように、軸部54の抜き差し動作によって組み立て作業
性も低下する。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、オイルダムが設けられていてもこのオイ
ルダムを損傷させることなく、内スプラインと外スプラ
インとの位置合わせを作業性良く行うことができるスプ
ライン構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載のスプライン構造は、内面に内スプ
ラインが設けられた筒部と、外面に外スプラインが設け
られた軸部とを有し、前記軸部を前記筒部に挿入するこ
とによって前記軸部と前記筒部とが接続されるスプライ
ン構造において、前記内スプラインは、前記筒部のうち
前記軸部に対する挿入口から所定距離内側に設けられ、
前記筒部の前記内面のうち、前記挿入口近傍において前
記内スプラインと軸線方向に特定距離離間する位置に、
前記内スプラインとは別の第2内スプラインが設けられ
ていることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、内スプラインを有する筒
部のうち軸部に対する挿入口近傍の内面に、内スプライ
ンと特定距離離間するように第2内スプラインを設けた
ことにより、外スプラインと第2内スプラインとの位置
合わせ動作を挿入口近傍において行うことができる。そ
して、オイルダムを内スプラインと第2内スプラインと
の離間部分に設けておくことにより、前記位置合わせ動
作時において、外スプラインとオイルダムとは干渉せ
ず、オイルダムの損傷を防止できる。そして、第2内ス
プラインを用いて軸部の軸線回りにおける姿勢が決定し
たら、この姿勢を維持したままで軸部を筒部に挿入する
ことにより、内スプラインと外スプラインとを噛み合わ
せることができる。また、この場合、位置合わせ動作は
挿入口近傍で行われるので、従来のように軸部の抜き差
し動作が不要となり、スプラインの組み立て作業性を向
上できる。
【0010】請求項2に記載のスプライン構造は、内面
に内スプラインが設けられた筒部と、外面に外スプライ
ンが設けられた軸部とを有し、前記軸部を前記筒部に挿
入することによって前記軸部と前記筒部とが接続される
スプライン構造において、前記外スプラインは、前記軸
部のうち前記挿入方向先端から所定距離後端側に設けら
れ、前記内スプラインは、前記筒部のうち前記軸部に対
する挿入口から所定距離内側に設けられ、前記軸部の前
記外面のうち、前記先端近傍において前記外スプライン
と軸線方向に特定距離離間する位置に、前記外スプライ
ンとは別の第2外スプラインが設けられていることを特
徴とする。
【0011】本発明によれば、外スプラインを有する軸
部のうち挿入方向先端近傍の外面に、外スプラインと特
定距離離間するように第2外スプラインを設けたことに
より、軸部を筒部に挿入し、第2外スプラインと筒部の
内スプラインとを位置合わせすることによって、外スプ
ラインと内スプラインとの位置合わせを行うことができ
る。そして、この位置合わせ動作時において、オイルダ
ムは外スプラインと第2外スプラインとの離間部分に配
置されるので、外スプラインとオイルダムとは干渉しな
い。したがって、オイルダムの損傷を防止しつつ外スプ
ラインと内スプラインとの位置合わせを作業性良く行う
ことができる。
【0012】請求項3に記載のスプライン構造は、請求
項2に記載のスプライン構造において、前記第2外スプ
ラインの径方向の高さは、前記外スプラインより低く設
定されていることを特徴とする。
【0013】本発明によれば、第2外スプラインの径方
向の高さを、外スプラインより低く設定したので、軸部
の先端に設けられた第2外スプラインを筒部の内スプラ
インに係合させる際、第2外スプラインをオイルダムが
設けられている部分を通過させても、オイルダムの損傷
を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスプライン構造に
ついて図面を参照しながら説明する。図1は本発明のス
プライン構造の第1実施形態を示す側方断面図である。
【0015】図1において、スプライン構造S1は、内
面2に内スプライン1が設けられた筒部10と、外面4
に外スプライン3が設けられた軸部20とを備えてい
る。そして、軸部20を筒部10に挿入し外スプライン
3と内スプライン1とを噛み合わせることによって筒部
10と軸部20とが接続されるようになっており、接続
された筒部10及び軸部20はベアリングRに支持され
ながら回転する。ここで、本実施形態におけるスプライ
ン構造S1は航空機エンジンの補助駆動スプラインであ
って、接続された筒部10と軸部20とは軸線方向に滑
動する。また、筒部10と軸部20とを接続する際、軸
部20は図1中、右側から左側に向かって移動すること
