JP2003052667A - 磁気共鳴イメージング・システム - Google Patents
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Abstract
るための装置及び方法を提供すること。 【解決手段】 MRIの実行方法は、撮像対象の被検体
に対して、その各々が始発以外のRF励起パルスに対し
て所定の位相シフトを有しているような始発無線周波数
(RF)励起パルスをそれぞれ含んだN組の定常自由歳
差運動(SSFP)シーケンス(Nは1を超えかつ6未
満の整数)を加えることを含む。本方法はさらに、この
シーケンスのRFパルスの位相シフトを第M番目のシー
ケンスのRFパルスの位相シフトが2π(M−1)/N
ラジアン(Mは0を超えておりかつN以下である整数)
と実質的に等しくなるように設定すること、N組のSS
FPシーケンスに応答して被検体からそれぞれの組の画
像信号を受信すること、並びに、被検体の画像を作成す
るように受信画像信号の組を処理すること、を含んでい
る。
Description
鳴イメージング・システムに関し、また具体的には定常
自由歳差運動(steady−state free
precession)技法を利用したシステムに関す
る。
は、磁場内の歳差運動する原子核が発生させる信号を計
測することにより磁気モーメントを有する原子核(通常
は、水素原子核)を画像化している。この歳差運動の角
周波数ω0は、次に示すラーモア方程式に従って、原子
核をその内部に配置させている磁場B0に直接従属して
いる。
の空間従属方式により変動するように設定されており、
これにより対応する歳差運動周波数は同じ空間従属方式
で変動することになる。この空間従属磁場は、均一な
「基本」磁場B0に対して周知の傾斜を有する複数の磁
場を加えることにより生成している。3つの直角で実質
的に線形な傾斜Gx、Gy及びGzを加え、任意の点
(x,y,z)における磁場が次式で与えられるように
することが最も好ましい。
核に加える空間従属磁場と直角な方向(本明細書ではz
軸の方向と仮定している)にあるようなパルス状の無線
周波数(RF)励起磁場により、原子核をその熱平衡状
態からシフトさせている。この周波数はラーモア周波数
と概ね等しくし、RFパルスが原子核の共鳴駆動機構の
役割を果たすようにしている。RF駆動パルスの終了時
点で、原子核はそのRFパルスの長さ及び振幅に応じた
角度だけx−y平面に向かって「倒れた(flipし
た)」状態となる。次いでこの原子核は、磁場の周りを
歳差運動することによりその熱平衡状態に向かって緩和
し、これにより歳差運動信号を発生させる。歳差運動信
号の特定の周波数の強度は、当該周波数において歳差運
動している原子核数の関数となり、これにより、この強
度によってこの周波数が規定する位置における原子核密
度の1つの尺度が得られる。
子核がその熱平衡状態まで完全には戻らないような、M
RI技術分野でよく知られているMRI信号発生技法で
ある。SSFPパルスシーケンスは、Wiley−Li
ssにより出版されているHaackeらによる「Ma
gnetic Resonance Imaging」
に記載されている。この技法は、スキャン対象(通常
は、ヒト)内の水素原子核のスピン−格子緩和時間(T
1)やスピン−スピン(T2)緩和時間と比べてかなり
短い反復時間(TR)でSSFPパルスシーケンスを加
えることにより、スキャン対象内に磁化の準定常状態を
確立させることに依存している。このSSFPパルスシ
ーケンスは一連のRF励起パルスを含んでいる。SSF
Pシーケンスはさらに、当技術分野で周知の方法により
信号を強調させるために、所定の方式によりその磁場傾
斜を反転させている複数の磁場傾斜パルスを含んでい
る。各パルス組は同じ総反復時間TRを有している。S
SFPパルスシーケンスを用いることにより、短いスキ
ャン時間内で大きな信号対雑音比を達成できる。しか
し、SSFPシーケンスの幾つかでは、その生成される
画像は動きの影響を極めて受けやすい。
in Medicine 16(1990)のZurら
による「Motion−Insensitive,St
eady−State Free Precessio
n Imaging」と題する記事には、SSFPシー
ケンスに関連したスキャン対象領域の動きに起因する問
題を克服するための方法が記載されている。この方法
は、1回のTR期間にわたる各傾斜の時間積分が実質的
にゼロとなるような磁場傾斜を発生させることを含んで
いる。
磁化の位相を、最も好ましくは励起パルスの位相を変化
させることによって、逐次方式で変更することを含む。
一連のN回のスキャンシーケンスに対して、第j番目の
シーケンス(j=1,2,...,N)の間の各TR内
のスピンに対して(2π(j−1)/N)ラジアンの位
相シフトを追加する。これらのスキャンからの信号を線
形合成することにより最終画像が得られる。この著者ら
は、エイリアシングを回避するためにはN≧6を使用す
る必要があること、並びに定常状態に到達させるために
はシーケンス同士の間にT1秒の待ち時間をとることが
必要であることを述べている。この著者らはさらに、S
SFP信号は歳差運動角φ(ここで、φは1回のTR期
間の全体での全歳差運動角)に強く依存することを述べ
ている。
子核の密度を決定する以外に、水素を構成要素の1つと
して含む分子種同士を識別する能力が重要である。水や
脂肪など画像内の分子種間を識別できるようにMRIス
キャンを生成するための方法は当技術分野において周知
である。例えば、 Magnetic Resonan
