JP2003035303A - 流体圧駆動装置 - Google Patents

流体圧駆動装置

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JP2003035303A
JP2003035303A JP2001222792A JP2001222792A JP2003035303A JP 2003035303 A JP2003035303 A JP 2003035303A JP 2001222792 A JP2001222792 A JP 2001222792A JP 2001222792 A JP2001222792 A JP 2001222792A JP 2003035303 A JP2003035303 A JP 2003035303A
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Japan
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bellows
heater
fluid
liquid phase
gas
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JP2001222792A
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Shinichi Matsuda
信一 松田
Shigeo Kato
重雄 加藤
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Fujinon Corp
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型で少ない流体の容積でありながら、流体を
短時間で多量に気化させて高い駆動力を得ることができ
る流体圧駆動装置を提供する。 【解決手段】流体圧駆動装置である気液相アクチュエ−
タ10は、ベロ−ズ12と、ベロ−ズ12に充填された
液化気化可能な作動流体16と、作動流体16を気化さ
せる熱を発生するヒ−タ18とから構成される。また、
ヒータ18は、ベローズ12の軸方向に平行でベローズ
12の中心軸13に対して上方位置に取り付けられてい
る。これにより、ヒータ18によって核沸騰域で気化さ
れた作動流体16は、還流や反射などの過程を経ずに、
ベローズ12の伸縮部位に迅速に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体圧駆動装置に係
り、特にベローズ内に充填された流体を気化させてベロ
ーズを伸長させることにより駆動力を得る流体圧駆動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属ベローズ内に作動流体を封入すると
ともにヒータを取り付け、ヒータによって作動流体を急
速加熱することで急速気化を生じさせ、これによって生
起させた急速膨張により、金属ベローズの軸方向推力を
得ることで高い駆動力を発生させる流体圧駆動装置が提
案されている。
【0003】この流体圧駆動装置の構造及び動作原理を
図17、図18を参照して説明する。流体圧駆動装置1
のベローズ2は、その先端部2Aが封止されるととも
に、その開放基端部2Bが固定部材3に取り付けられて
封止されている。また、ベローズ2内には作動流体4が
充填され、さらに、ヒータ5及びサーミスタ6がベロー
ズ2の軸方向に沿って取り付けられている。ヒータ5に
は、電線7を介して電流が供給されるようになってい
る。
【0004】ベローズ2に充填される作動流体4には、
気液相変化を瞬時に行うことができるものが使用され
る。例えば、フッ素系不活性液体が作動流体4として用
いられ、その沸点は30℃〜102℃のものがあり、用
途条件によって選択可能である。
【0005】このように構成された流体圧駆動装置1
は、組立時においてはベローズ2に作動流体4が充填さ
れてベローズ2内が負圧に保持されている。したがっ
て、ベローズ2は、図17の如く収縮している。この
後、ヒータ5に所定の電力を供給すると、作動流体4が
ヒータ5によって加熱され、気化することによりベロー
ズ2内に正圧が発生し、ベローズ2が図17上で左方向
に伸長する。この伸長動作(推力)によって駆動力が発
生する。その後、電流を切ると、気化した作動流体4が
自然冷却されて再び液化し、ベローズ2が自己のバネ性
復元力で収縮するので、図17に示した収縮状態に戻
る。
【0006】一方、図19には、前述の流体圧駆動装置
1よりも高い推力を発生させるように工夫がなされた流
体圧駆動装置が示されている。
【0007】図19に示す流体圧駆動装置は、ヒータ5
全体を耐熱性のある材料、例えば石英の筒(以下、「ヒ
ータシュラウド」と称する)8に収納し、加熱された作
動流体4から放出される蒸気泡9をジェット噴流として
金属ベローズ2の軸方に噴出させ、ベローズ2の素早い
膨張・伸長を図っている。
【0008】噴出した作動流体4の補充のために、ヒー
タシュラウド8の基部には作動流体4の還流孔8Aを開
口し、周辺からの作動流体4の還流・補充を図ってい
る。
【0009】この流体圧駆動装置は、ベローズ2を電気
鋳造法によって精密に生成し、単層又は多層メッキ(例
えば、銅やニッケル)によって形成している。このた
め、メッキ膜が脆い性質であることから収縮運動に対し
ては耐久性が劣る。したがって、大きな打撃力や軸方向
推力は期待できない。
【0010】そこで、本願出願人は、ステンレス鋼板を
打ち抜いて、これらの内周外周を交互に溶接した構造の
ベローズを製造することで、高い耐久性のあるベローズ
を提案している(特願2001−146641号)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の流体圧駆動装置は、素材であるステンレスの剛性が
ないことからベローズの膨張時の抵抗力が大きいので、
瞬時に駆動力を発揮することができず、また、所望の駆
動力を得るためには、多量の流体が必要になりまた大量
の気化を瞬時に得るために大電流をヒータに流す為、ヒ
