JP2003052370A - 発芽バキュロウィルスを用いた機能を有する膜型受容体蛋白質の発現法 - Google Patents
発芽バキュロウィルスを用いた機能を有する膜型受容体蛋白質の発現法Info
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Abstract
用いて、機能を有す膜型受容体を発現させる技術を開発
すること。 【解決手段】 相互作用蛋白質をコードする遺伝子及び
該相互作用蛋白質と相互作用して機能する膜型受容体蛋
白質をコードする遺伝子を含む少なくとも1種の組換え
バキュロウィルスを感染させた宿主を培養し、該宿主か
ら放出される発芽バキュロウイルス中に該相互作用蛋白
質と該膜型受容体蛋白質とを同時発現させることを含
む、機能を有する膜型受容体蛋白質を発現する方法。
Description
ルスを用いた機能を有する膜型受容体蛋白質の発現方法
に関する。より詳細には、本発明は、宿主から放出され
る発芽バキュロウイルス中に相互作用蛋白質と膜型受容
体蛋白質とを同時発現させることを特徴とする機能を有
する膜型受容体蛋白質の発現方法に関する。
ルスの高発現蛋白質、特には多角体蛋白質(polyhedri
n)遺伝子のプロモーターなどを利用して、目的遺伝子
を昆虫細胞(Sf9細胞など)で組換えを起こさせて、
大量に発現させる系である。多角体遺伝子に組換えタン
パク質を導入し、発現したタンパク質を精製する系バキ
ュロの発現系は、大腸菌やイースト菌を用いる発現系に
比べ、膜蛋白質などの疎水性領域を多く持つ蛋白質でも
発現タンパク質が凝集を作りにくく、また糖鎖の付加や
金属イオンの配位などタンパクの機能に必要な翻訳後修
飾がはいるなど利点が多いため膜受容体蛋白質の発現系
として多用されている(Tate CG, Grisshammer R., Tre
nds in Biotechnology 1996, 14, pp426-430, Heterolo
gous expression of G-protein-coupled receptors;及
び、Grisshammer R, Tate CG, Quarterly Reviews of B
iophysics 1995, 28, pp315-422, Overexpression of i
ntegral membrane proteins for structural studie
s)。
た多角体ウイルスとなって核内に存在する他にもう一つ
の生活環があり、ウイルスが増殖して他の細胞や個体に
感染するために,発芽型のウイルス(Budded virus)と
なってSf9細胞の細胞膜を被って細胞外にでる。この
際に上記の多角体蛋白質に組換えた7回膜貫通型受容体
がSf9の細胞膜に発現され、発芽したバキュロウイル
スのエンベロープ上に回収されることがLoiselらによっ
て報告された(Loisel TP, Ansanay H, St-Onge S, Gay
B, Boulanger P, Strosberg AD, Marullo S, Bouvier
M., Nat Biotechnol. 1997, Nov. 15(12), pp1300-130
4, Recovery of homogeneous and functional beta 2-a
drenergic receptors from extracellular baculovirus
particles)。宿主細胞に発現された7回膜貫通型受容
体は糖鎖構造など機能的でないものが多いのにくらべ、
ウイルスエンベロープ上に回収される受容体は機能的な
蛋白質のみであることが報告されている。
nding protein)2、HMG-CoA(ヒドロキシメチルクルタ
リルコエンザイムA)還元酵素、SCAP (SREBP cleavage
activating protein)、S1P ( site 1 protease) などの
小胞体(ER)膜あるいはゴルジ体膜に分布する細胞内コ
レステロールフィードバック調節に関与する膜蛋白質群
も機能を保ったままウイルスエンベロープ上に発現され
ることが報告された(Ishihara, G., Shirai, H., Yama
guchi, M., Fukuda, R., Hamakubo, T., and Kodama,
T., Atherosclerosis, 151, p290, 2000, Expression o
f cholesterol regulatory proteins on extracellular
baculoviruses)。
otein coupled receptor)は創薬のターゲットとして重
要であり、ゲノムベースで約700種と報告され(Vent
er JG, Adams MD, Myers EW, et al., Science 291, pp
1304-1351, 2001, The sequence of the human genom
e)、ホルモンのシグナル伝達機構の研究も進んでいる
(Tate CG, Grisshammer R., Trends in Biotechnology
1996, 14, pp426-430,Heterologous expression of G-