ce in Medicine 43(2000)のV
asanawalaらによる「Linear Comb
ination Steady−StateFree
Precession MRI」と題する記事におい
て、この著者らは、一連のSSFPスキャンを実行する
ことにより水と脂肪を識別するための一方法を記載して
いる。第1のスキャンシーケンスは、標準SSFPシー
ケンスとなるように設定すると共に、D0-0と呼ぶ生デ
ータを生成させる。第2のスキャンシーケンスでは、偶
数番のRF励起パルスに180°の位相を追加し、D
0-18 0と呼ぶ生データを生成させる。水画像はD0-0+i
・D0-180から得られ、一方脂肪の画像はD0-0−i・D
0-180から得られる。しかし、水の脂肪からの分離は、
サンプルのT1/T2の値と、RFフリップ角との両者
により影響を受ける。さらにこの方法では、TRの値は
次の値に制限されている。
である。この方法では単一ボクセル内の水と脂肪の含有
量を決定することができない。
いては、歳差運動角Φのボリューム内での変動にあたる
ΔΦが概ねπラジアンを超えると激しいバンディング・
アーチファクト(banding artifact)
が発生する。ΔΦ=2π・Δf・TRであるから、以下
の条件ではアーチファクトが発生しない。
鳴周波数の変動である。
るTRの値が可能であるが、磁場が強くなると(すなわ
ち、概ね1.0T以上では)、短いTR時間が必要とな
るため実現にあたり厳しい実用上の問題が起こる。短い
TR時間では、傾斜切り換え時間を極めて短くし、さら
に画像信号収集時間を極めて短くすることが要求され
る。したがって、小さいTR値では磁場をより強くした
MRIの周知の利点を実現することは困難であり、この
場合さらに結果的に末梢神経の興奮及びRF比吸収率
(SAR)の上昇を起こす。
れる傾斜が大きいこと(最大可能な平面内分解能及びス
ライス幅が極めて制約される)、2)各TR内でデータ
収集に割り当てられる時間が短いため単位時間あたりの
SNRが最適以下(suboptimal)となるこ
と、3)スパイラルやマルチショットEPIなど効率の
良いk空間収集方式を使用できないこと、4)脂肪信号
抑制が困難であること、5)SARが大きいこと、など
がある。
制限せずに磁気共鳴画像を作成するための装置及び方法
を提供することが望ましい。
SFPシーケンス内で無線周波数(RF)パルスと磁場
傾斜パルスを使用している磁気共鳴イメージング(MR
I)システムを実現している。各SSFPシーケンス
は、そのシーケンス内で完全に平衡状態の傾斜を有する
反復時間(TR)の短かい傾斜エコーを含んでいる。一
組のMRI発生信号は、大きなフリップ角を有するRF
励起パルスをもった2〜5個(最も好ましくは、2個ま
たは3個)のSSFPシーケンスを含んでいる。各シー
ケンスの反復時間が小さな値に制限されることはない。
以下に記載する具体的な信号収集技法及び解析技法を適
用し、かつ90度に近いフリップ角を使用することによ
り、従来技術で使用されているのと異なり一組の発生信
号として6個以上のSSFPシーケンスを利用していな
いことに起因する不正確性がすべての組織(また特に、
スピンースピン緩和時間(T2)が短い組織)に対して
大幅に軽減される。歳差運動角に対する画像信号の変動
は、従来技術では必要であったような短い反復時間が不
要となるほど十分に小さくできる。90度に近いフリッ
プ角を用いることにより、従来技術で使用している方法
と比べて、流体と軟部組織を撮像する際に極めて大きな
コントラストが得られるという追加的な利点も生じる。
SFPスキャンからなる1つの組はN組のSSFPシー
ケンスからそれぞれ収集される。N=2であることが最
も好ましい。別法として、Nは{3,4,5}の中から
選んだ整数である。シーケンスの各組のスキャン同士の
間には、「発明の背景」に記載したように位相の増分を
追加している。収集したN個のデータ組に対する線形合
成により、画像の組(最も好ましくは、2枚の画像)を
作成する。この線形合成は「未処理」データ組から形成
させ、次いでこれを再構成して画像に形成させることが
好ましい。別法として、その線形合成は各データ組を再
構成した後に形成させている。これらの画像の強度を加
算し、別々の画像の場合と比べて信号対雑音レベルがよ
り大きい最終画像を得ることができる。
シーケンスの各組の第1シーケンス内のRFパルスの前
にRF前置パルスを置き、またその直後には、撮像対象
のシステムに対してディフェージング用磁場傾斜パルス
を加えている。RF前置パルスとディフェージング用傾
斜の組み合わせにより、後続のRFパルスに先だってそ
のシステムの磁化は事実上ゼロになる。このシステム
は、実質的になだらかに定常状態に近づき、これにより
利用しようとするシステムに関する計測値を始発(init
ial)RFパルスから得ることが可能となる。
態では、磁気共鳴イメージング(MRI)のための方法
であって、撮像対象の被検体に対して、始発無線周波数
(RF)励起パルスをそれぞれに備えているN組の定常
自由歳差運動(SSFP)シーケンスを加えるステップ
であって、始発RF励起パルスの各々は始発以外のRF
励起パルスに対して所定の位相シフトを有しており、N
は1を超えかつ6未満の整数の組から選択した値である
ようなステップと、Mが0を超えておりかつN以下であ
る整数の組から選択した値として第M番目のシーケンス
のRFパルスの位相シフトが2π(M−1)/Nラジア
ンと実質的に等しくなるようにこれらのシーケンスのR
Fパルスの位相シフトを設定するステップと、N組のS
SFPシーケンスに応答して、被検体からそれぞれの組