ータの被覆材の耐熱性を高める必要があり流体圧駆動装
置全体が大型化するという欠点があった。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、気泡が還流によって運ばれるのではな
く、伸縮に寄与するベローズに直接配分され、膨張圧力
に基づく内部応力を均等に発生させるので、伸縮駆動に
膨張気体を効果的に利用できるようにし、小型で少ない
流体の容積でありながら、流体を短時間で多量に気化さ
せて高い駆動力を得ることができる流体圧駆動装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、伸縮可能なベローズと、該ベローズに充
填された気液相変化流体と、該ベローズ内に取り付けら
れ、前記流体を気化させる熱量を発生してベローズ内の
圧力を高めることによりベローズを伸張動作させる発熱
手段とを備えた流体圧駆動装置において、前記発熱手段
は、前記ベローズの軸方向に平行でベローズの中心軸に
対して上方位置に取り付けられていることを特徴とす
る。
【0014】請求項1に記載の発明によれば、発熱手段
を、ベローズの軸方向に平行でベローズの中心軸に対し
て上方位置に取り付けたので、発熱手段により核沸騰域
で気化された流体は、気泡吸収するサブクール沸騰(流
体中の長い経路をたどるときに流体の熱容量に気泡が吸
収される現象)を軽減し還流や反射などの過程を経ず
に、ベローズの伸縮部位に迅速に供給される。これによ
り、本発明は、小型で少ない作動流体の容積でありなが
ら、流体を短時間で多量に気化させて高い駆動力を得る
ことができる。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、ベローズ
に取り付けられた温度測定手段と発熱手段との間に隔壁
を設けたので、発熱手段の幅射熱が温度測定手段に悪影
響を及ぼすのを防止できる。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、隔壁の発
熱手段側の面に、該発熱手段からの輻射熱を発熱手段側
に反射する熱反射膜を形成したので、温度測定手段に対
する輻射熱の影響を更に軽減することができる。
【0017】本発明に係る、流体の瞬間的な気化現象に
依存する流体圧駆動装置は、沸騰が高い熱伝達力を持
ち、ヒータの熱が流体に伝わり、流体が瞬時に沸騰する
ことによって気化する現象に着目している。流体中のヒ
ータに通電し加熱する場合、流体は、その温度上昇に伴
って、自然対流、サブクール沸騰、飽和沸騰、ヒータの
バーンアウト、膜沸騰に順次移行する。ここでは、飽和
沸騰からヒータのバーンアウト直前の領域、すなわち、
核沸騰域において加熱条件を制御し、気化膨張・冷却収
縮の現象を利用するものである。また、沸騰が始まる
と、自然対流時と比べ熱伝導率が100〜1000倍に
増大することが知られているので、早期に沸騰状態を形
成することが効果的である。
【0018】ここで、単位面積A(m2 ) 当たり単位時
間に移動する熱量の大きさは熱流束qと呼ばれ、このと
きに移動する全熱量Q(W)との関係は、 q=Q/A で示される。
【0019】ヒータの抵抗Rとそこにかかる電圧Vはオ
ームの法則から Q=IV=V2 /R が求められ、これを上の式に代入すると q=V2 /AR となり、分母は流体圧駆動装置設計による固定条件であ
るから、電圧を大きくすると2乗で効き熱流束が大きく
なり、流体の気化が進み、結果としてベローズの素早い
膨張に寄与する。
【0020】この傾向の現象は図20に示すように、発
明者の実験でも確認されている。図20の横軸は電圧印
加後の経過時間を示し、縦軸はベローズの変位量(m
m)を示している。同図の如く、一定のベローズ変位に
至る時間が高い電圧(20V)で早く、低い電圧(10
V)で大きく遅くなることが確認された。この実験によ
って、ヒータ自身のバーンアウト(焼損)温度に、ある
程度余裕を持った温度幅を差し引いた温度に対応する許
容限度の高い電圧を印加すれば、流体を最大限に気化で
きることが確認され、ベローズの素早い動作に寄与でき
る。
【0021】また、急速に一定変位が得られる結果、流
体自身への蓄熱が最少で済み、パルス状の駆動間隔も小
さくできる。実用にあたっては、この自然放冷に加え若
干の強制空冷を補うことで更にパルス駆動間隔を小さく
できる。
【0022】次に、図17〜図19の流体圧駆動装置に
見られるように、流体圧駆動装置の組み込み機器の小型
化にあわせ、流体圧駆動装置自身の小型化を図る必要が
あるため、ヒータ5はベローズ2と同軸で中央部に配置
されている。気化した作動流体4はベローズ2内で上昇
するので、ベローズ2の蛇腹状伸縮部位の外周は移動
し、ここでの膨張によって発生する圧力によってベロー
ズ伸縮部位を直接押し広げることになる。
【0023】図21には、流体圧駆動装置を水平に設置
した時の、気化した部分と液体の部分が示されている。
ベローズ2の先端の半球部2Cは推力に寄与せず、効率
を妨げる結果となっている。発明者らは、図17、図1
8に示す半球部を無くした形状、すなわち、ベローズ2
の全てを伸縮部位で構成した構造を提案している。
【0024】図21においては、気泡を含んだ流体が、
ヒータシュラウド8から勢い良く吐出されて半球部2C
の内壁に当たり、跳ね返ってヒータシュラウド8の外周
に沿って還流し、各伸縮部位に気泡を運んで行くことを
狙っている。
【0025】しかしながら、より高い駆動力や推力を瞬
時に得ようとすれば、還流のプロセスを廃止し、直接的
に気泡がベローズ2の伸縮部位に運ばれることが望まし
い。一方、往復動作を考えて、流体圧駆動装置として高
い利便性を得るためには、収縮が速やかに行なわれる必
要がある。金属製ベローズは、ばね定数を持っているの
で、内部圧力が低下すると収縮する。気化された流体が
冷却されて液体に戻るために、ベローズがヒートシンク
の機能を果たし放熱冷却される。ヒートシンク効果によ
って急速に冷却されるためには、ベローズ外の媒体、例
えば空気や水が流体の沸点に対し十分低いことが望まれ
