JP2003033739A - 微生物による表面汚染の洗浄方法 - Google Patents
微生物による表面汚染の洗浄方法Info
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- JP2003033739A JP2003033739A JP2001222563A JP2001222563A JP2003033739A JP 2003033739 A JP2003033739 A JP 2003033739A JP 2001222563 A JP2001222563 A JP 2001222563A JP 2001222563 A JP2001222563 A JP 2001222563A JP 2003033739 A JP2003033739 A JP 2003033739A
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- pseudomonas
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 容易かつ確実な表面汚染の洗浄方法及び表面
汚染用洗浄剤を提供する。 【解決手段】 汚染物質を分解する酵素を産生する微生
物を、洗浄対象に作用させることを特徴とする表面汚染
の洗浄方法。
汚染用洗浄剤を提供する。 【解決手段】 汚染物質を分解する酵素を産生する微生
物を、洗浄対象に作用させることを特徴とする表面汚染
の洗浄方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染物質に汚染さ
れた表面を洗浄する方法、及び表面汚染用洗浄剤に関す
る。
れた表面を洗浄する方法、及び表面汚染用洗浄剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、難水溶性のハロゲン化芳香族化合
物、多環芳香族化合物、有機窒素化合物、有機硫黄化合
物及び石油類等の汚染物質による環境汚染の被害が多く
なっている。このような汚染物質は、従来から問題とな
っていた除草剤、殺虫剤、殺菌剤などの農薬の他、近年
問題となってきた焼却炉等やディーゼル車から排出され
る物質中に含まれ、農作物や牧草若しくは樹木等の植物
体、家畜等の動物体、又は土壌等の鉱物体の表面を汚染
するが、従来の水洗いや界面活性剤を用いた洗浄方法で
は、十分に除去できない。また、強力な界面活性剤や有
機溶剤を用いた場合には、洗浄対象を損ねたり、用いた
洗浄剤自体が環境汚染の原因になる虞がある。
物、多環芳香族化合物、有機窒素化合物、有機硫黄化合
物及び石油類等の汚染物質による環境汚染の被害が多く
なっている。このような汚染物質は、従来から問題とな
っていた除草剤、殺虫剤、殺菌剤などの農薬の他、近年
問題となってきた焼却炉等やディーゼル車から排出され
る物質中に含まれ、農作物や牧草若しくは樹木等の植物
体、家畜等の動物体、又は土壌等の鉱物体の表面を汚染
するが、従来の水洗いや界面活性剤を用いた洗浄方法で
は、十分に除去できない。また、強力な界面活性剤や有
機溶剤を用いた場合には、洗浄対象を損ねたり、用いた
洗浄剤自体が環境汚染の原因になる虞がある。
【0003】緑黄食野菜や果実等の農作物や牧草、樹木
等の植物表面は、親油性物質(クチクラワックス)に覆
われており、汚染物質をトラップし易く深刻な問題であ
る。特に緑黄色野菜を中心とした食品表面に対する汚染
は、その食品を摂取することで汚染物質が体内に蓄積さ
れ、発癌性や内臓疾患、ホルモン異常、喘息やアトピー
といった各種アレルギー等の症状が誘発される危険性が
ある。
等の植物表面は、親油性物質(クチクラワックス)に覆
われており、汚染物質をトラップし易く深刻な問題であ
る。特に緑黄色野菜を中心とした食品表面に対する汚染
は、その食品を摂取することで汚染物質が体内に蓄積さ
れ、発癌性や内臓疾患、ホルモン異常、喘息やアトピー
といった各種アレルギー等の症状が誘発される危険性が
ある。
【0004】このような問題を解決するために、オゾン
酸化による汚染物質の分解方法や光触媒による方法(特
開2000-287544)等が検討されているが、コスト、安全
性などの点で、現在のところ実用化には至っていない。
そこで、汚染された表面の洗浄方法に関して、上記の問
題点を解決するような実用化可能な手段が望まれてい
た。
酸化による汚染物質の分解方法や光触媒による方法(特
開2000-287544)等が検討されているが、コスト、安全
性などの点で、現在のところ実用化には至っていない。
そこで、汚染された表面の洗浄方法に関して、上記の問
題点を解決するような実用化可能な手段が望まれてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易かつ確
実な表面汚染の洗浄方法及び表面汚染用洗浄剤を提供す
ることを目的とする。
実な表面汚染の洗浄方法及び表面汚染用洗浄剤を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、汚染物質を分解する酵
素を産生する微生物を用いることにより表面汚染を効率
良く洗浄できる知見を得て、本発明を完成するに至っ
た。
を解決すべく鋭意検討した結果、汚染物質を分解する酵
素を産生する微生物を用いることにより表面汚染を効率
良く洗浄できる知見を得て、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、汚染物質を分解する
酵素を産生する微生物を洗浄対象に作用させることを特
徴とする表面汚染の洗浄方法である。該表面汚染の洗浄
方法において、該微生物がさらにバイオサーファクタン
トを産生してもよい。さらに、該方法において、該微生
物と共に、バイオサーファクタントを産生する他の微生
物を作用させうる。さらに、該微生物及び他の微生物と
共にバイオサーファクタント及び/又は界面活性剤を作
用させてもよい。ここで、上記汚染物質は、ハロゲン化
芳香族化合物、多環芳香族化合物、有機窒素化合物、有
機硫黄化合物又は石油類でありうる。使用しうる微生物
としては、アシネトバクター属、アクチノプラーネス
属、アエロモナス属、アグロバクテリウム属、アルカリ
ゲネス属、アルスロバクター属、アゾアルカス属、バチ
ルス属、ブルクホルデリア属、クロストリジウム属、エ
ンテロバクター属、ユーバクテリウム属、フラテウリア
属、ハロフェラックス属、クレブシエラ属、メチロシナ
ス属、マイコバクテリウム属、ネプツノモナス属、ノカ
ルジア属、ペニバチルス属、パントエア属、シュードモ
ナス属、ラルストニア属、リゾビウム属、ロドコッカス
属、セルペン属、スフィンゴモナス属、ステノトロフォ
マス属、テラバクター属、ツカムレラ属、ビブリオ属、
若しくはズーグロエア属に属する微生物、又はこれらの
変異株である。特にシュードモナス属に属する微生物、
例えばシュードモナス・エスピーCA10株が好ましい。上
記洗浄対象は、動物体、植物体又は鉱物体の表面であり
うる。
酵素を産生する微生物を洗浄対象に作用させることを特
徴とする表面汚染の洗浄方法である。該表面汚染の洗浄