protein-coupled receptors)。GPCRは膜貫通ドメイン
を7つもち3量体G蛋白質と共役している。リガンド結
合の際に共役(カップリング)するG蛋白質αサブユニ
ットの種類は受容体ごとに決まっており,例えばロイコ
トリエンB4受容体の場合はGiあるいはGqである
(Igarashi T, Yokomizo T, Tsutsumi O, Taketani Y,
Shimizu T and Izumi T., Eur. J. Biochem., 259, pp4
19-425, 1999, Characterization of the leukotiene B
4 receptor in porcine leukocytes Separation and r
econstitution with heterotrimeric GTP-binding prot
eins)。アドレナリン受容体の場合はGsが共役するこ
とが知られており、Loiselらの報告によるとSf9細胞由
来のGsが共役して発現し、発芽ウイルス上にもコンプ
レックスを形成しているとされている(Loisel TP, Ans
anay H, St-Onge S, Gay B, Boulanger P, Strosberg A
D, Marullo S, Bouvier M., Nat Biotechnol. 1997, No
v. 15(12), pp1300-1304, Recovery of homogeneous an
d functional beta 2-adrenergic receptors from extr
acellularbaculovirus particles)。Sf9細胞には哺乳
類細胞と同様にG蛋白質の各種のアイソフォームが発現
しているとされているが、その量はG蛋白質の種類によ
って差がある(Leopoldt D, Harteneck C, Nurnberg R,
Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pharmacol , 356, pp216
-224, 1997, G Proteins endogenously expressed inSf
9 cells: interactions with mammalian histamine rec
eptors)。GsはSf9細胞には比較的多く存在しているた
め、Loiselらの系ではウイルスに発現したアドレナリン
受容体が昆虫細胞由来のGsと共役し機能的な膜受容体が
発現されたが、Sf9には比較的量が少ないGi等の他のG
αアイソフォームと共役する受容体(例えば、ロイコト
リエンB4受容体など)の場合には、そのまま発現させ
ても親和性の高い機能的な受容体を得ることは困難であ
る。
点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発
明は、バキュロウイルスと昆虫細胞発現システムを用い
て、機能を有する膜型受容体を発現させる技術を開発す
ることを解決すべき課題とした。
解決するために鋭意検討した結果、受容体蛋白質とG蛋
白質のサブユニットとを発現するウイルスを作成し、発
芽ウイルス上で再構成することにより、親和性の高い受
容体を得ることに成功した。即ち、Gi等のSf9細胞にも
ともと存在量の少ないG蛋白質においても、α、β、γ
の各サブユニットの遺伝子を組み込んだウイルスを当該
受容体リコンビナントウイルスと共に昆虫細胞に感染さ
せることにより、発現された受容体は発芽型ウイルス
(Budded virus)において組み込んだ三量体G蛋白質と
コンプレックスを形成し、高親和性の結合活性を有する
ことができる。このとき共感染により受容体とG蛋白質
の複合体を発現させたSf9細胞の膜画分では低親和性の
受容体が大量に発現されているため高親和性の受容体の
活性だけを測定しにくいという問題があった。ところ
が、発芽型ウイルスに発現されている受容体−G蛋白質
複合体は、高親和性の結合活性が測定できることが今
回、意外なことにも判明した。本発明はこれらの知見に
基づいて完成したものである。
コードする遺伝子及び該相互作用蛋白質と相互作用して
機能する膜型受容体蛋白質をコードする遺伝子を含む少
なくとも1種の組換えバキュロウィルスを感染させた宿
主を培養し、該宿主から放出される発芽バキュロウイル
ス中に該相互作用蛋白質と該膜型受容体蛋白質とを同時
発現させることを含む、機能を有する膜型受容体蛋白質
を発現する方法が提供される。
遺伝子を含む少なくとも1種の組換えバキュロウィルス
と、該相互作用蛋白質と相互作用して機能する膜型受容
体蛋白質をコードする遺伝子を含む少なくとも1種の組
換えバキュロウィルスとを感染させた宿主を培養し、該
宿主から放出される発芽バキュロウイルス中に該相互作
用蛋白質と該膜型受容体蛋白質とを同時発現させる。
質をコードする遺伝子及び該相互作用蛋白質と相互作用
して機能する膜型受容体蛋白質をコードする遺伝子を含
む少なくとも1種の組換えバキュロウィルスを感染させ
た宿主を培養し、該宿主から放出される発芽バキュロウ
イルスを回収することを含む、生理活性を有する膜型受
容体蛋白質の調製方法が提供される。
遺伝子を含む少なくとも1種の組換えバキュロウィルス