る。この温度差の大きさが冷却収縮の早さに大きく関与
している。本発明の例では、C5 11NOを用いて流体
の沸点は50℃であり、金属ベローズ外の媒体を室温2
5℃の空気と考えた場合は、温度落差25℃である。ま
た、塩素を持たないフッ素系不活性液体はいくつかの種
類があって、例えば102℃など、沸点の高いものも選
択できる。
【0026】したがって、流体の沸点の選択と金属ベロ
ーズ周囲の媒体の選択によって、膨張・収縮の性能を選
択できる。
【0027】しかしながら、気化した流体がベローズを
経由して周囲の媒体に熱伝達することは、時間を要す
る。そこで、流体圧駆動装置を構成する主な要素である
ベローズと封入された流体の熱容量は、パルス状に印加
された電圧によって生起されるパルス状の核沸騰におけ
る発生熱量を、電源OFF直後に吸収できる十分な大き
さに設定される。ベローズは、極力薄くしなやかな動作
特性に寄与することから熱容量を大きくできない。むし
ろ、直接的に流体の熱容量、すなわち、体積を適切に設
定することが望ましい。従来の構造では、ヒータの大き
さに最少の容積を設定したが、本発明ではヒータを包含
する体積の2倍以上の内径を有する金属ベローズに流体
を封止することも特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る流体圧駆動装置の好ましい実施の形態について詳説す
る。
【0029】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
流体圧駆動装置10の断面図である。同図に示す流体圧
駆動装置10はステンレス製ベローズ12を有し、この
ベローズ12を水平方向に向けて、すなわち、ベローズ
12の中心軸13が水平になるように設置されて使用さ
れる。ベローズ12は、その先端部12Aが封止板30
によって封止されるとともに、その開放基端部12Bが
固定部材14に取り付けられて封止されている。また、
ベローズ12内には作動流体(流体に相当)16が充填
され、さらに、コイルヒータ(発熱手段に相当)18が
ベローズ12の軸方向に沿って配設されている。ヒータ
18には、電線20を介して電流が供給される。
【0030】ベローズ12に充填される作動流体16に
は、塩素を含まない弗化炭素であるC5 11NOが作動
流体16として用いられ、その沸点は摂氏50℃であ
る。
【0031】このように構成された流体圧駆動装置10
は、組立時においてはベローズ12に作動流体16が充
填されてベローズ12内が負圧に保持されている。した
がって、ベローズ12は、図1の如く収縮している。次
に、ヒータ18に所定の電力を供給すると、作動流体1
6がヒータ18によって加熱され、気化することにより
ベローズ12内に正圧が発生し、ベローズ12が図1上
で左方向に伸張する。その後、電流を切ると、気化した
作動流体16が自然冷却されて再び液化し、ベローズ1
2が自己の復元力で収縮するので図1に示した収縮状態
に戻る。
【0032】ステンレス製のベローズ12は、半径方向
の膨張は僅少で、軸方向に大きく膨張変位することで駆
動力(推力)を発生する。 同時に、ベローズ12がステ
ンレスであることから、ばね常数に相当する膨張時の抵
抗力、すなわち冷却時の復元力が発生する。これによ
り、ヒータ18の加熱と冷却とによって制御可能な往復
運動の動力源をなすことができる。この運動に、脈動す
る源はなく、専らベローズ12の伸縮により駆動力が生
ずることから、振動も発生しない。
【0033】このように構成された流体圧駆動装置10
は、流体の気液相変化による圧力を利用して被動作部を
動作させるものであるから、以下、流体圧駆動装置10
を気液相アクチュエータ10と改称し、同一の符号を用
いて説明する。
【0034】気液相アクチュエータ10のベローズ先端
部12Aは、被動作部に駆動力を伝達することが可能な
構造に構成されている。例えば、体腔内施術装置等の打
撃子(被動作部)側と連結するための封止板30は、ベ
ローズ12と同一材料で形成される。封止板30のベロ
ーズ12側には、溶着のためにベローズ薄板と同一厚さ
の封止溶着部位が形成され、例えばYAGレーザー等を
用いてベローズ先端部12Aとともに溶接封止される。
封止板30のもう一方の端には、作動軸32がベローズ
12と同軸上に突設されるとともに、作動軸32の先端
部には、打撃子側に連結される雄ねじ34が形成されて
いる。
【0035】封止板30を有するベローズ12のもう一
方の端においては、ベローズ12と同一材料による取付
けフランジ36が図2の如く溶着される。溶着封止の方
法は、封止板30と同じ方法である。
【0036】取付けフランジ36には、気液相アクチュ
エータ10を固定部に取り付けるための舌状片38と、
この舌状片38に開口されたねじ挿入用孔40と、ヒー
タープラグ42を取り付けるための雌ねじ44とが形成
される。取付けフランジ36に取り付けられるヒーター
プラグ42は、雌ねじ44にねじ込まれる雄ねじ46、
密閉のためのOリング48、スパナ掛け部(図では六角
ナットの形状)50、ヒータ18及びサーミスタ(温度
測定手段に相当)52を絶縁封止するハーメチックシー
ル54、ヒータ用電極56、56及びサーミスタ用電極
58、58によって構成される。
【0037】前述の作動流体16であるC5 11NO
を、ベローズ12内に一定量封入した後、ヒータープラ
グ42を取り付けて気液相アクチュエータ10を完成さ
せる。図3は完成した気液相アクチュエータ10の斜視
図である。
【0038】ところで、図1に示した気液相アクチュエ
ータ10は、ヒータ18がベローズ12の軸方向に平行
で、ベローズ12の中心軸13に対して所定量上方位置
に設置されている(図4参照)。
【0039】ベローズ12を効率的に伸長させる場合に
は、ヒータ18により核沸騰域で気化された作動流体1
6を、還流や反射などの過程を経ずに、ベローズ12の
伸縮部位に迅速に供給すればよい。また、同様に伸縮部
位に充填された気体を、迅速に冷却することが、ベロー
ズ12を効率的に収縮させる点で好ましい。このため、
ヒータ18が図4の如く、ベローズ12の軸方向に平行
