JP2003054105A - 秘匿情報を付与した印刷物及び該秘匿情報の識別方法 - Google Patents

秘匿情報を付与した印刷物及び該秘匿情報の識別方法

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JP2003054105A
JP2003054105A JP2001243235A JP2001243235A JP2003054105A JP 2003054105 A JP2003054105 A JP 2003054105A JP 2001243235 A JP2001243235 A JP 2001243235A JP 2001243235 A JP2001243235 A JP 2001243235A JP 2003054105 A JP2003054105 A JP 2003054105A
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Keiji Nishiuchi
啓二 西内
Yasushi Ozaki
靖 尾▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷物のインキを構成する樹脂の赤外スペク
トル中の吸収ピークの位置を秘匿情報として有効活用す
る。 【解決手段】 印刷物は、基材(1)に、文字A(2)
をアルキド樹脂を含むインキにより、数字1(3)をア
クリレート樹脂を含むインキにより、夫々印刷する。前
記印刷物を赤外分析法の一つである全反射吸収法により
測定し、文字A(2)と数字1(3)の印刷部の赤外吸
収スペクトルから、それぞれの樹脂の特性吸収ピークの
位置を検出する。前記ピークの位置は夫々固有で、且
つ、異なるので、これを秘匿偽造防止情報として利用す
る。前記ピークの位置が異なる樹脂を2つ以上組み合わ
せることにより、偽造防止効果が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂が異なるイン
キを組み合わせて、目視では認識できない秘匿情報を付
与して真偽判別を可能としている秘匿情報を付与した印
刷物及び該秘匿情報の識別方法に関するものであり、特
に銀行券、株券等の有価証券類に適した技術である。
【0002】
【従来の技術】銀行券、株券などの有価証券類の偽造に
よる複製印刷物は、近年、より高度化し目視による判別
が困難になってきている。そのため、これら有価証券類
には、偽造されたとしても簡単に識別が可能となるよう
な特性が求められている。
【0003】そこで、印刷物の偽造防止効果を高めるた
めに印刷インキに蛍光顔料等の特殊な材料を使用し、紫
外光源下において目視での判別を可能とした印刷物があ
る。該印刷物は、紫外線領域の特定波長の光を前記印刷
物に照射すると、前記蛍光顔料を含むインキによる印刷
部が可視領域の特定波長の蛍光を発することから目視で
の判別が可能となる。
【0004】しかし、市販の蛍光ペンのように蛍光材料
を使用した物は簡単に入手することができるので、前記
蛍光材料を使用した物で複製印刷物を簡単に作製するこ
とが可能であり、複製印刷物に使用した前記蛍光材料が
前記印刷物に使用されている蛍光顔料と化学構造が異な
っても、前記特定波長の光を照射した場合に類似の波長
の蛍光(同系色)を発するものであると目視での判別が
困難となる。さらに、前記蛍光顔料等の特殊な材料は非
常に高価であり、材料コストの割には簡単に偽造される
という問題もある。
【0005】そこで、蛍光顔料等の特殊な材料を用いる
ことなく、インキを構成する樹脂成分の違いを測定する
ことにより印刷物を識別し真偽判別が可能な方法が考え
られる。
【0006】一般に、印刷物を形成するインキに含まれ
る樹脂の分析法としては、通常、該印刷物の一部をかき
取り有機溶媒で顔料や樹脂の分離を行い、赤外分光分析
装置等で測定し、得られた赤外スペクトルを解析する方
法がある。しかし、このような分析技術は抽出操作や解
析に熟練を要し、分析に長時間かかり、非破壊測定では
ないという問題があった。
【0007】また、積分球を有する分光光度計で印刷物
の分光反射率曲線を得ることで非破壊で印刷物を識別す