と、該相互作用蛋白質と相互作用して機能する膜型受容
体蛋白質をコードする遺伝子を含む少なくとも1種の組
換えバキュロウィルスとを感染させた宿主を培養し、該
宿主から放出される発芽バキュロウイルスを回収する。
好ましくは、相互作用蛋白質は共役蛋白質であり、特に
好ましくは、相互作用蛋白質はG蛋白質であり、膜型受
容体蛋白質はG蛋白質共役型受容体蛋白質である。好ま
しくは、宿主は昆虫細胞又は昆虫幼虫である。
用蛋白質をコードする遺伝子及び該相互作用蛋白質と相
互作用して機能する膜型受容体蛋白質をコードする遺伝
子を含む少なくとも1種の組換えバキュロウィルスを感
染させた宿主が放出する、発芽バキュロウイルスが提供
される。好ましくは、相互作用蛋白質は共役蛋白質であ
り、特に好ましくは、相互作用蛋白質はG蛋白質であ
り、膜型受容体蛋白質はG蛋白質共役型受容体蛋白質で
ある。好ましくは、宿主は昆虫細胞又は昆虫幼虫であ
る。
た本発明の発芽バキュロウイルスを用いて、該発芽バキ
ュロウイルス中に存在する膜型受容体蛋白質と、リガン
ドとの相互作用を分析する方法が提供される。本発明の
さらに別の側面によれば、上記した本発明の発芽バキュ
ロウイルスを用いて、被験物質の存在下において、該発
芽バキュロウイルス中に存在する膜型受容体蛋白質と、
リガンドとの相互作用を分析し、該相互作用を促進又は
阻害する物質をスクリーニングする方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明のス
クリーニングする方法により得られる、膜型受容体蛋白
質とリガンドとの相互作用を促進又は阻害する物質が提
供される。
方法について詳細に説明する。本発明による機能を有す
る膜型受容体蛋白質を発現する方法は、相互作用蛋白質
をコードする遺伝子及び該相互作用蛋白質と相互作用し
て機能する膜型受容体蛋白質をコードする遺伝子を含む
少なくとも1種の組換えバキュロウィルスを感染させた
宿主を培養し、該宿主から放出される発芽バキュロウイ
ルス中に該相互作用蛋白質と該膜型受容体蛋白質とを同
時発現させることを特徴とするものである。本発明で
は、上記のように2種類の蛋白質を共発現させるもので
あるが、上記2種類の蛋白質をコードする遺伝子は同一
の組換えバキュロウィルス中に含めてもよいし、異なる
組換えバキュロウイルス中に含めてもよい。本発明で
は、上記2種類の蛋白質をコードする遺伝子を有する組
換えバキュロウィルスを感染させた宿主を培養し、該宿
主から放出される発芽バキュロウイルスを回収すること
により、生理活性を有する膜型受容体蛋白質を調製する
ことができる。
質が細胞膜並びに細胞内小器官(例えば、小胞体やゴル
ジ体等)の形質膜に存在することを広く意味する。本明
細書で言う「受容体」とはリガンドと相互作用(結合)
する能力を有する蛋白質を広く意味し、好ましくは、リ
ガンドとの相互作用に起因する情報を細胞内に伝達する
ことができる蛋白質である。
い、味、光などに対する7回膜貫通型受容体、LDL受
容体やスカベンジャー受容体、成長ホルモンやインスリ
ン、TNFα,グルタミン酸等に対する1回膜貫通型受
容体、GABA、アセチルコリン、リアノジンなどのイ
オンチャネル型受容体およびT細胞受容体、Fc受容
体、などの複合体を形成するものなどが挙げられる。こ
れらの中でも本発明で使用する膜型受容体蛋白質は、相
互作用蛋白質と相互作用して機能する蛋白質である。
み合わせは特に限定されず、例えば以下のものが挙げら
れる。G蛋白質共役型受容体蛋白質とG蛋白質との組み
合わせ;T細胞受容体(α,β,γ,δ鎖)/CD3複
合体(γ,δ,ε,ζ,鎖)とFyn蛋白質などのSrcファ
ミリーチロシンキナーゼとの組み合わせ;B細胞受容体
とLyn,Syk,blk,lck蛋白質などのSrcファミリーチロ
シンキナーゼとの組み合わせ;並びにFcγ受容体やFcε
受容体とSyk,Csk,Lyn蛋白質などのSrcファミリーチロ
シンキナーゼとの組み合わせ:Gタンパク質共役型受容
体においては、三量体Gタンパク質と受容体タンパク質
との共役に加えて、β2アドレナリン受容体とβ−アレ
スチン(β-arrestin)あるいは Gタンパク質共役型受容
体キナーゼ(G-protein coupled receptor kinase,GRK)
との相互作用、メタボトロピックグルタミン酸受容体
(mglu)とホーマータンパク質(Homer)との相互作用、
β2アドレナリン受容体とNa+、H+ 交換因子(Na+, H
+ exchange factor)との相互作用 など (Heuss, C. an
d Gerber, U.G-protein-independent signaling by G-p
rotein-coupled receptors. TrendsNeurosci.(2000)23,
469-475)が挙げられる。
体(mglu)とRGS4、インターロイキン8B受容体とRGS
12との結合など、RGS(Regulators of G-protein sign
aling)タンパク質とよばれるGαサブユニットに結合す
るRGSドメインを持つ一群の蛋白質(Hepler, J. R. Eme
rging roles for RGS proteins in cell signalling. T