で筒部10に挿入され、以下の説明において、軸部20
の挿入方向先端側をA、挿入方向後端側をBとする。
【0016】内スプライン1は、筒部10のうち軸部2
0に対する挿入口10Aから所定距離L1だけ内側(軸
部20の挿入方向先端A側)に設けられている。すなわ
ち、筒部10の挿入口10A近傍における内面2には内
スプライン1は設けられていない。そして、筒部10の
内面2のうち、挿入口10A近傍には、内スプライン1
と軸線方向後端B側に特定距離L2だけ離間する位置
に、内スプライン1とは別の第2内スプライン5が設け
られている。内スプライン1と第2内スプライン5とは
軸線方向に沿って互いに同一直線上に設けられている。
【0017】第2内スプライン5は、軸部20の外スプ
ライン3と筒部10の内スプライン1との位置合わせを
する際に用いられる位置合わせ用スプラインである。す
なわち、互いに同一直線上に設けられている内スプライ
ン1及び第2内スプライン5のうち、軸部20の外スプ
ライン3が第2内スプライン5に対して位置決めされる
ことによって、内スプライン1に対しても位置決めされ
ることになる。
【0018】内面2のうち、内スプライン1及び第2内
スプライン5のそれぞれが設けられていない部分、すな
わち、内スプライン1と第2内スプライン5との離間部
分(特定距離L2の部分)には、スプラインに対する潤
滑油を保持しているオイルダム6が設けられている。こ
の潤滑油を保持しているオイルダム6はゴム製であっ
て、筒部10の径方向内側に突起部を有している。
【0019】ここで、前述したように、接続された筒部
10と軸部20とは軸線方向に滑動する。したがって、
オイルダム6の潤滑油によって、互いに滑動(摺動)す
る内スプライン1と外スプライン3とが潤滑される。な
お、スプライン用潤滑油を保持しているオイルダム6は
筒部10の内面2のうち、例えば2箇所など周方向の複
数箇所に所定間隔で設けられたものであり、内面2に設
けたゴム製部材に潤滑油を保持しておくことによって、
筒部10及び軸部20が回転しても、潤滑油の飛散が防
止されている。
【0020】次に、上述した構成を備えるスプライン構
造S1を組み立てる際の手順について図2を参照しなが
ら説明する。
【0021】まず、図2(a)に示すように、軸部20
の外スプライン3と筒部10の第2内スプライン5との
位置合わせを行う。このとき、オイルダム6は、互いに
離間している内スプライン1と第2内スプライン5との
間に配置された構成であるので、外スプライン3と第2
内スプライン5との位置合わせを行う際、外スプライン
3とオイルダム6とは干渉しない。したがって、オイル
ダム6は損傷しない。
【0022】外スプライン3と第2内スプライン5との
位置合わせをし、軸部20の軸線まわりにおける姿勢が
決定したら、図2(b)に示すように、この姿勢を維持
した状態で、外スプライン3を第2内スプライン5に案
内させつつ、軸部20を挿入方向先端A側に挿入する。
【0023】そして、更に軸部20を筒部10に挿入す
ることにより、図2(c)に示すように、軸部20の外
スプライン3と筒部10の内スプライン1とが噛み合わ
せられ、軸部20と筒部10とが接続される。この際、
第2内スプライン5と内スプライン1とは同一直線上に
配置されているので、軸部20の外スプライン3を第2
内スプライン5に案内させつつ挿入するだけで、軸部2
0の外スプライン3と筒部10の内スプライン1とを噛
み合わせることができる。また、このときの挿入動作
で、外スプライン3とオイルダム6とが干渉するが、挿
入動作は1回なので、オイルダム6が大きく損傷するこ
とはない。
【0024】以上説明したように、内スプライン1を有
する筒部10の挿入口10A近傍の内面2に、内スプラ
イン1と特定距離L2だけ離間するように第2内スプラ
イン5を設けたことにより、外スプライン3と第2内ス
プライン5との位置合わせ動作を挿入口10A近傍にお
いて行うことができる。このとき、オイルダム6は内ス
プライン1と第2内スプライン5との離間部分に設けら
れているので、外スプライン3と第2内スプライン5と
の位置合わせ動作時においては、外スプライン3とオイ
ルダム6とは干渉しない。したがって、オイルダム6の
損傷を防止することができる。また、位置合わせ動作
は、筒部10の挿入口10A近傍で行われる構成である
ので、位置合わせがされるまで軸部20を筒部10に対
して何度も抜き差しする必要がなくなるため、スプライ
ンの組み立て作業性を向上することができる。
【0025】次に、本発明のスプライン構造の第2実施
形態について図3を参照しながら説明する。ここで、以
下の説明において、上述した第1実施形態と同一又は同
等の構成部分については、その説明を簡略もしくは省略
する。
【0026】図3において、第2実施形態に係るスプラ
イン構造S2は、内面2に内スプライン1が設けられた