の画像信号を受信するステップと、この受信画像信号の
組を被検体の画像を作成するように処理するステップ
と、を含む方法が提供される。
は、画像信号を合成してこれから第1の線形合成及び第
2の線形合成を形成させること、第1の線形合成の第1
の強度と第2の線形合成の第2の強度を平均することに
より画像を作成すること、を含むことが好ましい。
ステップは画像信号の各々に対してフーリエ変換を実行
することを含み、かつ画像信号を合成するステップは該
フーリエ変換を合成することを含むことが好ましい。
Φに従属しており、かつ被検体の画像は、画像内にバン
ディング・アーチファクトが実質的に生じないようにΦ
と実質的に独立であることが好ましい。
は共鳴周波数が係数Δfだけ異なる領域を含み、かつN
組のSSFPシーケンスの各シーケンスの反復時間(T
R)は2Δfの逆数を超える時間を含んでいる。
フリップ角を発生させることが好ましい。
つ被検体の画像はこの体液と軟部組織に対応したそれぞ
れの領域を該領域間で高コントラストを有するようにし
て含むことが好ましい。
SSFPシーケンスの前には、実質的に90度に等しい
フリップ角を発生させるようなディフェージング用磁場
傾斜及びRF前置パルスを置くことが好ましい。
法は、N組のSSFPシーケンスを発生させる周波数合
成器の周波数を、水の共鳴周波数νWと脂肪の共鳴周波
数νFの平均値と実質的に等しくなるように設定するス
テップと、各シーケンスの反復時間(TR)を、τ=1
/2(νF−νW)として時間期間τの第1の奇数倍と実
質的に等しくなるように設定するステップと、を含むと
共に、画像信号のそれぞれの組を受信するステップは、
時間期間τの第2の奇数倍と実質的に等しくかつ第1の
奇数倍未満であるような第1の読み出し時刻において第
1組の画像信号を受信すること、τだけ増分させた第2
の奇数倍と実質的に等しい第2の読み出し時刻において
第2組の画像信号を受信すること、を含んでおり、か
つ、受信画像信号の組を処理するステップは、第1組及
び第2組の画像信号を処理してそれぞれ第1及び第2の
処理済み信号を形成すること、この第1の処理済み信号
及び第2の処理済み信号に応答して水画像と脂肪画像を
作成すること、を含んでいることが好ましい。
は、始発無線周波数(RF)励起パルスであって、その
各始発RF励起パルスが始発以外のRF励起パルスに対
して所定の位相シフトを有しており、Nは1を超えかつ
6未満の整数の組から選択した値であり、Mが0を超え
ておりかつN以下である整数の組から選択した値として
第M番目のシーケンスのRFパルスの位相シフトが2π
(M−1)/Nラジアンと実質的に等しくなるような始
発無線周波数(RF)励起パルスをそれぞれに備えてい
るN組の定常自由歳差運動(SSFP)シーケンスを撮
像対象の被検体に加えるように適応させた磁場発生装置
と、このN組のSSFPシーケンスに応答して、被検体
からそれぞれの組の画像信号を受信し、該受信画像信号
の組を処理して被検体の画像を作成するように適応させ
た信号処理装置と、を含む磁気共鳴イメージング(MR
I)装置が提供される。
これから第1の線形合成及び第2の線形合成を形成させ
ること、第1の線形合成の第1の強度と第2の線形合成
の第2の強度を平均することにより画像を作成するこ
と、を行うように適応させることが好ましい。
各々に対してフーリエ変換を実行すること、並びに該フ
ーリエ変換を合成することを行うように適応されている
ことが好ましい。
Φに従属しており、かつ被検体の画像は、画像内にバン
ディング・アーチファクトが実質的に生じないようにΦ
と実質的に独立であることが好ましい。
は共鳴周波数が係数Δfだけ異なる領域を含んでおり、
かつN組のSSFPシーケンスの各シーケンスの反復時
間(TR)は2Δfの逆数を超える時間を含んでいる。
フリップ角を生成させていることが好ましい。
検体の画像はこの体液と軟部組織に対応したそれぞれの
領域を該領域間で高コントラストを有するようにして含
んでいることが好ましい。
シーケンスの前には、実質的に90度に等しいフリップ
角を発生させるようなディフェージング用磁場傾斜及び
RF前置パルスを置くことが好ましい。
場発生装置は、N組のSSFPシーケンスを発生させる
周波数合成器の周波数を、水の共鳴周波数νWと脂肪の
共鳴周波数νFの平均値と実質的に等しくなるように設
定すること、各シーケンスの反復時間(TR)を、τ=
1/2(νF−νW)として時間期間τの第1の奇数倍と
実質的に等しくなるように設定すること、を行うように
適応させると共に、この信号処理装置は、時間期間τの
第2の奇数倍と実質的に等しくかつ第1の奇数倍未満で
あるような第1の読み出し時刻において第1組の画像信
号を受信すること、τだけ増分させた第2の奇数倍と実
質的に等しい第2の読み出し時刻において第2組の画像
信号を受信すること、第1組及び第2組の画像信号を処
理してそれぞれ第1及び第2の処理済み信号を形成する
こと、この第1の処理済み信号及び第2の処理済み信号
に応答して水画像と脂肪画像を作成すること、を行うよ
うに適応させることが好ましい。
発明の好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明から
より完全に理解されるであろう。
本発明の好ましい実施の一形態による磁気共鳴イメージ
ング(MRI)システム10のブロック概要図である。
システム10は、General Electric
Company(Schenectady,NY)によ
り製作されているSignaシステムなどの工業標準の
MRIシステムを含むことが最も好ましい。システム1