iPS (1999) 20, 376-382)とG タンパク質あるいはそ
の共役型受容体との相互作用がある。G蛋白質の具体例
としては、3量体G蛋白質が挙げられる。G蛋白質のα
サブユニットとして次のものが挙げられる。Gsクラスの
Gsα、Golfα。GiクラスのGi1α、Gi2α、Gi3α、Go1
α、Go2α、Gt1α、Gt2α、Ggustα。Gq クラスの Gq
α、G11α、G14α、G15α、G16α。G12クラスのG12α、
G13α。またこれらαサブユニットと三量体を形成する
βおよびγサブユニットとして、それぞれβ1からβ5ま
でおよびγ1からγ11まで挙げられる。
ドを括弧内に示す)の具体例としては、以下のものが挙
げられる。 (1)ロドプシン/βアドレナリン受容体様 G タンパ
ク質共役型受容体タンパク質として、BLT1(ロイコト
リエンB4),ETA, ETB(エンドセリン),AT1(アンギオテ
ンシン),EDG(スフィンゴシンリン酸),CCR, CXCR (ケ
モカイン), α1、α2、β1、β2、β3(ノルエピネフリ
ン)、M1, M2, M3(アセチルコリン)、5-HT1A(セロト
ニン)、NK-1(サブスタンスP)、Y1(ニューロペプチ
ドY)、B1,B2(ブラジキニン)、V1A(バソプレッシ
ン)、CB1, CB2(アナンダマイド), D1, D2, D3(ドー
パミン),におい受容体,MT1, MT2, MT3(メラトニ
ン),光受容体などが挙げられる。 (2)グルカゴン/VIP(Vasoactive intestinal peptid
e)/カルシトニン受容体様 G タンパク質共役型受容体タ
ンパク質として、カルシトニン受容体(カルシトニ
ン)、VIP1, VIP2 (Vasoactive intestinal peptid
e)、CRF1(corticotropin-releasing factor), PTH
受容体(パラトルモン)などが挙げられる。 (3)代謝型神経伝達物質/カルシウム受容体様 G タ
ンパク質共役型受容体タンパク質として、mglu1, mglu2
(グルタミン酸)、GABAB(γ-アミノ酪酸),味受容体
などが挙げられる。(Gether, U. Uncovering molecula
r mechanisms involved in activation of Gprotein-co
upled receptors. Endocrine Reviews (2000) 21, 90-1
13)(1998Receptor and Ion Channel Nomenclature Su
pplement, Trends in Pharmacological Science, 199
8)
めの蛋白質をコードする遺伝子を含む少なくとも1種の
組換えバキュロウィルスを使用する。昆虫に感染して病
気を起こすウイルスであるバキュロウイルスは、環状の
二本鎖DNAを遺伝子としてもつエンベロープウイルス
で、鱗翅目、膜翅目および双翅目などの昆虫に感受性を
示す。バキュロウイルスの中で、感染細胞の核内に多角
体(ポリヒドラ)と呼ばれる封入体を大量につくる一群
のウイルスが核多角体病ウイルス(NPV)である。多
角体は、分子量31kDaのポリヘドリンタンパクより
構成され、感染後期に大量につくられその中に多数のウ
イルス粒子を埋め込んでいる。多角体はウイルスが自然
界で生存するためには必須であるが、ウイルスの増殖そ
のものには必要ないので、多角体遺伝子の代わりに発現
させたい外来遺伝子を挿入してもウイルスは全く支障な
く感染し増殖する。
ては、NPVのキンウワバ亜科のオートグラファ・カリ
フォルニカ(Autographa californica)NPV(AcN
PV)やカイコのボンビックス・モリ(Bombyx mori )
NPV(BmNPV)などのウイルスがベクターとして
用いることができる。AcNPVの宿主(感染、継代細
胞)としてはスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera
frugiperda )細胞(Sf細胞)などが挙げられ、Bm
NPVの宿主(感染、継代細胞)としてはBmN4細胞
などが挙げられる。Sf細胞は、BmN4細胞などに比
べ増殖速度が速いこと、また、AcNPVはヒト肝細胞
およびヒト胎児腎細胞などにも感染する能力を有するこ
とから、AcNPV系のベクターが好ましい。
胞系統Sf9およびSf21などがS.frugiperda幼虫の卵巣組
織から確立しており、Invitrogen社あるいはPharmingen
社(San Diego,CA)、又はATCCなどから入手可能であ
る。さらに、生きている昆虫幼虫を宿主細胞系として使
用することもできる。
方法は、常法に従って行えばよく、例えば次の手順で行
うことができる。先ず、発現させたい蛋白質の遺伝子を
トランスファーベクターに挿入して組換えトランスファ
ーベクターを構築する。トランスファーベクターの全体
の大きさは一般的には数kb〜10kb程度であり、そ
のうちの約3kbはプラスミド由来の骨格であり、アン
ピシリン等の抗生物質耐性遺伝子と細菌のDNA複製開
始のシグナルを含んでいる。通常のトランスファーベク
ターではこの骨格以外に、多角体遺伝子の5’領域と