る方法もある。しかし、該分光反射率曲線から得られる
のは印刷物の色情報であることから、インキに含まれる
着色顔料に大きく左右されインキの樹脂の違いを識別す
ることはできない。このため、アルキド樹脂を使用した
酸化重合型インキやアクリレート樹脂を使用した紫外線
硬化型インキなどは、分光光度計により得られる分光反
射率曲線はほぼ同一の形状を示すことから、この方法で
は印刷物の樹脂を識別することは困難であるという問題
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は従来
技術の問題点を解決するために、蛍光材料等の特殊な材
料を用いることなく、樹脂や顔料などの物質の定性的及
び定量的な測定が可能な測定法として赤外分光法の一つ
である全反射吸収法を用いて、インキを構成する樹脂成
分の違いを識別することで、印刷物の真偽判別をする方
法を提供するものである。この方法の利点は、透過法で
は測定が困難な厚い試料(例えば金属上の塗膜や紙の上
に印刷された印刷物)の非破壊測定が可能であり、かつ
μmオーダーの微小領域の測定も可能である点である。
そのため、異なる樹脂を用いたインキで印刷した印刷物
は、全反射吸収法を用いることにより樹脂に帰属される
特性吸収ピークが異なる赤外吸収スペクトルが得られる
ので、この方法を用いれば樹脂が異なるインキから成る
印刷物を非破壊で識別することができ、さらに、樹脂の
違いは目視では判別できないため、樹脂の異なるインキ
の組み合わせに秘匿情報を付与することも可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする手段】本発明は、基材に複
数のインキを組み合わせて印刷した印刷物であって、夫
々のインキに含有する樹脂の種類は互いに異なり、非破
壊検査法である赤外分析法における全反射吸収法により
測定した前記樹脂の赤外吸収スペクトル中の特性吸収ピ
ークの位置(波数)が夫々重なり合うことがないものを
選択して組み合わせ、前記樹脂の特性吸収ピークの位置
(波数)を目視不能な秘匿偽造防止情報として使用する
秘匿情報を付与した印刷物である。
【0010】本発明は、前記複数のインキが、目視で
同一色に見える同色インキである前記に記載の秘匿情
報を付与した印刷物である。
【0011】本発明は、前記印刷物が、銀行券、株券
又は債権の有価証券、カードである前記又はに記載
の秘匿情報を付与した印刷物である。
【0012】本発明は、前記インキに含有する樹脂の
種類は、アルキド樹脂、アクリレート樹脂、アクリル樹
脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、アミノ樹脂、フェノー
ル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂
と、これらの樹脂の共重合体(スチレンアクリル樹脂
等)又はこれらの樹脂の混合物である前記、又は
に記載の秘匿情報を付与した印刷物である。
【0013】これらの樹脂は固有の赤外吸収スペクトル
を示し、表1に示すような官能基に対応した特性吸収ピ
ークを有していて、これらの樹脂から成るインキを2種
類以上組み合わせて、該組み合わせに秘匿情報を付与し
て印刷した印刷物を、赤外分光装置の全反射吸収法で測
定し得られた赤外吸収スペクトルに前記特性吸収ピーク
が認識でき、かつそれぞれの樹脂の特性吸収ピークトッ
プのズレが1cm-1以上好ましくは10cm-1以上となること
で秘匿情報が抽出可能であり、非破壊で真偽判別が可能
となる秘匿情報を付与した印刷物を提供するものであ
る。
【0014】
【表1】
【0015】本発明は、前記、、又はに記載
の秘匿情報を付与した印刷物の識別方法であって、前記
秘匿情報を付与した印刷物を、非破壊検査法である赤外
分析法における全反射吸収法により測定し、得られた赤
外吸収スペクトルから前記印刷物のインキ中の樹脂の特
性吸収ピークの位置(波数)を識別し、これら樹脂の特
性吸収ピークの位置と予め設定された複数の樹脂の特性
吸収ピークの位置との比較照合により、前記印刷物の真
偽判別を行うことを特徴とする秘匿情報を付与した印刷