で、中心軸13から上方(天側)に所定量ずれた位置に
配置されている。
【0040】この構成により、作動流体16はヒータ1
8によって加熱されて核沸騰域で瞬時に気化し、ベロー
ズ12の外郭12Cと内郭12Dとの間に形成される伸
縮部位12Eに充填されて膨張する。気化による作動流
体16の体積減少量と、金属ベローズ12の伸びによっ
て形成される空間12Fに気化した作動流体16Aが瞬
時に充填される。
【0041】ベローズ12の伸縮部位12Eの拡大によ
って、気化した作動流体16Aの充填体積は瞬時に増大
し、そして、水位は下がり、気化した作動流体16Aの
占有体積が増加する。ヒータ18によって生成された作
動流体16の気体は、ヒータ18が中心軸13に対して
上方にあることと作動流体16の水位が下がったことと
に相まって、作動流体16に熱吸収されることなく安定
して気化される。また、作動流体16の還流が軸対象に
形成されるが、比較的浅い還流となるために、気泡の生
じ易い温度の高い作動流体16の還流となって、気泡が
発生し易い環境となる。
【0042】例えば、ベローズ12の内郭である内径1
0mm、同様に外郭である外径18mmのステンレス製
ベローズ12において、包括直径が3mmのヒータ中心
を、ベローズ12の軸中心13に対し約1mmずらし、
その方向を上として設定した場合、最高の出力を得るこ
とができた。その結果を図5に示す。
【0043】図5の横軸は、ベローズ12の中心軸13
に対するヒータ16の位置を示し、縦軸はベローズ12
の推力を示している。同図の如く、ヒータ16をベロー
ズ12の中心軸13に対して上下左右位置に設置して推
力を比較すると、中心軸13の上方に設置した場合が最
も高い推力を得ることができた。具体的には、ヒータ1
6を中心軸13の上方に設置した場合の推力を100%
とした場合、左右位置の推力が約75%であり、下位置
が60%であった。
【0044】図6〜図8は、第2の実施の形態の気液相
アクチュエータ60を示しており、図1〜図4に示した
第1の実施の形態の気液相アクチュエータ10と同一又
は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
【0045】気液相アクチュエータ60は、ベローズ1
2内にサーミスタ52等の温度センサを配置し、作動流
体16の温度を測定して供給電圧のパルス幅を変え、ベ
ローズ12内の作動流体16の気化量を制御することで
動作を制御している。この場合、ヒータ18の輻射熱が
サーミスタ52に影響を及ぼすと制御上好ましくない。
そこで、図6〜図8のように、輻射熱を遮断する矩形状
の隔壁62をヒータ18とサーミスタ52との間でベロ
ーズ12の中心軸13と平行に設置し、ヒータ18の輻
射熱がサーミスタ52に伝わらないようにしている。
【0046】また、隔壁62は図8の如く、ヒータ18
の輻射熱によって、膨張に寄与しない作動流体16の不
要な昇温を抑えることができる。また、隔壁62によっ
て、ベローズ12内が暖室12Gと冷室12Hに二分さ
れ、これにより、暖室12Gと冷室12Hに熱落差が生
じるので、収縮部位を円周状に還流する、熱せられた作
動流体16は、冷室12Hで短時間で冷却されることに
なる。よって、冷室12Hで短時間で冷却された作動流
体16は、ベローズ収縮時の熱吸収体として機能する。
また、隔壁62には還流を促す孔64が形成されてい
る。
【0047】一方、図8に示す隔壁62の断面形状は平
板であり、暖室12Gと冷室12Hの体積比がほぼ1:
1であるが、例えば図9に示すように、断面形状が円弧
やV字形状等の隔壁66を使用し、暖室12Gと冷室1
2Hの体積比を適宜変えることもできる。
【0048】また、隔壁62、66は単なる暖室12G
と冷室12Hの区分けにとどまらず、さらに気化効率を
上げるために、表面または隔壁62、66が透明な場合
は、ヒータ18側の面に反射部材の薄膜を形成し、遮熱
・遮光とともに熱反射の手段をとることが好ましい。こ
れにより、ヒータ18の輻射熱の影響をより一層軽減す
ることができる。
【0049】更に、隔壁62、66の断面を放物線や楕
円等を含め、ヒータ18を焦点位置に置く最適化、また
ヒータ断面形状を考慮に入れて形状を最適化し、上方へ
の発熱効率を上げる形状を採用することが好ましい。
【0050】また、ヒータ18はコンスタンタン線など
をコイル状にし、作動流体16との接触面積を最大化す
ることが一般的であるが、図10の如くコイルの配列
を、ベローズ12の軸方向に並列した複数の配列にする
ことによって、作動流体16の気化を更に促進すること
ができる。もちろん、平板の形状断面が凹凸するヒータ
も適用できる。
【0051】図11は、気液相アクチュエータ60を適
用した結石等破砕装置70の断面構造図である。
【0052】この結石等破砕装置70は、気液相アクチ
ュエータ60が内蔵された装置本体72、及び結石に向
けて人体に挿入される挿入部74から構成される。な
お、装置本体72は、操作者が把持しやすい形状に形成
されている。
【0053】挿入部74の先端部には、金属製等の強固
な打撃子76が設けられ、その先端は破壊に有利な形
状、例えば十字状にすり割りを入れた鋭利な先端部77
を有するとともに、破壊された結石片を吸引し、吸入空
気の力によって外部へ搬出するための管路78を有して
いる。この打撃子76は、接着や圧入等の手段で確実に
ガイドチューブ80と固着されている。
【0054】ガイドチューブ80は、人体における結石
部位からの距離に応じた適切な長さを有し、適度な圧縮
・引張抗力を有する素材、例えばフッ素系の樹脂が用い
られ、吸入圧に対し管路が変形しないような肉厚と硬さ
が選定されている。ガイドチューブ80の他端は、金属
製または強化プラスチックを用いたプラグ82に固着さ
れている。このプラグ82は、交換着脱のためにねじ等
の結合部83を有し、打撃子76、ガイドチューブ8
0、及びプラグ82の管路が砕石片で詰まったり、構造
的な損傷等があったりした場合に速やかに交換可能とな
っている。
【0055】プラグ82が係合する吸引バルブ84は、