3’領域をそれぞれ数kbずつ含み、以下に述べるよう
なトランスフェクションを行った際に、この配列間で目
的遺伝子と多角体遺伝子との間で相同組換えが引き起こ
る。また、トランスファーベクターには蛋白質遺伝子を
発現させるためのプラモーターを含むことが好ましい。
プロモーターとしては、多角体遺伝子のプロモーター、
p10遺伝子のプロモーター、キャプシド遺伝子のプロ
モーターなどが挙げられる。
されない。トランスファーベクターの具体例としては、
AcNPV系トランスファーベクターとしては、pEV
mXIV2、pAcSG1、pVL1392/139
3、pAcMP2/3、pAcJP1、pAcUW2
1、pAcDZ1、pBlueBacIII、pAcU
W51、pAcAB3、pAc360、pBlueBa
cHis、pVT−Bac33、pAcUW1、pAc
UW42/43などが挙げられ、BmNPV系トランス
ファーベクターとしては、pBK283、pBK5、p
BB30、pBE1、pBE2、pBK3、pBK5
2、pBKblue、pBKblue2、pBFシリー
ズ(以上、フナコシ株式会社、藤沢薬品工業株式会社等
から入手可能)などが挙げられる。
上記の組換えトランスファーベクターをウイルスと混合
した後、宿主として用いる培養細胞に移入するか、ある
いは予めウイルスで感染させた宿主として用いる培養細
胞に上記のトランスファーベクターを移入し、組換えト
ランスファーベクターとウイルスゲノムDNAとの間に
相同組み換えを起こさせ、組み換えウイルスを構築す
る。
記した宿主が挙げられ、通常、昆虫培養細胞(Sf9細
胞やBmN細胞など)である。培養条件は、当業者によ
り適宜決定されるが、具体的にはSf9細胞を用いた場
合は10%ウシ胎児血清を含む培地で、28℃前後で培
養することが好ましい。このようにして構築された組み
換えウイルスは、常法、例えばプラークアッセイなどに
よって精製することができる。なお、このようにして作
製された組換えウイルスは、核多角体病ウイルスの多角
体蛋白質の遺伝子領域に外来のDNAが置換または挿入
されており多角体を形成することができないため、非組
換えウイルスと容易に区別することが可能である。
ウイルスを、上記した適当な宿主(Spodoptera Frugipe
rda細胞系統Sf9およびSf21などの培養細胞、又は昆虫幼
虫など)に感染させ、一定時間後(例えば、72時間後
等)に培養上清から細胞外発芽ウイルス(budded viru
s, BV)を遠心などの分離操作によって回収することに
より、目的蛋白質を回収することができる。なお、組換
えバキュロウイルスは1種類のみ感染させてもよいし、
2種類以上の組換えバキュロウイルスを組み合わせて共
感染させてもよい。
えば、以下のように行うことができる。先ず感染細胞の
培養液を500〜1,000gで遠心分離して、細胞外
発芽バキュロウイルスを含む上清を回収する。この上清
を約30,000〜50,000gで遠心分離して細胞
外発芽バキュロウイルスを含む沈殿物を得ることができ
る。上記のようにして回収される発芽バキュロウイルス
は、生理活性を有する膜型受容体蛋白質を含むものであ
り、当該発芽バキュロウイルス自体も本発明の範囲内で
ある。この細胞外発芽バキュロウイルスを含む沈殿物を
適当な緩衝液に懸濁し、再度、適当な濃度勾配(例え
ば、スクロースの連続勾配等)の上にウイルスの懸濁物
を重ね、100,000gで遠心分離して分画する。得
られた画分の中から所望の蛋白質を含む画分を選択する
ことができる。
態で得る場合には、感染細胞の培養液から例えば400
00gで遠心分離することにより細胞外発芽ウイルスを
回収する。この回収されたペレットを適当な緩衝液に懸
濁し、lyso-phosphatidylcholin 等の溶解剤で処理し、
さらに30000rpmで遠心分離を行うことにより上
清と沈澱に分離する。可溶化された目的蛋白質は上清中
に回収することができる。
現蛋白質は、その活性化形態として回収されることを特
徴とする。本発明の方法により回収される蛋白質は、好
ましくは少なくとも50%以上、より好ましくは60%
以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは
80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好まし
くは95%以上が活性化形態で回収される。このような
活性化形態の膜受容体蛋白質を高い割合で回収すること
は従来法では不可能であった。
する遺伝子及び該相互作用蛋白質と相互作用して機能す
る膜型受容体蛋白質をコードする遺伝子を含む少なくと
も1種の組換えバキュロウィルスとを感染させた宿主が
放出する、発芽バキュロウイルスを用いて、該発芽バキ
ュロウイルス中に存在する膜型受容体蛋白質と、リガン
ドとの相互作用を分析する方法を提供する。
の測定方法は特に限定されず、当業者であれば適宜選択
することができる。、一例としては、放射標識したリガ
ンドを用いてリガンド結合能を測定することができる。
具体的には、[3H]などで放射標識したリガンドを含む緩
衝液(結合に適した緩衝液を使用)に膜型受容体蛋白質
を含む発芽バキュロウイルスを加えて反応させる。な