方法において、該微生物がさらにバイオサーファクタン
トを産生してもよい。さらに、該方法において、該微生
物と共に、バイオサーファクタントを産生する他の微生
物を作用させうる。さらに、該微生物及び他の微生物と
共にバイオサーファクタント及び/又は界面活性剤を作
用させてもよい。ここで、上記汚染物質は、ハロゲン化
芳香族化合物、多環芳香族化合物、有機窒素化合物、有
機硫黄化合物又は石油類でありうる。使用しうる微生物
としては、アシネトバクター属、アクチノプラーネス
属、アエロモナス属、アグロバクテリウム属、アルカリ
ゲネス属、アルスロバクター属、アゾアルカス属、バチ
ルス属、ブルクホルデリア属、クロストリジウム属、エ
ンテロバクター属、ユーバクテリウム属、フラテウリア
属、ハロフェラックス属、クレブシエラ属、メチロシナ
ス属、マイコバクテリウム属、ネプツノモナス属、ノカ
ルジア属、ペニバチルス属、パントエア属、シュードモ
ナス属、ラルストニア属、リゾビウム属、ロドコッカス
属、セルペン属、スフィンゴモナス属、ステノトロフォ
マス属、テラバクター属、ツカムレラ属、ビブリオ属、
若しくはズーグロエア属に属する微生物、又はこれらの
変異株である。特にシュードモナス属に属する微生物、
例えばシュードモナス・エスピーCA10株が好ましい。上
記洗浄対象は、動物体、植物体又は鉱物体の表面であり
うる。
【0008】さらに、本発明は、汚染物質を分解する酵
素を産生する微生物を含むことを特徴とする表面汚染用
洗浄剤である。該表面汚染用洗浄剤において、上記微生
物がさらにバイオサーファクタントを産生してもよい。
また該洗浄剤は、バイオサーファクタントを産生する他
の微生物をさらに含んでもよい。さらに、該洗浄剤はバ
イオサーファクタント及び/又は界面活性剤を含んでも
よい。
素を産生する微生物を含むことを特徴とする表面汚染用
洗浄剤である。該表面汚染用洗浄剤において、上記微生
物がさらにバイオサーファクタントを産生してもよい。
また該洗浄剤は、バイオサーファクタントを産生する他
の微生物をさらに含んでもよい。さらに、該洗浄剤はバ
イオサーファクタント及び/又は界面活性剤を含んでも
よい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る表面汚染の洗浄方
法、及び表面汚染用洗浄剤を以下に詳細に説明する。
法、及び表面汚染用洗浄剤を以下に詳細に説明する。
【0010】本発明に係る表面汚染用洗浄剤(以下、本
洗浄剤とよぶ。)は、汚染物質を分解する酵素を産生す
る微生物を含有している。汚染物質とは、様々なものが
挙げられるが、本発明においては難水溶性の汚染物質を
意味し、例えば、限定するものではないが、ハロゲン化
芳香族化合物、例えばダイオキシン類(TCDDなどの
PCDDs、PCDFs、コプラナーPCB等)及びP
CB類等;多環芳香族化合物(キシレン、フェナントレ
ン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ビフェニ
ル、ベンツピレン等);有機窒素化合物(カルバゾール
等);有機硫黄化合物(ジベンゾチオフェン等);石油
類(原油、重油、機械油・潤滑油類等);農薬(殺虫
剤、殺菌剤、除草剤等)等が挙げられる。「汚染物質を
分解する」とは、汚染物質を可溶化させること、特に難
水溶性の物質に親水性を付与するような官能基を導入す
ることを意味する。また、汚染物質を環境及び動物等に
対し安全な物質に変換できることが好ましい。
洗浄剤とよぶ。)は、汚染物質を分解する酵素を産生す
る微生物を含有している。汚染物質とは、様々なものが
挙げられるが、本発明においては難水溶性の汚染物質を
意味し、例えば、限定するものではないが、ハロゲン化
芳香族化合物、例えばダイオキシン類(TCDDなどの
PCDDs、PCDFs、コプラナーPCB等)及びP
CB類等;多環芳香族化合物(キシレン、フェナントレ
ン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ビフェニ
ル、ベンツピレン等);有機窒素化合物(カルバゾール
等);有機硫黄化合物(ジベンゾチオフェン等);石油
類(原油、重油、機械油・潤滑油類等);農薬(殺虫
剤、殺菌剤、除草剤等)等が挙げられる。「汚染物質を
分解する」とは、汚染物質を可溶化させること、特に難
水溶性の物質に親水性を付与するような官能基を導入す
ることを意味する。また、汚染物質を環境及び動物等に
対し安全な物質に変換できることが好ましい。
【0011】上記汚染物質を分解する酵素(以下、汚染
物質分解酵素とよぶ。)を産生する微生物は、汚染物質
分解酵素を産生する能力を有するものであれば特に限定
されるものではなく、例えば、アシネトバクター属、ア
クチノプラーネス属、アエロモナス属、アグロバクテリ
ウム属、アルカリゲネス属、アルスロバクター属、アゾ
アルカス(Azoarcus)属、バチルス属、ブルクホルデリア
属、クロストリジウム属、エンテロバクター属、ユーバ
クテリウム属、フラテウリア(Frateuria)属、ハロフェ
ラックス(Haloferax)属、クレブシエラ属、メチロシナ
ス(Methylosinus)属、マイコバクテリウム属、ネプツノ
モナス(Neptunomonas)属、ノカルジア属、ペニバチルス
属、パントエア属、シュードモナス属、ラルストニア(R
alstonia)属、リゾビウム属、ロドコッカス属、セルペ
ン(Serpens)属、スフィンゴモナス属、ステノトロフォ
マス属、テラバクター属、ツカムレラ(Tsukamurella)
属、ビブリオ属、ズーグロエア(Zoogloea)属に属する微
生物が挙げられる。具体的な菌株としては、例えば、ア
シネトバクター属に属する微生物としてAcinetobacterc
alcoaceticus ATCC 23055等、アクチノプラーネス属に
属する微生物としてActinoplanes sp. ATCC 53878等、
アエロモナス属に属する微生物としてAeromonas sp. AT
CC 55641等、アグロバクテリウム属に属する微生物とし
てAgrobacterium sp.等、アルカリゲネス属に属する微
生物としてAlcaligenes faecalis ATCC 49677等、アル
スロバクター属に属する微生物としてArthrobacter par
affineus ATCC21167等、アゾアルカス属に属する微生物
としてAzoarcus toluclasticus ATCC700605等、バチル
ス属に属する微生物としてBacillus benzoevorans ATCC
49005等、ブルクホルデリア属に属する微生物としてBu
rkholderia cepacia DB01等、クロストリジウム属に属
する微生物としてClostridium methoxybenzovorans ATC
C 700855等、コリネバクテリウム属に属する微生物とし
てCorynebacterium sp.ATCC 15529等、エンテロバクタ
ー属に属する微生物としてEnterobacter sp.等、ユーバ
クテリウム属に属する微生物としてEubacterium callan