物の識別方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は秘匿情報を付与した印刷
物に関するものである。その印刷物は印刷対象である基
材に複数のインキを組み合わせて印刷する。前記印刷物
に使用されるインキには着色成分の他に樹脂が含有さ
れ、夫々のインキに含有される樹脂の種類は互いに異な
るものを使用する。これらの樹脂は、非破壊検査方であ
る赤外分析法における全反射吸収法により測定した赤外
吸収スペクトル中の特性吸収ピークの位置(振動数(波
数))が夫々固有の位置を有する。本発明は、インキに
含有する樹脂の前記特性吸収ピークが夫々固有の位置を
有する点を利用して、前記樹脂の特性吸収ピークの位置
を秘匿情報として用いるものである。前記印刷物は特性
吸収ピークの位置が異なるものを組み合わせて用いるの
で、前記印刷物には樹脂による特性吸収ピーク位置が存
在し、その結果、前記印刷物に秘匿情報が付与されるこ
ととなり、より高度な偽造防止効果が得られる。樹脂を
組み合わせる場合、各樹脂の特性吸収ピーク位置の違い
が、波数にして10cm-1程度あれば、インキの樹脂の違い
を識別することができる。
【0017】そして、前記印刷物の真偽判別方法を以下
に説明する。図12に示すように、複数のインキ、例え
ば、インキA及びインキBにより印刷された真偽判別対
象印刷物1を赤外分析装置を用いて、非破壊検査法であ
る赤外分析法における全反射吸収法によりインキA及び
インキBから成る印刷物の赤外吸収スペクトルを測定し
(S1)、前記赤外吸収スペクトルから真偽判別対象印
刷物1の秘匿情報であるインキAの樹脂a及びインキB
の樹脂bの特性吸収ピークの位置(波数)Pa及びPb
を検出し(S2)、これら樹脂の特性吸収ピークの位置
Pa及びPbと予め設定された真正な樹脂の特性吸収ピ
ークの位置PS 1及びPS2との比較照合(S3)によ
り、前記印刷物の真偽判別を行う。前記測定された樹脂
の特性吸収ピークの位置Pa及びPbと予め設定された
真正な樹脂の特性吸収ピークの位置PS1及びPS2とが
一致すれば、その印刷物は真正なものと判定し、不一致
の場合はその印刷物は偽物と判定する。
【0018】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこの実施例によってなんら限定されるも
のではない。また、本発明の樹脂が互いに異なるインキ
から成る印刷物の印刷方式は、凸版、凹版、オフセッ
ト、ザンメル、スクリーン又はグラビア印刷等特に限定
されない。
【0019】また、本発明の樹脂が異なるインキからな
る印刷物に使用できる樹脂としては、印刷物の赤外吸収
スペクトルとして得られるピークが、インキに含まれる
顔料、添加剤等の他成分ピークと重複することなく単独
で認識できる樹脂を選定することが望ましいが、重複す
る場合でも樹脂の特性吸収が認識できるならば、アルキ
ド樹脂、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂又はフェノール樹脂等、
一般に使用されている樹脂を使用することができる。ま
た、樹脂の組み合わせは、赤外吸収スペクトルの特性吸
収ピークトップが重なり合わない樹脂同士ならば任意に
選択して組み合わせることができる。
【0020】(実施例1) 図1は、基材(1)の上
に、樹脂が異なるインキを用いて情報を印刷した印刷物
である。該印刷物の情報としての図柄は、文字A(2)
はインキにアルキド樹脂を使用して印刷した文字であ
り、数字1(3)はインキにアクリレート樹脂を使用し
て印刷した数字である。また、アルキド樹脂インキの配
合割合は着色顔料としてフタロシアニンブルー30重量
部、体質顔料として硫酸バリウム30重量部、乾燥剤5
重量部及び樹脂35重量部であり、アクリレート樹脂イ
ンキの配合割合は着色顔料としてフタロシアニンブルー
15重量部、体質顔料として硫酸バリウム35重量部、
重合開始剤5重量部及び樹脂45重量部である。
【0021】前記印刷物の文字A(2)と数字1(3)
の印刷部を、それぞれ赤外分光による測定法の一つであ
る全反射吸収法(以下、ATR法という。)により測定
すると、図2に示す文字A(2)の赤外吸収スペクトル
と、図3に示す数字1(3)の赤外吸収スペクトルが得