お、反応条件は受容体とリガンドの組み合わせの種類に
より適宜選択する。反応後の反応液を適当なフィルター
等の固相担体に吸着ろ過させて反応停止し、該固相担体
を洗浄および乾燥させ、複合体のみを固相担体上に固定
する。シンチレーションカウンターを用いて固相担体の
放射活性を測定することにより、膜型受容体蛋白質とリ
ガンドとの相互作用(即ち、リガンド結合能)を測定す
ることができる。
する遺伝子及び該相互作用蛋白質と相互作用して機能す
る膜型受容体蛋白質をコードする遺伝子を含む少なくと
も1種の組換えバキュロウィルスとを感染させた宿主が
放出する、発芽バキュロウイルスを用いて、被験物質の
存在下において、該発芽バキュロウイルス中に存在する
膜型受容体蛋白質と、リガンドとの相互作用を分析し、
該相互作用を促進又は阻害する物質をスクリーニングす
る方法を提供する。
は、例えばペプチド、ポリペプチド、合成化合物、微生
物発酵物、生物体(植物又は動物の組織、微生物、又は
細胞などを含む)からの抽出物、あるいはそれらのライ
ブラリーが挙げられる。ライブラリーとしては、合成化
合物ライブラリー(コンビナトリアルライブラリーな
ど)、ペプチドライブラリー(コンビナトリアルライブ
ラリーなど)などが挙げられる。スクリーニングに供さ
れる化学物質は、天然物でも合成物でもよく、また候補
となる単一の化学物質を独立に試験しても、いくつかの
候補となる化学物質の混合物(ライブラリーなどを含
む)について試験をしてもよい。また、細胞抽出物のよ
うな混合物を分画したものについてスクリーニングを行
い、分画を重ねて、所望の活性を有する物質を単離する
ことも可能である。
リガンドとの相互作用を促進又は阻害することが予想さ
れる物質であることが好ましい。本発明のスクリーニン
グ方法により、膜型受容体蛋白質に対する阻害薬または
活性化薬物をスクリーニングすることが可能である。本
発明のスクリーニング方法により得られる、膜型受容体
蛋白質とリガンドとの相互作用を促進又は阻害する物質
も本発明の範囲内である。以下の実施例により本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限
定されるものではない。
組換えバキュロウイルスの調製 BLT1は、アラキドン酸から生成されるロイコトリエ
ンB4(LTB4)の受容体である(Serhan, C. N., Hae
ggstrom, J. Z. and Leslie, C. C. Lipid mediator ne
tworks in cell signaling: update and impact of cyt
okines.(1996)FASEB J. 10, 1147-1158)。BLT1は細胞
膜に存在するG蛋白質共役型受容体であり、LTB4の
特異的結合により細胞内情報伝達が引き起こされる(Yo
komizo, T., Masuda, M., Kato, K., Toda, A., Izumi,
T. and Shimizu, T. LeukotrieneB4 receptor. Clonin
g and intracellular signaling. (2000) Am. J. Respi
r.Crit. Care. Med. 161, S51-S55)。
キュロウイルスの収集 ヒトBLT1全長cDNA(Yokomizo, T., Izumi, T.,
Chang, K., Takuwa,Y. and Shimizu, T. A G-protein-
coupled receptor for leukotriene B4 thatmediates c
hemotaxis. (1997) Nature 387, 620-624)をpBlueBac
4.5TMベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)あるいはp
BlueBacHis2Aへ組み込み、それぞれpBlueBac-BLT1およ
びpBluBac-His-BLT1を作成した。Sf9細胞(Invitrog
en)は完全培地(10%ウシ胎児血清(Sigma)、10
0units/mlペニシリンおよび100μg/mlスト
レプトマイシンを含むGrace's supplemented media(GI
BCOBRL))で27℃で10cm径ディッシュに継代培養
した。大量培養は1L容量のスピナーフラスコ(Wheato
n)にて完全培地に0.001%pluronic F-68(GIBCO
BRL)を添加して行なった。組み換えバキュロウイルス
の作成は説明書(Bac-N-BlueTM Transfection Kit, Inv
itrogen)に従い、Sf9細胞にBac-N-Blue DNA(ApMNPV由
来)とpBlueBac-BLT1あるいはpBluBac-His-BLT1とを共
感染させ組み換えウイルスを作成した。
容体発現のELISAによる解析 Sf9細胞を1L容量のスピナーフラスコ(Wheaton)
に2×106個/ml濃度で500ml培養し、上記
(1)で作成した組み換えウイルスをMOI=5で感染
させ、72時間後の培養液を実験に用いた。培養液は
1,000×g、10分間遠心し、沈澱および上清に分
離した。沈澱は細胞破砕緩衝液(20 mM Tris-HCl pH 7.