deri ATCC 49165等、フラテウリア属に属する微生物と
してFrateuria sp.等、ハロフェラックス属に属する微
生物としてHaloferax sp. ATCC 51408等、クレブシエラ
属に属する微生物としてKlebsiella pneumoniae ATCC 2
5305等、メチロシナス属に属する微生物としてMethylos
inus trichosporium ATCC 35070等、マイコバクテリア
属に属する微生物としてMycobacterium sp. ATCC 29677
等、ネプツノモナス属に属する微生物としてNeptunomon
as naphthovorans ATCC 700637等、ノカルジア属に属す
る微生物としてNocardia canicruria ATCC 17896等、ペ
ニバチルス属に属する微生物としてPaenibacillus gord
onae ATCC 29948等、パントエア属に属する微生物とし
てPantoea sp.等、シュードモナス属に属する微生物と
してPseudomonas sp. CA10 FERMP-16038等、ラルストニ
ア属に属する微生物としてRalstonia eutropha ATCC 17
697等、リゾビウム属に属する微生物としてRhizobium r
hizogenes ATCC 15834等、ロドコッカス属に属する微生
物としてRhodococcus rhodochrous ATCC 17895等、セル
ペン属に属する微生物としてSerpens flexibilis ATCC
29606等、スフィンゴモナス属に属する微生物としてSph
ingomonas aromaticivorans ATCC 700278等、ステノト
ロフォマス属に属する微生物としてStenotrophomassp.
等、テラバクター属に属する微生物としてTerrabacter
sp.等、ツカムレラ属に属する微生物としてTsukamurell
a paurometabola ATCC 15530等、ビブリオ属に属する微
生物としてVibrio cyclitrophicus ATCC 700982等、ズ
ーグロエア属に属する微生物としてZoogloea sp. ATCC
55649等が挙げられる。以上の菌株の他、これらの菌株
の変異株も使用することができる。変異株とは、遺伝子
工学的手法により変異が導入された菌株、又は自然に突
然変異した菌株であって、汚染物質分解酵素を産生する
能力を維持しているものを指す。特にシュードモナス属
に属する微生物、例えばシュードモナス・エスピーCA10
株(寄託番号FERMP-16038)が好ましい。
物質分解酵素とよぶ。)を産生する微生物は、汚染物質
分解酵素を産生する能力を有するものであれば特に限定
されるものではなく、例えば、アシネトバクター属、ア
クチノプラーネス属、アエロモナス属、アグロバクテリ
ウム属、アルカリゲネス属、アルスロバクター属、アゾ
アルカス(Azoarcus)属、バチルス属、ブルクホルデリア
属、クロストリジウム属、エンテロバクター属、ユーバ
クテリウム属、フラテウリア(Frateuria)属、ハロフェ
ラックス(Haloferax)属、クレブシエラ属、メチロシナ
ス(Methylosinus)属、マイコバクテリウム属、ネプツノ
モナス(Neptunomonas)属、ノカルジア属、ペニバチルス
属、パントエア属、シュードモナス属、ラルストニア(R
alstonia)属、リゾビウム属、ロドコッカス属、セルペ
ン(Serpens)属、スフィンゴモナス属、ステノトロフォ
マス属、テラバクター属、ツカムレラ(Tsukamurella)
属、ビブリオ属、ズーグロエア(Zoogloea)属に属する微
生物が挙げられる。具体的な菌株としては、例えば、ア
シネトバクター属に属する微生物としてAcinetobacterc
alcoaceticus ATCC 23055等、アクチノプラーネス属に
属する微生物としてActinoplanes sp. ATCC 53878等、
アエロモナス属に属する微生物としてAeromonas sp. AT
CC 55641等、アグロバクテリウム属に属する微生物とし
てAgrobacterium sp.等、アルカリゲネス属に属する微
生物としてAlcaligenes faecalis ATCC 49677等、アル
スロバクター属に属する微生物としてArthrobacter par
affineus ATCC21167等、アゾアルカス属に属する微生物
としてAzoarcus toluclasticus ATCC700605等、バチル
ス属に属する微生物としてBacillus benzoevorans ATCC
49005等、ブルクホルデリア属に属する微生物としてBu
rkholderia cepacia DB01等、クロストリジウム属に属
する微生物としてClostridium methoxybenzovorans ATC
C 700855等、コリネバクテリウム属に属する微生物とし
てCorynebacterium sp.ATCC 15529等、エンテロバクタ
ー属に属する微生物としてEnterobacter sp.等、ユーバ
クテリウム属に属する微生物としてEubacterium callan
deri ATCC 49165等、フラテウリア属に属する微生物と
してFrateuria sp.等、ハロフェラックス属に属する微
生物としてHaloferax sp. ATCC 51408等、クレブシエラ
属に属する微生物としてKlebsiella pneumoniae ATCC 2
5305等、メチロシナス属に属する微生物としてMethylos
inus trichosporium ATCC 35070等、マイコバクテリア
属に属する微生物としてMycobacterium sp. ATCC 29677
等、ネプツノモナス属に属する微生物としてNeptunomon
as naphthovorans ATCC 700637等、ノカルジア属に属す
る微生物としてNocardia canicruria ATCC 17896等、ペ
ニバチルス属に属する微生物としてPaenibacillus gord
onae ATCC 29948等、パントエア属に属する微生物とし
てPantoea sp.等、シュードモナス属に属する微生物と
してPseudomonas sp. CA10 FERMP-16038等、ラルストニ
ア属に属する微生物としてRalstonia eutropha ATCC 17
697等、リゾビウム属に属する微生物としてRhizobium r
hizogenes ATCC 15834等、ロドコッカス属に属する微生
物としてRhodococcus rhodochrous ATCC 17895等、セル
ペン属に属する微生物としてSerpens flexibilis ATCC
29606等、スフィンゴモナス属に属する微生物としてSph
ingomonas aromaticivorans ATCC 700278等、ステノト
ロフォマス属に属する微生物としてStenotrophomassp.