筒部10と、外面4に外スプライン3が設けられた軸部
20とを有している。筒部10の内スプライン1は、挿
入口10Aから所定距離L1だけ内側に設けられてい
る。
【0027】外スプライン3は、軸部20のうち挿入方
向先端A側から所定距離L3だけ後端B側に設けられて
いる。また、軸部20の外面4のうち先端A近傍には、
外スプライン3と軸線方向先端A側に特定距離L4だけ
離間する位置に、外スプライン3とは別の第2外スプラ
イン7が設けられている。外スプライン3と第2外スプ
ライン7とは軸線方向に沿って同一直線上に設けられて
おり、第2外スプライン7の径方向の高さh1は、外ス
プライン3の高さh2より低く設定されている。
【0028】第2外スプライン7は、軸部20の外スプ
ライン3と筒部10の内スプライン1との位置合わせを
する際に用いられる位置合わせ用スプラインである。す
なわち、互いに同一直線上に設けられている外スプライ
ン1及び第2外スプライン7のうち、軸部20の第2外
スプライン7が内スプライン1に対して位置決めされる
ことによって、外スプライン3も内スプライン1に対し
て位置決めされることになる。
【0029】内面2のうち、内スプライン1の後端B側
には、スプラインに対する潤滑油を保持するオイルダム
6が設けられている。この潤滑油を保持しているオイル
ダム6はゴム製であって、筒部10の径方向内側に突起
部を有している。
【0030】ここで、第2外スプライン7と外スプライ
ン1との離間距離(特定距離)L4は、オイルダム6の
筒部軸線方向のサイズより大きくなるように予め設定さ
れている。つまり、内スプライン1と第2外スプライン
7とが係合した際、オイルダム6は外スプライン3と第
2外スプライン7との間に配置可能となっている。
【0031】次に、上述した構成を備えるスプライン構
造S2を組み立てる際の手順について図4を参照しなが
ら説明する。
【0032】まず、図4(a)に示すように、軸部20
の第2外スプライン7が筒部10の内スプライン1に係
合する位置まで、軸部20を筒部10に挿入する。ここ
で、軸部20を挿入することによって、第2外スプライ
ン7がオイルダム6を通過するが、第2外スプライン7
の高さh1は、少なくとも外スプライン3の高さh2よ
り低く設けられているので、第2外スプライン7とオイ
ルダム6との干渉は最小限に抑えられ、オイルダム6の
損傷を抑えることができる。
【0033】第2外スプライン7を内スプライン1に接
近させたら、第2外スプライン7と内スプライン1との
位置合わせ動作を行う。このとき、第2外スプライン7
と外スプライン3とは離間しており、その離間距離L4
はオイルダム6より大きく設定されているので、この離
間部分にオイルダム6を配置した状態で位置合わせ動作
が可能となる。したがって、位置合わせ動作時に軸部2
0を軸線まわりに回転させたとしても、外スプライン3
や第2外スプライン7とオイルダム6とは干渉せず、オ
イルダム6の損傷が防止されている。
【0034】内スプライン1と第2外スプライン7との
位置合わせをし、軸部20の軸線まわりにおける姿勢が
決定したら、図4(b)に示すように、この姿勢を維持
したままで、第2外スプライン7を内スプライン1に案
内させつつ、軸部20を挿入方向先端A側に挿入する。
【0035】そして、更に軸部20を筒部10に挿入す
ることにより、図4(c)に示すように、軸部20の外
スプライン3と筒部10の内スプライン1とが噛み合わ
せられ、軸部20と筒部10とが接続される。この際、
第2外スプライン7と外スプライン3とは同一直線上に
配置されているので、第2外スプライン7を内スプライ
ン1に案内させるだけで、軸部20の外スプライン3と
筒部10の内スプライン1とを噛み合わせることができ
る。
【0036】以上説明したように、軸部20の先端近傍
に第2外スプライン7を設けたことにより、軸部20を
筒部10に挿入し、第2外スプライン7と筒部10の内
スプライン1とを位置合わせすることによって、第2外
スプライン7に対して同一直線上に配置された外スプラ
イン3と内スプライン1との位置合わせを行うことがで
きる。そして、この位置合わせ動作時において、オイル
ダム6は外スプライン3と第2外スプライン7との離間
部分に配置されるので、外スプライン3(第2外スプラ
イン7)とオイルダム6とは干渉しない。したがって、
オイルダム6の損傷を防止しつつ外スプライン3と内ス
プライン1との位置合わせを作業性良く行うことができ
る。また、この場合も、従来のような軸部20の抜き差
し動作が不要となるので、スプラインの組み立て作業性
は向上する。
【0037】そして、第2外スプライン7の径方向の高
さh1を、外スプライン3の径方向の高さh2より低く
設定したので、軸部20の先端Aに設けられた第2外ス
プライン7を筒部10の内スプライン1に係合させる