4、0.25 M sucrose、10 mM MgCl2、1 mM EDTA、0.5mM P
MSF、2 mM DTT)に懸濁し超音波破砕後、10,000
×g、30分遠心し、さらに上清を100,000×
g、1時間超遠心し、沈澱をリン酸緩衝液(PBS)に
懸濁し細胞膜画分とした。1,000×gの遠心後の上
清は10,000×g、15分遠心後、上清を45,0
00×g、30分遠心し、沈澱をPBSに懸濁後さらに
45,000×g、30分遠心し、沈澱をPBSに懸濁
し発芽型ウイルス画分(BV画分)とした。
体C末端を認識する抗BLT1抗血清(Cayman)を用い
たELISAにより確認した(図1)。その結果、野生
型バキュロウイルスを感染させた場合と比較して、10
0ng以上のタンパク質量のBV画分において受容体の
発現による抗体結合を確認した。また、N末端にHis-ta
gを融合させた受容体発現BV画分について、抗His-tag
抗体を用いたELISAを行なった場合、同様な結果を
確認した(図2)。
液について、0から96時間まで24時間毎に培養液を
採取し、細胞膜画分および1,000×g、10分遠心
後の上清を10,000×g、10分間遠心した上清
(上清画分)を調製し、時間経過における受容体発現量
の変化を確認した(図3)。各時間における細胞膜画分
1μgおよび上清画分200μlを用いて、抗BLT1
抗血清によるELISAを行ない、細胞膜画分では48
時間後から受容体の発現を確認した。上清画分では72
時間後から受容体の発現を確認した。この結果は、72
時間後の培養液中に受容体を含むウイルスが発現するこ
とを示す。
発現量の比較を、抗BLT1抗血清によるELISAに
より行なった(図4)。タンパク質量各1μgにおい
て、BV画分における受容体発現量は細胞膜画分の約1
/2であった。
容体に対するリガンド結合能解析 BV画分および細胞膜画分のリガンド結合能は、各サン
プルに対する[3H]LTB4結合実験により確認した
(図5)。[3H]LTB4結合実験は、[3H]を含むb
inding buffer(50 mM Tris-HCl pH 7.4、10 mM MgC
l2、10 mM NaCl、0.1% fatty acid-free BSA)にLTB
4BV画分あるいは細胞膜画分を加えて反応液量200
μlとし、室温で1時間反応させて行なった。反応液を
GF/C glass microfiber filter(Whatman)に吸着ろ過
させて反応停止し、フィルターを氷冷binding buffer
2mlで3回洗浄後、乾燥させ、シンチレーションカウ
ンターを用いて放射活性を測定した。非特異的結合は反
応液中に10μMの LTB4を加えることで算出し
た。
V画分に対する[3H]LTB4結合量は各受容体発現S
f9細胞膜画分の3〜4倍程度であった。上記(2)お
よびこの結果から、BV画分に発現した受容体は細胞膜
画分に発現したものよりも高いリガンド結合能を持つ割
合が多いことが考えられる。
るG蛋白質共役型受容体およびG蛋白質の共発現 BLT1は細胞内でGi様あるいは一部のGq様G蛋白
質と共役し、LTB4の特異的結合によって共役するG
蛋白質が活性化される(Gaudreau, R., Gouill, C. L.,
Metaoui, S., Lemire, S., Stankova, J. and Rola-Pl
eszczynski, M.Signalling through the leukotriene B
4 receptor involves bothαi andα16, but notα
q orα11G-protein subunits. (1998) Biochem J. 3
35, 15-18)。Sf9に発現するG蛋白質は主にGs様
およびGq様G蛋白質であり、Gi様G蛋白質の発現量
が少ないことが報告されている(Obosi, L., Schuette,
D. G., Europe-Finner, N., Beadle, D. J., Hen, R.,
King, L. A. and Bermudez, I. Functional character
ization of the Drosophila 5-HTdro1 and 5-HTdro 2B s
erotonin receptors in insect cells: activation of
a Gas-like proteinby 5HTdro1 but lack of coupling
to inhibitory G-proteins by 5-HTdro2B.(1996) FEBS
Lett. 381, 233-236)。
量の比較 ラットG蛋白質αおよびβ、γサブユニット(Gαi
1、Gβ1、Gγ2)の各組み換えウイルスとHis-tag
BLT1発現組み換えウイルスとを、2×106細胞/ml
濃度のSf9細胞200mlに各ウイルスあたりMOI
=2で感染させ、72時間後にBV画分を調製し、抗B
LT1抗血清を用いたELISAにより受容体発現を確
認した(図6)。BV画分における受容体発現量は、受
容体発現組み換えウイルスのみを感染させた場合が最も
高く、次いでGαi1組み換えウイルスを加えた場合、
Gβ1およびGγ2組み換えウイルスを加えた場合、G
αi1およびGβ1、Gβ2組み換えウイルスを加えた
場合の順に低下が認められた。このことから、受容体お
よびG蛋白質発現組み換えウイルスをそれぞれMOI=
2で共感染させた場合、感染させるウイルスの種類数が
増えるに従い受容体発現量が低下すると考えられる。ま
た、G蛋白質(Gαi1、Gβ1、Gγ2)の組み換え
ウイルスのみを感染させた場合では、野生型のバキュロ
ウイルスを感染させた場合と同程度に低い抗体結合しか
認められなかった。
合能の比較 ラットG蛋白質αおよびβ、γサブユニット(Gαi