等、テラバクター属に属する微生物としてTerrabacter
sp.等、ツカムレラ属に属する微生物としてTsukamurell
a paurometabola ATCC 15530等、ビブリオ属に属する微
生物としてVibrio cyclitrophicus ATCC 700982等、ズ
ーグロエア属に属する微生物としてZoogloea sp. ATCC
55649等が挙げられる。以上の菌株の他、これらの菌株
の変異株も使用することができる。変異株とは、遺伝子
工学的手法により変異が導入された菌株、又は自然に突
然変異した菌株であって、汚染物質分解酵素を産生する
能力を維持しているものを指す。特にシュードモナス属
に属する微生物、例えばシュードモナス・エスピーCA10
株(寄託番号FERMP-16038)が好ましい。
【0012】上記微生物が産生する汚染物質分解酵素
は、微生物によってその分類及び特性が異なるが、上記
汚染物質の分解に効果があればよい。
は、微生物によってその分類及び特性が異なるが、上記
汚染物質の分解に効果があればよい。
【0013】汚染物質分解酵素の特性としては、例えば
以下に示すものが挙げられる: (1)ダイオキシン類分解酵素 ・ジベンゾフラン 4,4a-ジオキシゲナーゼ(ダイオキシ
ンジオキシゲナーゼ)(Sphingomonas sp. RW1; Beunz,
P.V., J. Bacteriol., 175, 6467-6475 (1993)) ・カルバゾール 1,9a-ジオキシゲナーゼ(Pseudomonas
sp. CA10; Sato, S., J. Bacteriol., 179, 4850-4858
(1997)) ・リグニンペルオキシダーゼ(Phanerochaete chrysosp
orium; Hammel, K., J. Boil. Chem., 261, 16948-1695
2 (1986)) (2)PCBs分解酵素 ・ビフェニル 2,3-ジオキシゲナーゼ(Pseudomonas sp.
LB400; Erickson, B., J.Bacteriol., 174, 2903-2912
(1992)) ・ビフェニルジオキシゲナーゼ(Pseudomonas sp. stra
in KKS102; Fukuda, M., Biochem. Biophys. Res. Comm
un., 202, 850-856 (1994)) (3)多環芳香族炭化水素(PAHs)分解酵素 ・フェナントレンジオキシゲナーゼ(Burkholderia cep
acia DB01; Batie, C.J., J. Biol. Chem., 262, 1510-
1518(1987)) ・アントラセンジオキシゲナーゼ(Acinetobactor sp.
ADP1; Bundy, B.M., J. Bacteriol., 180, 4455-4474
(1998)) ・ピラゾンジオキシゲナーゼ(Pseudomonas sp.; Saube
r, K., Eur. J. Biochem., 74, 89-97 (1977)) ・カルバゾール 1,9a-ジオキシゲナーゼ(Pseudomonas
sp. CA10; Sato, S., J. Bacteriol., 179, 4850-4858
(1997)) ・ナフタレンジオキシゲナーゼ(Pseudomonas putida N
CBI 9816; Ensley, B.D., Methods Enzymol., 188, 46-
52 (1990))(Pseudomonas putida G7; Simon, M.J., G
ene, 127, 31-37 (1993)) ・ジベンゾチオフェン及びナフタレンジオキシゲナーゼ
(Pseudomonas sp. strain RP770; Laurie, S., J. Bac
teriol., 181, 531-540(1999)) ・PAHsジオキシゲナーゼ(Pseudomonas putida OUS85;
Takizawa, N., J. Bacteriol., 176, 2444-2449(199
4)) ・マンガンペルオキシダーゼ(Phanerochaete chrysosp
orium; Moen, M., Appl. Environ. Microbiol., 60,195
6-1961 (1994))
以下に示すものが挙げられる: (1)ダイオキシン類分解酵素 ・ジベンゾフラン 4,4a-ジオキシゲナーゼ(ダイオキシ
ンジオキシゲナーゼ)(Sphingomonas sp. RW1; Beunz,
P.V., J. Bacteriol., 175, 6467-6475 (1993)) ・カルバゾール 1,9a-ジオキシゲナーゼ(Pseudomonas
sp. CA10; Sato, S., J. Bacteriol., 179, 4850-4858
(1997)) ・リグニンペルオキシダーゼ(Phanerochaete chrysosp
orium; Hammel, K., J. Boil. Chem., 261, 16948-1695
2 (1986)) (2)PCBs分解酵素 ・ビフェニル 2,3-ジオキシゲナーゼ(Pseudomonas sp.
LB400; Erickson, B., J.Bacteriol., 174, 2903-2912
(1992)) ・ビフェニルジオキシゲナーゼ(Pseudomonas sp. stra
in KKS102; Fukuda, M., Biochem. Biophys. Res. Comm
un., 202, 850-856 (1994)) (3)多環芳香族炭化水素(PAHs)分解酵素 ・フェナントレンジオキシゲナーゼ(Burkholderia cep
acia DB01; Batie, C.J., J. Biol. Chem., 262, 1510-
1518(1987)) ・アントラセンジオキシゲナーゼ(Acinetobactor sp.