られる。該スペクトルでは波数範囲800〜1600cm-1領域
はそれぞれのインキ中の着色顔料、体質顔料、樹脂及び
多数の添加剤等のピークが複雑に重なり合った波数範囲
であり、両者を比較するのは困難である。しかし、1700
cm-1付近に存在するアルキド樹脂とアクリレート樹脂そ
れぞれのC=O伸縮振動による特性吸収ピークトップを比
較すると、文字A(2)は1740cm-1、数字1(3)は17
30cm-1であり10cm-1ずれることから、このピークトップ
の比較(図4)によってインキの樹脂の違いを識別でき
る。このように、目視では判別することができない樹脂
が互いに異なるインキを識別することができ、該インキ
に含有される樹脂の組み合わせの結果により形成される
樹脂の種別組み合わせ情報を秘匿情報として使用する。
【0022】(実施例2) 図5は、基材(1)の上
に、スチレンアクリル樹脂を使用したインキで印刷した
印刷物である。該印刷物の情報としての図柄は、文字B
(4)はインキに製造メーカX社の樹脂を使用して印刷
した文字であり、数字2(5)はインキに製造メーカY
社の樹脂を使用して印刷した数字である。該印刷物のイ
ンキは、インキに使用した樹脂の製造メーカのみが異な
り、他の顔料、添加剤等は同一であり、配合割合も同じ
である。
【0023】前記印刷物の文字B(4)と数字2(5)
の印刷部を、それぞれATR法により測定すると、図6
に示す文字B(4)の赤外吸収スペクトルと、図7に示
す数字2(5)の赤外吸収スペクトルが得られる。これ
らのスペクトルでは波数範囲800〜1600cm-1領域はそれ
ぞれのインキ中の着色顔料、体質顔料、樹脂及び多数の
添加剤等そして基材のピークが複雑に重なり合った波数
範囲である。これらのスペクトルで他のインキ成分が重
なり合わない1700cm-1付近に存在する吸収ピーク位置を
比較すると、文字B(4)から得られたスペクトルでは
1705cm-1に製造メーカX社のスチレンアクリル樹脂のブ
ロードなピークが確認でき、数字2(5)から得られた
スペクトルでは1730cm-1に製造メーカY社のスチレンア
クリル樹脂のピークが確認できる。このように製造会社
が異なる同一種類の樹脂を用いたインキによる印刷物で
も、目視では確認できない同一種類の樹脂から成るイン
キの違いを識別することが可能であり、インキに含有さ
れる樹脂の組み合わせの結果により形成される、樹脂の
種別組み合わせ情報を秘匿情報として使用する。
【0024】(実施例3) 図8は、基材(1)の上
に、樹脂が異なるインキで印刷した印刷物である。該印
刷物の情報としての図柄は、文字C(6)はインキにス
チレンアクリル樹脂を使用して印刷した文字であり、数
字3(7)はインキにアクリレート樹脂を使用して印刷
した数字である。
【0025】前記印刷物の文字C(6)と数字3(7)
の印刷部を、それぞれATR法により測定すると、図9
に示す文字C(6)の赤外吸収スペクトルと、図10に
示す数字3(7)の赤外吸収スペクトルが得られる。該
スペクトルでは波数範囲800〜1600cm-1領域はそれぞれ
のインキ中の着色顔料、体質顔料、樹脂及び多数の添加
剤等のピークが複雑に重なり合った波数範囲である。該
スペクトルで他のインキ成分が重なり合わない1700cm-1
付近に存在する吸収ピーク位置を比較すると、文字C
(6)から得られたスペクトルでは1705cm-1にスチレン
アクリル樹脂のブロードなピークが確認でき、数字3
(7)から得られたスペクトルでは1730cm-1にアクリレ
ート樹脂のピークが確認できる。
【0026】さらに、数字3(7)のスペクトルは波数
範囲800〜1600cm-1のインキ中の他成分が複雑に重なり
合う波数範囲においても、1170cm-1付近にアクリレート
樹脂のC-Oの伸縮振動による特性吸収ピークが確認でき
る。このように、1700cm-1付近と1170cm-1付近の吸収ピ
ークの違いによって、インキの樹脂の違いを識別でき
る。このように、目視では判別することができない樹脂
が互いに異なるインキを組み合わせて情報を付与した印
刷物の違いを識別できる。
【0027】(実施例4) 図11に示す印刷物は、基