本体ケース86の摺動孔87に摺動するロッド形状の摺
動軸88をなし、吸引された砕石片を吸引機(不図示)
に導く吸引チューブ90が取り付けられている。吸引バ
ルブ84が固定されている摺動軸88は、図11、図1
2に示す洗浄ブラシ92等の補助具を挿入するための補
助具挿入孔94と吸引時のための封止キャップ(不図
示)、補助具を固定する固定ねじ98を併せもってい
る。
【0056】図12に示した洗浄ブラシ92は、把持リ
ング92A、ブッシュ92B、ガイドワイヤ92C、及
びブラシ部92Dから構成される。洗浄ブラシ92は、
ブッシュ92Bが図11の如く補助具挿入孔94に嵌合
された状態で使用される。
【0057】また、摺動軸88は、水平に設置された気
液相アクチュエータ60の雄ねじ34に締結されてい
る。これにより、気液相アクチュエータ60の推力が摺
動軸88、吸引バルブ84、プラグ82、及びガイドチ
ューブ80を介して打撃子76に伝達し、砕石に必要な
打撃力を結石に与える。
【0058】気液相アクチュエータ60は、フランジ1
02を介してハウジング104に固定され、作動軸32
が摺動可能で且つ膨張量を規制するストッパの役目をな
すハウジング端106が形成される。
【0059】気液相アクチュエータ60の作動流体16
をヒータ18で加熱すると、瞬時に50℃を越えて作動
流体16が気化膨張し、ベローズ12が伸長することに
より推力が水平方向に発生する。ベローズ12は蛇腹状
なのでヒートシンクの機能を持ち、加熱された作動流体
16を放熱冷却するとともに、ばね用ステンレス鋼板を
用いた多段ばねとして形成され、ベローズ12全体では
ばね定数を持ち、一旦加熱によって気化された作動流体
が冷却され、50℃を下回って液相に戻る時、自ら収縮
の運動をなす。この際、ハウジング102に設けられた
冷却ガス噴射孔108から冷気を供給すると、急速に液
相が再現され収縮が迅速に行われる。急速冷却に用いた
ガスの排出は、ハウジング102に設けられた排出孔1
10を経由し、排気管112を介して排気スリット11
4から外部に放出される。
【0060】冷却に用いるガスは、外部から連続供給さ
れるガスを使用することも可能であるが、図11ではボ
ンベ116等の圧力容器に収納され交換可能な状態に組
み込まれた例を示している。
【0061】結石等破砕装置70の操作者が、本体ケー
ス86から露出する揺動スイッチ118の上端側118
Aを時計周り方向に回動させ、ボンベ116のノズルヘ
ッド117を押すと、ノズルヘッド117に内蔵された
閉止弁(不図示)が開放することによりボンベ116内
のガスが放出され、放出停止はノズルヘッド117の無
負荷の時に前記閉止弁が自動的に閉止する。
【0062】一方、揺動スイッチ118の下端側118
Bを反時計周り方向に回動させると、無負荷状態では離
間しているメインスイッチSW2の接点が閉じ、メイン
スイッチSW2がオンされる。メインスイッチSW2が
オンされると、装置本体72内の駆動ユニット124に
より後述のようにベローズ12内のヒータ18に電圧が
印加され、打撃力が発生する。
【0063】メインスイッチ118に隣接して設けられ
たロータリースイッチノブ120は、図13に示すよう
にOFF、単発、連発のいずれかを選択するためのもの
で、OFFが選択されている場合には、上記メインスイ
ッチSW2をオンしても、ベローズ12内のヒータ18
には電圧が印加されず、気液相アクチェータ60は駆動
されない。一方、単発が選択されている場合には、メイ
ンスイッチSW2をオンすると、単発のパルス電圧がベ
ローズ12内のヒータ18に印加され、単発の打撃力が
発生する。連発が選択されている場合には、メインスイ
ッチSW2をオンすると、3連発のパルス電圧がベロー
ズ12内のヒータ18に印加され、3連発の打撃力が発
生する。
【0064】これらの動作に必要な電源、すなわち、駆
動ユニット124内の回路部品やベローズ12内のヒー
タ18等に供給する電源には、本体ケース86に収納さ
れる電池122が用いられる。なお、AC/DCコンバ
ータ等を経由した外部電源を用いることもできる。電池
122等からの電源供給を有効にする場合には、電源ス
イッチSW1をオンにする。図11において符号128
は、吸引チューブ90のクリップであり、符号130は
クリップねじ、また、符号132は、電池キャップであ
る。
【0065】図14は、気液相アクチュエータ60を駆
動する上記駆動ユニット124の構成を示したブロック
図である。
【0066】同図に示すように駆動ユニット124は、
電池122により充電される複数の2次電源部206、
208、210を備えており、これらの2次電源部20
6、208、210により気液相アクチュエータ60の
ヒータ18にパルス電圧(電流)を供給する構成となっ
ている。なお、上述のように商用交流電源等の外部電源
をAC/DCコンバータにより直流電源に変換し、その
直流電源を電池122の代わりとしてもよい。また、各
2次電源部206、208、210を区別していう場合
には、それぞれ初段2次電源部206、2段2次電源部
208、3段2次電源部210という。
【0067】同図の電源スイッチSW1は、電池122
からの電源供給を有効/無効に切り替えるスイッチであ
り、電源スイッチSW1をオンにすると、電池122か
ら出力された電圧がDC/DCコンバータ回路216に
より昇圧され、その昇圧された電圧が各2次電源部20
6〜210に供給され、また、その他の各回路部品に供
給される。
【0068】各2次電源部206、208、210は、
充電用のコンデンサ(後述)を備えており、電池122
から供給された電荷がそれらのコンデンサに蓄積され、
各2次電源部206、208、210の充電が行われ
る。なお、各2次電源部206、208、210の充電
が完了した場合には、各2次電源部206、208、2
10に対応して設けられる表示LED218、220、
222が点灯する。
【0069】同図に示すロータリースイッチSRは、図
11に図示したロータリースイッチノブ120に連動す
るスイッチであり、気液相アクチュエータ60の動作に