ADP1; Bundy, B.M., J. Bacteriol., 180, 4455-4474
(1998)) ・ピラゾンジオキシゲナーゼ(Pseudomonas sp.; Saube
r, K., Eur. J. Biochem., 74, 89-97 (1977)) ・カルバゾール 1,9a-ジオキシゲナーゼ(Pseudomonas
sp. CA10; Sato, S., J. Bacteriol., 179, 4850-4858
(1997)) ・ナフタレンジオキシゲナーゼ(Pseudomonas putida N
CBI 9816; Ensley, B.D., Methods Enzymol., 188, 46-
52 (1990))(Pseudomonas putida G7; Simon, M.J., G
ene, 127, 31-37 (1993)) ・ジベンゾチオフェン及びナフタレンジオキシゲナーゼ
(Pseudomonas sp. strain RP770; Laurie, S., J. Bac
teriol., 181, 531-540(1999)) ・PAHsジオキシゲナーゼ(Pseudomonas putida OUS85;
Takizawa, N., J. Bacteriol., 176, 2444-2449(199
4)) ・マンガンペルオキシダーゼ(Phanerochaete chrysosp
orium; Moen, M., Appl. Environ. Microbiol., 60,195
6-1961 (1994))
【0014】上記の汚染物質分解酵素を産生するように
微生物を培養する条件は、通常の培養条件を用いればよ
く、例えば、培地として、グルコース、デンプン、スク
ロース等の炭素源、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、
酵母エキス、ペプトン等の窒素源を含有し、好ましく
は、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウ
ム等の無機塩類や微量金属類、アミノ酸類、ビタミン類
等の微量成分を含有する培地を用いて、静置培養、振と
う培養、通気培養、通気撹拌培養等の各種培養条件を用
いて培養を行うことができる。ここで、培養の最適条件
に関しては、用いる微生物により異なるので、上記培地
及び培養方法は用いる微生物に適するものに適宜選択及
び調製され、また、温度、pH、培養期間等のその他の培
養条件も適宜選択されて培養が行われることが好まし
い。
微生物を培養する条件は、通常の培養条件を用いればよ
く、例えば、培地として、グルコース、デンプン、スク
ロース等の炭素源、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、
酵母エキス、ペプトン等の窒素源を含有し、好ましく
は、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウ
ム等の無機塩類や微量金属類、アミノ酸類、ビタミン類
等の微量成分を含有する培地を用いて、静置培養、振と
う培養、通気培養、通気撹拌培養等の各種培養条件を用
いて培養を行うことができる。ここで、培養の最適条件
に関しては、用いる微生物により異なるので、上記培地
及び培養方法は用いる微生物に適するものに適宜選択及
び調製され、また、温度、pH、培養期間等のその他の培
養条件も適宜選択されて培養が行われることが好まし
い。
【0015】例えば、本洗浄剤に好ましく用いられる、
シュードモナス属に属する微生物の1種であるシュード
モナス・エスピーCA10株を培養する場合には、好ましい
培地として、CFMM培地(1リットル当たりNa2HPO
4 2.2g、KH2PO4 0.8g、MgSO4・7H2
O 0.5g、FeSO4・7H2O 10mg、CaC
l2・2H2O 10mg、酵母抽出物 50mg)、N
FMM培地(1リットル当たりNa2HPO4 2.2
g、KH2PO4 0.8g、MgSO4・7H2O0.5
g、FeSO・7H2O 10mg、CaCl2・2H2
O 10mg)等が挙げられ、好ましい培養条件は、温
度10〜40℃、pH6〜8であり、培養期間はおよそ1〜3
日間程度である。また、これ以外の微生物を用いる場合
でも、上記シュードモナス・エスピーCA10株の場合と同
様に、培養しようとする微生物について好ましい培地及
び培養条件で培養を行えばよい。
シュードモナス属に属する微生物の1種であるシュード
モナス・エスピーCA10株を培養する場合には、好ましい
培地として、CFMM培地(1リットル当たりNa2HPO
4 2.2g、KH2PO4 0.8g、MgSO4・7H2
O 0.5g、FeSO4・7H2O 10mg、CaC
l2・2H2O 10mg、酵母抽出物 50mg)、N
FMM培地(1リットル当たりNa2HPO4 2.2
g、KH2PO4 0.8g、MgSO4・7H2O0.5
g、FeSO・7H2O 10mg、CaCl2・2H2
O 10mg)等が挙げられ、好ましい培養条件は、温
度10〜40℃、pH6〜8であり、培養期間はおよそ1〜3
日間程度である。また、これ以外の微生物を用いる場合
でも、上記シュードモナス・エスピーCA10株の場合と同
様に、培養しようとする微生物について好ましい培地及
び培養条件で培養を行えばよい。
【0016】本洗浄剤において、上記汚染物質分解酵素
を産生する微生物がさらにバイオサーファクタントを産
生してもよい。上に挙げた汚染物質分解酵素を産生する
能力を有する微生物の大部分はバイオサーファクタント
を産生する。例えばシュードモナス・エスピーCA10株
(寄託番号FEMP-16038)が挙げられるが、当業者であれ
ば汚染物質分解酵素及びバイオサーファクタントを産生
する微生物を容易に選択することができる。
を産生する微生物がさらにバイオサーファクタントを産
生してもよい。上に挙げた汚染物質分解酵素を産生する
能力を有する微生物の大部分はバイオサーファクタント
を産生する。例えばシュードモナス・エスピーCA10株
(寄託番号FEMP-16038)が挙げられるが、当業者であれ
ば汚染物質分解酵素及びバイオサーファクタントを産生
する微生物を容易に選択することができる。
【0017】上記微生物が産生するバイオサーファクタ
ントは、微生物や培養条件等によってその種類が異なる
が、汚染物質の洗浄に効果があればよい。具体的なバイ
オサーファクタントの例としては、以下に示すものが挙
げられる: ・アルスロバクター属に属する微生物が産生するトレハ
ロースリピッド等 ・シュードモナス属に属する微生物が産生するラムノリ
ピッド、ビスコシン、オルニチンリピッド、糖タンパ
ク、リポ多糖等 上記のバイオサーファクタントは例示であり、その他多
くのバイオサーファクタントが存在することは当技術分
野で周知である。
ントは、微生物や培養条件等によってその種類が異なる
が、汚染物質の洗浄に効果があればよい。具体的なバイ