0は、とりわけ、磁場発生装置として並びに信号処理装
置として動作する。システム10では、オペレータ・コ
ンソール100を使用し、中央演算処理装置(CPU)
104及び1つまたは複数のメモリ106を備えている
コンピュータ・システム102を操作している。メモリ
106は、磁気テープ駆動装置及び/またはコンピュー
タのハードドライブなど、収集した画像データを格納す
るために使用する1つまたは複数の不揮発式記憶装置を
備えることが好ましい。システム102の画像処理装置
108は、オペレータ・コンソール100による対話式
の画像表示の提供を可能とするような当技術分野で周知
の装置を含んでいる。
0及び傾斜増幅器システム112を介してMRIシステ
ム10の動作を制御している。制御装置110は、CP
U104と協同した制御装置110の操作に使用される
CPU119を含むことが好ましい。制御装置110は
パルス発生装置114を含んでおり、このパルス発生装
置114は、システム102から受け取った全体的な制
御命令を介して、システム112内に含まれる増幅器を
駆動させるのに必要なパルス及び波形を発生させてい
る。これらの増幅器は、続いて当技術分野で周知の方法
により患者マグネット・アセンブリ141内にそれぞれ
の磁場傾斜Gx、Gy及びGzを生成させるような電流を
発生させる。このパルス発生装置はさらに、無線周波数
(RF)電力増幅器116を駆動させるために使用する
信号を発生させ、さらにこの電力増幅器116は患者マ
グネット・アセンブリ141に含まれる全身用RFコイ
ル152に電源供給するために使用されるRF電力信号
を出力している。さらに詳細には以下で記載するが、コ
イル152に入力するRF信号の位相は所定の方式によ
り様々な値とする。コイル152はさらに、MRI信号
検出器コイルとして使用することもでき、また別法で
は、コイル152を送信用と受信用の別々のコイルに分
割している(これについては、以下で図2に関連してよ
り詳細に説明する)。
置114により制御を受ける送信/受信切換スイッチ1
54により、RF電力信号のコイル152への送信と、
コイル中で発生する「未処理」MRI信号との間でクロ
ストークが生じないことが保証される。このMRI信号
は、CPU119及びシステム102と協同して信号処
理装置の役割を果たしている送受信装置120に、スイ
ッチ154及び低ノイズ前置増幅器118を介して伝達
される。送受信装置120並びに関連する構成要素の機
能については、図2を参照しながら以下で説明する。分
かりやすくするために、制御装置110には電源やメモ
リなどこれ以外の構成要素を含めていないが、これらの
要素は制御装置を増幅器システム112用の駆動装置と
して機能させるため、並びにRFパルスの送信やMRI
信号の受信のために必要なものである。
従った送受信装置120により実行される機能のブロッ
ク概要図である。送受信装置120に関して本明細書に
記載した機能のうちの幾つかは、発生装置114など制
御装置110の別の構成要素により実行させることがあ
ることを理解されたい。基準周波数発生装置203は、
5MHz、10MHz及び60MHzという実質的に固
定した既知の周波数を周波数合成器200に供給するこ
とが好ましい。合成器200はこの基準周波数を使用し
て、システム102が決定している合成器への制御入力
により決定される周波数及び位相において、コイル15
2向けの基準RFパルス信号を発生させている。この基
準信号は、入力されたRFパルスに対する包絡線を協同
して形成している変調器202と減衰器206を介して
増幅器116(図1)に供給されている。したがって、
所定の形状、位相及び周波数を有するRF電力励起パル
スがコイル152に送られる。変調器202及び減衰器
206は、典型的にはバス218を介して、システム1
02からの入力により制御を受けることが好ましい。任
意選択では、コイル152は、増幅器116により駆動
を受けている送信コイル152Aと、単独の受信コイル
152Bとを備えている。さらに詳細には以下で記載す
るが、各RF電力パルス及び磁場傾斜増幅器システム1
12が発生させる信号は、実質的に一定の反復時間(T
R)をもつように生成されると共に、これらは協同して
定常自由歳差運動(SSFP)信号を発生させる信号シ
ーケンスを含んでいる。
RI信号はコイル152により、また任意選択では受信
コイル152Bにより検出されると共に、低ノイズ前置
増幅器118に供給され、さらにここから増幅器207
に供給される。増幅器207はシステム102からの制
御信号を受け取るが、増幅器207は全体周期TR内の
所定の時間間隔だけ起動させるように設定することが好
ましい。増幅したこの信号は、その位相を保存させた状
態で、A/Dディジタイザ209でディジタル化し、さ
らに得られたディジタル信号は制御装置110に転送し
てさらに処理することが好ましい。別法では、前置増幅
器118からの信号は位相関係を保持するようにして増
幅し、次いでMRI技術分野で周知の別の方法に従って
ディジタル化している。
従ってシステム10内で発生させる波形及び信号を表し
ている一組のグラフである。持続時間TRの第1の時間
間隔310の間で、RFパルス300で開始されている
第1シーケンス312を被検体122に加える。振幅、
持続時間、パルス形状などRFパルス300のパラメー
タは、システム10により設定することが好ましい。パ
ルス300以外に、シーケンス312は、図3において
それぞれ波形304、306及び308で示している磁
場傾斜波形Gz、Gy及びGxを含んでいる。傾斜波形3
04及び306は位相エンコード方式により様々である