ついて単発か連発かを選択し、又は、安全確保等のため
の動作オフを選択するスイッチである。同図に示すメイ
ンスイッチSW2は、図11に図示した揺動スイッチ1
18によりオン/オフされるスイッチであり、ロータリ
ースイッチSRで選択された動作内容により気液相アク
チュエータ60を実際に起動させるスイッチである。
【0070】ロータリースイッチSRによって連発を選
択した場合、メインスイッチSW2をオンすると、DC
/DCコンバータ216から供給される電圧がメインス
イッチSW2及びロータリースイッチSRを介して初段
2次電源部206に起動信号(High電圧)として与えら
れる。これによって、まず、初段2次電源部206のコ
ンデンサに充電されている電荷が放電され、初段2次電
源部206から駆動部204にパルス電圧が供給され
る。駆動部204は、後述のように気液相アクチュエー
タ60の動作を保障するための回路であり、正常時に
は、初段2次電源部206から供給されたパルス電圧が
そのまま駆動部204を介してヒータ18に供給され
る。これにより、ベローズ12が伸張し、まず、打撃子
76による1発目の打撃力が発生する。
【0071】初段2次電源部206のコンデンサに蓄積
された電荷が放電された結果、そのコンデンサの充電電
圧が減少すると、ヒータ18に印加される電圧が減少
し、ベローズ12が元の状態に収縮すると共に、コンデ
ンサの充電電圧が所定電圧より小さくなると、次いで初
段2次電源部206から2段2次電源部208に起動信
号(High電圧)が与えられる。これによって、初段2次
電源部206と同様に2段2次電源部208のコンデン
サに蓄積された電荷が放電され、駆動部204を介して
ヒータ18にパルス電圧が供給される。これにより、ベ
ローズ12が再度伸張し、打撃子76による2発目の打
撃力が発生する。
【0072】続いて、2段2次電源部208のコンデン
サに蓄積された電荷が放電された結果、そのコンデンサ
の充電電圧が減少すると、ヒータ18に印加される電圧
が減少し、ベローズ12が元の状態に収縮すると共に、
コンデンサの充電電圧が所定電圧より小さくなると、次
いで2段2次電源部208から3段2次電源部210に
起動信号(High電圧)が与えられる。これによって、初
段2次電源部206、2段2次電源部208と同様に3
段2次電源部210のコンデンサに蓄積された電荷が放
電され、駆動部204を介してヒータ18にパルス電圧
が供給される。これにより、ベローズ12が再度伸張
し、打撃子76による3発目の打撃力が発生する。
【0073】3段2次電源部208のコンデンサに蓄積
された電荷が放電された結果、そのコンデンサの充電電
圧が減少すると、ヒータ18に印加される電圧が減少
し、ベローズ12が元の状態に収縮し、気液相アクチュ
エータ60の連発動作が終了する。このように、初段か
ら3段までの各2次電源部206、208、210から
ヒータ18に順次パルス電圧が供給されることにより3
連発の打撃動作が実行される。なお、各パルス電圧は約
1秒間隔で発生する。
【0074】一方、ロータリースイッチSRによって単
発を選択した場合、メインスイッチSW2をオンする
と、DC/DCコンバータ216から供給される電圧が
メインスイッチSW2及びロータリースイッチSRを介
して3段2次電源部210に起動信号(High電圧)とし
て与えられる。これによって、上述と同様に3段2次電
源部210のコンデンサに充電されている電荷が放電さ
れ、3段2次電源部210から駆動部204を介してヒ
ータ18にパルス電圧が供給される。3段2次電源部2
10のコンデンサに蓄積された電荷が放電されると、ヒ
ータ18へのパルス電圧の供給が終了する。このように
ロータリースイッチSRによって単発を選択した場合に
は、3段2次電源部210からのみ単発のパルス電圧が
ヒータ202に供給され、単発の打撃動作が実行され
る。
【0075】上記駆動部204は上述のように各2次電
源部206、208、210から与えられるパルス電圧
をヒータ18に供給するとともに、気液相アクチュエー
タ60の動作保障のため所定の条件のときにはヒータ1
8への電圧供給を強制的に禁止する。気液相アクチュエ
ータ60のベローズ12内には上述のようにサーミスタ
52が設置されており、サーミスタ52からの信号に基
いてベローズ12内の温度が過熱保護検出部232によ
って検出されている。その検出された温度が一定温度以
上になった場合には、過熱保護検出部232からOR回
路238に停止信号(High信号)が与えられ、そうでな
ければ許可信号(Law 信号)が与えられる。
【0076】一方、図11に示したように装置本体72
には、姿勢検出センサー126が設置されており、その
信号に基いて装置本体72の姿勢が姿勢保護検出部23
6によって検出されている。もし、検出された姿勢が不
適切の場合、例えば、装置本体62の天地が逆になって
いるような場合には、姿勢保護検出部236からOR回
路238に停止信号(High信号)が与えられ、そうでな
ければ許可信号(Law信号)が与えられる。
【0077】OR回路238は、過熱保護検出部232
と姿勢保護検出部236の両方から許可信号(Law 信
号)が与えられているときには、駆動部204に許可信
号(例えばHigh信号)を与え、駆動部204に対してヒ
ータ18への電圧供給を許可する。一方、過熱保護検出
部232と姿勢保護検出部236のうち少なくともいず
れか一方から停止信号(High信号)が与えられていると
きには、駆動部204に停止信号(例えば、Law 信号)
を与え、駆動部204に対してヒータ18への電圧供給
を停止させる。この場合、駆動部204は、各2次電源
部206、208、210から電圧が供給されていると
きでもヒータ18への電圧供給を停止する。なお、過熱
保護検出部232と姿勢保護検出部236のうち少なく
ともいずれか一方から停止信号(High信号)が出力され
ているときには、所定の警告ランプが点灯するようにし
てもよい。
【0078】図15は、図14のブロック図の各部の構
成を具体的に示した回路図である。同図において各2次