オサーファクタントの例としては、以下に示すものが挙
げられる: ・アルスロバクター属に属する微生物が産生するトレハ
ロースリピッド等 ・シュードモナス属に属する微生物が産生するラムノリ
ピッド、ビスコシン、オルニチンリピッド、糖タンパ
ク、リポ多糖等 上記のバイオサーファクタントは例示であり、その他多
くのバイオサーファクタントが存在することは当技術分
野で周知である。
【0018】本洗浄剤は、上記汚染物質分解酵素を産生
する微生物を含むもの、又は、上記汚染物質分解酵素及
びバイオサーファクタントを産生する微生物を含むもの
に限定されず、上記汚染物質分解酵素を産生する微生物
とバイオサーファクタントを産生する微生物とを含むも
のであってもよい。バイオサーファクタントを産生する
微生物は、上述の微生物を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
する微生物を含むもの、又は、上記汚染物質分解酵素及
びバイオサーファクタントを産生する微生物を含むもの
に限定されず、上記汚染物質分解酵素を産生する微生物
とバイオサーファクタントを産生する微生物とを含むも
のであってもよい。バイオサーファクタントを産生する
微生物は、上述の微生物を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0019】すなわち、本洗浄剤は、少なくとも汚染物
質分解酵素を産生する1種の微生物を含有するが、当該
微生物が汚染物質分解酵素とバイオサーファクタントと
を産生するものであってもよいし、又は、当該微生物と
バイオサーファクタントを産生する微生物とを共に含有
してもよい。また、本洗浄剤はさらに複数の微生物を含
有してもよい。
質分解酵素を産生する1種の微生物を含有するが、当該
微生物が汚染物質分解酵素とバイオサーファクタントと
を産生するものであってもよいし、又は、当該微生物と
バイオサーファクタントを産生する微生物とを共に含有
してもよい。また、本洗浄剤はさらに複数の微生物を含
有してもよい。
【0020】さらに、本洗浄剤は、上記の微生物の他、
バイオサーファクタント及び/又は界面活性剤を含有し
てもよい。ここで、界面活性剤としては生分解性の高い
ものが好ましい。バイオサーファクタントの例としては
上述したようなものが挙げられる。また界面活性剤の例
としては、現在日本で認可されている食品用界面活性
剤、例えばグリセリン脂肪酸エステル(8種)、ショ糖脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、レシチン等、及び用途限定
認可食品用界面活性剤、例えばステアロイル乳酸カルシ
ウム(CLS)、オキシエチレン高級脂肪酸アルコール、
オレイン酸ナトリウム、モルホリン脂肪酸塩、ポリオキ
シエチレン高級脂肪酸アルコール等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。バイオサーファクタン
ト及び界面活性剤は、汚染物質の洗浄に効果があるよう
に適宜選択して使用しうる。
バイオサーファクタント及び/又は界面活性剤を含有し
てもよい。ここで、界面活性剤としては生分解性の高い
ものが好ましい。バイオサーファクタントの例としては
上述したようなものが挙げられる。また界面活性剤の例
としては、現在日本で認可されている食品用界面活性
剤、例えばグリセリン脂肪酸エステル(8種)、ショ糖脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、レシチン等、及び用途限定
認可食品用界面活性剤、例えばステアロイル乳酸カルシ
ウム(CLS)、オキシエチレン高級脂肪酸アルコール、
オレイン酸ナトリウム、モルホリン脂肪酸塩、ポリオキ
シエチレン高級脂肪酸アルコール等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。バイオサーファクタン
ト及び界面活性剤は、汚染物質の洗浄に効果があるよう
に適宜選択して使用しうる。
【0021】本洗浄剤は、上記微生物の培養液そのも
の、培養液をろ過、遠心分離若しくは抽出等の処理を行
ったもの、又は水等で希釈したものとして使用すること
ができる。また本洗浄剤は、用途、汚染物質による汚染
度、洗浄対象の種類等の条件を考慮して使用すればよ
く、特に制限されない。本洗浄剤中に含まれる微生物の
含有比率も、上記条件を考慮して決定すればよい。
の、培養液をろ過、遠心分離若しくは抽出等の処理を行
ったもの、又は水等で希釈したものとして使用すること
ができる。また本洗浄剤は、用途、汚染物質による汚染
度、洗浄対象の種類等の条件を考慮して使用すればよ
く、特に制限されない。本洗浄剤中に含まれる微生物の
含有比率も、上記条件を考慮して決定すればよい。
【0022】本洗浄剤は、散布、塗布、又は浸漬等によ
り、洗浄対象の表面に作用させることができる。洗浄対
象としては、緑黄食野菜や果実等の農作物、牧草、及び
樹木(特に交通量の多い道路周辺の街路樹等)といった
植物体が挙げられる。この他、家畜等の動物体、土壌等
の鉱物体であってもよい。廃棄物処理場並びに不法投棄
等により汚染物質に汚染された土壌・底質等、工場等汚
染物質を排出する施設に使用されているコンクリート等
の石材、樹脂、木材等もまた洗浄対象となる。作用させ
る本洗浄剤の量は、微生物の種類、培養条件等により異
なるが、汚染物質の汚染度、対象の種類等の条件を考慮
して望ましい洗浄効果が得られるように選択しうる。
り、洗浄対象の表面に作用させることができる。洗浄対
象としては、緑黄食野菜や果実等の農作物、牧草、及び
樹木(特に交通量の多い道路周辺の街路樹等)といった
植物体が挙げられる。この他、家畜等の動物体、土壌等
の鉱物体であってもよい。廃棄物処理場並びに不法投棄
等により汚染物質に汚染された土壌・底質等、工場等汚
染物質を排出する施設に使用されているコンクリート等
の石材、樹脂、木材等もまた洗浄対象となる。作用させ
る本洗浄剤の量は、微生物の種類、培養条件等により異
なるが、汚染物質の汚染度、対象の種類等の条件を考慮
して望ましい洗浄効果が得られるように選択しうる。
【0023】本洗浄剤を洗浄対象に作用させた後、洗浄
の効果が望まれる時間、例えば約1時間〜5日経過後
に、水等により本洗浄剤を洗い流す。汚染物質分解酵
素、バイオサーファクタント、界面活性剤、及びその他
の成分(培地など)は、自然に存在する微生物により生
分解されうる。微生物は、事前に動物試験等により安全
性を確認されたものを用いるが、より安全性を徹底する
ために使用前に殺菌処理を加えてもよい。
の効果が望まれる時間、例えば約1時間〜5日経過後
に、水等により本洗浄剤を洗い流す。汚染物質分解酵
素、バイオサーファクタント、界面活性剤、及びその他
の成分(培地など)は、自然に存在する微生物により生
分解されうる。微生物は、事前に動物試験等により安全
性を確認されたものを用いるが、より安全性を徹底する