が、当技術分野で周知のように波形304はスライス選
択の役目を果たしている。時間間隔310にわたって計
測される各傾斜波形Gz、Gy及びGxの面積は実質的に
ゼロに等しいことが最も好ましい。傾斜波形308は読
み出し傾斜として用い、波形308が規定している時刻
(概ね、時間間隔316の間で波形308の「中央」の
位置)において出力信号314が収集されるようにして
いる。
は、位相エンコードに関する以外はシーケンス312と
実質的に同じである。シーケンス312及び313と同
じシーケンスは、位相エンコード傾斜を変化させながら
時間期間319の全体にわたってM回反復させ、各シー
ケンスの間で信号314を収集する。回数Mは、最終画
像で希望する分解能及び/または信号対雑音比に応じ
て、当技術分野で知られるようにして選択することが好
ましい。典型的には、Mは128〜256の範囲にあ
る。M回の反復からなる組には、シーケンスの第1の組
331が含まれる。この組331はN回反復される(こ
こで、Nはスキャンシーケンスの数であり、N≦5であ
る)。「発明の背景」に記載したように、スキャンj
(j=1,2,...,N)の間では2π(j−1)/
Nラジアンの位相シフトを追加する。第1のシーケンス
312、313のM回の反復の終了時点で、第2のスキ
ャン組に対する時間間隔329が始まる。
322からなる第2の組333が被検体122に加えら
れる。この組333の各シーケンスはRFパルス301
により開始される。各TRの間に2π/Nラジアンの位
相φが追加されることを除き、各シーケンス322の傾
斜波形に関する振幅、位相及び周波数は、実質的に同じ
位相エンコード傾斜を含むシーケンス312と概して同
じである。出力画像信号324は、組312の間隔31
6に相当する時間間隔326の全体にわたって収集され
る。例えば、N=2として以下に記載する場合では、φ
=0及びπである。
2(あるいは、コイル152B)から受け取られ、図1
及び2を参照しながら上述したようにして増幅及びディ
ジタル化を受ける。画像信号314及び324に対応す
る画像信号の組は磁場傾斜の位相エンコードの間に作成
されることを理解されたい。「未処理」データ画像信号
からなるこれらの組を用いて被検体122の画像が作成
される。
sitive, Steady−State Free
Precession Imaging」と題する記
事にさらに詳細に記載されているが、画像信号314は
次式の形のフーリエ級数と見なすことができる。
り、かつfkはこの級数の各項であり、またAkの各項は
Φと独立であると仮定している。(式5)は、スキャン
の数Nが無限大の場合に正確に一致する。この記事に
は、Nが有限である場合に、第m番目のシーケンス(m
=1,2,...,N)のスピンにφm=2π(m−
1)/Nラジアンの位相シフトが追加されるようにして
N組のSSFPシーケンスを実行することによりfkを
分離させる方法が記載されている。
ことによりfkが決定される。
集された画像である。
N/2からN/2−1までであり、Nが奇数の場合では
k=−N/2+1/2からN/2−1/2までである。
及び0となり、次式となる。
のフーリエ成分の近似値に対応する。
似となる(これについては、図6を参照しながら以下で
説明する)。
従った信号314及び324の解析処理350に関する
各ステップを表した流れ図である。処理350ではデー
タ組fk,Nを導出するために示した解析を利用してい
る。第1のステップ352では、図1、2及び3を参照
しながら上述したようにして信号が収集されかつ格納さ
れる。第2のステップ354では、信号314及び32
4に対応して収集したデータ組Imが合成され、k=0
及び−1の場合の(式7)のようにしてデータ組fk,N
が作成される。第3のステップ356では、f-1,N及び
f0,Nを再構成して画像が作成される。別法として、2
番目と3番目のステップは入れ替え可能である。第4の
ステップ358では、強度画像|f0,N|及び|f-1,N
|が決定され、最終ステップ360では、最終画像が得
られるように|f0,N|と|f-1,N|を平均している。
|f0,N|と|f-1,N|のノイズは互いに関係がないた
め、最終画像の信号対雑音比では、|f0,N|や|f
-1,N|と比較して概ね1.4倍の改善が得られる。
ましい実施の一形態に従った解析処理から得られるN=
2の場合の結果を表しているグラフである。このグラフ
は血液に関して導出したものであり、T1=1000m
sでありT2=250msとなっている。TRは10m
sに設定しており、またフリップ角は90度である。グ
ラフ402は、歳差運動角φに対して未処理信号に関す
る結果を表したものである。またグラフ404及び40
6は、歳差運動角φに対するそれぞれ|f0,2|と|f
-1,2|の値を表している。このグラフで分かるように、
|f0,2|及び|f-1,2|の値のφに対する変動は実質
的に除去されており、(式9)及び(式10)の近似が
有効であることが分かる。グラフ408はf0とf-1の
値を表している。グラフ408をグラフ404及び40
6と比較することによりf0はf0 ,2に近く、またf-1は
f-1,2に近いことが分かる。
では、その信号レベルの変動はこのグラフに示す小さい
変動と比べてさらに小さくなっている。90度に等しい
フリップ角では血液や胆汁などの体液と灰白質や白質な
どの軟部組織との間で最大のコントラストが得られるた
め、このグラフの例示のように概ね90度のフリップ角
を用いると有利である。グラフを調べることにより、信
号強度が概ねΦと独立であることを理解されたい。した