1、Gβ1、Gγ2)の各組み換えウイルスとHis-tag
BLT1発現組み換えウイルスとを、2×106細胞/ml
濃度のSf9細胞200 mlに各ウイルスあたりMO
I=2で感染させ、72時間後にBV画分を調製し、実
施例1の(3)で示したリガンド結合実験によりG蛋白
質の共発現によるリガンド結合能への影響を確認した
(図7)。
0.25nM[3H]LTB4結合能は、His−tag
BLT1発現組み換えウイルスおよびラットG蛋白質α
およびβ、γサブユニット(Gαi1、Gβ1、Gγ
2)を共感染させた場合最も高く、次いで受容体および
Gαi1組み換えウイルスを共感染させた場合、受容体
およびGβ1、Gγ2組み換えウイルスを共感染させた
場合の順に低下した。また、受容体およびGβ1、Gγ
2組み換えウイルスを共感染させた場合では、受容体発
現組み換えウイルスのみを感染させた場合とリガンド結
合能は変化しなかった。この結果から、受容体のリガン
ド結合能はG蛋白質αサブユニットが共発現することに
より増加し、さらにG蛋白質αおよびβ、γサブユニッ
トを共発現させることにより最も高くなることを確認し
た。
から2nM濃度[3H]LTB4の結合活性を確認した
(図8)。受容体およびG蛋白質αおよびβ、γサブユ
ニットを共発現させた場合、受容体のみを発現させた場
合よりも低リガンド濃度での結合活性が上昇した。この
結果は、受容体とG蛋白質αおよびβ、γサブユニット
とをBV画分に共発現させることにより、発現した受容
体がリガンドに対して高親和性に結合することを示して
いる。
容体などの複合体を作って機能する膜型受容体を発現す
ることが可能となり、結合を阻害するあるいは模倣する
物質やシグナル伝達を阻害あるいは模倣する物質のスク
リーニングに使用することができる。
よるELISAの結果を示す。
よるELISAの結果を示す。
T1抗血清ELISA)を示す。
体ELISA)を示す。
活性の比較を示す。
イルスを共感染した発芽ウイルスにおけるBLT1の発
現(抗BLT1抗血清によるELISA)を示す。
ニット組み換えウイルスを共感染したBV画分に対する
[3H]LTB4の結合を示す。
た発芽ウイルスにおける[3H]LTB4結合活性を示
す。
Claims (14)
- 【請求項1】 相互作用蛋白質をコードする遺伝子及び
該相互作用蛋白質と相互作用して機能する膜型受容体蛋
白質をコードする遺伝子を含む少なくとも1種の組換え
バキュロウィルスを感染させた宿主を培養し、該宿主か
ら放出される発芽バキュロウイルス中に該相互作用蛋白
質と該膜型受容体蛋白質とを同時発現させることを含
む、機能を有する膜型受容体蛋白質を発現する方法。 - 【請求項2】 相互作用蛋白質をコードする遺伝子を含
む少なくとも1種の組換えバキュロウィルスと、該相互
作用蛋白質と相互作用して機能する膜型受容体蛋白質を
コードする遺伝子を含む少なくとも1種の組換えバキュ
ロウィルスとを感染させた宿主を培養し、該宿主から放
出される発芽バキュロウイルス中に該相互作用蛋白質と
該膜型受容体蛋白質とを同時発現させることを含む、請
求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 相互作用蛋白質をコードする遺伝子及び
該相互作用蛋白質と相互作用して機能する膜型受容体蛋
白質をコードする遺伝子を含む少なくとも1種の組換え
バキュロウィルスを感染させた宿主を培養し、該宿主か
ら放出される発芽バキュロウイルスを回収することを含
む、生理活性を有する膜型受容体蛋白質の調製方法。 - 【請求項4】 相互作用蛋白質をコードする遺伝子を含
む少なくとも1種の組換えバキュロウィルスと、該相互
作用蛋白質と相互作用して機能する膜型受容体蛋白質を
コードする遺伝子を含む少なくとも1種の組換えバキュ
ロウィルスとを感染させた宿主を培養し、該宿主から放
出される発芽バキュロウイルスを回収することを含む、
請求項3に記載の方法。 - 【請求項5】 相互作用蛋白質が共役蛋白質である、請
求項1から4の何れかに記載の方法。 - 【請求項6】 相互作用蛋白質がG蛋白質であり、膜型
受容体蛋白質がG蛋白質共役型受容体蛋白質である、請
求項1から5の何れかに記載の方法。 - 【請求項7】 宿主が昆虫細胞又は昆虫幼虫である、請
求項1から6の何れかに記載の方法。 - 【請求項8】 相互作用蛋白質をコードする遺伝子及び
該相互作用蛋白質と相互作用して機能する膜型受容体蛋
白質をコードする遺伝子を含む少なくとも1種の組換え
バキュロウィルスを感染させた宿主が放出する、発芽バ
キュロウイルス。 - 【請求項9】 相互作用蛋白質が共役蛋白質である、請
求項8に記載の発芽ベキュロウイルス。 - 【請求項10】 相互作用蛋白質がG蛋白質であり、膜
型受容体蛋白質がG蛋白質共役型受容体蛋白質である、
請求項8又は9に記載の発芽バキュロウイルス。 - 【請求項11】 宿主が昆虫細胞又は昆虫幼虫である、
請求項8から10の何れかに記載の発芽バキュロウイル
ス。 - 【請求項12】 請求項8から11の何れかに記載の発
芽バキュロウイルスを用いて、該発芽バキュロウイルス
中に存在する膜型受容体蛋白質と、リガンドとの相互作
用を分析する方法。 - 【請求項13】 請求項8から11の何れかに記載の発
芽バキュロウイルスを用いて、被験物質の存在下におい
て、該発芽バキュロウイルス中に存在する膜型受容体蛋
白質と、リガンドとの相互作用を分析し、該相互作用を
促進又は阻害する物質をスクリーニングする方法。 - 【請求項14】 請求項13に記載のスクリーニングす
る方法により得られる、膜型受容体蛋白質とリガンドと
の相互作用を促進又は阻害する物質。
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