ために使用前に殺菌処理を加えてもよい。
【0024】本発明は、微生物の産生する汚染物質分解
酵素が汚染物質に作用してそれを可溶化させ、好ましく
はさらに汚染物質を無害化させ、そして場合によっては
さらに該微生物及び/若しくは他の微生物の産生するバ
イオサーファクタント並びに/又は界面活性剤が汚染物
質を可溶化させることにより、汚染物質を洗浄するもの
である。
酵素が汚染物質に作用してそれを可溶化させ、好ましく
はさらに汚染物質を無害化させ、そして場合によっては
さらに該微生物及び/若しくは他の微生物の産生するバ
イオサーファクタント並びに/又は界面活性剤が汚染物
質を可溶化させることにより、汚染物質を洗浄するもの
である。
【0025】例えば、汚染物質がダイオキシンで、微生
物がシュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.) CA10
株(寄託番号FERMP-16038)である場合を例に用いて説
明する。シュードモナス・エスピー CA10株が産生する
汚染物質分解酵素(angular dioxygenase)によりダイ
オキシン骨格に水酸基が付与され、溶解度は100万倍以
上に向上し、物体表面に強固に汚染していたダイオキシ
ン類が可溶化される。また場合によりこの可溶化はバイ
オサーファクタントによってさらに促進される。シュー
ドモナス・エスピーCA10株を使用する場合には、バイオ
サーファクタントも当該菌株により産生される。したが
って、その後は、水洗等によってダイオキシン類を容易
に洗浄することができる。汚染物質分解酵素により水酸
基が導入されたダイオキシン類は、自然界に存在する通
常の微生物等により容易にCO2まで分解される。
物がシュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.) CA10
株(寄託番号FERMP-16038)である場合を例に用いて説
明する。シュードモナス・エスピー CA10株が産生する
汚染物質分解酵素(angular dioxygenase)によりダイ
オキシン骨格に水酸基が付与され、溶解度は100万倍以
上に向上し、物体表面に強固に汚染していたダイオキシ
ン類が可溶化される。また場合によりこの可溶化はバイ
オサーファクタントによってさらに促進される。シュー
ドモナス・エスピーCA10株を使用する場合には、バイオ
サーファクタントも当該菌株により産生される。したが
って、その後は、水洗等によってダイオキシン類を容易
に洗浄することができる。汚染物質分解酵素により水酸
基が導入されたダイオキシン類は、自然界に存在する通
常の微生物等により容易にCO2まで分解される。
【0026】本発明に係る表面汚染の洗浄方法及び表面
汚染用洗浄剤を利用することによって、水洗い等では洗
浄することのできない難溶性の汚染物質を容易かつ確実
に洗浄することができ、また、洗浄された汚染物質は、
自然に存在する微生物により容易に分解されうるよう
な、環境に対し安全な物質にまで無害化される。
汚染用洗浄剤を利用することによって、水洗い等では洗
浄することのできない難溶性の汚染物質を容易かつ確実
に洗浄することができ、また、洗浄された汚染物質は、
自然に存在する微生物により容易に分解されうるよう
な、環境に対し安全な物質にまで無害化される。
【0027】
【実施例】[実証例1:モデル汚染の洗浄]
(1)培養液の調製
培養液は、ダイオキシン類分解微生物であるシュードモ
ナス・エスピー CA10株(Pseudomonas sp.CA10;寄託番
号FERMP-16038)を、CFMM培地(1リットル当たり
Na2HPO4 2.2g、KH2PO4 0.8g、MgS
O4・7H2O0.5g、FeSO4・7H2O 10m
g、CaCl2・2H2O 10mg、酵母抽出物 50
mg)に炭素源としてカルバゾールを0.1%となるよ
うに添加した培地中で30℃にて2日間、振とう培養す
ることにより調製した。 (2)ダイオキシン汚染のモデルサンプルの調製 植物表面クチクラ層とほぼ同じ成分のパラフィン系展着
剤アビオンC((株)アビオンコーポレーション製)の1,
000倍希釈液に1,2,3,4−テトラクロロジベンゾダイオキ
シン(TCDD)10ngを加えたものを2ml、スライドガラス
(76mm×26mm、(株)井内盛栄堂製)上に滴下し、風乾
させ、それをダイオキシン汚染のクチクラ層のモデルサ
ンプルとした。 (3)洗浄試験 (1)で調製した培養液50mlに(2)のモデルサン
プルを浸漬し、25℃で9時間処理した。ダイオキシン
汚染モデルサンプルを取り出し、水ですすぎを行った
後、風乾した。ダイオキシン残存量は、アセトン/超音
波抽出でダイオキシンを抽出し、ガスクロマトグラム/
質量分析計を用いて測定した。結果を表1に示す。尚、
表1の残存率とは、培養液の代わりに水を用いて同様の
洗浄試験を実施した際のダイオキシン濃度を100%と
した場合の相対値である。
ナス・エスピー CA10株(Pseudomonas sp.CA10;寄託番
号FERMP-16038)を、CFMM培地(1リットル当たり
Na2HPO4 2.2g、KH2PO4 0.8g、MgS
O4・7H2O0.5g、FeSO4・7H2O 10m
g、CaCl2・2H2O 10mg、酵母抽出物 50
mg)に炭素源としてカルバゾールを0.1%となるよ
うに添加した培地中で30℃にて2日間、振とう培養す
ることにより調製した。 (2)ダイオキシン汚染のモデルサンプルの調製 植物表面クチクラ層とほぼ同じ成分のパラフィン系展着
剤アビオンC((株)アビオンコーポレーション製)の1,
000倍希釈液に1,2,3,4−テトラクロロジベンゾダイオキ
シン(TCDD)10ngを加えたものを2ml、スライドガラス
(76mm×26mm、(株)井内盛栄堂製)上に滴下し、風乾
させ、それをダイオキシン汚染のクチクラ層のモデルサ
ンプルとした。 (3)洗浄試験 (1)で調製した培養液50mlに(2)のモデルサン
プルを浸漬し、25℃で9時間処理した。ダイオキシン
汚染モデルサンプルを取り出し、水ですすぎを行った
後、風乾した。ダイオキシン残存量は、アセトン/超音
波抽出でダイオキシンを抽出し、ガスクロマトグラム/
質量分析計を用いて測定した。結果を表1に示す。尚、
表1の残存率とは、培養液の代わりに水を用いて同様の
洗浄試験を実施した際のダイオキシン濃度を100%と
した場合の相対値である。
【0028】
【表1】
【0029】[実施例2:ホウレンソウの洗浄]
(1)培養液の調製
実施例1と同様にして培養液を調製した。
(2)ダイオキシン汚染サンプルの調製
広島県福山市の農家より入手した根付きのホウレンソウ
6株(750g)/試料を用い、この葉面にTCDDを汚染濃度1,00
0pg/gになるように塗布した。 (3)洗浄試験 (1)で調製した培養液50ml/試料をダイオキシン汚染
ホウレンソウに満遍なく噴霧した以外は、実施例1と同
様に行った。その結果を表2に示す。