がって、不等式(式4)で例示したようなTRに関する
従来技術における制約は、本発明の好ましい実施形態に
は当てはまらず、本発明の好ましい実施形態では、最終
画像内のバンディング・アーチファクトを実質的に無く
しながら大きなTR値を実現することができる。
SSFP信号に対するN回の連続するスキャン(ここで
Nは3、4または5の値を含む)を被検体122に対し
て実施している。以下に記載する違いを除けば、N回の
信号スキャンの各々は、図3を参照しながら上述した2
回のSSFP信号の組と形態において概して同じであ
る。第m番目のスキャン(m=1,2,...,N)に
対してはφm=2π(m−1)/Nラジアンの位相シフ
トを追加している。この位相シフトは、上で言及したZ
urらの記事に記載されているように各スピンに対して
付加される。SSFP信号に対するN回の連続するスキ
ャンで生成される画像信号は、実質的には図4を参照し
ながら上述したようにして解析を受ける。したがって、
1,...,Nの画像信号の各組は(式8)の場合と同
様にして線形合成され、平均画像信号に対するf0,N及
びf-1,Nが生成される。強度|f0,N|及び|f-1,N|
を決定し、この2つの強度を平均して最終画像を作成し
ている。
び第3(最終)のスキャン組のそれぞれの間で各TRに
0ラジアン、2π/3ラジアン、及び4π/3ラジアン
の位相を追加している。この場合、上で述べたように次
式となる。
たものであるが、これより小さいフリップ角を使いたい
場合は、3組以上のSSFPシーケンスを使用する(例
えば、N=3とする)ことが好ましいことがある。より
効率の良い信号収集方法の使用が可能であるため、2組
以上のSSFPシーケンスを使用したとしても単一のS
SFPスキャンと比べて全体のスキャン時間が必ずしも
増加することはない。例えば、TR=3.3msである
ような単一シーケンスの場合、200本のk空間線を収
集するには全スキャン時間として660msが必要であ
る。この場合、典型的な収集ウィンドウ1つは1msと
なる。Nを2に設定しかつTRを10msまで長くする
と、この収集ウィンドウは8msに設定することが可能
となる。1回のシーケンスあたり6本のk空間線を収集
する場合では、例えばエコープラナ・イメージング(E
PI)を用いることにより、660msの全スキャン時
間内で198本の線を収集できる。データ・サンプリン
グ・ウィンドウを長くするほど、TR=10msを使っ
てより大きな信号対雑音レベルを得ることができること
を理解されたい。N=2のスキャンでは、スキャン時間
の80%がデータサンプリングに使用される。一方、単
一スキャンではTR=3.3msでこの割合は30%で
ある。
F励起パルスを印加した後で磁化振動が起こることは当
技術分野で周知である。この振動はΦの関数である。本
発明の好ましい実施形態の幾つかでは、SSFPシーケ
ンス組312の第1のRFパルス300の前に90度の
非選択的RF前置パルス303とディフェージング用傾
斜305を置いている。前置パルス303及び傾斜30
5によりパルス300による励起の前に被検体122の
磁化を事実上ゼロにすることができ、磁化の定常状態へ
の接近が後続のRFパルス300に対してかなり滑らか
となる。シーケンス組322の第1のRFパルス301
の前にも前置パルス309及びディフェージング用傾斜
307を印加することが好ましい。
よる前置パルス303及び傾斜305を印加した場合に
被検体の磁化が定常状態に近づく様子を示したグラフで
ある。グラフ502及び504は、初期磁化が実質的に
ゼロである被検体に対して、T1=1000ms、T2
=250ms、フリップ角=90度、歳差運動角φ=9
0度とした場合の、RFパルス番号に対する磁化成分M
x及びMyのそれぞれのシミュレーション値を示したも
のである。定常状態への接近は滑らかである。このシミ
ュレーションは図4の第1ステップに記載したように収
集したデータ組に適用しており、これにより最初のRF
パルスからデータ収集を開始することができる。
MRIスキャンが従う各ステップを表した流れ図であ
り、また図8は、図7のスキャンに関する本発明の好ま
しい実施の一形態によるタイミング値を表している一組
のグラフである。図8は図3を基本としており、以下に
記載する違いを除いて図8中のグラフ及びグラフの各要
素には図3のグラフ及びグラフの各要素と同じ番号を付
しており、これらは実質的に同じ信号及び同じ信号要素
に対応させている。図8では、分かりやすくするためグ
ラフ304及び306(図3)は省略してある。時間間
隔319の間に実施したスキャンは時間間隔319’の
間で反復させ、また同様に、時間間隔329の間に実施
したスキャンは時間間隔329’の間で反復させてい
る。時間間隔319’及び329’の間のスキャンと、
それぞれに対する時間間隔319及び329の間のスキ
ャンとは、読み出し時間TE1及びTE2がこれらの間
で異なることを除き実質的に同じである(これについて
は以下で説明する)。
テップ552において、合成器200が生成させる周波
数νは、概ね水の共鳴周波数νWになるように設定す
る。ΔW F=νF−νWとして次式より得られるτの値、τ
=1/2・ΔWF (式12)により、水と脂肪の
スピンがπラジアンの位相差を有するようになるまでの
時刻を得ることができる。全スキャンに対する反復時間
TRの値は、τの奇数倍の値、すなわち次式となるよう
に設定する。
間隔319の第1のスキャン組の間で、そのエコー時間
(グラフ308)は、mがkより小さい整数として次
式、 TE1=(2m+1)τ (式14) で得られる値TE1と実質的に等しくなるように設定す