際、第2外スプライン7がオイルダム6の設けられてい
る部分を通過しても、オイルダム6の損傷を抑えること
ができる。
【0038】なお、上記各実施形態において、位置合わ
せ用スプライン5,7は内スプライン1、外スプライン
3と同じ数設けてもよいし、異なる数設けてもよい。ま
た、位置合わせ用スプライン5,7のそれぞれの軸線と
交わる方向の断面形状は、内スプライン1、外スプライ
ン3の断面形状と異なっていてもよい。
【0039】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、筒部の
挿入口近傍の内面に、内スプラインと特定距離離間する
第2内スプラインを設けたことにより、挿入口近傍にお
いて外スプラインと第2内スプラインとの位置合わせ動
作ができる。このとき、オイルダムを内スプラインと第
2内スプラインとの離間部分に設けておくことにより、
前記位置合わせ動作時において外スプラインとオイルダ
ムとの干渉が抑えられ、オイルダムの損傷を防止でき
る。また、挿入口近傍において位置合わせ動作すること
により、従来のような軸部の抜き差し動作は不要とな
る。したがって、位置合わせの際の作業性が向上する。
【0040】請求項2に記載の発明によれば、軸部の挿
入方向先端近傍に第2外スプラインを設けたことによ
り、軸部を筒部に挿入し、第2外スプラインと筒部の内
スプラインとを位置合わせすることによって、外スプラ
インと内スプラインとの位置合ができる。そして、前記
位置合わせ動作時において、オイルダムを外スプライン
と第2外スプラインとの離間部分に配置することによ
り、外スプラインとオイルダムとは干渉しないので、オ
イルダムの損傷を防止できる。また、この場合も、従来
のような軸部の抜き差し動作が不要となるので、位置合
わせの際の作業性が向上する。
【0041】請求項3に記載の発明によれば、第2外ス
プラインの径方向の高さを外スプラインより低く設定し
たので、第2外スプラインを筒部の内スプラインに係合
させる際、第2外スプラインがオイルダムの設けられて
いる部分を通過しても、オイルダムの損傷を最小限に抑
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスプライン構造の第1実施形態を示す
側方断面図である。
【図2】第1実施形態に係るスプライン構造を組み立て
る手順を説明する図である。
【図3】本発明のスプライン構造の第2実施形態を示す
側方断面図である。
【図4】第2実施形態に係るスプライン構造を組み立て
る手順を説明する図である。
【図5】従来のスプライン構造を示す側方断面図であ
る。
【図6】従来のスプライン構造を組み立てる手順を説明
する図である。
【符号の説明】
1 内スプライン 2 内面 3 外スプライン 4 外面 5 第2内スプライン 6 オイルダム 7 第2外スプライン 10 筒部 10A 挿入口 20 軸部 A (挿入方向)先端 B (挿入方向)後端 L1 所定距離 L2 特定距離 L3 所定距離 L4 特定距離 S1,S2 スプライン構造

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に内スプラインが設けられた筒部
    と、外面に外スプラインが設けられた軸部とを有し、前
    記軸部を前記筒部に挿入することによって前記軸部と前
    記筒部とが接続されるスプライン構造において、 前記内スプラインは、前記筒部のうち前記軸部に対する
    挿入口から所定距離内側に設けられ、 前記筒部の前記内面のうち、前記挿入口近傍において前
    記内スプラインと軸線方向に特定距離離間する位置に、
    前記内スプラインとは別の第2内スプラインが設けられ
    ていることを特徴とするスプライン構造。
  2. 【請求項2】 内面に内スプラインが設けられた筒部
    と、外面に外スプラインが設けられた軸部とを有し、前
    記軸部を前記筒部に挿入することによって前記軸部と前
    記筒部とが接続されるスプライン構造において、 前記外スプラインは、前記軸部のうち前記挿入方向先端
    から所定距離後端側に設けられ、 前記内スプラインは、前記筒部のうち前記軸部に対する
    挿入口から所定距離内側に設けられ、 前記軸部の前記外面のうち、前記先端近傍において前記
    外スプラインと軸線方向に特定距離離間する位置に、前
    記外スプラインとは別の第2外スプラインが設けられて
    いることを特徴とするスプライン構造。
  3. 【請求項3】 前記第2外スプラインの径方向の高さ
    は、前記外スプラインより低く設定されていることを特
    徴とする請求項2に記載のスプライン構造。
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