6株(750g)/試料を用い、この葉面にTCDDを汚染濃度1,00
0pg/gになるように塗布した。 (3)洗浄試験 (1)で調製した培養液50ml/試料をダイオキシン汚染
ホウレンソウに満遍なく噴霧した以外は、実施例1と同
様に行った。その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】[実施例3:土壌の洗浄]
(1)培養液の調製
実施例1と同様にして培養液を調製した。
(2)ダイオキシン汚染サンプルの調製
0.2mmメッシュ篩残画分の砂質土壌(20g)にTCD
D 10ng/mlを添加・混合してモデル汚染土壌を調
製した。 (3)洗浄試験 モデル汚染土壌5gと(1)で調製した洗浄液50ml
を丸底フラスコに入れ、25℃で9時間振とうさせるこ
とにより洗浄試験を実施し、その後篩分処理を行い、
0.2mmメッシュ篩残画分についてダイオキシン残存
量を測定した以外は、実施例1と同様に行った。結果を
表3に示す。
D 10ng/mlを添加・混合してモデル汚染土壌を調
製した。 (3)洗浄試験 モデル汚染土壌5gと(1)で調製した洗浄液50ml
を丸底フラスコに入れ、25℃で9時間振とうさせるこ
とにより洗浄試験を実施し、その後篩分処理を行い、
0.2mmメッシュ篩残画分についてダイオキシン残存
量を測定した以外は、実施例1と同様に行った。結果を
表3に示す。
【0032】
【表3】
上述の実施例1〜3により、シュードモナス・エスピー
CA10株を用いたダイオキシン汚染の洗浄効果が明らか
である。
CA10株を用いたダイオキシン汚染の洗浄効果が明らか
である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、容易かつ確実な表面汚
染の洗浄方法及び表面汚染用洗浄剤が提供される。
染の洗浄方法及び表面汚染用洗浄剤が提供される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C12N 1/20 C12N 1/20 F
//(C12N 1/20 C12R 1:38
C12R 1:38)
(72)発明者 白井 勝久
東京都中央区日本橋箱崎町10番2号 東和
科学株式会社内
(72)発明者 大森 俊雄
東京都品川区八潮5丁目10番35号
Fターム(参考) 3B116 AA46 BC00 CC01 CC05
4B065 AA41X AC20 CA27 CA56
4H003 DA17 DA20 EC01 FA47
Claims (6)
- 【請求項1】 汚染物質を分解する酵素を産生する微生
物を、洗浄対象に作用させることを特徴とする表面汚染
の洗浄方法。 - 【請求項2】 上記汚染物質が、ハロゲン化芳香族化合
物、多環芳香族化合物、有機窒素化合物、有機硫黄化合
物又は石油類である、請求項1に記載の表面汚染の洗浄
方法。 - 【請求項3】 上記微生物が、アシネトバクター属、ア
クチノプラーネス属、アエロモナス属、アグロバクテリ
ウム属、アルカリゲネス属、アルスロバクター属、アゾ
アルカス属、バチルス属、ブルクホルデリア属、クロス
トリジウム属、エンテロバクター属、ユーバクテリウム
属、フラテウリア属、ハロフェラックス属、クレブシエ
ラ属、メチロシナス属、マイコバクテリウム属、ネプツ
ノモナス属、ノカルジア属、ペニバチルス属、パントエ
ア属、シュードモナス属、ラルストニア属、リゾビウム
属、ロドコッカス属、セルペン属、スフィンゴモナス
属、ステノトロファマス属、テラバクター属、ツカムレ
ラ属、ビブリオ属、若しくはズーグロエア属に属する微
生物、又はそれらの変異株である、請求項1又は2記載
の表面汚染の洗浄方法。 - 【請求項4】 上記シュードモナス属に属する微生物が
シュードモナス・エスピーCA10株である、請求項3記載
の表面汚染の洗浄方法。 - 【請求項5】 上記洗浄対象が、動物体、植物体又は鉱
物体の表面である、請求項1〜4のいずれか1項に記載
の表面汚染の洗浄方法。 - 【請求項6】 汚染物質を分解する酵素を産生する微生
物を含むことを特徴とする表面汚染用洗浄剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222563A JP2003033739A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 微生物による表面汚染の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222563A JP2003033739A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 微生物による表面汚染の洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003033739A true JP2003033739A (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=19056026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001222563A Pending JP2003033739A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 微生物による表面汚染の洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003033739A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101505896B1 (ko) | 2012-04-30 | 2015-03-26 | 석암산업 주식회사 | 금속부재 세정 장치 및 방법 |
CN105861354A (zh) * | 2016-03-15 | 2016-08-17 | 天津科技大学 | 互花米草与微生物组联合修复石油污染潮间带沉积物的方法 |
CN108018225A (zh) * | 2016-11-03 | 2018-05-11 | 京畿大学校产学协力团 | 具有优异的杀藻活性的海洋微生物和使用该海洋微生物的赤潮消除方法 |
JP2020513776A (ja) * | 2017-01-10 | 2020-05-21 | コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトCovestro Deutschland Ag | 好塩性微生物を使用する高塩分環境からのアニリンの生分解 |
-
2001
- 2001-07-24 JP JP2001222563A patent/JP2003033739A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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