る。時間間隔319’の第2のスキャン組の間では、そ
のエコー時間は、次式、 TE2=TE1+τ (式15) で得られる値TE2と実質的に等しくなるように設定す
る。
時間を交互に反復させ、時間間隔329のスキャンがエ
コー時間TE1を有し、かつ時間間隔329’のスキャ
ンがエコー時間TE2を有するようにしている。
324に対応する読み出しTE1に関するデータ組に対
して図4を参照しながら上述した解析を実施して記号S
1で示す画素値を生成させ、また信号314’及び32
4’に対応する読み出しTE2に関するデータ組に対し
て解析を実施して記号S2で示す画素値を生成させる。
具体的な任意の画素に対して、Wはボクセル内の水の部
分を表し、またFはボクセル内の脂肪の部分を表すとし
て、次式となる。
れにおける磁場不均一性及び/または化学シフトに起因
する位相シフトを表す。
と次式となる。
たは化学シフトに起因する時間τの間での位相シフトを
表す。
的に水の共鳴周波数と脂肪の共鳴周波数との間にあるよ
うに設定してあるため、水に対しては−π≦Ψ≦0であ
り、また脂肪に対しては0≦Ψ≦πとなる。(式17
a)及び(式17b)を整理することにより次式が得ら
れる。
である。
共鳴周波数との周波数の差である。
条件による。
した画像で作成するために、図8に示したスキャンで生
成されるS1とS2の値に(式16a)〜(式19)に記
載した解析を適用する。
た、本発明の好ましい実施の一形態による処理を用いた
水と脂肪の分離を表しているグラフである。グラフ60
2及び604は水と脂肪のそれぞれの信号強度のシミュ
レーション値(|f0,2|+|f-1,2|)Wと(|f0,2
|+|f-1,2|)Fを磁場の不均一性による共鳴周波数
のずれΔfに対して表したものである。このグラフで
は、ΔWFの値として450Hz、またτの値として1.
1msを与えたときの、3Tの磁場強度に関する結果を
シミュレーションしたものである。ここで、TR=7τ
=7.7ms、TE1=3τ=3.3ms、TE2=4
τ=4.4msである。このシミュレーションでは、フ
リップ角は70度になるように設定し、W=0.7と
し、またF=0.3としている。合成器周波数は水と脂
肪の共鳴の中間に設定している。このグラフにより、−
450<Δf<0の領域において水と脂肪の画像が良好
に分離されていること、また平均信号値0.105と
0.045の比が、比W/Fに対応することが分かる。
用したものであること、並びに本発明が上で具体的に図
示しかつ記載したものに限定されないことを理解された
い。むしろ、本発明の範囲には、上述した様々な特徴の
結合及び副結合、並びに当業者がここまでの説明を読ん
で実現できかつ従来技術では開示されていないような本
特徴に対する変形及び修正を含んでいる。
イメージング(MRI)システムのブロック概要図であ
る。
しい実施の一形態に従って実行している機能を表したブ
ロック概要図である。
ステム内で発生させる信号を表している一組のグラフで
ある。
本発明の好ましい実施の一形態による解析処理に関する
各ステップを表した流れ図である。
して記載した解析処理で得られる結果を表したグラフで
ある。
態によるRF前置パルス及びディフェージング用磁場傾
斜を印加する際に、被検体の磁化が定常状態に近づく様
子を表したグラフである。
の画像を分離させているMRIスキャンが従う各ステッ
プを表した流れ図である。
キャンに関するタイミング値を表している一組のグラフ
である。
8に関して記載した処理を用いた水と脂肪の分離を表し
たグラフである。
Claims (18)
- 【請求項1】撮像対象の被検体に対して、始発無線周波
数(RF)励起パルスをそれぞれに備えているN組の定
常自由歳差運動(SSFP)シーケンスを加えるステッ
プであって、該始発RF励起パルスの各々は始発以外の
RF励起パルスに対して所定の位相シフトを有してお
り、Nは1を超えかつ6未満の整数の組から選択した値
であるようなステップと、 Mが0を超えておりかつN以下である整数の組から選択
した値として第M番目のシーケンスのRFパルスの位相
シフトが2π(M−1)/Nラジアンと実質的に等しく
なるように前記シーケンスのRFパルスの位相シフトを
設定するステップと、 N組のSSFPシーケンスに応答して、被検体からそれ
ぞれの組の画像信号を受信するステップと、 被検体の画像を作成するように前記受信画像信号の組を
処理するステップと、を含む磁気共鳴イメージング(M
RI)のための方法。 - 【請求項2】 受信画像信号の組を処理する前記ステッ
プが、 前記画像信号を合成してこれから第1の線形合成及び第
2の線形合成を形成させるステップと、 第1の線形合成の第1の強度と第2の線形合成の第2の
強度を平均することにより画像を作成するステップと、
を含んでいる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 受信画像信号の組を処理する前記ステッ
プが画像信号の各々に対してフーリエ変換を実行するこ
とを含み、かつ画像信号を合成する前記ステップが前記
フーリエ変換を合成することを含む、請求項2に記載の
方法。 - 【請求項4】 前記画像信号の少なくとも幾つかは歳差
運動角Φに従属しており、かつ前記被検体画像は、画像
内にバンディング・アーチファクトが実質的に生じない
ようにΦと実質的に独立である、請求項1に記載の方
法。 - 【請求項5】 前記被検体は共鳴周波数が係数Δfだけ
異なる領域を含み、かつN組のSSFPシーケンスの各
シーケンスの反復時間(TR)は2Δfの逆数を超える