電源部206、208、210の基本的な構成は等し
く、まず、初段2次電源部206の各回路部品と同一作
用を有する2段2次電源部208及び3段2次電源部2
10の各回路部品を適宜括弧書きにして初段2次電源部
206の具体的構成について説明する。
【0079】初段2次電源部206には、上述のように
ヒータ18にパルス電圧を供給するための充電用のコン
デンサC1(C2、C3)が含まれ、そのコンデンサC
1(C2、C3)は、ダイオードD1(2段2次電源部
208はダイオードD1及びD2、3段2次電源部21
0はダイオードD1、D2及びD3)及び抵抗R1(R
2、R3)を介してDC/DCコンバータ回路216に
接続される。したがって、電源スイッチSW1をオンす
ると、電池122から電源スイッチSW1及びDC/D
Cコンバータ回路216を介して出力された電流がコン
デンサC1(C2、C3)に流れ込み、コンデンサC1
(C2、C3)に電荷が蓄積される。
【0080】また、コンデンサC1(C2、C3)の正
極側は、サイリスタThy 1(Thy 2、Thy 3)を介して
駆動部204のトランジスタ(NPNトランジスタ)Tr
に接続される。サイリスタThy 1のゲートは、ロータリ
ースイッチSRにおける連発動作選択時の接点端子に接
続されており、ロータリースイッチSRが連発に選択さ
れている場合にメインスイッチSW2がオンされると、
起動信号(High信号)がサイリスタThy 1のゲートに印
加される。これによって、サイリスタThy 1がオンさ
れ、コンデンサC1に蓄積された電荷が駆動部204に
放電される。なお、3段2次電源部210のサイリスタ
Thy 3のゲートは、ロータリースイッチSRにおける単
発動作選択時の接点端子に接続されており、ロータリー
スイッチSRが単発に選択されている場合にメインスイ
ッチSW2がオンされると、起動信号(High信号)がサ
イリスタThy 3のゲートに印加される。これによってサ
イリスタThy 3がオンされ、コンデンサC3に蓄積され
た電荷が駆動部204に放電される。
【0081】また、コンデンサC1(C2、C3)の正
極側には、コンパレータOP1A(OP2A、OP3
A)の一方の入力端子が接続される。コンパレータOP
1A(OP2A、OP3A)の他方の入力端子には、ツ
ェナダイオードZD1A(ZD2A、ZD3A)が接続
されて所定の基準電圧(充電完了となる電圧)が与えら
れる。これによって、コンデンサC1(C2、C3)の
充電電圧がその基準電圧に達すると、コンパレータOP
1A(OP2A、OP3A)の出力端子からHigh電圧が
出力され、LED218(220、222)に電流が供
給されてLED218(220、222)が点灯する。
【0082】また、コンデンサC1(C2)の正極側に
は、コンパレータOP1B(OP2B)の一方の入力端
子が接続される。コンパレータOP1B(OP2B)の
他方の入力端子には、ツェナダイオードZD1B(ZD
2B)が接続されて所定の基準電圧(次段の2次電源部
の放電を開始するための前段のコンデンサの充電電圧レ
ベル)が与えられる。コンパレータOP1B(OP2
B)の出力端子は、2段2次電源部208のサイリスタ
Thy 2(3段2次電源部210のサイリスタThy3)の
ゲートに接続される。これによって、コンデンサC1
(C2)の充電電圧がその基準電圧より小さくなると、
コンパレータOP1B(OP2B)の出力端子からサイ
リスタThy 2(Thy 3)にHigh電圧が出力され、サイリ
スタThy 2(Thy 3)がオンされる。従って、ロータリ
ースイッチSRが連発に選択された状態でメインスイッ
チSW2がオンされた場合において初段2次電源部20
6のコンデンサC1から放電が開始されたときには、順
次、2段2次電源部208のコンデンサC2、3段2次
電源部210のコンデンサC3から放電が開始される。
【0083】次に、駆動部204の構成について説明す
ると、同図に示すように駆動部204は、トランジスタ
(NPNトランジスタ)Trを備え、そのコレクターエミ
ッタ間で各2次電源部206、208、210の各コン
デンサC1、C2、C3とヒータ18間を接続する。ト
ランジスタTrのオン/オフは、ベースに接続されるOR
回路238によって切り替えられる。OR回路238
は、上述のように過熱保護温度検出部232と姿勢保護
検出部236のいずれからも停止信号が与えられていな
い場合には、トランジスタTrのベースにHigh信号を出力
し、トランジスタTrをオンにする。従って、この場合に
は、2次電源部206、208、210の各コンデンサ
C1、C2、C3から放電されたパルス電流がヒータ1
8に供給される。一方、過熱保護温度検出部232と姿
勢保護検出部236のうち少なくともいずれか一方から
停止信号が与えられている場合には、トランジスタTrの
ベースにLaw 信号を出力し、トランジスタTrをオフにす
る。従って、この場合には、2次電源部206、20
8、210の各コンデンサC1、C2、C3の蓄積電荷
が放電されてもヒータ18に電流は供給されない。
【0084】図15は、駆動ユニット124における動
作手順を示したフローチャートである。まず、ユーザが
電源スイッチSW1をオンすると(ステップS10
0)、各2次電源部206、208、210のコンデン
サC1〜C3の充電が開始される(ステップS102、
104、106)。充電が完了すると、各2次電源部2
06、208、210に対応して配設されたLED21
8、220、222が点灯する(ステップS108、1
10、112)。
【0085】次に、ユーザは、ロータリースイッチSR
を単発、又は、連発に設定する(ステップS114)。
なお、ユーザは動作オフを選択することもできるが、こ
の場合の動作手順については省略する。まず、連発に設
定した場合(ステップS116)、メインスイッチSW
2をオンすると(ステップS118)、動作姿勢が正常
か否かが検出され(ステップS120)、正常でない場
合には、気液相アクチュエータ60の動作が停止される
(ステップS134)。すなわち、駆動部204のトラ
ンジスタTrがオフされ、ヒータ18への電流の供給が禁