材(1)の上に、同色で樹脂が異なるインキを組み合わ
せて、例えば「10927119」を印刷する。この数
字の一桁おきに交互に、例えば「1971」をアルキド
樹脂インキ(8)で、例えば「0219」をアクリレー
ト樹脂インキ(9)とで印刷する。この印刷物は夫々の
樹脂の赤外吸収スペクトルの特性吸収ピークの位置が秘
匿情報として付与される。そして、アルキド樹脂インキ
(8)で印刷された数字は「年」を、アクリレート樹脂
インキ(9)で印刷された数字は「月日」を、夫々表す
ものと予め取決めしておくが、この取決めを知らない人
は、単に数字が羅列して印刷されていると認識するだけ
で、これが生年月日を表す情報であると認識することは
できない。そこで、全ての数字の印刷部をATR法によ
り測定し、赤外吸収スペクトルのピークの位置からアル
キド樹脂インキ(8)の数字部分と、アクリレート樹脂
インキ(9)の数字部分とを識別し、アルキド樹脂イン
キ(8)の数字部分は「1971」、アクリレート樹脂
インキ(9)の数字部分は「0219」であると市識別
する。そして、前記のように、アルキド樹脂インキ
(8)の数字部分は「年」を、アクリレート樹脂インキ
(9)で印刷された数字は「月日」を、夫々表すもので
あるから、前記印刷物に印刷されている数字の羅列は、
生年月日が、1971年2月19日であると認識するこ
とができる。
【0028】このように、樹脂が異なるインキの配列は
自由に組み合わせることができ、組み合わせは無限に存
在することから、個人情報及び識別情報などの秘匿情報
を印刷物に付与することができる。更に、印刷物に付与
された該秘匿情報は、特定の者のみが知っていれば良
く、一般の者には目視において該秘匿情報が付与されて
いることさえも分からない。たとえ、該秘匿情報が付与
されていることが分かったとしても、個人情報及び識別
情報等を読み取ることができないため、極めて機密保持
性に優れていることになる。
【0029】
【発明の効果】本発明の秘匿情報を付与した印刷物は、
一般の印刷機やインキを用いて印刷することができるた
め、新しい装置の導入も必要とせず簡単に製造すること
ができる。更に、赤外分光法の測定法の一つであるAT
R法により秘匿情報を付与した印刷物の赤外吸収スペク
トルを得て、インキ中の樹脂を判別するため印刷物の識
別を非破壊で簡易的に行うことが可能である。
【0030】また、樹脂が異なる同色インキを任意に組
み合わせることができることから、印刷物のデザインを
損ねることがない。また、樹脂の異なるインキの組み合
わせが限りなく存在するため、個人情報や識別情報等の
秘匿情報を印刷物に付与することもできる。更に、目視
による判別では前記印刷物のデザインにカモフラージュ
されてしまい、前記インキの組み合わせやそれに付与し
た識別情報を読み取ることができないが、本発明によれ
ば、ATR法による測定後簡易的に読み取ることができ
る。
【0031】以上のことから、印刷物に付与した樹脂が
異なるインキの組み合わせと該組み合わせに付与した識
別情報を秘密にしておくことで、偽造及び改ざんに対し
高い安全性を有しているので、銀行券、株券、債券、各
種クレジットカード等の機密保持性が必要とされる製品
の真偽判別に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明する図で、樹脂が異な
るインキで情報を付与した印刷物を示す。
【図2】図1の文字Aの赤外吸収スペクトルを示す。
【図3】図1の数字1の赤外吸収スペクトルを示す。
【図4】文字Aと数字1の特性吸収ピークのピークトッ
プの比較を示す。
【図5】本発明の実施例2を説明する図で、製造メーカ
が異なる同じ樹脂から成るインキで情報を印刷した印刷
物を示す。
【図6】図5の文字Bの赤外吸収スペクトルを示す。
【図7】図5の数字2の赤外吸収スペクトルを示す。
【図8】本発明の実施例3を説明する図で、樹脂が異な
るインキで情報を印刷した印刷物を示す。
【図9】図8の文字Cの赤外吸収スペクトルを示す。
【図10】図8の数字3の赤外吸収スペクトルを示す。
【図11】本発明の実施例4を説明する図で,一桁おき
に交互にアルキド樹脂インキとアクリレート樹脂インキ
で印刷した秘匿情報を有する印刷物を示す。