時間を含んでいる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項6】 前記RF励起パルスの各々が約70度を
超えるフリップ角を生成させている、請求項1に記載の
方法。 - 【請求項7】 前記被検体が体液及び軟部組織を含み、
かつ前記被検体画像が体液と軟部組織に対応したそれぞ
れの領域を該領域間で高コントラストを有するようにし
て含んでいる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項8】 前記N組のシーケンスの各シーケンス内
の第1のSSFPシーケンスに対して、実質的に90度
に等しいフリップ角を生成するようなディフェージング
用磁場傾斜及びRF前置パルスを先行させている、請求
項1に記載の方法。 - 【請求項9】 前記被検体が水及び脂肪を含み、かつ、 N組のSSFPシーケンスを発生させる周波数合成器の
周波数を、水の共鳴周波数νWと脂肪の共鳴周波数νFの
平均値と実質的に等しくなるように設定するステップ
と、 各シーケンスの反復時間(TR)を、τ=1/2(νF
−νW)として時間期間τの第1の奇数倍と実質的に等
しくなるように設定するステップと、を含むと共に、 画像信号のそれぞれの組を受信する前記ステップが、 時間期間τの第2の奇数倍と実質的に等しくかつ第1の
奇数倍未満であるような第1の読み出し時刻において第
1組の画像信号を受信すること、 τだけ増分させた第2の奇数倍と実質的に等しい第2の
読み出し時刻において第2組の画像信号を受信するこ
と、を含んでおり、かつ、 受信画像信号の組を処理する前記ステップが、 第1組及び第2組の画像信号を処理してそれぞれ第1及
び第2の処理済み信号を形成すること、 前記第1の処理済み信号及び前記第2の処理済み信号に
応答して水画像と脂肪画像を作成すること、 を含んでいる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項10】始発無線周波数(RF)励起パルスであ
って、その各始発RF励起パルスが始発以外のRF励起
パルスに対して所定の位相シフトを有しており、Nは1
を超えかつ6未満の整数の組から選択した値であり、M
が0を超えておりかつN以下である整数の組から選択し
た値として第M番目のシーケンスのRFパルスの位相シ
フトが2π(M−1)/Nラジアンと実質的に等しくな
るような始発無線周波数(RF)励起パルスをそれぞれ
に備えているN組の定常自由歳差運動(SSFP)シー
ケンスを撮像対象の被検体に加えるように適応させた磁
場発生装置と、 N組のSSFPシーケンスに応答して、被検体からそれ
ぞれの組の画像信号を受信し、該受信画像信号の組を処
理して被検体の画像を作成するように適応させた信号処
理装置と、を備える磁気共鳴イメージング(MRI)装
置。 - 【請求項11】 前記信号処理装置が、 前記画像信号を合成してこれから第1の線形合成及び第
2の線形合成を形成させること、 第1の線形合成の第1の強度と第2の線形合成の第2の
強度を平均することにより画像を作成すること、を行う
ように適応されている、請求項10に記載の装置。 - 【請求項12】 前記信号処理装置が、画像信号の各々
に対してフーリエ変換を実行すること、並びに該フーリ
エ変換を合成することを行うように適応されている、請
求項11に記載の装置。 - 【請求項13】 前記画像信号の少なくとも幾つかは歳
差運動角Φに従属しており、かつ前記被検体画像は、画
像内にバンディング・アーチファクトが実質的に生じな
いようにΦと実質的に独立である、請求項10に記載の
装置。 - 【請求項14】 前記被検体は共鳴周波数が係数Δfだ
け異なる領域を含んでおり、かつN組のSSFPシーケ
ンスの各シーケンスの反復時間(TR)は2Δfの逆数
を超える時間を含んでいる、請求項10に記載の装置。 - 【請求項15】 前記RF励起パルスの各々が約70度
を超えるフリップ角を生成させている、請求項10に記
載の装置。 - 【請求項16】 前記被検体が体液及び軟部組織を含
み、かつ前記被検体画像が体液と軟部組織に対応したそ
れぞれの領域を該領域間で高コントラストを有するよう
にして含んでいる、請求項10に記載の装置。 - 【請求項17】 前記N組のシーケンスの各シーケンス
内の第1のSSFPシーケンスに対して、実質的に90
度に等しいフリップ角を生成するようなディフェージン
グ用磁場傾斜及びRF前置パルスを先行させている、請
求項10に記載の装置。 - 【請求項18】 前記被検体が水及び脂肪を含み、かつ
前記磁場発生装置は、 N組のSSFPシーケンスを発生させる周波数合成器の
周波数を、水の共鳴周波数νWと脂肪の共鳴周波数νFの
平均値と実質的に等しくなるように設定すること、 各シーケンスの反復時間(TR)を、τ=1/2(νF
−νW)として時間期間τの第1の奇数倍と実質的に等
しくなるように設定すること、を行うように適応させて
いると共に、 前記信号処理装置は、 時間期間τの第2の奇数倍と実質的に等しくかつ第1の
奇数倍未満であるような第1の読み出し時刻において第
1組の画像信号を受信すること、 τだけ増分させた第2の奇数倍と実質的に等しい第2の
読み出し時刻において第2組の画像信号を受信するこ
と、 第1組及び第2組の画像信号を処理してそれぞれ第1及
び第2の処理済み信号を形成すること、 前記第1の処理済み信号及び前記第2の処理済み信号に
応答して水画像と脂肪画像を作成すること、を行うよう
に適応させている、請求項10に記載の装置。
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