止される。そして、この場合、電源スイッチSW1の再
投入によってステップS100からの処理に戻る。
【0086】一方、ステップS120において正常と判
断された場合には連発で気液相アクチュエータ60が動
作する(ステップS122)。すなわち、各2次電源部
206、208、210から順次パルス電圧がヒータ1
8に供給される。そして、次に、気液相アクチュエータ
60のベローズ12の内部温度が正常か否かが検出され
(ステップS124)、正常でない場合には、上述と同
様に気液相アクチュエータ60の動作が停止される(ス
テップS134)。正常であれば、上記ステップS10
2、104、106からの動作手順が繰り返し実行され
る。
【0087】ステップS114のロータリースイッチS
Rの設定においてユーザが単発に設定した場合(ステッ
プS126)、次いで、ユーザがメインスイッチSW2
をオンすると(ステップS128)、動作姿勢が正常か
否かが検出され(ステップS130)、正常でない場合
には、気液相アクチュエータ60の動作が停止される
(ステップS134)。そして、この場合、上述のよう
に電源スイッチSW1の再投入によってステップS10
0からの処理に戻る。一方、正常の場合には単発で気液
相アクチュエータ60が動作する(ステップS13
2)。すなわち、3段2次電源部210からのみパルス
電圧がヒータ18に供給される。そして、気液相アクチ
ュエータ60のベローズ12の内部温度が正常か否かが
検出され(ステップS124)、正常でない場合には、
上述と同様に気液相アクチュエータ60の動作が停止さ
れる(ステップS134)。正常であれば、上記ステッ
プS102、104、106からの動作手順が繰り返し
実行される。
【0088】以上、上記実施の形態では、気液相アクチ
ュエータ60のヒ−タ18に印加するパルス電圧のパル
ス幅や電圧値は特に変更できるようにしなかったが、パ
ルス幅や電圧値を調整することによって、ベロ−ズ12
の伸び量や推力(打撃力)を調整することができるた
め、ヒ−タ18に印加するパルス電圧のパルス幅や電圧
値をユ−ザ等が適宜調整する調整手段を設けるようにし
てもよい。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る流体圧
駆動装置によれば、発熱手段を、ベローズの軸方向に平
行でベローズの中心軸に対して上方位置に取り付けたの
で、発熱手段により核沸騰域で気化された流体は、還流
や反射などの過程を経ずに、ベローズの伸縮部位に迅速
に供給される。これにより、本発明は、小型で少ない流
体の容積でありながら、流体を短時間で多量に気化させ
て高い駆動力を得ることができる。
【0090】また、本発明によれば、ベローズに取り付
けられた温度測定手段と発熱手段との間に隔壁を設けた
ので、発熱手段の幅射熱が温度測定手段に悪影響を及ぼ
すのを防止できる。
【0091】更に、本発明によれば、隔壁の発熱手段側
の面に、該発熱手段からの輻射熱を発熱手段側に反射す
る熱反射膜を形成したので、輻射熱の影響を更に軽減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の気液相アクチュエ
ータの断面図
【図2】図1に示した気液相アクチュエータの組立斜視
【図3】図1に示した気液相アクチュエータの全体斜視
【図4】図1に示した気液相アクチュエータの要部断面
【図5】ヒータの位置と推力との関係を示す図
【図6】本発明の第2の実施の形態の気液相アクチュエ
ータの組立斜視図
【図7】図6に示した気液相アクチュエータの一部破断
部を含む全体斜視図
【図8】図6に示した気液相アクチュエータの要部断面
【図9】図6に示した気液相アクチュエータの変形例を
示す要部断面図
【図10】図9に示した気液相アクチュエータの変形例
を示す要部断面図
【図11】気液相アクチュエータを適用した結石等破砕
装置の構造図
【図12】洗浄ブラシの構造図
【図13】ロ−タリースイッチノブの説明図
【図14】駆動ユニットの構成を示したブロック図
【図15】駆動ユニットの具体的構成を示した回路図
【図16】駆動ユニットの動作手順を示したフロ−チャ
−ト
【図17】従来の流体圧駆動装置の断面図
【図18】図17に示した流体圧駆動装置の組立斜視図
【図19】ヒータシュラウドが適用された従来の流体圧
駆動装置の断面図
【図20】ヒータに対する供給電圧とベローズの変位と
の関係を示す図
【図21】従来の流体圧駆動装置の断面図
【符号の説明】
10、60…流体圧駆動装置、気液相アクチュエータ、
12…ベローズ、16…作動流体、18…ヒータ、52
…サーミスタ、62、66…隔壁、70…結石等破砕装

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮可能なベローズと、該ベローズに充
    填された気液相変化流体と、該ベローズ内に取り付けら
    れ、前記流体を気化させる熱量を発生してベローズ内の
    圧力を高めることによりベローズを伸張動作させる発熱
    手段とを備えた流体圧駆動装置において、 前記発熱手段は、前記ベローズの軸方向に平行でベロー
    ズの中心軸に対して上方位置に取り付けられていること
    を特徴とする流体圧駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記ベローズには、前記流体の温度を測
    定する温度測定手段が設けられるとともに、該温度測定
    手段と前記発熱手段との間には隔壁が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の流体圧駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記隔壁の前記発熱手段側の面には、該
    発熱手段からの熱を発熱手段側に反射する熱反射膜が形
    成されていることを特徴とする請求項2に記載の流体圧
    駆動装置。
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