【図12】本発明の秘匿情報を付与した印刷物の識別方
法の一例を示す。
【符号の説明】
1 基材 2 アルキド樹脂インキで印刷した印刷物 3 アクリレート樹脂インキで印刷した印刷物 4 メーカXのスチレンアクリル樹脂インキで印刷し
た印刷物 5 メーカYのスチレンアクリル樹脂インキで印刷し
た印刷物 6 スチレンアクリル樹脂インキで印刷した印刷物 7 アクリレート樹脂インキで印刷した印刷物 8 アルキド樹脂インキで印刷した印刷物 9 アクリレート樹脂インキで印刷した印刷物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA02 HB09 HB10 HB20 JA09 JB12 KA40 2H113 AA03 AA06 CA39 CA42 DA41 DA48 DA54 DA56 DA57 DA60 DA62 DA64 FA56 3E041 AA01 BA09 BB06 BC03 CA02 CA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に複数のインキを組み合わせて印刷
    した印刷物であって、夫々のインキに含有する樹脂の種
    類は互いに異なり、非破壊検査法である赤外分析法にお
    ける全反射吸収法により測定した前記樹脂の赤外吸収ス
    ペクトル中の特性吸収ピークの位置(波数)が夫々重な
    り合うことがないものを選択して組み合わせ、前記樹脂
    の特性吸収ピークの位置(波数)を目視不能な秘匿偽造
    防止情報として使用することを特徴とする秘匿情報を付
    与した印刷物。
  2. 【請求項2】 前記複数のインキは、目視で同一色に見
    える同色インキであることを特徴とする請求項1記載の
    秘匿情報を付与した印刷物。
  3. 【請求項3】 前記印刷物が、銀行券、株券又は債権の
    有価証券、カードであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の秘匿情報を付与した印刷物。
  4. 【請求項4】 前記インキに含有する樹脂の種類は、ア
    ルキド樹脂、アクリレート樹脂、アクリル樹脂、スチレ
    ン樹脂、ビニル樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、ウ
    レタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
    ン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂と、これらの
    樹脂の共重合体(スチレンアクリル樹脂等)又はこれら
    の樹脂の混合物であることを特徴とする請求項1、2又
    は3に記載の秘匿情報を付与した印刷物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載の秘匿情
    報を付与した印刷物の識別方法であって、 前記秘匿情報を付与した印刷物を、非破壊検査法である
    赤外分析法における全反射吸収法により測定し、得られ
    た赤外吸収スペクトルから前記印刷物のインキ中の樹脂
    の特性吸収ピークの位置(波数)を識別し、これら樹脂
    の特性吸収ピークの位置と予め設定された複数の樹脂の
    特性吸収ピークの位置との比較照合により、前記印刷物
    の真偽判別を行うことを特徴とする秘匿情報を付与した
    印刷物の識別方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005246821A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 National Printing Bureau 印刷物及びその識別方法並びに識別装置
JP2008045231A (ja) * 2006-08-14 2008-02-28 National Printing Bureau 多層シート及びその真偽判別方法
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